JP2012011286A - 高圧水噴射洗浄方法及び高圧水洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 打錠機の臼や杵と呼ばれるような柱状部品B1,B2を多数個収納する装置本体3と、装置本体3に上方から蓋をする蓋体2を備え、前記蓋体2に回転可能に取り付けられた管7に多数個のノズルN1が取り付けられ、洗浄水供給手段から供給する洗浄水Wを管7を介して回転しながらノズルN1から噴射する。
【選択図】 図3
Description
特許文献4は、平面回転可能な架台3と、この架台3上に配置され杵aおよび臼bを複数個保持する部品保持手段4と、前記架台3を駆動してこの部品保持手段4を一定方向に平面回転させる架台駆動機構5と、前記部品保持手段4に保持されて回転し続けている杵aおよび臼bに向けてノズル63、64、65、66から温水cを噴射する給液手段6とを具備した装置である。
特許文献4は、垂直軸回りに回転する円板状の回転体14,15からなり、外周部に杵100をその先端を上向きにして取り外し可能に保持する保持部を設け、該保持部を周方向に沿って等ピッチに配した杵保持回転テーブル2を1間欠回転で複数の前記保持部に相当する角度を回転移動させると、昇降体27が降下し、蒸気ノズル21が臨む蒸気噴気室32内に収容された杵100の先端に蒸気を噴気し、同時にエアノズル22が臨むエア噴気室33内に収容された蒸気洗浄済みの杵の先端に圧縮空気を噴気して乾燥させる。この動作を複数回繰り返すことで、全ての杵の先端洗浄と乾燥処理を行う装置である。
しかしながら、従来の装置で、装置本体に収納した杵等を回転させる構造のものでは(特許文献3と4と5)、装置構成が大型化して高価になる。また、垂直姿勢に配した部品(杵)の上方のみならず下方からのも噴射させる構造では更に装置が大型化する(特許文献4)。
本発明によれば、前記ノズルから噴射される洗浄水が柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるので、その衝撃により柱状部品の先端部分の洗浄を行うことができる。柱状部品には、打錠機の杵のように刻印等のある柱状部品があるので、これらの場合には特にその衝撃による洗浄効果は大きい。さらに、本発明によれば、ノズルにより気中噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体(空気)を巻き込みながらの噴流を生じさせることにより(この気体(空気)を巻き込みながらの噴射は「エアレーションジェット」とも呼ばれる。)、液中で激しい攪拌が生じ、これにより前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することができる。
本発明によれば、上記回転式のノズルは、垂直立設姿勢の柱状部品の上方端側を回転しながら洗浄すると共に、回転しながらの洗浄水でエアレーションジェットを洗浄水中に生じさせ続けることで、前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することとなる。
本発明によれば、蓋体を開放して、装置本体に柱状部品を多数個収納して、装置本体の上方から蓋体で蓋をして、回転式ノズルから高圧水が噴射されて、多数個の柱状部品を洗浄することができる。
本発明によれば、前記回転式ノズルより上方から柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるので、その衝撃により刻印等のある柱状部品の先端部分の洗浄に効果的である。しかも、上記噴射(気中噴射)された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体(空気)を巻き込みながらの噴流を生じさせるエアレーションジェットにより液中で激しい攪拌が生じ、これにより前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することができる。このエアレーションジェットによれば、前記柱状部品を整列配置するメッシュ状のバスケットであれば、前記柱状部品が密に整列配置されていたとしても、エアレーションジェットによる噴流作用が多数個のどの柱状部品にも及んで、油付着等の汚れを除去することができる。
例えば、隣接して配されるノズルとの噴射の干渉が生じないように配される例としては、管に対して平射ノズルを斜めに配したり、千鳥配置したりすることで、互いの干渉による噴射力(衝撃力)を弱めないようにする。また、前記柱状部品に向けて噴射するノズルと、洗浄槽の洗浄水に向けて噴射するノズルとが配されていることにより、各々のノズルからの洗浄の役割に応じた洗浄、すなわち、打錠機の杵と呼ばれる柱状部品の圧刻印部分と、側面部の潤滑剤の脱脂や、潤滑剤に付着した粉分の洗浄という異なる目的の洗浄が一度にできるようになる。
