JP2012004104A - Esd保護装置の製造方法およびesd保護装置 - Google Patents

Esd保護装置の製造方法およびesd保護装置 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができるESD保護装置の製造方法およびESD保護装置を提供する。
【解決手段】未焼成のセラミック材料からなる絶縁層12,14の間に、第1及び第2の放電電極22,24と、焼成により消失する消失層と、炭化物系セラミック38を含むガス発生層とが形成された積層体を準備する。次いで、積層体を、炭化物系セラミック38の分解によるガスの発生を促進する雰囲気で焼成して、絶縁層12,14の焼結が完了するまでに、消失層が消失して形成された空間を、炭化物系セラミック38の分解により発生したガスによって広げることにより、積層体の内部に、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面16s,16tを有し、一方の内周面16tに沿って第1及び第2の放電電極22,24の互いに対向する対向部分22a,24aが露出する空洞部16を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ESD保護装置の製造方法およびESD保護装置に関し、詳しくは、ESD保護機能のみを有する単体の部品(ESD保護デバイス)や、ESD保護機能とそれ以外の機能とを有する複合部品(モジュール)などのESD保護装置の製造方法およびESD保護装置に関する。
ESD(Electro-Static Discharge;静電気放電)とは、帯電した導電性の物体(人体等)が、他の導電性の物体(電子機器等)に接触、あるいは充分接近したときに、激しい放電が発生する現象である。ESDにより電子機器の損傷や誤作動などの問題が発生する。これを防ぐためには、放電時に発生する過大な電圧が電子機器の回路に加わらないようにする必要がある。このような用途に使用されるのがESD保護デバイスであり、サージ吸収素子やサージアブソーバとも呼ばれている。
ESD保護デバイスは、例えば回路の信号線路とグランド(接地)との間に配置する。ESD保護デバイスは、一対の放電電極を離間して対向させた構造であるので、通常の使用状態では高い抵抗を持っており、信号がグランド側に流れることはない。これに対し、例えば携帯電話等のアンテナから静電気が加わる場合のように、過大な電圧が加わると、ESD保護デバイスの放電電極間で放電が発生し、静電気をグランド側に導くことができる。これにより、ESDデバイスよりも後段の回路には、静電気による電圧が印加されず、回路を保護することができる。
例えば、図9の断面図に示すESD保護デバイス1は、セラミック多層基板2の内部に空洞部3と、間隔5を設けて対向する放電電極6,8とが形成されている。放電電極6,8は、空洞部3の内面に沿って形成された対向部7,9を含む。放電電極6,8は、空洞部3からセラミック多層基板2の外周面まで延在し、セラミック多層基板2の外側、すなわちセラミック多層基板2の表面に形成された外部電極6x,8xに接続されている。外部電極6x,8xは、ESD保護デバイス1を実装するために用いる。空洞部3の周縁には、放電電極6,8の対向部7,9及び対向部7,9間の間隔5が形成された部分に隣接して、導電材料が分散している補助電極4が形成されている。
外部電極6x,8xに所定値以上の電圧が印加されると、放電電極6,8の対向部7,9間において放電が発生し、その放電により過剰な電圧をグランドへ導き、後段の回路を保護することができる。放電電極6,8の対向部7,9間の間隔5や、補助電極4に含まれる導電材料の量や種類などを調整することにより放電開始電圧を設定することができる(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2009/098944号
ESD保護デバイス1の空洞部3は、セラミック多層基板2を形成するために積層するセラミックグリーンシートの間に配置された内部空間形成樹脂材が、焼成の際に燃焼し消失することによって形成されるため、空洞部の大きさや形状がばらつきやすい。例えば、空洞部に隣接するセラミック層の自重によって空洞部が押し潰されて空洞部が小さくなったり、空洞部が部分的にふさがれたりすることがある。
空洞部が部分的にふさがれた場合、放電現象が阻害され、放電開始電圧の上昇を招く。また、本来の放電現象は空洞部内の空間だけで起こるが、空洞部が押し潰された場合、空洞部内周面のうち放電電極に近い部分で放電が集中して、セラミック多層基板の絶縁破壊を招くことがある。セラミック多層基板の絶縁破壊した部分は導通したままの状態となるため、以後、ESD保護デバイスとして機能しなくなる。
本発明は、かかる実情に鑑み、セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができるESD保護装置の製造方法およびESD保護装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したESD保護装置の製造方法を提供する。
