JP2012007076A - エポキシ樹脂組成物とそれを用いた成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】主剤とフェノール硬化剤とが相溶して均一な硬化物を得ることができ、強度や耐熱性等の所要の物性を得ることができるとともに、環境適性にも優れたエポキシ樹脂組成物とそれを用いた成形品を提供する。
【解決手段】アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂、この疎水性エポキシ樹脂に非相溶のフェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形材料に適したエポキシ樹脂組成物とそれを用いた成形品に関するものである。
エポキシ樹脂はその優れた特性から塗料、接着剤、積層板、封止剤等として建材分野から電子材料分野まで幅広く用いられている。特にフェノール硬化剤を用いた場合、骨格に芳香環を有するため高い耐熱性、耐水性を有する。
このようにエポキシ樹脂を主剤に用い、硬化剤としてフェノール硬化剤を用いれば物性の高い硬化物が得られる。しかし、主剤とフェノール硬化剤との極性が大幅に異なる場合、主剤とフェノール硬化剤との反応が進行せず、あるいは得られる硬化物が不均一なものとなる。そしてこの不均一な硬化物は、期待していた物性が得られない場合やブリード現象が起こる場合がある。例えば、主剤に一般的なエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、フェノール硬化剤には分子間結合が強く融点を持たない化合物である加水分解型タンニン酸を用いて硬化反応を行うと、反応時に主剤とフェノール硬化剤とが相溶しないため、得られた硬化物は不均一となる。
この問題を解決する方法として、フェノール硬化剤を疎水化する方法が知られており、具体的にはフェノール性水酸基を変性する方法が知られている。これは、フェノール性水酸基との反応性が高い化合物であるエピクロロヒドリンを反応させ、フェノール性水酸基をエポキシ化して疎水化し、主剤との相溶性を向上させる方法である(非特許文献1参照)。
また、リグニンをフェノール誘導体でグラフト化した化合物とエポキシ樹脂とを反応させ架橋・高分子化させる方法も提案されている(特許文献1参照)。
さらに、主剤とフェノール硬化剤との相溶性を向上させるために、第三の成分を添加するという手法もある。具体的には、主剤とフェノール硬化剤とを相溶化できるアセトンやDMFの等の溶剤を用いる方法がある。
「木質新素材ハンドブック」技報堂出版 p. 361
特開平9−143305号公報
しかしながら、この溶剤を用いる方法では、相溶化のために用いた溶剤が硬化物に残存してしまう可能性や、成形時に硬化物が発泡する可能性があり、強度や耐熱性を低下させてしまう原因となる。さらに、環境問題を考慮すると溶剤等の使用は環境負荷が高く、今後は控える傾向になると予測される。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、主剤とフェノール硬化剤とが相溶して均一な硬化物を得ることができ、強度や耐熱性等の所要の物性を得ることができるとともに、環境適性にも優れたエポキシ樹脂組成物とそれを用いた成形品を提供することを課題としている。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂、この疎水性エポキシ樹脂に非相溶のフェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤を含有することを特徴とする。
このエポキシ樹脂組成物において、前記疎水性エポキシ樹脂、フェノール硬化剤、および相溶化剤の配合比率は、質量比で0.1〜99:0.1〜60:0.1〜99の範囲であることが好ましい。
このエポキシ樹脂組成物において、好ましい態様の一つでは、エポキシ樹脂組成物が半硬化状態である。
本発明の成形品は、上記のエポキシ樹脂組成物を硬化したものであることを特徴とする。
本発明によれば、主剤とフェノール硬化剤とが相溶して均一な硬化物を得ることができ、強度や耐熱性等の所要の物性を得ることができる。さらに、溶剤の使用を抑制したエポキシ樹脂組成物とすることができ、環境負荷を低減することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において主剤として用いられるアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2つ以上有し、3次元架橋するものであれば特に制限なく用いることができる。
このアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂は、成形性を考慮すると、分子量が好ましくは5000未満、より好ましくは2000未満である。
このようなアリール環骨格を含有する疎水性エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール系樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等を用いることができる。また、長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、長鎖アルキル基として炭素数8以上のアルキル基を持つことが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂としては、水溶性エポキシ樹脂に溶解するものであれば特に限定されないが、長鎖アルキル基の炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは8〜30、特に好ましくは15〜20である。例えば、植物由来のエポキシ樹脂である植物油脂のエポキシ化合物を好ましく用いることができる。植物油脂のエポキシ化合物を用いることで、エポキシ樹脂組成物とその硬化物中における植物由来成分の比率を高めることができ、化石資源の代替およびCO2削減が可能な環境対応材料となる。このような植物油脂のエポキシ化合物として、例えば、市販されている大豆、亜麻、桐、ごま、やしの種子等の植物油脂のエポキシ化合物を用いることができる。
