JP2012007157A - 微細孔封止用粘着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】微細孔を有する要素部品の微細孔周辺を粘着層残渣などにより汚染することなく、また、微細孔を封止するための最適な粘着力を有する微細孔封止用粘着フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルム上に、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物に15質量%を超え50質量%未満のオルガノポリシロキサンレジンが配合されたシリコーン組成物を電子線により架橋してなる粘着層を形成し、この表面に剥離フィルムが積層されている粘着フィルムであり、粘着層のガラス板に対する180度剥離粘着力が0.1〜2.0N/25mmであり、超微小硬度計による測定値ηitが40〜80%である。
【選択図】なし

Description

この発明は微細孔封止用粘着フィルムに関する。
近年、複写機やプリンター、その他の画像形成装置等に広く用いられる、インクジェット記録ヘッドの吐出口など、直径数10μmの微細孔を有する要素部品が多くの分野で用いられている。これら要素部品の材質としては、金属、プラスチック、セラミックスが用いられている。
流通過程において、これらの要素部品の微細孔は粘着フィルムで覆われていることが多く、製品に組み込まれるとき、あるいは使用直前に、粘着フィルムが剥離されて使用される。
しかし、流通過程における粘着フィルムの粘着力不足による内容物の漏れ、粘着フィルムを剥離するときに生じる粘着層残渣などの問題が生じることが多い。
これらの問題に対処するため、エポキシ基および/またはオキセタニル基を有する重合体と、内容物の液体と反応することにより上記反応基の重合開始剤として作用する物質を提供することが可能な物質とを含む粘着層を有する粘着テープが知られている(特許文献1)。
一方、基材フィルムの片面に自己粘着層を有して、この自己粘着力によりタッチパネルの表面に着脱自在に貼着できるようにしたタッチパネル用表面保護フィルムにおいて、その粘着層として、低分子シロキサン量(ΣD3〜10)が1500ppm以下であるシリコーンゴム系粘着層が知られている(特許文献2)。
しかしながら、従来の粘着テープにおいては、粘着層の粘着力が強くなると粘着層残渣が多くなり、また、粘着力が弱くなると内容物漏れが生じやすくなるという問題がある。
特開2009−149069 特許第4366346号
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、微細孔を有する要素部品の微細孔周辺を粘着層残渣などにより汚染することなく、また、微細孔を封止するための最適な粘着力を有する微細孔封止用粘着フィルムの提供を目的とする。
本発明の微細孔封止用粘着フィルムは、基材フィルム、シリコーン粘着層、剥離フィルムがこの順に、直接または他の層を介して、積層されてなり、
上記シリコーン粘着層は、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物にオルガノポリシロキサンレジンが配合されたシリコーン組成物を電子線により架橋してなる粘着層であり、
上記オルガノポリシロキサンレジンの配合量は、シリコーン組成物全体量に対して、15質量%を超え50質量%未満であり、
該粘着層のガラス板に対する180度剥離粘着力が0.1〜2.0N/25mmであり、超微小硬度計による測定値ηitが40〜80%であることを特徴とする。
特に、上記他の層が上記基材フィルムの表面処理層または表面薄層であることを特徴とする。
特にポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物が分子内にエポキシ基およびオキセタニル基を含まないシリコーン化合物であることを特徴とする。
また、上記シリコーン組成物に更に共架橋剤が配合されていることを特徴とする。
また、基材フィルムおよび剥離フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムからなることを特徴とする。
本発明は、オルガノポリシロキサンレジンが配合されたシリコーン組成物を電子線により架橋した粘着層としたので、耐汚染性に優れると共に、微細孔を封止するための最適な高いシール性が得られる。
本発明で用いられる基材フィルムは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂およびフッ素樹脂等からなるフィルムである。中でもポリエステルフィルムは寸法安定性および経済性等の点で好ましい。特に好ましい基材フィルムは入手し易さの観点からポリエチレンテレフタレートフィルムである。これらの基材フィルムは、着色加工、抗菌加工、ハード加工、帯電防止加工、防汚加工および防眩加工を施すことができ、これらの加工をしたフィルムを用いることにより、微細孔封止用粘着フィルムとしての特性が一層望ましいものとなる。また、易接着処理やコロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の表面処理を施すことにより、またはこれら表面処理能を有する表面薄層を設けることにより、シリコーン粘着層との接着をより一層強くすることができる。なお、上記基材フィルムの厚さは、特に限定されないが、取扱い性の点では5〜500μm、特に10〜200μmが好ましい。
