JP2012027419A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ローラ対の一方のローラの熱膨張に基因して変位するニップ位置に対して、自動的にガイド部材の位置を変えるように構成した定着装置を提供すること。
【解決手段】加熱源と、前記加熱源から熱が供給される第1定着ローラと、前記第1定着ローラの表面温度を検知する表面温度検知手段と、前記第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラと、前記第1定着ローラと第2定着ローラとで形成されるニップ部の上流に設けられるとともに、前記ニップ部のニップ位置に合わせて配置されたガイド部材と、制御手段と、を含み、前記制御手段は、前記第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材の位置を変える、ことを特徴とする定着装置。
【選択図】図6

Description

本願発明は、例えば、電子写真方式を利用して画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に、転写材上に担持せしめたトナー像を定着するための改善した定着装置に係わる。
電子写真方式を用いて画像を形成する複写機またはプリンタ等の画像形成装置においては、例えば、感光体ドラムからなる像担持体上に帯電、露光、現像処理を行ってトナー画像(以下、単に、トナー像という)を形成する。次いで、トナー像を転写手段の作用によって転写紙等の転写材に転写するか、または、第2の像担持体である中間転写ベルト(中間転写体)にトナー像を転写した後、第2転写手段を介して転写紙等の転写材に転写する構成を有する。
このような画像形成装置においては、前述のトナー像を転写材に定着するための定着装置が備えられている。定着装置の形態としては、第1定着ローラと、第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラとを主要素とする構成の定着装置が実用的であり、多用されている。そして、例えば、未定着のトナー像側に設けられる第1定着ローラは適宜の加熱源により加熱され、表面温度検知手段(温度センサ)の検知情報に基づく制御手段の制御を介して所定範囲の表面温度に保たれるように構成されている。
近年、画像形成装置の高速化に対する市場の要望が高く、これに対応しうる定着装置として、例えば、弾性層を厚くした定着ローラ対を高圧で圧接させ、両ローラにより形成されるニップ部のニップ幅をワイド化する構成が考えられる。しかしながら、斯様な構成において、例えば、弾性層を非常に厚くした場合、熱膨張の開始から弾性層内部まで熱が伝わって熱膨張が安定するまでに、ニップ部の断面形状やニップ部の位置の変化が大きくなってしまう。換言すれば、ニップ部の上流側近傍に設けられるガイド部材とニップ部との関係位置が変化し、結果、ニップ部に対する転写材の送り込み位置(送り込み角度)が変わることにより、紙シワの発生や画像不良を引き起こすという不具合が発生することが解った。
上述の構成とは異なる構成を有するが、定着装置における紙シワの発生や画像不良の発生を防止する方法として次のような方法が提案されている。即ち、転写材搬送方向における定着ベルトのニップ幅を変化させるとともに、ガイド部材の位置を変更させ、転写材を最適な進入位置(進入角度)で進入させる方法がそれである。
具体的には、加熱ローラと支持ローラとに掛け渡されたベルトを介して支持ローラに対向する対向ローラを有する。また、対向ローラがベルトを介して支持ローラに加圧することなくベルトに接触して形成される第1の定着工程を行う部分と、対向ローラがベルトを介して支持ローラに加圧して形成される第2の定着工程を行う部分とを有する。更に、第1の定着工程を行う部分の転写材搬送方向幅を変化させる手段と、進入位置可変なガイド部材とガイド部材位置制御手段とを有し、第1の定着工程を行う部分の転写材搬送方向幅に応じてガイド部材の位置を制御する(特許文献1)。
特開2004−361797号公報
光沢度あるいは定着性の向上を図るべく、画像状態あるいは転写材の種類に応じて、第1の定着工程を行う部分の転写材搬送方向幅を変更し、同時に、ガイド部材の位置を変える特許文献1に開示された技術は有用である。しかしながら、定着部におけるローラ部材の熱膨張については全く考慮されておらず、その熱膨張によるニップ位置の変化に対応できるものではない。
本願発明は、特に、定着ローラ対における一方の定着ローラを熱膨張し易い構成とし、他方の定着ローラを殆ど熱膨張しない構成とした定着装置に係わる。そして、定着ローラ対における熱膨張に伴うニップ部の断面形状の変化や、ニップ部のニップ位置の変化を適宜の手段により検出し、それに応じて、ニップ部の上流近傍に先端が位置付けられるガイド部材の位置を変えるようにした定着装置に係わる。主たる目的は、定着ローラ対の一方のローラの熱膨張に基因して変位するニップ位置に対して、自動的にガイド部材の位置を変えるように構成した定着装置を提供することにある。
本願発明に係わる目的は下記の構成要件によって達成することができる。
1.加熱源と、
前記加熱源から熱が供給される第1定着ローラと、
前記第1定着ローラの表面温度を検知する表面温度検知手段と、
前記第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラと、
前記第1定着ローラと第2定着ローラとで形成されるニップ部の上流に設けられるとともに、前記ニップ部のニップ位置に合わせて配置されたガイド部材と、
制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材の位置を変える、
