JP2012030396A - タイヤ保管装置及びタイヤ保管方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保管中の生タイヤに発生する変形を抑制して、タイヤを精度よく製造する。
【解決手段】タイヤ保管装置1は、生タイヤ80を、載置台2に横置きで載置して保管する。生タイヤ80を載置するときに、載置台2上に設けられた挿入部材3を、生タイヤ80の中心開口85から生タイヤ80内に挿入し、挿入部材3に連結された複数の支持部材10を生タイヤ80内で変移させる。複数の支持部材10は、変移手段により、生タイヤ80内で、生タイヤ80に接触しない状態と、生タイヤ80の上側の側面部81に接触する状態とに変移する。複数の支持部材10を、生タイヤ80の上側の側面部81に接触させて、支持部材10により、載置台2に載置された生タイヤ80の上側の側面部81を生タイヤ80内から支持する。
【選択図】 図1
【解決手段】タイヤ保管装置1は、生タイヤ80を、載置台2に横置きで載置して保管する。生タイヤ80を載置するときに、載置台2上に設けられた挿入部材3を、生タイヤ80の中心開口85から生タイヤ80内に挿入し、挿入部材3に連結された複数の支持部材10を生タイヤ80内で変移させる。複数の支持部材10は、変移手段により、生タイヤ80内で、生タイヤ80に接触しない状態と、生タイヤ80の上側の側面部81に接触する状態とに変移する。複数の支持部材10を、生タイヤ80の上側の側面部81に接触させて、支持部材10により、載置台2に載置された生タイヤ80の上側の側面部81を生タイヤ80内から支持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生タイヤを加硫前に保管するときに、生タイヤに発生する変形を抑制するタイヤ保管装置とタイヤ保管方法に関する。
空気入りタイヤ等の各種のタイヤは、一般に、複数のタイヤ構成部材により生タイヤを成形した後、加硫モールド内で生タイヤを加硫して製造される。また、生タイヤは、加硫前に、ターンテーブル等の台に載置されて一時的に保管されることがある(特許文献1参照)。
図4は、生タイヤを保管する従来のタイヤ保管装置の例を示す正面図である。また、図4には、保管中の生タイヤも模式的に断面で示している。
従来のタイヤ保管装置90は、図示のように、円盤状の載置台91と、載置台91の中央に設けられた円錐台形状の凸部92とを有し、例えば、加硫機の周囲に設置される。生タイヤ80は、軸線を上下方向に向けて載置台91の上面に配置され、載置台91の凸部92の周りに横置きで載置される。タイヤ保管装置90は、載置台91上で、生タイヤ80を加硫機で加硫するまで保管する。
従来のタイヤ保管装置90は、図示のように、円盤状の載置台91と、載置台91の中央に設けられた円錐台形状の凸部92とを有し、例えば、加硫機の周囲に設置される。生タイヤ80は、軸線を上下方向に向けて載置台91の上面に配置され、載置台91の凸部92の周りに横置きで載置される。タイヤ保管装置90は、載置台91上で、生タイヤ80を加硫機で加硫するまで保管する。
ところで、軽量タイヤのように、タイヤ側面を構成する側面部81の厚さ(ゲージ)が薄いタイヤや、カーカスプライの折り返しが短いタイヤでは、生タイヤ80の側面部81の剛性が低くなる。このような生タイヤ80は、タイヤ保管装置90による保管中に、上側の側面部81が自重を支えられずに垂れ下がるように変形することがある。その結果、側面部81内のビード部82やサイドウォール部83が次第に変形し、或いは、上下のビード部82間の間隔(足幅)が次第に変化する虞がある。
また、側面部81に補強層を有するランフラットタイヤのように、側面部81の重量が大きい生タイヤ80でも、上側の側面部81が自重により次第に変形することがある。このように、従来のタイヤ保管装置90では、生タイヤ80の保管中に変形が生じる虞があり、より形状等の精度の高いタイヤを製造する観点から、更なる改良が求められている。
本発明は、これら従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、保管中の生タイヤに発生する変形を抑制して、タイヤを精度よく製造することである。
