JP2012032528A - レンズ形成方法、レンズ、およびカメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイド等の欠陥発生を防止可能な樹脂を用いたレンズ形成方法を提供する。
【解決手段】外部に開放された間隔dを保持して対向配置されたレンズ成型板1と平板状の透明基板9との間に、未硬化の樹脂5を挟持させる。レンズ成型板1に形成されたレンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化が進むように、レンズ成型板1と透明基板9との間に挟持された樹脂5に対して光照射を行う。
【選択図】図1
【解決手段】外部に開放された間隔dを保持して対向配置されたレンズ成型板1と平板状の透明基板9との間に、未硬化の樹脂5を挟持させる。レンズ成型板1に形成されたレンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化が進むように、レンズ成型板1と透明基板9との間に挟持された樹脂5に対して光照射を行う。
【選択図】図1
Description
本発明はレンズ形成方法、レンズ、およびカメラモジュールに関し、特には光硬化性の樹脂を用いたレンズ形成方法と、この形成方法によって得られたレンズと、このレンズを用いて構成されるカメラモジュールに関する。
樹脂を用いたレンズ形成は、レンズ曲面が形成された成形型に未硬化の紫外線硬化樹脂を供給し、未硬化の樹脂が供給された成形型の面上にガラス基板を押し付ける。この際、レンズ曲面の全体の周囲に所定の小さな距離を保つギャップ材を配置する。これにより、余分な樹脂と気泡を抜け易くしておく。この状態で、ガラス基板を介して未硬化の樹脂に対して紫外線を一括照射して樹脂を硬化させる(以上、下記特許文献1,2参照)
ところが上述したレンズ製造方法では、ガラス基板側からの紫外線を一括照射することにより、未硬化の樹脂は、紫外線が照射されるガラス基板側から一斉に硬化が開始される。このため、例えば凸型のレンズ形成においては、先ずレンズ厚の薄い周縁部やさらにその周辺部において厚み方向の硬化が完了し、レンズの中心部分が密閉された状態となる。この際、樹脂は、多かれ少なかれ硬化収縮を起こすため、密閉された部分が減圧状態となり、硬化収縮に相当する量のボイドが発生する場合がある。ボイドがレンズ表面に発生すれば表面欠陥となり、レンズ内部に発生すれば内部欠陥となる。
そこで本発明は、ボイド等の欠陥発生を防止可能なレンズの形成方法を提供すること、さらにはこの形成方法を適用したことにより欠陥発生のないレンズを提供すること、およびこのレンズを有するカメラモジュールを提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明のレンズ形成方法は、次の手順で行うことを特徴としている。先ず、外部に開放された間隔を保持して対向配置されたレンズ成型板と平板状の透明基板との間に、未硬化の樹脂を挟持させる。次に、レンズ成型板におけるレンズ曲面部からその周囲に向かって樹脂の硬化が進むように、前記レンズ成型板と前記透明基板との間に挟持された樹脂に対して光照射を行う。
このような形成方法では、先に硬化が進むレンズ曲面部において樹脂が硬化収縮した場合に、その周囲から未硬化の樹脂がレンズ曲面部に供給される。この際、レンズ成型板と透明基板との間は、外部に開放された間隔を保持しているため、レンズ曲面部に対する周囲からの未硬化の樹脂の供給が妨げられることはない。これにより、レンズ曲面部が陰圧になることはなく、ボイドの発生が防止される。
また本発明は、このようにして得られるレンズ、およびこのレンズを備えたカメラモジュールでもある。このレンズは、平板状の透明基板と、当該透明基板上に配置されたレンズ曲面を有する樹脂レンズ部とを備えている。特に樹脂レンズ部の周端縁は、透明基板側に向かって広がるテーパ形状に成形されたものとなる。このテーパ形状は、先に硬化が進むレンズ曲面部に、その周囲から未硬化の樹脂が供給される際、レンズの一部を構成することで樹脂との密着性がより高い透明基板よりも、レンズ成型板側で樹脂の引けが発生する現象に起因している。
以上のように本発明によれば、樹脂を用いたレンズ形成においてボイド発生を確実に防止可能であり歩留りの向上を図ることが可能である。またこの方法を適用して得られたレンズおよびレンズを用いたカメラモジュールの品質の向上を図ることが可能である。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて、次に示す順に実施の形態を説明する。
1.第1実施形態[凸レンズ形成においてマスクを用いた光照射を行う方法]
2.第2実施形態[凸レンズ形成において光強度分布を持たせた光照射を行う方法]
3.第3実施形態[凹レンズ形成方法]
4.第4実施形態[カメラモジュールの形成方法とカメラモジュール]
1.第1実施形態[凸レンズ形成においてマスクを用いた光照射を行う方法]
2.第2実施形態[凸レンズ形成において光強度分布を持たせた光照射を行う方法]
3.第3実施形態[凹レンズ形成方法]
4.第4実施形態[カメラモジュールの形成方法とカメラモジュール]
