JP2012012901A - 目地塞ぎ材およびその取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目地4に等しい幅の天板部5aの両端を折曲して垂下部5bを垂下させた逆さU字状の断面を有する弾性材料からなる本体部5と、両垂下部5bの先端付近においてそれぞれ外側方かつ下方に傾斜して突出し、目地4への挿入時に内側方に弾性変形するとともに、挿入後に復帰して凹溝2aの下壁面に当接して本体部5の下方への抜け出しを防止する一対の支持翼部6と、両垂下部5bの上端付近においてそれぞれ外側方に突出し、目地4への挿入時にデッキ材2の側端面に当接して弾性的に変位しながらデッキ材2の目地4に進入する下傾斜面7b、および挿入後に復帰し凹溝2aの上壁面に対向して本体部5の上方への抜け出しを防止する上抜け止め面7aを有する一対の返し片部7とからなる目地塞ぎ材1。
【選択図】図2
Description
しかし、使用者がコインやカードを落とした際には、この目地からデッキ床の下に落下することがあった。また、幼児などが目地に指を挿入して怪我をすることもあった。
また、この目地を塞ぐための目地塞ぎ材として、特許文献1には、目地を跨いでデッキ材の上面に被着される天板と、この天板の下面略中央から突設された挿入部と、この挿入部から側方に延びてデッキ材の端面に圧着するシール片とが一体に成形された目地塞ぎ材が記載されている。
特許文献1の目地塞ぎ材は、デッキ床の施工後でも脱着が可能であったが、指で持ち上げて取り外すことができるため、いたずらや強風によって容易に目地から外れてしまうという問題があった。
本発明は、両側端面に断面横向きU字状の凹溝を設けた複数のデッキ材を所定の間隔で敷設して形成されるデッキ床の各デッキ材間の目地に挿入する目地塞ぎ材であって、上記目地に略等しい幅の天板部の両端を折曲して垂下部を垂下させた逆さU字状の断面を有して延長した弾性材料からなる本体部と、上記両垂下部の先端付近においてそれぞれ外側方かつ下方に傾斜して突出し、上記目地への挿入時に内側方に弾性変形するとともに、挿入後に復帰して上記凹溝の下壁面に当接して本体部の下方への抜け出しを防止する一対の支持翼部と、上記両垂下部の上端付近においてそれぞれ外側方に突出し、上記目地への挿入時に上記デッキ材の側端面に当接して弾性的に変位しながら上記デッキ材の目地に進入する下傾斜面、および挿入後に復帰し上記凹溝の上壁面に対向して本体部の上方への抜け出しを防止する上抜け止め面を有する一対の返し片部とからなることを特徴とする。
また、上記両垂下部の上端付近においてそれぞれ外側方に突出し、上記目地への挿入時に上記デッキ材の側端面に当接して弾性的に変位しながら上記デッキ材の目地に進入する下傾斜面、および挿入後に復帰し上記凹溝の上壁面に対向して本体部の上方への抜け出しを防止する上抜け止め面を有する一対の返し片部を有することにより、デッキ床の施工後にも容易に挿入することができ、取り付け後には上方への抜け出しを防止することができる。これにより、いたずらや強風で外れにくくなるとともに、補修や交換の際には、工具等を使用してデッキ床を解体することなく容易に取り外すことができる。
図1は、この実施形態に係る目地塞ぎ材1を用いたデッキ床3の説明図である。
この目地塞ぎ材1は、屋外に複数のデッキ材2を所定の間隔で敷設して形成されるデッキ床3において、各デッキ材2の間に設けられる筋状の隙間である目地4を塞ぐために挿入されるものであり、図2に示す断面を有し、合成樹脂等の弾性材料を押出し成形してなる部材である。弾性材料は、後述する目地4へ挿入する際に変形および復帰が可能な弾性を有していれば、その種類は限定されない。
デッキ床3に用いられるデッキ材2としては、図4のように、両側端面に断面が横向きU字状の凹溝2aを設けたものが用いられる。
本体部5は、平板状に形成した天板部5aと、この天板部5aの両端を折曲して垂下させた垂直な垂下部5bとからなる断面逆さU字状の部材に形成されている。図2に示すように、天板部5aの幅は上記目地4の幅に略等しくわずかに小さく設定されているため、目地塞ぎ材1を目地4に挿し込むことができ、かつ、目地4からカードやコインなどの小物が落下することを防止できる。ここで、目地4の幅とは、隣接するデッキ材2、2の側端面のうち、凹溝2aを形成していない箇所同士の距離をいう。
