JP2012015134A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】HR膜端面の反射率を下げることなくHR膜端面の放熱を向上させることや、リッジの放熱を向上させることにより、安定動作のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子などの半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】誘電体多層膜から成るHR膜18を一方の端面に備えた半導体レーザ23と、低屈折率調整膜18cを一方の端面に備えた透明放熱ブロック19とを有し、且つ、半導体レーザ23に備えたHR膜18に透明放熱ブロック19に備えた低屈折率調整膜18cを接触させて成る高反射膜構造24を有していることを特徴とする半導体レーザ素子22の構成とする。また、半導体レーザと、側面電極とこの側面電極につながっている上面電極パッドとを備えた放熱ブロックとを有し、且つ、半導体レーザの表面電極に放熱ブロックの側面電極を接触させて成る放熱構造を有していることを特徴とする半導体レーザ素子の構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信などに用いられる高温度特性を持つ半導体レーザ素子(例えばDFBレーザ素子)などの半導体レーザ素子に関するものである。
急激に増大する伝送容量に対応するため、メトロエリア及びローカルエリア系のネットワークでは2.5又は10Gb/sの高速伝送サービスが行われている。このようなサービスでは低コストのネットワークが構築されることが求められており、この観点から、低消費電力、低コスト及び小型化の特徴を持つ温度調整(温調)なしの光トランシーバモジュールが採用されている。この光トランシーバモジュールの実現は、従来、雰囲気温度70℃までの範囲において動作するInGaAsPを活性層に持つ高温特DFBレーザが開発されたためであり、この広い温度範囲で高速動作する高温特DFBレーザチップの実現は低コストのネットワークの構築に大きく寄与をした。
近年、10Gbps (X) Form-factor Pluggable(XFP)に代表されるように、モジュールの実装密度が高くなると、チップ温度が雰囲気温度より大きく上昇することが予想されるため、更に高温動作のDFBレーザが求められている。そこで、これに対応する高温特レーザとして、InGaAlAsを活性層とするDFBレーザが注目されている。
InGaAlAsを活性層とする半導体レーザは、InGaAsPを活性層とするレーザに比べ、高温で電子のオーバーフローが少ないという特徴を持つ。このInGaAlAs活性層DFBレーザは130℃までの最高発振温度特性を持ち、更に、100℃の雰囲気温度でも良好なopen-eye特性(10Gbps変調)を持つことが報告されている。しかしながら、InGaAlAs系DFBレーザではAlを含む活性層を持つため、活性層側壁をエッチングした場合、酸化による欠陥が生成される。従って、現在のところ、信頼性の観点から、活性層側壁をエッチングしないリッジ構造が採用されている。
図7(a)には従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の横断面(光出射端面に平行な面)の構造を示し、図7(b)には前記リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の縦断面(リッジ中央をストライプ方向に切った面:図7(a)のA−A線矢視断面)の構造を示す。
図7(a)及び図7(b)において、1はInGaAlAs(1.31μm組成)活性層、2はi-InGaAlAsの第1のSCH層、3はi-InGaAlAsの第2のSCH層、4はn-InAlAsキャリアストップ層、5はp-InAlAsキャリアストップ層、6はn-InPバッファー層である。7はp-InGaAsP光ガイド層であり、回折格子により動的単一モードの動作が実現される。8はp-InPクラッド層、9はp+-InGaAsPキャップ層、10はn-InP基板、11はSiO2絶縁膜、12はp電極(表面電極)、13はn電極(裏面電極)、14はAntireflection (AR,反射防止)膜、15は誘電体多層膜から成るHigh reflection (HR,高反射)膜、16はAuSnハンダ、17はAlN(アルミナイトライド)ヒートシンクである。
ここで、AR膜14は反射率0.1%以下の膜であり、TiO2高屈折率膜14aとSiO2低屈折率膜14bから成る。HR膜15はSiO2低屈折率膜15aとSi高屈折率膜15bから成る。図8の実線(屈折率nx=1.0)は、HR膜15が空気に接している場合のHR膜15の端面の反射率(計算値)の波長依存性を示している。レーザ発振波長(λ)が1310nmでHR膜15の端面の反射率は約77%である。
リッジは幅1.5μmのp-InPクラッド層8とp+-InGaAsPキャップ層9から成っている。また、リッジ頂上を除く半導体表面にはSiO2絶縁膜11があり、このSiO2絶縁膜11によって半導体8(p-InPクラッド層8)とp電極12を絶縁する構造になっている。電流はリッジ頂上から注入される。素子長は200μmである。
