JP2012011432A - フランジ付中空軸部材の製造装置、及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低くすることができるとともに、フランジの接合部で強度の信頼性を保証することができるフランジ付中空軸部材の製造装置を提供すること。
【解決手段】フランジ付中空軸部材の製造装置1は、被加工部材である軸部材10を軸中心O1周りに回転支持するとともに軸部材10を軸方向に移動させる回転移動装置20と、軸部材10の周方向に等間隔で二個回転自在に支持されていて軸部材10の周面10cに対して押圧するローラ50と、軸部材10と同軸的に配置され軸部材10の軸中心部10aに押し込まれるパンチ30と、パンチ30を軸中心O1周りに回転支持する回転装置40とを備える。そして、各ローラ50は、回転軸52に対する径外方端50dから軸部材10の進入側にテーパー状の押圧部50aと、径外方端50dから軸部材10の進出側にテーパー状の逃げ部50bと、径外方端50dに曲面形状の曲面部50cとを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、周面から径外方向に延びるフランジが形成されているフランジ付中空軸部材の製造装置に関し、特に、フランジの接合部で強度の信頼性が確保されたフランジ付中空軸部材の製造装置、及び製造方法に関する。
従来、フランジ付中空軸部材を製造する場合には、先ず中空軸部材を製造し、その後に中空軸部材の周面にフランジを形成することが一般的である。例えば、下記特許文献1に記載されたマンネスマン穿孔法を用いて、図11に示したように、中空軸部材310Aを製造し、その後に中空軸部材310Aの周面310cにフランジ(図示省略)を溶接又は摩擦圧接させる。
特開平04−71709号公報
上述したように製造されたフランジ付中空軸部材では、中空軸部材を製造する工程とフランジを形成する工程とが別工程であるため、工程数が多いことによって、製造コストが高くなるおそれがある。また、別体であるフランジが中空軸部材の周面に後付けされるため、フランジの接合部の性質と母材である中空軸部材の性質とが異なり、フランジの接合部で強度の信頼性を保証し難いおそれがある。
本発明は、上記した課題を解決すべく、製造コストを低くすることができるとともに、フランジの接合部で強度の信頼性を保証することができるフランジ付中空軸部材の製造装置を提供すること、及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造装置は、被加工部材である軸部材を軸中心周りに回転支持するとともに前記軸部材を軸方向に移動させる回転移動手段と、前記軸部材の周方向に等間隔で複数個回転自在に支持されていて前記軸部材の周面に対して押圧するローラと、前記軸部材と同軸的に配置され前記軸部材の軸中心部に押し込まれるパンチと、前記パンチを軸中心周りに回転支持する回転手段とを備え、前記各ローラは、回転軸に対する径外方端から前記軸部材の進入側にテーパー状の押圧部と、前記径外方端から前記軸部材の進出側にテーパー状の逃げ部と、前記径外方端に曲面形状の曲面部とを有していることに特徴がある。
また、本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造装置において、前記パンチの先端の位置は、前記軸部材の軸方向において、前記曲面部のうち最も径が大きい位置より前記逃げ部側の位置であり且つ前記逃げ部のうち最も径が小さい位置より前記曲面部側の位置に設定されることが好ましい。
また、本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造装置において、前記パンチの先端の位置を前記軸部材の軸方向に変化させたときに加工中の前記軸部材に作用する軸方向荷重と前記パンチの先端の位置との、予め求めた関係に基づき、前記パンチの先端の位置は、前記軸部材に作用する軸方向荷重が最も小さくなる位置に設定されることが好ましい。
本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造方法は、被加工部材である軸部材を軸中心周りに回転させた状態で、前記軸部材の周方向に等間隔で複数個回転自在に支持されているローラ及び前記軸部材と同軸的に配置されているパンチに向けて、前記軸部材を軸方向に移動させ、回転軸に対する径外方端から前記軸部材の進入側にテーパー状の押圧部と、前記径外方端から前記軸部材の進出側にテーパー状の逃げ部と、前記径外方端に曲面形状の曲面部とを有する各ローラによって、前記軸部材の周面を表面加工し、軸中心周りに回転するパンチによって、前記軸部材の軸中心部を孔開け加工して、前記軸部材の周面から径外方向に突出するフランジを形成することに特徴がある。