≪第1実施形態≫
[凸レンズ形成においてマスクを用いた光照射を行う方法]
図1〜図3は、本発明のレンズ形成方法の第1実施形態を説明するための工程図である。ここではこれらの図1〜図3に基づいて、凸レンズをアレイ状に形成する方法を説明する。
[凸レンズ形成においてマスクを用いた光照射を行う方法]
図1〜図3は、本発明のレンズ形成方法の第1実施形態を説明するための工程図である。ここではこれらの図1〜図3に基づいて、凸レンズをアレイ状に形成する方法を説明する。
先ず、図1(1)に示すように、レンズ成型板1を用意する。このレンズ成型板1は、一主面側に複数のレンズ曲面部3を有する。各レンズ曲面部3には、凸レンズを形成するための凹曲面が形成されおり、レンズ成型板1の一主面側にマトリックス状に配列されている。各レンズ曲面部3の配列状態は、例えばここで形成するレンズをカメラモジュールに組み込む場合、カメラモジュールを構成する撮像素子のウェハ上における配列状態に一致していることとする。またこのレンズ成型板1は、金型または光透過性材料からなるものであっても良い。ここでは一例として光透過性材料で構成されていることとする。
次に、このレンズ成型板1の各レンズ曲面部3に、未硬化の樹脂5を供給する。ここで用いる樹脂5は、光照射によって硬化する樹脂であり、例えば紫外線硬化樹脂であることとする。紫外線硬化樹脂は、カチオン系またはラジカル系の何れでもよい。
ここでは、例えばシリンジ等に充填した樹脂5をディスペンサー7等で定量的に塗出し、各レンズ曲面部3に個別に独立した状態で未硬化の樹脂5を供給する。各レンズ曲面部3に対する樹脂5の供給量は、以降に透明基板を対向配置した場合に、樹脂5がレンズ曲面部3から溢れてその周囲に広がり、かつ隣接するレンズ曲面部3に供給された樹脂5同士が一体化せずに独立した状態に保たれる程度に調整される。
この状態で、図1(2)に示すように、レンズ成型板1に対向配置させる平板状の透明基板9を用意する。この透明基板9は、レンズの一部を構成するものであり、樹脂5との密着性が、樹脂5とレンズ成型板1との密着性よりも良好な材料を用いて構成されることする。このような透明基板9として、例えばガラス基板を用いる。またこのような透明基板9は、複数の撮像素子が形成されたウェハと略同一の外形形状を有する。
次に、図1(3)に示すように、レンズ成型板1におけるレンズ曲面部3の形成面側に、透明基板9を対向配置し、レンズ成型板1と透明基板9との間に未硬化の樹脂5を挟持させる。この際、レンズ成型板1と透明基板9との間には、外部に開放された一定の間隔dをクリアランスとして保持する。これにより、隣接するレンズ曲面部3に供給された樹脂5同士を一体化せずに独立した状態に保ちつつ、各レンズ曲面部3に供給した樹脂5をレンズ曲面部3から溢れさせてその周囲に広げる。
図2には、図1(3)に対応する平面図であり、説明のために透明基板9の一部を切り欠いている。この図に示すように、レンズ成型板1と透明基板9との間に未硬化の樹脂5を挟持した状態では、各レンズ曲面部3とその周囲を覆う状態で未硬化の樹脂5を配置する。また各レンズ曲面部3に供給された樹脂5はそれぞれ独立した状態に保ち、これにより各樹脂5の周囲をレンズ成型板1と透明基板9の外部に連通させる。
ここで、レンズ成型板1と透明基板9との間の間隔dを保持するため、レンズ成型板1と透明基板9との間にスペーサ11を挟持させても良い。これらのスペーサ11は、レンズ曲面部3を外れた位置であって、樹脂5−5間となる位置に設けられることが好ましい。またレンズ成型板1と透明基板9とは、例えば外側から均等に押圧することで間隔dを保持させる。また、レンズ成型板1および透明基板9には、レンズ曲面部3を外れた位置であって、樹脂5−5間となる位置に、外部に開放された流路が設けられていても良い。
以上までのプロセスは大気中でも可能だが、減圧雰囲気中で行うことが好ましい。これにより、樹脂5内への気泡の巻き込みを防止したプロセスが可能であり、レンズ内への気泡混入による内部欠陥の発生が防止されて歩留まりの向上につながる。また、未硬化の樹脂5をレンズ成型板1と透明基板9との間に所定状態で挟持させた後には、プロセス雰囲気を大気圧に戻すか、または加圧雰囲気にする。
次に、図3(1)に示すように、レンズ成型板1と透明基板9との間に挟持した樹脂5に対して光(例えば紫外線)hを照射して樹脂5の硬化を開始させる。ここでは樹脂5の硬化に用いる光hを遮ることが可能なマスク13を用いて第1段階の光照射を行う。このマスク13は、各レンズ曲面部3に対応する複数の開口部13aを有する。これらの開口部13aは、一例としてレンズ曲面部3と同程度の大きさを備えていることとする。
ここでは、光透過性材料からなるレンズ成型板1の外側に、マスク13を配置する。そして、マスク13の開口部13aを、レンズ成型板1のレンズ曲面部3に対応させるように位置合わせする。この状態で、マスク13の外側から光hを照射し、マスク13の開口部13aを通過してレンズ成型板1を透過した光hをレンズ曲面部3の樹脂5に照射し、この部分の樹脂5から硬化を開始させる。
