JP2012019088A - 縦型半導体素子を備えた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スーパージャンクション構造を構成するためのトレンチの先端での不純物層の結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制する。
【解決手段】スーパージャンクション構造を構成するためのトレンチ2aの長手方向の両先端部をトレンチ13によって除去し、絶縁部材15を配置した構造とする。これにより、トレンチ2a内をp型領域3で埋め込む際にトレンチ2aの長手方向の両先端部に形成される結晶欠陥が除去された状態となる。したがって、この結晶欠陥を通じたリーク電流の発生を抑制することが可能となり、結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】スーパージャンクション構造を構成するためのトレンチ2aの長手方向の両先端部をトレンチ13によって除去し、絶縁部材15を配置した構造とする。これにより、トレンチ2a内をp型領域3で埋め込む際にトレンチ2aの長手方向の両先端部に形成される結晶欠陥が除去された状態となる。したがって、この結晶欠陥を通じたリーク電流の発生を抑制することが可能となり、結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドリフト層内にn型領域とp型領域がストライプ状に交互に繰り返し形成された構造(カラム)からなるスーパージャンクション構造を有し、基板表面と裏面との間において電流を流すように構成される縦型半導体素子を備えた半導体装置に関するものである。
従来より、ドリフト層内にn型領域とp型領域がストライプ状に交互に繰り返し形成された構造からなるスーパージャンクション構造を有する縦型半導体素子を備えた半導体装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
図7は、スーパージャンクション構造の上面レイアウト図である。この図に示されるように、n型ドリフト層J1内にストライプ状にp型領域J2が備えられることで、n型ドリフト層J1のうちp型領域J2に挟まれた部分からなるn型領域J3とp型領域J2とによるスーパージャンクション構造が構成されている。p型領域J2は、n型ドリフト層J1に対してストライプ状のトレンチJ4を形成したのち、このトレンチJ4を埋め込むようにp型層をエピタキシャル成長させ、その後、n型ドリフト層J1が露出するまでp型層を平坦化することで形成される。
しかしながら、n型ドリフト層J1に形成したトレンチJ4内をp型層で埋め込むときに、トレンチJ4の先端部(図7中一点鎖線で囲んだ領域)に結晶欠陥が発生し、耐圧低下やリーク電流増加の要因となるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、スーパージャンクション構造を構成するためのトレンチの先端での不純物層の結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ドリフト層(2)のうちトレンチ(2a)の間に残された部分による第1導電型領域(2b)とトレンチ(2a)内に形成された第2導電型領域(3)とが交互に繰り返し並べられることによりスーパージャンクション構造が構成され、このスーパージャンクション構造が構成された領域内に、半導体基板(1)の主表面(1a)側に配置される表面電極(11)と裏面(1b)側に配置される裏面電極(12)との間に電流を流す縦型半導体素子を備えた半導体装置であって、トレンチ(2a)の長手方向の両先端部を含む領域に欠陥除去トレンチ(13)が形成されていると共に、欠陥除去トレンチ(13)の内部が絶縁部材(15)にて埋め込まれていることを特徴としている。
このように構成された半導体装置では、トレンチ(2a)の長手方向の両先端部が欠陥除去トレンチ(13)によって除去され、絶縁部材(15)を配置した構造とされている。このため、トレンチ(2a)内を第2導電型領域(3)で埋め込む際にトレンチ(2a)の長手方向の両先端部に形成された結晶欠陥が除去された状態となる。したがって、この結晶欠陥を通じたリーク電流の発生を抑制することが可能となり、結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
請求項2に記載の発明では、欠陥除去トレンチ(13)のうちトレンチ(2a)の長手方向と垂直方向となる側壁面には、第1導電型の側壁領域(14)が形成されており、第2導電型領域(3)と該側壁領域(14)とによるPN接合が構成されていることを特徴としている。
このように、欠陥除去トレンチ(13)の側壁面に第1導電型の側壁領域(14)を形成することにより、欠陥除去トレンチ(13)の側壁面において、第2導電型領域(3)と側壁領域(14)によるPN接合が構成されるようにしている。このため、PN接合によって空乏領域を構成できるため、よりリーク電流が発生することを抑制できる。したがって、より結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