図9に従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の光出力特性を示す。85℃雰囲気において閾値電流は19mA、最大光出力は16mWの光出力が得られ、良好なリッジレーザ素子が作製されている。しかしながら、リッジ型構造は従来の埋込み構造に比べて放熱が悪く、素子の温度上昇が大きくなる欠点を持つ。光出力の飽和は、素子の発熱によって素子の温度が上昇したことによるものである。
半導体レーザは劈開によって作製されることから、端面において非発光再結合センターがレーザ内部に比べて多く存在し、半導体レーザの発熱は端面近傍で大きくなる。この発熱による温度上昇は半導体のバンドギャップを縮小させ、端面近傍で光吸収を大きくさせる。このため、更に電流集中を促進させ、端面近傍は素子内部に比べて温度が局部的に高くなる。
AR/HRコーティングされたDFBレーザでは、AR/HRコーティングされたファブリ・ペロー型レーザと異なり、HR膜15側の端面の光密度がAR膜14側の端面に比べて高くなる。AR膜14側の端面に対するHR膜15側の端面の光密度比は、回折格子による結合係数κ値に依存し、κ=75cm-1では最大約3倍、κ=100cm-1では最大約8倍となる。このようにAR/HRコーティングされたDFBレーザではHR膜15側の端面近傍がAR膜14側の端面近傍に比べ光密度が高く、その結果、HR膜15側の端面近傍で局部的に最も温度上昇が大きくなる。
O. Kagaya, K. Yoshimoto, H. Kuwano, T. Yuasa, K. Kogo and K. Nakahara, "Record high mask margin in uncooled directly-modulated laser-diode modules with a driver IC for 10.7 Gbit/s SONET applications," Optical Fiber Communication Conference (OFC), Los Angeles, CA USA, ThD5, 2004.
図7(a)及び図7(b)に示す半導体レーザ素子では、半導体レーザがヒートシンク17上にマウントされ、半導体レーザで発生した熱が、このヒートシンク17を介して放熱される構造になっているが、この放熱構造には次のような問題がある。
1つ目の問題として、リッジ型InGaAlAs系DFBレーザの光密度はHR膜15側の端面近傍で高く、発熱による温度上昇はバンドギャップを縮小させ、光吸収を促進させると同時に、電流集中を引き起こす。この結果、エイジング時間とともに欠陥密度が増加し、HR膜15側の端面の温度上昇は大きくなっていく。
これに対し、放熱を向上させる方法としては、HR15膜の端面に放熱ブロックを接触させて配置する方法がある。しかし、放熱ブロックは反射率の観点から問題を引き起こす。HR膜15の端面側の部分を空気の代わりに放熱ブロックに置き換えた場合、即ちHR膜15の端面が空気に接触する代わりに放熱ブロックに接触する場合には、HR膜15の端面の反射率(計算)の波長依存性は図8に示すようになる。放熱ブロックの屈折率nxが1.0から増加するに従い、HR膜15の端面の反射率は低下している。更に、光一定駆動のため、HR膜から出力される一部の光はモニタされる必要がある。このため、放熱ブロックは半導体レーザの発振波長域の光に対して透明とすることにより、HR膜15からの出力光をパスすることができることが必須である。
2つ目の問題として、リッジ型InGaAlAs系DFBレーザはリッジ形状からくる構造により、従来の埋込み構造に比べて放熱が悪く、素子の温度上昇が大きくなる欠点を持つ。これはリッジの熱は横方向に逃げられないためであり、リッジに熱がこもり、半導体レーザの温度上昇を招いてしまうためである。
従って、本発明は、このような課題を解決するものであり、HR膜端面の反射率を下げることなくHR膜端面の放熱を向上させることや、リッジの放熱を向上させることにより、安定動作のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子などの半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1発明の半導体レーザ素子は、誘電体多層膜から成る高反射膜を、少なくとも一方の端面に備えた半導体レーザと、低屈折率調整膜を一方の端面に備えた透明放熱ブロックとを有し、且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明放熱ブロックに備えた前記低屈折率調整膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする。
また、第2発明の半導体レーザ素子は、第1発明の半導体レーザ素子において、前記透明放熱ブロックの他方の端面に反射防止膜を備えたことを特徴とする。
また、第3発明の半導体レーザ素子は、第1又は第2発明の半導体レーザ素子において、前記半導体レーザ素子と前記透明放熱ブロックを、ヒートシンク上にマウントしたことを特徴とする。
