JP2012020861A - ブリッジブレーカー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のブリッジブレーカー装置にあっては旋回輪ベアリングの製作において、コストが著しく高く、納期も長く、さらに少数の発注単位ということで製作を断られる場合があり、安定した生産体制の確保が出来ないという点であり、旋回輪ベアリング自体の剛性不足を補うため、その嵌め合い部において隙間のない嵌め合いとしなければならず、旋回輪ベアリング自体および嵌め合う中空状円筒およびケーシングの機械加工もより精密さを要求されコストの上昇となっていた点である。
【解決手段】 ケーシングの内面と中空状円筒の外面に各々断面半円状の溝を形成し、その各々の溝が合わされて形成される断面円形となる空間内に前記したボールを配設したこととする。
【選択図】 図1

Description

本発明はブリッジブレーカー装置、特に粉体の輸送に関し、ホッパ内に貯蔵された粉体をそのホッパの下方に形成された円錐状コーンを介して下方に落下させる際に、その円錐状コーン内で発生してしまうブリッジを解消するためのブリッジブレーカー装置の改良に関する。
一般的に、粉体をホッパに貯蔵し、そのホッパの下方に一体に形成された円錐状コーンを介して前記粉体を落下排出する場合、その円錐状コーン内で粉体が閉塞してしまうブリッジと呼ばれる現象が生じ、排出を良好に行なえなくなってしまう事態がしばしば発生する。
このブリッジを解消する手段として、ホッパの外壁にバイブレータやノッカーを設けたり、ホッパ壁面に形成した孔部から圧縮空気を吹き込むエアレーション等が行なわれているが、バイブレータやノッカーは、かえってブリッジ状態となっている粉体をより固めてしまい、排出不能の状態を解消できない場合が多い。またエアレーションでは多量のエア量を必要とし、エア供給のコストが増大し、ホッパからエアをフィルターを通して逃がす装置も必要となり実施例は殆どない。
かかる点に着目して本願出願人は特許文献として示す従来例を開発した。この従来例はホッパ下部の円錐状コーンに形成されるフランジに取り付けられる円形のケーシングと、そのケーシングの内側で回転する中空状円筒を有し、その中空状円筒に同期回転するように取り付けられた回転翼とからなり、この回転翼によって円錐状コーン内に詰った粉体、即ち、ブリッジを解消する構成となっている。
この従来例にあっては、中空状円筒は多数のボールを有する旋回輪ベアリングで支持され、シール材によって気密に保たれている。また、中空状円筒の内面一部に突起部が形成され、この突起部に設けられた穴に対して、回転翼の下部に形成された段差部が挿し込み嵌合され、着脱自在に回転翼が中空状円筒へ装着されている。この回転翼は回転方向側となる縁部が円錐状コーンの母線と平行とされ、下部の縁部は鉛直とされている。
この従来例の場合、汎用の深溝ボールベアリングと異なり、軸方向のスラスト荷重を主として受ける旋回輪ベアリングは構造が特殊なうえ、内径が著しく大きいため、コストが著しく高く、納期も長い。さらに少数の発注単位ということで専門メーカーから製作を断られる場合がある。従って安定した生産体制の確保が出来ないという問題があった。
また、材質をステンレスで製作する場合、さらなるコスト上昇が生じ、また製作を断られる場合が多かった。
一方、旋回輪ベアリングを構成する内輪と外輪はボールの移動空間を確保し、多数のボールに接触荷重を均等に配分するため、十分な剛性が必要であるが、スペースの制約と製作コストの規制のため、その大きさは制限され、それ自体では剛性が不足する。従って通常内輪外輪とも中空状円筒およびケーシングへの嵌め合い部に於いて、隙間のない厳しい嵌め合いとし、嵌め合う相手側の剛性を利用して、内輪および外輪の剛性不足を補う必要がある。しかし大口径の機械加工を精度高く行なうのは困難である。
