<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、通路形成ユニットが取り付けられている。通路形成ユニットは、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とが形成されている。通路形成ユニットにおいて、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、上記入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動入球部82,83等が配設されている。作動入球部82,83は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動入球部82(以下便宜上、下側作動入球部82と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動入球部83(以下便宜上、右側作動入球部83と称する)とによって構成されており、特に右側作動入球部(抽選契機入球部)83には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。図5の模式図に示すように電動役物91は、右作動口83aの左右両側に配置された一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部91bとを有してなり、図5(a)に示すように右側作動入球部83(右作動口83a)への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、図5(b)に示すように同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
再び図4を参照して説明すれば、この右側作動入球部83の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選(サポート抽選)にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下側作動入球部82(詳しくは下作動口82a)への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右側作動入球部83(詳しくは右作動口83a)への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下側作動入球部82に対する右側作動入球部83の有利性を高める上では、下側作動入球部82に係る払出個数よりも右側作動入球部83に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)84,85についても、下側作動入球部82及び右側作動入球部83と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下側作動入球部82の下方)に配置された可変入球装置84を「下側可変入球装置84」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右側作動入球部83の下方)に配置された可変入球装置85を「右側可変入球装置85」と称する。
下側可変入球装置84は、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口84aを備えているとともに、当該大入賞口84aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉84bを備えている。開閉扉84bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉84bは遊技盤80の背面側に設けられた可変入球駆動部84c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては同開閉扉84bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に当該開閉扉84bが開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合等に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける下側可変入球装置84の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉84bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入球装置85は、下側可変入球装置84と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口85aと、当該大入賞口85aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉85bとを備えている。開閉扉85bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉85bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入球駆動部85c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉85bは閉状態のまま維持され、右側作動入球部83(右作動口83a)への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入球装置84が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入球装置85の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(約3sec)が経過するまで開閉扉が開放されるように設定されている。
以下、図6に基づき右側可変入球装置85について詳しく説明する。図6は右側可変入球装置85の正面図である。
右側可変入球装置85には、大入賞口85aから流入した遊技球を後述する回収通路へと案内する案内通路92が設けられている。案内通路92は、当該案内通路92における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されており、その途中位置にて2股に分岐している。つまり、案内通路92は、分岐位置の上流側に位置する1条の上流側通路92aと、同分岐位置の下流側に位置する2条の下流側通路92b,92cとを有している。
上流側通路92aの途中位置には検知センサ95aが設けられており、右側可変入球装置85へ流入した遊技球が同検知センサ95aによって検知される。詳しくは、検知センサ95aは、上流側通路92aに設けられた検知領域DE0を遊技球が通過することで入球を検知する。検知センサ95aは主制御装置に対して電気的に接続されており、当該検知センサ95aから出力される検知情報に基づいて右側可変入球装置85(詳しくは大入賞口85a)への入球の有無が判定される。
上流側通路92aにおいて出口部分を含んだ下流側の一部は上下方向に延びており、同出口部分が下方に開放されている。上流側通路92aの下流側への延長上には一方の下流側通路92b(以下便宜上、第1下流側通路92bと称する)の入口部分が位置しており、同入口部分は上流側通路92aの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の下流側通路92c(以下便宜上、第2下流側通路92cと称する)の入口部分は、上流側通路92aの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向に開放されている。このため、上流側通路92aに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路92bへと流入し、第2下流側通路92cへの流入が回避されることとなる。
また、上記分岐位置には、上流側通路92aから流出した遊技球を第2下流側通路92cへと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材93が設けられている。切替部材93は、非誘導状態においては案内通路92(詳しくは第1下流側通路92bの入口部分)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同入口部分を覆い当該入口部分への遊技球の流入を不可とする位置へと突出する(図6の2点鎖線参照)。
より具体的には、切替部材93には、誘導状態において上流側通路92aの延長上に位置し、第2下流側通路92cの入口部分へ向けてと下り傾斜する誘導傾斜面93aが形成されている。このため誘導状態においては、上流側通路92aから流出した遊技球は、誘導傾斜面93aに衝突し、同誘導傾斜面93aに沿って移動することで第2下流側通路92cへと導かれることとなる。このように、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材93を「誘導手段93」と称することも可能である。また、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を阻止する点機能に着目すれば、同切替部材93を「シャッタ93」と称することも可能である。
また、右側可変入球装置85には、切替部材93の他に、同切替部材93を案内通路92への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材(図示略)と、同付勢部材の付勢力に抗して切替部材93を突出位置へと移動させるソレノイド式の駆動部94とが設けられている。駆動部94は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、同主制御装置から出力される信号に基づいて駆動する。
本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材93が非誘導状態にて保持され、上記右側作動入球部83への入賞に基づく抽選にていて特別当たりが発生した場合に駆動部94が駆動することで同切替部材93が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が許容されることとなる。
第1下流側通路92bの途中位置には検知領域DE1が設けられており、当該第1下流側通路92bへと流入した遊技球が当該検知領域DE1を通過した場合に同遊技球が検知センサ95bによって検知される。また、第2下流側通路92cの途中位置には検知領域DE2が設けられており、当該第2下流側通路92cへと流入した遊技球が当該検知領域DE2を通過した場合に同遊技球が検知センサ95cによって検知される。それら検知センサ95b,95cは、主制御装置に対して電気的に接続されており、当該検知センサ95b,95cから出力される検知情報に基づいて第1下流側通路92b及び第2下流側通路92cへの入球の有無が判定される。上述の如く、検知センサ95a〜95cを採用することにより、右側可変入球装置85へ流入した遊技球が案内通路92内にて残存しているか否かを監視可能となっている。
詳細については後述するが、抽選結果確定モードにおいては、検知センサ95bからの検知情報に基づいて有利入球部としての第2下流側通路92cへの入球が発生したと主制御装置にて判定した場合には、右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果(特別当たり)が有効となって上記開閉実行モードへの移行が確定する。
また、右側可変入球装置85においては、案内通路92内を流下する遊技球を遊技機前方から視認可能となるように当該案内通路92を構成する通路壁面部の一部が無色透明な合成樹脂材料を用いて形成されている。これにより、上述した遊技球の流入先の振分に基づく抽選の様子や残存球等の発生の有無を目視にて確認可能となっている。
再び図4を参照して可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動入球部82,83への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下側作動入球部82(下作動口82a)に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右側作動入球部83(右作動口83a)に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動入球部82,83を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動入球部82,83に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば上、中及び下に並べて3つの図柄列が表示され、これらの図柄列が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(詳しくは大当たりや特別当たり)が発生することとなる。
作動入球部82,83は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動入球部82,83への入賞をトリガとして、大当たりや特別当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部82,83に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりや特別当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動入球部82,83を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入球装置85とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、図4の部分拡大図を参照して主表示ユニット87について補足説明する。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下側作動入球部82(下作動口82a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右側作動入球部83(右作動口83a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下側作動入球部82(下作動口82a)への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部82への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。例えば、下側作動入球部82への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右側作動入球部83(右作動口83a)への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右側作動入球部83への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。例えば、右側作動入球部83への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部82,83への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部82,83への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部83に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており(図4参照)、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図8及び図9を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図8は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図9は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図8に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図9に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入球装置84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図8参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図10は裏パックユニット15の正面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。図10に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図2参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
図12に示すように、集合板151は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部261が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板151と遊技盤80とが一体化されている。
集合板151の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動入球部82,83及び可変入球装置84,85等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(図2参照)が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路231に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路231に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路231内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路のうち一般入賞口81及び下側作動入球部82に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
(第1の実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば検知センサ95)などが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側作動入球部82,右側作動入球部83,下側可変入球装置84,右側可変入球装置85,スルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた各種検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下側作動入球部82及び右側作動入球部83への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置84,85への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下側作動入球部82への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右側作動入球部83への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側可変入球装置84の可変入球駆動部84c、右側可変入球装置85の可変入球駆動部85c、切替部材93の駆動部94、右側作動入球部83の電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部91b、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入球装置84の開閉扉84bが開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部84cの駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置725を制御するものである。
