JP2012003070A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに該組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタクトホールパターン形成時に垂直な側壁にて解像し、広いEDWを確保でき、サイドローブ耐性が良化し、かつBlob欠陥数が低減した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)下記一般式(IV)で表される塩基性化合物
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式中、R21、R22、R23、R24は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
【選択図】なし
【解決手段】(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)下記一般式(IV)で表される塩基性化合物
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式中、R21、R22、R23、R24は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
【選択図】なし
Description
本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、特に、半導体集積回路素子、集積回路製造用マスク、プリント配線板、液晶パネル等の製造に好適に用いることができる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに該組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法に関する。
光酸発生剤と酸分解性基を有する樹脂からなる初期の化学増幅型ポジレジスト組成物は、例えば特許文献1等に開示されている。この化学増幅型ポジレジスト組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
酸分解性基を有する樹脂を含有するポジ型レジスト組成物はこれまでに各種知られており、例えば特許文献2には、アルコキシ(アセタール)基にて保護されたポリヒドロキシスチレン樹脂を用いたレジスト組成物が、特許文献3には、異なる2種の酸分解性基を有するポリヒドロキシスチレン樹脂を用いたレジスト組成物が、特許文献4には、エステル樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。
しかしながら、これら開示されているポジ型レジスト組成物は、特にコンタクトホールパターン形成時において、プロファイル垂直性が不足し、十分なExposure−Defocus Window(EDW;露光ラチチュード(EL)とフォーカス余裕度(DOF)との関係を示すウインドウマージン)が取れないとともに、Blob欠陥が多く発生し、塗布性も悪く少量での塗布適性が無いため、その改良が望まれていた。また、サイドローブ耐性も十分ではなく、その改良が望まれていた。なおコンタクトホールパターンの形成は、光潜像の影響を直接受けるため、パターン下部の露光量が少なくなり、基本的に形成されるパターンはテーパー形状となる。特に微細解像領域や、フォーカスがずれたときの形状を矩形にする事が極めて困難である。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決可能な感活性光線性又は放射線性組成物、特に、コンタクトホールパターン形成時に垂直な側壁にて解像し、広いEDWを確保でき、サイドローブ耐性が良化し、かつBlob欠陥数が低減した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供すること、並びに該組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供することにある。
上記課題は、下記の手段によって達成された。
<1>
(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)下記一般式(IV)で表される塩基性化合物
を含有することを特徴とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)下記一般式(IV)で表される塩基性化合物
を含有することを特徴とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(IV)中、R21、R22、R23、R24は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
<2>
前記樹脂(A)が、下記一般式(V)で表される、酸に対して安定な繰り返し単位を有することを特徴とする上記<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
<2>
前記樹脂(A)が、下記一般式(V)で表される、酸に対して安定な繰り返し単位を有することを特徴とする上記<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(V)中、R5は非酸分解性の炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子又はアルキル基を表す。
<3>
前記樹脂(A)が、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位とを有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子又はアルキル基を表す。
<3>
前記樹脂(A)が、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位とを有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式中、R1及びR11は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよいメチル基を表す。
R2は、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基を表す。
nは、0〜2の整数を表す。
R2は、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基を表す。
nは、0〜2の整数を表す。
<4>
前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることを特徴とする上記<3>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることを特徴とする上記<3>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
一般式(IV)におけるZで表されるヘテロ環基が、5員又は6員の含窒素へテロ環であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<6>
更に、(D)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体を含有することを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(IV)におけるZで表されるヘテロ環基が、5員又は6員の含窒素へテロ環であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<6>
更に、(D)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体を含有することを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<7>
