JP2012022312A - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該導電性支持体が外径25mm以下の円筒形状であり、且つ、該感光層が特定の繰り返し構造を含む共重合ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を搭載した画像形成装置を提供する。
【選択図】 なし
Description
電子写真技術の中核となる感光体については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系の光導電材料を用いた感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、および電荷輸送物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また感光層を塗布により容易に形成可能で生産性が高く、コスト面でも有利なことから感光体の主流であり、鋭意開発され実用化されている。
感光層のバインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂が用いられている。数あるバインダー樹脂のなかではポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
よって、クリーニング特性に優れた感光層用のバインダー樹脂であっても、接着性の問題で実使用に至らない場合があった。
すなわち本発明の要旨は、少なくとも導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体
において、該導電性支持体が外径25mm以下の円筒形状であり、且つ、該感光層が下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含む共重合ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を搭載した画像形成装置に存する。
本発明の電子写真感光体の感光層は、特定構造を有するポリカーボネート樹脂を感光体の導電性支持体上に設けられる感光層のバインダー樹脂として用いる。
本発明の電子写真感光体の感光層は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含む共重合ポリカーボネート樹脂を含有する。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し構造の共重合成分としては、下記構造式(2)で表される繰り返し構造が好ましい。さらには、前記一般式(1)が下記構造式(3)で表されることが好ましい。
<その他の樹脂>
本発明は、一般式(1)で表される繰り返し構造を含むポリカーボネート樹脂に他の樹脂を併用して用いても良い。
本発明に用いられる導電性支持体は、円筒形を成し、外径が25mm以下であることを特徴とする。また、外径は、本願の優れた効果の発揮の観点から、好ましくは、22mm以下であり、より好ましくは20mm以下である。
導電性支持体の材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、円筒形を成していればその形状を問わず、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性基体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
<電荷発生層>
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
ロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が好適である。なお、ここで挙げたチタニルフタロシアニンの結晶型のうち、A型、B型についてはW.HellerらによってそれぞれI相、II相として示されており(Zeit. Kristallogr.159(1982)173)、A型は安定型として知られているものである
。D型は、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2゜が27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とする結晶型である。フタロシアニン化合物は単一の化合物のもののみを用いても良いし、いくつかの混合状態でも良い。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
本発明の実施の形態が積層型感光体の場合、電荷輸送層は、本発明におけるポリカーボネート樹脂を含むバインダー樹脂とともに、電荷輸送物質、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質を20重量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30重量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40重量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150重量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から110重量部以下が好ましく、耐刷性の観点から80重量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70重量部以下が最も好ましい。
なお、電荷輸送層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、染料、顔料、レベリング剤などの添加物を含有させても良い。酸化防止剤の例としては、ヒンダード
フェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられる。
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は特に限定されないが、通常、これらの感光体を構成する各層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
<画像形成装置>
次に、本発明に用いられる画像形成装置について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明に係る電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されており、本発明においてもそのような形態で用いることが望ましい。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。なお、後述するように、この画像形成装置ではトナーとして上述した本発明のトナーを使用している。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写など
の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を転写材(用紙,媒体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
本実施形態の画像形成装置は、本発明の感光体を用いているため、小型化させることが可能であるとともに、クリーニング不良も発生せず、形成される画像の高画質を実現することが可能である。
度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
<感光体ドラムの製造>
実施例1
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄、乾燥して得られた疎水性処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとなし、該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエン(重量比7/1/2)の混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸(組成モル%75/9.5/3/9.5/3)からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する固形分濃度18.0%の分散液とした。
次に、電荷発生層形成用塗布液を以下のように作製した。電荷発生物質として、図2のX線回折スペクトルで示されるオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いて、この微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部の混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び、230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形
成用塗布液Aを調製した。
この電荷発生層塗布形成用分散液に、先に下引き層を形成したシリンダーを浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が約0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。
