以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技盤の前面側に形成された遊技領域に遊技球を打込んで遊技が行なわれ、遊技において所定条件が成立したときに、遊技者にとって有利な状態に制御される遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、図1〜図4を用いて遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の主な構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の正面図である。図2は、遊技枠の前面を示す正面図である。また、図2には、遊技枠の前面のうち打球供給皿(上皿)3の部分を拡大した図も示されている。図3は、遊技盤6を正面から見たときの遊技盤6および発光装飾ユニット700の構成を示す図である。図4は、可動部材としての骸骨152の動作を示す説明図である。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の遊技者側を前面、前方、表、表面という語で示し、パチンコ遊技機1を挟んで遊技者と反対側を後面、後方、裏、裏面、奥、背面という語で示す。
図1〜図3を参照して、パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図15に示す遊技枠11)とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠11に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)とを含む構造体である。図2に示すように、ガラス扉枠2は、後述する遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る(少なくとも遊技領域7を視認可能)開口部としての円形透視窓200が開設され、当該円形透視窓の裏面から複層(2層)のガラス板201が装着される。
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3が設けられている。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技枠11の一部を構成するプラ枠(図15に示すプラ枠110)が設けられている。プラ枠は、機構板(後述する図5に示すような機構板140)を含み、その機構板に電源回路(図示せず)等の部品が取付けられている。また、プラ枠には遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、プラ枠に対して後面側から取付けられている。しかし、これに限らず、遊技盤6は、プラ枠に対して前面側から取付けられるようにしてもよい。プラ枠に対する遊技盤6の取付方法としては、ネジ止めによる取付方法と、プラ枠に回動式のレバー部材を設け当該レバー部材により遊技盤6をプラ枠とレバー部材との間に挟む態様で固定する取付方法とのどちらを用いてもよい。また、プラ枠には、遊技枠と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板(図15に示す中継基板607)が設けられている。また、プラ枠には、スピーカ27が取付けられている。
図3に示すように、遊技盤6は、遊技盤本体をなす板状部材600と、その板状部材600に取付けられた電気部品等の各種構造物を含む構造体である。具体的に、遊技盤6は、板状部材600、障害釘630、特別可変入賞球装置20、第1始動入賞口13、入賞口29,30,33,39、変動表示装置9、可変入賞球装置15、および、発光装飾ユニット700(内部ランプとしてのLED610a〜610j等が設けられた構造体、図13参照)を含む構造物である。このような遊技盤6は、遊技枠11に対して着脱可能な構造物として設けられている。
遊技盤6の板状部材600は、透光性を有する透明(無色透明)のアクリル板により構成されている。遊技盤6の板状部材600の前面には、図2に示すように、遊技球の軌道を変えるための障害釘630が多数植設されている。遊技盤6の後面側には、発光体よりなる装飾ランプとしての内部ランプが所定個数設けられている。この実施の形態では、内部ランプとして10個のLED610a〜610jが設けられている。内部ランプには、異なる大きさの発光体が含まれている。具体的に、LED610a,610c,610e,610g,610iの方が、LED610b,610d,610f,610h,610jよりもサイズが大きい)。LED610a〜610jは、所定の色(白色)で、点灯または点滅させられる。LED610a〜610jは、奥行き方向において、板状部材600から近い方にサイズが大きいLED610a,610c,610e,610g,610iを配置し、板状部材600から遠い方にサイズが小さいLED610a,610c,610e,610g,610iを配置することにより、遠近感を強調することができる。
内部ランプとしてのLED610a〜610jは、後述する図13等に示すように板状部材600の後面側に取付けられる発光装飾ユニット700におけるメッキベース71内に設けられている。なお、ベース体(基体)としてのメッキベース71は、前面側に銀色の金属メッキが施された部材であり、光を反射する。なお、ベース体は、金属メッキではなく、鏡面処理、または、蒸着処理(PVDまたはCVDによる蒸着を含む)が施され、光を反射する部材であってもよい。発光装飾ユニット700の構成については、後述する。
LED610a〜610jのそれぞれは、前方へ広がる態様で傾斜した反射面である傾斜反射面が設けられた反射部の最奥部に取付けられている。その傾斜反射面は、メッキベース71に形成されており、メッキが施されているので、光を反射する。LED610a,610c,610e,610g,610iのそれぞれは、前方へ広がる態様で傾斜した反射面である傾斜反射面720aが設けられた反射部72aの最奥部に取付けられている。また、LED610b,610d,610f,610h,610jのそれぞれは、前方へ広がる態様で傾斜した反射面である傾斜反射面720bが設けられた反射部72bの最奥部に取付けられている。LED610a〜610jは、図1および図3に示すように、1個または2個1組のものが、正面から見て、変動表示装置9の上方の位置から左周りに変動表示装置9の周りを半周程度取り巻くような態様となるように、骸骨152の右側の位置まで適宜の間隔を隔てて設置されている。
LED610aは、1個単独で、正面から見て遊技領域7の最上方に対応する位置に設けられている。LED610bは、1個単独で、正面から見て第1始動入賞口13の上方に対応する位置に設けられている。LED610c,610dは、2個1組で、正面から見て変動表示装置9の左上方に対応する位置に設けられている。LED610e,610fは、2個1組で、正面から見て変動表示装置9の左側方に対応する位置に設けられている。LED610g,610hは、2個1組で、正面から見て変動表示装置9の左下方に対応する位置に設けられている。LED610i,610jは、2個1組で、正面から見て変動表示装置9の右下方に対応する位置に設けられている。
LED610a〜610jは、それぞれの前方において板状部材600上に入賞口、可動部材、および、表示装置等の構造物が位置しないように配置されている。これにより、遊技領域7を前方から見ると、前方を遊技球が流下する板状部材600の奥でLED610a〜610jが発光しているというような、奥行き感を感じさせる立体的な発光態様での装飾的な発光演出を行なうことが可能である。また、板状部材600の後面側の発光装飾ユニット700において、メッキベース71の奥の側でLED610a〜610jが発光し、斜面の形成された傾斜反射面720a,720bによりその光が前方へ反射されるので、板状部材600の後面側の奥部から光が前方へ広がるような装飾的な発光態様となるため、透光性を有する板状部材600を介して、立体的で奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。
内部ランプとしてのLED610a〜610jは、たとえば、次のような装飾的な発光演出を行なう。LED610a〜610jは、遊技中において、所定の順序で1個ずつ発光させられる。また、LED610a〜610jは、遊技中において、所定の順序(発光制御パターン)で複数個ずつ発光させられる。
たとえば、LED610a〜610jは、LED610a,610bを1組、LED610c,610dを1組、LED610e,610fを1組、LED610g,610hを1組、LED610i,610jを1組として複数個ずつ(2個を1組として)発光させられる。また、LED610a〜610jは、遊技中において、所定の順序(発光制御パターン)で1個ずつ点灯させられる。たとえば、LED610a〜610jは、LED610a〜610jの順序で1個ずつ点灯させられる。
また、LED610a〜610jは、遊技中において、所定の順序(発光制御パターン)で複数個ずつ点滅させられる。たとえば、LED610a,610bを1組、LED610c,610dを1組、LED610e,610fを1組、LED610g,610hを1組、LED610i,610jを1組として複数個ずつ(2個を1組として)点滅させられる。また、LED610a〜610jは、遊技中において、所定の順序(発光制御パターン)で1個ずつ点滅させられる。たとえば、LED610a〜610jは、LED610a〜610jの順序で1個ずつ点滅させられる。また、LED610a〜610jは、外から内、または、内から外というように、所定の順序(発光制御パターン)で複数個ずつまたは1個ずつ点滅させられる。
このように、複数のLEDを所定の順序で発光させる制御が行なわれるので、板状部材600の後面側において、発光する位置が所定の順序で変化する(たとえば、手前位置から奥行き方向へ順に、または、奥行き位置から手前方向へへ順に変化する)ことにより、立体的な奥行き感を光の視覚効果によって強調することができる。、LED610a〜610jは、外から内、または、内から外というように、所定の順序(発光制御パターン)で複数個ずつまたは1個ずつ点滅させられる。なお、LED610a〜610jの発光パターンは、所定の順序によらず、ランダムカクンタ等を用いてランダムに順序を決定し、制御に用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、LED610a〜610jのすべてが、板状部材600の後面側に設けられ、内部ランプとして用られる例を示した。しかし、これに限らず、LED610a〜610jのうち一部を内部ランプとして用い、残りを板状部材600の前面側に臨む態様で設けるようにしてもよい。たとえば、このようにLEDを板状部材600の前面側に設ける構成としては、LEDを板状部材600の前面から前方へ突出させた構造を採用してもよく、また、LEDを板状部材600の中に埋設した構造を採用してもよい。また、LED610a〜610jは、すべてを、内部ランプとしてではなく、前述のような板状部材600の前面側に臨む態様で設ける構成としてもよい。つまり、このパチンコ遊技機1においては、板状部材600が透光性を有するので、その特性を利用して光による装飾効果を高めるために、少なくとも遊技領域におけるいずれかの領域を光らせる態様で発光体を所定位置に設ければよい。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードを受付け、そのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸球としての遊技球を遊技者に貸出す(貸与する)ための処理を行なうカード処理装置であるプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図1では図示を省略し、図17に示す)。そして、パチンコ遊技機1においては、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射し、その遊技球を、遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。そして、遊技において遊技領域7に設けられた入賞領域へ遊技球が受入れられて入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて景品として、景品遊技媒体である賞球(遊技球)が払出される。
図1を参照して、正面から見て遊技領域7の中央付近には、表示領域62が設けられている。この表示領域62は、直接画像を表示する領域ではない。この表示領域62は、画像を表示する表示部90を備えた変動表示装置(画像表示装置)9の表示部90が、発光装飾ユニット700の後面側から臨むように設けられることにより、その画像表示を正面側から見ることができる領域という意味での表示領域である。具体的に、変動表示装置9は、液晶表示装置により構成されている。変動表示装置9は、板状部材600の後面側における発光装飾ユニット700のメッキベース71の中央部において、後面側から透明な表示領域62に表示部90が臨む態様で設けられている。したがって、パチンコ遊技機1においては、表示領域62を介して、その奥に設けられた変動表示装置9の表示部90で表示される画像が遊技者に視認されることとなる。
変動表示装置9では、表示部90において、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示部が画像により形成される。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、後述する特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の変動表示を行なう。飾り図柄の変動表示を行なう変動表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。このような変動表示装置9は、所定の演出を行なう演出表示装置としてパチンコ遊技機1に設けられている。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
また、特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8では、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄が変動表示される。特別図柄表示器8は、正面から見て、変動表示装置9の表示部90が臨む位置の右下方の所定位置において、板状部材600を介して表示部が前方に臨む態様で、発光装飾ユニット700に設けられている。
この実施の形態では、特別図柄表示器8は、たとえば00〜99の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9等他の桁数の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。
また、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数、すなわち、保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18により、保留記憶数が表示される。特別図柄保留記憶表示器18は、正面から見て特別図柄表示器8の右側において、板状部材600を介して前方に臨む態様で、発光装飾ユニット700に設けられている。特別図柄保留記憶表示器18では、有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色を元に戻す。なお、変動表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
変動表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。また、変動表示装置9の左側には、第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14を開閉する可動片を備え、図17に示すソレノイド16によって可動片が駆動される可変入賞球装置である。第2始動入賞口14に入った入賞球は、始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16を励磁状態にすることによって可動片が開動作されることにより開状態とされ、ソレノイド16を非励磁状態にすることによって可動片が閉動作されることにより閉状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
正面から見て、変動表示装置9の右側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのトロッコ151(以下の説明においてトロッコ151は、可動部材151という機能的な名称で示す場合がある。)が設けられている。トロッコ151は、発光装飾ユニット700内において、変動表示装置9の右側方および上方に位置するように設けられた可動部材ユニット150内に収納されている。可動部材ユニット150は、発光装飾ユニット700に取付けられているが、発光による装飾を行なう機能を有する発光装飾ユニット700とは異なり、可動部材による演出をする機能を有するユニットである。可動部材ユニット150においては、変動表示装置9の右側方の部分にトロッコ151が設けられている。その他に、可動部材ユニット150においては、変動表示装置9の上方の部分に普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。
また、前述した特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18のそれぞれは、可動部材ユニット150の下端部において、隣接して設けられている。なお、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18のそれぞれは、可動部材ユニット150ではなく、メッキベース71の前面に設けられてもよい。また、特別図柄保留記憶表示器18は、可動部材ユニット150の下端部に設けられる場合と、メッキベース71の前面に設けられる場合とのいずれの場合においても、4つの表示器を発光装飾ユニット700の奥行き方向へ連なる態様で設け、手前から奥の方向へ、または、奥から手前の方向へ順番に点灯するように制御してもよい。
所定の動作条件が成立したときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技の演出として、発光装飾ユニット700内において、可動部材ユニット150においてトロッコ151を出没させる制御を行なう。具体的に、変動表示装置9の右側において、トロッコ151は、右から左の方向に飛出すように移動する動作と、左から右の方向に収納されるように移動する動作とを行なうことができる。トロッコ151の移動動作は、変動表示装置9の右側において、変動表示装置9の画面前には飛出さない範囲で行なわれる。トロッコ151の動作は、板状部材600の後面側の発光装飾ユニット700内部で行なわれるので、可動部材の動作による演出について、視覚において立体的で奥行き感を生じさせることができる。
特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18等の電気部品が設けられるため、これらを設けるベース構造物は、構造上透明にできない構造物である。また、可動部材としてのトロッコ151を収納するためにもベース構造物が必要となる。そこで、この発光装飾ユニット700においては、特別図柄表示器8および特別図柄保留記憶表示器18を設けるベース構造物と、トロッコ151を収納するベース構造物とを共通化した可動部材ユニット150を設けた。このように、発光装飾ユニット700においてベース構造物を共通化したことにより、発光装飾ユニット700内において、省スペース化を実現することができる。
さらに、変動表示装置9の下部には、遊技演出に用いられる可動部材としての骸骨152(以下の説明において骸骨152は、可動部材152という機能的な名称で示す場合がある。)が設けられている。骸骨152は、遊技演出において、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御にしたがって、図4に示すように、口の部分が開閉するような演出を行なうことができる。また、骸骨152は左右一対の可動片が設けられた特別可変入賞球装置20を備え、大入賞口が形成されている。可動片が開いた状態になると大入賞口に遊技球が入賞可能な状態となり、可動片が閉じた状態になると大入賞口に遊技球が不可能な状態となる。骸骨152は、特定遊技状態(大当り状態)において、ソレノイド21によって特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されることによって入賞領域となる大入賞口が開放状態になるという遊技者にとって有利な状態となる。大入賞口に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、打球供給皿3を構成する部材においては、遊技の進行中に遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン81a〜81eが設けられている。操作ボタン81a〜81eが操作(押下)されると、たとえば、可動部材としてのトロッコ151、または、骸骨152が動作する。操作ボタン81aに対応する位置には、装飾用の発光手段としての操作部ランプを構成する1個のLED83が設けられている。また、打球供給皿3においては、操作ボタン81a〜81eのそれぞれに対応する位置に、装飾用の発光手段としての操作部ランプを構成するLED82a〜82dが設けられている。
図1を参照して、ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の下部には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技領域7には、通常入賞口としての入賞口を有し、遊技盤6の板状部材600に取付けられた入賞口部材が複数設けられている。板状部材600には、このような入賞口部材のそれぞれに対応して、入賞した遊技球を発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導するための貫通孔(図7に示す貫通孔63)が形成されている。入賞口部材としては、入賞口29を有する入賞口部材295、入賞口30を有する入賞口部材305、入賞口33を有する入賞口部材335、入賞口39を有する入賞口部材395が設けられている。各入賞口部材は、後述する図11に示すように、上部に入賞口が形成され、かつ、遊技球を誘導する空間が内部に設けられた部材であり、入賞口に受入れられた遊技球が、対応する貫通孔63へ誘導される内部構造となっている。
各入賞口部材295,305,335,395は、上方が開口した箱型の部位と、当該箱型の部位の側面側に形成されたフランジ状の部材とで形成され、箱型の部位の座側に貫通孔が形成されている。そして、当該貫通孔が板状部材600に形成された貫通孔63に連なっている。
入賞口部材295は、入賞口29が、対応する貫通孔に繋がる態様で板状部材600に取付けられている。入賞口部材305は、入賞口30が、対応する貫通孔に繋がる態様で板状部材600に取付けられている。入賞口部材335は、入賞口33が、対応する貫通孔に繋がる態様で板状部材600に取付けられている。入賞口部材395は、入賞口39が、対応する貫通孔に繋がる態様で板状部材600に取付けられている。入賞口部材395は、入賞口39が、対応する貫通孔に繋がる態様で板状部材600に取付けられている。入賞口29,30,33,39に受入れられた入賞球は、図11に示すような誘導通路部740を介して発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導され、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、それぞれの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を1つのスイッチで検出するようにしてもよい。
遊技領域7の中央部には、変動表示装置9の表示部90が臨む表示領域62の周りを囲むように飾り部材154が取付けられており、飾り部材154の上部には、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(センター飾り用ランプ)が設けられている。この実施の形態では、センター飾り用ランプとして6個のLED125a〜125fが設けられている。また、飾り部材154には、変動表示装置9の表示部90が臨む表示領域62を囲むように、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(ステージランプ)が設けられている。この実施の形態では、ステージランプとして6個のLED126a〜126fが設けられている。
また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。
図2を参照して、遊技領域7の外周には、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。この実施の形態では、天枠ランプとして12個のLED281a〜281lが設けられている。また、左枠ランプとして6個のLED282a〜282fが設けられている。また、右枠ランプとして6個のLED283a〜283fが設けられている。また、図1を参照して、構造物の周囲の装飾LEDとして、骸骨152に2個のLED127a,LED127bが設けられている。
このように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レール42を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、または遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示(変動)を始めるとともに、変動表示装置9において飾り図柄が変動表示(変動)を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示、および変動表示装置9における飾り図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果としての大当り表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20において、大入賞口が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が変動表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開放状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められるようにしてもよい。
図5は、パチンコ遊技機1を後面側から見た裏面図である。パチンコ遊技機1の裏面(後面)側には、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払出すための各種の機構を装備した機構板140が設けられるとともに、前記打球操作ハンドル5に対応する裏面には、打球発射装置130が固着される。
打球発射装置130には、発射基板107が付設されている。この発射基板107に搭載された回路によって打球発射装置130が駆動制御される。発射基板107は、基板ボックス6400内に収容されている。
遊技盤6の後面側の中央部分には、当該部分に形成された開口に臨む態様で変動表示装置9が取付けられている。遊技盤6の後面側において、変動表示装置9の取付部を囲う態様で、裏パック181aが取付けられている。そして、裏パック181aの後面側に、演出制御基板ボックス125が取付けられている。この演出制御基板ボックス125内には、演出制御基板80が収容されて取付けられている。
演出制御基板80は、変動表示装置9等の各種演出装置を制御するための演出制御用マイクロコンピュータ(図18参照)を搭載している。演出制御基板80は、遊技制御を行なう遊技制御用マイクロコンピュータ(図18参照)を搭載した主基板31から、演出制御を指令するための演出制御コマンドを受けると、その演出制御コマンドに応じて、演出制御用マイクロコンピュータが、演出装置としての変動表示装置9の表示状態を制御する。さらに、演出制御基板80は、演出制御コマンドに応じて、前述した遊技盤6およびガラス扉枠2等に設けられるLED610a〜610j、281a,・・・281k、282a,・・・282f、283a,・・・283f、スピーカ27等の演出装置を駆動制御する。
演出制御基板ボックス125の下側には、主基板ボックス136が取付けられている。主基板ボックス136は、図12等に示す球通路部800の後面側において基板取付部801に取付けられている。主基板ボックス136内には、主基板31が収容されて取付けられている。
ここで、主基板ボックス136の構造について説明する。主基板ボックス136は、主基板ボックスベースに主基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、主基板ボックス136が開封されたか否かを容易に判断することができる。
パチンコ遊技機1の後面側から見て裏パック181aの右上方には、中継基板取付ボックス383が取付けられている。中継基板取付ボックス383の後面には、盤用外部端子板96が取付けられている。この盤用外部端子板96は、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示省略)を有し、これらの情報が主基板31から与えられる。
次に、遊技盤6の後面等のパチンコ遊技機1の後面側に設けられる機構板140の構成について説明する。機構板140は、上部構成部と、中間構成部と、下部構成部とが開口窓を構成するように機構板主体141上に一体的に形成されている。
パチンコ遊技機1の後面側から見て、機構板主体141は、機構板主体141の上部および右側部と、左側部と、下部とをそれぞれ構成する上部板142と、左側板143と、下部板144とを取付ネジによって連結することにより構成されている。
機構板140の上部構成部は、主として賞球を貯留する賞球タンク147、および、その賞球タンク147に貯留された賞球を複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して下流側に整列しながら誘導する玉整列レール部材148が設けられている。
機構板140の下部構成部は、主として、玉整列レール部材148により誘導された遊技球が供給されるカーブレール部を有しカーブレール部からの球を誘導する玉通路カバー部材156と、入賞に基づく賞球を払出す球払出装置97(本実施形態では、貸球も払出すが、賞球のみ払出すものでもよい)とが設けられている。
機構板140の中間構成部は、主として遊技盤6に打込まれた入賞球を含む遊技球を処理するための通路、および、賞球を打球供給皿3および余剰球受皿4に導くための通路が設けられている。
次に、上部構成部、中間構成部、および、下部構成部についてより具体的に説明する。上部構成部には、多量の賞球を貯留する賞球タンク147と、該賞球タンク147から供給される賞球を仕切壁によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して流下させる玉整列レール部材148と、該玉整列レール部材148によって誘導された賞球を後述する球払出装置97に向けて左右方向から上下方向へ方向転換するカーブレール部の上方に設けられた枠用外部端子板102aとがそれぞれ上部板142の所定の位置に設けられている。
また、玉整列レール部材148の下流側上部には、球ならし部材149が揺動自在に垂下されている。球ならし部材149は、玉整列レール部材148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とする。玉整列レール部材148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子を有する枠用外部端子板102aが取付けられる。枠用外部端子板102aの取付部分は、凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないように形成されている。
次に、上部板142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部の表面側には、球が通過する球抜き通路(図示省略)が形成されている。この球抜き通路は、後述する球抜き通路下流部と連通しており、玉整列レール部材148および賞球タンク147に待機する球を誘導してパチンコ遊技機1の外側(パチンコ遊技機1を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、玉通路カバー部材156に設けられる球抜きストッパー(図示省略)を解除することにより行なわれる。
また、中間構成部の上部には、上記した玉整列レール部材148の下流側に接続されるカーブレール部および玉通路部を有する玉通路カバー部材156が取付けられる。玉通路カバー部材156のカーブレール部は、玉整列レール部材148から流下する球を前記球抜き通路あるいは、球払出装置97に玉を誘導する玉通路(図示省略)のいずれかに分岐するものである。カーブレール部の下流側には、球払出装置97が配置されている。
玉通路カバー部材156の下流側には、球切れスイッチ157が、球払出装置97までの間に27,28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって着脱自在に装着されている。この球切れスイッチ157は、球を検出しなくなったときに、払出制御基板37および主基板31に向けて球切れ状態を示す信号を出力する。玉通路カバー部材156の下方には、賞球および貸球の払出しを行なう球払出装置97が取付けられている。
球払出装置97は、玉払出部材(図示省略)をステッピングモータよりなる払出モータ115により回転駆動させることにより、玉通路カバー部材156により誘導された遊技球を1個づつ区切って払出す。球払出装置97における玉排出口には、払出個数カウントスイッチ116が設けられている。この払出個数カウントスイッチ116により、球払出装置97から払出される遊技球が検出される。これにより、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、球払出装置97から実際に排出された玉の数をカウントすることができる。なお、本実施の形態における玉排出口は、1つの排出口からなり、球払出装置97から排出する球を貸球として払出す貸球排出口と、景品球として払出す景品球排出口とを兼用した形で構成されている。球切れスイッチ157からの球切れ状態を示す信号が主基板31に入力されると、球払出装置97の払出モータ115の作動を停止して賞球の払出を不能動化させる制御が行なわれる。
次に、機構板140の下部構成部(下部板144)について説明する。下部構成部は、図6に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板37を収容する払出制御基板ボックス123が取付けられ、背面から見てその左側部分に電源基板910を収容する電源基板ボックス122が取付けられている。なお、払出制御基板ボックス123も、前述した主基板ボックス136の構造と同様に構成されており、カシメ部が切断されているか否かにより、払出制御基板ボックス123が開封されたか否かを容易に判断することができる。
払出制御基板ボックス123が取付けられる下部構成部の前面側(機構板主体141の遊技盤6と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示省略)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示省略)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体141の外側)には、賞球通路、連絡通路、余剰玉通路が形成されるとともに球抜き通路下流部も形成されている。
次に、パチンコ遊技機1の後面側から見て、機構板140の下部構成部の右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。図示を省略するが、機構板140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路が形成され、該賞球通路の下端に上皿連通口が形成されている。この上皿連通口は、パチンコ遊技機1の前面に設けられる打球供給皿3に賞球を導くものである。上皿連通口の一側側方には、連絡通路が形成され、その連絡通路の下流に余剰玉通路が接続されている。
入賞に基づく賞球が多数払出されて打球供給皿3が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口に到達してさらに賞球が払出し続けられたときには、賞球は、連絡通路を介して余剰玉通路に導かれ、その後、接続樋392を介して余剰球受皿4に排出される。そして、さらに賞球が払出し続けられたときには、余剰球受皿4も満杯になるが、余剰玉通路の一側側壁に設けられた満タン検知レバー部分にまで到達すると、満タン検知レバーが押圧されて満タンスイッチがONされ、球払出装置97の払出モータ115の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。このとき、打球発射装置130の駆動は停止しないが、停止するものであってもよい。
電源基板ボックス122は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板910を収容するものである。電源基板910には、パチンコ遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ914、パチンコ遊技機1に設けられた各種基板(主基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80)に設けられたバッアップ用のRAMでバックアップ記憶されたデータをクリアするためのクリアスイッチ921および管ヒューズ等が実装されている。また、電源基板910は、電源コード117が接続される電源コネクタが実装されている。電源コード117によって電源基板910に供給される電圧は、AC100Vの電源電圧から変圧されたAC24Vの電圧であり、電源基板910では、複数の電圧が生成される。また、電源基板910は、主基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板31,37,80のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために各基板31,37,80にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板910から電源断信号が出力されることによって主基板31は、制御に用いているデータをバックアップするための処理を行なう。なお、払出制御基板37および演出制御基板80においても同様に制御に用いているデータをバックアップする処理が行なわれる。
次に、図6〜図14を用いて遊技盤6の構成を説明する。図6は、発光装飾ユニット700が取付けられていない状態での板状部材600の前面側を示す正面図である。図7は、何れの構造物も取付けられていない状態での板状部材600の前面側を示す正面図である。図8は、内部ランプおよび可動部材ユニット150が取付けられている状態での発光装飾ユニット700の前面側を示す正面図である。図9は、可動部材ユニット150が取付けられていない状態での発光装飾ユニット700の前面側を示す正面図である。図10は、遊技盤6の縦断面図である。図11は、入賞口部材295,305,335,395に入賞した遊技球を誘導する経路の構成を示す発光装飾ユニット700の一部拡大断面図である。図12は、発光装飾ユニット700の後面側を示す裏面図である。図13は遊技盤6における発光装飾ユニット700の前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。図14は、遊技盤6における発光装飾ユニット700の後面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