この際、レンズ曲面部3の周囲に広がった樹脂5部分に光hが照射されないように、マスク13を介して光hを照射し、レンズ曲面部3の周囲の樹脂5が硬化してレンズ曲面部3が密閉状態になることを防止する。これにより、この段階で樹脂5の硬化が開始されて樹脂5が硬化収縮するレンズ曲面部3に対して、その周辺部から未硬化の樹脂5を供給しつつ、レンズ曲面部3における樹脂5の硬化を進める。
以上の第1段階の光照射においては、レンズ曲面部3に対するマスク13の開口部13aの形状、および光hの照射量が、上述した樹脂5の硬化プロセスに影響を及ぼすため、樹脂5を完全に硬化させて得られるレンズの転写精度を左右する。したがって、第1段階の光照射は、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行され、レンズの転写精度が向上するように開口部13aの形状および光hの照射量を最適化して行うことが重要である。
尚、マスク13を介してのレンズ成型板1側からの光hの照射においては、開口部13aにおける端縁で光hの回折が発生したり、レンズ成型板1のレンズ曲面部3を出射する光hが屈折するなどの影響により、特に開口部13aの端縁で光hが散乱し易い。このため、上述したようにレンズ曲面部3の周辺部から未硬化の樹脂5を供給しつつ、レンズ曲面部3において樹脂5の硬化を進められれば、マスク13の開口部13aが、レンズ曲面部3よりも小さい構成に限定されることはない。
次に、図3(2)に示すように、マスクを外して光透過性材料からなるレンズ成型板1の外側から、樹脂5に対して光hを全面照射する。これにより、樹脂5をレンズ曲面部3の周囲にまで及んで完全に硬化させる第2段階の光照射を行う。ここでは、樹脂5が硬化する推奨積算光量分に相当する照射量での光照射を行う。
以上の2段階の光hの照射により、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進め、最終的に樹脂5を完全に硬化させる。完全に硬化した樹脂5は、レンズ成型板1の各レンズ曲面部3の曲面形状が転写された樹脂レンズ部15となる。
以上のような2段階の光照射による樹脂5の硬化プロセスは、大気圧または加圧雰囲気で行われることが好ましい。これにより、樹脂5の硬化収縮に伴うレンズ曲面部3への樹脂5の流動性を確保すると共に、樹脂5の内圧を維持して樹脂5内に残留している微小な気泡の膨張を抑える。この際、レンズ成型板1および透明基板9と樹脂5との界面の圧力が高い方が、樹脂5の流動性および気泡の膨張を抑える効果が高いため好ましい。
またこの際のプロセス雰囲気は、樹脂5がカチオン系の紫外線硬化樹脂であれば、大気または空気雰囲気で良い。一方、樹脂5がラジカル系の紫外線硬化樹脂であれば、酸素による硬化阻害を防止するため、窒素雰囲気などの酸素を含有していない雰囲気とすることが好ましい。ただし、酸素による硬化阻害の影響は、プロセス雰囲気に接触している外周部のみに発生するため影響は限定的であり、この影響を考慮する必要のない場合には、大気または空気雰囲気であっても良い。
次に、図3(3)に示すように、透明基板9を上昇させることにより、透明基板9と、この透明基板9に対して密着している樹脂レンズ部15とを、レンズ成型板1側から剥離する。この際、上述した光hの照射工程が終了した後にも、樹脂レンズ部15を構成する樹脂の硬化反応は継続する。このため、光hの照射工程が終了した後に、ある程度の時間をおくことにより樹脂レンズ部15の形状の安定化を図り、その後レンズ成型板1からの樹脂レンズ部15を剥離することが好ましい。また光hの照射によって温度上昇した樹脂も、時間経過とともに温度が低下し、レンズ成型板1からの樹脂レンズ部15の離型性が向上し、より小さい力で離型できる効果もある。
以上のようにして、平板状の透明基板9と、透明基板9上に配置された樹脂レンズ部15とで構成された凸レンズ17が得られる。また透明基板9上に複数の樹脂レンズ部15が配列されたレンズアレイ19が得られる。各凸レンズ17は、各樹脂レンズ部15に凸レンズ曲面を有すると共に、各樹脂レンズ部15の周端縁Aが透明基板9側に向かって広がるテーパ形状に成形されたところが特徴的である。
ここで、樹脂レンズ部15は、先に説明した2段階の光hの照射により、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進めたものであり、より早く硬化が進むレンズ曲面部3に、その周囲から未硬化の樹脂5が供給される。この際、樹脂5との密着性が透明基板9よりも小さいレンズ成型板1側において樹脂5がレンズ曲面部3側に流動して樹脂5の引けが発生する。これにより、樹脂5が透明基板9側に向かって広がるテーパ形状となって硬化するのである。
また以上の後には、必要に応じて各樹脂レンズ部15毎に透明基板9を切断することで凸レンズ17を単固化しても良い。
以上の第1実施形態によれば、外部に開放された間隔dを保持して対向配置されたレンズ成型板1と透明基板9との間に挟持させた未硬化の樹脂5に対して、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化が進むように2段階の光照射を行っている。これにより、先に硬化が進むレンズ曲面部3において樹脂5が硬化収縮した場合に、その周囲から未硬化の樹脂5がレンズ曲面部3に供給される。この際、レンズ成型板1と透明基板9との間は、外部に開放された間隔dを保持しているため、レンズ曲面部3に対する周囲からの未硬化の樹脂5の供給が妨げられることはない。