ESD保護装置の製造方法は、(i)(a)互いに積層され、圧着された、未焼成のセラミック材料からなる絶縁層と、(b)前記絶縁層の間に同じ前記絶縁層に沿って配置され、間隔を設けて互いに対向する第1及び第2の放電電極と、(c)少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する領域に隣接して配置され、炭化物系セラミックを含むガス発生層とを備えた未焼成の積層体を準備する第1の工程と、(ii)未焼成の前記積層体を、前記ガス発生層に含まれる前記炭化物系セラミックの分解によるガスの発生を促進する雰囲気で焼成し、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了するまでに、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に隣接する内部空間を、前記ガス発生層に含まれる前記炭化物系セラミックの分解により発生したガスによって広げることにより、焼結済みの前記積層体の内部に、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面を有し、該内周面の一方に沿って前記第1及び第2の放電電極の互いに対向する対向部分が露出する空洞部を形成する第2の工程とを備える。
上記方法によれば、第2の工程において、積層体の内部空間は、ガス発生層に含まれる炭化物系セラミックの分解により発生したガスが供給されて広げられる。これによって、空洞部となる空間が焼成中につぶれたり、ふさがれたりすることを防止することができ、セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができる。
好ましくは、前記第2の工程において、Nを主成分とし、HOと、H又はCOの少なくともいずれか一方とを含む雰囲気で、前記積層体の焼成を行う。
この場合、積層体を、ガス発生層に含まれる炭化物系セラミックの分解によるガスの発生を促進する雰囲気で焼成することができる。すなわち、HOにより、炭化物系セラミックの表面に形成される酸化被膜を分解することができる。H又はCOにより、酸素分圧を下げて還元性雰囲気を強め、炭化物系セラミックの分解によって発生したガスが、さらに酸化されて固体となることを抑制し、炭化物系セラミックの分解によって発生したガスを、そのままの状態に保つことができる。
好ましくは、前記ガス発生層は、(a)前記炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料と、(b)金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料の少なくともいずれか一方とを含む。
この場合、ガス発生層に含まれる金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料は、ガス発生層に含まれるセラミック材料によって保持された状態で、焼成後も残るので、放電電極間で放電が生じやすくなり、放電開始電圧を下げることができる。
また、ガス発生層が、炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を含むことにより、ガス発生層に含まれる金属材料同士の接触による放電電極間のショートを抑制することができる。
すなわち、ガス発生層に含まれる炭化物系セラミックは、焼成時に分解してガスを発生する過程で体積が小さくなるため、炭化物系セラミックだけでは、ガス発生層に含まれる金属材料同士が接触し、ショートする可能性がある。そこで、ガス発生層に炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を加えることで、このようなショートを抑制することができる。
ガス発生層が無機材料によりコートされた金属材料を含む場合、金属材料をコートしている無機材料は、放電を繰り返すと静電気や熱の負荷により破壊される。この場合も、ガス発生層に炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を加えることで、ショートを抑制することができる。
好ましくは、前記第2の工程において、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了したときに、前記空洞部が密閉される。
この場合、積層体が焼結後に室温に戻ると、密閉された空洞部内のガスの圧力が大気圧よりも低くなるため、空洞部内で放電が生じやくなり、放電特性が向上する。
好ましい一態様において、前記第1の工程において、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に配置され、未焼成の前記絶縁層が焼結を完了する焼結温度よりも低い温度で消失する消失層を含む未焼成の前記積層体を準備する。前記第2の工程において、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了するまでに、前記積層体の前記消失層が消失して前記内部空間が形成される。
この場合、積層体に空洞部を形成する起点となる内部空間は、積層体を焼成するため絶縁層の焼結温度を越えるように昇温する過程の途中で、形成される。
好ましい他の態様において、前記第1の工程において前記第1及び第2の放電電極に隣接して配置される絶縁層に、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に対向する部分に貫通孔を予め形成しておくことにより、未焼成の前記積層体に前記内部空間を形成する。
