JP2012011726A - タイヤモールド - Google Patents

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Abstract

【課題】ピースの過度な押し込みを防いでピース間の隙間を精度良く制御することができるタイヤモールドを提供する。
【解決手段】タイヤのトレッド面に当接するセクター5が、周方向に配列した複数のピース6をケース7に装着して構成されているタイヤモールドにおいて、ケース7の内面側で周方向CDに沿って延在する接触面10に、ピース6の外面側で周方向CDに沿って延在する接触面20が圧接することによって、セクター5の中央部に向かうピース6の移動を規制可能に構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、タイヤを加硫成形するためのタイヤモールドに関し、より詳しくは、タイヤのトレッド面に当接するセクターが、周方向に配列した複数のピースをケースに装着して構成されたタイヤモールドに関するものである。
この種のタイヤモールドは、ピースモールドとも呼ばれており、例えば下記特許文献1,2に開示されている。ピースモールドでは、隣接するピースの間に形成される隙間を通じて、タイヤのトレッド面とモールドの成形面との間の空気を排出できるという利点がある。但し、ピース間の隙間を、高精度に、具体的には数十μmのオーダーで調整する必要があり、この隙間が大き過ぎると、ゴムが流入してトレッド面にバリが形成され、逆に隙間が小さ過ぎると、残留した空気によりトレッド面にベアと呼ばれる凹み傷が形成される。
このように、ピースモールドでは、ピース間の隙間を精度良く制御することが重要となるが、実際にタイヤの加硫成形を行うと、特にモールドを型締めするときに隙間が狂いやすい。これは、隣接するセクターが端面同士を突き合わせる際に、セクターの中央部に向かう押圧力がピースに作用し、ピースが過度に押し込まれて隙間が消失するためである。また、この押圧力は、モールドの開閉動作に伴って繰り返し作用するため、ピースの過度な押し込みを防ぐには強度を十分に確保する必要がある。
特許文献1に記載のモールドでは、ケースにピースを装着する際の位置決めを目的として、ピースの背面に設けたピン状の凸部を、ケースに設けたストッパが周方向に沿って真正面から受け止める構造としている。そのため、型締め時の強い押圧力がピースに作用すると、凸部が変形してピースが移動する恐れがあり、ピースの過度な押し込みを防止するには強度が十分ではない。ピースは、一般的にケースよりも軟質の材料で作製されるため、かかる強度不足の問題は切実である。
特許文献2に記載のモールドは、セクターの中央部と両端部に装着したピースを、ボルトにより背面からケースに固定する構造であるため、このモールドをタイヤの加硫成形に供すると、型締め時の強い押圧力がピースを介してボルトに剪断方向から繰り返し作用することになる。それ故、ボルトが損傷や変形を起こすことが懸念され、ピースの過度な押し込みを確実に防止できない場合があると考えられる。
特開平7−314459号公報 特開2001−150442号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピースの過度な押し込みを防いでピース間の隙間を精度良く制御することができるタイヤモールドを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。請求項1に記載の発明は、タイヤのトレッド面に当接するセクターが、周方向に配列した複数のピースをケースに装着して構成されているタイヤモールドにおいて、前記ケースの内面側で周方向に沿って延在する第一接触面に、前記ピースの外面側で周方向に沿って延在する第二接触面が圧接することによって、前記セクターの中央部に向かう前記ピースの移動を規制可能に構成されたものである。
上記のタイヤモールドでは、ケースの第一接触面とピースの第二接触面とが圧接することにより、セクターの中央部に向かうピースの移動が規制される。タイヤの加硫成形では、型締め時の押圧力が繰り返し作用するものの、このモールドによれば、第一接触面が周方向に沿って押圧力を受け止めるため、強い押圧力に抗して強度を十分に確保できる。その結果、ピースの過度な押し込みを適確に防いで、ピース間の隙間を精度良く制御することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ケースの軸方向の両側に設けられたアームが、前記ピースに内周側から接触するレール部を着脱自在に備え、そのレール部に前記第一接触面が形成されているものである。