以上により、レンズ曲面部3が減圧状態になることはなく、ボイド発生を防止することが可能である。特に、上述した光照射のプロセスを加圧雰囲気で行うことにより、レンズ曲面部3への樹脂5の流動性が確保され、また樹脂5の内圧が維持されて樹脂5内に残留している微小な気泡の膨張を抑えることが可能である。
また、レンズ曲面部3を減圧状態にすることなく、大気圧または加圧雰囲気で樹脂5の硬化が進められるため、樹脂5の硬化開始から終了までの間の圧力の変動が小さい。このため、硬化によって得られた樹脂レンズ部15に内部歪が残留することが防止され、レンズの収差およびリタデーション等の発生が防止され、光学特性の良好な凸レンズ17を得ることが可能である。
さらにレンズ曲面部3を減圧状態にすることなく、大気圧または加圧雰囲気で樹脂5の硬化が進められるため、レンズ成型板1から硬化した樹脂レンズ部15を離型させた際、引張方向の残留応力によって樹脂レンズ部15が縮む方向に変形することはない。これによりレンズ成型板1に対する形状の転写精度が良好に維持された凸レンズ17を得ることが可能である。これに対して、硬化させた樹脂にボイドが発生する光の照射条件下では、圧力が樹脂の飽和蒸気圧となり極端に低い圧力状態となるため、硬化後の樹脂内には引っ張り方向の残留応力が発生する。このため、レンズ成型板1から樹脂レンズ部を離型した際、引っ張り方向の残留応力によって樹脂レンズ部15が縮む方向に変形するのである。
以上の結果、本第1実施形態のレンズ形成方法によれば、樹脂を用いたレンズ形成においてボイド発生を確実に防止可能であると共に、光学特性および形状精度が良好なレンズを得ることが可能である。
尚、以上の第1実施形態においては、樹脂5を硬化させるための光照射を、マスクを用いた光照射とその後の一括照射との2段階で行う手順を説明した。しかしながら、樹脂5を硬化させるための光照射は、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行されれば、マスクの開口径を徐々に広げたさらに複数段階の光照射を行っても良い。また本第1実施形態においては、レンズ成型板1を光透過性材料で構成し、図3(1)および図3(2)を用いて説明した2段階の光hの照射によって樹脂5を硬化させる工程では、レンズ成型板1側から光hを照射する手順を説明した。しかしながら、レンズ成型板1は、金型のように光hを透過しない材料を用いて構成しても良く、この場合、上述した2段階の光hの照射は、透明基板9側から行われることとする。
透明基板9側からの光照射を行う場合には、樹脂5の硬化プロセスが実行されレンズの転写精度が向上するように、レンズ成型板1側からの光の照射とは別に、第1段階の光照射で用いるマスク13の開口部13aの形状、および2段階の光の照射量を最適化する。
≪第2実施形態≫
[凸レンズ形成において光強度分布を持たせた光照射を行う方法]
図4は、第2実施形態の特徴部を説明する断面工程である。図4に示す第2実施形態のレンズ形成方法が、第1実施形態の形成方法と異なるところは、未硬化の樹脂に対する光hの照射を一段階で行う手順にあり、他の工程は第1実施形態と同様である。
[凸レンズ形成において光強度分布を持たせた光照射を行う方法]
図4は、第2実施形態の特徴部を説明する断面工程である。図4に示す第2実施形態のレンズ形成方法が、第1実施形態の形成方法と異なるところは、未硬化の樹脂に対する光hの照射を一段階で行う手順にあり、他の工程は第1実施形態と同様である。
すなわち本第2実施形態においては、図4(1)に示すように、未硬化の樹脂5に対して光hを照射する際に、レンズ曲面部3に対してその周囲よりも大きな光量で光hが照射されるような光強度分布を有する光照射を行う。これにより、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進める。
このような光強度分布を有する光照射は、集光レンズをマトリックス状に配置したレンズアレイを用いて行われる。この場合、レンズ成型板1に対してレンズアレイを対向配置し、各レンズ曲面部3に対応して各集光レンズで集光させた光を一括で照射する。この際、レンズ曲面部3の周囲にも、レンズ曲面部3よりも弱い強度で光hが照射されるようにする。
この際、第1実施形態と同様に、高い光強度で光hが照射されるレンズ曲面部3から樹脂5の硬化が開始され、これにより樹脂5が硬化収縮するレンズ曲面部3に対して、その周辺部から未硬化の樹脂5を供給しつつ樹脂5の硬化を進める。
この場合、樹脂5に照射する光hの強度分布が、上述した樹脂5の硬化プロセスに影響を及ぼすため、樹脂5を完全に硬化させて得られるレンズの転写精度を左右する。したがって、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行され、レンズの転写精度が向上するように光強度分布を最適化した光hの一括照射を行うことが重要である。