本発明において、フェノール硬化剤としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を持つポリフェノール硬化剤を好ましく用いることができる。ポリフェノール硬化剤としては、特に限定されないが、植物由来成分の比率を高めることができ、化石資源の代替およびCO2削減が可能な環境対応材料となるため、植物由来のポリフェノールが好ましい。
植物由来のポリフェノールとしては、例えば、木本植物(マツ科、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹、広葉樹)および草本植物の樹皮、幹、茎、枝、葉等のタンニン酸、お茶等に含まれるフラボノイドの一種であるエピガロガレートカテキンと呼ばれるポリフェノール類等が挙げられる。
これらは、植物の種類、部位等により、含まれる構造が異なる。例えば、タンニン酸の場合、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した縮合型タンニンおよび、没食子酸やエラグ酸等の芳香族化合物とグルコース等の糖とがエステル結合を形成した加水分解性タンニンの2つに分類される。
縮合型タンニンは針葉樹、広葉樹のどちらにも分布している。幹の部分よりも樹皮に多く分布しており、アカシア属の樹木の樹皮タンニン含有率は20〜30%にのぼる。
加水分解性タンニンは双子葉離弁花植物に局在して分布する。ウコギ科ヌルデの葉にヌルデノミミフシアブラムシが寄生してできる虫こぶ(五倍子と称する)に含まれるガロタンニンや、フウロソウ科ゲンノショウコに含まれるエラジタンニン等が挙げられる。
本発明において、エーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤は、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂と、フェノール硬化剤とを均一化するものである。
エーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤は、エーテル基を含有するため極性が高いフェノール硬化剤との親和性が高い。また、エポキシ骨格を有するため、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂との親和性も高いので、両者を相溶化することができる。
このようなエーテル基含有エポキシ樹脂としては、例えば、エチレンプロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレンポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ラウリルアルコールグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリコールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的な商品名としては、例えば、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−622、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−421、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(以上ナガセケムテック株式会社製)、SR−GLG、SR−16H、SR−TMP、SR−PG、SR−4PG、SR−EGM、SR−2EG、SR−8EG、SR−DGE、SR−4GL、SR−SEP(以上阪本薬品工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明において、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂(主剤)、フェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤の配合比率については、特に限定されないが、3成分が加熱混練時に均一化する配合比率であることが好ましい。
例えば、主剤とフェノール硬化剤とが均一化しにくい亜麻仁油エポキシ樹脂と加水分解タンニンに対して少量の相溶化剤を加えたエポキシ樹脂組成物は、2層に分離してしまい機械的強度が低く、透過性の無い硬化物になるため好ましくない。
アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂と、フェノール硬化剤と、エーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤との配合比率は、それぞれ質量比で0.1〜99:0.1〜60:0.1〜99の割合で配合されることが好ましい。この範囲であれば、3成分を加熱混練時に均一化することができる。但し、これらの成分はエポキシ当量、極性によって最適な配合比が異なってくる。
また、3つの成分の配合比率を変えることで硬化物の物性をコントロールすることができる。例えば、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂として分子骨格に剛直な構造を持つビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール硬化剤として植物由来のポリフェノールであるタンニン酸、エーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤としてエーテル結合を持つジエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて、それらの配合比率を変えることで弾性率、ガラス転移温度を制御することができる。そして様々な製品の品質に応じた物性を発現することができる。