ことを特徴とする定着装置。
2.第1定着ローラと、
加熱源と、
前記第1定着ローラと間隔をもって配置され、前記加熱源から熱が供給される加熱ローラと、
前記第1定着ローラと前記加熱ローラとに懸架される定着ベルトと、
前記加熱ローラの周面上における前記定着ベルトの表面温度を検知する表面温度検知手段と、
前記第1定着ローラと前記定着ベルトを挟んで圧着しながら回転する第2定着ローラと、
前記第1定着ローラと第2定着ローラとで形成されるニップ部の上流に設けられるとともに、前記ニップ部のニップ位置に合わせて配置されたガイド部材と、
制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材の位置を変える、
ことを特徴とする定着装置。
3.前記ガイド部材は、前記加熱源から熱が供給される被加熱部材の表面温度が目標設定温度に到達したときの位置を基準位置とし、
前記制御手段は、前記基準位置から熱膨張が安定した状態におけるまでの前記ニップ部のニップ位置の変位に合わせて前記ガイド部材の位置を変える、
ことを特徴とする前記1または2に記載の定着装置。
4.前記定着装置は、前記第1定着ローラの外径を検知する外径検知手段を有し、
前記制御手段は、前記外径検知手段の検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
ことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の定着装置。
5.前記定着装置は、前記第1定着ローラと前記第2定着ローラとの軸間距離を検知する軸間距離検知手段を有し、
前記制御手段は、前記軸間距離検知手段の検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
ことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の定着装置。
6.前記定着装置は、前記第1定着ローラの外径を検知する外径検知手段と、
前記第1定着ローラと前記第2定着ローラとの軸間距離を検知する軸間距離検知手段と、を有し、
前記制御手段は、前記外径検知手段と前記軸間距離検知手段からの検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
ことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の定着装置。
7.前記ガイド部材の位置移動方向は、前記第1定着ローラと第2定着ローラとの軸を結ぶ軸間距離方向である、
ことを特徴とする前記1または2に記載の定着装置。
8.前記ガイド部材の位置移動方向は、前記第2定着ローラの回転軸中心に回転する方向である、
ことを特徴とする前記1または2に記載の定着装置。
9.前記1から8の何れか1項に記載の定着装置と、
電子写真方式によりトナー画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で形成されたトナー画像を転写材上に転写する転写手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
本願発明に係わる定着装置においては、第1定着ローラを熱膨張し易い構成とすることにより第2定着ローラとのニップ部におけるニップ幅を大きくすることができ、定着処理の高速化を図ることができる。また、ニップ部の変位(ニップ位置の移動)に追随してガイド部材の位置を自動的に変えるので、操作性がよい。更に、ニップ部あるいはニップ部のニップ位置に向けて転写材を進入させることができるので、紙シワあるいは画像不良の発生を抑制できる。
また、本願発明に係わる画像形成装置においては、画像形成処理の高速化が可能であり、例えば、軽印刷機のような性能を確保することが可能である。
デジタルカラー複写機からなる画像形成装置の構成を示す概略図である。 定着手段の一部を拡大して示す図で、特にニップ位置の変位により発生する不具合を具体的に説明するための説明用の図である。 図2におけるニップ部を拡大して示す説明用の図である。 ニップ位置の変位に応じてガイド部材の位置を変える構成に係わる第1実施形態を示す説明用の図である。 ニップ位置の変位に応じてガイド部材の位置を変える構成に係わる第2実施形態を示す説明用の図である。 ニップ位置の変位に応じてガイド部材の位置を変える構成に係わる第3実施形態を示す説明用の図である。 ニップ位置の変位に応じてガイド部材の位置を変える構成に係わる第4実施形態を示す説明用の図である。 実験により求めた第1定着ローラの熱膨張量と、定着ベルトを介しての、第2定着ローラとのニップ幅の関係を示す図である。 実験により求めた第1定着ローラの熱膨張量と、定着ベルトを介しての、圧着時における第2定着ローラとの軸間距離を示す図である。
以下に、本願発明に係わる実施の形態について図面を基に説明する。
図1は、デジタルカラー複写機からなる画像形成装置の構成を示す概略図である。
図に示す画像形成装置Hは、上部に自動原稿送り装置1を有し、内部に画像読み取り部2、画像形成部3、ベルトユニット4のためのベルト設置部、給紙部5、反転排紙・再給紙部6、反転搬送手段であるADU7および定着装置9を有している。
自動原稿送り装置1は、原稿載置台101、原稿分離手段103、原稿搬送部105、原稿排紙手段107、原稿排紙台109、および、原稿反転手段111を有している。原稿載置台101上の原稿(不図示)は、原稿分離手段103によって1枚ずつ分離され、原稿搬送部105を介して画像読み取り位置に向けて搬送される。原稿読み取り位置は原稿搬送部105の下方部に設けられており、画像読み取り部2を構成するスリット201を介して原稿の画像が読み取られ、読み取られた原稿は原稿排紙手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