以上のような光強度分布を持たせた光hの一括照射により、図4(2)に示すように、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進め、最終的に樹脂5を完全に硬化させる。完全に硬化させた樹脂5は、レンズ成型板1の各レンズ曲面部3の曲面形状が転写された樹脂レンズ部15となる。
以上のような光照射による樹脂5の硬化プロセスであっても、第1実施形態と同様の大気圧または加圧されたプロセス雰囲気行われることが好ましい。
以上の第2実施形態の手順で得られた凸レンズ17およびレンズアレイ19であっても、第1実施形態と同様に平板状の透明基板9と、透明基板9上に配置された樹脂レンズ部15とで構成されたものとなる。樹脂レンズ部15は、レンズ曲面を有すると共に、周端縁が透明基板9側に向かって広がるテーパ形状に成形されたところが特徴的である。
以上の第2実施形態によれば、外部に開放された間隔dを保持して対向配置されたレンズ成型板1と透明基板9との間に挟持させた未硬化の樹脂5に対して、レンズ曲面部3からその周囲に向かって樹脂5の硬化が進むように光強度分布を有する光照射を行う。これにより、第1実施形態で説明したと同様に、先に硬化が進むレンズ曲面部3において樹脂5が硬化収縮した場合に、レンズ曲面部3が陰圧になることはない。したがって第1実施形態と同様に、樹脂を用いたレンズ形成においてボイド発生を確実に防止可能であると共に、光学特性および形状精度が良好なレンズを得ることが可能である。
尚、以上の第2実施形態においても、レンズ成型板1を金型のように光hを透過しない材料を用いて構成しても良く、この場合、透明基板9側から光hを照射することは、第1実施形態と同様である。この場合、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行されレンズの転写精度が向上するように、レンズ成型板1側からの光の照射とは別に、一括照射における光強度分布を最適化する。
≪第3実施形態≫
[凹レンズ形成方法]
図5,図6は、本発明のレンズ形成方法の第3実施形態を説明するための工程図である。ここではこれらの図5,図6に基づいて、凹レンズをアレイ状に形成する方法を説明する。尚、本第3実施形態においては、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[凹レンズ形成方法]
図5,図6は、本発明のレンズ形成方法の第3実施形態を説明するための工程図である。ここではこれらの図5,図6に基づいて、凹レンズをアレイ状に形成する方法を説明する。尚、本第3実施形態においては、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、図5(1)に示すように、レンズ成型板21を用意する。このレンズ成型板21は、一主面側に複数のレンズ曲面部23を有する。各レンズ曲面部23には、凹レンズを形成するための凸曲面が形成されおり、レンズ成型板21の一主面側にマトリックス状に配列されている。各レンズ曲面部23の配列状態は、例えばここで形成するレンズをカメラモジュールに組み込む場合、カメラモジュールを構成する撮像素子のウェハ上における配列状態に一致していることとする。またこのレンズ成型板21は、金型または光透過性材料からなるものであっても良い。ここでは一例として光透過性材料で構成されていることとする。
本第3実施形態が第1実施形態に対して異なるところは、以上のようなレンズ成型板21の形状にあり、他の構成及び手順は第1実施形態と同様であって良い。以下、その手順について説明する。
先ず、以上のような構成のレンズ成型板21の各レンズ曲面部23に、未硬化の樹脂5を供給する。ここで用いる樹脂5は、光照射によって硬化する樹脂であり、例えば紫外線硬化樹脂であることとする。紫外線硬化樹脂は、カチオン系またはラジカル系の何れでもよい。
ここでは、例えばシリンジ等に充填した樹脂5をディスペンサー7等で定量的に塗出し、各レンズ曲面部23毎に個別に未硬化の樹脂5を供給する。各レンズ曲面部23に対する樹脂5の供給量は、以降に透明基板を対向配置した場合に、樹脂5がレンズ曲面部23から溢れてその周囲に広がり、かつ隣接するレンズ曲面部3に供給された樹脂5同士が一体化せずに独立した状態に保たれる程度に調整される。
この状態で、図5(2)に示すように、レンズ成型板21に対向配置させる平板状の透明基板9を用意する。この透明基板9は、レンズの一部を構成するものであり、樹脂5との密着性が、樹脂5とレンズ成型板21との密着性よりも良好な材料を用いて構成されることする。このような透明基板9として、例えばガラス基板を用いる。またこのような透明基板9は、複数の撮像素子が形成されたウェハと略同一の外形形状を有する。
次に、図5(3)に示すように、レンズ成型板21におけるレンズ曲面部23の形成面側に、透明基板9を対向配置し、レンズ成型板21と透明基板9との間に未硬化の樹脂5を挟持させる。この際、レンズ成型板21と透明基板9との間には、外部に開放された一定の間隔dをクリアランスとして保持する。これにより、隣接するレンズ曲面部23に供給された樹脂5同士を一体化せずに独立した状態に保ちつつ、各レンズ曲面部23に供給した樹脂5をレンズ曲面部23から溢れさせてその周囲に広げる。
