JP2012013008A - 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置 - Google Patents

超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012013008A
JP2012013008A JP2010150769A JP2010150769A JP2012013008A JP 2012013008 A JP2012013008 A JP 2012013008A JP 2010150769 A JP2010150769 A JP 2010150769A JP 2010150769 A JP2010150769 A JP 2010150769A JP 2012013008 A JP2012013008 A JP 2012013008A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
cavity
cavity pressure
injection
fuel injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010150769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5529651B2 (ja
Inventor
Shinsuke Tajiri
慎介 田尻
Atsushi Moriwaki
敦 森脇
Mitsuru Inada
満 稲田
Shojiro Furuya
正二郎 古谷
Hiroyuki Yukawa
裕之 湯川
Yoshihiro Kawamata
善博 川又
Takao Kaneko
敬郎 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010150769A priority Critical patent/JP5529651B2/ja
Publication of JP2012013008A publication Critical patent/JP2012013008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5529651B2 publication Critical patent/JP5529651B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)
  • Pressure-Spray And Ultrasonic-Wave- Spray Burners (AREA)

Abstract

【課題】着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置を提供する。
【解決手段】着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18により着火させ、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21による空気流路15内への主燃料の噴射を開始し、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったと判定した後に着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ13内への着火燃料の噴射を停止するように制御する構成の着火制御装置32とする。
【選択図】図1

Description

本発明は極超音速で飛行する飛翔体の外気吸入式航空エンジンに設けられる超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置に関する。
極超音速(例えば、Ma=3〜6)で飛行する飛翔体の外気吸入式航空エンジンに装備される燃焼器として、現在、超音速燃焼器(スクラムジェットエンジン)が開発されている。具体例として、図14(a)には超音速燃焼器を備えた航空エンジンを搭載している飛翔体を例示し、図14(b)には前記航空エンジンの概要を例示する。図14(a)に示すように、超音速で飛行する飛翔体1の下面には、外気吸入式航空エンジン2が取り付けられている。
図14(b)に示すように、航空エンジン2は、上流側から下流側に向かって順に外気導入部(インレット部)3と、超音速燃焼器(スクラムジェットエンジン)4と、拡大ノズル部(ディフューザ部)5とを備えている。なお、図示例の航空エンジン1にはインレットボディ7が設けらており、インレットボディ7の両側に空気流路6が形成されている。
この航空エンジン2は、酸化剤としての外気(空気)が上流の外気導入部3から超音速燃焼器3へと導入され、この導入された空気の流速が超音速燃焼器4における空気流路6で超音速(マッハ数Ma>1:例えばMa=3〜6)となり、この超音速の空気流れの中で燃料に着火(超音速燃焼)することによって燃焼ガスを発生し、この燃焼ガスが下流の拡大ノズル部5で膨張して排気されることにより、推力を発生させる。
なお、航空エンジンの超音速燃焼器やその着火制御装置などが開示されている先行技術文献としては、次のものがある。
特開2009−036197号 特許第2873013号公報 特開平8−334213号公報
しかしながら、超音速燃焼器における超音速燃焼は、上記の如く超音速の空気流れの中で燃料に着火するものであることから、上流域に対する熱伝導や熱対流の影響が極めて小さいため、燃料の着火や保炎に高度な技術を必要とする。
この対策としては着火性に優れている水素などの燃料を超音速燃焼器に用いて燃焼を持続させる方法もあるが、この方法では燃料タンクの容量や重量及びコストの増大を招くため、超音速燃焼器が製品として非現実的なものとなる。
これに対して灯油、メタン、エチレンなどの炭化水素系燃料を超音速燃焼器に用いることができれば、燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができるため、超音速燃焼器が製品として現実的なものとなる。しかし、炭化水素系燃料だけでは着火や保炎が困難である。
そこで、本発明者等は、水素などの着火性の良いものを着火燃料として用い、炭化水素系燃料を主燃料として用いることがきる構造の超音速燃焼器を、現在、開発している。この超音速燃焼器は、空気流路の途中に前記空気流路のて底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に水素などの着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段(着火燃料噴射器)と、前記着火燃料噴射器から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段(イグナイタのスパークプラグ)と、前記保炎用キャビティの上流側で、前記空気流路内に主燃料(炭化水素系燃料)を噴射する主燃料噴射手段(主燃料噴射器)とを備えたことを特徴とするものである(図1等を参照:詳細後述)。
そして、かかる構成の超音速燃焼器においては、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストをできりるだけ低減するために着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行をできるだけ早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量をできだけ少なくすることが必要である。
従って本発明は上記の事情に鑑み、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明の超音速燃焼器の着火方法は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする。
また、第2発明の超音速燃焼器の着火方法は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値を補正し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値を補正し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする。
また、第3発明の超音速燃焼器の着火方法は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記噴射口の下流側の計測点及び前記噴射口の間の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする。
また、第4発明の超音速燃焼器の着火方法は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記複数の噴射口の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、前記着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により再度着火させることを特徴とする。
また、第5発明の超音速燃焼器の着火制御装置は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする。
また、第6発明の超音速燃焼器の着火制御装置は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値を補正し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値を補正し、
前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする。
また、第7発明の超音速燃焼器の着火制御装置は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記噴射口の下流側の計測点及び前記噴射口の間の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする。
また、第8発明の超音速燃焼器の着火制御装置は、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記複数の噴射口の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止し、
前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、前記着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により再度着火させるように制御することを特徴とする。
第1発明の超音速燃焼器の着火方法又は第5発明の超音速燃焼器の着火制御装置によれば、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法又は着火制御装置であって、前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
第2発明の超音速燃焼器の着火方法又は第6発明の超音速燃焼器の着火制御装置によれば、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法又は着火制御装置であって、前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値を補正し、前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値を補正し、前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、例えば本超音速燃焼器が装備された航空エンジンを搭載している飛翔体の飛行高度が大きく変化したとしても、この高度変化に影響されるこのなく、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
第3発明の超音速燃焼器の着火方法又は第7発明の超音速燃焼器の着火制御装置によれば、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記噴射口の下流側の計測点及び前記噴射口の間の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法又は着火制御装置であって、前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
しかも、噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に主燃料噴射手段による空気流路内への主燃料の噴射を開始することにより、保炎用キャビティ内全体の圧力が上昇にした状態、即ち保炎用キャビティ内で均一な着火燃料燃焼を行なわれて保炎用キャビティの壁面温度が均一に上昇している状態で主燃料の噴射を開始することになるため、主燃料の着火及び保炎を、より確実に行うことができる。
第4発明の超音速燃焼器の着火方法又は第7発明の超音速燃焼器の着火制御装置によれば、空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記複数の噴射口の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法又は着火制御装置であって、前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止し、前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、前記着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により再度着火させることを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
しかも、噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を着火燃料着火手段により再度着火させるため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼(定常燃焼)へ移行後に主燃料燃焼の吹き消えが生じたとしても、早急に主燃料の再着火を行なうことができる。
