JP2012016596A - V字形またはu字形の刻み目を有する調理器具 - Google Patents

V字形またはu字形の刻み目を有する調理器具 Download PDF

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Abstract

【課題】溶けた油脂の場所を過度に制限する結果となる底壁の過度の上向きの膨らみを有することなく、早期のおよび経時的な底壁の変形に対する耐性を改善する調理器具を実現する。
【解決手段】本発明は、平らな上面と、凹形の刻み目(2)を含む下面(1)とを備える底壁を有する調理器具に関する。各刻み目(2)は、2本の径方向ブランチ(3a)と、2本の径方向ブランチ(3a)を連結する1本の中央ブランチ(4)とから構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、フライパン、深さのあるフライパン、片手鍋、またはシチュー鍋、その他などの調理器具に関する。
平らな上面と、凹形の刻み目を含む下面とを備える底壁を有するタイプの調理器具が、知られている。
本発明の説明では、刻み目(凹面)は、圧力によって通常、少なくとも本質的には一般的に金属製である前記下面にかけられた1回の衝撃または連続的衝撃によって刻印された凹形の形状を有する窪んだマークまたは窪んだ(隠し)模様を意味している。
特許文献1は、主に径方向の溝である凹形の刻み目を有するそのような器具を記載していた。これらの刻み目は、底壁の変形を低減することを可能にする。
しかしながら、一定期間後、食品を料理するために連続的に使用することにより、特に重量の影響下で、下向きに膨らむという底壁の変形が引き起されることが明らかである。
底部の変形を低減するための別の知られている解決策は、底壁を上向きに膨らますことを行うことである。しかし、主な欠点は、底壁の上面の凹凸が大きくなりすぎ、溶けた油脂(油、バターなど)がこの壁の周囲に集中するようになることである。
この新たな欠点は、最初の底壁の上向きの変形を抑えることによって低減させることができる。この場合、熱を用いた数回の使用後、底壁はその上向きに膨らんだ外観を失い、下向きに膨らんで変形するようになる。
特許文献2は、さらに、平らな上面と、それとは異なる単一の凹形の(したがって非貫通の)、刻み目を含む下面とを備える底壁を有する調理器具を開示しており、このとき径方向ブランチは、径方向ブランチのすべてをそれによって互いの間で連通させる連続の円形中央ブランチ4によってすべてが一緒に連結された径方向ブランチ7から(の全体を形成するように)構成されている。
そのような実現化には、より複雑な刻み目の母型を使用し、マークされる壁の中心に関連して正確に配置することを必要とする。
さらに、刻み目は、底部の中心Cのほぼ近く/近傍に位置しており、この底部は、当然ながら、横方向の壁となるために底部が上昇し始める周囲線Pによって周囲的に限定された中央部分である。これ、またはこの特許に開示された実現化は、経時的な変形の制御には有利に働かない。
特許文献3に関して述べると、平らな上面と、1つではない、すなわち複数の何も有さない凹形の刻み目を含む下面とを備える底壁を有する調理器具がここで開示されているが、刻み目は、それらの一部は少なくとも星の形状であり、このとき径方向ブランチは、貫通することができるディスクもしくは中央形状によって、またはここでも底部の中心の比較的径方向近傍で、連続円形ブランチによってすべて一緒に連結されている。
仏国特許第2667496号明細書 欧州特許第0970647号明細書 仏国特許出願公開第2919484号明細書 欧州特許出願公開第97064号明細書
本発明は、溶けた油脂の場所を過度に制限する結果となる底壁の過度の上向きの膨らみを有することなく、早期のおよび経時的な底壁の変形に対する耐性を改善する調理器具を実現することを狙いとする。
本発明によれば、上記で述べたタイプの調理器具では、複数の凹形の刻み目が底部内に設けられ、各刻み目は、2本の径方向ブランチと、2本の径方向ブランチを連結する1本の中央ブランチとから構成される(すなわちこの用語の一般的な意味によれば:「排他的に備える」)。したがって、各刻み目は、(図1、2などの正面図では)中央ブランチの長さによってU字またはV字の略形状を有する。
Iの形状の刻み目の代わりにU字またはV字の形状の刻み目を使用することにより、調理器具は、溶けた油脂の分散を妨げる底壁の上面の平坦性を有することなく、変形を受けるまでにより多くの加熱および冷却サイクルに耐えることが可能になることが明らかである。
本発明の他の特記事項および利点は、付属の図に示す非制限の例によって与えられた2つの実施形態で明らかになるものとする。