音声ランプ制御装置143の音声ランプ制御基板は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて各種ランプ部26〜28、スピーカ部29及び表示制御装置725を制御するものであり、演算装置としてMPUが実装されている。このMPUは、当該MPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。
表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を特定するとともにリーチ発生の有無を特定し、更にはリーチ演出の内容を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の概要の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、RAM604の各種カウンタエリア634に、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たりや特別当たりに当選した場合に後述する高頻度サポートモードの可否を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、主表示部D(詳しくは作動口用表示部DL,DR)及び図柄表示装置96における表示態様の概要を決定する際(例えばリーチ抽選を行う際)に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DR並びに図柄表示装置96における変動表示時間等を決定する際に使用する変動種別カウンタCSと、が設けれらている。さらに、RAM604の各種カウンタエリア634には、右側作動入球部83の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4が設けられている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に「1」加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、下側作動入球部82(下作動口用表示部DL)に対応する第1結果表示部用保留エリアRaと、右側作動入球部83(右作動口用表示部DR)に対応する第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とを有してなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下側作動入球部82又は右側作動入球部83への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
ここで、上述した各カウンタC1〜C4について詳しく説明する。
当たり乱数カウンタC1は、例えば「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部82又は右側作動入球部83に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下側作動入球部82に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部83に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルとしては、各作動入球部82,83に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部82(下作動口82a)への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の当否テーブル(下作動口用当否情報群)と、右側作動入球部83(右作動口83a)への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の当否テーブル(右作動口用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
一方、上記抽選に際して右作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動入球部82,83への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、開閉実行モードへ移行され、下側可変入球装置84が開放される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に開閉実行モードへと移行され、下側可変入球装置84が開放されることとなる。
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入球装置85が開状態に切り替り、右側大入賞口85aに入賞した遊技球が上記下流側通路92b,92cのうち第2下流側通路92cに流入することで当たりが確定し、下側可変入球装置84が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、第2下流側通路92cへの入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、第2下流側通路92cへの入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同第2下流側通路92cを「有利入球部92c」と称することも可能である。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、「0〜29」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部82又は右側作動入球部83に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下側作動入球部82に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部83に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について説明する。
振分テーブルは、各作動入球部82,83に1対1で対応させて2種類設定されている。つまり、下側作動入球部82(下作動口82a)への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右側作動入球部83(右作動口83c)への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。
これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右側作動入球部83の電動役物91におけるサポートモードを高頻度サポートモードとするかそれとも低頻度サポートモードとするかの振分が行われる。
右側作動入球部83の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、同電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右側作動入球部83への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右側作動入球部83よりも下側作動入球部82への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下側作動入球部82よりも右側作動入球部83への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右側作動入球部83への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするといった各種条件のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(本実施の形態においては100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下側作動入球部82への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右側作動入球部83への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
具体的には、上記振分に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個となるように設定されている。このため、下側作動入球部82への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右側作動入球部83への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
本実施の形態においては、遊技者が遊技を有利に進めようとした場合には発射操作の切り替えを行うことが好ましい。具体的には、高頻度サポートモード中は遊技球が可変表示ユニット88の上方を通過し、遊技領域PEにおいて同可変表示ユニット88の右側となる領域に到達するように遊技球発射ハンドル41の操作量を調整し、右側作動入球部83に向けて遊技球が流下するようにして遊技を行うことにより、遊技球が遊技領域PEにおいて可変表示ユニット88の左側となる領域に到達するようにして遊技を行った場合よりも遊技を有利に進めることができるように設定されており、低頻度サポートモード中は遊技球が可変表示ユニット88の上方を通過することなく、遊技領域PEにおいて同可変表示ユニット88の左側となる領域に到達するように遊技球発射ハンドル41の操作量を調整し、下側作動入球部82に向けて遊技球が流下するようにして遊技を行うことにより、遊技球が遊技領域PEにおいて可変表示ユニット88の右側となる領域に到達するようにして遊技を行った場合よりも遊技を有利に進めることができるように設定されている。
因みに、右側作動入球部83を狙って発射された遊技球(上記右側領域を通過した遊技球)は、右側作動入球部83や右側可変入球装置85を素通りした場合に下側可変入球装置84へ向けて誘導されるように上記釘90等が配列されているが、それら遊技球は下側作動入球部82の下流側へ誘導されるため当該下側作動入球部82へ流入しにくくなっている(図4参照)。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。特にリーチ乱数カウンタC3が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該リーチ乱数カウンタC3の初期値として読み込まれる。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部82又は右側作動入球部83に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下側作動入球部82に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部83に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
このようにして格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、遊技回における表示態様の概要が決定されることとなる。例えば、リーチ変動が行われない完全外れ、ノーマルリーチ、同ノーマルリーチよりも発生頻度が低く且つ当たり発生の期待度が高く設定されたスーパーリーチの3種の表示態様のうちどれが実行されるかの選択が行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば「0〜198」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、上記表示態様の詳細を決定する際に、より詳しくは主表示ユニット87の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で上記リーチ乱数カウンタC3と併用される。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
本実施の形態においては、図柄表示装置96の表示画面96aにて最終的に停止表示される図柄の組み合わせによって変動表示時間が異なる構成となっている。言い換えれば、変動表示時間を決定することにより最終的に停止表示される図柄の組み合わせが特定される構成となっている。このため、リーチ乱数カウンタC3と変動種別カウンタCSを用いて決定された変動表示時間を音声ランプ制御装置143等に伝えることにより、同音声ランプ制御装置143等においては図柄の停止態様及び変動表示態様を特定することが可能となっている。
電動役物開放カウンタC4は、例えば「0〜249」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=「0〜199」であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=「200〜249」であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に記憶された停止結果用テーブルが用いられる。
(主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際「0」にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の値をそれぞれ「1」加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルーゲート用の入賞処理を実行する。
スルーゲート用の入賞処理においては、先ず遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、役物保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
スルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又は役物保留記憶数の値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し且つ役物保留記憶数<4である場合には、役物保留記憶数を「1」加算する。その後、更新された電動役物開放カウンタC4の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納し、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数に応じて保留数用表示部DHに対応する発光体が順次点灯されるようになっている。
ステップS104にてスルーゲート用の入賞処理を実行した後は、ステップS105に進み、作動入球部用の入賞処理を実行する。
作動入球部用の入賞処理においては先ず、遊技球が下側作動入球部82に入賞(始動入賞)したか否かを下側作動入球部82に対応した検知センサの検知状態(検知センサからの検知情報)により判定する。遊技球が下側作動入球部82に入賞したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットし、下側作動入球部82に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。かかる処理を実行した後は、結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。そして、当たり乱数カウンタC1〜リーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が下側作動入球部82に入賞していないと判定した場合、遊技球が右側作動入球部83に入賞(始動入賞)したか否かを右側作動入球部83に対応した検知センサの検知状態(検知センサからの検知情報)により判定する。遊技球が右側作動入球部83に入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットすし、右側作動入球部83に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。かかる処理を実行した後は、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。そして、当たり乱数カウンタC1〜リーチ乱数カウンタC3のの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
下側作動入球部82及び右側作動入球部83のいずれにも遊技球が入賞していないと判定した場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、作動入球部82,83への入球に基づいて設定された賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に対して送信される。
ここで、上記情報取得処理について補足説明すると、当該情報取得処理においては、先ずセットされた始動保留記憶数(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を「1」加算するとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を「1」加算する。
その後、更新された当たり乱数カウンタC1〜リーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上述の如く「1」加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、更新された当たり乱数カウンタC1〜リーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上述の如く「1」加算した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、更新された当たり乱数カウンタC1〜リーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上述の如く1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
ステップS105にて作動入球部用の入賞処理を実行した後は、ステップS106に進み右側可変入球装置用の入賞処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
右側可変入球装置用の入賞処理においては、先ず右側可変入球装置85の上流側検知センサ95aの検知状態(上流側検知センサ95aからの検知情報)に基づいて、右側可変入球装置85へ遊技球が流入したか否かを判定する。遊技球が入球したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を15個払い出させるための賞球コマンドをセットし、右側可変入球装置85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。