本発明で用いられる剥離フィルムは、特に限定されないが、長鎖アルキル基含有樹脂や、フッ素系化合物よりなる離型層が積層された市販の離型用ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることができる。
シリコーン粘着層は、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物にオルガノポリシロキサンレジンが配合されている。
シリコーン化合物としては、分子内にエポキシ基およびオキセタニル基を含まないシリコーン化合物であることが好ましく、ポリジメチルシロキサン骨格のシリコーン化合物を主成分(70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%)として含むものであることが好ましい。特に、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物として、数平均分子量(Mn)が5万〜50万の未架橋体であることが好ましい。未架橋体のMnは8万〜40万がより好ましく、10万〜35万がさらに好ましい。
シリコーン化合物の未架橋体を用いることで溶媒への溶解性や流動性が確保でき、粘着層の形成が容易となる。また、未架橋体のMnが5万以上のものは架橋性が向上するため、好適である。未架橋体のMnが50万以下であれば、後述する製造方法において、塗工液の粘度が高くなり過ぎるなどの生産時の操業性の悪化を抑制することができる。従って、シリコーン化合物の未架橋体の層を形成し、その後に架橋を行なうのが好ましい実施態様である。
上記内容を満たす未架橋シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンオイルとして市販されているものを使用することができる。シリコーンオイルを用いる場合は、ストレートシリコーンオイルの中でも、分子内にエポキシ基およびオキセタニル基を含まない、非反応性のジメチルシリコーンオイルを用いるのが好ましい。これにより、架橋後のシリコーン化合物がポリジメチルシロキサン骨格を有するものとなる。メチルフェニルタイプのシリコーンオイルでは架橋性が低下し、反応性のメチル水素タイプのシリコーンオイルは保存安定性等が悪いため、品質や操業性に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくないが、10質量%未満(より好ましくは5質量%未満)であれば、メチルフェニルタイプやメチル水素タイプまたは各種の変性タイプといった、ポリジメチルシロキサン骨格を有さないシリコーン化合物を配合することができる。
また、上記未架橋シリコーン化合物には、30質量%未満であればポリアルキルアルケニルシロキサン骨格のシリコーン化合物が含まれていてもよい。また、ポリアルキルアルケニルシロキサン骨格のシリコーン化合物はできるだけ少ない方がよい。ポリアルキルアルケニルシロキサン骨格のシリコーン化合物を含まないポリジメチルシロキサン骨格のシリコーン化合物のみよりなることが好ましい。
本発明における粘着層には、本発明の効果を妨げない範囲であれば、シリカ等の補強剤が含まれてもよいが、補強剤を全く含まないことが特に好ましい。
本発明における粘着層には、上記未架橋シリコーン化合物にオルガノポリシロキサンレジンが配合されている。
オルガノポリシロキサンレジンは、M単位(R3SiO0.5)とQ単位(SiO2)とから構成されるMQレジンが好適に使用できる。ここで、Rは、CH3−、C65−、Cn2n+1−( n は6以下の整数)等を表す。特にRがCH3−であることがより安定な基となるため好ましい。Q単位に対するM単位のモル比は0.5〜1.5であるMQレジンが好ましい。
MQレジンを未架橋シリコーン化合物に配合することにより、粘着層の粘着力を向上させ、かつ電子線により架橋することで、被着体への汚染がなくなる。
なお、オルガノポリシロキサンレジンが配合されているシリコーン系粘着剤を、未架橋シリコーン化合物に配合する場合は、オルガノポリシロキサンレジンとしての配合量が15質量%を超え50質量%未満となるようにシリコーン系粘着剤を配合する。
オルガノポリシロキサンレジンの配合量は、シリコーン組成物全体量に対して、すなわち、上記シリコーン化合物およびオルガノポリシロキサンレジンの合計量に対して、15質量%を超え50質量%未満、好ましくは20質量%以上40質量%以下である。15質量%以下であると粘着力が低下し、50質量%以上になると糊残りが発生する。
