JP2012030872A - 注出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造でありながら内容物を意図した量だけ注出することが可能であり、注出後は手や容器を汚すことなく閉塞できる注出器を提案する。
【解決手段】本発明の注出器は、容器の口部1aに固定保持されるベース2と、ベース2に上下動可能に保持されるとともに、上部位置で内容物の注出経路を開放し、下部位置で注出経路を閉塞するヘッド3と、ベース2にヒンジ2dを介して開閉可能に結合しヘッド3を覆い隠すヒンジキャップ4とを備え、ヘッド3の頭頂面に、一端が開孔3aにつながり他端が開孔3aよりも上方に位置する傾斜溝3aを設け、ヒンジキャップ4の内壁面に、ヒンジキャップ4の閉動作によりヘッド3を下部位置に押し下げるとともにヘッド3の側壁3bと係合し、ヒンジキャップ4の開動作によりヘッド3を上部位置まで引き上げるとともに係合を解除する、吊り下げ弾性舌片4bを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器の口部に取り付けられる注出器に関するものであり、簡単な構造でありながら内容物を意図した量だけ注出することが可能であり、注出後は手や容器を汚すことなく閉塞できるものである。
例えば洗剤や化粧品、整髪料、医薬品等の内容物を収容する容器の口部に装着される注出器としては、上方に向けて突設した棒状の栓体に上下動可能に保持されたヘッドを備えたものが知られており(例えば特許文献1参照)、使用時はヘッドを引き上げてこのヘッドに設けた注出口を開放し、使用後はヘッドを押し下げて栓体を注出口にはめ込むことで、注出口が閉塞できるようになっている。
実開平6−16254号公報
ところで、上記のような注出器を取り付けた容器から内容物を注出するには、ヘッドを上方に引き上げた状態で容器を上下逆さまにして容器胴部をスクイズするが、注出量の調整はスクイズの加減によるところが大きく、意図した量だけ注出することは容易ではなかった。また注出後には、注出口の周囲に溜まった内容物が液ダレすることもあり、ヘッドを押し下げて容器を閉栓する際に、この内容物で指を汚すこともあった。
本発明の課題は、ヘッドを上下に移動させて内容物の注出経路を開放、閉塞する注出器に関し、構造の複雑化を伴うことなしに内容物を意図した量だけ注出することができ、注出後は手や容器を汚すことなく注出経路が閉塞される注出器を提案するところにある。
本発明は、容器の口部に固定保持されるベースと、該ベースに上下動可能に保持されるとともに、上部位置で内容物の注出経路を開放し、下部位置で該注出経路を閉塞するヘッドと、該ベースにヒンジを介して開閉可能に結合し該ヘッドを覆い隠すヒンジキャップとを備え、前記容器の傾転もしくは反転姿勢によって、開放した前記注出経路を経て前記ヘッドの頭頂面の開孔から容器内の内容物を注出する注出器において、
前記ヘッドの頭頂面に、一端が前記開孔につながり他端が該開孔よりも上方に位置する傾斜溝を設け、
前記ヒンジキャップの内壁面に、該ヒンジキャップの閉動作により該ヘッドを下部位置に押し下げるとともに該ヘッドの側壁と係合し、該ヒンジキャップの開動作により該ヘッドを上部位置まで引き上げるとともに前記係合を解除する、吊り下げ弾性舌片を設けたことを特徴とする注出器である。
前記ベースに、縦リブ又は縦溝を設け、前記ヘッドの側壁に、該縦リブ又は縦溝に適合する縦溝又は縦リブを設けることが望ましい。
ヘッドの頭頂面に、容器の内側につながる開孔と、一端がこの開孔につながり他端がこの開孔よりも上方に位置する傾斜溝を設けたので、ヘッドの外表面に付着した内容物を、この傾斜溝から開孔を通して容器内部に回収することが可能となり、ヘッドの開孔周辺を汚すおそれが軽減される。また、内容物を大量に注出するときは開孔から直接注出し、少量でよいときは傾斜溝を伝わらせて注出することができるので、簡易な構造でありながら意図した量を注出することが可能となる。さらに、ヒンジキャップの内壁面から吊り下がる弾性舌片を設け、ヒンジキャップの閉動作によってヘッドを下部位置に押し下げるとともにこの弾性舌片をヘッドの側壁と係合させ、ヒンジキャップの開動作によってヘッドを上部位置まで引き上げるとともに前記係合を解除するようにしたので、指でヘッドを触ることなく注出経路の開放、閉塞が可能となる。
ベースに縦リブ又は縦溝を形成し、ヘッドの側壁にこの縦リブ又は縦溝に適合する縦溝又は縦リブを設けた場合には、ヘッドとベースの位置が定まるので、ヒンジキャップを開けるとヘッドが意図しない向きを向いていることがなく、ヘッドの向きに合うように容器本体を持ちかえる手間がかかることはない。
