JP2012016283A - プロセスチーズ用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規プロセスチーズ用組成物と、この組成物を含むプロセスチーズと、この組成物を加える工程を含むプロセスチーズの製造方法とを提供すること。
【解決手段】グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含む、プロセスチーズ用組成物とする。このプロセスチーズ用組成物を加えることによって、製造時から時間が経過しても、老化しにくいプロセスチーズを製造することが可能になる。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含むプロセスチーズ用組成物と、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを加える工程を含むプロセスチーズの製造方法に関する。
チーズは、牛などの動物の乳汁を酵素で凝固させ、脱水や成形をしたのちに、新鮮な状態で、または、微生物などの作用により発酵させた状態で供される食品である。原料や製造方法の違いによって非常に多種類のチーズがあるが、大きくは、加熱処理することで発酵を停止させたプロセスチーズと、加熱処理されていないナチュラルチーズとに大別される。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを溶解したした後に、乾燥させたり、密封包装されたりすることによって製造することから、ナチュラルチーズに比べて、均質で保存性が高く、使いやすいという点で優れており、世界中で広く食されている。
しかし、プロセスチーズであっても、ナチュラルチーズと同様に、製造時から時間が経過するとともに、老化して固くなってしまい、食感が著しく低下してしまうことが問題となる。この食感の低下を防ぐために、例えば、グリシンナトリウムを添加することによって、プロセスチーズの老化速度を減少させる方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−279088号公報
しかし、グリシンナトリウムを用いる方法は、プロセスチーズに対してグリシンナトリウムを3%程度と多量に添加しなければならず、さらにグリシンナトリウムが強い味を持つため、プロセスチーズ本来の風味を大きく損なってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、食品に対して少量の添加で食品の老化を防ぐことができる新規プロセスチーズ用組成物と、このプロセスチーズ用組成物を加える工程を含むプロセスチーズの製造方法とを提供することを目的とする。
発明者等は、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを組み合わせて用いることにより、プロセスチーズに対して少量の添加で、プロセスチーズの老化を抑制できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
(i)グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含む、プロセスチーズ用組成物。
(ii)前記コーンシロップ発酵生成物が、ストレプトコッカス属、オディウム属、または、ラクトバチルス属の菌体をスターターとして、コーンシロップを発酵させた生成物であることを特徴とする、(i)に記載の組成物。
(iii)前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との重量比が、1:3〜4:1であることを特徴とする、(i)または(ii)に記載の組成物。
(iv)前記重量比が、1:1〜3:1であることを特徴とする、(iii)に記載の組成物。
(v)(i)〜(iv)のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする、プロセスチーズ。
(vi)(v)に記載のプロセスチーズであって、前記プロセスチーズの原料となるチーズ100重量部に対して、前記組成物の含有量が0.25重量部〜3.0重量部であることを特徴とする、プロセスチーズ。
(vii)前記含有量が、0.75重量部〜1.25重量部であることを特徴とする、(vi)に記載のプロセスチーズ。
(viii)前記含有量が、0.9重量部〜1.1重量部であることを特徴とする、(vi)に記載のプロセスチーズ。
(ix)プロセスチーズの製造方法であって、前記プロセスチーズの原料となるチーズとグリシンとコーンシロップ発酵生成物とを混合する工程を含む製造方法。