また、本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造方法において、前記軸部材は、一端部の周面が予め表面加工され且つ前記一端部の軸中心部が予め孔開け加工されたものであることが好ましい。
また、本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造方法において、前記軸部材の周面に前記フランジを形成した後に、前記フランジの径外方端部をしごき加工して、前記フランジの径寸法を所定値に設定することが好ましい。
よって、本発明のフランジ付中空軸部材の製造装置、及び製造方法によれば、軸中心周りに回転する軸部材を各ローラ及びパンチに向けて軸方向に移動させる。そして、軸部材の周面を各ローラによって表面加工するとともに、軸部材の軸中心部をパンチによって孔開け加工して、軸部材の周面にフランジを形成する。従って、中空軸部材を製造する工程とフランジを形成する工程とが同時に行われることにより、工程数を少なくすることができ、製造コストを低くすることができる。また、製造されたフランジ付中空軸部材は、フランジが周面に別体として後付けされたものではなく、フランジが周面に一体として形成されたものであるため、フランジの接合部で強度の信頼性を保証することができる。
第1実施形態において、フランジ付中空軸部材の製造装置の全体構成図である。 図1に示した軸部材が表面加工され且つ孔開け加工されていないときの作動説明図である。 図1に示した軸部材が表面加工され且つ孔開け加工されているときの作動説明図である。 軸部材がスピン押出し法により加工されているとき、軸部材に作用する軸方向荷重及び径方向荷重とパンチの先端の位置との関係を示したグラフである。 パンチの先端の位置を変化させたとき、パンチによって径外方向に流れる材料がローラの逃げ部によって潰される状態を示した概略図である。 第2実施形態において、軸部材が軸方向長さの約半分まで通常のスピン押出し法により加工されているときの作動説明図である。 図6に示した軸部材をひっくり返して回転移動装置に組付けたときの図である。 図7に示した軸部材が本発明のスピン押出し法により加工されているときの作動説明図である。 第3実施形態において、図9に示したフランジ付中空軸部材にマンドレルを装着したときの図である。 図9に示したフランジの径外方端部がしごき加工されているときの作動説明図である。 従来の中空軸部材の製造方法において、軸部材がマンネスマン穿孔法により加工されているときの作動説明図である。
本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造装置、及び製造方法の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、フランジ付中空軸部材の製造装置1(以下、「装置1」と呼ぶ)の全体構成図である。この装置1は、被加工部材としての軸部材10と、この軸部材10を軸中心O1周りに回転支持する回転移動装置20と、軸部材10と同軸的に配置されたパンチ30と、このパンチ30を回転支持する回転装置40と、軸部材10の周方向に等間隔(180度毎)に2個配置されたローラ50と、各ローラ50を回転自在に支持するハウジング60とを備えている。
軸部材10は、図1の左右方向である軸方向に延びる中実の丸棒であり、径方向の寸法が、例えば70mmに設定されている。回転移動装置20は、チャック21を用いて軸部材10の一端部を保持していて、例えば、軸部材20を軸方向に移動させる油圧シリンダ等のアクチュエータ(図示省略)と、軸部材10を軸中心O1周りに回転させるモータ(図示省略)とを有している。これにより、軸部材10は、軸中心O1周りに回転する状態で図1の左側から右側へ移動するようになっている。
パンチ30は、軸部材10の軸中心部10aに丸孔10b(図3参照)を形成するためのものであり、軸部材10と同軸的に配置されている。パンチ30は、先端が尖っている円柱体であり、径方向の寸法が、例えば35mmに設定されている。回転装置40は、例えばパンチ30を軸中心O1周りに回転させるモータ(図示省略)を有していて、パンチ30を軸部材10と同じ回転速度で且つ同じ回転方向で回転させる。このため、上述したように、軸部材10が図1の左側から右側へ移動するとき、軸部材10の軸中心部10aがパンチ30に押し込まれて、丸孔10bが形成される。
各ローラ50は、軸部材10の周面10cを表面加工するためのものであり、表面加工するときに軸部材10の軸中心O1が傾くことを防止するために周方向に等間隔(180度毎)に配置されている。なお、各ローラは3個以上配置されていても良く、この場合においても各ローラは周方向に等間隔に配置される。また、各ローラ50は、ベアリング51を介して図1の左右方向に延びる回転軸52にそれぞれ組付けられていて、回転軸52周りに回転自在である。各回転軸52の両端は、ハウジング60に組付けられている。