本発明に従う注出器の実施の形態につき、容器の口部に取り付けてヒンジキャップを閉めた状態を示す断面図である。 図1に示す注出器につき、ヒンジキャップを開いてヘッドが上方へ移動した状態を示した断面図と、弾性舌片のA−A断面図である。 図1に示す注出器につき、ヘッドの背面側の外観斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う注出器の実施の形態につき、容器の口部に取り付けてヒンジキャップを閉めた状態を示す断面図であり、図2は、図1に示す注出器のヒンジキャップを開いてヘッドが上方へ移動した状態を示した断面図と、弾性舌片のA−A断面図であり、図3は、図1に示す注出器のヘッドを背面側から示した外観斜視図である。
なお図1において、容器本体の軸線Mに沿う向きが上下方向であり(容器の口部から見てヒンジキャップが位置する側が上方)、軸線Mに直交する方向(図1において軸線Mから左又は右に向かう方向)が径方向である。またヒンジキャップの摘みが設けられている側が前面であり、ヒンジが設けられている側が背面である。
図1において、1は容器本体である。容器本体1は、頂部において開口する口部1aを有し、その口部1aから下方に向けて連続してつながる図示しない側壁及び底壁によって、内容物を収納する充填空間を区画形成している。
2は、容器本体1の口部1a固定保持されるベースである。図示の例でベース2は、口部1aの内側に入り込んで上向き開放の環状凹部を形成する、外縁にフランジfを備える有底筒体2aと、この有底筒体2aのフランジfの縁部から垂下され、口部1aを取り囲む外壁2bを備えている。有底筒体2aと外壁2bとの相互間には、下向き開放の環状凹部が形成され、この下向き開放の環状凹部に口部1aを挿入している。外壁2bの内側には、口部1aの外壁に設けたねじ部nに係合するねじ部nが設けられており、ベース2は、容器本体1に対して着脱可能に保持されている。またベース2の保持は、ねじによる保持だけでなく、アンダーカットによる保持であっても良い。
有底筒体2aの底壁には、この底壁から起立する棒状の栓体2aと、容器内部の内容物を通過させる貫通開孔2aが形成されている。図示の例で貫通開孔2aは、栓体2aの軸心を中心として周方向に間隔をあけて複数配置されたものであり、栓体2aは、この貫通開孔2aの相互間に形成される、栓体2aの軸心(容器本体1の軸心Mと一致している)を中心とする放射状のリブで有底筒体2aと結合している。また有底筒体2aの底壁には、貫通開孔2aの外側から立ち上がる環状筒体2aが形成されている。
3は、ベース2に上下動可能に保持されて、その内側を内容物の注出経路とするヘッドである。図1は、ヘッド3が下部位置に移動した状態を示している。ヘッド3は、頭頂面となる天面壁3aと、この天面壁3aの下面から垂下され、ベース2の有底筒体2aと環状筒体2aの相互間に形成される上向き開放の環状凹部に入り込む、側壁3bを備えている。天面壁3aは、容器の背面側から前面側に向かって高くなるように傾斜している。側壁3bの径方向内側には、天面壁3aの下面から垂下され、環状筒体2aの内側に入り込む内側筒体3cが形成されている。環状筒体2aと内側筒体3cで囲まれる内部空間は、貫通開孔2aを通過した内容物の注出経路であり、天面壁3aには、内容物の注出口となる開孔3aと、天面壁3aと同じ向きに沿って傾斜する傾斜溝3aと、傾斜溝3aの前面側に位置する開放端3aとが設けられている。傾斜溝3aは、一端が開孔3aにつながっており、他端となる開放端3aが、開孔3aよりも上方に位置している。ヘッド3が下部位置にある図1に示す状態では、栓体2aが開孔3aに嵌まり込んで内容物の注出が阻止されており、ヘッド3が上部位置にある図2に示す状態では、開孔3aが開放されて内容物を注出することができる。ここで内側筒体3cの下方外側には、環状筒体2aと液密に当接するシール体3cが設けられており、ヘッド3が、側壁3b及び内側筒体3cの少なくとも一方をガイドとして上下動しても、内容物が開孔3a以外から外部に漏れ出すことがない。また側壁3bの内側には、環状筒体2aの外側に設けられた突部2aに係合して、ヘッド3が上方に向けて移動した際の抜け止めとなる突部3bが形成されている。さらにヘッド3は、図3に例示するように、側壁3bから径方向外側に向けてそれぞれ突出する、一対の突起3bを備えている。
4は、ベース2にヒンジを介して開閉可能に結合し、ヘッド3を覆い隠す収納空間を備えたヒンジキャップである。図示の例でヒンジ2dは、ベース2の背面側に起立する背面壁2cの上部に設けられており、ヒンジキャップ4は、ベース2と一体連結している。ヒンジキャップ4の前面側には、ヒンジキャップ4を開ける際の手掛かりとなる、摘み4aが設けられている。ヒンジキャップ4の天面壁の下面である内壁面からは、図2のA−A断面に示す断面形状となる一対の弾性舌片4bが、ヘッド3を挟んで吊り下げ保持されており、図1に示すヒンジキャップ4を閉めた状態で、突起3bに係合するようになっている。
