JP2012004759A - 無線通信装置 - Google Patents

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Masahiro Shikai
正博 鹿井
Kazuhiko Washimi
和彦 鷲見
Akira Yamamoto
山本  彰
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Abstract

【課題】確実に劣化を検出することができる路車間通信及び車車間通信のための無線通信装置を提供する。
【解決手段】通信エラー検出部106,206は、路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルに従って他の無線通信装置と無線通信を行うときに、当該無線通信時の送受信されるデータに基づいて、上記プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出し、通信時間検出部107,207は、上記プロトコルの当該層での通信時間を検出し、故障予測検知部109,209は、上記通信エラー情報及び通信時間に基づいて通信故障率を算出して、路側機1及び車載器2の劣化を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いる路車間通信並びに自動料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System)(登録商標)などに利用される路車間通信のための無線通信装置、及び自動車間で車両情報などを交換する車車間通信のための無線通信装置に関する。
路車間通信を代表するETCが運用されて約10年が経過し、ユーザが使用しているETC車載器の劣化による通信エラーが増加し、ETC全体での通信エラーの増加が懸念されている。また近年、DSRCを用いた路車間通信によるサービスが提供されており、ユーザが使用しているDSRC車載器が劣化することによって通信エラーが増加することも懸念されている。
例えば特許文献1は、ETC車載器が路側機との通信中における受信電力を検出し、検出された受信電力をデータベースに格納されている異常判定データの異常判定しきい値と比較して、ETC車載器の受信系に異常があるか否かを判定する方法を開示しており、これによって、ETC車載器側だけでETC車載器の異常を検出することができ、完全に通信ができなくなる前にETC車載器を改善することができる。
特開2005−209004号公報。
社団法人電波産業会,狭域通信(DSRC)システム標準規格,ARIB STD−T75,1.5版,平成20年12月。 社団法人電波産業会,狭域通信(DSRC)アプリケーションサブレイヤ標準規格,ARIB STD−T88,1.1版,平成19年12月。
しかしながら、特許文献1のETC車載器は、受信電力のみでETC車載器の異常を判定しているので、他の原因によるETC車載器の劣化を検出することができない。
本発明の目的は以上の問題を解決し、確実に劣化を検出することができる路車間通信及び車車間通信のための無線通信装置を提供することにある。
本発明に係る無線通信装置は、路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルに従って複数の無線通信装置が互いに無線通信を行う無線通信システムのための無線通信装置において、
上記プロトコルに従って他の無線通信装置と無線通信を行うときに、当該無線通信時の送受信されるデータに基づいて、上記プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出する通信エラー検出手段と、
上記プロトコルの当該層での通信時間を検出する通信時間検出手段と、
上記検出した通信エラー情報と、上記検出した通信時間とを含む履歴情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出し、かつ上記プロトコルの当該層での通信時間を検出して、無線通信装置の通信故障率を算出し、上記通信故障率を所定のしきい値と比較することにより上記無線通信装置の劣化を検出して報知するので、上記無線通信装置のユーザに上記無線通信装置の劣化を報知して、上記無線通信装置の更新を促進し、路車間通信システム又は車車間通信システムの通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム又は車車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
本発明の実施の形態1に係る路側機1、車載器2、外部機器3、及び外部機器4を示すブロック図である。 図1の路側機1の構成を示すブロック図である。 図1の車載器2の構成を示すブロック図である。 図1の路側機1及び図1の車載器2が路車間通信プロトコルに従って初期接続を行うときのメッセージシーケンス図である。 変調方式としてASK変調方式を使用する場合の図1のFCMC、ACTC、MDC、及びACKCのフォーマットを示す図である。 図1の路側機1のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義された通信状態を示すパラメータを示すブロック図である。 図1の車載器2のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義された通信状態を示すパラメータを示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る車載器2aの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る車載器2bの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る路側機1aの構成を示すブロック図である。 図10の反射波取得回路131の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4の変形例に係るインピーダンス故障検出部130aの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る路側機1bの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る車載器2のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義された通信状態を示すパラメータを示すブロック図である。 本発明の実施の形態7に係る車載器2eの構成を示すブロック図である。 図15のモデム203eに入力されるASK受信信号の電圧、及び図15のA/Dコンバータ251に入力されるASK再生信号の電圧を示すグラフである。 本発明の実施の形態8に係る車載器で受信されるQPSK再生信号の信号点を示すグラフである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る路側機1、車載器2、外部機器3、及び外部機器4を示すブロック図である。路側機1はアンテナ100を備えて構成され、車載器2はアンテナ200を備えて構成される。路側機1は、詳細後述する路車間通信プロトコルに従って車載器2と無線通信を行い、車載器2は、路車間通信プロトコルに従って路側機1と無線通信を行う。また、図1に示すように、路側機1は、例えばイーサネット(登録商標)などのネットワークインタフェースを用いて有線接続により外部機器4に接続されてもよい。外部機器4は、例えば料金所のサーバであり、路側機1から送信されるデータを受信して、例えば液晶ディスプレイである表示装置4aに表示する。なお、路側機1と外部機器4とは、例えばIEEE802.11a、IEEE802.11b、及びIEEE802.11gなどの無線LAN規格を用いて無線接続により接続されてもよい。さらに、車載器2は、例えばシリアルインターフェースなどの有線接続により外部機器3に接続されてもよい。外部機器3は、例えばカーナビゲーションであり、車載器2から送信されるデータを受信して、例えば液晶ディスプレイである表示装置3aに表示する。なお、車載器2と外部機器3とは、例えばブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)などの無線接続により接続されてもよい。
実施の形態1に係る路側機1は、路車間通信プロトコルに従って複数の路側機及び車載器が互いに無線通信を行う無線通信システムのための路側機1において、上記プロトコルに従って他の車載器と無線通信を行うときに、当該無線通信時の送受信されるデータに基づいて、上記プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出する通信エラー検出部106と、上記プロトコルの当該層での通信時間を検出する通信時間検出部107と、上記検出した通信エラー情報と、上記検出した通信時間とを含む履歴情報を記憶するデータベース108と、データベース108に記憶された履歴情報に基づいて、路側機1の劣化を検出し、上記検出した劣化情報をデータベース108に記憶しかつ報知する故障予測検知部109とを備えたことを特徴とする。
また、実施の形態1に係る車載器2は、路車間通信プロトコルに従って複数の路側機及び車載器が互いに無線通信を行う無線通信システムのための車載器2において、上記プロトコルに従って他の路側機と無線通信を行うときに、当該無線通信時の送受信されるデータに基づいて、上記プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出する通信エラー検出部206と、上記プロトコルの当該層での通信時間を検出する通信時間検出部207と、上記検出した通信エラー情報と、上記検出した通信時間とを含む履歴情報を記憶するデータベース208と、データベース208に記憶された履歴情報に基づいて、車載器2の劣化を検出し、上記検出した劣化情報をデータベース208に記憶しかつ報知する故障予測検知部209とを備えたことを特徴とする。
ここで、路車間通信プロトコルの概要について説明する。路車間通信プロトコルは、非特許文献1及び非特許文献2で規定されたDSRCであり、路側機1と車載器2との間の通信のためのプロトコルである。路側機1から車載器2への通信をダウンリンクといい、車載器2から路側機1への通信をアップリンクという。また、DSRCでは、変調方式として、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式、又はπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式を用いる。図4は、図1の路側機1及び図1の車載器2がDSRCに従って初期接続を行うときのメッセージシーケンス図である。
最初に、路側機1は、路側機1のフレーム構成等の通信制御情報等が付加されたFCMC(フレームコントロールメッセージチャネル)を車載器2に送信する。車載器2は、FCMCを受信して通信制御情報を解釈した後、リンク接続のための車載器2のリンクアドレスが付加されたACTC(アクチベーションチャネル)を路側機1に送信する。次いで、路側機1は、受信したACTCに基づいて、サービス可能なアプリケーションリストなどの路側機1自身の情報を表すBST(Beacon Service Table)を含むMDC(メッセージデータチャネル)を車載器2に送信する。車載器2は、BSTの受信に応答してACKC(アックチャネル)を路側機1に送信し、続いてBSTに記載されたアプリケーションに対応した返答を表すVST(Vehicle Service Table)を含むMDCを路側機1に送信する。路側機1は、VSTの受信に応答してACKCを車載器1に送信する。以上により、路側機1及び車載器2は、使用するアプリケーション(例えばETCなど)を確定し、路側機1と車載器2との間の初期接続が確立する。
初期接続が確立すると、路側機1及び車載器2は、アプリケーションの仕様に従って、MDCを用いてデータを送受信し、ACKCを用いてアック(Ack)又はナック(Nack)を送受信して、アプリケーション通信を実行する。以下、路側機1と車載器2との間の通信において、初期接続の開始から、アプリケーション通信の終了までの期間を「通信期間」という。
図5は、変調方式としてASK変調方式を使用する場合の図1のFCMC、ACTC、MDC、及びACKCのフォーマットを示す図である。
FCMCは、2オクテットのプリアンブルPR11と、フレーム同期のための4オクテットのユニークワードUW1 12と、L1層の伝送チャネル属性を示す2オクテットのSIG13と、識別番号を示す1オクテット識別番号フィールドFID14と、FCMCのチャネル制御情報を示す1オクテットのフレーム構成情報フィールドFSI15と、時間パラメータを示す1オクテットのリリースタイマ情報フィールドRLT16と、基地局が提供可能なアプリケーションを示す7オクテットのサービスアプリケーション情報フィールドSC17と、最大8個含まれてもよい5オクテットのスロット制御情報フィールドSCI(1)18−1〜SCI(8)18−8と、誤り検査のための2オクテットの誤り検出符号CRC19とで構成される。スロット制御情報フィールドSCI(1)18−1は、スロット割り当て用の1オクテットの制御情報サブフィールドCI(1)18−1C、及びリンクアドレスを示す4オクテットのリンクアドレスフィールド(1)18−1Lで構成され、他のスロット制御情報フィールドSCI(2)18−2〜SCI(8)18−8も同様の構成を有する。
ACTCは、2オクテットのプリアンブルPR21と、フレーム同期のための2オクテットのユニークワードUW2 22と、識別番号を示す1オクテット識別番号フィールドFID23と、リンクアドレスを示す4オクテットのリンクアドレスフィールドLID24と、移動局からの初期接続要求のための情報を表す1オクテットのリンク要求情報フィールドLRI25と、誤り検査のための2オクテットの誤り検出符号CRC26とで構成される。
MDCは、2オクテットのプリアンブルPR31と、フレーム同期のための2オクテットのユニークワードUW2 32と、67オクテットのMAC副層プロトコルデータ単位MPDU33と、誤り検査のための2オクテットの誤り検出符号CRC34とで構成される。MAC副層プロトコルデータ単位MPDU33は、2オクテットのMAC制御フィールドMAC35、及び65オクテットのリンクプロトコルデータ単位LPDU36で構成される。
