JP2012027686A - 情報表示装置、情報表示システム、情報表示方法及びプログラム - Google Patents

情報表示装置、情報表示システム、情報表示方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】表示面に設けられた入力部から入力された特定の形状に対応する操作を、簡単に、かつ、演算量が少ない方法で判定すること。
【解決手段】端末装置110は、表示部112と、表示部112の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する入力部113と、入力部113が検出した位置に基づいて、検知領域に描かれた軌跡を認識し、認識した軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、この近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する軌跡入力判定部119と、近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行う表示処理部120とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示された画像から一部の領域を選択して、画像処理を行う情報表示装置、情報表示システム、情報表示方法及びプログラムに関するものである。
従来のタッチパネルを用いた情報表示システムは、タッチパネルに略円が描かれたことを検出し、この略円からエリアを特定して、このエリアを拡大表示していた(例えば、特許文献1参照)。さらに、タッチパネルに入力される略円が描かれる途中において略円が描かれたことを推定し、推定された略円に対応する領域を拡大表示することで、拡大表示処理を迅速に行うことができるようにしたタッチパネル表示制御システムもある(例えば、特許文献2参照)。
これらの従来技術においては、タッチパネル上に略円が描かれたことを判定するために、入力された軌跡の変化ベクトルの向きを検出して判定する方法が一例として挙げられている(例えば、特許文献1参照)。また、変化ベクトル以外の判定方法として、楕円(正円を含む)近似を行う方法や、描かれた軌跡を直線に近似し、直線との誤差が一定値以上であれば楕円であると判定する方法が示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−280745号公報(第7頁、図2) 特開2009−169493号公報(第14頁、図3)
以上に記載した従来技術のように、指又はタッチペンのような器具でタッチパネルに入力された軌跡から、略円であることを判定する際に、変化ベクトルの向きによる判定、直線近似による誤差判定、及び楕円(正円を含む)近似による比較判定による手法が用いられた場合、非常に演算量が多くなり、システムの性能(CPU:Central Processing Unitの性能等)が低いと、演算に長い時間がかかり、入力された形状に対応する操作が特定されずに、当該操作に対応する処理が遅延するという問題点があった。
また、例えば、ユーザが、タッチパネルに指で略円を高速に入力した場合、システムの性能によっては、指が略円の軌跡を描いているにもかかわらず、システムで検知される軌跡情報は、略円ではなくて多角形を示すことがある。この現象は、システムの性能が遅い場合によく発生し、その原因としてタッチパネルの検出速度(サンプリング速度)が遅く、高速に入力された場合に、入力された軌跡から検出された情報が少なく、入力された軌跡が略円形状ではなくて多角形状として認識されてしまうことが一般的に知られている。
このように、タッチパネルに入力された際の形状が、システムにおいて異なる形状として認識されてしまうと、従来の技術においては、略円が入力されたことを判定することができず、ユーザが入力した操作とは異なる操作が入力されたものとの誤判定が多くなるという問題点があった。
そこで、本発明は、表示面に設けられた入力部から入力された特定の形状に対応する操作を、簡単に、かつ、演算量が少ない方法で判定することができるようにすることを目的とする。
本発明に係る情報表示装置は、
画像を表示する表示部と、
前記表示部の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する入力部と、
前記入力部が検出した位置に基づいて、前記検知領域に描かれた軌跡を認識し、当該軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、当該近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する軌跡入力判定部と、
前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備えること
を特徴とする。
本発明によれば、表示面に設けられた入力部から入力された特定の形状に対応する操作を、簡単に、かつ、演算量が少ない方法で判定することができる。
実施の形態1に係る情報表示システムの構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1において、軌跡入力判定部が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図(その1)である。 実施の形態1において、軌跡入力判定部が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図(その2)である。 実施の形態1において、軌跡入力判定部が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図(その3)である。 実施の形態1において、軌跡入力判定部が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図(その4)である。 実施の形態1において、軌跡入力判定部が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図(その5)である。 実施の形態1において、サンプリング速度が遅いシステムで、速い略円のジェスチャー入力があった場合の近傍点の変化を示す概略図である。 (A)〜(D)は、実施の形態1に係る表示処理部における拡大表示処理の一例について示す概略図である。 実施の形態1に係る端末装置が行う処理を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る情報表示システムの構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態2において、著しく長辺と短辺との比が大きな略楕円形状が入力された場合の近傍点の位置を示す概略図である。 実施の形態2に係る端末装置が行う処理を示すフローチャートである。
実施の形態1.
本発明は、車両内、駅構内、又はミュージアム等にいる不特定多数の人々に対して各種案内情報を通知する画像を表示する情報表示システム、及びカーナビゲーションシステム等、様々なシステムに対して利用可能であるが、ここでは、その中から車両内の情報表示システムに利用した場合の例について示す。
<1−1.情報表示システムの構成の説明>
