JP2012007894A - 複合センサー素子、複合センサー、および、複合センサー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一つのセンサーで回転角速度および加速度などの力の検出が可能で、且つ、構造が簡素で応答速度の速い複合センサー素子、それを用いた複合センサー、および、それを用いた複合センサー装置を提供する。
【解決手段】複合センサー素子1は、支持部12、および、駆動電極15a,15bが設けられた振動腕13,14を有するジャイロ振動片10と、基部3および錘部5が弾性を有する梁部により接続された質量部2と、を備えている。ジャイロ振動片10は、振動腕14と、錘部5との対向する主面5aとが、間隙(g)を空けて略平行に片持ち支持された態様で質量部2上に接合部材96を介して接合されている。複合センサー20は、パッケージ30内に複合センサー素子1が接合され、パッケージ30上にはシールリング39を介してリッド40が接合されている。パッケージ30とリッド40により形成された内部空間Tには気体が充填されている。
【選択図】図5
【解決手段】複合センサー素子1は、支持部12、および、駆動電極15a,15bが設けられた振動腕13,14を有するジャイロ振動片10と、基部3および錘部5が弾性を有する梁部により接続された質量部2と、を備えている。ジャイロ振動片10は、振動腕14と、錘部5との対向する主面5aとが、間隙(g)を空けて略平行に片持ち支持された態様で質量部2上に接合部材96を介して接合されている。複合センサー20は、パッケージ30内に複合センサー素子1が接合され、パッケージ30上にはシールリング39を介してリッド40が接合されている。パッケージ30とリッド40により形成された内部空間Tには気体が充填されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、回転角速度および加速度などの力を一つのセンサー素子で検出することが可能な複合センサー素子、それを用いた複合センサー、および、それを用いた複合センサー装置に関し、特に、加速度などの力検出において構造が簡素で応答速度の速い複合センサー素子、それを用いた複合センサー、および、それを用いた複合センサー装置に関する。
近年、自動車などの走行制御は、車両の回転角速度、前後加速度、横加速度に基づいて行われることが多く、これらの情報を得るために、各車両に、回転角速度センサーや加速度センサーが搭載されている。このような回転角速度センサーや加速度センサーには、従来より、圧電振動片(圧電振動素子)を回転角速度センサー素子や加速度センサー素子として利用したものが知られている。
例えば、回転角速度センサー素子として、所謂音叉型の圧電振動片(ジャイロ振動片)が広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載のジャイロ振動片は、水晶からなる支持部(基部)と、支持部の一端部から二股に分かれて平行に延出され一対の駆動部としての振動腕とを含む。各振動腕の第1表面には振動腕を励振する駆動電圧を供給する駆動電極(励振電極)が設けられ、第1表面と直交する側面には検出電極が設けられている。そして、駆動電極に駆動信号(励振信号)を印加することにより、振動腕を振動させることができる。ここで、この振動片に駆動信号を印加して振動腕を第1表面に沿った方向に振動(面内振動)させているときに、振動腕の延在方向の軸を検出軸として回転させると、コリオリの力により振動腕が第1表面と直交する方向に振動(面外振動)する。この面外振動の振幅は振動片の回転速度に比例することから角速度として検出することができる。
また、圧電振動片を力検出センサー素子として用いた加速度センサーは、圧電振動素子に検出軸方向の力が作用すると、圧電振動素子の共振周波数が変化し、この共振周波数の変化から加速度センサーに印加される加速度を検出するように構成されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載の力検出センサー(加速度検知ユニット)は、矩形状の構造体と、力検出センサー素子としての応力感応素子(圧電振動片)と、を備えている。矩形状の構造体は、直方体状の固定部材と、直方体状の可動部材と、固定部材と可動部材とによって両端部を夫々支持された二本の平行な長尺梁と、それらの長尺梁の中間部により両端部を固定され、且つ各長尺梁と直交する方向へ延びる短尺梁と、を備えている。固定部材及び可動部材の夫々の一方の上面は、同一平面上に構成されている。二本の長尺梁の端縁であって固定部材寄りの上下面の対向する位置に、夫々くびれ部を備えている。加速度αが加速度検出軸方向から構造体に印加されると、くびれ部を支点として各長尺梁が撓むように構成されている。また、応力感応素子は、2つの応力感応部と、それらの応力感応部を挟むよう応力感応部と連結した2つの固定端と、を備えている。
このような構成の加速度検知ユニットに加速度検出軸の+方向(+Z方向)の加速度αを印加すると、慣性力により可動部材は加速度αの方向とは逆の加速度検出軸の−方向(−Z軸方向)に力を受け、矩形状の構造体の各長尺梁のくびれ部を支点として撓む(屈曲する)。このように各長尺梁が撓むことにより、可動部材に接合された応力感応素子の固定端を介して、応力感応部には伸張応力が加わり、応力感応素子の共振周波数が変化する。この応力感応素子の周波数の変化より、印加された加速度の大きさと方向を求めることができる。
このような構成の加速度検知ユニットに加速度検出軸の+方向(+Z方向)の加速度αを印加すると、慣性力により可動部材は加速度αの方向とは逆の加速度検出軸の−方向(−Z軸方向)に力を受け、矩形状の構造体の各長尺梁のくびれ部を支点として撓む(屈曲する)。このように各長尺梁が撓むことにより、可動部材に接合された応力感応素子の固定端を介して、応力感応部には伸張応力が加わり、応力感応素子の共振周波数が変化する。この応力感応素子の周波数の変化より、印加された加速度の大きさと方向を求めることができる。
しかしながら、車両において、センサーの搭載スペースは限られており、できるだけ小さな空間内にセンサーを収容したいという要求があるのに対して、従来では、角速度センサーと加速度などの力検出センサーが別々の構成となっていることから、2つのセンサーの搭載スペースが必要となり、車両内部におけるセンサー搭載スペースの占有体積が大きくなるという課題があった。
また、特許文献2に開示されている加速度検知ユニットのような従来の加速度センサー装置では、周波数変化型のセンサーであることからデジタル出力のためノイズが少ないという利点はあるものの、ゲートタイムの幅内で周波数をカウントする必要があるために、応答時間が遅く、消費電流が大きくなるという問題点があった。また、周波数をカウントするにはマスタークロックが必要であり、加速度検知装置が大きくなるという欠点があった。
また、特許文献2に開示されている加速度検知ユニットのような従来の加速度センサー装置では、周波数変化型のセンサーであることからデジタル出力のためノイズが少ないという利点はあるものの、ゲートタイムの幅内で周波数をカウントする必要があるために、応答時間が遅く、消費電流が大きくなるという問題点があった。また、周波数をカウントするにはマスタークロックが必要であり、加速度検知装置が大きくなるという欠点があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例にかかる複合センサー素子は、支持部と、前記支持部と一体形成され駆動電極が設けられた駆動部、および、検出電極が設けられた検出部と、を有するジャイロ振動片と、基部と、錘部と、一端部が前記基部から延出され他端部が前記錘部に接続された梁部と、を有する質量部と、を備え、前記ジャイロ振動片の少なくとも前記駆動部と、前記錘部との対向する主面が間隙を空けて略平行に配置されるように前記基部上に前記支持部が接合されることにより、前記質量部上に前記ジャイロ振動片が片持ち支持されたことを特徴とする。
このような構成の複合センサー素子によれば、駆動部および検出部により周知の振動ジャイロの動作原理により複合センサー素子に加わった回転角速度を検出することができるとともに、複合センサー素子に加わった加速度などの力を検出することができるので、1チップで回転角速度および加速度などの力の検出ができる複合センサーを提供することができる。このうち、加速度などの力の検出は、気体雰囲気中において複合センサー素子に力が加わったときに、その加わる力により質量部の錘部に変位が生じることによって振動片と錘部との間隙が狭まって気体の抵抗が増加するために、振動片の電気的等価抵抗CI値が変化することを利用して、そのCI値の変化から印加された力を求めることができる。このように、CI値の変化から印加された力を求めるので、デジタル方式の加速度センサーに比べ、応答時間(測定時間)が速いという効果がある。
また、質量部上にジャイロ振動片を搭載することにより複合センサー素子を実現しているため、構造が簡素であり、低コストにできるという利点がある。その上、加速度などの力検出には周波数を測定するカウンターも必要なく、測定も間欠測定でよいので、消費電流も小さく、小型にできるという効果がある。
また、ジャイロ振動片の固定は支持部側のみの片側固定でよいため、周囲の温度変化による熱膨張の影響が少ないため、検出精度が高いという利点がある。
また、質量部上にジャイロ振動片を搭載することにより複合センサー素子を実現しているため、構造が簡素であり、低コストにできるという利点がある。その上、加速度などの力検出には周波数を測定するカウンターも必要なく、測定も間欠測定でよいので、消費電流も小さく、小型にできるという効果がある。
また、ジャイロ振動片の固定は支持部側のみの片側固定でよいため、周囲の温度変化による熱膨張の影響が少ないため、検出精度が高いという利点がある。
〔適用例2〕上記適用例にかかる複合センサー素子において、前記ジャイロ振動片が、圧電体材料を用いて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、従来より振動片の材料として広く用いられている圧電体材料を用いることによって、周知の原理やノウハウを活かして高性能な圧電振動片をジャイロ振動片として複合センサー素子に搭載することができるので、検出精度の高い複合センサー素子を提供することができる。
〔適用例3〕上記適用例にかかる複合センサー素子において、前記圧電体材料として水晶が用いられていることを特徴とする。