ACKCは、2オクテットのプリアンブルPR41と、フレーム同期のための2オクテットのユニークワードUW2 42と、アック又はナックを示す1オクテットの受信確認情報フィールドAI43と、誤り検査のための2オクテットの誤り検出符号CRC44とで構成される。
図6は、図1の路側機1のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義された通信状態を示すパラメータを示すブロック図であり、図7は、図1の車載器2のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義された通信状態を示すパラメータを示すブロック図である。路側機1のプロトコル及び車載器2のプロトコルはともに、L1層、L2層、L7層、ASL層(アプリケーションサブレイヤ層)、AP層(アプリケーション層)で構成される。L1層は物理層であり、電波の質及び変復調方式を決定している。L2層はデータリンク層であり、メディアアクセス制御を行い、フレーム構成及びフレーム通信などの通信リンクを維持する。L7層はアプリケーション層であり、通信手順を定め、トランザクションを維持管理する。ASL層はL7層及びAP層を拡張補完するプロトコル層である。AP層にはDSRCの基本6アプリケーションと呼ばれる、車載器指示応答、車載器メモリアクセス、ICカードアクセス、プッシュ型情報配信、車載器ID通信、車載器基本指示のAPIが用意されており、これらのAPIを組み合わせたアプリケーション及びカーナビゲーションとの通信、ネットワーク機器との通信、画像転送、音声発話などの複数のアプリケーションが実装されている。DSRC標準規格では、プロトコルの各層に通信状態を示すパラメータを定義しており、通信時にパラメータの値が更新される。まず、路側機1のプロトコルの各層で定義されたパラメータについて説明する。
路側機1のプロトコルのL1層では、送信信号の信号レベルを示す送信レベルSIG_LEVEL1、受信信号の信号レベルを示す受信レベルSIG_LEVEL2、及びMDCフォーマットのユニークワードを示すMDCユニークワードUW2が定義されている。送信レベルSIG_LEVEL1は、無線信号を送信する毎に送信した信号の信号レベルを示す値に更新され、受信レベルSIG_LEVEL2は、無線信号を受信する毎に受信した信号の信号レベルを示す値に更新され、MDCユニークワードUW2は、MDCを受信する毎にMDCフォーマットのユニークワードの位置に対応する16ビットのビット列の値に更新される。
路側機1のプロトコルのL2層では、MDCフォーマット中のCRCを用いた検査結果が誤りとなった回数とFCMCフォーマット中のCRCを用いた検査結果が誤りとなった回数との和を示すCRC検査誤り回数CRC_ERR、ダウンリンク方向の再送回数を示すダウンリンク方向リトライカウンタNFR1、アップリンク方向の再送回数を示すアップリンク方向リトライカウンタNFR2、及び車載器2の送信待ちの状況を示す移動局状態TR_STATUSが定義されている。CRC検査誤り回数CRC_ERRは、初期接続開始時に0にリセットされ、路側機1が車載器2からデータを受信し、CRC検査の結果が誤りとなる毎にインクリメントされる。ダウンリンク方向リトライカウンタNFR1は、初期接続開始時に0にリセットされ、路側機1が車載器2にデータを再送する毎にインクリメントされる。アップリンク方向リトライカウンタNFR2は、初期接続開始時に0にリセットされ、路側機1が車載器2から正しくデータを受信できなった場合毎にインクリメントされる。移動局状態TR_STATUSは、車載器2において送信待ちである送信データの数が、所定のしきい値以上のときにビジーとなり、所定のしきい値未満のときにアイドルとなる。
路側機1のプロトコルのL7層では、路側機1の製造者を示す製造者番号man_idが定義されている。製造者番号man_idは、路側機1が製造されたときに製造者を示す値に設定される。
路側機1のプロトコルのASL層では、ASL層で使用されるデータに対するチェックサムを用いた誤り検査の結果が誤りとなった回数を示すチェックサムエラー回数CS_ERRが定義されている。チェックサムエラー回数CS_ERRは、初期接続開始時に0にリセットされ、路側機1が車載器2からデータを受信し、チェックサム検査の結果が誤りとなる毎にインクリメントされる。
次に、車載器2のプロトコルの各層で定義されたパラメータについて説明する。車載器2のプロトコルのL1層では、受信信号の信号レベルを示す受信レベルSIG_LEVEL1、FCMCフォーマットのユニークワードを示すFCMCユニークワードUW1、及びMDCフォーマットのユニークワードを示すMDCユニークワードUW2が定義されている。受信レベルSIG_LEVEL2は、無線信号を受信する毎に受信した信号の信号レベルを示す値に更新される。FCMCユニークワードUW1は、FCMCを受信する毎にFCMCフォーマットのユニークワードの位置に対応する32ビットのビット列の値に更新される。MDCユニークワードUW2は、MDCを受信する毎にMDCフォーマットのユニークワードの位置に対応する16ビットのビット列の値に更新される。
車載器2のプロトコルのL2層では、MDCフォーマット中のCRCを用いた検査結果が誤りとなった回数とFCMCフォーマット中のCRCを用いた検査結果が誤りとなった回数との和を示すCRC検査誤り回数CRC_ERR、ACTCの送信回数を示すリンク要求カウンタNRQ、アップリンク方向の再送回数を示すアップリンク方向リトライカウンタNMR、及び路側機1の送信待ちの状況を示す基地局状態TR_STATUSが定義されている。CRC検査誤り回数CRC_ERRは、初期接続開始時に0にリセットされ、車載器2が路側機1からデータを受信し、CRC検査の結果が誤りとなる毎にインクリメントされる。リンク要求カウンタNRQは、初期接続を行うときに車載器2が路側機1にACTCを最初に送信したときに1にセットされ、車載器2が路側機1にACTCを再送する毎にインクリメントされる。アップリンク方向リトライカウンタNMRは、初期接続開始時に0にリセットされ、車載器2が路側機1にMPDUを送信し、路側機1からアックを受信できなった場合毎にインクリメントされる。移動局状態TR_STATUSは、路側機1において送信待ちである送信データの数が、所定のしきい値以上のときにビジーとなり、所定のしきい値未満のときにアイドルとなる。
車載器2のプロトコルのL7層では、車載器2の製造者を示す製造者番号man_idが定義されている。製造者番号man_idは、車載器2が製造されたときに製造者を示す値に設定される。
車載器2のプロトコルのASL層では、ASL層で使用されるデータに対するチェックサムを用いた誤り検査の結果が誤りとなった回数を示すチェックサムエラー回数CS_RRが定義されている。CRC検査誤り回数CRC_ERRは、初期接続開始時に0にリセットされ、車載器2が路側機1からデータを受信し、チェックサム検査の結果が誤りとなる毎にインクリメントされる。
本実施の形態では、詳細後述するように、これらのパラメータの値を所定のしきい値と比較することによって路側機1及び車載器2の通信エラーを検出する。
図2は、図1の路側機1の構成を示すブロック図である。図2において、路側機1は、アンテナ100と、ダイプレクサDP100と、無線受信回路101と、無線送信回路102と、モデム103と、インターフェース104と、プロトコル処理部105と、通信エラー検出部106と、通信時間検出部107と、データベース108と、故障予測検知部109と、表示部111とを備えて構成される。なお、路側機1は、ダイプレクサDP100に代えて、サーキュレータを備えて構成されてもよい。
無線受信回路101は、無線信号を車載器1からアンテナ100及びダイプレクサDP100を介して受信する。無線送信回路102は、無線信号を車載器1にダイプレクサDP100及びアンテナ100を介して送信する。モデム103は、無線受信回路101から出力される無線信号を復調してデータを抽出し、インターフェース104を介してプロトコル処理部105に出力し、かつプロトコル処理部105からインターフェース104を介して出力されるデータに従って搬送波を変調して無線信号を発生し、無線送信回路102に出力する。インターフェース104は、データバス、RS422、光ファイバなどを用いて、モデム103とプロトコル処理部105との間の信号変換を行うことによりインターフェース処理を行うインターフェース回路である。なお、モデム103とプロトコル処理部105との間の信号変換が必要ない場合、路側機1は、インターフェース104を備えずに構成されてもよい。
プロトコル処理部105は、プロセッサ105p及びメモリ105mを備えて構成され、インターフェース104を介してモデム103からデータを受信し、路車間通信プロトコルに従ってデータを処理することにより、上述した路車間通信プロトコルの各層から得られるパラメータをメモリ105mに記憶するとともに通信エラー検出部106に出力し、かつ通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、及び路車間通信プロトコルの各層において、処理を開始した時刻、処理を終了した時刻、並びに処理にかかった時間(以下、それぞれ、通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、及び通信時間という。)を通信時間検出部107に出力する。また、プロトコル処理部105は、後述する故障予測検知部109からのデータを路車間通信プロトコルに従って処理し、処理したデータをインターフェース104を介してモデム103に出力する。
通信エラー検出部106は、プロセッサ106p及びメモリ106mを備えて構成され、通信期間の間に上述した路側機1のプロトコルのパラメータをプロトコル処理部105から受信してメモリ106mに記憶し、記憶したパラメータを所定のしきい値と比較して、発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、及び製造者番号を含む通信エラー情報をデータベース108に記録する。次に、通信エラー検出部106において検出する通信エラー、及び各通信エラーの検出方法について説明する。
(1)送信レベルの低下:通信エラー検出部106は、通信期間の間に、送信レベルSIG_LEVEL1が更新される毎に送信レベルSIG_LEVEL1を受信して、送信レベルSIG_LEVEL1が所定のしきい値未満となったときに送信レベルの低下が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、送信レベルの低下の発生回数ERR1、及び送信レベルの低下の発生を示すフラグEF1をデータベース108に記録する。ここで、送信レベルの低下が1回以上発生したときは、フラグEF1=0であり、送信レベルの低下が発生しなかったときは、フラグEF1=1である。
(2)受信レベルの低下:通信エラー検出部106は、通信期間の間に、受信レベルSIG_LEVEL2が更新される毎に受信レベルSIG_LEVEL2を受信して、受信レベルSIG_LEVEL2が所定のしきい値未満となったときに受信レベルの低下が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、受信レベルの低下の発生回数ERR2、及び受信レベルの低下の発生を示すフラグEF2をデータベース108に記録する。ここで、受信レベルの低下が1回以上発生したときは、フラグEF2=0であり、受信レベルの低下が発生しなかったときは、フラグEF2=1である。
(3)ユニークワードの未受信:通信エラー検出部106は、通信期間の間に、MDCユニークワードUW2が更新される毎にMDCユニークワードUW2を受信して、MDCユニークワードUW2が所定のビット列を示すしきい値と異なるときにユニークワードの未受信が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、ユニークワードの未受信の発生回数ERR3、及びユニークワードの未受信の発生を示すフラグEF3をデータベース108に記録する。ここで、ユニークワードの未受信が1回以上発生したときは、フラグEF3=0であり、ユニークワードの未受信が発生しなかったときは、フラグEF3=1である。
(4)CRC検査誤り回数の超過:通信エラー検出部106は、通信期間終了時に、CRC検査誤り回数CRC_ERRを受信して、CRC検査誤り回数CRC_ERRが所定のしきい値以上であるときにCRC検査誤り回数の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、CRC検査誤り回数の超過の発生回数ERR4、及びCRC検査誤り回数の超過の発生を示すフラグEF4をデータベース108に記録する。ここで、CRC検査誤り回数の超過が発生したときは、発生回数ERR4=1かつフラグEF4=0であり、CRC検査誤り回数の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR4=0かつフラグEF4=1である。
(5)ダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過:通信エラー検出部106は、通信期間終了時に、ダウンリンク方向リトライカウンタNFR1を受信して、ダウンリンク方向リトライカウンタNFR1が所定のしきい値以上であるときにダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、ダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生回数ERR5、及びダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生を示すフラグEF5をデータベース108に記録する。ここで、ダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したときは、発生回数ERR5=1かつフラグEF5=0であり、ダウンリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR5=0かつフラグEF5=1である。
(6)アップリンク方向リトライカウンタ値の超過:通信エラー検出部106は、通信期間終了時に、アップリンク方向リトライカウンタNFR2を受信して、アップリンク方向リトライカウンタNFR2が所定のしきい値以上であるときにアップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生回数ERR6、及びアップリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生を示すフラグEF6をデータベース108に記録する。ここで、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したときは、発生回数ERR6=1かつフラグEF6=0であり、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR6=0かつフラグEF6=1である。