この場合、積層体に空洞部を形成する起点となる内部空間は、未焼成の積層体に形成される。
また、本発明は、以下のように構成されたESD保護装置を提供する。
ESD保護装置は、(a)セラミック材料からなる絶縁層が積層されたセラミック多層基板と、(b)前記セラミック多層基板の内部において前記絶縁層の間に形成された空洞部と、(c)前記空洞部内に露出して間隔を設けて互いに対向する対向部分を有する、第1及び第2の放電電極とを備える。前記空洞部は、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面を有し、該内周面の一方に沿って前記第1及び第2の放電電極の前記対向部分が露出する。少なくとも前記第1及び第2の放電電極の前記対向部分の間に、前記空洞部の前記内周面の前記一方に沿って、炭化物系セラミックが分散して配置されている。前記空洞部内には、前記炭化物系セラミックの分解により発生したガスが含まれている。
上記構成によれば、焼成中に、空洞部となる空間が、炭化物系セラミックの分解により発生したガスにより広げられ、空洞部となる空間が焼成中につぶれたり、ふさがれたりすることを防止することができ、セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができる。空洞部は、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面を有しており、つぶれたり、ふさがれたりしていないので、空洞部の内周面に放電が集中しないようにすることができる。これにより、ESD印加により絶縁破壊して絶縁性が低下することを抑制でき、絶縁性が低下しにくくなる。
特に、空洞部の互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面の断面形状が徐々に変化する形状になるようにすると、ESD放電による温度変化などによる応力の集中が緩和されるので、クラックなどの発生が抑制することができる。
好ましくは、前記空洞部は密閉され、前記空洞部内のガスの圧力は、大気圧よりも低い。
この場合、空洞部内のガスの圧力が大気圧の場合より、空洞部内で放電が生じやすいため、放電特性が向上する。
本発明によれば、セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができる。
ESD保護装置の製造工程を示す断面図である。(実施例1) ESD保護装置の製造工程を示す断面図である。(実施例1) ESD保護装置の製造工程を示す断面図である。(実施例1) ESD保護装置の要部断面図である。(実施例1) ESD保護装置の要部断面図である。(実施例2) ESD保護装置の製造工程を示す要部断面図である。(実施例2) ESD保護装置の製造工程を示す要部断面図である。(実施例3) ESD保護装置の製造工程を示す要部断面図である。(実施例4) ESD保護デバイスの斜視図である。(従来例)
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1のESD保護装置10について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1〜図3は、ESD保護装置10の製造工程を示す断面図である。
図3(9)に示すように、ESD保護装置10は、セラミック材料からなる第1及び第2の絶縁層12,14が積層されたセラミック多層基板11の端面に、セラミック多層基板11の外部に露出する外部電極32,34が形成されている。セラミック多層基板11の内部には、空洞部16と、第1及び第2の放電電極22,24と、ガス発生層30と、シール層26,28とが形成されている。ESD保護装置10は、ESD保護機能のみを有する単体の部品(ESD保護デバイス)である。
第1及び第2の放電電極22,24は、第1及び第2の絶縁層12,14の間に形成され、導電性を有する。第1及び第2の放電電極22,24は、空洞部16内に露出して互いに間隔20を設けて対向する対向部分22a,24aを有する。第1及び第2の放電電極22,24の対向部分22a,24aは、ガス発生層30に接続されている。ガス発生層30は、第1及び第2の放電電極22,24の対向部分22a,24aの間の部分が、空洞部16内に露出している。第1の放電電極22は第1外部電極32に接続され、第2の放電電極24は第2の外部電極34に接続されている。
第1のシール層26は、第1絶縁層12に接して形成され、ガス発生層30と第1の絶縁層12との間に延在している。第2のシール層28は、第2の絶縁層14に接して形成され、第2の絶縁層14と空洞部16の間と、第2の絶縁層14と第1及び第2の放電電極22,24の間とに延在している。
ガス発生層30は、炭化物系セラミックを含む。ガス発生層30は、さらに、炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料と、金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料の少なくともいずれか一方とを含むようにしてもよい。
