JP2012026161A - 構造物の仮受け構造及び仮受け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油圧ジャッキの撤去が可能でありながら、その後のレベル調整が可能で、地震の水平力に対しても抵抗できる、構造物の仮受け構造及び方法を提供する。
【解決手段】 仮受け対象の構造物1下方の地盤中に仮受け用の支持部材2を構築し、この支持部材2に対向する構造物1の下面に、凸部3を有する第1のプレート(アンカープレート)4を固定する。そして、支持部材2側に、前記凸部3を水平方向に拘束する凹部5を有する第2のプレート(下くさび)6A、6Bを固定する。そして、支持部材2側のブラケット7と構造物1との間に油圧ジャッキ8を設置して伸長させることにより構造物1の荷重を一時的に仮受けした後、第1のプレート4と第2のプレート6A、6Bとの間にくさび部材(上くさび)9A、9Bを打ち込んで、油圧ジャッキ8を撤去する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、土木・建築工事において建物を含む構造物のレベル調整、免震レトロフィットなどのために構造物の荷重を仮受けする構造物の仮受け構造及び仮受け方法に関する。
例えば特許文献1では、地盤中に打設された既存杭と、該既存杭により支持された基礎構造物と、該基礎構造物上に支持された構造物本体からなる構造物であって、前記既存杭が損壊した状態の構造物を修復する際に、前記構造物本体の下方の地盤に支持杭を打設構築し、前記地盤を掘削して、前記基礎構造物の下方に掘削空間を形成する形で、該基礎構造物を露出させると共に、前記基礎構造物を、所定の仮受け支持手段(油圧ジャッキ)を介して、前記支持杭に仮受け支持させ、その状態で前記構造物に対する修復作業を行うようにしている。
このように、従来の構造物の仮受け(アンダーピーニング)は、仮受け用の支持杭と構造物との間に油圧ジャッキを設置し、油圧を働かせることで、構造物に不要な沈下をさせることなく、その荷重を支持杭に移行している。この際、ロック機構付きの専用油圧ジャッキを使用する。
特開平09−144049号公報
しかしながら、従来技術では、仮受け期間中は油圧ジャッキを設置したままとなり、設置期間中、油圧ジャッキの使用によるコストが発生し、しかも仮受け箇所の数、油圧ジャッキが必要であることから、そのコストは膨大なものとなる。また、長期間使用するため安全性の観点からロック機構付きの高価な仮受け専用ジャッキが必要である。
また、油圧ジャッキで一時的に仮受けした後、その状態で構造物と支持杭との間を固定して、油圧ジャッキを撤去することも考えられるが、このようにすると、その後のレベル調整などができなくなる。
また、仮受け期間中に地震の水平力に対しても抵抗できるシステムにすることも求められている。
本発明は、このような実状に鑑み、油圧ジャッキの撤去が可能でありながら、その後のレベル調整が可能で、仮受け期間中の地震の水平力に対しても抵抗できる、構造物の仮受け構造、及び、仮受け方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る構造物の仮受け構造は、構造物下方の地盤中に構築された仮受け用の支持部材と、前記構造物と前記支持部材との対向面のうちいずれか一方の対向面に固定され、凸部を有する第1のプレートと、他方の対向面に固定され、前記凸部を水平方向に拘束する凹部を有する第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に打ち込まれるくさび部材と、を含んで構成される。
ここで、前記支持部材は、前記構造物の荷重を一時的に仮受けする油圧ジャッキを設置可能なジャッキ設置部を有し、前記くさび部材は、前記ジャッキ設置部に設置された前記油圧ジャッキの伸長状態にて打ち込まれる。
また、本発明に係る構造物の仮受け方法は、構造物下方の地盤中に仮受け用の支持部材を構築し、前記構造物と前記支持部材との対向面のうちいずれか一方の対向面に凸部を有する第1のプレートを固定し、他方の対向面に前記凸部を水平方向に拘束する凹部を有する第2のプレートを固定する。そして、前記支持部材と前記構造物との間に油圧ジャッキを設置して伸長させることにより構造物の荷重を一時的に仮受けした後、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間にくさび部材を打ち込んで、前記油圧ジャッキを撤去する。