また、第4発明の半導体レーザ素子は、半導体レーザと、側面電極とこの側面電極につながっている上面電極パッドとを備えた放熱ブロックとを有し、且つ、前記半導体レーザの表面電極に前記放熱ブロックの前記側面電極を接触させて成る放熱構造を有していることを特徴とする。
また、第5発明の半導体レーザ素子は、第4発明の半導体レーザ素子において、前記半導体レーザを、ヒートシンク上にマウントしたことを特徴とする。
また、第6発明の半導体レーザ素子は、第5発明の半導体レーザ素子において、前記ヒートシンクと前記放熱ブロックを、支持台上にマウントしたしたことを特徴とする。
また、第7発明の半導体レーザ素子は、第4〜第6発明の何れか1つの半導体レーザ素子において、前記半導体レーザに電流を供給するためのボンディングワイヤを、前記放熱ブロックの前記電極パッドにワイヤボンディングしたことを特徴とする。
本発明の半導体レーザ素子は、半導体レーザに備えた高反射膜に透明放熱ブロックに備えた低屈折率調整膜を接触させて成る高反射膜構造を有しているため、高反射膜の端面の反射率を下げることなく、高反射膜の端面の放熱を向上させることできる。
また、本発明の半導体レーザ素子は、半導体レーザの表面電極に放熱ブロックの側面電極を接触させて成る放熱構造を有しているため、表面電極側の放熱を向上させることができる。従って、前記半導体レーザがリッジレーザである場合には、リッジの放熱を向上させることができる。
このため、安定動作のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子などの半導体レーザ素子を実現することができる。
(a)は本発明の実施例1に係る低屈折率調整膜付きInP放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の縦断面(リッジ中央をストライプ方向に切った面)の構造を示す図、(b)は前記リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の横断面(光出射端面に平行な面:(a)のB−B線矢視断面)の構造を示す図である。 本発明及び従来構造を用いたHR膜端面の反射率(計算値)の波長依存性を示すグラフである。 本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロックがHR膜端面にある場合とない場合のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の光出力特性を示すグラフである。 本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子を用いたレーザモジュールの構造を示す図である。 (a)は本発明の実施例2に係る電極表面に放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の横断面(光出射端面に平行な面)の構造を示す図、(b)は前記リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の縦断面(リッジ中央をストライプ方向に切った面:(a)のC−C線矢視断面)の構造を示す図である。 本発明による電極表面に放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の光出力特性を示すグラフである。 (a)は従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の横断面(光出射端面に平行な面)の構造を示す図、図7(b)は前記リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の縦断面(リッジ中央をストライプ方向に切った面:図7(a)のA−A線矢視断面)の構造を示す図である。 従来のHR膜が空気に接している場合と前記空気を放熱ブロックに代えた場合におけるHR膜端面の反射率(計算値)の波長依存性を示すグラフである。 従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザの光出力特性を示すグラフである。
本発明の実施の形態例に係るリッジ型InGaAlAs系DFBレーザは、次のような手段を施したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザを特徴とする。
<手段1>
本手段1の半導体レーザ素子は、リッジ型InGaAlAs系DFBレーザのHR膜に低屈折率調整膜付き透明放熱ブロックの前記低屈折率調整膜を接触させ成る高反射膜構造を有する構成とする。前記低屈折率調整膜付き透明放熱ブロックは、放熱ブロックの一方の端面(光入射面)に低屈折率調整膜(例えばSiO2低屈折率調整膜)を備えたものである。また、前記透明放熱ブロックの他方の端面(光出射面)には、低反射膜(反射防止膜)を配置する。なお、前記透明放熱ブロックとしては、例えば本半導体レーザのInP基板と同じInPを用いる。
<手段2>
