JP5727724B2 - 高圧水噴射洗浄方法及び高圧水洗浄装置 - Google Patents
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Description
特許文献4は、平面回転可能な架台3と、この架台3上に配置され杵aおよび臼bを複数個保持する部品保持手段4と、前記架台3を駆動してこの部品保持手段4を一定方向に平面回転させる架台駆動機構5と、前記部品保持手段4に保持されて回転し続けている杵aおよび臼bに向けてノズル63、64、65、66から温水cを噴射する給液手段6とを具備した装置である。
特許文献4は、垂直軸回りに回転する円板状の回転体14,15からなり、外周部に杵100をその先端を上向きにして取り外し可能に保持する保持部を設け、該保持部を周方向に沿って等ピッチに配した杵保持回転テーブル2を1間欠回転で複数の前記保持部に相当する角度を回転移動させると、昇降体27が降下し、蒸気ノズル21が臨む蒸気噴気室32内に収容された杵100の先端に蒸気を噴気し、同時にエアノズル22が臨むエア噴気室33内に収容された蒸気洗浄済みの杵の先端に圧縮空気を噴気して乾燥させる。この動作を複数回繰り返すことで、全ての杵の先端洗浄と乾燥処理を行う装置である。
しかしながら、従来の装置で、装置本体に収納した杵等を回転させる構造のものでは(特許文献3と4と5)、装置構成が大型化して高価になる。また、垂直姿勢に配した部品(杵)の上方のみならず下方からのも噴射させる構造では更に装置が大型化する(特許文献4)。
前記柱状部品としては、打錠機の臼や杵の他、ピストン等のような柱状部品の洗浄にも適用可能である。
本発明によれば、前記ノズルから噴射される洗浄水が前記柱状部品の先端部に向けて洗浄水を噴射させるので、その衝撃により前記柱状部品の先端部分の洗浄を行うことができる。前記柱状部品には、打錠機の杵のように刻印等のある柱状部品があるので、これらの場合には特にその衝撃による洗浄効果は大きい。さらに、本発明によれば、ノズルにより気中噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体(空気)を巻き込みながらの噴流を生じさせることにより(この気体(空気)を巻き込みながらの噴射は「エアレーションジェット」とも呼ばれる。)、液中で激しい撹拌が生じ、これにより前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することができる。
本発明によれば、上記回転式のノズルは、垂直立設姿勢の前記柱状部品の上方端側を回転しながら洗浄すると共に、回転しながらの洗浄水でエアレーションジェットを洗浄水中に生じさせ続けることで、前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することとなる。
本発明によれば、前記ノズルから高圧水が噴射されて、多数個の柱状部品を洗浄することができる。
本発明によれば、上方から前記柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるので、その衝撃により刻印等のある前記柱状部品の先端部分の洗浄に効果的である。しかも、上記噴射(気中噴射)された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体(空気)を巻き込みながらの噴流を生じさせるエアレーションジェットにより液中で激しい撹拌が生じ、これにより前記柱状部品の浸漬状態の部分の汚れを除去することができる。このエアレーションジェットによれば、前記柱状部品を整列配置するメッシュ状のバスケットであれば、前記柱状部品が密に整列配置されていたとしても、エアレーションジェットによる噴流作用が多数個のどの柱状部品にも及んで、油付着等の汚れを除去することができる。
例えば本発明は、前記管は棒形状であり、前記ノズルは平射ノズルであり、隣接しているノズル同士が互いに噴射の干渉が生じないように前記管に所定間隔で配されている。
例えば本発明は、前記ノズルのうち、周回することで前記先端部の真上となるノズルは、それ以外のノズルよりもその高さ位置が高く設定されている。
