JP2012006266A - 液体吐出装置および液体吐出方法 - Google Patents

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大岳 加藤
Kazuo Suzuki
一生 鈴木
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Yutaka Kawamata
裕 川又
Toshimitsu Danzuka
俊光 弾塚
Asako Watanabe
麻子 渡辺
Junpei Jogo
順平 城後
Hiroaki Komatsu
宏彰 小松
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Abstract

【課題】使用率の低いノズルにおけるインク滴の偏向現象の発生を防止する。
【解決手段】記録媒体への記録を開始する際に、前回記録動作からの経過時間Tが、所定時間Tth未満であり、かつ前記記録動作時の1分あたりの吐出回数がQth未満である場合には、記録前予備吐出量として、前回の記録媒体への記録終了から今回の記録媒体への記録開始までの休止時間Tに応じた第1の予備吐出量Dよりも多い、第2の予備吐出量Uにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット式の記録装置などの液体吐出装置および液体吐出方法に関する。
インクジェット式の記録装置の記録ヘッドにおいては、吐出口からインク中の溶媒が蒸発し、吐出口近傍のインクの粘度が上昇し、インク滴の吐出方向の偏向や、インク滴が吐出しない不具合が発生しうることが知られている。このため、例えば、特許文献1は、前回の記録に要した時間、又は、前回の記録の際のインク滴の吐出数に応じて、いわゆる予備吐出の吐出量を制御する技術を開示している。
特開2001−191554号公報
ところで、本発明者らが行った実験結果によると、単位時間当たりのインク滴の吐出数が比較的少ない画像データを記録した場合に、ノズルから吐出されるインク滴の吐出方向が大きく偏向する現象が発生する場合があることが分かった。すなわち、使用頻度が低いノズルにおいてインク滴の吐出方向が大きく偏向する現象が発生する場合があることを見出した。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであって、その目的は、使用頻度の低いノズルにおいてインク滴の吐出方向が大きく偏向する不具合の発生を抑制可能なインクジェット装置を提供することにある。
本発明に係る液体吐出装置は、入力された記録データに基づき、吐出口から液体を記録媒体に吐出するヘッドと、前記ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出を制御する予備吐出制御手段とを備えた液体吐出装置であって、前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth未満である場合と、所定値Qth以上である場合とで、今回の記録動作前の前記ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出量を異ならせる、ことを特徴とする。
本発明によれば、予備吐出量を最小限に抑えつつ、使用頻度が比較的低いノズルにおいてインク滴の吐出方向が大きく偏向する現象の発生を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット装置の要部の断面図である。 図1のインクジェット装置の制御系の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るプリントシーケンスを示すフローチャートである。 休止時間Tと記録前予備吐出量との関係を示したテーブルである。 本発明の他の実施形態に係るプリントシーケンスを示すフローチャートである。 本発明のさらに他の実施形態に係るインクジェット装置の要部断面図である。
先ず、本発明者らによる実験検討により確認された、使用頻度が比較的低いノズルにおいてインク滴の吐出方向が大きく偏向する現象(以下、偏向現象ともいう)について説明する。