上記問題点を解決する手段として旋回輪ベアリングを廃止し、中空状円筒の外周面に断面半円状の溝を設け、一方でケーシング内周面に断面半円状の溝を設け、ボールを半円状の溝で構成される断面が円形となる空間内に配置することにより、旋回輪ベアリングと同一の機能を得ることを可能にする。また、ケーシング外面からケーシング内面の断面半円状溝部に貫通する孔を設けて、ボールを外部から半円状溝部に挿入することを可能にする。この孔の内面にねじを加工しておき、ボールを挿入後盲プラグ等で閉栓し、ボールが外部へ出ることを防止する。
特開2009−242040号公報
本発明が解決しようとする問題点は従来のブリッジブレーカー装置にあっては旋回輪ベアリングの製作において、コストが著しく高く、納期も長く、さらに少数の発注単位ということで製作を断られる場合があり、安定した生産体制の確保が出来ないという点である。
また、本発明が解決しようとするもう一つの問題点は従来のスクレーパ装置にあっては旋回輪ベアリング自体の剛性不足を補うため、その嵌め合い部において隙間のない嵌め合いとしなければならず、旋回輪ベアリング自体および嵌め合う中空状円筒およびケーシングの機械加工もより精密さを要求されコストの上昇となっていた点である。
この問題点を解決するために、本発明に係るブリッジブレーカー装置は、ホッパの円錐状コーンの下方に、内側が円筒状としたケーシングを設け、そのケーシング内でボールを介在させて回転する中空状円筒と、その中空状円筒に前記した円錐状コーンの母線と平行とされ、中空状円筒と同期回転してブリッジを壊す回転翼を備えたブリッジブレーカー装置において、前記したケーシングの内面と中空状円筒の外面に各々断面半円状の溝を形成し、その各々の溝が合わされて形成される断面円形となる空間内に前記したボールを配設したことを特徴とし、前記したケーシングの断面半円状溝の一部に外部と連通する透孔を形成して、その透孔を通して前記ボールが挿入され、前記透孔は盲プラグで閉栓されていることを特徴としている。
本発明に係るブリッジブレーカー装置は上記のように構成されている。そのために、旋回輪ベアリングが不要となり、高コスト、長納期、製作発注の不確実性が一切なくなる。
また、旋回輪ベアリングそのものを高精度に加工したり、中空状円筒とケーシングに旋回輪ベアリングを嵌め込む部分を高精度に加工する必要もなくなる。
また、上記した構成としたことにより、ボールを支持する構造体は中空状円筒とケーシングとなるが、両者とも構造物として大きく、大きな剛性を有する。一方ボールと溝のクリアランスはある程度(0.1mm程度)あってもボールが多数あることによって、接触荷重が大きく変化することはなく、荷重の均等配分性は保たれる。従って半円状溝部の加工許容差を大きく、溝部の加工は容易になる。
本発明に係るブリッジブレーカー装置を示す断面図である。 本発明に係る中空状円筒を示す斜投影図である。
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
次に、本発明の好ましい実施の一例を、図面を参照して説明する。図1にあってHは粉体が貯蔵されるホッパを示し、1はそのホッパHの下部に一体に形成される円錐状コーンである。この円錐状コーン1の下端開口縁に一体に延設された上部フランジ2aと、下流の機器との接続部である下部フランジ2bの間にケーシング4がそのフランジ4a、4aで格別に図示しないボルトによってパッキン3a、3bを介して固定されている。このケーシング4は図では示していないが上下二分割構成とされ、ボルトで締結され一体化されたものとなっている。
前記したケーシング4は内側が円形状の筒状となっており、その筒状内側に中空状円筒5が配設されている。中空状円筒5の外周に断面半円状の溝5dを設け、ケーシング4の内面に断面半円状の溝4bを設け、複数のボール13、13‥が半円状の溝5dおよび4bで構成される断面が円形の空間内に配設されている。ケーシング4の外面からケーシング4内面の半円状溝部4bに貫通する孔4cが設けられ、ボール13が半円状の溝5dおよび4bで構成される空間内に挿入可能とされている。この孔4cは内面がねじ加工され、盲プラグ14等で閉栓可能とされている。