(7)車載器のビジー:通信エラー検出部106は、通信期間の間に、移動局状態TR_STATUSが更新される毎に移動局状態TR_STATUSを受信して、移動局状態TR_STATUSがビジーであるときに車載器のビジーが発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、車載器のビジーの発生回数ERR7、及び車載器のビジーの発生を示すフラグEF7をデータベース108に記録する。ここで、車載器のビジーが1回以上発生したときは、フラグEF7=0であり、車載器のビジーが発生しなかったときは、フラグEF7=1である。
(8)チェックサム検査誤り回数の超過:通信エラー検出部106は、通信期間終了時に、チェックサムエラー回数CS_ERRを受信して、チェックサムエラー回数CS_ERRが所定のしきい値以上であるときにチェックサム検査誤り回数の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部106は、チェックサム検査誤り回数の超過の発生回数ERR8、及びチェックサム検査誤り回数の超過の発生を示すフラグEF8をデータベース108に記録する。ここで、チェックサム検査誤り回数の超過が発生したときは、発生回数ERR8=1かつフラグEF8=0であり、チェックサム検査誤り回数の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR8=0かつフラグEF8=1である。
なお、通信エラー検出部106では、上述した通信エラーに限らず、他の通信エラーを検出してもよい。また、通信エラー検出部106がプロトコル処理部105から車載器2の緯度経度などの位置情報を受信した場合、通信エラー検出部106は、車載器2の位置情報をデータベース108に記録してもよい。さらに、通信エラー検出部106は、フラグEF1〜EF8の論理積を算出して、その結果を通信エラー情報に含めてデータベース108に記録してもよい。論理積の結果は、上述した通信エラーのうちの少なくとも1つが発生した場合に0となり、すべての通信エラーが発生しなかった場合に1となる。なお、通信エラー検出部106は、1つの通信エラーのみを検出してもよく、その場合は、フラグの論理積を算出しない。
通信時間検出部107は、プロトコル処理部105からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、及び路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間をデータベース108に記録する。ここで、L1層の通信時間をt1、L2層の通信時間をt2、L7層の通信時間をt3、ASL層の通信時間をt4、AP層の通信時間をt5とする。また、通信時間検出部107によってデータベース108に記録される情報を時間情報といい、通信エラー検出部106によって検出される通信エラー情報と時間情報とを併せて履歴情報という。
データベース108はメモリなどの記憶装置で構成され、上述した通信エラー検出部106からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに車載器2の位置情報、及び通信時間検出部107からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、及び後述する故障予測検知部109からの劣化情報を記憶する。以下、データベース108が記憶している情報を履歴データという。なお、データベース108は、これらの履歴データを複数の通信期間にわたって累積して記憶してもよく、通信期間毎にワンタイムの通信ログとして記憶してもよい。
故障予測検知部109は、データベース108に記憶された各通信エラーの発生回数ERR1〜ERR8、及び路車間通信プロトコルの各層での通信時間t1〜t5に基づいて、詳細後述するように、路側機1の通信故障率Prsu、路側機1の故障判定結果(故障である、故障でないの2値)、路側機1の通信信頼度(路側機1の通信故障率Prsuの逆数)、故障発生時刻の推定、及び故障発生箇所の推定のうちの少なくとも1つを含む情報(以下、「劣化情報」という。)を算出し、データベース108に記録する。また、故障予測検知部109は、データベース108に記憶された履歴データを読み出して、表示部111に出力する、又はプロトコル処理部105を介して車載器2に送信する。なお、故障予測検知部109は算出した劣化情報をデータベース108に記録する前に表示部111に出力する、又はプロトコル処理部105を介して車載器2に送信してもよい。
履歴データを受信した車載器2は、履歴データを表示部211に表示する。ここで、履歴データの中には、製造者番号毎に、通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、並びに車載器2の位置情報、及び通信時間検出部107からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、故障予測検知部109からの劣化情報を含むデータを含むので、例えば表示された履歴データに基づいて、故障が発生し又は予測される路側機1を特定してその所有者又はユーザに対して警告を与えて、当該路側機1を修理し又は新規購入で更新することを提案できる。なお、車載器2は、路側機1の通信信頼度が所定のしきい値以下のときに、車載器2の通信パラメータを変更して、路側機1とより確実に通信ができるようにしてもよい。また、路側機1が外部機器4に接続されているときは、路側機1は、履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。さらに、車載器2が外部機器3に接続されているときは、車載器2は、受信した履歴データを外部機器3に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器3は、履歴データを表示装置3aに表示する。
表示部111は、ネットワーク機器の表示部、サーバの表示部、パーソナルコンピュータの表示部、カーナビゲーションの表示部、ディスプレイ、プリンタなどであり、履歴データを故障予測検知部109から受信して、履歴データを文字、画像などで、路側機1のユーザに表示する。また、音声合成器及びスピーカによって、故障予測検知部109からの履歴データに基づいて音声を合成して出力してもよい。
次に、故障予測検知部109において劣化情報を算出する方法について説明する。
(1)路側機1の通信故障率Prsu:路側機1の通信故障率Prsuは、以下の式(1)を用いて求める。
Figure 2012004759
ここで、nは、通信エラー検出部106によって検出される通信エラーの種類を表し、mは、路車間通信プロトコルの層の数を表す。また、ERRn(1≦n≦8)は、上述した各通信エラーの発生回数であり、tm(1≦m≦5)は、上述した路車間通信プロトコルの各層での通信時間である。また、Wn(0≦Wn≦1)(1≦n≦8)は、各通信エラーに対応する重みであり、各通信エラーが路側機1の劣化に影響を与える程度に応じて決定する。路側機1の通信故障率Prsuは、通信期間毎に算出する。
なお、式(1)は、nが8であり、かつmが5である場合の式であるが、これらの数が増減した場合、式(1)のm及びnの値をこれらの増減に応じて変化させてもよい。また、通信エラー検出部106によって検出される通信エラーの種類が1つであるときは、重みを使用せず、通信エラーの発生回数を路車間通信プロトコルの各層での通信時間の総和で除算することにより、通信故障率を算出する。
(2)路側機1の故障判定結果:路側機1の通信故障率を路側機1の機器故障率と同等であると仮定し、上述した路側機1の通信故障率Prsuを所定のしきい値と比較して、路側機1の通信故障率Prsuが所定のしきい値以上のときは、路側機1が故障であると判定し、路側機1の通信故障率Prsuが所定のしきい値未満のときは、路側機1が故障でないと判定する。
(3)路側機1の通信信頼度:上述した路側機1の通信故障率Prsuの逆数である。
(4)故障発生時刻の推定:データベース108に記憶されている通信期間ごとの路側機1の通信故障率Prsuを参照し、路側機1が稼働してから現在までの累積通信時間に対する路側機1の通信故障率Prsuの変化率を算出して、算出した通信故障率の変化率に基づいて、路側機1の通信故障率Prsuが所定のしきい値を超える時刻を推定する。
(5)故障発生箇所の推定:上述した通信エラー毎に通信故障率を算出し、所定のしきい値以上の通信故障率を有する通信エラーに対応する路側機1の構成要素が故障していると推定する。
図3は、図1の車載器2の構成を示すブロック図である。図3において、車載器2は、アンテナ200と、アンテナ切り替えスイッチSW200と、無線受信回路201と、無線送信回路202と、モデム203と、インターフェース204と、プロトコル処理部205と、通信エラー検出部206と、通信時間検出部207と、データベース208と、故障予測検知部209と、表示部211と、無線送受信コントローラ212とを備えて構成される。なお、車載器2は、アンテナ切り替えスイッチSW200に代えて、サーキュレータを備えて構成されてもよい。
無線受信回路201は、無線信号を路側機1からアンテナ200及びアンテナ切り替えスイッチSW200を介して受信する。無線送信回路202は、無線信号を路側機1にアンテナ切り替えスイッチSW200及びアンテナ200を介して送信する。モデム203は、無線受信回路201から出力される無線信号を復調してデータを抽出し、インターフェース204を介してプロトコル処理部205に出力し、かつプロトコル処理部205からインターフェース204を介して出力されるデータに従って搬送波を変調して無線信号を発生し、無線送信回路202に出力する。インターフェース204は、データバス、RS422、光ファイバなどを用いて、モデム203とプロトコル処理部205との間の信号変換を行うことによりインターフェース処理を行うインターフェース回路である。なお、モデム203とプロトコル処理部205との間の信号変換が必要ない場合、車載器2は、インターフェース204を備えずに構成されてもよい。
プロトコル処理部205は、プロセッサ205p及びメモリ205mを備えて構成され、インターフェース204を介してモデム203からデータを受信し、路車間通信プロトコルに従ってデータを処理することにより、上述した路車間通信プロトコルの各層から得られるパラメータをメモリ205mに記憶するとともに通信エラー検出部206に出力し、かつ通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、及び路車間通信プロトコルの各層における通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、及び通信時間を通信時間検出部207に出力する。また、プロトコル処理部205は、後述する故障予測検知部209からのデータを路車間通信プロトコルに従って処理し、処理したデータをインターフェース204を介してモデム203に出力する。
通信エラー検出部206は、プロセッサ206p及びメモリ206mを備えて構成され、通信期間の間に上述した車載器2のプロトコルのパラメータをプロトコル処理部205から受信してメモリ206mに記憶し、記憶したパラメータを所定のしきい値と比較して、発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、及び製造者番号を含む通信エラー情報をデータベース208に記録する。次に、通信エラー検出部206において検出する通信エラー、及び各通信エラーの検出方法について説明する。
(1)受信レベルの低下:通信エラー検出部206は、通信期間の間に、受信レベルSIG_LEVEL1が更新される毎に受信レベルSIG_LEVEL1を受信して、受信レベルSIG_LEVEL1が所定のしきい値未満となったときに受信レベルの低下が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、受信レベルの低下の発生回数ERR1、及び受信レベルの低下の発生を示すフラグEF1をデータベース208に記録する。ここで、受信レベルの低下が1回以上発生したときは、フラグEF1=0であり、受信レベルの低下が発生しなかったときは、フラグEF1=1である。
(2)MDCユニークワードの未受信:通信エラー検出部206は、通信期間の間に、MDCユニークワードUW2が更新される毎にMDCユニークワードUW2を受信して、MDCユニークワードUW2が所定のビット列を示すしきい値と異なるときにMDCユニークワードの未受信が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、MDCユニークワードの未受信の発生回数ERR2、及びMDCユニークワードの未受信の発生を示すフラグEF2をデータベース208に記録する。ここで、MDCユニークワードの未受信が1回以上発生したときは、フラグEF2=0であり、MDCユニークワードの未受信が発生しなかったときは、フラグEF2=1である。
(3)FCMCユニークワードの未受信:通信エラー検出部206は、通信期間の間に、FCMCユニークワードUW1が更新される毎にFCMCユニークワードUW1を受信して、FCMCユニークワードUW1が所定のビット列を示すしきい値と異なるときにFCMCユニークワードの未受信が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、FCMCユニークワードの未受信の発生回数ERR3、及びFCMCユニークワードの未受信の発生を示すフラグEF3をデータベース208に記録する。ここで、FCMCユニークワードの未受信が1回以上発生したときは、フラグEF3=0であり、FCMCユニークワードの未受信が発生しなかったときは、フラグEF3=1である。