空洞部16の天面16sは、湾曲形状に形成され、第1の放電電極22の対向部分22aから第2の放電電極24の対向部分24aまで、絶縁層12,14が積層された積層方向(図において上下方向)の空洞部16の高さの増加から減少又は減少から増加への変化が、実質的に増加から減少への1回だけの変化である。絶縁層12,14の積層方向と第1及び第2の放電電極22,24が対向する方向(図において左右方向)とを含む断面において、空洞部16の断面形状が徐々に変化するため、ESD放電による温度変化などによる応力の集中が緩和されるので、クラックなどの発生が抑制することができる。
なお、図3では、簡略化して、空洞部16の一方の内周面16sのみが湾曲した状態を図示しているが、実際には、図4の要部断面図に示すように、空洞部16の互いに対向する一対の内周面16s,16tの両方が、それぞれ、互いに離れる方向に湾曲し、湾曲した一方の内周面16tに沿って第1及び第2の放電電極22,24の互いに対向する対向部分22a,24aが露出する。
また、ガス発生層30は、図4に模式的に示したように、一方の内周面16tに沿って、第1及び第2の放電電極22,24の対向部分22a,24aの間とその両側の領域に、炭化物系セラミック38が分散して配置されている。この炭化物系セラミック38は、焼成中にガス発生層30に含まれたままであったものである。すなわち、ガス発生層30は、詳しくは後述するように、焼成中に、ガス発生層30に含まれる炭化物系セラミック38が分解して発生するガスが尽きることがないように、十分な量の炭化物系セラミック38を含むように形成する。
次に、ESD保護装置10の製造方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
(1)各種材料の準備
まず、ESD保護装置10を作製するための各種材料を準備する。
(1−1)セラミックグリーンシート
セラミック多層基板11の第1及び第2の絶縁層12,14になるセラミックグリーンシートを準備する。セラミック多層基板11の第1及び第2の絶縁層12,14の材料となるセラミック材料には、Ba、Al、Siを中心とした組成からなる材料を用いる。各素材を所定の組成になるよう調合、混合し、800−1000℃で仮焼する。得られた仮焼粉末をジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミック粉末を得る。このセラミック粉末に、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合する。さらにバインダー、可塑剤を加え混合し、スラリーを得る。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、第1及び第2の絶縁層12,14になる厚さ50μmのセラミックグリーンシートを得る。
(1−2)電極ペースト
第1及び第2の放電電極22,24や第1及び第2の外部電極32,34の下層32a,34aを形成するための電極ペーストを準備する。平均粒径2μmのCu粉80wt%とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂に溶剤を添加し、ロールで攪拌、混合することで電極ペーストを得る。
(1−3)ガス発生用ペースト
炭化物系セラミックである炭化ケイ素(SiC)を含み、焼成中にガスを発生するガス発生用ペーストを準備する。ガス発生用ペーストは、ガス発生層30を形成するために用いる。ガス発生用ペーストは、平均粒径約2μmのAlコートCu粉と、平均粒径1μmのSiCとを所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し、ロールで攪拌、混合することで得る。ガス発生用ペーストは、バインダー樹脂と溶剤を20wt%とし、残りの80wt%をAlコートCu粉と炭化ケイ素とする。
(1−4)内部空間形成ペースト
空洞部16を形成する起点となる内部空間を形成するための内部空間形成ペーストを準備する。内部空間形成ペーストは、樹脂と溶剤のみからなる。樹脂材料には、焼成時に分解、消失する樹脂、例えば、PET、ポリプロピレン、アクリル樹脂などを用いる。後述する作製例では、アクリル樹脂を用いた。
(1−5)シール層形成用ペースト
シール層26,28を形成するためのシール層形成用ペーストを準備する。シール層形成用ペーストは、セラミック材料と溶剤のみからなり、例えば、平均粒径約1μmのAl粉80wt%とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂に溶剤を添加し、ロールで攪拌、混合することで、シール層形成用ペースト(アルミナペースト)を得る。シール層形成用ペーストの固形成分には、セラミック多層基板の材料よりも焼結温度が高い材料、例えばアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、石英などを選定する。後述する作製例では、アルミナを用いた。
(2)スクリーン印刷による各種ペーストの塗布
図1(1)に示すように、第1の絶縁層12になるセラミックグリーンシートの上面12aに、シール層形成用ペーストをスクリーン印刷した後、乾燥させることにより、第1のシール層26を形成する。
次いで、第1のシール層26の上に、ガス発生用ペーストをスクリーン印刷にて塗布して、図1(2)に示すように、ガス発生層30を形成する。