なお、両面画像記録モードにおいて、片面が読み取られた原稿は原稿反転手段111に挟持された後、当該原稿反転手段111の逆方向回転で反転搬送されて再び画像読み取り位置に導かれ、最終的に原稿排紙台109上に排出される。150は操作表示部で、記録開始釦、画像形成枚数設定用のテンキーの他に、画像形成モード、濃度調整あるいは倍率変更等の選択に使用される液晶表示選択手段等が備えられている。
画像読み取り部2は、スリット201、第1ミラーユニット205、第2ミラーユニット207、結像レンズ209、および、結像レンズ209により結像された光像を光電変換して画像情報を得るライン状の撮像素子(以下、CCDという)211を有している。画像情報は、適宜の画像処理を施された後、一旦、後記する制御手段S内のメモリに蓄積される。画像読み取り部2によって読み取られた各色の画像情報は、メモリより順次取り出され、色毎の露光光学系にそれぞれ電気信号として入力される。
画像形成部3は色分解画像に応じたトナー像を形成するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の4組の画像形成手段30(30Y、30M、30C、30BK:以下、画像形成ユニットという)を有する。各々の画像形成ユニット30は、像担持体としての感光体ドラム310、帯電器320、画像書き込み手段である露光光学系330、現像装置340、転写手段350、クリーニング部材360等からなる。図においては、イエローの画像形成ユニットを構成する部材にのみ参照符号を付し、他の画像形成ユニットについては基本的に同じ構成を有していることから、参照符号を省略してある。
現像装置340は、現像剤担持体を有し、また、磁性キャリアと、現像装置毎に異なった色の非磁性トナー(以下、単にトナーという)とを含む現像剤を収納している。クリーニング部材360は転写後の感光体ドラム310上に残留するトナーを除去し、除去されたトナーは廃トナーボックスDTまで搬送され、収納される。上述の画像形成ユニット30は、中間転写ベルト401の一平面Aの進行方向に沿って、上から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の順に配列されている。
中間転写体あるいは第2の像担持体としての中間転写ベルト401、中間転写ベルト401を懸架する支持ローラ405、406、407、および、バックアップローラ410等がベルトユニット4を構成する。409はクリーニング手段としてのブレード(中間転写体側ブレード)で、中間転写ベルト401の回転方向に対してカウンタ方向に設けられ、適宜の接触圧力で中間転写ベルトの表面に押圧されている。
8は中間転写ベルト401上に担持されるようになったトナー像を転写材に転写させる転写機構部を示す。図示のように、転写機構8はローラからなる複数の支持手段(以下、支持ローラということがある)813、815およびローラからなる押圧手段810(以下、押圧ローラということがある)と、それら手段に懸架された転写ベルト800を有する。押圧手段810は転写ベルト800の支持手段として機能するとともに、対向するバックアップローラ410と協働して、転写ベルトの周長の一部を中間転写ベルト401に圧接させている。基本的には、中間転写ベルト上のトナー像を転写材上に転写させる転写手段は、転写ベルト800と押圧手段810を主要素として構成されているといえる。
前述の押圧手段810には所定極性(トナーの帯電極性と逆極性)の電圧を出力するバイアス電源(不図示)が接続されており、制御手段S(後記)を介して通電制御されるようになっている。830は転写後の転写材を下流の定着装置9に送り込むための搬送ローラである。本願発明に係わる定着装置9の構成の詳細な説明は後記するが、定着ローラ対等から構成される定着手段を挟んで、転写材搬送方向上流位置にガイド部材Gを有し、また、下流に定着済み転写材の排出ローラ990を有している。1つの態様として、定着手段90は、未定着トナー像を有する側の転写材と接触する第1定着ローラと、当該第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラとを含む。
また、第1定着ローラは、定着処理を可能とする加熱源からの熱膨張し易い構成としてあり、それに比して、第2定着ローラは殆ど熱膨張しない、あるいは、熱膨張が本願発明の所期目的に照らして制御上の因子としては無視できるほど小さい構成としてある。例えば、第1定着ローラは、外径90mmで、金属ローラ上に厚さ20mmのシリコンゴム層(硬度5°:JISA)を設けるとともに、フッ素(PTFE)コーティングした表層を有するソフトローラ構成とすることができる。また、第2定着ローラは、外径80mmで、金属ローラ上に厚さ1mmのシリコンゴム層(硬度30°:JISA)を設けるとともに、厚さ30μmのフッ素系(PFA)チューブからなる表層を有するハードローラ構成とすることができる。第1定着ローラと第2定着ローラとの圧着により、転写材を加熱、加圧するためのニップ部が形成され、また、ニップ位置が特定される。
また、定着手段の他の態様として、前述した第1定着ローラと、第1定着ローラと間隔をもって配置された加熱ローラとにより定着ベルトを懸架させるとともに、転写ベルトを介して(挟んで)第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラとを含む。熱膨張に係わる第1定着ローラと第2定着ローラの特性および構成は第1の態様と同じである。また、定着ベルトは、厚さ70μmのポリイミド基体上に厚さ200μmのシリコンゴム層(硬度15°:JISA)と、表層として厚さ30μmのフッ素系(PFA)チューブを設けることにより構成することができる。第1定着ローラと、定着ベルトを挟んでの第2定着ローラとの圧着により、転写材を加熱、加圧するためのニップ部が形成され、また、ニップ位置が特定される。図に示す定着手段は、前述した後者の態様を有する。