シリコーン粘着層には、共架橋剤を配合できる。共架橋剤は基材フィルムとなるポリエステルフィルムとの接着強度を高めることができる。
共架橋剤としては、(メタ)アクリル酸誘導体およびアリル誘導体等が例示されるが、中でも不飽和結合を2個以上、特に3個以上有する誘導体が好ましい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使用されており、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル、多価カルボン酸のアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
上記多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルは、2個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールのアルコール性水酸基2個以上を(メタ)アクリル酸でエステル化したエステル化合物である。具体的には、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス[4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル]プロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールテトラ(メタ)アクリレート、ダイマージオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、特に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましい。なお、上記の化合物は、アクリル酸およびメタクリル酸のそれぞれの単独エステル化合物を例示したが、アクリル酸とメタクリル酸の混合エステルの形であってもよい。
また、多価カルボン酸のアリルエステルとしては、フタル酸ジアリレート、トリメリット酸ジアリレート、ピロメリット酸テトラアリレート等が挙げられる。
上記共架橋剤は、いずれか一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、この発明に用いられる共架橋剤は上記の例示化合物に限定されるものではない。
上記共架橋剤の配合量は、シリコーン組成物全体に対して、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
上記シリコーン組成物を電子線により架橋して粘着層が得られる。
上記シリコーン組成物に電子線を照射すると、ポリジメチルシロキサンのメチル基から水素が引き抜かれ、同様にメチル基から水素が引き抜かれた隣接するシリコーン化合物との間で、架橋反応が起こると考えられている。従って、電子線による架橋方法では、シリコーン化合物にラジカル発生のための過酸化物等や架橋用触媒等の添加剤を配合する必要がない。このため、これらの添加物の残渣による被着体に対する汚染が抑制され、架橋用触媒等を配合した後のポットライフを考慮する必要もなく、短時間で効率的に架橋が完了するため生産性が高くなる等のメリットがある。
電子線架橋法は照射装置(EB照射装置)の入手しやすさから好適である。EB照射装置における電子線照射量としては、50〜300kGy、好ましくは100〜200kGyの範囲である。電子線照射量を50kGy以上とすることにより、シリコーン化合物の架橋反応を促進でき、再剥離する際に被着体に対する糊残りを低減し、リペアー性を向上させることができる。一方、電子線照射量を300kGy以下にすることにより、架橋反応の過度の進行によるシール性の低下を抑制することができる。
電子線架橋して得られる微細孔封止用粘着フィルムにおける粘着層のガラス板に対する180度剥離粘着力が0.1〜2.0N/25mm、好ましくは0.12〜1.6N/25mmである。0.1N/25mm未満では粘着力が低下し、2.0N/25mmを超えると粘着層残渣が多くなる。
また、超微小硬度計による測定値ηitが40〜80%である。ηitが40%未満であると粘着層残渣が多くなり易くなり、80%を超えるとシール性が低下する場合がある。
上記粘着力およびηitの範囲は粘着層の配合と電子線架橋の条件範囲を上記範囲とすることにより達成できる。
粘着力はJIS Z0237に準じてガラス板に対する180度剥離法で測定できる。ガラスは、厚み3mm、幅30mmのフロートガラスを用いる。試料は25mm幅とし、ガラスへの貼着は2Kgのローラを用いて約29mm/秒の速さで2往復することにより行なう。剥離速度は300mm/分とし、貼着後23℃の雰囲気下にて24時間放置後、23℃の雰囲気下で引っ張り試験を行ない、最大引張強度を粘着力(N/25mm)とする。
また、超微小硬度計による測定値ηitは、以下の方法で測定される値である。
(1)試料調整
試料は約2cm角に切り取り、1mm以上のガラス板上に測定面の反対面を基材レスタイプのアクリル系両面粘着剤(厚さ25μm)やシアノアクリレート系などの接着剤にて固定する。固定後30分以上放置した後、測定面のセパレータを剥離して測定する。