(a)は本発明の実施の形態例1に係る超音速燃焼器を備えた航空エンジンの縦断面図、(b)は前記超音速燃焼器を拡大して示す縦断面及び本発明の実施の形態例1に係る着火制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態例1に係る着火制御装置における着火制御の内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例1に係る着火制御装置における着火制御の内容を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態例2に係る超音速燃焼器の縦断面図及び着火制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態例2に係る着火制御装置における着火制御の内容を示すフローチャートである。 キャビティ温度に応じたキャビティ圧力閾値の変化(補正値)を示す説明図である。 本発明の実施の形態例3に係る超音速燃焼器の縦断面図である。 本発明の実施の形態例3に係る超音速燃焼器の平面図(図7のA−A線矢視図)及び着火制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態例3に係る着火制御装置における着火制御の内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例4に係る超音速燃焼器の縦断面図である。 本発明の実施の形態例4に係る超音速燃焼器の平面図(図10のB−B線矢視図)及び着火制御装置の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態例4に係る着火制御装置における着火制御の内容を示すフローチャートである。 横断面形状が円弧状の超音速燃焼器の例を示す斜視図、(b)は前記超音速燃焼器の縦断面図、(c)は前記超音速燃焼器の横断面図((a)のC−C線矢視図)である。 (a)は超音速燃焼器を備えた航空エンジンを搭載している飛翔体の斜視図、(b)は前記航空エンジンの概要図である。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施の形態例1>
図1(a),図1(b),図2及び図3に基づき、本発明の実施の形態例1に係る超音速燃焼器について説明する。
図1(a)に示すように、極超音速で飛行する飛翔体(図14(a)参照)に搭載される外気吸入式航空エンジン11は、上流側から下流側に向かって順に外気導入部(インレット部)12と、本発明の実施の形態例1に係る超音速燃焼器(スクラムジェットエンジン)13と、拡大ノズル部(ディフューザ部)14とを備えている。従って、この航空エンジン11では、酸化剤としての空気(外気)が上流の外気導入部12から超音速燃焼器13へと導入され、この導入された空気の流速が超音速燃焼器13における空気流路15で超音速(マッハ数Ma>1:例えばMa=1〜3)となり、この超音速の空気流れの中で燃料に着火(超音速燃焼)することによって燃焼ガスを発生し、この燃焼ガスが下流の拡大ノズル部14で膨張して排気されることにより、推力を得る。
図1(a)及び図1(b)に示すように、超音速燃焼器13には、空気流路15の途中で空気流路15の底面15aを窪ませることにより、保炎用キャビティ16が形成されている。保炎用キャビティ16の底面16aには着火燃料噴射手段としての着火燃料噴射器17と、着火燃料着火手段としてのイグナイタのスパークプラグ18とが設置されている。スパークプラグ18は着火燃料噴射器17の噴射口17aの近傍に配置されている。なお、着火燃料噴射器17は、保炎用キャビティ16の底面16aに限らず、保炎用キャビティ16の上流側端面16cに設置にしてもよい。
着火燃料噴射器17は水素供給ライン36を介して水素タンク(水素が貯留されているタンク)37に接続され、且つ、酸素供給ライン38を介して酸素タンク(液体酸素が貯留されているタンク)39にも接続されており、水素タンク37から供給される水素と酸素タンク39から供給される酸素とを混合し、この水素と酸素とを混合して成る着火燃料(水素+酸素)を噴射口17aから、空気流路15の空気流通方向(以下、単に空気流通方向と称する)に対して法線方向(空気流通方向と直交する方向)又は斜め方向に向かって、保炎用キャビティ16内へ噴射する。着火燃料噴射器17から噴射された着火燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内の空気流れの影響で空気流通方向の下流側(以下、単に下流側と称する)へと流れていく。そして、このときにイグナイタの給電装置19からスパークプラグ18へ給電してスパークプラグ18をスパークさせることにより、着火燃料噴射器17から噴射された着火燃料が着火される。
一方、保炎用キャビティ16よりも空気流通方向の上流側(以下、単に上流側と称する)には、主燃料噴射手段としての主燃料噴射器21が設置されている。主燃料噴射器21は保炎用キャビティ16の上流側近傍で空気流路15の底面15aに設けられている。
主燃料噴射器21は主燃料供給ライン33を介して主燃料タンク(主燃料である炭化水素系燃料が貯留されているタンク)34に接続されており、この主燃料タンク34から供給される主燃料(炭化水素系燃料)を噴射口21aから、空気流通方向に対して斜め方向に又は法線方向に向かって、空気流路15内へ噴射する。主燃料(炭化水素系燃料)としては、灯油、メタン、エチレンなどを用いることができる。
主燃料噴射器21から噴射された主燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内を空気とともに空気流通方向の下流側へと流れていく。そして、このときに空気流路15に開口した保炎用キャビティ16の開口部16bにおいて、保炎用キャビティ16で燃焼している着火燃料の発熱量が主燃料に供給(伝達)されることにより、主燃料が着火される。その後、着火燃料噴射器17からの着火燃料の噴射は停止して、主燃料噴射器21からの主燃料の噴射のみを継続することにより、主燃料のみの着火及び保炎が行なわれる。図1(a)及び図1(b)において点線で囲んだ領域が、着火燃料や主燃料の燃焼状態が保持される保炎域20である。
更に詳述すると、主燃料噴射器21の設置位置(主燃料の噴射位置)の下流側に保炎用キャビティ16が設けられているため、空気流路15内を空気とともに下流側に流れる主燃料に対し、保炎用キャビティ16の開口部16bにおいて、保炎用キャビティ16で先に燃焼させた着火燃料の発熱量が供給(伝達)されることになり、また、主燃料の一部が保炎用キャビティ16内に停滞し易くなっている。従って、着火燃料から主燃料へ発熱量が供給(伝達)され易いため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行がスムーズに行なわれる。
保炎用キャビティ16の底面16aには、キャビティ圧力計測手段としてのキャビティ圧力計31が設置されている。キャビティ圧力計31では、保炎用キャビティ16内の圧力(以下、キャビティ圧力と称する)を計測し、このキャビティ圧力の計測信号を着火制御装置32へ出力する。
そして、着火制御装置32では、キャビティ圧力計31で計測したキャビティ圧力に基づいて、着火燃料噴射器17及び主燃料噴射器21に対する燃料噴射制御と、イグナイタの給電装置19に対する給電制御とを行うことにより、着火燃料噴射器13の着火制御(スクラムジェット制御)を行う。以下、この着火制御装置32における制御内容を、図1(a),図1(b)及び図2,図3に基づいて具体的に説明する。なお、図2のフローチャートにおける各ステップにはS1〜S11の符号を付した。
まず、ステップS1において着火制御(スクラムジェット制御)を開始する。超音速燃焼器13は、航空エンジン11を搭載している飛翔体(図12(a)参照)の飛行速度が超音速になって、超音速燃焼器13の保炎用キャビティ16部の空気流路15(燃焼領域)で空気の流速が超音速(Ma>1)になってから、始動(超音速燃焼を開始)するものである。例えば、飛翔体がロケットに搭載され、このロケットの飛行速度が超音速になることによって飛翔体の飛行速度が超音速になった後、超音速燃焼器13の超音速燃焼を開始させて航空エンジン11の推力を発生させることにより、前記飛翔体を前記ロケットから切り離して超音速で単独飛行させる。
このため、超音速燃焼器13の着火制御を開始するには、保炎用キャビティ16部における空気流路15の空気流速(以下、キャビティ部空気流速と称する)が超音速になったか否かを判断する必要がある。これに対して保炎用キャビティ16では、図3に例示するように時刻T1から飛翔体の速度が増加して、キャビティ部空気流速が亜音速から超音速へと増加するにしたがってキャビティ圧力が低下していく。従って、キャビティ圧力からキャビティ部空気流速を推定することができる。
そこでステップS1では、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値と着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とを比較して、キャビティ圧力測定値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定し、キャビティ圧力測定値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したときにキャビティ部空気流速が目標の超音速(Ma>1:例えばMa=3)になったと推定して、着火制御を開始する。
次にステップS2では、着火燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17へ供給される水素と酸素を混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17から保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS3では、着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18への給電を行って、スパークプラグ18をスパークさせることにより、着火燃料噴射器17から噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。この着火燃料燃焼によってキャビティ圧力が上昇する。
図3の例では、時刻T2おいてキャビティ圧力計測値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下であると判定し、時刻T3において着火燃料噴射及び着火燃料燃焼を開始している。この例では、時刻T2でキャビティ圧力計測値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下であると判定した後、更に飛翔体の単独飛行準備指令の有無を判定し、時刻T3で単独飛行準備指令が有ったと判定してから、着火燃料噴射及び着火燃料燃焼を開始している。なお、これに限定するものではなく、着火燃料噴射及び着火燃料燃焼の開始は、キャビティ圧力計測値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下であると判定して直ぐの時点でもよく、キャビティ圧力計測値が着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下であると判定後、更に単独飛行準備指令以外の条件が成立した時点でもよい。
次に、ステップS4では、着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値と主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とを比較して、着火燃料燃焼によって上昇するキャビティ圧力の計測値が、着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1よりも高く設定されている主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。
ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていない(キャビティ圧力計測値<主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2)と判定(No)した場合には、ステップS3に戻って再度、着火スパーク設定を行なう。このときステップS3では、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18への供給電力(点火エネルギー)を増加して、再度スパークプラグ18をスパークさせることにより、着火燃料噴射器17から噴射されている着火燃料を着火させる。即ち、キャビティ圧力計測値が第2キャビティ圧力閾P2値以上になるまで、点火エネルギーを増加させながら、スパークを繰り返す。
或いは、ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定したとき、図2中に一点鎖線で示すようにステップS2に戻って再度、着火燃料噴射を行なうようにしてもよい。このときステップS2では燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17から保炎用キャビティ16内へ噴射する着火燃料(水素+酸素)の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になるまで、着火燃料噴射流量を増加させる。
なお、上記の点火エネルギーの増加制御と着火燃料噴射流量の増加制御の両方を実施するようにしてもよい。
一方、ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ている(キャビティ圧力計測値≧主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2)と判定(Yes)した場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、主燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、主燃料タンク34から主燃料噴射器21へ供給される主燃料(炭化水素系燃料)を、主燃料噴射器21から空気流路15内へ噴射させる。その結果、空気流路15内を空気とともに下流側に流れる主燃料に対して、保炎用キャビティ16の開口部16bで着火燃料の発熱量を供給(伝達)して着火することにより、主燃料が燃焼する。この主燃料燃焼によってキャビティ圧力が更に上昇する。
図3の例では、時刻T4においてキャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定し、時刻T5において主燃料噴射及び主燃料燃焼を開始している。この例では、時刻T4でキャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定した後、更に飛翔体の単独飛行開始指令の有無を判定し、時刻T5で単独飛行開始指令が有ったと判定してから、主燃料噴射及び主燃料燃焼燃焼を開始している。なお、これに限定するものではなく、主燃料噴射及び主燃料燃焼の開始は、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定して直ぐの時点でもよく、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定後、更に単独飛行開始指令以外の条件が成立した時点でもよい。
次に、ステップS6では、主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値と着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3と比較して、着火燃料燃焼によって上昇するキャビティ圧力の計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも高く設定されている着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定する。
ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていない(キャビティ圧力計測値<着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3)と判定(No)した場合には、ステップS5に戻って再度、主燃料噴射を行う。このときステップS5では、燃料噴射制御により、主燃料噴射器21から空気流路15内へ噴射する主燃料の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力計測値が第3キャビティ圧力閾P3値以上になるまで、主燃料噴射流量を増加させる。
一方、ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ている(キャビティ圧力計測値≧着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3)と判定(Yes)した場合には、ステップS7へ進む。
ステップS7では、着火燃料噴射を停止する。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17から空気流路15内への着火燃料の噴射を停止させる。
そしてステップS8では、定常燃焼を行なう。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17の着火燃料噴射は停止させたままとし、主燃料噴射器21から空気流路15内への主燃料噴射のみを実施させることにより、主燃料のみの燃焼である定常燃焼へと移行させる。
図3の例では、時刻T6においてキャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定し、時刻T7において着火燃料噴射を停止することにより、定常燃焼への移行している。この例では、時刻T6でキャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した後、更に所定時間が経過した時刻T7において着火燃料噴射を停止している。これは着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を、より確実に行うためである。前記所定時間の具体的な値については、保炎用キャビティ16の壁面温度の上昇などを考慮して、試験や数値計算などにより適宜設定すればよい。なお、これに限定するものではなく、キャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定して直ぐに着火燃料噴射を停止するようにしてもよい。
次に、ステップS9では、主燃料燃焼の吹き消え(ブロウオフ)によってキャビティ圧力が低下したか否かを判定する。即ち、主燃料燃焼(定常燃焼)へ移行後に主燃料燃焼が吹き消えてしまった場合には、キャビティ圧力が低下する。そこでキャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値と着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3と比較して、キャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下(キャビティ圧力計測値<着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3)したか否かを判定する。
ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていない(キャビティ圧力計測値≧着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3)と判定(No)した場合には、ステップS8へ戻る。
一方、ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じた(キャビティ圧力計測値<着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3)と判定(Yes)した場合には、ステップS10へ進む。
ステップS10では、再度、着火燃料噴射を行う。即ち、水素タンク37と酸素タンク39にはそれぞれ水素と酸素が残存しているため、燃料噴射制御により、再度、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17へ供給される水素と酸素とを混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17から保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS11では、再度、着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18への給電を行って、スパークプラグ18をスパークさせることにより、着火燃料噴射器17から再度噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。そして、この着火燃料燃焼の発熱量が主燃料に供給(伝達)されて、再度主燃料が着火されて燃焼すると、この主燃料燃焼によって再度キャビティ圧力が上昇する。ステップS11を実施後はステップS6へ戻る。
なお、各キャビティ圧力閾値P1,P2,P3の具体的な値については、試験や数値計算などにより適宜設定すればよい。
以上のように、本実施の形態例1における超音速燃焼器13の着火制御装置32によれば、空気が超音速で流れる空気流路15と、空気流路15の途中に空気流路15の底面15aを窪ませて形成された保炎用キャビティ16と、保炎用キャビティ16内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射器17と、着火燃料噴射器17から噴射された着火燃料を着火するスパークプラグ18(給電装置19)と、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15内に主燃料を噴射する主燃料噴射器21と、保炎用キャビティ16内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計31とを備えた超音速燃焼器13の着火制御装置32であって、着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18により着火させ、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21による空気流路15内への主燃料の噴射を開始し、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったと判定した後に着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ13内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
<実施の形態例2>
図4〜図6に基づき、本発明の実施の形態例2に係る超音速燃焼器の着火制御装置について説明する。なお、上記実施の形態例1(図1(a),図1(b),図2,図3)と同様の部分には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
航空エンジン11は外気導入部12から着火燃料噴射器13へ外気を導入するが(図1(a)参照)、通常、大気温度tは高度zに対してt=t0−0.0065z(t0は高度0の大気温度)のように依存するため、飛翔体の飛行高度が上昇すると、大気温度が低下して大気圧力も低下し、これに伴って超音速燃焼器13の保炎用キャビティ16内の温度(以下、これをキャビティ温度と称する)やキャビティ圧力も低下する。このため、より精度のよいキャビティ圧力の判定を行うには、キャビティ温度に応じてキャビティ圧力閾値P1〜P3を補正(即ちキャビティ温度が下がればキャビティ圧力閾値P1〜P3を下げ、キャビティ温度が上がればキャビティ圧力閾値P1〜P3を上げるように補正)することが望ましい。
このため、図4に示すように本実施の形態例2では、超音速燃焼器13の保炎用キャビティ16の底面16aにキャビティ圧力計測手段としてのキャビティ圧力計31だけでなく、キャビティ温度計測手段としての熱電対などのキャビティ温度計42も設置されている。キャビティ温度計42では、キャビティ温度を計測し、このキャビティ温度の計測信号を着火制御装置32へ出力する。
本実施の形態例2における超音速燃焼器13のその他の構成については、上記実施の形態例1の超音速燃焼器13と同様である。
そして、本実施の形態例2の着火制御装置32では、キャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に基づいてキャビティ圧力閾値P1〜P3を補正し、この補正後のキャビティ圧力閾値P1〜P3に基づいて着火制御を行う。この着火制御の内容を図4〜図6に基づいて詳述する。なお、図6のフローチャートにおける各ステップには図2と同様の符号S1〜S11に加えて、S3−1,S5−1,S8−1の符号を付している。
そこで、ステップS1では、図3に示すようにキャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値とを比較して、キャビティ圧力測定値が補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。そして、キャビティ圧力測定値が補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、キャビティ部空気流速が超音速(Ma>1:例えばMa=3)になったと推定して、着火制御を開始する。
同様に、ステップS3−1では、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2の設定(補正)を行う。即ち、図3に示すようにキャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正する。そして、次のステップS4では、この補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計測値とを比較して、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。
また、ステップS5−1では、着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定(補正)を行う。即ち、図3に示すようにキャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正する。そして、次のステップS6では、この補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計測値とを比較して、キャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定する。
また、ステップS8−1でも、着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定(補正)を行う。即ち、図3に示すようにキャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正する。そして、次のステップS9では、この補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計測値とを比較して、キャビティ圧力計測値が着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定する。
本着火制御装置32のその他の制御内容については、上記実施の形態例1の着火制御装置32の制御内容(図2,図3)と同様である。
以上のように、本実施の形態例2における超音速燃焼器13の着火制御装置32によれば、空気が超音速で流れる空気流路15と、空気流路15の途中に空気流路15の底面15aを窪ませて形成された保炎用キャビティ16と、保炎用キャビティ16内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射器17と、着火燃料噴射器17から噴射された着火燃料を着火するスパークプラグ18(給電装置19)と、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15内に主燃料を噴射する主燃料噴射器21と、保炎用キャビティ16内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計31と、保炎用キャビティ16内のキャビティ圧力を計測するキャビティ温度計42とを備えた超音速燃焼器13の着火制御装置32であって、着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18により着火させ、キャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正し、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21による空気流路15内への主燃料の噴射を開始し、キャビティ温度計42によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正し、キャビティ圧力計31によるキャビティ圧力計測値が、補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったと判定した後に着火燃料噴射器17による保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、例えば本超音速燃焼器13が装備された航空エンジンを搭載している飛翔体の飛行高度が大きく変化したとしても、この高度変化に影響されるこのなく、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
<実施の形態例3>
図7〜図9に基づき、本発明の実施の形態例3に係る超音速燃焼器の着火制御装置について説明する。なお、上記実施の形態例1(図1(a),図1(b),図2,図3)と同様の部分には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、本実施の形態例3では、超音速燃焼器13の保炎用キャビティ16の底面16aに着火燃料噴射手段としての複数(図示例では3つ)の着火燃料噴射器17A,17B,17Cと、着火燃料着火手段としての複数のイグナイタのスパークプラグ18A,18B,18Cが設置されている。着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、底面16aの幅方向に配設され、各着火燃料噴射器17A,17B,17Cの噴射口17aが前記幅方向に一列に配列されている。なお、着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、保炎用キャビティ16の底面16aに限らず、保炎用キャビティ16の上流側端面16cに設置にして、噴射口17aを上流側端面16cの幅方向に一列に配列してもよい。
着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、水素供給ライン36及びこの水素供給ライン36から分岐された水素供給ライン36a,36b,36cを介して水素タンク37に接続され、且つ、酸素供給ライン38及びこの酸素供給ライン38から分岐された酸素供給ライン38a,38b,38cを介して酸素タンク39にも接続されている。スパークプラグ18A,18B,18Cは、着火燃料噴射器17A,17B,17Cの噴射口17aの近傍にそれぞれ配置されている。
