JP2012021489A - 過給機付内燃機関のegr制御装置 - Google Patents

過給機付内燃機関のegr制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な構成によりシステムの肥大化や複雑化を招くことなく排出ガス導入領域を拡大した過給機付内燃機関のEGR制御装置を提供すること。
【解決手段】
排気弁の開タイミングを可変する排気可変バルブ機構と、スロットル弁の上流側に設けられ内燃機関の運転状況に応じて内燃機関に供給される空気を加圧する過給機とを備えた過給機付内燃機関において、過給機の作動領域において過給機付内燃機関のピストンが下死点に到達する直前のタイミングで排気弁が開弁するように可変バルブ機構を制御する。これにより、排出ガスにピストンの上昇による押し出し圧を加えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、過給機付内燃機関のEGR制御装置に関するものである。
排出ガスの浄化性能の向上を図る技術として、EGR制御が広く知られている。EGR制御とは、排出ガスの一部を吸気管内に還流させて燃焼温度を下げ、NOxの発生を抑制する技術である。
EGR制御を行う場合、吸気管に過給機を備えていないエンジンにおいては、排気管内の圧力と吸気管内の圧力との差圧が確保されているため、運転状態によらず排出ガスを還流させることができる。しかし、過給機を備えたエンジンにおいては、過給機が作動すると過給機下流側の吸気管内の圧力が排気管内の圧力よりも高くなり、排出ガスを吸気管に還流させることが困難となる場合がある。
そこで、過給機が作動している領域においても排出ガスの還流を可能とするために様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1では、吸気管に設けられた過給機の上流側と下流側とに排出ガス導入口を設け、運転状態に応じて2種類の導入口を切り替えることにより、過給機作動時に排出ガスの導入を可能としている。また、特許文献2では、吸気管に設けられた過給機とは別に、排出ガスを加圧する過給機を設けることにより排出ガスを昇圧し、吸気管の過給機が作動していても排出ガスの還流を可能としている。
特開平5−280432 特開平11−62715
しかしながら、特許文献1に記載の技術は導入口及び導入口までの配管の増設を必要とし、特許文献2に記載の技術は過給機の増設を必要とする。つまり、過給機が作動している領域においても排出ガスの還流を可能とする(排出ガス導入領域を拡大する)ために、システムの肥大化や複雑化を招く。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡便な構成によりシステムの肥大化や複雑化を招くことなく排出ガス導入領域を拡大した過給機付内燃機関のEGR制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、内燃機関に供給される空気が通る吸気通路と、吸気通路に設けられ内燃機関に供給される空気量を調節するスロットル弁と、スロットル弁の上流側に設けられ内燃機関の運転状況に応じて内燃機関に供給される空気を加圧する過給機と、内燃機関から排出された排出ガスが通る排気通路と、内燃機関の排気弁の開タイミングを変更可能とする排気可変バルブ機構と、排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、EGR通路の途中に設けられ排気側から吸気側に還流する排出ガス量を調節するEGR弁とを備えた過給機付内燃機関において、過給機の作動領域において内燃機関のピストンが下死点に到達する直前のタイミングで排気弁が開弁するように可変バルブ機構を制御する開弁タイミング制御手段を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、ピストンが下死点に到達する直前のタイミングで排気弁が開弁するため、内燃機関から排出される排出ガスにピストン上昇による押し出し圧を加えることができる。これにより排出ガスの圧力を高める、すなわち排気通路と吸気通路との圧力差を確保することができる。その結果、過給機作動領域であっても排出ガスの還流を行うことができ、排出ガス導入領域を拡大することができる。