図1は、実施の形態1に係る情報表示システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、情報表示システム100は、情報表示装置としての端末装置110と、中央装置130と、送受信装置140とを備える。端末装置110は、車両毎に搭載され、中央装置130は、特定の車両、例えば先頭車両に搭載される。ここで、車両毎に搭載される各々の端末装置110と、中央装置130とは、LAN(Local Area Network)を介して、相互に情報を送受信することができるようにされている。また、中央装置130と、送受信装置140とも、LANを介して、相互に情報を送受信することができる。なお、端末装置110と中央装置130とが接続されているLANと、中央装置130と送受信装置140とが接続されているLANとは、同じLANであってもよいし、異なるLANであってもよい。
図1に示すように、端末装置110は、表示入力部111と、記憶部114と、制御部117と、通信インタフェース部(以下、通信I/F部という)121と、これらを接続する内部バス122とを備える。
表示入力部111は、表示部112と、入力部113とを備える。
表示部112は、液晶パネル等のディスプレイで、車両の運行状況及びCM等の映像コンテンツを含む様々な画像を表示する。
入力部113は、表示部112の表示面の全領域又は一部の領域を覆い、乗客の指又はタッチペン等の物体が接触した位置を検知する。そして、入力部113は、検知した位置を示す位置情報を生成して、制御部117に与える。
なお、表示入力部111は、例えば、タッチパネルに代表される入出力インタフェース装置で構成される。
また、以下では、指又はタッチペンのような器具で、入力部113に予め定められた時間以上触れることによる入力を、ジェスチャー入力という。そして、本実施の形態では、入力部113に略円の形状を描くジェスチャー入力が、特定の領域(例えば、拡大領域)を選択する操作を示すものとする。
記憶部114は、不揮発性記憶部115と、揮発性記憶部116とを備える。
不揮発性記憶部115は、HDD(Hard Disk Drive)やROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリにより構成され、ソフトウェアプログラム、及び表示部112に表示する各種画像(静止画像、動画像を含む)の画像情報を記憶する。例えば、画像情報は、動画像形式で表示されるCM等のコンテンツ情報と、静止画像形式で表示される他の沿線の運行情報及び事故情報等の案内情報とを含む。
揮発性記憶部116は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリにより構成され、不揮発性記憶部115から読み出された画像情報等を一時的に記憶する。
制御部117は、端末装置110で行う処理を制御する。制御部117は、入力受付部118と、軌跡入力判定部119と、表示処理部120とを備える。
入力受付部118は、入力部113を介した操作の入力を受け付ける。例えば、入力受付部118は、入力部113を介した操作が、ユーザが入力部113に短い時間触れることで操作の入力を行うタッチ入力操作である場合に、当該タッチ入力操作で示される処理を制御する。
軌跡入力判定部119は、入力部113を介して入力されたジェスチャー入力が、拡大領域を選択する操作を示すものであるか否かの判定を行う。
表示処理部120は、表示部112に与えられる画像に対して画像処理を行う。例えば、表示処理部120は、ジェスチャー入力が拡大領域を選択する操作を示すものと判定されたときに、このジェスチャー入力から拡大領域を特定する処理と、拡大領域内の画像(部分画像)を拡大して、表示部112に表示させる処理とを行う。
通信I/F部121は、LANを介した通信を行う。例えば、通信I/F部121は、同軸メタル線等の有線ケーブルにより、LANに接続されている。
中央装置130は、動画像形式で表示されるCM等の各種コンテンツ情報を各車両内に設置された端末装置110に配信する配信サーバである。
送受信装置140は、図示してはいないが、動作仕様形態が異なる2種類の通信手段、例えば、無線LAN通信手段及び移動体通信手段を備える。無線LAN通信手段は、主に、車両の保守用の情報の更新、案内情報の更新、及びコンテンツ情報の更新を行うために使用される。ここで、無線LAN通信手段は、ミリ波を用いたものが望ましい。また、移動体通信手段は、沿線の運行状況、事故情報、緊急情報等を、車両の運行中に取得するために使用される。
<1―1−1.軌跡入力判定部119での処理の説明>
図2から6は、軌跡入力判定部119が、あるジェスチャー入力を拡大領域の選択操作であると判定する判定方法を説明するための概略図である。
まず、表示部112の表示面112aに表示された案内情報画面において、拡大して見たい領域がある場合には、乗客は、拡大したい領域を囲むように、図2で示すような略円CRを描くジェスチャー入力を行う。タッチパネルで構成される入力部113は、このような形状のジェスチャー入力があった場合、描かれた軌跡に含まれる点の表示面112aにおける位置を示す位置情報を連続して制御部117に出力する。制御部117では、軌跡入力判定部119が、入力部113から連続して得られる位置情報に基づいて、略円CR内の連続した点線で示されるような軌跡LOを示す軌跡情報を認識する。この際、タッチペンのような細い先端部で略円CRを描く場合と、指のような厚みのある先端部で略円CRを描く場合のどちらの場合でも、軌跡入力判定部119は、連続する一本の軌跡LOを示す軌跡情報を認識するものとする。
但し、軌跡入力判定部119は、入力部113から送られてくる位置情報で特定される軌跡が入力途中で同一の地点において重なる場合、言い換えると、入力部113から送られてくる位置情報で特定される軌跡が交わる場合には、それ以降のジェスチャー入力を無視して、重なる前までの軌跡を認識するようにしてもよい。これにより、軌跡入力判定部119が行う処理の処理時間の短縮化を図ることができる。
次に、軌跡入力判定部119は、図2の点線で示される軌跡LOを示す軌跡情報に含まれる点の内、表示面112aに設定されている入力部113の検知領域DRに配置されている4つの基準点A、B、C、Dに最も近い点(以下、近傍点という)A1、B1、C1、D1をそれぞれ算出する。本実施の形態では、各基準点A、B、C、Dは、検知領域DRの四隅にある頂点に配置されているが、このような配置に限定されるものではなく、拡大表示の対象となる画像が表示される領域を囲むように配置されていればよい。
例えば、図2では、近傍点A1、B1、C1、D1が、軌跡LO上に示されており、基準点Aに対する近傍点がA1というように、基準点AからDまでの各アルファベットに対応する近傍点が、A1からD1として示されている。なお、図2では、入力部113の検知領域DRが、表示部112の表示面112aの全面に構成されているため、言い換えると、検知領域DRと表示面112aとのサイズが同じとなるように構成されているため、検知領域DRの頂点と、表示面112aの頂点との位置は一致することになり、各基準点A、B、C、Dは、表示面112aの頂点に配置されている。
近傍点の算出方法としては様々な方法があるが、例えば、軌跡入力判定部119は、ジェスチャー入力時に入力部113から出力される位置情報を、揮発性記憶部116へ蓄積し続け、ジェスチャー入力終了後に揮発性記憶部116へ蓄積した全ての位置情報から近傍点を算出する方法や、ジェスチャー入力中に逐次近傍点を特定して、ジェスチャー入力終了時のタイミングで近傍点が最終的に定まる方法等が考えられる。