各ローラ50は、図1の左右方向の中間部が太い回転体であり、この中間部の径方向の寸法(図1の上下方向の長さ)が、例えば300mmに設定されている。各ローラ50は、回転軸52に対する径外方端から図1の左側(軸部材10の進入側)にテーパ状の押圧部(導入部)50aを有し、径外方端から図1の右側(軸部材10の進出側)にテーパ状の逃げ部50bを有している。押圧部50aは、軸部材10の周面10cを押圧するために設けられていて、押圧された材料は、各ローラ50の径外方端から図1の右側に流れる。なお、各ロータ50が軸部材10の周面10cを押圧することにより、軸部材10には軸方向荷重及び径方向荷重が作用する。押圧部50aの周面と回転軸52との間の角度である押圧角(導入角)α(図2参照)は、例えば10度に設定されている。
逃げ部50bは、加工された材料が各ローラ50の径外方端から図1の右側に流れ易くするためのものであり、この逃げ部50bによってパンチ30が軸部材10の軸中心部10aに丸孔10bを形成し易くなる。逃げ部50bの周面と回転軸52との間の角度である逃げ角β(図2参照)は、例えば2度に設定されている。上述した押圧角α及び逃げ角βは、加工条件によって適宜変更可能である。
この実施形態において、軸部材10は、所謂スピン押出し法により、加工される。スピン押出し法は、軸部材10が軸中心O1周りに回転し且つパンチ30が軸中心O1周りに回転する状態で、軸部材10を各ローラ50及びパンチ30に向けて軸方向に移動させるとき、軸部材10の周面10cが各ローラ50により表面加工されるとともに、軸部材10の軸中心部10aがパンチ30により孔開け加工される加工方法である。このスピン押出し法により、外径及び内径が所定値に設定される中空軸部材が製造される。
ところで、従来のスピン押出し法では、加工される材料の軸方向に流れる割合が、加工される材料の周方向に流れる割合に比して、極めて大きい。このため、軸部材10の周面10cに盛り上がりが発生することがほとんどなく、仮に盛り上がりが発生した場合であっても軸部材10の周面10cに薄いバリのようなものが不均等に形成されていた。そこで、発明者等は、各ローラ50の径外方端部に比較的大きな曲面部を形成して、スピン押出し法による加工実験を繰り返した結果、軸部材10の周面10cにバリでない厚いフランジ10d(図3参照)をほぼ均等に形成できることを見出した。以下、各ローラ50の形状について説明する。
各ローラ50は、径外方端に曲面形状の曲面部50cを有している。この曲面部50cの半径Rは、従来のローラの径外方端に形成される曲面部の半径に比して、十分大きな値であり、例えば20mmに設定される。ここで、従来のローラの径外方端に形成される曲面部の半径とは、上述したように薄いバリのようなものが形成されるときの曲面部の半径であり、例えば1mm程度である。なお、この実施形態の曲面部50cの半径Rは、20mmに限定されるものではなく、加工条件によって適宜変更可能である。この曲面部50cによって、加工される材料の周方向に流れる割合が大きくなる。
ここで、上述した装置1を用いてフランジ付中空軸部材が製造される製造工程について説明する。フランジ付中空軸部材は、軸中心O1周りに回転する軸部材10を図1の左側から図1の右側に移動させることによって、製造される。即ち、回転移動装置20は、軸部材10を軸中心O1周りに回転させた状態で、各ローラ50及び回転するパンチ30に向けて、軸部材10を軸方向に移動させる。これにより、図2に示したように、回転する軸部材10が各ローラ50に押し込まれ、各ローラ50が回転軸52回りに回転(連れ回り)する。
そして、図3に示したように、各ローラ50によって軸部材10の周面10cが表面加工されるとともに、パンチ30によって軸部材10の軸中心部10aが孔開け加工される。このとき、各ローラ50の曲面部50cにより加工される材料の周方向の流れが促進され、軸部材10の周面10cにバリでない厚いフランジ10dがほぼ均等に形成される。このようにして、図3に示したフランジ付中空軸部材10Aが製造され、フランジ10dが形成されている部位は円錐台形状になる。
よって、この実施形態では、中空軸部材を製造する工程とフランジを形成する工程とが同時に行われることにより、工程数を少なくすることができ、フランジ付中空軸部材10Aの製造コストを低くすることができる。また、製造されたフランジ付中空軸部材10Aは、フランジ10dが周面10cに別体として後付けされたものではなく、フランジ10dが周面10cに一体として形成されたものである。このため、フランジ10dの接合部の性質と母材である軸部材10の性質とが同じであり、フランジ10dの接合部で強度の信頼性を保証することができる。