次に、下流側第2検知センサ95cの検知状態(下流側第2検知センサ95cからの検知情報)に基づいて、有利入球部92c(詳しくは第2検知領域DE2)へ遊技球が到達したか否かを判定する。遊技球が有利入球部92cへ到達したと判定した場合には、当該到達が有効期間中に発生したか否かを判定する。ここで、かかる有効期間について説明する。
本実施の形態においては、右側作動入球部83への入球に基づく当否抽選に当選した場合に、右側可変入球装置85が予め定められた期間に亘って閉鎖状態から開放状態に切り替わる構成となっており、かかる切り替えに基づいて右側可変入球装置85への入球が一時的に許容されることとなる。右側可変入球装置85への入賞は開閉実行モードへの移行契機となり得るため、通常では発生しえないタイミングでの入球(例えば不正行為による入球)に基づいた開閉実行モードへの移行を回避するための工夫が施されている。具体的には、入賞を有効とする期間として上記有効期間が設定されている。
右側可変入球装置85には開閉実行モードへの移行の回避を決定するための抽選機能が付与されており、右側可変入球装置85へ流入した遊技球は案内通路92を流下する際の流下経路によって開閉実行モードへの移行の可否が決定される。かかる構成を採用するにあたり、大入賞口85aを通過した遊技球が例えば検知領域DE2に到達するには所定の期間を要する。そこで、右側可変入球装置85の開放期間に同期間を加味して上記有効期間が設定されている。
有効期間中に遊技球の入賞を確認した場合には、有利入球部92cへの入球に対応するフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納し、本右側可変入球装置用の入賞処理を終了する。一方、有効期間中でないと判定した場合には、通常では発生し得ないタイミングでの入賞が発生した旨をホール管理者等に知らせるべく報知処理を実行し、その後、本右側可変入球装置用の入賞処理を終了する。報知処理においては異常報知用コマンドをセットする。かかる異常報知用コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に出力され、当該音声ランプ制御装置143においては異常報知用コマンドを受信した場合にエラー表示ランプ部27やスピーカ部29を用いた異常報知を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合や異常報知用のコマンド等が設定されている場合には同コマンドを音声ランプ制御装置143に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを「1」加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
なお、ステップS203の遊技回制御処理及びステップS204の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップS205では、右側作動入球部83に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物91を開状態とするか否かの判定、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際「0」にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS209では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを「1」加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
ここで、ステップS203の遊技回制御処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、ステップS301にて開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動入球部82,83への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DRのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、作動口用表示部DL,DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、共通保留数が「0」か否かを判定する。共通保留数が「0」である場合とは、下側作動入球部82及び右側作動入球部83のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数が「0」でない場合には、ステップS304にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
(データ設定処理)
データ設定処理では先ず、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合には第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数が1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右側作動入球部83に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では先ず、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算し、その後、共通保留数を1減算し、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。そして、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
上述したデータのシフトを行った後は以下の処理を実行する。すなわち、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合にはそれを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。
その後、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下側作動入球部82に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
上述の如く設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の下作動口用保留ランプ部98における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
一方、第2結果表示部用のデータ設定処理では、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを「1」減算し、続いて共通保留数を「1」減算する。その後、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。そして、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。
この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち右側作動入球部83に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
上述の如く設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の右作動口用保留ランプ部99における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS304のデータ設定処理を実行した後はステップS305に進み、変動開始処理を実行する。
(変動開始処理)
ここで、図16のフローチャートを参照して変動開始処理について説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動口用表示部DL,DRにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置96における変動表示を開始させるように音声ランプ制御装置143に出力するコマンドを設定する。
先ずステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果,特別当たり結果,外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下側作動入球部82及び右側作動入球部83の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が当たり結果等に対応しているか否かを判定する。
より詳細に説明すれば、当該判定処理が下側作動入球部82への入球に基づいている場合には、下作動口用の当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか判定し、大当たり結果に対応していない場合には外れ結果に対応しているものと判定する。また、同判定処理が右側作動入球部83への入球に基づいている場合には、右作動口用の当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果又は特別当たり結果に対応しているか判定し、それら当たり結果に対応していない場合には外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
なお、当否判定処理の方法を変更してもよく、例えば、大当たり結果に対応しているか否かの判定、特別外れ結果に対応しているか否かの判定、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
続くステップS402では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS401での当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本振分判定処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が下側作動入球部82及び右側作動入球部83の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
当否判定処理及び振分判定処理を実行した後は、ステップS403〜ステップS413にて今回の遊技回において作動口用表示部DL,DRで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
具体的には、ステップS403では、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合にはステップS404に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS405に進む。
ステップS405では振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合にはステップS406に進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。
第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、遊技球の入球先に応じて下作動口用表示部DLと右作動口用表示部DRとのどちらに抽選結果を表示するかを設定するとともに、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に格納された停止結果テーブルを参照して停止表示態様を決定する。つまり、各作動口用表示部DL,DRを構成している複数のLEDの最終点灯パターン(絵柄)を決定する。更には、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS407に進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。
第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、遊技球の入球先に応じて下作動口用表示部DLと右作動口用表示部DRとのどちらに抽選結果を表示するかを設定するとともに、ROM603に記憶された停止結果テーブル記憶エリア624に格納された停止結果テーブルを参照して停止表示態様を決定する。つまり、各作動口用表示部DL,DRを構成している複数のLEDの最終点灯パターン(絵柄)を決定する。更には、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS401での当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS408に進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS409に進み、抽選結果確定モードフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635にセットした後、ステップS410に進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、右側可変入球装置85を開放することで、上述した有利入球部としての第2下流側通路92cへの入賞を許容するか否か、すなわち抽選結果確定モードへ移行するか否かを決定する際に参照されるフラグである。
続くステップS410では、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS411に進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。
第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、遊技球の入球先に応じて下作動口用表示部DLと右作動口用表示部DRとのどちらに抽選結果を表示するかを設定するとともに、ROM603に記憶された停止結果テーブル記憶エリア624に格納された停止結果テーブルを参照して第1特別当たり結果に対応する停止表示態様を決定する。つまり、各作動口用表示部DL,DRを構成している複数のLEDの最終点灯パターン(絵柄)を決定する。更には、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS812に進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。
第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、遊技球の入球先に応じて下作動口用表示部DLと右作動口用表示部DRとのどちらに抽選結果を表示するかを設定するとともに、ROM603に記憶された停止結果テーブル記憶エリア624に格納された停止結果テーブルを参照して第2特別当たり結果に対応する停止表示態様を決定する。つまり、各作動口用表示部DL,DRを構成している複数のLEDの最終点灯パターン(絵柄)を決定する。更には、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
なお、本実施の形態においては特別当たり結果となるのは右側作動入球部83への入球時のみであるため、ステップS411及びステップS412の各処理においては、右作動口用表示部DRが抽選結果の表示対象として設定される。
ステップS408にて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS413に進む。ステップS413では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、ROM603に記憶された停止結果テーブル記憶エリア624に格納された停止結果テーブルを参照して外れ結果に対応する停止表示態様を決定する。
ここで、再び図4を参照し、各作動口用表示部DL,DRにおける表示態様について説明する。既に説明したように、主表示ユニット87の主表示部Dは複数(詳しくは26個)のLED(以下、発光体87aと称する)が設けられており、そのうち10個が下作動口用表示部DLに割り当てられている。これら10個の発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われるとともに、最終的に点灯又は消灯することで予め設定された絵柄が停止表示される。下作動口用表示部DLにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
また、右作動口用表示部DRについても10個の発光体87aが割り当てられており、これら発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われる。右作動口用表示部DRにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果,第1特別当たり結果,第2特別当たり結果及び外れ結果が設定されている。
各表示部DL,DRにおける停止絵柄は、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に、第1大当たり結果〜外れ結果の各結果に対応させて複数ずつ記憶され、表示態様の多様化が図られている。
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンと、高頻度サポートモード非対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンとが同数となっている。これにより、停止された絵柄の表示パターンを確認することで抽選結果が高頻度サポートモード対応しているか否かを判別することを困難なものとなっている。
ステップS406、ステップS407、ステップS411、ステップS412、ステップS413のいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS414に進む。
ステップS414では、変動表示時間の設定処理を実行する。かかる変動表示時間の設定処理に関する詳細は後述する。
ステップS414にて変動表示時間を設定した後は、ステップS415に進む。ステップS415では、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間や図柄の最終停止態様の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報などが含まれる。
ステップS415にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