なお、定着装置9としては、第1定着ローラあるいは定着ベルトを加熱する加熱源、加熱源により加熱される被加熱部材(第1定着ローラ、転写ベルト)の表面温度を検知する表面温度検知手段(図2の903参照)を含む。また、第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて前述のガイド部材Gの位置を自動的に変え、ニップ位置に対する転写材の最適な進入状態を常に作りうるように構成してある。なお、被加熱部材(第1定着ローラ、定着ベルト)に対する目標設定温度は160〜200℃、第2定着ローラの表面温度は80〜120℃の範囲となるように構成したが、ローラ構成を含め、各種条件は仕様に基づいて適宜決定することができる。「目標設定温度」とは、加熱源に電力供給して定着ベルトまたは第1定着ローラの表面温度を定着処理可能な温度に維持制御するときの定着処理可能な温度を指す。
P1、P2、P3は、転写材(以下、用紙という)Pを収納する用紙トレイを示す。送り出し部には給紙ローラ503、513、523と、分離ローラ506、516、526、および、搬送ローラR1、R2、R3が備えられている。これらのローラにより繰り出された用紙Pは搬送ローラR5からR7が配設されている用紙搬送経路に沿って搬送される。59はレジストローラで、二次転写領域560に近接した位置に設けられている。
600は排紙ローラ、650は排紙トレイを示す。
6は反転排紙・再給紙部で、定着処理後の用紙Pを反転して機外に排紙させたり、装置が両面画像記録モードであるとき、第1面に画像形成され、定着処理された後の用紙Pを搬送ローラ610、620等を介してレジストローラ59に再給紙させる部署である。具体的には、両面記録モードにおいて、搬送ローラ610等は、用紙Pの後端がADU7を構成する搬送ローラ700に挟持された状態で回転停止されるように制御される。その後、搬送ローラ700が逆回転制御されると、用紙Pは後端を先頭にして、搬送ローラ710が設けられているUターン経路部に送り込まれ、続いて下流位置に設けられた搬送ローラ720および730により搬送されてレジストローラ59に導かれる。
以後は、用紙の第1面における画像形成と同様のプロセスに従って処理され、第2面に対する定着処理が終了すると、用紙Pは第2面を上側にして、または、第2面を下側にして排紙トレイ650に排紙される。用紙Pの第2面を下側にして排紙するときには、両面画像記録モード時と同様に、搬送路切替手段601によって用紙Pを下方に導き、次に搬送路切替手段601の左辺に沿って用紙を左上方に送り出し、排紙ローラ600により排紙トレイ650上に排紙する。これら制御は後述する制御手段Sにより行われる。
Sはコンピュータを含む制御手段(制御部ともいう)で、機械作動のプログラムを内蔵し、一連の画像形成プロセスに係わる制御、給紙制御、定着手段のニップ位置変位に伴うガイド部材位置変更制御等、全ての制御を行う。換言すれば、制御手段Sは、演算制御処理を行うCPUと、各種動作プログラムを記憶しているROM、演算結果データを記憶するRAM等を有する。そして、インターフェースを介して各種センサの出力を前記CPUに取り込むとともに表示手段、駆動手段等を駆動制御する。
ここで、上述の構成を有する画像形成装置の動作を簡単に述べる。画像形成装置Hの電源がオンされ、定着手段を構成する被加熱部材(第1定着ローラ等)の表面温度が目標設定温度(定着処理可能な温度)に達すると、操作表示部150に画像記録が可能なる旨の表示がなされる。ユーザが操作表示板150上の記録開始釦を押すことにより画像記録動作が開始され、反時計方向に回転する感光体ドラム310の表面は帯電器320により所定の極性に帯電される。次いで、露光光学系330による第1の色信号、即ち、イエロー(Y)の画像信号に対応する露光が施され、当該イエロー(Y)の画像に対応する潜像が感光体ドラム310上に形成される。潜像は、現像バイアス電圧が印加されている現像装置340により反転現像されてイエロー(Y)のトナー像に変換された後、転写手段350の作用によって中間転写ベルト401上に転写される。第1の色信号による画像形成開始から所定の時間後に順次開始される他の色信号による画像形成は、上記と同様のプロセスにより、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の各画像形成ユニット30によってなされる。
それぞれの画像形成ユニットで形成された感光体ドラム310上の各トナー像は、イエロー(Y)のトナー像のある画像領域と重畳するように順次転写され、中間転写ベルト401上に重ね合わせのカラートナー像が形成される。一方、画像形成プロセスに応じて給紙ローラ503(513、523)により給紙された用紙Pは、レジストローラ59に先端が当接されて停止している。そして、用紙Pは、レジストローラ59の回転再開により、中間転写ベルト401上のカラートナー像領域と重畳するタイミングで再給紙される。
次いで、用紙Pは二次転写領域においてバックアップローラ410と押圧手段810とにより中間転写ベルト401および転写ベルト800とともに押圧され、この間に、中間転写ベルト401上のカラートナー像が用紙P上に転写される。転写処理を受けた用紙Pは中間転写ベルト401から分離された後、搬送ローラ830に挟持され、定着装置9に送り込まれて加熱・加圧処理され、しかる後、選択されたフェイスアップ、またはフェイスダウンの形態で排紙ローラ600により排紙トレイ650上に排出される。斯様な動作が、原稿に従った所定枚数の画像記録終了まで繰り返される。
