JP2012004299A - 有機光電変換デバイス及び有機薄膜太陽電池並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光電変換特性の改善及び安定化を図り、光電変換効率を向上することができる有機光電変換デバイス及び有機薄膜太陽電池並びにこれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】 p型有機半導体及びn型有機半導体を含む有機光電変換層を備え、有機光電変換層は、p型有機半導体とn型有機半導体とが結合する領域を含み且つp型有機半導体とn型有機半導体とのドメインサイズ勾配が形成された電荷分離促進領域を有する有機光電変換デバイス又はこれを備えた有機薄膜太陽電池とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機光電変換デバイス及びこれを用いた有機薄膜太陽電池並びにこれらの製造方法に関する。
光電変換デバイスは、例えば、太陽電池に用いられている。近年、石油エネルギー等の代替エネルギーとして太陽光エネルギーの有効利用を促進するため、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池の開発が広く行われている。
その中でも有機太陽電池は、シリコン系などの無機太陽電池と比較して、製造コストが安価、フレキシブル化・軽量化が可能、材料選択の幅が広いなどの利点を持つ事から注目を浴びている。その一方で、有機太陽電池は光電変換効率が低いという課題があり、その課題を解決するため、様々な検討が行われている。
このような有機太陽電池に用いられる光電変換デバイスとしては、光電変換領域に含まれる電子受容性材料の含有量が、電極の陰極側で高く、陽極側で低くなるような勾配を有する素子構造が知られている(特許文献1参照)。
特開2004―165474号公報
上記特許文献1に開示された光電変換デバイスの素子構造においては、電子供与性材料の含有量に勾配を持たせて電極間のキャリア輸送を相互に効率良く行えるようにしたものである。ここでは、光電変換効率を高めるために電荷分離と電極間のキャリア輸送との関係を考慮した検討がなされていない。
本発明は、このような事情に鑑み、光電変換特性の改善及び安定化を図って光電変換効率を向上することができる有機光電変換デバイス及び有機薄膜太陽電池並びにこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の有機光電変換デバイスは、p型有機半導体及びn型有機半導体を含む有機光電変換層を備え、前記有機光電変換層は、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とが結合する領域を含み且つ前記p型有機半導体のドメインと前記n型有機半導体のドメインとのドメインサイズ勾配が形成された電荷分離促進領域を有することを特徴とする。また、本発明は、このような有機光電変換デバイスを備えた有機薄膜太陽電池にも適用可能である。
また、本発明の有機光電変換デバイスの製造方法は、p型有機半導体のドメインとn型有機半導体のドメインとの勾配を有する前駆体層を形成するステップと、前記前駆体層を加熱処理して前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とが結合する領域を含み且つ前記p型有機半導体のドメインと前記n型有機半導体のドメインとのドメインサイズ勾配を持つ電荷分離促進領域を形成して有機光電変換層とするステップとを有することを特徴とする。
本発明は、光電変換特性の改善及び安定化を図ることができ、光電変換効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る有機光電変換デバイスの概略断面図。 本発明の実施形態1に係る有機光電変換デバイスの概略断面図。 本発明の実施形態2に係る有機光電変換デバイスの概略断面図。 本発明の実施形態3に係る有機光電変換デバイスの概略断面図。 本発明の実施形態4に係る有機薄膜太陽電池の概略断面図。
以下に本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する本発明の実施の形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を説明するための一例である。したがって、本発明の技術的範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る有機光電変換デバイスの一例である光電変換素子を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の有機光電変換デバイス(有機光電変換素子)10は、有機薄膜太陽電池に展開でき、一対の電極1,2と、これら一対の電極1,2の間に設けられる有機光電変換層3とを有する。有機光電変換層3は、入射光で電荷を生成する層であり、単層構造でも多層構造でもよい。