JP2012025135A - 積層体およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】走行開始後も長期にわたり外観(主に光輝感)に優れたタイヤを作製することができる積層体およびそれを用いた空気入りタイヤの提供。
【解決手段】ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて形成されるゴム層(A)と、
カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するゴム成分、ならびに、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する水溶性架橋モノマー、を含有する接着剤組成物を用いて形成される接着剤層(B)と、
カルボニル基を有する樹脂により被覆された平均粒子径が50〜2500μmの光輝性粉体(C)と、をこの順に具備する積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来より、夜間の視認性やファッション性を向上させる目的で、タイヤの外表面(例えば、サイドウォール部等)を塗料や着色剤(例えば、二酸化チタン、マイカなど)等で被覆したり、蛍光体や群青等を配合したゴム組成物でタイヤのサイドウォール部等を形成したりする方法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
実開平7−37713号公報 特表2004−526814号公報 特開2000−185528号公報 特開2008−174639号公報 特表2009−538768号公報
しかしながら、塗料や着色剤等を被覆する方法では、タイヤの転動による変形により、被覆層(皮膜)自体が剥がれたり、被覆層の表面から塗料や着色剤が脱落したりする問題があった。
一方、タイヤの部材を形成するゴム組成物に蛍光体や群青等を配合する方法では、ゴム組成物に配合されたカーボンブラック等の他の添加剤の存在により、効果の程度が十分ではないといった問題があった。
そこで、本発明は、走行開始後も長期にわたり外観(本発明においては主に光輝感のことをいう。以下同様。)に優れたタイヤを作製することができる積層体およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ゴム層と特定の官能基を有する成分を含有する接着剤層と特定の光輝性粉体とを積層させた積層体を用いることにより、走行開始後も長期にわたり外観に優れたタイヤを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて形成されるゴム層(A)と、
カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するゴム成分、ならびに、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する水溶性架橋モノマー、を含有する接着剤組成物を用いて形成される接着剤層(B)と、
カルボニル基を有する樹脂により被覆された平均粒子径が50〜2500μmの光輝性粉体(C)と、をこの順に具備する積層体。
(2)上記水溶性架橋モノマーが有する上記官能基が、ヒドラジド基である上記(1)に記載の積層体。
(3)上記水溶性架橋モノマーの含有量が、上記カルボキシ変性ラテックスの固形分100質量部に対して、1〜12質量部である上記(1)または(2)に記載の積層体。
(4)上記接着剤組成物が、更に、有機過酸化物を含有し、
上記有機過酸化物の含有量が、上記ゴム成分の固形分100質量部に対して、0.3〜12質量部である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体を製造する積層体の製造方法であって、
上記ジエン系ゴムを含有する上記ゴム組成物を加硫して上記ゴム層(A)を形成する加硫工程と、
上記加硫工程の後、上記ゴム層(A)の表面温度が100℃以上の状態で、上記ゴム層(A)の表面の少なくとも一部に上記接着剤組成物を塗布して上記接着剤層(B)を形成する塗布工程と、
上記塗布工程の後、上記接着剤層(B)が乾燥する前に、上記接着剤層(B)の表面に上記光輝性粉体(C)を付着させ、乾燥させることにより上記積層体を得る粉体供給工程と、を有する積層体の製造方法。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体を表面の一部に有する空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、走行開始後も長期にわたり外観に優れたタイヤを作製することができる積層体およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
〔積層体〕
本発明の積層体は、ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて形成されるゴム層(A)と、カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するゴム成分、ならびに、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する水溶性架橋モノマー、を含有する接着剤組成物を用いて形成される接着剤層(B)と、カルボニル基を有する樹脂により被覆された平均粒子径が50〜2500μmの光輝性粉体(C)と、をこの順に具備する積層体である。
以下に、本発明の積層体を構成する各層およびその各成分について詳細に説明する。
<ゴム層(A)>
本発明の積層体を構成するゴム層(A)は、ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて形成される層である。