次に、特開2002−80432中に示された以下構造を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質50部、繰り返し単位(1−1)からなる本発明に係るポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量22,000)100部、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン8部、トリベンジルアミン0.1部、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部をテトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
実施例2
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた、繰り返し単位(1−1)からなるポリカーボネート樹脂を下記構造の繰り返し単位(1−2)からなるポリカーボネート樹脂(粘
度平均分子量22,000)とした以外は、感光体1と同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体B1とする。
実施例1で電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂を、下記構造の繰り返し単位(ビスフェノールZ)で表される樹脂(粘度平均分子量20,000)とした他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体C1とする。
実施例1で電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂を、下記構造式(3)で表される樹脂(粘度平均分子量20,000)とした他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体D1とする。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂を、下記構造の繰り返し単位(ビスフェノールA)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)にした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製しようとしたが、この樹脂はテトラヒドロフラン/トルエンの混合溶剤に完全には溶解しなかった。そのため、溶剤を1,4−ジオキサン100%とし、感光体ドラムE1を作製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂を、比較例2で示した構造の繰り返し単位(3)のみからなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量20,000)33部と、比較例3で示した繰り返し単位(ビスフェノールA)からなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)67部の混合にした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製しようとしたが、この樹脂はテトラヒドロフラン/トルエンの混合溶剤に完全には溶解しなかった。そのため、溶剤を1,4−ジオキサン100%とし、感光体ドラムF1を作製した。
<電気特性試験>
日本画像学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、日本画像学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体ドラムを一定回転数120rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを2.0μJ/cm2で露光したときの100ms後の表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。VLの値は小さいほど良好である。
感光体ドラム上にて、NTカッターを用いて、1mm間隔で11本、周方向及び軸方向の両方に切り込みを入れ、10×10の100マスを作製した。その上からセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、斜め45゜に引き上げることで、感光層の密着性を試験した。支持体上に残存した感光層のマス数を評価し、残存したマス数が多いほど良好である。
感光体ドラムにフランジを装着し、Samsung社製モノクロプリンターML−1630(ブレードクリーニング方式採用)にセットし、1000枚の連続印字を行い、その後、ハーフトーン画像を出力した。1000枚の印字によってクリーニングがうまくいかなかった場合、トナーすり抜けによる画像汚れが発生する。
実施例1で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体A2とする。
実施例4
実施例2で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体B2とする。
比較例1で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体C2とする。
比較例6
比較例2で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体D2とする。
比較例3で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体E2とする。
比較例8
比較例4で用いたアルミニウム製シリンダーを外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体F2とする。
<電気特性試験>
実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
<密着性試験>
実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
使用したプリンターをSamsung社製モノクロプリンターML−1610(ブレードクリーニング方式採用)とした以外は、実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
実施例1で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体A3とする。
参考例10
実施例2で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体B3とする。
比較例1で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体C3とする。
参考例12
比較例2で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体D3とする。
比較例3で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体E3とする。
参考例14
比較例4で用いたアルミニウム製シリンダーを外径30mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのものを用いた他は同様の方法で感光体ドラムを作製した。このようにして得られた感光体ドラムを感光体F3とする。
<電気特性試験>
実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
<密着性試験>
実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
使用したプリンターをSamsung社製モノクロプリンターML−6040(ブレードクリーニング方式採用)とした以外は、実施例1,2及び比較例1〜4と同様の手法で実施した。
ところが、表−1での外径20mmの結果、及び表−2での外径24mmでの結果でわかるように、外径が小さくなるほどその密着性が厳しくなり、選択できる樹脂が限られてくる。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (8)
- 該ポリカーボネート樹脂中に於いて、前記構造式(2)の占めるモル比率が前記一般式(1)の占めるモル比率よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の電子写真感光体。
- 該ポリカーボネート樹脂中に於いて、前記構造式(2)の占めるモル比率が前記一般式(1)の占めるモル比率の2倍以上であることを特徴とする、請求項3に記載の電子写真感光体。
- 該導電性支持体の外径が22mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいず
れか一項に記載の電子写真感光体。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対する露光により静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、前記被転写体に転写された前記トナーを定着させる定着手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光により静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、及び、前記電子写真感光体に付着した前記トナーを回収するクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
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