ここで、後者の方法を使用する場合、例えば、軌跡入力判定部119は、ジェスチャー入力を判定された際の位置情報で示される位置を近傍点候補とする。そして、軌跡入力判定部119は、入力部113から出力される位置情報が変わる毎に、当該位置情報で示される位置から各基準点に対する距離を算出し、ある基準点に対する距離が、近傍点候補となっている位置とある基準点との間の距離よりも短い場合には、当該位置情報で示される位置をある基準点における新たな近傍点候補として、それまでの近傍点候補に代えて揮発性記憶部116に記憶する。以上の動作を全ての基準点A、B、C、Dに対して、ジェスチャー入力期間中に行うことで、ジェスチャー入力終了時には各基準点に対応して記憶しておいた各近傍点候補を、各近傍点A1、B1、C1、D1として特定することができる。以上の動作を行うことにより、揮発性記憶部116に全ての位置情報を蓄積する必要がなくなり、記憶容量を削減できるとともに演算時間も減らすことができる。
近傍点を決定した軌跡入力判定部119は、次にジェスチャー入力された形状に対する近傍点の総数を決定する。その動作例を、図3〜6を用いて説明する。図3〜6は、ジェスチャー入力として、様々な形状の略円、及びその他の形状が入力された場合の近傍点を示している。
図3は、入力部113の検知領域DRの中央部に、正円が入力された場合の近傍点の位置を示している。この場合の各基準点A、B、C、Dに対応する近傍点の位置は、それぞれA1、B1、C1、D1の位置となり、各近傍点間を結んだ形状は長方形状となる。また、この場合の近傍点の総数は4点となる。
図4は、入力部113の検知領域DRの中央部よりも基準点Cに近い位置に、正円が入力された場合の近傍点の位置を示している。この場合の各近傍点間を結んだ形状は長方形状ではないものの、四角形状となり、近傍点数も4点となる。
言い換えると、入力部113の検知領域DRのどの位置においても、正円及び楕円を含む略円を入力した場合は、近傍点数は4点となる。ただし、入力される略円の形状によって、近傍点間を結んだ四角形状は様々な形になる。
次に、図5及び図6は、車両の乗客が、拡大領域の選択操作を目的としないジェスチャー入力を行った場合の近傍点の位置と総数を示している。ここで、拡大領域の選択操作を目的としないジェスチャー入力が行われる場合としては、乗客が、拡大領域の選択操作以外の操作に対応する形状を検知領域DRに描いたり、間違って検知領域DRに触れて、ある軌跡を描いてしまったり、操作に対応して予め定められた形状以外の形状を入力したりする場合等がある。
図5は、入力部113の検知領域DRに、乗客が直線のジェスチャー入力を行なった場合の一例について示している。このような入力を行なった場合の近傍点の位置は、近傍点A1とD1、及び近傍点B1とD1が重なる位置関係となり、結果として近傍点数は2点となる。
図6は、入力部113の検知領域DRに、乗客が略円の入力を行なう途中で入力を中止して、略円弧状のジェスチャー入力を行なった場合の一例について示している。図6で示されるような場合では、近傍点B1とC1とが重なる位置関係となり、結果として近傍点数は3点となる。但し、これはあくまでも一例であって、重なる近傍点同士の関係は、描かれる形状と描かれる位置とよって様々に変化する。例えば、近傍点A1とD1とが重なるような状況もあり得る。また、描かれる形状及び描かれる位置によっては、既に描かれた形状が略円の一部分だけであっても、近傍点数が4点になるような場合も存在する。これは、既に描かれた形状の略円に占める割合が大きくなると発生する。また、図示してはいないが、入力部113の検知領域DRに、1点だけの点入力が行われた場合には、全ての近傍点が同じ位置に集まり、近傍点の総数は1点となる。
以上のように、軌跡入力判定部119は、近傍点の総数をカウントする際に、近傍点同士が重なっている場合には、重なり合っている複数の近傍点からカウントされる数は「1」としている。なお、軌跡入力判定部119は、近傍点同士が重なっているか否かを判断する際には、各々の近傍点の位置が完全に一致する場合の他、各々の近傍点の位置が予め定められた範囲内にある場合にも近傍点同士が重なっていると判断するようにしてもよい。
以上、車両の乗客が、入力部113の検知領域DRに対して、様々な形状のジェスチャー入力を行なった場合に、描かれた形状に応じて、近傍点数が変化することについて述べた。そこで、案内情報として表示されている画像のある部分を拡大することを目的として、乗客が略円を描いた場合に、軌跡入力判定部119は、描かれた形状の近傍点数を算出することで、ある程度描かれた形状の判定を行うことができる。例えば、軌跡入力判定部119は、近傍点数が予め定められた数、例えば4点の時のみを、拡大領域の選択操作が行われたものと判定することで、拡大領域の選択操作を、直線等の略円以外の形状が描かれた場合から区別することができる。
また、端末装置110において、制御部117を実現するCPUの性能が低い場合、又は揮発性記憶部116へのアクセス速度が遅い場合等の状況により、端末装置110のシステム全体が持つ性能が低いときでも、近傍点数による判定方法は、従来の方法に比べて演算処理数が少なく、さらに揮発性記憶部116に記憶させる情報の容量も少なくすることができるので、このような判定方法を充分に実行することができる。
但し、端末装置110のシステム全体が持つ性能が低く、乗客が入力部113の検知領域DRにおいて、高速に略円形状を描いた場合には、図7の点線で示される略円形状の軌跡LOではなく、例えば、図7の実線で示される多角形状の軌跡POが、軌跡入力判定部119において認識される。なお、この多角形状の軌跡POは、ジェスチャー入力の速度が速ければ速いほど、5角形状、4角形状、3角形状というように、頂点数が次第に少なくなっていく傾向を持つ。これは、制御部117を実現するCPUの動作速度が遅い場合、入力部113が検知するサンプリング速度が遅くなってしまい、ジェスチャー入力における全ての位置情報を出力することができず、結果として飛び飛びの位置情報の出力となってしまうことが要因であると考えられている。そこで、このような現象を避けるためにサンプリング速度を早くする方法が考えられるが、端末装置110のシステム性能が低い場合はそれができない。
サンプリング速度が遅いシステムで、略円の速いジェスチャー入力があった場合の近傍点の変化を図7に示す。例えば、図7においては、略円CRのジェスチャー入力が高速に行われた結果、入力部113から出力された位置情報が5点しかなく、軌跡入力判定部119が、実線で示す5角形状の軌跡POを示す軌跡情報を認識した場合には、近傍点の位置は、A1、B1、C1、D1となる。
これに対して、サンプリング速度が充分に速いシステムで、略円CRのジェスチャー入力に対して、軌跡入力判定部119が、略円CR内の連続した点線で示されるような軌跡LOを示す軌跡情報を認識した場合には、近傍点の位置は、A2、B2、C2、D2となる。
このように、サンプリング速度が遅いシステムにおける近傍点の位置A1〜D1と、サンプリング速度が速いシステムにおける近傍点の位置A2〜D2とを比較すると、それぞれの近傍点の位置は変化するものの、近傍点の総数は、同じ4点となる。
以上、図7に示した比較結果より、サンプリング速度の遅いシステムで速い略円CRのジェスチャー入力があった場合に、実際に入力された軌跡と同様の軌跡LOを認識できる位置情報が入力部113から出力されなくても、軌跡入力判定部119において、近傍点数として4点(設定によっては3点)を特定することのできる軌跡が認識できれば、軌跡入力判定部119は、拡大領域の選択操作が行われたと判定することができる。以上のことから、本発明に係る軌跡入力判定部119は、近傍点の総数による判定を行うため、サンプリング速度が遅いシステムでも、ある程度の入力速度までなら速いジェスチャー入力から略円の軌跡が入力されたものとする判定を行うことができる。