実験は、1分あたり、1吐出口あたりのインク滴の吐出回数が3000回となるような条件で、様々なインクを用いて画像を記録した。ノズルから吐出されるインク滴の吐出方向が、大きく偏向するインク種があることが確認された。そのインク種は、一部の顔料インクであった。さらに、このとき、偏向現象が発生している状態の記録ヘッドのノズルの吐出口の周辺を、顕微鏡を用いて観察したところ、吐出口には、主成分が顔料分散体であると考えられる固形物が不均一に付着していた。また、インク滴を全く吐出していないノズルの吐出口には、固形物の付着は観察されなかった。なお、偏向現象が発生したノズルの吐出口を120時間キャッピングした状態で放置した後に、再度確認したところ、変更現象は発生しなかった。このため、偏向現象の発生原因は、吐出口に不均一に付着した固形物によるものであると考えられる。
さらに、使用頻度の低いノズルの吐出口にのみ固形物が付着する原因は、以下のようなものであると考えられる。すなわち、インク滴の吐出によって、ノズル内のインクは、インク滴とノズル内に残存したインクとに分離される。この分離の際に発生する微小のインク滴が、ノズルの吐出口の周りに不均一に付着する。使用頻度の低いノズルにおいては、この不均一に付着した微小インク滴中の揮発成分が蒸発し、その結果、吐出口の周辺は、主成分が顔料分散体であると考えられる固形物が不均一に付着した状態となる。
一方、使用頻度が比較的高いノズルにおいては、上記の微小インク滴が吐出口周りに付着するが、インク滴の吐出間隔が短いため、吐出口周りに付着したインク量が増えるため、付着したインク中の揮発成分の蒸発に時間がかかる。このため、吐出口周りに付着した微小インク滴は、主成分が顔料分散体であると考えられる固形物になる前に、一般的に所定の間隔で実行されるワイピング動作などにより、除去されるものと考えられる。また、使用頻度が高いと、主成分が顔料分散体であると考えられる固形物が発生したとしても、インク滴の吐出と共に吐出口から除去されると考えられる。また、この固形物は、ある程度の放置期間、即ち、水分吸収時間があれば、雰囲気中の水分を吸収して溶解するものと考えられる。さらに、インク滴を全く吐出していないノズルにおいては、上記微小インク滴の発生がないため、固形物も付着しないと考えられる。
[第1の実施形態]
図1において、1000は、インクジェット記録ヘッドであり、入力された記録データに基づき、吐出口からインク(液体)を記録媒体に吐出する。インクジェット記録ヘッド1000には、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インクをそれぞれ吐出する吐出口1001,1002,1003,1004が、図1の紙面に垂直な方向(以下、Y方向とも称する)に、それぞれ複数備えられている。なお、各色インクを吐出するそれぞれ複数の吐出口は、吐出口面1010に設けられている。また、各吐出口内部には、電気熱変換体が備えられており、この電気熱変換体に駆動信号に基づいた電気信号を印加することによって、インクに気泡を発生させ、その気泡の圧力によって、インクを吐出口から吐出させる。なお、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インクは、不図示のインクタンクから供給される。
また、インクジェット記録ヘッド1000は、ガイドシャフト1110にガイドされて、不図示のキャリッジモータの回転によって図1中の両矢印X方向に往復走査されるキャリッジ1100に搭載されている。キャリッジ1100は、不図示の搬送モータの間欠的な回転に伴ってプラテン1200上を上記Y方向に間欠的に搬送される記録媒体(以下、プリント用紙とも称する)の停止中に、上記X方向に往復走査される。その往復走査中に、インクジェット記録ヘッド1000の吐出口1001,1002,1003,1004から、各色インクが上記プリント用紙上に吐出されることで、画像等の記録が行われる。上記プリント用紙の間欠的な搬送及びキャリッジ1100の往復走査中の各吐出口からのインク吐出を、プリント用紙1枚分繰り返すことで、1枚のプリント用紙への記録は終了する。
さらに、図1において、1020は、吐出口からのインク中溶媒の蒸発を抑制するために、各色インクを吐出する複数の吐出口をキャッピングするキャップである。キャップ1020は、周知の手段によって、キャッピングポジションと離間ポジションとの間を、図1中の両矢印Z方向に往復移動する。なお、キャップ1020内には、インク吸収体1021が備えられている。
図1中1030は、吐出口面1010に付着するインク残渣等の異物を除去するために、吐出口面1010をワイピングするワイパーブレードである。ワイパーブレード1030は、周知の手段によって、ワイピングポジションと退避ポジションとの間を、上記Z方向に往復移動する。ワイパーブレード1030は、非ワイピング時には退避ポジションに位置しているが、ワイピング動作時にはワイピングポジションにまで移動し、その状態でキャリッジ1100がX方向に移動することで、ワイピング動作が行われる。