実用上、ピース間の隙間を精度良く制御するには、モールドを加硫機に組み込んだ状態から、ピース間の隙間を適宜に調整できることが有用である。本発明の上記構成であれば、アームから取り外したレール部を加工したり、別のレール部と交換したりすることで、第一接触面を所望の形態に改変でき、また、レール部と共に取り外したピースを加工することで、第二接触面を所望の形態に改変できる。したがって、ケース自体は加硫機に組み込んだまま、比較的に軽くて小さなレール部とピースを取り扱うだけで隙間の調整が可能となり、作業性が格段に向上する。
これに対して、上記特許文献1に記載のモールドでは、加硫機に組み込んだ状態からピース間の隙間を調整しようとすると、ピースの背面に接触するケースの内面を改変する必要があり、加硫機からセクターを取り外すことになるため、作業が煩雑で大掛かりになる。上記特許文献2に記載のモールドにおいても、加硫機からセクターを取り外して、ケースの背面のボルト孔を改変する必要があるため、やはり煩雑で大掛かりな作業が強いられる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第一接触面と前記第二接触面が傾斜面により形成されていて、前記セクターの中央部に向かって前記ピースが押圧されたときに、前記第一接触面と前記第二接触面との圧接により楔作用を発現して前記ピースの移動を規制するものである。かかる構成によれば、型締め時の押圧力を利用して、ピースの移動を堅固に規制できるとともに、強度を確保するうえでも有利な構造となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項に記載の発明において、前記セクターの端部に装着されるピースの背面に突出部が設けられ、前記ケースの内面に、前記突出部を受け入れて且つ前記突出部と周方向に当接する凹溝が形成されているものである。かかる構成によれば、セクターの中央部に向かってピースが押圧されたときに、第一接触面と第二接触面との圧接作用に加えて、ピースの突出部とケースの凹溝との当接作用が得られることから、更なる強度の向上を望めるうえ、ピースの過度な押し込みを確実に防いで、ピース間の隙間をより精度良く制御できる。
本発明に係るタイヤモールドの一例を概略的に示す縦断面図 トレッド型部の平面図 セクターの斜視図 セクターの端面を示す図 図4のA−A矢視断面図 図5におけるレール部の形状を模式的に示す図 端部ピースの背面を示す斜視図 本発明の別実施形態におけるレール部の形状を示す模式図 本発明の別実施形態におけるレール部の形状を示す模式図 本発明の別実施形態におけるセクターの断面図 本発明の別実施形態におけるセクターの断面図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るタイヤモールド(以下、「モールド」と略す場合がある。)の一例を概略的に示す縦断面図であり、型締め状態を示している。図1において、加硫成形が施される不図示のグリーンタイヤは、軸方向が上下になるようにセットされ、図1右側が内周側となり、図1左側が外周側となる。
このモールドは、タイヤのトレッド面を成形する環状のトレッド型部1と、タイヤのサイドウォール部を成形するサイド型部2と、同じくサイドウォール部を成形するサイド型部3とを備える。図示は省略するが、モールドの成形面1aには、ブロックやリブを形成するための凹部と、溝を形成するための凸部が設けられており、これに対応したトレッドパターンがタイヤに付与される。サイド型部2,3の内周側にはビードリング4が設けられ、タイヤのビード部を嵌合可能に構成されている。
トレッド型部1は、図2に示すようにタイヤ周方向に分割された複数のセクター5で構成されている。型締め状態では、各セクター5が端面を相互に当接させて円環状に連なり、型開き状態では、各セクター5が外周側に変位して相互に離間する。本実施形態では、トレッド型部1が七分割され、各セクター5の周長が略同等である例を示すが、本発明ではトレッド型部の分割数は特に制限されず、各セクターの周長が互いに異なっていても構わない。
モールドは、図1に示すように加硫機に組み込まれた状態で、タイヤの加硫成形に供される。加硫機は、各セクター5の背面に取り付けられたコンテナ21と、その外周に位置するコーンリング24を備える。コンテナ21は、不図示の昇降シリンダに固定したサイドプレート23に摺動可能に取り付けられている。コーンリング24は、コンテナ21の背面の摺動レール25に嵌合されるとともに、サイドプレート23とは別個に昇降可能な不図示のプラテンに上方から支持されている。
図1に示す状態からコーンリング24を上昇させると、コンテナ21が外周側に移動し、各セクター5がサイド型部2,3から外周側に離間する。それと共にサイドプレート23を上昇させると、セクター5とサイド型部3と上側のビードリング4が上方に離間し、タイヤの出し入れが可能な型開き状態に移行する。型開き状態から型締め状態への移行は、上記と逆の動作を行えばよい。コーンリング24の内部には、スチームや温水などの加熱流体が流動する通路が設けられており、トレッド型部1が背面側から加熱される。
