JP2012012448A - シリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体、及び医療用チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のシリコーンゴム系硬化性組成物と同等の押出成形性及び透明性を有しながら、引張強度及び引裂強度の双方に優れたシリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体及び医療用チューブを提供する。
【解決手段】ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、無機充填材(C)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物であって、前記ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られると共に、重量比(A1/A)は3〜50%であり、重量比(B1/B)が3〜50%であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、無機充填材(C)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物であって、前記ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られると共に、重量比(A1/A)は3〜50%であり、重量比(B1/B)が3〜50%であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、シリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体、及び医療用チューブに関するものである。
シリコーン系硬化性組成物は、耐熱性、難燃性、化学的安定性、耐候性、耐放射線性、電気的特性等に優れていることから、幅広い分野において様々な用途に使用されている。特に、シリコーンゴムは、生理的に不活性であると共に、生体に触れた場合の組織に対する反応が少ないため、医療用各種カテーテル、チューブ等、医療器具の材料としても利用されている。
医療用カテーテルは、胸腔や腹腔等の体腔、消化管や尿管等の管腔部、血管等に挿入し、体液の排出や、薬液、栄養剤及び造影剤等の注入点滴等に用いられる管であり、生体適合性の他、耐傷付き性(耐引裂性)、耐キンク性(引張強度)、透明性、柔軟性(引張伸び性)等が要求される。医療用カテーテルの具体的用途としては、例えば、術後の血液や膿等の排液除去用のドレナージチューブや、経皮的内視鏡下胃ろう造設術(PEG)等の術後の栄養摂取用チューブ等が挙げられる。また、カテーテル用の極細チューブ状のシリコーンゴムを製造するためには、シリコーンゴムの材料であるシリコーンゴム組成物には押出成形性が求められる。更に、チューブ内の内容物を確認できる程度の透明性も必要とされる。
医療用カテーテルの材料としては、シリコーンゴムの他、軟質ポリ塩化ビニル等も一般的に使用されている。ポリ塩化ビニル等と比較して、シリコーンゴムは、生体適合性及び柔軟性の点において優れるものの、引裂強度や引張強度等の機械的強度面、特に引裂強度の向上が求められている。引裂強度が充分でないと、針や刃物等による傷によってカテーテルが破断しやすくなる。また、引張強度が充分でないと、カテーテルが折れ曲がって閉塞(キンク)しやすくなり、排出されるべき体液や注入されるべき薬液等のカテーテル内の流動が滞ってしまう場合がある。
そこで、シリコーンゴムの引裂強度や引張強度を高めるべく、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜7参照)。シリコーンゴムに高い耐引裂性を付与するための具体的な方法としては、シリカ微粒子等の無機充填材の添加、架橋密度の疎密化(シリコーンゴムの系中に架橋密度が高い領域と低い領域とを分布させる)等が挙げられる。これは架橋密度の疎密化によって、架橋密度の高い領域が引裂応力に対する抗力として作用するため、耐引裂性が向上するものと考えられている。
例えば、特許文献1では、高粘度及び低ビニル基含有量のオルガノポリシロキサン(生ゴム(A))を主体とし、これに、低粘度及びビニル基高含有量のオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル(B))、ビニル基含有オルガノポリシロキサン共重合体(ビニル基含有シリコーンレジン(C))、オルガノ水素シロキサン(架橋剤(D))、白金又は白金化合物(硬化触媒(E))、及び微粉末シリカ(充填剤(F))を配合した硬化性シリコーンゴム組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、ビニル基含有量が高いオルガノポリシロキサンを用い、且つ、ビニル基の含有量が異なるオルガノポリシロキサンと組み合わせて配合しても、架橋点の増加により引張強度を高めることはできるが、一方で十分な引裂強度を得ることは困難である。
本発明は、従来のシリコーンゴム系硬化性組成物と同等の押出成形性及び透明性を有しながら、引張強度及び引裂強度の双方に優れたシリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体及び医療用チューブを提供することを目的とするものである。
本発明は、従来のシリコーンゴム系硬化性組成物と同等の押出成形性及び透明性を有しながら、引張強度及び引裂強度の双方に優れたシリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体及び医療用チューブを提供することを目的とするものである。
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1)ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、無機充填材(C)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られると共に、予め混合しておくビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)と、全量のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)との重量比(A1/A)は3〜50%であり、且つ、予め混合しておくオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と、全量のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との重量比(B1/B)が3〜50%であることを特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物。
前記ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られると共に、予め混合しておくビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)と、全量のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)との重量比(A1/A)は3〜50%であり、且つ、予め混合しておくオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と、全量のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との重量比(B1/B)が3〜50%であることを特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物。
(2)前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が、下記式(1)で示されるものである(1)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(式(1)中、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数であり、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。)
(3)前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が分岐状であり、下記平均組成式(a)で示されるものである(1)又は(2)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