また、請求項2に記載のように、開弁タイミング制御手段は、過給機の作動領域において内燃機関の回転数と内燃機関の負荷状況とによって定められる所定条件成立時(低回転高負荷領域)に実施するとよい。
このようにすれば、過給機の作動領域の中でも特に排出ガスの還流が困難となる低回転高負荷領域において、排出ガスの還流を可能とすることができる。
請求項3に記載の発明は、ピストンが下死点に到達する直前のタイミングとはクランク角によって定められ、ピストンの下死点(BDC)から5度クランク角前(BBDC5°CA)までの期間であることを特徴とする。
上記構成によれば、ピストンが下死点に到達する直前で排気弁が開弁されるため、ピストンが上昇を始めるときに確実に開弁されている。従って、ピストンが上昇しても排出ガスが排出されないという事態(排気損失)を招くことなく排出ガスを排出することができる。
請求項4に記載の発明は、過給機は、排気通路に設けられたタービンによって駆動されるタービン式過給機であって、EGR通路は、タービンの上流側とスロットル弁の下流側とを接続してなることを特徴とする。
排出ガスの圧力を利用して駆動されるタービン式過給機では、排出通路に設けられたタービンの上流側と下流側とで排出ガスの圧力が異なる。具体的には、過給機の駆動によって排出ガスの圧力が低下するため、タービン上流側の圧力の方がタービン下流側の圧力よりも高くなる。上記構成によれば、圧力が高いタービン上流側から排出ガスを取り出すため、吸気側と排気側との圧力差を確保することができる。さらに、上記構成によれば、内燃機関のスロットル弁の下流側に排出ガスを導入している。これにより、排出ガスをスロットル弁の上流側に導入する場合と比較して、排出ガスが内燃機関の燃焼室に到達するまでの時間を短くし、応答性を高めることができる。
過給機付きエンジンのEGR制御システム全体の概略構成図 排出ガス導入領域拡大制御を示すフローチャート EGRバルブの開度を設定する制御マップ 排気バルブの遅角量を設定する制御マップ 図2の排出ガス導入領域拡大制御に対応したタイミングチャート 図5に対応した排出ガス圧力を示すタイミングチャート 開弁タイミング補正時における取り出し口圧力の変化を示すタイミングチャート
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1はEGR制御装置全体の概略構成を示す図である。
図1に示すように筒内噴射式の内燃機関であるエンジン1の吸気管2(吸気通路)の最上流部にはエアクリーナ3が設けられている。このエアクリーナ3の下流側には吸入される空気量を検出するエアフローメータ4が設けられている。このエアフローメータ4の下流側には、タービン式過給機を構成するコンプレッサ5(過給機)が設けられている。コンプレッサ5は、後述する排気タービン6によって駆動され吸入空気を加圧する。このコンプレッサ5の下流側には、コンプレッサ5で加圧された吸入空気を冷却するインタークーラー7とが設けられている。そして、インタークーラー7の下流側には、DCモータ8によって開度調節されるスロットル弁9と、スロットル弁9の開度を検出するスロットルセンサ10とが設けられている。DCモータ8がエンジン制御装置11(以下、「ECU」という)からの出力信号に基づいて駆動されることで、スロットル弁9の開度(スロットル開度)が制御され、そのスロットル開度に応じて各気筒ヘの吸入空気量が調節される。
このスロットル弁9の下流側にはサージタンク12が設けられ、このサージタンク12には、スロットル弁9の下流側圧力(以下、「吸気圧」という)を検出する吸気圧センサ13が設けられている。また、サージタンク12にはエンジン1の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド14、及び排出ガスを還流するEGR配管15(EGR通路)が接続されている。換言すると、EGR配管15は、吸気管2に設けられたスロットル弁9の下流側に接続されているということもできる。また、各気筒の吸気マニホールド14には吸気ポートが形成され、この吸気ポートがエンジン1の各気筒に形成された吸気バルブ16に連結されている。