そして、回転式ノズルより上方から柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるとともに、回転式ノズルから噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体を巻き込みながらの噴流を生じさせることにより(水中での空気を巻き込んだエアレーションジェットの噴流洗浄により)、例えば、杵と呼ばれる先端の刻印部に強固に固着した汚れ(粉体)を除去すると共に、杵の側面の潤滑油の除去や油に付着した粉体の除去を同時にすることが可能になる。
洗浄槽10には、洗浄液が所定高さ位置まで入れられ、この洗浄液Wの高さを計測する液面センサS1が配され、洗浄液面は、高液面(杵B1が半没の浸漬状態)、低液面(杵B1が気中状態)を選択可能になっている。液面センサS1は、杵B1の上方先端部が水没しないように水面を検知するセンサであっても良い。また、装置本体3の底部には、洗浄水Wを温めるヒータ12が配され、洗浄槽10の洗浄水Wを加温するとともに杵と臼の乾燥にも用いられる。
杵B1とB1との間隔(或いは杵B1と臼B2との間隔、臼B2とB2との間隔)は、所定の隙間が形成できれば足り、必ずしも十分な間隔をあける必要はない。水中での空気を巻き込んだエアレーションジェットの噴流洗浄により、密に柱状部品B1,B2が配置されていてもその隙間に噴流が入り込むからである。なお、メッシュ状のバスケット11については、エアレーションジェット噴流が入り込める隙間を有するものであれば足りる。
回転体6には、洗浄水供給手段D1,D2,D3から供給する洗浄水Wが供給されるとともに(図3の符号6bから洗浄水が供給される。)、圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段E1とも連結されている(図3の符号6aから圧縮エアが供給される。)。これらはバルブBtを切り替えて、洗浄水Wと圧縮エアとを切り替えて各々噴射させる構造である(図4)。なお、図3の符号8は、操作パネル部分である。このように、本実施の形態の蓋体2には、本装置の駆動機構と洗浄水と圧縮エアの供給手段という主な構造が配されている。
本実施の形態のノズルN1は、洗浄水を幅広の偏平噴射流として噴射する平射ノズルを使用している(図5(b)参照)。平射ノズルである第1のノズルN1は、幅方向にほぼ均一な圧力分布で充分な噴射流量をもつ一定の角度に拡がった偏平な液体流を噴射する。ノズルN1としては、直射ノズル他を使用することができる。多数のセットの杵B1と臼B2に噴射するために、各ノズルからの噴射が互いに干渉し合わないようにして噴射力を維持するためには平射ノズルを所定間隔で配置することが望ましい。本実施の形態の管7には、平射ノズルN1が最大15個取り付け可能に構成されている。
前記管7の長さは、前記バスケット11の長さよりも長く構成され、バスケット11の外周側にも前記第1のノズルN1が配されている。バスケット11の外周側の前記第1のノズルN1aは、バスケット11の外周側面側の洗浄液(液面)に直接噴射させると、バスケット11の周囲からも洗浄される。バスケット11は、洗浄槽10に吊り下げられるように配されるために、上記エアレーション効果がバスケット1の下方からも及び、これによりバスケットごと洗浄可能にしている。
洗浄に使用された洗浄液は、循環経路のフィルターで濾過されて再び洗浄水Wとして使用される。また、バスケット11の底面と洗浄槽10の間には一定の隙間が空けてあるので、噴流の反流により柱状部品の下方先端側も洗えるようになる。なお、回転体6の回転は、一方向に限らず、反転させても良い。
また、必要に応じて、洗浄水Wに防錆剤E2を添加して洗浄しても良い。洗浄水Wに防錆剤E2を添加して洗浄すると、杵B1の側面部の洗浄と、杵B1の側面部の防錆剤の付与が同時処理
本実施の形態の高圧水噴射洗浄装置1を使用して実際に打錠機の杵B1と臼B2とのセットを洗浄した。バスケット11には、臼を72個と、杵用144個、これのバスケット11を、装置1の蓋体2を開け、洗浄槽10に配置させた。洗浄槽10内に小型ポンプにより洗浄液を定量供給して、供給バルブを開いて温水を供給した。すなわち、液温が60℃以下にならないようにヒータ12をONにして洗浄水Wの温度が60℃以下にならないようにした。
洗浄槽10の液面は、液面センサS1による検知で停止させた。そして、循環ポンプP1にて洗浄槽10の洗浄水Wを循環させた。
次に、第1のノズルN1をモータMで回転させながら洗浄水Wを噴射させた。第1のノズルN1からは0.7MPaの高圧水を噴射させた。そして、第1のノズルN1から気中噴射により洗浄液を噴射させた気中洗浄により垂直立設姿勢の杵B1の上方先端の付着物に向けてこれを除去した。第1のノズルN1からは、洗浄水Wに空気を巻き込むエアレーション噴流も生じさせるので、柱状部品である杵B1と臼B2の側面部の浸漬部分Wも洗浄した。