またこの状態においては、第1実施形態において図2の平面図を用いて説明したと同様に、各レンズ曲面部23に供給された樹脂5はそれぞれ独立した状態に保たれ、これにより各樹脂5の周囲をレンズ成型板21と透明基板9の外部に連通させる。
ここで、レンズ成型板21と透明基板9との間の間隔dを所定状態に保持するため、レンズ成型板21と透明基板9との間にスペーサを挟持させても良いことは、第1実施形態と同様である。これらのスペーサは、レンズ曲面部23を外れた位置であって、樹脂5−5間となる位置に設けられることが好ましい。またレンズ成型板21と透明基板9とは、例えば外側から均等に押圧することで間隔dを保持させる。また、レンズ成型板21および透明基板9には、レンズ曲面部3を外れた位置であって、樹脂5−5間となる位置に、外部に開放された流路が設けられていても良いことも、第1実施形態と同様である。
以上までのプロセスは大気中でも可能だが、減圧雰囲気中で行うことが好ましい。これにより、樹脂5内への気泡の巻き込みを防止したプロセスが可能であり、レンズ内への気泡混入による内部欠陥の発生が防止されて歩留まりの向上につながる。また、未硬化の樹脂5をレンズ成型板21と透明基板9との間に所定状態で挟持させた後には、プロセス雰囲気を大気圧に戻すか、または加圧雰囲気にする。
次に、図6(1)に示すように、レンズ成型板21と透明基板9との間に挟持した樹脂5に対して光(例えば紫外線)hを照射して樹脂5の硬化を開始させる。ここでは樹脂5の硬化に用いる光hを遮ることが可能なマスク13を用いた光照射を行う。このマスク13は、各レンズ曲面部23に対応する複数の開口部13aを有する。これらの開口部13aは、一例としてレンズ曲面部23と同程度の大きさを備えていることとする。
ここでは、光透過性材料からなるレンズ成型板21の外側に、マスク13を配置する。そして、マスク13の開口部13aを、レンズ成型板21のレンズ曲面部23に対応させるように位置合わせする。この状態で、マスク13の外側から光hを照射し、マスク13の開口部13aを通過してレンズ成型板21を透過した光hをレンズ曲面部23の樹脂5に照射し、この部分の樹脂5から硬化を開始させる。
この際、レンズ曲面部23の周囲に広がった樹脂5部分に光hが照射されないように、マスク13を介して光hを照射し、レンズ曲面部23の周囲の樹脂5が硬化してレンズ曲面部23が密閉状態になることを防止する。これにより、この段階で樹脂5の硬化が開始されて樹脂5が硬化収縮するレンズ曲面部23に対して、その周辺部から未硬化の樹脂5を供給しつつ、レンズ曲面部23における樹脂5の硬化を進める。
以上の第1段階の光照射においては、レンズ曲面部23に対するマスク13の開口部13aの形状、および光hの照射量が、上述した樹脂5の硬化プロセスに影響を及ぼすため、樹脂5を完全に硬化させて得られるレンズの転写精度を左右する。したがって、第1段階の光照射は、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行され、レンズの転写精度が向上するように開口部13aの形状および光hの照射量を最適化して行うことが重要である。
尚、マスク13を介してのレンズ成型板21側からの光hの照射においては、開口部13aにおける端縁で光hの回折が発生したり、レンズ成型板21のレンズ曲面部23を出射する光hが屈折するなどの影響により、特に開口部13aの端縁で光hが散乱し易い。このため、上述したようにレンズ曲面部23の周辺部から未硬化の樹脂5を供給しつつ、レンズ曲面部23において樹脂5の硬化を進められれば、マスク13の開口部13aが、レンズ曲面部23よりも小さい構成に限定されることはない。
次に、図6(2)に示すように、マスクを外して光透過性材料からなるレンズ成型板21の外側から、樹脂5に対して光hを全面照射する。これにより、樹脂5をレンズ曲面部23の周囲にまで及んで完全に硬化させる第2段階の光照射を行う。ここでは、樹脂5が硬化する推奨積算光量分に相当する照射量での光照射を行う。
以上の2段階の光hの照射により、レンズ曲面部23からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進め、最終的に樹脂5を完全に硬化させる。完全に硬化した樹脂5は、レンズ成型板21の各レンズ曲面部23の曲面形状が転写された樹脂レンズ部25となる。
以上のような2段階の光照射による樹脂5の硬化プロセスは、大気圧または加圧雰囲気で行われることが好ましい。これにより、樹脂5の硬化収縮に伴うレンズ曲面部23への樹脂5の流動を確保すると共に、樹脂5の内圧を維持して樹脂5内に残留している微小な気泡の膨張を抑える。この際、レンズ成型板21および透明基板9と樹脂5との界面の圧力が高い方が、効果を高めることができる。
この際のプロセス雰囲気は、樹脂5がカチオン系の紫外線硬化樹脂であれば、大気または空気雰囲気で良い。一方、樹脂5がラジカル系の紫外線硬化樹脂であれば、酸素による硬化阻害を防止するため、窒素雰囲気など酸素を含有していない雰囲気とすることが好ましい。ただし、酸素による硬化阻害の影響は、プロセス雰囲気に接触している外周部のみに発生するため影響は限定的であり、この影響を考慮する必要のない場合には、大気または空気雰囲気であっても良い。
