JP2012013429A - 測定支援機能付きリアルタイム測定曲線表示型分析装置 - Google Patents

測定支援機能付きリアルタイム測定曲線表示型分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リアルタイムで表示される測定曲線に対して必要な情報を提示し、分析装置の操作を視覚的に支援する測定支援システムを提供する。
【解決手段】測定曲線表示手段12に表示される測定曲線の形状をリアルタイムで解析し、最適な測定曲線の描写を妨害する事象の存在を察知したときは、その事象に対応するヘルプ情報を検索し、測定曲線表示手段に表示する。また、設定変更を視覚的に支援するために変更すべきパラメータの位置や推奨するパラメータ値の範囲等を測定曲線表示手段に示す。
【選択図】図1

Description

本発明は分析装置、特にそのユーザーインターフェースの改良に関する。
分析機器の中には測定時間が経過するにしたがい、測定曲線を再描写していくことによりリアルタイムで測定曲線を表示するものがある。
リアルタイムで測定が行われるものとしては、例えば、FT−IRやラマン分光法によるスペクトルの測定が挙げられる。FT−IR等の分光光度計は測定対象物質に赤外線を照射し、透過あるいは反射光を分光することによりスペクトルを得て、測定対象物質の特性を知るものである。一方、ラマン分光法においてはラマン散乱光の振動数と入射光の振動数との差、いわゆるラマンシフトを調べることにより測定物質の特性を知るものであり、単色光であるレーザー光を物質に照射して、発生したラマン散乱光を検出することでラマンスペクトルを得ている。
これらはリアルタイムで測定条件設定パラメータを変更しながら測定されることも多い。
特に未知材料の測定を行う場合には、出現するスペクトルの位置・強度が不明であり、測定しつつ各種パラメータの調整を行う必要がある。
その具体例として、未知試料のラマンスペクトルをリアルタイムで表示する場合を挙げる。未知試料のラマンスペクトルの測定を行うときには、初期設定をするにも観測されるスペクトル形状、ピーク位置やピーク強度が不明なので測定開始前に各種パラメータを適切に設定することはできない。そのため、まずは仮測定し、リアルタイムで表示されるスペクトルの変化を観察しながら、レーザー強度、スリット幅、中心波数、対物レンズ、励起波長等の各種パラメータを調整して最適な測定条件に設定する。そして、その後本測定に入るという流れで測定が行われる。
その場合の測定条件の設定は、例えば、最適な露光時間や積算時間を設定する場合は、リアルタイムで表示されるスペクトルから推定することにより成される。例えば、リアルタイムで表示されるスペクトルのピークの強度から検出器が飽和しない露光時間を推定することにより、SN比の高いスペクトルを取得することができる。また、レーザー強度を設定する場合は、レーザー強度を上げていったときのスペクトルの変化を見ながら試料に損傷を与えない最大のレーザー強度に設定することにより、短時間にSN比の高いスペクトルが得ることができる。また、励起波長を設定する場合は、リアルタイムスペクトルから蛍光による影響が大きくラマンスペクトルの取得が困難なことがある。そのときは、現在設定している励起波長で測定に入るのではなく、励起波長の設定を変えて操作することにより時間を節約することができる。
また、測定者はリアルタイムで測定曲線の変化を観察し、最適な測定曲線を描写するのを妨害する妨害事象が生じたとき等は、測定中に随時測定条件の設定パラメータを変更しなければならない。
変更すべきパラメータとしては、例えば、測定分解能・スキャン回数・ゲイン(感度)等がある。
ここでいう妨害事象とは実際に測定を妨害している原因を意味する。例えば、装置の感度を高く設定しすぎてオーバーフローしている場合は、オーバーフローとなったことに対して「装置の感度を高く設定しすぎたこと」が妨害事象となる。
また、測定の過程において発生する妨害事象としては、例えば、ラマン散乱光の光強度を測定するときの蛍光の出現が挙げられる。
そして、これらの事象はスペクトルの形状に現れるので、妨害事象を解消するためには、まず測定者がスペクトルからそれを読み取る必要がある。
それに加えて、読み取れたとしても実際の測定画面には様々な機能を持つアイコンが並んでいるため装置の操作も複雑である。
したがって、スペクトルの形状から生じている妨害事象の識別やその妨害事象の対処方法の判断は多様であることから、分析装置を用いた測定にはある程度の経験を要する。