例えば、本実施形態の有機光電変換層3は、p型有機半導体とn型有機半導体とを含む単層構造からなる。この有機光電変換層3は、p型有機半導体とn型有機半導体とが結合する領域を含み且つp型有機半導体のドメインとn型有機半導体のドメインとのドメインサイズ勾配が形成された層であって、電荷分離領域とこの電荷分離領域から電荷輸送領域への電荷受け渡し領域とをドメインサイズ勾配によって連続的に形成した層からなる。本実施形態の有機光電変換層3は、例えば、粒子サイズ(粒子径サイズ)の大小によってドメインサイズ勾配が形成された層からなる。具体的には、本実施形態の有機光電変換デバイス10は、有機光電変換層3に対してpn粒子径の大小によってドメインサイズ勾配が形成された電荷分離促進領域を有している。ここで、電荷分離促進領域は、詳細は後述するが、p型有機半導体の平均粒子径及びn型有機半導体の平均粒子径の少なくともどちらか一方が位置と共に変化する領域であり、電荷分離及び電荷輸送が効率的に行われるよう作用する領域である。
また、本実施形態の有機光電変換デバイス10は、層状のバルクへテロ結合領域を含み隣接する各有機半導体が融合等した層によって有機光電変換層3を形成している。そして、実質的に有機光電変換層3の電極1側の領域はp型有機半導体領域Pが大きくなっていて有機光電変換層3の電極2側へ近づくにつれてp型有機半導体領域Pが小さくなっている(図1は模式的に示した図である)。実際には、有機光電変換層3は、所定のドメインサイズ勾配が形成されるように粒子径の大小によって前駆体層(図示しない)を形成し、その後の熱処理等によってドメインサイズ勾配を有する電荷分離促進領域が形成されたものとなる。一方で、n型有機半導体領域Nは、実質的に電極1側で小さく有機光電変換層3の電極2側へ近づくにつれて大きくなっている。
これにより、本実施形態では、製法的には有機光電変換層3となる層の中心付近では平均粒子径の比較的小さいpn粒子を多く存在させる。したがって、電荷分離機能を発現するpn接合面積が拡大することになり、結果的には電荷分離を促す作用をする電荷分離促進領域を形成することができる。一方、有機光電変換層3となる層と電極1,2との界面付近では一方の極性の有機半導体の平均粒子径を大きくして、電荷の輸送を妨げる粒界が少なく、抵抗の少ない良質な電荷輸送経路(電荷輸送領域)が連続的に形成される。これにより、電荷輸送及び電荷取出し効率を向上させる作用をする所望のハイブリット機能領域を形成することができる。これらの作用により、本実施形態の有機光電変換デバイス10では、光電変換効率の改善をより効率的に図ることができる。この場合は、例えばp型有機半導体とn型有機半導体との各ドメインサイズ比が、有機光電変換層3の層中心領域に向かって略均等となる比率に近づく方向に変化した層となる。また、有機光電変換層3の一方面側(図2の5p側)がp型有機半導体の層からなり、その他方面側(図2の5n側)がn型有機半導体の層からなっていてもよい。
なお、p型有機半導体粒子及びn型有機半導体粒子は、微結晶、凝集体など如何なる形態のものでも、何ら差し支えない。また、本実施形態では、光電変換層3を単層構造としているが、例えば、p型有機半導体層やn型有機半導体層、及びそれらの混合層などを積層した多層構造としても良い。さらに、粒子径の大小によって形成されたドメインサイズ勾配は、平均粒子径が連続的に変化することで形成されても、段階的に変化することで形成されても良い。すなわち、電荷分離促進領域は、各ドメインサイズが連続的に変化するグラデーション領域を含んでいてもよいし、段階的に変化するステップ領域を含んでいてもよい。ただし、本実施形態のような単層構造であれば、層内には明確な界面を持たず、多層構造に比べて電荷輸送の点で有利である。
ここで、図2を参照して、本実施形態の光電変換デバイス10の主要部を構成する有機光電変換層3について詳細に説明する。なお、図2は、本発明の実施形態1に係る有機光電変換デバイスの構成を示す概念図である。
図2に示すように、本実施形態の有機光電変換デバイス10は、上述した有機光電変換層3にドメインサイズ勾配Aが形成された電荷分離促進領域4を有する。例えば、所定のドメインサイズ勾配が形成されるようにp型有機半導体とn型有機半導体とで形成される前躯体層を熱処理等することによって、電荷分離促進領域4としてp型有機半導体とn型有機半導体とのドメインサイズ勾配Aが形成される。また、電荷分離促進領域4は、p型有機半導体とn型有機半導体とのpn接合界面(バルクへテロ結合界面)の面積を大きくして、それらpn接合界面によって電荷分離の作用を促進する領域となる。
詳細には、このようなバルクヘテロ接合領域は、p型有機半導体(アクセプター)とn型有機半導体(ドナー)とのpn接合面が混合層(バルクへテロ接合層)のバルク中において分散するように一様に存在している。このようなpn接合面積の増加によって、光誘起による電荷分離が効率的に起こる領域となる。