エンジン1の各気筒の上部には、燃料を各気筒の燃焼室内に直接噴射するインジェクタ17が取り付けられている。燃焼室へ燃料を直接噴射するには、燃料の圧力が燃焼室内の圧力よりも高圧である必要がある。そのため、燃料タンク内に配置された燃料ポンプ(図示せず)によって吸上げられた燃料は、高圧ポンプ(図示せず)によって加圧され、デリバリパイプ18に圧送される。そして加圧された高圧(例えば、2〜10MPaの範囲内の所定圧)の燃料はデリバリパイプ18によって各気筒のインジェクタ17に分配される。高圧の燃料はインジェクタ17から燃焼室内に噴射され、吸気ポートから供給される吸入空気と混合して混合気が形成される。
また、エンジン1のシリンダヘッドには、各気筒に点火プラグ19が取り付けられ、各点火プラグ19の火花放電によって気筒内の混合気に着火される。更に、エンジン1には、吸気バルブ16と排気バルブ20(排気弁)の開閉タイミングをエンジン運転状態に応じて変更可能とする可変バルブ機構21,22が搭載されている。この2つの可変バルブ機構のうち、吸気バルブ16の開閉タイミングを変更可能とするものを吸気可変バルブ機構21、排気バルブ20の開閉タイミングを変更可能とするものを排気可変バルブ機構22という。
また、各気筒の排気バルブ20には、排気ポートを介して排気マニホールド23が接続されている。この排気マニホールド23は排気管24(排気通路)として一本に合流する。この排気マニホールド23が合流した排気管24には、前述したコンプレッサ5を駆動する排気タービン6と、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ25(又は酸素センサ)とが設けられている。さらに、空燃比センサ25の下流側には、理論空燃比付近で排出ガスを浄化する三元触媒26が設けられている。
そして、排気管24には前述したEGR配管15が接続されている。つまり、EGR配管15は一端をサージタンク12に接続し、他端を排気管24に接続している。これにより、排気管24と吸気管2とを連通し、排気バルブ20から排出された排出ガスを吸気管2に還流することが可能となっている。さらに具体的には、EGR配管15は排気管24において排気タービン6の上流側に接続されており、この接続部分27(以下、「取り出し口」という)から排出ガスを取り出しサージタンクへ導入する。一方、EGR配管15のサージタンクへの接続部分を導入口28という。また、EGR配管15には、吸気管2へ還流する排出ガスを冷却するEGRクーラー29と、還流する排出ガス量を調節するEGR弁30が設けられている。
また、エンジン1のシリンダブロックには、冷却水温を検出する水温センサ31や、ピストン32の上下運動に伴い回転するクランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ33が取り付けられている。このクランク角センサ33の出力信号に基づいてクランク角(ピストンの位置)やエンジン回転数が算出される。
前述した各種センサ(エアフローメータ4、スロットルセンサ10、吸気圧センサ13、空燃比センサ25、水温センサ31、クランク角センサ33)の出力信号はECU11に入力される。ECU11は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された制御プログラムや制御マップに従い、各種センサ出力に基づき、前述したDCモータ8、インジェクタ17、点火プラグ19、可変バルブ機構21、22、EGR弁30を制御する。例えば、ECU11では、空燃比センサ25によって検出された空燃比に基づき、最適な空燃比で燃焼が行われるように、フィードバック制御によりインジェクタ17の燃料噴射量を調整している。
ここで、タービン式過給機の駆動について説明する。タービン式過給機は、排気タービン6が排出ガスの圧力によって駆動され、排気タービン6と連結されたコンプレッサ5が駆動されることで吸入する空気を加圧している。従って、排気タービン6を駆動するのに必要な排出ガス量、換言すると、排気タービン6を駆動するのに必要な吸入空気量が所定値を超えない限り過給機は駆動されない。本実施形態では、運転者のアクセル操作によって、吸入空気量が所定値を超えた領域、換言するとタービン式過給機が作動する領域を高負荷領域という。
以下に、ECU11が行う排出ガス導入領域拡大制御について図2〜図4に基づいて説明する。