その後、ステップS416にて、各表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させる。そして、RAM604の各種フラグ格納エリア635に変動表示中フラグを格納し、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図15)の説明に戻り、主表示部Dの作動口用表示部DL,DRが変動表示中である場合、すなわちRAM604の各種フラグ格納エリア635に上記変動表示中フラグが格納されている場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に格納されている変動表示時間用カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間用カウンタは上述したステップS414の変動表示時間の設定処理(図16参照)においてセットされ、このセットされた変動表示時間用カウンタの値はタイマ割込み処理(図13参照)が起動される度に「1」ずつ減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部DL,DRにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS406,S407,S411,S412,S413のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した停止絵柄が主表示部Dの作動口用表示部DL,DRにて表示されるように同作動口用表示部DL,DRを表示制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に送信され、表示制御装置725では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置96の表示画面96aに確定表示(最終停止表示)させる。
ステップS309の処理を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図17のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS502に進む。ステップS502では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右側作動入球部83への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入球装置85への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
ステップS501及びステップS502のそれぞれでは、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって各判定を行う。なお、抽選結果確定モードフラグは、右側作動入球部83への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
ステップS502にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS503の特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
一方、ステップS502にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS504に進む。ステップS504では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS505にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS506にて第1ラウンドカウンタRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、RAM604の各種カウンタエリア634に格納されており、下側可変入球装置84(大入賞口84a)が開放された回数をカウントする際に使用される。
続くステップS507においては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットする。
ステップS507の処理を実行した後はステップS508に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に格納されたテーブル変更カウンタCCの更新処理を実行する。ここで、本実施の形態においては作動口用表示部DL,DRや図柄表示装置96における変動表示態様(詳しくは変動表示時間)を決定する際に参照する表示態様選択用テーブルを複数(詳しくは2つ)有しており、テーブル変更カウンタCCの値に応じて参照される表示態様選択用テーブルが決定される構成となっている。具体的には、上記表示態様選択用テーブルとして通常のテーブルと、同通常のテーブルよりもリーチ演出の発生頻度が高く設定された特定のテーブルとが設けられており、テーブル変更カウンタCCの値が「0」となっている場合には通常のテーブルが参照され、「0」でない場合には参照されるテーブルが特定のテーブルに切り替ることとなる。ステップS508の更新処理においては、テーブル変更カウンタCCの値が「0」クリアされることで、以降の遊技回にて参照されるテーブルが上記通常のテーブルとなる。
ステップS508にて更新処理を実行した後は、ステップS509に進み、テーブル復帰コマンドをセットする。テーブル復帰コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201の外部出力処理にて、音声ランプ制御装置143に送信される。本実施の形態においては、参照されているテーブルに応じて図柄表示装置96の表示画面96aに表示される背景やスピーカ部29から出力されるBGMが選択される構成となっており、上記テーブル復帰コマンドに基づいて高確ステージ用の背景及びBGMが通常ステージ用の背景及びBGMに切り替えられることとなる。
なお、上述したテーブル変更カウンタCC及び上記表示態様選択用テーブルの関係と、テーブル復帰コマンドについての詳細は後述する。
ステップS509の後はステップS510にてオープニングコマンドを設定し、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS509にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201の外部出力処理にて、音声ランプ制御装置143に送信される。
このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に送信され、表示制御装置725では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。なお、右側作動入球部83への入球に基づく抽選の結果、詳しくは特別当たりに当選した場合に高頻度サポートモードに対応しているか否かは、例えばオープニングの動画や後述するエンディングの動画又は開閉実行モード中に表示される動画等によって報知される。
(特別当たり用の移行処理)
ここで、図18のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
先ずステップS601では、右側可変入球装置85が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球駆動部85cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。右側可変入球装置85が開放中でない場合には、ステップS602にて切替部材93を非誘導状態から誘導状態に切り替える。具体的には駆動部94を励磁することによって、切替部材93を誘導状態に切り替えることで、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導可能な状態とする。
続くステップS603では、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた第1タイマカウンタt1に「2500:5secに相当」をセットする。ここでセットされたカウント値は、所定周期(2msec周期)で「1」ずつ減算される。
第1タイマカウンタt1の設定処理を実行した後はステップS604に進み、開放コマンドをセットするとともに右側可変入球装置の開放処理を実行する。開放コマンドは、通常処理(図14参照)の外部出力処理(ステップS201)にて音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選確定実行モードにおいて右側可変入球装置85が開放中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、右側可変入球装置の開放処理では、大入賞口85aを開放すべく可変入球駆動部85cを駆動状態とする。ステップS604の処理を実行した後、本特別当たり用の移行処理を終了する。
一方、ステップS601にて右側可変入球装置85が開放中であると判定した場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、第1タイマカウンタt1の値が「1500」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後2secが経過したか否かを判定する。第1タイマカウンタt1の値が「1500」であると判定した場合には、ステップS1006に進み切替部材93の復帰処理を実行する。切替部材復帰処理においては、駆動部94の励磁を解除することにより、切替部材93が非誘導状態へと切り替わる。これにより、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入球装置85に流入した遊技球は第1下流側通路92bへ導かれることとなる。
ステップS605にて否定判定をした場合にはステップS607に進み、第1タイマカウンタt1の値が「1000」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後3secが経過したか否かを判定する。第1タイマカウンタt1の値が「1000」であると判定した場合には、ステップS608に進み閉鎖コマンドをセットするとともに、右側可変入球装置85の閉鎖処理を実行する。閉鎖コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、右側可変入球装置85が閉鎖された場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。右側可変入球装置85の閉鎖処理では、大入賞口85aを閉鎖すべく可変入球駆動部85cを非駆動状態とする。
ステップS607にて否定判定をした場合にはステップS609に進み、第1タイマカウンタt1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えるとともに右側可変入球装置85を開放した後、5secが経過したか否かを判定する。ステップS609にて否定判定をした場合、又はステップS606,S608の各処理を実行した後は、ステップS610に進む。
ステップS610では有利入球部としての第2下流側通路92cに遊技球が流入したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて、右側可変入球装置85に設けられた検知センサ95cが遊技球の入賞を検知していたか否か(各種フラグ格納エリア635に有利入球部用の入賞フラグが格納されているか否か)を判定する。ステップS610にて有利入球部への入賞有りと判定した場合、ステップS611にて下側可変入球装置84に対応した開閉実行モード設定処理を実行する。ステップS610にて有利入球部への入賞有りと判定しなかった場合、又はステップS611にて開閉実行モード設定処理を実行した場合には、そのまま本特別外れ結果用の移行処理を終了する。
一方、ステップS609にて第1タイマカウンタt1の値が「0」であると判定した場合には、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味する。この場合、先ず、ステップS612にて確定モード終了コマンドをセットする。確定モード終了コマンドは、外部出力処理(ステップS201)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した確定モード終了コマンドに基づいて、予め定められた演出が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、有利入球部への入賞が発生することなく特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」等のメッセージが図柄表示装置96の表示画面96aに表示される。
続くステップS613では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードフラグをクリアして本特別当たり用の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図17)の説明に戻り、ステップS501にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS511〜ステップS519の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
ステップS501にて大当たりに対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS511に進む。ステップS511では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS512にて下側可変入球装置開閉処理を実行する。
下側可変入球装置84の開閉処理では、下側の大入賞口84aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタRC1が「1」以上であることを条件として、可変入球駆動部84cを駆動状態とすることで大入賞口84aを開放させる。また、大入賞口84aが開放中である場合には、当該大入賞口84aの開放から開放限度時間(本実施の形態においては30sec)が経過していること又は開放限度個数(本実施の形態においては10個)の入賞が発生していることを条件として、可変入球駆動部84cの駆動状態を停止し、大入賞口84aを閉鎖させる。
ステップS512にて下側可変入球装置開閉処理を実行した後に、続くステップS513にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合には、ステップS514にて開閉実行モードフラグをクリアする。
ステップS514にて開閉実行モードフラグをクリアした後は、ステップS515に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合には、ステップS516に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポートの継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
一方、ステップS515にて否定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合にはステップS517に進み、テーブル変更カウンタCCの設定処理を実行する。テーブル変更カウンタCCの設定処理においては、開閉実行モードへの移行契機となった遊技回にて最終的に停止表示された作動口用表示部DL,DRの最終停止絵柄、すなわちリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに基づいて決定された作動口用表示部DL,DRの最終停止絵柄に応じてテーブル変更カウンタCCの値を決定する。
具体的には、各作動口用表示部DL,DRの最終停止絵柄として256種類の絵柄がそれぞれ設定されており、同256種類の絵柄のうち上述した第2当たり結果に対応するものは122種類となっている。これら122種類の絵柄は、第1群〜第3群に大別されており、最終停止絵柄が第1群となっている場合にはテーブル変更カウンタCCに「50」をセットし、第2群となっている場合には同テーブル変更カウンタCCに「20」をセットし、第3群となっている場合にはどうテーブル変更カウンタCCに「0」をセットする。
ステップS518にてテーブル変更カウンタCCの設定処理を実行した後は、ステップS519に進み、テーブル変更カウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS519にて肯定判定をした場合、すなわちテーブル変更カウンタCCの値が「0」である場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS518にて否定判定をした場合、すなわちテーブル変更カウンタCCが「50」又は「20」である場合には、ステップS519に進み、テーブル変更コマンドをセットする。このテーブル変更コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS201の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143においてはテーブル変更コマンドを受信したことに基づいて、通常遊技状態におけるBGMを高確ステージに合わせて設定し、図柄表示装置96(表示画面96a)に表示される背景等をステージに合わせて変更すべく表示制御装置725にステージ切替用のコマンドを出力する。表示制御装置725においては当該ステージ切替用コマンドを受信することで表示画面96aの背景を高確ステージ用の背景に変更し、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して後述するテーブル復帰コマンドが入力されるまで同背景の表示を継続する。
本実施の形態においては、既に説明したように、当たり発生の有無、保留数、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSに基づいて作動口用表示部DL,DR及び図柄表示装置96における変動表示態様の概要(詳しくは変動表示時間)を決定している。
具体的には、最終停止表示される図柄の組み合わせによって変動表示時間が異なるように設定されているとともに、リーチやスーパーリーチの有無によって変動表示時間がことなるように設定されており、さらには完全外れとなる場合には保留数に応じて変動表示時間が変化するように設定されており、変動表示態様の概要が変動表示時間によって決定付けられている。言い換えれば、設定される各変動表示時間に1対1で対応するようにして、最終停止される図柄の組み合わせ、リーチやスーパーリーチの有無等が関連付けられている。音声ランプ制御装置143には変動表示時間と演出の概要とが関連付けられたテーブルが記憶されており、主制御装置162から変動表示時間に関する情報を受信した場合には同テーブルを参照することで遊技回にて実行すべき演出の概要が決定される。
(変動表示時間の設定処理)
以下、図19及び図20を参照して遊技回制御処理(変動開始処理)における変動表示時間の設定処理について説明する。図19は変動表示時間の設定処理を示すフローチャート、図20は表示態様選択用テーブルを示す概略図である。
変動表示時間の設定処理においては先ず、ステップS701にて上記テーブル変更カウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS701にて肯定判定をした場合、すなわちテーブル変更カウンタCCが「0」である場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では、通常ステージでの遊技回となるため通常ステージ用に設定された表示態様選択用のテーブル(以下便宜上、第1テーブルと称する)を参照して表示態様(変動表示態様及び停止表示態様)を選択する。これにより、変動表示時間が決定される。