次に、冷水(例えば20℃)を洗浄槽10に供給し、液面センサS1で液面高さを検知した。次に、洗浄用ポンプと同じポンプで循環させてリンス洗浄を行った。定時間リンスの後に排水した。これを数回繰り返した。次に、バルブを切り替えてノズルN1からエアブローを供給した。次に、洗浄槽10の底部のヒータ12もONとし、ファン循環させることとし、熱風乾燥になるようにした。次に、ノズルN1からのエアブローで杵B1と臼B2を冷却した。洗浄後は、蓋体2を開ける杵B1と臼B2の入ったバスケット11を取出した。
このように洗浄された杵B1の先端(上杵と下杵のいずれの先端)の圧刻印部分に薬剤の粉は残っていなかった。また、杵B1と臼B2の側面部分にも薬剤の粉や潤滑油は残っていなかった。
2 蓋体、
3 装置本体、
4 洗浄槽、
6 回転体、
7 管、
10 洗浄槽、
11 バスケット、
12 ヒータ、
B1,B2 柱状部品、B1 杵、B2 臼、
N1 ノズル(第1のノズル)、
N1a,N1b 高さ位置の異なる第1のノズル、
N2 第2のノズル、
W 洗浄水
Claims (8)
- 高圧水をノズルから噴射させて柱状部品を洗浄する高圧水噴射洗浄方法において、前記高圧水を噴射するノズルが装置本体の上方において多数個取り付けられ、柱状部品が装置本体に垂直立設姿勢で多数個収納されるとともに、洗浄水に浸漬する浸漬状態で配列されるが、前記柱状部品の上方先端側は気体中に露出させた状態にして、前記ノズルは柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させて柱状部品の先端部を洗浄するとともに、前記ノズルは洗浄水の液面上から噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体を巻き込みながらの噴流を生じさせて柱状部品の浸漬した部分の汚れを除去することを特徴とする高圧水噴射洗浄方法。
- 前記高圧水を噴射するノズルが装置本体の上方において回転可能に多数個取り付けられる回転式ノズルとして構成されていることを特徴とする請求項1記載の高圧水噴射洗浄方法。
- 前記柱状部品が整列配列されるメッシュ状のバスケットとを備え、前記バスケットはその底部が洗浄槽の底部から離して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の高圧水噴射洗浄方法。
- 高圧水をノズルから噴射させて柱状部品を洗浄する高圧水噴射洗浄装置において、柱状部品を多数個収納する装置本体と、装置本体に上方から蓋をする蓋体を備え、前記高圧水を噴射するノズルは、前記蓋体に回転可能に取り付けられた管に多数個取り付けられ、洗浄水供給手段から供給する洗浄水を管を介して回転しながらノズルから噴射することを特徴とする高圧水噴射洗浄装置。
- 前記柱状部品を整列配置するメッシュ状のバスケットとを備え、バスケットを装置本体に収納した状態で洗浄水に浸漬するが、少なくとも前記柱状部品の上方先端側は気体中に露出させた状態にして、前記回転式ノズルより上方から柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるとともに、前記回転式ノズルから噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体を巻き込みながらの噴流を生じさせて前記柱状部品の浸漬した部分の汚れを除去することを特徴とする請求項4記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記多数個のノズルは、隣接して配されるノズルとの噴射の干渉が生じないように配されているか、又は、前記柱状部品に向けて噴射するノズルと、洗浄槽の洗浄水に向けて噴射するノズルとが配されていることを特徴とする請求項4又は5記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記管の長さは、前記バスケットの長さよりも長く構成され、バスケットの外周側にも前記ノズルが配され、前記バスケットはその底部が洗浄槽の底部から離して配置されていることを特徴とする請求項6記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記回転式ノズルは、洗浄水を供給する洗浄水供給手段と連結されると共に、圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段とも連結されて、洗浄水と圧縮エアとを切り替えて各々噴射させることを特徴とする請求項4又は5記載の高圧水噴射洗浄装置。
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