図6を参照して、遊技盤6の板状部材600には、障害釘630が、前面側から植設される態様で多数設けられている。また、遊技盤6の板状部材600には、飾り部材154、骸骨152、入賞口部材295,305,335,395、および、ゲート32が、それぞれ前面側から取付けられる態様で設けられている。また、遊技盤6の板状部材600には、遊技領域7の外周に沿う態様で、打球レール42が設けられている。
図7を参照して、遊技盤6の板状部材600の中央部には、変動表示装置9の表示部90を臨ませるための表示領域として、横長の略長方形状の所定範囲(表示部90の表示範囲に対応する広さの範囲)において、その他の部分よりも板状部材600の厚みを薄く(肉薄化)した(図10参照)表示領域62が形成されている。この表示領域62の下方位置には、骸骨152を前面側から取付け、特別可変入賞球装置20に入賞した遊技球を発光装飾ユニット700の後面側へ誘導するための開口領域として、正面視して山形の形状の取付開口領域61が開口形成されている。取付開口領域61は、骸骨152の形状に合せた形状とされている。表示領域62は、板状部材600の一部の透明度を高くし、表示領域62を介して変動表示装置9の表示が鮮明に見えるようにするために、板状部材600の一部の厚みが薄くされることにより形成されている。また、板状部材600の一部の厚みが薄くされて表示領域62を形成したことにより、表示領域62の下側の平面部分は、流下する遊技球を受止めることが可能なステージとして用いることが可能である。なお、板状部材600は、中央の厚みが厚く、外周側が薄いレンズ状のものであってもよい。このようにすれば、さらに奥行き感が増すようにすることができる。
また、板状部材600においては、取付開口領域61の左側に入賞口部材295および入賞口部材305のそれぞれに対応する2つの貫通孔63が開口形成されている。また、板状部材600においては、取付開口領域61の右側に入賞口部材295および入賞口部材305のそれぞれに対応する貫通孔63が開口形成されている。このような入賞口部材のそれぞれに対応する2つの貫通孔63が形成されている。また、図7においては、図示を省略したが、板状部材600においては、ゲートスイッチ32a用の信号線を発光装飾ユニット700の後面側へ通すための小径の貫通孔と、飾り部材154に設けられたソレノイド16およびLED125a〜125fの動作用の信号線を発光装飾ユニット700の後面側へ導くための小径の貫通孔とが形成されている。
図8および図9を参照して、遊技盤6の発光装飾ユニット700は、正面視したときの外縁の形状が、遊技盤6の板状部材600と略同一形状のベース体(基体)としてのメッキベース71を含む。この場合の外縁は、板状部材600およびメッキベース71のそれぞれにおける外側の周囲の縁部であり、遊技枠側の外方端部方向である。発光装飾ユニット700メッキベース71は、たとえば、前面側に銀色の金属メッキが施された合成樹脂よりなる部材であって、発光体を取付けるベース体であり、前面側へ光を反射する。図10に示すように、メッキベース71は、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材である。メッキベース71においては、中央部に、変動表示装置9を後側から取付けるための開口領域として、表示部90の表示領域と同様の形状、言い換えると、板状部材600の表示領域62と同様の形状である表示開口部75が開口形成されている。
メッキベース71は、板状部材600の後面側に取付けるときに板状部材600の後面に当接する取付縁部710が、外縁部の全周囲にわたって所定幅で設けられている。メッキベース71は、図10に示すように、取付縁部710をすべて板状部材600の後面側に当接させ、ネジ止めにより取付けられる。メッキベース71においては、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって、メッキベース71と板状部材600との間の距離が短くなる(近くなる)態様で傾斜した傾斜面が形成されている。言い換えると、メッキベース71においては、表示開口部75がメッキベース71の外縁に対して奥側に凹んだ位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって傾斜面が形成されている。したがって、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
また、メッキベース71の傾斜面上に反射部72a,72bが設けられているので、図8および図9に示すように、各反射部72a,72bの前面は、傾斜面の傾斜によりメッキベース71の正面方向から所定角度だけメッキベース71の中心位置方向へ傾いた方向を向いている。したがって、LED610a〜610jは、先端部がメッキベース71の正面方向から所定角度だけメッキベース71の中心位置方向へ傾いた方向を向いた態様で取付けられる。
図10に示すように、表示領域62は、板状部材600のその他の領域の部分の厚みよりも極めて薄い厚みとなるように形成されている。これにより、表示領域62の透明度が極めて高くなり、表示領域62を介して変動表示装置9の表示が鮮明に見えるようにすることができる。なお、表示領域62の厚みは、板状部材600よりも薄ければよく、図10に示すような極めて薄い厚みにすることに限定されるものではない。
また、図8〜図10に示すように、LED610bが取付けられる反射部72bの下方には、板状部材600における取付開口領域61から誘導された遊技球をメッキベース71の後面側へ誘導する貫通孔としての取付開口部74が開口形成されている。取付開口領域61の貫通孔は、板状部材600に対して直交する方向よりも下方に向いて延在する態様で設けられており、その延長方向に、取付開口部74が位置している。
取付開口部74の周囲には、取付開口領域61から誘導された遊技球をメッキベース71の後面側へ誘導する筒状の誘導通路部712を形成する壁部が全周囲にわたって設けられている。誘導通路部712は、メッキベース71と一体的に形成されており、メッキベース71のその他の部分と同様に、メッキ処理されている。取付開口部74側に設けられた誘導通路部712は、先端部が板状部材600の後面における、取付開口領域61の全周囲に当接する態様で形成されている。具体的には、図示を省略するが、誘導通路部712は、先端部が、板状部材600の後面における取付開口部61の全周囲に形成された溝部内に嵌入れられる態様で形成されている。誘導通路部712は、板状部材600の前面方向に対して、上方に向いて延在する態様、すなわち、上方へ傾斜した態様で設けられている。取付開口部74の周囲から取付開口領域61の周囲までの距離(誘導通路部712の長さ)は、前述のようにメッキベース71が傾斜していることにより、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって短くなっている。
このような構成により、特別可変入賞球装置20に受入れられた遊技球は、取付開口領域61、誘導通路部712内の誘導通路74bおよび取付開口部74を介して、メッキベース71の後面側へ誘導される。
また、図8〜図10に示すように、取付開口領域61の下方には、アウト口26から誘導された遊技球をメッキベース71の後面側へ誘導する貫通孔としてのアウト口開口部726が開口形成されている。アウト口26の貫通孔は、板状部材600に対して直交する方向よりも下方に向いて延在する態様で設けられており、その延長方向に、アウト口開口部726が位置している。アウト口開口部726の周囲には、アウト口26から誘導された遊技球をメッキベース71の後面側へ誘導する筒状の誘導通路部713を形成する壁部が全周囲にわたって設けられている。アウト口開口部726側に設けられた誘導通路部713は、先端部が板状部材600の後面における、アウト口26の全周囲に当接する態様で形成されている。誘導通路部713は、メッキベース71と一体的に形成されており、メッキベース71のその他の部分と同様に、メッキ処理されている。また、アウト口開口部726の周囲からアウト口26の周囲までの距離(誘導通路部713の長さ)は、前述のようにメッキベース71が傾斜していることにより、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって短くなっている。
このような構成により、アウト口26に受入れられた遊技球は、誘導通路部713内の誘導通路713aおよびアウト口開口部726を介して、メッキベース71の後面側へ誘導される。
メッキベース71の後面側においては、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う態様で、球通路部800が取付けられている。球通路部800は、メッキベース71の後面側に誘導された遊技球を受入れ可能な箱状の部材よりなり、受入れた遊技球を下方へ誘導する部材である。
また、図11に示すように、貫通孔63は、板状部材600の後面方向に対して、下方に向いて延在する態様、すなわち、下方へ傾斜した態様で設けられており、その延長方向に、開口部715と、当該開口部715を介してメッキベース71の前面側と後面側とを連通する誘導通路部740および排出通路部716が設けられている。誘導通路部740は、メッキベース71と一体的に形成された筒状(円筒状)の通路部材であり、メッキベース71のその他の部分と同様に、メッキ処理されている。誘導通路部740は、先端部が、板状部材600の後面における貫通孔63の全周囲に形成された溝部63a内に嵌入れられる態様で形成されている。なお、誘導通路部740は、先端部が、板状部材600の後面における貫通孔63の全周囲に形成された溝部63a内に嵌入れられる態様で形成される例を示した。しかし、これに限らず、誘導通路部740は、先端部が、板状部材600の後面における貫通孔63に臨む態様、すなわち、誘導通路部740の先端部が板状部材600の後面における貫通孔63の全周囲に当接する態様で形成されるようにしてもよい。誘導通路部740は、貫通孔63と同様に、また、開口部715の周囲から貫通孔63の周囲までの距離(誘導通路部740の長さ)は、前述のようにメッキベース71が傾斜していることにより、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって短くなっている。
また、誘導通路部740は、貫通孔63の傾斜に合せて、板状部材600の前面方向に対して、上方に向いて延在する態様、すなわち、上方へ傾斜した態様で設けられている。また、入賞口部材295(入賞口部材305,335,395も同様)内部における底部も、同様に、貫通孔63の傾斜に合せて、板状部材600の後面方向に対して、下方へ傾斜した態様で設けられている。
また、図11に示すように、メッキベース71の後面側に設けられた排出通路部716は、開口部715から排出される遊技球を下方へ向けて誘導して下方へ排出させる通路部材である。排出通路部716は、遊技球の出口が下方を向いており、内部の排出通路716a内に、払出される遊技球を、対応する入賞口29(入賞口30,33,39も同様)へ入賞した遊技球として検出する入賞検出スイッチ29a(入賞口スイッチ30a,33a,39aも同様)が設けられている。
このように、入賞口部材295(入賞口部材305,335,395も同様)の入賞口29に受入れられた遊技球は、貫通孔63、誘導通路部740内部の誘導通路741、開口部715、および、排出通路部716内部の排出通路716a内を介して、メッキベース71の後面側まで誘導され、入賞口スイッチ29a(入賞検出スイッチ30a,33a,39aも同様)により検出された後抽出、下方へ排出される。
発光装飾ユニット700では、誘導通路部740がメッキ処理(鏡面処理、または、蒸着処理でもよい)によって光を反射する部材とされることにより、誘導通路部740が光を反射して他の部材よりも目立たないようにすることができる。
図8を参照して、メッキベース71の前面側において、表示開口部75を正面視して右側部には、可動部材としてのトロッコ151を収納した可動部材ユニット150が設けられている。可動部材ユニット150は、発光装飾ユニット700に取付けられているが、発光装飾機能以外の機能も有する構造物である。表示開口部75の側面と可動部材ユニット150との間には、トロッコ151の一部が飛出ることができる程度の空間を形成する間隙が設けられており、トロッコ151は、その空間内に飛出す態様で動作する。可動部材ユニット150は、メッキベース71とは異なり金属メッキが施されておらず、不透明な部材であって、トロッコを示す塗装、および、トロッコが隠れている風景を示す塗装が施されている。なお、可動部材ユニット150は、メッキベース71と同様に金属メッキが施されていてもよい。
メッキベース71の前面側の傾斜面においては、傾斜面に対して直交方向へ突出する態様で、合計10箇所において、反射部72a,72bがメッキベース71と一体的に形成されている。各反射部における傾斜反射面720a,または720bは、光を少なくとも前方へ反射できるように、銀色の金属メッキが施されている。各反射部は、正面視した形状が正方形であり、中央の最深部(最奥部)にLED(LED610a〜610j)が傾斜面に対して直交方向を向いて取付けられている。各反射部は、LEDを囲う態様で連なった4つの傾斜反射面720a,または720bを有する。具体的に、各傾斜反射面は、最深部(最奥部)から前方、すなわち、傾斜面に対して直交方向へ向けて外側へ広がる態様で傾斜した形状の反射面である。
なお、図8においては、メッキベース71の前面側において、前方へ突出する態様で、反射部72が形成されている例を示した。しかし、これに限らず、メッキベース71の後面側において、各傾斜反射面72a,72bが傾斜面に対して直交方向(前面側)を向き、LED(LED610a〜610j)が取付けられる最深部が後方へ最も突出した態様で、反射部72a,72bが形成されてもよい。その場合には、メッキベース71の前面側には突出物を設けないようにしてもよい。また、この場合において、トロッコ151を収納した可動部材ユニット150は、板状部材600の後面側に固定する態様で取付けてもよい。このような構成を採用すれば、図8に示した構成と同様に、LED610a〜610jにより奥行き感を感じさせる立体的な発光態様での装飾的な発光演出を行なうことができる。
このように、発光装飾ユニット700は、内部ランプとしてのLED610a〜610jを用いて、奥行き感を感じさせる立体的な発光態様での装飾的な発光演出を行なうために設けられたものである。また、メッキベース71においては、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で、LED610a〜610jが取付けられている。たとえば、LED610c,610dの組では、大きいLED610cの方が、小さいLED610dよりもメッキベース71の外縁に近い方に取付けられている。LED610e,610fの組、LED610g,610hの組、および、LED610i,610jの組のそれぞれついても同様の配置態様で、LEDが配置されている。これにより、メッキベース71において表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって内部ランプとしてのLEDの大きさが大きくなる配置態様で、複数の発光体がメッキベース71に取付けられているので、板状部材600の後面側において、メッキベース71の中央部から外縁までの間で、内部ランプとしてのLEDの大きさ、または、当該LEDの発光面積の違いによって立体的な奥行き感を強調することができる。なお、内部ランプとしてのLEDのみならず、当該LEDが取付けられる反射部72a,72bの大きさを異ならせることにより、立体的な奥行き感を強調するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、内部ランプとしてのLEDのような2つの発光体を、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁の間に配置する例を示した。しかし、これに限らず、3種類以上の大きさの発光体を採用し、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁の間に、これら3種類以上の大きさの発光体を、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で配置してもよい。このような構成を採用した場合にも、前述したような効果と同様の効果を得ることができ、LEDの配置数が増加するにしたがって、立体的な奥行き感をより一層強調することができる。
さらに、銀色の金属メッキが施されたメッキベース71、および、可動部材ユニット150は、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域を、遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽する隠蔽部材としての機能も兼ねている。
このように、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域について、遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽する必要がある理由は、次のとおりである。遊技盤6の板状部材600が透明の部材であるので、遊技者により遊技盤6の前面側から板状部材600の後面側が透視可能である。図5等に示すように、板状部材600の後面側には、機構板140、および、主基板31等のように、装飾されていない構造物が設けられており、さらに、各種配線も設けられている。つまり、遊技盤6の後面側は、何らかの隠蔽部材を設けなければ、パチンコ遊技機1の装飾性を損なうような内部構造部分である。
この実施の形態においては、次のように隠蔽部材が設けられている。具体的に、メッキベース71は、銀色の金属メッキが施されている不透明な部材であって、板状部材600の後面側を覆う形態であり、隠蔽部材としての機能も有する。これにより、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域については、メッキベース71により、遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽することができる。
また、可動部材としてのトロッコ151を備えた可動部材ユニット150も、不透明な部材であって、板状部材600の後面側の所定領域を覆う形態であり、隠蔽部材としての機能も有する。より具体的には、本実施形態の場合、メッキベース71の前面に可動部材ユニット150が設けられているので、可動部材ユニット150が設けられた部分は、隠蔽部材が2層構造となっていると言える。なお、可動部材ユニット150を隠蔽部材としての機能面からとらえた場合、可動部材ユニット150が設けられた部分は、メッキベース71が設けられていなくてもよい。つまり、メッキベース71において、可動部材ユニット150を取付ける部分に、可動部材ユニット150を取付け可能な切り欠き領域を設け、その切り欠き領域の内縁部に可動部材ユニット150の外縁部を取付ける態様で、可動部材ユニット150を設ける構造を採用してもよい。このような構造の場合には、可動部材ユニット150の後面にメッキベース71の領域がないので、可動部材ユニット150が単独で、隠蔽部材として機能することとなる。このような場合には、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域について、可動部材ユニット150により、遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽することができる。また、このような場合には、可動部材ユニット150が設けられた領域以外の領域にも、不透明な部材を設け、その部材により隠蔽するようにしてもよい。
以上に示したような隠蔽部材が設けられたことにより、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域について隠蔽ができることで、パチンコ遊技機1の内部構造のうち、装飾性を損なうような部分がパチンコ遊技機1の前面側から透視されることを制限することができ、パチンコ遊技機1の装飾性が低下しないようにすることができる。このように、この実施の形態においては、たとえば、メッキベース71を含む発光装飾ユニット700および可動部材ユニット150が隠蔽部材として設けられている。また、発光装飾ユニット700全体が隠蔽部材としての機能も有するので、発光装飾ユニット700に含まれるメッキベース71は、隠蔽部材の一部を構成する部材であると言える。また、前述したように、可動部材ユニット150は、メッキベース71と2層構造となる隠蔽部材である。
また、隠蔽部材としての可動部材ユニット150は、可動部材としてのトロッコ151を備えているので、当該トロッコ151を用いて遊技の演出を行なうことが可能となるため、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の演出効果を向上させることができる。
次に、図12を参照して、発光装飾ユニット700の後面側、すなわち、メッキベース71の後面側には、変動表示装置9、第1内部ランプ基板631、第2内部ランプ基板632、第3内部ランプ基板633、第4内部ランプ基板634、第5内部ランプ基板635、第6内部ランプ基板636、および、球通路部800が取付けられている。また、メッキベース71の後面側には、これら装置および基板の他に、各種ランプおよび可動部材等の制御対象物を制御するためのICが搭載された基板等のその他の部品も取付けられている。
メッキベース71には、10個の内部ランプとしてのLED610a〜610jを挿入するための開口部としての発光体開口部(図示せず)が、LEDの数だけ開口形成されている。メッキベース71の後面には、LED610aに対応するランプ基板として、LED610aに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第1内部ランプ基板631が取付けられている。また、メッキベース71の後面には、LED610bに対応するランプ基板として、LED610bに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第2内部ランプ基板632が取付けられている。
また、メッキベース71の後面には、LED610c,610dに対応するランプ基板として、LED610c,610dに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第3内部ランプ基板633が取付けられている。また、メッキベース71の後面には、LED610e,610fに対応するランプ基板として、LED610e,610fに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第4内部ランプ基板633が取付けられている。また、メッキベース71の後面には、LED610g,610hに対応するランプ基板として、LED610g,610hに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第5内部ランプ基板635が取付けられている。また、メッキベース71の後面には、LED610i,610jに対応するランプ基板として、LED610i,610jに対応する発光体開口部の後面を覆う形状の第6内部ランプ基板636が取付けられている。なお、LED610a〜610jに対応するランプ基板としては、1つの内部ランプ基板を設けてもよい。
また、メッキベース71の後面においては、表示開口部75を覆う態様で、変動表示装置9が取付けられている。また、メッキベース71の後面においては、取付開口部74、アウト口開口部726、および、開口部715等の遊技球の排出口を覆う態様で、球通路部800が取付けられている。球通路部800は、遊技球を受入れ可能な箱状の部材であり、特別可変入賞球装置20、第1始動入賞口13、および、入賞口29,30,33,39へ入賞した遊技球を受入れ、その遊技球を集合させて入賞球を処理する入賞球処理装置へ送る遊技球の通路としての機能を有する。球通路部800の下部には、遊技球送出穴802が形成されており、球通路部800内に受入れられた遊技球は、その遊技球送出穴802から下方へ落下し、入賞球処理装置へ送られる。このように、発光装飾ユニット700において、後面側に、球通路部800が取付けられているので、発光装飾ユニット700が球通路部として兼用されるため、パチンコ遊技機1の部品点数を低減することができる。
また、球通路部800には、主基板(後述する主基板31)を収納した主基板ボックス(図示省略)を取付けるための基板取付部801が設けられている。基板取付部801は、主基板ボックス136に設けられた爪部を挿入して取付けるための複数の穴(2つの穴)により構成されている。なお、主基板ボックス136には、爪部ではなく、基板取付部801に挿入した後に主基板ボックス136を所定方向にスライドさせることにより主基板ボックス136が固定可能となるような構造を設けてもよい。また、基板取付部801に取付けられる基板は、主基板31に限るものではなく、後述するような演出制御基板80等のその他の基板であってもよい。このように、発光装飾ユニット700において、後面側に、主基板31のような所定の基板を取付ける基板取付部801が設けられるので、発光装飾ユニット700が基板取付部として兼用されるため、遊技機の部品点数を低減することができる。
図13を参照して、遊技盤6においては、板状部材600に対して、前面側から、飾り部材154、入賞口部材295,305,335,395、および、骸骨152等の構造物が取付けられ、多数の障害釘630が植設されている。
発光装飾ユニット700は、表示開口部75が板状部材600の表示領域62に臨み、取付開口部74が板状部材600の取付開口領域61に臨み、かつ、4つの誘導通路740がそれぞれ板状部材600の4つの貫通孔63に臨む態様で、板状部材600の後面側からネジ止めにより取付けられる。具体的に、発光装飾ユニット700は、メッキベース71の取付縁部710が板状部材600の後面の縁部に当接した態様で、板状部材600の後面側に取付けられる。なお、メッキベース71の前面側の複数箇所に爪部を設けるとともに、板状部材600の予め定められた位置に、当該爪部を嵌め入れて係止するための係止穴を複数箇所設け、当該爪部を係止穴に嵌め入れて係止する態様で、発光装飾ユニット700を板状部材600に後面から取付けるようにしてもよい。
飾り部材154は、表示領域62を取り囲む態様で、表示領域62の外縁部において、ネジ止めにより取付けられる。入賞口部材295,305,335,395は、4つの貫通孔63のそれぞれの前側を覆う態様で、ネジ止めにより取付けられる。可動部材および入賞装置(特別可変入賞球装置20)としての骸骨152には、取付開口領域61の前面側の開口縁部に当接するための当接部402が周囲に形成されている。骸骨152は、取付開口領域61に一部が挿入される態様で板状部材に前面側から取付けられ、当接部402が取付開口領域61の前面側の開口縁部に当接し、骸骨152全体が取付開口領域61の前側を覆う態様で、ネジ止めにより取付けられる。
また、骸骨152は、取付開口領域61の前側において板状部材600に取付けられるが、取付開口領域61には誘導通路部712が全周囲にわたって設けられている。誘導通路部712は、メッキ処理されており、内部の状態を隠すことができるので、骸骨152の取付部分の周囲を被覆する被覆部としての機能を有している。これにより、骸骨152が取付けられる部分がメッキベース71において、メッキ処理された誘導通路部712で覆われるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を覆う部材を別途に設ける必要がないので、パチンコ遊技機1の部品点数を低減することができる。
発光装飾ユニット700のメッキベース71内の四隅の隅部には、パチンコ遊技機1の正面側からガラス板201を介して視認が不可能な領域が設けられており、その領域に、発光装飾ユニット700を板状部材600に取付けるための視認不可能取付部76が設けられている。視認不可能取付部76は、メッキベース71の前面と後面とを貫通したネジ穴が形成された取付部である。発光装飾ユニット700は、板状部材600に取付けられるときには、4つの視認不可能取付部76のネジ穴にメッキベース71の後面からネジを螺入し、そのネジを板状部材600のネジ穴に螺入することにより、ネジ止めされる。これにより、発光装飾ユニット700を板状部材600に取付けるための部分が視認不可能であるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を被覆する等、当該部分の美観性を向上させるための部材を別途に設ける必要がないので、パチンコ遊技機1の部品点数を低減することができる。このような美観性の向上は、特に、遊技盤6をプラ枠110の前面側から入れて取付ける場合において、より効果的なものとなる。
また、前述した筒状の誘導通路740は、メッキベース71において、板状部材600の貫通孔63に対応する位置に、突出形成されている。
さらに、発光装飾ユニット700のメッキベース71において、誘導通路部712の外側の側部に隣接して、発光装飾ユニット700を板状部材600に取付けるための当接部領域取付部770が2つ設けられている。当接部領域取付部770は、メッキベース71の前面と後面とを貫通したネジ穴が形成された取付部であり、骸骨152の当接部402により板状部材600が覆われる領域に対応して設けられている。発光装飾ユニット700は、板状部材600に取付けられるときには、2つの当接部領域取付部770のネジ穴にメッキベース71の後面からネジを螺入し、そのネジを板状部材600のネジ穴に螺入することにより、ネジ止めされる。これにより、発光装飾ユニット700を板状部材600に取付けるための部分が当接部領域取付部770によって覆われるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を被覆する等、当該部分の美観性を向上させるための部材を別途に設ける必要がないので、パチンコ遊技機1の部品点数を低減することができる。
図14を参照して、遊技盤6においては、発光装飾ユニット700(具体的にはメッキベース71)に対して、後面側から、変動表示装置9、第1内部ランプ基板631、第2内部ランプ基板632、第3内部ランプ基板633、第4内部ランプ基板634、第5内部ランプ基板635、第6内部ランプ基板636、および、球通路部800等の部品が取付けられている。まず、第1内部ランプ基板631〜第6内部ランプ基板636がそれぞれネジ止めにより発光装飾ユニット700(具体的にはメッキベース71)の後面に取付けられる。その後、変動表示装置9および球通路部800のそれぞれがネジ止めにより発光装飾ユニット700の後面に取付けられる。
なお、第1内部ランプ基板631〜第6内部ランプ基板636のうち、球通路部800を取付ける必要があるのは、第2内部ランプ基板632、第5内部ランプ基板635、および、第6内部ランプ基板636である。その理由は、球通路部800の取付領域の一部が、第2内部ランプ基板632、第5内部ランプ基板635、および、第6内部ランプ基板636の取付領域と重なるからである。したがって、これら取付領域が重ならないときには、前述したような部品の取付け順序は、どのような順序となってもよい。
変動表示装置9は、表示部90が表示開口部75に臨む態様で、メッキベース71の後面側に取付けられる。表示開口部75には、壁部711が全周囲にわたって設けられている。なお、変動表示装置9は、表示部90が表示開口部75に臨む態様でメッキベース71の後面側に取付けられればよい。つまり、変動表示装置9は、表示開口部75にどの部分も挿入されない態様で、メッキベース71の後面側に取付けられてもよく、また、表示開口部75に一部が挿入される態様で取付けられてもよく。
図15は、遊技枠11を開いた状態を示す説明図である。図15においては、遊技枠11としてのガラス扉枠2を開いたことにより、ガラス扉枠2の裏側とプラ枠110の表側とが露出している状態が示されている。
遊技枠11(具体的にはガラス扉枠2)においては、図15に示すように、裏面に、IC等を搭載するための4つの基板(枠側IC基板)602〜605が取付けられている。遊技枠11の上部に取付けられた枠側IC基板602は、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換IC611,612が搭載されている。各シリアル−パラレル変換IC611,612から天枠ランプの各LED281a〜281lのそれぞれに、制御信号が供給される。また、遊技枠11の右側(裏面から見て左側)に取付けられた枠側IC基板603は、シリアル−パラレル変換IC613が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC613から右枠ランプの各LED283a〜283fのそれぞれに、制御信号が供給される。また、遊技枠11の左側(裏面から見て右側)に取付けられた枠側IC基板604は、シリアル−パラレル変換IC614が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC614から左枠ランプの各LED282a〜282fのそれぞれに、制御信号が供給される。
また、遊技枠11の下部に取付けられた枠側IC基板605は、シリアル−パラレル変換IC615、および、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC620が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC615から、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプのLED83、および、打球供給皿(上皿)3に設けられた皿ランプの各LED82a〜82dのそれぞれには、制御信号が供給される。また、操作ボタン81a〜81eからの検出信号が入力IC620にパラレルに入力される。なお、図15には、枠側IC基板605を横から見た図も示されている。
なお、図15に示すように、この実施の形態では、各枠側IC基板602〜605のうち遊技枠11の上部に取付けられた枠側IC基板602は、2つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、図15に示すように、遊技枠11側には中継基板607が取付けられており、中継基板607からの配線は、枠側IC基板604に接続され、枠側IC基板604から枠側IC基板602に接続され、さらに枠側IC基板602から枠側IC基板603に接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605に接続される。また、各枠側IC基板602〜604間の配線や、枠側IC基板604,605と中継基板607との間の配線は、図15に示すように、各基板にコネクタ156a〜156hを用いて接続される。なお、図15では、基板に垂直方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行なう場合を示しているが、たとえば、基板に対して水平方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行なうようにしてもよい。
図15に示すように、中継基板607のコネクタ156aからの配線は、枠側IC基板604のコネクタ156bに接続される。枠側IC基板604の配線パターンは、コネクタ156bからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC614に接続され、他の一方がコネクタ156cに接続されるようになっている。また、枠側IC基板604において、コネクタ156cは、枠側IC基板602側の端部に配置されている。枠側IC基板604のコネクタ156cからの配線は、枠側IC基板602のコネクタ156dに接続される。枠側IC基板602の配線パターンは、コネクタ156dからさらに3つに分岐され、シリアル−パラレル変換IC611、シリアル−パラレル変換IC612およびコネクタ156eに接続されるようになっている。また、枠側IC基板602において、コネクタ156eは、枠側IC基板603側の端部に配置されている。枠側IC基板602のコネクタ156eからの配線は、枠側IC基板603のコネクタ156fに接続される。枠側IC基板603の配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC613に接続されるようになっている。
また、中継基板607のコネクタ156gからの配線は、枠側IC基板605のコネクタ156hに接続される。枠側IC基板605の配線パターンは、コネクタ156hからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC615に接続され、他の一方が入力IC620に接続されるようになっている。
また、図15に示すように、遊技枠11の開放を検出するためのドア開放センサ155が取付けられている。
一方、図示を省略するが、遊技盤6の裏面側、より具体的には発光装飾ユニット700の裏面側には、前述した第1内部ランプ基板631〜第6内部ランプ基板636の他に、IC等を搭載するための基板である盤側IC基板(図19の盤側IC基板601)が取付けられている。このような盤側IC基板には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC(図19の変換IC616〜619)が搭載されている。また、盤側IC基板601には、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC(図19の変換IC621)が搭載されている。
また、演出制御基板80からの配線は、まず、遊技盤6側に取付けられた中継基板(図19等の中継基板606)に接続され、さらに、遊技枠11側に取付けられた中継基板607に接続される。そして、遊技盤6側に取付けられた中継基板からの配線は、盤側IC基板に接続される。また、盤側IC基板と遊技盤6側に取付けられた中継基板との間の配線や、遊技盤6側に取付けられた中継基板と遊技枠11側に取付けられた中継基板607との間の配線、遊技盤6側に取付けられた中継基板と演出制御基板80との間の配線は、コネクタを用いて接続される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615と、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619とを中継する中継基板を設けるようにしてもよい。この場合、中継基板は、遊技枠11側と遊技盤6側とのいずれに配置されていてもよい。
また、演出制御基板80と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とを中継する中継基板を設けるようにしてもよい。この場合、中継基板は、遊技枠11側と遊技盤6側とのいずれに配置されていてもよい。
また、図15に示すように、プラ枠110の上皿には遊技球を払い出す穴の上側に開口が形成され、開口に中継基板607が設けられる。中継基板607は表裏のコネクタを介して中継する基板であり、プラ枠110表側にコネクタが配置されるとともに、裏側にコネクタ156a,156gが配置されている。また、中継基板607は、遊技盤6が取付けられる開口の端部に配置される。また、図15に示すように、中継基板607は、遊技盤6が取付けられる開口の端部の形状に沿うような形状に形成されている。なお、中継基板607は、表側に配置されるコネクタと裏側に配置されるコネクタ156a,156gとの位置が重ならないようにずれた状態とされている。
遊技盤6の裏側には演出制御基板80からの配線を盤側IC基板と中継基板607とのそれぞれに中継する中継基板が設けられている。その中継基板は、遊技盤6の端部において、プラ枠110の中継基板607の近傍に位置するように設けられている。遊技盤6の裏側に設けられた中継基板は、コネクタを介して中継する基板である。
図16は、発光装飾ユニット700のメッキベース71における反射部72a,72bの縦面図である。