図2に示すように、まず、ステップ100においてエンジン回転数及び吸入空気量を読み込む。次に、ステップ101に移行し、吸気管に導入する排出ガス量を設定する。排出ガスの導入量は、クランク角によって定められるEGR弁30の開度によって調節されるため、図3の示す制御マップを用いて、エンジン回転数と吸入空気量とに基づきEGR弁30の目標開度(排出ガス導入量)を設定する。なお、図3中吸入空気量0.8〜1.2は、記載を省略しているが、EGR弁30の目標開度は、吸入空気量の増加と共に増加し、エンジン回転数が増加するほど低下する傾向にある。
次に、ステップ102に移行し過給機が作動しているかどうかを判定する。過給機が作動している、つまりコンプレッサ5が駆動し吸入された空気が圧縮されている状態であるかを判定する。過給機が作動している状態であれば、吸気圧センサ13によって検出される吸気圧が所定圧よりも大きくなっている。従って、吸気圧が所定圧(例えば100KPa)より高い場合は、過給機が作動していると判定しステップ103に移行し、吸気圧が所定圧以下である場合には過給機が作動していないと判定しステップ106に移行する。また、前述した、吸入空気量が所定値を超えない限り過給機は駆動されないという点に鑑みると、エアフローメータ4にて検出される吸入空気量が排気タービン6を駆動できる値を超えているかどうかを判定することによって過給機の作動を判定することもできる。
過給機が作動していると判定されたステップ103では、排気可変バルブ機構22によって排気バルブ20の開弁タイミングを補正するかどうかを判定する。換言すると、現在のエンジン1の負荷状況が過給機作動領域の中でも特に排出ガスを導入しにくい状態、つまり低回転高負荷領域であるかを判定する。本実施形態では、エンジン1の負荷状況を表すパラメータとして吸入空気量を用い、エンジン回転数と吸入空気量とによって低回転高負荷領域であるかを判定している。具体的には、図4に示す様に回転数が2000rpm以下、かつ吸入空気量が所定値以上であるときを低回転高負荷領域と判定する。低回転高負荷領域と判定された場合はステップ104に移行し、低回転高負荷領域ではないと判定された場合はステップ106に移行する。また、前述したように本実施形態では過給機が作動する領域を高負荷領域と呼ぶことから、ステップ103は、エンジン回転数が低回転領域であるかを判定しているとみなすこともできる。
なお、低回転高負荷領域を特定する回転数及び吸入空気量の値は、エンジン1の特性(例えば使用燃料や排気量、過給機形式等)によって異なるため、本発明が図4に示した回転数及び吸入空気量に限定されるものではない。要するに、過給機作動領域の中でエンジン1が低回転高負荷である状態を特定できればよい。
ステップ102にて過給機が作動していないと判定された、又はステップ103にて低回転高負荷領域ではないと判定されたステップ106では、排気バルブ20の開弁タイミングを補正せずとも、取り出し口27の圧力と導入口28の圧力との圧力差が確保されていると判断し、運転状況に応じて設定される通常の開弁タイミングに対して補正を行わず本ルーチンを終了する。
一方、ステップ103にて低回転高負荷領域と判定されたステップ104では、運転状況に応じて設定される現在の排気バルブ20の開弁タイミングを読み込む。そしてステップ105に移行し、取り出し口27の圧力を高めるべく排気バルブ20の開弁タイミングを補正する(開弁タイミング制御手段)。具体的には、図4に示す様にエンジン回転数と吸入空気量とから開弁タイミングの補正量を設定する。通常の排気バルブ20の開弁タイミング(現在の排気バルブ20の開弁タイミング)は、排出ガスを効率よく排出するために、下死点よりも早い段階(例えばBBDC35°CA)で設定される。そのため、図4中の開弁タイミング補正量(30°CA)は、現在の排気バルブ20の開弁タイミングに対する遅角量ということもできる。この補正(遅角)によって、排気バルブ20はピストン32が下死点に到達する直前で開弁するように設定される。ここでいうピストン32が下死点に到達する直前とは、下死点から5°CA前(BBDC5°CA)までの期間を指す。