本発明によれば、くさび部材の打ち込みが終われば油圧ジャッキは撤去できるので、仮受け用専用ジャッキを設置したままにする場合に比べ、低コストとなる。特に、仮受け箇所が多数ある場合や、仮受け期間が長い場合に有利である。また、油圧ジャッキの使用は一時的であり、仮受け専用の特殊なジャッキではなく、一般のものでよい。また、仮受け期間中は、油圧ジャッキで荷重を負担する必要がないので、ジャッキの破損、不具合による沈下の心配がない。
その一方、くさび部材を用いて仮受けすることで、構造物を上昇させる方向には固定されていないので、くさび部材の打ち込みにより、いつでもレベル調整が可能である。
また、凸部(せん断キー)と凹部(拘束部材)との嵌め合いにより、地震時の水平力に対して抵抗でき、仮受け中も構造物の耐震性を保つことができる。
本発明の一実施形態を示す仮受け方法(ステップ1)の説明図 仮受け方法(ステップ2)の説明図 仮受け方法(ステップ3)の説明図 仮受け方法(ステップ4)の説明図 仮受け方法(ステップ5)の説明図 仮受け方法(ステップ6)の説明図 仮受け方法(ステップ7)の説明図 仮受け構造の斜視分解図 本発明の他の実施形態を示す仮受け構造の説明図 仮受け工事の具体的適用例(ステップ1)の説明図 仮受け工事の具体的適用例(ステップ2)の説明図 仮受け工事の具体的適用例(ステップ3)の説明図 仮受け工事の具体的適用例(ステップ4)の説明図 受け替えのイメージ図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1〜図7は本発明の一実施形態を示す仮受け方法の説明図であり、それぞれステップ1〜7を示している。また、図8は仮受け構造の斜視分解図である。
図1〜図7中に示される構造物1は、仮受け対象の既存の構造物、又は仮受け対象の既存の構造物に連接して形成した支持用の構造物であり、図示しない既存の支持部材(既存杭)により直接的又は間接的に支持されている。
上記構造物1の仮受けのため、図1〜図7中に示されているように、構造物1下方の地盤中に仮受け用の支持部材2が予め構築される。ここでは、図8に示されているように、仮受け用の支持部材2はH形鋼により構成され、その上端にトッププレート2aが溶接固定されている。
上記構造物1の荷重を上記支持部材2に仮受けする方法について、図1〜図7の各ステップごとに説明する。
図1のステップ1では、支持部材2のトッププレート2a上方の、仮受け対象の構造物1の下面に、下向きの凸部3を有する第1のプレート(アンカープレート)4を図示しないボルトにより固定する。この第1のプレート4は、略矩形の鉄板の中央に凸部3として円柱状の鉄材を溶接固定したもので、この凸部3はせん断キーとして機能する。尚、凸部3は断面円形であるとよいが、角形等であってもよい。
図2のステップ2では、支持部材2のトッププレート2aの上面に、前記凸部3を水平方向に拘束する凹部5を有する第2のプレート(下くさび)6A、6Bを溶接により固定する。
この第2のプレート6A、6Bは、図8に示されているように、前記凸部3を水平方向から挟み込むように、凹部5を通る分割線で2つに分割されており、したがって、各分割体には、合わせ面側に前記凹部5を形成するための切欠きが形成されている。尚、凸部3の径に比べ、凹部5の径をやや大きくして、凸部3と凹部5との嵌め合いに遊びを持たせる。
また、この第2のプレート6A、6Bは、図8に示されているように、合わせ面側(内側)が厚く、合わせ面と反対側(外側)が薄い形状をなしている。従って、この第2のプレート6A、6Bは、後述するくさび部材9A、9Bの打ち込み方向で見て、打ち込み方向入口側が薄く、打ち込み方向奥側が厚い、逆くさび形状をなしている。それゆえ、本実施形態では、この第2のプレート6A、6Bを「下くさび」といい、後述するくさび部材9A、9Bを「上くさび」という。
また、図2のステップ2では、支持部材2に油圧ジャッキ設置用のブラケット7を図示しないボルトにより固定する。このため、支持部材2には、油圧ジャッキを設置可能なジャッキ設置部として、少なくとも、ブラケット7をボルト固定するための取付孔を予め形成しておく。
このブラケット7は、図8に示されているように、支持部材2を構成するH形鋼の各フランジ部の内外にボルト固定した板材7a、7bの端部間にT形鋼をボルト固定して支持台7cを形成したもので、支持台7cは、2本ずつある板材7a、7bの両端部に設けられることで、計4個設けられる。従って、ブラケット7は、4個の油圧ジャッキを支持部材2から張り出して支持部材2を囲む位置(支持台7c上)に設置可能である。尚、図1〜図7と、図8とでは、ブラケット7の取付方向に対する第2のプレート(下くさび)6A、6Bの取付方向(後述するくさび部材9A、9Bの打ち込み方向)が異なるが、図8が正しく、図1〜図7では後述する油圧ジャッキ8とくさび部材9A、9Bとが重ならず良く見えるように90°ずらしてある。