また、この近傍点の総数を、略円が入力されたか否かを判定するためのパラメータとし、例えば、近傍点の総数が、4点の場合だけでなく、3点以上(4点の場合も含む)の場合に、拡大領域の選択操作が行われたと判定することで、入力形状の判定レベルをそのシステムの状況に応じて自由に変えることができる。このことにより、近傍点数が3点及び4点の場合を、拡大領域の選択操作が行われたと判定するように切り替えることで、例えば、図6に示すような略円から離れた形状の入力が行われたときでも、拡大領域の選択操作が行われたと判定されるように切り替えることができる(この場合は、入力形状が略円であると判定され易くなる)。
また、本実施の形態における軌跡入力判定部119において、近傍点の総数が4点の時のみを拡大領域の選択操作として判定する場合、例えば、頂点を4つ持つ四角形状のジェスチャー入力が行なわれたときにも、近傍点の総数が4点となって略円を入力したものとして判定される。但し、拡大領域の指定方法に略円を入力することとされている場合に、頂点を4つ持つ四角形状をわざわざ入力することは、想定外の入力動作となる。もっとも、このような使用環境が発生するような状況においては、拡大領域の指定方法に、略円と四角形状の二つのジェスチャー入力があることを予め示しておくことで、端末装置110は、略円のみならず、略四角形を含んだより多い入力形状に対応することができる。
<1―1―2.表示処理部120での処理の説明>
次に、軌跡入力判定部119において、入力部113へ入力されたジェスチャー入力が拡大領域の選択操作であると判定された場合に、表示処理部120が、拡大領域を確定し、表示部112に拡大表示を行わせる処理の一例について説明する。
図8は、表示処理部120における拡大表示処理の一例について示す概略図である。ここで、軌跡入力判定部119において、入力部113へ入力されたジェスチャー入力が拡大領域の選択操作であると判定された場合は、表示処理部120は、その時の軌跡情報を判断し、図8に示されるように、縦横それぞれの位置に関する情報により拡大領域ERを決定する。拡大領域ERの決定方法としては、例えば、軌跡入力判定部119において行なわれる入力部113へのジェスチャー入力の判定期間中に、表示処理部120は、入力部113から出力される位置情報を逐次比較し、各軸(X軸及びY軸)方向の各々に対して一番小さな位置情報(Xmin,Ymin)と、一番大きな位置情報(Xmax,Ymax)とを更新し、ジェスチャー入力終了時点において最終的にこれらの情報が確定される方法がある。また、ジェスチャー入力終了後に、表示処理部120が、各軸方向の各々に対して一番小さな位置情報と、一番大きな位置情報とを特定するようにしてもよいが、この場合には、揮発性記憶部116がジェスチャー入力で認識された軌跡情報を記憶しておく必要があるとともに、拡大領域ERが特定されるまでに時間がかかる。
表示処理部120における拡大領域ERの特定後、その拡大領域ER内に表示されている画像について、表示処理部120は、表示部112に対して、図8に示されるような画像拡大処理(拡大領域内の画像を表示部112の表示面内に拡大する処理)を行なう。この時に考えられる代表的な処理例を以下に数点挙げる。
まず、図8(A)に示すように、乗客からのジェスチャー入力が行われると、図8(B)に示すように、表示処理部120は、各軸(X軸及びY軸)方向の各々における一番小さな位置情報(Xmin,Ymin)と、一番大きな位置情報(Xmax,Ymax)とを特定することで、拡大領域ERを特定する。そして、表示処理部120は、特定した拡大領域ERを識別できるように、例えば、図8(C)で示されている長方形の破線に対応する部分(拡大領域ERに対応する部分)を赤枠等のある特定の領域を識別できる画像で表示部112に表示させる。そして、入力部113が、表示された拡大領域ER内に乗客が再度指等で触れたことを検知した場合(ある単位時間内に触れたことを検知した場合等)に、表示処理部120は、この拡大領域ER内の画像を表示部112に拡大して表示する画像拡大処理を行う。この時、赤枠等で表示された拡大領域ERが意図された領域ではなかった場合には、乗客が新たにジェスチャー入力を行なうことで、拡大領域ERの再入力を行うことができるようにしてもよい。以上のような処理を行うことにより、ジェスチャー入力による拡大領域ERを乗客が確認した後に、表示処理部120は、画像拡大処理を行うことができる。
また、赤枠等で拡大領域ERが表示された後、予め決められたある一定時間経過後に、この拡大領域ERの表示を自動的に消去するようにしてもよい。これにより、乗客がジェスチャー入力で特定する拡大領域ERを間違ったり、特定された拡大領域ERが意図された領域ではなかったりしても、乗客に新たなジェスチャー入力を行なうように促すことができるとともに、ジェスチャー入力後、拡大表示の意志が示されずに放置されている場合でも、表示部111に表示されている画像を、ジェスチャー入力が行われる前の状態に自動的に復帰させることができる。
さらに、表示処理部120は、乗客がジェスチャー入力を行った後すぐに画像拡大処理を行ってもよい。この場合、表示処理部120は、図8(C)に示されている長方形の破線で示されるような拡大領域ERを特定後、その領域を赤枠等で表示することなく、すぐに画像拡大処理を実施する。これにより、表示処理部120において拡大領域ERが確定後、すぐに画像拡大処理が実施されるので、ジェスチャー入力後に素早く画像を拡大する等の処理が要求されるようなシステムにおいて有効となる。
表示処理部120が行う画像拡大処理については、決定された拡大領域ERの縦横比を維持したまま、この拡大領域ERに含まれる画像を拡大するとともに、表示処理部120は、高画質化処理としてエッジ強調フィルタ処理等の様々なフィルタ処理を行ってもよい。これにより、拡大した画像を鮮明化することで、見易くすることができる。
また、表示部112において拡大された画像が表示される位置については、表示部112の表示画面の中央部領域に表示しても、表示画の全体に表示してもよい。但し、特定された拡大領域ERの縦横比と表示画の縦横比が異なる場合については、拡大領域ER内の案内情報(画像)が全て表示されることを必要条件として、拡大領域ERに対応する画像が表示されている部分以外の部分に、拡大領域ERに対応する画像以外の画像を表示してもよい。
また、表示処理部120は、予め拡大領域ERとして決定する最低の大きさを設定しておくことで、ある特定の大きさよりも小さな拡大領域ERが入力された場合に、このような拡大領域ERに対して、画像拡大処理を行わないようにすることもできる。例えば、表示処理部120は、X軸方向の最小の長さxmin及びY軸方向の最小の長さyminという独立したパラメータを予め決定しておく。そして、表示処理部120は、各軸(X軸及びY軸)方向の各々において、一番大きな位置情報(Xmax,Ymax)から一番小さな位置情報(Xmin,Ymin)を差し引くことで算出される各軸における長さ(x=Xmax−Xmin、y=Ymax−Ymin)が、それぞれX軸方向の最小の長さxmin及びY軸方向の最小の長さymin以上である場合(x≧xmin、y≧ymin)にのみ、拡大領域ERの特定を行う。このような処理を行うことにより、乗客が入力したあまりにも小さな領域に対しては拡大しないような処理(拡大領域の最小形状指定)を行うことができる。これにより、ジェスチャー入力のミス(小さ過ぎる領域の指定)や、拡大してもほとんど意味を成さないあまりにも小さな領域を拡大してしまうような処理を防ぐことができる。
