JP2012007561A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料カット中にEGR装置のクリーニング処理を実行するにあたり、燃料カットからの復帰の際に失火その他の燃焼不安定状態が発生することを防止する。
【解決手段】排気系5と吸気系1とを接続する外部EGR通路61上にEGRバルブ62を設けてなるEGR装置6が付帯した内燃機関に対し、所定の燃料カット条件が成立したことを条件として燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実施するとともに、燃料カット中に、設定される最大開度と最小開度との間でEGRバルブ62を強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行するものにおいて、クリーニング処理の実行開始からの経過時間が比較的短いときの前記最大開度を、同経過時間が比較的長いときの前記最大開度よりも小さく設定するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置が付帯した内燃機関の制御装置に関する。
自動車等に搭載される内燃機関では、吸気系と排気系とを外部EGR通路を介して連通し、当該EGR通路を通じて排気ガスの一部を吸気系に還流する排気ガス再循環を行っている。EGR通路上にはEGRバルブが設けられており、内燃機関の運転領域に応じてEGRバルブの開度を操作して、EGRガスの還流量や還流時期を調節することができる。
EGR通路を流通するEGRガスには粒子状物質や潤滑油等が含まれており、これがEGR通路の内周やEGRバルブに付着し、デポジットとして堆積してゆく。デポジットは、EGR通路の有効流路面積を狭め、EGRバルブの動作の妨げにもなり得る。このデポジットを除去する目的で、気筒への燃料供給を一時停止する燃料カットの期間に、EGRバルブを強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行することが知られている(例えば、下記特許文献を参照)。
燃料カットの最中は、燃料を含まない空気が気筒に充填され、燃焼ガスを含まない空気が気筒から排出される。故に、EGR通路にも燃焼ガスを含まない空気が満ちてゆく。燃料カットからの復帰(燃料供給の再開)の際の内燃機関の運転制御においては、吸気中に占めるEGRガスの割合であるEGR率が0であると見なして、要求燃料噴射量や点火時期等の演算を行う。
ところが、燃料カット開始直後にブレーキペダルが踏まれた等、燃料カットが極短期間に終了した場合には、EGR通路内に依然としてEGRガスが残留している。そして、燃料カットからの復帰時にEGRバルブが開弁していると、この残留EGRガスが吸気に混交して、実際の吸気のEGR率が想定即ち0よりも高くなってしまう。そのため、燃料噴射量や点火時期等が不適正となり、失火その他の燃焼不安定な状態を引き起こすおそれがあった。
特開2000−064910号公報 特開2008−038636号公報
本発明は、燃料カット中にEGR装置のクリーニング処理を実行するにあたり、燃料カットからの復帰の際に失火その他の燃焼不安定状態が発生することを防止しようとするものである。
本発明では、排気系と吸気系とを接続する外部EGR通路上にEGRバルブを設けてなるEGR装置が付帯した内燃機関に対し、所定の燃料カット条件が成立したことを条件として燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実施するとともに、燃料カット中に、設定される最大開度と最小開度との間で前記EGRバルブを強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行するものであって、前記クリーニング処理の実行開始からの経過時間が比較的短いときの前記最大開度が、同経過時間が比較的長いときの前記最大開度よりも小さく設定されていることを特徴とする制御装置を構成した。
つまり、クリーニング処理の実行開始当初はEGRバルブの開閉操作の開度の振幅を小さくすることで、燃料カットが極短期間に終了する場合にEGRバルブを速やかに閉止できるようにしたのである。これにより、燃料カットからの復帰時に、残留EGRガスが吸気に混交してEGR率が高まってしまう問題が有効に回避され、失火その他の燃焼不安定な状態を引き起こすおそれが低減する。
その上で、クリーニング処理の実行開始から時間が経過し、残留EGRガスが殆ど存在していないと思しき状況では、EGRバルブの開閉操作の開度の振幅を大きくして、デポジットの剥落除去効果を増強し、またEGR通路内のデポジット及び油分の掃気を十分に行う。
本発明によれば、燃料カット中にEGR装置のクリーニング処理を実行するにあたり、燃料カットからの復帰の際に失火その他の燃焼不安定状態が発生することを防止できる。
本発明の一実施形態における内燃機関の構成を示す図。 同実施形態における自動変速機の構成を示す図。 同実施形態における制御装置がプログラムに従い実行するクリーニング処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるクリーニング処理の様子を示すタイミングチャート。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に一気筒の構成を概略的に示した内燃機関0は、例えば自動車に搭載されるものである。内燃機関0の吸気系1には、アクセルペダルの踏込量に応じて開閉するスロットルバルブ11を設けており、スロットルバルブ11の下流にはサージタンク13を一体に有する吸気マニホルド12を取り付けている。サージタンク13には、吸気管内圧力(または、吸気負圧)を検出する圧力センサ71を配している。
排気系5には、排気マニホルド51を取り付け、排出ガス浄化用の三元触媒52を装着している。そして、触媒52の上流にフロントO2センサ53を、下流にリアO2センサ54を、それぞれ配している。O2センサ53、54は、排出ガスに接触して反応することにより、排出ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力する。