(4)CRC検査誤り回数の超過:通信エラー検出部206は、通信期間終了時に、CRC検査誤り回数CRC_ERRを受信して、CRC検査誤り回数CRC_ERRが所定のしきい値以上であるときにCRC検査誤り回数の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、CRC検査誤り回数の超過の発生回数ERR4、及びCRC検査誤り回数の超過の発生を示すフラグEF4をデータベース208に記録する。ここで、CRC検査誤り回数の超過が発生したときは、発生回数ERR4=1かつフラグEF4=0であり、CRC検査誤り回数の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR4=0かつフラグEF4=1である。
(5)リンク要求カウンタ値の超過:通信エラー検出部206は、通信期間終了時に、リンク要求カウンタNRQを受信して、リンク要求カウンタNRQが所定のしきい値以上であるときにリンク要求カウンタ値の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、リンク要求カウンタ値の超過の発生回数ERR5、及びリンク要求カウンタ値の超過の発生を示すフラグEF5をデータベース208に記録する。ここで、リンク要求カウンタ値の超過が発生したときは、発生回数ERR5=1かつフラグEF5=0であり、リンク要求カウンタ値の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR5=0かつフラグEF5=1である。
(6)アップリンク方向リトライカウンタ値の超過:通信エラー検出部206は、通信期間終了時に、アップリンク方向リトライカウンタNMRを受信して、アップリンク方向リトライカウンタNMRが所定のしきい値以上であるときにアップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生回数ERR6、及びアップリンク方向リトライカウンタ値の超過の発生を示すフラグEF6をデータベース208に記録する。ここで、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生したときは、発生回数ERR6=1かつフラグEF6=0であり、アップリンク方向リトライカウンタ値の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR6=0かつフラグEF6=1である。
(7)路側機のビジー:通信エラー検出部206は、通信期間の間に、基地局状態TR_STATUSが更新される毎に基地局状態TR_STATUSを受信して、基地局状態TR_STATUSがビジーであるときに路側機のビジーが発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、路側機のビジーの発生回数ERR7、及び路側機のビジーの発生を示すフラグEF7をデータベース108に記録する。ここで、路側機のビジーが1回以上発生したときは、フラグEF7=0であり、路側機のビジーが発生しなかったときは、フラグEF7=1である。
(8)チェックサム検査誤り回数の超過:通信エラー検出部206は、通信期間終了時に、チェックサムエラー回数CS_ERRを受信して、チェックサムエラー回数CS_ERRが所定のしきい値以上であるときにチェックサム検査誤り回数の超過が発生したことを検出する。次いで、通信エラー検出部206は、チェックサム検査誤り回数の超過の発生回数ERR8、及びチェックサム検査誤り回数の超過の発生を示すフラグEF8をデータベース208に記録する。ここで、チェックサム検査誤り回数の超過が発生したときは、発生回数ERR8=1かつフラグEF8=0であり、チェックサム検査誤り回数の超過が発生しなかったときは、発生回数ERR8=0かつフラグEF8=1である。
なお、通信エラー検出部206では、上述した通信エラーに限らず、他の通信エラーを検出してもよい。また、通信エラー検出部206がプロトコル処理部205から路側機1の緯度経度などの位置情報を受信した場合、通信エラー検出部206は、路側機1の位置情報をデータベース208に記録してもよい。さらに、通信エラー検出部206は、フラグEF1〜EF8の論理積を算出して、その結果を通信エラー情報に含めてデータベース208に記録してもよい。論理積の結果は、上述した通信エラーのうちの少なくとも1つが発生した場合に0となり、すべての通信エラーが発生しなかった場合に1となる。なお、通信エラー検出部206は、1つの通信エラーのみを検出してもよく、その場合は、フラグの論理積を算出しない。
通信時間検出部207は、プロトコル処理部205からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、及び路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間をデータベース208に記録する。ここで、L1層の通信時間をt1、L2層の通信時間をt2、L7層の通信時間をt3、ASL層の通信時間をt4、AP層の通信時間をt5とする。また、通信時間検出部207によってデータベース208に記録される情報を時間情報といい、通信エラー検出部206によって検出される通信エラー情報と時間情報とを併せて履歴情報という。
データベース208はメモリなどの記憶装置で構成され、上述した通信エラー検出部106からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに路側機1の位置情報、及び通信時間検出部207からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、及び後述する故障予測検知部209からの劣化情報を含む履歴データを記憶する。なお、データベース208は、これらの履歴データを複数の通信期間にわたって累積して記憶してもよく、通信期間毎にワンタイムの通信ログとして記憶してもよい。
故障予測検知部209は、データベース208に記憶された各通信エラーの発生回数ERR1〜ERR8、及び路車間通信プロトコルの各層での通信時間t1〜t5に基づいて、詳細後述するように車載器2の通信故障率Pobe、車載器2の故障判定結果(故障である、故障でないの2値)、車載器2の通信信頼度(車載器2の通信故障率Pobeの逆数)、故障発生時刻の推定、及び故障発生箇所の推定の少なくとも1つを含む劣化情報を算出し、データベース208に記録する。また、故障予測検知部209は、データベース208に記憶された履歴データを読み出して、表示部211に出力する、又はプロトコル処理部205を介して路側機1に送信する。なお、故障予測検知部209は算出した劣化情報をデータベース208に記録する前に表示部211に出力する、又はプロトコル処理部205を介して路側機1に送信してもよい。
履歴データを受信した路側機1は、履歴データを表示部111に表示する。ここで、履歴データの中には、製造者番号毎に、通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、並びに路側機1の位置情報、及び通信時間検出部207からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、故障予測検知部209からの劣化情報を含むデータを含むので、例えば表示された履歴データに基づいて、故障が発生し又は予測される車載器2を特定してその所有者又はユーザに対して警告を与えて、当該車載器2を修理し又は新規購入で更新することを提案できる。なお、路側機1は、車載器2の通信信頼度が所定のしきい値以下のときに、路側機1の通信パラメータを変更して、車載器2とより確実に通信ができるようにしてもよい。また、車載器2が外部機器3に接続されているときは、車載器2は、履歴データを外部機器3に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器3は、履歴データを表示装置3aに表示する。さらに、路側機1が外部機器4に接続されているときは、路側機1は、受信した履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。
表示部211は、ネットワーク機器の表示部、サーバの表示部、パーソナルコンピュータの表示部、カーナビゲーションの表示部、ディスプレイ、プリンタなどであり、履歴データを故障予測検知部209から受信して、履歴データを文字、画像などで、車載器2のユーザに表示する。なお、音声合成器及びスピーカによって、故障予測検知部209からの履歴データに基づいて音声を合成して出力してもよい。
無線送受信コントローラ212は、アンテナ切り替えスイッチSW200に制御信号を送信して、車載器2が無線信号を受信するときは、アンテナ切り替えスイッチSW200を接点a側に切り替え、かつ車載器2が無線信号を送信するときは、アンテナ切り替えスイッチSW200を接点b側に切り替える。また、無線送受信コントローラ212は、無線受信回路201及び無線送信回路202との間で制御信号を送受信して、無線受信回路201及び無線送信回路202における局部発信信号の周波数などを制御する。さらに、無線送受信コントローラ212は、プロトコル処理部205との間で制御信号を送受信して、プロトコル処理部205の状態に基づいて、アンテナ切り替えスイッチSW200、無線受信回路201、無線送信回路202、及びプロトコル処理部205に制御信号を送信する。
次に、故障予測検知部209において劣化情報を算出する方法について説明する。
(1)車載器2の通信故障率Pobe:車載器2の通信故障率Pobeは、以下の式(2)を用いて求める。
Figure 2012004759
ここで、nは、通信エラー検出部206によって検出される通信エラーの種類を表し、mは、路車間通信プロトコルの層の数を表す。また、ERRn(1≦n≦8)は、上述した各通信エラーの発生回数であり、tm(1≦m≦5)は、上述した路車間通信プロトコルの各層での通信時間である。また、Wn(0≦Wn≦1)(1≦n≦8)は、各通信エラーに対応する重みであり、各通信エラーが車載器2の劣化に影響を与える程度に応じて決定する。車載器2の通信故障率Pobeは、通信期間毎に算出する。
なお、式(2)は、nが8であり、かつmが5である場合の式であるが、これらの数が増減した場合、式(2)のm及びnの値をこれらの増減に応じて変化させてもよい。また、通信エラー検出部206によって検出される通信エラーの種類が1つであるときは、重みを使用せず、通信エラーの発生回数を路車間通信プロトコルの各層での通信時間の総和で除算することにより、通信故障率を算出する。
(2)車載器2の故障判定結果:車載器2の通信故障率を車載器2の機器故障率と同等であると仮定し、上述した車載器2の通信故障率Pobeを所定のしきい値と比較して、車載器2の通信故障率Pobeが所定のしきい値以上のときは、車載器2が故障であると判定し、車載器2の通信故障率Pobeが所定のしきい値未満のときは、車載器2が故障でないと判定する。
(3)車載器2の通信信頼度:上述した車載器2の通信故障率Pobeの逆数である。
(4)故障発生時刻の推定:データベース208に記憶されている通信期間ごとの車載器2の通信故障率Pobeを参照し、車載器2が稼働してから現在までの累積通信時間に対する車載器2の通信故障率Pobeの変化率を算出して、算出した通信故障率の変化率に基づいて、車載器2の通信故障率Pobeが所定のしきい値を超える時刻を推定する。
(5)故障発生箇所の推定:上述した通信エラー毎に通信故障率を算出し、所定のしきい値以上の通信故障率を有する通信エラーに対応する車載器2の構成要素が故障していると推定する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、路側機1は、路車間通信プロトコルの各層から得られる通信状態を示すパラメータに基づいて、発生した通信エラー及び各通信エラーの発生回数を検出し、各通信エラーの発生回数及び路車間通信プロトコルの各層での通信時間から路側機1の通信故障率Prsuを算出して、路側機1の通信故障率Prsuが所定のしきい値以上の場合に路側機1の劣化を検出し、表示部111を用いて路側機1の劣化を報知し、路車間通信によって車載器2に路側機1の劣化を報知し、外部機器4が接続されているときは、路側機1の劣化を外部機器4に報知する。また、車載器2も路側機1と同様に動作して、車載器2の劣化を検出し、表示部211を用いて車載器2の劣化を報知し、路車間通信によって路側機1に車載器2の劣化を報知し、外部機器3が接続されているときは、車載器2の劣化を外部機器3に報知する。従って、路車間通信プロトコルの各層における通信エラーを網羅することができ、通信故障率を算出するときに、各通信エラーの発生回数に対して所定の重みを乗算した後加算し、その値を路車間通信プロトコルの各層の通信時間の総和で除算するので、通信故障率を正確に算出することができる。また、累積通信時間に対する通信故障率の変化率を算出して、算出した通信故障率の変化率に基づいて、通信故障率が所定のしきい値を超える時刻を推定するので、路側機1及び車載器2の劣化を予め検出して報知することができる。さらに、路側機1のユーザに対して、路側機1から、又は車載器2を介して路側機1の劣化を報知し、路側機1を新規に購入して更新すること、又は路側機1を修理することなどを促すことができる。また、車載器2のユーザに対しても同様に車載器2の更新、修理などを促すことができる。さらに、路側機1及び車載器2の更新、修理などを促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る車載器2aの構成を示すブロック図である。実施の形態2では、車載器2aと通信する路側機1及び外部機器3は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。また、実施の形態2に係る車載器2aは、実施の形態1に係る車載器2と比較して、表示部211を備えず、故障予測検知部209に代えて故障予測検知部209aを備える点が異なり、その他の構成要素は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。
故障予測検知部209aは、故障予測検知部209と同様に劣化情報を算出して、データベース208に記録する。また、故障予測検知部209aは、データベース208に記憶された履歴データを、プロトコル処理部205を介して路側機1に送信する。なお、故障予測検知部209aは算出した劣化情報をデータベース208に記録する前にプロトコル処理部205を介して路側機1に送信してもよい。履歴データを受信した路側機1は、履歴データを表示部111に表示する。なお、路側機1は、車載器2aの通信信頼度が所定のしきい値以下のときに、路側機1の通信パラメータを変更して、車載器2aとより確実に通信ができるようにしてもよい。また、車載器2aが外部機器3に接続されているときは、車載器2aは、履歴データを外部機器3に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器3は、履歴データを表示装置3aに表示する。さらに、路側機1が外部機器4に接続されているときは、路側機1は、受信した履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。
