しかし、上記の遊技機では、ストーリー性のある演出表示によって、遊技の興趣をある程度高めることができるものの、演出表示は予め定められた一連の流れで行われることから、その演出のパターンを認識している遊技者にとっては、演出が開始された時点で、その演出がどのような流れで進行されるのかが理解できるため、演出の進行に伴う期待感の高まり度合いは常に一様なものとなっていた。すなわち、演出の進行に伴って期待感を次第膨らませることはできても、その期待感の変化は予測され得たものであるため、演出における関心が低下する恐れがあった。なお、一般に、演出表示は、長ければ長いほど期待値が高いことから、遊技者は、段階的に発展する演出に対して期待感を大きく膨らませることができるが、その反面、図柄列が停止されるまでに長い時間待たされながらも、有利な状態となることなく演出が終わる場合も多々あることから、遊技者は一回一回の演出時間の長さに絶え難くなる場合もある。また、遊技者は、演出途中においても「このまま演出が発展することなく不利な状態で終ってしまうのではないか」という不安感にかられることもあり、ハラハラし過ぎて演出を楽しめなくなることが懸念される。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、予め定められた一連の演出表示でありながらも、予測外の展開により期待感の高まり方を変化させ、演出内容への関心を高めるとともに、安心して演出の内容を楽しませることを可能にする遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「遊技に伴う演出を表示するための表示手段と、少なくとも、複数の過程からなる第一の演出態様、及び該第一の演出態様に対して時間短縮処理がなされた第二の演出態様が記憶された演出態様記憶手段と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、該抽選手段の抽選結果に応じた演出態様を前記演出態様記憶手段から抽出し、該演出態様を前記表示手段に演出表示させる演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、「表示手段」としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、またはCRT等を例示することができる。また、「遊技状態検出手段」とは、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出するものであり、例えば遊技媒体として遊技球を用いた遊技機においては、入賞口や始動口への入球状態を検出するスイッチ、入賞口に入球する遊技球の数をカウントするカウント手段、及び入賞に基づく抽選結果を認識する認識手段を例示することができる。
手段1の構成によれば、遊技状態の変化が遊技状態検出手段によって検出され、例えば始動口に遊技球が入球する等、遊技状態が所定の条件を満たすと、抽選が行われる。そして抽選結果に応じた演出態様が演出態様記憶手段から抽出される。ここで、演出態様記憶手段には、複数の過程からなる第一の演出態様と、その第一の演出態様に対して時間短縮処理がなされた第二の演出態様とが少なくとも記憶されている。
つまり、演出表示制御手段は、第一の演出態様が抽出された場合には、複数の過程を順に実行し、一連の演出表示を実行する。一方、第二の演出態様が抽出された場合には、第一の演出態様に対して時間短縮処理がなされた演出を実行する。すなわち、第一の演出態様と第二の演出態様とでは、演出の内容は略一致するものの、最終の過程に到達するまでの時間が互いに異なることとなる。換言すれば、第一の演出態様の場合には段階的に発展する演出表示が行われるのに対し、第二の演出態様の場合には途中の過程を飛ばして飛躍的に発展する演出表示が行われる。このため、演出開始後における期待感の高まり方が互いに異なるようになり、遊技者は演出の内容を注目するようになる。
また、第二の演出態様が存在しない従来の遊技機では、第一の演出態様のパターンを認識している遊技者にとっては、その演出表示における演出時間をある程度予測できるため、演出開始後の所定時間の間は、表示手段における演出表示は無意味なものとなり、ひいては表示手段に対して注目しなくなることが懸念されるが、本発明の遊技機では、時間短縮処理がなされた第二の演出態様が記憶され、第一の演出態様の代わりに演出表示される可能性があることから、遊技者は演出時間を予測することが困難となり、表示手段から目が離せなくなる。
手段2:手段1の構成において、「前記第一の演出態様は、キャラクタの出現によってなされるストーリー性のある一連の演出であり、前記第二の演出態様は、ストーリー性を維持したまま時間短縮処理がなされている」ことを特徴とする。換言すれば、「複数の過程のうち、たとえ省かれてもストーリーの展開を損なうことのない過程に対して、時間短縮処理がなされている」ことを特徴とする。具体的には、「第一の演出態様は、演出時間の経過に従って発展する複数の過程を含み、発展する時点を境界として、時間短縮処理がなされた過程から時間短縮処理がなされていない過程へと切り替える切替制御手段をさらに有する」ことを特徴とする。
手段2の構成によれば、第二の演出態様が演出表示される場合であっても、第一演出態様と同様のストーリーを認識させることができる。したがって、どちらの演出が実行された場合も、演出の興趣を高めることができる。
手段3:手段1または手段2の構成において、「前記第二の演出態様は、前記第一の演出態様における一部の過程が省かれて構成されている」ことを特徴とする。
手段3の構成によれば、第二の演出態様では一部の過程が省かれているため、ある場面から所定の場面にスキップした状態となる。このため、その変化により、遊技者の期待感は大きく膨らむようになる。つまり、一連の演出の中で期待感の変化にメリハリを付けることが可能となる。
手段4:手段3の構成において、「前記第一の演出態様は、演出時間の経過に従って前段の過程から後段の過程へと発展可能な演出からなり、前記第二の演出態様は、前記前段の過程が省かれている」ことを特徴とする。
手段4の構成によれば、第二の演出態様では、第一の演出態様における前段の過程が省かれているため、期待値を維持したまま演出の要部のみを表示させることができる。つまり、前段の過程を経ることなく、発展後である後段の演出に直接移行することから、演出の時間効率がよくなることに加え、遊技者に安心感を与え、演出の内容を楽しませることが可能になる。すなわち、演出時間が長いほど期待値が高くなるという一般的な背景の中で、長い時間を待たせることなく期待値の高い演出を認識させることから、遊技者の不安感を拭い去り、演出の興趣を実感させることができる。
手段5:手段1〜手段4のいずれか一つの構成において、「前記演出態様記憶手段には、さらに、前記第一の演出態様よりも演出時間が短い複数の演出態様が記憶されている」ことを特徴とする。
手段5の構成によれば、第一演出態様における演出時間が、他の複数の演出態様よりも長く設定されている。換言すれば、演出時間が比較的長い演出態様に対して、時間短縮処理がなされている。したがって、第二の演出態様では、第一の演出態様と差別化できる程度に演出時間が短縮されているにも拘わらず、演出の内容を十分に楽しませることができる。しかも、上述したように、演出時間が極めて長い場合には、遊技者はその長さに絶え難くなる場合も多いが、このような演出態様に対して、時間短縮処理がなされた第二の演出態様を実行可能とすることにより、遊技者の不満を効果的に軽減することができる。
手段6:手段1〜手段5のいずれか一つの構成において、「前記第二の演出態様において、省かれる過程は、一連の演出の中の前半部分に含まれている」ことを特徴とする。
ストーリー性のある一連の演出の場合、緊張や興奮が最も高まる場面は、一般に後半部分に設けられることが多い。手段6の構成によれば、時間短縮処理がなされた過程(場面)は前半部分のみであるため、緊張や興奮が高まる場面については、第一の演出態様と同様の時間をかけて視認させることができる。したがって、第二の演出態様においても演出内容の面白みを実感させることができる。
手段7:手段1〜手段6のいずれか一つの構成において、「前記第二の演出態様には、前記時間短縮処理がなされていることを報知する報知過程が演出の一部として含まれている」ことを特徴とする。
手段7の構成によれば、第二の演出態様が演出表示されると、時間短縮処理がなされていること(例えば一部の過程がカットされていること)が演出途中で報知される。このため、第一の演出態様と第二の演出態様とを確実に区別させることができ、第二の演出態様において、時間短縮処理がどのようになされているのかを認識させることができる。つまり、遊技者は、基本となる第一の演出態様と、時間短縮処理がなされた第二の演出態様とを比較することができ、両者の違いを踏まえた上で演出の流れを楽しむことができる。