本発明は、生タイヤを保管するタイヤ保管装置であって、生タイヤが横置きで載置される載置台と、生タイヤの中心開口から生タイヤ内に挿入される載置台上に設けられた挿入部材と、挿入部材に連結され、載置台に載置された生タイヤの上側の側面部を生タイヤ内から支持する複数の支持部材と、複数の支持部材を、生タイヤ内で、生タイヤに接触しない状態と、生タイヤの上側の側面部に接触する状態とに変移させる変移手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、生タイヤを保管するタイヤ保管方法であって、生タイヤを載置台に横置きで載置する工程と、生タイヤを載置するときに、載置台上に設けられた挿入部材を生タイヤの中心開口から生タイヤ内に挿入する工程と、挿入部材に連結された複数の支持部材を、生タイヤ内で変移させて、生タイヤの上側の側面部に接触させる工程と、側面部に接触させた複数の支持部材により、載置台に載置された生タイヤの上側の側面部を生タイヤ内から支持する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、生タイヤを保管するタイヤ保管方法であって、生タイヤを載置台に横置きで載置する工程と、生タイヤを載置するときに、載置台上に設けられた挿入部材を生タイヤの中心開口から生タイヤ内に挿入する工程と、挿入部材に連結された複数の支持部材を、生タイヤ内で変移させて、生タイヤの上側の側面部に接触させる工程と、側面部に接触させた複数の支持部材により、載置台に載置された生タイヤの上側の側面部を生タイヤ内から支持する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、保管中の生タイヤに発生する変形を抑制して、タイヤを精度よく製造することができる。
以下、本発明のタイヤ保管装置とタイヤ保管方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ保管装置は、空気入りラジアルタイヤ等の各種のタイヤの製造に使用されて、生タイヤを加硫前に保管する装置であり、成形後の、かつ、加硫前の生タイヤを加硫するまで一時的に保管する。ここでは、タイヤ保管装置として、加硫機の周囲に設置され、成形工程から加硫工程に搬送された生タイヤを加硫機で加硫するまで保管するターンテーブルを例に説明する。
本実施形態のタイヤ保管装置は、空気入りラジアルタイヤ等の各種のタイヤの製造に使用されて、生タイヤを加硫前に保管する装置であり、成形後の、かつ、加硫前の生タイヤを加硫するまで一時的に保管する。ここでは、タイヤ保管装置として、加硫機の周囲に設置され、成形工程から加硫工程に搬送された生タイヤを加硫機で加硫するまで保管するターンテーブルを例に説明する。
図1は、本実施形態のタイヤ保管装置の要部を示す正面図であり、図1Aと図1Bに互いに異なる状態のタイヤ保管装置を示している。また、図1には、保管する生タイヤも模式的に断面で示している。
タイヤ保管装置1は、図示のように、生タイヤ80が載置される載置台2と、生タイヤ80内に挿入される挿入部材3と、生タイヤ80の側面部81を支持する複数の支持部材10とを備えている。
タイヤ保管装置1は、図示のように、生タイヤ80が載置される載置台2と、生タイヤ80内に挿入される挿入部材3と、生タイヤ80の側面部81を支持する複数の支持部材10とを備えている。
なお、生タイヤ80は、一対の側面部81と、外周面を構成する環状のトレッド部84とを有し、トレッド部84の両側に、側面部81が半径方向(図1では左右方向)の内側に向かって形成されている。側面部81は、生タイヤ80の側面を構成する部分であり、半径方向の内側端に位置するビード部82と、ビード部82の半径方向外側に位置するサイドウォール部83とを有する。側面部81の中心には、生タイヤ80の側面に開口する中心開口(リム穴)85が形成されている。中心開口85は、生タイヤ80の両側面で、それぞれ生タイヤ80の軸線を中心にした円形状に形成される。また、図1では、挿入部材3を挟んで配置された2つの支持部材10を示しているが、支持部材10は、生タイヤ80の側面部81の重量や剛性等に応じて、挿入部材3を囲んで2つ以上設けられる。
載置台2は、生タイヤ80の加硫前に、生タイヤ80を保管するための部材であり、生タイヤ80の直径以上の直径の円盤状に形成されている。また、載置台2は、平滑な上面が、生タイヤ80が載置される載置面になっており、載置面に、生タイヤ80が軸線を上下方向に向けて、寝かせて配置される。この載置台2は、生タイヤ80の保管時に、生タイヤ80が上面に横置きで載置され、生タイヤ80を横置きした状態で保管する。