上記ジエン系ゴムは、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、後述する有機過酸化物(任意成分)を用いた場合に架橋効率が良好となる理由から、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)を用いるのが好ましい。
本発明においては、上記ゴム層(A)を形成するゴム組成物は、上記ジエン系ゴム以外に、フィラー(例えば、シリカ、カーボンブラック等)、シランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、オイル、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種の添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
<接着剤層(B)>
本発明の積層体を構成する接着剤層(B)は、上記ゴム層(A)と後述する光輝粉体(C)を接着させる層であって、カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するゴム成分、ならびに、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する水溶性架橋モノマー、を含有する接着剤組成物を用いて形成される層である。
(ゴム成分)
上記ゴム成分は、少なくとも、カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するものであれば特に限定されず、カルボキシ変性ゴムラテックスのみであってもよく、カルボキシ変性ゴムラテックス以外の他のゴムラテックスを含有していてもよい。
上記カルボキシ変性ゴムラテックスは、カルボキシ基を含有するジエン系ゴムの水分散液であれば特に限定されず、その具体例としては、カルボキシ変性NRラテックス、カルボキシ変性IRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシル変性ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン(PSBR)三元共重合体ラテックス等が挙げられる。
これらのうち、粘度が高く、作業性に優れる理由から、カルボキシ変性NRラテックス、カルボキシ変性IRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、カルボキシ変性NBRラテックスであるのが好ましい。
また、このようなカルボキシ変性ゴムラテックスとしては、例えば、カルボキシ変性SBRラテックス(A7512、固形分60%、旭化成ケミカルズ社製)等の市販品を用いることができる。
また、上記カルボキシ変性ゴムラテックス以外のゴムラテックスとしては、例えば、上述したジエン系ゴムの水分散液が挙げられ、中でも、NRラテックス、IRラテックス、SBRラテックス、NBRラテックスが好適に挙げられる。
これらのうち、形成される接着剤層(B)の強度が高く、繰り返し疲労にも強いという理由から、NRラテックスであるのが好ましく、接着剤層(B)の接着性や耐水性が向上する理由から、SBRラテックスであるのが好ましい。
このようなゴムラテックスとしては、例えば、NRラテックス(HYTEX HA、固形分60%、Golden Hope Plantation社製)等の市販品を用いることができる。
本発明においては、上記カルボキシ変性ゴムラテックスの固形分含有量は、形成される接着剤層の強度が高く、後述する水溶性架橋モノマーとの反応性の観点から、上記ゴム成分の全固形分に対して、5〜30質量%であるのが好ましく、10〜20質量%であるのがより好ましい。
(水溶性架橋モノマー)
上記ゴム成分とともに接着剤組成物に含有する上記水溶性架橋モノマーは、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する架橋剤であれば特に限定されず、例えば、ヒドラジド基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等を有する架橋剤を用いることができ、中でも、ヒドラジド基を有する架橋剤を好適に用いることができる。
ヒドラジド基を有する架橋剤としては、具体的には、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オキサゾリン基を有する架橋剤としては、具体的には、例えば、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製のエポクロス(登録商標)シリーズ)等が挙げられる。
カルボジイミド基を有する架橋剤としては、具体的には、例えば、日清紡ケミカル社製のカルボジライト水性樹脂用架橋剤等を用いることができる。
このような水溶性架橋モノマーを含有することにより、本発明の積層体を表面の一部に有する空気入りタイヤは、走行開始後も長期にわたり外観が優れたものとなる。
これは、上記水溶性架橋モノマーを用いることにより、上記カルボキシ変性ゴムラテックス中のゴムの架橋が直ちに進行して皮膜(接着剤層(B)の表面)を形成するため、後述する光輝性粉体(C)の沈降を抑制することができ、また、上記カルボキシ変性ゴムラテックス中のゴムと後述する光輝性粉体(C)とを化学結合により架橋させることができるため、タイヤの転動による変形にも追従することができ、脱落が抑制されるためと考えられる。
本発明においては、上記水溶性架橋モノマーの含有量は、架橋効果が十分となり、また、加工性も良好になるという理由から、上記カルボキシ変性ラテックスの固形分100質量部に対して、1〜12質量部であるのが好ましく、5〜10質量部であるのがより好ましい。