なお、本体部5は弾性材料からなるため、変形させて目地4に挿入できる範囲で、天板部5aの幅を上記目地4の幅よりわずかに大きく設定してもよい。
返し片部7も、本体部5に一体に形成され、両垂下部5b、5bの上端付近から外側方に突出している。この返し片部7は、垂下部5bから断面三角形状に突出しており、上面を水平な上抜け止め面7aとして形成し、下面を上方に傾斜した下傾斜面7bとして形成する。上抜け止め面7aと下傾斜面7bとの接続する頂部は、丸取りされて滑らかに接続している。
このデッキ床3は、図1、図6に示すように、スラブ面9上に、方形のデッキ材2を複数敷設して形成される。図2、図4に示すように、このデッキ材2の両側端面の高さ略中央には断面U字状の凹溝2aが設けられており、また、両側端面の下端も所定の幅で切り欠かれたデッキ材切欠き部2bを設けている。デッキ材2の上面と側端面とは、斜面を介して緩やかに接続されており、目地塞ぎ材1の挿入および取り外しを容易に行えるようになっている。
また、デッキ材2の内部には、軽量化等の必要に応じて空洞2cが形成されてもよい。実施形態では、デッキ材2の長手方向に貫通する大小6つの空洞2cが形成されている。
次に、デッキ材2を根太材11上に、互いの長手方向を直交させて敷設していく(図1)。このとき、図5に示すように根太材11上に固定具12を配置し、隣接するデッキ材2、2の間に挟んで固定することで、デッキ材2、2間に目地4が形成され、かつ、デッキ材2が根太材11から浮き上がらないように固定される。
この固定具12は、図5のように、根太材11の上部に固定される台座部12a、この台座部12aから立設された立て板状の接続部12b、この接続部12bの上部から幅方向両側に形成される水平な水平翼部12c、この水平翼部12cの一方側の端部から垂直に立設形成される押え翼部12dとからなる。上記押え翼部12dを形成していない水平翼部12cの他端部は、わずかに上方に屈曲した片状に形成されている。水平翼部12cと押え翼部12dとは、合わせて略上向きL字状の断面とを形成している。
固定具12の中央には、固定具12を上下に貫通するビス孔が延長方向に並んで2箇所形成される。
次いで、固定具12の反対側から他のデッキ材2を敷設し、水平翼部12cを他のデッキ材2の凹溝2aの下壁面に当接させ、台座部12aの他端をデッキ材切り欠き部2bに嵌め込む(図5)。
これにより、図5に示すように、隣接する2枚のデッキ材2、2は、凹溝2aの直下の相対的に突出した部分を固定具12の台座部12aと水平翼部12cとに挟まれて上下移動を阻止され、また、固定具12の押さえ翼部12dと接続部12bとによって幅方向の移動が阻止される。両デッキ材2、2の間には、接続部12bと同じ幅(ここでは6mm程度)の目地4が形成される。
次いで、目地4の上方から回転工具を差し込み、固定具12のビス孔にビス15を嵌入して、固定具12を根太材11上に固定する。ここで用いるビス15はセルフドリリング可能なものであり根太材11に自ら孔を穿設しながら螺入する。固定具12は、このように両側を2枚のデッキ材2、2で挟み込んでからビス15で固定するほか、一方のデッキ材2に当接させた状態でビス15を用いて根太材11に固定し、その後に反対側から他方のデッキ材2を嵌め込んでもよい。
1条の目地4において、1つの目地塞ぎ材1は、根太材11上に設置されて直列に並ぶ2つの固定具12、12の間に取り付けられる(図1参照)。そのため、目地塞ぎ材1の延長方向の長さは、並列に配置された根太材11の相互の中央線の距離に略等しく設定される。また、図3、図6に示すように、目地塞ぎ材1が固定具12に干渉して目地4上にはみ出すことがないように、目地塞ぎ材1にはその延長方向両端から、固定具12の延長方向長さの二分の一の長さ、固定具12の下端から水平翼部12c上面と同じ高さで切り欠かれた切欠き部8を設けている。
支持翼部6まで挿入して指を離すと、垂下部5bおよび支持翼部6はもとの形状に復帰しようとしてデッキ材2の側端面に当接しながら目地4に進入し、凹溝2aまで進入すると略完全にもとの形状に復帰する。
返し片部7が凹溝2aまで進入すると、垂下部5bおよび返し片部7はもとの形状に復帰して、目地塞ぎ材1の目地4への挿入が完了する(図2)。同様にして複数の目地塞ぎ材1を延長方向に連接させて目地4に挿入し、1条の目地4を閉鎖する(図1)。
また、両垂下部5b、5bがその上端付近と下端付近とにおいて、それぞれデッキ材2、2の側端面のうち凹溝2aを形成していない部分に接して、幅方向の移動および傾きを阻止している。