また、経験が少ない測定初心者が測定する場合は、ヘルプに記載されている操作方法の画面や取扱説明書を参考に独自に操作方法を調べていたが、ヘルプに関する情報が膨大であるため調査に多大な時間を費やすことになる。
そこで、測定初心者がヘルプ等の情報を参照して測定方法を調べなくとも、測定を進めながら必要な情報が得られるようにするための測定支援システムが求められていた。
本発明は、先述の測定初心者が測定曲線の形状を読取って多数存在する妨害事象を特定することの困難性や、妨害事象に対応するために行う装置の操作が複雑であること、また、これらを解決するために参照するヘルプ情報が膨大であることにより、測定者が情報検索するときの負担が大きいこと等の課題に鑑みてなされたものであり、その目的はリアルタイムで表示される測定曲線に対して、妨害事象を察知して妨害事象を特定するのに必要な情報を提示すると共に、妨害事象を解決するのに必要な情報及び操作手順を画面上に提示し、複雑な分析装置の操作を視覚的に支援する測定支援システムを提供することにある。
そこで上記課題を解決すべく本発明の装置においては、請求項1に記載されている構成をとる。
測定対象である試料の測定曲線をリアルタイムで表示する分析機器において、
試料の所望の特性を計測する測定手段と、
前記測定手段により得られたデータより測定曲線を表示する測定曲線表示手段と、
前記測定曲線の形状を解析し、最適な測定曲線の描写を妨害していると考えられる1以上の妨害事象を推定する測定曲線形状解析手段と、
測定時に想定される妨害事象とその対処方法をヘルプ情報として保存したヘルプ情報記憶手段と、
前記妨害事象に対応するヘルプ情報を検索するヘルプ情報検索手段と、を備え、
前記ヘルプ情報記憶手段から検索されたヘルプ情報を前記測定曲線表示手段に表示することを特徴としている。
また、請求項2に記載されているように、
前記分析機器に記録された現在の設定条件を参照し、前記測定曲線形状解析手段によって推定された妨害事象のうち真の妨害事象を特定する計測妨害事象特定手段を備えると好適である。
また、蛍光の発生、蛍光の減衰、試料の損傷、ピークの未検出を妨害事象として特定するときは、測定曲線にベースラインを設定することにより測定曲線の形状解析をするのが好適である。
例えば、請求項3に記載されているように、
前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積の大きさを分析することにより蛍光の発生を妨害事象として検出するのが好適である。
また、請求項4に記載されているように、
前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積の大きさの変動を分析することにより蛍光の減衰及び試料の損傷を妨害事象として検出するのが好適である。
また、請求項5に記載されているように、
前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積を求め、スペクトル下の面積から該ベースライン下の面積を除算し、得られた数値の大きさを分析することによりピークの未検出を妨害事象として検出するのが好適である。
また、請求項6に記載されているように、
前記ヘルプ情報を前記妨害事象が生じた測定曲線の位置に表示するのが好適である
例えば、妨害事象が生じた兆候の見られる測定曲線の位置に吹き出しを表示し、その中にヘルプ情報を表示してもよい。
また、請求項7に記載されているように、
前記表示手段に操作する過程を視覚的に表示し、設定条件としてパラメータの位置を示し、適切なパラメータの範囲を表示することにより、前記妨害事象を解決するために設定条件の調整を支援するのが好適である。
以上説明したように、本発明は測定曲線の形状を観察し、最適な測定曲線を描写するのを妨害する事象を察知したときは、それに対応するヘルプを自動的に検索してディスプレイ等に表示するようにしたことにより、測定曲線の形状から妨害事象を読み取ることやヘルプ情報を検索こと等の作業負担を軽減する効果が得られる。
通常の分析機器であれば、測定者が測定曲線の形状を見て事象を察知し、事象に対応するヘルプを探し出さなければならない。しかし、ディスプレイには測定曲線しか表示されないため、検索ワードを想起するのが困難な状況といえる。そのような状況で多くの情報を含むヘルプから有効な情報を見つけるのは、測定者に対して大きな負担となる。まして、初心者の場合は事象の発生を察知するのも困難である。その点、本発明を使用すれば妨害事象の察知も、対応するヘルプの検索も自動で行われるので初心者が単独で測定する場合であっても多くの労力を費やすことなく分析機器を短時間で容易に操作することができる。