次いで、第1の絶縁層12になるセラミックグリーンシートの上面12aと、第1のシール層26と、ガス発生層30との上に、電極ペーストをスクリーン印刷にて塗布して、図1(3)に示すように、第1及び第2の放電電極22,24を形成する。第1及び第2の放電電極22,24は、ガス発生層30に重なるように形成する。このとき、放電ギャップを形成するため、ガス発生層30の上において第1及び第2の放電電極22,24の間に30μmの間隔20を設ける。
次いで、第1及び第2の放電電極22,24の対向部分22a,24aと、対向部分22a,24aの間に露出するガス発生層30との上に、内部空間形成ペーストを塗布して、図1(4)に示すように、消失層31を形成する。消失層31は、樹脂シートを配置することにより形成してもよい。
次いで、第1の絶縁層12の上面12aと、第1及び第2の放電電極22,24と、消失層31との上に、シール層形成用ペーストをスクリーン印刷した後、乾燥させることにより、図2(5)に示すように、第2のシール層28を形成する。
(3)積層、圧着、外部電極形成
次いで、第1の絶縁層12の上面12a側に、図2(6)に示すように、第2の絶縁層14になるセラミックグリーンシートを積層し、圧着して、未焼成の積層体を形成する。
次いで、LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様に、マイクロカッタでカットして、1.0mm×0.5mmのチップに分ける。カット後、図2(7)に示すように、端面に電極ペーストを塗布して、外部電極32,34の下層32a,34aを形成する。
(4)焼成
次いで、焼成することにより、図3(8)に示すように、セラミック多層基板11の内部に空洞部16を形成する。
焼成は、通常のセラミック多層基板と同様に、N雰囲気中で行うが、通常のセラミック多層基板とは異なり、HOとHを投入して、焼成炉内の雰囲気を制御する。Hの代わりに、COを用いてもよい。
詳しくは、Ba、Al、Siを中心とした組成からなるセラミック材料の焼結が開始する900℃付近から、HOと、H又はCOとを投入して焼成炉内の酸素分圧を10−11atmにし、センサーによる雰囲気制御によってこの酸素分圧を維持する。これにより、焼成炉内の雰囲気は、SiCのパッシブ酸化領域からアクティブ酸化領域に変化する。パッシブ酸化領域とは、SiCの分解により、SiCの表面にSiOの酸化被膜ができる領域である。アクティブ酸化領域とは、SiCの分解により、SiOの酸化被膜が形成されるまでには至らず、SiOが生成される段階が続くことでSiOガス及びCOガスが発生し、SiCの分解を繰り返す状態である。
この酸素分圧(SiCのアクティブ領域)のまま、セラミック材の焼結温度まで昇温、保持した後、冷却する。冷却とともに炉内温度が下がって酸素分圧が下がるため、空洞部内はアクティブ酸化領域からパッシブ酸化領域へと移り、SiCからのガスの発生が止まる。昇温速度、保持時間ならびに冷却時間、冷却速度を調整することによって,空洞部16を所望の大きさと形状に形成し、かつ、セラミックの焼結を完了させる。
パッシブ酸化領域において、ガス発生層30に含まれる炭化ケイ素(SiC)粉の表面には、安定なSiOの酸化皮膜(固体)が形成されている。ところが、酸素分圧がアクティブ酸化領域になった場合、次の(1)、(2)式に示すように、SiO被膜はHOと反応するため、SiCの表面から除去される。
SiO(s)+2HO(g)→Si(OH)(g) (1)
SiO(s)+HO(g)→Si(OH)(g) (2)
ここで、(s)は固体の状態、(g)はガスの状態を示す。
Oを投入することにより、SiCの表面に形成された酸化被膜(SiO)を分解することができる。
SiO被膜が除去されたSiCは、次の(3)式に示すように、Oと反応して、SiOとCOのガスが発生する。
SiC(s)+O(g)→SiO(g)+CO(g) (3)
又はCOの投入により酸素分圧を制御して強還元雰囲気とすることで、ガスのSiOが酸化されて固体のSiOになることを抑制し、ガスのSiOの状態を保つことができる。
消失層31の内部空間形成ペーストが焼成により消失して形成された内部空間は、上記(1)〜(3)式の反応により発生したガスによって広げられる。このガス発生現象を利用して、空洞部16の形成を制御することで、空洞部16となる空間が焼成中につぶれたり、ふさがれたりすることを防止することができ、セラミック多層基板11の内部に空洞部16を安定して形成することができる。
なお、SiC以外の炭化物系セラミックを用いても、同様に、ガス発生現象を利用して、空洞部16の形成を制御することができる。例えば、TiCの場合は、TiCが分解することによって、COガスが発生する。
焼成工程において、消失層31やガス発生層30に含まれる樹脂の燃焼や溶剤の気化などにより発生したガスは、初期段階では未焼成の絶縁層を通して積層体の外部に放出されるが、焼結が完了し、空洞部16が形状を保持し、空洞部16が密閉されると、空洞部16内に閉じ込められる。そのため、焼成後の空洞部16内には、ガス発生層30に含まれていた炭化物系セラミックの分解によって発生したガスが含まれている。
(5)外部電極のメッキ
次いで、LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様に、電極ペーストにより形成された下層32a,34a上に、電解Ni−Snメッキによりメッキ層32b,34bを形成して、図3(9)に示すESD保護装置10が完成する。