(x)前記コーンシロップ発酵生成物が、ストレプトコッカス属、オディウム属、または、ラクトバチルス属の菌体をスターターとして、コーンシロップを発酵させた生成物であることを特徴とする、(ix)に記載の製造方法。
(xi)前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との重量比が、1:3〜4:1であることを特徴とする、(ix)または(x)に記載の製造方法。
(xii)前記重量比が、1:1〜3:1であることを特徴とする、(xi)に記載の製造方法。
(xiii)前記プロセスチーズの原料となるチーズ100重量部に対して、前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との合計量が、0.25重量部〜3.0重量部であることを特徴とする、(ix)〜(xii)のいずれかに記載の製造方法。
(xiv)前記合計量が、0.75重量部〜1.25重量部であることを特徴とする、(xiii)に記載の製造方法。
(xv)前記合計量が、0.9重量部〜1.1重量部であることを特徴とする、(xiii)に記載の製造方法。
(xvi)(ix)〜(xv)に記載のいずれかの方法によって製造されることを特徴とする、プロセスチーズ。
本発明によって、少量の添加でプロセスチーズの老化を防ぐことができる新規プロセスチーズ用組成物と、この組成物を含む新規プロセスチーズと、この組成物を加える工程を含むプロセスチーズの新規製造方法とを提供することが可能となる。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、および、そのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==プロセスチーズ用組成物==
本発明に係るプロセスチーズ用組成物は、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含む。
グリシンの由来は特に限定されず、例えば、天然由来であっても、合成物であっても良い。また、グリシンの純度は、特に限定されないが、食品用であることを踏まえれば、純度が高いことが好ましく、また、不純物を含む場合には、不純物も食品としての基準を満たすことが好ましい。
コーンシロップ発酵生成物とは、ストレプトコッカス(Streptcoccus)属、オディウム(Odium)属、または、ラクトバチルス(Lactobacillus)属の菌体をスターターとして、コーンシロップを発酵させた生成物である。
コーンシロップは、トウモロコシを原料として作られた糖であれば特に限定されず、例えば、液状コーンシロップ、粉末コーンシロップ、及び、コーンシロップを含有している液状水飴や粉末水飴を用いることができる。これらコーンシロップは、単独種類で用いても良く、また、複数種類を混合して用いても良い。
ストレプトコッカス属、オディウム属、及び、ラクトバチルス属の菌体として、例えば、ストレプトコッカス・ラクティス(S. Lactis)、ストレプトコッカス・テルモフィルス(S. Thermophilus)、オディウム・ラクチス(O. Lactis)、ラクトバチルス・ブルガリクス(L. Bulgaricus)、及び、ラクトバチルス・ラクチス(L. Lactis)が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの菌体は、単一種類で用いても良く、また、複数種類を併用することもできる。
コーンシロップを発酵させる際に、添加物を加えても良い。添加物は、炭素源及び窒素源を含むことが好ましい。炭素源としては、例えば、ブドウ糖を用いることができ、また、窒素源としては、例えば、酵母エキスを用いることができる。
コーンシロップを発酵させるpHは、特に限定されないが、弱アルカリ性であることが好ましい。
コーンシロップを発酵させる温度は、特に限定されないが、スターターとして用いる菌体の活性と安定性とを考慮に入れれば、35〜45℃であることが好ましい。
コーンシロップを発酵させる時間は、菌体の増殖性等を鑑み、6〜20時間とする。
このようにして得られるコーンシロップ発酵生成物は、特に後処理をすることなく、そのままプロセスチーズ用組成物に用いることができる。
ここで、食品に用いることを考慮に入れれば、コーンシロップ発酵生成物は、発酵後に殺菌されていることが好ましく、低温殺菌されていることが特に好ましい。保存のしやすさやプロセスチーズに加える利便性を考慮に入れれば、脱水されていることが好ましい。また、プロセスチーズと均一に混合する効率を考慮に入れれば、粉末化されていることが好ましい。
これらのことから、コーンシロップ発酵生成物は、発酵後に低温殺菌され、さらに、スプレードライ法によって、脱水・粉末化されていることが特に好ましい。