既に説明したように、本実施の形態においては低頻度サポートモード中は右側作動入球部83を狙って遊技球を発射するよりも下側作動入球部82を狙って遊技球を発射したほうが遊技を有利に進めることができる。このため、低頻度サポートモード中は専ら下側作動入球部82への入球に基づいて遊技回が実行されやすいと想定される。以下、図20(a)を参照し、下側作動入球部82への入球が発生した場合に参照される第1テーブルについて例示し、その後、変動表示時間の決定について補足説明する。
図20(a)に示すように、遊技回制御処理において下側作動入球部82への入球に基づく当否抽選を行った結果、大当たりに当選した場合には必ずリーチ変動表示が選択される。上述したようにリーチ変動表示には大別してノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されており、リーチ乱数カウンタC3の値を参照して、どちらのリーチ変動表示を実行するかの選択がなされる。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値が「0〜49」である場合にはノーマルリーチが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「50〜199」である場合にはスーパーリーチが選択される。このため、大当たり当選時にはノーマルリーチよりもスーパーリーチが発生しやすくなっている。
表示態様の概要が決定されるのに併せて変動種別カウンタCSを参照して、下作動口用表示部DLに最終的に停止表示される絵柄及び図柄表示装置96にて最終的に停止表示される図柄の組み合わせが決定される。これにより、変動表示時間が確定する。
一方、遊技回制御処理において下側作動入球部82への入球に基づく当否抽選を行った結果、外れとなった場合には表示態様として、ノーマルリーチ、スーパーリーチ及びリーチ変動表示が行われない完全外れのいずれかが選択される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値が「0〜181」である場合には完全外れが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「182〜197」である場合にはノーマルリーチが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「198〜199」である場合にはスーパーリーチが選択される。このため、大当たりに当選しなかった場合(外れとなった場合)には、スーパーリーチ < ノーマルリーチ < 完全外れの順に発生しやすくなっている。
ここで、ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも当たりの発生期待度が低く設定されているとともに、完全外れよりも当たりの発生期待度が高く設定されている。このため、遊技者は、どの表示態様が選択されるかによって、当たりが発生しやすいか否かを把握することが可能となっている。
表示態様の概要が決定されるのに併せて変動種別カウンタCSを参照することにより、下作動口用表示部DLに最終的に停止表示される絵柄及び図柄表示装置96にて最終的に停止表示される図柄の組み合わせが決定される。特に、表示態様として完全外れが選択された場合には保留数に応じて変動表示時間が変更される。詳しくは、保留数が多くなるにつれて変動表示時間が短くなるように変更される。これら各種条件を踏まえて、変動表示時間が確定する。
ステップS701にて否定判定をした場合、すなわちテーブル変更カウンタCCが「0」でない場合には、ステップS703に進む。ステップS703では、高確ステージでの遊技回となるため高確ステージ用に設定された表示態様選択用のテーブル(以下便宜上、第2テーブルと称する)を参照して表示態様(変動表示態様及び停止表示態様)を選択する。これにより、変動表示時間が決定される。
上述したように、低頻度サポートモード中は専ら下側作動入球部82への入球に基づいて遊技回が実行されやすいと想定される。そこで以下、図20(b)を参照し、下側作動入球部82への入球が発生した場合に参照される第2テーブルについて例示し、その後、変動表示時間の決定について補足説明する。
図20(b)に示すように、遊技回制御処理において下側作動入球部82への入球に基づく当否抽選を行った結果、大当たりに当選した場合には必ずリーチ変動表示が選択される。上述したようにリーチ変動表示には大別してノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されており、リーチ乱数カウンタC3の値を参照して、どちらのリーチ変動表示を実行するかの選択がなされる。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値が「0〜39」である場合にはノーマルリーチが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「40〜199」である場合にはスーパーリーチが選択される。このため、大当たり当選時にはノーマルリーチよりもスーパーリーチが発生しやすくなっている。
表示態様の概要が決定されるのに併せて変動種別カウンタCSを参照して、下作動口用表示部DLに最終的に停止表示される絵柄及び図柄表示装置96にて最終的に停止表示される図柄の組み合わせが決定される。これにより、変動表示時間が確定する。
一方、遊技回制御処理において下側作動入球部82への入球に基づく当否抽選を行った結果、外れとなった場合には表示態様として、ノーマルリーチ、スーパーリーチ及びリーチ変動表示が行われない完全外れのいずれかが選択される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値が「0〜179」である場合には完全外れが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「180〜195」である場合にはノーマルリーチが選択され、リーチ乱数カウンタC3の値が「196〜199」である場合にはスーパーリーチが選択される。このため、大当たりに当選しなかった場合(外れとなった場合)には、スーパーリーチ < ノーマルリーチ < 完全外れの順に発生しやすくなっている。
表示態様の概要が決定されるのに併せて変動種別カウンタCSを参照して、下作動口用表示部DLに最終的に停止表示される絵柄及び図柄表示装置96にて最終的に停止表示される図柄の組み合わせが決定される。特に、表示態様として完全外れが選択された場合には保留数に応じて変動表示時間が変更される。詳しくは、保留数が多くなるにつれて変動表示時間が短くなるように変更される。これら各種条件を踏まえて、変動表示時間が確定する。
なお、変動表示時間が確定した場合には、同変動表示時間に応じて各表示部DL,DRの変動表示パターンが選択されるが、表示部DL,DRにおける変動表示パターンについてはROM603に記憶された変動表示パターンテーブルによって予め複数設定されており、変動表示パターン決定の際には同テーブルを参照して1の変動表示パターンを選択する。
ここで、図20(a),(b)を比較して第1テーブル及び第2テーブルの差違について説明する。
当たり乱数カウンタC1に基づく抽選に落選した場合には通常ステージと高確ステージとでノーマルリーチの発生する確率はともに「16/200」となるように設定されているのに対して、完全外れの発生する確率は第1テーブルにて「182/200」、第2テーブルにて「180/200」となるように設定されており、スーパーリーチの発生する確率は第1テーブルにて「2/200」、第2テーブルにて「4/200」となるように設定されている。つまり、第1テーブルと比較して第2テーブルのほうが完全外れとなる確率が低く且つスーパーリーチとなる確率が高く設定されている。
一方、当たり乱数カウンタC1に基づく抽選に当選した場合には、ノーマルリーチの発生する確率は第1テーブルにて「50/200」、第2テーブルにて「40/200」となるように設定されており、スーパーリーチの発生する確率は第1テーブルにて「150/200」、第2テーブルにて「160/200」となるように設定されている。つまり、第1テーブルと比較して第2テーブルのほうがスーパーリーチとなる確率が高く設定されている。
総じて、高確ステージにおいてはリーチの発生確率及びスーパーリーチの発生確率が高くなり、期待度が高く且つ発生頻度の低い演出が実行される機会が通常ステージと比べて多くなる。但し、当たりの判定に参照されているテーブルは同一であるため、高確ステージと通常ステージとで当たりの発生確率が変更されるわけではない。
図19の説明に戻り、ステップS703の処理を実行した後は、ステップS704に進み、テーブル変更カウンタCCの値を「1」減算する。その後、ステップS705にて更新後のテーブル変更カウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS705にて否定判定をした場合にはそのまま本変動表示時間の設定処理を終了する。一方、ステップS705にて肯定判定をした場合にはステップS706に進み、通常ステージ復帰コマンドをセットする。この通常ステージ復帰コマンドについては、通常処理(図14)におけるステップS201の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に送信される。
音声ランプ制御装置143においては同通常ステージ復帰コマンドを受信することにより、高確ステージから通常ステージへの切り替えを行う。具体的には、BGMを通常ステージ用に切り替えるとともに、表示制御装置725に対して通常ステージ復帰コマンドをを出力する。表示制御装置725においては当該通常ステージ復帰コマンドを受信することで表示画面96aの背景を通常ステージ用の背景に変更する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに転落(降格)した場合には、遊技者がこれを契機として遊技を止めることにより、遊技機における稼動率が低下すると想定される。低頻度サポートモードへの移行時には、遊技者が獲得した遊技球が最大となりやすく、それ以降は獲得した遊技球を使用して遊技を継続することができるが、低頻度サポートモードへの移行時に直ちに遊技を止めた場合、他の遊技者は釘調整が遊技者に対して不利である可能性が高いのではないかといった疑念を抱きやすいと想定される。これは、その後、他の遊技者を同遊技機から遠ざける要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては低頻度サポートモード対応当たりが終了した後は、一時的にリーチ表示が発生しやすい高確ステージへ移行される。リーチ表示においては、完全外れと比較して当たりが発生する期待度が高いため、このようなリーチ表示の発生頻度が高くなることにより、遊技者に対して遊技状態が遊技者にとって有利となっているとの印象を与えやすくすることができる。これにより、低頻度サポートモードへの移行された後に遊技者に対して遊技の継続を促すことができ、遊技機の稼動率の低下を好適に抑制することができる。
更には、低頻度サポートモードへの転落後も、遊技が継続されていることで、同遊技者が遊技を終えた場合であっても、他の遊技者が同遊技機に対して上記印象を持つことを抑制することができる。これにより、遊技機の更なる稼動率向上に貢献することができる。
低頻度サポートモードにおける高確ステージは、予め規定された数の遊技回を経過することにより終了し、通常ステージに移行することとなる。その後、高頻度サポートモードを経由して再び低頻度サポートモードへ復帰した場合には、通常ステージから高確ステージに行こうすることにより、同じ低頻度サポートモード(遊技者に対する有利度に差がない)であったとしても、遊技者に対してあたかも別の遊技状態に移行したかのような印象を与えることができる。これにより、遊技が単調になることを抑制し、遊技機における興趣向上に貢献している。
また、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの切り替えにより遊技者の発射操作の切り替えを促し、遊技者の操作に基づいて元の遊技状態ではない別の遊技状態に移行したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。これにより、上記興趣向上効果を一層好適なものとすることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、高確ステージにおける遊技回の継続回数(上限)を作動口用表示部DL,DRに停止表示される絵柄に応じて決定する構成を採用したが、本実施の形態においては同継続回数の決定態様が上記第1の実施の形態と相違している。より詳しくは、上記第1の実施の形態においては、第2大当たり及び第2特別当たりとなった場合に、開閉実行モード終了後の高確ステージへの移行を許容する構成を採用したが、本実施の形態においては第2特別当たりに基づく開閉実行モードが終了した場合には高確ステージへの移行を許容する一方で、第2大当たりに基づく開閉実行モードが終了した場合には高確ステージへの移行を行わない構成を採用し、これに併せて高確ステージの継続回数の決定に係る構成を変更している。そこで以下、図21及び図22のフローチャートを参照して、継続回数の決定に係る構成について説明する。なお、以下の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の構成についての詳細な説明は簡略化又は省略する。
先ず、図21のフローチャートを参照して、本実施の形態における特別当たり用の移行処理について説明する。
特別当たり用の移行処理におけるステップS801〜ステップS809の各種処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS601〜S609と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS810にて肯定判定をした場合、すなわち有利入球部としての第2下流側通路92cへ遊技球が流入した場合には、ステップS811に進み、今回の特別当たり用の移行処理の契機となった遊技回での抽選結果が低頻度サポートモードに対応する特別当たり結果であったか否かを判定する。
ステップS811にて肯定判定をした場合にはステップS812の継続回数決定処理に進む。以下、図22(a)のフローチャートを参照して、継続回数決定処理について説明する。
(継続回数決定処理)
継続回数決定処理においては先ずステップS901にて、有利入球部としての第2下流側通路92cへの入賞が第1期間中すなわち右側可変入球装置85が開放されてから第1期間が経過するまでに発生したか否かを判定する。具体的には、タイマカウンタt1の値が「2500〜2000」となっている期間中に入賞が発生したか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS902に進み、第1期間中の入賞に対応するフラグ(以下便宜上、第1期間中入賞対応フラグと称する)をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納し、本継続回数決定処理を終了する。
一方、ステップS901にて否定判定をした場合、すなわち第1期間中に入賞が発生していないと判定した場合にはステップS903に進み、第1期間経過後の第2期間中に入賞が発生したか否かを判定する。具体的には、タイマカウンタt1の値が「2000〜1500」となっている期間中に入賞が発生したか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合にはステップS904に進み、第2期間中の入賞に対応するフラグ(以下便宜上、第2期間中入賞対応フラグと称する)をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納し、本継続回数決定処理を終了する。
ステップS903にて否定判定をした場合、すなわち有利入球部への入賞が第2期間の経過後に発生していると判定した場合には、そのまま本継続回数決定処理を終了する。
ステップS812の継続回数決定処理を実行した後、又はステップS811にて否定判定をした場合には、ステップS813の処理を実行した後、本特別当たり用の移行処理を終了する。また、ステップS809にて肯定判定をした場合にはステップS814,S815の処理を実行した後、本特別当たり用の移行処理を終了する。なお、これらステップS813〜S815の各処理については、上記第1の実施の形態におけるステップS611〜S613の各処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態における遊技状態移行処理ではテーブル変更カウンタ設定処理の内容が、上記継続回数決定処理により設定された各種フラグに基づくものとなるように変更されている。そこで以下、図22(b)のフローチャートを参照し、本実施の形態におけるテーブル変更カウンタ設定処理について説明する。
(テーブル変更カウンタ設定処理)
テーブル変更カウンタ設定処理においては、先ずステップS1001にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に第1期間中入賞対応フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002に進み、テーブル変更カウンタCCに「50」をセットする。
一方、ステップS1001にて否定判定をした場合には、ステップS1003に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第2期間中入賞対応フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004に進み、テーブル変更カウンタCCに「20」をセットする。
ステップS1003にて否定判定をした場合、すなわちRAM604の各種フラグ格納エリア635に第1期間中入賞対応フラグ及び第2期間中入賞対応フラグが格納されていない場合には、ステップS1005に進み、テーブル変更カウンタCCに「0」をセットする。
ステップS1002,S1004,S1005の処理を実行した後は、ステップS1006にすすみ、上記各種入賞対応フラグを消去して、本テーブル変更カウンタ設定処理を終了する。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
右側作動入球部83へ遊技球が流入した場合には、直ぐに右側可変入球装置85が開放されるのではなく、同入球に基づく抽選結果が右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示を経て停止表示された後に、当選結果に対応する絵柄が停止表示された場合にのみ右側可変入球装置85が開放される。このため、そのような待ち時間中に遊技球を発射することを嫌う遊技者は、遊技球の発射操作を回避することにより、持ち球の浪費を抑えるといった行為を行うと想定される。これは、遊技機における稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態に示すように、有利入球部としての第2下流側通路92cへの遊技球の到達タイミングが早くなればなるほど高確ステージが継続される回数が多く(期間が長く)なる構成とすれば、右側可変入球装置85への到達タイミング(詳しくは流入タイミング)を早くすることで遊技を有利に進めることができるとの印象を与えることができる。これにより、遊技者に対して発射操作の継続を促すことが可能となり、上述した遊技機の稼働率の低下を好適に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、高確ステージの滞在期間を長くするようにして遊技を進めることが事実上不可能であったが、本実施の形態においては、右側可変入球装置85が確定モードに切り替るよりも前のタイミングにて、滞在許容期間に関する期待度を報知する報知手段を採用することにより、高確ステージを狙って遊技を行うことが可能となっている。