例えば本発明は、前記ノズルを第1のノズルとし、前記回転体の外周には水平方向に向けて第2のノズルが配されており、当該第2のノズルからも高圧水を噴射する構成となっている。
例えば、隣接して配されるノズルとの噴射の干渉が生じないように配される例としては、前記管に対して平射ノズルを斜めに配したり、千鳥配置したりすることで、互いの干渉による噴射力(衝撃力)を弱めないようにする。また、前記柱状部品に向けて噴射するノズルと、前記洗浄槽の洗浄水に向けて噴射するノズルとが配されていることにより、各々のノズルからの洗浄の役割に応じた洗浄、すなわち、打錠機の杵と呼ばれる前記柱状部品の刻印部分と、側面部の潤滑剤の脱脂や、潤滑剤に付着した粉の洗浄という異なる目的の洗浄が一度にできるようになる。
そして、回転式ノズルより上方から柱状部品の上方先端部に向けて洗浄水を噴射させるとともに、回転式ノズルから噴射された洗浄水で浸漬状態の洗浄水に気体を巻き込みながらの噴流を生じさせることにより(水中での空気を巻き込んだエアレーションジェットの噴流洗浄により)、例えば、杵と呼ばれる先端の刻印部に強固に固着した汚れ(粉体)を除去すると共に、杵の側面の潤滑油の除去や油に付着した粉体の除去を同時にすることが可能になる。
洗浄槽10には、洗浄液が所定高さ位置まで入れられ、この洗浄液Wの高さを計測する液面センサS1が配され、洗浄液面は、高液面(杵B1が半没の浸漬状態)、低液面(杵B1が気中状態)を選択可能になっている。液面センサS1は、杵B1の上方先端部が水没しないように水面を検知するセンサであっても良い。また、装置本体3の底部には、洗浄水Wを温めるヒータ12が配され、洗浄槽10の洗浄水Wを加温するとともに杵と臼の乾燥にも用いられる。
杵B1とB1との間隔(或いは杵B1と臼B2との間隔、臼B2とB2との間隔)は、所定の隙間が形成できれば足り、必ずしも十分な間隔をあける必要はない。水中での空気を巻き込んだエアレーションジェットの噴流洗浄により、密に柱状部品B1,B2が配置されていてもその隙間に噴流が入り込むからである。なお、メッシュ状のバスケット11については、エアレーションジェット噴流が入り込める隙間を有するものであれば足りる。
回転体6には、洗浄水供給手段D1,D2,D3から供給する洗浄水Wが供給されるとともに(図3の符号6bから洗浄水が供給される。)、圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段E1とも連結されている(図3の符号6aから圧縮エアが供給される。)。これらはバルブBtを切り替えて、洗浄水Wと圧縮エアとを切り替えて各々噴射させる構造である(図4)。なお、図3の符号8は、操作パネル部分である。このように、本実施の形態の蓋体2には、本装置の駆動機構と洗浄水と圧縮エアの供給手段という主な構造が配されている。
本実施の形態のノズルN1は、洗浄水を幅広の偏平噴射流として噴射する平射ノズルを使用している(図5(b)参照)。平射ノズルである第1のノズルN1は、幅方向にほぼ均一な圧力分布で充分な噴射流量をもつ一定の角度に拡がった偏平な液体流を噴射する。ノズルN1としては、直射ノズル他を使用することができる。多数のセットの杵B1と臼B2に噴射するために、各ノズルからの噴射が互いに干渉し合わないようにして噴射力を維持するためには平射ノズルを所定間隔で配置することが望ましい。本実施の形態の管7には、平射ノズルN1が最大15個取り付け可能に構成されている。
前記管7の長さは、前記バスケット11の長さよりも長く構成され、バスケット11の外周側にも前記第1のノズルN1が配されている。バスケット11の外周側の前記第1のノズルN1aは、バスケット11の外周側面側の洗浄液(液面)に直接噴射させると、バスケット11の周囲からも洗浄される。バスケット11は、洗浄槽10に吊り下げられるように配されるために、上記エアレーション効果がバスケット1の下方からも及び、これによりバスケットごと洗浄可能にしている。
洗浄に使用された洗浄液は、循環経路のフィルターで濾過されて再び洗浄水Wとして使用される。また、バスケット11の底面と洗浄槽10の間には一定の隙間が空けてあるので、噴流の反流により柱状部品の下方先端側も洗えるようになる。なお、回転体6の回転は、一方向に限らず、反転させても良い。