このような電荷分離促進領域4は、電荷分離や電荷輸送効率を高める点で、p型有機半導体とn型有機半導体とのpn接合割合を略均等な部分を多く含む領域とすることが好ましい。また、pn接合割合が略均等な部分からその近傍領域に亘ってドメインサイズ勾配を有する領域としてもよいし、pn接割合が略均等に近い割合で存在した領域としてもよい。特に、電荷分離促進領域4においてpn接合割合が略均等な部分から適度にドメインサイズ勾配を形成してp型又はn型の各有機半導体リッチ領域5p,5nへ連続的に移行するような層構成であることが好ましい。これにより、電荷分離作用を促進しながら、電荷輸送への移行効率を更に高めることができる。
なお、電荷分離促進領域4における最適なpn接合割合は、光電変換の効率を高めるために電荷分離と電荷輸送効率とのバランスを考慮して適宜調整することができる。
ここで、本実施形態の有機光電変換層3に係るドメインサイズ勾配Aは、少なくとも電荷分離促進領域4に相分離で形成されるものであって、隣接するp型有機半導体とn型有機半導体との各ドメインサイズの相対的な勾配のことである。また、かかるドメインサイズ勾配Aは、有機光電変換層3の厚さ方向において、p型有機半導体のpドメインとn型有機半導体のnドメインとが相互に体積的な大小関係(粒子等のサイズの大小関係)を持つ。そして、例えば、pnドメインサイズの大小関係によるpnドメイン存在比率の差に基づいて形成できる。このように、少なくとも電荷分離促進領域4にドメインサイズ勾配Aを形成することで、電荷分離促進領域4が、電荷分離及び電荷輸送が効率的に行われる領域となる。
なお本実施形態では、ドメインサイズ勾配Aを制御することにより、有機光電変換層3内全体のp型半導体領域とn型半導体領域との配置がランダム(不規則)に形成されることがなく、より不確定性の少ない安定した光電変換効率を示す点で非常に有利である。
さらに、本実施形態の有機光電変換デバイス10においては、有機光電変換層3の電極1側の領域はn型有機半導体の存在比が高くなっていて、有機光電変換層3の電極2側へ近づくにつれて連続的にn型有機半導体の存在比が低くなるように形成されている。その一方で、n型有機半導体の存在比は、電極1側で低く、有機光電変換層3の電極2側へ近づくにつれて連続的に高くなっている。即ち、本実施形態では、光電変換層3が単層でドメインサイズ勾配Aが連続的に変化する層構成のため、層内には明確な界面を持たず、電荷輸送の点で有利である。
さらに、有機光電変換層3と電極1,2との界面付近においては一方の極性の有機半導体リッチ領域5p,5nとなり、電荷の輸送を妨げる粒界及び移動電荷と逆極性の有機半導体領域が実質的に少なくなるようにしている。このような各有機半導体リッチ領域5p,5n間には上述した電荷分離促進領域4が設けられているので、抵抗及び電荷の再結合が少ない良質な電荷輸送経路が形成され、電荷輸送及び電荷取出し効率が向上する。
例えば、電極1に隣接する領域にn型有機半導体とp型有機半導体の存在比率が1:0の領域(n型有機半導体リッチ領域5n)を設ける。また、電極2に隣接する領域にn型有機半導体とp型有機半導体の存在比率が0:1の領域(p型有機半導体リッチ領域5p)を設ける。これらにより、上記作用を効率良く発現することができる。そして、このような電荷分離促進領域4を備えた本実施形態の有機光電変換デバイス10によれば、光電変換効率の改善をより効率的に図ることができる。
ここで、本実施形態に係る電荷分離促進領域4は、上述したように、p型有機半導体リッチ領域5pとn型有機半導体リッチ領域5nとの間に位置するように設けられている。p型有機半導体リッチ領域5pは、例えば、pn接合割合が電荷分離促進領域4よりも小さく、pドメインがnドメインよりも体積的に多く存在する領域(p>n)である。また、このp型有機半導体リッチ領域5pは、p型有機半導体が電荷分離促進領域4内のn型有機半導体よりも多く存在する領域であることが好ましい。これにより、電荷分離と電荷輸送とが効率的に行われる領域となる。なお、p型有機半導体リッチ領域5pとしては、一方の電極側においてp型有機半導体のみの領域(又はp型有機半導体層)を含むものとする。また、n型有機半導体リッチ領域5nとは、nドメインがpドメインよりも体積的に多く存在する領域(n>p)を意味する。また、n型有機半導体リッチ領域5nは、n型有機半導体が電荷分離促進領域内のp型有機半導体よりも多く存在する領域であることが好ましい。これにより、電荷分離と電荷輸送とが効率的に行われる領域となる。なお、n型有機半導体リッチ領域5nは、他方の電極側においてn型有機半導体のみの領域(又はn型有機半導体層)を含むものとする。