また、スペクトルに生じるノイズはスペクトルに設定したベースラインに含まれると考えられる。例えば、ラマンスペクトルの取得を妨害する蛍光の強度の大きさはスペクトルに設定したベースラインの面積となる。
このように、このベースラインの面積を求めることにより蛍光の発生、蛍光の減衰、試料の損傷等を妨害事象として特定することが可能となる。
また、ベースライン下の面積とスペクトル下の面積とを比べることによりピークの不発生を妨害事象として特定することも可能である。
また、本発明によれば妨害事象が複数想定される場合は、より信憑性の高い事象がどれであるか特定する効果も得られる。例えば、最適なスペクトルの描写を妨げている妨害事象を解析結果から突き止めるために当該原因と現在の設定条件と照らし合わせて設定条件が妥当であるかを判断し、事象の解消についてより有用なヘルプに限定してディスプレイ上に表示する。そして、初心者はこの情報を参考にすることにより、熟練者が操作方法を逐一指導しなくとも有用なヘルプのみを表示しているので、容易に自身で分析装置を操作することができる。
また、ヘルプ情報を表示するだけでなく、実際にカーソル操作を行い、アイコンの選択や選択すべきタブの位置を示し、パラメータの位置や推奨するパラメータの設定範囲を示すようにしたので視覚的にも分かりやすく、実際の操作を通じてディスプレイ上に表示される多数のアイコンやタブ等の操作方法の習得することも容易である。これにより、初心者が分析機器の操作に費やす労力を大幅に軽減する効果も得られる。
本発明に係る分析装置の概念的構成を示した模式図である。 本発明の請求項1に係る分析装置を想定した測定支援システムの動作をフローチャートにして示した図である。 本発明の請求項2に係る分析装置を想定した測定支援システムの動作をフローチャートにして示した図である。 ラマンスペクトルを測定しているときの画面の示した図である。 妨害事象に対応したヘルプを表示したときの図である。 ラマン分光測定時にスペクトルが飽和したときの測定画面を示した図である。 本発明に係る分析装置のアドバイス機能設定欄を表示したときの図である。
以下、本発明の一実施の形態として、分析機器の構成、処理フロー、表示手段に実際に表示される画面について図面を参照しながら説明する。
(システムの構成)
図1は本発明のシステムの構成図である。左側に本発明に係る装置の外観構成が示されており、右側に本発明に係る装置のシステム構成が示されている。図1を用いて装置を構成する各機器について説明し、その後に装置に係る機器とシステム構成との関連性について説明する。
本発明の分析機器は、透過光・反射光・散乱光等を計測する測定手段10を有し、取得されたスペクトル等の測定曲線は、データ処理手段により所望の処理が行われ測定手段10に接続された測定曲線表示手段12に表示される。また、測定曲線表示手段12には、入力装置14が接続されている。
そして、透過光・反射光・散乱光等は測定手段10によって計測され、スペクトル等が測定曲線としてデータ処理手段11によって測定曲線表示手段12に表示される。測定曲線表示手段12には、ユーザが設定値を変更する際にカーソル・キーボード操作等をするための入力装置14が接続されている。
データ処理手段11は、ヘルプ情報検索手段16、測定曲線形状解析手段18、計測妨害事象特定手段20、ヘルプ情報記憶手段22、設定条件ファイル24を含む。
ここで、測定曲線形状解析手段18は、測定手段10により計測されたデータをもとに、測定曲線の形状解析を行い、最適な測定が行われているか否か、及び測定曲線の表示が適切に行われているか否かの判断を行う。
次に、計測妨害事象特定手段20は、測定曲線形状解析手段18の解析結果に基づいて測定ないし表示に何らか不都合が生じていると判断された場合に、その計測妨害事象の特定・推定を行う。この際、妨害事象特定手段20は測定条件、表示条件等の情報を記録した設定条件ファイル24を参照し、妨害事象特定の精度向上を図る。
そして、ヘルプ情報検索手段16は、妨害事象に応じて、その解決方法を提供するためにヘルプ情報を記憶したヘルプ情報記憶手段22より検索し、表示手段12上に表示する。