平均組成式(a) : (Hb(R7)3−bSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(a)において、R7は一価の有機基、bは1〜3の範囲の整数、mはHb(R7)3−bSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
平均組成式(a) : (Hb(R7)3−bSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(a)において、R7は一価の有機基、bは1〜3の範囲の整数、mはHb(R7)3−bSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
(4)前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、下記式(2)で示されるものである(1)乃至(3)のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(式(2)中、mは0〜300の整数、nは(300−m)の整数である。R4は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、ヒドリド基である。R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、ヒドリド基である。ただし、複数のR4及びR5のうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。R6は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。)
(5)無機充填材をさらに含有する、(1)乃至(4)のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
(7)(6)に記載の成形体で構成されることを特徴とする医療用チューブ。
本発明によれば、従来のシリコーンゴム系硬化性組成物と同等の押出成形性及び透明性を有しながら、引張強度及び引裂強度の双方に優れたシリコーンゴム系硬化性組成物と、これを用いた成形体及び医療用チューブを提供することができる。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、無機充填材(C)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物であって、ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られることを特徴とする。
本発明者らは、シリコーンゴムの機械的強度向上を達成すべく、鋭意検討した結果、ビニル基の含有量が異なる直鎖状オルガノポリシロキサンを組み合わせても、引張強度と引裂強度の双方に優れたシリコーンゴムを得ることが難しいことを見出した。そして、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理該組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合することで、架橋点の量を確保しつつ、架橋密度が疎密化されたシリコーンゴムが得られることを見出した。これは、ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)を予め混合し、熱処理を行うことによって、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に架橋点が密な領域と疎な領域が形成されるためと推測される。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることで得られるシリコーンゴムは、架橋点の量の確保しつつ、架橋密度が疎密化されているため、優れた引張強度及び引裂強度の双方を有している。従って、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いることによって、耐傷付性及び耐キンク性に優れた成形体及び医療用チューブを得ることができる。
以下、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を構成する各成分について詳しく説明する。本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(B)成分を必須成分とするものである。
(A)ビニル基含有オルガノポリシロキサン
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分であり、直鎖構造あるいは分岐状構造を有する重合体である。ビニル基を含有し、該ビニル基が加硫時の架橋点となる。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分であり、直鎖構造あるいは分岐状構造を有する重合体である。ビニル基を含有し、該ビニル基が加硫時の架橋点となる。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、0.01〜15モル%、さらに0.05〜12モル%であることが好ましい。ここで、ビニル基含有量とは、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。但し、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の重合度は特に限定されないが、通常、3000〜10000の範囲であり、好ましくは4000〜8000の範囲である。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の比重は、通常、0.9〜1.1の範囲である。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の比重は、通常、0.9〜1.1の範囲である。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)としては、下記式(1)で表される直鎖構造を有するものが好ましい。
式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリール基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリール基、ブテニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(1)中のR1及びR2の置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、R3の置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
尚、式(1)中、複数のR1は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。R2、及びR3についても同様である。
尚、式(1)中、複数のR1は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。R2、及びR3についても同様である。
m、nは、式(1)で表されるビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を構成する繰り返し単位の数であり、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数であることが好ましい。mは、特に好ましくは40〜700であり、nは、特に好ましくは3600〜8000である。
式(1)で表されるビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の具体的構造としては、下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
式(1)で表されるビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の具体的構造としては、下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
式(1−1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、メチル基又はビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