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートの混合溶剤を含有することを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線による露光用であることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートの混合溶剤を含有することを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線による露光用であることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<9>
上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
<10>
上記<9>に記載のレジスト膜を露光する工程、及び露光した膜を現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
<10>
上記<9>に記載のレジスト膜を露光する工程、及び露光した膜を現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明は、更に、下記の構成であることが好ましい。
<11>
一般式(IV)におけるXが、水素原子又はアルキル基であることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<12>
一般式(IV)で表される塩基性化合物の含有量が、組成物の固形分を基準として、0.001〜10質量%であることを特徴とする上記<1>〜<8>、<11>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<13>
一般式(V)におけるR5が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を有することを特徴とする上記<2>〜<8>、<11>、<12>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<14>
糖類誘導体が環状糖類誘導体であることを特徴とする上記<6>〜<9>、<11>〜<13>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<15>
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートとの混合比(質量比)が、50:50〜90:10であることを特徴とする上記<7>〜<9>、<11>〜<14>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<11>
一般式(IV)におけるXが、水素原子又はアルキル基であることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<12>
一般式(IV)で表される塩基性化合物の含有量が、組成物の固形分を基準として、0.001〜10質量%であることを特徴とする上記<1>〜<8>、<11>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<13>
一般式(V)におけるR5が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を有することを特徴とする上記<2>〜<8>、<11>、<12>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<14>
糖類誘導体が環状糖類誘導体であることを特徴とする上記<6>〜<9>、<11>〜<13>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<15>
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートとの混合比(質量比)が、50:50〜90:10であることを特徴とする上記<7>〜<9>、<11>〜<14>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
本発明によれば、酸分解性樹脂及び特定の塩基性化合物を含有することにより、コンタクトホールパターン形成時の側壁垂直性が良化し、広いEDWを確保でき、サイドローブ耐性が良化し、かつBlob欠陥数が低減した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに該組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法を提供できる。また、組成物中の溶剤を好適に選択することにより、塗布性が良化した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供できる。本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ポジ型レジスト組成物として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
以下、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含有される各成分につき説明する。
[1](A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(以下、単に樹脂(A)ということもある。)を含有する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線(例えば、EUV)を照射する場合に好適であり、樹脂(A)は、下記式(I)で表されるヒドロキシスチレン繰り返し単位を含有することが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(以下、単に樹脂(A)ということもある。)を含有する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線(例えば、EUV)を照射する場合に好適であり、樹脂(A)は、下記式(I)で表されるヒドロキシスチレン繰り返し単位を含有することが好ましい。
本発明において、上記ヒドロキシスチレン繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、好ましくは5〜95モル%の範囲内であり、より好ましくは5〜90モル%の範囲内であり、特に好ましくは10〜85モル%の範囲内である。
本発明において、樹脂(A)は、上記ヒドロキシスチレン繰り返し単位と、酸の作用により脱離する基で保護されたヒドロキシスチレン繰り返し単位とを有する共重合体、又はヒドロキシスチレン繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル繰り返し単位とを有する共重合体であることが好ましい。
本発明において、樹脂(A)は、上記ヒドロキシスチレン繰り返し単位と、酸の作用により脱離する基で保護されたヒドロキシスチレン繰り返し単位とを有する共重合体、又はヒドロキシスチレン繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル繰り返し単位とを有する共重合体であることが好ましい。
本発明において、樹脂(A)が、前述の酸の作用により脱離する基で保護されたヒドロキシスチレン繰り返し単位を含有する場合、該繰り返し単位としては、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
上記一般式中、R01、R02及びR03は、各々独立に、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。Ar1は、(n+1)価の芳香環基を表す。