タイヤのトレッド面に当接するセクター5は、図3に示すように、周方向CDに配列した複数のピース6をケース7に装着して構成されている。ピース6は、例えばアルミニウム材(純アルミ系の素材のみならず、アルミニウム合金も含む。)で作製され、ケース7は、例えばスチール材で作製される。ケース7の軸方向ADの両側には、ピース6の内周側への脱落を防ぐ鉤状のアーム70が設けられている。アーム70は、ピース6に内周側から接触するレール部71を備えており、このレール部71は、不図示のボルトによりアーム70の先端に着脱自在に取り付けられている。
ケース7の周方向CDの端面には、ピース6の周方向への脱落を防止するべく、不図示のストッパー片が取り付けられる。ストッパー片は、例えば矩形状の金属板からなり、ケース7の内面から突出するようにしてボルトで固定される。端部ピース6aの端面とケース7の端面に、ストッパー片の収容部を凹設しておくことで、セクター5が端面を相互に当接させる際にストッパー片が妨げになることはない。尚、端部ピース6aは、複数のピース6のうちセクター5の端部に装着されるピースを指す。
図4は、セクター5の端面を示す図であり、図5は、図4のA−A矢視断面図である。図5では、ピース6間に形成される隙間Sを図示しているが、実際のモールドにおける隙間Sの大きさはもっと微小である。図6は、図5におけるレール部71の形状を模式的に示しており、従来の一般的なモールドにおけるレール部の形状を破線で表している。
このモールドは、ケース7の内面側で周方向に沿って延在する接触面10(第一接触面)に、ピース6の外面側で周方向に沿って延在する接触面20(第二接触面)が圧接することによって、セクター5の中央部に向かうピース6の移動を規制可能に構成されている。そのため、型締め時にセクター5の中央部に向かう押圧力がピース6に作用しても、接触面10が周方向に沿って押圧力を受け止め、ピース6の過度な押し込みを適確に防いで、ピース間の隙間を精度良く制御できる。尚、ピース6の外面側とは、背面や側面を含んだ部分であって、成形面1aとなる内面を除いた部分を指す。
本実施形態では、ピース6に内周側から接触するレール部71の外周面に、傾斜面により形成された接触面10を設け、それと面接触するピース6の内周面に、傾斜面により形成された接触面20を設けている。接触面10は、セクター5の両端部から中央部に向かって外周側に傾斜し、型締め時にセクター5の中央部に向かってピース6が押圧されると、接触面10と接触面20との圧接により楔作用を発現してピース6の移動を規制する。この構造では、型締め時の押圧力を利用してピース6の移動を堅固に規制でき、強度を確保するうえでも有効である。
レール部71の外周面は、セクター5の中央部にて周方向CDに延びる部分を有し、その両側に接触面10を連続させている。図6に示した破線は、その周方向CDに延びる部分の延長線でもある。本実施形態では、両側の接触面10の周長が互いに同等であるが、これらは不等長であっても構わない。接触面10は、セクター5の両端面から延びていることが好ましく、それによって、特に強い押圧力が作用しがちな端部ピース6aの過度な押し込みを抑制することができる。
このモールドは、従来のタイヤモールドに対して構造の大きな改変を伴わず、接触面を加工する程度の改変で事足りるため、実施するうえでコスト面でのデメリットは極めて小さい。また、本実施形態のように、接触面10,20の設定位置が、ピース6の背面に接触するケース7の内面側ではなく、軸方向ADの両側に位置するアーム70の内面側にあると、ピース6やケース7の真円度を損なわずに加工しやすくなるため都合が良い。
接触面10の幅Wは、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、接触面20の幅もこれに対応している。この幅Wが3mm以上であると、型締め時に作用する強い押圧力に抗して、接触面10,20の周辺部位の変形を抑制しやすくなり、強度を確保するうえで好適である。上述のように、ピース6がケース7よりも軟質の材料で作製されている場合には、かかる構成が特に有用である。
本実施形態では、レール部71の内周側端を基準とした接触面10の高さHが、セクター5の両端部から中央部に向かって漸増する。型締め時における隙間Sの大きさは、この高さHに応じて調整できる。即ち、接触面10の勾配を緩やかにすることで、或いは勾配は一定でも高さHを低くすることで、ピース6の押し込みを促進して隙間を小さくでき、これと逆の対処をすることで、ピース6の押し込みを抑えて隙間を大きくできる。高さHの調整には、ピース6やケース7を加工する方法の他、ステンレス鋼などの薄板よりなるシムを取り付ける方法も採用できる。