グリシンとコーンシロップ発酵生成物との重量比は特に限定されないが、1:3〜4:1であることが好ましく、1:1〜3:1であることが特に好ましい。
==プロセスチーズ用組成物の使用方法==
このグリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含むプロセスチーズ用組成物は、プロセスチーズに加えることにより使用する。
ここで、プロセスチーズとは、1種類以上のナチュラルチーズを、加熱溶解することによって発酵を停止させたチーズをいう。プロセスチーズの原料となるチーズとして、ナチュラルチーズの他に、別に作られたプロセスチーズや、たんぱく質や脂肪などから成るイミテーションチーズを含んでいても良い。
ナチュラルチーズとして、例えば、熟成させないフレッシュチーズ、表面に菌を植え付けて熟成させ、それをワインや塩水などで洗い流す過程を経たウォッシュチーズ、表面に白かびを植え付けて熟成させた白かびチーズ、内部に青かびを植え付けて熟成させた青かびチーズ、および、加温・加圧などによって水分を一部除去したセミハードチーズやハードチーズが挙げられるが、これらに限定されない。
ナチュラルチーズの原料となる乳汁として、例えば、牛の乳、水牛の乳、羊の乳、山羊の乳、および、これらを混合した乳汁などを用いることができるが、これらに限定されない。
即ち、具体的には、ナチュラルチーズとして、チェダーチーズ、ロマーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、プロボローネチーズ、ペコリーノチーズ、ゴーダチーズ、エダムチーズ、エメンタールチーズ、グリュイエールチーズ、ポン・レヴェックチーズ、リンブルガーチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラチーズ、リコッタチーズ、パニールチーズ、ヴァランセチーズ、フェタチーズ、カマンベールチーズ、ブリーチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、あるいは、これらの混合物などを用いることができる。
==プロセスチーズの製造方法および使用方法==
プロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズは、通常のプロセスチーズの製造過程において、さらにプロセスチーズ用組成物を加えることによって、製造することができる。
以下、この製造方法の一例を述べる。
まず、プロセスチーズの原料となるチーズのリンド部を、必要に応じてスクレーパー等を用いて除去する。引続き、チョッパー等を使用して原料となるチーズを粉砕する。粉砕したチーズを攪拌しながら加熱溶解させたところに、水に溶かしたプロセスチーズ用組成物を加え、均一になるまで混合する。混合物を、容器に充填し、冷却することによって、プロセスチーズを製造することができる。
プロセスチーズ用組成物をプロセスチーズに加える方法は、特に限定されない。この組成物をプロセスチーズ中に均一に分散させるという観点から、プロセスチーズの原料となるチーズを加熱溶解させる前、または、加熱溶解させている間に加えることが好ましい。また、プロセスチーズ用組成物を、粉末などの固体の状態で加えても良く、水に懸濁、または、溶解させてから加えても良い。
プロセスチーズの原料となるチーズに対する、プロセスチーズ用組成物の添加量は、特に限定されないが、原料となるチーズ100重量部に対して、0.25重量部〜3.0重量部であることが好ましく、0.75重量部〜1.25重量部であることがより好ましく、0.9重量部〜1.1重量部であることがさらに好ましい。なお、プロセスチーズ用組成物の添加量が、原料となるチーズ100重量部に対して、3.0重量部を超えると、プロセスチーズ本来の風味を損なう可能性がある。
粉砕したチーズを攪拌する速度、加熱する温度、および、加熱溶解する時間は、特に限定されず、原料として用いるチーズの種類や、製造するプロセスチーズの特性に合わせて、適宜調節することができる。例えば、攪拌速度は、100 rpm〜15000 rpm、加熱温度は、50℃〜150℃、そして、加熱時間は、1〜30分としても良い。
プロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズを製造する際に、リン酸塩に代表される溶融塩を含む乳化剤を加えても良い。また、風味付けのために、各種フレーバー、香辛料、酒、および、果物などを加えても良く、各種糖類などの甘味料や、着色料を適宜加えても良い。
このようにして製造したプロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズは、製造時から時間が経過しても、老化による強度増加が起こりにくく、長時間に渡って製造時の食感を保つことが可能となる。
このプロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズの使用方法は特に限定されず、生食でも、加熱調理して食することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[実施例1]コーンシロップ発酵生成物の調製
一般流通しているコーンシロップA、B及びC(テート&ライル社)に、ブドウ糖、及び、酵母エキスそして水を加え、得られた混合物を攪拌することによって均一な溶液を調製した。
それぞれの溶液に対して、450 mLの容量の、綿栓をしたフラスコ内で20〜23℃にて15時間、菌体ストレプトコッカス・ラクティスを発酵させたスターターを接種した。
接種した溶液を35〜45℃で17時間、350 rpmで振とうすることによって、コーンシロップ溶液を発酵させた。得られた発酵溶液を、低温殺菌した後に(72℃にて15秒間)、スプレードライ法(ビュッヒ社)を用いて、70℃の熱風にて脱水し、乾燥粉末化することによって、コーンシロップ発酵生成物を調製した。
今回、コーンシロップAを含む溶液から得られたコーンシロップ発酵生成物を、コーンシロップ発酵生成物Aとした。同様に、コーンシロップBを含む溶液から得られたものをコーンシロップ発酵生成物Bとし、コーンシロップCを含む溶液から得られたものをコーンシロップ発酵生成物Cとした。
[実施例2]プロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズの作成
グリシンと実施例1で調製したコーンシロップ発酵生成物とを含む、プロセスチーズを次の方法で作成した。
ナチュラルチーズ(熟成したチェダーチーズ及び熟成過程にある比較的フレッシュなチェダーチーズ)18 kgを、Stephen社製の粉砕機を用いて粉砕した。粉砕したチーズを、ツインスクリューのAugerタイプ攪拌装置に入れて、毎分40〜50回転の速度で攪拌しながら間接加熱法により75℃の温度で加熱溶解させた。
溶融させたナチュラルチーズに、0.36 kgの溶融塩を加えた。さらに、0.9 Lの水に溶解させた、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを、表1に記載の割合で加えた。
このようにして調製した混合物を、その形状がスムーズかつ均一になるまで加熱攪拌し続けた後に、容器に充填し、5℃にて24時間冷却することによって、ブロック状のプロセスチーズを作成した。
Figure 2012016283
この際、コントロールとして、グリシンもコーンシロップも加えない無添加の検体(No.1)、グリシンのみを加えた検体(No.2)、および、コーンシロップ発酵生成物A、B、または、Cのみを加えた検体(No.5、No.8、および、No.11)も作成した。
なお、無添加であるNo.1以外のNo.2〜No.11の検体においては、添加したグリシンとコーンシロップ発酵生成物との合計量が、原料として用いたナチュラルチーズ100重量部に対して、1.0重量部となるように統一した。
[実施例3]プロセスチーズ用組成物を含むプロセスチーズの強度測定
実施例2で作成した各プロセスチーズ(No.1〜No.11)の強度を、ブロック状のまま2℃で保存し、製造時からの強度の変化を測定した。
測定時に、縦3 cm、横3 cm、高さ1 cmの直方体にカットし、直方体のプロセスチーズを室温にまで放冷した。レオメーター(Fudoh,NRM−2010−CW)を用いて、直径3 mmの円柱型プランジャーを使用し、テーブル速度を60 mm/分、および、最大負荷を1 kgに設定して、突き刺し強度を測定した。
各検体について、製造時、製造時から1日後、2日後、4日後、および、7日後に、9点を測定し、9点測定した平均値を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2012016283
さらに、各検体の強度変化を明確に比較するために、製造時の強度を100%とした突き刺し強度の増加率を求めた。また、製造時から7日後の値を用い、各検体の突き刺し強度の増加率について、コントロールである検体No.1の突き刺し強度の増加率に対するStudentのt−検定を行った。
これら結果を、表3に示す。
Figure 2012016283
グリシンもコーンシロップ発酵生成物をも加えていないコントロールの検体(No.1)では、製造から7日後には、製造時に比べて1.7倍以上の固さになってしまい、プロセスチーズ本来の食感を著しく損なってしまった。
一方、グリシンのみを加えた検体(No.2)においては、コントロールに比べれば僅かにプロセスチーズの老化を防いだものの、7日間保存した後には、製造時の1.3倍の固さとなり、実際に工場で製造し流通・販売するにあたっては、不適切な値であった。