挿入部材3は、例えば円柱状や角柱状(ここでは円柱状)をなし、載置台2上に設けられて、載置台2上の生タイヤ80内に挿入される。挿入部材3は、生タイヤ80と同芯状に配置される芯部材(芯棒)であり、載置台2の載置面の中心に、上方に突出して取り付けられている。また、挿入部材3は、直径Dが、生タイヤ80の内径Fよりも小さく形成され、高さHが、生タイヤ80の上下のビード部82間の間隔(足幅)Wよりも高く形成されている。挿入部材3は、生タイヤ80が載置台2に載置されるときに、生タイヤ80の一方(下方)の中心開口85から生タイヤ80内に挿入されて、生タイヤ80内を他方(上方)の中心開口85まで貫通する。これに伴い、挿入部材3は、上部を除いた載置台2側の所定範囲が、生タイヤ80の内部空間86に配置される。
支持部材10は、生タイヤ80の側面部81を支持するための支持腕であり、角棒や丸棒により所定長さ及び形状に形成されて、挿入部材3に連結される。また、複数の支持部材10は、挿入部材3の周囲に等間隔に配置され、それぞれの一端部(図1Aでは上端部)が、挿入部材3の上下方向の途中に回転可能に取り付けられている。複数の支持部材10は、挿入部材3とともに、載置台2上の生タイヤ80内に配置され、生タイヤ80内(内部空間86)で、一端部を中心に回転して、他端部(自由端)が挿入部材3に接近及び離間する。複数の支持部材10は、各方向への回転に応じて、挿入部材3の外周に接して挿入部材3の周りに閉じた状態(縮小状態)(図1A参照)と、その状態から90度回転して、挿入部材3から外側に放射状に拡がる状態(拡大状態)(図1B参照)とに配置される。
複数の支持部材10は、縮小状態では、生タイヤ80に接触せず、かつ、生タイヤ80のビード部82よりも半径方向内側に配置される。また、複数の支持部材10は、生タイヤ80の載置台2への載置と載置台2からの搬出時には、縮小状態に維持され、生タイヤ80の上下方向の移動を妨げないようになっている。これに対し、複数の支持部材10は、拡大状態に変移すると、載置台2に載置された生タイヤ80の上側の側面部81に接触して、側面部81を生タイヤ80内から支持する。
このように、複数の支持部材10は、生タイヤ80の側面部81を支持する状態(拡大状態)と支持しない状態(縮小状態)の両状態間で変移して、各状態に配置される。複数の支持部材10は、縮小状態から拡大状態に変移すると、側面部81の内面の所定範囲に接触して配置され、側面部81を下方から支持する。その際、複数の支持部材10は、水平に配置されて、生タイヤ80のビード部82と、ビード部82側の側面部81に接触し、少なくとも生タイヤ80のビード部82を支持する。ここでは、複数の支持部材10は、側面部81の半径方向内側の所定範囲に接触して、ビード部82と、その近傍範囲を支持する。また、複数の支持部材10は、拡大状態から縮小状態に変移すると、側面部81から離れて側面部81の支持を解除し、挿入部材3の外周に沿って垂直に配置される。タイヤ保管装置1は、複数の支持部材10を変移させる変移手段を備えており、変移手段により複数の支持部材10を両状態に変移させる。
図2は、支持部材10の変移手段20を示す概略構成図であり、タイヤ保管装置1を透視して内部の変移手段20を示している。また、図2A、Bは、それぞれ図1A、Bに対応するタイヤ保管装置1の一部を示している。
変移手段20は、図示のように、中空状の挿入部材3と載置台2の内部に設けられている。また、変移手段20は、ピストン・シリンダ機構21と、伝動部材22と、各支持部材10と一体に形成されたリンク11とを有し、それらにより、複数の支持部材10を同期して変移させる駆動機構を構成している。
変移手段20は、図示のように、中空状の挿入部材3と載置台2の内部に設けられている。また、変移手段20は、ピストン・シリンダ機構21と、伝動部材22と、各支持部材10と一体に形成されたリンク11とを有し、それらにより、複数の支持部材10を同期して変移させる駆動機構を構成している。
ピストン・シリンダ機構21は、支持部材10を動かす駆動源であり、シリンダ21Sが載置台2に固定されて、載置台2から上方に向かって配置されている。ピストン・シリンダ機構21は、ピストンロッド21Pがシリンダ21Sから進退して、ピストンロッド21Pの先端が挿入部材3内で上下方向に変位する。伝動部材22は、ピストンロッド21Pの先端に固定され、ピストンロッド21Pの変位により、挿入部材3内で上下方向に移動する。また、伝動部材22は、角棒状をなし、ピストンロッド21Pから各支持部材10のリンク11に向かって配置されて、先端側に設けられた係合突起23により、リンク11に連結されている。伝動部材22は、係合突起23を介して、ピストン・シリンダ機構21の動力をリンク11に伝動し、上下方向の移動に伴いリンク11を連動して動かす。