図1中1040は、吐出口内の増粘インク等が吐出される予備吐出受けであって、吐出されたインクは、不図示の廃インク容器へと導かれる。
次に、上記のように構成された液体吐出装置としてのインクジェット装置の制御系について、図2を参照して説明する。
図2において、2500は、ホストコンピュータであって、例えばUSBインターフェイス等によってインクジェット装置と接続されている。また、2510は、ホストコンピュータ2500内にソフトウェアの形式で記憶されているプリンタドライバである。プリンタドライバ2510は、ユーザーによるプリント指令に応じて、ユーザー所望の文書や写真等の画像データからプリントデータを生成し、インクジェット装置へと送信する。
図2中2010は、ホストコンピュータ2500からインクジェット装置へと送信されたプリントデータ等を保持するための受信バッファである。受信バッファ2010に保持されたプリントデータ等は、CPU2020の管理下で、RAM2030に転送されて、一次的に記憶される。2040は、インクジェット装置の各種制御に必要なプログラムや固定データ等を記憶しているROMである。また、2050は、インクジェット装置の電源が切断されるときにも記憶しておくべき情報を保存しておくための不揮発性メモリNVRAMである。
2060は、キャリッジモータや搬送モータ等の各種モータ2065を駆動するためのモータドライバであり、2070は、インクジェット記録ヘッド1000を駆動するためのヘッドドライバである。2080は、各種センサ及びスイッチ2085をコントロールするためのセンサ/スイッチコントローラである。
以下、このように構成されたインクジェット装置における、第1の実施形態に係るプリントシーケンスについて、図3及び図4を参照して説明する。
図3において、ホストコンピュータ2500から記録指令が送信されてくる(ステップ3000)と、そのときの時刻Sが、RAM2030内に記憶(ステップ3001)される。その後、NVRAM2050内が参照され、後述する前回の記録動作終了時Eからの経過時間である休止時間Tが、所定時間Tth以上であるか否かが判定(ステップ3002)される。ここで、第1の実施形態における具体的な所定時間Tthの値は、120時間である。その理由は、本発明者らの実験によると、休止時間が120時間未満である場合に、前回の記録動作がある条件下において、偏向現象が発生する可能性があることが判明したからである。ステップ3002において、休止時間Tが5日(120時間)を超えていた場合には、ステップ3020へと進む。ステップ3020においては、図4(a)に示したテーブル1に基づいた第1量Dの記録動作前の予備吐吐出が、キャリッジ1100の走査中に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクと、順次、予備吐出受け1040に向けて行われる。なお、図4中の値は吐出口内の電気熱変換体に印加される電気信号のパルス数で、1吐出口あたりのパルス数を表している。ここでは、前回のプリント用紙への記録動作終了(前回の後述する時刻E)から今回のプリント用紙への記録動作開始(上記時刻S)までの休止時間Tに応じた、上述した吐出不良解消可能量である、第1量Dの記録前予備吐出が実行される。すなわち、ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出を制御する予備吐出制御が実行される。休止時間が5日を超えている場合には、前回の記録動作が偏向現象を発生させる可能性のあるものであったとしても、休止時間が十分あるため、偏向現象は発生しないと判断される。このため、記録前に行われる予備吐出としては、周知の技術である、休止時間に応じた予備吐出を実行すればよい。その後、ステップ3030へと進んで、プリント用紙への記録動作が、上述したように行われる。次にステップ3031へ進み、記録動作が開始されると同時に記録時間tおよび吐出回数dの計測が始まる。尚、吐出回数dは各色毎に計数されていく。ステップ3032において記録動作が終了すると、次にステップ3033に進む。ステップ3033では記録動作終了時の時刻Eを、NVRAM2050内の所定アドレスに記憶する。この時刻Eが、次回のプリント用紙へ記録動作を行う際の、前回のプリント用紙への記録動作終了時刻となる。次にステップ3034へと進み、ステップ3031にて計測した記録時間tおよび吐出回数dに基づき、1分あたりの吐出回数(単位時間あたりの吐出回数)Kの計算が行われ、計算結果が、NVRAM2050内の所定アドレスに記憶される。なお、1分あたりの吐出回数Kは各色毎に計算され、各色の計算結果が記憶される。ステップ3034が終了したところでスタートへ戻り、再びホストコンピュータ2500からのプリント指令を待つ。