本手段2の半導体レーザ素子は、ヒートシンクの横側面にリッジ型InGaAlAs系DFBレーザを配置し、このDFBレーザの表面電極に放熱ブロックの横側面に設けた横側面金電極が接触(密着)するように前記放熱ブロックをマウントすることにより、本半導体レーザの発熱を、前記ヒートシンク及び前記放熱ブロックの底面を介して放熱する構成とする。また、この構造により本半導体レーザの金電極パッドに直接ワイヤボンディングをすることができなくなるため、前記放熱ブロックの横側面金電極を前記放熱ブロックの上面に設置した上面金電極パッドにつなぎ、この上面金電極パッドにボンディングワイヤをワイヤボンディングする。
<作用効果>
上記の手段1によれば、リッジ型InGaAlAs系DFBレーザのHR膜に透明放熱ブロックの低屈折率調整膜を接触させて成る高反射膜構造を有することにより、HR膜の端面の反射率を高反射に維持するとともに(HR膜の機能を低下させることなく)、放熱を向上させることができる。また、透明放熱ブロックは本半導体レーザの発振波長域の光に対して透明であるため、HR膜からの出力光をパスすることができる。更に、透明放熱ブロックの光出射面に低反射膜(反射防止膜)を配置したため、透明放熱ブロックに入った光を確実に光出射面から出射することができる。
また、上記の手段2によれば、リッジ型InGaAlAs系DFBレーザの表面電極に横側面金電極が接触するように放熱ブロックをマウントすることにより、本半導体レーザのリッジ表面からも放熱することができる。更に、放熱ブロックの上面金電極パッドにボンディングワイヤをワイヤボンディングしたことにより、このボンディングワイヤから放熱ブロックの上面金電極パッド及び横側面金電極を介して、本半導体レーザに電流を供給することができる。
そして、上記の手段1,2によって半導体レーザの放熱を向上させることにより、半導体レーザの温度上昇が抑制されるため、半導体レーザの光出力特性が向上するとともに長期信頼性が向上する。更に、半導体レーザの光出力特性の向上によって、光ファイバとの結合係数を上げなくても光結合が充分にとれるようなることから、光ファイバの調整トレランスが緩くなり、レーザモジュールの歩留まりが向上する。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
<実施例1>
図1(a)及び図1(b)に基づいて、本発明の実施例1に係る低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22の構造を説明する。
図1(a)に示すように、本実施例1のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22は、InGaAlAsを活性層とする半導体レーザであるリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ23と、この半導体レーザ23のHR膜18に接触させた低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19とを有し、これらの半導体レーザ23とInP放熱ブロック19をAuSnハンダ16でAlN(アルミナイトライド)ヒートシンク17上にマウントして成るものである。従って、半導体レーザ23の発熱は、半導体レーザ23の裏面側からAlNヒートシンク17へ放熱され、且つ、半導体レーザ23のHR膜18側の端面からもInP放熱ブロック19を介してAlNヒートシンク17へ放熱される。InP放熱ブロック19は透明放熱ブロックである。
詳述すると、図1(a)及び図1(b)において、1はInGaAlAs(1310nm組成)活性層、2はi-InGaAlAsの第1のSCH層、3はi-InGaAlAsの第2のSCH層、4はn-InAlAsキャリアストップ層、5はp-InAlAsキャリアストップ層、6はn-InPバッファー層である。7はp-InGaAsP光ガイド層であり、回折格子により動的単一モードの動作が実現される。8はp-InPクラッド層、9はp+-InGaAsPキャップ層、10はn-InP基板、11はSiO2絶縁膜、12はp電極(表面電極)、13はn電極(裏面電極)、14はAR膜(ARコーティング膜)、18は前述のHR膜(HRコーティング膜)であり、誘電体多層膜から成るものである。これらによってリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ23が構成されている。
また、16は前述のAuSnハンダ、17は前述のAlNヒートシンク、19は前述の低屈折率調整膜付きInP放熱ブロックである。InP放熱ブロック19は、半導体レーザ23の発振波長域の光に対して透明にするため、材料にInPを用いて作製したものであり、HR膜18からの出力光をパスさせることができる。20はAR膜、21はAuコーティング膜である。
ここで、半導体レーザ23の前端面(AR膜14側の端面)には、TiO2高屈折率膜14aとSiO2低屈折率膜14bをコーティングして、反射率0.1%以下のAR膜14を作製した。一方、半導体レーザ23の後端面(HR膜18側の端面)には、SiO2低屈折率膜18aとSi高屈折率膜18bをコーティングして、誘電体多層膜であるHR膜18を作製した。