また、測定曲線形状解析手段18により1又は2以上の妨害事象を察知したときは、全ての妨害事象をヘルプ情報検索手段16の検索対象としてもよいし、後述する計測妨害事象特定手段20により、真の妨害事象を特定してからヘルプ情報検索手段16により検索してもよい。また、全てのヘルプ情報はヘルプ情報記憶手段22に記憶されている。
そして、ヘルプ情報記憶手段22からヘルプ情報検索手段16により検索されたヘルプ情報は測定曲線表示手段12に表示される。そのとき、全てのヘルプ情報を表示する必要はなく、ヘルプ情報の一部を測定曲線表示手段12に表示すると共に、ヘルプ情報の詳細を確認できるようにリンクを貼りつけておいてもよい。
計測妨害事象特定手段20により、真の妨害事象を特定するときは設定条件ファイル24を参照し、設定値を確認することにより、真の妨害事象を特定する。
なお、特定された妨害事象を解決するために視覚的な操作説明が測定曲線表示手段12上でなされる。測定者は、入力装置14を用いてその誘導に従い、カーソル操作を行い適切なタブを選択して、設定値(パラメータ)を変更する。
(妨害事象が発生した場合の主な処理フロー)
妨害事象が発生した場合の動作を図2の処理フロー図を用いて説明する。
まず測定曲線を観察し、測定曲線形状解析手段18によりリアルタイムで測定曲線の形状解析を行い(S10)、最適な測定曲線の描写を妨害する事象を察知した(S12)ときは、妨害事象、つまり妨害の原因となりうるものを推定しておく。
測定の妨害事象として想定されうる全ての事象とそれに対応するヘルプ情報を記憶したヘルプ情報記憶手段22であるデータベース122から、ヘルプ情報検索手段16により推定された妨害事象に対応するヘルプ情報を検索する(S14)。
そして、検索されたヘルプ情報を測定曲線表示手段12上に表示する(S16)。
また、妨害事象が複数考えられ、それぞれに対応する複数のヘルプ情報が検索された場合は、ヘルプ情報が測定曲線表示手段12上にそれらを列挙して表示することも可能である。
(真の妨害事象を特定する場合の処理フロー)
次に、図3を用いて推定された複数の妨害事象のうちいずれが真の妨害事象であるかを特定し、より信憑性の高い情報を測定者に提供することを想定した処理フローを説明する。
まず、測定曲線の形状解析を行い(S20)、妨害する事象を察知(S22)したときは、データベース222から妨害事象に対応するヘルプ情報を検索する(S24)。ここまでは、図2のフローと同様の処理がなされる。
次に、推定された複数の妨害事象から真の妨害事象を特定するための処理がなされる。 設定条件ファイル224を参照し、設定条件の確認がなされる(S26)。この設定条件の確認では、妨害事象の発生に関連する設定条件を巡回的に確認していき、設定値から複数の妨害事象を絞り込み真の妨害事象が特定され、変更すべき設定値が探し出される。特に設定値に異常がない場合は、設定条件に関連しないものが真の妨害事象であるものとして特定される場合もある。例えば、液体試料の濃度が濃すぎる、もしくは薄すぎる場合等が挙げられる。
次に、特定された妨害事象に応じてとるべき措置が決定され、測定者に対して妨害事象の内容を知らせ、ヘルプ情報を表示して妨害事象を解決するための支援がなされる。
また、設定条件ファイル224を参照して設定値を調べ、設定値をどのようにすれば妨害事象が解消されるか目安を表示することも可能である。例えば、ラマン分光分析であれば露光時間の設定値を参照し、設定値が推奨される値の範囲外であれば推奨される値の範囲をヘルプ情報と共に表示する。推奨される値の範囲はヘルプ情報と列挙して表示してもよい。
それ以外の設定である場合は、測定曲線表示手段12上を入力装置14での操作により解消可能な妨害事象であるかの判断がなされ(S28)、測定曲線表示手段12上の操作では解消できない場合は、詳細な対処方法を測定曲線表示手段12上に表示し(S30)、実際の警告に対する措置は測定者が行うことになる。例えば、液体試料の濃度が高すぎる場合等が挙げられる。
測定曲線表示手段12上の操作で解消可能な場合は、測定者は測定曲線表示手段12より実際にカーソルを移動させてアイコン操作やタブ操作を行う。そのために変更すべきパラメータ位置の色を変えて目立たせる等して設定変更すべきパラメータの位置まで誘導し、設定すべき設定値の範囲を示す等の詳細な対処方法を測定曲線表示手段12上に表示することにより、視覚的な操作支援がなされる(S32)。操作手順を視覚的に見やすくすることにより、ディスプレイ上に表示される多数のアイコンやタブ等をどのように使えばよいかを視覚的に理解しやすくするものである。