例えば、請求項3に記載したように、欠陥除去トレンチ(13)を複数のトレンチ(2a)のすべてに跨るように形成することができるが、これに限らず、欠陥除去トレンチ(13)を複数に分割した構造としても良い。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置の製造方法に関する発明である。具体的には、半導体基板(1)の主表面(1a)にドリフト層(2)を形成する工程と、ドリフト層(2)の表面にトレンチ(2a)の形成予定位置が開口するマスクを配置したのち、当該マスクを用いたエッチングにより、ドリフト層(2)に対してトレンチ(2a)を形成する工程と、トレンチ(2a)内を埋め込むように、第2導電型層を成膜したのち、ドリフト層(2)が露出するように第2導電型層を平坦化することで、トレンチ(2a)内に第2導電型領域(3)を形成する工程と、トレンチ(2a)の長手方向の両先端部をエッチングすることにより、トレンチ(2a)よりも深い欠陥除去トレンチ(13)を形成することで、第2導電型領域(3)を形成する際にトレンチ(2a)の長手方向の両先端部に形成された結晶欠陥を除去する工程と、欠陥除去トレンチ(13)内を絶縁部材(15)にて埋め込む工程と、を含んでいることを特徴としている。
このような製造方法により、請求項1に記載の半導体装置を製造できる。そして、トレンチ(2a)の長手方向の両先端部をエッチングすることにより、トレンチ(2a)よりも深い欠陥除去トレンチ(13)を形成することで、第2導電型領域(3)を形成する際にトレンチ(2a)の長手方向の両先端部に形成された結晶欠陥を除去することができるため、上記請求項1に記載の効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載した半導体装置の製造方法に関する発明である。具体的には、欠陥除去トレンチ(13)を形成する工程を行ったのち、第1導電型不純物を斜めイオン注入することにより、欠陥除去トレンチ(13)のうちトレンチ(2a)の長手方向と垂直方向となる側壁面に対して、第1導電型の側壁領域(14)を形成する工程を含み、絶縁部材(15)にて埋め込む工程は、側壁領域(14)を形成する工程の後で行うことを特徴としている。このように、側壁領域(14)を斜めイオン注入によって形成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、縦型半導体素子として縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置を例に挙げて説明する。図1(a)、(b)は、本実施形態にかかる縦型MOSトランジスタが備えられた半導体装置の断面図である。また、図2は、図1(a)、(b)に示す半導体装置のスーパージャンクション構造のレイアウト図である。図1(a)は、図2中のA−A’断面図に対応し、図1(b)は、図2中のB−B’断面図に対応している。以下、これらの図を参照して、縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置について説明する。
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、縦型半導体素子として縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置を例に挙げて説明する。図1(a)、(b)は、本実施形態にかかる縦型MOSトランジスタが備えられた半導体装置の断面図である。また、図2は、図1(a)、(b)に示す半導体装置のスーパージャンクション構造のレイアウト図である。図1(a)は、図2中のA−A’断面図に対応し、図1(b)は、図2中のB−B’断面図に対応している。以下、これらの図を参照して、縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置について説明する。
図1(a)、(b)に示す本実施形態の半導体装置には、縦型MOSトランジスタとして、トレンチゲート構造の反転型の縦型MOSトランジスタが備えられている。図1(a)、(b)に示すように、単結晶シリコンなどの単結晶半導体で構成されたn+型基板1の一面を主表面1a、その反対側の面を裏面1bとして、主表面1a上にはn型ドリフト層2が形成されている。
n型ドリフト層2には、図2に示すように、一方向(図2の紙面左右方向)を長手方向とする短冊状とされたトレンチ2aが長手方向と垂直な方向において等間隔に並べられて形成されている。そして、図1(a)、(b)に示すようにトレンチ2a内を埋め込むようにp型領域3が形成されている。これにより、図1(b)に示すように、n型ドリフト層2のうちトレンチ2aの間に残された部分をn型領域2bとし、n型領域2bとp型領域3とが等間隔にストライプ状に交互に繰り返し形成された構造からなるスーパージャンクション構造が構成されている。