メッキベース71において、反射部72aの最深部には、内部ランプとしてのLED610a,610c,610e,610g,610iを臨ませるための穴である発光体開口部73aが開口形成されている。各LED610a,610c,610e,610g,610iは、図に示す第3内部ランプ基板633等の基板(第1内部ランプ基板631、第3内部ランプ基板633〜第6内部ランプ基板636)に取付けられており、発光体開口部73aに臨む態様で、メッキベース71の後面側から発光体開口部73a内に挿入され、前面側に露出する態様で反射部72aに取付けられている。また、各LED610a,610c,610e,610g,610iには、反射部72aの前面側からランプカバー730aが取付けられている。
メッキベース71において、反射部72bの最深部には、内部ランプとしてのLED610b,610d,610f,610h,610jを臨ませるための穴である発光体開口部73bが開口形成されている。各LED610b,610d,610f,610h,610jは、図に示す第3内部ランプ基板633等の基板(第2内部ランプ基板632、第3内部ランプ基板633〜第6内部ランプ基板636)に取付けられており、発光体開口部73bに臨む態様で、メッキベース71の後面側から発光体開口部73b内に挿入され、前面側に露出する態様で反射部72aに取付けられている。また、各LED各LED610b,610d,610f,610h,610jには、反射部72bの前面側からランプカバー730bが取付けられている。
図16に示すように、反射部72aに取付けられるLED610a,610c,610e,610g,610iは、反射部72bに取付けられるLED610b,610d,610f,610h,610jと比べて、サイズが大きいLEDである。したがって、このようなLEDのサイズが異なることに応じて、図16に示すように、反射部72aのサイズが、反射部72bのサイズよりも大きくされている。
図17は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図17には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。
主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56、I/Oポート部57、および、パラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器8、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタ等によって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、および、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、および、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御手段)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を変動表示する変動表示装置9の表示制御を行なう。なお、演出制御コマンドは、前述したようなシリアルデータ方式のコマンドの代わりに、パラレルデータ方式のコマンドを用いてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技盤6に設けられている内部ランプのLED610a〜610j,センター飾り用ランプのLED125a〜125f、および、ステージランプのLED126a〜126fの表示制御(発光制御)を行なうとともに、枠側に設けられている天枠ランプのLED281a〜281l、左枠ランプのLED282a〜282f、右枠ランプのLED283a〜283f、および、操作部ランプのLED82a〜82d,83の表示制御(発光制御)を行ない、スピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御用マイクロコンピュータ100が出力する各ランプを構成する610a〜610j,LED125a〜125f,126a〜126f,127a,127b,610a〜610j,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82d,83等を駆動制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプ610a〜610j,125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82d,83等の駆動制御を行なう。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して出力するシリアル入力回路354が搭載されている。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、遊技盤6側に設けられた中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605が設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605は、遊技盤6側に設けられた中継基板606および遊技枠11側に設けられた607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図17に示すように、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。
図18は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図18に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、ランプドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、ランプドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に変動表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して変動表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74aが搭載されている。単方向性回路74aとしては、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図18には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプのLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC(図19のシリアル−パラレル変換IC611〜615)や入力IC(図19の入力IC620)に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換(図19のシリアル−パラレル変換IC616〜619)や入力IC(図19の入力IC621)に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換および各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC(図19の入力IC621)は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各可動部材151,152の位置を検出するための位置センサ(図19の位置センサ151b,152b)の検出信号をラッチし、その検出信号をシリアルデータ方式として中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図19は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
盤側IC基板601には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619が搭載されている。このように、盤側IC基板601が、4つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されていることにより、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。また、盤側IC基板601には、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC621が搭載されている。
シリアル−パラレル変換IC616からモータ151a,152aに、制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC617からLED125a〜125fおよびLED610a,610bに、制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC618からLED610c〜610jに、制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC619からLED127a,127bおよびLED126a〜126fに制御信号が供給される。入力IC621には、各可動部材151,152の位置を検出するための位置センサ151b,152bからの検出信号がパラレルに入力される。
また、演出制御基板80からの配線は、まず、遊技盤6側に取付けられた中継基板606に接続され、さらに、遊技枠11側に取付けられた中継基板607に接続される。そして、中継基板606からの配線は、盤側IC基板601に接続される。また、盤側IC基板601と中継基板606との間の配線や、中継基板606,607間の配線、中継基板606と演出制御基板80との間の配線は、コネクタを用いて接続される。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLED610a〜610j,125a〜125f,126a〜126f,127a,127b、および、各可動部材のモータ151a,151bに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されている。各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式に接続されている。なお、バス型に接続とは、1つの配線ルートに複数のシリアル−パラレル変換ICまたは中継基板が接続されていることである。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図19に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。この実施の形態では、図19に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図19に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82d,83に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図19に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板607から直接接続される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図19に示すように、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05である。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。枠側IC基板605に搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。この実施の形態では、図19に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC611〜619がバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、図19に示すように、各シリアル−パラレル変換IC611〜619はバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレルIC611〜615とが、中継基板606,607を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、遊技枠11遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および、入力IC620,621に、共通のクロック信号を入力する。これにより、シリアル−パラレル変換IC611〜619へのクロック信号の配線と、入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御用マイクロコンピュータ100と盤側IC601基板との間の通信、および、演出制御用マイクロコンピュータ100と枠側IC基板602〜605との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および、入力IC620,621を容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、アドレスが予め付与されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータに、送り先のICを特定するアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、アドレスが合致していればパラレルデータに変換して各ランプのLEDに供給する(すなわち、出力する)。一方、アドレスが合致していなければ各ランプのLEDへの供給は行なわない。
なお、図19に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601および枠側IC基板602〜605のそれぞれと双方向通信を行なう(具体的には、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC611〜619に送信し、入力信号を入力IC620,621から入力する)ものであるので、データ入力端子とデータ出力端子とを備えており、1チャネルでデータ入力とデータ出力とを行なうことができる。この実施の形態では、図19に示すように、1つのチャネルのデータ入力端子とデータ出力端子とを、それぞれ異なる出力対象機器(シリアル−パラレル変換IC611〜619)と入力対象機器(入力IC620,621)に接続している。そのように構成することによって、本来、出力対象機器と入力対象機器とが別の機器である場合にはそれぞれ別のチャネルを用いて通信を行なうべきところを、1つのチャネルのみを用いて双方向通信を可能としており、演出制御用マイクロコンピュータ100と盤側IC基板601および枠側IC基板602〜605との間のチャネル数を低減している。
この実施の形態において、チャネルとは、データ線(出力データ線)、クロック信号線、入力信号線(入力データ線)、および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子をセットにしたものである。なお、1つのチャネルにアース線や電源専用の端子を含んでもよい。また、この実施の形態では、1チャネルを用いてデータ入力とデータ出力の両方を行なう場合を示すが、データ線(出力データ線)およびクロック信号線用の端子のみをセットにした出力専用のチャネルを用いてもよい。また、入力信号線(入力データ線)および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子のみをセットにした入力専用のチャネルを用いてもよい。
図20および図21は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予めROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図20および図21に示す各シリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図20および図21に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615について、次のようにアドレスが付与されている。IC611にはアドレス01が付与されている。IC612にはアドレス02が付与されている。IC613にはアドレス03が付与されている。IC614にはアドレス04が付与されている。IC615にはアドレス05が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619については、次のようにアドレスが付与されている。IC616にはアドレス06が付与されている。IC617にはアドレス07が付与されている。IC618にはアドレス08が付与されている。IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字、文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図20および図21に示すように、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(天枠ランプ281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(天枠ランプ281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプのLED(LED6個(283a〜283f))に供給する。また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプのLED(LED6個(282a〜282f))に供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の打球供給皿3に設けられた皿ランプ(LED4個(82a〜82d))に供給するとともに、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプ83(LED1個)に供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(トロッコおよび骸骨の形状を模した役物)を駆動するためのモータ(モータ2個(151a,152a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(LED6個(125a〜125f))に供給するとともに、内部ランプのLED610a,610b(LED2個)に供給する。
また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、内部ランプのLED610c〜610j(LED8個)に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(骸骨152)周辺に設けられたランプのLED(LED2個(127a,127b))に供給するとともに、変動表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(LED6個(126a〜126f))に供給する。
また、この実施の形態では、各入力IC620,621にも、予めアドレスが付与されている。図22は、各入力IC620,621に付与されるアドレスの例を示す説明図である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予めROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、各入力IC620,621のアドレスを記憶している。この実施の形態では、図22に示すように、枠側IC基板605に搭載された入力IC620にはアドレス10が付与され、盤側IC基板601に搭載された入力IC621にはアドレス11が付与されている。
なお、各入力IC620,621に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図22に示すように、アドレスが10である入力IC620は、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号(操作ボタン81a〜81e自体がオンされたか否か、操作ボタン81a〜81eの上下左右のいずれの部位がオンされたかを示す信号)をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。また、アドレスが11である入力IC621は、遊技盤6の各可動部材に設けられた位置センサ151b,152b(2個)の検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。
図23は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622の構成を示すブロック図である。図23に示すように、シリアル−パラレル変換IC611〜619は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、たとえばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル方式で)入力したデータが格納されることになる。
図24は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図24(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図24(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図24(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表わすものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプのLEDの点灯状態を制御するためのものであり、たとえば、点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
図24(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表わすものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプのLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、たとえば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
この実施の形態では、図24(A)に示すランプ点灯データまたは図24(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(h)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(h))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICに予め付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605には、たとえば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられており、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、予めアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出部653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出部653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄することになる。
なお、図23では、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605に予めアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示しているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(たとえば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力をHighレベル(以下、Hレベルと呼ぶ)またはLowレベル(以下、Lレベルと呼ぶ)に制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、たとえば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力をHレベルとし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力をLレベルとするように制御する。
データバッファ655は、たとえば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプのLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプのLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号に基づいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。たとえば、所定の論理反転設定信号がHighである場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンとなり、各ランプのLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、予め論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタ等に設定されており、予め設定された設定値にしたがって各ランプのLEDにオン信号が出力され、各ランプのLEDが点灯するものとする。
図25は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図25では、シリアルデータ方式としてランプ点灯データを入力する場合を説明する。図25に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(本例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータに基づく点灯パターンがそのままパラレルデータ方式として出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータに基づく点灯パターンがパラレルデータ方式として出力される。なお、この実施の形態では、図25に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
図26は、各入力IC620,621の構成を示すブロック図である。図26に示すように、この実施の形態では、各入力IC620,621は、複数(本例では8個)のDフリップフロップ661〜668によって構成される。この実施の形態では、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152bからの検出信号が各入力IC620,621にパラレルに入力され、検出信号ごとにいずれかのDフリップフロップ661〜668に入力される。また、各Dフリップフロップ661〜668にはクロック信号が入力され、各Dフリップフロップ661〜668は、クロックの立ち上がりで順次シフト動作を行なう。そして、パラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
各Dフリップフロップ661〜668には、演出制御用マイクロコンピュータ100から所定のタイミングで入力取込信号(ラッチ信号)が入力される。入力取込信号が入力されると、操作ボタン81a〜81eまたは各位置センサ151b,152bから検出信号が、各Dフリップフロップ661〜668にラッチされる。そして、ラッチされた検出信号は、クロックの立ち上がりで順次シフトされ、シリアルデータ方式として出力される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図27は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御用マイクロコンピュータ100等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(S44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(S45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、変動表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。また、乱数回路設定処理において、CPU56は、乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理も実行する。乱数回路確認処理において、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(たとえば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する乱数回路エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままS15に移行する。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取り得る値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図28に示すS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、および、普通図柄保留記憶表示器41のそれぞれの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、S34,S35で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(S23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S25,S26)。
図29は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)。
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)。
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)。
(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
図28に示された遊技制御処理におけるS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および、(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S29)。なお、この実施の形態では、S29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。また、賞球処理では賞球エラーが発生したか否かの判定処理も行なわれる。たとえば、賞球個数の設定値と実際の払出数とに食い違いが生じた場合に、CPU56は、賞球エラーが発生したと判定し、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に、賞球エラーの発生を報知することを指定する賞球エラー報知指定コマンドを送信する制御を行なう。
また、CPU56は、満タンスイッチや球切れスイッチ、ドア開放センサ155の検出信号に基づくエラー検出処理を実行する(S32)。具体的には、満タンスイッチの検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドを送信する。また、球切れスイッチの検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドを送信する。ドア開放センサ155の検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S33:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S34)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S35)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0と)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S35(S30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図30は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図30(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図30(B)参照)とがある。図30(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。CPU56は、所定の時期に、乱数回路のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図29に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技において大当りとする判定がされたという所定条件が成立したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されることとなる。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、たとえば15ラウンドである。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される大当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、ラウンド数が同じである。
なお、突然確変大当りの大当り遊技では、ラウンド数は、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)は通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いが、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。
図31は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。後述するように、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。図31において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行なわれる期間)で変動表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、変動表示装置9における背景図柄が異なることをいう。たとえば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図31に示すように、大当りとなるときに選択される変動パターンは、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターンとがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、可変表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の可変表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図32は、シリアルデータ方式として送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図32に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
図33は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図33に示す例において、コマンド8001(H)〜800E(H)は、特別図柄の変動表示に対応して変動表示装置9において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800E(H)のいずれかを受信すると、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示と飾り図柄の変動表示とは同期(変動表示開始時期および変動表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。また、コマンド9F55(H)は、メイン処理における乱数回路確認処理において乱数回路の異常発生を検出した場合に、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する演出制御コマンド(乱数回路エラー指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