また、必要に応じて、洗浄水Wに防錆剤E2を添加して洗浄しても良い。洗浄水Wに防錆剤E2を添加して洗浄すると、杵B1の側面部の洗浄と、杵B1の側面部の防錆剤の付与が同時処理
本実施の形態の高圧水噴射洗浄装置1を使用して実際に打錠機の杵B1と臼B2とのセットを洗浄した。バスケット11には、臼を72個と、杵用144個、これのバスケット11を、装置1の蓋体2を開け、洗浄槽10に配置させた。洗浄槽10内に小型ポンプにより洗浄液を定量供給して、供給バルブを開いて温水を供給した。すなわち、液温が60℃以下にならないようにヒータ12をONにして洗浄水Wの温度が60℃以下にならないようにした。
洗浄槽10の液面は、液面センサS1による検知で停止させた。そして、循環ポンプP1にて洗浄槽10の洗浄水Wを循環させた。
次に、第1のノズルN1をモータMで回転させながら洗浄水Wを噴射させた。第1のノズルN1からは0.7MPaの高圧水を噴射させた。そして、第1のノズルN1から気中噴射により洗浄液を噴射させた気中洗浄により垂直立設姿勢の杵B1の上方先端の付着物に向けてこれを除去した。第1のノズルN1からは、洗浄水Wに空気を巻き込むエアレーション噴流も生じさせるので、柱状部品である杵B1と臼B2の側面部の浸漬部分Wも洗浄した。
次に、冷水(例えば20℃)を洗浄槽10に供給し、液面センサS1で液面高さを検知した。次に、洗浄用ポンプと同じポンプで循環させてリンス洗浄を行った。定時間リンスの後に排水した。これを数回繰り返した。次に、バルブを切り替えてノズルN1からエアブローを供給した。次に、洗浄槽10の底部のヒータ12もONとし、ファン循環させることとし、熱風乾燥になるようにした。次に、ノズルN1からのエアブローで杵B1と臼B2を冷却した。洗浄後は、蓋体2を開ける杵B1と臼B2の入ったバスケット11を取出した。
このように洗浄された杵B1の先端(上杵と下杵のいずれの先端)の圧刻印部分に薬剤の粉は残っていなかった。また、杵B1と臼B2の側面部分にも薬剤の粉や潤滑油は残っていなかった。
2 蓋体、
3 装置本体、
4 洗浄槽、
6 回転体、
7 管、
10 洗浄槽、
11 バスケット、
12 ヒータ、
B1,B2 柱状部品、B1 杵、B2 臼、
N1 ノズル(第1のノズル)、
N1a,N1b 高さ位置の異なる第1のノズル、
N2 第2のノズル、
W 洗浄水
Claims (8)
- 洗浄槽と、当該洗浄槽よりも上方に配された回転体と、当該回転体と共に水平回転する所定形状の管と、当該管に配されて高圧水を噴射する多数のノズルが備わっている高圧水噴射洗浄装置を用いて、柱状部品を前記洗浄槽内に直立姿勢で多数整列させて当該柱状部品を洗浄する高圧水噴射洗浄方法であって、前記柱状部品は刻印が付設されている先端部を気中に露出させながらそれ以外は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とし、駆動手段によって前記管を水平回転させながら、洗浄水供給手段によって前記ノズルから高圧水を噴射し、前記ノズルが前記先端部と対応する位置となったときは当該先端部に向けて洗浄水を噴射させることで当該先端部を洗浄し、かつ、前記ノズルが前記洗浄槽の液面と対応する位置となったときは当該洗浄槽の液面に向けて洗浄水を噴射させることでエアレーション噴流を生じさせて前記柱状部品の前記洗浄槽の液中に浸漬させた部位の汚れを除去することを特徴とする高圧水噴射洗浄方法。
- 洗浄槽と、当該洗浄槽内に配されたメッシュ状のバスケットと、当該バスケットよりも上方に配された回転体と、当該回転体と共に水平回転する所定形状の管と、当該管に配されて高圧水を噴射する多数のノズルが備わっている高圧水噴射洗浄装置を用いて、杵と臼からなる柱状部品を前記バスケットに直立姿勢で多数整列させて当該柱状部品を洗浄する高圧水噴射洗浄方法であって、前記バスケットはその底部を前記洗浄槽の底部から離して配置し、前記杵はその先端部を気中に露出させながらそれ以外は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とするとともに、前記臼は