また、返し片部7が復帰して凹溝2a内に位置し、上抜け止め面7aが凹溝2aの上壁面に対向して、目地塞ぎ材1の上方への抜けを防止する。
また、図6(a)に示すように、固定具12上では2つの目地塞ぎ材1、1が延長方向に連接して、両者の間にはわずかな隙間が形成され、目地4に集まった雨水等を排水できるようになっている。
この目地塞ぎ材1を取り外すには、延長方向両端部に形成された他の目地塞ぎ材1との隙間に、ドライバー等の工具を差し込み、天板部5aの下面に押し当てて持ち上げる。このときに、返し片部7の上抜け止め面7aが凹溝2aの上壁面に当接して抜けにくくなっているが、垂下部5bが幅方向中央に弾性変形して、返し片部7を通過させることができる。その後、支持翼部6も凹溝2aの上壁面に当接するが、支持翼部6は下方に傾斜しているため、容易に幅方向中央へ弾性変形して通過する。
図2に示すように、目地4に取り付けられると、弾性復帰した支持翼部6がデッキ材2の凹溝2aの下壁面に当接して本体部5が目地4から落下しないように支持する。また、返し片部7の上抜け止め面7aが凹溝2aの上壁面に対向するとともに本体部5の上端がデッキ材2の上面よりもやや下方に位置するため、目地塞ぎ材1が抜け止めされ、いたずらや強風によって上方に外れにくくすることができる。
また、本体部5および支持翼部6が弾性変形可能であるため、目地4に取り付けた目地塞ぎ材1に、延長方向両端からドライバー等の工具を差し込み、天板部5aの下面に押し当てて持ち上げることで、デッキ床3を解体することなく容易に取り外すことができる。
切欠き部8を目地塞ぎ材1の延長方向両端に設ける必要はなく、目地塞ぎ材1の延長方向中央付近を下方に切り欠いて切欠き部を設け、この切欠き部が固定具12と合致するように取り付けてもよい。また、デッキ材2を根太材11に固定するのに固定具12を用いない場合には、目地塞ぎ材1に切欠き部8を設けなくてもよい。
2 デッキ材
2a 凹溝
3 デッキ床
4 目地
5 本体部
5a 天板部
5b 垂下部
6 支持翼部
7 返し片部
7a 上抜け止め面
7b 下傾斜面
8 切欠き部
11 根太材
12 固定具
12a 台座部
12b 接続部
12c 水平翼部
12d 押え翼部
Claims (4)
- 両側端面に断面横向きU字状の凹溝を設けた複数のデッキ材を所定の間隔で敷設して形成されるデッキ床の各デッキ材間の目地に挿入する目地塞ぎ材であって、
上記目地に略等しい幅の天板部の両端を折曲して垂下部を垂下させた逆さU字状の断面を有して延長した弾性材料からなる本体部と、
上記両垂下部の先端付近においてそれぞれ外側方かつ下方に傾斜して突出し、上記目地への挿入時に内側方に弾性変形するとともに、挿入後に復帰して上記凹溝の下壁面に当接して本体部の下方への抜け出しを防止する一対の支持翼部と、
上記両垂下部の上端付近においてそれぞれ外側方に突出し、上記目地への挿入時に上記デッキ材の側端面に当接して弾性的に変位しながら上記デッキ材の目地に進入する下傾斜面、および挿入後に復帰し上記凹溝の上壁面に対向して本体部の上方への抜け出しを防止する上抜け止め面を有する一対の返し片部とからなることを特徴とする目地塞ぎ材。 - 上記本体部の天板部に、延長方向に沿って断続的に水抜き孔を穿設したことを特徴とする請求項1記載の目地塞ぎ材。
- 上記本体部の垂下部の下部および上記支持翼部が切り欠かれ、上記デッキ材と根太材とを固定し及び/又は上記デッキ材間の目地を保持する固定具に載置される切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1記載の目地塞ぎ材。
- 両側端面に断面横向きU字状の凹溝を有して、所定の間隔を設けて敷設される複数のデッキ材と、
このデッキ材間の目地に挿入される請求項1から3のいずれかに記載された複数の目地塞ぎ材とからなり、
上記本体部が上記目地に収容されて上記本体部の上端が上記デッキ材の上面よりもやや下方に位置し、上記支持翼部が上記凹溝の下壁面に当接し、上記返し片部の上抜け止め面が凹溝の上壁面に対向するとともに、
上記目地には複数の上記目地塞ぎ材が延長方向に連接して挿入され、かつ、連接する目地塞ぎ材の相互間には排水可能な間隙を設けたことを特徴とする目地塞ぎ材の取り付け構造。
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