この構成によれば、ジャイロ振動片などの圧電振動片の材料として最も広く使われている水晶を用いることにより、既存の圧電振動片の製造設備を利用して、優れた発振特性を有し機械的強度の高い水晶振動片を複合センサー素子に搭載することができるので、低コストで、検出精度、および、機械的強度の高い複合センサー素子を提供することができる。
〔適用例4〕上記適用例にかかる複合センサー素子において、前記ジャイロ振動片が、前記支持部と、前記支持部の一端から平行に延びる一対の振動腕と、を有する音叉型の振動片であり、一対の前記振動腕のうち少なくとも一方が前記駆動部を構成することを特徴とする。
この構成のように、ジャイロ振動片として音叉型の例えば圧電振動片を用いることにより、フォトリソグラフィー技術とエッチング手法を用いた従来の製造ラインが適用できるので、製造設備を増設することなく現在生産されているジャイロ振動片が適用できることから、低コスト化が図られるという利点がある。また、音叉型の圧電振動片のような屈曲振動モードの振動片は、上記構成の複合センサー素子の、特に加速度などの力の検出において、周辺雰囲気の気体の粘性の影響を受けやすいので、CI値の変化が大きくなり、力の検出感度が良くなるという効果がある。
〔適用例5〕上記適用例にかかる複合センサー素子において、前記ジャイロ振動片が、中央に配置された基部と、前記基部の両端部から延出する一対の前記検出部としての検出用振動腕と、前記基部から前記検出用振動腕と直交する向きに延出する一対の連結腕と、前記各連結腕の先端部から前記検出用振動腕と平行に両側へ延出する各一対の前記駆動部としての駆動用振動腕と、前記基部に梁で連結された前記支持部と、を備えていることを特徴とする。
このように、基部から延出された一対の検出部としての検出用振動腕と、その検出用振動腕の両側に平行に配置される各一対の駆動部としての駆動用振動腕を有し、さらに、基部に連結された梁を介して支持部で支持することにより、支持部への振動漏れを抑制しながらより高精度に回転角速度を検出できるとともに、二対の駆動用振動腕のうちの少なくとも一つを利用して、CI値の変化を利用して加速度などの力の検出を行うことが可能な複合センサーを構成できるという効果がある。
〔適用例6〕上記適用例にかかる複合センサー素子において、前記ジャイロ振動片の、前記錘部と対向する側の主面の表面が粗面化されていることを特徴とする。
この構成によれば、上記適用例の複合センサーの動作原理のうち、加速度などの力検出において、複合センサー素子に加えられた力に対するCI値の変化が大きくなることにより、力検出の感度を向上させることができる。
〔適用例7〕本適用例にかかる複合センサーは、上記適用例に記載の複合センサー素子と、前記複合センサー素子を収容するパッケージと、を備え、前記パッケージ内に気体が充填されていることを特徴とする。
この構成によれば、上記適用例の複合センサー素子を気体中に配置して、複合センサーに加わる回転角速度を検出するとともに、複合センサーに加わる加速度などの力により変化する振動片の電気的等価抵抗CI値を利用して加速度などの力を検出するパッケージタイプの複合センサーを提供することができる。この複合センサーは、CI値の変化から印加された力を求めるので、デジタル方式の加速度センサーに比べ、応答時間(測定時間)が速いという効果がある。また、構造が簡素であり、低コストにできるという利点があるとともに、周波数を測定するカウンターも必要なく、測定も間欠測定でよいので、消費電流が小さく、小型にできるという効果がある。
〔適用例8〕本適用例にかかる複合センサー装置は、上記適用例に記載の複合センサーと、発振回路と、フィルター回路と、整流回路と、積分回路と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
この構成によれば、低コストで、応答時間(測定時間)が速く、消費電流が小さく、小型の複合センサー装置ができるという効果がある。また、周囲の温度変化による熱膨張の影響が小さいため、検出精度が高い複合センサー装置ができるという利点がある。
以下、本発明の複合センサー素子、および、それを用いた複合センサーの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔複合センサー素子〕
まず、複合センサー素子について説明する。図1(a)は、複合センサー素子1の構成を示す概略平面図であり、同図(b)は、(a)の矢印Sの方向からみた概略側面図である。また、図2および図3は、複合センサー素子1のジャイロ振動片の一実施形態を説明するものであり、図2は一方の主面側からみた模式平面図、図3(a)は、図2のE−E線概略断面図、(b)は、F−F線概略断面図である。また、図4(a)は、複合センサー素子1に備わる質量部2を詳細に説明する平面図であり、同図(b)は、(a)の矢印S´の方向からみた側面図である。
図1に示すように、複合センサー素子1は、錘部5を有する質量部2と、その質量部2上に片持ち支持された態様で接合されたジャイロ振動片10と、を備えている。
まず、複合センサー素子について説明する。図1(a)は、複合センサー素子1の構成を示す概略平面図であり、同図(b)は、(a)の矢印Sの方向からみた概略側面図である。また、図2および図3は、複合センサー素子1のジャイロ振動片の一実施形態を説明するものであり、図2は一方の主面側からみた模式平面図、図3(a)は、図2のE−E線概略断面図、(b)は、F−F線概略断面図である。また、図4(a)は、複合センサー素子1に備わる質量部2を詳細に説明する平面図であり、同図(b)は、(a)の矢印S´の方向からみた側面図である。
図1に示すように、複合センサー素子1は、錘部5を有する質量部2と、その質量部2上に片持ち支持された態様で接合されたジャイロ振動片10と、を備えている。
<ジャイロ振動片>
ジャイロ振動片(角速度検出片)10は、例えば、圧電体材料を用いて形成することができ、好ましくは、単結晶の圧電体材料で、本実施形態では、圧電体基板として、水晶の単結晶から切り出されたものを使用する。図2において、X方向は水晶のX軸(電気軸)、Y方向は水晶のY軸(機械軸)、Z方向は水晶のZ軸(光軸)を示している。
図2において、ジャイロ振動片10は、略矩形状の支持部12と、この支持部12の一端側から二股に別れて互いに平行に延出する一対の駆動部としての振動腕13,14と、を備えた所謂音叉型の外形を有して形成されている。このような圧電体基板の音叉状の外形は、例えば水晶ウエハーなどの圧電体基板材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
ジャイロ振動片(角速度検出片)10は、例えば、圧電体材料を用いて形成することができ、好ましくは、単結晶の圧電体材料で、本実施形態では、圧電体基板として、水晶の単結晶から切り出されたものを使用する。図2において、X方向は水晶のX軸(電気軸)、Y方向は水晶のY軸(機械軸)、Z方向は水晶のZ軸(光軸)を示している。
図2において、ジャイロ振動片10は、略矩形状の支持部12と、この支持部12の一端側から二股に別れて互いに平行に延出する一対の駆動部としての振動腕13,14と、を備えた所謂音叉型の外形を有して形成されている。このような圧電体基板の音叉状の外形は、例えば水晶ウエハーなどの圧電体基板材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
振動腕13,14には、それぞれの支持部12との付け根13a,14aの近傍にあって長さ方向(図中Y方向)に延びる溝23,23が形成されている。これらの溝23,23は、図3(a)に示すように、振動腕13(14)の表裏に同様の形状となるように形成されている。
また、各溝23,23には、それらの略全長にわたって、ジャイロ振動片10に駆動電圧を印加するための駆動用の電極である駆動電極15a,15bが形成されている。具体的には、各溝23の側壁と、各側壁に近接した振動腕13,14各々の側壁とで互いに対の異極となる駆動電極15a,15bが形成されている。
駆動電極15a,15bは、支持部12の例えば長さ方向(図中Y方向)の中央付近で、幅方向(図中X方向)の両端にそれぞれ設けられた外部接続電極17a,17bに接続されている。
また、本実施形態のジャイロ振動片10の支持部の長さ方向の中心付近で、幅方向の両端には切欠き部28,28が形成されている。この切欠き部28,28により、振動腕13,14からの振動の支持部12側への漏れ込みを抑制できるようになっている。
また、各溝23,23には、それらの略全長にわたって、ジャイロ振動片10に駆動電圧を印加するための駆動用の電極である駆動電極15a,15bが形成されている。具体的には、各溝23の側壁と、各側壁に近接した振動腕13,14各々の側壁とで互いに対の異極となる駆動電極15a,15bが形成されている。
駆動電極15a,15bは、支持部12の例えば長さ方向(図中Y方向)の中央付近で、幅方向(図中X方向)の両端にそれぞれ設けられた外部接続電極17a,17bに接続されている。
また、本実施形態のジャイロ振動片10の支持部の長さ方向の中心付近で、幅方向の両端には切欠き部28,28が形成されている。この切欠き部28,28により、振動腕13,14からの振動の支持部12側への漏れ込みを抑制できるようになっている。
また、支持部12には、各振動腕13,14に対応して、例えば、各振動腕13,14を長さ方向(Y方向)に支持部12側に向かって延長した領域に検出電極27a,27bが設けられている。本実施形態では、図2および図3(b)に示すように、振動腕13,14の間の股部24から所定の距離だけ離間させて支持部12の各振動腕13,14を長さ方向に延長した領域に、それぞれY方向に延びる各一対の検出用溝26,26,26,26が形成されている。図3(b)に示すように、支持部12の検出用溝26,26は、支持部12の表面と裏面に同様の構成でそれぞれ形成されている。そして、これら各一対の検出用溝26,26において、圧電体材料(水晶)を挟んで対向する壁面に検出電極27a,27bが形成されている。検出電極27a,27bは、互いに異極となるように設けられている。なお、このような検出電極27a,27bは、検出用溝26を形成せずに支持部12の表面に設けても、検出電極27aと検出電極27bとの間で電界が形成されるので信号検出を行うことができる。しかしながら、図3(b)に示すように、各振動腕13,14ごとに一対の検出用溝26,26,26,26を形成して、そこに検出電極27a,27bを設けることにより、支持部12を構成する水晶(圧電体基板)の表面もしくは裏面において電界が形成されるだけでなく、検出用溝26の厚み方向にわたっても検出電極27a,27bの間で矢印に示すように電界が形成され、検出信号を得るための電界効率が向上し、検出効率を高めることができるので好ましい。なお、支持部12に形成する検出電極27a,27bと、これを形成するための検出用溝26,26は、支持部12の表面もしくは裏面のいずれか一方に形成する構成としてもよい。