一方、ステップ3002において休止時間Tが120時間未満である場合には、ステップ3003へと進む。すなわち、休止時間が5日未満であるため、前回の記録動作の条件によって、偏向現象が発生する可能性がある。そして、ステップ3003では、実際に偏向現象が発生する可能性があるか否か判定される。具体的には前回記録動作時の1分あたりの吐出回数Kが所定値Qth未満か、それとも所定値Qthに到達しているか判定される。本発明者らの実験により、具体的な所定値Qthの値は、4000で設定すると好適であった。ステップ3003において1分あたりの吐出回数Kが所定値Qth以上である場合には、前回記録動作では、偏向現象が発生する可能性の無い記録動作が実行されたと判定され、ステップ3020へと進む。そして、前述した通り、ステップ3020にて、休止時間Tに応じた予備吐出を実行する。その後のシーケンスについては、ステップ3002における判定結果が肯定判定である場合と同様であるので、説明を省略する。
また、ステップ3003において、1分あたりの吐出回数Kが所定値Qth未満である場合、前回記録動作において偏向現象が発生する可能性のある記録動作が実行されたと判定され、ステップ3010へと進む。ステップ3010では、図4(b)に示したテーブル2に基づいた第2量Uの記録動作前の予備吐出が、キャリッジ1100の走査中に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクと、順次、予備吐出受け1040に向けて行われる。すなわち、ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出を制御する予備吐出制御が実行される。第2量Uの記録動作前の予備吐出量は前述した第1量Dの予備吐出における最大吐出量以上で、かつ、一定に設定されている。本発明者らの検討によると、第2量Uの予備吐出量は1吐出口あたり10000パルスに設定することで偏向現象は発生しなかった。その後のシーケンスについては、ステップ3002における判定結果が肯定判定である場合と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態では、偏向現象が発生する可能性のある場合には、偏向現象を防止し、かつ、吐出不良を防止できる量である、第2量Uの記録前予備吐出が実行される。一方、偏向現象が発生する可能性が無い場合には、吐出不良を防止できる量である、第1量Dの記録前予備吐出が実行される。これにより、記録前予備吐出による廃インク量を抑えつつ、偏向現象の発生を抑制できる。
なお、本実施形態では、ステップ3002で休止時間の判定をした後、ステップ3003で1分あたりの吐出回数の判定を行ったが、先に、1分あたりの吐出回数判定を行い、次に休止時間の判定を行っても良い。
[第2の実施形態]
第2の実施形態においては、記録前予備吐出による廃インク量をより抑えつつ、低使用ノズルヨレの発生を防止することができるような例を挙げて、本発明の説明を行う。
第2の実施形態における、インクジェット装置の模式的断面図(要部)は、図1と同様であるので、説明を省略する。また、制御系のブロック図についても、図2と同様であるので、説明を省略する。
以下に、第2の実施形態のプリントシーケンスについて、図4及び図5を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施形態のプリントシーケンスを示したフローチャートである。ホストコンピュータ2500から記録指令が送信されてくる(ステップ5000)と、そのときの時刻Sが、RAM2030内に記憶(ステップ5001)される。その後、NVRAM2050内が参照され、後述する前回の記録動作終了時Eからの経過時間である休止時間Tが、所定時間Tth以上であるか否かが判定(ステップ5002)される。具体的なTthの値は、120時間である。