また、本実施形態の有機光電変換デバイス10においては、電荷分離促進領域4とp型有機半導体リッチ領域5p又はn型有機半導体リッチ領域5nとが、電荷輸送領域6として実質的にオーバーラップしている。詳細には、電荷分離促進領域4は、電荷分離促進領域4内からp型有機半導体リッチ領域5p又はn型有機半導体リッチ領域5nに亘って連続的に形成されたドメインサイズ勾配Aを有する。即ち、電荷分離促進領域4のp型有機半導体リッチ領域側(領域5p側)又はn型有機半導体リッチ領域側(領域5n側)の境界及びその近傍は、電荷輸送領域6を兼ねるようにし、電荷分離促進領域4と電荷輸送領域6との明確な界面をなくしている。これにより、電荷分離促進領域4、即ち、pドメインとnドメインとのバルクへテロ結合界面近傍においてエネルギーギャップを生じさせつつ、ドメインサイズ勾配Aによって領域5p又は領域5nへの電荷の輸送を効率良く行うことができる。つまり、本実施形態の有機光電変換デバイス10によれば、電荷分離機能領域から電荷輸送機能領域への電荷受け渡しを効率良く行って、有機光電変換層3での光電変換効率を向上することができる。
ここで、上述した本実施形態に係る有機光電変換デバイス10に用いるp型有機半導体は、ドナー性有機半導体であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物(電子供与性有機材料)をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
p型有機半導体としては、例えば、チオフェン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン−ビニレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、カルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロール及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられ、特にポリチオフェン系誘導体が好ましく使用される。
また、ポリチオフェン系誘導体とはポリ−p−チオフェン構造の骨格を持つ重合体に側鎖が付いた構造を有するものである。具体的にはポリ−3−メチルチオフェン、ポリ−3−ブチルチオフェン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリ−3−オクチルチオフェン、ポリ−3−デシルチオフェンなどのポリ−3−アルキルチオフェンが挙げられるが、この限りではない。
一方、上述した本実施形態に係る有機光電変換デバイス10に用いるn型有機半導体は、アクセプター性有機半導体であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物(電子受容性有機材料)をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
n型有機半導体としては、例えば、フラーレン及びその誘導体(PCBMなど)、カーボンナノチューブ及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体(NTCDA、NTCDIなど)、ピリジン及びその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類及びその誘導体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物などが挙げられる。特にフラーレン系誘導体(PCBMなど)が好ましく使用される。ただし、この限りではない。
なお、上述した材料は例示であり、p型有機半導体及びn型有機半導体は、その該当材料の前駆体を用いても良く、前駆体を成膜後、後処理で該当材料に変換しても良い。
ここで、一対の電極1,2を形成する材料としては、特に限定されないが、隣接または近接する層(本実施形態では有機光電変換層3)の構成材料の種類、光が照射される方向や仕事関数の組合せにより適宜選択するのが好ましい。
例えば、電極1を形成する材料を、仕事関数が低い材料とした場合には、電極2を形成する材料は、仕事関数が高い材料が好ましい。仕事関数が低い材料としては、In、Al、Ca、Mg等を挙げることができる。仕事関数が高い材料としては、例えばAu、Ag、Co、Ni、Pt、ITO、SnO2、フッ素をドープしたSnO2、ZnO等を挙げることができる。
ここで、光が照射される側、即ち入射光側の電極1又は2は、光電変換効率を向上するため最適な材料で形成することが好ましい。特に、有機光電変換層3が電荷生成において反応する入射光の透過性を有する材料で、入射光側の電極を形成することが好ましい。
また、入射光側の電極は、光電変換層3のうち有機層部分が電荷生成において直接反応する入射光の波長(有機層部分が本来、光電変換可能な吸収波長)以外の波長を有する他の光についても透過し易い材料で形成してもよい。光が電極平面に対し垂直に照射される場合、光が照射される側の電極は透明材料で形成される。
このような透明な材料としては、In−Sn−O(ITO:Indium Tin Oxide)、In−Zn−O(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素がドープされた酸化スズ、PEDOT:PSSのような透明導電性高分子などが挙げられる。