なお、図4中の開弁タイミング補正量は、回転数や吸入空気量に係らず、一律30°CAとしている。これは本発明の特徴である、排気バルブ20の開弁タイミングを下死点の直前とする点を簡便に示す為である。前述したように、排気可変バルブ機構22を備えたエンジン1では、運転状況に応じて排気バルブ20の開弁タイミングを設定することが一般的である。そのため、エンジンの運転状況(例えば、回転数や吸入空気量)に応じて設定される開弁タイミングに対して、下死点の直前となる補正量を設定することが望ましい。例えば、運転状況に応じて設定された現在の排気バルブ20の開弁タイミングがBBDC40°CAであった場合、開弁タイミングを下死点の直前にするために必要な補正量は35〜40°Aである。また、運転状況に応じて設定された現在の開弁タイミングがBBDC25°CAであった場合、開弁タイミングを下死点の直前にするために必要な補正量は20〜25°CAである。このように、開弁タイミング補正量は、現在の開弁タイミングに応じて設定することが望ましい。
以上の処理手順によって、排出ガス導入領域拡大制御が行われる。
次に、図5を用いて、前述した排出ガス導入領域拡大制御に対応する各種制御の遷移状態を説明する。図5は、スロットル開度、過給機作動フラグ、エンジン回転数、吸入空気量、排気バルブ20の開弁タイミング補正量の遷移状態を示すタイミングチャートである。
図5に示す様に、時刻t0〜t1においては、スロットル開度、過給機作動フラグ、エンジン回転数、吸入空気量が一定で、排気バルブ20は遅角制御されていない状態である。実際の運転状況を想定すると、アクセル一定で低速走行をしている状態である。
時刻t1でスロットル開度が上昇を始める。つまり、運転者がアクセルを踏み、加速を始めた状態である。このアクセル操作に応じて、スロットル弁が開弁され、エンジン回転数及び吸入空気量が徐々に増加する。このt1〜t2間では、吸入空気量が少ない、すなわち、排気タービン6を駆動するために必要な吸入空気量に到達していないため、過給機が作動していない(ステップ102でNO)。従って、t1〜t2間では排気バルブ20の開弁タイミングの補正は行われていない。
時刻t2において、時刻t1から増加していた吸入空気量が図5中、一点鎖線で示す排気タービン6を駆動するために必要となる所定値を上回り、過給機が駆動される(過給機作動フラグがON)。一方、時刻t2におけるエンジン回転数について見ると、図5中二点鎖線で示したエンジン回転数が低回転であるかを判定する基準(2000rpm)を下回っている。
これによって、時刻t2においてエンジン1の状況が低回転高負荷であると判定(ステップ103でYES)され、排気バルブ20の開弁タイミングの補正が実施される。この開弁タイミング制御(遅角制御)は時刻t2〜t4間で実施される。
この開弁タイミング制御を実施している最中の時刻t3において、スロットル開度が減少を始める。つまり、運転者が所望の速度に到達したためアクセルの踏み込みを緩めた状態である。このアクセル操作に応じて時刻t3〜t4において、スロットル開度は、減少後一定の開度を維持する。また、エンジン回転数は一定値を維持し、吸入空気量は減少する。このとき吸入空気量は減少しているものの、図5中一点鎖線(排気タービン6を駆動するために必要となる所定値)を上回っている。また、エンジン回転数についても図5中二点鎖線(低回転判定の基準値)を下回っている。つまり、エンジン回転数及び吸入空気量共に図4に示した開弁タイミングの補正を実施する領域(低回転高負荷領域)に該当するため、開弁タイミングの補正は実施されている。そして、減少していた吸入空気量が時刻t4において、一点鎖線で示した所定値(排気タービン6を駆動できる値)を下回り、過給機作動フラグがOFFとなる。これにより、排気バルブ20の開弁タイミング制御を終了する。
次に、図6を用いて、上述した開弁タイミング制御実施領域(t2〜t4)における排出ガスの圧力(取り出し口27の圧力)について説明する。図6は、図5に対応した取り出し口27の圧力(平均値)、取り出し口27と導入口28との差圧(平均値)、排出ガス導入率、点火時期を示すタイミングチャートである。尚、図6中の一点鎖線は、遅角制御を実行しなかった場合の取り出し口圧力、取り出し口27と導入口28との差圧、排出ガス導入率、点火時期をそれぞれ示している。
図6に示すように、遅角制御を実施しているt2〜t4間において取り出し口圧力が増加していることがわかる。また、導入口28の圧力(吸気圧)は遅角制御の実施に係らず変化はないため、取り出し口27の圧力が増加した分だけ導入口28との差圧が増加している。