上述のような一連の画像記録(画像形成)動作において、定着ベルトの目標設定温度時の第1定着ローラの状態に比して、熱膨張が安定する迄には時間が掛かり、第2定着ローラとにより形成される第1定着ローラのニップ部の断面形状が変化する。換言すれば、ニップ部のニップ位置が変位(例えば、固定位置に維持される第1定着ローラに対してバネ付勢されている第2定着ローラ側に変位)する。斯様なニップ位置の変位量が制御手段Sを介して検出されると、制御手段Sは、例えば、所定量だけガイド部材Gの位置を変える。例えば、ガイド部材Gを第1定着ローラと第2定着ローラとの軸間方向における第2定着ローラの軸方向に所定量だけ平行移動させ、用紙Pのニップ位置に対する進入角度を最適な状態に保つ。このように簡単な構成あるいは制御により、高速定着処理を可能とし、また、紙シワの発生や、不良画像の発生を極力抑制することができる。
次に図2、3を用いて熱膨張に伴うニップ部の断面形状の変化とニップ位置の位置変化について簡単に説明する。図2は、図1における定着手段の一部を拡大して示す図で、特にニップ位置の変位により発生する不具合を具体的に説明するための説明用の図であるが、その構成は本願発明に係わる実施の一態様でもある。図3は、図2におけるニップ部を拡大して示す説明用の図である。なお、説明においては、図1に係わる説明を念頭において行うこととする。図において、901は第1定着ローラであり、902は第2定着ローラを示す。905は加熱ローラで、第1定着ローラ901と適宜の間隔をもって配置されており、更に、第1定着ローラと協働して定着ベルト907を懸架している。加熱ローラ905には加熱源906が位置固定の形態で内蔵されており、加熱源906からの熱エネルギーは加熱ローラ905に供給され、更に、定着ベルト907を介して、第1定着ローラ901と第2定着ローラ902のニップ部Nに伝搬される。換言すれば、第1、第2定着ローラ901,902は定着ベルト907を挟んで圧着可能に構成されており、圧着時の両ローラによる加圧と定着ベルト907を介しての加熱により用紙P上のトナー像を定着処理することができる。上記から明らかなように、第1定着ローラ901、第2定着ローラ902、加熱ローラ905、加熱源906、定着ベルト907が定着手段90を構成する主要素となっている。903は定着ベルト907表面の温度を検知する表面温度検知手段である。
図1に係わる説明ならびに上述の如くに、第1定着ローラ901はゴム層の厚いソフトローラとして構成されている。そして、加熱源906に電力供給がされると、回転状態にある加熱ローラ905、定着ベルト907を介して第1定着ローラ901は加熱され、熱膨張により外径が大径化する。しかしながら、第2定着ローラ902は殆ど熱膨張しないハードローラ構成としてあるため、第2定着ローラ902の周面一部と定着ベルト907を介して圧着し、ニップ部Nを形成する第1定着ローラ901の周面部位は、ニップ幅を広げる方向に断面形状が変化する。換言すれば、第2定着ローラ902の熱膨張が極めて僅かであるので、ニップ部における第1定着ローラ901の周面は第2定着ローラ902の周面に沿って変化し、ニップ位置、換言すれば、転写材が最適な状態で進入するためのニップの入口位置が変位する。加えて、ニップの入口位置手前にできる曲率の小さな膨らみ(901R:図3参照)がニップ入口を塞ぐ形になるので、ガイド部材G(実線で示す)に案内されて送り込まれる用紙Pの進入を困難なものとする。図における実線は、定着ベルト907の表面が定着可能温度、即ち、目標設定温度に達したときの第1定着ローラの外径を示し、破線は熱膨張が安定した状態になったときの外径を示す。
一方、第2定着ローラ902に係わる実線と破線は、第1定着ローラ901に係わる実線と破線に対応した位置を示し、第1定着ローラ901の熱膨張に応じて変化する外径により押下され、実線位置から破線位置に位置移動される。これは、実質的に第1定着ローラ901の周面部位と第2定着ローラ902の周面部位とで形成されるニップ部のニップ位置が下方に変位したことを示す。即ち、第2定着ローラ902は、第1定着ローラ901の軸と第2定着ローラ902との軸を結んでできる軸間方向(軸間距離方向)線上で移動される。この場合、第1定着ローラ901の径が大きいと、例えば、第2定着ローラ902の軸移動量が1mm程度(ニップ位置の移動量と同義)であっても、ニップ入口位置は図の横方向に広がって上流数mmの位置に変位する。このため、定着ベルト907の表面温度が目標設定温度に達した時を基準として位置設定(角度設定)されていたガイド部材G(実線)にガイドされて送り込まれる用紙Pはニップ入口位置に達する前に定着ベルト907に接触し、結果として画像ズレを引き起こす。また、紙シワの発生を抑制するために、通常はニップ入口位置よりもやや上流の定着ベルト907上に先端が当接するように用紙を進入させる(送り込む)ことが望ましい。しかしながら、上述のように、ニップ位置の移動が大きい場合、用紙の進入位置が狙いの位置からズレるため紙シワの発生を抑制することは難しい。
上記において、「ニップ」、「ニップ部」あるいは「ニップ幅」とは、第1定着ローラと第2定着ローラとが定着ベルトを挟んで圧着された状態において、第2定着ローラと定着ベルトとが用紙搬送方向において圧接している領域を指す。また、「ニップの入口位置」あるいは「ニップ位置」とは、用紙が進入する側の前記の圧接領域端部を含む近傍領域を指す。