本発明の好ましい態様の一つとして、次のものが挙げられる。
(i)アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂であるエポキシ化亜麻仁油と、フェノール硬化剤である加水分解性タンニンと、エーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤であるジエチレングリコールジグリシジルエーテルとをそれぞれ質量比で10〜50:20〜100:10〜50の割合で配合したエポキシ樹脂組成物。
(ii)(i)のエポキシ樹脂組成物を100〜185℃で硬化して得られた成形品。
(i)のエポキシ樹脂組成物とすれば、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂およびフェノール硬化剤として植物由来材料を用いているので、植物由来樹脂比率を25%以上に高めることができ、環境対応材料として優れる。
そして、(i)のエポキシ樹脂組成物を硬化する際には、タンニン酸の分解およびジエチレングリコールグリジルエーテルの気化が190℃付近で起こるので、加熱温度は185℃以下で行うのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内において他の添加成分を配合してもよい。このような添加成分としては、例えば、硬化促進剤、充填剤、増量剤、強化繊維等が挙げられる。
硬化促進剤としては、硬化性樹脂に一般に用いられているもの、例えば、パラトルエンスルホン酸水和物、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、ジアザビシクロウンデセン等を用いることができる。
充填剤、増量剤としては、特に限定されないが、例えば、針葉樹、広葉樹、竹、もみがら、ケナフ、サトウキビ、シュロ、紙粉等を用いれば、エポキシ樹脂組成物とその硬化物中における植物由来成分の比率を高めることができる。
また、相溶性をさらに向上させて反応性を高める目的で、オキサゾリン系,エポキシ−アクリル系、エポキシ−酸無水物系等の相溶化剤を適宜用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物を形成することができるため、成形材料として好適に用いることができる。また、紙やガラス繊維等に含浸し、あるいは単板に塗布して積層板として好適に用いることができ、接着剤としても好適に用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、適宜の条件にて反応させることによって硬化物とされる。硬化反応の反応機構は次のように考えられる。フェノール硬化剤のフェノール性水酸基と、主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂におけるエポキシ基との反応が主反応として起こる。そして副反応として相溶化剤のエーテル基含有エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール硬化剤中の水酸基との反応が進行する。これらの反応により、三次元網状構造の硬化物となるものと考えられる。
硬化反応の条件は、特に限定されないが、従来の硬化性樹脂と同様の条件が適用できる。具体的には、例えば、加熱、光照射、硬化促進剤の添加等により硬化反応を進行させることができる。
本発明の成形品は、骨格に多くの芳香族、架橋点を有し、高い耐熱性、機械強度、耐水性を得ることができる。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半硬化状態とすることもできる。半硬化状態とするには、エポキシ樹脂組成物を100〜185℃で10〜60分予備加熱を行えばよく、このようにして得られた半硬化物はタッキング性がなくハンドリング性が向上する、また成形時間を短縮することもできる。
本発明の成形品の用途は特に限定されないが、耐熱性、成形性が良いことから、シンクやバス等の住建部材、積層板や封止材等の電子材料等として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1、2)
表1の配合に基づき、次の手順でエポキシ樹脂組成物を調製した。
エーテル基含有エポキシ樹脂であるジエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名SR−2EG、エポキシ当量149g/eq、阪本薬品工業(株)製)に、ポリフェノール硬化剤であるタンニンを含有する植物の抽出成分である縮合型タンニン(タンニン含有率80%以上、富士化学工業(株)製)を混合してディスパーで撹拌した。
その後、主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン850S、エポキシ当量185g/eq、DIC(株)製)を加え、ワニスを調製してエポキシ樹脂組成物を得た。
調製したエポキシ樹脂組成物を縦100mm、横200mm、厚さ3mmのステンレスの型に流し込み注型成形を行った。乾燥機内で120℃、30分間、さらに150℃、60分間の条件で加熱硬化を行った。
(実施例3)
主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂としてエポキシ化亜麻仁油(商品名「エポサイザーW−109」、オキシラン酸素9.0<、DIC(株)製)、ポリフェノール硬化剤としてタンニンを含有する植物の抽出成分であるタンニン酸AL(加水分解型、タンニン含有率96%以上、富士化学工業(株)製)、エーテル基含有エポキシ樹脂としてグリセリンポリグリシジルエーテル(商品名「SR−GLG」、エポキシ当量170g/eq、阪本薬品工業(株)製)を表1の配合に基づいて混合した以外は実施例1と同様にしてワニスを調製しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を実施例1と同様にして加熱硬化した。
(比較例1)