図3のステップ3では、油圧ジャッキ設置用のブラケット7の各支持台7c上に、油圧ジャッキ8を設置し、そのヘッド部を構造物1の下面に対向させる。
図4のステップ4では、油圧ジャッキ8をジャッキアップし、これによりプレロードを導入する。
図5のステップ5では、第1のプレート(アンカープレート)4と第2のプレート(下くさび)6A、6Bとの間に、くさび部材(上くさび)9A、9Bを、ハンマー等を用いて、打ち込む。
くさび部材(上くさび)9A、9Bは、第2のプレート(下くさび)6A、6Bと同様、2つに分割されており、したがって、各分割体は、第1のプレート(アンカープレート)4と第2のプレート(下くさび)6A、6Bとの間に、外側から中心部に向けて打ち込まれ、当然に、先端側が薄く、基端側が厚く形成されている。
従って、下くさび6Aの上側に上くさび9Aを挿入し、また、下くさび6Bの上側に上くさび9Bを挿入し、両方の外側から中心部に向けて上くさび9A、9Bを打ち込む。
これにより、仮受け対象の構造物1の荷重を第1のプレート(アンカープレート)4、くさび部材(上くさび)9A、9B、第2のプレート(下くさび)6A、6Bを介して、仮受け用の支持部材2で受けることができ、この段階で油圧ジャッキ8の撤去が可能となる。
尚、上くさび9A、9Bや下くさび6A、6Bの厚さ調整により、上くさび9A、9Bの打ち込み量を規制して、上くさび9A、9Bの先端が凸部3に当接しないようにしておくが、上くさび9A、9Bの先端に凸部3を逃げるための切欠きを形成しておくようにしてもよい。
図6のステップ6では、油圧ジャッキ8をジャッキダウンして後、撤去する。これにより、他の仮受け箇所への油圧ジャッキ8の転用が可能となる。
図7のステップ7では、油圧ジャッキ設置用のブラケット7を撤去する。これにより、このブラケット7についても他の仮受け箇所への転用が可能となる。
従って、本実施形態での最終的な構造物の仮受け構造は、図7に示されるように、構造物1下方の地盤中に構築された仮受け用の支持部材2と、構造物1側の対向面に固定され、凸部3を有する第1のプレート(アンカープレート)4と、支持部材2側の対向面に固定され、前記凸部3を水平方向に拘束する凹部5を有する第2のプレート(下くさび)6A、6Bと、第1のプレート4と第2のプレート6A、6Bとの間に打ち込まれるくさび部材(上くさび)9A、9Bとを含んで構成される。
また、図示は省略するが、くさび部材(上くさび)9A、9Bを抜け止めする抜け止め部材を設けるとよい。この抜け止め部材は、支持部材2に溶接固定して、その一部をくさび部材(上くさび)9A、9Bの基端部に当接させればよい。
このような仮受け完了状態では、既存の支持部材(既存杭)の撤去が可能となる。
仮受け中に構造物の沈下等によりレベル調整が必要になった場合は、支持部材2に再び油圧ジャッキ設置用のブラケット7を取付けて、油圧ジャッキ8を設置し、ジャッキアップして、くさび部材(上くさび)9A、9Bを打ち増しすればよい。沈下量が大きい場合は、より厚い別のくさび部材に交換して打ち込むか、厚さ調整用のシムを介在させるなどすればよい。
本実施形態によれば、プレロードが終われば油圧ジャッキ8は撤去できるので、仮受け用専用ジャッキを設置したままにする場合に比べ、低コストとなる。特に、仮受け箇所が多数ある場合や、仮受け期間が長い場合に有利である。また、油圧ジャッキ8の使用は一時的であり、仮受け専用の特殊なジャッキではなく、一般のものでよい。また、仮受け期間中は、油圧ジャッキ8で荷重を負担する必要がないので、ジャッキの破損、不具合による沈下の心配がない。
その一方、くさび部材9A、9Bを用いて仮受けすることで、構造物1を上昇させる方向には固定されていないので、くさび部材9A、9Bの打ち込みにより、いつでもレベル調整が可能である。
また、凸部(せん断キー)3と凹部(拘束部)5との嵌め合いにより、地震時の水平力に対して抵抗でき、仮受け中も構造物1の耐震性を保つことができる。
また、本実施形態によれば、第2のプレート6A、6Bは、第1のプレート4側の凸部3を水平方向から挟み込むように、凹部5を通る分割線で複数に分割されていることにより、組み立てが容易で、水平方向の拘束も確実となる。但し、分割数は2つに限らず、それ以上としてもよい。
また、本実施形態によれば、くさび部材9A、9Bは、複数設けられ、第1のプレート4と第2のプレート6A、6Bとの間に外側から中心部に向けて打ち込まれることにより、均等に打ち込むことができる。それゆえ、その数は2つに限らず、それ以上としてもよい。