本願発明は、上述の如くに、弾性層が厚いローラを定着ローラ対の一方に備える構成の定着装置において、熱膨張に伴うニップ幅拡大方向、および、一対のローラの軸間方向におけるニップ位置の移動(変位)に伴い発生する用紙制御上の問題を解決課題とする。
また、対応策は、ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材Gの位置を変えることであり、図において、実線で示す基準位置(第1位置)と、第1定着ローラの熱膨張が安定した状態となったときの破線で示す第2位置間で変えることである。但し、第1位置から第2位置迄の間では制御する必要のない構成も考えられ、その場合には、両位置のみをガイド部材Gの設定位置とすればよい。
なお、ガイド部材Gは、前述のように、定着ベルト907の表面温度が目標設定温度に達したときにおける第1定着ローラの熱膨張によるニップ位置変化を考慮した基準位置(第1位置)に設定されている。最初から第2位置に配置すると、定着ベルト表面が目標設定温度に達した定着処理可能状態において、第1、第2定着ローラの軸間距離が熱膨張安定時に比べて小さく、用紙の進入位置が第2定着ローラ側に寄り過ぎて紙シワを発生させるからである。
次に、ニップ位置の変位に応じてガイド部材Gの位置を変える構成について、図4〜図7を基に説明する。図4は第1実施形態、図5は第2実施形態、図6は第3実施形態、図7は第4実施形態を示す。全ての実施形態において、定着手段の構成は図2に示した構成と同じであるので同一の符号を付してあり、以下の説明は図1から図3における説明を適宜に利用しながら行うこととする。なお、定着装置を構成する1要素である表面温度検知手段については図では省略してある。共通する定着手段の各部材の構成等について整理すると次の通りである。また、全実施の形態を通して、第1定着ローラは装置固定部に対して位置固定であり、第2定着ローラはバネ(不図示)を介して第1定着ローラ側に付勢されている態様にある。
加熱ローラ905 :外径Φ90mm、金属基体上にPTFEコーティング
(内蔵ヒータ:1200W×2,750W×2)
第1定着ローラ901:外径Φ90mm、金属基体上に厚さ20mmのシリコンゴム
(硬度5°、JISA)、表層PTFEコーティング
第2定着ローラ902:外径Φ80mm、金属基体上に厚さ1mmのシリコンゴム
(硬度30°、JISA)、表層30μm厚のPFAチューブ
定着ベルト907 :外径Φ168mm、70μm厚のポリイミド基体上に、
厚さ200μmのシリコンゴム(硬度15°、JISA)、
表層30μm厚のPFAチューブ
定着加重 :2000N
定着ベルト張力:250N
定着ベルト制御温度(目標設定温度):160〜200℃
第2定着ローラ制御温度 :80〜120℃
用紙搬送速度 :500mm/秒
図4に示す第1実施形態において、ガイド部材Gは、第2定着ローラ902の軸中心で回動でき、また、第2定着ローラ902とは関係なく独立して回動できるように設けた支持アーム910に固定支持されている。換言すれば、支持アーム910は、第2定着ローラ902の軸に嵌め込んだ専用のベアリングを介して当該第2定着ローラの回転とは独立して回動可能であり、また、第2定着ローラ902の図における上下方向の移動時には第2定着ローラと一体的に位置移動する。換言すれば、第1定着ローラ901の熱膨張により第2定着ローラ902が降下されると、前記支持アーム910も同量分降下する。上記の構成を有する支持アーム910は実質的に軸間距離検知手段として機能する。
ガイド部材Gの基準位置(第1位置)は、例えば、剛体とみなしうる第2定着ローラ902の周面上のニップ入口側端(点)を通る接線上に設けられる。支持アーム910は、一端が装置の固定部に固定されたバネ912の他端と適宜の箇所において繋がれ、図において時計方向に回動するように付勢されている。また、支持アーム910の下方には当該支持アーム910の回動を規制する偏芯カム915が設けられており、バネ912の付勢力を介して両者は常に接触状態を保たれている。920は偏芯カム915を駆動する駆動源で、例えば、ステッピングモータからなる。922は外径検知手段としてのレーザ変位計であり、定着ベルト907を介して、第1定着ローラ901の熱膨張による半径方向の外径変化を検知する。レーザ変位計922による検知情報は制御手段Sに取り込まれ、当該制御手段Sはメモリに記憶してあるテーブルからの選択または演算により、前述の駆動源915を駆動制御してガイド部材Gの位置を変更する。
ここで、制御手段Sによる演算について簡単に述べる。図8は、実験により求めた第1定着ローラ901の熱膨張量と、定着ベルト907を介しての、第2定着ローラ902とのニップ幅の関係を示す図であり、当該図に示す関係より、熱膨張による伴うニップ幅の増加量が推定できる。図8において、横軸は第1定着ローラの半径方向熱膨張量(mm)を示し、縦軸はニップ幅(mm)を示す。第2定着ローラは殆ど剛体とみなしうることができるので、第2ローラの周長とニップ幅増加量の関係から、制御手段Sは、第2定着ローラ902の周面に沿って移動するニップの入口位置の変位量を演算により求めることができる。また、その変位したニップ入口位置に向けて用紙を進入させるために必要なガイド部材Gの位置移動量(移動角度)を演算により求めることができる。上記の演算結果を基に、制御手段Sはドライブ回路を介して駆動源920を駆動制御し、偏芯カム915を、例えば、時計方向に所定量回動させる。すると、偏芯カム915の回動に追随して、支持アーム910がバネ912の作用の基に時計方向に回動し、ガイド部材Gの位置が変えられる。例えば、ガイド部材は、第1位置から第2位置に位置移動される。なお、本実施の態様において、第1定着ローラ901が熱膨張により大径化し、不図示のバネの付勢力に抗した力が第2定着ローラ902に加えられると、第2定着ローラ902は前述の軸間方向線上(図の下方側)に移動される。そして、画像形成に係わる全ての処理が終了し、操作表示部150における画像形成装置のメインスイッチが落とされると、制御手段Sを介して駆動源920が駆動制御される。それに伴って、偏芯カム915がバネ912の付勢力に抗した形で所定方向に回動され、支持アーム910介してのガイド部材Gが基準位置(第1位置)に到達すると、駆動源920への供給電力が経たれる。なお、ガイド部材Gを第1位置および第2位置に位置設定すべく制御する方法としては、それぞれの位置に適宜のセンサを配置し、当該センサの検知情報を基に、制御手段Sを介して駆動源の駆動制御を行わせる等、公知の方法を用いることができる。