また、R03がアルキレン基を表し、Ar1と結合することにより、−C−C−鎖と共に、5員又は6員環を形成していてもよい。この場合、Ar1は(n+2)価の芳香環基を表す。
また、R03がアルキレン基を表し、Ar1と結合することにより、−C−C−鎖と共に、5員又は6員環を形成していてもよい。この場合、Ar1は(n+2)価の芳香環基を表す。
Yは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。nが2以上の整数である場合、複数存在するYは互いに同じであっても異なっていてもよい。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
nは、1〜4の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
R01〜R03としてのアルキル基は、例えば、炭素数20以下のアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基又はドデシル基である。より好ましくは、これらアルキル基は、炭素数8以下のアルキル基である。なお、これらアルキル基は、置換基を有していてもよい。
R01〜R03としてのアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R01〜R03におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
R01〜R03としてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。なお、これらシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
R01〜R03としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
R03がアルキレン基を表す場合、このアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基及びオクチレン基等の炭素数1〜8のものが挙げられる。
R01〜R03は水素原子であることが好ましい。
R01〜R03は水素原子であることが好ましい。
Ar1としての芳香環基は、炭素数6〜14のものが好ましく、例えば、ベンゼン環、トルエン環及びナフタレン環が挙げられる。なお、これら芳香環基は、置換基を有していてもよい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)及び−CH(R36)(Ar)により表される基が挙げられる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
R01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
Arは、アリール基を表す。
Arは、アリール基を表す。
R36〜R39、R01、又はR02としてのアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基及びオクチル基が挙げられる。
R36〜R39、R01、又はR02としてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基及びシクロオクチルが挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
R36〜R39、R01、R02、又はArとしてのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
R36〜R39、R01、又はR02としてのアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基であることが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が好ましい。
R36〜R39、R01、又はR02としてのアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基及びシクロへキセニル基が挙げられる。
R36とR37とが互いに結合して形成し得る環は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造及びシクロオクタン構造が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造及びテトラシクロドデカン構造が挙げられる。なお、環構造中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
樹脂(A)中において、前記一般式(A−1)で表される繰り返し単位同士がYとしての酸の作用により脱離する基を介して結合していてもよい。
樹脂(A)中において、前記一般式(A−1)で表される繰り返し単位同士がYとしての酸の作用により脱離する基を介して結合していてもよい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(A−2)で表される構造がより好ましい。
上記一般式中、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。なお、これら脂環基及び芳香環基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
なお、Q、M、L1の少なくとも2つが互いに結合して、5員又は6員環を形成していてもよい。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。なお、これら脂環基及び芳香環基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
なお、Q、M、L1の少なくとも2つが互いに結合して、5員又は6員環を形成していてもよい。
L1及びL2としてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
L1及びL2としてのシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15のシクロアルキル基であり、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基が挙げられる。
L1及びL2としてのアリール基は、例えば炭素数6〜15のアリール基であり、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
L1及びL2としてのアラルキル基は、例えば炭素数7〜20のアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基又はブテニレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基又はナフチレン基)、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R0)−、又は、これらの2以上の組み合わせである。ここで、R0は、水素原子又はアルキル基である。R0としてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
Qとしてのアルキル基は、上述したL1及びL2としてのアルキル基と同様である。
Qとしての脂環基又は芳香環基としては、例えば、上述したL1及びL2としてのシクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。これらシクロアルキル基及びアリール基は、好ましくは、炭素数3〜15の基である。
Qとしてのヘテロ原子を含んだ脂環基又は芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール及びピロリドン等の複素環構造を有した基が挙げられる。但し、炭素とヘテロ原子とで形成される環、又は、ヘテロ原子のみによって形成される環であれば、これらに限定されない。