(2)測定機器
測定機器は、島津製作所製 ダイナミック超微小硬度計 DUH−211を用いる。
(3)測定条件
測定条件は以下の通りである。
(i)設定
試験モード 負荷−除荷試験
使用圧子 115度三角錐圧子
圧子弾性率:1.140E+006N/mm2
圧子ポアソン比:0.07
軟質試料測定 あり
(ii)条件
試験力 0.50mN(または0.70mN)
負荷速度 0.0150mN/秒
負荷保持時間 2秒
除荷保持時間 5秒
(4)データ
n数 各3の平均値
なお、測定値は、マシンコンプライアンス補正(Cf)、投影面積関数の補正(Ap)および接触面積関数の補正(As)を施した値を記載する。これら補正の原理は上記DUH−211の取扱説明書に詳細が記載されている。
(5)測定値ηitの意味
超微小硬度計による測定値ηitは以下の意味である。
押し込みによる機械的な仕事について、押し込みによって機械的仕事Wtotalは、その一部が塑性変形量Wplastとして消費される。その試験力の除荷時に、残りの部分は弾性変形の仕事Welastとして開放されるので、ηitはWelast/Wtotal(%)として定義される。
本発明の微細孔封止用粘着フィルムは、上述した未架橋のシリコーン化合物およびMQレジンを溶剤に溶解あるいは分散させて、必要に応じて接着性改良剤を添加して塗工液を調製し、塗工法で基材フィルム上に塗布した後に、上記条件で電子線架橋処理をして得られる。
未架橋のシリコーンオイルおよびMQレジンは、トルエン等の芳香族炭化水素によく溶解するので、これらの溶剤に溶解して塗工法で塗布するのが好ましい。
塗工法としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法等を用いることができる。
未架橋のシリコーンオイルを用いると、従来のミラブルタイプのシリコーンゴムコンパウンドを溶剤に溶解する場合に必要な混練等によるコンパウンドの可塑化工程が不要である。また、得られた塗工液の保存安定性がよく、シリコーンゴムコンパウンドの溶液調製の際によく見られるゲル化等の増粘現象等も起こらない。さらに、シリコーンゴムコンパウンドの溶液化において発生することがあるシリコーンゴムコンパウンドの未溶解による異物の生成が抑制されるため、清澄度の高い塗工液が得られる等のメリットがある。
基材フィルム上に塗布した後に乾燥することにより、未架橋の粘着層が基材フィルム上に積層される。
上記乾燥は、基材フィルムの材質、厚さや設備の乾燥炉長などから設定できる。多くの場合、急激に溶媒の沸点近くまで温度をかけると突沸という現象を起こし、気泡などの外観不具合を引き起こしやすいので、温度は徐々に上げるのが好ましい。
基材フィルム上に積層され未架橋の粘着層の表面に上記剥離フィルムを積層して、この剥離フィルム上から電子線架橋処理を行なうことが好ましい。
電子線架橋処理終了後の微細孔封止用粘着フィルムは、ロール状に巻き取られる。
電子線架橋処理後の微細孔封止用粘着フィルムは、用途に応じた寸法にスリットまたは/およびカットされて使用される。
本発明の微細孔封止用粘着フィルムは、基材フィルム厚さが20〜200μm、粘着層厚さが10〜60μm、剥離フィルム厚さが10〜100μmであることが好ましい。
本発明の微細孔封止用粘着フィルムは、金属、プラスチック、セラミックスなどの基材に直径数10μmの微細孔が設けられた要素部品における、該微細孔部分を封止するための粘着フィルムとして好適に用いることができる。
実施例1
(1)粘着層形成用塗工液の調製
シリカ等の補強剤を実質的に含まず、数平均分子量が24万(GPC法で測定、ポリスチレン換算)の未架橋のポリジメチルシロキサン骨格よりなる非反応性のシリコーン化合物67質量部をトルエンに溶解した。これにMQレジンを固形分中60質量%含有するシリコーン化合物(東レ・ダウコーニング株式会社製、SD4580PSA、固形分60質量%)56質量部、およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(表1において、TMPとして表す)1.3質量部を添加して均一に溶解して固形分30質量%の塗工液とした。なお、表1において、シリコーン化合物は、非反応性のシリコーン化合物と、MQレジンを含有するシリコーン系粘着剤中のMQレジンを除いたシリコーン化合物との合計量である。
(2)粘着層の形成と、剥離フィルムの貼着
上記塗工液をロールコーターに供給し、片面に易接着処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の易接着処理面に、乾燥後の厚みが45μmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入して90℃で乾燥した。基材フィルム上に未架橋のシリコーン粘着層が片面に形成された積層体が得られた。