以下、本実施形態の有機光電変換デバイス10の製造方法の一例について説明する。まず、電極2上に有機光電変換層3を形成する。ここで、有機光電変換層3を形成する前に、有機光電変換層3の形成表面(本実施形態例では電極2表面)に、表面洗浄やエネルギー状態の改善などを目的とした酸素プラズマ処理やUVオゾン処理などの表面処理を行ってもよい。
また、電極2は基板上に形成されていても良く、該基板は透明なものであっても不透明なものであってもよい。例えば、この基板側が光の受光面となる場合には、透明基板であることが好ましい。この透明基板の材料としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいはアラミド樹脂等の透明な樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
例えば、上記基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であれば、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等の種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるといった点で好ましい。
また、有機光電変換層3は、その内部にドメインサイズが層厚方向に勾配傾斜を持つように形成される。即ち、電荷分離促進領域4を有する有機光電変換層3は、有機光電変換層3を形成する材料(p型有機半導体とn型有機半導体)をその混合比率を変化させながら堆積することで最適なドメインサイズ勾配Aを持つように形成することができる。
さらに、有機光電変換層3の成膜方法としては、その構成材料によって適宜選択することが望ましい。例えば、溶液からの成膜方法として、スピンコート法、キャスティング法、グラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート法、シャワーコート法、カーテンコート法、電着塗装法、静電塗布法(ESD法)、ダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法、電解重合法等の種々の成膜方法を用いることができる。また、蒸着法やスパッタリング法、プラズマCVD法などを用いてもよい。その中でも、電気的な成膜方法(電着塗布や静電塗布等)は、電極2等を有効活用することができて、有機材料等の材料選択性に優れ、電場形成物質等を導入し易く、また大面積化にも対応できる。したがって、電気的な成膜方法は、光電変換効率を改善した有機薄膜型太陽電池等の光電変換デバイスを低コストで製作できる点で非常に有利である。
ここで、本発明の目的は、電荷分離及び電荷輸送の効率を向上して光電変換効率を改善するというものであるが、勿論これに限定されず、光電変換デバイスの大面積化という課題(目的)を解決する手段として本発明を適用してもよい。この場合には、上述した被膜形成方法を用いて太陽電池等の有機光電変換デバイス(特に単層又は多層の有機光電変換層)を形成することで、有機光電変換デバイスの大面積化に非常に有利となる。
本発明では、特に、静電塗布法(ESD法)を好ましく用いることができる。静電塗布法において、例えば、有機光電変換層の構成材料となるp型有機半導体とn型有機半導体を射出(塗布)する時間や、射出ノズルと塗布面(基板)との距離、射出ノズルや塗布面に印加する電圧の強弱(ON・OFF)や印加時間、pn材料の濃度比(混合比)、溶媒の種類や溶媒量などのパラメータを制御する。これらの制御によって、ドメインサイズやpn接合割合を適宜変化させることができる。したがって、静電塗布法を用いれば、本発明の有機光電変換層を形成することが容易である。
なお、本発明の有機光電変換デバイスの製造方法においては、上述した各制御によって、直接的に、ドメインサイズの勾配を形成することが特徴点である。この点において、単に電子供与性材料等の含有量(略均等なドメインサイズの材料の含有量)に勾配を持たせただけの従来技術とは相違している。
ここで、本発明では、上述した方法等によって有機光電変換デバイスを製造することができる。例えば、上述した方法等によってp型有機半導体及びn型有機半導体の各材料のサイズや混合比率等を直接制御することによって各ドメインに相対的な勾配を持たせた前駆体層を形成するステップ(層形成プロセス)を行う。つまり、この時点で、前躯体層には、所定のドメインサイズ勾配となる下地が実質的に形成される。そして、電荷分離領域及び電荷輸送領域とこれら各領域のオーバーラップ領域とを持つ有機光電変換層を形成するために、例えば、加熱処理を行う。これにより隣接するp型有機半導体とn型有機半導体とがバルクへテロ結合して電荷分離領域が形成され、この電荷分離領域にオーバーラップした領域として、隣接するp型有機半導体又はn型有機半導体同士は一体化(グレイン化)して電荷輸送領域が形成される。したがって、電荷分離領域から連続的な領域として抵抗及び電荷の再結合が少ない良質な電荷輸送経路(電荷輸送領域)が形成され、結果的に、電荷輸送及び電荷取出し効率を向上することができる有機光電変換層が形成される。