ステップ5002において、休止時間Tが120時間を超えていた場合には、ステップ5004へと進む。ステップ5004では後述する累積記録時間Rをリセットする。累積記録時間Rは偏向現象が発生する可能性のある記録動作を行っていた時間の累積値である。前述した様に休止時間Tが120時間を超えているため、前回までの記録動作の如何に関わらず偏向現象は発生しないため、累積記録時間Rはリセットされる。次にステップ5020へと進み、図4(a)に示したテーブル1に基づいた第1量Dの記録前予備吐吐出が行われる。第1量Dの予備吐出量は、前述した様に休止時間Tに応じた予備吐出量となっている。その後、ステップ5030へと進んで、プリント用紙への記録動作が行われる。次にステップ5031へ進み、記録動作が開始されると同時に記録時間tおよび吐出回数dの計測が始まる。ステップ5032において記録動作が終了すると、次にステップ5033に進む。ステップ5033では記録動作終了時の時刻Eを、NVRAM2050内の所定アドレスに記憶する。次にステップ5034へと進み、ステップ5031にて計測した記録時間tおよび吐出回数dに基づき、1分あたりの吐出回数Wの計算が行われる。
ステップ5034では偏向現象が発生する可能性のある記録動作であるか否か判定が行われる。具体的には前回記録動作時の1分あたりの吐出回数Wが所定値Qth未満か、それとも所定値Qthに到達しているか判定される。ここで、所定値Qthは、4000である。ステップ5034での判定が、肯定判定、即ち吐出回数Wが所定値Qth未満であった場合、ステップ5035へと進む。ステップ5035では、累積記録時間Rに今回の記録動作で計測された記録時間tが加算されて新たな累積記録時間Rが算出される。累積記録時間Rは偏向現象が発生する可能性のある記録動作を行っていた時間の累積値であり、今回の記録動作は偏向現象の発生の可能性があると判定されたために記録時間tが累積記録時間Rに加算される。ステップ5035が終了したところでスタートへ戻り、再びホストコンピュータ2500からのプリント指令を待つ。
一方、ステップ5034へと戻って、ステップ5034における判定結果が、否定判定、即ち1分あたりの吐出回数Wが所定値Qth以上であると判定された場合は、ステップ5036へと進む。
ステップ5036及びステップ5037では、今回の記録動作が偏向現象の発生を解消する可能性のある記録動作であったか否かが判定される。ステップ5036に進んだという事は今回の記録動作は少なくとも偏向現象の発生の可能性が無い。また、今回の記録動作で、ある程度の吐出回数を行っていれば、逆に偏向現象を解消する記録動作に成り得る事を意味している。ステップ5036では今回の記録動作での吐出回数dがMを超えているか否か判定される。ここでMは10000である。吐出回数dがMを超えていなければ、今回の記録動作は、偏向現象も発生しないし、偏向現象を解消する動作にもなっていない、と判定されてスタートに戻る。また吐出回数dがMを超えていれば、ステップ5037へ進む。
ステップ5037では、記録動作中の1分あたりの吐出回数Wが、偏向現象を解消可能な回数Qth2に達しているか否か判定される。もし達していなかったら前述した様に、今回の記録動作は偏向現象を解消する動作になっていなかったと判定されてスタートに戻る。また吐出回数Wが所定値Qth2に達していた場合は、今回の記録動作が偏向現象を解消する動作に成っていると判定されてステップ5038へと進む。ここで所定値Qth2は4000である。尚、所定値Qth2が所定値Qth以上の値になるのは言うまでもないことである。ステップ5038にて今回の記録動作が偏向現象解消動作であったため、累積記録時間Rがリセットされ、その後スタートに戻る。
一方、ステップ5002へと戻って、ステップ5002における判定結果が、否定判定、即ち、休止時間Tが120時間未満である場合には、ステップ5003へと進む。つまり、休止時間が120時間未満である為、前回の記録動作の条件によって、偏向現象が発生する可能性があることになる。そして、ステップ5003では実際に偏向現象が発生する可能性があるか否か判定が行われる。具体的には累積記録時間RがRthに達しているか否か判定される。本発明者らの実験によると、1分あたりの吐出回数が低く、偏向現象が発生し得る記録動作を行ったとしても、短時間で記録動作が終了した場合、偏向現象は発生しなかった。つまり、1分あたりの吐出回数が所定値Qth未満の偏向現象が発生し得る記録動作を所定時間続けないと、偏向現象が発生しないということである。本発明者らの実験で導き出した累積記録時間Rthは20分である。