ついで、この粘着層の表面に、フッ素系化合物よりなる離型層が積層されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm)を離型層と粘着層が接するように重ねつつ、圧着ローラ(圧力30N/cm2)で押さえ剥離フィルムを貼着した。
(3)電子線照射
上記フィルム積層体を連続的に電子線照射装置に導入し、剥離フィルム側から、200KV、150kGyのエネルギーで電子線を照射して粘着層の架橋を行ない、架橋後のシリコーン粘着層を備えた微細孔封止用粘着フィルムをロール状に巻取った。
得られた微細孔封止用粘着フィルムの構成、電子線照射条件を表1に示す。なお、表1において、剥離フィルムは省略した。また、シリコーン化合物およびMQレジンの配合割合は小数点以下を切り捨てて表示した。
(4)評価
ロール状に巻取られた微細孔封止用粘着フィルムより剥離フィルムを剥離して、180度剥離粘着力、超微小硬度計による測定、汚染性、粘着層残渣性、シール性を評価した。 180度剥離粘着力および超微小硬度計による測定は上述した方法により行なった。
汚染性はガラス板の被着面に100μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムを置き、その上に試料の粘着面を貼り合わせる。その後、60℃で48時間放置後に試料を剥がして、ポリエチレンテレフタレートを置いた周囲のガラス面の汚染の有無を目視で観察した。ガラス面が清浄である場合を○、汚染されている場合を×とした。
粘着層残渣性は、上記汚染性と同様に実施してガラス面の粘着層残渣の有無を目視で観察した。ガラス面が清浄である場合を○、粘着層が残っている場合を×とした。
シール性は、底部全面に直径50μmの微細孔を有する容器の該微細孔に試料の粘着面を貼り合わせ、容器内に精製水を満たしときの液漏れの有無により評価した。液漏れが生じた場合を×、液漏れが見られない場合を○とした。
結果を表2に示す。
実施例2〜9、比較例1〜6
微細孔封止用粘着フィルムの構成、電子線照射条件を表1に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にして微細孔封止用粘着フィルムを作製した。得られた微細孔封止用粘着フィルムを実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。なお、比較例3は、ジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物の代わりにアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、SD7226、固形分30質量%)221質量部を使用し、白金触媒(東レ・ダウコーニング株式会社製、NC−25)を添加して塗工液調整し、塗工時に120℃加熱により架橋させた例であり、比較例4および5は、市販されているアクリル系樹脂を粘着層とする粘着フィルムである。
Figure 2012007157
Figure 2012007157
本発明の微細孔封止用粘着フィルムは、粘着力に優れていると共に、粘着層の残渣が見られないので、各種の微細孔を封止するための粘着フィルムとして利用できる。

Claims (5)

  1. 基材フィルム、シリコーン粘着層、剥離フィルムがこの順に、直接または他の層を介して、積層されてなる微細孔封止用粘着フィルムであって、
    前記シリコーン粘着層は、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物にオルガノポリシロキサンレジンが配合されたシリコーン組成物を電子線により架橋してなる粘着層であり、
    前記オルガノポリシロキサンレジンの配合量は、シリコーン組成物全体量に対して、15質量%を超え50質量%未満であり、
    該粘着層のガラス板に対する180度剥離粘着力が0.1〜2.0N/25mmであり、超微小硬度計による測定値ηitが40〜80%であることを特徴とする微細孔封止用粘着フィルム。
  2. 前記他の層が前記基材フィルムの表面処理層または表面薄層であることを特徴とする請求項1記載の微細孔封止用粘着フィルム。
  3. 前記ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン化合物は、分子内にエポキシ基およびオキセタニル基を含まないシリコーン化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の微細孔封止用粘着フィルム。
  4. 前記シリコーン組成物に更に共架橋剤が配合されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の微細孔封止用粘着フィルム。
  5. 基材フィルムおよび剥離フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の微細孔封止用粘着フィルム。
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