また、支持部12の、例えば、振動腕13,14の付け根13a,14aとは反対側の端部近傍には、各検出電極27a,27bからの電圧を外部に出力する引き出し電極18a,18b,18a,18bが設けられ、対応する検出電極27a,27b,27a,27bに接続されている。
上記した駆動電極15a,15b、検出電極27a,27b、外部接続電極17a,17b、引き出し電極18a,18bなどの電極や、それらを接続する配線は、水晶をエッチングしてジャイロ振動片10の外形を形成した後で、例えば、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に、蒸着またはスパッタリングにより例えば金(Au)による電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィーを用いてパターニングすることにより形成することができる。
上記した駆動電極15a,15b、検出電極27a,27b、外部接続電極17a,17b、引き出し電極18a,18bなどの電極や、それらを接続する配線は、水晶をエッチングしてジャイロ振動片10の外形を形成した後で、例えば、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に、蒸着またはスパッタリングにより例えば金(Au)による電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィーを用いてパターニングすることにより形成することができる。
なお、ジャイロ振動片10の振動腕13,14のうち、加速度などの力検出に供する振動腕14において、質量部2の錘部5と対向する側の主面の表面を、化学的あるいは機械的な方法を用いて粗面化しておくことが、後述する質量部2上にジャイロ振動片10を接合して構成した複合センサーの動作原理において、複合センサーに加えられた力に対するCI値の変化を大きくしてセンサーの感度を向上させることができるので好ましい。
<質量部>
質量部2は、図4に示すように、基部3と、錘部5と、一端が基部3の一端部から延出され他端が錘部5の一端部に接続される梁部4とが、同一材料により一体形成されたものである。
基部3は、複合センサー素子1を例えばパッケージ内に固定する際の固定部分になるとともにジャイロ振動片10が接合される部分であり、ジャイロ振動片10が接合される領域(図中上側の面の一領域)に振動片接続端子7および振動片接続端子8が設けられている。本実施形態では、振動片接続端子7が、ジャイロ振動片10の駆動電極15a,15bから引き出された外部接続電極17a,17bに対応したものであり、振動片接続端子8が、ジャイロ振動片10の検出電極27a,27bから引き出された引き出し電極18a,18bと対応したものである。
質量部2は、図4に示すように、基部3と、錘部5と、一端が基部3の一端部から延出され他端が錘部5の一端部に接続される梁部4とが、同一材料により一体形成されたものである。
基部3は、複合センサー素子1を例えばパッケージ内に固定する際の固定部分になるとともにジャイロ振動片10が接合される部分であり、ジャイロ振動片10が接合される領域(図中上側の面の一領域)に振動片接続端子7および振動片接続端子8が設けられている。本実施形態では、振動片接続端子7が、ジャイロ振動片10の駆動電極15a,15bから引き出された外部接続電極17a,17bに対応したものであり、振動片接続端子8が、ジャイロ振動片10の検出電極27a,27bから引き出された引き出し電極18a,18bと対応したものである。
梁部4は、図4(b)に示すように、基部3や錘部5に比して厚みが薄く形成されているとともに、図4(a)に示すように、狭い幅で細長い形状を有している。また、梁部4は、所定の弾性を有して、且つ、十分な強度を保持しながら錘部5を支持できるように屈曲形状を呈して形成されている。本実施形態では、基部3の一端部である基部側接続端8aから延出された梁部4が、平面視で錘部5の周縁を数周取り囲むような螺旋形状を形成して錘部5の一端部である錘部側接続端8bに接続されている。これにより、梁部4の長さが長く確保されるので、錘部5が、基部3を固定端として、梁部4の弾性(ばね性)により上下方向(質量部2の厚み方向)に可動な状態で支持される。また、本実施形態の質量部2を平面視したときに、梁部4に形成される螺旋形状において、梁部4と基部3との接続部である基部側接続端8a、および、梁部4と錘部5との接続部である錘部側接続端8bの屈曲形状部分は、丸味を帯びた形状に加工されている。これにより、基部3および錘部5の梁部4の付け根に応力が集中して破損するなどの不具合を抑制することができる。なお、本実施形態では、梁部4の屈曲形状部分のうち、特に応力集中が起こり易い基部側接続端8aおよび錘部側接続端8bの屈曲形状部分を丸味を帯びた形状に加工する例を説明したが、これに限らず、梁部4の他の屈曲形状部分についても丸味を帯びた形状を形成すれば、さらに質量部の機械的な強度が向上するので好ましい。
質量部2において、錘部5の両主面のうち、ジャイロ振動片10と対向する一方の主面5a(図1を参照)と、基部3の振動片接続端子7が設けられた側の主面とは、平行に設けられる。本実施形態では、錘部5のジャイロ振動片10と対向する側の主面5aと、基部3の振動片接続端子7が接合される側の主面とは、同一面となっている。また、本実施形態では、梁部4の一方の主面(図4(b)において、上側の面)と、錘部5および基部3の同一面となっている側の主面とについても同一面となっている。この構成により、フォトリソグラフィーやエッチング手法を用いて質量部2を形成するときに、質量部2形成材料の一方の面(上記一方の主面とは異なる他方の主面)の一方向からエッチング加工のみによって質量部2の外形を形成することができるので、製造効率がよいという利点がある。
なお、質量部2の形成材料としては、質量があって、その質量がエージングで変化(経年変化)しない材料が望ましく、例えば、水晶やガラス、あるいはシリコンなどを用いることができる。
なお、質量部2の形成材料としては、質量があって、その質量がエージングで変化(経年変化)しない材料が望ましく、例えば、水晶やガラス、あるいはシリコンなどを用いることができる。
<複合センサー素子>
次に、ジャイロ振動片10を備えた複合センサー素子について説明する。
図1において、錘部5の主面5aの法線方向が検出すべき加速度の方向であり、複合センサー素子1は、ジャイロ振動片10が、質量部2の錘部5の主面5aに対して平行、且つ、前記法線方向に対して直交する方向に配置され、接合部材96を介して接合されている。具体的には、ジャイロ振動片10の2つの振動腕のそれぞれが錘部5の主面5aに対して非接触の状態で平行に対面し、且つ、前記法線方向に対して直交する方向に配置されている。そして、ジャイロ振動片10の支持部12において、少なくとも基部3の主面5aと対向する支持部12の一方の主面に外部接続電極17a,17bまたは引き出し電極18a,18bが設けられている。
外部接続電極17a,17b、および、引き出し電極18a,18bは、それぞれに対応して設けられた質量部2の基部3上の振動片接続端子7または振動片接続端子8とに位置合わせされた状態で、例えば導電性接着剤などの導電性および粘性を有する接合部材96により電気的な接続を伴う接合がなされている。これにより、質量部2の錘部5の一方の主面5aと、その一方の主面5aと対向するジャイロ振動片10の振動腕14の面とが間隙gを空けて平行に配置された態様で、質量部2上にジャイロ振動片10が片持ち支持された状態で固定されている。なお、ここで言う平行に片持ち支持された状態とは、ジャイロ振動片10の振動腕と質量部2との対向する面同士が、後述する複合センサーによる力の検出の作用が得られるのに十分なレベルの略均一な間隙gを空けて配置された状態を指すものであり、例えば、±数μmの精度で平行に保たれている状態を言っているものではない。
次に、ジャイロ振動片10を備えた複合センサー素子について説明する。
図1において、錘部5の主面5aの法線方向が検出すべき加速度の方向であり、複合センサー素子1は、ジャイロ振動片10が、質量部2の錘部5の主面5aに対して平行、且つ、前記法線方向に対して直交する方向に配置され、接合部材96を介して接合されている。具体的には、ジャイロ振動片10の2つの振動腕のそれぞれが錘部5の主面5aに対して非接触の状態で平行に対面し、且つ、前記法線方向に対して直交する方向に配置されている。そして、ジャイロ振動片10の支持部12において、少なくとも基部3の主面5aと対向する支持部12の一方の主面に外部接続電極17a,17bまたは引き出し電極18a,18bが設けられている。
外部接続電極17a,17b、および、引き出し電極18a,18bは、それぞれに対応して設けられた質量部2の基部3上の振動片接続端子7または振動片接続端子8とに位置合わせされた状態で、例えば導電性接着剤などの導電性および粘性を有する接合部材96により電気的な接続を伴う接合がなされている。これにより、質量部2の錘部5の一方の主面5aと、その一方の主面5aと対向するジャイロ振動片10の振動腕14の面とが間隙gを空けて平行に配置された態様で、質量部2上にジャイロ振動片10が片持ち支持された状態で固定されている。なお、ここで言う平行に片持ち支持された状態とは、ジャイロ振動片10の振動腕と質量部2との対向する面同士が、後述する複合センサーによる力の検出の作用が得られるのに十分なレベルの略均一な間隙gを空けて配置された状態を指すものであり、例えば、±数μmの精度で平行に保たれている状態を言っているものではない。
このような構成を有する複合センサー素子1において、質量部2の錘部5に主面5aと直交するZ軸方向の力(F)が作用すると、その力の作用を受けて、基部3から延出され螺旋形状を形成して錘部5に接続された梁部4がその弾性(ばね性)により撓む。すると、ジャイロ振動片10の振動腕14の裏面(錘部5の一方の主面5aと対向する面)と、錘部5の主面5aとの間隙gが変化して、ジャイロ振動片10の電気的等価抵抗が変化する。本実施形態の複合センサー素子1を用いた複合センサーは、この原理を利用して力検出するものである(詳細は後述する)。