上記のような注出器から内容物を注出するには、まず摘み4aを引き上げて、ヒンジキャップ4を図1に示す閉じた状態から図2に示す開けた状態にする。この時、弾性舌片4bは、突起3bに係合しているので、ヒンジキャップ4の開動作に伴ってヘッド3を上方に引き上げることができる。ヘッド3が上部位置に到達してさらに開動作を継続すると、弾性舌片4bと突起3bの係合が外れるので、ヒンジキャップ4を完全に開く(ヘッド3の開孔3aとベース2の栓体2aも開放)ことができる。
ヒンジキャップ4を開いた後、容器本体1を傾ける傾転姿勢もしくは上下逆さまとなる反転姿勢とし、容器本体1の胴部をスクイズすることで内容物を注出することができる。ここで内容物を、傾斜溝3aを伝わらせること無く、開孔3aから直接注出するようにすると、内容物を大量に吐出することができる。また、容器本体1を緩やかに傾けてスクイズし、開孔3aから出る内容物が、傾斜溝3aを伝って開放端3aから少しずつ流れ出るようにすれば、少量の内容物を吐出することができる。必要量の内容物を注出した後に容器本体1の傾きを元に戻すと、傾斜溝3aに溜まった内容物は、傾斜溝3aの側面及び底面を伝って下方に向かい、開孔3aに通して容器本体1に回収することができるので、ヘッド3を内容物で汚すおそれが軽減される。なお内容物の粘度が低い場合は、胴部をスクイズしなくても、容器本体1の傾き加減で上記の如く内容物を注出して、所望の量を得ることができる。
開孔3aを閉塞するには、ヘッド3を指で直接押し下げなくても、ヒンジキャップ4を閉めるだけでよい。ヒンジキャップ4を閉めていくと、弾性舌片4bが突起3bに係合するので、ヒンジキャップ4の閉動作に伴ってヘッド3を下部位置まで押し下げることができる。
また本発明においては、ベース2に縦リブ又は縦溝を設け、ヘッド3の側壁3bに、この縦リブ又は縦溝に適合する縦溝又は縦リブを設けることが好ましい。図示の例示では、ベース2の背面側に縦リブ2aを設け、ヘッド3の背面側の側壁3bに縦リブ2aに適合する縦溝3bを形成した場合を示している。このため、ヒンジキャップ4を開けると開放端3aが意図していない方向を向いているということがなく、ノズルの位置ズレを防止することができる。またヒンジキャップ4を閉める際に、弾性舌片4bをヘッド3の開放端3aにぶつけて、予期せぬ破損が発生することもない。さらに上記縦リブと縦溝の組み合わせは、ヘッド3を上下動させる際のガイドとして利用することも可能である。
なお図示の例では、弾性舌片4bが側壁3bの突起3bと係合する場合を示したが、側壁3bに凹所を形成し、この凹所に弾性舌片4bが係合するようにしてもよい。また弾性舌片4bは、ヘッド3を挟む一対のものとして示したが、片側1箇所であってもよい。
本発明によれば、ヘッドを上下に移動させて内容物の注出経路を開放、閉塞する注出器に関し、構造の複雑化を伴うことなしに内容物を意図した量だけ注出することができ、注出後は手や容器を汚すことなく注出経路が閉塞されることを可能とする注出器を提供できる。
1 容器本体
1a 口部
2 ベース
2a 有底筒体
2b 外壁
2c 背面壁
2d ヒンジ
3 ヘッド
3a 天面壁
3b 側壁
3c 内側筒体
4 ヒンジキャップ
4a 摘み
4b 弾性舌片
M 軸線

Claims (2)

  1. 容器の口部に固定保持されるベースと、該ベースに上下動可能に保持されるとともに、上部位置で内容物の注出経路を開放し、下部位置で該注出経路を閉塞するヘッドと、該ベースにヒンジを介して開閉可能に結合し該ヘッドを覆い隠すヒンジキャップとを備え、前記容器の傾転もしくは反転姿勢によって、開放した前記注出経路を経て前記ヘッドの頭頂面の開孔から容器内の内容物を注出する注出器において、
    前記ヘッドの頭頂面に、一端が前記開孔につながり他端が該開孔よりも上方に位置する傾斜溝を設け、
    前記ヒンジキャップの内壁面に、該ヒンジキャップの閉動作により該ヘッドを下部位置に押し下げるとともに該ヘッドの側壁と係合し、該ヒンジキャップの開動作により該ヘッドを上部位置まで引き上げるとともに前記係合を解除する、吊り下げ弾性舌片を設けたことを特徴とする注出器。
  2. 前記ベースに、縦リブ又は縦溝を設け、前記ヘッドの側壁に、該縦リブ又は縦溝に適合する縦溝又は縦リブを設けた請求項1記載の注出器。
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