(有機過酸化物)
本発明においては、上記接着剤層(B)を形成する接着剤組成物は、上述したゴム層(A)との接着性が良好となり、より長期にわたり外観が優れた空気入りタイヤを形成できる理由から、更に、有機過酸化物を含有するのが好ましい。
上記有機過酸化物は、通常のゴムの過酸化物加硫に使用されているものを使用することができ、その具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジーt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、液体の有機過酸化物が好ましい。
上記有機過酸化物の含有量は、上述したジエン系ゴムとの架橋効果が十分となり、また、加工性も良好になるという理由から、上記ゴム成分の固形分100質量部に対して、0.3〜12質量部であるのが好ましく、3〜10質量部であるのがより好ましい。
<光輝性粉体(C)>
本発明の積層体を構成する光輝性粉体(C)は、上記接着剤層(B)の表面に付着させる光輝性の粉体であって、カルボニル基を有する樹脂(以下、「カルボニル基含有樹脂」ともいう。)により被覆された平均粒子径が50〜2500μmの粉体である。
ここで、平均粒子径とは、カルボニル基含有樹脂により被覆された後の粉体の粒子径の平均値をいい、乾式の振動篩を使用してメッシュサイズ毎の質量%を算出した粒度分布から算出した値をいう。
本発明においては、タイヤの転動による変形に追従しやすく、より長期にわたり外観が良好となるという理由から、上記平均粒子径は、150〜2000μmであるのが好ましい。
上記粉体としては、具体的には、例えば、マイカ、タルク、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム等が挙げられる。
これらのうち、光輝感が自然で入手が容易である理由から、マイカであるのが好ましい。
上記粉体を被覆する上記カルボニル基含有樹脂としては、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、これらの混合物等が挙げられる。
なお、上記カルボニル基含有樹脂とともに顔料を用いて上記粉体を被覆していてもよい。
本発明においては、上記カルボニル基含有樹脂等を用いて上記粉体を被覆する方法は特に限定されず、例えば、特開2001−279128号公報に記載された方法等により被覆することができる。
また、上記カルボニル基含有樹脂により被覆された粉体としては、例えば、(株)ヤマグチマイカ、松尾産業(株)等から市販されているものを用いることができる。
このような光輝性粉体(C)を用いることにより、本発明の積層体を表面の一部に有する空気入りタイヤは、走行開始後も長期にわたり外観が優れたものとなる。
これは、上述したように、上記カルボキシ変性ゴムラテックス中のゴムにおけるカルボキシ基と、光輝性粉体(C)が有するカルボニル基とが、上述した水溶性架橋モノマーにより架橋されるため、タイヤの転動による変形にも追従することができ、脱落が抑制されるためと考えられる。
〔積層体の製造方法〕
本発明の積層体の製造方法は、上記ジエン系ゴムを含有する上記ゴム組成物を加硫して上記ゴム層(A)を形成する加硫工程と、上記加硫工程の後、上記ゴム層(A)の表面温度が100℃以上の状態で、上記ゴム層(A)の表面の少なくとも一部に上記接着剤組成物を塗布して上記接着剤層(B)を形成する塗布工程と、上記塗布工程の後、上記接着剤層(B)が乾燥する前に、上記接着剤層(B)の表面に上記光輝性粉体(C)を付着させ、乾燥させることにより上記積層体を得る粉体供給工程と、を有する方法である。
以下に、本発明の積層体の製造方法が有する各工程について詳細に説明する。
<加硫工程>
上記加硫工程は、上記ジエン系ゴムを含有する上記ゴム組成物を加硫して上記ゴム層(A)を形成する工程であり、例えば、上記ゴム組成物をタイヤ用ゴム組成物において従来公知の加硫条件で加硫することにより上記ゴム層(A)を形成することができる。
<塗布工程>
上記塗布工程は、上記加硫工程の後、上記ゴム層(A)の表面温度が100℃以上の状態で、上記ゴム層(A)の表面の少なくとも一部に上記接着剤組成物を塗布して上記接着剤層(B)を形成する工程である。
ここで、上記ゴム層(A)の表面温度を100℃以上にする理由は、上述した任意成分である有機過酸化物と上記ゴム層(A)中のジエン系ゴムとの架橋反応を考慮したものである。また、100℃以上とする方法は特に限定されないが、上記加硫工程の直後(冷却時)に上記塗布工程を施して加硫工程の余熱を利用することが、熱の再利用と時間短縮の観点から好ましい。
また、上記接着剤組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えば、スプレー塗布、刷毛塗り等の従来公知の方法を採用することにより上記接着剤層(B)することができる。
<粉体供給工程>
上記粉体供給工程は、上記塗布工程の後、上記接着剤層(B)が乾燥する前に、上記接着剤層の表面に上記光輝性粉体(C)を付着させ、乾燥させる工程である。
ここで、上記光輝性粉体(C)を付着させる方法は特に限定されず、例えば、塗装ガン等を用いて吹き付ける方法により付着させることができる。
また、付着後に上記光輝性粉体(C)を乾燥させる方法も特に限定されないが、付着させた直後の上記光輝性粉体(C)が脱落しないよう、赤外線熱照射ランプ等を用いて表面を加熱完成することが好ましい。
〔タイヤ〕
本発明のタイヤは、上述した本発明の積層体を表面の一部に有する空気入りタイヤであるが、本発明の積層体をサイドウォール部やトレッドパターン溝底部に用いることにより、走行開始後も長期にわたり外観に優れたタイヤとなる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6および比較例1〜4)