図2に短い破線で示したように、従来(図7(b))と同様のInP/SiO2低屈折率膜18a/Si高屈折率膜18b/空気の構成(構造1)では、HR膜18の端面の反射率が約77%(λ=1310nm)の高反射特性を持つ。次に、構造1の空気の代わりにInP放熱ブロック19を直接、HR膜18に接触させたInP/SiO2低屈折率膜18a/Si高屈折率膜18b/InPの構成(構造2)では、図2に長い破線に示したように、HR膜18の端面の反射率が約43%(λ=1310nm)となり、大きく低下する。
これを避けるため、InP放熱ブロック19の一方の端面(光入射面)にSiO2低屈折率調整膜18cを配置し、このSiO2低屈折率調整膜18cを半導体レーザ23に備えたHR膜18に接触(密着)させて高反射膜構造24を構成することにより、半導体レーザ23の後端面(HR膜18側の端面)の高反射特性が低下しないようにした。このInP/SiO2低屈折率膜18a/Si高屈折率膜18b/SiO2低屈折率調整膜18c/InPの構成(構造3)におけるHR膜24の端面の反射率(計算値)の波長依存性を、図2に実線で示す。半導体レーザ23の発振波長の1310nmで約84%の反射率の高反射特性が得られている。本発明による構造3の反射率は従来の構造1の反射率と比べ高くなり、反射率は増加している。
なお、半導体レーザ23からInP放熱ブロック19に入った光は、InP放熱ブロック19の他方の面(光出射面)から出射される。従って、このInP放熱ブロック19の光出射面には、TiO2高屈折率膜20aとSiO2低屈折率膜20bを配置することにより、反射率0.1%以下のAR膜20を作製した。
図1(b)に示すように、半導体レーザ23のリッジは幅1.5μmのp-InPクラッド層8と、p+-InGaAsPキャップ層9から成っている。また、リッジ頂上を除く半導体表面にはSiO2絶縁膜11があり、このSiO2絶縁膜11によって半導体(p-InPクラッド層8)とp電極12を絶縁する構造になっている。電流はリッジ頂上から注入される。素子長は200μmである。
図3に本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22と、InP放熱ブロック19を搭載していない従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子の光出力特性を示す。低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19の搭載なしの場合と搭載ありの場合の光出力が飽和するときの光出力(駆動(動作)電流)は、それぞれ約16mW(110mA)と約19mW (120mA)になっている。これは低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19の搭載により、放熱効果が向上したことによるものである。
また、85℃100mAで長期信頼性試験を行った。本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22の光出力低下は、InP放熱ブロック19を搭載していない従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子に比べ小さくなり、低屈折率調整膜付き放熱ブロック19の搭載により長期信頼性が改善した。
図4に基づいて、本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22を用いたレーザモジュールの構造を説明する。図4において、22は本発明による低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子、25は受光素子、26はプリアンプ、27はWavelength division multiplexing(WDM)フィルタ、28はボールレンズ、29はシングルモード光ファイバである。半導体レーザ素子22の飽和光出力の向上により、シングルモード光ファイバ29との結合効率が低下しても一定の光出力を得ることができるため、レーザモジュールの作製歩留まり向上に貢献した。
以上述べたように、本実施例1では、半導体レーザ23の後端面(HR膜18側の端面)に低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載することにより、後端面の反射率が下がることなく、放熱を向上させることができた。その結果、半導体レーザ23の前端面(AR膜14側の端面)から出射される光出力が飽和するときの光出力(駆動電流)が向上し、また、劣化が抑制されて長期信頼性が改善した。更に、半導体レーザ23の飽和光出力の向上により、シングルモード光ファイバ29との結合効率が低下しても一定の光出力を得ることができるため、作製トレランスが緩くなり、レーザモジュールの作製歩留まりが向上した。
なお、ここではリッジレーザを用いて説明したが、埋込み構造レーザであっても同様の放熱効果が得られることは自明である。
<実施例2>
図5(a)及び図5(b)に基づいて、本発明の実施例2に係る放熱ブロック48を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41の構造を説明する。