次に、図6(3)に示すように、透明基板9を上昇させることにより、透明基板9と、この透明基板9に対して密着している樹脂レンズ部25とを、レンズ成型板21側から剥離する。この際、上述した光hの照射工程が終了した後にも、樹脂レンズ部25を構成する樹脂の硬化反応は継続する。このため、光hの照射工程が終了した後に、ある程度の時間をおくことにより樹脂レンズ部25の形状の安定化を図り、その後レンズ成型板21からの樹脂レンズ部25を剥離することが好ましい。また光hの照射によって温度上昇した樹脂も、時間経過とともに温度が低下し、レンズ成型板21からの樹脂レンズ部25の離型性が向上し、より小さい力で離型できる効果もある。
以上のようにして、平板状の透明基板9と、透明基板9上に配置された樹脂レンズ部25とで構成された凹レンズ27が得られる。また透明基板9上に複数の樹脂レンズ部25が配列されたレンズアレイ29が得られる。各凹レンズ27は、各樹脂レンズ部25に凹レンズ曲面を有すると共に、各樹脂レンズ部25の周端縁Aが透明基板9側に向かって広がるテーパ形状に成形されたところが特徴的である。
ここで、樹脂レンズ部25は、先に説明した2段階の光hの照射により、レンズ曲面部23からその周囲に向かって樹脂5の硬化を進めたものであり、より早く硬化が進むレンズ曲面部23に、その周囲から未硬化の樹脂5が供給される。この際、樹脂5との密着性が透明基板9よりも小さいレンズ成型板21側において樹脂7がレンズ曲面部23側に流動して樹脂5の引けが発生する。これにより、樹脂5が透明基板9側に向かって広がるテーパ形状となって硬化するのである。
また以上の後には、必要に応じて各樹脂レンズ部25毎に透明基板9を切断することで凹レンズ27を単個化しても良い。
以上の第3実施形態によれば、外部に開放された間隔dを保持して対向配置されたレンズ成型板21と透明基板9との間に挟持させた未硬化の樹脂5に対して、レンズ曲面部23からその周囲に向かって樹脂5の硬化が進むように2段階の光照射を行う。これにより、第1実施形態で説明したと同様に、先に硬化が進むレンズ曲面部23において樹脂5が硬化収縮した場合に、レンズ曲面部23が減圧雰囲気になることはない。したがって第1実施形態と同様に、樹脂を用いたレンズ形成においてボイドの発生を防止することが可能であると共に、光学特性が良好で、かつ転写精度が良好に維持された凹レンズ27を得ることが可能である。
尚、以上の第3実施形態においては、樹脂5を硬化させるための光照射を、マスクを用いた光照射とその後の一括照射との2段階で行う手順を説明した。しかしながら、樹脂5を硬化させるための光照射は、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行されれば、マスクの開口径を徐々に広げたさらに複数段階の光照射を行っても良い。また本第3実施形態においては、レンズ成型板21を光透過性材料で構成し、図6(1)および図6(2)を用いて説明した2段階の光hの照射によって樹脂5を硬化させる工程では、レンズ成型板21側から光hを照射する手順を説明した。しかしながら、レンズ成型板21は、金型のように光hを透過しない材料を用いて構成しても良い。この場合、上述した2段階の光hの照射は、透明基板9側から行われることとする。
透明基板9側からの光照射を行う場合には、樹脂5の硬化プロセスが実行されレンズの転写精度が向上するように、レンズ成型板21側からの光の照射とは別に、第1段階の光照射で用いるマスク13の開口部13aの形状、および2段階の光の照射量を最適化する。
また上述した第3実施形態は、第2実施形態と組み合わせることも可能である。すなわち、未硬化の樹脂に対する光hの照射を一段階で行う手順としても良い。この場合、未硬化の樹脂に対して光hを照射する際に、レンズ曲面部23に対してその周囲よりも大きな光量で光hが照射されるように、光強度分布を有する光照射を行うことは、第2実施形態で説明したと同様である。また、上述した樹脂5の硬化プロセスが実行されレンズの転写精度が向上するように、一括照射における光強度分布を最適化する。
≪第4実施形態≫
[レンズジュールの形成方法]
本第4実施形態においては、第1実施形態〜第3実施形態で説明した手順によって得られたレンズアレイを用いたカメラモジュールの形成方法を説明する。
[レンズジュールの形成方法]
本第4実施形態においては、第1実施形態〜第3実施形態で説明した手順によって得られたレンズアレイを用いたカメラモジュールの形成方法を説明する。
先ず図7に示すように、第1実施形態〜第3実施形態で説明した手順で形成した複数のレンズアレイ19,29と共に、複数の撮像素子31が形成されたウェハ33、スペーサ35、およびレンズキャップアレイ37、を用意する。
ここで用いるレンズアレイ19またはレンズアレイ29は、撮像素子31が形成されたウェハ33と略同一の外形形状の透明基板に複数の凸レンズ17または凹レンズ27を配列してなる。凸レンズ17または凹レンズ27の配列状態は、撮像素子31の配列に一致している。