なお、測定曲線表示手段12上に表示するヘルプ情報を妨害事象が生じたスペクトルの位置に表示してもよい。このようにすることにより妨害事象が生じたタイミングが明確になるためである。
本発明の実施例1では、本発明に係るラマン分光計を使って実際の処理の流れを説明する。最初にラマン分光分析器の実際の測定画面の構成について説明する。
図4に示されたラマン分光分析画面30には、ラマンスペクトルを表示するラマンスペクトル表示部(測定曲線表示部)32と、測定画面と現在測定している位置の中心座標を表示する測定画面表示部34と、露光時間やスペクトルの中心波数(波長)等の設定値を設定するための設定値表示部36と、分析装置が特定した妨害事象を表示する吹き出し部37と、ラマン分光分析画面30上で操作者に対して吹き出し部37の内容を説明している印象を与えるマスコット38と、を備える。
ラマンスペクトル表示部32に表示されるスペクトルは、本発明に係る装置により常に監視されておりスペクトルの形状や形状の変化を読取り、妨害事象とリンクさせる。スペクトルの形状を分析することにより特定された妨害事象はマスコット38の近くに表示される吹き出し部37に表示される。それにより、操作者はマスコット38から説明を受けている印象を受ける。
例えば、蛍光の発生は、スペクトルのベースライン下の面積が所定の閾値以上であるかをみることにより判断する。ある閾値以上であるときは、吹き出し部37に「蛍光が出ています。」と表示する。そして、操作者は吹き出し部37内の「続きを読む」の部分をクリックすることにより、図5のようにヘルプ画面の蛍光の妨害が大きい場合の対処方法を解説するページが立ち上がり、励起波長を変える等の蛍光の影響を小さくするための対処方法を知ることができる。
このように測定中に妨害事象が特定され、即座にその対処方法を知ることができるので操作者が初心者であっても、ヘルプの検索に要する時間を減らすことができる。
次に、妨害事象がスペクトルの飽和であった場合の測定画面中の表示内容について図6を用いて説明する。スペクトルの飽和は、スペクトルの形状から妨害事象として特定される。
ラマン分光分析測定時は検出器で扱えるレンジ以上の光が検出されたためオートスケール表示でピークがつぶれたようになることがある。この場合は縦軸スケールを変えてもピークが飽和した波数では平らな形状となる。このような形状からピークの飽和を妨害事象として特定する。妨害事象を特定するために65000を閾値として設定しておき、検出器が1チャンネルでも65000の値になったらスペクトルが飽和していることを吹き出し部37に表示する。それと同時に、妨害事象の対処方法として光源(レーザー)の出力を下げたり、スリットを狭めたりして検出器に入る光を小さくすることを吹き出し部37に表示する。
また、検出器のレンジが65000程度で飽和するので、リアルタイムスペクトル(露光x秒)の縦軸強度から、露光時間を何秒以上に設定すると検出器が飽和するかを計算し、吹き出し部37に「露光時間をyy秒までに設定してください」と表示する。
操作者は吹き出し部37を参考にして、設定値表示部36の光源の出力値を下げ、また露光時間を指定範囲まで下げる。それにより妨害事象を早く処理することができる。
本装置ではその他にピークの未検出、蛍光の減衰、試料の損傷を妨害事象として検出することができる。これらはスペクトルにベースラインを設定してベースライン下の面積を求めて、ベースライン下の面積の大きさや面積の変動をみて妨害事象を検出している。
ピークの未検出は、(スペクトル全体の面積÷ベースライン下の面積)が所定の閾値以上であるかをみることにより判断する。ある閾値以上であるときは、吹き出し部37に「ピークが出ていません。ピーク強度が弱いです。」と表示する。
蛍光の減衰は、ベースライン下の面積がリアルタイムのスペクトルで連続して3回以上、ある閾値以上減衰するときに、吹き出し部37に「蛍光が減衰しています。しばらく待ってください。」と表示する。
試料の損傷は、ベースライン下の面積がリアルタイムのスペクトルで連続して3回以上、ある閾値以上増加するときに、吹き出し部37に「試料が損傷しています。試料を交換してください」と表示する。
また、図7のアドバイス機能設定欄の中のチェックボックスを必要なもののみ選択することにより、これらのアドバイス機能の要否を妨害事象ごとに設定することができる。
これにより操作者の熟練度に応じて、操作者がスペクトルの形状から判断できない妨害事象のみに対してアドバイス機能を使うことも可能である。