コマンドFF02(H)は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチがオン状態になった場合)に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF01(H)は、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチがオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF04(H)は、遊技枠11が開放状態になった場合(すなわち、ドア開放センサ155の検出信号を検出した場合)に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF03(H)は、遊技枠11の開放状態が解除された場合に、ドア開放エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF06(H)は、球切れ状態になった場合(すなわち、球切れスイッチがオン状態になった場合)に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF05(H)は、球切れ状態が解除された場合に、球切れエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF08(H)は、賞球エラーが発生した場合に、賞球エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF07(H)は、賞球エラーが解除された場合に、賞球エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図33に示された内容に応じて変動表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図34は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。図34に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(たとえば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた変動表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図35および図36は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマを時間経過に応じて減算更新していき、その変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると変動表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当フラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する等、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグ)をリセットし、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り終了1指定コマンドを送信する等、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図37は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否かを確認する(S211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(S212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S213)。S213において、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図29参照)の値を抽出し、乱数回路のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図38および図39は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し(S61)、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図30参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図30(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図30(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読出し(S64)、はずれ図柄決定用乱数に基づいて停止図柄を決定する(S65)。この場合には、はずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)を決定する。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(S66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、変動表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(S68,S69)。そして、S90に移行する。
S81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読出し(S82)、大当り図柄決定用乱数に基づいて停止図柄としての大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)を決定する(S83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(S84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(S86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(S88,S89)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数に基づいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図30参照)、大当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図40は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読出す(S100)。そして、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S101)。
ここで、遊技状態が非時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動」または「ノーマルリーチ」を選択する(図31参照)。遊技状態が非時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチA・延長」、「リーチB」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチA・突確」を選択する(図31参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当り(小当りとすることに決定されている場合を含む。)とすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」または「スーパーリーチA」を選択する。
遊技状態が時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動・短縮」を選択する(図31参照)。遊技状態が時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、「リーチC・短縮」または「リーチA・突確」を選択する(図31参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチC・短縮」を選択する。突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」または「リーチC・短縮」を選択する。
以上のような選択を容易にするために、遊技状態(時短状態か否か)と大当りとするか否かの決定結果(はずれ、および大当りの種類のそれぞれ)とに応じた変動パターンテーブルを用いる。変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されるが、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて用意される。それぞれの変動パターンテーブルには、選択されうる変動パターンを示すデータと、それに対応する数値とが設定される。そして、CPU56は、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて、変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルにおいて、変動パターン決定用乱数の値と一致する数値に対応する変動パターンを選択する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、既に決定されている大当りとするか否か、および確変大当りとするか否かに応じて、変動パターンを選択することになる。
そして、CPU56は、S101で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図31参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S103)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
また、特別図柄の変動を開始する(S104)。たとえば、S34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図31参照)に応じた値を設定する(S105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S106)。
図41は、表示結果特定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図33参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S112,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S146に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば変動表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
S146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、S149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(S147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(S148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
なお、時短終了フラグは、特別図柄通常処理におけるS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(たとえば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なうとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に対応した値に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図43は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して変動表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(たとえば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、変動表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御プロセス処理を実行する(S707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(S708)。その後、S702に移行する。なお、シリアル入出力処理の後に、操作ボタン81a〜81eの故障を検出する操作部故障判定処理を実行するようにしてもよい。
図44は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドを順次読出し(2バイト、すなわち1コマンドずつ読出し)、読出した演出制御コマンドがどのコマンド(図33参照)であるのか解析する。
図45〜図47は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(S618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(S619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を変動表示装置9に表示する制御を行なう(S632A)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(S632B)、RAMクリアフラグをセットする(S632C)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)とともに、初期報知フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドが乱数回路エラー指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー解除指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、後述するS652でセットされた満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(S650)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー報知指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをセットする(S652)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー解除指定コマンドであれば(S653)、演出制御用CPU101は、後述するS656でセットされたドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(S654)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー報知指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをセットする(S656)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー解除指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、後述するS660でセットされた球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(S658)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー報知指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをセットする(S660)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー解除指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、後述するS664でセットされた賞球エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(S662)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー報知指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグをセットする(S664)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S665)。そして、S611に移行する。
図48は、図43に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。なお、変動パターンコマンドを所定期間に亘り受信していないときに、演出モードの選択(たとえば、登場するキャラクタが相違する演出モードが複数設定されており、その中から演出モードを選択する)演出表示装置44bモードに関する表示を変動表示装置9において行ない、演出モードの選択を可能とする処理を行なうようにしてもよい。
飾り図柄変動開始処理(S801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、変動表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、変動表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S806):変動表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図49は、図48に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、処理を終了する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新し(S813)、処理を終了する。
図50は、図48に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読出す(S816)。
次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、S830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S818)。
図51は、変動表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図51に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の飾り図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った飾り図柄の組合せを決定する。なお、変動表示装置9に導出表示される左中右の飾り図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(S819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S834)。
図52は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって変動表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。なお、この実施の形態では、図52に示す通常の遊技演出に用いられるプロセステーブルとは別に、各種エラー報知を行なう際に用いられるエラー報知用のプロセステーブル(エラー用報知プロセステーブル)が用意されている。エラー報知用プロセステーブルの詳細については後述する。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、変動表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行なう。
図52に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
S834の後、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行なっていることを示す異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S835A,S835B)。たとえば、変動表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S835C)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125f、ステージランプのLED126a〜126f、および、内部ランプのLED610a〜610jを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125f、ステージランプのLED126a〜126f、および、内部ランプのLED610a〜610jを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S835Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(S835A,S835D)。つまり、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、S835Dの処理を行なうときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。つまり、変動表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知や満タンエラーの報知、乱数回路エラーの報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に変動表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S837)。
S830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図31に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定する(S832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定する(S831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図31参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに飾り図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても飾り図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図53は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S844)。
また、異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S845A,S845B)。
S845Bにおいて、演出制御用CPU101は、たとえば、変動表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S845C)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125f、ステージランプのLED126a〜126f、および、内部ランプのLED610a〜610jのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125f、ステージランプのLED126a〜126f、および、内部ランプのLED610a〜610jを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(S845A,S845D)。よって、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、S845Dの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S847)、S848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図54は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行なう(S853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S854)。大当りとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(S856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(S857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(S858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(S859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(変動表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883)、変動表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が変動表示装置9に表示される。たとえば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、大当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(S887)、時短回数カウンタに0を設定する(S888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(S889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(S889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、たとえば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、変動表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
次に、S707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図56は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図56に示すように、RAMクリア報知は、遊技機の電源投入から所定期間(たとえば31秒間)実行される。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27に所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる制御を行なう。
また、ドア開放エラー報知は、遊技枠11が開放されている間(たとえば、ドア開放センサ155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させる制御を行なう。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる制御を行なう。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(たとえば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、球切れエラー報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行なう。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(たとえば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、満タンエラー報知を行なう場合、遊技枠11側の下皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるとともに、「下皿が満タンです」という音声を出力させる制御を行なう。また、変動表示装置9に「下皿が満タンです」と表示させる制御を行なう。この場合、変動表示装置9において遊技演出による表示(たとえば、飾り図柄の変動表示)が行なわれている場合には、変動表示装置9に「下皿が満タンです」という文字列を重畳表示させる。
また、賞球エラー報知は、賞球異常発生から賞球異常状態が解除されるまで実行される。演出制御用CPU101は、賞球エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行なう。また、乱数回路エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数回路エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる制御を行なう。また、変動表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行なう。この場合、変動表示装置9において遊技演出による表示(たとえば、飾り図柄の変動表示)が行なわれている場合には、変動表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、異常入賞エラー報知は、異常入賞の発生から所定期間(たとえば30秒間)実行される。演出制御用CPU101は、異常入賞報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるとともに、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる制御を行なう。
図57は、図43に示されたメイン処理における報知制御プロセス処理(S707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値に応じてS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(S1900)は、コマンド解析処理でセットされる各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を開始する処理である。エラーの報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(S1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(S1901)は、各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常報知中フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を継続する処理である。また、エラーの報知期間(初期報知期間、RAMクリア報知期間)を経過したこと、またはコマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグに基づいて、エラーの報知を終了する。エラーの報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(S1901)に対応した値に変更する。
図58および図59は、図57に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(S1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(S1911)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(S1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行なわれているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
次いで、演出制御用CPU101は、初期報知フラグをリセットするとともに、初期報知を行なっていることを示す初期報知中フラグをセットする(S1912A)。そして、S1950に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(S1913)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、ドア開放エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1914)。この実施の形態では、各種エラー報知を行なう際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)が予め用意されている。なお、エラー用プロセスデータの詳細については後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1915)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容にしたがってスピーカ27を制御する(S1916)。たとえば、演出制御用CPU101は、「扉が開いています」等の音声とともに所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理(図67参照)を実行する(S1917)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、ドア開放エラー報知を行なっていることを示すドア開放エラー報知中フラグをセットする(S1917A)。そして、S1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認する(S1918)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーであることを示す乱数回路エラー表示画面を変動表示装置9に表示する制御を行なう(S1919)。次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1920)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1921)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容にしたがってスピーカ27を制御する(S1922)。たとえば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1923)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをリセットするとともに、乱数回路エラー報知を行なっていることを示す乱数回路エラー報知中フラグをセットする(S1923A)。そして、S1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S1924)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1925)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1926)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容にしたがってスピーカ27を制御する(S1927)。たとえば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1928)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)およびランプの表示(異常報知の点滅)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、異常報知を行なっていることを示す異常報知中フラグをセットする(S1929)。そして、S1950に移行する。
異常入賞報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを確認する(S1930)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1931)。RAMクリア報知とは、初期化処理が実行されRAMがクリアされたことを報知する処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1932)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容にしたがってスピーカ27を制御する(S1933)。たとえば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1934)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1934でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、S1950に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2に、RAMクリア報知期間値に相当する値を設定する(S1935)。RAMクリア報知期間は、RAMクリア報知の報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知期間が経過すると、RAMクリア報知を終了させる。なお、初期報知期間とRAMクリア報知期間とは同じ期間であってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグをリセットするとともに、RAMクリア報知を行なっていることを示すRAMクリア報知中フラグをセットする(S1935A)。そして、S1950に移行する。
RAMクリアフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(S1936)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を変動表示装置9に表示する制御を行なう(S1937)。次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1938)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1939)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容にしたがってスピーカ27を制御する(S1940)。たとえば、演出制御用CPU101は、「下皿が満タンです」等の音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1941)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1941でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、満タンエラー報知を行なっていることを示す満タンエラー報知中フラグをセットする(S1941A)。そして、S1950に移行する。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(S1942)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、賞球エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1943)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1944)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1945)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1945でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー報知を行なっていることを示す賞球エラー報知中フラグをセットする(S1945A)。そして、S1950に移行する。
なお、この実施の形態では、賞球エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行ないスピーカ27を用いた音による報知処理を行なわない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行なうようにしてもよい。
賞球エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(S1946)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、球切れエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(S1947)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1948)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(S1949)。たとえば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1949でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、球切れエラー報知を行なっていることを示す球切れエラー報知中フラグをセットする(S1949A)。そして、S1950に移行する。
なお、この実施の形態では、球切れエラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行ないスピーカ27を用いた音による報知処理を行なわない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行なうようにしてもよい。