上記本実施形態の複合センサー素子1のように、ジャイロ振動片10として音叉型のジャイロ振動片10を用いることにより、フォトリソグラフィー技術とエッチング手法を用いた従来の製造ラインが適用できるので、製造設備を増設する必要がないなどジャイロ振動片10の製造の低コスト化が図られるという利点がある。また、音叉型のジャイロ振動片10が呈する屈曲振動は気体の粘性の影響を受けやすいので、CI値の変化がおおきく、加速度などの力の検出感度が良くなるという効果がある。
〔複合センサー〕
次に、上記複合センサー素子1を用いた複合センサーについて、図面を参照しながら説明する。
図5(a)は、複合センサーの一実施形態を上側からみて説明する概略平面図、(b)は、同図(a)のA−A線概略断面図である。なお、図5(a)では、複合センサーの内部の構造を説明する便宜上、パッケージ30の上部に接合されるリッド40(同図(b)を参照)を取り外した状態を図示している。
図5において、複合センサー20は、上記に説明した複合センサー素子1と、その複合センサー素子1を収容するパッケージ30と、パッケージ30上に接合される蓋体としてのリッド40と、を有している。
次に、上記複合センサー素子1を用いた複合センサーについて、図面を参照しながら説明する。
図5(a)は、複合センサーの一実施形態を上側からみて説明する概略平面図、(b)は、同図(a)のA−A線概略断面図である。なお、図5(a)では、複合センサーの内部の構造を説明する便宜上、パッケージ30の上部に接合されるリッド40(同図(b)を参照)を取り外した状態を図示している。
図5において、複合センサー20は、上記に説明した複合センサー素子1と、その複合センサー素子1を収容するパッケージ30と、パッケージ30上に接合される蓋体としてのリッド40と、を有している。
パッケージ30は、平板状の第1層基板31上に、矩形環状の第2層基板32が積層されて構成されることにより、上面側に開口部を有した凹部が形成されている。パッケージ30の材質としては、例えば、セラミック、ガラスなどを用いることができる。
パッケージ30の凹部の凹底部分となる第1層基板31上には、複合センサー素子1が接合される複数の素子接続端子35が設けられている。また、図示はしないが、パッケージ30の外底面となる第1層基板31の外底面には、複合センサーを外部基板に接合する際に用いる外部実装端子が設けられている。このように、パッケージ30に設けられた上記の各種端子は、対応する端子どうしが、図示しない引き回し配線やスルーホールなどの層内配線により電気的に接続されている。
パッケージ30の凹部の凹底部分となる第1層基板31上には、複合センサー素子1が接合される複数の素子接続端子35が設けられている。また、図示はしないが、パッケージ30の外底面となる第1層基板31の外底面には、複合センサーを外部基板に接合する際に用いる外部実装端子が設けられている。このように、パッケージ30に設けられた上記の各種端子は、対応する端子どうしが、図示しない引き回し配線やスルーホールなどの層内配線により電気的に接続されている。
パッケージ30の凹部には、複合センサー素子1が接合されている。具体的には、複合センサー素子1の質量部2の基部3に設けられた図示しない外部接続電極と、パッケージ30の凹部に設けられた素子接続端子35とが位置合わせされ、例えば銀ペーストなどの導電性の接合部材96により接合されるとともに、電気的に接続されている。これにより、複合センサー素子1が、パッケージ30内において、凹部の凹底部分となる第1層基板31との間に間隙を空けながら、質量部2の錘部5側を自由端として片持ち支持された態様で固定される。
図5(b)に示すように、複合センサー素子1が凹部内に接合されたパッケージ30の上端には、蓋体としてのリッド40が配置され、パッケージ30の開口部を封鎖している。リッド40の材質としては、例えば、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミックス、あるいはガラスなどを用いることができる。例えば、金属からなるリッド40は、コバール合金などを矩形環状に型抜きして形成されたシールリング39を介してシーム溶接することによりパッケージ30と接合される。
また、複合センサー素子1が凹部内に接合されたパッケージ30上にリッド40を接合することにより形成される内部空間Tは、複合センサー素子1が動作するための空間となり、この内部空間Tには気体が充填されている。内部空間Tに充填される気体は、本発明の複合センサー素子1を用いた複合センサー20に不可欠なものであり、複合センサー素子1の特性の劣化を抑制するとともに安定した内部空間Tの雰囲気を確保するために、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いて内部空間Tを不活性ガス雰囲気にすることが望ましい。
〔複合センサーの動作原理〕
次に、複合センサー20の動作原理について、特に、本発明の複合センサー20の特徴となっているCI(振動子の等価直列抵抗:Crystal Impedance)値の変化を利用した加速度などの力検出の動作原理を中心に説明する。
まず、複合センサー20の動作のうち、角速度センサーとしての動作原理は、ジャイロ振動片としての音叉型のジャイロ振動片10による周知の回転角速度検出の原理により複合センサー素子1に加わる回転角速度を検出することができる。すなわち、ジャイロ振動片振動10が質量部2上に接合された複合センサー素子1を、気体が充填されたパッケージ30内に接合して封止した複合センサー20と、発振回路、フィルター回路、整流回路、積分回路等の所要回路と組み合わせることによって回転角速度検出装置を構築することができる。
次に、複合センサー20の動作原理について、特に、本発明の複合センサー20の特徴となっているCI(振動子の等価直列抵抗:Crystal Impedance)値の変化を利用した加速度などの力検出の動作原理を中心に説明する。
まず、複合センサー20の動作のうち、角速度センサーとしての動作原理は、ジャイロ振動片としての音叉型のジャイロ振動片10による周知の回転角速度検出の原理により複合センサー素子1に加わる回転角速度を検出することができる。すなわち、ジャイロ振動片振動10が質量部2上に接合された複合センサー素子1を、気体が充填されたパッケージ30内に接合して封止した複合センサー20と、発振回路、フィルター回路、整流回路、積分回路等の所要回路と組み合わせることによって回転角速度検出装置を構築することができる。
以上のように構成された複合センサー20による回転角速度検出装置において、発振回路により振動腕13,14に駆動電圧を印加して、図2に示す矢印Gの方向に沿って所謂音叉振動をさせた状態のときに、Y方向回りの回転角速度ωが作用すると、振動腕13,14は、X方向の振動の方向と、回転角速度ωとのベクトル積の方向に働くコリオリの力を受けてYZ平面に沿ってウォーク振動する。このウォーク振動は支持部12に伝えられ、支持部12の応力に基づく逆圧電減少により検出電極27a,27bに電圧が生じる。この電圧は、引き出し電極18a,18bを介して増幅回路に与えられる。増幅回路は、増幅した出力信号を差動回路に与えると、差動回路は検出電極27a,27bからの出力信号の差を取ることで複合センサー20に加わった回転角速度ωによる出力信号を増幅するとともに加速度などの他の力による不要な信号を打ち消す。この差動回路の出力信号は同期検波回路に与えられ、同期検波回路は発振回路から得られる周波数を規準として差動回路からの出力信号を同期検波する。これにより、直流電圧に変換し、不要なノイズを除去して回転角速度ωに対応した電圧を出力する。
このように、本実施形態のジャイロ振動片10を用いた複合センサー20によれば、外部からの駆動電圧が印加されて応力が大きくなる箇所である振動腕13,14の股部24や付け根13a,14aに近い箇所に駆動電極15a,15bが設けられていることにより、ジャイロ振動片10の駆動効率が向上する。また、ジャイロ振動片10の振動腕13,14が外部から加わる力である回転角速度ωに基づいて、屈曲振動を生じる際に大きな応力が加わる支持部12に検出電極27a,27bを設けることにより、検出信号を効率よく取り出して、高精度な回転角速度の検出を行えることを可能にしている。
このように、本実施形態のジャイロ振動片10を用いた複合センサー20によれば、外部からの駆動電圧が印加されて応力が大きくなる箇所である振動腕13,14の股部24や付け根13a,14aに近い箇所に駆動電極15a,15bが設けられていることにより、ジャイロ振動片10の駆動効率が向上する。また、ジャイロ振動片10の振動腕13,14が外部から加わる力である回転角速度ωに基づいて、屈曲振動を生じる際に大きな応力が加わる支持部12に検出電極27a,27bを設けることにより、検出信号を効率よく取り出して、高精度な回転角速度の検出を行えることを可能にしている。
次に、複合センサー20の動作のうち、CI値の変化を利用した加速度などの力検出センサーとしての動作原理について説明する。
ジャイロ振動片10を含めた複合センサー素子1のような一般的な圧電振動子の電気的等価回路は、図6(a)に示すように、モーショナルインダクタンスL1と、モーショナルキャパシタンスC1と、振動損失を表わす抵抗R1との直列接続回路に、静電容量C0が並列接続された回路で示される。また、図6(a)の回路は等価的に、同図(b)に示すように、リアクタンスjXと抵抗Rxとの直列接続回路で表わされ、リアクタンスjXが零となる周波数を共振周波数、そのときの抵抗Rxを電気的等価抵抗と言うのが一般的である。また、抵抗RxをCI(クリスタル・インピーダンス)とも言い、R1とRxは、ほぼ等しい。
ジャイロ振動片10を含めた複合センサー素子1のような一般的な圧電振動子の電気的等価回路は、図6(a)に示すように、モーショナルインダクタンスL1と、モーショナルキャパシタンスC1と、振動損失を表わす抵抗R1との直列接続回路に、静電容量C0が並列接続された回路で示される。また、図6(a)の回路は等価的に、同図(b)に示すように、リアクタンスjXと抵抗Rxとの直列接続回路で表わされ、リアクタンスjXが零となる周波数を共振周波数、そのときの抵抗Rxを電気的等価抵抗と言うのが一般的である。また、抵抗RxをCI(クリスタル・インピーダンス)とも言い、R1とRxは、ほぼ等しい。
図7は、複合センサー素子1を大気中に設置し、ジャイロ振動片10の駆動部としての振動腕13,14のうち駆動振動を行う振動腕14と、質量部2の錘部5との相対面する間隙g(図1(b)を参照)を横軸とし、複合センサー素子1の電気的等価抵抗Rx(CI)を縦軸にした場合、間隙gを変化させたときのCI値の変化を実測し、それをプロットした曲線である。黒菱形◆の曲線は、ジャイロ振動片10の長手方向の長さが2mm(共振周波数が220kH)、白抜き◇の曲線は、長手方向の長さが20mm(共振周波数が40kH)のジャイロ振動片10を用いた場合の、夫々の間隙g対電気的等価抵抗Rx(CI)曲線である。