手段8:手段1〜手段7のいずれか一つの構成において、「複数の装飾図柄列を変動させるとともに、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記装飾図柄列を順に停止させる装飾図柄変動制御手段をさらに備え、前記演出表示制御手段は、前記第二の演出態様による演出表示を、「前記複数の装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄が停止する前の段階で、既に停止している装飾図柄列の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する状態」(所謂「リーチ状態」)になった後に実行可能とする」ことを特徴とする。
手段8の構成によれば、抽選手段によって抽選を行い、抽選結果に基づいて装飾図柄列を順に停止する。一方、「リーチ状態」になった後には、第二の演出態様による演出表示が可能となる。このため、遊技者は、装飾図柄列の変動と演出表示とを関連させながら抽選を楽しむようになる。また、「リーチ状態」の発生によって有利遊技状態への可能性が高くなったことを認識し、その後の第二の演出態様による演出表示によって有利遊技状態への可能性がさらに高まったことを認識するようになる。すなわち、第二の演出態様による演出表示によって有利遊技状態への期待度を段階的に増加させながら遊技を楽しむこと
が可能となる。
また、「リーチ状態」になった後に実行される演出であることから、その演出時間が長い場合には、装飾図柄列の変動開始から変動停止までの時間が極めて長くなるが、第二の演出態様によれば、演出時間が短縮され演出表示を効率的に行うことができる。
手段9:手段1〜手段8のいずれか一つの構成において、「前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段をさらに備え、前記第二の演出態様による演出表示は、前記有利遊技状態が発生する可能性が高いことを示唆する」ことを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段9の構成によれば、第二の演出態様による演出表示は、有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆するものであることから、遊技者はその演出表示が実行されることを願うようになる。つまり、演出表示の発生と遊技状態とを関連させながら、演出表示の発生を期待するようになり、第二の演出態様による演出表示を一層楽しむことが可能となる。
手段10:手段1〜手段9のいずれか一つの構成において、「前記演出態様記憶手段には、第三の演出態様と、該第三の演出態様に続いて実行可能で且つ前記有利遊技状態の発生する可能性が前記第二の演出態様よりも低いことを示唆する第四の演出態様とがさらに記憶されており、前記第二の演出態様は、前記第三の演出態様の終了後、前記第四の演出態様の代わりに実行可能である」ことを特徴とする。
ところで、第三の演出態様と第四の演出態様とが一連の演出として順次行われるものにおいて、第四の演出態様が有利遊技状態の発生する可能性が比較的低いことを示唆するものである場合には、遊技者は第三の演出態様が開始された時点で、「その後第四の演出態様に進行し有利遊技状態の発生する可能性が低くなること」を認識するようになる。このため、第三の演出態様が開始された時点で遊技者の期待感が消失し、その後の演出を全く楽しむことができなくなる。つまり、演出途中の比較的早い段階でがっかりすることとなる。
ところが、手段10の構成では、第三の演出態様の終了後、第四の演出態様の代わりに、第二の演出態様が演出表示される可能性があるため、遊技者の期待感の低下を抑制し、演出に対する注目を維持させることができる。なお、「前記第四の演出態様が抽出される確率を、前記第二の演出態様が抽出される確率よりも高くなるように設定する」構成を採用した場合には、第三の演出態様の終了後、第四の演出態様が演出表示される可能性の方が高いため、第三の演出態様の開始時に期待感が低下し易くなるが、その反面、第二の演出態様に発展した場合には、喜びがひとしおとなり期待感が大幅に高められる。特に、がっかりした場面から時間短縮処理がなされた場面へと移行することから、時間短縮処理がなされた演出表示を視認させることで、第三の演出態様による「もやもや感」や「イライラ感」を拭い去ることができる。
手段11:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
特別図柄を表示するための特別図柄表示器と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、前記特別図柄表示器において前記特別図柄を変動させるとともに、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段、及び前記抽選手段の抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を有する主基板と、
遊技に伴う演出を表示するための演出表示手段と、
少なくとも、複数の過程からなる第一の演出態様及び該第一の演出態様に対して時間短縮処理がなされた第二の演出態様が記憶された演出態様記憶手段、前記演出表示手段において複数の装飾図柄列を変動させるとともに、前記主基板から送信される制御コマンドを基に前記装飾図柄列を順に停止させる装飾図柄変動制御手段、及び前記主基板から送信される制御コマンドを基に前記抽選手段の抽選結果に応じた演出態様を前記演出態様記憶手段から抽出し、該演出態様を前記演出表示手段に演出表示させる演出表示制御手段を有する周辺基板とを具備する」ことを特徴とする。
手段11の構成によれば、制御の内容が、主基板と周辺基板とで分担され、主基板では、遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選するとともに、特別図柄表示器において特別図柄を変動させ抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる処理が実行される。また、抽選結果が所定結果である場合、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる処理も行われる。一方、周辺基板では、演出表示手段に複数の装飾図柄列を変動させ、主基板から送信される制御コマンドを基に装飾図柄列を順に停止させる処理と、同演出表示手段において第一の演出態様または第二の演出態様による演出表示を行わせる処理とが実行される。このように、上述の演出表示を周辺基板において行わせることにより、主基板の負担を大きくすることなく、多彩な演出を容易に実現させることが可能になる。
手段12:「遊技に伴う演出を表示するための表示手段と、
少なくとも、複数の過程からなる第一の演出態様、及び該第一の演出態様における少なくとも一部の過程が通常の速度より速く進行されることにより演出時間が短縮された第二の演出態様が記憶された演出態様記憶手段と、
遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
該遊技状態検出手段によって検出された遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に応じた演出態様を前記演出態様記憶手段から抽出し、該演出態様を前記表示手段に演出表示させる演出表示制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、一部の過程を通常の速度より速く進行させる具現的な手段としては、一連の演出態様に対して所定時間間隔(例えば16ms)でフレーム分離された複数のフレーム画像(静止画)の中から、間引き処理によって、いくつかのフレーム画像を抜き取り、残されたフレーム画像を所定時間間隔で連続的に出力することにより、演出表示の早送りを実現する間引き処理手段を例示することができる。
手段12の構成によれば、第二の演出態様では、少なくとも一部の過程が早送りされるため、演出内容を全て視認させつつ、全体の演出時間を短縮することができる。なお、早送りされる部分を一部の過程のみとすれば、キャラクタの動作速度が演出途中で変化することとなり、演出の興趣を一層高めることができる。
手段13:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
該遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に起因して図柄を表示制御する演出表示制御手段と
を具備し、
前記演出表示制御手段は、少なくとも第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とを含み、
前記第一の態様表示手段は、
前記図柄の変動を開始するとともに、変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させる第一期間演出と、
該第一期間演出後であって、前記リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させる第二期間演出と、