着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、水素タンク37から供給される水素と酸素タンク39から供給される酸素とを混合し、この水素と酸素とを混合して成る着火燃料(水素+酸素)をそれぞれの噴射口17aから、空気流通方向に対して法線方向(空気流通方向と直交する方向)又は斜め方向に向かって、保炎用キャビティ16内へ噴射する。着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内の空気流れの影響で下流側へと流れていく。そして、このときにイグナイタの給電装置19からスパークプラグ18A,18B,18Cへ給電してスパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料が着火される。
また、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15の底面15aには、主燃料噴射手段としての複数(図示例では5つ)の主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eが設置されている。主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eは、空気流路15の幅方向に配設され、各主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eの噴射口21aが前記幅方向に一列に配列されている。主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eは主燃料供給ライン33及びこの主燃料供給ライン33から分岐された主燃料供給ライン33a,33b,33c,33d,33eを介して主燃料タンク34に接続されており、この主燃料タンク34から供給される主燃料(炭化水素系燃料)をそれぞれの噴射口21aから、空気流通方向に対して斜め方向に又は法線方向に向かって、空気流路15内へ噴射する。
主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから噴射された主燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内を空気とともに空気流通方向の下流側へと流れていく。そして、このときに空気流路15に開口した保炎用キャビティ16の開口部16bにおいて、保炎用キャビティ16で燃焼している着火燃料の発熱量が主燃料に供給(伝達)されることにより、主燃料が着火される。その後、着火燃料噴射器17A,17B,17Cからの着火燃料の噴射は停止して、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eからの主燃料の噴射のみを継続することにより、主燃料のみの着火及び保炎(保炎域20)が行なわれる。
そして、保炎用キャビティ16の底面16aには、キャビティ圧力計測手段としての複数(図示例では2つ)のキャビティ圧力計31A,31Bと、キャビティ温度計測手段としての複数(図示例では2つ)の熱電対などのキャビティ温度計42A,42Bとが設置されている。キャビティ圧力計31A及びキャビティ温度計42Aの計測点31A−1,42A−1は、着火燃料噴射器17Bの噴射口17aの下流側(底面16aの中央部)に配置されている。そして、キャビティ圧力計31B及びキャビティ温度計42Bの計測点31B−1,42B−1は、着火燃料噴射器17Bの噴射口17aと着火燃料噴射器17Cの噴射口17aの間の下流側に配置されている。キャビティ圧力計31A,31Bでは、それぞれの計測点31A−1,31B−1でキャビティ圧力を計測し、これらのキャビティ圧力の計測信号を着火制御装置32へ出力する。また、キャビティ温度計42A,42Bでは、それぞれの計測点42A−1,42B−1でキャビティ温度を計測し、これらのキャビティ温度の計測信号を着火制御装置32へ出力する。
本実施の形態例3における超音速燃焼器13のその他の構成については、上記実施の形態例1の超音速燃焼器13と同様である。
そして、着火制御装置32では、キャビティ圧力計31A,31Bで計測したキャビティ圧力及びキャビティ温度計42A,42Bで計測したキャビティ温度に基づいて、着火燃料噴射器17A,17B,17C及び主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eに対する燃料噴射制御と、イグナイタの給電装置19に対する給電制御とを行うことにより、着火燃料噴射器13の着火制御(スクラムジェット制御)を行う。以下、この着火制御装置32における制御内容を、図8及び図9に基づいて具体的に説明する。なお、図9のフローチャートにおける各ステップにはS1〜S3,S3−1,S4,S4−1,S4−2,S5,S5−1,S6〜S8,S8−1,S9〜S11の符号を付した。
まず、ステップS1において着火制御(スクラムジェット制御)を開始する。即ち、上記実施の形態例2の場合と同様に、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正(図3参照)し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。また、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正(図3参照)し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。そして、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になり、且つ、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、キャビティ部空気流速が超音速(Ma>1:例えばMa=3)になったと推定して、着火制御を開始する。
なお、これに限定するものではなく、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したときの何れか1つの判定結果に基づいて、着火制御を開始するようにしてもよい。
次にステップS2では、着火燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17A,17B,17Cへ供給される水素と酸素を混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS3では、着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18A,18B,18Cへの給電を行って、スパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。この着火燃料燃焼によってキャビティ圧力が上昇する。
なお、タイムチャートなどについては上記実施の形態例1(図3)と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS3−1では、上記実施の形態例2と同様に主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2の設定(補正)を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)する。
そして、次のステップS4では、着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正した前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。
ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定した場合には、ステップS4−1へ進む。
ステップS4−1では、上記実施の形態例2と同様に主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)する。
そして、次のステップS4−2では、着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正した前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。
ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも低いと判定した場合、又は、ステップS4−2で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも低いと判定した場合には、ステップS3に戻って再度、着火スパーク設定を行なう。このときステップS3では、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18A,18B,18Cへの供給電力(点火エネルギー)を増加して、再度スパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射されている着火燃料を着火させる。即ち、キャビティ圧力計測値が第2キャビティ圧力閾P2値以上になるまで、点火エネルギーを増加させながら、スパークを繰り返す。
或いは、このステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定した場合、図9中に一点鎖線で示すようにステップS2に戻って再度、着火燃料噴射を行なうようにしてもよい。このときステップS2では燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射する着火燃料(水素+酸素)の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になるまで、着火燃料噴射流量を増加させる。
なお、上記の点火エネルギーの増加制御と着火燃料噴射流量の増加制御の両方を実施するようにしてもよい。
一方、ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定し、且つ、ステップS4−2でも着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)、即ち、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定した場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、主燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、主燃料タンク34から主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eへ供給される主燃料(炭化水素系燃料)を、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内へ主燃料を噴射させる。その結果、空気流路15内を空気とともに下流側に流れる主燃料に対して、保炎用キャビティ16の開口部16bで着火燃料の発熱量を供給(伝達)して着火することにより、主燃料が燃焼する。この主燃料燃焼によってキャビティ圧力が更に上昇する。
次に、ステップS5−1では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)し、且つ、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS6では、主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定し、更にキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定する。
ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低いと判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低いと判定した場合には、ステップS5に戻って再度、主燃料噴射を行う。このときステップS5では、燃料噴射制御により、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内へ噴射する主燃料の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力測定値が第3キャビティ圧力閾P3値以上になるまで、主燃料噴射流量を増加させる。
一方、ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定し、且つ、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した場合には、ステップS7へ進む。
なお、これに限定するものではなく、ステップS6では、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上か否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上か否かの判定の何れか1つの判定のみを行なうようにしてもよい。
ステップS7では、着火燃料噴射を停止する。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから空気流路15内への着火燃料の噴射を停止させる。
そしてステップS8では、定常燃焼を行なう。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cの着火燃料噴射は停止させたままとし、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内への主燃料噴射のみを実施させることにより、主燃料のみの燃焼である定常燃焼へと移行させる。
次に、ステップS8−1では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)し、且つ、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS9では、主燃料燃焼の吹き消え(ブロウオフ)によってキャビティ圧力が低下したか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定し、更にキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定する。
ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定し、且つ、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上である判定した場合には、ステップS8へ戻る。
一方、ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じたと判定(Yes)した場合には、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定した場合には、ステップS10へ進む。