ステップ5003における判定結果が、否定判定、即ち累積記録時間RがRthに達しておらず、偏向現象が発生しないと判定された場合、ステップ5020へと進む。その後のシーケンスについては、ステップ5002で肯定判定された場合と同様なので説明を省略する。またステップ5003における判定結果が肯定判定だった場合、即ち累積記録時間RがRthに達しており、偏向現象の発生の可能性があると判定され、ステップ5010へ進む。ステップ5010では、図4(b)に示したテーブル2に基づいた第2量Uの記録前予備吐吐出が行われる。第2量Uの記録前予備吐出量は前述した第1量Dの予備吐出よりも多く設定されている。本発明者らの検討によると、本実施例において、第2量Uの予備吐出量は1吐出口あたり10000パルスであった。その後のシーケンスについては、ステップ5002における判定結果が肯定判定である場合と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態によれば、偏向現象が発生する判定を、休止時間や、前回記録動作中の1分あたりの吐出回数だけでなく、記録時間も加えることが可能となる。つまり第1の実施形態では記録時間が短時間、つまり吐出回数が少なくても、1分あたりの吐出回数が少なければ偏向現象の発生の可能性があると判断され、次回の記録前予備吐出量が増える可能性があった。本実施形態では記録時間も判定方法に加えている為、更に、記録前予備吐出による廃インク量を抑えつつ、偏向現象の発生を防止することができるようになる。
[第3の実施形態]
第1および第2の実施形態においては、予備吐出受け1040に向けて予備吐出を行うように構成制御したインクジェット装置を例に挙げて、本発明の説明を行った。第3の実施形態においては、キャップ1020内へ向けて予備吐出を行うように構成制御したインクジェット装置を例に挙げて、本発明の説明を行う。キャップ1020内へ向けて予備吐出を行うようにすることで、インクジェット装置の幅(図1に両矢印Xで示した方向の幅)を縮小することができる。また、実施例1及び2においては、キャリッジ1100を走査させながら、イエローインク,マゼンタインク,シアンインク,ブラックインクの予備吐出を、予備吐出受け1040に向けて順次行っていた。第3の実施形態においては、キャップ1020内に向けて各色インクの予備吐出を同時に行うので、予備吐出に要する時間も短縮することができる。
図6に、本発明の第3の実施形態としての、インクジェット装置の模式的断面図(要部)を示す。図6において、図1と同一の番号を付したものは同様の要素を示しているので、説明を省略する。また、第3の実施形態としてのインクジェット装置の制御系のブロック図は、図2と同様であるので、説明を省略する。
図6において、1022は、キャップ1020内に予備吐出されたインクを、チューブ1023を介して不図示の廃インク容器へと導くための吸引ポンプである。
以下に、このように構成されたインクジェット装置における、第3の実施形態としてのプリントシーケンスについての説明を行う。フローチャートについては、図5中に示したステップ5032の記録動作終了後に、吸引ポンプ1022を駆動してキャップ1020内に予備吐出されたインクを廃インク容器へと導くステップが挿入されるだけであるので、再度の詳しい説明は省略する。なお、具体的な吸引ポンプ1022の駆動時間は5秒である。また、図4に示した、前回のプリント用紙へのプリント終了から今回のプリント用紙へのプリント開始までの休止時間Tと、吐出不良解消可能記録前予備吐出量Qとの関係を示したテーブルについても、第2の実施形態と同一である。
但し、第3の実施形態においては、図5中のステップ5002における所定値Tthが、第2の実施形態における値である120時間とは異なり、72時間となっている。その理由は、キャップ1020内に予備吐出するようにしたインクジェット装置において本発明者らが行った実験結果に基づいている。本発明者らが実験を行った結果、このようなインクジェット装置においては、前回記録動作終了からの経過時間が72時間経過すれば、偏向現象が発生する可能性のある記録動作を前回行っていても、今回の記録動作では偏向現象が発生しなかった。
その理由については、キャッピングによって閉空間になった、吐出口面1010周りの閉空間の湿度上昇値が、第3の実施形態におけるインクジェット装置の方が、第2の実施形態におけるインクジェット装置よりも高いからであると考えられる。上記閉空間の湿度上昇値が高いと吐出口近傍に発生した異物状態が、より早く解消されるものと考えられる。このような理由から、第3の実施形態においては、上記所定値Tthを72時間としている。