前記第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合であって、前記否定態様で導出された後に、当該導出に連なって前記リーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させる第三期間演出と
を有し、
前記第二の態様表示手段は、前記第一の態様表示手段による演出と似合わせてあり、前記図柄の変動開始から前記第三期間演出の導出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態で演出を導出制御する」ことを特徴とする。
手段13の構成によれば、抽選手段によって抽選を行い、抽選結果に基づいて図柄が表示制御される。詳しくは、演出態様として、第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とが含まれている。なお、言うまでもないが、その他の態様表示手段として、例えば、変動開始からリーチ態様を導出することなく変動停止させる第三の態様表示手段がさらに含まれていても良い。第一の態様表示手段が選択された場合には、第一,第二,第三期間演出が順に行われる。第一期間演出は、図柄の変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させるまでの演出である。第二期間演出は、リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させるまでの演出である。また、第三期間演出は、第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合、すなわち第二期間演出において当りであることが示唆されない場合に、当該導出に連なってリーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させるまでの演出である。すなわち、第一期間演出から第二期間演出に発展し、さらに第二期間演出から第三期間演出に発展するという発展形の演出がなされる。
一方、第二の態様表示手段が選択された場合には、第一の態様表示手段による演出と似合わせた演出であり、且つ第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態の演出がなされ、図柄の変動開始から第三期間演出の導出開始までの時間が短縮される。したがって、演出の時間効率がよくなることに加え、遊技者に安心感を与え、演出の内容を楽しませることが可能になる。すなわち、長い時間を待たせることなく期待値の高い演出を認識させることから、遊技者の不安感を拭い去り、演出の興趣を実感させることができる。また、高期待部分の演出(第三期間演出)における期待感を維持し、比較的短い時間で実行されることから、遊技者に苦痛感を感じさせることもなく、しかも凝縮されている演出に対して一喜一憂させることができる。
手段14:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
主図柄を表示するための主図柄表示手段と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、該抽選手段の抽選結果に起因して主図柄を表示制御する第一表示制御手段を有する主制御手段と、
副図柄を表示するための副図柄表示手段と、
前記主制御手段から発信される制御コマンドに起因して副図柄を表示制御する第二表示制御手段を有する副制御手段と
を具備し、
前記第二表示制御手段は、少なくとも第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とを含み、
前記第一の態様表示手段は、
前記副図柄の変動を開始するとともに、変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させる第一期間演出と、
該第一期間演出後であって、前記リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させる第二期間演出と、
前記第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合であって、前記否定態様で導出された後に、当該導出に連なって前記リーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させる第三期間演出と
を有し、
前記第二の態様表示手段は、前記第一の態様表示手段による演出と似合わせてあり、前記副図柄の変動開始から前記第三期間演出の導出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態で演出を導出制御する」ことを特徴とする。
手段14の構成によれば、手段13の作用に加え、制御の内容が、主制御手段と副制御手段とで分担され、主制御手段では、遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選するとともに、主図柄の変動を抽選結果に起因して制御する処理が実行される。一方、副制御手段では、主制御手段から発信される制御コマンドに起因して副図柄の変動を制御する処理が実行される。このため、主制御手段の負担を大きくすることなく、第一〜第三期間演出を容易に実現させることが可能になる。
手段15:手段13または手段14の構成において、「前記第二の態様表示手段は、変動開始から前記第三期間演出の演出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略するとともに、その省略部分よりも短い時間からなる第四期間演出を前記省略部分の代わりに導出制御する」ことを特徴とする。
手段15の構成によれば、第二の態様表示手段では、第一の態様表示手段における第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部が省かれ、その代わりに第四期間演出が行われる。この第四期間演出における演出時間は、省略部分よりも短いため、第二の態様表示手段における変動開始から第三期間演出の演出開始までの時間は、第一の態様表示手段における同時間よりも短縮される。なお、第二の態様表示手段では、第一の態様表示手段には含まれない第四期間演出が導出されることから、第二の態様表示手段における演出の趣向性をさらに高めることができる。
手段16:手段15の構成において、「前記第四期間演出は、前記第三期間演出の導出開始の到来が早まることを示唆する態様で導出制御される」ことを特徴とする。
手段16の構成によれば、第二の態様表示手段では、第三期間演出の導出に先立って、第三期間演出の導出開始の到来が早まることが示唆される。このため、時間が短縮された意味合いだけではなく、期待値の高い演出が開始されたことを認識させることができ、ひいては遊技者の不安感を拭い去り、演出の興趣を実感させることが可能になる。
手段17:手段15または手段16の構成において、「前記第四期間演出は、前記第一期間演出の演出中に開始される」ことを特徴とする。
手段17の構成によれば、第四期間演出が、第一期間演出の演出中すなわちリーチ態様が導出される前に開始されるため、リーチ態様を通過する一般的なステップとは異なる流れの演出によって新鮮さや独創性が強くなる。つまり、一般に、図柄の変動が開始すると、遊技者は、まず、リーチ態様に到達することを願うこととなるが、手段17では、リーチ態様になる前に、あるいはリーチ態様になることなく、期待値の高い演出であることを認識させるため、遊技者に喜びとともに驚きを与えることができる。すなわち、演出における展開パターンのマンネリ化を防止することができる。
手段18:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
主図柄を表示するための主図柄表示手段と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、該抽選手段の抽選結果に起因して主図柄を表示制御する第一表示制御手段を有する主制御手段と、
副図柄を表示するための副図柄表示手段と、
前記主制御手段から発信される制御コマンドに起因して副図柄を表示制御する第二表示制御手段を有する副制御手段と
を具備し、
前記第二表示制御手段は、少なくとも第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とを含み、
前記第一の態様表示手段は、
前記副図柄の変動を開始するとともに、変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させる第一期間演出と、
該第一期間演出後であって、前記リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させる第二期間演出と、
前記第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合であって、前記否定態様で導出された後に、当該導出に連なって前記リーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させる第三期間演出と