また、有機光電変換層3は、形成後に溶媒乾燥やアニール、当該材料の前駆体膜の変換などを目的とした、加熱処理などの後処理を施しても良い。
続いて、このようにして形成された有機光電変換層3上に電極1を形成する。電極1の形成方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法、各種塗布法など公知の方法を適宜用いることができる。これにより、本実施形態の光電変換デバイス10を形成することができる。
また、ここでは電極2から順次積層形成した場合について説明したが、電極1側から順次積層形成するようにしてもよい。
静電塗布する有機溶液はn型およびp型の有機半導体材料を用いる。それぞれの有機半導体材料を充填したシリンジに電圧を印加することで、n型とp型のバルクヘテロ接合構造が形成される。例えば、ここで一方のシリンジに印加する電圧を制御することで、噴射する有機半導体材料の液滴サイズや噴射速度が変化する。そのため、印加電圧を連続的に変化させることでドメインサイズ勾配Aが形成できる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る有機光電変換デバイスの一例である光電変換素子の概略断面図である。
図3に示すように、本実施形態の有機光電変換デバイス(有機光電変換素子)20は、有機光電変換層3が電荷分離促進層4からなる以外は上述した実施形態1と同様である。なお、本実施形態では、上述した実施形態1(図1及び図2)と同一構成部分には同一符号を付して重複し、説明は省略する。
具体的には、本実施形態に係る有機光電変換層3は、その厚さ方向、即ち、一方の電極1側から他方の電極2側に向かって、p型有機半導体とn型有機半導体とのドメインサイズ勾配Aが連続的に形成されている。そして、有機光電変換層3は、一方の電極1側のp型有機半導体リッチ領域5pと、他方の電極2側のn型有機半導体リッチ領域5nとに亘って所定のドメインサイズ勾配Aで連続的に形成されている。即ち、有機光電変換層3は、電荷分離促進層4から構成されている。なお、本実施形態のドメインサイズ勾配Aは、上述した実施形態1と同様の勾配でもよいし、n型有機半導体とp型有機半導体とのドメインサイズに適度な差を設けて勾配設定するようにしてもよい。
このような構成においても、pn接合界面によって電荷分離を行うと共にドメインサイズ勾配Aを形成することで電荷輸送に効率良く移行できる。したがって、電荷分離と電荷輸送との効率が確保され、上述した実施形態1と同様に、有機光電変換デバイス20において光電変換効率の向上を図ることができる。
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3に係る有機光電変換デバイスの一例である光電変換素子の概略断面図である。
図4に示すように、本実施形態の有機光電変換デバイス(有機光電変換素子)40は、有機光電変換層3が多層構造で、ドメインサイズ勾配が非連続的なステップ構造となる電荷分離促進領域4A,4B(ステップ領域)を設けている。また、有機光電変換層3と一対の電極1,2の間にバッファ層7を設けている。これら以外は、上述した実施形態1と同様である。なお、本実施形態では、上述した実施形態1(図1及び図2)と同一構成部分には同一符号を付して重複し、説明は省略する。
具体的には、本実施形態に係るドメインサイズ勾配は、pn接合割合の異なる2つの層4A,4Bどうしの積層により段階的に形成される。有機光電変換層3の電極1側の層4Aはn型有機半導体の存在比が高くなっていて、該層の下層4Bになる(電極2側の層になる)につれて段階的にn型有機半導体の存在比が低くなっている。一方で、n型有機半導体の存在比は、p型有機半導体の変化と逆方向に変化するようになっている。この場合、正極から遠ざかるに従ってp型有機半導体のドメインサイズが相対的に小さくなるように変化する領域と、負極から遠ざかるに従ってn型有機半導体のドメインサイズが相対的に小さくなるように変化する領域が形成されていることになる。これにより、上述した実施形態1と同様に光電変換効率の改善を図ることができる。
以下、本実施形態の光電変換デバイス40の製造方法の一例を説明する。まず、電極2上に有機光電変換層3を形成する。ここでの有機光電変換層3においては、その内部にドメインサイズ勾配が異なる複数の層4A,4Bを積層する。
即ち、有機光電変換層3を形成する材料(p型半導体又はn型半導体又はその混合材料の何れか)を電極2上に成膜して第1層を形成する。次に、この第1層上に第1層とはドメインサイズ勾配の異なる(本実施形態例では第1層よりもp型有機半導体濃度が低く、n型有機半導体濃度が高い)材料を成膜して第2層を形成する。そして、それを繰り返すことで多段階(ステップ)型のドメインサイズ勾配の層を複数含んだ有機光電変換層3が形成される。
ここで、上述した実施形態1の製造方法と同様に、有機光電変換層3は熱処理などの後処理を施しても良く、本実施形態においては、全層積層後に後処理を施しても、1層ないし数層積層後に後処理を施しても良い。本実施形態では、必要に応じて、各層に異なる後処理を施すことも容易に行うことが可能となる。