以上説明したように、実施の形態2によれば、路側機1は、実施の形態1と同様に動作し、車載器2aは、路車間通信プロトコルの各層から得られる通信状態を示すパラメータに基づいて、発生した通信エラー及び各通信エラーの発生回数を検出し、各通信エラーの発生回数及び路車間通信プロトコルの各層での通信時間から車載器2aの通信故障率Pobeを算出して、車載器2aの通信故障率Pobeが所定のしきい値以上の場合に車載器2aの劣化を検出し、路車間通信によって路側機1に車載器2aの劣化を報知し、外部機器3が接続されているときは、車載器2の劣化を外部機器3に報知する。従って、路車間通信プロトコルの各層における通信エラーを網羅することができ、通信故障率を算出するときに、各通信エラーの発生回数に対して所定の重みを乗算した後加算し、その値を路車間通信プロトコルの各層の通信時間の総和で除算するので、通信故障率を正確に算出することができる。また、累積通信時間に対する通信故障率の変化率を算出して、算出した通信故障率の変化率に基づいて、通信故障率が所定のしきい値を超える時刻を推定するので、路側機1及び車載器2aの劣化を予め検出して報知することができる。さらに、路側機1のユーザに対して、路側機1及び車載器2aの劣化を報知し、路側機1及び車載器2aの更新を促すことができる。また、車載器2aのユーザに対しては、路側機1を介して車載器2aの劣化を報知し、車載器2aの更新を促すことができる。さらに、路側機1及び車載器2aの更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。また、車載器2aは表示部を備えないので、車載器2aを小型化することができる。
なお、実施の形態2では、車載器2aを表示部を備えずに構成したが、本発明はこれに限らず、路側機1を表示部111を備えずに、車載器2aと同様に構成してもよい。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る車載器2bの構成を示すブロック図である。実施の形態3では、車載器2bと通信する路側機1及び外部機器3は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。また、実施の形態3に係る車載器2bは、実施の形態1に係る車載器2と比較して、故障予測検知部209、及び表示部211を備えず、データベース208に代えてデータベース208bを備える点が異なり、その他の構成要素は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。
データベース208bは、メモリ及びプロセッサ208bpを備えて構成され、通信エラー検出部206からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに路側機1の位置情報、及び通信時間検出部207からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間を含む履歴データを記憶する。次いで、データベース208bは、プロトコル処理部205を介して履歴データを路側機1に送信する。また、車載器2bが外部機器3に接続されているときは、車載器2bは、履歴データを外部機器3に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器3は、履歴データを表示装置3aに表示する。
履歴データを受信した路側機1は、履歴データを表示部111に表示する。また、路側機1は、履歴データから車載器2bの劣化情報を算出して、表示部111に表示してもよく、車載器2bに送信してもよい。さらに、路側機1は、車載器2bの通信信頼度が所定のしきい値以下のときに、路側機1の通信パラメータを変更して、車載器2bとより確実に通信ができるようにしてもよい。さらに、路側機1が外部機器4に接続されているときは、路側機1は、受信した履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。
以上説明したように、実施の形態3によれば、路側機1は、実施の形態1と同様に動作し、さらに車載器2bの履歴データから車載器2bの劣化情報を算出する。車載器2bは、路車間通信プロトコルの各層から得られる通信状態を示すパラメータに基づいて、発生した通信エラー及び各通信エラーの発生回数を検出して、路車間通信によって路側機1に履歴データを報知し、外部機器3が接続されているときは、履歴データを外部機器3に報知する。従って、路車間通信プロトコルの各層における通信エラーを網羅することができ、通信故障率を算出するときに、各通信エラーの発生回数に対して所定の重みを乗算した後加算し、その値を路車間通信プロトコルの各層の通信時間の総和で除算するので、通信故障率を正確に算出することができる。また、累積通信時間に対する通信故障率の変化率を算出して、算出した通信故障率の変化率に基づいて、通信故障率が所定のしきい値を超える時刻を推定するので、路側機1及び車載器2bの劣化を予め検出して報知することができる。さらに、路側機1のユーザに対して、路側機1及び車載器2bの劣化を報知し、路側機1及び車載器2bの更新を促すことができる。また、車載器2bのユーザに対しては、路側機1を介して車載器2bの劣化を報知し、車載器2bの更新を促すことができる。さらに、路側機1及び車載器2bの更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。また、車載器2bは、故障予測検知部、及び表示部を備えないので、車載器2bを小型化することができる。
なお、実施の形態3では、車載器2bを故障予測検知部、及び表示部を備えずに構成したが、本発明はこれに限らず、路側機1を故障予測検知部109、表示部111を備えずに、車載器2bと同様に構成してもよい。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る路側機1aの構成を示すブロック図である。実施の形態4では、路側機1aと通信する車載器2及び外部機器4は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。また、図10において、路側機1aは、実施の形態1の路側機1と比較して、インピーダンス故障検出部130と、デジタルオシロスコープ133と、反射信号処理部134とをさらに備え、データベース108に代えてデータベース108aを備えて構成される。その他の構成要素は実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。
アンテナ100、無線受信回路101、無線送信回路102を有する路車間通信プロトコルのL1層では、アンテナ100のアンテナ素子、給電ケーブル、給電コネクタ、無線受信回路101、及び無線送信回路102の長期にわたる温度劣化、接触抵抗増大、部品劣化などにより、入出力のインピーダンス整合が劣化する。実施の形態4に係る路側機1aでは、これらの劣化を検出する。
インピーダンス故障検出部130は、反射波取得回路131と、スイッチSW1と、反射電力検出部132とを備えて構成される。反射波取得回路131は、アンテナ100と無線受信回路101との間、及びアンテナ100と無線送信回路102との間のインピーダンスの不整合による反射波を取得して、スイッチSW1を介して、反射電力検出部132、又はデジタルオシロスコープ133に出力する。スイッチSW1は、反射波取得回路131からの反射波を反射電力検出部132で解析する場合は接点a側に切り替えられ、反射波取得回路131からの反射波をデジタルオシロスコープ133及び反射信号処理部134で解析する場合は接点b側に切り替えられる。反射電力検出部132は、プロセッサ132pとメモリ132mとを備えて構成され、反射波取得回路131からの反射波の電圧値を測定して、所定のしきい値と比較し、電圧値が所定のしきい値以上の場合は路側機1aが劣化していると判定する。次いで、反射電力検出部132は、電圧値及び判定結果を含む検出情報をデータベース108aに記録する。
デジタルオシロスコープ133は、反射波取得回路131からの反射波を測定してデジタルデータに変換し、反射信号処理部134に出力する。反射信号処理部134は、プロセッサ134pとメモリ134mとを備えて構成され、デジタルオシロスコープ133からのデジタルデータを用いて反射波の波形を解析して、インピーダンスの不整合を検出し、解析結果及び検出結果を含む検出情報をデータベース108aに記録する。
データベース108aは、メモリ及びプロセッサ108apを備えて構成され、通信エラー検出部106からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに車載器2の位置情報、及び通信時間検出部107からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、及び故障予測検知部109からの劣化情報、及び反射電力検出部132からの電圧値並びに判定結果、及び反射信号処理部134からの解析結果並びに検出結果を含む履歴データを記憶する。なお、路側機1aが外部機器4に接続されているときは、路側機1aは、履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。
なお、データベース108aは、路側機1aの外部装置にあってもよく、上記電圧値が取得された時刻と、通信期間の開始時刻及び通信期間の終了時刻とに基づいて、発生した通信エラーと電圧値とを関連付けて記憶してもよい。また、データベース108aをコンピュータなどの外部機器(図示せず。)と接続して、外部機器に履歴データを送信して、外部機器が履歴データに基づいて、路側機1aの劣化を検出してもよい。
図11は、図10の反射波取得回路131の構成を示すブロック図である。図11は、路側機1aが半二重通信を行う場合の反射波取得回路131の構成を示している。反射波取得回路131は、高周波通過タイプの切換スイッチであるスイッチSW2,SW3と、サーキュレータSC1とを備えて構成される。サーキュレータSC1は、方向性結合器であってもよい。図11は、反射電力検出部132を用いて反射波Strを解析する場合を示しており、スイッチSW1は接点a側に切り替えられている。
路側機1aが無線信号を送信するときは、スイッチSW2及びSW3はともに、接点a側に切り替えられる。これにより、無線送信回路102は、スイッチSW2及びサーキュレータSC1を介してアンテナ100に送信波(進行波)Stを出力する。アンテナ100と無線送信回路102との間のインピーダンスの不整合が存在する場合、反射波Strが、サーキュレータSC1、スイッチSW3、及びスイッチSW1を介して反射電力検出部132に入力される。反射電力検出部132は、入力された反射波Strの電圧値が所定のしきい値以上であれば、路側機1aの無線送信回路102が劣化していると判定する。
一方、路側機1aが無線信号を受信するときは、スイッチSW2及びSW3はともに、接点b側に切り替えられる。これにより、無線受信回路101は、サーキュレータSC1及びスイッチSW3を介してアンテナ100から受信波(進行波)を受信する。アンテナ100と無線受信回路101との間のインピーダンスの不整合が存在する場合、反射波が、スイッチSW3、サーキュレータSC1、スイッチSW2、及びスイッチSW1を介して反射電力検出部132に入力される。反射電力検出部132は、入力された反射波の電圧値が所定のしきい値以上であれば、路側機1aの無線受信回路101が劣化していると判定する。
以上説明したように、実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の作用効果を有する。また、路側機1aが半二重通信を行う場合に、インピーダンス故障検出部130が無線信号を送信するとき及び受信するときの反射波の電圧値をそれぞれ測定して、所定のしきい値と比較して、路側機1aのインピーダンス不整合を判定するので、路側機1aの経年劣化によるアンテナ100、無線受信回路101、及び無線送信回路102のインピーダンス不整合を検出し、路側機1aの劣化を検出することができる。さらに、路側機1a及び車載器2のユーザに対して、路側機1aの劣化を報知し、路側機1aの更新を促すことができる。またさらに、路側機1aの更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
なお、実施の形態4では、反射電力検出部132は、反射波の電圧値及び判定結果をデータベース108aに記録するが、本発明はこれに限らず、反射電力検出部132は反射波の波形をADコンバータなどでサンプリングして、データベース108aに記録してもよい。
さらに、実施の形態4では、実施の形態1に係る路側機1にインピーダンス故障検出部130、デジタルオシロスコープ133,及び反射信号処理部134を追加して路側機1aを構成したが、本発明はこれに限らず、実施の形態2に係る車載器2aと同様に構成した路側機に、インピーダンス故障検出部130、デジタルオシロスコープ133,及び反射信号処理部134を追加して路側機を構成してもよい。この場合、故障予測検知部109は、データベース108からインピーダンスの不整合に関する検出情報を取得して、プロトコル処理部105を介して車載器2に送信する。また、当該路側機が外部機器4に接続されているときは、当該路側機は、上記検出情報を外部機器4に送信してもよい。さらに、実施の形態3に係る車載器2bと同様に構成した路側機に、インピーダンス故障検出部130、デジタルオシロスコープ133,及び反射信号処理部134を追加して路側機を構成してもよい。この場合、データベース108は、プロトコル処理部105を介してインピーダンスの不整合に関する検出情報を車載器2に送信する。また、当該路側機が外部機器4に接続されているときは、当該路側機は、上記検出情報を外部機器4に送信してもよい。
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3に係る車載器2,2a,2bにインピーダンス故障検出部130、デジタルオシロスコープ133、及び反射信号処理部134を追加して、路側機1aと同様に構成してもよい。
実施の形態4の変形例.