また、遅角制御によって取り出し口27と導入口28との差圧が増加しているため、排出ガス導入率が増加していることがわかる。ここでいう排出ガス導入率とは、エンジン1の燃焼室に吸入される空気(新規空気と還流された排出ガスとを足し合わせた空気)のうち排出ガスの占める割合を指す。
さらに、排出ガス導入率が増加している時刻t2〜t4間は、通常の点火時期に対して点火時期を進角することができる。通常の点火時期は圧縮工程であり、さらに具体的にはピストン32が上死点に到達する直前のタイミングである。これはノッキングの発生を防止するために、エンジン1から最大トルクを引き出すことのできる点火時期MBT(ノッキングが発生する限界の点火時期)から十分な余裕をとり、点火時期を遅く(上死点の直前に)設定しているからである。これに対し、t2〜t4間は、排出ガス導入率が増加し燃焼温度が下がるため、ノッキングに対する耐性が向上している。これにより、点火時期を進角し、点火時期をMBTに近づけることができる。
一方、遅角制御を実施しなかった場合、t2〜t4間における取り出し口27の圧力と導入口28の圧力とは略等しくなり差圧を確保することができない。そのため、図5に示す様にt2〜t4間(低回転高負荷領域)での排出ガス導入率は略ゼロとなり、排出ガスを還流することができない。また、排出ガスを還流できないため、当然ながら点火時期を進角することもできない。
次に、開弁タイミング制御実施中(開弁タイミングを遅角補正中)における具体的な排気バルブ20の開弁タイミング、及び取り出し口27の圧力波形について図7を用いて説明する。なお、図7中の一点鎖線は、開弁タイミングの補正(遅角)を実施しない場合の開弁タイミング(通常の開弁タイミング)、取り出し口27の圧力、取り出し口27と導入口28との差圧を示している。
図7に示す様に、開弁タイミング制御実施中における排気バルブ20の開弁タイミングは、通常時の開弁タイミングから30°CA遅角したタイミング、つまりピストン32が下死点に到達する直前である。これにより、排気バルブ20の開弁直後にピストン32が上昇を始めるため、ピストン32の上昇に伴う押し出し圧を加えることができる。図7中の矢示先の破線で囲った波形は、開弁タイミング補正時時の取り出し口圧力波形と通常時の取り出し口圧力波形とを同期させたものであり、通常時の開弁タイミングと比較して、取り出し口27の圧力が増加していることがわかる。
一方、通常の開弁タイミングの場合、開弁タイミング補正時よりも早いタイミングで排気バルブ20が開弁される。そのため、図7に示す様にピストン32の下降にさらされるが長くなる。これにより、ピストン32の下降にさらされる期間が開弁タイミング補正時と比べて長いため、ピストン32の下降に伴う負圧によって排気管内の圧力(取り出し口の圧力)が低下している。
次に、本発明の作用効果について説明する。
上記構成によれば、過給機の作動領域の中でも特に排出ガスの還流が困難となる低回転領域において、ピストン32が下死点に到達する直前のタイミング(BBDC5°CA〜BDC間)で排気バルブ20が開弁するため、内燃機関から排出される排出ガスにピストン上昇による押し出し圧を加えることができる。これにより排出ガスの圧力を高め、取り出し口圧力(排気管圧力)と導入口(吸気管圧力)との圧力差を確保することができる。この結果、過給機作動領域であっても排出ガスの還流を行うことができる。つまり、従来のように2種類の導入口を設けたり(特許文献1)、排出ガスを加圧する過給機を別途設けたり(特許文献2)することなく、簡便な構成で過給機作動領域において排出ガスの還流を可能とすることができる。
また、ピストン32が下死点に到達する直前で排気バルブ20が開弁されるため、ピストン32が上昇を始めるときに確実に開弁されている。従って、ピストン32が上昇しても排出ガスが排出されないという事態(排気損失)を招くことなく排出ガスを排出することができる。
また、排出ガスの圧力を利用して駆動されるタービン式過給機では、排気管24に設けられた排気タービン6の上流側と下流側とで排出ガスの圧力が異なる。具体的には、排気タービン6によって排出ガスの圧力が低下するため、排気タービン上流側の圧力の方が排気タービン下流側の圧力よりも高くなる。これに対し、本実施形態では、圧力が高い排気タービン上流側から排出ガスを取り出すため、排気タービン下流側から取り出す場合と比較して、吸気管2との圧力差を確保することができる。