図7において、間隙gが大きいとき、例えば300μm以上では、ジャイロ振動片10のCI値は、通常用いられる振動片と同様なCI値を呈するが、間隙gが200μm以下になるにつれてCI値は大きくなり、50μm以下では急激に大きくなることが判る。また、長さ2mmのジャイロ振動片10の場合は、間隙gが70μm以下で、間隙gとCI値が略比例関係となる。また、長さ20mmのジャイロ振動片10の場合は、間隙gが200μm以下で間隙gとCI値が双曲線状の関係となる。
図7において、間隙gが大きいとき、例えば300μm以上では、ジャイロ振動片10のCI値は、通常用いられる振動片と同様なCI値を呈するが、間隙gが200μm以下になるにつれてCI値は大きくなり、50μm以下では急激に大きくなることが判る。また、長さ2mmのジャイロ振動片10の場合は、間隙gが70μm以下で、間隙gとCI値が略比例関係となる。また、長さ20mmのジャイロ振動片10の場合は、間隙gが200μm以下で間隙gとCI値が双曲線状の関係となる。
図8は、複合センサー20の動作のうち、加速度などの力センサーとしての動作原理を模式的に説明する図であり、図2に示した複合センサー素子1のX軸方向の部分断面図である。
図8において、ジャイロ振動片10の振動腕14と錘部5との間隙をgとし、錘部5の上面に座標軸X、Y、Zをとる。ジャイロ振動片10と錘部5の空間には気体、例えば、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスが満たされ、振動腕14は速度Uで振動しているとする。間隙gが大きい場合、錘部5に接する気体はその位置を保持しようとするので、気体分子の振動速度(移動速度)は略零である。錘部5と振動腕14との間の気体の剪断変形速度uは、
u=U×z/g (1)
で表わされる(zはZ軸上の位置)。つまり、錘部5からzの位置の気体は、zに比例した速度で錘部5と平行した面内で運動することになる。
また、振動腕14の振動に逆らう力と、錘部5の表面に留まろうとする力とは等しく、いずれも速度Uに比例し、間隙gに反比例する。ここで、気体に接触している単位面積当たりの力τ0は、式(1)を微分し気体の粘性係数μをかけて、
τ0=μ×U/g (2)
で表わすことができる。つまり、間隙gに反比例する。
図8において、ジャイロ振動片10の振動腕14と錘部5との間隙をgとし、錘部5の上面に座標軸X、Y、Zをとる。ジャイロ振動片10と錘部5の空間には気体、例えば、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスが満たされ、振動腕14は速度Uで振動しているとする。間隙gが大きい場合、錘部5に接する気体はその位置を保持しようとするので、気体分子の振動速度(移動速度)は略零である。錘部5と振動腕14との間の気体の剪断変形速度uは、
u=U×z/g (1)
で表わされる(zはZ軸上の位置)。つまり、錘部5からzの位置の気体は、zに比例した速度で錘部5と平行した面内で運動することになる。
また、振動腕14の振動に逆らう力と、錘部5の表面に留まろうとする力とは等しく、いずれも速度Uに比例し、間隙gに反比例する。ここで、気体に接触している単位面積当たりの力τ0は、式(1)を微分し気体の粘性係数μをかけて、
τ0=μ×U/g (2)
で表わすことができる。つまり、間隙gに反比例する。
一般に、ジャイロ振動片10などの圧電振動片を用いる際は、振動エネルギーが気体中へ漏洩するのを防止するため、真空中で用いる場合が多い。本発明は、気体中への振動エネルギーの放出によるジャイロ振動片10のCI変化を利用して、複合センサー(複合センサー20)を構成している。図7に示した間隙g対電気的等価抵抗CI曲線は、大気中でジャイロ振動片10の電気的等価抵抗(CI)の変化を測定した結果を説明したが、上述したとおり、窒素やアルゴンなどの真空状態と比較して粘性を有する不活性ガス中であってもよい。
また、間隙g対CI曲線は直線である場合の方が、力Fを求めるためのデータ処理は容易であるが、曲線であっても間隙g対CI曲線の再現性が良ければ問題とはならない。間隙g対CI曲線を多項式で近似し、多項式の各係数をメモリーに格納し、必要に応じて演算回路からこれらの各係数を参照し、加わる力Fを求めればよい。
また、間隙g対CI曲線は直線である場合の方が、力Fを求めるためのデータ処理は容易であるが、曲線であっても間隙g対CI曲線の再現性が良ければ問題とはならない。間隙g対CI曲線を多項式で近似し、多項式の各係数をメモリーに格納し、必要に応じて演算回路からこれらの各係数を参照し、加わる力Fを求めればよい。
複合センサー20の動作について、さらに具体的に説明する。
複合センサー20においては、予め、複合センサー素子1の形状毎に、間隙gとCI値との関係と、力Fと間隙gとの関係を測定し、データ化しておく。一例として、加速度を測定する場合について説明する。図5の複合センサー20に+Z軸方向(同図(b)において上方向)に加速度αが印加されると、力F(=m×α、質量mはジャイロ振動片10と質量部2との和)が−Z軸方向に働く。この力Fによりジャイロ振動片10の裏面と錘部5の主面5aとの間隙gが狭まる。力Fが加わらないときのジャイロ振動片10のCI値をCI0とし、間隙gをg0とする。力Fが加えられたときのジャイロ振動片10のCI値はCI1となる。予め測定した間隙g対CI値曲線より、CI1に相当する間隙g1を求め、力F対間隙g曲線より、間隙g1に相当する力F1を求める。この力F1より加速度α1が求められる。
また、複合センサー20に+Z軸方向の力Fが加わり、間隙gが広がると、ジャイロ振動片10のCI値は小さくなる。このため+Z軸方向、−Z軸方向双方向の力Fの大きさが求められるように、図7に示す間隙g対CI曲線の適当な位置に間隙gを設定しておく必要がある。
複合センサー20においては、予め、複合センサー素子1の形状毎に、間隙gとCI値との関係と、力Fと間隙gとの関係を測定し、データ化しておく。一例として、加速度を測定する場合について説明する。図5の複合センサー20に+Z軸方向(同図(b)において上方向)に加速度αが印加されると、力F(=m×α、質量mはジャイロ振動片10と質量部2との和)が−Z軸方向に働く。この力Fによりジャイロ振動片10の裏面と錘部5の主面5aとの間隙gが狭まる。力Fが加わらないときのジャイロ振動片10のCI値をCI0とし、間隙gをg0とする。力Fが加えられたときのジャイロ振動片10のCI値はCI1となる。予め測定した間隙g対CI値曲線より、CI1に相当する間隙g1を求め、力F対間隙g曲線より、間隙g1に相当する力F1を求める。この力F1より加速度α1が求められる。
また、複合センサー20に+Z軸方向の力Fが加わり、間隙gが広がると、ジャイロ振動片10のCI値は小さくなる。このため+Z軸方向、−Z軸方向双方向の力Fの大きさが求められるように、図7に示す間隙g対CI曲線の適当な位置に間隙gを設定しておく必要がある。
次に、本実施形態の複合センサー素子1を用いた複合センサー20の効果を述べる。
(1)本実施形態の複合センサー20では、ジャイロ振動片としての音叉型のジャイロ振動片10と、ジャイロ振動片10の駆動部としての振動腕13,14のうち少なくとも駆動部としての振動腕14と間隙gを空けて平行に配置される錘部5を含む質量部2とを有する複合センサー素子1がパッケージ30内に収容され、そのパッケージ30の内部空間Tには気体が充填されている。この構成によれば、複合センサー素子1に加わる回転角速度および加速度などの力を検出することが可能な複合センサー20を提供することができる。すなわち、ジャイロ振動片10の周知の回転角速度検出の原理によって、複合センサー素子1に角速度が加わったときに、検出部としての振動腕13により、質量部2の錘部5の一方の主面5aに平行な方向に回転する角速度を検出するとともに、気体雰囲気中において複合センサー素子1に加速度などの力が加わったときに、その加わる力により質量部2の錘部5に変位が生じることによってジャイロ振動片10と錘部5との間隙が狭まって気体の抵抗が増加するために、ジャイロ振動片10の電気的等価抵抗CI値が変化することを利用して、そのCI値の変化から印加された力を求めることができる。
(2)また、本実施形態の複合センサー20は、ジャイロ振動片10と、ジャイロ振動片10の駆動部としての振動腕14と間隙gを空けて平行に配置される錘部5を含む質量部2とを備えた複合センサー素子1が、パッケージ30内に収容された簡素な構造であり、低コストで製造できるという利点がある。
(3)また、複合センサー20の検出動作のうち、加速度などの力の検出動作は、複合センサー素子1に加わる力により、ジャイロ振動片10と錘部5との間隙が狭まり、気体の抵抗が増加するためにジャイロ振動片10の電気的等価抵抗CI値が変化することを利用し、そのCI値の変化から複合センサー素子1に印加された力を求めるので、応答時間(測定時間)が速いという特徴がある。その上、カウンターも必要なく、測定も間欠動作でよいので、消費電流を低く抑えることができるとともに、小型化が図りやすいという効果を奏する。また、ジャイロ振動片10の固定は片側固定(片持ち支持)でよいことから、周囲の温度変化による熱膨張の影響が少ないため、検出精度が高いという利点がある。
(1)本実施形態の複合センサー20では、ジャイロ振動片としての音叉型のジャイロ振動片10と、ジャイロ振動片10の駆動部としての振動腕13,14のうち少なくとも駆動部としての振動腕14と間隙gを空けて平行に配置される錘部5を含む質量部2とを有する複合センサー素子1がパッケージ30内に収容され、そのパッケージ30の内部空間Tには気体が充填されている。この構成によれば、複合センサー素子1に加わる回転角速度および加速度などの力を検出することが可能な複合センサー20を提供することができる。すなわち、ジャイロ振動片10の周知の回転角速度検出の原理によって、複合センサー素子1に角速度が加わったときに、検出部としての振動腕13により、質量部2の錘部5の一方の主面5aに平行な方向に回転する角速度を検出するとともに、気体雰囲気中において複合センサー素子1に加速度などの力が加わったときに、その加わる力により質量部2の錘部5に変位が生じることによってジャイロ振動片10と錘部5との間隙が狭まって気体の抵抗が増加するために、ジャイロ振動片10の電気的等価抵抗CI値が変化することを利用して、そのCI値の変化から印加された力を求めることができる。