を有し、
前記第二の態様表示手段は、前記第一の態様表示手段による演出と似合わせてあり、前記副図柄の変動開始から前記第三期間演出の導出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態で演出を導出制御し、
さらに、前記主制御手段は、前記第一表示制御手段によりハズレが導出される場合、前記副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、前記第二の態様表示手段よりも前記第一の態様表示手段を多く選択するハズレ時副図柄コマンド選択手段を有する」ことを特徴とする。
手段18の構成によれば、手段14の作用に加え、主制御手段は、ハズレ時副図柄コマンド選択手段を備えており、第一表示制御手段によりハズレが導出される場合、副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第二の態様表示手段よりも第一の態様表示手段が多く選択される。第一の態様表示手段が多く導出されることにより、第一の態様表示手段による演出を比較的多く出現させ、演出の流れ、すなわちどのような形態で発展するのか、あるいはどの過程まで発展すると当りとなる可能性が高くなるのか、等を認識させることが容易になる。つまり、演出全体における変動を周知にさせることにより、第二の態様表示手段における演出の効果、すなわち、第一の態様表示手段の演出とどのように異なっており、どれだけ期待値の高い演出に移行することができるのかを認識させることができる。換言すれば、一般には演出時間が長いほど期待値が高いため、演出時間の短い第二の態様表示手段による演出がなされても、第一の態様表示手段による演出の内容を認識していない遊技者にとっては、単に期待値の低い演出が導出されたに過ぎないと思い込まれ、演出の内容を興趣することが困難となる恐れがあるが、手段17の構成によれば、基本となる第一の態様表示手段を周知化させることにより、第一と第二の態様表示手段の内容を互いに比べながら第二の態様表示手段を視認させることが可能になり、第二の態様表示手段による作用・効果を確実なものとすることができる。また、ハズレ時における第二の態様表示手段の選択が相対的に少なくなるため、第二の態様表示手段の期待値を高めることができる。
手段19:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
主図柄を表示するための主図柄表示手段と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、該抽選手段の抽選結果に起因して主図柄を表示制御する第一表示制御手段を有する主制御手段と、
副図柄を表示するための副図柄表示手段と、
前記主制御手段から発信される制御コマンドに起因して副図柄を表示制御する第二表示制御手段を有する副制御手段と
を具備し、
前記第二表示制御手段は、少なくとも第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とを含み、
前記第一の態様表示手段は、
前記副図柄の変動を開始するとともに、変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させる第一期間演出と、
該第一期間演出後であって、前記リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させる第二期間演出と、
前記第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合であって、前記否定態様で導出された後に、当該導出に連なって前記リーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させる第三期間演出と
を有し、
前記第二の態様表示手段は、前記第一の態様表示手段による演出と似合わせてあり、前記副図柄の変動開始から前記第三期間演出の導出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態で演出を導出制御し、
さらに、前記主制御手段は、前記第一表示制御手段により当りが導出される場合、前記副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、前記第一の態様表示手段よりも前記第二の態様表示手段を多く選択する当り時副図柄コマンド選択手段を有する」ことを特徴とする。
手段19の構成によれば、手段14の作用に加え、主制御手段は、当り時副図柄コマンド選択手段を備えており、第一表示制御手段により当りが導出される場合、副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第一の態様表示手段よりも第二の態様表示手段の方が多く選択される。つまり、少なくとも当り時において第二の態様表示手段による演出が導出されやすくなり、凝縮されている演出を楽しませる機会を増やすことができる。
手段20:「遊技者の操作に応じて変化する遊技状態を検出する遊技状態検出手段と、
主図柄を表示するための主図柄表示手段と、
前記遊技状態検出手段によって検出された前記遊技状態に基づいて所定の抽選結果を抽選する抽選手段、該抽選手段の抽選結果に起因して主図柄を表示制御する第一表示制御手段を有する主制御手段と、
副図柄を表示するための副図柄表示手段と、
前記主制御手段から発信される制御コマンドに起因して副図柄を表示制御する第二表示制御手段を有する副制御手段と
を具備し、
前記第二表示制御手段は、少なくとも第一の態様表示手段と第二の態様表示手段とを含み、
前記第一の態様表示手段は、
前記副図柄の変動を開始するとともに、変動開始後、所定の変動態様を経てリーチ態様を導出させる第一期間演出と、
該第一期間演出後であって、前記リーチ態様における所定の変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第一リーチ態様結果を導出させる第二期間演出と、
前記第一リーチ態様結果が否定態様で導出された場合であって、前記否定態様で導出された後に、当該導出に連なって前記リーチ態様での継続変動態様を経て、現時点での当該変動における当否を判別させるための第二リーチ態様結果を導出させる第三期間演出と
を有し、
前記第二の態様表示手段は、前記第一の態様表示手段による演出と似合わせてあり、前記副図柄の変動開始から前記第三期間演出の導出開始までの時間が短くなるよう、前記第一期間演出又は/及び第二期間演出の全部又は一部を省略した状態で演出を導出制御し、
さらに、前記第一の態様表示手段と前記第二の態様表示手段とにおける大当りの信頼度(期待値)は互いに等しい」ことを特徴とする。
手段20の構成によれば、手段14の作用に加え、第一の態様表示手段と第二の態様表示手段との期待値は互いに等しくなるように設定されていることから、長い演出時間を好む遊技者においては第一の態様表示手段が選択されることを望み、長い演出時間を好まない遊技者においては第二の態様表示手段が選択されることを望むようになる。つまり、一部が省略された態様の演出を設けることにより、長い演出に苦痛を感じる遊技者にとって好適な演出が行われるようになることは上記の通りであるが、逆に、長い演出時間を好む遊技者にとっては、一部が省略された第二の態様表示手段による演出では見ることができない演出過程を、第一の態様表示手段による演出で見ることが可能になり、第一の態様表示手段による演出を一層楽しむことが可能になる。換言すれば、どちらの態様表示手段が選択された場合も有利性が変わらないため、夫々の遊技者は、自分の好みに応じた見方で演出の導出を期待するようになる。
手段21:手段18〜手段20のいずれか一つ構成において、「前記第二表示制御手段は、さらに、前記第一期間演出及び前記第二期間演出からなる前記第三の態様表示手段を含み、
前記主制御手段は、前記第一表示制御手段によりハズレが導出される場合には、前記副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、前記第二の態様表示手段よりも第三の態様表示手段を多く選択し、
前記第一表示制御手段により当りが導出される場合には、前記副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、前記第三の態様表示手段よりも前記第一の態様表示手段を多く選択する副図柄コマンド選択手段を有する」ことを特徴とする。
手段21の構成によれば、第一表示制御手段によりハズレが導出される場合、副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第二の態様表示手段よりも第三の態様表示手段が多く選択される。第三の態様表示手段が多く導出されることにより、ハズレ時における第二の態様表示手段の選択が相対的に少なくなるため、第二の態様表示手段の期待値を高めることができる。一方、第一表示制御手段により当りが導出される場合、副制御手段への副図柄制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第三の態様表示手段よりも第一の態様表示手段の方が多く選択される。このため、演出時間の長いほうが期待値が大きく、また、演出の後半部分(第三期間演出)の導出によって期待値が大きくなることが周知化される。つまり、途中の過程を省いて第三期間演出に移行するという第二の態様表示手段が導出された場合には、期待値の高さをストーリーの展開を基に認識させることが可能になる。