以上では、表示処理部120は、拡大領域ERとして特定された領域の画像を拡大する処理を行っているが、このような処理以外の処理を行ってもよい。例えば、特定された領域の画像を拡大するのではなく、このような領域の画像について拡大以外の他の様々な画像処理を行うことにより、指定された領域を他の処理を行う目的に使用することができる。例えば、表示処理部120は、特定された領域内の画像について、様々なフィルタ処理を行うことで高画質化を図り、拡大せずに処理後の画像を表示部112に表示させるようしてもよい。
なお、表示処理部120は、高画質化を図る高画質化処理として、明るさ調整、コントラスト調整、ガンマ補正、増色、又はノイズ除去等を行ってもよい。また、表示処理部120は、その他にも、画像処理として、二値化、グレイスケール化、色成分の抽出、色反転、鏡像反転、輪郭抽出、回転、ぼかし処理等を行ってもよい。
以上に記載した端末装置110は、例えば、CPUと、メモリと、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置と、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性を有する記憶媒体904に対して情報を読み書きする読取/書込装置と、タッチパネル等の入出力装置と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置とを備えたコンピュータで実現できる。
例えば、記憶部114は、CPUがメモリ又は外部記憶装置を利用することにより実現でき、制御部117は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムをメモリにロードしてCPUで実行することで実現でき、表示入力部111は、CPUが入出力装置を利用することで実現でき、通信I/F部121は、CPUが通信装置を利用することで実現できる。
この所定のプログラムは、読取/書込装置を介して記憶媒体から、あるいは、通信装置を介してネットワークから、外部記憶装置にダウンロードされ、それから、メモリ上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。また、読取/書込装置を介して記憶媒体から、あるいは、通信装置を介してネットワークから、メモリ上に直接ロードされ、CPUにより実行されるようにしてもよい。
<1―2.情報表示システムにおける動作の説明>
図9は、端末装置110が行う処理を示すフローチャートである。ステップS10〜S12は、入力受付部118での処理であり、ステップS13〜S17は、軌跡入力判定部119での処理であり、ステップS18は、表示処理部120での処理である。
まず表示部112にある案内情報を通知する画面が表示されている時に、乗客が表示部112の表示面に形成された入力部113に触れることで、入力部113から触れられた位置の位置情報が入力受付部118に送られる。これにより、入力受付部118は、乗客からの入力操作を検出する(ステップS10でYes)。
そして、入力受付部118は、乗客が入力操作を行っている入力時間が、予め設定されたある特定の時間t1[msec]以上であるか否かを判断する(S11)。例えば、入力時間は、言い換えると、入力部113から位置情報が連続して送られてくる時間である。そして、入力受付部118は、入力時間が予め設定されたある特定の時間t1未満である場合(ステップS11でNo)には、ステップS12の処理に進み、入力時間が予め設定されたある特定の時間t1以上である場合(ステップS11でYes)には、ステップS13の処理に進む。
ステップS12では、入力受付部118は、乗客の入力操作が、拡大領域の選択操作ではないタッチ入力操作であると判定し、タッチ入力操作モードの処理を行う。タッチ入力操作モードは、乗客が、表示部111に形成された入力部113の検知領域に、指等で一瞬触れる(タップ)の動作を行うことで、操作を行うモードである。
ステップS13では、軌跡入力判定部119は、乗客の入力操作が、ジェスチャー入力による操作であると判断し、入力部113から送られてくる位置情報より、軌跡を特定し、近傍点の算出を行う。
次に、軌跡入力判定部119は、ユーザからの入力部113へのジェスチャー入力に基づく軌跡の特定を絶えず行い、軌跡の入力が止まったままの時間、言い換えると、ジェスチャー入力が止まったままの時間(以下、軌跡無入力時間という)が、予め設定されたある特定の時間t2[msec]以上であるか否かを判断する。ここで、ジェスチャー入力が止まったままの時間とは、入力部113からの位置情報で示される位置が同じ位置で止まったままとなっている連続時間を意味する。例えば、乗客から入力部113へのジェスチャー入力が終了し、入力部113から指等を離した場合、又は入力部113へのジェスチャー入力が同一地点に止まったまま、言い換えると、指等が同じ位置に置かれたままとなっている場合に、ジェスチャー入力が止まったままとなる。そして、軌跡入力判定部119は、軌跡無入力時間≧t2の場合(ステップS14でYes)には、ステップS15の処理に進み、軌跡無入力時間<t2の場合(ステップS14でNo)には、ステップS13の処理に戻る。
ステップS15では、軌跡入力判定部119は、乗客からのジェスチャー入力が終了したものと判断し、軌跡の検出を終了し、拡大領域の選択操作の判定処理を開始する。このステップでは、軌跡入力判定部119は、近傍点の総数を決定する。軌跡入力判定部119が行う近傍点の総数の決定処理は、上述の通りである。
そして、軌跡入力判定部119は、ステップS15で決定された近傍点の総数が、閾値として予め定められた数n(例えば、3又は4)以上であるか否かを判断する(S16)。軌跡入力判定部119は、近傍点の総数が数n以上である場合(ステップS16でYes)には、ステップS17の処理に進み、近傍点の総数が数n未満である場合(ステップS16でNo)には、ステップS10の処理に戻る。
ステップS17では、軌跡入力判定部119は、拡大領域の選択操作が行われたと判定する。
次に、表示処理部120は、拡大領域の選択操作が行われたと判定されると、拡大表示処理を行う(S18)。表示処理部120での拡大表示処理は、上述の通りであり、例えば、表示処理部120は、拡大表示領域ERを特定し、この拡大表示領域ERを赤枠等で囲んだ画像を表示部112に表示させ、ユーザからの指示(例えば、拡大表示領域ERへのタップ)があった場合に、この領域内の画像を拡大する処理を行う。なお、表示処理部120は、拡大表示領域ERを赤枠等で囲んだ画像を表示させないまま、画像拡大処理を行ってもよい。なお、表示処理部120は、拡大表示領域ER内の画像に対して、画像拡大処理以外の画像処理(例えば、高画質化処理)を行ってもよい。例えば高画質化処理後の画像は、同じ領域内で拡大せずにそのまま表示されてもよく、また、拡大して表示されてもよい。
以上の処理を行うことにより、端末装置110は、表示された画像の中からある一部の領域をジェスチャー入力により選択する場合に、予め定められた略円等の形状を簡単かつ演算量が少ない方法で判定できる。また、サンプリング速度の遅いシステムで、高速にジェスチャー入力が行われた場合でも、略円等の形状を判定することができる。