図5(a)に示すように、本実施例2のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41は、InGaAlAsを活性層とする半導体レーザであるリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ42と、半導体レーザ42の裏面側に配置したAlNヒートシンク17と、半導体レーザ42の表面(リッジ)側に配置した放熱ブロック48とを有し、AlNヒートシンク17と放熱ブロック48をCANパッケージのコバール台(支持台)44上にマウントした構成のものである。従って、半導体レーザ42の発熱は、半導体レーザ42の裏面側から(即ち半導体レーザ42の基板経由で)AlNヒートシンク17へ放熱されて更にAlNヒートシンク17の底面側からコバール台44へ放熱され、且つ、半導体レーザ42の表面(リッジ)側から放熱ブロック48へ放熱されて更に放熱ブロック48の底面側からコバール台44へ放熱される。
詳述すると、図5(a)及び図5(b)において、1はInGaAlAs(1310nm組成)活性層、2はi-InGaAlAsの第1のSCH層、3はi-InGaAlAsの第2のSCH層、4はn-InAlAsキャリアストップ層、5はp-InAlAsキャリアストップ層、6はn-InPバッファー層である。7はp-InGaAsP光ガイド層であり、回折格子により動的単一モードの動作が実現される。8はp-InPクラッド層、9はp+-InGaAsPキャップ層、10はn-InP基板、12は前述のp電極(表面電極)、13はn電極(裏面電極)、14はAR膜(ARコーティング膜)、15はHR膜(HRコーティング膜)であり、誘電体多層膜から成るものである。AR膜14はTiO2高屈折率膜14aとSiO2低屈折率膜14bから成り、HR膜15はSiO2低屈折率膜15aとSi高屈折率膜15bから成る。これらによってリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ42が構成されている。この半導体レーザ42はAlNヒートシンク17上にAuSnハンダ16でマウントされる。
次に、半導体レーザ42のマウントされたAlNヒートシンク17の側壁を底面にして、CANパッケージのコバール台44上にAuSnハンダ43でマウントして固定した。このマウントで半導体レーザ42はAlNヒートシンク17の横側面に配置することになる。
最後に、AlNヒートシンク17の横側面に配置した半導体レーザ42のリッジ頂上45におけるp電極(表面電極)12と、放熱ブロック48の横側面金電極46が接触(密着)するように放熱ブロック48を配置し、この放熱ブロック48の側壁を底面にして、CANパッケージのコバール台44上にAuSnハンダ49でマウントして固定した。また、横側面金電極46は放熱ブロック48の上面に配置した上面金電極パッド47につながっており、半導体レーザ42に電流を供給するためのボンディングワイヤ50を、上面金電極パッド47にワイヤボンディングした。なお、放熱ブロック48の材料としては空気に比べて放熱性(熱伝導率)の高いものであればよく、例えばSi、AlNやダイヤモンドなどの材料を用いることができる。
図6に本発明による電極表面(p電極12の表面)に放熱ブロック48を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41の光出力特性を示す。光出力が飽和するときの光出力(駆動(動作)電流)は20mW以上(120mA)となっている。これはp電極(表面電極)12の表面に放熱ブロック48を搭載したことにより、放熱効果が向上したことによるものである。
また、85℃100mAで長期信頼性試験を行った。本発明による電極表面に放熱ブロック48を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41の光出力低下は、放熱ブロック48を搭載していない従来のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子に比べて小さくなり、電極表面に放熱ブロック48を搭載したことにより長期信頼性が改善した。
また、本発明による電極表面に放熱ブロック48を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41を用いて、図4と同様のレーザモジュールを作製した。図4のレーザモジュールにおいて、低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22に代えて、放熱ブロック48を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子41を実装し、これ以外の構成については図4の構成と同じにした。その結果、半導体レーザ素子41の飽和光出力の向上により、シングルモード光ファイバ29との結合効率が低下しても一定の光出力を得ることができるため、レーザモジュールの作製歩留まり向上に貢献した。