第1の実施形態によるフライパンの底壁の下面の図である。 第2の実施形態によるフライパンの底壁の下面の図である。 断面線III−IIIに対応する断面図である。 断面線IV−IVに対応する断面図である。 断面線V−Vに対応する断面図である。 断面線VI−VIに対応する断面図である。 断面線VII−VIIに対応する断面図である。 断面線VIII−VIIIに対応する断面図である。
図1および2は、フライパンの底壁の下面1を示している。
この壁上で油脂の良好な分散を得るために、壁の上面10は平らである。したがって、壁の上面は、下面1とは異なっていかなる変形も有さず、いかなる穴も有さず、この表面10上でのフライ返しの自由な摺動を妨げる刻み目または他の窪みによって窪んでいない。壁の上面は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コーティングのものなどの小さい凹凸を有することができる。
したがって、平らな上面10は、より好ましくは、キャップ12の形状の凹形の壁を覆う(PTFEなどの)付着防止層11のものとする。表面10は、本明細書に関係する調理器具13内に置かれた食品を受け入れる。
壁12は、機能を考慮すると金属製である。アルミニウムなどの軟質金属が推奨される。
表面10とは異なり、底壁の下面1(正確には壁12のもの)は、凹形の刻み目2を含み、その各々が、2本の径方向ブランチ3aおよび2本の径方向のブランチ3aを連結する1本の中央ブランチ4から構成される。したがって、各刻み目2は、これらのブランチ3aおよび4のみを含む。
下面1は、調理器具13を加熱するために保持される熱源15(たとえばガスバーナ)上に置かれるものである。
理解されているように、各刻み目2は、材料を有しておらず、内側に挿入体6は存在していない(挿入体6は以下を参照)。
図1〜8を比較することによって、各凹形の刻み目2(したがって他とは完全に交わらない)が、各刻み目の周りに同じレベルで均等に延びる表面1の窪んでいないゾ−ン14によって完全に取り囲まれていることがさらに確認される。補完的には、前記刻み目2周りの周囲に延びるこの窪んでいないゾ−ン14は、全体的に平面16上に支持面、すなわち下面1用の支持面を画定することも確認される。
さらに、各刻み目は、中央ブランチ4の中心を通過する対称軸3を有する。この軸3は、径方向に向けられる。この実施形態では、中央ブランチ4は、一方では、底壁の中心である中心を有する円弧内のブランチであり、他方では底壁の中心方向に向けられている。2本の径方向ブランチの自由端5は、底壁の周囲上の方向に向けられている。図1および2に示すように、刻み目2は、より好ましくは底壁の周囲部分に配置されている。
したがって、底部の求められる経時的な安定性のために、各刻み目2は、ここでは、底部の中心Cよりもこの底部の外側周囲限界Pの近くまで径方向に延びている。
これらの実施形態では、中央ブランチ4の長さは、各径方向ブランチ3aの自由端5のものとは異なる。より好ましくは、中央ブランチ4は、自由端5より幅が広い。またより好ましくは、中央ブランチ4の長さは、自由端5のものの最大限でも4倍である。最適な配分は、2倍の比にすることが簡単であり、この場合10mmの中央ブランチ4の長さおよび5mmの自由端5のものである。
底壁の曲げ変形をさらに抑えるために、下面1が、クラウン内に均等に分散された奇数(少なくとも3つ)の刻み目2を有することが推奨される(ここでは7つの刻み目2が存在している)。刻み目2の数は、調理器具の直径によって決定する:100mm未満の底直径の場合は3つ、150mm未満の直径の場合は5つ、250mm未満の直径の場合は7つ、およびそれ以上は9つが推奨される。
より好ましくは、底壁は、1000、3000、4000または5000系から選ばれたアルミニウムから作製される。その厚さは、より好ましくは2mmから5mmの間であり、各刻み目2の深さは、0.2mmから1mmの間である。いずれの場合も、刻み目は、底壁を貫通しない。
1000、3000、4000または5000から作製され、2mmから5mmの間の厚さを有し、下壁内でU字またはV字の形状の刻み目2が達成される底壁を有することにより、底壁の変形を、最初に反対方向の大幅な変形を実行する必要なく大幅に抑えることが可能になる。
これらの実施形態では、刻み目は、圧印加工によって達成される。(底壁になることを目的とする)アルミニウムディスクが、プレス上でパンチと母型の間に配置される。調理器具は、刻み目2をパンチングした後でアルミニウム製のディスクを打ち抜き加工することによって実行される。
第2の実施形態では、挿入体6が、底壁の下面1の中心に固定される。挿入体6は、星の形状を有する。これは、より好ましくは銅またはオーステナイトステンレス鋼から作製され、0.2mmから0.8mmの間の厚さを有する。