次に、この実施形態において、パンチ30の先端30aの位置は、図1に示したように、軸部材10の軸方向において、ローラ50の曲面部50cのうち最も径が大きい位置50dより図1の右側(逃げ部50b側)の位置であり、且つローラ50の逃げ部50bのうち最も径が小さい位置50eより図1の左側(曲面部50c側)の位置に設定されている。以下、この理由について詳細に説明する。
先ず、スピン押出し法において、パンチ30の先端30aの位置を軸方向に変化させることによって、軸部材10に作用する軸方向荷重Fzが変化することを、図4及び図5を用いて説明する。図4は、パンチ30の先端30aとローラ50の径外方端50d(曲面部50cのうち最も径が大きい位置50d)との間の軸方向距離d(図1参照)と、軸部材10に作用する軸方向荷重Fz及び径方向荷重Frとの関係を示した図である。図5(a)は、軸方向距離dが0mmであるときの作動説明図である。図5(b)は、軸方向距離dがd1mmであるときの作動説明図であり、d1は曲面部50cのうち最も径が大きい位置50dと逃げ部50bのうち最も径が小さい位置50eとの間の軸方向長さである。図5(c)は、軸方向長さdがd2mmであるときの作動説明図であり、d2は0より大きく且つd1より小さい値である。なお、図4に示した関係は、径外方端に十分大きな半径Rの曲面部が形成されていないローラ50(図5参照)を用いた場合の関係である。しかしながら、軸方向距離dと軸方向荷重Fz及び径方向荷重Frとの関係は、ローラ50の径外方端に十分大きなRの曲面部が形成されているか否かによって、変わらないものである。
図4から明らかなように、軸方向荷重Fzと径方向荷重Frとは、反比例の関係である。先ず、この関係について説明する。ミーゼスの降伏条件によれば、軸方向荷重Fzと径方向荷重Frと軸部材10に作用する周方向荷重との合計が所定値に達したとき、軸部材10が降伏することになる。このことから、周方向荷重の影響を無視すれば、軸部材10が加工されているときに軸方向荷重Fzが大きいほど径方向荷重Frが小さいことになる。従って、図4に示した反比例の関係は、ミーゼスの降伏条件に基づく関係といえる。
ところで、軸方向荷重Fzは、回転移動装置20が軸部材10を各ローラ50及びパンチ30に向けて押し込む荷重と同じであって、小さいことが好ましい。これは、軸方向荷重Fz(上記した押し込む荷重)が小さければ、回転移動装置20のアクチュエータの負荷を小さくすることができ、回転移動装置20を小型化できるためである。従って、軸方向荷重Fzが小さくなる、言い換えると、径方向荷重Frが大きくなるときの軸方向距離dについて考察する。
先ず、図5(a)に示した状態について考察する。パンチ30の先端30aによって加工された材料は、軸方向に流れるとともに、径外方向に流れようとする。このとき、径外方向に流れようとする材料は、ローラ50の径外方端に潰されるが、逃げ部50bに沿って流れず、逃げ部50bとほとんど接触しない。これにより、パンチ30によって径外方向に流れる材料が逃げ部50bによって潰される効果(以下、「潰し効果」と呼ぶ)がほとんど得られず、径方向荷重Fr、言い換えると、ローラ50が軸部材10を径内方向に押圧する荷重は小さいものとなる。この結果、図4(a)では、径方向荷重Frが小さな値であるF1になるのに対して、軸方向荷重Fzが大きな値であるF4になる。なお、パンチ30の先端の位置が更に図5(a)の左側の位置であっても、上述した潰し効果がほとんど得られず、径方向荷重Frは小さいものとなる。
次に、図5(b)に示した状態について考察する。パンチ30の先端30aによって加工された材料は、軸方向に流れるともに、径外方向に流れようとする。このとき、径外方向に流れようとする材料は、逃げ部50bに沿って流れることがなく、ローラ50による表面加工とパンチ30による孔開け加工とが独立したものとなる。これにより、上述した潰し効果が得られず、径方向荷重Frは小さいものとなる。この結果、図4(b)では、径方向荷重Frが小さな値であるF1になるのに対して、軸方向荷重Fzが大きな値であるF4になる。なお、パンチ30の先端30aの位置が更に図5(b)の右側の位置であっても、上述した潰し効果が得られず、径方向荷重Frは小さいものとなる(図4参照)。
最後に、図5(c)に示した状態について考察する。パンチ30の先端30aによって加工された材料は、軸方向に流れるとともに、径外方向に流れようとする。このとき、径外方向に流れようとする材料は、逃げ部50bに潰されつつ逃げ部50bに沿って流れ、逃げ部50bと大きく接触する。このため、加工された材料が逃げ部50bとパンチ30の外周の間で圧延状態になり、上述した潰し効果が大きく得られ、径方向荷重Frは大きいものとなる。この結果、図4(c)では、径方向荷重FrがF1より大きいF2になるのに対して、軸方向荷重FzがF4より小さいF3になる。