手段22:手段1〜手段21のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。パチンコ遊技機とは、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球を発射し、多数の障害釘、センター役物、始動口、大入賞口、及び表示手段等が組み込まれた遊技領域に遊技球を導くとともに、始動口や大入賞口への入賞に伴い所定数の遊技球を賞球として払い出すものである。また、始動口への入賞を契機として特別図柄表示手段において特別図柄を変動させるとともに、内部的に行われる抽選結果に応じて図柄の変動を停止させるものである。また、特別図柄の変動中、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段が設けられる場合もある。
手段22によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段21までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段23:手段1〜手段21のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段23によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段21までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段24:手段1〜手段21のいずれか一つの構成において、前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段24によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段21までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、時間短縮処理がなされた第二の演出態様が演出表示される可能性があることから、予め定められた一連の演出表示でありながらも、予測外の展開により期待感の高まり方を変化させることができ、ひいては演出内容に対する関心を高めることができる。また、前段の過程を経ることなく発展後の過程へ直接移行させるようにすれば、遊技者の安心感を高め、演出の内容を楽しませることができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。さらに、キャラクタ体92の左右には別のキャラクタをデザインした装飾体93が配設されている。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について] 図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について] 図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1024未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。なお、表1及び表2の比較から明らかなように、当り時における変動時間は、特殊外れ時における変動時間よりも長くなるように設定されている。換言すれば、変動時間が長いほど、大当りとなる期待値が高くなっている。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について] 図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図18〜図24に基づき説明する。
図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20は演出表示制御における機能的な構成を示している。また、図21乃至図24は具体的な演出例を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動時間に関する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
そして、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当り予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。詳細には、電飾制御基板338におけるROM371には、変動パターンの種類と、それぞれの変動パターンに対して選択可能(出現可能)な出現体(物体やキャラクタ)とが関連付けて記憶されており、例えば、「○○リーチ系」という変動パターンが主制御基板131において決定された場合には、「○○リーチ系」に対応する複数種類の出現体の中から一つまたは複数の出現体を選択し、一連の変動パターンの演出表示中に、選択した出現体を出現させることを可能にしている。このように、本例では、出現体を含む変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図18及び図19に示すフローチャートでは、サブ統合基板336及び電飾制御基板338におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドに対する処理は省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄と、装飾図柄の変動中、所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクター等)とが含まれている。以下、装飾図柄及び出現体について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、装飾図柄として、例えば、上・中・下の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄が変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って右から左へと変動表示されるようになっており、上装飾図柄列→下装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に何れかの有効ライン上で主装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(出現体について)
キャラクタ等からなる出現体は、抽選結果に対する予告として表示されるものであり、夫々、大当りの信頼度に対応付けられている。この出現体を装飾図柄の変動中に登場(出現)させることにより遊技者の期待感にメリハリをつけることが可能となる。本例では複数のキャラクタが用意されており、夫々のキャラクタにおける大当たりの信頼度と、遊技中に夫々のキャラクタが出現する頻度との関係が予めテーブルで設定されている。
なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、装飾図柄及び出現体の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成が用いられた具体的な演出例とについて説明する。図20に示すように、電飾制御基板338(副制御手段に相当)には、主基板310(主制御手段に相当)からサブ統合基板336を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段411によって受信されると、これを基に演出表示装置115(副図柄表示手段に相当)を制御する演出表示制御手段413(第二表示制御手段に相当)が設けられている。
演出表示制御手段413は、演出表示装置115において複数の装飾図柄列を変動させるとともに、装飾図柄列の変動中、演出表示装置115に出現体であるキャラクタ及び背景を所定のタイミングで出現させるものである。つまり、演出表示制御手段413には、図柄制御手段414及び装飾図柄変動制御手段412が設けられており、演出表示装置115において複数の装飾図柄列を変動させるとともに、コマンド受信手段411によって認識された最終停止図柄コマンドを基に装飾図柄列を順に停止させるものである。具体的な演出例としては、図21(a)に示すように、円板状の部材の中に数字(1〜9の数字)が嵌め込まれ更にそれらが八角形の枠体の中に組み込まれたようなデザインの装飾図柄Sが表示され、昇順又は降順で一列に並ぶ複数の装飾図柄Sの間には、それらの各装飾図柄Sを押すように複数の種類のキャラクタCが表示される。なお、図21(a)は、上列の図柄列及び下列の図柄列が停止し、中列の図柄列が変動中である表示状態を示している。なお、この場合、既に停止している図柄列の組合せが、特別の組合わせ(「7」,「7」の組合せ)を充足していることから、この後、演出表示装置115には、「リーチ」と大きく表示され、リーチ状態であることが報知される。