図12は、本発明の実施の形態4の変形例に係るインピーダンス故障検出部130aの構成を示すブロック図である。インピーダンス故障検出部130a以外の構成要素は、実施の形態4と同様であって、その説明を省略する。図12は、路側機1aが全二重通信を行う場合のインピーダンス故障検出部130aの構成を示している。
インピーダンス故障検出部130aは、反射波取得回路131aと反射電力検出部135,136とを備えて構成される。反射波取得回路131aは、サーキュレータSC2,SC3,SC4を備えて構成される。サーキュレータSC2,SC3,SC4は、方向性結合器であってもよい。無線送信回路102は、サーキュレータSC2及びサーキュレータSC3を介してアンテナ100に送信波(進行波)Stを出力する。一方、無線受信回路101は、サーキュレータSC3及びサーキュレータSC4を介してアンテナ100から受信波(進行波)Srを受信する。このとき、サーキュレータSC2とケーブルL3との間のインピーダンス不整合、ケーブルL3とサーキュレータSC3との間のインピーダンス不整合、サーキュレータSC3とケーブルL5との間のインピーダンス不整合、及びケーブルL5とサーキュレータSC4との間のインピーダンス不整合による送信波Stに対する反射波Strが反射電力検出部135に入力される。また、サーキュレータSC4とケーブルL7との間のインピーダンス不整合、及びケーブルL7と無線受信回路101との間のインピーダンス不整合による受信波Srに対する反射波Srrが反射電力検出部136に入力される。
反射電力検出部135及び反射電力検出部136は、実施の形態4の反射電力検出部132と同様の構成であり、反射波取得回路131aからの反射波の電圧値を測定して、所定のしきい値と比較し、電圧値が所定のしきい値以上の場合は路側機1aが劣化していると判定する。次いで、反射電力検出部135及び反射電力検出部136は、電圧値及び判定結果を含む検出情報をデータベース108aに記録する。
以上説明したように、実施の形態4の変形例によれば、実施の形態1と同様の作用効果を有する。また、路側機1aが全二重通信を行う場合に、インピーダンス故障検出部130aが無線信号を送受信するときの反射波の電圧値を測定して、所定のしきい値と比較して、路側機1aのインピーダンス不整合を判定するので、路側機1aの経年劣化によるアンテナ100、無線受信回路101、及び無線送信回路102のインピーダンス不整合を検出し、路側機1aの劣化を検出することができる。さらに、路側機1a及び車載器2のユーザに対して、路側機1aの劣化を報知し、路側機1aの更新を促すことができる。またさらに、路側機1aの更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係る路側機1bの構成を示すブロック図である。実施の形態5では、路側機1bと通信する車載器2及び外部機器4は、実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。また、図13において、路側機1bは、実施の形態1の路側機1と比較して、故障検出部141をさらに備え、無線受信回路101に代えて無線受信回路101bを備え、無線送信回路102に代えて無線送信回路102bを備え、インターフェース104に代えてインターフェース104bを備え、データベース108に代えてデータベース108bを備えて構成される。また、図13では、路側機1bの各回路に直流電圧を供給するAC/DCコンバータ142を図示している。その他の構成要素は実施の形態1と同様であって、その説明を省略する。
無線受信回路101bは、低雑音増幅器113と、PLLシンセサイザ(局部発振器)114,118と、ミキサ115,119と、バンドパスフィルタ116と、中間周波増幅器117と、ローパスフィルタ120とを備えて構成される。低雑音増幅器113は、アンテナ100からダイプレクサDP100を介して入力される無線信号を低雑音増幅して、ミキサ115に出力する。ミキサ115は、PLLシンセサイザ114が発生する所定の第1局部発振周波数を有する第1局部発振信号を用いて低雑音増幅器113からの無線信号をIF信号に変換し、バンドパスフィルタを介して中間周波増幅器117に出力する。中間周波増幅器117は、入力されるIF信号を増幅して、ミキサ119に出力する。ミキサ119は、PLLシンセサイザ118が発生する所定の第2局部発振周波数を有する第2局部発振信号を用いて中間周波増幅器117からのIF信号をベースバンド信号に変換し、ローパスフィルタを介してモデム103に出力する。
無線送信回路102bは、PLLシンセサイザ122と、ミキサ123と、電力増幅器124と、方向性結合器125とを備えて構成される。ミキサ123は、PLLシンセサイザ122が発生する所定の局部発振周波数を有する局部発振信号を用いてモデム103からのベースバンド信号を無線信号に変換し、電力増幅器124に出力する。電力増幅器124は、入力される無線信号を増幅して、方向性結合器125及びダイプレクサDP100を介してアンテナ100に出力する。方向性結合器125は、電力増幅器124から入力される無線信号の一部を故障検出部141に出力する。
インターフェース104bは、データバス、RS422、光ファイバなどを用いて、モデム103とプロトコル処理部105との間の信号変換を行うことによりインターフェース処理を行うインターフェース回路であり、インターフェース104bを流れるデータ信号の信号強度を故障検出部141に出力する。例えば、インターフェース104bが光ファイバであるとき、光ファイバ中の光の強度をモニタして、故障検出部141に出力する。
故障検出部141は、プロセッサ141pとメモリ141mを備えて構成され、詳細後述するように、送信電力異常状態、受信IC内部電圧異常状態、受信LNA動作異常状態、送受信PLLシンセサイザ異常状態、入力電源電圧異常状態、インターフェース異常状態、及び受信異常状態を検出して、異常状態の発生の有無を示すフラグを含む検出情報をデータベース108bに記録する。
データベース108bは、メモリ及びプロセッサ108bpを備えて構成され、通信エラー検出部106からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに車載器2の位置情報、及び通信時間検出部107からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、及び故障予測検知部109からの劣化情報、及び故障検出部141からの異常状態の有無を示すフラグを含む履歴データを記憶する。なお、路側機1bが外部機器4に接続されているときは、路側機1bは、履歴データを外部機器4に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器4は、履歴データを表示装置4aに表示する。
AC/DCコンバータ142は、路側機1bの各回路へ電圧を供給するが、無線受信回路101b及び無線送信回路102bに供給される電圧V1と、故障検出部141に供給される電圧V2とは値が異なり、V1>V2である。
次に、故障検出部141において検出する異常状態、及び各異常状態の検出方法について説明する。
(1)送信電力異常状態:故障検出部141は、方向性結合器125からの無線信号の電圧を測定し、測定した電圧値が所定のしきい値未満であるときに、送信電力異常状態が発生したと判定し、測定した電圧値が所定のしきい値以上であるときに、送信電力異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE1をデータベース108bに記録する。ここで、送信電力異常状態が発生したときは、フラグE1=0であり、送信電力異常状態が発生しなかったときは、フラグE1=1である。
(2)受信IC内部電圧異常状態:故障検出部141は、ミキサ119によってローパスフィルタを介して出力されるベースバンド信号の直流電圧を測定し、測定した直流電圧値が所定のしきい値未満であるときに、受信IC内部電圧異常状態が発生したと判定し、測定した直流電圧値が所定のしきい値以上であるときに、受信IC内部電圧異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE2をデータベース108bに記録する。ここで、受信IC内部電圧異常状態が発生したときは、フラグE2=0であり、受信IC内部電圧異常状態が発生しなかったときは、フラグE2=1である。
(3)受信LNA動作異常状態:故障検出部141は、低雑音増幅器113の動作電流を測定し、測定した電流値が所定のしきい値未満であるときに、受信LNA動作異常状態が発生したと判定し、測定した電流値が所定のしきい値以上であるときに、受信LNA動作異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE3をデータベース108bに記録する。ここで、受信LNA動作異常状態が発生したときは、フラグE3=0であり、受信LNA動作異常状態が発生しなかったときは、フラグE3=1である。
(4)送信PLLシンセサイザ異常状態:故障検出部141は、PLLシンセサイザ122が発生する信号の周波数を測定し、測定した周波数が所定の範囲外であるときに、送信PLLシンセサイザ異常状態が発生したと判定し、測定した周波数が所定の範囲内であるときに、送信PLLシンセサイザ異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE4をデータベース108bに記録する。ここで、送信PLLシンセサイザ異常状態が発生したときは、フラグE4=0であり、送信PLLシンセサイザ異常状態が発生しなかったときは、フラグE4=1である。
(5)受信PLLシンセサイザ異常状態:故障検出部141は、PLLシンセサイザ114,118が発生する信号の周波数を測定し、測定した周波数のいずれか一方が所定の範囲外であるときに、受信PLLシンセサイザ異常状態が発生したと判定し、測定した周波数の両方が所定の範囲内であるときに、受信PLLシンセサイザ異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE5をデータベース108bに記録する。ここで、受信PLLシンセサイザ異常状態が発生したときは、フラグE5=0であり、受信PLLシンセサイザ異常状態が発生しなかったときは、フラグE5=1である。
(6)入力電源電圧異常状態:故障検出部141は、AC/DCコンバータ142が出力する電圧を測定し、測定した電圧値が所定のしきい値未満であるときに、入力電源電圧異常状態が発生したと判定し、測定した電圧値が所定のしきい値以上であるときに、入力電源電圧異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE6をデータベース108bに記録する。ここで、入力電源電圧異常状態が発生したときは、フラグE6=0であり、入力電源電圧異常状態が発生しなかったときは、フラグE6=1である。
(7)インターフェース異常状態:故障検出部141は、インターフェース104bが出力する信号強度を測定し、測定した信号強度が所定のしきい値未満であるときに、インターフェース異常状態が発生したと判定し、測定した信号強度が所定のしきい値以上であるときに、インターフェース異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE7をデータベース108bに記録する。ここで、インターフェース異常状態が発生したときは、フラグE7=0であり、インターフェース異常状態が発生しなかったときは、フラグE7=1である。
(8)受信異常状態:故障検出部141は、中間周波増幅器117からRSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定し、測定したRSSIが所定のしきい値未満であるときに、受信異常状態が発生したと判定し、測定したRSSIが所定のしきい値以上であるときに、受信異常状態が発生しなかったと判定する。次いで、故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE8をデータベース108bに記録する。ここで、受信異常状態が発生したときは、フラグE8=0であり、受信異常状態が発生しなかったときは、フラグE8=1である。
故障検出部141は、異常状態の有無を示すフラグE1〜E8の論理積を算出して、その結果を検出情報に含めてデータベース108bに記録してもよい。論理積の結果は、上述した異常状態のうちの少なくとも1つが発生した場合に0となり、すべての異常状態が発生しなかった場合に1となる。なお、故障検出部141は、1つの異常状態のみを検出してもよく、その場合は、フラグの論理積を算出しない。
以上説明したように、実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の作用効果を有する。また、実施の形態5によれば、無線受信回路101b及び無線送信回路102bにおける異常状態の判定に基づいて、路側機1bの劣化を検出することができる。さらに、路側機1b及び車載器2のユーザに対して、路側機1bの劣化を報知し、路側機1bの更新を促すことができる。またさらに、路側機1bの更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
なお、実施の形態5では、実施の形態1に係る路側機1に故障検出部141を追加して路側機1bを構成したが、本発明はこれに限らず、実施の形態2に係る車載器2aと同様に構成した路側機に故障検出部141を追加して路側機を構成してもよい。この場合、故障予測検知部109は、データベース108から無線受信回路及び無線送信回路における異常状態の判定に関する検出情報を取得して、プロトコル処理部105を介して車載器2に送信する。また、当該路側機が外部機器4に接続されているときは、当該路側機は、上記検出情報を外部機器4に送信してもよい。さらに、実施の形態3に係る車載器2bと同様に構成した路側機に故障検出部141を追加して路側機を構成してもよい。この場合、データベース108は、プロトコル処理部105を介して無線受信回路及び無線送信回路における異常状態の判定に関する検出情報を車載器2に送信する。また、当該路側機が外部機器4に接続されているときは、当該路側機は、上記検出情報を外部機器4に送信してもよい。
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3に係る車載器2,2a,2bに故障検出部141を追加して、路側機1bと同様に構成してもよい。
実施の形態6.