上述した考察に基づいて、この実施形態においては、パンチ30の先端30aの位置は、図1に示したように、軸部材10の軸方向において、曲げ部50cのうち最も径が大きい位置50dより図1の右側の位置であり、且つ逃げ部50bのうち最も径が小さい位置50eより図1の左側の位置に設定されている。よって、パンチ30の先端30aの位置が、上記した位置でない場合に比して、軸方向荷重Fzを小さくすることができ、回転移動装置20のアクチュエータの負荷を小さくすることができる。この結果、回転移動装置20を小型化することができる。
特に、この実施形態においては、図4に示したように、パンチ30の先端30aを軸部材10の軸方向に変化させたときに軸方向荷重Fzとパンチ30の先端30aの位置(軸方向距離d)との関係が、下に凸の曲線で予め求められていて、パンチ30の先端30aの位置は、軸方向荷重Fzが最も小さくなる位置(d=d2)に設定されている。従って、回転移動装置20のアクチュエータの負荷を最も小さくすることができる。
次に第2実施形態のフランジ付中空軸部材の製造方法について、図6〜図8を用いて説明する。この第2実施形態では、第1実施形態のフランジ付中空軸部材10Aと異なり、図8に示したように、軸中心部に軸方向に貫通する貫通孔110bが形成され、且つ軸部材の両端部の周面110cが表面加工されたフランジ付中空軸部材110Aを製造する。この第2実施形態では、第1実施形態と同一の部材に同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図6は、上記したフランジ付中空軸部材110Aを製造するための第1工程を示した図である。図6に示したように、各ローラ150Aには、第1実施形態のローラ50のように、十分大きな半径Rの曲面部、及び逃げ部が形成されていない。このため、この第1工程のスピン押出し法では、軸部材110の周面110cにフランジが形成されない。そして、この第1工程では、軸部材110の軸方向長さの約半分まで、各ローラ150Aが表面加工するとともにパンチ30が孔開け加工する。その後、スピン押出し法による加工が中止され、軸部材110がチャック21から取り外される。
図7は、上記したフランジ付中空軸部材110Aを製造するための第2工程を示した図である。この第2工程では、図7の左側に軸部材110の小径部110eが配置され、図7の右側に軸部材110の大径部110fが配置されるように、図6の軸部材110をひっくり返す。そして、軸部材110の小径部110eをチャック121を介して回転移動装置20に組付ける。
図8は、上記したフランジ付中空軸部材110Aを製造するための第3工程を示した図である。図8に示したように、この第3工程では、第1実施形態のローラ50と同一のローラ50が用いられる。そして、軸部材110の軸方向長さの約半分まで、第1実施形態と同様に、各ローラ50が表面加工するとともにパンチ30が孔開け加工する。この結果、図8に示したように、周面110cにバリでない厚いフランジ110dが形成されるとともに軸中心部に軸方向に貫通する貫通孔110bが形成され、且つ両端部の周面110cが表面加工されたフランジ付中空軸部材110Aを製造することができる。なお、製造されたフランジ付中空軸部材110Aは、例えば、自動車のCVT(無段階連続変速機)のシーブシャフトを製造するための素材として用いられる。
次に、第3実施形態のフランジ付中空軸部材の製造方法について、図9及び図10を用いて説明する。上述したスピン押出し法によりフランジが形成された部位は、円錐台形状になっていて、フランジの径寸法を所定値に設定することが難しい。そこで、この第3実施形態では、図10に示したように、フランジ110dの径寸法が所定値に設定されたフランジ付中空軸部材110Bを製造する。
図9は、上記したフランジ付中空軸部材110Bを製造するための第1工程を示した図である。図9に示したように、この第1工程では、先ず、第2実施形態のスピン押出し法により製造されたフランジ付中空軸部材110Aを用意する。次に、フランジ110dが形成されている部位より図9の左側(回転移動装置20側)に、円筒状のマンドレル270を装着する。そして、フランジ付中空軸部材110Aの一端部をチャック121を介して回転移動装置20に組付ける。