リンク11は、支持部材10の一端部から斜めに延びる板状部材であり、支持部材10の一端部から屈曲して、挿入部材3の外周の貫通孔を通って挿入部材3内に配置される。リンク11は、支持部材10側の基端部が、挿入部材3の内面に固定された回転軸24に回転自在に取り付けられ、回転軸24を中心に両方向に回転して、支持部材10を、回転軸24を中心に回転させる。また、リンク11は、先端側の所定範囲に、係合突起23が係合する長穴12を有し、係合突起23が長穴12内で長手方向に移動する。リンク11は、伝動部材22が上下方向に移動すると、長穴12内の係合突起23から伝動部材22の移動方向の力が加えられる。この力により、リンク11は、回転軸24を中心に回転して、支持部材10を回転させる。その際、係合突起23は、リンク11の回転に応じて長穴12内の位置が変化する。また、支持部材10は、各方向の回転により、上記した縮小状態と拡大状態に変移する。
変移手段20は、ピストン・シリンダ機構21により、伝動部材22を上昇させてリンク11を押し上げ、支持部材10を挿入部材3の周囲に閉じた縮小状態(図2A参照)に配置する。また、変移手段20は、伝動部材22を下降させてリンク11を押し下げ、支持部材10を挿入部材3から外側に拡がる拡大状態(図2B参照)に配置する。このように、変移手段20は、挿入部材3に設けられた複数の支持部材10を生タイヤ80内で移動させ、両状態に同期して変移させる。これにより、複数の支持部材10を、生タイヤ80に接触しない状態(図1A参照)と、生タイヤ80の上側の側面部81に接触して、側面部81を支持する状態(図1B参照)とに変移させる。
以上に加えて、本実施形態のタイヤ保管装置1(図2参照)は、載置台2上の生タイヤ80を検知する検知手段4と、装置全体の制御手段である制御装置5とを備えている。ここでは、検知手段4は、ロードセル等の重量センサからなり、載置台2の下側に接触して配置されて、上面側の部材の重量を測定する。この検知手段4は、載置台2に生タイヤ80が載置されていないときには、載置台2に相当する重量を測定し、載置台2に生タイヤ80が載置されているときには、載置台2と生タイヤ80に相当する重量を測定する。検知手段4は、重量を測定して、測定重量に基づいて載置台2上の生タイヤ80の有無を検知する。また、検知手段4は、生タイヤ80の保管中や保管前後に、重量の測定や検知を連続して実行し、測定や検知の結果を制御装置5へ出力する。
制御装置5は、例えばマイクロプロセッサ(MPU)、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、及びMPUが直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータからなる。制御装置5は、接続手段(図示せず)により検知手段4と変移手段20に接続されており、検知手段4の測定結果や検知結果に基づいて変移手段20を制御する。
また、制御装置5は、検知手段4が順次測定する重量を監視し、測定重量の変化に基づき、載置台2への生タイヤ80の載置と、生タイヤ80の載置台2からの離間又は搬出を検知する。例えば、制御装置5は、測定重量が、載置台2の重量から生タイヤ80の重量が付加された重量に変化したときに、生タイヤ80が載置台2に載置されたと判定し、生タイヤ80の載置を検知する。これに対し、制御装置5は、測定重量が、載置台2と生タイヤ80の重量から載置台2の重量に変化したときに、生タイヤ80が載置台2から離間した、又は、搬出されたと判定して、生タイヤ80の離間又は搬出を検知する。このように、検知手段4と制御装置5は、生タイヤ80が載置台2へ載置されたか否かを検知する載置検知手段と、生タイヤ80の載置台2からの離間を検知する離間検知手段を構成する。
本実施形態では、制御装置5は、生タイヤ80の載置台2への載置を検知したときに、変移手段20により、複数の支持部材10を、生タイヤ80に接触しない状態から生タイヤ80の上側の側面部81に接触する状態に変移させる。これにより、複数の支持部材10により、載置された生タイヤ80の側面部81を支持させる。また、制御装置5は、生タイヤ80の載置台2からの離間を検知したときに、変移手段20により、複数の支持部材10を、生タイヤ80の上側の側面部81に接触する状態から生タイヤ80に接触しない状態に変移させる。この変移は、生タイヤ80の載置台2からの移動や搬出を妨げないように、生タイヤ80の離間を検知したときに直ちに実行される。複数の支持部材10は、その外側を生タイヤ80が通過する前に、生タイヤ80に接触しない縮小状態に配置される。このように、制御装置5は、変移手段20を制御して、変移手段20により、複数の支持部材10を各状態へ変移させる手段(制御手段)を構成する。