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とし、駆動手段によって前記管を水平回転させながら、洗浄水供給手段によって前記ノズルから高圧水を噴射し、前記ノズルが前記先端部と対応する位置となったときは当該先端部に向けて洗浄水を噴射させることで当該先端部を洗浄し、かつ、前記ノズルが前記洗浄槽の液面と対応する位置となったときは当該洗浄槽の液面に向けて洗浄水を噴射させることでエアレーション噴流を生じさせて前記柱状部品の前記洗浄槽の液中に浸漬させた部位の汚れと前記臼の汚れを除去することを特徴とする高圧水噴射洗浄方法。
- 洗浄槽と、当該洗浄槽よりも上方に配された回転体と、当該回転体と共に水平回転する所定形状の管と、当該管に配されて高圧水を噴射する多数のノズルと、それらを上から覆う蓋体が備わっており、柱状部品を前記洗浄槽内に直立姿勢で多数整列させて当該柱状部品を洗浄する構成とされ、前記柱状部品は刻印が付設されている先端部を気中に露出させながらそれ以外は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とし、駆動手段によって前記管を水平回転させながら、洗浄水供給手段によって前記ノズルから高圧水を噴射し、前記ノズルが前記先端部と対応する位置となったときは当該先端部に向けて洗浄水を噴射させることで当該先端部を洗浄し、かつ、前記ノズルが前記洗浄槽の液面と対応する位置となったときは当該洗浄槽の液面に向けて洗浄水を噴射させることでエアレーション噴流を生じさせて前記柱状部品の前記洗浄槽の液中に浸漬させた部位の汚れを除去することを特徴とする高圧水噴射洗浄装置。
- 洗浄槽と、当該洗浄槽内に配されたメッシュ状のバスケットと、当該バスケットよりも上方に配された回転体と、当該回転体と共に水平回転する所定形状の管と、当該管に配されて高圧水を噴射する多数のノズルと、それらを上から覆う蓋体が備わっており、杵と臼からなる柱状部品を前記バスケットに直立姿勢で多数整列させて当該柱状部品を洗浄する構成とされ、前記バスケットはその底部を前記洗浄槽の底部から離して配置し、前記杵はその先端部を気中に露出させながらそれ以外は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とするとともに、前記臼は前記洗浄槽の液中に浸漬させて配列した状態とし、駆動手段によって前記管を水平回転させながら、洗浄水供給手段によって前記ノズルから高圧水を噴射し、前記ノズルが前記先端部と対応する位置となったときは当該先端部に向けて洗浄水を噴射させることで当該先端部を洗浄し、かつ、前記ノズルが前記洗浄槽の液面と対応する位置となったときは当該洗浄槽の液面に向けて洗浄水を噴射させることでエアレーション噴流を生じさせて前記柱状部品の前記洗浄槽の液中に浸漬させた部位の汚れと前記臼の汚れを除去することを特徴とする高圧水噴射洗浄装置。
- 前記管は棒形状であり、前記ノズルは平射ノズルであり、隣接しているノズル同士が互いに噴射の干渉が生じないように前記管に所定間隔で配されていることを特徴とする請求項3または4記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記ノズルのうち、周回することで前記先端部の真上となるノズルは、それ以外のノズルよりもその高さ位置が高く設定されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記ノズルを第1のノズルとし、前記回転体の外周には水平方向に向けて第2のノズルが配されており、当該第2のノズルからも高圧水を噴射する構成となっていることを特徴とする請求項3または4記載の高圧水噴射洗浄装置。
- 前記管は、前記洗浄水供給手段と連結されるとともに、圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段とも連結されており、前記洗浄水と前記圧縮エアとを切り替えて各々噴射させる構成となっていることを特徴とする請求項3または4記載の高圧水噴射洗浄装置。
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