さらに、取り出した排出ガスをコンプレッサ5の下流側、具体的にはスロットル弁9の下流側に導入している。これにより、排出ガスをスロットル弁9の上流側に導入する場合と比較して、排出ガスが各気筒の燃焼室に到達するまでの時間を短くし、応答性を高めることができる。
以上より、本実施形態によれば簡便な構成によりシステムの肥大化や複雑化を招くことなく排出ガス導入領域を拡大した過給機付内燃機関のEGR制御装置を提供することができる。
[他の実施形態]
・第1実施形態では、過給機作動領域(高負荷領域)おいても、特にエンジン回転数が低回転であるときに開弁タイミングの補正を行う態様としたが、エンジン回転数が高回転であるときにも開弁タイミングの補正を行う態様としてもよい。このようにすれば、過給機作動領域の全域において排出ガスの導入率を増加させることができる。
・第1実施形態では負荷状況を表すパラメータとして吸入空気量を用いていたが、負荷状況を表すパラメータとしては、吸入空気量の他、燃料噴射量やスロットル開度、又はこれらの組み合わせを用いてもよい。
・第1実施形態では、吸気バルブ16と排気バルブ20の両方に可変バルブ機構21、22を設けていたが、本発明を実施するにあたっては、排気可変バルブ機構22のみを設け、吸気可変バルブ機構21を省略した構成としてもよい。
・第1実施形態では、排気管24に設けられた排気タービン6によって吸気管2に設けられたコンプレッサ5を駆動する排気タービン式過給機を用いていたが、他の形式の過給機を用いても本発明を実施することができる。例えば、排気タービン式過給機に変えて、エンジンの駆動力を利用してコンプレッサを駆動する機械式過給機(所謂、スーパーチャージャ)や電動モータ等によりコンプレッサを駆動する電動式過給機としてもよい。
1 エンジン(内燃機関)
2 吸気管(吸気通路)
5 コンプレッサ(過給機)
6 排気タービン
9 スロットル弁
11 ECU
15 EGR配管(EGR通路)
20 排気バルブ(排気弁)
22 排気可変バルブ機構
24 排気管(排気通路)
30 EGR弁
32 ピストン

Claims (4)

  1. 内燃機関に供給される空気が通る吸気通路と、
    前記吸気通路に設けられ前記内燃機関に供給される空気量を調節するスロットル弁と、
    前記スロットル弁の上流側に設けられ前記内燃機関の運転状況に応じて前記内燃機関に供給される空気を加圧する過給機と、
    前記内燃機関から排出される排出ガスが通る排気通路と、
    前記内燃機関の排気弁の開タイミングを変更可能とする排気可変バルブ機構と、
    前記排気通路と前記吸気通路とを接続するEGR通路と、
    前記EGR通路の途中に設けられ排気側から吸気側に還流する排出ガス量を調節するEGR弁とを備えた過給機付内燃機関において、
    前記過給機の作動領域において、前記内燃機関のピストンが下死点に到達する直前のタイミングで前記排気弁が開弁するように前記可変バルブ機構を制御する開弁タイミング制御手段を備えることを特徴とする過給機付内燃機関のEGR制御装置。
  2. 前記開弁タイミング制御手段は、前記過給機の作動領域において、前記内燃機関の回転数と前記内燃機関の負荷状況とによって定められる所定条件成立時(低回転高負荷領域)に実施することを特徴とする請求項1に記載の過給機付内燃機関のEGR制御装置。
  3. 前記ピストンが下死点に到達する直前のタイミングとはクランク角によって定められ、前記ピストンの下死点(BDC)から5度クランク角前(BBDC5°CA)までの期間であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過給機付内燃機関のEGR制御装置。
  4. 前記過給機は、前記排気通路に設けられたタービンによって駆動されるタービン式過給機であって、
    前記EGR通路は、前記タービンの上流側と前記スロットル弁の下流側とを接続してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の過給機付内燃機関のEGR制御装置。
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