Q、M及びL1の少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環構造としては、例えば、これらがプロピレン基又はブチレン基を形成してなる5員又は6員環構造が挙げられる。なお、この5員又は6員環構造は、酸素原子を含有している。
一般式(A−2)におけるL1、L2、M及びQで表される各基、並びにQ、M及びL1の少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環構造は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
−(M−Q)で表される基としては、炭素数1〜30の基が好ましく、炭素数5〜20の基がより好ましい。特に、アウトガスの問題(EUV光のような高エネルギー線を照射した場合、レジスト膜中の化合物がフラグメンテーションにより破壊され、露光中に低分子成分として揮発して露光機内の環境を汚染するという問題)の抑制の観点からは、炭素数が6以上の基が好ましい。
本発明において、一般式(A−1)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、好ましくは3〜90モル%の範囲内であり、より好ましくは5〜80モル%の範囲内であり、特に好ましくは7〜70モル%の範囲内である。
本発明において、一般式(A−1)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、好ましくは3〜90モル%の範囲内であり、より好ましくは5〜80モル%の範囲内であり、特に好ましくは7〜70モル%の範囲内である。
一般式(A−1)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明において、樹脂(A)が、前述の(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル繰り返し単位を含有する場合、該繰り返し単位として、下記一般式(X)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(X)中、
Xa1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、各々独立に、直鎖若しくは分岐のアルキル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル基を表す。なお、Rx1〜Rx3の2つが互いに結合して、単環又は多環のシクロアルキル基を形成していてもよい。
Xa1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、各々独立に、直鎖若しくは分岐のアルキル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル基を表す。なお、Rx1〜Rx3の2つが互いに結合して、単環又は多環のシクロアルキル基を形成していてもよい。
Xa1のアルキル基は、置換基を有していてもよく、そのような置換基としてはハロゲン原子、水酸基などを挙げることができる。Xa1の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が挙げられ、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Tとしての2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、−(COO−Rt)−基、及び−(O−Rt)−基が挙げられる。ここで、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tとしての2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、−(COO−Rt)−基、及び−(O−Rt)−基が挙げられる。ここで、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−(COO−Rt)−基であることが好ましい。ここで、Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH2)2−基又は−(CH2)3−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3としてのアルキル基は、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。
Rx1〜Rx3としてのシクロアルキル基は、好ましくは、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基である。
Rx1〜Rx3の2つが互いに結合して形成し得るシクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
特には、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが互いに結合して、上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
一般式(X)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明において、前記一般式(X)で表される繰り返し単位が、下記一般式(II)で表されることが好ましい。
上記一般式中、R1は、水素原子又は置換基を有していてもよいメチル基を表す。
R1で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基としては、ハロゲン原子、水酸基などを挙げることができる。R1の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が挙げられ、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(X)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、好ましくは3〜90モル%の範囲内であり、より好ましくは5〜80モル%の範囲内であり、特に好ましくは7〜70モル%の範囲内である。
R1で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基としては、ハロゲン原子、水酸基などを挙げることができる。R1の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が挙げられ、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(X)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、好ましくは3〜90モル%の範囲内であり、より好ましくは5〜80モル%の範囲内であり、特に好ましくは7〜70モル%の範囲内である。
本発明において、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線(例えば、EUV)露光用として好適な樹脂(A)は、上記で説明した繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。この例としては、例えば以下に説明するような、酸に対して安定な繰り返し単位、ラクトン構造を有する繰り返し単位などを好ましく挙げることができる。
酸に対して安定な繰り返し単位としてより具体的には、一般式(V)として以下に例示されるような、アクリル構造の側鎖に、非酸分解性のアリール構造やシクロアルキル構造を有する繰り返し単位が挙げられる。この構造を有することにより、コントラストの調節、エッチング耐性の向上などが期待できる。