また、コーンシロップ発酵生成物のみを加えた検体(No.5、No.8、および、No.11)では、7日後の固さは製造時の約1.4倍〜1.5倍となり、グリシンのみを加えた検体以上に、プロセスチーズ本来の食感を保つことはできなかった。
しかしながら、上記の結果に対し、グリシンとコーンシロップ発酵生成物との両方を加えたプロセスチーズ(No.3、No.4、No.6、No.7、No.9、および、No.10)においては、グリシンとコーンシロップ発酵生成物との配合比、および、コーンシロップ発酵生成物の種類に関わらず、製造時からの時間の経過に伴う老化が顕著に抑制された。具体的には、製造時から7日間経過した後であっても、最大でも製造時の1.17倍以下に、プロセスチーズの強度の増加が抑えられた。
特に、グリシンとコーンシロップ発酵生成物との配合比が1:1である検体(No.4、No.7、および、No.10)では、7日後における強度の増加は、1.04倍〜1.10倍と非常に低い、優れた老化防止効果を奏した。
グリシンとコーンシロップ発酵生成物との両方を加えたプロセスチーズについて、有意差の観点でコントロールと比較すると、p値は最大でも0.034であり、有意に老化が抑制されたことが明白である。さらに、グリシンとコーンシロップ発酵生成物との配合比が1:1である検体では、p値は0.002〜0.009と、特に有意にプロセスチーズの強度増加が抑えられたことが明らかである。
このように、グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを組み合わせたプロセスチーズ用組成物は、非常に優れた老化防止効果を奏する。この全く新しいプロセスチーズ用組成物をプロセスチーズの製造過程で加えることによって、製造時の食感を長期間保つことができるプロセスチーズを提供することが可能となる。

Claims (16)

  1. グリシンとコーンシロップ発酵生成物とを含む、プロセスチーズ用組成物。
  2. 前記コーンシロップ発酵生成物が、ストレプトコッカス属、オディウム属、または、ラクトバチルス属の菌体をスターターとして、コーンシロップを発酵させた生成物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との重量比が、1:3〜4:1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記重量比が、1:1〜3:1であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする、プロセスチーズ。
  6. 請求項5に記載のプロセスチーズであって、前記プロセスチーズの原料となるチーズ100重量部に対して、前記組成物の含有量が0.25重量部〜3.0重量部であることを特徴とする、プロセスチーズ。
  7. 前記含有量が、0.75重量部〜1.25重量部であることを特徴とする、請求項6に記載のプロセスチーズ。
  8. 前記含有量が、0.9重量部〜1.1重量部であることを特徴とする、請求項6に記載のプロセスチーズ。
  9. プロセスチーズの製造方法であって、前記プロセスチーズの原料となるチーズとグリシンとコーンシロップ発酵生成物とを混合する工程を含む製造方法。
  10. 前記コーンシロップ発酵生成物が、ストレプトコッカス属、オディウム属、または、ラクトバチルス属の菌体をスターターとして、コーンシロップを発酵させた生成物であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との重量比が、1:3〜4:1であることを特徴とする、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記重量比が、1:1〜3:1であることを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記原料となるチーズ100重量部に対して、前記グリシンと前記コーンシロップ発酵生成物との合計量が、0.25重量部〜3.0重量部であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記合計量が、0.75重量部〜1.25重量部であることを特徴とする、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記合計量が、0.9重量部〜1.1重量部であることを特徴とする、請求項13に記載の製造方法。
  16. 請求項9〜15に記載のいずれかの方法によって製造されることを特徴とする、プロセスチーズ。
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