吸気系1と排気系5との間には、EGR装置6を介設する。EGR装置6は、始端が排気マニホルド51に連通し終端がサージタンク13に連通する外部EGR通路61と、EGR通路61上に設けた外部EGRバルブ62とを要素としてなる。EGRバルブ62を開放すれば、排出ガスを排気系5から吸気系1へと還流して吸気に混合する外部EGRを実現できる。
シリンダ2上部に形成される燃焼室の天井部(シリンダヘッド)には、吸気バルブ21、排気バルブ22、インジェクタ3及び点火プラグ23を設ける。
近時の自動車は、自動変速機を実装したAT車であることが少なくない。図2に、自動変速機の一例を示している。図2に示す自動変速機は、トルクコンバータ7及びベルト式連続可変変速機構(Continuously Variable Transmission)9を具備する無段変速機である。内燃機関0が出力する駆動力は、トルクコンバータ7の入力軸71に入力され、出力軸72に伝達される。トルクコンバータ7の出力軸72の回転は、遊星歯車機構を用いた前後進切替装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95には出力ギヤ101を固設してあり、この出力ギヤ101はデファレンシャル装置のリングギヤ102と噛合して車軸103ひいては駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構(図示せず)を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力軸71と出力軸72とをロックアップするロックアップクラッチと、ロックアップクラッチを断接切替駆動するための油圧を制御するロックアップソレノイドバルブとを要素とする。ロックアップ機構は、自動変速機による変速比の変更を伴わない状況においてロックアップクラッチを接続し、入力軸71と出力軸72とを締結する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
内燃機関0の運転制御を司る電子制御装置(Electronic Control Unit)4は、中央演算装置41、記憶装置42、入力インタフェース43、出力インタフェース44等を有するマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェース43には、吸気管内圧力を検出する圧力センサ71から出力される吸気圧信号a、エンジン回転数を検出する回転数センサ72から出力される回転数信号b、車速を検出する車速センサ73から出力される車速信号c、スロットルバルブ11の開度(または、アクセルペダルの踏込量)を検出するスロットルポジションセンサ74から出力されるスロットル開度信号d、冷却水温を検出する水温センサ76から出力される水温信号f、燃焼圧の変化によりノッキングの状態を検出するノッキングセンサ75から出力されるノッキング信号e、吸気カムシャフト91の端部にあるタイミングセンサ96から出力されるクランク角度信号及び気筒判別用信号g、排気カムシャフト92の端部にあるタイミングセンサ97から240°CA(クランク角度)回転毎に出力される排気カム信号h、フロントO2センサ53から出力される上流側空燃比信号i、リアO2センサ54から出力される下流側空燃比信号j等が入力される。
出力インタフェース44からは、インジェクタ3に対して燃料噴射信号n、点火プラグ8に対して点火信号m、EGRバルブ62に対してEGRバルブ開度信号o、CVT9に対して変速比信号p、トルクコンバータ7のロックアップソレノイドバルブに対して開閉信号q等を出力する。
中央演算装置41は、記憶装置42に予め格納されているプログラムを解釈、実行して、内燃機関0の燃料噴射量や点火時期、EGRガスの還流量(吸気のEGR率)、変速比等の制御を遂行する。
内燃機関0の運転制御において、ECU4は、内燃機関0の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、i、jを入力インタフェース43を介して取得し、さらに現状の吸気量及び吸気のEGR率を推定して、それらに基づいて制御入力である燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火タイミング、EGRバルブ62の開度(EGRステップ数)、CVT9の変速比、トルクコンバータ7におけるロックアップの可否等を演算する。そして、演算した制御入力に対応した制御信号m、n、o、p、qを、出力インタフェース44を介して印加する。上記制御入力の算定手法は、既知の内燃機関0の運転制御と同様とすることができるので、ここでは説明を割愛する。
しかして、本実施形態における制御装置たるECU4は、燃料供給を一時的に停止する燃料カット中に、EGRバルブ62を強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行する。
図3に、ECU4がクリーニング処理において実行する処理の手順を示す。ECU4は、所定の燃料カット条件が成立したときに(ステップS1)、インジェクタ3からの燃料噴射を停止する(ステップS2)。例えば、スロットルバルブ11の開度(または、アクセルペダルの踏込量)が0または0近傍の所定の閾値以下となり、なおかつエンジン回転数が一定以上あることを条件として、燃料カットを開始する。
EGR装置6のクリーニング処理は、燃料カット中であって、吸気管内圧力が所定圧PMa以下になったときに(ステップS3)実行開始する。
クリーニング処理では、EGRバルブ62の最大開度を設定し(ステップS5)、その最大開度と最小開度との間でEGRバルブ62を開閉操作する(ステップS6)処理を反復する。図4に、クリーニング処理の模様を例示している。クリーニング処理におけるEGRバルブ62の最大開度は、燃料カットからの復帰時のEGR率を十分に低く抑えることができるような開度に設定する。図4中一点鎖線で指し示しているように、クリーニング処理におけるEGRバルブ62の最大開度は、クリーニング処理の開始当初は最も小さく、クリーニング処理の開始から時間が経過するほど大きくする。EGRバルブ62の最小開度は、全閉とする。