また、本実施形態によれば、くさび部材9A、9Bが打ち込まれる空間を形成する第1のプレート4及び第2のプレート6A、6Bのうちいずれか一方を、打ち込み方向入口側が薄く、打ち込み方向奥側が厚い、逆くさび形状としたことにより、くさび部材9A、9Bの打ち込みにより支持力を発生させる際に、支持力の発生方向が正しく仮受け方向になるようにすることができる。
また、本実施形態によれば、支持部材2は、構造物1の荷重を一時的に仮受けする油圧ジャッキ8を設置可能なジャッキ設置部(ジャッキ設置用ブラケット7、又はこのブラケット7をボルト固定するための取付孔)を有し、くさび部材9A、9Bは、前記ジャッキ設置部に設置された油圧ジャッキ8の伸長状態にて打ち込まれることにより、くさび部材9A、9Bの打ち込みが容易となり、打ち込み量の管理も容易となる。
また、本実施形態によれば、前記ジャッキ設置部は、複数の油圧ジャッキ8を支持部材2から張り出して支持部材2を囲む位置に設置可能であることにより、くさび部材9A、9Bの打ち込みの際に、その周囲の複数箇所で油圧ジャッキ8により支持しているので、安全に打ち込むことができる。
次に本発明の他の実施形態について図9により説明する。
図9は他の実施形態での最終的な仮受け構造を示している。
本実施形態での構造物1の仮受け構造は、構造物1下方の地盤中に構築された仮受け用の支持部材2と、支持部材2側の対向面に固定され、凸部11を有する第1のプレート12と、構造物1側の対向面に固定され、前記凸部11を水平方向に拘束する凹部13を有する第2のプレート14A、14Bと、第1のプレート12と第2のプレート14A、14Bとの間に打ち込まれるくさび部材9A、9Bとを含んで構成される。
すなわち、図1〜図8の実施形態では、構造物1側(上側)に凸部を有する第1のプレートを配置し、支持部材2側(下側)に凹部を有する第2のプレートを配置したのに対し、図9の実施形態では、支持部材1側(下側)に凸部を有する第1のプレートを配置し、構造物1側(上側)に凹部を有する第2のプレートを配置している。
ここで、第1のプレート12は、支持部材2のトッププレート2a上に溶接固定され、中央部に上向きに突出する凸部11を有している。そして、この第1のプレート12は、下くさびをなし、中央部が厚く、両端部が薄い、逆くさび状をなしている。
第2のプレート14A、14Bは、構造物1の下面に支持架台15を介して取付けられて、アンカープレートをなし、前記凹部13を通る分割線で2つに分割されている。
くさび部材(上くさび)9A、9Bは、第1のプレート(下くさび)12と第2のプレート(アンカープレート)14A、14Bとの間に打ち込まれる。
図9の実施形態は、図1〜図8の実施形態に対し、凸部を下側、凹部を上側にしただけであり、図1〜図8の実施形態と同様の効果が得られる。
次に本発明に係る構造物の仮受け構造及び仮受け方法の具体的適用例について、図10〜図13により説明する。ここでは、既存建物への地下躯体構築及び免震化工事のために仮受けを行うものとする。
図10は既存建物の仮受けのための杭打ちの工程を示している。
既存建物101は既存杭102により支持されている。この既存建物101の仮受け工事に先立って、土留壁103を施工した上で、仮受け支柱(仮受け杭)104を打ち込んだ本設杭105と、建物外周の土留杭106(一部は仮受け杭を兼ねる)を施工する。
図11は仮受けの工程を示している。
既存建物101の壁W直下に少しずつ開口を開け、壁Wの延設方向に沿って壁下梁107を構築する。また、壁下梁107から仮受け支柱104(又は土留杭106)まで延びる仮受け杭上部梁108を構築し、仮受け支柱104(又は土留め杭106)と仮受け杭上部梁108との間で仮受けを行う。
すなわち、図11の仮受け杭上部梁108を図1の構造物1,図11の仮受け支柱104を図1の支持部材2として、図1〜図7に示した態様で仮受けを行う。
ここで、壁下梁107及び仮受け杭上部梁108の形成方法について、図14により詳しく説明する。既存杭102を含む既存基礎に支持されている既存建物101の壁Wに開口をあけ、その開口に壁下梁107を打設し、開口を大きくしながら、打設を繰り返して、壁Wに沿って壁下梁107を構築する。そして、壁下梁107から仮受け支柱104上方まで延びる仮受け杭上部梁108を打設し、仮受け杭上部梁108を仮受け支柱104で仮受けする。これにより既存杭102を含む既存基礎の撤去が可能となる。
図12は仮受け期間中の地下躯体構築工事の工程を示している。
仮受け完了後、既存杭102を含む既存基礎を撤去し、掘削でできた地下空間に地下躯体109を構築する。このとき、仮受け支柱104はブレース補強して用いる。また、仮受け期間中は、上部の建物101に重大な変形が生じないように、変形計測と制御管理とを行う。