次に、タイヤ保管装置1により、生タイヤ80を加硫前に保管するときの手順や動作、及び、タイヤ保管装置1によるタイヤ保管方法について説明する。
図3は、生タイヤ80を保管する手順を示すタイヤ保管装置1の要部正面図であり、生タイヤ80を断面で示している。
タイヤ保管装置1は、変移手段20により、複数の支持部材10を縮小状態(図3A参照)に変移させて待機する。生タイヤ80は、搬送装置(図示せず)により、成形工程からタイヤ保管装置1に搬送されて、寝かせた状態で、載置台2の上方から載置台2の上面に向かって移動して、載置台2に横置きで載置される(図3B参照)。同時に、生タイヤ80を載置するときに、載置台2に設けられた挿入部材3を、生タイヤ80の中心開口85から生タイヤ80内に挿入し、生タイヤ80と挿入部材3を同芯状に配置する。これに伴い、複数の支持部材10も生タイヤ80内に配置される。
図3は、生タイヤ80を保管する手順を示すタイヤ保管装置1の要部正面図であり、生タイヤ80を断面で示している。
タイヤ保管装置1は、変移手段20により、複数の支持部材10を縮小状態(図3A参照)に変移させて待機する。生タイヤ80は、搬送装置(図示せず)により、成形工程からタイヤ保管装置1に搬送されて、寝かせた状態で、載置台2の上方から載置台2の上面に向かって移動して、載置台2に横置きで載置される(図3B参照)。同時に、生タイヤ80を載置するときに、載置台2に設けられた挿入部材3を、生タイヤ80の中心開口85から生タイヤ80内に挿入し、生タイヤ80と挿入部材3を同芯状に配置する。これに伴い、複数の支持部材10も生タイヤ80内に配置される。
また、上記した載置検知手段が生タイヤ80の載置を検知したときに、変移手段20により、挿入部材3に連結された複数の支持部材10を、生タイヤ80内で変移させる(図3C参照)。変移手段20は、複数の支持部材10を生タイヤ80に接触しない縮小状態から拡大状態に変移させ、複数の支持部材10を、生タイヤ80の上側の側面部81に接触させる。タイヤ保管装置1は、側面部81に接触させた複数の支持部材10により、載置台2に載置された生タイヤ80の上側の側面部81を、生タイヤ80内から支持する。ここでは、複数の支持部材10により、少なくとも生タイヤ80のビード部82を支持して、生タイヤ80を加硫機で加硫するまで保管する。
その後、生タイヤ80を加硫するために搬出するときには、上記した離間検知手段が生タイヤ80の載置台2からの離間を検知する。生タイヤ80の離間を検知したときに、変移手段20により、複数の支持部材10を生タイヤ80内で変移させて(図3D参照)、生タイヤ80に接触しない縮小状態に配置する。続いて、生タイヤ80は、搬送装置(図示せず)により、載置台2から上方に向かって移動し(図3E参照)、加硫機に搬送されて加硫モールド内で加硫成型される。
以上説明したように、本実施形態のタイヤ保管装置1とタイヤ保管方法では、生タイヤ80を載置台2に横置きで載置し、複数の支持部材10により、生タイヤ80の上側の側面部81を生タイヤ80内から支持する。そのため、保管中の側面部81及び生タイヤ80に発生する変形を抑制でき、生タイヤ80の精度を高く維持できる。特に、側面部81の剛性が低い生タイヤ80や、側面部81の重量が大きい生タイヤ80でも、側面部81の自重による変形やビード部82間の足幅の変化を防止して、側面部81の変形を大幅に抑制できる。複数の支持部材10により、少なくとも生タイヤ80のビード部82を支持するときには、ビード部82間の足幅の変化や、ビード部82の垂れ下がりを防止して、側面部81の変形を効果的に抑制できる。また、このような生タイヤ80を加硫することで、タイヤを精度よく製造できる。その結果、製品タイヤに発生する外観等の不良を大幅に低減できるとともに、タイヤの形状や寸法の精度を高めて、タイヤのユニフォーミティを向上させることもできる。