また、分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を用いることもできる。この場合は、下記平均組成式(a)で示されるものが好ましい。
平均組成式(a)
(CH2=CH(R4)2SiO1/2)m(SiO4/2)n
(CH2=CH(R4)2SiO1/2)m(SiO4/2)n
上記式(a)において、R4はビニル基を有しない一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。R4としては、特にメチル基が好ましい。
また、式(a)において、mはCH2=CH(R4)2SiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐状構造を有し、nに対するmの比m/nが2〜5の範囲である。m/nは、好ましくは3〜4の範囲である。
分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の具体例としては、下記式(2)で表される構造を有するものが挙げられる。
上記式(2)中、R4は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。R4の置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
尚、式(2)中、複数のR4は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(2)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
尚、式(2)中、複数のR4は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(2)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。架橋密度の疎密化を容易に達成するという観点では直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を併用することが好ましい。また、それぞれ分子量あるいはビニル基含有量等が異なる2種以上の直鎖状あるいは分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を用いることはなんら問題はない。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖状あるいは分岐状の構造で、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋するものである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖状あるいは分岐状の構造で、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋するものである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は特に限定されない。シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、さらに好ましくは1〜3.5モルとなる量である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が20000以下であることが好ましく、重量平均分子量が7000以下であることが特に好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が20000以下であることが好ましく、重量平均分子量が7000以下であることが特に好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、通常、ビニル基を有しないものであることが好ましい。分子内の架橋反応が進行する可能性があるからである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)としては、下記式(3)で表される構造を有するものが好ましい。
上記式(3)中、R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、ヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリール基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、R6は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、ヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
尚、式(2)中、複数のR5は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。R6についても同様である。ただし、複数のR5及びR6のうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、R7は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のR7は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
式(1)中のR5,R6,R7の置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0〜300の整数、nは(300−m)の整数である。好ましくは、mは0〜150の整数、nは(150−m)の整数である。
また、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を用いることもできる。
分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与することができる。
分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与することができる。
分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)としては、下記平均組成式(b)で示されるものが好ましい。
平均組成式(b)
Ha(R8)3−aSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(b)において、R7は一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
平均組成式(b)
Ha(R8)3−aSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(b)において、R7は一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(b)において、R7は一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(b)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1〜3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
また、式(c)において、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
上記の式(b)で表される分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は特に限定されないが、7.5〜10当量/Kgであることが好ましく、7.8〜9.2当量/Kgであることが特に好ましい。
分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の具体例としては、下記式(4)で表される構造を有するものが挙げられる。
式(4)中、R8は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合わせた炭化水素基、若しくは水素原子である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。R8の置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