(2)また、本実施形態の複合センサー20は、ジャイロ振動片10と、ジャイロ振動片10の駆動部としての振動腕14と間隙gを空けて平行に配置される錘部5を含む質量部2とを備えた複合センサー素子1が、パッケージ30内に収容された簡素な構造であり、低コストで製造できるという利点がある。
(3)また、複合センサー20の検出動作のうち、加速度などの力の検出動作は、複合センサー素子1に加わる力により、ジャイロ振動片10と錘部5との間隙が狭まり、気体の抵抗が増加するためにジャイロ振動片10の電気的等価抵抗CI値が変化することを利用し、そのCI値の変化から複合センサー素子1に印加された力を求めるので、応答時間(測定時間)が速いという特徴がある。その上、カウンターも必要なく、測定も間欠動作でよいので、消費電流を低く抑えることができるとともに、小型化が図りやすいという効果を奏する。また、ジャイロ振動片10の固定は片側固定(片持ち支持)でよいことから、周囲の温度変化による熱膨張の影響が少ないため、検出精度が高いという利点がある。
〔複合センサー装置〕
次に、複合センサー素子1を用いた複合センサー装置103の一実施形態について図面を参照して説明する。図9は、複合センサー装置103の構成を示すブロック図である。
複合センサー装置103は、上記の複合センサー20と、発振回路160と、フィルター回路162と、整流回路163と、積分回路164と、直流増幅回路165とを、備えている。また、図10(a)〜(e)は、各回路における信号を示す模式図であり、横軸は時間(T)、縦軸は電圧(V)を表わす。
発振回路160は、ジャイロ振動片10を発振させる増幅器のインバーター171,172,173と、抵抗RA,RB,RCを直列に接続した回路からなる抵抗R11と、コンデンサーC11,C22とを有している。インバーター171,172,173の直列接続回路は、複合センサー20のジャイロ振動片10の両端子間に直列に接続されている。
1段目のインバーター171は、入力端子がジャイロ振動片10の一方の端子に接続され、出力端子が2段目のインバーター172の入力端子に接続されている。2段目のインバーター172は、出力端子が3段目のインバーター173の入力端子に接続されている。3段目のインバーター173は、出力端子がジャイロ振動片10の他方の端子に接続されている。
次に、複合センサー素子1を用いた複合センサー装置103の一実施形態について図面を参照して説明する。図9は、複合センサー装置103の構成を示すブロック図である。
複合センサー装置103は、上記の複合センサー20と、発振回路160と、フィルター回路162と、整流回路163と、積分回路164と、直流増幅回路165とを、備えている。また、図10(a)〜(e)は、各回路における信号を示す模式図であり、横軸は時間(T)、縦軸は電圧(V)を表わす。
発振回路160は、ジャイロ振動片10を発振させる増幅器のインバーター171,172,173と、抵抗RA,RB,RCを直列に接続した回路からなる抵抗R11と、コンデンサーC11,C22とを有している。インバーター171,172,173の直列接続回路は、複合センサー20のジャイロ振動片10の両端子間に直列に接続されている。
1段目のインバーター171は、入力端子がジャイロ振動片10の一方の端子に接続され、出力端子が2段目のインバーター172の入力端子に接続されている。2段目のインバーター172は、出力端子が3段目のインバーター173の入力端子に接続されている。3段目のインバーター173は、出力端子がジャイロ振動片10の他方の端子に接続されている。
抵抗R11は、ジャイロ振動片10の両端子の間に接続されている。そして、抵抗R11の端子である抵抗RAの端子は、インバーター171の入力端子に接続されている。抵抗R11の他方の端子である抵抗RCの端子は、インバーター173の出力端子に接続されている。抵抗RAと抵抗RBとの接続中点はインバーター171の出力端子に接続されている。抵抗RBと抵抗RCとの接続中点は、インバーター172の出力端子に接続されている。なお、抵抗R11の他方の端子である抵抗RCの端子と、ジャイロ振動片10の他方の端子との間には、位相制御用の抵抗RDが接続されている。
コンデンサーC11は、インバーター171の入力端子と接地との間に接続されている。コンデンサーC22は、インバーター173の出力端子と接地との間に接続されている。これにより発振回路160は、ジャイロ振動片10を発振させた発振信号OUTをインバーター173の出力端子から出力する。
コンデンサーC11は、インバーター171の入力端子と接地との間に接続されている。コンデンサーC22は、インバーター173の出力端子と接地との間に接続されている。これにより発振回路160は、ジャイロ振動片10を発振させた発振信号OUTをインバーター173の出力端子から出力する。
フィルター回路162は、コンデンサーC3と抵抗R3とを有している。コンデンサーC3は、一方の端子がインバーター171の入力端子及びジャイロ振動片10の一方の端子に接続され、他方の端子が整流回路163のダイオードD1の入力端子に接続されている。抵抗R3は、コンデンサーC3の他方の端子と接地との間に接続されている。
フィルター回路162は、図10(a)に示すように、ジャイロ振動片10の端子のうち、インバーター171の入力端子側に接続された端子から出力された電流としての振動子電流の一部である信号aを入力信号として入力する。
ここで、信号(a)は、直流成分が重畳された正弦波の交流信号である。信号aの振幅(電圧)Vpp1は、CI値の大きさに反比例して変化し、CI値が小さければ振幅Vpp1は大きく出力され、CI値が大きければ振幅Vpp1は小さく出力される。
そして、フィルター回路162は、図10(b)に示すように、この信号aの直流成分を取り除き、信号bとして出力する。
フィルター回路162は、図10(a)に示すように、ジャイロ振動片10の端子のうち、インバーター171の入力端子側に接続された端子から出力された電流としての振動子電流の一部である信号aを入力信号として入力する。
ここで、信号(a)は、直流成分が重畳された正弦波の交流信号である。信号aの振幅(電圧)Vpp1は、CI値の大きさに反比例して変化し、CI値が小さければ振幅Vpp1は大きく出力され、CI値が大きければ振幅Vpp1は小さく出力される。
そして、フィルター回路162は、図10(b)に示すように、この信号aの直流成分を取り除き、信号bとして出力する。
整流回路163は、ダイオードD1を有している。ダイオードD1は、一方の端子がフィルター回路162のコンデンサーC3の他方の端子に接続され、他方の端子が積分回路164の抵抗R4の一方の端子に接続されている。整流回路163は、フィルター回路162が出力した信号bを入力し、図10(c)に示すように、信号bを半端整流した信号cを出力する。
積分回路164は、抵抗R4とコンデンサーC4とを有している。抵抗R4は、一方の端子が整流回路163のダイオードD1の出力端子に接続され、他方の端子が直流増幅回路165の演算増幅器65aの正相入力端子側に接続されている。コンデンサーC4は、抵抗R4の他方の端子と接地との間に接続されている。積分回路164は、整流回路163が出力した信号cを入力し、図10(d)に示すように、信号cを積分した信号dを出力する。
直流増幅回路165は、演算増幅器65aと抵抗R5,R6,R7とを有している。抵抗R5は、一方の端子が積分回路164の抵抗R4の他方の端子に接続され、他方の端子が演算増幅器65aの正相入力端子に接続されている。抵抗R6は、一方の端子が接地され、他方の端子が演算増幅器65aの逆相入力端子に接続されている。抵抗R7は、一方の端子が演算増幅器65aの逆相入力端子に接続され、他方の端子が演算増幅器65aの出力端子に接続されている。
直流増幅回路165は、積分回路164が出力した信号dを入力し、図10(e)に示すように、信号dの電位を増幅し、信号eを出力する(Vout)。
積分回路164は、抵抗R4とコンデンサーC4とを有している。抵抗R4は、一方の端子が整流回路163のダイオードD1の出力端子に接続され、他方の端子が直流増幅回路165の演算増幅器65aの正相入力端子側に接続されている。コンデンサーC4は、抵抗R4の他方の端子と接地との間に接続されている。積分回路164は、整流回路163が出力した信号cを入力し、図10(d)に示すように、信号cを積分した信号dを出力する。
直流増幅回路165は、演算増幅器65aと抵抗R5,R6,R7とを有している。抵抗R5は、一方の端子が積分回路164の抵抗R4の他方の端子に接続され、他方の端子が演算増幅器65aの正相入力端子に接続されている。抵抗R6は、一方の端子が接地され、他方の端子が演算増幅器65aの逆相入力端子に接続されている。抵抗R7は、一方の端子が演算増幅器65aの逆相入力端子に接続され、他方の端子が演算増幅器65aの出力端子に接続されている。
直流増幅回路165は、積分回路164が出力した信号dを入力し、図10(e)に示すように、信号dの電位を増幅し、信号eを出力する(Vout)。
複合センサー装置103は、上記のような回路構成によって、複合センサーに加わった加速度などの力に伴う振動片1の振動腕14と質量部2の錘部5との間隙g(図1を参照)の変化に応じ、ジャイロ振動片10のCI値の変化に基づいた信号eの電位を検出することにより、複合センサー装置103に加えられる力を検出することができる。なお、信号eの電位の検出は、数msで行うことができる。
なお、図9に示した複合センサー装置103のブロック図は、一例であり、発振回路160の増幅器が3段の例を用いて説明したが、1段でもよく、段数は、発振回路160の設計条件に応じて適宜設定すればよい。
また、直流増幅回路165は必ずしも必要ではない。
なお、図9に示した複合センサー装置103のブロック図は、一例であり、発振回路160の増幅器が3段の例を用いて説明したが、1段でもよく、段数は、発振回路160の設計条件に応じて適宜設定すればよい。
また、直流増幅回路165は必ずしも必要ではない。
以上、述べた構成のように、ジャイロ振動片10を備えた複合センサー素子(1)を含む複合センサー(20)と、発振回路160と、フィルター回路162と、整流回路163と、積分回路164と、を備えた複合センサー装置103を構成することにより、比較的簡素な構造であることから低コストで、応答時間(測定時間)が速く、消費電流が小さく、小型の複合センサー装置を提供できるという効果がある。また、周囲の温度変化による熱膨張の影響が小さいため、検出精度が高い装置ができるという利点がある。
(変形例1)