スーパージャンクション構造を構成するn型領域2bおよびp型領域3の厚みや幅(つまりトレンチ2aの深さや幅)については任意に設定できる。例えば、スーパージャンクション構造によって耐圧を600V程度見込む場合には、n型領域2bおよびp型領域3の厚み(トレンチ2aの深さ)が30〜50μmとされ、n型領域2bおよびp型領域3の幅は0.5〜10μmに設定される。また、n型領域2bおよびp型領域3の不純物濃度についても任意であるが、n型領域2bおよびp型領域3の幅を等しくする場合には、不純物濃度が等しくされ、例えば1.0×1015〜1.0×1017cm-3とされる。
n型領域2bおよびp型領域3の表面には、p型ベース領域4が形成されている。このp型ベース領域4の表層部には、図1(a)、(b)に示すようにn型ドリフト層2よりも高不純物濃度とされたソース領域となるn+型領域5が形成されていると共に、図1(a)に示すようにp型ベース領域4よりも高不純物濃度とされたp+型コンタクト領域6が形成されている。
また、n+型領域5およびp+型ベース領域4を貫通してn型領域2bやp型領域3に達するように、図1(a)の紙面垂直方向(図2の紙面上下方向)を長手方向としたトレンチ7が形成されていると共に、トレンチ7の表面を覆うようにゲート絶縁膜8が形成されており、さらにゲート絶縁膜8の表面にトレンチ7を埋め込むようにゲート電極9が形成されることでトレンチゲート構造が構成されている。トレンチゲート構造を構成するためのトレンチ7は、図2中には示していないが、スーパージャンクション構造を構成するためのトレンチ2aの長手方向と垂直な方向を長手方向として延設されている。
また、トレンチゲート構造の上方にはゲート電極9を覆うように層間絶縁膜10が形成されており、この層間絶縁膜10に形成されたコンタクトホールを通じてソース電極となる表面電極11が形成されている。そして、ドレイン領域となるn+型基板1の裏面にドレイン電極となる裏面電極12が形成され、縦型MOSトランジスタが構成されている。
さらに、各トレンチ2aの両先端位置において、トレンチ2aの先端位置を含めたトレンチ2aの長手方向に対する垂直方向に伸びる欠陥除去用のトレンチ(欠陥除去トレンチ)13が形成されている。トレンチ13はトレンチ2aよりも深くまで形成されており、トレンチ2aに対してp型領域3を埋め込む際に形成された結晶欠陥がトレンチ13によって除去された状態となっている。また、トレンチ13の側壁面には、n型不純物を注入したn型領域(側壁領域)14が形成されている。このため、トレンチ2aの先端位置において、p型領域3とn型領域14によるPN接合が構成されている。そして、トレンチ13内を埋め込むように絶縁部材15が配置されている。
このような構造により、本実施形態にかかる縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置が構成されている。
続いて、このように構成される半導体装置の製造方法について、図3〜図5に示す半導体装置の製造工程を示した図を参照して説明する。ただし、本実施形態の半導体装置の製造方法は、基本的には従来と変わらないため、従来と異なる部分を主に説明する。なお、図3〜図5では、紙面左側がトレンチ2aの長手方向に沿った断面での製造工程を示した図、紙面右側が半導体装置を上方から見たときの様子を示した図である。
〔図3(a)に示す工程〕
まず、単結晶シリコンなどで構成されたn+型基板1を用意する。次に、n+型基板1の表面にn型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。そして、フォトリソグラフィ工程等によってトレンチ2aの形成予定位置が開口するマスクをn型ドリフト層2の上に配置したのち、エッチングによりn型ドリフト層2に対してトレンチ2aを形成する。その後、トレンチ2aのエッチングの際に用いたマスクを除去する。
まず、単結晶シリコンなどで構成されたn+型基板1を用意する。次に、n+型基板1の表面にn型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。そして、フォトリソグラフィ工程等によってトレンチ2aの形成予定位置が開口するマスクをn型ドリフト層2の上に配置したのち、エッチングによりn型ドリフト層2に対してトレンチ2aを形成する。その後、トレンチ2aのエッチングの際に用いたマスクを除去する。
〔図3(b)に示す工程〕
トレンチ2a内を埋め込むようにp型層をエピタキシャル成長させる。この後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等によってp型層を平坦化する。これにより、p型領域3が構成され、n型ドリフト層2のうちトレンチ2aの間に残された部分からなるn型領域2bとp型領域3からなるスーパージャンクション構造が構成される。なお、この行程におけるp型層のエピタキシャル成長時に、トレンチ2aの先端位置においてp型層に結晶欠陥が発生する。