その他、スペクトルの形状やスペクトルの変動以外から特定される妨害事象についても吹き出し部37に表示される。
(1)例えば、試料室のドアが開いているときに「試料室を閉めてください。」と表示する。これは資料室が空いている状態の時は、レーザーが試料室に照射されないという安全機構が付いているため、試料室を開けてスペクトル測定することができないのでそれを知らせるためのものである。
(2)ラマン分光計を起動した直後でCCD検出器の温度が冷えていないときはダークノイズが大きいので「CCD検出器が冷えるまで待ってください。」と表示する。
(3)ラマンスペクトルの波数の校正に用いるNeランプをオンにしている場合、「Neランプがオンになっています。」と表示する。Neランプは特殊な測定で用いられるが、通常の測定では用いられないので、Neランプをオンにしたまま測定を始めたときにそのことを知らせるためのものである。
(4)現在設定しているレーザー強度やスリット幅や対物レンズの設定状況を読み取り、レーザー強度が小さかったり、スリット幅が狭い等の感度が低くなる原因となりうる設定にしている場合は、「レーザー強度を大きくしてください」や「スリット幅を広げてください」等のアドバイスが表示される。そのとき、操作者は吹き出し部37内の「続きを読む」の部分をクリックすることにより、ヘルプ画面のピーク強度が弱い場合の対処方法を解説するページが立ち上がり、ピーク強度を大きくするための対処方法を知ることができる。
10・・・測定手段
12・・・測定曲線表示手段
16・・・ヘルプ情報検索手段
18・・・測定曲線形状解析手段
20・・・計測妨害事象特定手段
22・・・ヘルプ情報記憶手段
24・・・設定条件ファイル
32・・・測定曲線表示部
36・・・設定値表示部
37・・・吹き出し部

Claims (7)

  1. 測定対象である試料の測定曲線をリアルタイムで表示する分析機器において、
    試料の所望の特性を計測する測定手段と、
    前記測定手段により得られたデータより測定曲線を表示する測定曲線表示手段と、
    前記測定曲線の形状を解析し、最適な測定曲線の描写を妨害していると考えられる1以上の妨害事象を推定する測定曲線形状解析手段と、
    測定時に想定される妨害事象とその対処方法をヘルプ情報として保存したヘルプ情報記憶手段と、
    前記妨害事象に対応するヘルプ情報を検索するヘルプ情報検索手段と、を備え、
    前記ヘルプ情報記憶手段から検索されたヘルプ情報を前記測定曲線表示手段に表示することを特徴とする分析機器。
  2. 請求項1の装置において、
    前記分析機器に記録された現在の設定条件を参照し、前記測定曲線形状解析手段によって推定された妨害事象のうち真の妨害事象を特定する計測妨害事象特定手段を備えたことを特徴とする分析機器。
  3. 請求項1の分析機器において、
    前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積の大きさを分析することにより蛍光の発生を妨害事象として検出することを特徴とする分析機器。
  4. 請求項1の分析機器において、
    前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積の大きさの変動を分析することにより蛍光の減衰及び試料の損傷を妨害事象として検出することを特徴とする分析機器。
  5. 請求項1の分析機器において、
    前記測定曲線形状解析手段は、前記測定曲線表示手段に表示された測定曲線にベースラインを設定し、所定の時間範囲で、測定曲線表示手段に表示された時間軸と該ベースラインとで囲まれるベースライン下の面積を求め、スペクトル下の面積から該ベースライン下の面積を乗算し、得られた数値の大きさを分析することによりピークの不発生を妨害事象として検出することを特徴とする分析機器。
  6. 請求項1の装置において、
    前記ヘルプ情報を前記妨害事象が生じた測定曲線の位置に表示することを特徴とする分析機器。
  7. 請求項1の装置において、
    前記測定曲線表示手段に操作する過程を視覚的に表示し、設定条件としてパラメータの位置を示し、適切なパラメータの範囲を表示することにより、前記事象を解決するために設定条件の調整を支援することを特徴とする分析機器。
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