<1―2―1.情報表示システムの設置例の説明>
ここでは、情報表示システム100が電車の車両に設置された場合の利用例について説明する。
情報表示システム100が設置された車両が、ある運行スケジュールに沿って運行されると、基準地点からの車両の位置(Km等)、又は停車中と走行中の経過時間に応じて、ある決められた案内タイミングで各種案内情報の静止画像が、表示部112において逐次切り替えられて出力される。ここでの各種案内情報は、停車駅名、行き先案内、号車番号、現在時刻、設備案内、路線案内(現在の車両位置案内等)、乗換案内、マナー案内(携帯電話のマナー、優先席のマナー等)、テロ警戒案内、開扉方向案内、女性専用車案内、乗換駅等を映像化した情報である。また、表示部112には、CM等の各種コンテンツ情報の動画像が表示される場合もある。ここで示した静止画像や動画像による表示形態はあくまでも一例であって、例えば、各種案内情報が動画像として表示されてもよく、また、逆にCM等の各種コンテンツ情報が静止画像として表示されてもよい。
また、これらの各種案内情報を表示するために、車両内には複数の表示部112が設置されてもよい。例えば、ある決められた案内タイミングで各種案内情報を静止画像として逐次切替えて表示する表示部112と、CM等の各種コンテンツ情報を動画像として表示する表示部112とを1セットとして、1つの車両内にこれらのセットを複数設置されてもよい。表示部112は、通常、車両内の各開閉扉の上方や、通路上に複数設置される。ここで、1つの表示部112に各種案内情報と各種コンテンツ情報の両方の情報の画像を時間的に切り替えて表示することで、1台の車両あたりに設置される表示部112の総数を減らしたり、逆に総数は同じでも設置場所を増やしたりしてもよい。
これまで述べた車両内の各設置場所に設置される全ての表示部112に、全てタッチパネルに代表される入力部113が備えられていてもよく、又は一部(セットの場合は片方)の表示部112に、入力部113が備えられていてもよい。ここで、図1に示される端末装置100には、1つの表示入力部111が備えられているが、複数の表示入力部111が備えられていてもよく、入力部113を備えない表示部112が含まれていてもよい。
<1―2―2.情報表示システムでの情報の流れの説明>
静止画像として表示される各種案内情報は、不揮発性記憶部115に蓄積されており、表示処理部120が、ある決められた案内タイミングで、不揮発性記憶部115から案内情報を逐次読み出し、表示部112へ出力して表示させる。案内タイミングを示す案内タイミング情報は、先頭車両に設置された中央装置130により生成される。中央装置130は現在走行位置等の情報を元に案内タイミングを判断し、判断した案内タイミングを示す案内タイミング情報を端末装置110に送信する。端末装置110では、表示処理部120が、通信I/F部121を介して、案内タイミング情報を受信し、この案内タイミング情報で示される案内タイミングに従って、各種案内情報の静止画像を表示部112に表示させる。
また、動画像として表示されるCM等の各種コンテンツ情報は、中央装置130が配信サーバとなって、各車両内に設置された端末装置110へ配信する。通信I/F部121を介して、各種コンテンツ情報を受信した端末装置110では、表示処理部120が、表示部112へコンテンツ情報を出力する制御を行うことで、表示部112に各種コンテンツ情報の動画像が表示される。この場合、表示処理部120は、上述の設置例で述べたように、各種案内情報の静止画像を表示させていた表示部112とは別の表示部112に動画像を表示させることもでき、また、1つの表示部112において、静止画像と動画像とを切り替えて表示させるようにしてもよい。この場合には、表示処理部120が、案内タイミング情報に基づいて、各種案内情報とコンテンツ情報の表示切替え制御を行う。
中央装置130に接続される送受信装置140は、車両が整備場に入庫している時に、無線LAN通信手段を介して、車両の保守に必要な情報、各種案内情報、及びコンテンツ情報をダウンロードする。そして、ダウンロードされた情報は、中央装置130内に蓄積されているコンテンツ情報の更新や、端末装置110の不揮発性記憶部115に蓄積されている各種案内情報の更新に使用される。これらの更新は、主に車両の運行場所が変わったり、車両内に配信するコンテンツ情報の内容に変化が生じたりした場合に専ら行われる。また、送受信装置140は、端末装置110が、案内情報の表示処理を実行するプログラムを、不揮発性記憶部115内に蓄積したり、書き換えたりする時にも使用される。また、プログラムは、送受信装置140を介さなくとも、端末装置110に不図示の読取/書込装置を備えることで、CD−ROM、DVD、又はメモリ等の記憶媒体から不揮発性記憶部115に格納されるようにしてもよい。
送受信装置140は、不図示の移動体通信手段を介して、車両が走行中に逐次変化する他の沿線の運行情報や事故情報等の、突発的に発生する案内情報を受信する。受信されたこれらの情報は、中央装置130に一旦蓄積された後に、案内タイミング情報とともに端末装置110に送られ、最終的に表示部112に決められた案内タイミングで表示される。
<1―2―3.乗客がジェスチャー入力を行う場合の説明>
これまで述べた各種案内情報は、ある決められた案内タイミングで、静止画像として、逐次切替えられて表示部112に表示される。そこで、表示部112に入力部113が備えられている場合には、乗客が入力部113に入力を行うことで、現在表示されている案内情報の画像をその表示状態で止めたり、既に表示された案内情報の画像へ戻る操作を行ったりすることができる。これらの入力は、入力部113に直接指で触れたり、タッチペンのような器具を使用して触れたりすることで、通常行われる。
これらの操作は、制御部117が、例えば、タッチパネルで構成される入力部113からの位置や時間に相当する入力信号を受信することで、その受信内容(タッチパネルへの入力位置情報や入力時間情報)を判断して行う。その結果、不揮発性記憶部115から読み出されて、一旦揮発性記憶部116へ展開された後に表示部112に出力される案内情報に対して、制御部117は、判断した受信内容に応じた制御を行う。
例えば、制御部117が行う制御の一例として、表示部112に「戻る」ボタンをGUI(Graphical User Interface)として表示させ、この「戻る」ボタンに対応する検知領域に乗客が指で触れた場合について説明する。制御部117は、入力部113からの入力情報を位置情報として判断し、現在表示部112に表示させている案内情報の画像を消去しつつ、代わりに直前に表示させていた案内情報の画像を不揮発性記憶部115から読み出して揮発性記憶部116へ展開し、表示部112に出力する。その他にも、入力部113を利用した様々なGUIにより、乗客は、既に表示された過去の案内情報を自由に選ぶことができるようになる。
また、乗客は、上記操作を入力部113に対して行い、意図する(見たい)案内情報の画像を、表示部112に表示させている場合において、さらに一部領域に表示されている内容を拡大して見たい場合には、上述したような拡大表示用のジェスチャー入力を行えばよい。