上記報知手段による報知態様に関して簡単に説明すると、表示制御装置725によって図柄表示装置96を制御することにより、表示画面96a中に(詳しくは図柄の変動表示領域外に)期待度を示す情報としてイルカの画像が表示される構成となっている。イルカの画像は、高確ステージに移行した場合の同高確ステージの継続期待度が当該イルカの画像に付与されている色に応じて異なるように設定されている。具体的には、黄色<青色<赤色の順に高確ステージに移行した場合の継続回数が多くなりやすい設定となっている。
表示制御装置725のMPUにおいては、定期的に実行される通常処理が設定されており、この通常処理の一環として、主制御装置162から送信される遊技回用の各種コマンドに基づいて報知態様を決定する処理と、期待度報知を行うための期待度報知用処理とが実行される。
以下、図23のフローチャートを参照して報知態様決定処理について説明する。
(報知態様決定処理)
報知態様決定処理においては先ず、ステップS1101にて変動開始コマンド及び種別コマンド(表示内容コマンド)を受信しているか否かを判定する。
ステップS1101にて否定判定をした場合には、そのまま本報知態様決定処理を終了する。一方、ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102に進み、それら各コマンドを参照して今回の遊技回が右側作動入球部83への入球に基づく遊技回であるか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回が下側作動入球部82への入球に基づく遊技回である場合には、そのまま本報知態様決定処理を終了する。一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103に進み、低頻度サポートモード対応の特別当たりに当選しているか否かを判定する。
ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104に進み高確ステージの継続回数を算定する。本実施の形態においては、右作動口用表示部DRにおける絵柄の停止結果に応じて継続回数が決定されるが、この停止結果の決定に際しては主制御装置162のROM603にに設けられた停止結果テーブルが参照される。表示制御装置725にはこの停止結果テーブルと同様のテーブルが記憶されており、種別コマンドに含まれる情報に基づいて停止結果が判別し、その後、同停止結果に応じて継続回数が算定する。このため、主制御装置162にて算定される継続回数と、表示制御装置725にて算定された継続回数とは同一となる。なお、主制御装置162が遊技回制御処理中に継続回数を算定し、同継続回数を継続回数情報として変動開始コマンド又は種別コマンドに付与する構成を採用することにより、表示制御装置725にて継続回数の算定を省略することも可能である。
ステップS1104にて継続回数の算定を行った後は、ステップS1105に進み、継続回数が「50」であるか否かを判定する。ステップS1105にて肯定判定をした場合にはステップS1106に進み、継続回数「50」用の期待度表示パターンの選択処理を実行する。かかる選択処理においては、表示制御装置725のROMに記憶された報知態様選択テーブルと報知態様選択カウンタの値とを照らし合わせて赤イルカ、青イルカ、黄イルカのどのキャラクタを表示するかを決定する。詳しくは、継続回数「50」となった場合には、最も期待度の高い赤イルカが2/4の確率で選択され、青イルカが1/4の確率で選択され、最も期待度の低い黄イルカが1/4の確率で選択される。なお、報知態様選択カウンタの値は表示制御装置725のMPUにて実行されるタイマ割込み処理にて定期的に更新される。
ステップS1105にて否定判定をした場合には、ステップS1107に進み継続回数が「20」であるか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定をした場合には、ステップS1108に進み、継続回数「20」用の期待度表示パターンの選択処理を実行する。かかる選択処理においては、表示制御装置725のROMに記憶された報知態様選択テーブルと報知態様選択カウンタの値とを照らし合わせて赤イルカ、青イルカ、黄イルカのどのキャラクタを表示するかを決定する。詳しくは、継続回数「20」となった場合には、最も期待度の高い赤イルカが1/4の確率で選択され、青イルカが2/4の確率で選択され、最も期待度の低い黄イルカが1/4の確率で選択される。
ステップS1107にて否定判定をした場合には、継続回数が「0」となる。このため、継続回数「0」用の期待度表示パターンの選択処理を実行する。かかる選択処理においては、表示制御装置725のROMに記憶された報知態様選択テーブルと報知態様選択カウンタの値とを照らし合わせて赤イルカ、青イルカ、黄イルカのうちのどのキャラクタを表示するかを決定する。詳しくは、継続回数「0」となった場合には、最も期待度の高い赤イルカが1/4の確率で選択され、青イルカが1/4の確率で選択され、最も期待度の低い黄イルカが2/4の確率で選択される。
本実施の形態においては、各継続回数「50」,「20」,「0」の選択確率が同一となっている。詳しくは継続回数「50」が1/3の確率で選択され、継続回数「20」が1/3の確率で選択され、継続回数「0」が1/3の確率で選択されるように設定されている。このため、低頻度サポートモード対応の特別当たり結果となった場合には、赤イルカの選択確率は1/3となり、青イルカの選択確率は1/3、黄イルカの選択確率は1/3となる。
既に説明したように、本実施の形態においては右側作動入球部83への入球に基づく抽選にて低頻度サポートモード対応の特別当たりに当選し且つ右側可変入球装置85の有利入球部への遊技球に基づいて開閉実行モードへの移行が確定した場合に、当該開閉実行モード終了後の高確ステージへの移行が許容される構成となっている。仮に、高確ステージへの移行が許容されている場合、すなわち低頻度サポートモード対応の特別当たりとなった場合にのみ上述した期待度の報知を実行する構成とすれば、当該期待度の報知を行うことで遊技者等が低頻度サポートモード対応の特別当たりであるかそれとも低頻度サポートモード対応の特別当たりであるかを間接的に把握することが可能となる。かかる構成においては、例えば期待度の報知が行われた場合(すなわち低頻度サポートモード対応の特別当たりに当選した場合)に遊技球の発射を抑え、期待度の報知が行われない場合(すなわち高頻度サポートモード対応の特別当たりに当選した場合)に遊技球の発射を行うことで、低頻度サポートモードへの転落を回避し、遊技を有利に進めることが可能となる。これは、過度の特典の取得を容易化する要因となり得るため好ましくない。
そこで、本実施の形態においては、上記不都合の発生を抑制するための工夫が施されている。以下、当該工夫にかかる構成について説明する。
上記ステップS1103にて否定判定をした場合、すなわち外れ結果又は高頻度サポートモードに対応した特別当たり結果となった場合には、ステップS1110に進み、擬似的に期待度を報知するための期待度表示パターンの選択処理を実行する。つまり、上述の如く外れ結果又は高頻度サポートモードに対応した特別当たり結果となった場合には開閉実行モードが終了した際に高確ステージへと移行することはないが、かかる抽選結果となった場合であっても低頻度サポートモードに対応する特別当たり結果となった場合と同様の期待度の報知を擬似的に行うため選択処理を行う。
かかる選択処理においては、表示制御装置725のROMに記憶された擬似報知態様選択テーブルと報知態様選択カウンタの値とを照らし合わせて上記赤イルカ〜黄イルカのうちのどのキャラクタを表示するかを決定する。つまり、本実施の形態においては、右側作動入球部83への入球が発生した場合には、その抽選結果によらず都度の遊技回にて期待度報知用のキャラクタが表示されることとなる。これにより、期待度報知の有無によって抽選の結果を判別することが難しくなっている。
擬似報知態様選択テーブルについては、赤イルカの選択確率は1/3となり、青イルカの選択確率は1/3、黄イルカの選択確率は1/3となるように設定されている。つまり、外れ結果及び高頻度サポートモード対応特別当たり結果となった場合の各キャラクタの出現確率は、低頻度サポートモード対応特別当たり結果となった場合の各キャラクタの出現確率と同等に設定されている。これにより、期待度報知の表示内容によって抽選結果を判別することを困難とし、右作動口用表示部DRにおける抽選結果の表示(停止表示)に先んじて期待度の報知を行う構成を採用したとしても、その報知内容から抽選結果を把握することは困難となっている。
期待度表示パターンの選択処理S1106,S1108,S1109,S1110を実行した後は、本報知態様決定処理を終了する。
(期待度報知処理)
次に、図24のフローチャートを参照して、報知態様決定処理にて決定された報知態様に基づき期待度報知を実行するための期待度報知処理について説明する。
期待度報知処理においては先ず、ステップS1201にて今回の遊技回が右側作動入球部83への入球に基づいて実行される遊技回であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から音声ランプ制御装置143を経由して送信された変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、右側作動入球部83への入球に基づいて実行される遊技回であるか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回が下側作動入球部82への入球に基づく遊技回であると判定した場合には、そのまま本期待度報知処理を終了する。
一方、ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進み期待度対応情報表示開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、表示制御装置725のRAMには開始タイミング用カウンタが格納されており、遊技回の開始タイミングにて同開始タイミング用カウンタに所定の値がセットされる。この値は、表示制御装置725のMPUにて定期的に実行されるタイマ割込み処理にて減算され、最終的にその値が「0」になった場合に期待度対応情報の表示が開始される。ここで、開始タイミング用カウンタにセットされる値は、図柄表示装置96にて全ての図柄が変動表示されている期間中、すなわち1の図柄列が停止表示される前に、対応情報の表示が開始されるように設定されている。なお、開始タイミングについては任意であるが、全ての図柄列の変動表示が停止する前のタイミングとなるように設定することが好ましい。
ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203に進み、期待度対応情報の表示処理を実行する。期待度対応情報の表示処理においては、上記報知態様決定処理にて表示制御装置725のRAMに記憶された表示パターン用のフラグを参照し、同フラグに1対1で対応付けられたキャラクタ画像(詳しくは赤イルカ〜黄イルカの何れか1つ)を表示画面96aにおける図柄の変動表示領域外に表示する。
ステップS1203の表示処理を実行した後、又はステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204においては、期待度対応情報の表示終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、表示制御装置725のRAMには終了タイミング用カウンタが格納されており、遊技回の開始タイミングにて同開始タイミング用カウンタに所定の値がセットされる。この値は、表示制御装置725のMPUにて定期的に実行されるタイマ割込み処理にて減算され、最終的にその値が「0」になった場合にステップS1204にて肯定判定する。また、ステップS1204においては、右側可変入球装置85への入球に基づいて開閉実行モードへの移行が確定したか否かを判定する。詳しくは、主制御装置162からのオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1204にて否定判定をした場合、すなわち終了タイミング用カウンタの値が「0」ではなく且つオープニングコマンドを受信していない場合には、そのまま本期待度報知処理を終了する。
一方、ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進み期待度対応情報の表示を終了する。具体的には、図柄表示装置96の表示画面96aに表示中の上記イルカの画像を非表示とする。
ステップS1205の処理を実行した後はステップS1206にて期待度報知用の各種フラグを消去し、本期待度報知処理を終了する。
(期待度報知の流れ)
ここで、図25のタイミングチャートを参照して期待度報知の流れについて説明する。図25(a)は主表示部Dの右作動口用表示部DRの表示態様を示し、図25(b)は右側可変入球装置85の状態を示し、図25(c)は右側可変入球装置85における有利入球部への入球が有効となる有効期間を示し、図25(d)は図柄表示装置96に表示されている図柄の表示態様を示し、図25(e)は図柄表示装置96における期待後対応情報の表示態様を示している。なお、以下の説明においては、先ず右側作動入球部83への入球に基づく抽選に当選した場合について例示し、その後同抽選に非当選となった場合について例示する。
可変表示ユニット88(図柄表示装置96)の上方を通過するようにして発射された遊技球がスルーゲート86に入賞し、同入賞に基づく抽選に当選した場合には、右側作動入球部83の電動役物91が開状態に切り替り、同右側作動入球部83への遊技球の流入が許容されることとなる。
ta1のタイミングにて右側作動入球部83へ遊技球が流入すると、同入球に応じて右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示が開始されるとともに図柄表示装置96にて図柄の変動表示が開始される。ta1のタイミングから所定の期間が経過したta2のタイミングにて図柄表示装置96の表示画面96aに期待度対応情報としてのイルカの画像が表示される。ta2のタイミングにおいては、図柄表示装置96にて全ての図柄列が変動表示されているが、これら図柄列の変動表示領域の外に上記イルカの画像が表示されることで、同図柄と期待度対応情報との視認性が担保されている。
図柄及び絵柄の変動表示を開始してから予め設定された期間が経過したta3のタイミングでは、右作動口用表示部DRにて抽選結果に対応する絵柄が停止表示されるとともに、図柄表示装置96の表示画面96aにて抽選結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。ta1のタイミングでの入球に基づく抽選の結果、特別当たり結果に当選した場合に、特別当たり結果に対応する絵柄が停止表示されるとともに同特別当たり結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
ta3のタイミングから予め設定された期間が経過したta4のタイミングにて右側可変入球装置85が開状態に切り替り、当該右側可変入球装置85への入球が許容される。また、ta4のタイミングにて有利入球部としての下流側第2通路96cへの遊技球の流入を有効に受け付ける有効期間となる。
ta4のタイミングから所定の開放期間が経過したta5のタイミングでは、右側可変入球装置85が閉状態に切り替り、以降の遊技球の流入が不可となる。ta5のタイミングの後のta6のタイミング、具体的にはta4のタイミングから上記有効期間が経過したta6のタイミングでは、以降の有利入球への入球が無効となり、更には図柄表示装置96の表示画面96aに表示されていた期待度対応情報(イルカの画像)が非表示となる。
なお、ta6のタイミングよりも前のタイミングにて有利入球部への入賞が発生した場合には、当該入賞の発生タイミングにて期待度対応情報(イルカの画像)が非表示となり、図柄表示装置96にて所定のオープニング動画が表示された後、直ちに開閉実行モードへと移行される。
ta1のタイミング〜ta6のタイミングの間に右側作動入球部83への入球が発生する等して保留球が記憶されている場合には、ta6のタイミングの直後のta7のタイミングにて、右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示が開始されるとともに図柄表示装置96の表示画面96aにて図柄の変動表示が開始される。
ta7のタイミングから所定の期間が経過したta8のタイミングにて図柄表示装置96の表示画面96aに期待度対応情報としてのイルカが表示される。
ta8のタイミングの後のta9のタイミング、具体的には図柄及び絵柄の変動表示を開始してから予め設定された期間が経過したta9のタイミングでは、右作動口用表示部DRにて抽選結果に対応する絵柄が停止表示されるとともに、図柄表示装置96の表示画面96aにて抽選結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。ta1のタイミングでの入球に基づく抽選にて外れ結果となった場合に、外れ結果に対応する絵柄が停止表示されるとともに同外れ結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
ta9のタイミングから予め設定された期間が経過したta10のタイミングにて右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示と、図柄表示装置96における図柄の変動表示とが有効化されるとともに、ta8のタイミングにて表示が開始された期待度対応情報(イルカの画像)が非表示となる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに転落した際に、高確ステージが継続される回数に対応する情報(期待度)が報知されるため、高確ステージが長く続くことを望む遊技者は、遊技球の発射を行うか否かを選択することによって、遊技に自らの意図を反映することができる。これにより、遊技の単調化を抑制し、遊技機における興趣向上に貢献することができる。
また、右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果(高頻度サポートモードが継続されるか否かの振分結果)の表示に先行して上記報知を実行することにより、遊技者が遊技球の発射操作の可否を右側可変入球装置85の開放状態への切替前に判断することが可能となり、上記単調化の抑制効果を発揮させつつ、それに起因して操作が慌しくなることを抑制することができる。
更には、右側可変入球装置85が開放状態となる前に、報知情報に基づく自身の判断結果(発射操作を行うか否かの判断結果)を操作に反映することができ、遊技者の意図に反するかたちで遊技が進行する可能性を低減することができる。これにより、遊技者の意図を遊技に対して好適に反映させることが可能となる。
仮に報知内容から抽選結果(高頻度サポートモードの継続の可否)が容易に判別可能となれば、遊技球の発射/非発射の操作によって右側可変入球装置85への遊技球の発射を意図的に回避する等して過剰な利益取得が可能となり得る。これは、遊技機の健全性を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、抽選の結果が高頻度サポートモードに対応するか否かに関係なく、同様に上記報知を行う構成を採用することにより、報知内容を参照して当たりの種別を判断することを難しくしている。