以上述べたように、本実施例2では、従来の基板経由の放熱に加え、半導体レーザ42の表面電極(p電極12)に放熱ブロック48を搭載したことにより、放熱を向上させることができた。その結果、半導体レーザ42の前端面(AR膜14側の端面)から出射される光出力が飽和するときの光出力(駆動電流)が向上し、また、劣化が抑制され、長期信頼性が改善した。更に、半導体レーザ42の飽和光出力の向上により、シングルモード光ファイバ29との結合効率が低下しても一定の光出力を得ることができるため、作製トレランスが緩くなり、モジュールの作製歩留まりが向上した。
なお、ここではリッジレーザを用いて説明したが、埋込み構造レーザであっても同様の放熱効果が得られることは自明である。
また、ここでは1例としてDFBレーザを用いたが、ファブリ・ペローLDを用いても、レーザ全体の放熱が上がり同様の改善が得られることは明らかである。
本発明は半導体レーザ素子に関するものであり、DFBレーザやファブリ・ペローLDの放熱を向上させる場合に適用して有用なものである。
1 InGaAlAs(1310nm組成)活性層
2 i-InGaAlAsの第1のSCH層
3 i-InGaAlAs第2のSCH層
4 n-InAlAsキャリアストップ層
5 p-InAlAsキャリアストップ層
6 n-InPバッファー層
7 p-InGaAsP光ガイド層
8 p-InPクラッド層
9 p+-InGaAsPキャップ層
10 n-InP基板
11 SiO2絶縁膜
12 p電極
13 n電極
14 AR膜
14a TiO2高屈折率膜
14b SiO2低屈折率膜
15 HR膜
15a SiO2低屈折率膜
15b Si高屈折率膜
16 AuSnハンダ
17 AlNヒートシンク
18 HR膜
18a SiO2低屈折率膜
18b Si高屈折率膜
18c SiO2低屈折率膜
19 低屈折率調整膜付きInP放熱ブロック
20 AR膜
20a TiO2高屈折率膜
20b SiO2低屈折率膜
21 Auコーティング膜
22 低屈折率調整膜付きInP放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子
23 リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ
24 高反射膜構造
25 受光素子
26 プリアンプ
27 Wavelength division multiplexing(WDM)フィルタ
28 ボールレンズ
29 シングルモード光ファイバ
41 電極表面に放熱ブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子
42 リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ
43 AuSnハンダ
44 CANパッケージのコバール台
45 半導体レーザのリッジ頂上
46 横側面電極
47 上面金電極パッド
48 放熱ブロック
49 AuSnハンダ
50 ボンディングワイヤ

Claims (7)

  1. 誘電体多層膜から成る高反射膜を、少なくとも一方の端面に備えた半導体レーザと、
    低屈折率調整膜を一方の端面に備えた透明放熱ブロックとを有し、
    且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明放熱ブロックに備えた前記低屈折率調整膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ素子において、
    前記透明放熱ブロックの他方の端面に反射防止膜を備えたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子において、
    前記半導体レーザ素子と前記透明放熱ブロックを、ヒートシンク上にマウントしたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 半導体レーザと、
    側面電極とこの側面電極につながっている上面電極パッドとを備えた放熱ブロックとを有し、
    且つ、前記半導体レーザの表面電極に前記放熱ブロックの前記側面電極を接触させて成る放熱構造を有していることを特徴とする半導体レーザ素子。
  5. 請求項4に記載の半導体レーザ素子において、
    前記半導体レーザを、ヒートシンク上にマウントしたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  6. 請求項5に記載の半導体レーザ素子において、
    前記ヒートシンクと前記放熱ブロックを、支持台上にマウントしたしたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  7. 請求項4〜6の何れか1項に記載の半導体レーザ素子において、
    前記半導体レーザに電流を供給するためのボンディングワイヤを、前記放熱ブロックの上面電極パッドにワイヤボンディングしたことを特徴とする半導体レーザ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114172021A (zh) * 2022-02-14 2022-03-11 常州承芯半导体有限公司 垂直腔面发射激光器及其形成方法

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