まず、加硫後の空気入りタイヤのサイドウォール部(ゴム層(A))の一部表面(50cm2)に、下記第1表に示す表面温度で、同表に示す成分を同表に示す割合(質量部)で配合した接着剤組成物を塗布して接着剤層(B)を形成した。
接着剤層(B)を形成した直後に、接着剤層(B)の表面に塗装ガンを用いて下記第1表に示す光輝性粉体を0.05g付着させ、赤外線熱照射ランプを用いて120℃で乾燥させることにより、積層体(タイヤ)を製造した。
なお、使用したタイヤのサイドウォール部の加硫前のゴム組成物には、BRおよびNRを含有するジエン系ゴムを用いた。
<外観評価>
上記で製造したタイヤについてドラム試験機による走行試験を実施した。空気圧200kPa、速度80km/hの条件で80時間走行させた後、サイドウォール部の外観を目視により以下に示す基準で判定した。なお、評価は、任意の男女10名により行った。
◎:走行試験前と光輝感が変らないもの。
○:走行試験前よりもやや劣るものの実用上十分な光輝感があるもの。
×:光輝感が殆ど感じられないもの。
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・NRラテックス:HYTEX HA、固形分60%、Golden Hope Plantation社製
・カルボキシ変性SBRラテックス:A7512、固形分60%、旭化成ケミカルズ社製
・水溶性架橋モノマー1:アジピン酸ジヒドラジド(日本化成社製)
・水溶性架橋モノマー2:カルボジライト水性樹脂用架橋剤(日清紡ケミカル社製)
・有機過酸化物:ジアルキルパーオキサイド(カドックスB、化薬アクゾ社製)
・光輝性粉体C1:アクリル樹脂コーティングマイカ(AC−8371、平均粒子径500μm、ヤマグチマイカ社製)
・光輝性粉体C2:アクリル樹脂コーティングマイカ(AC−9372、平均粒子径1mm、ヤマグチマイカ社製)
・光輝性粉体1:マイカ(樹脂コーティングなし)(マイカパウダー C−93、平均粒子径1mm、ヤマグチマイカ社製)
・光輝性粉体2:酸化チタンコーティングマイカ(SCI−121、平均粒子径5〜30μm、ヤマグチマイカ社製)
上記第1表に示す結果から、カルボキシ変性ゴムラテックスおよび特定の水溶性架橋モノマーを配合しない接着剤組成物(接着剤層)を用いた比較例1や水溶性架橋モノマーを配合しない接着剤組成物(接着剤層)を用いた比較例2では、外観が劣ることが分かった。これは、走行試験により光輝性粉体が脱落してしまったためと考えられる。
また、カルボニル基を有する樹脂により被覆されていない光輝性粉体を付着させた比較例3や平均粒子径が小さい光輝性粉体を付着させた比較例4でも、外観が劣ることが分かった。
これに対し、カルボキシ変性ゴムラテックスおよび特定の水溶性架橋モノマーを配合した接着剤組成物(接着剤層)を用い、カルボニル基を有する樹脂により被覆された光輝性粉体を付着させた実施例1〜6では、いずれも走行開始後も長期にわたり良好な外観が保たれることが分かった。特に、有機過酸化物を配合し、ゴム層表面の温度を100℃以上の状態で接着剤組成物を塗布した実施例1〜4では、外観がより良好になることが分かった。これは、ゴム層と接着剤層とが架橋されるだけでなく加硫接着も進行し、接着性がより良好になったためであると考えられる。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて形成されるゴム層(A)と、
    カルボキシ変性ゴムラテックスを含有するゴム成分、ならびに、カルボキシ基およびカルボニル基と反応可能な官能基を有する水溶性架橋モノマー、を含有する接着剤組成物を用いて形成される接着剤層(B)と、
    カルボニル基を有する樹脂により被覆された平均粒子径が50〜2500μmの光輝性粉体(C)と、をこの順に具備する積層体。
  2. 前記水溶性架橋モノマーが有する前記官能基が、ヒドラジド基である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記水溶性架橋モノマーの含有量が、前記カルボキシ変性ラテックスの固形分100質量部に対して、1〜12質量部である請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記接着剤組成物が、更に、有機過酸化物を含有し、
    前記有機過酸化物の含有量が、前記ゴム成分の固形分100質量部に対して、0.3〜12質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を製造する積層体の製造方法であって、
    前記ジエン系ゴムを含有する前記ゴム組成物を加硫して前記ゴム層(A)を形成する加硫工程と、
    前記加硫工程の後、前記ゴム層(A)の表面温度が100℃以上の状態で、前記ゴム層(A)の表面の少なくとも一部に前記接着剤組成物を塗布して前記接着剤層(B)を形成する塗布工程と、
    前記塗布工程の後、前記接着剤層(B)が乾燥する前に、前記接着剤層(B)の表面に前記光輝性粉体(C)を付着させ、乾燥させることにより前記積層体を得る粉体供給工程と、を有する積層体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を表面の一部に有する空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020062873A (ja) * 2019-08-21 2020-04-23 住友ゴム工業株式会社 タイヤの製造方法

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