なお、これに限定するものではなく、ステップS9では、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かの判定の何れか1つの判定のみを行なうようにしてもよい。
ステップS10では、再度、着火燃料噴射を行う。即ち、水素タンク37と酸素タンク39にはそれぞれ水素と酸素が残存しているため、燃料噴射制御により、再度、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17A,17B,17Cへ供給される水素と酸素とを混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS11では、再度、着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19からスパークプラグ18A,18B,18Cへの給電を行って、スパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから再度噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。そして、この着火燃料燃焼の発熱量が主燃料に供給(伝達)されて、再度主燃料が着火されて燃焼すると、この主燃料燃焼によって再度キャビティ圧力が上昇する。ステップS11を実施後はステップS6へ戻る。
以上のように、本実施の形態例3における超音速燃焼器13の着火制御装置32によれば、空気が超音速で流れる空気流路15と、空気流路15の途中に空気流路15の底面15aを窪ませて形成された保炎用キャビティ16と、保炎用キャビティ16の底面16a又は上流側端面16cに底面16a又は上流側端面16cの幅方向に配置された複数の噴射口17aから保炎用キャビティ16内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射器17A,17B,17Cと、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料を着火するスパークプラグ18A,18B,18C(給電装置19)と、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15内に主燃料を噴射する主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eと、保炎用キャビティ15内のキャビティ圧力を、噴射口17aの下流側の計測点31A−1及び噴射口17aの間の下流側の計測点31B−1で計測するキャビティ圧力計31A,31Bとを備えた超音速燃焼器13の着火制御装置32であって、着火燃料噴射器17A,17B,17Cによる保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18A,18B,18Cにより着火させ、キャビティ圧力計31Aによる噴射口17aの下流側の計測点13A−1におけるキャビティ圧力計測値と噴射口17aの間の下流側の計測点31B−1におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eによる空気流路15内への主燃料の噴射を開始し、キャビティ圧力計31A,31Bによる噴射口17aの下流側の計測点31A−1のキャビティ圧力計測値と噴射口17aの間の下流側の計測点31B−1のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったと判定した後に着火燃料噴射器17A,17B,17Cによる保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を停止することを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
しかも、噴射口17aの下流側の計測点31A−1におけるキャビティ圧力計測値と噴射口17aの間の下流側の計測点31B−1におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eによる空気流路15内への主燃料の噴射を開始することにより、保炎用キャビティ16内全体の圧力が上昇にした状態、即ち保炎用キャビティ16内で均一な着火燃料燃焼を行なわれて保炎用キャビティ16の壁面温度が均一に上昇している状態で主燃料の噴射を開始することになるため、主燃料の着火及び保炎を、より確実に行うことができる。
<実施の形態例4>
図10〜図12に基づき、本発明の実施の形態例4に係る超音速燃焼器の着火制御装置について説明する。なお、上記実施の形態例1(図1(a),図1(b),図2,図3)と同様の部分には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図10及び図11に示すように、本実施の形態例4では、超音速燃焼器13の保炎用キャビティ16の底面16aに着火燃料噴射手段としての複数(図示例では3つ)の着火燃料噴射器17A,17B,17Cと、着火燃料着火手段としての複数のイグナイタのスパークプラグ18A,18B,18Cが設置されている。着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、底面16aの幅方向に配設され、各着火燃料噴射器17A,17B,17Cの噴射口17aが前記幅方向に一列に配列されている。なお、着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、保炎用キャビティ16の底面16aに限らず、保炎用キャビティ16の上流側端面16cに設置にして、噴射口17aを上流側端面16cの幅方向に一列に配列してもよい。
着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、水素供給ライン36及びこの水素供給ライン36から分岐された水素供給ライン36a,36b,36cを介して水素タンク37に接続され、且つ、酸素供給ライン38及びこの酸素供給ライン38から分岐された酸素供給ライン38a,38b,38cを介して酸素タンク39にも接続されている。スパークプラグ18A,18B,18Cは、着火燃料噴射器17A,17B,17Cの噴射口17aの近傍にそれぞれ配置されている。
着火燃料噴射器17A,17B,17Cは、水素タンク37から供給される水素と酸素タンク39から供給される酸素とを混合し、この水素と酸素とを混合して成る着火燃料(水素+酸素)をそれぞれの噴射口17aから、空気流通方向に対して法線方向(空気流通方向と直交する方向)又は斜め方向に向かって、保炎用キャビティ16内へ噴射する。着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内の空気流れの影響で下流側へと流れていく。そして、このときにイグナイタの給電装置19A,19B,19Cからスパークプラグ18A,18B,18Cへそれぞれ給電してスパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料が着火される。
また、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15の底面15aには、主燃料噴射手段としての複数(図示例では5つ)の主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eが設置されている。主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eは、空気流路15の幅方向に配設され、各主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eの噴射口21aが前記幅方向に一列に配列されている。主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eは主燃料供給ライン33及びこの主燃料供給ライン33から分岐された主燃料供給ライン33a,33b,33c,33d,33eを介して主燃料タンク34に接続されており、この主燃料タンク34から供給される主燃料(炭化水素系燃料)をそれぞれの噴射口21aから、空気流通方向に対して斜め方向に又は法線方向に向かって、空気流路15内へ噴射する。
主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから噴射された主燃料は、図中にドットで表したように空気流路15内を空気とともに空気流通方向の下流側へと流れていく。そして、このときに空気流路15に開口した保炎用キャビティ16の開口部16bにおいて、保炎用キャビティ16で燃焼している着火燃料の発熱量が主燃料に供給(伝達)されることにより、主燃料が着火される。その後、着火燃料噴射器17A,17B,17Cからの着火燃料の噴射は停止して、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eからの主燃料の噴射のみを継続することにより、主燃料のみの着火及び保炎(保炎域20)が行なわれる。
そして、保炎用キャビティ16の底面16aには、着火燃料噴射器17A,17B,17Cの個数に合わせて、キャビティ圧力計測手段としての複数(図示例では3つ)のキャビティ圧力計31A,31B,31Cと、キャビティ温度計測手段としての複数(図示例では3つ)の熱電対などのキャビティ温度計42A,42Bとが設置されている。キャビティ圧力計31A及びキャビティ温度計42Aの計測点31A−1,42A−1は、着火燃料噴射器17Aの噴射口17aの下流側に配置されている。キャビティ圧力計31B及びキャビティ温度計42Bの計測点31B−1,42B−1は、着火燃料噴射器17Bの噴射口17aの下流側に配置されている。キャビティ圧力計31C及びキャビティ温度計42Cの計測点31C−1,42C−1は、着火燃料噴射器17Cの噴射口17aの下流側に配置されている。キャビティ圧力計31A,31B,31Cでは、それぞれの計測点31A−1,31B−1,31C−1でキャビティ圧力を計測し、これらのキャビティ圧力の計測信号を着火制御装置32へ出力する。また、キャビティ温度計42A,42B,42Cでは、それぞれの計測点42A−1,42B−1,42C−1でキャビティ温度を計測し、これらのキャビティ温度の計測信号を着火制御装置32へ出力する。
本実施の形態例3における超音速燃焼器13のその他の構成については、上記実施の形態例1の超音速燃焼器13と同様である。
そして、着火制御装置32では、キャビティ圧力計31A,31B,31Cで計測したキャビティ圧力及びキャビティ温度計42A,42B,42Cで計測したキャビティ温度に基づいて、着火燃料噴射器17A,17B,17C及び主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eに対する燃料噴射制御と、イグナイタの給電装置19A,19B,19Cに対する給電制御とを行うことにより、着火燃料噴射器13の着火制御(スクラムジェット制御)を行う。以下、この着火制御装置32における制御内容を、図11及び図12に基づいて具体的に説明する。なお、図12のフローチャートにおける各ステップにはS1〜S3,S3−1,S4,S5,S5−1,S6〜S8,S8−1,S9,S9−1〜S9−4,S10−1〜S10−3,S11−1〜S11−3の符号を付した。
まず、ステップS1において着火制御(スクラムジェット制御)を開始する。即ち、上記実施の形態例2の場合と同様に、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正(図3参照)し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。また、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正(図3参照)し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。また、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1を補正(図3参照)し、この補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1とキャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったか否かを判定する。そして、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になり、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になり、且つ、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、キャビティ部空気流速が超音速(Ma>1:例えばMa=3)になったと推定して、着火制御を開始する。
なお、これに限定するものではなく、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力測定値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したとき、又は、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火制御開始用キャビティ圧力閾値P1以下になったと判定したときの何れか1つの判定結果に基づいて、着火制御を開始するようにしてもよい。
次にステップS2では、着火燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17A,17B,17Cへ供給される水素と酸素を混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS3では、着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19A,19B,19Cからスパークプラグ18A,18B,18Cへの給電を行って、スパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。この着火燃料燃焼によってキャビティ圧力が上昇する。
なお、タイムチャートなどについては上記実施の形態例1(図3)と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS3−1では、上記実施の形態例2と同様に主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2の設定(補正)を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)し、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)し、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)する。
次のステップS4では、着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正した前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。また、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正した前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。また、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正した前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2とキャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったか否かを判定する。
ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも低いと判定した場合、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも低いと判定した場合、又は、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2よりも低いと判定した場合には、ステップS3に戻って再度、着火スパーク設定を行なう。このときステップS3では、給電制御により、イグナイタの給電装置19A,19B,19Cからスパークプラグ18A,18B,18Cへの供給電力(点火エネルギー)を増加して、再度スパークプラグ18A,18B,18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射されている着火燃料を着火させる。即ち、キャビティ圧力計測値が第2キャビティ圧力閾P2値以上になるまで、点火エネルギーを増加させながら、スパークを繰り返す。
或いは、このステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定した場合、図12中に一点鎖線で示すようにステップS2に戻って再度、着火燃料噴射を行なうようにしてもよい。このときステップS2では燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射する着火燃料(水素+酸素)の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力計測値が主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になるまで、着火燃料噴射流量を増加させる。
なお、上記の点火エネルギーの増加制御と着火燃料噴射流量の増加制御の両方を実施するようにしてもよい。
ステップS4で着火燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定し、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定し、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値が前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上であると判定した場合には、ステップS5へ進む。
なお、これに限定するものではなく、ステップS4では、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上か否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上か否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上か否かの判定の何れか1つの判定のみを行なうようにしてもよい。
ステップS5では、主燃料噴射を行なう。即ち、燃料噴射制御により、主燃料タンク34から主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eへ供給される主燃料(炭化水素系燃料)を、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内へ主燃料を噴射させる。その結果、空気流路15内を空気とともに下流側に流れる主燃料に対して、保炎用キャビティ16の開口部16bで着火燃料の発熱量を供給(伝達)して着火することにより、主燃料が燃焼する。この主燃料燃焼によってキャビティ圧力が更に上昇する。
次に、ステップS5−1では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2を補正(図3参照)し、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)し、且つ、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS6では、主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ているか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定し、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定し、且つ、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったか否かを判定する。
ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低いと判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低いと判定、又は、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低いと判定した場合には、ステップS5に戻って再度、主燃料噴射を行う。このときステップS5では、燃料噴射制御により、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内へ噴射する主燃料の噴射流量を増加させる。即ち、キャビティ圧力計測値が第3キャビティ圧力閾P3値以上になるまで、主燃料噴射流量を増加させる。
一方、ステップS6で主燃料燃焼のキャビティ圧力を得ていると判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定し、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定し、且つ、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した場合には、ステップS7へ進む。
なお、これに限定するものではなく、ステップS6では、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上か否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上か否かの判定、又は、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上か否かの判定の何れか1つの判定のみを行なうようにしてもよい。
ステップS7では、着火燃料噴射を停止する。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから空気流路15内への着火燃料の噴射を停止させる。
ステップS8では、定常燃焼を行なう。即ち、燃料噴射制御により、着火燃料噴射器17A,17B,17Cの着火燃料噴射は停止させたままとし、主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eから空気流路15内への主燃料噴射のみを実施させることにより、主燃料のみの燃焼である定常燃焼へと移行させる。
次に、ステップS8−1では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS9では、着火燃料噴射器17Aの下流側において、主燃料燃焼の吹き消え(ブロウオフ)によりキャビティ圧力が低下したか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定する。
ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した場合には、ステップS9−1へ進む。
ステップS9−1では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS9−2では、着火燃料噴射器17Bの下流側において、主燃料燃焼の吹き消えによりキャビティ圧力が低下したか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定する。
ステップS9−2で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した場合には、ステップS9−3へ進む。
ステップS9−3では、上記実施の形態例2と同様に着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3の設定を行なう。即ち、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3を補正(図3参照)する。
次のステップS9−4では、着火燃料噴射器17Cの下流側において、主燃料燃焼の吹き消えによりキャビティ圧力が低下したか否かを判定する。即ち、キャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3とキャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値とを比較して、このキャビティ圧力計測値が前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したか否かを判定する。
ステップS9−4で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていないと判定(No)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上であると判定した場合には、ステップS8へ戻る。つまり、ステップS9,S−2,S9−4の何れにおいても、主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じていないと判定した場合にはステップS8へ戻る。
そして、ステップS9で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じたと判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Aによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Aによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定した場合には、ステップS10−1へ進む。
ステップS10−1では、再度、着火燃料噴射器17Aの着火燃料噴射を行う。即ち、水素タンク37と酸素タンク39にはそれぞれ水素と酸素が残存しているため、燃料噴射制御により、再度、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17Aへ供給される水素と酸素とを混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17Aから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS11−1では、再度、スパークプラグ18Aの着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19Aからスパークプラグ18Aへの給電を行って、スパークプラグ18Aをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17Aから再度噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。そして、この着火燃料燃焼の発熱量が主燃料に供給(伝達)されて、再度主燃料が着火されて燃焼すると、この主燃料燃焼によって、再度、着火燃料噴射器17Aの下流側のキャビティ圧力が上昇する。ステップS11−1を実施後はステップS6へ戻る。
また、ステップS9−2で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じたと判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Bによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Bによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定した場合には、ステップS10−2へ進む。
ステップS10−2では、再度、着火燃料噴射器17Bの着火燃料噴射を行う。即ち、燃料噴射制御により、再度、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17Bへ供給される水素と酸素とを混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17Bから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS11−2では、再度、スパークプラグ18Bの着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19Bからスパークプラグ18Bへの給電を行って、スパークプラグ18Bをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17Bから再度噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。そして、この着火燃料燃焼の発熱量が主燃料に供給(伝達)されて、再度主燃料が着火されて燃焼すると、この主燃料燃焼によって、再度、着火燃料噴射器17Bの下流側のキャビティ圧力が上昇する。ステップS11−2を実施後はステップS6へ戻る。
また、ステップS9−4で主燃料燃焼の吹き消えによるキャビティ圧力の低下が生じたと判定(Yes)した場合、即ち、キャビティ圧力計31Cによるキャビティ圧力計測値がキャビティ温度計42Cによるキャビティ温度計測値に応じて補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定した場合には、ステップS10−3へ進む。
ステップS10−3では、再度、着火燃料噴射器17Cの着火燃料噴射を行う。即ち、燃料噴射制御により、再度、水素タンク37と酸素タンク39から着火燃料噴射器17Cへ供給される水素と酸素とを混合した着火燃料を、着火燃料噴射器17Cから保炎用キャビティ16内へ噴射させる。
続いてステップS11−3では、再度、スパークプラグ18Cの着火スパーク設定を行なう。即ち、給電制御により、イグナイタの給電装置19Cからスパークプラグ18Cへの給電を行って、スパークプラグ18Cをスパークさせることにより、着火燃料噴射器17Cから再度噴射された着火燃料を着火(燃焼)させる。そして、この着火燃料燃焼の発熱量が主燃料に供給(伝達)されて、再度主燃料が着火されて燃焼すると、この主燃料燃焼によって、再度、着火燃料噴射器17Cの下流側のキャビティ圧力が上昇する。ステップS11−3を実施後はステップS6へ戻る。