また、有機光電変換層3の成膜方法としては、上述した実施形態1と同様の方法を選択可能で、有機光電変換層3に含まれるpnドメインサイズ勾配を形成した電荷分離促進領域4を構成する各層4A,4Bで、最適な成膜方法を適宜選択することが可能である。
なお、有機光電変換層3に含まれる電荷分離促進領域4を構成する各層4A,4Bで、選択的にドーパントや添加剤などを混入しても良い。
続いて、有機光電変換層3上に電極1を形成する。電極1の形成方法としては、上述した実施形態1と同様の方法を使用できる。これにより、本実施形態の有機光電変換デバイス40を形成することができる。また、ここでは電極2から順次積層形成した場合について説明したが、電極1側から順次積層形成するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、電荷分離促進領域4を2層(4A,4B)によって構成した場合について説明したが、勿論これに限定されず、3層又はそれ以上の多層構造としてもよい。この場合、電極側へ近づく程、p型有機半導体又はn型有機半導体がリッチとなるように勾配を形成するのが好ましく、その際、各層において勾配に適度な差をつけるようにしてもよい。
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4に係る太陽電池(有機薄膜太陽電池)の一例である光電変換素子の概略断面図である。
図5に示すように、本実施形態の有機薄膜太陽電池100は、基板11上にITO電極12を設け、その上に第1バッファ層13、有機光電変換層14、第2バッファ層15を積層し、さらにこの第2バッファ層15上にAl電極16を形成したものからなる。なお、有機光電変換層14は、上述した実施形態1〜4の何れかの有機光電変換層を適用することが可能であり、有機光電変換層の説明は省略する。
また、基板11としては、隣接または近接する層の構成材料の種類、光が照射される方向により適宜選択するのが好ましい。具体的には、光が基板側から照射される場合、基板は透明材料で形成される。
そのような基板11を形成する材料としては、ガラス、石英、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル系樹脂、ポリカーボネイト、ポリイミド樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどの透明樹脂などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。前記透明樹脂のような可撓性のある基板を用いる場合、基板上に積層する有機物層などの材料や膜厚を適宜選択することで、フレキシブルな光電変換デバイスを作製することも可能となる。
上記の本実施形態の有機薄膜太陽電池100によれば、上述した実施形態1等で説明したように有機光電変換層14が電荷分離と電荷輸送との効率が改善されるので、基板11側からの入射光に応答した際に、光電変換効率の向上を図ることができる。
なお、このような太陽電池の製造方法としては、まず、ITO電極12が形成された基板11を用意し、基板11のITO電極12を含む表面を洗浄(超音波洗浄、UVオゾン洗浄等)した後、基板11上に複数の有機膜を積層形成する。ここで、有機膜の成膜プロセスとしては、例えば、PEDOT:PSS材料等のバッファ材料をスピンコートして成膜した後、熱処理することにより第1バッファ層13を形成する。次に、この第1バッファ層13上に、例えば、P3HT:PCBM等の有機材料を静電塗布して熱処理することにより少なくとも電荷分離促進領域を有する有機光電変換層14を形成する。その後、この有機光電変換層14上にLiF等のバッファ材料を成膜して第2バッファ層15(この第2バッファ層15は電極の密着層及び電極の一部としても機能)を形成し、この上にAl電極16を形成することによって、太陽電池(セル)を製造する。
(他の実施形態)
以上、本発明を実施形態1〜4に基づいて詳細に説明したが、本発明は上述した各実施形態1〜4に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態1〜3では、光電変換デバイスの一例として素子構成を例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されない。例えば光電変換機能、光整流機能などを利用した種々の光電変換デバイス、たとえば光電池(太陽電池(太陽光発電装置)など)、光起電力素子、電子素子(光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなど)、光記録材(光メモリなど)などへの応用が可能である。特に、太陽電池(有機薄膜太陽電池、有機無機薄膜太陽電池、あるいはシリコン系太陽電池等)、光起電力素子に有用である。また、その用途に応じて、単位層構造を積層化(タンデム化)しても、何ら問題はない。