以上に記載した情報表示システム100は、電車の車両内に設置される端末装置110を代表的な例として説明したが、端末装置110で行われている処理は、電車以外の他の交通機関(バス、船、航空機等)又は駅構内等に設置されたデジタルサイネージ機器、カーナビゲーションシステム、TVシステム、携帯端末機器、ゲーム機器、コンピュータ機器等の他の様々なシステム又は機器で行われるようにすることができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る情報表示システム200の構成を概略的に示すブロック図である。図示するように、情報表示システム200は、端末装置210と、中央装置130と、送受信装置140とを備える。実施の形態2に係る情報表示システム200は、端末装置210において、実施の形態1に係る情報表示システム100と異なっている。
図10に示すように、端末装置210は、表示入力部111と、記憶部114と、制御部217と、通信I/F部121と、これらを接続する内部バス122とを備える。実施の形態2に係る端末装置210は、制御部217の軌跡入力判定部219が行う処理において、実施の形態1に係る端末装置110と異なっている。
実施の形態1に係る軌跡入力判定部119は、入力部113から出力される位置情報をもとに近傍点の総数を算出し、その総数によって拡大領域の選択操作の判定を行った。そして、軌跡入力判定部119が、近傍点の総数に基づいて、拡大領域の選択操作を判定する場合、例えば、図11に示されるように、一方向の長さが著しく長く、この一方向と交差する方向(例えば、直交する方向)への長さが著しく短い略楕円形状が入力された時も、近傍点数が4点又は3点となって略円の一部であると判定されることになる。従って、このような縦横の長さが著しく異なる略楕円形状以外の略円形のジェスチャー入力のみを、拡大領域の選択操作として判定したい場合には、実施の形態1では対応することができない。
そこで、実施の形態2に係る軌跡入力判定部219は、実施の形態1で示した近傍点の総数による判定処理に加えて、後述する辺倍率に基づく判定処理を行うことで、縦横の長さが著しく異なる略楕円形状を除いた略円形のジェスチャー入力のみを拡大領域の選択操作として判定できるようにする。
例えば、図4に示されているように、近傍点数が4点となるような形状のジェスチャー入力が行われた場合には、近傍点(例えば、図4のA1、B1、C1、D1)の各々を頂点とする四角形となるように直線で結び、一番短い辺(図4では、辺A1D1)の長さと、その他の辺(図4では、辺A1B1、辺B1C1、辺C1D1の各3辺)の長さの平均値との比率を辺倍率として以下の(1)式で定義する。
辺倍率=(A1B1+B1C1+C1D1)/(3×D1A1) ・・・(1)
(1)式において、「A1B1」は辺A1B1の長さ、「B1C1」は辺B1C1の長さ、「C1D1」は辺C1D1の長さ、「D1A1」は辺D1A1の長さである。
なお、参考までに、図3に示すような入力部113の入力面のアスペクト比が16:9の画面中央部領域に、正円のジェスチャー入力がされた場合の辺倍率は、(16+16+9)/(3×9)=1.52の値を持つが、これはあくまでも画面中央部領域への入力の場合であり、他の領域になると正円であっても異なる値となる。
また、図6に示されているように、近傍点数が3点となるような形状のジェスチャー入力が行われた場合には、近傍点(例えば、図6のA1、B1(C1)、D1)の各々を頂点とする三角形状となるように直線で結び、同様に一番短い辺(図6では、辺D1A1)の長さと、その他の辺(辺A1B1、辺B1D1)の長さの平均値との比率を辺倍率として以下の(式2)で定義する。
辺倍率=(A1B1+B1D1)/(2×D1A1) ・・・(2)
(2)式において、「A1B1」は辺A1B1の長さ、「B1D1」は辺B1D1の長さ、「D1A1」は辺D1A1の長さである。
また、辺倍率は近傍点数が3点と4点の場合についてのみ算出し、他の点数(1点及び2点)のときについては算出せず、そのときの辺倍率の値は1に固定とする。
軌跡入力判定部219は、以上で説明した辺倍率を、ジェスチャー入力が行われる毎に算出し、その結果(値)をある閾値hと比較することで、ジェスチャー入力の形状の短辺の長さと、短辺以外の辺の長さとの間の関係で定まる値を、拡大領域の選択操作が行われたか否かの判定に使用する。例えば、近傍点数の結果が4点で、かつ辺倍率≦閾値h(h=5.0)の条件を満たす時に、拡大領域の選択操作であると判定することで、図11に示すような縦横比が大きな楕円形状を描くジェスチャー入力を除去することができる。
また、この閾値hを判定レベルのパラメータとして取り扱い、さらにその値を適宜変更できる構成にすることで、拡大領域の選択操作として判定される略円の形状(拡大領域の選択操作として判定されない略楕円の形状)をシステムの状況に応じて自由に変えることができる。つまり、状況によっては閾値hの値をさらに大きな値に切り替えることで、例えば図11に示されるような、著しく縦横比が大きな楕円形状のジェスチャー入力が行われた時でも拡大領域の選択操作として判定されるように切り替えることができる。また、その逆も可能である。
図12は、端末装置210が行う処理を示すフローチャートである。ステップS10〜S15、ステップS17及びS18での処理は、図9において対応する符号で示される処理と同様である。
軌跡入力判定部219は、ステップS15で決定された近傍点の総数が、閾値として予め定められた数n(例えば、3又は4)以上であるか否かを判断する(S26)。軌跡入力判定部219は、近傍点の総数が数n以上である場合(ステップS26でYes)には、ステップS27の処理に進み、近傍点の総数が数n未満である場合(ステップS26でNo)には、ステップS10の処理に戻る。
ステップS27では、軌跡入力判定部219は、辺倍率を算出し、この辺倍率が閾値h(閾値hは予め設定された任意の値)以下であるか否かを判定する。そして、軌跡入力判定部219は、辺倍率≦閾値hの場合(ステップS27でYes)には、ステップS17の処理に進み、辺倍率>閾値hの場合(ステップS27でNo)には、ステップS10の処理に戻る。
以上のように、実施の形態2によれば、ジェスチャー入力の形状が、長辺の長さと短辺の長さとが著しく異なるものである場合には、拡大領域の選択操作と判定しないことができるため、操作者の入力ミス等による拡大表示等を防ぐことができる。
以上に記載した実施の形態2においては、辺倍率を、「最も短い辺の長さ」で「他の辺の長さの平均値」を除算することで求めたが、このような計算方法に限定されず、例えば、「最も短い辺の長さ」で「最も長い辺の長さ」を除算することで辺倍率を求める等のように他の計算方法を用いてもよい。
100,200:情報表示システム、 110,210:端末装置、 111:表示入力部、 112:表示部、 113:入力部、 114:記憶部、 115:不揮発性記憶部、 116:揮発性記憶部、 117,217:制御部、 118:入力受付部、 119,219:軌跡入力判定部、 120:表示処理部、 121:通信I/F部、 122:内部バス、 130:中央装置、 140:送受信装置。

Claims (20)

  1. 画像を表示する表示部と、
    前記表示部の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する入力部と、
    前記入力部が検出した位置に基づいて、前記検知領域に描かれた軌跡を認識し、当該軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、当該近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する軌跡入力判定部と、
    前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備えること