なお、前述のレーザ変位計に代えて、定着ベルト表面に当接して検知レバーを設けるとともにフォトカプラを準備することができる。具体的には、第1定着ローラの熱膨張を介して、定着ベルトとともに検知レバーを変位させる。そして、検知レバーがフォトカプラを遮蔽する遮蔽量の情報を用いて制御手段Sによる演算を行わせ、ニップ入口位置等を求めて前述のプロセスを介してガイド部材Gの位置を変える制御を行ってもよい。
次に、図5に示す第2実施形態について説明する。図4に示す第1実施形態と異なる点は、第2定着ローラ902の周面と同じ曲率のガイドレール931を有する保持板930を装置の静止部(固定部)に対して上下方向に移動可能に設けた構成にある。ガイド部材Gは支持アーム910と一体化され、当該支持アーム910は第2定着ローラ902の軸中心で回動するように、第1実施の形態と同様に第2定着ローラに軸支されている。また、支持アーム上910にはピン933が設けられ、当該ピン933はガイドレール931に嵌め込まれている。935、936はソレノイド等からなる適宜のアクチュエータであり、それぞれ、保持板930の上下方向における位置規制と、それに伴ってガイド部材Gの位置規制を行う。熱膨張の検知は、レーザ変位計922を第1定着ローラ901の半径方向に当てることで検知する。熱膨張に伴うニップ入口の第2定着ローラ902の周面方向に対する位置の検知は第1実施の形態において示した方法で行い、ガイド部材Gの位置(角度)移動は、アクチュエータ936を動作させてピン933をガイドレール931に沿って移動させることにより行う。また、熱膨張によるニップ入口の軸間方向への移動量の検出は、第1定着ローラ901の半径方向熱膨張量をレーザ変位計922により検出し、検知した情報を基に制御手段Sが演算する。図9は実験により求めた第1定着ローラの熱膨張量と、定着ベルト907を介しての、圧着時における第2定着ローラ902との軸間距離を示し、当該図に示す関係より、熱膨張に伴い拡大する軸間距離の大きさが推定できる。即ち、第2定着ローラ902の周面方向へのニップ入口位置の移動量を制御手段Sにより演算してアクチュエータ936を作動制御し、ガイド部材Gの角度を(位置)を変更させる。同様に、熱膨張による軸間方向におけるニップ位置の移動を制御手段Sにより演算させ、アクチュエータ935を作動制御し、保持板930の下降を介して、ガイド部材Gを基準位置から第2位置に位置移動させる。このことにより、ニップ位置とガイド部材Gとの関係を所望の関係に置くことができ、ニップ位置に向けて送り込まれる用紙の安定性を確保するとともに、紙シワ等の不具合を極力抑制することができる。上記から、制御手段Sは軸間距離検知手段としての機能を有する。
次に、図6に示す第3実施形態について説明する。本実施の形態は、ガイド部材Gの位置移動を行わせる機械的構成としてリンク機構を用いる点に特徴を有する。図において、支持アーム910は第2定着ローラ902の軸と同軸上に設けたベアリングを介して軸支されており、また、所定位置においてガイド部材Gと一体的に結合されている。支持アーム910の自由端側にはピンが設けられ、当該ピン940は、レバー944に穿たれた長孔946に滑り移動可能に嵌めこまれている。レバー944は、装置の固定部に対して一端が支点942を中心に回動可能に支持されており、また、外形一部は、第1定着ローラ901のボス部946の部位949に常に当接して当該第2定着ローラ902との相対位置が変わらないようにバネ948で付勢されている。斯様な構成であるので、第1定着ローラ901の熱膨張により、剛体と見なせる第2定着ローラ902が軸間方向下方に押下させられると、それに追随してレバー944が時計方向に回転する。すると、長孔946中のピン940の滑り移動を介して支持アーム910が時計方向に回動され、結果、ガイド部材Gはレバー比の分だけ第2定着ローラから遠ざかりながら、基準位置から第2位置に変えられる。このように、第3実施形態においては、レバー944と、長孔946に嵌合したピン940を介しての支持アーム910等から構成されるリンク機構により、第2定着ローラの周面方向所望の位置にガイド部材を移動可能としている。また、第2定着ローラ902の同軸中心で回動する支持アーム910は、軸間方向におけるニップ変位検知手段(軸間距離検知手段と同義)として、更に、ガイド部材Gの軸間方向移動手段として機能しており、簡単な構成でニップ位置変動に対するガイド部材Gの位置変動を行うことができる。レバー944上であって、回動支点942から部位949までの距離(寸法)と、部位949から支持アームのピンの位置までの距離により、レバー降下時におけるガイド部材G横方向位置移動量が決められるが、このレバー比は適宜に決定することができ、ニップ位置とニップ形状が変動してもニップ入口とガイド部材の位置を所望の関係に維持することができる。