尚、式(4)中、複数のR8は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。架橋密度の疎密化を容易に達成するという観点では直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を併用することが好ましい。また、それぞれ分子量あるいはハイドロジェン含有量等が異なる2種以上の直鎖状あるいは分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を用いることはなんら問題はない。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
尚、式(4)中、複数のR8は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。架橋密度の疎密化を容易に達成するという観点では直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を併用することが好ましい。また、それぞれ分子量あるいはハイドロジェン含有量等が異なる2種以上の直鎖状あるいは分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を用いることはなんら問題はない。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)以外の成分として無機充填材(C)を含有していることを特徴とする。更に、その他の成分としては、後述するが、例えば、白金又は白金化合物(D)を用いることができる。
無機充填材(C)
無機充填材(C)は、シリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上を目的として添加される成分であり、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、シリカ微粒子、クレイ等を挙げることができ、特にシリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子は、比表面積が50〜400m2/gが好ましく、100〜400m2/gであることが特に好ましい。シリカ微粒子としては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が挙げられる。シリカ微粒子は、例えば、鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロルジメチルシラン等が挙げられるが、表面処理されたものでもよい。無機充填材(C)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材(C)は、シリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上を目的として添加される成分であり、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、シリカ微粒子、クレイ等を挙げることができ、特にシリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子は、比表面積が50〜400m2/gが好ましく、100〜400m2/gであることが特に好ましい。シリカ微粒子としては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が挙げられる。シリカ微粒子は、例えば、鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロルジメチルシラン等が挙げられるが、表面処理されたものでもよい。無機充填材(C)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
白金又は白金化合物(D)
白金又は白金化合物(D)は、加硫の触媒として作用する成分であり、その添加量は触媒量である。具体的な成分としては、公知のものを使用することができる。例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸又は塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。触媒成分である白金又は白金化合物(D)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
白金又は白金化合物(D)は、加硫の触媒として作用する成分であり、その添加量は触媒量である。具体的な成分としては、公知のものを使用することができる。例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸又は塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。触媒成分である白金又は白金化合物(D)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(D)成分の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される公知の成分を含有していてもよい。例えば、ウェッター、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物において、各成分の含有割合は特に限定されないが、通常、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.01〜50重量部、特に、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.5〜30重量部の割合で含有することが好ましい。
無機充填材(C)の含有量は、(A)、(B)の合計量100重量部に対し、10〜100重量部が好ましく、20〜50重量部の割合で含有することが特に好ましい。
白金又は白金化合物(D)の含有量は、触媒量であり、適宜設定することができるが、具体的には、(A)〜(C)の合計量100重量部に対して0.05〜5重量部、特に0.1〜1重量部の範囲が好ましい。
白金又は白金化合物(D)の含有量は、触媒量であり、適宜設定することができるが、具体的には、(A)〜(C)の合計量100重量部に対して0.05〜5重量部、特に0.1〜1重量部の範囲が好ましい。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを含有するシリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)を予め混合し、100℃〜200℃で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)を、混合して得られる。
予め混合するビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)は、任意の混練装置により100℃〜200℃で一定時間混合することによって得られる。混練装置としては、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等が挙げられる。予め混合しておくビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)と、全量のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)との重量比(A1/A)は3〜50%が好ましく、特に好ましくは10〜30%である。重量比を上記範囲にすることで、2段階添加の効果を高めることができると共に、成形加工性を優れたものにすることができる。
予め混合するビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)は、任意の混練装置により100℃〜200℃で一定時間混合することによって得られる。混練装置としては、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等が挙げられる。予め混合しておくビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)と、全量のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)との重量比(A1/A)は3〜50%が好ましく、特に好ましくは10〜30%である。重量比を上記範囲にすることで、2段階添加の効果を高めることができると共に、成形加工性を優れたものにすることができる。
予め混合しておくオルガノハイドロジェンポリシロキサンの一部(B1)と、全量のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との重量比(B1/B)についても同様である。
ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)を100〜200℃で一定時間混練することにより、混練時のトルク値が上昇し始める。そのまま混練を続けていくとトルク値は上昇しながらやがて飽和状態(このときのトルク値をMHとする)になるが、トルク値がMHの10〜40%になった時点で熱処理該組成物を取り出し、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)及び、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)に添加して、別の混練装置で架橋が進まないように常温下で混練することで得られる。MHを確認するためには、実機を用いることもできるが、JIS K6300−2(2001)に記載の「振動式加硫試験機による加硫特性の求め方」に準拠した方が、簡便に実施できる。
トルク値がMHの10〜40%に達するまでの混練時間は温度にもよるが、100℃では5分〜20分、150℃では3分〜15分、200℃では2分〜10分が目安とされる。
ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)を100〜200℃で一定時間混練することにより、混練時のトルク値が上昇し始める。そのまま混練を続けていくとトルク値は上昇しながらやがて飽和状態(このときのトルク値をMHとする)になるが、トルク値がMHの10〜40%になった時点で熱処理該組成物を取り出し、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)及び、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)に添加して、別の混練装置で架橋が進まないように常温下で混練することで得られる。MHを確認するためには、実機を用いることもできるが、JIS K6300−2(2001)に記載の「振動式加硫試験機による加硫特性の求め方」に準拠した方が、簡便に実施できる。
トルク値がMHの10〜40%に達するまでの混練時間は温度にもよるが、100℃では5分〜20分、150℃では3分〜15分、200℃では2分〜10分が目安とされる。
無機充填材(C)を添加する場合には、均一な組成物を得るために、通常、予め、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)に、無機充填材(C)の少なくとも一部を分散させることが好ましい。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)として、ビニル基含有量の異なる2種類[(A1)及び(A2)]を組み合わせて用いる場合には、(A1)及び(A2)のそれぞれに無機充填材(C)の少なくとも一部を予め分散させ、これら分散物を混合して混練した後、残りの無機充填材(C)を添加、さらに混練することが好ましい。また、触媒である白金又は白金化合物(D)は、ハンドリング性の観点から、予め、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)に分散させることが好ましい。
以上のようにして得られた本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、例えば、140〜180℃で5〜15分間加熱(1次硬化)した後、200℃で4時間ポストベーク(2次硬化)することによってシリコーンゴムを得ることができる。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによって、JIS K6251(2004)によるダンベル状3号形試験片の引張強度が9N/mm2以上であり、且つ、JIS K6252(2001)による切込み無しアングル形試験片の引裂強度が35N/mm以上である、引張強度及び引裂強度に優れたシリコーンゴムを得ることが可能である。
ここで、上記引張強度及び上記引裂強度は、それぞれ、試験片の厚みを1mmとする以外は、JIS K6251(2004)、JIS K6252(2001)に準拠して、発明のシリコーン系硬化性樹脂組成物を硬化して作製した試験片を用いて測定することができる。
上記のような優れた引張強度及び引裂強度を有するシリコーンゴムを用いることで、上記機械的強度に優れた成形体を得ることができる。そして、このような成形体を用いることによって、耐キンク性及び耐傷付き性に優れた医療用チューブ(例えば医療用カテーテル)を得ることができる。
ここで、上記引張強度及び上記引裂強度は、それぞれ、試験片の厚みを1mmとする以外は、JIS K6251(2004)、JIS K6252(2001)に準拠して、発明のシリコーン系硬化性樹脂組成物を硬化して作製した試験片を用いて測定することができる。
上記のような優れた引張強度及び引裂強度を有するシリコーンゴムを用いることで、上記機械的強度に優れた成形体を得ることができる。そして、このような成形体を用いることによって、耐キンク性及び耐傷付き性に優れた医療用チューブ(例えば医療用カテーテル)を得ることができる。
以下、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物の一形態を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した原材料は以下のとおりである。それぞれの原料の配合量(g)及び重量比(wt%)を、表1上段に示す。
・ 直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1):ビニル基含有量0.13モル%:以下の合成スキームにより合成。
(2) 分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2):シリコーンゴム製(Gelest社製・「VQM−146」)
(3) 直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1):(モメンティブ社製・「TC25D」)
・ 分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(Gelest社製・「HQM−105」)
・ 無機充填材(C):シリカ微粒子(日本アエロジル社製・「アエロジェルR972」)
(6) 白金(D):モメンティブ社製・「TC−25A」
実施例及び比較例において使用した原材料は以下のとおりである。それぞれの原料の配合量(g)及び重量比(wt%)を、表1上段に示す。
・ 直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1):ビニル基含有量0.13モル%:以下の合成スキームにより合成。
(2) 分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2):シリコーンゴム製(Gelest社製・「VQM−146」)
(3) 直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1):(モメンティブ社製・「TC25D」)
・ 分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(Gelest社製・「HQM−105」)
・ 無機充填材(C):シリカ微粒子(日本アエロジル社製・「アエロジェルR972」)
(6) 白金(D):モメンティブ社製・「TC−25A」
[ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)の合成]
下記式(5)に従って、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを合成した。
具体的には、Arガス置換した、冷却管及び攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン 74.7g(252mmol)、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン 0.086g(0.25mmol)及びカリウムシリコネート 0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、ビニル基含有オルガノポリシロキサンを得た(Mn=277,734、Mw=573,906、IV値(dl/g)=0.89)。
下記式(5)に従って、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを合成した。