上記実施形態では、複合センサー20に備わる複合センサー素子1において、質量部2の基部3と錘部5との梁部4による支持構造として、一つの基部3の基部側接続端8aから延出された一つの梁部4を錘部5の周縁を平面視で取り囲む螺旋形状を形成させて引き回し、錘部5の錘部側接続端8bに接続する態様を説明した。これに限らず、梁部の弾性により基部に対して錘部が上下方向に可動な状態で支持できる構造であればよく、基部や梁部の数や形状を適宜に変えて、質量部の機能を向上させることができる。
図11、図12、および図13は、質量部の変形例を示すものであり、各々、基部と錘部と梁部による支持構造の3つのバリエーションを示す概略平面図である。
上記実施形態では、複合センサー20に備わる複合センサー素子1において、質量部2の基部3と錘部5との梁部4による支持構造として、一つの基部3の基部側接続端8aから延出された一つの梁部4を錘部5の周縁を平面視で取り囲む螺旋形状を形成させて引き回し、錘部5の錘部側接続端8bに接続する態様を説明した。これに限らず、梁部の弾性により基部に対して錘部が上下方向に可動な状態で支持できる構造であればよく、基部や梁部の数や形状を適宜に変えて、質量部の機能を向上させることができる。
図11、図12、および図13は、質量部の変形例を示すものであり、各々、基部と錘部と梁部による支持構造の3つのバリエーションを示す概略平面図である。
まず、図11において、本変形例の一つ目のバリエーションの質量部52は、平面視で錘部55を挟んだ両側に第1基部53Aと第2基部53Bが配置されている。第1基部53Aの第1基部側接続端58Aaから延びた第1梁部54Aは、錘部55の周縁を取り囲むような螺旋形状を形成して錘部55の一端部の第1錘部側接続端58Abに接続されている。また、第2基部53Bの第2基部側接続端58Baから延びた第2梁部54Bは、錘部55の周縁を第1梁部54Aとともに取り囲むような螺旋形状を形成して錘部55の他端部の第2錘部側接続端58Bbに接続されている。また、2つの基部のうちの一方、本変形例では第1基部53Aの一方の主面に振動片接続端子57が設けられている。
この構成によれば、質量部52において、錘部55の対向する2端部、すなわち、第1錘部側接続端58Abおよび第2錘部側接続端58Bbの各々を、第1梁部54Aおよび第2梁部54Bにより両側から支持する構造になっている。これにより、質量部52を用いた複合センサーに力が加わった際に、錘部55のジャイロ振動片10と対向する面が、ジャイロ振動片10の振動腕14(図1を参照)の錘部55と対向する面に対して平行に動くことが可能になるので、加速度などの力の検出を精度よく行うことができる。
次に、図12において、本変形例の二つ目のバリエーションの質量部62は、平面視で錘部65を挟んだ両側に第1基部63Aと第2基部63Bが配置され、第1基部63Aの第1基部側接続端68Aaから延びた第1梁部64Aが、錘部65の一端部の第1錘部側接続端68Abに接続され、第2基部63Bの第2基部側接続端68Baから延びた第2梁部64Bが、錘部65の他端部の第2錘部側接続端68Bbに接続されている。第1梁部64Aおよび第2梁部64Bは、第1基部63Aの第1基部側接続端68Aaまたは第2基部63Bの第2基部側接続端68Baから錘部65に向かって、左右交互に鋭角に折れ曲がったジグザグを形成して錘部65の第1錘部側接続端68Abまたは第2錘部側接続端68Bbに接続されている。
また、2つの基部のうち第1基部63Aの一方の主面には振動片接続端子67が設けられている。
また、2つの基部のうち第1基部63Aの一方の主面には振動片接続端子67が設けられている。
この構成によれば、上記一つ目のバリエーションの質量部52(図11を参照)に比して、平面視で略矩形状の錘部65の端部(辺)のうち、第1基部63Aおよび第2基部63Bが配置される側の二辺と直交する二辺側に第1梁部64Aおよび第2梁部64Bが配置されない構成となっているので、その方向の幅を小さくして複合センサーの小型化に寄与することができる。
次に、図13において、本変形例の三つ目のバリエーションの質量部72は、平面視で矩形状の錘部75を囲む四方に第1基部73A、第2基部73B、第3基部73C、および第4基部73Dが配置されている。そして、第1基部73Aの第1基部側接続端78Aaから延びた第1梁部74Aが、錘部75の一端部の第1錘部側接続端78Abに接続され、第2基部73Bの第2基部側接続端78Baから延びた第2梁部74Bが、錘部75の第2錘部側接続端78Bbに接続され、第3基部73Cの第3基部側接続端78Caから延びた第3梁部74Cが、錘部75の第3錘部側接続端78Cbに接続され、第4基部73Dの第4基部側接続端78Daから延びた第4梁部74Dが、錘部75の第4錘部側接続端78Dbに接続されている。第1梁部74A、第2梁部74B、第3梁部74C、および第4梁部74Dは、第1基部73Aの第1基部側接続端78Aa、第2基部73Bの第2基部側接続端78Ba、第3基部73Cの第3基部側接続端78Ca、あるいは第4基部73Dの第4基部側接続端78Daのそれぞれから錘部75に向かって、左右交互に鋭角に折れ曲がったジグザグを形成してから、錘部75の第1錘部側接続端78Ab、第2錘部側接続端78Bb、第3錘部側接続端78Cb、あるいは第4錘部側接続端78Dbに接続されている。また、本変形例では第1基部73Aの一方の主面に振動片接続端子77が設けられている。
この構成によれば、4つの第1〜第4基部73A〜73Dから延びる4つの第1〜第4梁部74A〜74Dによって、よりバランスよく錘部75を支持することができるので、質量部72を用いた複合センサーに力が加わった際に、錘部75が、ジャイロ振動片10の振動腕14(図1を参照)の錘部75と対向する面に対してさらに平行に動くことが可能になることによって、加速度などの力の検出精度がより向上するという効果を奏する。
(変形例2)
上記実施形態では、複合センサー素子1の質量部2の基部3と錘部5との梁部4による支持構造において、梁部4の一方の主面(図1(b)において上側の面)と、錘部5と基部3の同一面となっている側の主面とが同一面になっている構成とした。これに限らず、例えば、錘部の厚み方向の中心線上を梁部で支持することにより、力検出の精度をより向上させることができる。
図14は、質量部の変形例2を示すものであり、図4(b)と同じ側面を示す概略側面図である。
上記実施形態では、複合センサー素子1の質量部2の基部3と錘部5との梁部4による支持構造において、梁部4の一方の主面(図1(b)において上側の面)と、錘部5と基部3の同一面となっている側の主面とが同一面になっている構成とした。これに限らず、例えば、錘部の厚み方向の中心線上を梁部で支持することにより、力検出の精度をより向上させることができる。
図14は、質量部の変形例2を示すものであり、図4(b)と同じ側面を示す概略側面図である。
図14において、本変形例の質量部92は、基部93と、錘部95と、一端が基部93の一端部から延出され他端が錘部95の一端部に接続された梁部94とが、同一材料により一体形成され、錘部95が、基部93を固定部として梁部94の有する弾性により上下方向(質量部92の厚み方向)に可動な状態で支持されている。梁部94は、上記実施形態の梁部4(図4を参照)と同様に、基部93や錘部95に比して厚みが薄く形成されているとともに狭い幅で細長い形状を有し、所定の弾性を有して、且つ、十分な強度を保持しながら錘部95を支持できるように屈曲形状を呈して形成されている。
質量部92において、錘部95と基部93との振動片と対向する側の主面(図中上側の面)は平行に設けられ、本変形例では同一面となっている。一方、基部93から延びて錘部95に接続され錘部95を支持する梁部94は、錘部95の厚み方向の仮想の中心線に沿って形成されている。このような形状の質量部92は、質量部92形成材料の厚み方向で対向する両面のそれぞれから、フォトリソグラフィーやエッチング手法を用いて加工することにより形成することができる。
変形例2の構成の質量部92によれば、基部93を固定部として、錘部95が梁部94により厚み方向にバランスよく支持されるので、質量部92に力が加わった際の錘部95の上下方向(質量部92の厚み方向)の変位のバランスがよくなる。これにより、変形例2の質量部92を用いて上記実施形態に示す複合センサー素子1を構成することによって、より高精度なCI値の変化を利用した加速度などの力の検出、および、角速度を検出することが可能な複合センサー、あるいは、複合センサー装置を提供することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ジャイロ振動片としての機能を有する音叉型のジャイロ振動片10を用いた例を説明した。これに限らず、例えば、図15に示すような、弾性表面振動基板135の表面に弾性表面波の進行方向に沿って設けたIDT電極(インターデジタル・トランスジューサー)136と、その両側にグレーティング反射器137a,137bを配置した弾性表面波素子(SAW素子)110を用いてもよい。ただし、弾性表面波素子の振動は基板内部では減衰し、裏面では振動エネルギーは零となるので、IDT電極が形成されている面を質量部2の錘部5の主面と対向させる必要がある。このような弾性表面波共振素子110を振動片として用いることにより、振動片の支持が容易であり、質量部2の錘部5をCI変化の大きい任意の位置に搭載できるという効果がある。
また、上記実施形態のような音叉型のジャイロ振動片10の他に、駆動部としての振動腕13,14のうち例えば振動腕13が駆動用、振動腕14が検出用とした構成であってもよく、この場合、上述した検出電極27a,27bの代わりに、振動腕14に形成した電極(15a,15b)が検出電極として機能する。さらには、図16に示すような形状のジャイロ振動片210を用いることもできる。図16に示すジャイロ振動片210は、中央に位置する基部240から図中上下両側へ直線状に延出する一対の検出部としての検出用振動腕241a,241bと、基部240から検出用振動腕241a,241bと直交する向きに図中左右両側へ延出する一対の連結腕243a,243bと、各連結腕243a,243bの先端部(近傍位置)から検出用振動腕241a,241bと平行に図中上下両側へ延出する左右各一対の駆動部としての駆動用振動腕244a,244b,245a,245bとを有し、4つの駆動部(駆動用振動腕244a,244b,245a,245b)のうち少なくとも一つがCI値の変化を利用しての加速度を検出するための駆動部として機能する。また、検出用振動腕241a,241b表面には検出電極(図示せず)が形成され、駆動用振動腕244a,244b,245a,245b表面には駆動電極(図示せず)が形成されている。このように、検出用振動腕241a,241bにて角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕243a,243bと駆動用振動腕244a,244b,245a,245bにてジャイロ振動片210を駆動する駆動振動系を構成している。