また、生タイヤ80の載置台2への載置に伴い、載置台2上に設けた挿入部材3と複数の支持部材10が生タイヤ10内に配置されるため、それらの配置の手間や時間を削減することができる。更に、変移手段20により、複数の支持部材10を生タイヤ80内で縮小状態と拡大状態に変移させるため、側面部81の支持と支持の解除、及び、生タイヤ80の上下方向の移動を円滑に行うことができる。その際、上記のように、各検知手段により生タイヤ80の載置や離間を検知し、各検知結果に基づいて、複数の支持部材10を変移させることで、支持部材10を自動で適宜変移させて、各状況に合わせた位置に配置できる。ただし、複数の支持部材10は、例えば、タイマーの設定により制御して、所定のタイミングで変移させてもよい。
なお、複数の支持部材10は、側面部81のサイドウォール部82の部分や、その半径方向外側の部分まで支持するようにしてもよい。また、支持部材10は、側面部81の内面形状に合わせた形状(例えば、湾曲形状)に形成してもよく、或いは、側面部81の広い範囲に接触して支持できる板状に形成してもよい。一方、載置台2は、タイヤサイズに応じて、それぞれの生タイヤ80を載置できる大きさと形状であればよく、円盤状以外に、矩形状や他の多角形状等、円盤状以外の形状に形成してもよい。変移手段20は、上記した機構(図2参照)以外の機構により複数の支持部材10を変移させてもよい。
(タイヤ保管試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したタイヤ保管装置1で生タイヤ80を保管した後、生タイヤ80を加硫する試験(実施例という)を実施した。また、比較のため、従来のタイヤ保管装置90(図4参照)で生タイヤ80を保管した後、生タイヤ80を加硫する試験(比較例という)も実施した。実施例と比較例では、JATMA YEAR BOOK(2010、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ195/80R15の乗用車用ラジアルプライタイヤを、それぞれ500本ずつ製造した。実施例と比較例のタイヤで、ユニフォーミティ不良とビード部82の外観不良の発生率を調査して、各発生率を比較した。
本発明の効果を確認するため、以上説明したタイヤ保管装置1で生タイヤ80を保管した後、生タイヤ80を加硫する試験(実施例という)を実施した。また、比較のため、従来のタイヤ保管装置90(図4参照)で生タイヤ80を保管した後、生タイヤ80を加硫する試験(比較例という)も実施した。実施例と比較例では、JATMA YEAR BOOK(2010、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ195/80R15の乗用車用ラジアルプライタイヤを、それぞれ500本ずつ製造した。実施例と比較例のタイヤで、ユニフォーミティ不良とビード部82の外観不良の発生率を調査して、各発生率を比較した。
その結果、ユニフォーミティ不良の発生率は、比較例で6%であったのに対し、実施例では0.4%と大幅に減少していた。また、ビード部82の外観不良の発生率は、比較例で4%であったのに対し、実施例では0.3%と大幅に減少していた。このように、実施例では、生タイヤ80の変形に起因する製品不良を著しく低減できることが分かった。これより、本発明により、保管中の生タイヤ80に発生する変形を抑制して、タイヤを精度よく製造できることが証明された。
1・・・タイヤ保管装置、2・・・載置台、3・・・挿入部材、4・・・検知手段、5・・・制御装置、10・・・支持部材、11・・・リンク、12・・・長穴、20・・・変移手段、21・・・ピストン・シリンダ機構、22・・・伝動部材、23・・・係合突起、24・・・回転軸、80・・・生タイヤ、81・・・側面部、82・・・ビード部、83・・・サイドウォール部、84・・・トレッド部、85・・・中心開口、86・・・内部空間。
Claims (6)
- 生タイヤを保管するタイヤ保管装置であって、
生タイヤが横置きで載置される載置台と、
生タイヤの中心開口から生タイヤ内に挿入される載置台上に設けられた挿入部材と、
挿入部材に連結され、載置台に載置された生タイヤの上側の側面部を生タイヤ内から支持する複数の支持部材と、
複数の支持部材を、生タイヤ内で、生タイヤに接触しない状態と、生タイヤの上側の側面部に接触する状態とに変移させる変移手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤ保管装置。 - 請求項1に記載されたタイヤ保管装置において、
生タイヤが載置台へ載置されたか否かを検知する載置検知手段と、