ケーシング4と中空状円筒5の上端および下端における隙間にシール材12a、12aが配設されている。
また、このケーシング4の一部に減速機付モータ10の出力軸9が上方から挿入され、その出力軸9に取り付けられた歯車8と、その歯車8と噛合されて回転する歯車7、及びその歯車7と噛合して回転する歯車6のギア群が収められている。なお、7aは歯車7の軸、6aは歯車6の軸を示している。
さらに、中空状円筒5はその外周面に突出部が環状帯状に形成され、その突出部によってギア5aが形成され、このギア5aが前記した歯車6と噛合し、ケーシング4内で中空状円筒5を回転させるものとなっている。
この中空状円筒5の内壁面の一部には膨出部5bが一体にあるいは別途形成された部材として一体的に固定されて形成されている。この膨出部5bには本実施例にあっては上下方向に断面円形とした貫通孔5cが形成されている。
一方、図中11は円錐状コーン1内に生じたブリッジを掻き落とすための回転翼であり、この回転翼11の作業部分は円錐状コーン1の母線と平行となるよう傾斜しており、基端部分11bは直線で鉛直となっている。この回転翼11の下端には本実施例にあっては前記した膨出部5bの貫通孔5cに精度よく挿入される円柱11aとされている。また基端には図示しないが位置決めロック機構によって回転翼11の円柱11aを軸とした回転動作を防止している。
前記したシール材12a、12aの外側の環状空間にはケーシング4のフランジ4aに横方向に形成されたパージガスの導入路15、15が連通されている。
前記したシール材12aは機械加工が可能でかつ、ケーシング4や中空状円筒5の材料よりも柔らかい材料が使用される。
前記したように中空状円筒5およびケーシング4は充分な剛性を有しているので、機械加工中の変形や外力による変形は殆どなく、従来のように旋回輪ベアリングを隙間なく中空状円筒5およびケーシング4に嵌め合う難度の高い機械加工を行なう必要がない。またボール13、13‥と溝部5dおよび4b間の微細隙間は従来の旋回輪ベアリングにおいても必要であって、本実施例の溝加工においても、機械加工は容易である。
従って高価格、長納期であった旋回輪ベアリングの製作を専門メーカーに依存することがなくなり、大幅なコストダウンと安定した生産管理が可能となる。
1 円錐状コーン
2a フランジ
2b フランジ
3a パッキン
3b パッキン
4 ケーシング
4a フランジ
4b 半円状溝
4c 孔
5 中空状円筒
5a ギア
5b 膨出部
5c 貫通孔
5d 半円状溝
6 歯車
6a 軸
7 歯車
7a 軸
8 歯車
9 出力軸
10 減速機付モータ
11 回転翼
11a 円柱
11b 基端部分
12a シール材
13 ボール
14 盲プラグ
15 パージガスの導入路
H ホッパ

Claims (2)

  1. ホッパの円錐状コーンの下方に、内側が円筒状としたケーシングを設け、そのケーシング内でボールを介在させて回転する中空状円筒と、その中空状円筒に前記した円錐状コーンの母線と平行とされ、中空状円筒と同期回転してブリッジを壊す回転翼を備えたブリッジブレーカー装置において、前記したケーシングの内面と中空状円筒の外面に各々断面半円状の溝を形成し、その各々の溝が合わされて形成される断面円形となる空間内に前記したボールを配設したことを特徴とするブリッジブレーカー装置。
  2. 前記したケーシングの断面半円状溝の一部に外部と連通する透孔を形成して、その透孔を通して前記ボールが挿入され、前記透孔は盲プラグで閉栓されていることを特徴とする請求項1に記載のブリッジブレーカー装置。
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