S1950では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(S1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図60〜図62は、図57に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(S1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知中フラグがセットされているか否か確認する(S1960)。初期報知中フラグがセットされていない場合には、S1965に移行する。初期報知中フラグがセットされている場合には、S1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(S1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知中フラグをリセットする(S1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
さらに、演出制御用CPU101は、変動表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(S1964)。VDP109は、指令に応じて、変動表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、S2010に移行する。
初期報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知中フラグがセットされているか否か確認する(S1965)。セットされていなければ、S1971に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S1966)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1967)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S1968)。
図63は、エラー報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。エラー報知用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行して各種エラー報知を行なう際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルに設定されているデータにしたがってスピーカ27および各ランプの制御を行なってエラー報知を行なう。エラー報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、エラー用ランプ制御実行データおよびエラー用音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図63に示すエラー報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、エラー報知用プロセステーブルは、エラー種類(RAMクリア報知、乱数回路エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、賞球エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切替えて、点灯または点滅するように制御される。この実施の形態では、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、点灯パターンを切替える例を示した。しかし、これに限らず、エラー報知を行なうLEDとして複数色で点灯可能なフルカラーLEDを採用し、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、点灯色を変更する制御を行なうようにしてもよい。また、同時に複数種類のエラーが発生したときには、1つのエラーが発生したときのLEDによる報知態様とは異なる報知態様(例えば、色が異なる、点灯パターンが異なる等)でエラーが発生したことを報知するようにしてもよい。このようにすれば遊技店(遊技場)において、同時に複数種類のエラーが発生したことを遊技店員が認識しやすくなるようにすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(S1969)。S1969において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。たとえば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(たとえばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S19
70)。たとえば、S1970において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S1972)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1973)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S1974)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(S1975)。S1975において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。たとえば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S1976)。たとえば、S1976において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数回路エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S1977)。セットされていなければ、S1984に移行する。セットされていれば、変動表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S1978)。VDP109は、指令に応じて、変動表示装置9に異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S1979)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1980)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S1981)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(S1982)。S1982において、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。たとえば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、異常入賞の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S1983)。S1983において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1983でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知中フラグがセットされているか否か確認する(S1984)。RAMクリア報知中フラグがセットされていない場合には、S1993に移行する。RAMクリア報知中フラグがセットされている場合には、プロセスタイマを−1する(S1985)とともに、S1935で設定された期間タイマ2の値を−1する(S1986)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1987)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(S1989)。S1989において、演出制御用CPU101は、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。たとえば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S1990)。S1990において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2の値が0になったか否かを確認する(S1991)。そして、期間タイマ2の値が0になったら、すなわち、RAMクリア報知期間が経過したら、RAMクリア報知中フラグをリセットし(S1992)、S2010に移行する。なお、期間タイマ2の値がタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
RAMクリア報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S1993)。セットされていなければ、S1999に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S1994)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1995)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S1996)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(S1997)。S1997において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。たとえば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「下皿が満タンです」との音声を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S1998)。たとえば、S1998において、演出制御用CPU101は、皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
満タンエラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S1999)。セットされていなければ、S2005に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S2000)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S2001)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S2002)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S2003)。たとえば、S2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
賞球エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S2004)。セットされていなければ、S2010に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(S2005)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(S2006)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(S2007)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データにしたがって、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(S2008)。たとえば、S2008において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、S2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(S708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図62に示すように、球切れエラーまたは賞球エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行なわないが、球切れエラーや賞球エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行なうようにしてもよい。
S2009では、演出制御用CPU101は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、S2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。S2010では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(S1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。
以上のような処理が実行されることによって、各種エラーの報知が実行される。また、初期報知、ドア開放エラー報知、乱数回路エラー報知、異常入賞報知、RAMクリア報知、満タンエラー報知、賞球エラー報知および球切れエラー報知の順に優先してエラーの報知が実行される。
なお、演出制御用CPU101は、S1960,S1965,S1971,S1977,S1984,S1993,S1999,S2004でYと判定した後に、初期報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグのいずれか1つまたは複数がセットされているか否かを判定するようにしてもよい。そして、セットされている場合には、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(S1900)に対応した値に変更し、報知開始処理からやりなおすようにしてもよい。
次に、エラー用ランプ制御実行データにしたがって所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図64は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図64に示すように、この実施の形態では、エラー種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)のエラー用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBのエラー用ランプ制御実行データを切替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図64に示すランプ制御信号を、エラー用ランプ制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに基づいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図64に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC611〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。たとえば、天枠ランプのうちの一部のLED281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のLED281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのLED283a〜283fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのLED282a〜282fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC614のアドレスは「04」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0100」が付加された状態で格納されている。
RAMクリア報知する場合には、図64に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、RAMクリア報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが継続して点灯される状態となる。
なお、シリアル−パラレル変換IC611に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281aへの入力信号、2ビット目はLED281bへの入力信号、3ビット目はLED281cへの入力信号、4ビット目はLED281dへの入力信号、5ビット目はLED281eへの入力信号、6ビット目はLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281gへの入力信号、2ビット目はLED281hへの入力信号、3ビット目はLED281iへの入力信号、4ビット目はLED281jへの入力信号、5ビット目はLED281kへの入力信号、6ビット目はLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED283aへの入力信号、2ビット目はLED283bへの入力信号、3ビット目はLED283cへの入力信号、4ビット目はLED283dへの入力信号、5ビット目はLED283eへの入力信号、6ビット目はLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED282aへの入力信号、2ビット目はLED282bへの入力信号、3ビット目はLED282cへの入力信号、4ビット目はLED282dへの入力信号、5ビット目はLED282eへの入力信号、6ビット目はLED282fへの入力信号に対応している。
ドア開放エラーを報知する場合には、図64に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
球切れエラーを報知する場合には、図64に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
満タンエラーを報知する場合には、図64に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプのLED82a〜82dに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプのLED82a〜82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、皿ランプのLED82a〜82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、満タンエラーを報知する場合、皿ランプのLED82a〜82dのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、シリアル−パラレル変換IC615に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED82aへの入力信号、2ビット目はLED82bへの入力信号、3ビット目はLED82cへの入力信号、4ビット目はLED82dへの入力信号、5ビット目はLED83への入力信号に対応している。
賞球エラーを報知する場合には、図64に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの一部のLED281a〜281fのみが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部のLED281g〜281lのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281fとLED281g〜281lが交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
乱数回路エラーを報知する場合には、図64に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、乱数回路エラーを報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが継続して点灯される状態となる。
異常入賞エラーを報知する場合には、図64に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00101010」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられたランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの一部のLED281b,d,f,h,j,l,282b,d,f,283b,d,fのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281bへの入力信号、4ビット目の1がLED281dへの入力信号、6ビット目の1がLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281hへの入力信号、4ビット目の1がLED281jへの入力信号、6ビット目の1がLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED283bへの入力信号、4ビット目の1がLED283dへの入力信号、6ビット目の1がLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED282bへの入力信号、4ビット目の1がLED282dへの入力信号、6ビット目の1がLED282fへの入力信号に対応している。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00010101」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられた各天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの他の一部のLED281a,c,e,g,i,k,282a,c,e,283a,c,eのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281aへの入力信号、3ビット目の1がLED281cへの入力信号、5ビット目の1がLED281eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281gへの入力信号、3ビット目の1がLED281iへの入力信号、5ビット目の1がLED281kへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED283aへの入力信号、3ビット目の1がLED283cへの入力信号、5ビット目の1がLED283eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED282aへの入力信号、3ビット目の1がLED282cへの入力信号、5ビット目の1がLED282eへの入力信号に対応している。
上記のような制御が繰り返し行われることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが互い違いに交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、図64に示す例では、エラー報知を行なう際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にもランプ制御信号が供給される。たとえば、RAMクリア報知する場合には、皿ランプの点灯または点滅制御を行なう必要はないが、図64に示す例では、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615に対しても、対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないLEDを確実に消灯させた状態にすることができる。
なお、エラー報知を行なう際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。図65は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。
RAMクリア報知やドア開放エラー報知、乱数エラー報知、異常入賞エラー報知を行なう場合には、皿ランプは表示制御対象となっていないので、図65に示すように、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、球切れエラー報知や賞球エラー報知を行なう場合には、皿ランプに加えて左枠ランプおよび右枠ランプも表示制御対象となっていないので、図65に示すように、アドレスが「03」〜「05」であるシリアル−パラレル変換IC613〜615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、満タンエラー報知を行なう場合には、皿ランプのみが表示制御対象となっているので、図65に示すように、アドレスが「01」〜「04」であるシリアル−パラレル変換IC611〜614にはランプ制御信号を出力しないようにする。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100から各枠側IC基板602〜605に出力するランプ制御信号を低減することができる。
なお、図64および図65に示す例では、遊技枠11側に設けられたランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dのみを用いて各種エラー報知を行なう場合を説明したが、これらに加えて遊技盤6側に設けられたセンター飾り用ランプやステージランプのLED125a〜125f,126a〜126fを用いて各種エラー報知を行なうようにしてもよい。
次に、遊技演出において可動部材151,152を動作させるときに出力されるモータ制御信号について説明する。図66は、遊技演出においてシリアルデータ方式として出力されるモータ制御信号の例を示す説明図である。図66に示すモータ制御信号は、たとえば、図53に示す飾り図柄変動中処理において、可動部材151,152を用いた予告演出を含む可変表示が実行される際に、S845Cのシリアル設定処理において所定のデータ格納領域にセットされる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図66に示すモータ制御信号を、たとえば、表示制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のモータ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づいて、所定のモータ制御信号格納領域からモータ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各モータ制御信号は、図66に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC616のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。この実施の形態では、各モータ151a,152aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC616のアドレスは「06」であるので、モータを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0110」が付加された状態で格納されている。
可動部材としてトロッコ151を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000001」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を正方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されるとともに、所定時間(たとえば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材としてトロッコ151を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000010」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を逆方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されなくなるとともに、所定時間(たとえば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材として骸骨152を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000100」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、骸骨152を駆動するためのモータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって骸骨152が動作される。また、骸骨152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって骸骨152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、骸骨152を正方向に動作させた場合、位置センサ152bで骸骨152が検出されるとともに、所定時間(たとえば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
可動部材として骸骨152を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00001000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、骸骨152を駆動するためのモータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって骸骨152が動作される。また、骸骨152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって骸骨152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、骸骨152を逆方向に動作させた場合、位置センサ152bで骸骨152が検出されなくなるとともに、所定時間(たとえば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
次に、シリアル設定処理について説明する。図67は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、たとえば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の変動表示を行なうとき(S835C,845C参照)や、各種エラー報知を行なうとき(S1970,S1976,S1983,S1990,S1998,S2003,S2008)に実行される。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(S835Cのみ)等)を読出す(S950)。この場合、演出制御用CPU101は、たとえば、飾り図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図52に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行なう場合には、図63に示したエラー報知用プロセステーブルのエラー用ランプ制御実行データを読出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出したランプ制御実行データに基づいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(S951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプのシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(S952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図24に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(S953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(S954)。
たとえば、報知制御プロセス処理におけるS907,S922,S929でシリアル設定処理が実行された場合には、S952で図64に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読出され、S953でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、ROMから表示制御実行データを読出す(S955)。この場合、演出制御用CPU101は、たとえば、飾り図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図52に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行なう場合には、図63に示したエラー報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のS956でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出した表示制御実行データに基づいて、いずれかの可動部材151,152の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(S956)。可動部材151,152の可動が遊技演出に含まれる場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材151,152のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(本例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(S957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図24に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(S958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(S959)。
たとえば、飾り図柄の変動表示に予告演出等が含まれ、いずれかの可動部材151,152が可動される場合には、S835C,S845Cでシリアル設定処理が実行されるときに、S952で図66に示すいずれかのアドレス付きのモータ制御信号が読出され、S953でデータ格納領域に設定されることになる。
図68は、出力対象のランプ制御信号やモータ制御信号が設定されるデータ格納領域の一構成例を示す説明図である。この例では、ランプ制御信号またはモータ制御信号を格納するデータ格納領域が9個用意されており、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に出力される順に、ランプ制御信号やモータ制御信号がS953で順次格納される。
図69は、シリアル入出力処理(S708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(S970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(S971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(S972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、S972において各ランプ制御信号を順に読出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605にシリアルデータ方式として出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(S973)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことに基づいて、各位置センサ151b,152bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(S974)。なお、S974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(S975)。盤側IC基板605に搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことに基づいて、各操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(S976)。なお、S976では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
図70は、変動表示装置9における表示演出、スピーカ27による音演出および各ランプによる表示演出の状況の例を示す説明図である。図70(A)には、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれているときの例が示されている。
図70(B)には、変動表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。図70(B)に示すように、初期化指定コマンドを受信して変動表示装置9において初期化報知が行なわれる場合には、初期化指定コマンドを受信してから所定期間(たとえば31秒間)、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27から所定のエラー音を出力させ、RAMクリアが行なわれたことを報知する。