トレンチ2a内を埋め込むようにp型層をエピタキシャル成長させる。この後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等によってp型層を平坦化する。これにより、p型領域3が構成され、n型ドリフト層2のうちトレンチ2aの間に残された部分からなるn型領域2bとp型領域3からなるスーパージャンクション構造が構成される。なお、この行程におけるp型層のエピタキシャル成長時に、トレンチ2aの先端位置においてp型層に結晶欠陥が発生する。
〔図4(a)に示す工程〕
スーパージャンクション構造が構成された基板上、つまりn型領域2bを含むn型ドリフト層2およびp型領域3の上にp型ベース領域4をエピタキシャル成長させる。
スーパージャンクション構造が構成された基板上、つまりn型領域2bを含むn型ドリフト層2およびp型領域3の上にp型ベース領域4をエピタキシャル成長させる。
〔図4(b)に示す工程〕
トレンチ13の形成予定領域を開口させたマスクを用いてエッチングを行い、p型ベース領域4の表面から、トレンチ2aよりも深く、かつ、各トレンチ2aの長手方向の両先端部を囲むように、トレンチ2aの長手方向に対して垂直方向に伸びるトレンチ13を形成する。これにより、トレンチ2aの両先端部においてトレンチ2a内をp型領域3で埋め込む際に形成された結晶欠陥が除去される。
トレンチ13の形成予定領域を開口させたマスクを用いてエッチングを行い、p型ベース領域4の表面から、トレンチ2aよりも深く、かつ、各トレンチ2aの長手方向の両先端部を囲むように、トレンチ2aの長手方向に対して垂直方向に伸びるトレンチ13を形成する。これにより、トレンチ2aの両先端部においてトレンチ2a内をp型領域3で埋め込む際に形成された結晶欠陥が除去される。
〔図5(a)に示す工程〕
トレンチ2aを形成する際に用いたマスクを用いて、もしくは、そのマスクと同パターンのマスクを用いて、リン等のn型不純物をイオン注入し、トレンチ13の側壁面にn型領域14を形成する。そして、イオン注入に用いたマスクを除去する。
トレンチ2aを形成する際に用いたマスクを用いて、もしくは、そのマスクと同パターンのマスクを用いて、リン等のn型不純物をイオン注入し、トレンチ13の側壁面にn型領域14を形成する。そして、イオン注入に用いたマスクを除去する。
〔図5(b)に示す工程〕
CVD法によって酸化膜をデポジションするなどにより、トレンチ13内を含めた基板表面全面に絶縁部材15を成膜したのち、CMP、ドライエッチング等によって絶縁部材15を平坦化し、トレンチ13内のみに残す。
CVD法によって酸化膜をデポジションするなどにより、トレンチ13内を含めた基板表面全面に絶縁部材15を成膜したのち、CMP、ドライエッチング等によって絶縁部材15を平坦化し、トレンチ13内のみに残す。
この後は、イオン注入および活性化熱処理によるn+型領域5およびp+型コンタクト領域6の形成工程、トレンチエッチングによるトレンチ7の形成工程、ゲート酸化などによるゲート絶縁膜8の形成工程、ドープトPoly−Siの成膜およびパターニングによるゲート電極9の形成工程、層間絶縁膜10の形成工程、層間絶縁膜10のパターニングによるコンタクトホール形成工程、電極材料を配置した後にパターニングすることによる表面電極11およびゲート配線の形成工程、裏面電極12の形成工程を経ることにより、本実施形態にかかる縦型MOSFETを備えた半導体装置が完成する。
以上説明した半導体装置に備えられた縦型MOSトランジスタは、例えば、ゲート電極9に対してゲート電圧を印加していないときには、p型ベース領域4の表層部にチャネルが形成されないため、表面電極11と裏面電極12の間の電流が遮断され、ゲート電圧を印加すると、その電圧値に応じてp型ベース領域4のうちトレンチ7の側面に接している部分の導電型が反転してチャネルが形成され、表面電極11と裏面電極12の間に電流を流すという動作を行う。
そして、このような構造の縦型MOSトランジスタを備えた半導体装置では、トレンチ2aの長手方向の両先端部がトレンチ13によって除去され、絶縁部材15を配置した構造とされている。このため、トレンチ2a内をp型領域3で埋め込む際にトレンチ2aの長手方向の両先端部に形成される結晶欠陥が除去された状態となる。したがって、この結晶欠陥を通じたリーク電流の発生を抑制することが可能となり、結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