また、上述した実施形態1では、有機光電変換層3において電荷分離促進領域層4とその他の有機半導体リッチ領域(5p,5n)、オーバーラップ領域6においてドメインサイズ勾配Aを設けた点について説明した。また、その具体例として、実施形態1では、ドメインサイズ勾配の一例として、粒子径の大小によってドメインサイズ勾配を形成した点について説明した。ただし、本発明は、これらに限定されず、例えば、電荷分離促進領域において、線状化したp型有機半導体及びn型有機半導体によって有機光電変換層の厚さ方向に形成されたドメインサイズ勾配を有するようにしてもよい。
1,2 電極
3 有機光電変換層
4 電荷分離促進領域
10 有機光電変換デバイス
100 有機薄膜太陽電池
A ドメインサイズ勾配

Claims (12)

  1. p型有機半導体及びn型有機半導体を含む有機光電変換層を備え、前記有機光電変換層は、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とが結合する領域を含み且つ前記p型有機半導体のドメインと前記n型有機半導体のドメインとのドメインサイズ勾配が形成された電荷分離促進領域を有することを特徴とする有機光電変換デバイス。
  2. 前記電荷分離促進領域は、前記p型有機半導体が前記電荷分離促進領域内の前記n型有機半導体よりも多く存在するp型有機半導体リッチ領域と、前記n型有機半導体が前記電荷分離促進領域内の前記p型有機半導体よりも多く存在するn型有機半導体リッチ領域との間に位置していることを特徴とする請求項1記載の有機光電変換デバイス。
  3. 前記電荷分離促進領域の前記p型有機半導体リッチ領域側又は前記n型有機半導体リッチ領域側の境界及びその近傍は、電荷輸送領域を兼ねることを特徴とする請求項2記載の有機光電変換デバイス。
  4. 前記電荷分離促進領域は、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体との粒子サイズの大小によって前記有機光電変換層の厚さ方向に形成されたドメインサイズ勾配を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  5. 前記電荷分離促進領域は、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とのバルクへテロ結合領域が層状に形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  6. 前記電荷分離促進領域は、前記p型有機半導体及び前記n型有機半導体の各ドメインサイズが連続的に変化するグラデーション領域を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  7. 前記電荷分離促進領域は、前記p型有機半導体及び前記n型有機半導体の各ドメインサイズが段階的に変化するステップ領域を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  8. 前記有機光電変換層は、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体との各ドメインサイズ比が前記光電変換層の層中心領域に向かって略均等となる比率に近づく方向に変化した層を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  9. 前記電荷分離促進領域は、前記正極から遠ざかるに従って前記p型有機半導体のドメインサイズが相対的に小さくなるように変化する領域と、前記負極から遠ざかるに従って前記n型有機半導体のドメインサイズが相対的に小さくなるように変化する領域とで形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  10. 前記有機光電変換層の一方面側は前記p型有機半導体の層からなり、その他方面側は前記n型有機半導体の層からなることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の有機光電変換デバイス。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の有機光電変換デバイスを備えたことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  12. p型有機半導体のドメインとn型有機半導体のドメインとの勾配を有する前駆体層を形成するステップと、前記前駆体層を加熱処理して前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とが結合する領域を含み且つ前記p型有機半導体のドメインと前記n型有機半導体のドメインとのドメインサイズ勾配を持つ電荷分離促進領域を形成して有機光電変換層とするステップとを有することを特徴とする有機光電変換デバイスの製造方法。
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