キャップ1020内に向けて予備吐出するように構成制御されたインクジェット装置においても、記録前予備吐出による廃インク量を抑えつつ、偏向現象の発生を防止することができるようになる。
[他の実施形態]
第1ないし第3の実施形態においては、吐出口内に電気熱変換体を備えた、いわゆるサーマル方式のインクジェット記録ヘッド1000を用いていた。しかし、本発明は、そのような例に限られるものではなく、吐出口内に圧電素子等を備えた、いわゆるピエゾ方式のインクジェット記録ヘッドにも本発明は適用可能である。また、第1ないし第3の実施形態においては、常温常湿環境下での動作例を挙げたが、記録装置の雰囲気温湿度が変われば、偏向現象が解消する休止時間も変わる。具体的には、高湿度状態で休止していた場合、偏向現象の解消時間が短縮する為、各実施形態における所定値Tthの値を変更することが可能となる。
第1ないし第3の実施形態においては、間欠搬送されるプリント用紙の停止中にキャリッジ1100が上記X方向に走査され、その走査中にインクが吐出されてプリントが行われる、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット装置を例として挙げた。しかし、本発明はそのような例に限られるものではない。例えば、プリント用紙の搬送方向と垂直な方向の長さよりも長い、いわゆるフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを用いる、フルラインタイプのインクジェット装置に対しても、本発明を適用可能である。
1000 ヘッド
1001〜1004 吐出口

Claims (6)

  1. 入力された記録データに基づき、吐出口から液体を記録媒体に吐出するヘッドと、前記ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出を制御する予備吐出制御手段とを備えた液体吐出装置であって、
    前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth未満である場合と、所定値Qth以上である場合とで、今回の記録動作前の前記ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出量を異ならせる、ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作の終了からの経過時間が所定時間より短い場合に、前記所定値Qthに基づく吐出制御を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth未満である場合には、前記吐出量を、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth以上である場合の最大吐出量以上とする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth未満である場合には、前記吐出量を一定とし、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth以上である場合には、前記吐出量を前回の前記記録媒体への記録動作の終了からの休止時間Tに応じた量とする、ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記予備吐出制御手段は、前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が前記所定値Qth未満である場合の記録時間を累積した累積記録時間を算出し、前記累積記録時間が所定値を超えた場合に、前記所定値Qthに基づく吐出制御を実行する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 入力された記録データに基づき、吐出口から液体を記録媒体に吐出するヘッドからの記録に関与しない液体の吐出を制御する液体吐出方法であって、
    前回の記録動作時の単位時間あたりの吐出回数が所定値Qth未満である場合と、所定値Qth以上である場合とで、今回の記録動作前の前記ヘッドからの記録に関与しない液体の吐出量を異ならせる、ことを特徴とする液体吐出方法。
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