次に、図7に示す第4実施形態について説明する。支持アーム910は、第2定着ローラ902の軸と同軸中心で回動しうるように構成されており、かつ、第2定着ローラ902とは独立して回動、停止が可能である。換言すれば、第1定着ローラ901の熱膨張に伴うニップ入口の軸間方向への移動については支持アーム910を介してガイド部材Gを第2定着ローラ軸902の軸中心で固定的に支持することのみで、軸間距離の検出とガイド部材Gの軸間方向への移動を達成することができる態様にある。換言すれば、支持アームは軸間距離検知手段として機能する。本実施形態は、第1定着ローラ901の熱膨張によるニップ幅の増加が余り大きくない場合には用紙の理想的な進入角度の変動が小さく、紙シワや画像ズレが発生しない範囲に、用紙の進入角度の変動が収まるような場合に好適である。
なお、以上の実施の形態において、定着手段は定着ベルトを用いる構成としたが、定着ベルトを用いずに、第1定着ローラと第2定着ローラとの直接接触によりニップを構成する態様としてもよく、同様の効果を享受することができる。
1 自動原稿送り装置1
2 画像読み取り部2
3 画像形成部3
4 ベルトユニット
5 給紙部5
9 定着装置9
901 第1定着ローラ
902 第2定着ローラ
903 表面温度検知手段
905 加熱ローラ
906 加熱源
907 定着ベルト
910 支持アーム
912 バネ
915 偏芯カム
920 駆動源
930 保持板
931 ガイドレール
933 ピン
935、936 アクチュエータ
940 ピン
942 支点
944 レバー
946 長孔
947 ボス部
948 バネ
G ガイド部材
S 制御手段

Claims (9)

  1. 加熱源と、
    前記加熱源から熱が供給される第1定着ローラと、
    前記第1定着ローラの表面温度を検知する表面温度検知手段と、
    前記第1定着ローラと圧着しながら回転する第2定着ローラと、
    前記第1定着ローラと第2定着ローラとで形成されるニップ部の上流に設けられるとともに、前記ニップ部のニップ位置に合わせて配置されたガイド部材と、
    制御手段と、
    を含み、
    前記制御手段は、前記第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材の位置を変える、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 第1定着ローラと、
    加熱源と、
    前記第1定着ローラと間隔をもって配置され、前記加熱源から熱が供給される加熱ローラと、
    前記第1定着ローラと前記加熱ローラとに懸架される定着ベルトと、
    前記加熱ローラの周面上における前記定着ベルトの表面温度を検知する表面温度検知手段と、
    前記第1定着ローラと前記定着ベルトを挟んで圧着しながら回転する第2定着ローラと、
    前記第1定着ローラと第2定着ローラとで形成されるニップ部の上流に設けられるとともに、前記ニップ部のニップ位置に合わせて配置されたガイド部材と、
    制御手段と、
    を含み、
    前記制御手段は、前記第1定着ローラの熱膨張に基因する前記ニップ部のニップ位置の変位に応じて、前記ガイド部材の位置を変える、
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記加熱源から熱が供給される被加熱部材の表面温度が目標設定温度に到達したときの位置を基準位置とし、
    前記制御手段は、前記基準位置から熱膨張が安定した状態におけるまでの前記ニップ部のニップ位置の変位に合わせて前記ガイド部材の位置を変える、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着装置は、前記第1定着ローラの外径を検知する外径検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記外径検知手段の検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記定着装置は、前記第1定着ローラと前記第2定着ローラとの軸間距離を検知する軸間距離検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記軸間距離検知手段の検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 前記定着装置は、前記第1定着ローラの外径を検知する外径検知手段と、
    前記第1定着ローラと前記第2定着ローラとの軸間距離を検知する軸間距離検知手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記外径検知手段と前記軸間距離検知手段からの検知情報に基づいて前記ニップ部のニップ位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の定着装置。
  7. 前記ガイド部材の位置移動方向は、前記第1定着ローラと第2定着ローラとの軸を結ぶ軸間距離方向である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  8. 前記ガイド部材の位置移動方向は、前記第2定着ローラの回転軸中心に回転する方向である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の定着装置と、
    電子写真方式によりトナー画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段で形成されたトナー画像を転写材上に転写する転写手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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