図13は免震化工事の工程を示している。
地下躯体109の構築後、地下躯体109の上部と、既存建物101側の壁下梁107との間に免震用のアイソレータ110を配置し、既存建物101の荷重をアイソレータ110により移行させる。荷重移行後、仮受け支柱104(及び不要な仮受け杭上部梁108)を撤去する。これにより仮受けが終了する。
尚、以上では、既存建物への地下躯体構築及び免震化工事のために仮受けを行う例で説明したが、本発明は、建物を含む各種構造物の工事において当該構造物を仮受けする必要がある場合に適用可能である。
このように図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 仮受け対象の構造物
2 仮受け用の支持部材
2a トッププレート
3 凸部(せん断キー)
4 第1のプレート(アンカープレート)
5 凹部
6A、6B 第2のプレート(下くさび)
7 ジャッキ設置用ブラケット
7a、7b 板材
7c 支持台
8 油圧ジャッキ
9A、9B くさび部材(上くさび)
11 凸部
12 第1のプレート(下くさび)
13 凹部
14A、14B 第2のプレート(アンカープレート)
15 支持架台
101 既存建物
102 既存杭
103 土留壁
104 仮受け支柱
105 本設杭
106 土留杭
107 壁下梁
108 仮受け杭上部梁
109 地下躯体
110 アイソレータ

Claims (8)

  1. 構造物の荷重を仮受けする構造物の仮受け構造であって、
    前記構造物下方の地盤中に構築された仮受け用の支持部材と、
    前記構造物と前記支持部材との対向面のうちいずれか一方の対向面に固定され、凸部を有する第1のプレートと、
    他方の対向面に固定され、前記凸部を水平方向に拘束する凹部を有する第2のプレートと、
    前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に打ち込まれるくさび部材と、
    を含んで構成されることを特徴とする、構造物の仮受け構造。
  2. 前記第2のプレートは、前記凸部を水平方向から挟み込むように、前記凹部を通る分割線で複数に分割されていることを特徴とする、請求項1記載の構造物の仮受け構造。
  3. 前記くさび部材は、複数設けられ、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に外側から中心部に向けて打ち込まれることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の構造物の仮受け構造。
  4. 前記くさび部材が打ち込まれる空間を形成する前記第1及び第2のプレートのうちいずれか一方を、打ち込み方向入口側が薄く、打ち込み方向奥側が厚い、逆くさび形状としたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の構造物の仮受け構造。
  5. 前記支持部材は、前記構造物の荷重を一時的に仮受けする油圧ジャッキを設置可能なジャッキ設置部を有し、
    前記くさび部材は、前記ジャッキ設置部に設置された前記油圧ジャッキの伸長状態にて打ち込まれることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の構造物の仮受け構造。
  6. 前記ジャッキ設置部は、複数の油圧ジャッキを前記支持部材から張り出して前記支持部材を囲む位置に設置可能であることを特徴とする、請求項5記載の構造物の仮受け構造。
  7. 構造物の荷重を仮受けする際に、
    前記構造物下方の地盤中に仮受け用の支持部材を構築し、
    前記構造物と前記支持部材との対向面のうちいずれか一方の対向面に凸部を有する第1のプレートを固定し、
    他方の対向面に前記凸部を水平方向に拘束する凹部を有する第2のプレートを固定し、
    前記支持部材と前記構造物との間に油圧ジャッキを設置して伸長させることにより構造物の荷重を一時的に仮受けした後、
    前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間にくさび部材を打ち込んで、前記油圧ジャッキを撤去することを特徴とする、構造物の仮受け方法。
  8. 前記油圧ジャッキを設置する際は、前記支持部材から張り出して前記支持部材を囲む位置に複数設置することを特徴とする、請求項7記載の構造物の仮受け方法。
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