図14は、本発明の実施の形態6に係る車載器2のプロトコルの階層構造、及びプロトコルの各層で定義されたパラメータを示すブロック図である。車車間通信プロトコルは、車載器2と他の車載器との間の通信のためのプロトコルである。車車間通信プロトコルの最下位層は、無線LAN等で用いられているIEEE802.11a、又はIEEE802.11aをベースに車車間通信に適合化して規格されているIEEE802.11pである。また、車車間通信プロトコルの中間層はIEEE1609であり、リソースマネージャ、セキュリティ、IPネットワーク及び非IPネットワークなどのネットワークサービス、及びマルチチャネルアクセスを提供し、上位層との拡張インターフェースを提供している。さらに、車車間通信プロトコルの最上位層は、AP層であり、カーナビゲーションなどとの接続機能を提供し、安全情報提供などの情報サービスを提供する。次に、車車間通信プロトコルの各層において、エラー検出のために使用するパラメータについて説明する。
車車間通信プロトコルの最下位層では、送信信号の信号レベルを示す送信レベルSIG_LEVEL1、受信信号の信号レベルを示す受信レベルSIG_LEVEL2が定義されている。送信レベルSIG_LEVEL1は、無線信号を送信する毎に送信した信号の信号レベルを示す値に更新され、受信レベルSIG_LEVEL2は、無線信号を受信する毎に受信した信号の信号レベルを示す値に更新される。
車車間通信プロトコルの中間層では、パケットに対するCRCを用いた検査結果が誤りとなった回数を示すCRC検査誤り回数CRC_ERRが定義されている。CRC検査誤り回数CRC_ERRは、車車間通信開始時に0にリセットされ、車載器2が他の車載器からデータを受信し、CRC検査の結果が誤りとなる毎にインクリメントされる。
実施の形態1、実施の形態2、並びに実施の形態3に係る車載器2,2a,2b、実施の形態4に係る路側機1aと同様に構成した車載器、及び実施の形態5に係る路側機1bと同様に構成した車載器のプロトコル処理部205に、上述した車車間通信プロトコルを実装することによって、上記車載器が車車間通信プロトコルに従って動作し、上述した路車間通信プロトコルに従って動作する場合と同様に、車車間通信プロトコルの各層における通信エラーに基づいて上記車載器の劣化を検出する。
以上説明したように、実施の形態6によれば、車車間通信プロトコルに従って動作する車載器2,2a,2b、路側機1aと同様に構成した車載器、及び路側機1bと同様に構成した車載器について、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、及び実施の形態5と同様の作用効果を有し、上記車載器のユーザに対して、上記車載器の劣化を報知し、上記車載器の更新を促すことができる。さらに、上記車載器の更新を促すことにより、車車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、車車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
実施の形態7.
路車間通信プロトコルであるDSRCにおいて、変調方式としてASK変調方式を使用する場合、非特許文献1では、送信信号についてアイ開口率(振幅)≧80%、アイ開口率(時間)≧80%、及び変調指数≧0.75と規定している。しかし、無線通信装置の経年劣化などによってアイ開口率(振幅)、アイ開口率(時間)、又は変調指数が低下し、規格違反となる可能性がある。実施の形態7に係る車載器2eは、これらの規格違反を検出する。
図15は、本発明の実施の形態7に係る車載器2eの構成を示すブロック図である。実施の形態7では、車載器2eと通信する路側機1及び外部機器3は、実施の形態3と同様であって、その説明を省略する。また、図15において、車載器2eは、実施の形態3の車載器2bと比較して、A/Dコンバータ251と、信号規格検出部252とをさらに備え、モデム203に代えてモデム203eを備え、データベース208bに代えてデータベース208eを備えて構成される。その他の構成要素は実施の形態3と同様であって、その説明を省略する。
モデム203eは、上述したモデム203の動作に加えて、無線受信回路201からの受信信号をASK再生信号に復調して、A/Dコンバータ251に出力する。A/Dコンバータ251は、ASK再生信号をデジタル化して信号規格検出部252に出力する。
信号規格検出部252は、プロセッサ252pとメモリ252mとを備えて構成され、詳細後述するように、ASK再生信号のアイ開口率(振幅)、アイ開口率(時間)、及び変調指数を算出して所定のしきい値と比較し、路側機1の規格違反を判定して、算出したアイ開口率(振幅)、アイ開口率(時間)、変調指数、及び判定結果を含む検出情報をデータベース208eに記録する。
データベース208eは、プロセッサ208epを備えて構成され、通信エラー検出部206からの発生した通信エラーの種類、各通信エラーの発生回数、各通信エラーの発生の有無を示すフラグ、製造者番号、並びに路側機1の位置情報、及び通信時間検出部207からの通信期間の開始時刻、通信期間の終了時刻、路車間通信プロトコルの各層での通信処理開始時刻、通信処理終了時刻、並びに通信時間、及び信号規格検出部252からのアイ開口率(振幅)、アイ開口率(時間)、変調指数、並びに判定結果を含む履歴データを記憶する。次いで、データベース208eは、プロトコル処理部205を介して履歴データを路側機1に送信する。また、車載器2eが外部機器3に接続されているときは、車載器2eは、履歴データを外部機器3に送信してもよく、履歴データを受信した外部機器3は、履歴データを表示装置3aに表示する。
図16は、図15のモデム203eに入力されるASK受信信号の電圧、及び図15のA/Dコンバータ251に入力されるASK再生信号の電圧を示すグラフである。図16(a)は、モデム203eに入力されるASK受信信号の電圧を示すグラフであり、図16(b)及び図16(c)は、A/Dコンバータ251に入力されるASK再生信号の電圧を示すグラフである。期間t1及びt3において、ASK受信信号はオンであり、期間t2及びt4において、ASK受信信号はオフである。A/Dコンバータ251は、ASK再生信号の電圧値とA/Dコンバータ基準電圧Vrとの差をデジタル化して信号規格検出部252に出力する。
まず、アイ開口率(振幅)の算出方法について説明する。信号規格検出部252は、所定の時間の間、ASK受信信号がオンである期間におけるASK再生信号の電圧を測定し、電圧の最大値Vamax、及び電圧の最小値Vbmaxを求める(図16(b))。次いで、信号規格検出部252は、式(3)に基づいてアイ開口率(振幅)Eye(V)を算出する。
Figure 2012004759
信号規格検出部252は、アイ開口率(振幅)Eye(V)が80%未満である場合、路側機1のアイ開口率(振幅)の規格違反が発生したと判定し、アイ開口率(振幅)Eye(V)が80%以上である場合、路側機1のアイ開口率(振幅)の規格違反が発生しなかったと判定する。次いで、信号規格検出部252は、アイ開口率(振幅)Eye(V)の値及び判定結果を含む検出情報をデータベース208eに記録する。
次に、アイ開口率(時間)の算出方法について説明する。信号規格検出部252は、所定の時間の間、ASK再生信号の電圧が所定のしきい値基準電圧Vthを超える期間の長さを測定し、期間の長さの最大値Tamax、及び期間の長さの最小値Taminを求める(図16(b))。次いで、信号規格検出部252は、式(4)に基づいてアイ開口率(時間)Eye(T)を算出する。
Figure 2012004759
信号規格検出部252は、アイ開口率(時間)Eye(T)が80%未満である場合、路側機1のアイ開口率(時間)の規格違反が発生したと判定し、アイ開口率(時間)Eye(T)が80%以上である場合、路側機1のアイ開口率(時間)の規格違反が発生しなかったと判定する。次いで、信号規格検出部252は、アイ開口率(時間)Eye(T)の値及び判定結果を含む検出情報をデータベース208eに記録する。
なお、アイ開口率(時間)は、ASK再生信号の電圧が所定のしきい値基準電圧Vthを下回る期間に基づいて算出してもよい。
次に、変調指数の算出方法について説明する。信号規格検出部252は、ASK再生信号の電圧の最大値Vmax、及び最小値Vmin求める(図16(c))。次いで、信号規格検出部252は、式(5)に基づいて変調指数ASK(F)を算出する。
Figure 2012004759
信号規格検出部252は、変調指数ASK(F)が0.75未満である場合、路側機1の変調指数の規格違反が発生したと判定し、変調指数ASK(F)が0.75以上である場合、路側機1の変調指数の規格違反が発生しなかったと判定する。次いで、信号規格検出部252は、変調指数ASK(F)の値及び判定結果を含む検出情報をデータベース208eに記録する。
以上説明したように、実施の形態7によれば、実施の形態3と同様の作用効果を有する。また、実施の形態7によれば、信号規格検出部252が受信信号のアイ開口率(振幅)の値、アイ開口率(時間)の値、及び変調指数の値を非特許文献1で定義されたしきい値と比較することによって、路側機1の規格違反を判定して、路側機1の規格違反又は経年劣化を検出することができる。さらに、路側機1のユーザに対して、路側機1の劣化を報知し、路側機1の更新を促すことができる。さらに、路側機1の更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
なお、実施の形態7では、実施の形態3に係る車載器2bにA/Dコンバータ251、及び信号規格検出部252を追加して車載器2eを構成したが、本発明はこれに限らず、
実施の形態1に係る車載器2にA/Dコンバータ251、及び信号規格検出部252を追加して車載器を構成してもよい。この場合、故障予測検知部209は、データベース208から路側機1の規格違反に関する検出情報を表示部211に表示するとともに、プロトコル処理部205を介して路側機1に送信する。また、当該車載器が外部機器3に接続されているときは、当該車載器は、上記検出情報を外部機器3に送信してもよい。さらに、実施の形態2に係る車載器2aにA/Dコンバータ251、及び信号規格検出部252を追加して車載器を構成してもよい。この場合、故障予測検知部209は、データベース208から路側機1の規格違反に関する検出情報を取得して、プロトコル処理部205を介して路側機1に送信する。また、当該車載器が外部機器3に接続されているときは、当該車載器は、上記検出情報を外部機器3に送信してもよい。
また、路側機1にA/Dコンバータ251、及び信号規格検出部252を追加して、車載器2eと同様に構成してもよく、実施の形態2に係る車載器2aと同様に構成した路側機、及び実施の形態3に係る車載器2bと同様に構成した路側機にA/Dコンバータ251、及び信号規格検出部252を追加して路側機を構成してもよく、このとき路側機は、車載器の規格違反を判定する。
実施の形態8.