さらに、基部240の上側の2つの角隅部から検出用振動腕241aと直交する向きに図中左右両側へ夫々延出し、途中で検出用振動腕241aと平行に延出するクランク状(つづら折り状)の一対の梁250a,250bが形成され、梁250a,250bの先端は共に支持部252aに連結されている。同様に、基部240の他の2つの角隅部から検出用振動腕241bと直交する向きに図中左右両側へ延出し、途中で検出用振動腕241bと平行に延出するクランク状(つづら折り状)の一対の梁251a,251bが形成され、梁251a,251bの先端は共に支持部252bに連結されている。
このような構成のジャイロ振動片210は、図1の複合センサー素子1の場合と同様に、質量部2の錘部5の一方の主面(5a)と、駆動用振動腕244a,244b,245a,245bの内いずれか一つとが、非接触状態を保ち対面し合う様に図4に示す基部3の上に一方の支持部252aを支持し、支持部252bをパッケージに固定した態様にする、または、例えば図11に示す質量部52の第1基部53Aに支持部252aを固定し、第2基部53Bに支持部252bを固定して、発振回路、フィルター回路、整流回路、積分回路等の所要回路と組み合わせることによって角速度および加速度などの力を検出することが可能な振動型の複合センサー装置を構築することができる。
このようなジャイロ振動片210を、図1に示す複合センサー素子1のジャイロ振動片10の代わりとして用いる場合、駆動用振動腕244a,244b,245a,245bで質量部2の錘部5の垂直方向に掛かる加速度などの力を検出し、検出用振動腕241a,241bにより錘部5の一方の主面5aに平行な方向に回転する角速度を検出することができる複合センサーが構成できるという効果がある。
このような構成のジャイロ振動片210は、図1の複合センサー素子1の場合と同様に、質量部2の錘部5の一方の主面(5a)と、駆動用振動腕244a,244b,245a,245bの内いずれか一つとが、非接触状態を保ち対面し合う様に図4に示す基部3の上に一方の支持部252aを支持し、支持部252bをパッケージに固定した態様にする、または、例えば図11に示す質量部52の第1基部53Aに支持部252aを固定し、第2基部53Bに支持部252bを固定して、発振回路、フィルター回路、整流回路、積分回路等の所要回路と組み合わせることによって角速度および加速度などの力を検出することが可能な振動型の複合センサー装置を構築することができる。
このようなジャイロ振動片210を、図1に示す複合センサー素子1のジャイロ振動片10の代わりとして用いる場合、駆動用振動腕244a,244b,245a,245bで質量部2の錘部5の垂直方向に掛かる加速度などの力を検出し、検出用振動腕241a,241bにより錘部5の一方の主面5aに平行な方向に回転する角速度を検出することができる複合センサーが構成できるという効果がある。
また、上記実施形態で説明した複合センサー素子1では、水晶からなるジャイロ振動片10(圧電振動片)を用いた例について説明した。これに限らず、水晶以外に、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li2B4O7)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta2O5)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された圧電材料からなる圧電振動片を用いることもできる。
また、圧電体材料からなる圧電振動片の他のほかに、例えばシリコンからなる振動片を用いて複合センサー素子を構成することもできる。
また、圧電体材料からなる圧電振動片の他のほかに、例えばシリコンからなる振動片を用いて複合センサー素子を構成することもできる。
1…複合センサー素子、2,52,62,72,92…質量部、3,93…基部、4,94…梁部、5,55,65,75,95…錘部、5a…一方の主面、7,8,57,67,77…振動片接続端子、8a…基部側接続端、8b…錘部側接続端、10,210…ジャイロ振動片、12…支持部、13,14…駆動部としての振動腕、13a…付け根、15a,15b…駆動電極、17a,17b…外部接続電極、18a,18b…引き出し電極、20…複合センサー、23…溝、24…股部、26…検出用溝、27a,27b…検出電極、28…切欠き部、30…パッケージ、31…第1層基板、32…第2層基板、35…素子接続端子、39…シールリング、40…リッド、53A,63A,73A…第1基部、53B,63B,73B…第2基部、54A,64A,74A…第1梁部、54B,64B,74B…第2梁部、58Aa,68Aa,78Aa…第1基部側接続端、58Ab,68Ab,78Ab…第1錘部側接続端、58Ba,68Ba,78Ba…第2基部側接続端、58Bb,68Bb,78Bb…第2錘部側接続端、74C…第3梁部、74D…第4梁部、78Ca…第3基部側接続端、78Cb…第3錘部側接続端、78Da…第4基部側接続端、78Db…第4錘部側接続端、96…接合部材、103…複合センサー装置、110…弾性表面波共振素子、135…弾性表面振動基板、137a…グレーティング反射器、160…発振回路、162…フィルター回路、163…整流回路、164…積分回路、165…直流増幅回路、171,172,173…インバーター、240…基部、241a,241b…検出部としての検出用振動腕、243a…連結腕、244a,244b,245a,245b…駆動部としての駆動用振動腕、250a,251a…梁、252a,252b…支持部。
Claims (8)
- 支持部と、前記支持部と一体形成され駆動電極が設けられた駆動部、および、検出電極が設けられた検出部と、を有するジャイロ振動片と、
基部と、錘部と、一端部が前記基部から延出され他端部が前記錘部に接続された梁部と、を有する質量部と、を備え、
前記ジャイロ振動片の少なくとも前記駆動部と、前記錘部との対向する主面が間隙を空けて略平行に配置されるように前記基部上に前記支持部が接合されることにより、前記質量部上に前記ジャイロ振動片が片持ち支持されたことを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項1に記載の複合センサー素子において、
前記ジャイロ振動片が、圧電体材料を用いて形成されていることを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項2に記載の複合センサー素子において、
前記圧電体材料として水晶が用いられていることを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項2または3に記載の複合センサー素子において、
前記ジャイロ振動片が、前記支持部と、前記支持部の一端から平行に延びる一対の振動腕と、を有する音叉型の振動片であり、一対の前記振動腕のうち少なくとも一方が前記駆動部を構成することを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合センサー素子において、
前記ジャイロ振動片が、中央に配置された基部と、前記基部の両端部から延出する一対の前記検出部としての検出用振動腕と、前記基部から前記検出用振動腕と直交する向きに延出する一対の連結腕と、前記各連結腕の先端部から前記検出用振動腕と平行に両側へ延出する各一対の前記駆動部としての駆動用振動腕と、前記基部に梁で連結された前記支持部と、を備えていることを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合センサー素子において、
前記ジャイロ振動片の、前記錘部と対向する側の主面の表面が粗面化されていることを特徴とする複合センサー素子。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合センサー素子と、
前記複合センサー素子を収容するパッケージと、を備え、
前記パッケージ内に気体が充填されていることを特徴とする複合センサー。 - 請求項7に記載の複合センサーと、発振回路と、フィルター回路と、整流回路と、積分回路と、を少なくとも備えたことを特徴とする複合センサー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141372A JP2012007894A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | 複合センサー素子、複合センサー、および、複合センサー装置 |
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JP2010141372A Withdrawn JP2012007894A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | 複合センサー素子、複合センサー、および、複合センサー装置 |
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JP (1) | JP2012007894A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017058353A (ja) * | 2015-09-19 | 2017-03-23 | 京セラ株式会社 | センサ素子 |
US9933261B2 (en) | 2015-01-06 | 2018-04-03 | Seiko Epson Corporation | Physical quantity sensor, electronic apparatus and moving object |
-
2010
- 2010-06-22 JP JP2010141372A patent/JP2012007894A/ja not_active Withdrawn
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JP2017058353A (ja) * | 2015-09-19 | 2017-03-23 | 京セラ株式会社 | センサ素子 |
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