また、演出表示制御手段413は、キャラクタCを動的に表示させるキャラクタ制御手段415と、背景を動的に表示させる背景制御手段416とを具備している。また、演出表示制御手段413には、動作制御手段417が備えられており、コマンド受信手段411によって認識された変動表示パターンコマンドやハプニング演出パターンコマンドに基づいて、キャラクタの種類やそのキャラクタの変動パターンを、演出態様記憶手段418(ROM371から構成)から選択するようにしている。
演出態様記憶手段418に記憶されている変動パターンの種類は多種に亘るが、少なくとも、第一〜第四の演出態様418a,418b,418c,418dと、その他の演出態様418eとが設けられている。第一の演出態様418a(第一の態様表示手段に相当)は、複数の過程からなる一連の演出であり、キャラクタCの出現によってストーリー性のある演出が行われるものである。なお、この第一の演出態様418aは、リーチ状態(例えば図21(a)参照)の達成後も継続して出現可能な演出表示であって、演出時間は、その他の演出態様418eよりも比較的長くなるように設定されている。具体的には、前述した表1及び表2に示すように、演出表示における変動時間はテーブルによって6通りに振り分けられているが、第一の演出態様418aの変動時間は、上位から二番目の28500msに設定されている。
第一の演出態様418aにおける演出の具体例を、図21(b)〜(d)、図22(a)〜(d)、及び図23(a)〜(d)を基に説明する。まず、リーチ状態が達成するまでの第一期間演出が行われ、リーチ状態の達成後、図21(b)のように、二人のキャラクタC1,C2と装飾図柄Sとが出現し、その背景に路地が表示される。なお、キャラクタC1は、赤いスーツを着た出っ歯の男性が八角形の枠体を持っている絵柄、換言すればその男性が枠体を使って装飾図柄Sを捕まえようとする絵柄であり、動的に表示される。キャラクタC2は、路上で転んで伏せた状態となっている少年の絵柄である。さらに、装飾図柄Sは、図柄列における装飾図柄S((a)に示す装飾図柄S)から八角形の枠体が除かれた絵柄、換言すれば枠体の中から飛び出した状態を示す絵柄であり、ここでは中図柄列における最終停止図柄である数字の「5」が動的に表示される。なお、演出表示装置115における左右の上端隅部には、既に停止している上図柄列及び下図柄列の停止装飾図柄TSが表示される。
その後、図21(c)に示すように、前方(遊技者側)に向かって逃げ回る装飾図柄Sとその後方から装飾図柄Sを追いかけるキャラクタC1とが表示される。つまり、キャラクタC1の前側に装飾図柄Sを表示させた状態で、背景を漸次変化させることにより、装飾図柄SとキャラクタC1とが前方に向かって動作しているように見せる演出である。なお、背景としては、住宅や壁等の構造物、木や山等の風景、及び工事現場の用具やバケツ等が表示される。
ところで、このような演出表示を行う場合、装飾図柄SとキャラクタC1とが前後方向において重なる配置となるため、キャラクタC1が装飾図柄Sの影に隠れて見え難くなり、演出の面白みが半減する恐れがある。そこで、本例では、装飾図柄Sの表示位置がキャラクタC1の表示位置に対して右側及び左側へと交互に入れ替わるように、装飾図柄Sを左右方向に繰り返し変位させるようにしている。さらに詳しくは、キャラクタC1を演出表示装置115の略中央部分に表示させるとともに、装飾図柄Sを演出表示装置115の右下端と左下端との間で変位させるようにしている。なお、装飾図柄Sが繰り返し変位する周期は特に限定されるものではないが、本例では、最初は100ms程度の周期で変位し、その後、次第に周期が長くなり、1000ms程度の周期で変位するように設定されている。これによれば、キャラクタC1と装飾図柄Sとの位置が入れ替わる途中で、双方が互いに重なる場面があるものの、それ以外の場面では装飾図柄SとキャラクタC1とが左右方向、または斜め左右方向に並んだ状態となることから、装飾図柄S及びキャラクタC1の、形状や動作をはっきりと認識させることが可能になる。また、本例では装飾図柄Sの位置に応じてキャラクタC1の向きを変化させるようにしている。具体的には、キャラクタC1の身体及び顔が装飾図柄Sの方を向くように、キャラクタC1の向きを装飾図柄Sの動作に従って変化させている。これによれば、キャラクタC1のアングルが変化することから、キャラクタC1の動作に躍動感が生じるとともに、キャラクタC1が装飾図柄Sを追いかけるような演出を容易に実現することが可能となる。
また、キャラクタC1に対する装飾図柄Sの相対位置に応じて、背景の流れる向きが切り替えられるようになっている。つまり、装飾図柄SとキャラクタC1との表示位置を直線で繋ぐと仮定した場合、その直線に沿って背景が流れるように演出表示が行われる。これにより、装飾図柄Sを追いかけるキャラクタC1の向きと背景の流れとが相反方向となり、キャラクタC1の動作における臨場感を増加させることができる。
さらに、装飾図柄Sに対するキャラクタC1の相対的な大きさが漸次変化されるようになっている。上記したように、装飾図柄SがキャラクタC1に対して左右方向に変位することから、それによって装飾図柄SとキャラクタC1との遠近感を出すことはある程度可能であるが、本例では、さらに装飾図柄Sに対するキャラクタC1の相対的な大きさを変化させることにより、キャラクタC1が装飾図柄Sから離れている状態と、キャラクタC1が装飾図柄Sに接近している状態とを区別して表現している。
また、装飾図柄Sを左右方向に変位させる場合、装飾図柄Sをコマのように旋回表示させるように表示している。これによれば、装飾図柄Sの動作に旋回動作が加わるため、自転しながら立体的に動作する装飾図柄Sを演出表示させることが可能になり、視覚的な面白みを一層高めることができる。
その後、図21(d)に示すように、装飾図柄S(数字の「5」)がキャラクタC1によって捕捉され、装飾図柄SとキャラクタC1との相対位置が変更された演出表示、すなわちキャラクタC1が装飾図柄Sの前側に位置する演出表示がなされる。
その後発展した場合には、装飾図柄S(数字の「5」)が枠体から逃げ出す演出が行われ(図22(e)参照)、さらに、装飾図柄S(数字の「5」)が数字の「6」に変更される演出が行われる(図22(f)参照)。そして、前方に向かって逃げ回る装飾図柄S(数字の「6」)とその後方から装飾図柄Sを追いかけるキャラクタC1との演出が行われ、(図22(g)参照)、さらに装飾図柄Sが捕捉される演出が行われる(図22(h)参照)。つまり、装飾図柄Sを数字の「5」とした場合と同様の演出が、装飾図柄Sを「6」として繰り返し行われる。(ここまでが第二期間演出に相当)。
さらに発展した場合には、第三期間演出として、装飾図柄S(数字の「6」)が枠体から逃げ出すとともに、装飾図柄S(数字の「6」)が数字の「7」に変更される演出が行われる(図23(i)参照)。そして、また同様に、前方に向かって逃げ回る装飾図柄S(数字の「7」)とその後方から装飾図柄Sを追いかけるキャラクタC1との演出が繰り返され、(図23(j)参照)、装飾図柄Sが捕捉される演出が行われる(図23(k)参照)。そして、図23(l)に示すように、キャラクタC1が、捕捉された装飾図柄S(数字の「7」)の前側に位置する演出表示がなされる。この状態は、数字の「7」を捕捉したこと、すなわち最終停止図柄が数字の「7」であることを意味している。すなわち、ここでは最終停止図柄が、リーチ図柄と同じ絵柄であることから、抽選結果が大当りとなったこと、すなわち有利遊技状態が発生することが示唆される。
なお、第一の演出態様418a(「イヤミのスペシャル」と呼ぶ)の変動時間は、28500msに設定されていることは前述した通りであるが、演出態様としては、大当りとなる装飾図柄S(本例では数字の「7」)に発展することなくその前の過程で終了する演出態様(「イヤミのスーパー」と呼ぶ)、リーチ状態となった後第一の演出態様418a等が行われることなく変動が終了する所謂ノーマルリーチ、及び中列の図柄列の変動時間がノーマルリーチよりも長いロングリーチなどもあり、夫々個別に変動時間が設定されている。具体的には、図25に示すように、ノーマルリーチは11500ms、ロングリーチはそれよりも3500ms長い15000msに設定され、イヤミスーパーはノーマルリーチよりも7000ms長い18500msに設定されている。そして、第一の演出態様418a(イヤミのスペシャル)においては、イヤミスーパーの演出と発展後の演出(第三期間演出)とから構成されているため、第三期間演出に要する演出時間は10000ms(28500ms−11500ms−7000ms)となる。