さらに、本実施形態では、トレンチ13の側壁面にn型領域14を形成することにより、トレンチ13の側壁面において、p型領域3とn型領域14によるPN接合が構成されるようにしている。このため、PN接合によって空乏領域を構成できるため、よりリーク電流が発生することを抑制できる。したがって、より結晶欠陥を要因とする耐圧低下やリーク電流増加を抑制できる半導体装置とすることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、トレンチ2aが長手方向において分断されていない構造について説明した。しかしながら、トレンチ2aを形成したとき、残されたn型ドリフト層2が倒れることがあることから、トレンチ2aを長手方向の途中で分断するという構造を採用するときがある。本実施形態では、このような構造の一例として、トレンチ2aを長手方向中央位置において二つに分割した構造を採用する場合について説明する。なお、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、トレンチ2aが長手方向において分断されていない構造について説明した。しかしながら、トレンチ2aを形成したとき、残されたn型ドリフト層2が倒れることがあることから、トレンチ2aを長手方向の途中で分断するという構造を採用するときがある。本実施形態では、このような構造の一例として、トレンチ2aを長手方向中央位置において二つに分割した構造を採用する場合について説明する。なお、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6は、本実施形態にかかる縦型MOSFETを備えた半導体装置におけるスーパージャンクション構造の上面レイアウトを示した図である。
この図に示されるように、本実施形態では、トレンチ2aの長手方向中央位置にも、トレンチ13およびn型領域14を形成してある。すなわち、トレンチ2aを長手方向中央位置で二つに分割した構造とする場合、その位置でもp型領域3を形成する際に結晶欠陥が形成されることになる。このため、本実施形態では、トレンチ2aのうち分割した部分を含むようにトレンチ13を形成している。
このように、トレンチ2aを長手方向において分割する場合には、その分割される側の先端部も含むようにトレンチ13を形成することで、その位置に形成される結晶欠陥を除去することが可能となる。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、セル領域に構成されるトレンチ2aのすべてを跨ぐようにトレンチ13を形成しているが、トレンチ2aのうちの一部のみの先端位置を含むようなトレンチ13を形成するようにしても良い。つまり、トレンチ13を長手方向において複数に分割した構造としても構わない。
上記各実施形態では、セル領域に構成されるトレンチ2aのすべてを跨ぐようにトレンチ13を形成しているが、トレンチ2aのうちの一部のみの先端位置を含むようなトレンチ13を形成するようにしても良い。つまり、トレンチ13を長手方向において複数に分割した構造としても構わない。
上記実施形態では、スーパージャンクション構造を構成するn型領域2bとp型領域3の長手方向とトレンチゲート構造を構成するトレンチ7の長手方向とが垂直となる場合を例に挙げて説明したが、必ずしも垂直とされている必要は無い。例えば、n型領域2bとp型領域3の長手方向がトレンチ7の長手方向に対して平行とされていても良い。
また、上記実施形態では、n+型領域5がソース領域として機能し、n+型基板1がドレイン領域として機能する縦型MOSトランジスタを例に挙げて説明したが、n+型基板1に代えてp+型基板を用いたIGBTについても、本発明を適用することができる。この場合、p+型基板の表面に直接n型ドリフト層2が形成される場合に限らず、バッファ層等が形成されるような構造であっても構わない。また、縦型半導体素子として、トレンチゲート構造のものを例に挙げて説明したが、トレンチゲート構造の素子に限らず、ラテラル構造の素子であっても良い。また、反転型の半導体素子に限らず、蓄積型の半導体素子であっても構わない。
また、上記では、第1導電型をn型、第2導電型をp型とするnチャネルタイプのMOSトランジスタやIGBTについて説明したが、素子を構成する各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのMOSトランジスタやIGBTに対しても、本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態では、半導体材料としてシリコンを用いる場合について説明したが、他の半導体材料、例えば炭化珪素や化合物半導体などを適用した半導体装置の製造に用いられる半導体基板についても、本発明を適用することができる。
1 n+型基板
1a 主表面
1b 裏面
2 n型ドリフト層
2a トレンチ
2b n型領域
3 p型領域
4 p型ベース領域
5 n+型領域
6 p+型コンタクト領域
7 トレンチ
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 層間絶縁膜