スペーサ35は、撮像素子31が形成されたウェハ33と略同一の外形形状の基板に複数の開口部を配列してなる。開口部の配列状態は、撮像素子31および各凸レンズ17または凹レンズ27の配列に一致している。
レンズキャップアレイ37は、撮像素子31が形成されたウェハ33と略同一の外形形状の基板に遮光パターンを設けたものである。この遮光パターンは、撮像素子31および各凸レンズ17または凹レンズ27の配列部分を開口させてその周囲を覆う形状に形成されている。
ここでは図7に示すように、撮像素子31が形成されたウェハ33側から順に、スペーサ35、レンズアレイ19またはレンズアレイ29、スペーサ35、レンズアレイ19またはレンズアレイ29、およびレンズキャップアレイ37の順に積層配置する。この際、ウェハ33上の撮像素子31、スペーサ35の開口部、レンズアレイ19,29の凸レンズ17または凹レンズ27を積層方向に一致させ、この周囲をレンズキャップアレイ37の遮光パターンで覆うように、位置合わせを行う。そして各基板間を、撮像素子31および凸レンズ17または凹レンズ27の周囲で接着して固定し、積層体39を得る。
その後、図8に示すように、ウェハ33、スペーサ35、レンズアレイ19(29)、スペーサ35、レンズアレイ19(29)、およびレンズキャップアレイ37の積層体39を、各撮像素子31の部分毎に分割して複数のレンズモジュール41を得る。
図9には、以上のレンズモジュール41を用いたカメラモジュール51の構成を示す。以上のようにして作製されたレンズモジュールは、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器、などのカメラモジュールに適用することができる。
このカメラモジュール51は、撮像素子31と凸レンズ17や凹レンズ27とを積層させたレンズモジュール41と、撮像素子31を駆動する駆動回路43と、撮像素子31の出力信号を処理する信号処理回路45とを有する。
撮像素子31は、CCD固体撮像素子またはCMOSセンサー等からなる。凸レンズ17または凹レンズ27は、上述した各実施形態の形成方法で作製した凸レンズ17または凹レンズ27を必要枚数組み合わせて積層して用いられ、被写体からの像光(入射光)を撮像素子31の撮像面上に結像させる。駆動回路43は、撮像素子31の転送動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路43から供給される駆動信号(タイミング信号)により、撮像素子31の信号転送を行う。信号処理回路45は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、或いは、モニタに出力される。
第4実施形態に係るカメラモジュール51によれば、第1実施形態〜第3実施形態で説明したように、ボイド発生無く、光学特性が良好で、かつ転写精度が良好に維持された凸凸レンズ17および凹レンズ27を用いている。このためこのカメーラモジュール51においての、撮像素子31に対する集光特性の向上と、これによる画質の向上を図ることが可能になる。
1,21…レンズ成型板、3,23…レンズ曲面部、5…樹脂、9…透明基板、13…マスク、13a…開口部、15,25…樹脂レンズ部、17…凸レンズ(レンズ)、27…凹レンズ(レンズ)、51…カメラモジュール、d…間隔、h…光
Claims (7)
- 外部に開放された間隔を保持して対向配置されたレンズ成型板と平板状の透明基板との間に、未硬化の樹脂を挟持させる工程と、
前記レンズ成型板に形成されたレンズ曲面部からその周囲に向かって前記樹脂の硬化が進むように、前記レンズ成型板と前記透明基板との間に挟持された樹脂に対して光照射を行う工程とを有する
レンズ形成方法。 - 前記レンズ成型板には複数のレンズ曲面部が形成され、
前記レンズ成型板と前記透明基板との間に前記未硬化の樹脂を挟持させる工程では、前記各レンズ曲面部とその周囲を覆うと共にそれぞれ独立した状態で当該未硬化の樹脂を配置する
請求項1に記載のレンズ形成方法。 - 前記レンズ成型板は光透過性を有し、
前記光照射を行う工程は、加圧雰囲気で行う
請求項2記載のレンズ形成方法。 - 前記光照射を行う工程では、
先ず前記レンズ曲面部に対応する開口部を有するマスクを介しての光照射を行い、
次に前記マスクを介しての光照射よりも照射範囲を広げた光照射を行う
請求項1〜3の何れかに記載のレンズ形成方法。 - 前記光照射を行う工程では、
前記レンズ曲面部に対して当該レンズ曲面部の周囲よりも大きな光量での光照射を行う
請求項1〜3の何れかに記載のレンズ形成方法。 - 平板状の透明基板と、当該透明基板上に配置されたレンズ曲面を有する樹脂レンズ部とを備え、
前記樹脂レンズ部の周端縁が、前記透明基板側に向かって広がるテーパ形状に成形された
レンズ。 - 平板状の透明基板と当該透明基板上に配置されたレンズ曲面を有する樹脂レンズ部とを備え、前記樹脂レンズ部の周端縁が前記透明基板側に向かって広がるテーパ形状に成形されたレンズを有する
カメラモジュール。
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