以上のように、本実施の形態例4における超音速燃焼器13の着火制御装置32によれば、空気が超音速で流れる空気流路15と、空気流路15の途中に空気流路15の底面15aを窪ませて形成された保炎用キャビティ16と、保炎用キャビティ16の底面16a又は上流側端面16cに底面16a又は上流側端面16cの幅方向に配置された複数の噴射口17aから保炎用キャビティ16内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射器17A,17B,17Cと、着火燃料噴射器17A,17B,17Cから噴射された着火燃料を着火するスパークプラグ18A,18B,18C(給電装置19A,19B,19C)と、保炎用キャビティ16の上流側で空気流路15内に主燃料を噴射する主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eと、保炎用キャビティ16内のキャビティ圧力を、複数の噴射口17aの下流側の計測点31A−1,31B−1,31C−1で計測するキャビティ圧力計31A,31B,31Cとを備えた超音速燃焼器13の着火制御装置32であって、着火燃料噴射器17A,17B,17Cによる保炎用キャビティ16内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18A,18B,18Cにより着火させ、キャビティ圧力計31A,31B,31Cによる噴射口17aの下流側の計測点31A−1,31B−1,31C−1のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値P2以上になったと判定した後に主燃料噴射器21A,21B,21C,21D,21Eによる空気流路15内への主燃料の噴射を開始し、キャビティ圧力計31A,31B,31Cによる噴射口17aの下流側の計測点31A−1,31B−1,31C−1のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値Pよりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3以上になったと判定した後に着火燃料噴射器17A,17B,17Cによる保炎用キャビティ17内への着火燃料の噴射を停止し、キャビティ圧力計31A,31B,31Cによる噴射口17aの下流側の計測点31A−1,31B−1,31C−1のキャビティ圧力計測値の何れかが、着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定したとき、当該計測点31A−1(又は31B−1又は31C−1)の上流側の噴射口17aから再度着火燃料噴射器17A(又は17B又は17C)により噴射させて、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18A(又は18B又は18C)により再度着火させることを特徴としているため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼への移行を早急且つ確実に行って、水素などの着火燃料の使用量を最小限にすることができる。従って、水素などの着火燃料に要する燃料タンクの容量や重量及びコストを低減することができる。
しかも、噴射口17aの下流側の計測点31A−1,31B−1,31C−1のキャビティ圧力計測値の何れかが、着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値P3よりも低下したと判定したとき、当該計測点31A−1(又は31B−1又は31C−1)の上流側の噴射口17aから再度着火燃料噴射器17A(又は17B又は17C)により噴射させて、この噴射された着火燃料をスパークプラグ18A(又は18B又は18C)により再度着火させるため、着火燃料燃焼から主燃料燃焼(定常燃焼)へ移行後に主燃料燃焼の吹き消えが生じたとしても、早急に主燃料の再着火を行なうことができる。
なお、本発明の着火制御装置は、図14(b)に例示したような2つの空気流路を有する航空エンジンの超音速燃焼器だけでなく、空気流路が1つの航空エンジンや空気流路が3つ以上の航空エンジンの超音速燃焼器などにも適用することができる。
また、本発明の超音速燃焼器に用いる着火燃料には、水素に限らず、主燃料(炭化水素系燃料)に比べて着火性の良いものを用いればよく、例えばシランなどを用いた着火燃料(シラン+酸素など)でもよい。
また、上記実施の形態例1〜4の超音速燃焼器13は空気流路15や保炎用キャビティ16の横断面形状が矩形状であるが、必ずしもこれに限定するものではなく、本発明の着火制御装置32は、例えば図13(a)〜図13(c)に示すような横断面形状が円弧状の空気流路102を有する超音速燃焼器101にも、適用することができる。この場合には、空気流路102の底面102aを窪ませることにより、横断面形状が円弧状の保炎用キャビティ103を形成すればよい。そして、この場合にも、上記実施の形態例1〜4と同様に、保炎用キャビティ103の底面103aや上流側端面103bに1つ又は複数の着火燃料噴射器17を設け、保炎用キャビティ103の上流側の空気流路102の底面102aに1つ又は複数の主燃料噴射器21を設ければよい。
本発明は超音速で飛行する飛翔体の航空エンジンに設けられる超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置に関するものであり、水素などを着火燃料として用い、炭化水素系燃料を超音速燃焼器の主燃料として用いる場合に適用して有用なものである。
11 航空エンジン
12 外気導入部
13 超音速燃焼器
14 拡大ノズル部
15 空気流路
15a 底面
16 保炎用キャビティ
16a 底面
16b 開口部
16c 上流側端面
17,17A,17B,17C 着火燃料噴射器
17a 噴射口
18 スパークプラグ
19,19A,19B,19C 給電装置
20 保炎域
21,21A,21B,21C,21D,21E 主燃料噴射器
21a 噴射口
31,31A,31B,31C キャビティ圧力計
32 着火制御装置
33,33a,33b,33c,33d,33e 主燃料供給ライン
34 主燃料タンク
36,36a,36b,36c 水素供給ライン
37 水素タンク
38,38a,38b,38c 酸素供給ライン
39 酸素タンク
42,42A,42B,42C キャビティ温度計
101 超音速燃焼器
102 空気流路
102a 底面
103 保炎用キャビティ
103a 底面
103b 上流側端面

Claims (8)

  1. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする超音速燃焼器の着火方法。
  2. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値を補正し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値を補正し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする超音速燃焼器の着火方法。
  3. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記噴射口の下流側の計測点及び前記噴射口の間の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止することを特徴とする超音速燃焼器の着火方法。
  4. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記複数の噴射口の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火方法であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、前記着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により再度着火させることを特徴とする超音速燃焼器の着火方法。
  5. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする超音速燃焼器の着火制御装置。
  6. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティ内に着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値を補正し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ温度計測手段によるキャビティ温度計測値に応じて、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値を補正し、
    前記キャビティ圧力計測手段によるキャビティ圧力計測値が、前記補正後の着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする超音速燃焼器の着火制御装置。
  7. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記噴射口の下流側の計測点及び前記噴射口の間の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点におけるキャビティ圧力計測値が、全て主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値と前記噴射口の間の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料着火手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止するように制御することを特徴とする超音速燃焼器の着火制御装置。
  8. 空気が超音速で流れる空気流路と、前記空気流路の途中に前記空気流路の底面を窪ませて形成された保炎用キャビティと、前記保炎用キャビティの底面又は上流側端面に前記底面又は前記上流側端面の幅方向に配置された複数の噴射口から前記保炎用キャビティ内へ着火燃料を噴射する着火燃料噴射手段と、前記着火燃料噴射手段から噴射された着火燃料を着火する着火燃料着火手段と、前記保炎用キャビティの上流側で前記空気流路内に前記主燃料を噴射する主燃料噴射手段と、前記保炎用キャビティ内のキャビティ圧力を、前記複数の噴射口の下流側の計測点で計測するキャビティ圧力計測手段とを備えた超音速燃焼器の着火制御装置であって、
    前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を開始して、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により着火させ、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記主燃料噴射手段による前記空気流路内への主燃料の噴射を開始し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の全て又は何れか1つが、前記主燃料噴射開始用キャビティ圧力閾値よりも高い着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値以上になったと判定した後に前記着火燃料噴射手段による前記保炎用キャビティ内への着火燃料の噴射を停止し、
    前記キャビティ圧力計測手段による前記噴射口の下流側の計測点のキャビティ圧力計測値の何れかが、前記着火燃料噴射停止用キャビティ圧力閾値よりも低下したと判定したとき、当該計測点の上流側の噴射口から再度前記着火燃料噴射手段により噴射させて、この噴射された着火燃料を前記着火燃料着火手段により再度着火させるように制御することを特徴とする超音速燃焼器の着火制御装置。
JP2010150769A 2010-07-01 2010-07-01 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置 Active JP5529651B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010150769A JP5529651B2 (ja) 2010-07-01 2010-07-01 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010150769A JP5529651B2 (ja) 2010-07-01 2010-07-01 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012013008A true JP2012013008A (ja) 2012-01-19
JP5529651B2 JP5529651B2 (ja) 2014-06-25

Family

ID=45599728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010150769A Active JP5529651B2 (ja) 2010-07-01 2010-07-01 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5529651B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102980206A (zh) * 2012-12-18 2013-03-20 中国人民解放军国防科学技术大学 火焰稳定器及包含该火焰稳定器的发动机燃烧室
JP2014122607A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクラムジェットエンジン及び燃焼制御方法
WO2015146356A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
WO2015146357A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
CN105971737A (zh) * 2016-05-09 2016-09-28 西北工业大学 一种提高冲压发动机点火成功率的时序控制方法
JP2016186409A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 三菱重工業株式会社 ジェットエンジン、飛しょう体、および、ジェットエンジンの動作方法
CN109322762A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 波音公司 超音速冲压式喷气发动机和相关飞行器以及方法
JP2019138219A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 三菱重工業株式会社 スクラムジェットエンジン及び飛翔体
CN110541773A (zh) * 2019-09-25 2019-12-06 上海交通大学 宽速域冲压发动机燃烧室及其工作方法
CN110821711A (zh) * 2019-11-07 2020-02-21 西安航天动力研究所 一种燃烧室的点火、稳燃结构
CN112361379A (zh) * 2020-11-18 2021-02-12 中国人民解放军国防科技大学 一种超声速凹腔燃烧室的点火结构及超燃冲压发动机