11 表面電極
12 裏面電極
13 トレンチ(欠陥除去トレンチ)
14 n型領域(側壁領域)
15 絶縁部材
1a 主表面
1b 裏面
2 n型ドリフト層
2a トレンチ
2b n型領域
3 p型領域
4 p型ベース領域
5 n+型領域
6 p+型コンタクト領域
7 トレンチ
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 層間絶縁膜
11 表面電極
12 裏面電極
13 トレンチ(欠陥除去トレンチ)
14 n型領域(側壁領域)
15 絶縁部材
Claims (5)
- 主表面(1a)および裏面(1b)を有する第1導電型または第2導電型の半導体基板(1)と、
前記半導体基板(1)の前記主表面(1a)側に形成され、一方向を長手方向とする複数のトレンチ(2a)がストライプ状に形成された第1導電型のドリフト層(2)と、
前記トレンチ(2a)内に埋め込まれた第2導電型領域(3)とを有し、
前記ドリフト層(2)のうち前記トレンチ(2a)の間に残された部分による第1導電型領域(2b)と前記第2導電型領域(3)とが交互に繰り返し並べられることによりスーパージャンクション構造が構成されていると共に、
前記スーパージャンクション構造が形成された領域内に、前記半導体基板(1)の前記主表面(1a)側に配置される表面電極(11)と前記裏面(1b)側に配置される裏面電極(12)との間に電流を流す縦型半導体素子を備え、
前記トレンチ(2a)の前記長手方向の両先端部を含む領域に欠陥除去トレンチ(13)が形成されていると共に、前記欠陥除去トレンチ(13)の内部が絶縁部材(15)にて埋め込まれていることを特徴とする縦型半導体素子を備えた半導体装置。 - 前記欠陥除去トレンチ(13)のうち前記トレンチ(2a)の前記長手方向と垂直方向となる側壁面には、第1導電型の側壁領域(14)が形成されており、前記第2導電型領域(3)と該側壁領域(14)とによるPN接合が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縦型半導体素子を備えた半導体装置。
- 前記欠陥除去トレンチ(13)は、前記複数のトレンチ(2a)のすべてに跨るように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の縦型半導体素子を備えた半導体装置。
- 主表面(1a)および裏面(1b)を有する第1導電型または第2導電型の半導体基板(1)と、
前記半導体基板(1)の前記主表面(1a)側に形成され、一方向を長手方向とする複数のトレンチ(2a)がストライプ状に形成された第1導電型のドリフト層(2)と、
前記トレンチ(2a)内に埋め込まれた第2導電型領域(3)とを有し、
前記ドリフト層(2)のうち前記トレンチ(2a)の間に残された部分による第1導電型領域(2b)と前記第2導電型領域(3)とが交互に繰り返し並べられることによりスーパージャンクション構造が構成されていると共に、
前記スーパージャンクション構造が形成された領域内に、前記半導体基板(1)の前記主表面(1a)側に配置される表面電極(11)と前記裏面(1b)側に配置される裏面電極(12)との間に電流を流す縦型半導体素子を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板(1)の前記主表面(1a)に前記ドリフト層(2)を形成する工程と、
前記ドリフト層(2)の表面に前記トレンチ(2a)の形成予定位置が開口するマスクを配置したのち、当該マスクを用いたエッチングにより、前記ドリフト層(2)に対して前記トレンチ(2a)を形成する工程と、
前記トレンチ(2a)内を埋め込むように、第2導電型層を成膜したのち、前記ドリフト層(2)が露出するように前記第2導電型層を平坦化することで、前記トレンチ(2a)内に前記第2導電型領域(3)を形成する工程と、
前記トレンチ(2a)の前記長手方向の両先端部をエッチングすることにより、前記トレンチ(2a)よりも深い欠陥除去トレンチ(13)を形成することで、前記第2導電型領域(3)を形成する際に前記トレンチ(2a)の前記長手方向の両先端部に形成された結晶欠陥を除去する工程と、
前記欠陥除去トレンチ(13)内を絶縁部材(15)にて埋め込む工程と、を含んでいることを特徴とする縦型半導体素子を備えた半導体装置の製造方法。 - 前記欠陥除去トレンチ(13)を形成する工程を行ったのち、第1導電型不純物を斜めイオン注入することにより、前記欠陥除去トレンチ(13)のうち前記トレンチ(2a)の前記長手方向と垂直方向となる側壁面に対して、第1導電型の側壁領域(14)を形成する工程を含み、
前記絶縁部材(15)にて埋め込む工程は、前記側壁領域(14)を形成する工程の後で行うことを特徴とする請求項4に記載の縦型半導体素子を備えた半導体装置の製造方法。
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