    を特徴とする情報表示装置。
  2. 前記軌跡入力判定部は、前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定した場合には、前記軌跡が予め定められた形状であると判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
  3. 前記予め定められた形状は、略円又は略四角形であること
    を特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
  4. 前記軌跡入力判定部は、前記軌跡が交わる場合には、交わる前までの軌跡に基づいて、前記近傍点を特定すること
    を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報表示装置。
  5. 前記基準点は、前記検知領域の少なくとも一部を囲むように配置されていること
    を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の情報表示装置。
  6. 前記基準点は、前記検知領域の頂点に配置されていること
    を特徴とする請求項5に記載の情報表示装置。
  7. 前記予め定められた数を変更することができるようにしたこと
    を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の情報表示装置。
  8. 前記表示処理部は、前記特定の領域を識別できる画像を前記表示部に表示させ、前記表示部が前記特定の領域を識別できる画像を表示している際に、前記入力部が前記特定の領域内において物体が接触した位置を検出すると、前記予め定められた画像処理を開始すること
    を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の情報表示装置。
  9. 前記表示処理部は、前記表示部が前記特定の領域を識別できる画像を表示している際に、前記入力部が前記特定の領域内において物体が接触した位置を予め定められた時間検出しなかった場合には、前記特定の領域を識別できる画像の表示を止めること
    を特徴とする請求項8に記載の情報表示装置。
  10. 前記表示処理部は、前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された時点で、前記特定の領域を定めて、前記予め定められた画像処理を開始すること
    を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の情報表示装置。
  11. 前記予め定められた画像処理は、前記特定の領域の画像を拡大する処理であること
    を特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の情報表示装置。
  12. 前記予め定められた画像処理は、前記特定の領域の画像を高画質化する処理であること
    を特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の情報表示装置。
  13. 前記予め定められた画像処理は、前記特定の領域の画像を拡大する処理及び前記特定の領域の画像を高画質化する処理であること
    を特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の情報表示装置。
  14. 前記表示処理部は、前記軌跡により定まる特定の領域の大きさが、予め定められた大きさよりも小さいときには、前記予め定められた画像処理を行わないこと
    を特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の情報表示装置。
  15. 前記表示処理部は、
    前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、前記近傍点を頂点とする多角形の短辺の長さと、当該短辺以外の辺の長さとの間の関係で定まる値が、予め定められた閾値以下か否かを判定し、
    前記値が予め定められた閾値以下のときに、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、前記予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させること
    を特徴とする請求項1から14の何れか一項に記載の情報表示装置。
  16. 前記値は、前記短辺以外の辺の長さ平均値を、前記短辺の長さで除算することにより算出されること
    を特徴とする請求項15に記載の情報表示装置。
  17. 前記予め定められた閾値を変更することができるようにしたこと
    を特徴とする請求項15又は16に記載の情報表示装置。
  18. 画像を表示する表示部と、
    前記表示部の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する入力部と、
    前記入力部が検出した位置に基づいて、前記検知領域に描かれた軌跡を認識し、当該軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、当該近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する軌跡入力判定部と、
    前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備えること
    を特徴とする情報表示システム。
  19. 表示部が画像を表示する過程と、
    入力部が、前記表示部の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する過程と、
    前記軌跡入力判定部が、前記入力部が検出した位置に基づいて、前記検知領域に描かれた軌跡を認識し、当該軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、当該近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する過程と、
    前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、表示処理部が、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させる過程と、を備えること
    を特徴とする情報表示方法。
  20. コンピュータを
    画像を表示する表示手段、
    前記表示部の表示面に設けられた検知領域に、物体が接触した位置を検出する入力手段、
    前記入力手段が検出した位置に基づいて、前記検知領域に描かれた軌跡を認識し、当該軌跡に含まれる点のうち、予め定められた複数の基準点の各々に最も近い点を近傍点として特定し、当該近傍点の総数が予め定められた数であるか否かを判定する軌跡入力判定手段、
    前記近傍点の総数が予め定められた数であると判定された場合に、前記軌跡により定まる特定の領域の画像に、予め定められた画像処理を行い、当該画像処理後の画像を前記表示部に表示させる表示処理手段、として機能させること
    を特徴とするプログラム。
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