CN112377323A (zh) * 2020-10-27 2021-02-19 中国空气动力研究与发展中心 一种应用于降低超燃冲压发动机的燃烧减阻方法及装置
CN112901353A (zh) * 2021-02-01 2021-06-04 中国科学院力学研究所 一种碳氢燃料主动冷却超燃冲压发动机起动系统及方法
CN113175394A (zh) * 2021-04-30 2021-07-27 北京航天动力研究所 一种氢氧火箭发动机动态燃烧稳定性鉴定试验系统和方法
CN114962008A (zh) * 2022-04-28 2022-08-30 西安航天动力研究所 一种宽范围组合发动机点火及火焰稳定系统及方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02112656A (ja) * 1988-10-20 1990-04-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ジェットエンジン燃焼器における燃焼方法
JPH03246355A (ja) * 1990-02-23 1991-11-01 Natl Aerospace Lab スクラムジェット燃焼器の点火・保炎法
JP2002106363A (ja) * 2000-10-02 2002-04-10 Honda Motor Co Ltd 航空機用ガスタービンエンジンの制御装置
JP2002372239A (ja) * 2001-06-12 2002-12-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 燃焼器
JP2004143942A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Kawasaki Heavy Ind Ltd ガスタービンエンジンの制御方法および制御システム
JP2006300065A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジン点火システムのための方法及び装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02112656A (ja) * 1988-10-20 1990-04-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ジェットエンジン燃焼器における燃焼方法
JPH03246355A (ja) * 1990-02-23 1991-11-01 Natl Aerospace Lab スクラムジェット燃焼器の点火・保炎法
JP2002106363A (ja) * 2000-10-02 2002-04-10 Honda Motor Co Ltd 航空機用ガスタービンエンジンの制御装置
JP2002372239A (ja) * 2001-06-12 2002-12-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 燃焼器
JP2004143942A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Kawasaki Heavy Ind Ltd ガスタービンエンジンの制御方法および制御システム
JP2006300065A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジン点火システムのための方法及び装置

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102980206A (zh) * 2012-12-18 2013-03-20 中国人民解放军国防科学技术大学 火焰稳定器及包含该火焰稳定器的发动机燃烧室
JP2014122607A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクラムジェットエンジン及び燃焼制御方法
US10697397B2 (en) 2014-03-26 2020-06-30 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Combustor, jet engine, flying body, and operation method of jet engine
WO2015146356A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
WO2015146357A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
JP2015183683A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
JP2015183680A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三菱重工業株式会社 燃焼器、ジェットエンジン、飛しょう体及びジェットエンジンの動作方法
EP3098428A4 (en) * 2014-03-26 2017-03-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Combustor, jet engine, flying body, and method for operating jet engine
US11067036B2 (en) 2014-03-26 2021-07-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Combustor and jet engine having the same
JP2016186409A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 三菱重工業株式会社 ジェットエンジン、飛しょう体、および、ジェットエンジンの動作方法
CN105971737A (zh) * 2016-05-09 2016-09-28 西北工业大学 一种提高冲压发动机点火成功率的时序控制方法
CN109322762A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 波音公司 超音速冲压式喷气发动机和相关飞行器以及方法
US11692514B2 (en) 2018-02-09 2023-07-04 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Scramjet engine and flying object
JP2019138219A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 三菱重工業株式会社 スクラムジェットエンジン及び飛翔体
JP7001489B2 (ja) 2018-02-09 2022-01-19 三菱重工業株式会社 スクラムジェットエンジン及び飛翔体
CN110541773A (zh) * 2019-09-25 2019-12-06 上海交通大学 宽速域冲压发动机燃烧室及其工作方法
CN110541773B (zh) * 2019-09-25 2021-09-28 上海交通大学 宽速域冲压发动机燃烧室及其工作方法
CN110821711B (zh) * 2019-11-07 2020-10-16 西安航天动力研究所 一种燃烧室的点火、稳燃结构
CN110821711A (zh) * 2019-11-07 2020-02-21 西安航天动力研究所 一种燃烧室的点火、稳燃结构
CN112377323A (zh) * 2020-10-27 2021-02-19 中国空气动力研究与发展中心 一种应用于降低超燃冲压发动机的燃烧减阻方法及装置
CN112361379A (zh) * 2020-11-18 2021-02-12 中国人民解放军国防科技大学 一种超声速凹腔燃烧室的点火结构及超燃冲压发动机
CN112901353A (zh) * 2021-02-01 2021-06-04 中国科学院力学研究所 一种碳氢燃料主动冷却超燃冲压发动机起动系统及方法
CN113175394A (zh) * 2021-04-30 2021-07-27 北京航天动力研究所 一种氢氧火箭发动机动态燃烧稳定性鉴定试验系统和方法
CN113175394B (zh) * 2021-04-30 2022-07-05 北京航天动力研究所 一种氢氧火箭发动机动态燃烧稳定性鉴定试验系统和方法
CN114962008A (zh) * 2022-04-28 2022-08-30 西安航天动力研究所 一种宽范围组合发动机点火及火焰稳定系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5529651B2 (ja) 2014-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5529651B2 (ja) 超音速燃焼器の着火方法及び着火制御装置
JP5529650B2 (ja) 超音速燃焼器
Anand et al. Longitudinal pulsed detonation instability in a rotating detonation combustor
Zhong et al. Effect of channel and oxidizer injection slot width on the rotating detonation fueled by pre-combustion cracked kerosene
Micka et al. Combustion characteristics of a dual-mode scramjet combustor with cavity flameholder
Peng et al. The effect of cavity on ethylene-air continuous rotating detonation in the annular combustor
Betelin et al. 3D numerical modeling of a cylindrical RDE with an inner body extending out of the nozzle
Cai et al. Experimental investigation on ignition schemes of a supersonic combustor with the rearwall-expansion cavity
Liu et al. Effects of cavity depth on the ethylene-air continuous rotating detonation
Wang et al. Coexistence of detonation with deflagration in rotating detonation engines
Peng et al. The competitive relationship between detonation and deflagration in the inner cylinder-variable continuous rotating detonation combustor
Jin et al. Experimental and numerical research on rotating detonation combustor under non-premixed conditions
Bao et al. The effect of kerosene injection on ignition probability of local ignition in a scramjet combustor
Driscoll et al. Investigation on RDE operation by geometric variation of the combustor annulus and nozzle exit area
Chang et al. Ethylene flame-holding in double ramp flows
Feng et al. Effects of cavity length on operating characteristics of a ramjet rotating detonation engine fueled by liquid kerosene
Wang et al. The effect of the throat width of plug nozzles on the combustion mode in rotating detonation engines
Leonov et al. Plasma-assisted combustion in supersonic airflow: optimization of electrical discharge geometry
Suneetha et al. Implication of diamond shaped dual strut on combustion characteristics in a cavity-based scramjet combustor
Luo et al. Experimental study of kerosene supersonic combustion with pilot hydrogen and fuel additive under low flight mach conditions
Kitagawa et al. Ignition characteristics of methane and hydrogen using a plasma torch in supersonic flow
Goldfeld Processes of fuel self-ignition and flame stabilization with transverse hydrogen fuel injection into a supersonic combustion chamber
Shi et al. Experimental study on rocket jet-driven ignition and scramjet combustion in a kerosene-fueled RBCC combustor
Han et al. Experimental study on propagation, quenching, and re-initiation characteristics of rotating detonation wave with liquid kerosene–oxygen-enriched air
Guangming et al. Experimental investigation of effects of air throttling on combustion characteristics in a kerosene-fueled scramjet at Ma7

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140417

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5529651

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250