図70(C)には、変動表示装置9において異常報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fによって異常報知表示(たとえば点滅表示)がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、変動表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fに異常報知表示させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の変動表示が開始されても、変動表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。また、飾り図柄の変動表示が終了しても、変動表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御、異常報知音の出力を停止する制御、および異常報知表示を停止する制御を実行しないので、変動表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示は、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行なうようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行なわないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り遊技状態でないときに大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を行なう。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに基づいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、予め相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜619を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜619を特定可能となる情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC611〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC611〜615を特定可能とした情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。したがって、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、中継基板606,607によって、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615との接続が中継される。また、中継基板607によって、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615と演出制御用マイクロコンピュータ100との接続が中継される。そのため、中継基板606,607への接続作業や取り外し作業を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との脱着作業を容易に行なうことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技枠11側に2つのシリアル−パラレル変換611,612を搭載した集合基板としての枠側IC基板602が設けられている。また、遊技盤6側に4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619を搭載した集合基板としての盤側IC基板601が設けられている。そのため、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、コネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを、シリアル出力回路78を用いて、シリアル信号方式で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621に共通に用いるクロック信号を出力する。そのため、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および、入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル−パラレル変換IC611〜619のデバイスIDをアドレスとして予めROMの所定のアドレス記憶領域に記憶するようにしてもよい。そのように構成すれば、シリアル−パラレル変換IC611〜619に固有のID情報をアドレス情報として利用して各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82iを制御することができる。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(たとえば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、たとえば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80、盤側IC基板601、各枠側IC基板602〜605および各中継基板606,607の接続形態として、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607がバス型に1系統の配線ルートで接続され、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜619,622がバス型に1系統の配線ルートで接続される場合を説明したが、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619,622を直列接続(以下、デイジーチェーン型の接続ともいう)したり、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615を直列接続(デイジーチェーン型の接続)することによって、配線数を低減してもよい。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力し、中継基板607が、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、さらに中継基板606を介して盤側IC基板601に供給するようにしてもよい。
また、遊技枠11や遊技盤6に設けるランプのLEDとして、諧調制御を行なうLED(たとえば、マルチカラーLED)を用いるようにし、明るさを制御できるようにしてもよい。LEDの諧調制御を行なう場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、輝度に応じたパルス数の情報(たとえば、論理値0または1)を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス数に限らず、輝度に応じたパルス幅の情報を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力するようにしてもよい。このような諧調制御を行なうランプのLEDを用いて明るさを制御する場合、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとを異ならせるようにしてもよい。
また、遊技盤6側に搭載された各ランプのLED125a〜125f,126a〜126fで諧調制御を行なうようにしてもよい。この場合、盤側IC基板601にも、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとが、別々に搭載されることになる。
このように輝度を調整する場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプのLEDの発光状態を制御する制御信号として、ランプのLEDを発光させるときの輝度に応じて、パルス数を変化させた信号を出力する。これにより、ランプのLEDの輝度を調整する諧調制御を行なえるようにすることができる。なお、パルス数を変化させた信号を出力することによって諧調制御を行なう場合に限らず、パルス量を変化させた信号を出力するものであれば、他の方法を用いて諧調制御を行なうようにしてもよい。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス幅を変化させた信号を出力することによって、ランプのLEDの諧調制御を行なうようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(S901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。たとえば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の変動表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の変動表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段としの演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用され得る変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用され得る変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを変動表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドに基づく上記の制御を行なうようにしてもよい。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(たとえば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(たとえば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドに基づいて演出制御(たとえば、飾り図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行なうようにしてもよい。たとえば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、変動表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御が、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態に示した内部ランプの変形例を説明する。以下に示すような第2実施形態による内部ランプは、メッキベース71において、たとえば、図9に示す表示開口部75の左側方、上方、下方、および、可動部材ユニット150の右側方等、メッキベース71において、メッキベース71の前面で構造物が設けられていない領域に1または複数取付けられる。
図71は、第2実施形態による内部ランプの要部拡大斜視図である。図72は、第2実施形態による内部ランプの縦断面図である。図73は、(a)が図72のB−B断面図、(b)が図72のC−C断面図、(c)が図72のD−D断面図である。図74は、第2実施形態による内部ランプにおける導光状態を示す断面図である。
図73(a)における図72のB−B断面図および図73(c)における図72のD−D断面図は、図示を明確にするために、後述する第1の凹部1603および第2の凹部1604の上下中央位置よりもやや下方位置で切断した状態を示す断面図としている。
第2実施形態による内部ランプとしては、透光性材からなる導光部材としてのインナーレンズを設けた構造のランプを説明する。第2実施形態による内部ランプでは、2つのランプ(LED)が上下に連設されている。そして、連設された内部ランプは、発光装飾ユニット700内に複数個設けられている。そのように連設された内部ランプは、2つのインナーレンズが上下対象に形成されているため、図71〜図74においては、両者のうち下側のインナーレンズ1457dの詳細な構造のみを説明し、上側のインナーレンズの詳細な説明は省略することとする。
内部ランプには、図71に示されるように、前述した導光部材としてのインナーレンズ1457d、および、その背面(裏面)側に配置される内部ランプとしてのLED128cから主に構成される直線発光部が、飾り部材1451における側辺に沿って上下方向に設けられている。
インナーレンズ1457dは、特に図71に示されるように、透明な合成樹脂材により棒状に形成されている。詳しくは、帯状に形成される板状部1601と、板状部1601の左右方向の前面中央部から前方に向けて突出形成される中央リブ1602Cと、板状部1601の左右方向の前面端部からそれぞれ外側斜め前方に向けて突出形成される左リブ1602Lおよび右リブ1602Rとが、一体成形により構成されている。つまり、上下方向に延設されるインナーレンズ1457dは、左右方向に並設されるとともに、それぞれの後端が一体化されてなる3本の左リブ1602L、中央リブ1602C、および、右リブ1602Rにより構成されている。左リブ1602Lおよび右リブ1602Rは、中央リブ1602Cに対して所定角度傾斜した状態で設けられているため、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間、および、右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間には、断面略三角形状をなす空間が上下方向に向けて延在する態様で形成されている。
これら左リブ1602L、中央リブ1602C、および、右リブ1602Rの前端面、ならびに、板状部1601の裏面には、長手方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続して形成されており(図72参照)、内部の光が外方に放射されるようになっている。
インナーレンズ1457dの裏面には、板状部1601裏面から左リブ1602L、中央リブ1602C、および、右リブ1602Rの基部までの深さを有するとともに、左右幅方向に延びる、LEDの数と態様する数の第1の凹部1603および第2の凹部1604が、長手方向に向けて所定間隔おきに交互に凹設されている。また、インナーレンズ1457dの表面側における第1の凹部1603に対応する箇所には、第1の凹部1603を形成するための第1の凸部1605が、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間および右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。インナーレンズ1457dの表面側における第2の凹部1604に対応する箇所には、第2の凹部1604を形成するための第2の凸部1606が、左リブ1602Lと中央リブ1602Cとの間および右リブ1602Rと中央リブ1602Cとの間にそれぞれ前方に向けて凸設されている。
第1の凹部1603は、図71および図74に示されるように、垂直導入面1607aと、上水平導入面1607bと、下水平導入面1607cとの3つの面により側面視略コ字形に形成された照射光導入面を構成している。垂直導入面1607aは、インナーレンズ1457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く方向に形成された面である。上水平導入面1607bは、垂直導入面1607aの上端から裏面側に向けて形成された面である。下水平導入面1607cは、インナーレンズ1457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して水平方向を向く垂直導入面1607aの下端から裏面側に向けて形成された面である。このような第1の凹部1603では、その裏面側に配置されるLED128cからの照射光が該インナーレンズ1457d内部に導入されるようになっている(図74参照)。
なお、垂直導入面1607aには上下方向にわたりローレット加工が施され、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されており、内部の光が外方に放射されるようになっている。
第2の凹部1604は、垂直反射面1608aと上傾斜反射面1608bと下傾斜反射面1608cとの3つの面によりなる反射面を構成している。垂直反射面1608aは、インナーレンズ1457dを取付けた状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く方向に形成された面である。上傾斜反射面1608bは、垂直反射面1608aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する面である。下傾斜反射面1608cは、垂直反射面1608aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する面である。第2の凹部1604は、第1の凹部1603により形成される照射光導入面からインナーレンズ1457dの内部に導入されてインナーレンズ1457d内部を長手方向に向けて誘導された光をパチンコ遊技機1の前面側に向けて反射するようになっている。
なお、本実施の形態では、垂直反射面1608aにはローレット加工が施されていないが、該垂直反射面1608aの上下方向にわたりローレット加工を施し、開角θ3=90度をなす縦断面三角形状の切欠が上下方向に向けて連続してなる光拡散部が形成されるようにしてもよく、このようにすることで内部の光が外方に放射されるため、第2の凸部1606における輝度を高めることができる。
インナーレンズ1457dの下端には、前記第2の凹部1604の上半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面1608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面1608a’(図示省略)と上傾斜反射面1608b’(図示省略)とからなる第2の半凹部1604’が形成されているとともに、その前面側には、該第2の凹部1604’を形成するための第2の半凸部1606’(図示省略)が凸設されている。
なお、特に図示はしないが、インナーレンズ1457dと上下対象に形成されるインナーレンズ1457bの上端にも、第2の半凹部1604’および第2の半凸部1606’が同様に形成されている。
また、特に図示はしないが、インナーレンズ1457dの上端には、第2の凹部1604の下半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面1608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面1608a’(図示省略)と下傾斜反射面1608c’(図示省略)とからなる第2の半凹部1604’(図示省略)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の半凹部1604’(図示省略)を形成するための第2の半凸部1606’(図示省略)が凸設されている。
また、インナーレンズ1457dと上下対象に形成されるインナーレンズ1457bの下端には、特に詳細な図示はしないが、前記第2の凹部1604の上半分、つまり上下幅寸法が垂直反射面1608aの上下幅寸法の半分の垂直反射面1608a’(図示省略)と上傾斜反射面1608b’(図示省略)とからなる第2の半凹部1604’(図示省略)が形成されているとともに、その前面側には、該第2の半凹部1604’(図示省略)を形成するための第2の半凸部1606’(図示省略)が凸設されている。このため、これらインナーレンズ1457dの上端に形成される第2の半凹部1604’とインナーレンズ1457bの下端に形成される第2の半凹部1604’とにより、互いの上下端部同士を付き合わせたときに1つの第2の凹部1604および第2の凸部1606が形成されるようになっている。
一方、飾り部材1451の前面には、図71に示されるように、インナーレンズ1457dを前方から配置可能な前述のレンズ配置部1610が、飾り部材1451の右側辺に沿って上下方向に向けて延設されている。レンズ配置部1610は、インナーレンズ1457dが配置された状態において板状部1601の裏面と当接する底壁面1610aと、左リブ1602Lの外面および右リブ1602Rの外面それぞれと当接する傾斜壁面1610b,1610cとを含み、これらが、前方に開放する態様の横断面略凹溝状に形成されている。
底壁面1610aには、該底壁面1610aの裏面側に配置される各LED128cとの対向位置に、該LED128cの照射面を前方に露呈させるための照射用開口1611が上下方向にわたって複数形成されており、上下方向に向けて所定間隔おきに配設された各LED128cからの照射光を前方に向けて照射させることができるようになっている。各インナーレンズは、このような複数の照射用開口1611を飾り部材1451の前面側において一体的に覆うような態様で設けられている。
照射用開口1611の前方には、インナーレンズ1457dが配置された状態において、第1の凹部1603内に収容されて係合する三角柱状の照射光反射部1612が左右方向に向けて架設されている。照射光反射部1612は、メッキが施された反射部材であり、非透光性の部材である。この照射光反射部1612の裏面側には、図74に示されるように、裏面側に向けて下方に傾斜する上照射光反射面1612bと、裏面側に向けて上方に傾斜する下照射光反射面1612cとがそれぞれ形成されている。上照射光反射面1612bは、LED128cからの照射光を、該第1の凹部1603の上方に設けられた第2の凹部1604の下傾斜反射面1608cに向けて反射させ、上水平導入面1607bに入射させる。下照射光反射面1612cは、LED128cからの照射光を、該第1の凹部1603の下方に設けられた第2の凹部1604の上傾斜反射面1608bに向けて反射させ、下水平導入面1607cに入射させるようになっている。
また、底壁面1610aには、インナーレンズ1457dが配置された状態において、第2の凹部1604内に嵌合される補助反射部1613が前方に向けて凸設されている。補助反射部1613は、インナーレンズ1457dが配置された状態でパチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向を向く垂直補助反射面1613aと、該垂直補助反射面1613aの上端から裏面側に向けて上方に傾斜する上補助反射面1613bと、該垂直補助反射面1613aの下端から裏面側に向けて下方に傾斜する下補助反射面1613cとにより、縦断面略三角形状に形成されている。インナーレンズ1457dが配置された状態において、垂直補助反射面1613aは垂直反射面1608aの裏面に当接し、上補助反射面1613bは上傾斜反射面1608bの裏面に当接し、下補助反射面1613cは下傾斜反射面1608cの裏面に当接する。
また、底壁面1610aの下端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部1613の上半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面1613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面1613a’(図示省略)と上補助反射面1613b’(図示省略)とからなる半補助反射部1613’(図示省略)が形成されている。インナーレンズ1457dが配置された状態において、インナーレンズ1457dの下端の垂直反射面1608a’(図示省略)が垂直補助反射面1613a’(図示省略)に当接もしくは近接し、上傾斜反射面1608b’(図示省略)が上補助反射面1613b’(図示省略)に当接もしくは近接するようになっている。たとえば、インナーレンズ1457dと、底壁面1610aとが当接するときには、反射面1608a’〜 1608c’と反射面1613a’〜 1613c’とが所定の間隔で形成されるようになっている。これにより、たとえば、下傾斜反射面1608b’を通過した光が、間隙を前面側(図74における左側)に屈折(境界面における屈折光)し、下補助反射面1613b’で反射して、再び下傾斜反射面1608b’に入射するので、間隙がない場合に比べて、補助反射部1613の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
また、底壁面1610aの上端部には、特に詳細な図示はしないが、前記補助反射部1613の下半分、つまり上下幅寸法が垂直補助反射面1613aの上下幅寸法の半分の垂直補助反射面1613a’(図示省略)と下補助反射面1613c’(図示省略)とからなる半補助反射部1613’(図示省略)が形成されている。インナーレンズ1457bが配置された状態において、インナーレンズ1457bの上端の垂直反射面1608a’(図示省略)が垂直補助反射面1613a’(図示省略)に当接もしくは近接し、また、下傾斜反射面1608b’(図示省略)が下補助反射面1613b’(図示省略)に当接もしくは近接するようになっている。このように反射面間を所定の間隔で形成すると、前述した場合と同様の理由に基づいて、発光する部分の発光面積を広くできるという観点で好ましい。
レンズ配置部1610を構成する飾り部材1451と、照射光反射部1612および補助反射部1613とのそれぞれは、非透光性の合成樹脂材により構成されており、底壁面1610a、傾斜壁面1610b,1610cおよび上記各反射面1612a〜1612c,1613a〜1613cにはメッキ処理が施されている。これにより、インナーレンズ1457d内部から放射される光が、損失されることなく効率よく反射して再度内部に入射されることとなる。
次に、上述のように構成されたインナーレンズ1457d、飾り部材1451、LED128cの詳細な構造および互いの配置関係等について説明する。
インナーレンズ1457dの表面側には、第1の凸部1605(第1の凹部1603)と第2の凸部1606(第2の凹部1604)とがそれぞれ上下方向に向けてほぼ一定間隔おきに交互に形成されている。
第1の凹部1603および第2の凹部1604は、図72および図74に示されるように、裏面側に向けて開放する凹溝状に形成されている。詳しくは、第1の凹部1603を構成する垂直導入面1607aの上下幅寸法L1は約5mmであり、上水平導入面1607bおよび下水平導入面1607cの前後幅寸法L2は約2.5mmとされている。
この第1の凹部1603内に収容される照射光反射部1612の垂直反射面1612aの上下幅寸法は、前記垂直導入面1607aの上下幅寸法L1よりも短寸とされており、垂直反射面1612aの上端と上水平導入面1607bとの間、および、垂直反射面1612aの下端と下水平導入面1607cとの間には僅かな隙間(所定距離の隙間)が形成されている。よって、LED128cからの照射光がこの僅かな隙間から照射光反射部1612よりも前方(パチンコ遊技機1の前方)に向けて放射される。
照射光反射部1612は、上照射光反射面1612bと下照射光反射面1612cとの接合端辺、すなわち頂辺が、底壁面1610aよりもやや前方(パチンコ遊技機1の前方)に位置するように設けられている。また、上水平導入面1607bに対する上照射光反射面1612bの傾斜角度、および、下水平導入面1607cに対する下照射光反射面1612cの傾斜角度θ1は、それぞれ約45度とされている。各LED128cは、光を前方に向けて略水平(パチンコ遊技機1の底面に対して水平)に照射、すなわち、垂直導入面1607aに対して直交方向(交差方向)に照射するように配置されている。したがって、LED128cからの照射光は、上照射光反射面1612bと下照射光反射面1612cとによりそれぞれ上下方向に反射される。
第2の凹部1604を構成する垂直反射面1608aの上下幅寸法L4は約1.8mmであり、上傾斜反射面1608bの上下幅寸法L5および下傾斜反射面1608cの上下幅寸法L6、すなわち、上傾斜反射面1608bおよび下傾斜反射面1608c上下の端辺間の垂直幅寸法はそれぞれ約2.5mmであり、上傾斜反射面1608bの上端辺と下傾斜反射面1608cの下端辺との間の上下幅(垂直幅)寸法L3(L3=L4+L5+L6)は約6.8mmとされている。
また、上下方向を向くインナーレンズ1457d(板状部1601)の裏面に対する上傾斜反射面1608bおよび下傾斜反射面1608cの傾斜角度θ2はそれぞれ約135度とされている。つまり、インナーレンズ1457d(板状部1601)の裏面に対して直交する水平面に対する上傾斜反射面1608bおよび下傾斜反射面1608cの傾斜角度はそれぞれ約45度である。このため、上水平導入面1607bおよび下水平導入面1607cのそれぞれに対して直交方向に入射した光を前方に向けて効率よく反射させることができる。
図72に示されるように、複数のLED128cが前面における長手方向に向けて所定間隔おきに複数配置された前板基板1475bは、レンズ配置部1610の裏面側に近接配置されているとともに、各LED128cが底壁面1610aに形成された各照射用開口1611に臨むように配設されている。各照射光反射部1612の裏面側にはLED128cがそれぞれ配設されているが、補助反射部1613の裏面側にはLED128cは配設されない。各LED128cは、光を前方に向けて略水平に照射する態様、すなわち、垂直導入面1607aに対して直交方向に照射する態様で配置されている。
インナーレンズ1457dは、図71に示されるように、裏面に形成された第1の凹部1603を照射光反射部1612に対向させるとともに、第2の凹部1604を補助反射部1613に対向させた状態で、レンズ配置部1610の前面側から配置する。インナーレンズ1457dは、レンズ配置部1610内に配置された状態において、板状部1601の裏面が底壁面1610aに当接し、左リブ1602Lの裏面が傾斜壁面1610bに当接し、右リブ1602Rの裏面が傾斜壁面1610bに当接し、第1の凹部1603内に照射光反射部1612が収容されて嵌合し、第2の凹部1604内に補助反射部1613が嵌合する(図72参照)。なお、インナーレンズ1457a〜1457dのそれぞれと、レンズ配置部1610とを電気的に接続し、インナーレンズ1457a〜1457dのそれぞれがレンズ配置部1610を介して電気的に接地(アース)されるような構成を採用してもよい。
次に、インナーレンズ1457dの発光態様について、図74に基づいて説明する。
図74に示されるように、インナーレンズ1457dに対する光の供給は、各第1の凹部1603から行なわれる。LED128cから照射された光は、前方に向けてほぼ水平に照射されるため、照射用開口1611を通過した光は主に上照射光反射面1612bおよび下照射光反射面1612cにより上方および下方に向けて反射する。照射方向とほぼ平行な上水平導入面1607bに対する上照射光反射面1612bの傾斜角度および下水平導入面1607cに対する下照射光反射面1612cの傾斜角度θ1=45度であるため、反射光は上水平導入面1607bおよび下水平導入面1607cに対してほぼ直交する方向に反射する。
これにより、上水平導入面1607bおよび下水平導入面1607cに対する入射光の入射角が0度となるため、入射光は、上水平導入面1607bおよび下水平導入面1607cによりほぼ屈折することなく、上方および下方に向けてほぼ垂直に入射し、そのまま直線的に進む。
下水平導入面1607cから入射した入射光は、下方に向けてほぼ垂直方向(パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向)に進み、下水平導入面1607cの直下に配設された上傾斜反射面1608bに入射する。この入射光の光路は、上傾斜反射面1608bの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該上傾斜反射面1608bの前方位置、すなわち、第2の凸部1606の上部付近がその周辺に比べて強く発光する。
なお、上水平導入面1607bから入射した入射光は、上方に向けてほぼ垂直に進み、該上水平導入面1607bの直上に配設された別の下傾斜反射面1608c(図示省略)に入射する。この入射光の光路は、下傾斜反射面1608cの法線Hに対して臨界角θ4よりも大きな角度であり、入射前のエネルギーがすべて反射光になるため、前方に向けてほぼ水平に反射する。よって、該下傾斜反射面1608cの前方位置、すなわち、第2の凸部1606の下部付近がその周辺に比べて強く発光する。
LED128cから照射された光は、前述のようにすべてが上下の照射光反射面1612b,1612cに向けて水平に照射されるわけではなく、上水平導入面1607bや下水平導入面1607cに対して斜めに入射する光もあるため、これら光は、レンズ内部に透過され、または反射することになる。
また、LED128cからの照射光、上水平導入面1607bで反射した反射光、または、下水平導入面1607cで反射した反射光等、上照射光反射面1612bの上端辺と上水平導入面1607bとの隙間もしくは下照射光反射面1612cの下端辺と下水平導入面1607cとの隙間に入り込んだ光は、垂直導入面1607aに入射し、レンズ内部に透過され、または反射することになるため、該垂直導入面1607aの前方上下位置、すなわち、第1の凸部1605の上下部付近がその周辺に比べて強く発光する。
また、垂直導入面1607aに入射した光は、反射した場合でもその裏面側に垂直反射面1612aが配置されていることにより、反射光が外部に放射されることなく、垂直反射面1612aに反射して再度垂直導入面1607aに入射するため、垂直導入面1607aが明るくなる。さらに、垂直導入面1607aにはローレット加工が施されていることで、その裏面側上下端付近から入射する光が凹凸面により上下方向にわたり分散して反射されるため、照射光反射部1612によりLED128cからの照射光が遮られても、上下幅方向にわたり発光することになる。
このように、インナーレンズ1457dにあっては、裏面側に配置されたLED128cとの対向位置に、各導入面1607a〜1607cからなる第1の凹部1603が凹設されていることにより、LED128cから前方に向けて水平に照射される光により、第1の凹部1603の前方に形成される第1の凸部1605付近が、その周辺に比べて強く発光する。つまり、LED128cが発光することにより、インナーレンズ1457dの表面における各第1の凹部1603の正面位置に、主に垂直導入面1607aから導入された入射光により発光する第1の発光部が形成される。
また、裏面側に配置されたLED128cと対向しない位置に、各反射面1608a〜1608cからなる第2の凹部1604が凹設されていることにより、主に上下の水平導入面1607b,1607cからインナーレンズ1457d内部に透過して垂直方向(パチンコ遊技機1の底面に対して垂直方向)に誘導された光が、上下の傾斜反射面1608b,1608cでパチンコ遊技機1の前方に向けて反射し誘導されるため、第2の凹部1604の前方に形成される第2の凸部1606付近が、その周辺に比べて強く、かつ、第1の凸部1605とほぼ同じ輝度で発光する。つまり、LED128cが発光することにより、インナーレンズ1457dの表面における各第2の凹部1604の正面位置に、主に上下の水平導入面1607b,1607cから導入された入射光により発光する第2の発光部が形成される。
また、垂直導入面1607aとLED128cとの間には非透光性部材からなる照射光反射部1612が配置されている。これにより垂直導入面1607aの裏面側が遮られていることで、LED128cの照射光が直接垂直導入面1607aを透過して前方に放射されることがないので、第1の発光部における輝度が適度に低下される。
一方、LED128cの前面側には上下の照射光反射面1612b,1612cが形成されており、LED128cの照射光を上下の水平導入面1607b,1607cに対して直交方向に入射させるようになっているため、反射による光の損失を極力抑えた状態で照射光を第2の凹部1604側に向けて誘導することができるばかりか、透過光が上下の水平導入面1607b,1607cの直下および直上に形成される上下の傾斜反射面1608b,1608cに向けて直線的に誘導され、上下の傾斜反射面1608b,1608cに入射する前に外部に放射することを効果的に防止できるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
さらに、上下の傾斜反射面1608b,1608cの裏面側には、非透光性部材からなる上下の補助反射面1613b,1613cが近接配置されているため、上下の傾斜反射面1608b,1608cから外部に放射される光が再度内部に入射されるため、第2の発光部における輝度を高めることができる。
また、図72を用いて説明したように、垂直導入面1607aの上下幅寸法L1=約5mmであるのに対し、上傾斜反射面1608bおよび下傾斜反射面1608cそれぞれの上下幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6=約5mmであることで、インナーレンズ1457dを正面から見たときにおける発光領域の上下幅寸法が、垂直導入面1607aの上下幅寸法L1と、上傾斜反射面1608bおよび下傾斜反射面1608cそれぞれの上下幅寸法L5,L6の合計幅寸法L5+L6とがほぼ同寸(L1=L5+L6)であるため、第1の発光部および第2の発光部の輝度をほぼ同じようにすることができる。
さらに、垂直導入面1607aの上下幅寸法L1よりも垂直反射面1608aの上下幅寸法L4の方が短寸(L1>L4)であることで、発光領域を構成する上傾斜反射面1608bと下傾斜反射面1608cとが大きく分離されることがないので、第2の発光部の輝度の低減が防止される。
このように、裏面側にLED128cが配置される第1の凸部1605(第1の発光部)における輝度が適度に低減されるとともに、裏面側にLED128cが配置されない第2の凸部1606(第2の発光部)における輝度が効果的に向上されていることで、第1の凸部1605(第1の発光部)と第2の凸部1606(第2の発光部)との輝度の差が極力小さくなっている。これにより輝度の違いによる違和感が生じなくなり、第2の凸部1606(第2の発光部)の裏面側にもあたかもLEDが配置されて発光しているように見せることができるため、多量のLEDを配置することなく、インパクトのある発光演出を実現することが可能となる。
なお、インナーレンズ1457dを用いた内部ランプは、連設しない態様で複数設けてもよい。インナーレンズ1457dを上下方向に連設した場合には、上部のインナーレンズの下端に形成された第2の半凹部1604’に関しては、前述した上傾斜反射面1608b’(図示省略)が上傾斜反射面1608bと同様の作用・効果を奏するとともに、下側のインナーレンズの上端に形成された第2の半凹部1604’(図示省略)に関しては、前述した下傾斜反射面1608c’(図示省略)が下傾斜反射面1608bと同様の作用・効果を奏するため、上側のインナーレンズの下端および下側のインナーレンズの上端もあたかもLEDが配置されて発光しているように見える。
さらに、インナーレンズ1457dを上下方向に連設した場合には、インナーレンズ1457の接合部には、前述したように、下側のインナーレンズ1457の上端に形成された第2の半凹部1604’(図示省略)と、上側のインナーレンズ1457の下端に形成された第2の半凹部1604’(図示省略)とにより第2の凹部1604(図示省略)が形成され、他の第2の凹部1604と同様の作用・効果を奏するため、上下方向に連設したインナーレンズの接合部が、たかもLEDが配置されて発光しているように見える。
また、垂直導入面1607a、上水平導入面1607b、および、下水平導入面1607cのそれぞれに対して斜めに入射してインナーレンズ1457d内部に透過した入射光は、主にローレット加工が施された面、つまり各リブ1602L,1602C,1602Rの前端面や板状部1601の裏面から外部に放射される。つまり、インナーレンズ1457d内部に透過した入射光はすべて垂直方向に向けて進むわけではなく、レンズ内面で反射しながら進む光もあり、これによりインナーレンズ1457dの上下方向に延設された各リブ1602L、1602C、および、1602Rの前端面が、上下方向にわたって均等に発光するため、インナーレンズ1457dの表面を長手方向にわたり発光させることができる。
また、インナーレンズ1457d内部から板状部1601の裏面を経て外部に放射された光は、その裏面に近接配置される底壁面1610aにより反射されて再度内部に透過される。インナーレンズ1457d内部から左右のリブ1602L,1602Rの外面を経て外部に放射された光は、その外側に近接配置される傾斜壁面1601b,1610cにより反射されて再度内部に透過される。これによりインナーレンズ1457d内部を誘導される光が裏面側に放射しにくくなり、光が前方に向けて放射されやすくなるため、インナーレンズ1457d全域を効率よく発光させることができる。
以上に示した第2実施形態による内部ランプは、インナーレンズ1457dおよびレンズ配置部1610が形成された飾り部材1451を含む単体の構造物として構成し、メッキベース71に取付けるようにしてもよく、また、メッキベース71において、内部ランプを取付ける領域を、図71に示すレンズ配置部1610と同様の形態に形成し、インナーレンズ1457d等のその他の構造物を、その領域に取付けるようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700の変形例を説明する。以下に示す第3実施形態については、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図75は、第3実施形態による発光装飾ユニット700aの可動部材ユニット150が取付けられていない状態での前面側を示す正面図である。図76は、第3実施形態による遊技盤6の縦断面図である。図77は、第3実施形態による発光装飾ユニット700aの前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