そのような挿入体をU字またはV字の形状の刻み目と共に使用することにより(そして挿入体無しでは、ここでは材料を有さない)、底壁の変形を、それを上向きに膨らませるよう導くことが可能になる。刻み目2は、底壁の変形の大きさを抑え、底壁(アルミニウム)のものとは異なる金属(銅またはオーステナイトステンレス鋼)を有する挿入体の存在により、2つの材料の膨張係数に差異があるためにこうした変形に導くことが可能になる。
挿入体6の星形状を画定する各ブランチ7は、径方向に向けられた対称軸8を有する。
より好ましくは、ブランチ7の数は、刻み目2の数に等しい。この場合、刻み目2の軸3は、図2に示すように、ブランチ7の軸8の二等分線を形成することが好ましい。
第2の実施形態では、挿入体6は、刻み目2と同じ圧印加工作業時に圧印加工によって固定される。その耐性を改善するために、挿入体6は、取付けオリフィス9を備える。
本発明による調理器具を実現するための方法は、以下のステップをたどることによって行うことができる:刻み目2および場合によっては挿入体6をディスク上に圧印加工するステップ、調理器具の形成のために打ち抜き加工するステップ、さまざまなコーティング(エナメル、付着防止など)を施すステップ、および調理器具を仕上げるステップ。
代替策は、付着防止コーティングでディスクを(場合によっては両面に)コーティングし、次いで刻み目2および場合によっては挿入体6を圧印加工し、次いで打ち抜き加工によって調理器具を形成し、最後に仕上げステップを行うことである。
本明細書の以下において、さまざまなフライパンの耐性を比較することができる経年変化比較試験が、本出願人の内部基準に従って実施される。底部の変形の測定はすべて、25回の220℃の加熱サイクルおよび冷却サイクルの後で行われる。
既存の製品レンジに関して:
−平滑な(したがっていかなる刻み目も有さず、何も有さないまたは中が詰まった)内面を備えた「Essencia」では、変形は0.09mmの下向きであり、
−これもまた平滑な内面を備えた「Evidence」では、変形は0.37mmの下向きであり、
−(正面から見て)I字の形状の刻み目を有する内面を備えた「Elegance」では、変形は0.04mmの下向きであり、
−特許文献3で提供されたものによる、その中心に圧印加工された銅鉄板を有する内面を備えた「Performance」では、変形は0.24mmの上向きである。
本発明による製品レンジに関しては、
−挿入体無しの(正面から見て)U字形の刻み目を備えた底部上では、変形は0.09mmの上向きであり、
−ディスクの形状の挿入体を有する(正面から見て)U字形の刻み目を備えた底部上では、変形は0.11mmの上向きであり、
−星の形状の中実挿入体を有する(正面から見て)U字形の刻み目を備えた底部上では、変形は0.14mmの上向きであり、
−星の形状でパンチングされた挿入体を有する(正面から見て)U字形の刻み目を備えた底部上では、変形は0.13mmの上向きである。
したがって、「Essencia」、「Evidence」および「Elegance」の製品レンジでは、底壁は、急速に下向きに膨らみ(それによって加熱接触面が小さくなるためにフライパンがすぐに使用できなくなる)、「Performance」製品レンジでは、底壁は上向きに大きく膨らみすぎる(その結果、周囲に油脂の集中が生じる)。
それとは異なり、本発明による製品レンジでは、一方では、底壁は落ち込まず、他方ではその上向きの変形は小さく(「Performance」製品レンジの約半分未満)とどまり、それによって油脂の比較的均一な分散を有することが可能になる。
本発明は、本明細書の上記で紹介した2つの実施形態に限定されない。したがって、U字形またはV字形の刻み目は、一続きの刻み目の形態でクラウン内に均等に分散させることができ、この一続きのものは、クラウン内に均等に分散され、各々の一続きのものは、内側に互いに重ねられ同じ対称軸を有する複数の刻み目を含み、たとえば第1の刻み目は、第2の刻み目の3本のブランチによって画定されたハウジング内に配置され、第2の刻み目はそれ自体、第3の刻み目の3本のブランチによって画定されたハウジング内に配置される。
比較試験が実施された。以下に詳述する。
Figure 2012016596
Figure 2012016596
Dは、(周囲温度t℃:23℃時の)製品の底部の基準直径である。
(c)規格EN12 983−2を参照願う。
グラフ化した結果
Figure 2012016596
結論
いずれのタイプの製品も、ほぼ同じ元の凹度および(経年変化後:(b)の)ほぼ同じ高温変形を有する底部を各々が有する。
GV3の底部で到達した凹度は、前記試験に加えて、試験されるGV4の底部のものよりわずかに小さい。しかし、第1の加熱およびその後の熱応力(ステップaおよびb)後は、その間のギャップは低減される。