ガス発生層30を形成しているガス発生用ペースト中のSiCの一部が、焼成時に分解してガスが発生する。分解することなく残ったSiCは、ガス発生層30において分散している。ガス発生層30において分散しているSiCは半導体材料であるため、第1及び第2の放電電極22,24の間において電子の移動が起こりやすくなり、効率的に放電現象を生じさせ、ESD応答性を高めることができる。
ガス発生層30を形成するガス発生用ペーストに、炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料と、金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料の少なくともいずれか一方とを添加してもよい。これにより、ガス発生層30は、炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料と、金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料の少なくともいずれか一方とを含むようになる。
この場合、ガス発生用ペーストに含まれる金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料は、ガス発生用ペーストに含まれるセラミック材料によって保持された状態で焼成後も残るので、放電電極間で放電が生じやすくなり、放電開始電圧を下げることができる。
また、ガス発生用ペーストが、炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を含むことにより、ガス発生用ペーストに含まれる金属材料同士の接触による放電電極間のショートを抑制することができる。
すなわち、ガス発生用ペーストに含まれる炭化物系セラミックは、焼成時に分解してガスを発生する過程で体積が小さくなるため、炭化物系セラミックだけでは、ガス発生用ペーストに含まれる金属材料同士が接触し、ショートする可能性がある。そこで、ガス発生用ペーストに炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を加えることで、このようなショートを抑制することができる。
ガス発生用ペーストが無機材料によりコートされた金属材料を含む場合、金属材料をコートしている無機材料は、放電を繰り返すと静電気や熱の負荷により破壊される。この場合も、ガス発生用ペーストに炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料を加えることで、ショートを抑制することができる。
<作製例1> ガス発生層30を形成するためのガス発生用ペーストに炭化ケイ素を添加し、かつ焼成条件(酸素分圧、温度、時間)を制御して空洞部16のサイズや形状を制御した実施例1のサンプルと、HOやH又はCOを投入せずにN雰囲気で焼成した比較例1のサンプルとを各100個作製し、ESD保護特性を比較した。IEC規格(IEC61000−4−2)に従い8kVの接触放電試験を行い、放電電流によりESD保護デバイスの両端に発生する電圧のピーク電圧が700V以上のものを不良、IRが1MΩ以下(ESD保護デバイスの両端に電圧が発生しない)を不良と判定した。その結果を、次の表1に示す。
Figure 2012004104
表1より、実施例1は、比較例1よりピーク電圧不良及びIR不良を改善していることが分かる。
<作製例2> ガス発生層30を形成するためのガス発生用ペーストにSiCを添加して空洞部16を形成した実施例1の試料(1)〜(4)と、空洞部を形成しない比較例2の試料(5)、(6)について、各試料を装置内で破壊し、気孔ガス分析装置(EG/MS)を用いて、m/Z(質量電荷比)が44のイオン電流(強度という。)を測定した結果を、次の表2に示す。
Figure 2012004104
表2より、空洞部のある試料(1)〜(4)は、空洞部のない試料(5)、(6)に比べてm/Zが44の強度が大きい。m/Zが44の強度が大きいことは、空洞部のある試料(1)〜(4)には分子量が44のガスであるCOもしくはSiOが存在していることを示す。
<実施例2> 図5は、実施例2のESD保護装置の要部断面図である。図5に示すように、実施例2のESD保護装置は、実施例1と略同様に形成されている。図5において、実施例1と同様の構成部分には、実施例1と同じ符号を用いている。
実施例2のESD保護装置は、実施例1と異なり、空洞部18の天面18sが平面であり、互いに対向する空洞部18の天面18sと、ガス発生層30の上面30sとは平行である。絶縁層12,14が積層された積層方向(図5において上下方向)の空洞部18の高さは、空洞部18内において間隔を設けて互いに対向する第1の放電電極22の対向部分22aから第2の放電電極24の対向部分24aまで、実質的に一定である。
空洞部の天面の一部が放電電極側に突出していると、その突出部分で放電が集中して絶縁破壊されるが、実施例2では空洞部18の天面18sが平面であるため、そのような破壊が生じない。
実施例2のESD保護装置の第2のシール層29は、空洞部18と第2の絶縁層14の間にのみ形成されている。