具体的には、Arガス置換した、冷却管及び攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン 74.7g(252mmol)、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン 0.086g(0.25mmol)及びカリウムシリコネート 0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、ビニル基含有オルガノポリシロキサンを得た(Mn=277,734、Mw=573,906、IV値(dl/g)=0.89)。
(実施例1)
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)40gに、無機充填材(C)20gを添加し、ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練してマスターバッチ(A1−C)を調製した。このマスターバッチ(A1−C)60gに、分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)3.6g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)1.2g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.4g、白金(D)を0.3g加え、加圧式ニーダーを用いて、150℃の温度5分間混練した後、速やかに取出し、熱処理組成物65.5gを得た。
続いて、ビニル基含有オルガノポリシロキサン30gに、無機充填材(C)15gを添加し、ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練し、続いて分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)2.7g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)0.9g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.3g、白金(D)を0.3g加え、及び上記で得られた熱処理組成物の25%に相当する16.4gを添加して混合し、均一になるまで、混練した。得られた材料を2本ロールで室温下にて10分間混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)40gに、無機充填材(C)20gを添加し、ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練してマスターバッチ(A1−C)を調製した。このマスターバッチ(A1−C)60gに、分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)3.6g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)1.2g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.4g、白金(D)を0.3g加え、加圧式ニーダーを用いて、150℃の温度5分間混練した後、速やかに取出し、熱処理組成物65.5gを得た。
続いて、ビニル基含有オルガノポリシロキサン30gに、無機充填材(C)15gを添加し、ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練し、続いて分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)2.7g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)0.9g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.3g、白金(D)を0.3g加え、及び上記で得られた熱処理組成物の25%に相当する16.4gを添加して混合し、均一になるまで、混練した。得られた材料を2本ロールで室温下にて10分間混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(実施例2)
(A2)及び(B2)を配合せず、総配合量を61.50gに減量した以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(A2)及び(B2)を配合せず、総配合量を61.50gに減量した以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(実施例3)
熱処理組成物の割合を5wt%に減少させ、熱処理条件を100℃、12分間にした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
熱処理組成物の割合を5wt%に減少させ、熱処理条件を100℃、12分間にした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(実施例4)
熱処理組成物の割合を45wt%に増加させ、熱処理条件を200℃、3分間にした以外は実施例2と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
熱処理組成物の割合を45wt%に増加させ、熱処理条件を200℃、3分間にした以外は実施例2と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(比較例1)
直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)40gに、無機充填材(C)20gを添加し、ニーダーを用いて室温下(熱処理せず)で均一になるまで混練し、分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)3.6g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)1.2g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.4g、白金(D)0.3gを添加して混合し、均一になるまで、混練した。得られた材料を2本ロールで室温下にて10分間混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
直鎖状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)40gに、無機充填材(C)20gを添加し、ニーダーを用いて室温下(熱処理せず)で均一になるまで混練し、分岐状のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)3.6g、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)1.2g、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)0.4g、白金(D)0.3gを添加して混合し、均一になるまで、混練した。得られた材料を2本ロールで室温下にて10分間混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(比較例2)
(A2)及び(B2)を配合せず、総配合量を61.50gに減量した以外は、比較例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(A2)及び(B2)を配合せず、総配合量を61.50gに減量した以外は、比較例1と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(比較例3)
熱処理条件を100℃、12分とし、熱処理組成物の割合を2%とした以外は、実施例2と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
熱処理条件を100℃、12分とし、熱処理組成物の割合を2%とした以外は、実施例2と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(比較例4)
熱処理条件を200℃、3分とし、熱処理組成物の割合を60%とした以外は、比較例3と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
熱処理条件を200℃、3分とし、熱処理組成物の割合を60%とした以外は、比較例3と同様にしてシリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