高さHは周方向CDに沿って変化するが、その最大値から最小値を差し引いて得られる高低差は、好ましくは0.5〜30mm、より好ましくは1.0〜15mmである。本実施形態では、セクター5の周方向の中央位置で最大値が計測され、セクター5の端面で最小値が計測される。高低差が0.5mm未満であると、ピース6の過度な押し込みを防ぐのが難しくなる傾向にある。また、レール部71の本来の高さHからして、高低差が30mmを超えると設定が難しくなる。
傾斜面により形成された接触面10の傾斜量Bは、セクター5の端面において、好ましくは0.5〜30mmであり、より好ましくは1.0〜15mmである。この傾斜量Bは、傾斜面の始端と終端との高低差に相当し、図6に示した破線から接触面10までのタイヤ径方向長さである。傾斜量Bが0.5mm未満であると、ピース6の過度な押し込みを防ぐのが難しくなる傾向にある。また、レール部71の本来の高さHからして、傾斜量Bが30mmを超えると設定が難しくなる。
モールドを加硫機に組み込んだ状態からピース間の隙間を調整する場合には、アーム70からレール部71を取り外し、所望の隙間サイズが得られる高さHとなるように、レール部71の加工やシムの交換により接触面10を改変する。続いて、レール部71を取り外した状態からピース6を内周側に取り外し、接触面10に対応させて接触面20を改変する。ケース7自体は加硫機に組み込んだまま、軽くて小さいレール部71とピース6を取り扱うだけでよいため、比較的に簡便な作業で済む。
図5の例では、型開き状態において、端部ピース6aがケース7の端面から僅かに突き出して、締め代8を設けている。このような締め代8を設けることにより、セクター5の端面の近傍で隙間が大きくなることを防ぎ、バリの発生を抑制できる。その反面、端部ピース6aには、型締め時の強い押圧力が確実に作用するものの、本発明によれば、上述のようにして端部ピース6aの過度な押し込みを防いで、隙間を精度良く制御することができる。
端部ピース6aの背面には、図7に示すような突出部9aが突設されており、この突出部9aを受け入れる凹溝9bが、ケース7の内面にて周方向に延設されている。凹溝9bは、端部ピース6aよりも周長が短く、突出部9aと周方向に当接して、端部ピース6aの過度な押し込みを防止できるように構成されている。この突出部9aは必須の構成ではないが、これを設けることで凹溝9bとの当接作用を補助的に利用可能となり、ピース間の隙間をより精度良く制御することができる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、互いに圧接する接触面をレール部以外の部位に設定してもよく、ピースの背面とそれに接触するケースの内面に設けても構わない。また、成形面1aの凹凸形状に配慮してピースを曲面で分割することや、ピース間に弾性部材を介在させて、その付勢力を利用して隙間を確保することなども適宜に採用できる。また、1つのケースに装着されるピースの個数や中央のピースの径方向位置などは種々選択できる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、傾斜面よりなる接触面を、レール部71の外周面と、それに接触するピース6の内周面とに設けた例を示したが、これに代えて又はこれと併用して、レール部71の内面側の側面71a(図4参照)と、それに接触するピース6の側面とに、セクター5の中央部に向かって軸方向内側に傾斜した傾斜面よりなる接触面を設けてもよい。かかる接触面の圧接によっても、型締め時にピース6が押圧された際には、楔作用を発現してピース6の移動を規制できる。
(2)図8の例では、レール部71の外周面に、湾曲面で形成された接触面11(第一接触面)を設けており、それに接触するピースの内周面には、湾曲面で形成された接触面(第二接触面)が設けられる。かかる構成においても、接触面同士の圧接によって、セクター5の中央部に向かうピース6の移動を規制できる。接触面11を構成する湾曲面は、破線で示したレール部71本来の外周面よりも曲率半径が小さく、ピースが押圧された際に楔作用を発現し得る。また、端部ピースの過度な押し込みを防いで、耐荷重性の向上が図れる。
接触面11の幅や高さ、傾斜量に関する好ましい寸法は、前述の実施形態で説明したものと共通である。この構造は、ピース間の隙間を精度良く制御できるものの、接触面の加工性や、セクター5のメンテナンス性(モールド洗浄時の分解と組立に要する作業性)の点では、接触面10のように傾斜面で形成した構造の方が優れている。
(3)図9の例では、レール部71の外周面に、周方向に沿って階段状に形成された接触面12(第一接触面)を設けており、それに接触するピースの内周面には、周方向に沿って階段状に形成された接触面(第二接触面)が設けられる。かかる構成においても、接触面同士の圧接によって、セクター5の中央部に向かうピース6の移動を規制できる。但し、強度を確保してピースの変形を抑える点では、上述のような楔作用を発現する形状の方が優れている。