第3実施形態が第1実施形態と異なる主な点は、発光装飾ユニット700aの構造である。具体的に、第3実施形態による発光装飾ユニット700aでは、メッキベース71aにおいて、表示開口部75の縁からメッキベース71aの外縁(取付縁部710側)に近づくにしたがって、当該メッキベース71aと板状部材600との間の距離が段階的に短くなる(近くなる)態様で段差が設けられた階段状面が形成されている。
また、第3実施形態においては、発光装飾ユニット700aにおいて、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bが設けられていない。なお、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bは、発光装飾ユニット700aに設けられてもよい。
図75に示すように、発光装飾ユニット700aにおいて、内部ランプとして用いられるLED610a,610c〜610jに関して、1個単独または2個1組で設けられる態様は、第1実施形態による発光装飾ユニット700と同様である。また、メッキベース71aにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71aの外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で、LED610a〜,610c〜610jが取付けられている。そして、発光装飾ユニット700aに関しては、LED610a,610c〜610jが、第1実施形態において説明した発光制御パターンと同様の発光制御パターンで制御される。
図76に示すように、メッキベース71aは、第1実施形態に示したメッキベース71と同様に、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材であり、中央部に、表示開口部75が開口形成されている。メッキベース71aにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって、メッキベース71aと板状部材600との間の距離が短くなる態様で2段の段差が設けられた階段状面が形成されている。言い換えると、メッキベース71aにおいては、表示開口部75がメッキベース71aの外縁に対して奥側へ凹んだ位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって階段状面が形成されている。このような構成により、第1実施形態の場合と同様に、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
具体的に、メッキベース71aは、2段の段差が設けられたことにより、図75〜図77に示すように、第1ステージ部ST1、第2ステージ部ST2、第3ステージ部ST3の3つのステージ部に分けられる。段差により形成された第1ステージ部ST1、第2ステージ部ST2および第3ステージ部ST3のそれぞれは、四角形をオフセットしたような形状よりなるが、これに限らす、円形であってもよい。第1ステージ部ST1は、表示開口部75の縁に最も近いステージ部である。第3ステージ部ST3は、メッキベース71の外縁に最も近いステージ部である。第2ステージ部ST2は、第1ステージ部ST1と第3ステージ部ST3との中間に設けられたステージ部である。第1ステージ部ST1〜第3ステージ部ST3のそれぞれは、板状部材600と平行な面により構成されている。
第1ステージ部ST1には、LED610d,610h,610jを取付けるための反射部72bが設けられている。第2ステージ部ST2には、LED610c,610f,610g,610iを取付けるための反射部72a,72bが設けられている。第3ステージ部ST3には、LED610a,610efを取付けるための反射部72aが設けられている。
このように、第3実施形態に示す発光装飾ユニット700aでは、メッキベース71aにおいて、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって、メッキベース71と板状部材600との間の距離が段階的に短くなる態様で段差が設けられた第1ステージ部ST1、第2ステージ部ST2、および、第3ステージ部ST3を含む階段状面が形成されている。
第3実施形態では、メッキベース71aの形状が第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、誘導通路74bを有する誘導通路部712a、および、誘導通路726bを有する誘導通路部713aが、それぞれメッキベース71aと一体的に形成されている。また、第3実施形態では、メッキベース71aの形状が、第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う形状の球通路部800が取付けられている。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700の変形例を説明する。以下に示す第4実施形態については、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図78は、第4実施形態による発光装飾ユニット700bの可動部材ユニット150が取付けられていない状態での前面側を示す正面図である。図79は、第4実施形態による遊技盤6の縦断面図である。図80は、第4実施形態による発光装飾ユニット700bの前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
第4実施形態が第1実施形態と異なる主な点は、発光装飾ユニット700bの構造である。具体的に、第4実施形態による発光装飾ユニット700bでは、メッキベース71bにおいて、メッキベース71bの外縁(取付縁部710側)から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、メッキベース71bと板状部材600との間の距離が短くなる(近くなる)態様で傾斜した傾斜面が形成されている。
また、第4実施形態においては、発光装飾ユニット700bにおいて、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bが設けられていない。なお、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bは、発光装飾ユニット700bに設けられてもよい。
図78に示すように、発光装飾ユニット700bにおいて、内部ランプとして用いられるLED610a,610c〜610jに関して、1個単独または2個1組で設けられる態様は、第1実施形態による発光装飾ユニット700と同様である。
図79に示すように、メッキベース71bは、第1実施形態に示したメッキベース71と同様に、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材であり、中央部に、表示開口部75が開口形成されている。メッキベース71bにおいては、第1実施形態に示したメッキベース71とは逆に、表示開口部75の縁からメッキベース71bの外縁に近づくにしたがって、メッキベース71bと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面が形成されている。図79および図80に示すように、メッキベース71bには、傾斜面の外縁部の周囲に、板状部材600と交差する方向に形成された壁部710bが設けられている。そして、その壁部710bの幅は、メッキベース71bの傾斜面の終端部(メッキベース71bの外縁ともいう)から、表示開口部75の縁よりも前方に突出した位置までの距離となっている。壁部710bにおける前方の端部には、取付縁部710が全周囲にわたって所定幅で設けられている。言い換えると、メッキベース71bにおいては、表示開口部75がメッキベース71bの傾斜面の外縁(取付縁部710側)に対して前方へ突出した位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって傾斜面が形成されている。
そして、表示開口部75の位置よりも、壁部710bにおける前方端部の位置が、より前方へ突出しており、その端部に形成された取付縁部710が板状部材600の後面に取付けられることにより、発光装飾ユニット700bが板状部材600の後面側に取付けられる。このような構成により、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
メッキベース71bにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71の傾斜面の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが小さくなる配置態様で、LED610a,610c,〜610jが取付けられている。たとえば、LED610c,610dの組では、小さいLED610dの方が、大きいLED610cよりもメッキベース71の傾斜面の外縁に近い方に取付けられている。LED610e,610fの組、LED610g,610hの組、および、LED610i,610jの組のそれぞれついても同様の配置態様で、LEDが配置されている。これにより、メッキベース71bにおいて表示開口部75の縁からメッキベース71bの傾斜面の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが小さくなる配置態様で、複数の発光体がメッキベース71bに取付けられているので、板状部材600の後面側において、メッキベース71bの中央部から傾斜面の外縁までの間で、発光体の大きさ、すなわち、発光面積の大きさの違いによって立体的な奥行き感を強調することができる。
また、発光装飾ユニット700bに関しては、LED610a,610c〜610jが、第1実施形態において説明した発光制御パターンと同様の発光制御パターンで制御される。
このように、第4実施形態に示す発光装飾ユニット700bでは、メッキベース71bにおいて、メッキベース71bの外縁から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、メッキベース71bと板状部材600との間の距離が段階的に短くなる態様で傾斜した傾斜面が形成されている。
第4実施形態では、メッキベース71bの形状が第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、誘導通路74bを有する誘導通路部712b、および、誘導通路726bを有する誘導通路部713bが、それぞれメッキベース71bと一体的に形成されている。また、第4実施形態では、メッキベース71bの形状が、第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う形状の球通路部800が取付けられている。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700の変形例を説明する。以下に示す第5実施形態については、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図81は、第5実施形態による発光装飾ユニット700cの可動部材ユニット150が取付けられていない状態での前面側を示す正面図である。図82は、第5実施形態による遊技盤6の縦断面図である。図83は、第5実施形態による発光装飾ユニット700cの前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
第5実施形態が第1実施形態と異なる主な点は、発光装飾ユニット700cの構造である。具体的に、第5実施形態による発光装飾ユニット700cでは、メッキベース71cにおいて、メッキベース71cの外縁(取付縁部710側)から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、当該メッキベース71cと板状部材600との間の距離が段階的に短くなる(近くなる)態様で段差が設けられた階段状面が形成されている。
また、第5実施形態においては、発光装飾ユニット700cにおいて、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bが設けられていない。なお、LED610b、および、当該LEDを取付ける反射部72bは、発光装飾ユニット700cに設けられてもよい。
図81に示すように、発光装飾ユニット700bにおいて、内部ランプとして用いられるLED610a,610c〜610jに関して、1個単独または2個1組で設けられる態様は、第1実施形態による発光装飾ユニット700と同様である。
図82に示すように、メッキベース71bは、第1実施形態に示したメッキベース71と同様に、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材であり、中央部に、表示開口部75が開口形成されている。メッキベース71cにおいては、第3実施形態に示したメッキベース71aとは逆に、メッキベース71の外縁の縁から表示開口部75に近づくにしたがって、メッキベース71cと板状部材600との間の距離が短くなる態様で2段の段差が設けられた階段状面が形成されている。図82および図83に示すように、メッキベース71cには、傾斜面の外縁部の周囲に、板状部材600と交差する方向に形成された壁部710cが設けられている。そして、その壁部710cの幅は、メッキベース71cの階段状面部(メッキベース71cの外縁ともいう)から、表示開口部75の縁よりも前方に突出した位置までの距離となっている。壁部710cにおける前方の端部には、取付縁部710が全周囲にわたって所定幅で設けられている。言い換えると、メッキベース71cにおいては、表示開口部75がメッキベース71cの階段状面の外縁に対して前方に突出した位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって階段状面が形成されている。
そして、表示開口部75の位置よりも、壁部710cにおける前方端部の位置が、より前方へ突出しており、その端部に形成された取付縁部710が板状部材600の後面に取付けられることにより、発光装飾ユニット700cが板状部材600の後面側に取付けられる。このような構成により、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
具体的に、メッキベース71cは、2段の段差が設けられたことにより、図81〜図83に示すように、第1ステージ部ST10、第2ステージ部ST20、第3ステージ部ST30の3つのステージ部に分けられる。第1ステージ部ST10は、表示開口部75の縁に最も近いステージ部である。第3ステージ部ST30は、メッキベース71cの階段状面の外縁に最も近いステージ部である。第2ステージ部ST20は、第1ステージ部ST10と第3ステージ部ST30との中間に設けられたステージ部である。第1ステージ部ST10〜第3ステージ部ST30のそれぞれは、板状部材600と平行な面により構成されている。
第5実施形態では、第3実施形態に示すLED610aの代わりに、サイズが小さい発光体としてのLED610bが設けられている。第1ステージ部ST10には、LED610c,610g,610iを取付けるための反射部72aが設けられている。第2ステージ部ST20には、LED610d,610e,610h,610jを取付けるための反射部72a,72bが設けられている。第3ステージ部ST30には、LED610b,610efを取付けるための反射部72bが設けられている。
メッキベース71cにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71の階段状面の外縁に近づくにしたがって、発光体の大きさが小さくなる配置態様で、LED610b〜610jが取付けられている。たとえば、LED610c,610dの組では、小さいLED610dの方が、大きいLED610cよりもメッキベース71の階段状面の外縁に近い方に取付けられている。LED610e,610fの組、LED610g,610hの組、および、LED610i,610jの組のそれぞれついても同様の配置態様で、LEDが配置されている。これにより、メッキベース71cにおいて表示開口部75の縁からメッキベース71cの階段状面の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが小さくなる配置態様で、複数の発光体がメッキベース71cに取付けられているので、板状部材600の後面側において、メッキベース71cの中央部から傾斜面の外縁までの間で、発光体の大きさ、すなわち、発光面積の大きさの違いによって立体的な奥行き感を強調することができる。
また、発光装飾ユニット700cに関しては、LED610b〜610jが、第1実施形態において説明した発光制御パターンと同様の発光制御パターンで制御される。
このように、第5実施形態に示す発光装飾ユニット700cでは、メッキベース71cにおいて、メッキベース71の階段状面の外縁から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、メッキベース71と板状部材600との間の距離が段階的に短くなる態様で段差が設けられた階段状面が形成されている。
第5実施形態では、メッキベース71cの形状が第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、誘導通路74bを有する誘導通路部712c、および、誘導通路726bを有する誘導通路部713cが、それぞれメッキベース71cと一体的に形成されている。また、第5実施形態では、メッキベース71cの形状が、第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う形状の球通路部800が取付けられている。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700の変形例を説明する。以下に示す第6実施形態については、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図84は、第6実施形態による発光装飾ユニット700dの可動部材ユニット150が取付けられていない状態での前面側を示す正面図である。図85は、第6実施形態による遊技盤6の縦断面図である。図86は、第6実施形態による発光装飾ユニット700dの前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
第6実施形態が第1実施形態と異なる主な点は、発光装飾ユニット700dの構造である。具体的に、第6実施形態による発光装飾ユニット700cでは、メッキベース71dにおいて、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁(取付縁部710側)に向かって放射状に延在する態様で形成された段差構造部780が設けられている。
また、第6実施形態では、発光装飾ユニット700dにおいて、LED610a〜610jを取付ける反射部として、反射部72a,72bの代わりに、円筒状の反射部79a,79bが設けられている。反射部79a,79bは、メッキベース71dと一体的に形成されており、メッキベース71dにおけるその他の部分と同様のメッキ処理が施されている。反射部79a,79bのうち、反射部79aは、大きいサイズのLED610a,610c,610e,610g,610iが取付けられる反射部である。また、反射部79a,79bのうち、反射部79bは、小さいサイズのLED610b,610d,610f,610h,610jが取付けられる反射部である。したがって、反射部79aのサイズが、反射部79bのサイズよりも大きくされている。反射部79aと反射部79bとのサイズの違いは、円筒の径の違いである。
図84に示すように、発光装飾ユニット700dにおいて、内部ランプとして用いられるLED610a〜610jに関して、1個単独または2個1組で設けられる態様は、第1実施形態による発光装飾ユニット700と同様である。また、メッキベース71dにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で、LED610a〜610jが取付けられている。そして、発光装飾ユニット700dに関しては、LED610a〜610jが、第1実施形態において説明した発光制御パターンと同様の発光制御パターンで制御される。
図85に示すように、メッキベース71dは、第1実施形態に示したメッキベース71と同様に、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材であり、中央部に、表示開口部75が開口形成されている。メッキベース71dにおいては、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁に近づくにしたがって、メッキベース71dと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面が形成されている。言い換えると、メッキベース71dにおいては、表示開口部75がメッキベース71dの外縁に対して凹んだ位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって傾斜面が形成されている。したがって、メッキベース71dは、第1実施形態に示したメッキベース71dと同様に、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
また、図84〜図86に示すように、メッキベース71dは、前面側における前述の傾斜面が、表示開口部75の中心部を中心として、表示開口部75のからメッキベース71dの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された複数の段差構造部780を含む。段差構造部780のそれぞれは、延在方向と交差する方向の両端部が、後面側に一段階凹んだ領域であって、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁に近づくにしたがって領域の幅が広くなる態様で形成された凹部領域である。LED610a〜610jが取付けられる反射部79a,79bは、これら突出領域780上に形成されている。これにより、発光装飾ユニット700dは、手前程幅が広く、奥程幅が狭いので、視覚的に立体感を生じさせることができる。
このように、メッキベース71dが、表示開口部75の中心部を中心として、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された複数の段差構造部780を含んでいる。これにより、板状部材600の後面側において、段差構造部780の放射的な広がりにより、立体的な奥行き感を構造物の形状によって強調することができる。
第6実施形態では、メッキベース71dの形状が第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、誘導通路74bを有する誘導通路部712d、および、誘導通路726bを有する誘導通路部713dが、それぞれメッキベース71dと一体的に形成されている。また、第6実施形態では、メッキベース71dの形状が第1実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う形状の球通路部800が取付けられている。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態を説明する。第7実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700の変形例を説明する。以下に示す第7実施形態については、第4実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図87は、第7実施形態による発光装飾ユニット700eの可動部材ユニット150が取付けられていない状態での前面側を示す正面図である。図88は、第7実施形態による遊技盤6の縦断面図である。図89は、第7実施形態による発光装飾ユニット700eの前面側での構造物の取付態様を示す分解斜視図である。
第7実施形態が第4実施形態と異なる主な点は、発光装飾ユニット700eの構造である。具体的に、第7実施形態による発光装飾ユニット700eでは、メッキベース71eにおいて、表示開口部75の縁からメッキベース71dの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された段差構造部781が設けられており、その段差構造部781の形状が、第7実施形態による段差構造部780の形状と異なる。
また、第7実施形態では、発光装飾ユニット700eにおいて、LED610a〜610jを取付ける反射部として、反射部72a,72bの代わりに、第6実施形態で示した円筒状の反射部79a,79bが設けられている。
図87に示すように、発光装飾ユニット700eにおいて、内部ランプとして用いられるLED610a〜610jに関して、1個単独または2個1組で設けられる態様は、第4実施形態による発光装飾ユニット700と同様である。また、メッキベース71eにおいては、第4実施形態の場合と同様に、表示開口部75の縁からメッキベース71eの外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが小さくなる配置態様で、LED610a〜610jが取付けられている。第7実施形態の場合は、LED610aが取付けられる反射部79aは、取付開口部74の直上に形成され、LED610bが取付けられる反射部79aは、表示開口部75の直上に形成されている。そして、発光装飾ユニット700eに関しては、LED610a〜610jが、第4実施形態において説明した発光制御パターンと同様の発光制御パターンで制御される。
図88に示すように、メッキベース71eは、第4実施形態に示したメッキベース71bと同様に、板状部材600の後面側において、板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられた板状の装飾部材であり、中央部に、表示開口部75が開口形成されている。メッキベース71eにおいては、第4実施形態に示したメッキベース71bと同様に、表示開口部75の縁からメッキベース71eの外縁に近づくにしたがって、メッキベース71eと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面が形成されている。そして、図87および図88に示すように、メッキベース71eには、傾斜面の外縁部の周囲に、板状部材600と交差する方向に形成された壁部710eが設けられている。そして、その壁部710eの幅は、メッキベース71eの傾斜面の終端部(メッキベース71eの外縁ともいう)から、表示開口部75の縁よりも前方に突出した位置までの距離となっている。壁部710eにおける前方の端部には、取付縁部710が全周囲にわたって所定幅で設けられている。言い換えると、メッキベース71eにおいては、第4実施形態の場合と同様に、表示開口部75がメッキベース71eの傾斜面の外縁に対して前方へ突出した位置にあり、その外縁から表示開口部75に向かって傾斜面が形成されている。
そして、表示開口部75の位置よりも、壁部710eにおける前方端部の位置が、より前方へ突出しており、その端部に形成された取付縁部710が板状部材600の後面に取付けられることにより、発光装飾ユニット700eが板状部材600の後面側に取付けられる。このような構成により、表示開口部75に後面側から取付けられる変動表示装置9は、表示部90と、表示領域62との間が所定距離だけ離隔している。
また、図87〜図89に示すように、メッキベース71eは、前面側における前述の傾斜面が、表示開口部75の中心部を中心として、表示開口部75の縁からメッキベース71eの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された複数の段差構造部781を含む。段差構造部781のそれぞれは、延在方向と交差する方向の両端部が、後面側に一段階凹んだ領域であって、第6実施形態とは逆に、表示開口部75の縁からメッキベース71eの外縁に近づくにしたがって領域の幅が狭くなる態様で形成された凹部領域である。LED610a〜610jが取付けられる反射部79a,79bは、これら突出領域781上に形成されている。
このように、メッキベース71eが、表示開口部75の中心部を中心として、表示開口部75の縁からメッキベース71eの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された複数の段差構造部780を含んでいる。これにより、板状部材600の後面側において、段差構造部781の放射的な広がりにより、立体的な奥行き感を構造物の形状によって強調することができる。
第7実施形態では、メッキベース71eの形状が第4実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、誘導通路74bを有する誘導通路部712e、および、誘導通路726bを有する誘導通路部713eが、それぞれメッキベース71eと一体的に形成されている。また、第7実施形態では、メッキベース71eの形状が第4実施形態の場合と異なるので、その形状に対応して、取付開口部74およびアウト口開口部726等の遊技球の出口を覆う形状の球通路部800が取付けられている。
〔第8実施形態〕
次に、第8実施形態を説明する。第8実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700における入賞口部材295,305,335,395に入賞した遊技球を誘導する経路の変形例を説明する。以下に示す第8実施形態については、第1実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図90は、第8実施形態による入賞口部材295,305,335,395に入賞した遊技球を誘導する経路の構成を示す発光装飾ユニット700の一部拡大断面図である。
図90に示すように、誘導通路部640は、板状部材600と一体的に形成された筒状(円筒状)の通路部材であり、メッキベース71のその他の部分と同様に、メッキ処理されている。誘導通路部640は、先端部が、メッキベース71の前面における開口部715の全周囲に形成された溝部717a内に嵌入れられる態様で形成されている。また、貫通孔63の周囲から開口部715の周囲までの距離(誘導通路部640の長さ)は、前述のようにメッキベース71が傾斜していることにより、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって短くなっている。
このように、板状部材600と一体的に形成された誘導通路部640の構成は、発光装飾ユニット700と一体的に形成された誘導通路部740の構成と同様の形状となるので、誘導通路部740を設けたことにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
〔第9実施形態〕
次に、第9実施形態を説明する。第9実施形態においては、第1実施形態に示した発光装飾ユニット700における入賞口部材295,305,335,395に入賞した遊技球を誘導する経路のその他の変形例を説明する。以下に示す第9実施形態については、第1実施形態および第8実施形態との相違点を主に説明し、重複した説明を繰返さない。
図91は、第9実施形態による入賞口部材295,305,335,395に入賞した遊技球を誘導する経路の構成を示す発光装飾ユニット700の一部拡大断面図である。
図91に示すように、遊技球を発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導する誘導通路681を形成した誘導通路部680は、各入賞口部材295,305,335,395と一体的に形成された筒状(円筒状)の通路部材であり、メッキベース71のその他の部分と同様に、メッキ処理されている。取付各入賞口部材295,305,335,395においては、箱型の部位の座側に形成されている貫通孔と、貫通孔63のように板状部材600の後面方向に対して下方に向いて延在する態様、すなわち、下方へ傾斜した態様での誘導通路部68と、が一体的に形成されている。誘導通路部680の外径は、貫通孔63の径よりも小さい。これにより、誘導通路部680は、貫通孔63内に挿入され、先端部が、第9実施形態の場合と同様に、メッキベース71の前面における開口部715の全周囲に形成された溝部717a内に嵌入れられる態様で延在される。
したがって、各入賞口部材295,305,335,395は、誘導通路部68を、貫通孔63を挿通して先端部がメッキベース71の開口部715の全周囲に形成された溝部717a内に嵌入れられる態様で取付けた状態で、板状部材600の前面に、フランジ状の部材が当接した態様で、箱型の部位が取付けられることとなる。このような構成により、各入賞口部材295,305,335,395に受入れられた遊技球は、貫通孔63に設けられた誘導通路部680内の誘導通路681を通り、発光装飾ユニット700の開口部715の裏面側へ誘導される。
また、板状部材600の後面における貫通孔63の周囲から開口部715の周囲までの距離(誘導通路部680の長さ)は、前述のようにメッキベース71が傾斜していることにより、メッキベース71の外縁に近づくにしたがって短くなっている。
このように、各入賞口部材295,305,335,395と一体的に形成された誘導通路部680の構成は、板状部材600と一体的に形成された誘導通路部640の構成、および、発光装飾ユニット700と一体的に形成された誘導通路部740の構成のそれぞれと同様である。したがって、誘導通路部640および誘導通路部740のそれぞれを設けたことにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図10等に示すように、遊技盤6において、透光性を有する板状部材600の後面側に変動表示装置9および装飾ユニット700が取付けられる。このような透光性を有する板状部材600の後面側に取付けられる変動表示装置9、および、装飾ユニット700の位置関係により、遊技盤6において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、図10に示すように、このような透光性を有する板状部材600の後面側において、装飾ユニット700が板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられ、図1および図10に示すように、変動表示装置9が板状部材600と装飾ユニット700との間の空間において表示部90が装飾ユニット700の表示開口部75から臨む態様で取付けられているので、遊技領域7の空間を狭めることなく遊技領域7を装飾することができる。そして、このような装飾ユニット700において、図10に示すように、表示開口部75の縁から装飾ユニット700の外縁に近づくにしたがって、当該装飾ユニット700と板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面がメッキベース71に形成されているので、装飾ユニット700における表示開口部75の縁から装飾ユニット700の外縁までの間における装飾ユニット700と板状部材600との間の距離の変化により、透光性を有する板状部材600を介して、その後面側において、立体的な奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、遊技領域の空間を狭めることなく、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。
(2) 図76等に示すように、遊技盤6において、透光性を有する板状部材600の後面側に変動表示装置9および装飾ユニット700aが取付けられる。このような透光性を有する板状部材600の後面側に取付けられる変動表示装置9、および、装飾ユニット700aの位置関係により、遊技盤6において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、図76に示すように、このような透光性を有する板状部材600の後面側において、装飾ユニット700aが板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられ、図1および図76に示すように、変動表示装置9が板状部材600と装飾ユニット700aとの間の空間において表示部90が装飾ユニット700aの表示開口部75から臨む態様で取付けられているので、遊技領域7の空間を狭めることなく遊技領域7を装飾することができる。そして、このような装飾ユニット700aにおいて、図76に示すように、表示開口部75開口部の縁から装飾ユニット700の外縁に近づくにしたがって、当該装飾ユニット700aと板状部材600との間の距離が段階的に短くなる態様で段差が設けられた階段状面がメッキベース71bに形成されているので、装飾ユニット700aにおける開口部の縁から装飾ユニット700aの外縁までの間における装飾ユニット700aと板状部材600との間の段階的な距離の変化により、透光性を有する板状部材600を介して、その後面側において、立体的な奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、遊技領域7の空間を狭めることなく、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。
(3) 図79等に示すように、遊技盤6において、透光性を有する板状部材600の後面側に変動表示装置9および装飾ユニット700bが取付けられる。このような透光性を有する板状部材600の後面側に取付けられる変動表示装置9、および、装飾ユニット700bの位置関係により、遊技盤6において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、図79に示すように、このような透光性を有する板状部材600の後面側において、装飾ユニット700bが板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられ、図1および図79に示すように、変動表示装置9が板状部材600と装飾ユニット700bとの間の空間において少なくとも表示部90が装飾ユニット700bの表示開口部75から臨む態様で取付けられているので、遊技領域7の空間を狭めることなく遊技領域7を装飾することができる。そして、このような装飾ユニット700bにおいて、図79に示すように、表示開口部75の縁から装飾ユニット700bの外縁に近づくにしたがって、当該装飾ユニット700bと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面がメッキベース71cに形成されているので、表示開口部75の縁から装飾ユニット700bの外縁までの間における装飾ユニット700bと板状部材600との間の距離の変化により、透光性を有する板状部材600を介して、その後面側において、立体的な奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、遊技領域7の空間を狭めることなく、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。そして、このような装飾ユニット700bにおいて、装飾ユニット700bの外縁から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、当該装飾ユニット700bと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面が形成されているので、装飾ユニット700bにおける外縁から表示開口部75の縁までの間における装飾ユニット700bと板状部材600との間の距離の変化により、透光性を有する板状部材600を介して、その後面側において、立体的な奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、遊技領域7の空間を狭めることなく、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。