更には、抽選結果が表示された後のタイミングで発射された遊技球が右側可変入球装置85の開放期間中に同右側可変入球装置85に到達することを回避しつつ、抽選結果の表示に先行して上記報知を行うことにより、遊技者の発射操作の可否の判断を遊技結果に反映させやすくしている。これにより、遊技機における興趣向上効果を好適に発揮させつつ、それに起因した遊技の健全性の低下を抑えることが可能となっている。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、開閉実行モード終了後の遊技回数が予め設定された回数となった場合に参照する変動表示態様選択テーブルを「第2対応情報」としての第2テーブルから「第1対応情報」としての第1テーブルに復帰させる構成としたが、第1テーブルへの復帰条件は、これに限定されるものではない。例えば、開閉実行モード終了後に経過した期間が予め設定された期間となった場合に参照する変動表示態様選択テーブルを第2テーブルから第1テーブルに復帰させる構成とすることも可能である。
但し、本実施の形態においては、参照するテーブルの切り替えを行うことにより開閉実行モード終了後にスーパーリーチを発生させやすくすることにより、遊技者にとって当たりが発生する期待度が高いと遊技者に認識させるような表示の態様を実現したが、参照テーブルの復帰条件を「期間の経過」とした場合には、同機能を好適に発揮させることが困難になり得る。具体的には、下側作動入球部82へ向けて遊技球を発射しているにもかかわらず上手く入球しない場合には、上記機能が発揮されにくくなると懸念される。このような不都合は、遊技ホールの営業形態に応じて下側作動入球部82への入球が難しくなるように釘調整等が行われている場合に顕著になり得る。そこで、上述の如く「回数」に応じて切り替えを行う構成とすれば遊技ホールの営業形態等による影響を抑え、上記効果を好適に発揮させることができる。
(2)上記各実施の形態では、当たりが発生する期待度が高いと遊技者に認識させるような可変表示の態様としてのリーチ表示の発生頻度を高くすることにより、第1テーブル及び第2テーブルを差別化したが、これに限定されるものではない。リーチ表示の発生頻度を両テーブルで同等とする一方、ノーマルリーチとスーパーリーチとの発生頻度に差を設定することにより高確ステージにおける期待度を高める構成とすることも可能である。
例えば、高確ステージにおけるスーパーリーチとノーマルリーチとの発生頻度を逆転することも可能である。このような変更を行う場合には、併せてノーマルリーチにおける当たり当選期待度とスーパーリーチにおける当たり当選期待度とを逆転するとよい。一般的に、ノーマルリーチとスーパーリーチとを比較した場合には、後者の方が発生しにくく且つ発生した場合には当たりとなる期待度が高くなるように設定されている。そこで、かかる関係を一時的に逆転させることにより、遊技に意外性を付与することができる。
なお、例えば第2テーブルにおけるノーマルリーチの発生頻度を第1テーブルと比較して高く設定するのではなく、第2テーブルにおけるスーパーリーチの発生頻度を第1テーブルと比較して高く設定することで高確ステージにおける期待度を高めることも可能である。
(3)上記各実施の形態では、遊技球の入球先によらず低頻度サポートモード対応当たりとなった場合には、開閉実行モード終了後にテーブルの切り替えを行う構成としたが、これに限定されるものではない。右側作動入球部83への入球に基づく抽選の結果、低頻度サポートモード対応大当たり又は低頻度サポートモード対応特別当たりとなった場合にのみ上記テーブルの切り替えを行う構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、高確ステージとなっている旨を図柄表示装置96に表示される背景画像やスピーカ部29から出力されるBGMによって報知する構成としたが、これに限定されるものではなく、高確ステージとなっている旨を報知しない構成とすることも可能である。すなわち、ステージの変更を告知せず、内部的にリーチ表示の発生頻度を高める構成としてもよい。なお、このような変更を行う場合には、リーチ表示の発生確率をより高く設定し、通常ステージと高確ステージとの差を明確することが好ましい。
(5)上記各実施の形態では、「第1入球部」としての下側作動入球部82への入球に基づく当否抽選により、当たり結果となった場合と外れ結果となった場合との両方でスーパーリーチ表示の発生頻度を高める構成を採用した、すなわち参照するテーブルを高確ステージ用のテーブルに切り替える構成とした。これに限定されるものではなく、当たり結果となった場合及び外れ結果となった場合のいずれか一方で参照するテーブルを高確ステージ用のテーブルに切り替える構成とすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、「第1入球部」として下側作動入球部82を設けるとともに「第2入球部」として右側作動入球部83を設け、狙い先が変更され得る状況下において参照される表示態様選択用テーブルを変更する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、「入球部」として1の作動入球部を有し、狙い先の変更が行われない構成において表示態様選択用テーブルの変更を行う構成を採用することも可能である。但し、このような構成を採用した場合、遊技者の操作に応じてステージが変化したかのような印象を与えることが困難となり得る。
(7)上記各実施の形態では、「第2入球部」としての右側作動入球部83が保留機能を有する構成としたが、これを変更し、右側作動入球部83の保留機能を省略することも可能である。かかる変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うとよい。すなわち、上記実施の形態においては下側作動入球部82用の第1テーブル及び第2テーブルと右側作動入球部83用の第1テーブル及び第2テーブルとを有する構成としたが、右側作動入球部83用の第2テーブルを省略するとよい。かかる変更を行った場合であっても、保留機能が省略されていることで、高確ステージ中に右側作動入球部83への入球に基づいた絵柄の可変表示が実行されるといった不都合の発生を抑えることができる。
(8)上記第2の実施の形態では、右側可変入球装置85が開放された直後に入賞が発生した場合のほうが同右側可変入球装置85が閉鎖される直前に入賞が発生した場合よりも高確ステージが継続されやすい(継続期間が長くなりやすい又は継続回数が多くなりやすい)構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、右側可変入球装置85が開放された直後に入賞が発生した場合のほうが同右側可変入球装置85が閉鎖される直前に入賞が発生した場合よりも高確ステージが継続されにくい(継続期間が短くなりやすい又は継続回数が少なくなりやすい)構成とすることも可能である。
但し、右側作動入球部83への入球に基づく抽選結果が表示され、右側可変入球装置85を開放する際に遊技球の発射操作を継続させて、遊技機における稼動率の向上を図る点を考慮すれば、上記変形例を採用することにより、遊技球の発射操作を一時的に回避するといった行為がなされやすくなると想定される。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように、早いタイミングで入賞が発生した場合に高確ステージが長くなりやすい構成を採用するとよい。
(9)上記第3の実施の形態では、「第2入球部」としての右側作動入球部83への入球が発生した場合には必ず期待度の報知を実行する構成としたが、必ずしも入球発生の都度上記期待度の報知を実行する必要はなく、予め設定された条件等に応じて期待度の報知の可否を決定してもよい。
但し、期待度の報知に基づいて今回の遊技結果が低頻度サポートモード対応の当たり結果であるかそれとも高頻度サポートモード対応の当たり結果であるかの判断が容易になることは好ましくない。故に、上記変更を行う場合には、例えば期待度の報知をランダムに行う構成を採用するとよい。
(10)上記第3の実施の形態では、期待度報知の終了タイミングを「可変入球部」としての右側可変入球装置85における有効期間の終了タイミングと同時としたが、期待度報知の終了タイミングについては任意である。例えば、右側可変入球装置85が閉鎖された場合にはそれ以降の入球が困難になるため、同閉鎖のタイミングにて上記期待度の報知を終了する構成とすることも可能である。
(11)上記第3の実施の形態では、「第2入球部」としての右側作動入球部83への入球に基づいて高確ステージの継続回数に関する期待度を報知する構成としたが、報知内容はこれに限定されるものではなく例えば継続回数そのものを報知してもよい。但し、このような変更を行った場合には、報知内容に基づいて高頻度サポートモードが継続されるか否かを判別されやすくなると想定される。故に、好ましくは上記実施の形態に示したように期待度を報知する構成とすることが好ましい。
(12)上記第3の実施の形態では、図柄表示装置96にて図柄の変動表示が行われている最中に期待度の報知を開始する構成と採用したが、期待度の報知の実行タイミングについては、任意である。但し、遊技に対する積極参加を促す上では、報知内容を確認してから遊技球の発射操作を行った場合に、同遊技球が「可変入球部」としての右側可変入球装置85へ流入可能とすることが望ましい。
(13)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
第1所定操作及び第2所定操作が可能な発射操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、
前記発射操作手段に対して前記第1所定操作が行われた場合には前記遊技領域における第1位置(遊技領域PEにおいて図柄表示装置96の左側となる領域)に向けて遊技球を発射し、前記発射操作手段に対して前記第2所定操作が行われた場合には前記遊技領域における第2位置(遊技領域PEにおいて図柄表示装置96の右側となる領域)に向けて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球部(作動入球部82,83)と、
前記入球部への入球に基づいて絵柄を可変表示する絵柄表示装置(主表示部Dの作動口用表示部DL,DRや図柄表示装置96)と、
前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(主制御装置162や表示制御装置725)と
を備え、
前記入球部は個別に配設された第1入球部(下側作動入球部82)及び第2入球部(右側作動入球部83)を有してなり、
前記第1入球部は、前記発射手段によって前記第1位置に向けて発射された遊技球が入球可能であって、前記第2位置に向けて発射された遊技球が入球不可又は前記第2入球部よりも入球しづらくなるようにして設けられており、
前記第2入球部は、前記発射手段によって前記第2位置に向けて発射された遊技球が入球可能であって、前記第1位置に向けて発射された遊技球が入球不可又は前記第1入球部よりも入球しづらくなるようにして設けられており、
遊技状態として、前記第1所定操作を行うことにより前記第2所定操作を行った場合よりも遊技を有利に進めることができる第1遊技状態と、前記第2所定操作を行うことにより前記第1所定操作を行った場合よりも遊技を有利に進めることができる第2遊技状態とを有しており、
前記第2遊技状態において前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に切り替える遊技状態制御手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段は、
前記絵柄表示装置における絵柄の可変表示の態様に対応付けられた第1対応情報(第1テーブル)及び第2対応情報(第2テーブル)を記憶している対応情報記憶手段(ROM603のテーブル記憶エリア)と、
前記第1入球部への入球が発生した場合に、前記第1対応情報又は前記第2対応情報を参照して前記絵柄の可変表示を実行する実行手段(主制御装置162のMPU602にて実行される変動開始処理)と、
前記絵柄の可変表示を実行する場合に参照する対象を、前記第2入球部への入球に基づいて前記遊技状態制御手段により前記第1遊技状態へと切り替えられる場合に、前記第1対応情報から前記第2対応情報に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602にて実行される変動表示時間の設定処理)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、第1遊技状態となっている場合には第1所定操作を行うことにより、また第2遊技状態となっている場合には第2所定操作を行うことにより、遊技者は遊技を有利に進めることができる。このように遊技状況に応じた遊技球の打ち分けを行うことで、遊技進行に有利不利の差が生じる構成を採用することにより、遊技者に対して遊技への積極的な参加を促すことができる。
第2入球部への入球に基づいて上記第2遊技状態から第1遊技状態への切り替えがなされた場合には、上述したように第1所定操作を行うことにより遊技を有利に進めることができる。このような遊技状態に変化に合わせて狙いを第1入球部へ変更した場合には、絵柄の可変表示を実行する場合の参照対象が第1対応情報から第2対応情報に切り替り、第1入球部への入球に基づく絵柄の可変表示の態様が第2態様情報に即したものとなる。かかる構成によれば、第2遊技状態から第1遊技状態に切り替った場合に、例えば同第2遊技状態となる前の第1遊技状態に対して絵柄の可変表示の態様を異なるものとすることができる。これにより、第1遊技状態に復帰した際に、遊技者に対して単に第1遊技状態に復帰したのではなくあたかも別種の遊技状態に移行したかのような印象を与えることが可能となる。これにより、遊技の単調化を抑え、遊技機に対する興趣向上に貢献することができる。
また、遊技状態の切り替えにより遊技者の発射操作の切り替えを促し、例えばそれまでの第1遊技状態とは別種の第1遊技状態に同操作の切り替えに基づいて移行したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。これにより、上記興趣向上効果を一層好適なものとすることができる。
特徴A2.前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であり、
前記第2対応情報は、前記第1対応情報よりも、遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと遊技者に認識させるような可変表示の態様が選択されやすいものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2遊技状態から第1遊技状態となった場合には絵柄の可変表示が遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと認識させるような可変表示の態様となりやすい。このため、かかる状況下においては、遊技者は有利な遊技状態への移行に期待しながら遊技を行うものと想定される。これにより、第1遊技状態となった後の遊技球の発射操作の継続を促し、第1遊技状態に切り替った直後に遊技を止めることで、遊技機の稼働率が低下することを抑制することができる。
特徴A3.前記第2対応情報は、前記第1対応情報よりも、遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと遊技者に認識させるような可変表示の態様が選択されやすいものであり、
前記表示制御手段は、予め設定された切替条件が成立した場合に、前記実行手段によって参照される対象を前記第2対応情報から前記第1対応情報に切り替える手段を有し、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球の入球を許容する受入状態及び遊技球の入球を不可とする非受入状態に切替可能な可変入球部(右側可変入球装置85)と、
前記第2入球部への入球に基づいて、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える可変制御手段(主制御装置162のMPU602にて特別当たり用の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変入球部には、当該可変入球部に流入した遊技球を案内する案内通路(案内通路92)が設けられており、
前記案内通路は、当該案内通路をその途中位置にて分岐させて設けられた第1分岐通路(第1下流側通路92b)及び第2分岐通路(第2下流側通路92c)を有し、
更に、前記可変入球部は、前記案内通路を流下して前記分岐部分に到達した遊技球を前記第1分岐通路及び前記第2分岐通路の一方に振り分ける振分手段(切替部材93)を有し、
前記遊技状態制御手段は、前記可変入球部が前記受入状態となり、予め設定された特定期間内にて前記第2分岐通路に遊技球が流入したことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への切り替えを行うものであり、
前記切替条件は、前記第2分岐通路へ遊技球が流入するタイミングが遅くなるにつれて前記実行手段により前記第2対応情報が参照され得る期間が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2遊技状態から第1遊技状態となった場合には絵柄の可変表示が遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと認識させるような可変表示の態様となりやすい。このため、かかる状況下においては、遊技者は有利な遊技状態への移行に期待しながら遊技を行うものと想定される。これにより、第1遊技状態となった後の遊技球の発射操作の継続を促し、第1遊技状態に切り替った直後に遊技を止めることで、遊技機の稼働率が低下することを抑制することができる。
また、上記可変入球部を有する遊技機おいては、第2入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となり、同可変入球部へ流入した遊技球が第2分岐通路へ入ることにより、第1遊技状態への切り替えが行われる。第2入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態へ切り替る構成においては、第2入球部への入球から可変入球部の切り替えに待ち時間等が発生し得るため、この待ち時間中の遊技球の浪費等を抑えるべく遊技球の発射操作を止めるといった行為が行われやすいと想定される。仮にこのような行為が行われた場合には、遊技機の稼働率が低下し得る。
この点、本特徴に示すように、第2分岐通路への遊技球の到達タイミングが早くなればなるほど第2対応情報が参照され得る期間(期待度の高い可変表示が実行され得る期間)が長くなる構成とすれば、到達タイミングを早くすることで遊技を有利に進めることができるとの印象を与えることができる。これにより、遊技者に対して発射操作の継続を促すことが可能となり、遊技機の稼働率の低下を好適に抑制することができる。