載置検知手段が載置を検知したときに、変移手段により、複数の支持部材を、生タイヤに接触しない状態から生タイヤの上側の側面部に接触する状態に変移させる手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤ保管装置。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤ保管装置において、
生タイヤの載置台からの離間を検知する離間検知手段と、
離間検知手段が離間を検知したときに、変移手段により、複数の支持部材を、生タイヤの上側の側面部に接触する状態から生タイヤに接触しない状態に変移させる手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤ保管装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ保管装置において、
複数の支持部材が、少なくとも生タイヤのビード部を支持することを特徴とするタイヤ保管装置。 - 生タイヤを保管するタイヤ保管方法であって、
生タイヤを載置台に横置きで載置する工程と、
生タイヤを載置するときに、載置台上に設けられた挿入部材を生タイヤの中心開口から生タイヤ内に挿入する工程と、
挿入部材に連結された複数の支持部材を、生タイヤ内で変移させて、生タイヤの上側の側面部に接触させる工程と、
側面部に接触させた複数の支持部材により、載置台に載置された生タイヤの上側の側面部を生タイヤ内から支持する工程と、
を有することを特徴とするタイヤ保管方法。 - 請求項5に記載されたタイヤ保管方法において、
前記支持する工程が、複数の支持部材により、少なくとも生タイヤのビード部を支持することを特徴とするタイヤ保管方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010169617A JP2012030396A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | タイヤ保管装置及びタイヤ保管方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010169617A JP2012030396A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | タイヤ保管装置及びタイヤ保管方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012030396A true JP2012030396A (ja) | 2012-02-16 |
Family
ID=45844435
Family Applications (1)
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JP2010169617A Pending JP2012030396A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | タイヤ保管装置及びタイヤ保管方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012030396A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016031671A1 (ja) * | 2014-08-28 | 2016-03-03 | 横浜ゴム株式会社 | グリーンタイヤの保管方法 |
JP7457829B2 (ja) | 2020-03-30 | 2024-03-28 | ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ | 空気入りタイヤの内腔の表面にシーリング剤を塗布するための方法及びシステム |
-
2010
- 2010-07-28 JP JP2010169617A patent/JP2012030396A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016031671A1 (ja) * | 2014-08-28 | 2016-03-03 | 横浜ゴム株式会社 | グリーンタイヤの保管方法 |
JP2016047627A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | 横浜ゴム株式会社 | グリーンタイヤの保管方法 |
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