一方、第二の演出態様418b(「イヤミのカットスペシャル」と呼ぶ)は、第二の態様表示手段でもあり、第一の演出態様418aに対して時間短縮処理がなされた演出である。詳しくは、第一の演出態様418aを構成する複数の過程の内、一部の過程、特に前述した一連の演出における第二期間演出部分、換言すれば第三期間演出に発展する前の過程(イヤミスーパーの演出部分)が省かれることにより演出時間が短縮されている演出である。なお、この第二の演出態様418bは、第三の演出態様418cの終了後に行われる。第二,第三の演出態様418b,418cの具体例について、図24及び図23を基に説明する。まず、第三の演出態様418cでは、図24(a)に示すように、リーチ状態が達成する前の装飾図柄列の変動時において、前述のキャラクタC2(少年)が駆け足で左右方向に往復動する演出表示が行われる。
その後に実行可能な第二の演出態様418bとしては、図24(b)に示すように、画面の右端からキャラクタC1が出現し、往復動するキャラクタC2とキャラクタC1との衝突によってキャラクタC2が飛ばされる演出が行われる。その後図24(c),(d)に示すように、第四期間演出として、「時間短縮処理がなされていること」、換言すれば、「第三期間演出の導出開始の到来が早まること」を報知する報知過程、具体的には、「時間がないのでカットするザンス!」の文字が演出の一部として表示されるとともに、撮影の際にカメラの前で打ち鳴らす小さな黒板の付いた拍子木(所謂カチンコ)が拡大表示される。この報知過程によれば、装飾図柄列の変動中、第二の演出態様418bが開始され、イヤミスーパーの演出部分(第二期間演出)を飛び越えて、第一の演出態様418a(イヤミのスペシャル)の発展後の演出部分(第三期間演出)に移行することを示唆する。このため時間が短縮された意味合いだけではなく、期待値の高い演出が開始されたことを認識させることができ、ひいては遊技者の不安感を拭い去り、演出の興趣を実感させることが可能になる。
その後、図23(i)の演出に移行し、図23(i)〜(l)に示す演出表示が行われる。つまり、第一の演出態様418aのうち、図21(b)〜図22(d)に示す過程(イヤミスーパーの演出部分)(すなわち第二期間演出)が省かれた形で一連の演出が行われる。なお、図21(b)〜図22(d)に示す過程が省かれるものの、これらの過程は第一の演出態様418aの中で前半部分に相当する過程であり、緊張や興奮が最も高まる場面、すなわち数字の「7」の行方に関する演出過程(図23(i)〜(l))(すなわち第三期間演出)については省かれず、第一の演出態様418aと同様の時間をかけて演出されるようになっている。
具体的には、図25に示すように、第二の演出態様418b(イヤミのカットスペシャル)の変動時間は、第一の演出態様418a(イヤミのスペシャル)よりも短い24000msに設定されており、その中で、イヤミスペシャルの発展後の演出(演出時間10000ms)が行われるようになっている。なお、この演出が開始される前には、この演出と通常変動とを繋ぐ繋ぎ演出として、図24(c),(d)に示す演出画面が表示される。つまり、この演出画面は、演出時間の調整用の機能を有している。この例では、繋ぎ演出(すなわち第四期間演出)の演出時間は、5000msに設定されており、リーチ状態が報知される前から開始されるようになっている。
また、上記の第二の演出態様418bは、大当りが発生する可能性が高いことを示唆するものである。換言すれば、大当りの信頼度が比較的高い場合に上記の演出表示を行うようにしている。具体的には、演出表示の変動時間として24000msが選択された場合において、大当りの場合は128/256の確率で第二の演出態様418bが選択され、外れの場合は8/256の確率で第二の演出態様418bが選択されるように振り分けられている。このため、遊技者はこの演出表示が実行されることを願うようになり、演出表示の発生と遊技状態とを関連させながら、演出表示を楽しむようになる。特に、この演出表示においてキャラクタC1が追いかける装飾図柄Sは、リーチ発生後の最終停止図柄であることから、最終停止図柄が特定の装飾図柄(大当りの組合わせとなる装飾図柄(この場合「7」))で停止されることを望む遊技者の願望と、キャラクタC1の動作、すなわち特定の装飾図柄Sを捕捉しようとする動作とが合致することとなり、キャラクタC1への注意が一層引きつけられる。すなわち、キャラクタC1への関心が高められ、キャラクタC1との一体感を生じさせることが可能となる。
ところで、第三の演出態様418c(即ち図24(a)の演出)は、比較的頻繁に行われる演出であり、大当りになる可能性が比較的低い場合でも行われる。つまり、上記の説明では第三の演出態様418cの終了後に第二の演出態様418bが実行される場合を示したが、このように第三及び第二の演出態様418c,418bが連続して実行される確率は極めて低くなるように設定されており、多くの場合は、第三の演出態様418cの終了後に、第四の演出態様418d(大当りの信頼度が低いことを示唆する演出態様)が行われる。第四の演出態様418dの具体例については図示していないが、図24(a)に示す画面、すなわちキャラクタC2が往復動する画面から、キャラクタC2がいなくなるという演出である。
第三の演出態様418cと第四の演出態様418dとが一連の演出として順次行われるものにおいて、第四の演出態様418dが大当りの発生する可能性が極めて低いことを示唆するものである場合には、遊技者は第三の演出態様418cが開始された時点で、「その後第四の演出態様418dに進行し大当りの発生する可能性が低くなること」を認識するようになる。このため、第三の演出態様418cが開始された時点で遊技者の期待感が消失し、その後の演出を全く楽しむことができなくなる。
しかしながら本例では、第三の演出態様418cの終了後、第四の演出態様418dの代わりに、第二の演出態様418bが演出表示される可能性があるため、遊技者の期待感の低下を抑制し、演出内容に対する注目を維持させることができる。なお、第三の演出態様418cの終了後においては、第四の演出態様418dが実行される可能性の方が高いため、第三の演出態様418cの開始時にがっかりし易くなるが、その反面、第二の演出態様418bに発展した場合には、喜びがひとしおとなり期待感を激増させることができる。具体的には、キャラクタC2が出現し往復動し始めると、大当りへの期待が低下することから、遊技者は、「イライラ感」や「もやもや感」を生じ、がっかりした気分になるが、その後、キャラクタC2が画面の端に向かって移動する際、キャラクタC1と衝突して時間短縮処理がなされた場面へとスキップすることから、「もやもや感」や「イライラ感」を一瞬にして拭い去ることができる。
ところで、図20に示すように、制御情報コマンドを送信するコマンド送信手段437が備えられた主基板310(主制御手段に相当)には、始動口センサ318(本発明の遊技状態検出手段に相当)によって入球装置96への入賞が検出されたとき、抽選手段として乱数を発生する乱数発生手段434と、特別図柄表示器332(主図柄表示手段に相当)における特別図柄(主図柄に相当)を変動させるとともに、乱数発生手段434によって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて特別図柄の変動を停止させる特別図柄変動制御手段435(第一表示制御手段に相当)と、乱数発生手段434によって発生した乱数が所定値である場合、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段436とが備えられている。
このように、本例のパチンコ機1の演出態様記憶手段418には、段階的に発展する第一の演出態様418aと、途中の過程を飛ばして飛躍的に発展する第二の演出態様418bとが記憶されているため、演出開始後における期待感の高まり方が互いに異なるようになり、遊技者は演出の内容を注目するようになる。したがって、予め定められた一連の演出表示でありながらも、予測外の展開により期待感の高まり方を変化させることができ、ひいては演出内容に対する関心を高めることができる。特に、第二の演出態様418bは、ストーリー性を維持したまま時間短縮処理がなされているため、第二の演出態様418bが抽出され表示される場合であっても、第一演出態様418aと同様のストーリーを認識させることができる。
ところで、当りとなる可能性が低い演出に対して嫌気がさした場合等に対処するため、演出時間の短縮を目的として、遊技者の操作に基づいて演出の全てを強制終了させる、または一部を削除させるように構成するものがある。しかし、このように、演出そのものを見たくないために、遊技者の意思に基づいて時間を短縮させるものでは、予測外の展開によって期待感の高まり方を変化させることはできず、しかも、演出のストーリーも認識させることが困難となる。これに対し、本例のパチンコ機1では、上述のように予測外の展開により期待感の高まり方を変化させることができるため、演出の興趣を高めることができる。しかも、予想外の展開を期待させることもできる。