エーテル基含有エポキシ樹脂を配合しなかった以外は実施例1と同様にしてワニスを調製しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を実施例1と同様にして加熱硬化した。
(比較例2)
実施例1において、エーテル基含有エポキシ樹脂に代えて、エーテル基を含有しないエポキシ樹脂としてエポキシ化亜麻仁油(商品名「エポサイザーW−109」、オキシラン酸素9.0<、DIC(株)製)を用いた。そして表1の配合に基づいて実施例1と同様にしてワニスを調製しエポキシ樹脂組成物を得た後、このエポキシ樹脂組成物を実施例1と同様にして加熱硬化した。
実施例1〜3および比較例1、2について次の評価を行った。
1.エポキシ樹脂組成物の相溶性
[混練・加熱混練時の状態]
エポキシ樹脂組成物の調製時における混練・加熱混練時の状態を、均一・やや不均一・不均一の3段階で評価した。
2.硬化物の物性
主剤、硬化剤、相溶化剤が反応しているのか、相分離が生じていないのかを硬化物の全光線透過率、および溶剤への溶解性を測定することで評価した。
[透明性]
厚さ100μmのフィルムを作製して可視光(350〜700nm)における全光線透過率を測定することで透明性を評価した。全光線透過率が60%以上のものは透明、それより低いものは不透明とした。
[溶剤への溶解性]
硬化物から50mm×50mm×3mmの試験片を切り出し、質量の10倍量のアセトン溶液に5時間浸漬させ重量変化を調べた。浸漬前後で2質量%以上の重量減少があったものを×、無かったものを○と判定した。
(実施例4〜8)
主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂としてエピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、185g/eq、DIC(株)製)、フェノール硬化剤としてタンニンを含有する植物の抽出成分であるタンニン酸AL(加水分解型、タンニン含有率96%以上、富士化学工業(株)製)、エーテル基含有エポキシ樹脂としてSR−GLG(グリセリンポリグリシジルエーテル、170g/eq、阪本薬品工業(株)製)を表2の配合に基づいて混合した。なお、実施例6では主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂としてエポキシ化亜麻仁油(商品名「エポサイザーW−109」、オキシラン酸素9.0<、DIC(株)製)を用いた。
エーテル基含有エポキシ樹脂にフェノール硬化剤を混合してディスパーで撹拌し、その後、主剤のアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂を加え、ワニスを調製した。調製したワニスを縦100mm、横200mm、厚さ3mmのステンレスの型に流し込み注型成形を行った。乾燥機内で120℃、30分間、さらに150℃、60分間の条件で加熱硬化を行った。
実施例4〜8における硬化物の物性について次の評価を行った。
[透明性]
上記の実施例1〜3、比較例1、2と同様の方法で評価を行った。
[溶剤への溶解性]
上記の実施例1〜3、比較例1、2と同様の方法で評価を行った。
[ガラス転移温度]
ガラス転移温度はセイコーインスツルメンツ社製EXSTAR6000 DMS熱分析装置を用いて損失弾性率の最大値から求めた。測定は15〜200℃、昇温速度3℃/min、周波数1Hzの条件で行った。
[曲げ強度および曲げ弾性率]
曲げ強度および曲げ弾性率の測定はJIS K 7171に準拠して行った。得られた成形体はダイヤモンドカッターを用いて100mm×10mm×3mmに切り出した。島津製のオートグラフAG−Xを用いてヘッドスピード2mm/min、荷重10kN、支点間距離は80mmに設定して3点曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2012007076
Figure 2012007076
表1より、アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂、この疎水性エポキシ樹脂に非相溶のフェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた実施例1〜3では、加熱混練による均一性が向上し、硬化物は透明で、アセトンに不溶であった。
一方、比較例1では相溶化剤を配合しなかったところ、加熱混練時の状態が不均一になり、硬化物は不透明で、アセトンに溶解した。
比較例2では実施例1の相溶化剤に代えてエポキシ化亜麻仁油を配合したが、加熱混練時の状態が不均一になり、硬化物は不透明で、アセトンに溶解した。
また、表2より、主剤としてのアリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂、フェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤の配合比率を各種のものに変更した実施例4〜8では、硬化物は透明で、アセトンに不溶であるとともに、ガラス転移温度、曲げ強度、曲げ弾性率の各種物性も備えていた。

Claims (4)

  1. アリール環骨格または長鎖アルキル基を含有する疎水性エポキシ樹脂、この疎水性エポキシ樹脂に非相溶のフェノール硬化剤、およびエーテル基含有エポキシ樹脂からなる相溶化剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記疎水性エポキシ樹脂、フェノール硬化剤、および相溶化剤の配合比率は、質量比で0.1〜99:0.1〜60:0.1〜99の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 半硬化状態であることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化したものであることを特徴とする成形品。
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