実施例2のESD保護装置は、実施例1と基本的に同じ方法で作製することができる。すなわち、図6の要部断面図に示すように、第1及び第2の絶縁層12,14になるセラミックグリーンシートの間に、放電電極22,24と、消失層31と、炭化物系セラミック38を含むガス発生層とが配置された未焼成の積層体を準備し、焼成する。
ただし、積層体を焼成する際に、実施例1に比べて短時間で温度を上昇させ、ガス発生用ペーストに含まれる炭化物系セラミック38が分解して発生するガスの圧力を実施例1に比べて小さくすることにより、空洞部18の天面18sが平坦な状態のままで、セラミックの焼結を完了させる。
<実施例3> 図7は、実施例3のESD保護デバイスの製造工程を示す要部断面図である。
まず、図7(a)に示す未焼成の積層体を準備する。すなわち、第1及び第2の絶縁層12,14になるセラミックグリーンシートの間に、電極ペーストにより形成された放電電極22,24と、内部空間形成ペーストにより形成された消失層31と、炭化物系セラミック38が分散して配置されたガス発生層(図示せず)とを備えた未焼成の積層体を準備する。炭化物系セラミック38は、放電電極22,24が互いに対向する領域とその周辺領域とに隣接するように配置する。炭化物系セラミック38は、実施例1、2のガス発生層と同様に、炭化物系セラミック38を含むペーストを塗布してガス発生層を形成することにより配置する。
次いで、未焼成の積層体を焼成する。このとき、絶縁層12,14の焼結が完了するまでの間に、まず、消失層31が気化、燃焼等により消失して、消失層31が存在していた部分に内部空間が形成される。次いで、炭化物系セラミック38の分解により発生したガスが内部空間を広げる。これにより、図7(b)に示すように、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面16p,16qを有し、一方の内周面16qに沿って第1及び第2の放電電極22,24の互いに対向する対向部分22a,24aが露出する空洞部16aが形成される。
絶縁層12,14の焼結が完了すると、空洞部16aの形状は保持され、空洞部16aは密閉され、空洞部16a内には、炭化物系セラミック38の分解により発生したガスが閉じ込められる。焼成後、室温に戻すと、空洞部16a内のガスに含まれるSiO(g)、CO(g)は凝固して、SiO(s)、C(s)などに変化する。そして、空洞部16a内のガスの圧力は、大気圧よりも低くなるため、空洞部16a内のガスの圧力が大気圧の場合よりも、空洞部16a内で放電が生じやすくなり、放電特性が向上する。
実施例3のサンプルと、セラミック材料からなる第1の絶縁層12に、第1及び第2の放電電極22,24と、シール層26とを形成し、N雰囲気で焼成し、大気圧中でカバーを接着した比較例3のサンプルとを各30個作製し、IEC規格(IEC61000−4−2)に従い8kVの接触放電試験を行い、放電電流によりESD保護デバイスの両端に発生する電圧のピーク電圧を測定した。その結果を、次の表3に示す。
Figure 2012004104
空洞部16a内のガスの圧力が大気圧よりも低い実施例3のサンプルでは、空洞部16a内のガスの圧力が大気圧の場合の比較例3のサンプルよりも、ピーク電圧の平均値が低くなり、放電特性が向上することがわかる。
<実施例4> 図8は、実施例4のESD保護デバイスの製造工程を示す要部断面図である。
まず、図8(a)に示す未焼成の積層体を準備する。すなわち、第1及び第2の絶縁層12,14になるセラミックグリーンシートの間に、電極ペーストにより形成された放電電極22,24と、分散して配置された炭化物系セラミック38とを備えた未焼成の積層体を準備する。このとき、第1及び第2の放電電極22,24に隣接して配置される絶縁層14xとなるセラミックグリーンシートに、第1及び第2の放電電極22,24が互いに対向する領域及びその周辺領域に対向する部分にレーザー加工などにより貫通孔17を予め形成しておくことにより、内部空間17が形成された未焼成の積層体を準備する。
次いで、未焼成の積層体を焼成する。このとき、絶縁層12,14の焼結が完了するまでの間に、炭化物系セラミック38の分解により発生したガスが内部空間17を広げる。これにより、図8(b)に示すように、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面16u,16vを有し、一方の内周面16vに沿って第1及び第2の放電電極22,24の互いに対向する対向部分22a,24aが露出する空洞部16bが形成される。
絶縁層12,14の焼結が完了すると、空洞部16bの形状は保持され、空洞部16bは密閉され、空洞部16b内には、炭化物系セラミック38の分解により発生したガスが閉じ込められる。焼成後、室温に戻すと、空洞部16b内のガスに含まれるSiO(g)、CO(g)は凝固して、SiO(s)、C(s)などに変化する。そして、空洞部16a内のガスの圧力は、大気圧よりも低くなるため、空洞部16a内のガスの圧力が大気圧の場合よりも、空洞部16a内で放電が生じやすくなり、放電特性が向上する。
<まとめ> 以上のように、炭化物系セラミックの分解により発生するガスを利用することにより、セラミック多層基板の内部に空洞部を安定して形成することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、本発明は、ESD保護機能のみを有する単体の部品(ESD保護デバイス)に限らず、ESD保護機能とそれ以外の機能とを有する複合部品(モジュール)などにも適用することができる。