(4)図10の例では、レール部71の外周面に、ピース6ごとに傾斜した傾斜面よりなる接触面13(第一接触面)を設けつつ、それに接触するピース6の内周面に、接触面13と同方向に傾斜した接触面(第二接触面)を設けている。また、図11は、相違するピッチ長を含むバリアブルピッチを設定したセクター5の例であり、レール部71の外周面に、ピース6ごとに傾斜した傾斜面よりなる接触面14(第一接触面)を設けつつ、ピース6の内周面に、接触面14と同方向に傾斜した接触面(第二接触面)を設けている。
これらのセクター5においても、型締め時にピース6が押圧された際には、楔作用を発現してピース6の移動を規制することができる。更に、このような接触面を設けている場合には、各ピッチ間で傾斜面の周長Lと傾斜量Bが均等に設定されることが好ましく、それにより加硫成形時の各ピース6の移動量を揃えることができる。また、ピース間の隙間調整のためにレール部71を変更する際には、各ピース6の移動量を同一にできることにより、調整がスムーズになる。接触面の幅や高さ、傾斜量に関する好ましい寸法は、前述の実施形態で説明したものと共通である。
本発明の構成と効果を具体的に示すために、タイヤサイズ235/35R19のモールドを用いて、ピース間の隙間の変動状況とメンテナンス性を評価したので説明する。前者は、タイヤ表面に発生するバリの厚みや、端部ピースの基準位置からの移動量について、加硫初期からの変化量を計測することにより評価した。後者は、モールド洗浄時の分解と組立に要する作業時間を計測することにより評価した。
比較例1
ピースの移動を規制するための対策を特に講じていないものを、比較例1とした。この場合、型締め時の押圧によってピースが過度に押し込まれてしまい、ピース間の隙間が小さくなる結果となった。メンテナンス性については、比較例1の結果を基準とした。
比較例2
ピースの背面に突設したピンをケース内面の凹部に係合させることにより、セクターの中央部に向かうピースの移動を規制するように試作し、比較例2とした。この場合、型締め時の押圧によってピンに変形が生じたことから、開閉動作を繰り返すとピースが過度に押し込まれてしまい、ピース間の隙間が小さくなると考えられる。メンテナンス性については、比較例1と同等であった。
比較例3
中央部と両端部のピースをボルトにより背面からケースに固定したものを試作し、比較例3とした。この場合、型締め時の押圧によってボルトにズレが生じたことから、開閉動作を繰り返すとピースが過度に押し込まれてしまい、ピース間の隙間が小さくなると考えられる。メンテナンス性については、ボルトの位置合わせや締め付けが必要となるため、比較例1の2.0倍程度の時間を費やした。
実施例1,2
図5,6のように傾斜面で形成した接触面をレール部に設けたものを、実施例1とした。また、実施例1において図7のように端部ピースに突出部を設けたものを、実施例2とした。何れの場合においても、ピースの過度な押し込みを防いでピース間の隙間を精度良く制御できた。尚、突出部と併用した実施例2では、実施例1よりもピースの移動を堅固に規制できるとともに、強度を確保するうえでも有利と考えられる。メンテナンス性については、比較例1の0.5倍程度の時間で済んだ。
1 トレッド型部
1a 成形面
5 セクター
6 ピース
7 ケース
9a 突出部
9b 凹溝
10 接触面(第一接触面)
20 接触面(第二接触面)
70 アーム
71 レール部

Claims (4)

  1. タイヤのトレッド面に当接するセクターが、周方向に配列した複数のピースをケースに装着して構成されているタイヤモールドにおいて、前記ケースの内面側で周方向に沿って延在する第一接触面に、前記ピースの外面側で周方向に沿って延在する第二接触面が圧接することによって、前記セクターの中央部に向かう前記ピースの移動を規制可能に構成されたことを特徴とするタイヤモールド。
  2. 前記ケースの軸方向の両側に設けられたアームが、前記ピースに内周側から接触するレール部を着脱自在に備え、そのレール部に前記第一接触面が形成されている請求項1に記載のタイヤモールド。
  3. 前記第一接触面と前記第二接触面が傾斜面により形成されていて、前記セクターの中央部に向かって前記ピースが押圧されたときに、前記第一接触面と前記第二接触面との圧接により楔作用を発現して前記ピースの移動を規制する請求項1又は2に記載のタイヤモールド。
  4. 前記セクターの端部に装着されるピースの背面に突出部が設けられ、前記ケースの内面に、前記突出部を受け入れて且つ前記突出部と周方向に当接する凹溝が形成されている請求項1〜3いずれか1項に記載のタイヤモールド。
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