(4) 図82等に示すように、遊技盤6において、透光性を有する板状部材600の後面側に変動表示装置9および装飾ユニット700cが取付けられる。このような透光性を有する板状部材600の後面側に取付けられる変動表示装置9、および、装飾ユニット700cの位置関係により、遊技盤6において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、図82に示すように、このような透光性を有する板状部材600の後面側において、装飾ユニット700cが板状部材600との間に空間を形成する態様で取付けられ、図1および図82に示すように、変動表示装置9が板状部材600と装飾ユニット700cとの間の空間において表示部が装飾ユニット700cの表示開口部75から臨む態様で取付けられているので、遊技領域7の空間を狭めることなく遊技領域7を装飾することができる。そして、このような装飾ユニット700cにおいて、装飾ユニット700cの外縁から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、図82に示すように、当該装飾ユニット700cと板状部材600との間の距離が段階的に短くなる態様で段差が設けられた階段状面がメッキベース71cに形成されているので、装飾ユニット700cにおける外縁から表示開口部75の縁までの間における装飾ユニット700cと板状部材600との間の段階的な距離の変化により、透光性を有する板状部材600を介して、その後面側において、立体的な奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、遊技領域7の空間を狭めることなく、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。
(5) 図11に示すように、入賞口295,305,335,395から貫通孔63に入った遊技球を発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導する誘導通路741を形成した誘導通路部740が、発光装飾ユニット700に一体的に形成されているので、板状部材600の後面側において、遊技球を左方向、右方向または下方向へ導く必要がないため、入賞口295,305,335,395に入賞した遊技球を導く通路を目立ちにくくすることができる。さらに、板状部材600の後面側において遊技球を導く通路が目立ちにくくなることにより、板状部材600の後面側において、遊技球を導く通路を入賞口部材により隠す必要がないので、入賞口の設計の自由度を高めることができる。
(6) 図91に示すように、入賞口295,305,335,395から貫通孔63に入った遊技球を発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導する誘導通路781を形成した誘導通路680が、入賞口部材295,305,335,395に一体的に形成されているので、板状部材600の後面側において、遊技球を左方向、右方向または下方向へ導く必要がないため、入賞口295,305,335,395に入賞した遊技球を導く通路を目立ちにくくすることができる。さらに、板状部材600の後面側において遊技球を導く通路が目立ちにくくなることにより、板状部材600の後面側において、遊技球を導く通路を入賞口部材により隠す必要がないので、入賞口の設計の自由度を高めることができる。
(7) 前述したように、誘導通路部740,640,680にメッキ処理が施されているので、金属色の光反射機能により光が反射し、誘導通路部740,640,680の輪郭が明確に視認されにくくなることにより、誘導通路部740,640,680が目立ちにくくなる。なお、誘導通路部740,640,680を透明にすると、内部で誘導される遊技球が透視されることにより、誘導通路部740,640,680が目立つ。また、単に誘導通路部740,640,680を着色すると、その色により反って誘導通路部740,640,680の輪郭が明確に視認されやすく、誘導通路部740,640,680が目立つ。
(8) 前述したように、装飾ユニット700の前面側にメッキ処理が施されているため、板状部材600の後面側において装飾ユニット700が光を反射するので、板状部材600の後面側における光の反射によって、視覚的な演出の面白みを一層向上させることができる。また、光の反射により、装飾ユニット700の表面から遊技者の目に入る光は、装飾ユニット700の表面よりも距離が離れた所から入射する光なので、遊技者にとっては、目と装飾ユニット700との距離以上に距離を感じる。
(9) 図16に示すように、装飾ユニット700に内部ランプとしてのLED610a〜610jが取付けられているため、板状部材600の後面側においてLEDによる発光が行なわれるので、板状部材600の後面側において生じる光によって、視覚的な演出の面白みを一層向上させることができる。
(10) 図8、図75、図78、図81、図84、図87に示すように、装飾ユニット700の表示開口部75の縁から装飾ユニット700,700a,700b,700c,700d,700eの外縁までの間に複数のLED610a〜610jが取付けられ、それら複数のLEDを所定の順序で発光させる制御が行なわれるので、板状部材600の後面側において、発光する位置が所定の順序で変化することにより、立体的な奥行き感を光の視覚効果によって強調することができる。
(11) 図84〜図86に示す装飾ユニット700d、および、図87〜図89に示す装飾ユニット700eのように、装飾ユニットがメッキベース71dの放射状の段差構造部780、および、メッキベース71eの放射状の段差構造部781のような、表示開口部75の縁から装飾ユニットの外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された段差構造部を含んでいるので、板状部材600の後面側において、段差構造部の放射的な広がりにより、立体的な奥行き感を構造物の形状によって強調することができる。
(12) 図8の装飾ユニット700、図75の装飾ユニット700a、および、図84の装飾ユニット700dに示すように、装飾ユニット700において表示開口部75の縁から装飾ユニット700の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で、複数の発光体が装飾ユニット700に取付けられているので、板状部材600の後面側において、装飾ユニット700の中央部から外縁までの間で、発光体の大きさ、すなわち、発光面積の大きさの違いによって立体的な奥行き感を強調することができる。
(13) 図90に示すように、入賞口295,305,335,395から貫通孔63に入った遊技球を発光装飾ユニット700の裏面側へ誘導する誘導通路641を形成した誘導通路部640が、板状部材600に一体的に形成されているので、板状部材600の後面側において、遊技球を左方向、右方向または下方向へ導く必要がないため、入賞口295,305,335,395に入賞した遊技球を導く通路を目立ちにくくすることができる。さらに、板状部材600の後面側において遊技球を導く通路が目立ちにくくなることにより、板状部材600の後面側において、遊技球を導く通路を入賞口部材により隠す必要がないので、入賞口の設計の自由度を高めることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、アドレス付きのランプ制御信号をシリアル−パラレル変換IC611〜619,622に出力することによって、各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82iを制御する場合を説明したが、複数のシリアル−パラレル変換ICを同一系統の配線で直列に接続し、その同一系統の配線で接続された全てのランプを制御するためのランプ制御信号を含む固定長さのデータを出力するようにしてもよい。たとえば、盤側IC基板601に搭載される各シリアル−パラレル変換IC616〜619が同一系統の配線で接続されるとともに、枠側IC基板602〜604に搭載される各シリアル−パラレル変換IC611〜614が同一系統の配線で接続される。このようにすれば、複数のシリアル−パラレル変換ICを同一系統の配線で直列に接続されるので、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。したがって、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行なえるようにすることができる。また、同一系統の配線で接続された全てのランプを制御するためのランプ制御信号を含む固定長さのデータを出力することにより、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とに予め相互に異なるアドレスを割り当てる必要をなくすことができる。なお、盤側IC基板601に搭載される各シリアル−パラレル変換IC616〜619および各枠側IC基板602〜605に搭載される各シリアル−パラレル変換IC611〜615の全てが同一系統の配線で接続されるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態において、板状部材600は、無色透明であるが、これに限らず、有色透明(たとえば、赤の透明色、緑の透明色、青の透明色)であってもよい。
(3) 前述した実施の形態において、板状部材600は、無色透明であるが、これに限らず、少なくとも、後面側に設けられた変動表示装置9および内部ランプとしてのLED610a〜610jの状態が透視できる程度の透光性を有していればよい。
(4) 前述した実施の形態において、内部ランプとしてのLED610a〜610jが、所定の色として白色で発光させられる例を示した。しかし、これに限らず、LED610a〜610jは、白色以外の所定の色(たとえば、赤色、緑色、青色)で発光されるものでもよい。また、LED610a〜610jは、単一色で発光させられるのを例示したが、これに限らず、フルカラーLEDのように複数色で発光可能なものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態では、遊技盤6において入賞装置として、遊技球の受入れやすさが変化する可変式の入賞装置(特別可変入賞球装置20、可変入賞球装置15)と、遊技球の受入れやすさが変化しない固定式の入賞装置(第1始動入賞口13、入賞口29,30,33,39)との両方が設けられた例を示した。しかし、これに限らず、入賞装置としては、可変式の入賞装置と、固定式の入賞装置との少なくともどちらかが設けられていればよい。
(6) 前述した実施の形態では、遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機として、パチンコ遊技機1について説明した。しかし、これに限らず、遊技機としては、たとえば、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、変動表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該変動表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシン等のパチンコ遊技機以外の遊技機であってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、発光装飾ユニット700において、傾斜反射面が形成された反射部72として、内部ランプとしての各LED610a〜610jの全周囲を囲んだ態様の傾斜反射面を設けた例を示した。しかし、これに限らず、内部ランプとしての各LED610a〜610jの全周囲のうちの半分(たとえば、上半分、下半分、左半分、または、右半分等)を囲んだ態様の傾斜反射面等、全周囲の一部を囲んだ態様の傾斜反射面を設けてもよい。また、傾斜反射面は、平面的な反射面ではなく、曲面的な反射面を用いてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、発光装飾ユニット700において、メッキベース71の色が銀色である例を示した。しかし、これに限らず、メッキベース71の色は、金色等のその他の金属色であってもよく、少なくとも、光が反射できるような色であればどのような色であってもよい。
(9) 前述した実施の形態では、発光装飾ユニット700において、メッキベース71の全体の色が銀色のような金属色である例を示した。しかし、これに限らず、メッキベース71の色は、反射部72を銀色とし、反射部72以外の部分を金色とする等、2色の金属色を用いてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、演出制御基板80からの配線が、中継基板606を介して中継基板607に接続され、中継基板606からの配線が盤側IC基板601に接続され、中継基板607からの配線が枠側IC基板602〜605に接続される例を示した。しかし、これに限らず、演出制御基板80からの配線が、中継基板607を介して中継基板606に接続され、中継基板607からの配線が枠側IC基板602〜605に接続され、中継基板606からの配線が盤側IC基板601に接続されるようにしてもよい。また、演出制御基板80からの配線が、中継基板606と中継基板607とのそれぞれに並列的に接続され、中継基板606からの配線が盤側IC基板601に接続され、中継基板607からの配線が枠側IC基板602〜605に接続されるようにしてもよい。このように、中継基板606および中継基板607は、演出制御基板80に対して直列的に接続される場合に、どちらが演出制御基板80に直接接続されてもよい。また、中継基板606および中継基板607は、それぞれが演出制御基板80に対して直接接続されることにより、並列的に接続されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、サブ基板として、変動表示装置9、LED610a〜610j等の発光体、および、スピーカ27による音を統括して制御する演出制御手段として、1つの基板である演出制御基板80を設けた例を示した。しかし、これに限らず、演出制御手段としては、主基板31からの演出制御コマンドを受信して演出に関する第1の制御を行なう第1サブマイクロコンピュータを搭載した第1サブ基板と、さらに第1サブマイクロコンピュータからの信号(制御信号、指令信号、コマンド等の信号)を受信して演出に関する第2の制御を行なう第2サブマイクロコンピュータを搭載した第2サブ基板とを設けてもよい。たとえば、第1サブ基板は、LED610a〜610j等の発光体、および、スピーカ27による音を制御する音ランプ制御基板であり、第2サブ基板は、変動表示装置9を制御する表示制御基板である。
(12) 前述した実施の形態においては、板状部材600の後面側における表示装置9が設けられた領域以外の領域を、遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽する隠蔽部材の一例として、銀色の金属メッキが施されたメッキベース71等を含む発光装飾ユニット700、および、可動部材としてのトロッコ151を備えた可動部材ユニット150を示した。隠蔽部材としては、板状部材600の後面側に隠蔽部材として設ける部材として、透明な部材のうちの一部を不透明な塗料で塗装することにより、板状部材600の後面側における変動表示装置9が設けられた領域以外の領域を遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽する部材であってもよい。
(13) 前述した隠蔽部材としては、板状部材600の後面側に隠蔽部材として設ける部材として、透明な部材のうちの一部または全部の透明度を下げることにより後面側を明確に透視できなくし、板状部材600の後面側における表示装置9が設けられた領域以外の領域を遊技盤6の前面側から透視不能な態様で隠蔽する部材であってもよい。
(14) 前述した隠蔽部材としては、板状部材600の後面側に設ける隠蔽部材として、可動部材ユニット150のような不透明な構造物を、板状部材600の後面側における表示装置9が設けられた領域以外の領域の一部または全部の領域に配置することにより、遊技盤6の前面側から当該領域を透視不能な態様で隠蔽する部材であってもよい。
(15) 前述した隠蔽部材としては、板状部材600の後面側に設ける隠蔽部材として、可動部材ユニット150のような構造物を設ける場合において、当該構造物を、透光性を有するが、当該構造物の透明度を下げることにより後面側を明確に透視できなくした部材を用いてもよい。
また、前述した実施の形態は、以下に示す特徴的な技術思想も含んでいる。
(16) 遊技盤(遊技盤6)は、
透光性を有し、遊技領域(遊技領域7)が形成されるとともに、開口領域が形成された板状部材(板状部材600)と、
前記開口領域として形成された取付開口領域(取付開口領域61)に一部が挿入される態様で前記板状部材に前面側から取付けられ、遊技球が入賞可能な入賞装置(特別可変入賞球装置20等)、と、
前記板状部材の後面側に取付けられた表示装置(変動表示装置9)と、
少なくとも前記遊技領域の後面側において発光する態様で、前記板状部材の後面側に取付けられ、遊技盤を装飾する発光装飾部(発光装飾ユニット700)とを備え、
該発光装飾部は、
発光体(内部ランプとしてのLED610a〜610j)と、
該発光体を取付けるベース体(メッキベース71等)とを備え、
該ベース体は、
前記発光体からの光を少なくとも前記遊技盤の前面側へ反射するための傾斜面(傾斜反射面720a,720b)が形成された反射部(反射部72a,72b)と、
前記発光体を臨ませるための発光体開口部(発光体開口部73a,73b)とを備え、
前記発光体は、前記発光体開口部に対して、後面側から臨む態様で前記ベース体に取付けられる(図16)。
このような構成によれば、遊技盤において、透光性を有する板状部材に、前面側から入賞装置が取付けられ、後面側から表示装置および発光装飾部が取付けられる。このような透光性を有する板状部材の前後に取付けられる入賞装置、表示装置、および、発光装飾部の前後の位置関係により、立体的な奥行き感を生じさせることができる。さらに、発光装飾部において、発光体が取付けられるベース体に形成された発光体開口部に発光体が後面側から取付けられ、発光体からの光が、傾斜面が形成された反射部で反射される。これにより、板状部材の後面側の発光装飾部において、ベース体の奥の側で発光体が発光し、斜面の形成された反射部によりその光が前方へ反射されるので、板状部材の後面側の奥部から光が前方へ広がるような装飾的な発光態様となるため、透光性を有する板状部材を介して、立体的で奥行き感がある視覚効果を生じさせることができる。これにより、視覚的な演出の面白味を向上させることができる。なお、単に遊技盤本体を透明部材で形成した従来の遊技機では、単に遊技盤本体の後方に配置した変動表示装置の画像を透明の遊技盤を介して視認できるようにしたものであるので、視覚効果に関して、平面的で奥行き感がないという問題があった。
(17) 前記発光装飾部の発光体を含む演出装置にシリアル信号方式の駆動信号を供給することにより当該演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)をさらに含み、
該演出制御手段は、前記発光体にシリアル信号方式の制御信号を供給することにより(図24、図25)前記発光体を駆動制御する発光制御手段(図43のS708、図67のS950〜S954、図69のS970〜S976)を含む。
このような構成によれば、発光手段を駆動制御する制御信号がシリアル信号方式で発光体に供給されるので、演出制御手段と発光体との間の配線を簡素化することができる。
(18) 遊技盤(遊技盤6)は、
透光性を有し、前記遊技領域が形成された板状部材(図3、板状部材600)と、
前記板状部材の後面側に設けられた表示装置(図3、変動表示装置9)と、
少なくとも前記遊技領域におけるいずれかの領域を光らせる態様で所定位置に設けられた発光体(図3、内部ランプとしてのLED610a〜610j)とを備え、
前記遊技盤は、前記板状部材の後面側における前記表示装置が設けられた領域以外の領域を、遊技盤の前面側から透視不能な態様で隠蔽する隠蔽部材(図9、図12、銀色の金属メッキが施されたメッキベース71等を含む発光装飾ユニット700、および、可動部材としてのトロッコ151を備えた可動部材ユニット150)をさらに備えた。
このような構成によれば、遊技盤が、透光性を有し遊技領域が形成された板状部材と、板状部材の後面側に設けられた表示装置と、少なくとも遊技領域におけるいずれかの領域を光らせる態様で所定位置に設けられた発光体とを備える。これにより、透光性を有する板状部材に形成された遊技領域におけるいずれかの領域を光らせることが可能となるので、視覚的な演出の面白みを向上させることができる。一方、板状部材が透光性を有するので、板状部材を介して、遊技機の内部構造が遊技機の前面側から制限なく透視可能となるおそれがあるが、遊技盤に備えられた隠蔽部材により、板状部材の後面側における表示装置が設けられた領域以外の領域が遊技盤の前面側から透視不能な態様で隠蔽される。これにより、遊技機の内部構造のうち、装飾性を損なうような部分が遊技機の前面側から透視されることを制限することができ、遊技機の装飾性が低下しないようにすることができる。
(19) 前記遊技盤は、前記板状部材の後面側における前記表示装置が設けられた領域以外の領域を、遊技盤の前面側から透視不能な態様で隠蔽する隠蔽部材(図3、銀色の金属メッキが施されたメッキベース71等を含む発光装飾ユニット700、および、可動部材としてのトロッコ151を備えた可動部材ユニット150)をさらに備え、
前記隠蔽部材は、可動部材(図3、トロッコ151)を含む。
このような構成によれば、隠蔽部材が可動部材を含むので、当該可動部材を用いて遊技の演出を行なうことが可能となるため、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の演出効果を向上させることができる。
(20) 前記発光装飾部は、前記ベース体の後面側に、前記入賞装置に入賞した遊技球を誘導する通路を形成した球通路部(球通路部800)が設けられた(図12)。
このような構成によれば、発光装飾部において、ベース体の後面側に、入賞装置に入賞した遊技球を誘導する通路を形成した球通路部が設けられるので、発光装飾部が球通路部として兼用されるので、遊技機の部品点数を低減することができる。
(21) 前記発光装飾部の前記ベース体は、前記入賞装置の一部を被覆する入賞装置被覆部(壁部712)が形成された(図10)。
このような構成によれば、取付開口領域に一部が挿入される態様で前記板状部材に前面側から取付けられる入賞装置の一部が、発光装飾部のベース体に形成された入賞装置被覆部により被覆される。これにより、入賞装置が取付けられる部分がベース体の入賞装置被覆部により覆われるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を覆う部材を別途に設ける必要がないので、遊技機の部品点数を低減することができる。
(22) 前記発光装飾部は、後面側に、前記所定の基板(主基板31等)を取付ける基板取付部(基板取付部801)が設けられた(図12)。
このような構成によれば、発光装飾部において、後面側に、所定の基板を取付ける基板取付部が設けられるので、発光装飾部が基板取付部として兼用されるため、遊技機の部品点数を低減することができる。
(23) 透明なガラス(図2、ガラス板201)が設けられたガラス領域部(図2、円形透視窓200)を備え、遊技枠(図15、遊技枠11)に対して開閉動作可能な部材であり、前記ガラス領域部により少なくとも前記遊技領域を視認可能とした態様で前記遊技盤の前面側に設けられた枠部材(図2、ガラス扉枠2)をさらに含み、
前記発光装飾部は、前記ベース体において、前記枠部材の前記ガラス領域部を介した視認が不可能な領域に、前記発光装飾部を前記板状部材に取付けるための視認不可能取付部(視認不可能取付部76)が設けられた(図13)。
このような構成によれば、発光装飾部で、ベース体において、枠部材のガラス領域部を介した視認が不可能な領域に、発光装飾部を板状部材に取付けるための視認不可能取付部が設けられた。これにより、発光装飾部を板状部材に取付けるための部分が視認不可能であるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を被覆する等、当該部分の美観性を向上させるための部材を別途に設ける必要がないので、遊技機の部品点数を低減することができる。
(24) 前記入賞装置は、前記取付開口領域の前縁部に当接するための当接部(当接部402)が形成され(図13)、
前記発光装飾部は、前記ベース体において、前記入賞装置の当接部により前記板状部材が覆われる領域に、前記発光装飾部を前記板状部材に取付けるための当接部領域取付部(当接部領域取付部770)が設けられた(図13)。
このような構成によれば、発光装飾部で、ベース体において、入賞装置の当接部により板状部材が覆われる領域に、発光装飾部を板状部材に取付けるための当接部領域取付部が設けられた。これにより、発光装飾部を板状部材に取付けるための部分が当接部領域取付部によって覆われるので、当該部分の美観性を向上させることができる。さらに、当該部分を被覆する等、当該部分の美観性を向上させるための部材を別途に設ける必要がないので、遊技機の部品点数を低減することができる。
(25) 透明なガラス(図2、ガラス板201)が設けられたガラス領域部(図2、円形透視窓200)を備え、遊技枠(遊技枠11)に対して開閉動作可能な部材であり、前記ガラス領域部により少なくとも前記遊技領域を視認可能とした態様で前記遊技盤の前面側に設けられた枠部材(図2、ガラス扉枠2)をさらに含み、
前記演出装置は、前記遊技盤と前記枠部材とに設けられ(図12、図15)、
前記演出装置のうち前記遊技盤に設けられた演出装置について、前記演出制御手段からの制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変化して供給する盤側シリアル−パラレル信号変換回路(図19、シリアル−パラレル変換IC616〜619)と、
前記演出装置のうち前記枠部材に設けられた演出装置について、前記演出制御手からの制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変化して供給する枠側シリアル−パラレル信号変換回路(図19、シリアル−パラレル変換IC611〜615)と、
前記演出制御手段と前記盤側シリアル−パラレル信号変換回路との接続を中継する第1の中継基板(図19、中継基板606)と、
前記演出制御手段と前記枠側シリアル−パラレル信号変換回路との接続を中継する第2の中継基板(図19、中継基板606,607)とをさらに備えた。
このような構成によれば、演出制御手段と盤側シリアル−パラレル信号変換回路との接続が第1の中継基板により中継され、演出制御手段と枠側シリアル−パラレル信号変換回路との接続が第2の中継基板により中継されるので、中継基板への接続作業や取り外し作業を行なうだけで枠部材と遊技盤との脱着作業を容易に行なえるようにすることができる。
(26) 前記盤側シリアル−パラレル信号変換回路または枠側シリアル−パラレル信号変換回路を複数搭載した集合基板(盤側IC基板601、枠側IC基板602,605)をさらに備えた(図19)。
このような構成によれば、盤側シリアル−パラレル信号変換回路または枠側シリアル−パラレル信号変換回路を複数搭載した集合基板が備えられることにより、シリアル−パラレル信号変換回路を搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
(27) 前述した第1実施形態では、メッキベース71が、表示開口部75の縁からメッキベース71の外縁(つまり、装飾部材の外方端部(枠側端部))に近づくにしたがって、当該メッキベース71と板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面を形成した例を示した。しかし、これに限らず、メッキベース71の傾斜面としては、表示開口部75の縁周辺からメッキベース71の外縁に近づくにしたがって、当該メッキベース71と板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面を形成してもよい。また、このような傾斜面は、表示開口部75の全周に設けられてもよく、表示開口部75の一部の周に設けられてもよい。具体的に、傾斜面を表示開口部75の一部の周に設ける場合には、全周のうちの対応する2箇所で対向する一部の周に傾斜面を設けてもよく。全周のうち、中心角度分布で3箇所に分配された一部の周に傾斜面を設けてもよい。
(28) 前述した第4実施形態では、メッキベース71bが、メッキベース71bの外縁(つまり、装飾部材の外方端部(枠側端部))から表示開口部75の縁に近づくにしたがって、当該メッキベース71bと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面を形成した例を示した。しかし、これに限らず、メッキベース71bの傾斜面としては、メッキベース71bの外縁から表示開口部75の縁周辺に近づくにしたがって、当該メッキベース71bと板状部材600との間の距離が短くなる態様で傾斜した傾斜面を形成してもよい。また、このような傾斜面は、表示開口部75の全周に設けられてもよく、表示開口部75の一部の周に設けられてもよい。具体的に、傾斜面を表示開口部75の一部の周に設ける場合には、全周のうちの対応する2箇所で対向する一部の周に傾斜面を設けてもよく。全周のうち、中心角度分布で3箇所に分配された一部の周に傾斜面を設けてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、誘導通路部740,640,680,712,712a,712b,712cが全周囲を囲まれた筒状の通路である例を説明した。しかし、これに限らず、これら誘導通路は、樋状の通路であってもよい。
(30) 前述した実施の形態では、表示部を有する変動表示装置が、発光装飾ユニットの表示開口部から臨む態様で発光装飾ユニットの後面側に取付けられた例を示した。このような変動表示装置は、前述したように表示部がメッキベースの前面と同一面に配置されるように発光装飾ユニットの後面側に取付けられてもよい。また、変動表示装置は、表示部がメッキベースの前面よりも前方に突出した態様で配置されるように発光装飾ユニットの後面側に取付けられてもよい。また、変動表示装置は、表示部がメッキベースの前面よりも後方に配置されるように発光装飾ユニットの後面側に取付けられてもよい。つまり、変動表示装置は、表示部が発光装飾ユニットの表示開口部から臨む態様で発光装飾ユニットの後面側に取付けられればよい。
次に、以上説明した実施の形態に記載されている発明の手段と効果とを列挙する。
(1) 遊技盤(遊技盤6)の前面側に形成された遊技領域(遊技領域7)に遊技球(遊技球)を打込んで遊技が行なわれ、遊技において所定条件が成立したとき(大当りとする判定がされたとき)に、遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技盤は、
透光性を有し、前記遊技領域が形成されるとともに、貫通孔(貫通孔63)が形成された板状部材(図6、板状部材600)と、
遊技球が入賞可能な入賞口(入賞口29,30,33,39)を有し、該入賞口が前記貫通孔に繋がる態様で前記板状部材に取付けられた入賞口部材(入賞口部材295,305,335,395)と、
開口部を有し、前記板状部材の後面側において、前記板状部材との間に空間を形成する態様で取付けられた装飾部材(図9、図75、図78、図81、図84、図87の発光装飾ユニット700、700a〜700e)と、
表示部(表示部90)を有し、当該表示部が前記装飾部材の開口部から臨む態様で前記装飾部材の後面側に取付けられた表示装置(図1、図14、変動表示装置9)とを備え、
前記装飾部材は、前記貫通孔に入った遊技球を装飾部材の裏面側へ誘導する誘導通路(誘導通路741を形成した誘導通路部740)を一体的(メッキベース71と誘導通路部740とが一体)に形成した(図11)。
このような構成によれば、遊技盤において、透光性を有する板状部材の後面側に表示装置および装飾部材が取付けられる。このような透光性を有する板状部材の後面側に取付けられる表示装置、および、装飾部材の位置関係により、遊技盤において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、このような装飾部材の後面側において、装飾部材が板状部材との間に空間を形成する態様で取付けられ、表示部が装飾部材の開口部から臨む態様で装飾部材の後面側に表示装置が取付けられているので、遊技領域の空間を狭めることなく遊技領域を装飾することができる。そして、入賞口部材の入賞口が板状部材の貫通孔に繋がっており、その貫通孔に入った遊技球を装飾部材の裏面側へ誘導する誘導通路が、装飾部材に一体的に形成されている。入賞口から貫通孔に入った遊技球を装飾部材の裏面側へ誘導する誘導通路が、装飾部材に一体的に形成されているので、板状部材の後面側において、遊技球を左方向、右方向または下方向へ導く必要がないため、入賞口に入賞した遊技球を導く通路を目立ちにくくすることができる。さらに、板状部材の後面側において遊技球を導く通路が目立ちにくくなることにより、板状部材の後面側において、遊技球を導く通路を入賞口部材により隠す必要がないので、入賞口の設計の自由度を高めることができる。
(2) 遊技盤(遊技盤6)の前面側に形成された遊技領域(遊技領域7)に遊技球(遊技球)を打込んで遊技が行なわれ、遊技において所定条件が成立したとき(大当りとする判定がされたとき)に、遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技盤は、
透光性を有し、前記遊技領域が形成されるとともに、貫通孔(貫通孔63)が形成された板状部材(図6、板状部材600)と、
遊技球が入賞可能な入賞口(入賞口29,30,33,39)を有し、該入賞口が前記貫通孔に繋がる態様で前記板状部材に取付けられた入賞口部材(入賞口部材295,305,335,395)と、
開口部を有し、前記板状部材の後面側において、前記板状部材との間に空間を形成する態様で取付けられた装飾部材(図9、図75、図78、図81、図84、図87の発光装飾ユニット700、700a〜700e)と、
表示部(表示部90)を有し、当該当該表示部が前記装飾部材の開口部から臨む態様で前記装飾部材の後面側に取付けられた表示装置(図1、図14、変動表示装置9)とを備え、
前記入賞口部材は、前記貫通孔に入った遊技球を装飾部材の裏面側へ誘導する誘導通路(誘導通路681を形成した誘導通路部680)を一体的(入賞口部材295,305,335,395と誘導通路部680とが一体)に形成した(図91)。
このような構成によれば、遊技盤において、透光性を有する板状部材の後面側に表示装置および装飾部材が取付けられる。このような透光性を有する板状部材の後面側に取付けられる表示装置、および、装飾部材の位置関係により、遊技盤において立体感がある視覚効果を生じさせることができる。また、このような装飾部材の後面側において、装飾部材が板状部材との間に空間を形成する態様で取付けられ、表示部が装飾部材の開口部から臨む態様で装飾部材の後面側に表示装置が取付けられているので、遊技領域の空間を狭めることなく遊技領域を装飾することができる。そして、入賞口部材の入賞口が板状部材の貫通孔に繋がっており、その貫通孔に入った遊技球を誘導する誘導通路が、入賞口部材に一体的に形成されている。入賞口から貫通孔に入った遊技球を装飾部材の裏面側へ誘導する誘導通路が、入賞口部材に一体的に形成されているので、板状部材の後面側において、遊技球を左方向、右方向または下方向へ導く必要がないため、入賞口に入賞した遊技球を導く通路を目立ちにくくすることができる。さらに、板状部材の後面側において遊技球を導く通路が目立ちにくくなることにより、板状部材の後面側において、遊技球を導く通路を入賞口部材により隠す必要がないので、入賞口の設計の自由度を高めることができる。
(3) 前記誘導通路は、メッキ処理が施されている。
このような構成によれば、誘導通路にメッキ処理が施されているので、金属色の光反射機能により光が反射し、誘導通路の輪郭が明確に視認されにくくなることにより、誘導通路が目立ちにくくなる。なお、誘導通路を透明にすると、内部で誘導される遊技球が透視されることにより、誘導通路が目立つ。また、単に誘導通路を着色すると、その色により反って誘導通路の輪郭が明確に視認されやすく、誘導通路が目立つ。
(4) 前記装飾部材は、前面側にメッキ処理が施されている。
このような構成によれば、装飾部材の前面側にメッキ処理が施されているため、板状部材の後面側において装飾部材が光を反射するので、板状部材の後面側における光の反射によって、視覚的な演出の面白みを一層向上させることができる。また、光の反射により、装飾部材の表面から遊技者の目に入る光は、装飾部材の表面よりも距離が離れた所から入射する光なので、遊技者にとっては、目と装飾部材との距離以上に距離を感じる。
(5) 発光体(図1等、内部ランプとしてのLED610a〜610j)をさらに備え、
前記装飾部材は、前記発光体が取付けられている(図16)。
このような構成によれば、装飾部材に発光体が取付けられているため、板状部材の後面側において発光体による発光が行なわれるので、板状部材の後面側において生じる光によって、視覚的な演出の面白みを一層向上させることができる。
(6) 前記入賞口に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段(入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)をさらに備え、
該入賞検出手段は、前記装飾部材の後面側に設けられている(図11、図90)。
このような構成によれば、入賞口に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段が、装飾部材の後面側に設けられているので、板状部材の後面側において、入賞検出手段が目立たないようにすることができる。
(7) 前記発光体を制御する発光制御手段(図18、演出制御用マイクロコンピュータ100)をさらに備え、
前記装飾部材は、前記開口部の縁から前記装飾部材の外縁までの間に複数の前記発光体(LED610a〜610j)が取付けられ(図8、図75、図78、図81、図84、図87)、
前記発光制御手段は、前記複数の発光体を所定の順序(発光制御パターン)で発光させる制御を行なう。
このような構成によれば、装飾部材の開口部の縁から装飾部材の外縁までの間に複数の発光体が取付けられ、それら複数の発光体を所定の順序で発光させる制御が行なわれるので、板状部材の後面側において、発光する位置が所定の順序で変化することにより、立体的な奥行き感を光の視覚効果によって強調することができる。
(8) 前記装飾部材は、前記開口部の縁から前記装飾部材の外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された段差構造部(メッキベース71d,71eの放射状の段差構造部)を含む(図84〜図86、図87〜図89)。
このような構成によれば、装飾部材が、開口部の縁から装飾部材の外縁の中央部から外縁に向かって放射状に延在する態様で形成された段差構造部を含んでいるので、板状部材の後面側において、段差構造部の放射的な広がりにより、立体的な奥行き感を構造物の形状によって強調することができる。
(9) 前記複数の発光体は、異なる大きさの発光体(図16のようにLED610a,610c,610e,610g,610iの方が、LED610b,610d,610f,610h,610jよりもサイズが大きい)を含み、前記装飾部材において前記開口部の縁から前記装飾部材の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で前記装飾部材に取付けられている(図8、図75、図84)。
このような構成によれば、装飾部材において開口部の縁から装飾部材の外縁に近づくにしたがって発光体の大きさが大きくなる配置態様で、複数の発光体が装飾部材に取付けられているので、板状部材の後面側において、装飾部材の中央部から外縁までの間で、発光体の大きさ、すなわち、発光面積の大きさの違いによって立体的な奥行き感を強調することができる。
(10) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。