なお、特徴A1〜特徴A3に示した技術的思想を例えば「前記第1入球部への入球に基づいて当否抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選に当選した場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるとともに前記絵柄表示装置ではその抽選結果を表示する手段とを備え、前記絵柄表示装置では前記抽選手段による抽選の結果を表示する際に絵柄の可変表示を行い、前記表示制御手段はその絵柄の可変表示態様を切り替えるものであることを特徴とする遊技機」に適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A4.前記第2入球部への入球に基づいて前記第1遊技状態への移行を許容するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU602においてステップS401,S402を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果を表示する表示部(作動口用表示部DR)と、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球の入球を許容する受入状態及び遊技球の入球を不可とする非受入状態に切替可能な可変入球部(右側可変入球装置85)と、
前記表示部にて前記抽選手段による抽選結果が表示された後に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える可変制御手段(主制御装置162のMPU602にて特別当たり用の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記表示部に前記第1遊技状態への移行を許容する旨の抽選結果が表示され、前記可変入球部における特定領域(検知領域DE2)に遊技球が到達したことに基づいて、前記第1遊技状態に切り替える手段を有し、
前記第2入球部への入球に基づいて前記切替条件を決定する決定手段(主制御装置162のMPU602にて継続回数決定処理を実行する機能)と、
前記決定手段によって決定された前記切替条件に対応する情報を報知する報知手段(表示制御装置725のMPUにおける期待度報知処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1遊技状態に切り替った場合に第2対応情報が参照され得る期間(期待度の高い可変表示が実行され得る期間:以下便宜上、特定期間と称する)が決定手段によって決定され、切替条件に対応する情報が報知される。このため、特定期間が長く続くことを望む遊技者は、遊技球の発射を行うか否かを選択することによって、遊技に自らの意図を反映することができる。これにより、遊技の単調化を抑制し、遊技機における興趣向上に貢献することができる。
また、抽選結果の表示に先行して上記報知を実行することにより、遊技者が遊技球の発射操作の可否を受入状態への切替前に判断することが可能となり、上記単調化の抑制効果を発揮させつつ、それに起因して操作が慌しくなることを抑制することができる。また、受入状態への切替前に判断結果を操作に反映することができ、遊技者の意図に反するかたちで遊技が進行する可能性を低減することができる。これにより、遊技者の意図を遊技に対して好適に反映させることが可能となる。
特徴A5.前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態の一方は、他方よりも遊技者にとって有利となるように設定されており、
前記報知手段は第1報知手段であり、
前記抽選手段による抽選に非当選であった場合に、前記切替条件に非対応であり且つ前記第1報知手段によって報知される情報と見かけ上同一となる情報を報知する第2報知手段(表示制御装置725のMPUにおける期待度報知処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知手段及び前記第2報知手段は、前記表示部における前記抽選結果の表示に先行して前記報知を実行するように設定されており、
前記可変制御手段は、前記表示部にて前記抽選結果が表示されるまでに発射された遊技球の流入を許容するとともに、前記抽選結果が表示された後に発射された遊技球の流入を不可とするようにして前記可変入球部の前記受入状態への切り替えを行うことを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
第1遊技状態及び第2遊技状態に有利不利の差が設定されている構成においては、仮に報知内容から抽選結果が容易に判別可能となれば、遊技球の発射/非発射の操作によって第1遊技状態への移行を意図的に発生/回避することにより過剰な利益取得が可能となり得る。これは、遊技機の健全性を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、抽選手段による抽選に非当選であった場合に、切替条件に非対応であり且つ第1報知手段によって報知される情報と見かけ上同一となる情報を報知する構成とすることにより、報知内容から第1遊技状態へ移行するか否かを類推することを難しく又は不可能にすることができる。更には、抽選結果が表示されるまでに報知内容に応じて発射された遊技球の流入を許容するとともに、抽選結果が表示された後に発射された遊技球の流入を不可とするようにして可変入球部の受入状態への切り替えを行う構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制可能となっている。
特徴A6.前記第1入球部又は前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへ移行する機能)を備え、
前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記特典付与手段によって特典が付与される可能性が低く設定されており、
前記第2対応情報は、前記第1対応情報よりも前記特典が付与される期待度が高いと認識されるような絵柄の可変表示の態様に対応付けられており、
前記遊技状態制御手段は、前記切替手段によって前記対象が前記第2対応情報に切り替えられた後、予め設定された切替条件が成立した場合に、前記対象を前記第1対応情報に切り替える手段(主制御装置162のMPU602にて実行されるS701,S702,S704の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6に示すように第1遊技状態が第2遊技状態よりも不利となるように設定されている場合には、遊技におけるメリハリが強くなりやすい。このため、遊技者にとって不利な第1遊技状態に移行した場合には、上記有利度の差が大きくなればなるほど、獲得した利益の放出を回避すること等を目的として遊技者が直ちに遊技を終了する可能性が高くなると想定される。このような行為が行われることは、遊技機における稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、第1遊技状態に移行した際には期待度の高い可変表示が上記切替条件が成立するまで継続されるため、第1遊技状態への切替後は特典が付与される可能性が高いと遊技者に認識させることができ、遊技の継続を促すことができる。故に、第1遊技状態への移行を契機として遊技を止めるといった行為を好適に抑制し、複数の遊技状態の切り替えを行う構成を採用しつつ、それに起因した稼働率の低下を抑えることができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤(詳しくは遊技領域)に設けられた入球部に遊技球が入球することにより、特典付与の当否抽選を行うものがある。この抽選に当選した場合には、例えば特別遊技状態への移行や遊技球の払出等の特典が遊技者に付与される(例えば、特開2003−190511号公報参照)。
また、遊技領域に絵柄表示装置を配設し、上記入球部への入球が発生した場合に当該絵柄表示装置にて絵柄を可変表示し、最終的に停止表示された絵柄によって上記抽選結果の報知が実行されるものがある。この種の遊技機においては、例えば絵柄の可変表示パターンを複数設定したり、可変表示パターン毎に設定された上記抽選の当選期待度に差を設けたりすることで遊技機における興趣向上を図るといった工夫がなされている。
しかしながら、単に上記工夫を採用したとしても、例えば各可変表示パターンの出現率等が画一的となったり可変表示の期待度が一定となったりすることにより遊技が単調となり、上記興趣向上効果を効果的に発揮させることが難しくなり得る。このように、絵柄の可変表示によって遊技機における興趣向上を図る構成については未だ改善の余地があると想定される。
特徴B1.遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602にて抽選処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段における付与判定の結果が遊技者に特典を付与すべき結果となった場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへ移行する機能)と、
前記特典付与手段による特典の付与が行われる期待度を報知する報知手段(作動口用表示部DL,DRや図柄表示装置96)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果に基づいて、前記報知手段を制御する報知制御手段(主制御装置162のMPU602にてリーチ表示を設定する機能)と
を備えた遊技機において、
遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを有しており、
少なくとも前記第1遊技状態において、前記付与判定手段による付与判定が行われるとともに、前記報知手段における期待度の報知が行われる構成であり、
前記報知制御手段は、
前記報知手段における報知態様を決定する場合に参照される対応情報として少なくとも、第1対応情報(第1テーブル)を記憶しているととともに、当該第1対応情報が参照された場合よりも、前記特典が付与される期待度が高いと遊技者に認識させるような報知態様が選択されやすい第2対応情報(第2テーブル)を記憶している対応情報記憶手段(ROM603のテーブル記憶エリア)と、
前記対応情報記憶手段に記憶されている複数の対応情報のいずれかを参照して前記報知態様を決定するとともに、その決定した報知態様に従って前記報知手段における前記期待度の報知を実行させる実行手段(主制御装置162のMPU602にて実行される変動開始処理)と、
前記第2遊技状態において遊技状態の移行条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態に遊技状態が移行する場合に、前記実行手段にて参照される前記対応情報を、前記第1対応情報から前記第2対応情報に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602にて実行されるS701,S703の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状態に有利不利の差が設定されている遊技機においては、遊技状態の切り替えを行うことにより遊技にメリハリを持たせて同遊技の単調化を抑え、遊技機における興趣向上に貢献できるという効果が期待できる。しかしながらその反面、遊技者にとって相対的に有利な第2遊技状態から相対的に不利な第1遊技状態に移行した場合には、獲得した利益の放出を回避すること等を目的として遊技者が直ちに遊技を終了する可能性が高くなると想定される。つまり、第1遊技状態への切り替えが遊技者が遊技を終える契機になりやすいと懸念される。このような行為が行われることは、遊技機における稼働率を低下させる要因となり得るため好ましくない。特に、同不都合は、上記有利度の差が大きくなればなるほど発生しやすくなると考えられる。
この点、本特徴によれば、第1遊技状態に移行した際には報知時に参照される情報が第1対応情報から第2対応情報に切り替えられることとなる。かかる状況は、上記移行条件が成立するまで継続されるため、第1遊技状態への切替後は特典が付与される可能性が高いと遊技者に認識させることができ、遊技の継続を促すことができる。故に、第1遊技状態への移行を契機として遊技を止めるといった行為を好適に抑制し、複数の遊技状態の切り替えを行う構成を採用しつつ、それに起因した稼働率の低下を抑えることができる。
特徴B2.前記付与判定手段は、前記第1遊技状態において前記切替手段によって参照の対象が前記第2対応情報から前記第1対応情報に切り替えられる場合に、遊技者に対する特典付与の期待度が同一となるように設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1対応情報と第2対応情報との何れが参照されている場合であっても、特典付与の期待度が同一となっており、報知態様の変化に合わせて実質的な期待度が変化しない構成となっている。これにより、遊技者に対して付与される特典が過剰になることを抑え、第1遊技状態と第2遊技状態との有利度の差を担保しつつ、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B3.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
所定の発射操作が可能な発射操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、
前記発射操作手段における前記所定の発射操作に基づいて、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球部(作動入球部82,83)と
を備え、
前記付与判定手段は、前記入球部への入球に基づいて遊技者に有利な遊技状態とするか否かを判定するものであり、
前記報知手段は、前記入球部への入球に基づいて前記報知を行うことを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1遊技状態となった場合には、入球部への入球によって遊技者に有利な遊技状態へ移行する期待度が高いと遊技者に認識させるような報知態様が選択されやすくなる。これにより、遊技球の発射操作の継続を促すことができ、遊技機における稼動率の低下を好適に抑制することができる。
特徴B4.前記発射操作手段は、第1所定操作及び第2所定操作が可能となっており、
前記遊技球発射手段は、前記発射操作手段に対して前記第1所定操作が行われた場合には前記遊技領域における第1位置(遊技領域PEにおいて図柄表示装置96の左側となる領域)に向けて遊技球を発射し、前記発射操作手段に対して前記第2所定操作が行われた場合には前記遊技領域における第2位置(遊技領域PEにおいて図柄表示装置96の右側となる領域)に向けて遊技球を発射するように設定されており、
前記入球部への入球に基づいて絵柄を可変表示する絵柄表示装置(主表示部Dの作動口用表示部DL,DRや図柄表示装置96)と、
前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(主制御装置162や表示制御装置725)と
を備え、
前記入球部は個別に配設された前記第1入球部(下側作動入球部82)及び前記第2入球部(右側作動入球部83)を有してなり、
前記第1入球部は、前記発射手段によって前記第1位置に向けて発射された遊技球が入球可能であって、前記第2位置に向けて発射された遊技球が入球不可又は前記第2入球部よりも入球しづらくなるようにして設けられており、
前記第2入球部は、前記発射手段によって前記第2位置に向けて発射された遊技球が入球可能であって、前記第1位置に向けて発射された遊技球が入球不可又は前記第1入球部よりも入球しづらくなるようにして設けられており、
前記第1遊技状態は、前記第1所定操作を行うことにより前記第2所定操作を行った場合よりも遊技を有利に進めることができるように設定され、
前記第2遊技状態は、前記第2所定操作を行うことにより前記第1所定操作を行った場合よりも遊技を有利に進めることができるように設定されており、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において前記第2入球部に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に切り替える手段を有し、
前記第1対応情報及び前記第2対応情報は、前記絵柄表示装置における絵柄の可変表示の態様に対応付けられており、
前記実行手段は、前記第1入球部への入球が発生した場合に、前記第1対応情報又は前記第2対応情報を参照して前記絵柄の可変表示を実行するものであり、
前記第2対応情報は、前記第1対応情報よりも、遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと遊技者に認識させるような可変表示の態様が選択されやすいものであり、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球の入球を許容する受入状態及び遊技球の入球を不可とする非受入状態に切替可能な可変入球部(右側可変入球装置85)と、
前記第2入球部への入球に基づいて、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える可変制御手段(主制御装置162のMPU602にて特別当たり用の移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変入球部には、当該可変入球部に流入した遊技球を案内する案内通路(案内通路92)が設けられており、
前記案内通路は、当該案内通路をその途中位置にて分岐させて設けられた第1分岐通路(第1下流側通路92b)及び第2分岐通路(第2下流側通路92c)を有し、
更に、前記可変入球部は、前記案内通路を流下して前記分岐部分に到達した遊技球を前記第1分岐通路及び前記第2分岐通路の一方に振り分ける振分手段(切替部材93)を有し、
前記遊技状態制御手段は、前記可変入球部が前記受入状態となり、予め設定された特定期間内にて前記第2分岐通路に遊技球が流入したことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への切り替えを行うものであり、
前記切替条件は、前記第2分岐通路へ遊技球が流入するタイミングが遅くなるにつれて前記実行手段により前記第2対応情報が参照され得る期間が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第2遊技状態から第1遊技状態となった場合には絵柄の可変表示が遊技者にとって有利な遊技状態となる期待度が高いと認識させるような可変表示の態様となりやすい。このため、かかる状況下においては、遊技者は有利な遊技状態への移行に期待しながら遊技を行うものと想定される。これにより、第1遊技状態となった後の遊技球の発射操作の継続を促し、第1遊技状態に切り替った直後に遊技を止めることで、遊技機の稼働率が低下することを抑制することができる。
また、上記可変入球部を有する遊技機おいては、第2入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となり、同可変入球部へ流入した遊技球が第2分岐通路へ入ることにより、第1遊技状態への切り替えが行われる。第2入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態へ切り替る構成においては、第2入球部への入球から可変入球部の切り替えに待ち時間等が発生し得るため、この待ち時間中の遊技球の浪費等を抑えるべく遊技球の発射操作を止めるといった行為が行われやすいと想定される。仮にこのような行為が行われた場合には、遊技機の稼働率が低下し得る。
この点、本特徴に示すように、第2分岐通路への遊技球の到達タイミングが早くなればなるほど第2対応情報が参照され得る期間(期待度の高い可変表示が実行され得る期間)が長くなる構成とすれば、到達タイミングを早くすることで遊技を有利に進めることができるとの印象を与えることができる。これにより、遊技者に対して発射操作の継続を促すことが可能となり、遊技機の稼働率の低下を好適に抑制することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。