図10は、上記したフランジ付中空軸部材110Bを製造するための第2工程を示した図である。図10に示したように、この第2工程では、回転するフランジ付中空軸部材110Aを図10の右側に移動させて、各ローラ250の押圧部250aによってフランジ110dの径外方端部をしごき加工する。これにより、フランジ150dの径外方端部はマンドレル270と各ローラ250の押圧部250aの間で扱かれて、リング状の突部分110gが形成される。このようにして、フランジ110dの径寸法が所定値に設定されたフランジ付中空軸部材110Bを製造することができる。なお、製造されたフランジ付中空軸部材110Bは、例えば、自動車のトランスミッションのドラムクラッチを製造するための素材として用いられる。
以上、本発明に係るフランジ付中空軸部材の製造装置、及び製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、各実施形態において、一つの装置である回転移動装置によって軸部材を軸中心O1周りに回転支持するとともに軸部材を軸方向に移動させたが、回転支持装置によって軸部材を軸中心O1回りに回転させ且つ移動装置によって軸部材を軸方向に移動させても良い。
1 フランジ付中空軸部材の製造装置
10 軸部材
10a 軸中心部
10b 丸孔
10c 周面
10d フランジ
10A フランジ付中空軸部材
20 回転移動装置
21 チャック
30 パンチ
30a 先端
40 回転装置
50 ローラ
50a 押圧部
50b 逃げ部
50c 曲面部
50d 最も径が大きい位置
50e 最も径が小さい位置
51 ベアリング
52 回転軸
60 ハウジング

Claims (6)

  1. 被加工部材である軸部材を軸中心周りに回転支持するとともに前記軸部材を軸方向に移動させる回転移動手段と、
    前記軸部材の周方向に等間隔で複数個回転自在に支持されていて前記軸部材の周面に対して押圧するローラと、
    前記軸部材と同軸的に配置され前記軸部材の軸中心部に押し込まれるパンチと、
    前記パンチを軸中心周りに回転支持する回転手段とを備え、
    前記各ローラは、回転軸に対する径外方端から前記軸部材の進入側にテーパー状の押圧部と、前記径外方端から前記軸部材の進出側にテーパー状の逃げ部と、前記径外方端に曲面形状の曲面部とを有していることを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造装置。
  2. 請求項1に記載するフランジ付中空軸部材の製造装置において、
    前記パンチの先端の位置は、前記軸部材の軸方向において、前記曲面部のうち最も径が大きい位置より前記逃げ部側の位置であり且つ前記逃げ部のうち最も径が小さい位置より前記曲面部側の位置に設定されることを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造装置。
  3. 請求項2に記載するフランジ付中空軸部材の製造装置において、
    前記パンチの先端の位置を前記軸部材の軸方向に変化させたときに加工中の前記軸部材に作用する軸方向荷重と前記パンチの先端の位置との、予め求めた関係に基づき、
    前記パンチの先端の位置は、前記軸部材に作用する軸方向荷重が最も小さくなる位置に設定されることを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造装置。
  4. 被加工部材である軸部材を軸中心周りに回転させた状態で、前記軸部材の周方向に等間隔で複数個回転自在に支持されているローラ及び前記軸部材と同軸的に配置されているパンチに向けて、前記軸部材を軸方向に移動させ、
    回転軸に対する径外方端から前記軸部材の進入側にテーパー状の押圧部と、前記径外方端から前記軸部材の進出側にテーパー状の逃げ部と、前記径外方端に曲面形状の曲面部とを有する各ローラによって、前記軸部材の周面を表面加工し、
    軸中心周りに回転するパンチによって、前記軸部材の軸中心部を孔開け加工して、
    前記軸部材の周面から径外方向に突出するフランジを形成することを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造方法。
  5. 請求項4に記載するフランジ付中空軸部材の製造方法において、
    前記軸部材は、一端部の周面が予め表面加工され且つ前記一端部の軸中心部が予め孔開け加工されたものであることを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載するフランジ付中空軸部材の製造方法において、
    前記軸部材の周面に前記フランジを形成した後に、前記フランジの径外方端部をしごき加工して、前記フランジの径寸法を所定値に設定することを特徴とするフランジ付中空軸部材の製造方法。
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