クリーニング処理は、吸気管内圧力が所定圧PMb以上になったとき(ステップS7)、または所定の燃料カット終了条件が成立したとき(ステップS9)にその実行を終了する。ここで、PMbは、PMaよりも大きな値とする。
燃料カット中に燃料カット終了条件が成立した暁には(ステップS4、S8またはS9)、EGRバルブ62を全閉に向けて閉じ操作しつつ(ステップS10)、インジェクタ3からの燃料噴射を再開する(ステップS11)。例えば、スロットルバルブ11の開度(または、アクセルペダルの踏込量)が閾値を上回った、あるいはエンジン回転数が所定の復帰回転数IDLにまで低下したことを条件として、燃料カットを終了する。燃料カットからの復帰直後は、吸気のEGR率が0であると見なして、要求燃料噴射量その他の制御入力を演算する。
AT車では、燃料カット中にトルクコンバータ7の入力軸71と出力軸72とをロックアップし、燃料カットからの復帰に際してそのロックアップを解除する。特に、急ブレーキが踏まれたような状況下においては、車輪がロックされる前にロックアップを解除しなければならない。しかし、燃料供給の再開がロックアップの解除に間に合わないと、却ってエンジンストールが発生する。
燃料カットが極短期間に終了した場合、EGR通路61内に依然としてEGRガスが残留しており、燃料カットからの復帰時にEGRバルブが開いていると、吸気のEGR率が上がってしまう。既に述べた通り、燃料カットからの復帰直後は吸気のEGR率が0であるとして要求燃料噴射量等を決定するため、実際のEGR率が0に近くないと燃焼が不安定化する。従って、EGRバルブ62が閉止するまでは燃料供給を再開することができない。
本実施形態では、クリーニング処理の開始当初、EGRバルブ62の最大開度を比較的小さく設定しているので、ステップS10にてEGRバルブ62を速やかに全閉またはそれに近い開度まで閉じることができる。特に、クリーニング処理における一回目のEGRバルブ62の開閉作動では、最大開度即ちストローク量を、ロックアップの解除が完了するよりも前にEGRバルブ62を全閉できるような値としておくことが望ましい。この値は、EGRバルブ62が閉じる動作速度と、ロックアップの解除に必要な時間とから決定(または、算出)することができる。これにより、早期にステップS11の燃料供給再開に移行したとしても、実際の吸気のEGR率は0に近く、燃焼が不安定化しない。
翻って、燃料カットがある程度以上続いていた場合には、EGR通路61内は既に新気で満たされている。EGRバルブ62の開度によらず吸気のEGR率はほぼ0となることが保証されていることから、ステップS10によってEGRバルブ62の開度が十分に縮小する以前に、ステップS11の燃料供給再開に移行して構わない。
本実施形態によれば、排気系5と吸気系1とを接続する外部EGR通路61上にEGRバルブ62を設けてなるEGR装置6が付帯した内燃機関0に対し、所定の燃料カット条件が成立したことを条件として燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実施するとともに、燃料カット中に、設定される最大開度と最小開度との間で前記EGRバルブ62を強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行するものであって、前記クリーニング処理の実行開始からの経過時間が比較的短いときの前記最大開度が、同経過時間が比較的長いときの前記最大開度よりも小さく設定されることを特徴とする制御装置4を構成したため、クリーニング処理の実行開始当初はEGRバルブ62の開閉操作の開度の振幅が小さく、燃料カットが極短期間に終了したとしてもEGRバルブ62を速やかに閉止することができる。よって、燃料カットからの復帰時に、残留EGRガスが吸気に混交してEGR率が高まってしまう問題が有効に回避される。燃料カットが極短期間に終了した場合にも早期に燃料供給を再開できることから、AT車において燃料供給の再開がロックアップの解除に間に合わないということがなく、エンジンストールを発生させずに済む。
その上で、クリーニング処理の実行開始から時間が経過し、残留EGRガスが殆ど存在していないと思しき状況では、EGRバルブの開閉操作の開度の振幅を大きくして、デポジットの剥落除去効果を増強することができ、EGR通路61内のデポジット及び油分の掃気も十分に行うことが可能である。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態における内燃機関は火花点火エンジンであったが、これがディーゼルエンジンであったとしても、本発明を適用することは可能である。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、自動車等に搭載される内燃機関に適用することができる。
100…内燃機関
4…ECU(制御装置)
6…EGR装置
61…EGR通路
62…EGRバルブ

Claims (1)

  1. 排気系と吸気系とを接続する外部EGR通路上にEGRバルブを設けてなる排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関に対し、所定の燃料カット条件が成立したことを条件として燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実施するとともに、
    燃料カット中に、設定される最大開度と最小開度との間で前記EGRバルブを強制的に開閉操作するクリーニング処理を実行するものであって、
    前記クリーニング処理の実行開始からの経過時間が比較的短いときの前記最大開度が、同経過時間が比較的長いときの前記最大開度よりも小さく設定されていることを特徴とする制御装置。
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