主に、GV4の底部は、(熱応力前後の変形を比較して)GV3のものより良好に経年変化している。さらに、熱上昇下(均一化するための時間(c)および底部で温度を均一化するための最高温度)の底部の反応は、GV4製品の方が良好である。
注釈:上記で引用したGV3の底部の代わりに特許文献4に適合する料理用製品の底部を使用して上記の通りに試験すると、上記で詳述した特許文献3に適合する底部で得たものより良好な結果にはならなかった。

Claims (18)

  1. 平らな上面と下面(1)とを備える底壁を有する調理器具であって、前記下面は、凹形の刻み目(2)を含む、調理器具において、各刻み目(2)は、2本の径方向ブランチ(3a)と、前記2本の径方向ブランチ(3a)を連結するその間の中央ブランチ(4)とから構成されることを特徴とする、調理器具。
  2. 平らな上面と下面(1)とを備える底壁を有する調理器具であって、前記下面は、挿入体または材料を内側に有さずに凹形の刻み目(2)を含む、調理器具において、各刻み目(2)は、2本の径方向ブランチ(3a)と、前記2本の径方向ブランチ(3a)を連結するその間の1本の中央ブランチ(4)とを排他的に含むことを特徴とする、調理器具。
  3. 各刻み目(2)は、
    前記下面(1)のための支持表面を、平面内に延びる下に位置する表面(16)上に画定し、および/または
    前記刻み目(2)の周りに同じレベルで均等に延びる
    前記下面(1)の窪んでいないゾ−ン14によって完全に取り囲まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  4. 前記中央ブランチ(4)は、前記底壁の中心である中心を有する円形ブランチの孤であり、および/または各刻み目(2)の前記中央ブランチ(4)は、前記底壁の中心の方向に配向されていることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  5. 各刻み目(2)は、前記中央ブランチ(4)の中心を径方向に貫通する径方向の対称軸(3)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  6. 前記中央ブランチ(4)の長さは、前記2本の径方向のブランチ(3a)の自由端(5)の長さとは異なり、前記中央ブランチ(4)の長さは、前記自由端(5)より長く、最大限でも4倍の広さであることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  7. 前記凹形の刻み目(2)は、前記底部の中心(C)よりもこの底部の外側周囲境界(P)近くまで延びることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  8. 前記底壁は、アルミニウムから作製され、前記アルミニウムは、1000、3000、4000または5000系に属することを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  9. 前記底壁は、2mmから5mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  10. 各刻み目(2)は、0.2mmから1mmの間の深さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  11. 前記下面(1)は、クラウン内に均等に分散された奇数の刻み目(2)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  12. 前記刻み目(2)は、前記底壁の周囲部分に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
  13. 挿入体(6)は、前記底壁の前記下面(1)の中心に固定されることを特徴とする請求項12に記載の調理器具。
  14. 前記挿入体(6)は、星の形状を有することを特徴とする請求項13に記載の調理器具。
  15. 前記挿入体(6)の前記星形状を画定するブランチ(7)の数は、前記底壁上に作製された刻み目(2)の数と等しいことを特徴とする請求項14に記載の調理器具。
  16. 前記星は、前記刻み目(2)の軸(3)の二等分線を形成する対称軸(8)を有する複数のブランチ(7)を有することを特徴とする請求項15に記載の調理器具。
  17. 前記挿入体(6)は、0.2mmと0.8mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項13に記載の調理器具。
  18. 前記挿入体(6)は、銅およびオーステナイトステンレス鋼のいずれか1つから作製されることを特徴とする請求項13に記載の調理器具。
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