特に、本例のパチンコ機1によれば、第二の演出態様418bでは、第一の演出態様418aにおける前段の過程(前例の場合には、(数字の「5」)及び(数字の「6」)を装飾図柄Sとした演出過程)が省かれているため、期待値を維持したまま演出の要部のみを表示させることができる。つまり、前段の過程を経ることなく、発展後である後段の演出に直接移行することから、遊技者に安心感を与え、演出の内容を楽しませることができる。すなわち、演出時間が長いほど期待値が高くなるという一般的な背景の中で、長い時間を待たせることなく期待値の高い演出を認識させることから、遊技者の不安感を拭い去り、演出の興趣を実感させることができる。また、時間が短縮(例えば10秒短縮)されることから、演出における時間効率がよくなり、例えば大当りの発生しない状態が継続しても、演出に対する遊技者の不満を軽減することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第二の演出態様418bが演出表示されると、時間短縮処理がなされていること(即ち一部の過程がカットされていること)が演出中に報知されるため、第一の演出態様418aと第二の演出態様418bとを確実に区別させることができ、第二の演出態様418bにおいて、時間短縮処理がどのようになされているのかを認識させることができる。つまり、遊技者は、基本となる第一の演出態様418aと、時間短縮処理がなされた第二の演出態様418bとを比較することが可能となり、両者の違いを踏まえた上で演出の流れを楽しむことができる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、装飾図柄Sを表示させる際、その装飾図柄Sの表示位置がキャラクタCの表示位置に対して右側及び左側へと交互に入れ替わるように、装飾図柄Sを相対的に左右方向に繰り返し変位させるため、装飾図柄S及びキャラクタC1の、形状や動作をはっきりと認識させることができる。つまり、キャラクタC1及び装飾図柄Sの動きが平面的である場合には、キャラクタC1及び装飾図柄Sの大きさがともに小さくなり、例えばキャラクタC1が動作していても、その存在が分かり難いことから迫力のある演出を行うことができず、また、仮にキャラクタC1及び装飾図柄Sのサイズをともに大きくすると、キャラクタC1と装飾図柄Sとが前後方向に重なった状態で配置されることから、キャラクタC1が装飾図柄Sに隠れて見えなくなりキャラクタC1の動作を把握することが困難となる恐れあるが、本例のように、装飾図柄Sを相対的に左右方向に繰り返し変位させることにより、キャラクタC1及び装飾図柄Sのどちらも明確に視認させることができる。
また、本例のパチンコ機1では、キャラクタC1のアングルが変化することから、キャラクタC1の動作に躍動感が生じるとともに、キャラクタC1が装飾図柄Sを追いかけるような演出を容易に実現することができる。つまり、キャラクタC1の動きが平面的である場合には、キャラクタC1のアングルが一様となり、演出によって視覚的な面白みを高めることが困難であるとともに、キャラクタC1の一方の側面しか表示されないため、キャラクタC1の動きの変化や表情の変化が分かり難くなってしまうが、本例ではキャラクタC1のアングルを変化させることから、キャラクタC1の躍動感を表現することができ、臨場感のある演出表示を提供することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、第二の演出態様418bの時間短縮処理として、第一の演出態様418aにおける一部の過程を省くことにより実現するものを示したが、第一の演出態様418aにおける少なくとも一部の過程を通常の速度より速く進行させることにより、演出時間を短縮するようにしてもよい。なお、一部の過程を通常の速度より速く進行させる方法としては特に限定されるものではないが、例えば間引き処理手段(図示しない)を備え、一連の演出態様に対して所定時間間隔(例えば16ms)でフレーム分離された複数のフレーム画像(静止画)の中から、間引き処理によって、いくつかのフレーム画像を抜き取り、残されたフレーム画像を所定時間間隔で連続的に出力するようにしてもよい。つまり、例えば演出時間を半分にする場合には、一連のフレーム画像に対して通常は一コマずつ変動させるのに対し、一コマ飛ばしで変動させる方法である。これによれば、第二の演出態様418bでは、少なくとも一部の過程が早送りされることとなり、演出内容を全て視認させつつ、全体の演出時間を短縮することが可能となる。なお、早送りされる部分を一部の過程のみとすれば、キャラクタC1の動作速度が演出途中で変化することとなり、演出の興趣を一層高めることができる。
また、上記実施形態では、第二の演出態様418bを、第三の演出態様418cによる演出表示の終了後、第四の演出態様418dの代わりに実行させるものを示したが、第三の演出態様418cや第四の演出態様418dと関連させることなく、実行させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第一の演出態様418と第二の演出態様418bとにおける大当りの信頼度(期待値)については特に明記しなかったが、第二の演出態様418bの期待値が高くなるように設定すれば、遊技者は第二の演出態様418bによる演出表示が実行されることを強く願うようになり、第一の演出態様418aによる演出中においても、演出表示の発生と遊技状態とを関連させながら、演出表示の短縮を期待するようになり、第二の演出態様418bによる演出表示を一層楽しむことが可能となる。なお、第一の演出態様418と第二の演出態様418bとにおける大当りの信頼度(期待値)は互いに等しくなるように設定されていてもよい。これによれば、どちらの演出態様が選択された場合も有利性は変わらないため、長い演出時間を好む遊技者においては、第一の演出態様418が選択されることを望み、長い演出時間を好まない遊技者においては第二の演出態様418bが選択されることを望むようになる。つまり、夫々の遊技者は、自分の好みに応じた見方で演出の導出を期待するようになる。
さらに、主基板にハズレ時副図柄コマンド選択手段(図示しない)を備え、主基板によりハズレが導出される場合、周辺基板への制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第二の演出態様418bよりも第一の演出態様418aが多く選択されるようにしてもよい。これによれば、第一の演出態様418aが多く導出されることにより、第一の演出態様418aによる演出を比較的多く出現させ、演出の流れを認識させることが容易になる。つまり、演出全体における変動を周知にさせることにより、第二の演出態様418bにおける演出の効果を認識させることができる。換言すれば、一般には演出時間が長いほど期待値が高いため、演出時間の短い第二の演出態様418bによる演出がなされても、第一の演出態様418aによる演出の内容を認識していない遊技者にとっては、単に期待値の低い演出が導出されたに過ぎないと思い込まれ、演出の内容を楽しませることが困難となる恐れがあるが、この構成を採用すれば、基本となる第一の演出態様418aを周知化させることにより、両者の演出態様の内容を互いに比べながら第二の演出態様418bを視認させることが可能となり、第二の演出態様418bの目的を確実なものとすることができる。また、ハズレ時における第二の演出態様418bの選択が相対的に少なくなるため、第二の演出態様418bの期待値を高めることができる。
また、主基板に当り時副図柄コマンド選択手段(図示しない)を備え、主基板において当りが導出される場合、周辺基板への制御コマンドとして実行指令する導出態様のうち、第一の演出態様418aよりも第二の演出態様418bが多く選択されるようにしてもよい。これによれば、少なくとも当り時において第二の演出態様418bの演出が導出されやすくなり、凝縮されている演出を楽しませる機会を増やすことができる。
また、上記実施形態では、装飾図柄列の変動中に、第一乃至第四の演出態様による演出表示を行わせるもの、すなわち装飾図柄列の変動とキャラクタによる演出表示とを同一の演出表示装置115で行わせるものを示したが、それぞれ別々の表示装置において表示させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、演出態様記憶手段418を電飾制御基板338に設け、演出表示における変動パターンの設定を、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担するもの、例えば、主制御基板131では変動パターンの種類を決定し、サブ統合基板111では最終停止図柄を決定するとともに変動パターンを付加し、さらに電飾制御基板338では、詳細演出を決定するものを示したが、何れか一つの基板において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように演出処理を分担するようにすれば、各基板における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンを一層複雑化することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。