補助電極となる部分(ガス発生層)と、放電電極となる部分と、消失層とは、例示した順序と異なる順序で、例えば、放電電極となる部分、補助電極となる部分(ガス発生層)、消失層の順に、あるいは放電電極となる部分、消失層、補助電極となる部分(ガス発生層)の順に重なるように、形成してもよい。
また、放電電極が絶縁層の間に延在している構成を例示したが、放電電極は絶縁層を貫通してもよい。放電電極として外部電極を用いてもよい。
消失層や補助電極となる部分(ガス発生層)は、ペースト塗布以外の方法で形成してもよい。例えば、シート状の部材を配置することにより形成してもよい。
10 ESD保護装置
11 セラミック多層基板
12,14 絶縁層
16,16a,16b 空洞部
16p,16q,16s,16t,16u,16v 対向面
22,24 放電電極
30 ガス発生層
31 消失層
32,34 外部電極
38 炭化物系セラミック

Claims (8)

  1. 互いに積層され、圧着された、未焼成のセラミック材料からなる絶縁層と、
    前記絶縁層の間に同じ前記絶縁層に沿って配置され、間隔を設けて互いに対向する第1及び第2の放電電極と、
    少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する領域に隣接して配置され、炭化物系セラミックを含むガス発生層と、
    を備えた未焼成の積層体を準備する第1の工程と、
    未焼成の前記積層体を、前記ガス発生層に含まれる前記炭化物系セラミックの分解によるガスの発生を促進する雰囲気で焼成し、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了するまでに、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に隣接する内部空間を、前記ガス発生層に含まれる前記炭化物系セラミックの分解により発生したガスによって広げることにより、焼結済みの前記積層体の内部に、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面を有し、該内周面の一方に沿って前記第1及び第2の放電電極の互いに対向する対向部分が露出する空洞部を形成する第2の工程と、
    を備えたことを特徴とするESD保護装置の製造方法。
  2. 前記第2の工程において、Nを主成分とし、HOと、H又はCOの少なくともいずれか一方とを含む雰囲気で、前記積層体の焼成を行うことを特徴とする、請求項1に記載のESD保護装置の製造方法。
  3. 前記ガス発生層は、
    前記炭化物系セラミックとは異なる別のセラミック材料と、
    金属材料、又は無機材料によりコートされた金属材料の少なくともいずれか一方とを含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のESD保護装置の製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了したときに、前記空洞部が密閉されることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のESD保護装置の製造方法。
  5. 前記第1の工程において、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に配置され、未焼成の前記絶縁層が焼結を完了する焼結温度よりも低い温度で消失する消失層を含む未焼成の前記積層体を準備し、
    前記第2の工程において、前記積層体の前記絶縁層の焼結が完了するまでに、前記積層体の前記消失層が消失して前記内部空間が形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のESD保護装置の製造方法。
  6. 前記第1の工程において前記第1及び第2の放電電極に隣接して配置される絶縁層に、少なくとも前記第1及び第2の放電電極が互いに対向する前記領域に対向する部分に貫通孔を予め形成しておくことにより、未焼成の前記積層体に前記内部空間を形成することを特徴とする、請求項1乃至3にいずれか一つに記載のESD保護装置の製造方法。
  7. セラミック材料からなる絶縁層が積層されたセラミック多層基板と、
    前記セラミック多層基板の内部に形成された空洞部と、
    前記空洞部内に露出して間隔を設けて互いに対向する対向部分を有する、第1及び第2の放電電極と、
    を備えたESD保護装置において、
    前記空洞部は、互いに対向しかつ互いに離れる方向に湾曲した一対の内周面を有し、該内周面の一方に沿って前記第1及び第2の放電電極の前記対向部分が露出し、
    少なくとも前記第1及び第2の放電電極の前記対向部分の間に、前記空洞部の前記内周面の前記一方に沿って、炭化物系セラミックが分散して配置され、
    前記空洞部内には、前記炭化物系セラミックの分解により発生したガスが含まれていることを特徴とする、ESD保護装置。
  8. 前記空洞部は密閉され、前記空洞部内の圧力は、大気圧よりも低いことを特徴とする、請求項7に記載のESD保護装置。
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