(シリコーンゴム系硬化性組成物の評価)
<引張強度>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで10分間プレスし、1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化させた。
続いて、200℃で4時間加熱して2次硬化させ、シート状シリコーンゴムを得た。
得られたシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6251(2004)によるダンベル状3号形試験片の引張強度を測定した。
<引張強度>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで10分間プレスし、1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化させた。
続いて、200℃で4時間加熱して2次硬化させ、シート状シリコーンゴムを得た。
得られたシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6251(2004)によるダンベル状3号形試験片の引張強度を測定した。
<引裂き強度>
得られたシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して切込み無しアングル形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6252(2001)による切込み無しアングル形試験片の引裂強度を測定した。
得られたシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して切込み無しアングル形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6252(2001)による切込み無しアングル形試験片の引裂強度を測定した。
<引張伸び率>
上記引張強度及び引裂強度と同様にしてシート状シリコーンゴムを作製し、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6251(2004)によるダンベル状3号形試験片の引張強度を測定すると同時に、その伸び率を測定した。
上記引張強度及び引裂強度と同様にしてシート状シリコーンゴムを作製し、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片(厚み:1mm)を作製し、JIS K6251(2004)によるダンベル状3号形試験片の引張強度を測定すると同時に、その伸び率を測定した。
<押出し成形性>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価した。
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価した。
<透明性>
上記同様、シリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価した。
以上の結果を表1下段に示す。
上記同様、シリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価した。
以上の結果を表1下段に示す。
表1の結果から明らかなように、ビニル基含有オルガノポリシロキサンの一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの一部(B1)とを予め混合して100℃以上、200℃以下で熱処理して得られた熱処理組成物と、熱処理していない樹脂とを所定の割合で混合して得られた本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物である実施例1〜4は、全て引裂強度が9.0N/mm2以上であり、且つ、引張強度が35N/mm以上であり、引裂強度及び引張強度の双方共優れていることが示された。また、引張伸び率、押出成形性及び透明性についても従来のシリコーンゴム系硬化性組成物と同等の特性を有していた。
一方、予め熱処理をしていない比較例1、2と、熱処理組成物の割合が本発明の所定範囲よりも低い比較例3は、実施例に比較して引裂強度及び引張強度の双方共に劣るものであり、熱処理組成物の割合が所定範囲よりも高い比較例4は、引裂強度及び引張強度の双方ともに優れているが押出成形性に劣るものであった。
以上のことから本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、従来のシリコーンゴム系硬化性組成物に比較して引裂強度及び引張強度の双方に優れていることから、これを用いて得られる成形体及び医療用チューブの機械的強度を向上させることができるものと期待される。
一方、予め熱処理をしていない比較例1、2と、熱処理組成物の割合が本発明の所定範囲よりも低い比較例3は、実施例に比較して引裂強度及び引張強度の双方共に劣るものであり、熱処理組成物の割合が所定範囲よりも高い比較例4は、引裂強度及び引張強度の双方ともに優れているが押出成形性に劣るものであった。
以上のことから本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、従来のシリコーンゴム系硬化性組成物に比較して引裂強度及び引張強度の双方に優れていることから、これを用いて得られる成形体及び医療用チューブの機械的強度を向上させることができるものと期待される。
Claims (7)
- ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、無機充填材(C)と、を含有するシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記ビニル基オルガノポリシロキサン(A)の一部(A1)と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の一部(B1)と、を予め混合し、100℃以上、200℃以下で熱処理を行った熱処理組成物に、残りのビニル基含有オルガノポリシロキサン(A2)と、残りのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、を混合して得られると共に、予め混合しておくビニル基含有オルガノポリシロキサン(A1)と、全量のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)との重量比(A1/A)は3〜50%であり、且つ、予め混合しておくオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と、全量のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との重量比(B1/B)が3〜50%であることを特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物。 - 前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A)が分岐状であり、下記平均組成式(a)で示されるものである請求項1又は2に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
平均組成式(a) : (Hb(R7)3−bSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(a)において、R7は一価の有機基、bは1〜3の範囲の整数、mはHb(R7)3−bSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である) - 前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、下記式(2)で示されるものである請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
- 無機充填材をさらに含有する、請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
→請求項1に熱処理条件を記載のため削除 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
- 請求項6に記載の成形体で構成されることを特徴とする医療用チューブ。
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