実施の形態8に係る車載器は、実施の形態7に係る車載器2eと同様の構成であり、変調方式としてQPSK変調方式を使用する点が異なる。路車間通信プロトコルであるDSRCにおいて、変調方式としてQPSK変調方式を使用する場合、非特許文献1では、車載器については変調精度≦12.5%、路側機については変調精度≦10.0%と規定されている。しかし、無線通信装置の経年劣化などによって変調精度が低下し、規格違反となる可能性がある。実施の形態8に係る車載器は、この規格違反を検出する。
図17は、本発明の実施の形態8に係る車載器で受信されるQPSK再生信号の信号点を示すグラフである。ここでは、第1象限について説明するが、他の象限に関しても同様に説明することができる。図17において、変調精度は、理想の信号に対する信号点を表す理想信号点ベクトルVsiと、実際に受信した信号に対する信号点を表す受信信号点ベクトルVsrとの間の誤差を表す誤差ベクトルVdを受信した信号のそれぞれに対して算出し、誤差ベクトルVdの2乗和を受信した信号の数で除算したものの平方根である。路側機の変調精度によって、受信信号の位相及び振幅が変動し、車載器のQPSK受信再生変動範囲を超える場合がある。この位相及び振幅の変動によって、変調精度が10.0%を超えると路側機1の変調精度の規格違反となる。
そこで、受信信号の位相をPh0、振幅をA0としたときに、変調精度が10.0%以下となるように、位相最大値Phmax、位相最小値Phmin、振幅最大値Amax、及び振幅最小値Aminを決定する。すなわち、Phmin≦Ph0≦PhmaxかつAmin≦A0≦Amaxであれば、変調精度が10.0%以下となる。実施の形態8に係る車載器の信号規格検出部は、受信信号をn回サンプリングし、判定式(6)及び判定式(7)の両方が満たされるか否かを判定することによって、路側機1の変調精度の規格違反を判定する。
Figure 2012004759
Figure 2012004759
ここで、Phiは、i番目にサンプリングされた受信信号の位相を表し、Aiは、i番目にサンプリングされた受信信号の振幅を表す。なお、判定式(6)及び判定式(7)は、以下の判定式(8)及び判定式(9)のようにしてもよい。
Figure 2012004759
Figure 2012004759
すなわち、受信信号の位相の平均値が位相最大値Phmax又は位相最小値Phminと等しいときには、判定式(8)は満たされず、受信信号の振幅の平均値が振幅最大値Amax又は振幅最小値Aminと等しいときには、判定式(9)は満たされない。
第2象限、第3象限、及び第4象限においても、上述した判定式(6)及び判定式(7)と同様に判定式を決定する。実施の形態8に係る車載器の信号規格検出部は、各象限に対する判定式のうちの少なくとも1つが満たされない場合、路側機1の変調精度の規格違反が発生したと判定し、各象限に対する判定のための式のすべてが満たされた場合、路側機1の変調精度の規格違反が発生しなかったと判定する。その後、実施の形態8に係る車載器の信号規格検出部は、受信信号の位相の平均値、受信信号の振幅の平均値、及び判定結果を含む検出結果をデータベースに記録する。
以上説明したように、実施の形態8によれば、実施の形態3と同様の作用効果を有する。また、実施の形態8によれば、信号規格検出部が受信信号の位相及び振幅をそれぞれ、非特許文献1で定義されたしきい値に基づいて定義した位相最大値Phmax、位相最小値Phmin、振幅最大値Amax、及び振幅最小値Aminと比較することによって、路側機1の規格違反を判定して、路側機1の規格違反又は経年劣化を検出することができる。さらに、路側機1のユーザに対して、路側機1の劣化を報知し、路側機1の更新を促すことができる。さらに、路側機1の更新を促すことにより、路車間通信システムにおける通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
なお、実施の形態8では、路車間通信プロトコルの変調方式としてQPSKを使用しているが、本発明はこれに限らず、路車間通信プロトコルの2次変調方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)であっても、路車間通信プロトコルの1次変調方式がQPSKであれば同様の判定式を用いて路側機1の規格違反を判定することができる。
また、路車間通信プロトコルの1次変調方式がBPSK(Binary Phase Shift Keying)又はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)であっても、受信信号の信号点が現れる象限が変化するのみであるので、前述の判定式をそれぞれの象限に適用すれば、同様に路側機1の規格違反を判定することができる。
また、実施の形態7と同様に、実施の形態1に係る車載器2、又は実施の形態2に係る車載器2aにA/Dコンバータ、及び信号規格検出部を追加して車載器を構成してもよい。また、路側機1にA/Dコンバータ、及び信号規格検出部を追加して、実施の形態8に係る車載器と同様に構成してもよく、実施の形態2に係る車載器2aと同様に構成した路側機、及び実施の形態3に係る車載器2bと同様に構成した路側機にA/Dコンバータ、及び信号規格検出部を追加して路側機を構成してもよく、このとき路側機は、車載器の規格違反を判定する。路側機が変調精度に基づいて車載器の規格違反を判定するときは、変調精度のしきい値として、12.5%を使用する。
以上詳述したように、本発明に係る無線通信装置によれば、路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出し、かつ上記プロトコルの当該層での通信時間を検出して、無線通信装置の通信故障率を算出し、上記通信故障率を所定のしきい値と比較することにより上記無線通信装置の劣化を検出して報知するので、上記無線通信装置のユーザに上記無線通信装置の劣化を報知して、無線通信装置の更新を促進し、路車間通信システム又は車車間通信システムの通信エラーの増加を抑制することができ、路車間通信システム又は車車間通信システム全体の健全性を維持することができる。
1,1a,1b 路側機、2,2a,2b,2e 車載器、3,4 外部機器、3a,4a 表示装置、100,200 アンテナ、101,101b,201 無線受信回路、102,102b,202 無線送信回路、103,203,203e モデム、104,104b,204 インターフェース、105,205 プロトコル処理部、106,206 通信エラー検出部、107,207 通信時間検出部、108,108a,108b,208,208b,208e データベース、109,209,209a 故障予測検知部、111,211 表示部、113 低雑音増幅器、114,118,122 PLLシンセサイザ(局部発振器)、115,119,123 ミキサ、116 バンドパスフィルタ、117 中間周波増幅器、120 ローパスフィルタ、124 電力増幅器、125 方向性結合器、130,130a インピーダンス故障検出部、131 反射波取得回路、132,135,136 反射電力検出部、133 デジタルオシロスコープ、134 反射信号処理部、141 故障検出部、142 AC/DCコンバータ、212 無線送受信コントローラ、251 A/Dコンバータ、252 信号規格検出部、DP100 ダイプレクサ、L1〜L7 ケーブル、SC1〜4 サーキュレータ、SW1〜3 スイッチ、SW200 アンテナ切り替えスイッチ。

Claims (15)

  1. 路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルに従って複数の無線通信装置が互いに無線通信を行う無線通信システムのための無線通信装置において、
    上記プロトコルに従って他の無線通信装置と無線通信を行うときに、当該無線通信時の送受信されるデータに基づいて、上記プロトコルの所定層において定義された通信状態を示すパラメータを検出し、上記検出したパラメータを所定のしきい値と比較することによって、所定の通信エラーの種類、並びに、発生と発生回数との少なくとも1つを含む通信エラー情報を検出する通信エラー検出手段と、
    上記プロトコルの当該層での通信時間を検出する通信時間検出手段と、
    上記検出した通信エラー情報と、上記検出した通信時間とを含む履歴情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 上記記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて、上記無線通信装置の劣化を検出し、上記検出した劣化情報を上記記憶手段に記憶する故障予測検知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 上記故障予測検知手段はさらに、上記履歴情報及び上記劣化情報を報知することを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
  4. 上記故障予測検知手段は、上記通信エラーの発生回数を上記通信時間で除算して通信故障率を算出し、上記算出した通信故障率を所定のしきい値と比較することにより上記無線通信装置の劣化を検出することを特徴とする請求項2又は3記載の無線通信装置。
  5. 上記通信エラー検出手段は、所定の複数種類の通信エラーと発生回数とを含む通信エラー情報を検出し、
    上記故障予測検知手段は、上記通信エラーの種類毎に、上記検出した各通信エラーの発生回数に当該通信エラーの種類に対応する重みを乗算した後、上記各通信エラーの種類毎の乗算値を加算し、当該加算値を上記通信時間で除算して通信故障率を算出し、上記算出した通信故障率を所定のしきい値と比較することにより上記無線通信装置の劣化を検出することを特徴とする請求項2又は3記載の無線通信装置。
  6. 上記故障予測検知手段はさらに、上記無線通信装置の累積通信時間に対する上記算出した通信故障率の変化率を算出して、上記算出した通信故障率の変化率に基づいて、上記通信故障率が所定のしきい値を超える時刻を推定することを特徴とする請求項4又は5記載の無線通信装置。
  7. 上記故障予測検知手段は、上記検出した劣化情報と、上記記憶手段に記憶された履歴情報との少なくとも1つを、上記プロトコルに従って上記他の無線通信装置に送信することを特徴とする請求項2から6のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  8. 上記記憶手段は、上記記憶した履歴情報と、上記記憶した劣化情報との少なくとも1つを、上記プロトコルに従って上記他の無線通信装置に送信することを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  9. 上記無線通信装置は、
    上記他の無線通信装置と無線通信を行うためのアンテナと、
    上記他の無線通信装置に無線信号を送信する無線送信回路と、
    上記他の無線通信装置から無線信号を受信する無線受信回路と、
    上記無線送信回路の送信時における上記アンテナからの反射波のレベルと、上記無線受信回路の受信時における上記無線受信回路からの反射波のレベルとの少なくとも1つを測定し、上記測定した反射波のレベルを所定のしきい値と比較することにより、上記無線通信装置におけるインピーダンスの不整合を検出し、当該検出結果を含む検出情報を上記記憶手段に記憶するインピーダンス故障検出手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  10. 上記無線受信回路又は上記無線送信回路における所定の異常状態を検出し、当該異常状態の発生の有無を示すフラグを含む検出情報を上記記憶手段に記憶する故障検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  11. 上記無線受信回路と上記無線送信回路との少なくとも一方における所定の複数の異常状態を検出し、当該各異常状態の発生の有無を示す複数のフラグの論理積を算出し、上記複数のフラグ及び上記算出した論理積を含む検出情報を上記記憶手段に記憶する故障検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  12. 上記無線受信回路から出力される受信信号の振幅及び位相を検出し、上記検出した受信信号の振幅及び位相をそれぞれ、所定の規格で定義されたしきい値と比較することによって、上記受信信号を送信した他の無線通信装置の規格違反を検出し、当該規格違反の検出結果を含む検出情報を上記記憶手段に記憶する信号規格検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から11のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
  13. 路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルに従って複数の無線通信装置が互いに無線通信を行う無線通信システムのための無線通信装置において、
    他の無線通信装置と無線通信を行うためのアンテナと、
    上記他の無線通信装置に無線信号を送信する無線送信回路と、
    上記他の無線通信装置から無線信号を受信する無線受信回路と、
    上記無線送信回路の送信時における上記アンテナからの反射波のレベルと、上記無線受信回路の受信時における上記無線受信回路からの反射波のレベルとの少なくとも1つを測定し、上記測定した反射波のレベルを所定のしきい値と比較することにより、上記無線通信装置におけるインピーダンスの不整合を検出し、当該検出結果を含む検出情報を記憶手段に記憶するインピーダンス故障検出手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
  14. 路車間通信プロトコル又は車車間通信プロトコルに従って複数の無線通信装置が互いに無線通信を行う無線通信システムのための無線通信装置において、
    他の無線通信装置と無線通信を行うためのアンテナと、
    上記他の無線通信装置から無線信号を受信する無線受信回路と、
    上記無線受信回路から出力される受信信号の振幅及び位相を検出し、上記検出した受信信号の振幅及び位相をそれぞれ、所定の規格で定義されたしきい値と比較することによって、上記受信信号を送信した他の無線通信装置の規格違反を検出し、当該規格違反の検出結果を含む検出情報を記憶手段に記憶する信号規格検出手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
  15. 上記記憶手段は、上記記憶した検出情報を、上記プロトコルに従って上記他の無線通信装置に送信することを特徴とする請求項9から14のうちのいずれか1つの請求項記載の無線通信装置。
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