一般式(V)中、R5は非酸分解性の炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子又はアルキル基を表す。Ra及びRa2としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、炭素数1〜4がより好ましい。Ra及びRa2としてのアルキル基は置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。Raのアルキル基としては、例えば、メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R5の非酸分解性の炭化水素基は、その中に環状構造を有することが好ましい。環状構造の具体例として、単環又は多環のシクロアルキル基(炭素数3〜14が好ましく、より好ましくは炭素数3〜7)、単環又は多環のシクロアルケニル基(炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜12)などが挙げられる。
R5は更に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フッ素原子及び塩素原子などのハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることが出来る。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基をあげることができる。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子又はアルキル基を表す。Ra及びRa2としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、炭素数1〜4がより好ましい。Ra及びRa2としてのアルキル基は置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。Raのアルキル基としては、例えば、メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R5の非酸分解性の炭化水素基は、その中に環状構造を有することが好ましい。環状構造の具体例として、単環又は多環のシクロアルキル基(炭素数3〜14が好ましく、より好ましくは炭素数3〜7)、単環又は多環のシクロアルケニル基(炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜12)などが挙げられる。
R5は更に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フッ素原子及び塩素原子などのハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることが出来る。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基をあげることができる。
本発明において、前記一般式(V)で表される繰り返し単位が、下記一般式(III)で表されることが好ましい。
上記一般式中、R11は、水素原子又は置換基を有していてもよいメチル基を表す。R2は、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基を表す。nは、0〜2の整数を表す。
R11で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基としては、R1で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基と同様のものが挙げられ、R11の具体例及び好ましい基は、R1の具体例及び好ましい基と同様である。
フェニル基、シクロヘキシル基が更に有していてもよい置換基としては、上記一般式(V)におけるR5が更に有していてもよい置換基として前述したものが挙げられる。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フッ素原子及び塩素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
またR2で表される、フェニル基及びシクロヘキシル基が置換基を有する場合、該置換基はフェニル基及びシクロヘキシル基の4位に置換することが好ましい。
R2としては、エッチング耐性の点から、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
nは、パターン形成における樹脂の好適なガラス転移温度(Tg)の観点から、好ましくは1である。
一般的に、一般式(III)で表される繰り返し単位を樹脂が含有することにより、サイドローブ耐性が良化し、かつパターン形成時の表面形状が均一に平らになる。ただし、サイドローブ耐性に関しては、組み合わせる塩基性化合物により大きく影響を受ける事が分かっている。本発明の塩基性化合物を組み合わせることで、サイドローブ耐性はより良化する。
一般式(III)で表される繰り返し単位を含有する樹脂を使用したレジスト組成物を用いて、コンタクトホールパターンを形成すると、該パターンの断面形状がテーパー形状になりやすいという問題が生じる。特に、焦点深度を最適焦点深度からマイナス側に変化(デフォーカス)させた際に、光学コントラストが低いところでは、光学像どおりにパターンが解像する為、テーパー形状になりやすい。この問題に対し、後述の一般式(IV)で表される塩基性化合物を使用することにより、コンタクトホールパターンの形成においても、一般式(III)で表される繰り返し単位によって提供される上記効果を得ると共に、良好な断面形状を有するパターンの形成が可能となった。良好な断面形状が形成されると、DOF時の形状も良化し、結果DOFが拡大しEDWが良化する。
一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは2〜20モル%である。
一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
R11で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基としては、R1で表される置換基を有していてもよいメチル基における置換基と同様のものが挙げられ、R11の具体例及び好ましい基は、R1の具体例及び好ましい基と同様である。
フェニル基、シクロヘキシル基が更に有していてもよい置換基としては、上記一般式(V)におけるR5が更に有していてもよい置換基として前述したものが挙げられる。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フッ素原子及び塩素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
またR2で表される、フェニル基及びシクロヘキシル基が置換基を有する場合、該置換基はフェニル基及びシクロヘキシル基の4位に置換することが好ましい。
R2としては、エッチング耐性の点から、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
nは、パターン形成における樹脂の好適なガラス転移温度(Tg)の観点から、好ましくは1である。
一般的に、一般式(III)で表される繰り返し単位を樹脂が含有することにより、サイドローブ耐性が良化し、かつパターン形成時の表面形状が均一に平らになる。ただし、サイドローブ耐性に関しては、組み合わせる塩基性化合物により大きく影響を受ける事が分かっている。本発明の塩基性化合物を組み合わせることで、サイドローブ耐性はより良化する。
一般式(III)で表される繰り返し単位を含有する樹脂を使用したレジスト組成物を用いて、コンタクトホールパターンを形成すると、該パターンの断面形状がテーパー形状になりやすいという問題が生じる。特に、焦点深度を最適焦点深度からマイナス側に変化(デフォーカス)させた際に、光学コントラストが低いところでは、光学像どおりにパターンが解像する為、テーパー形状になりやすい。この問題に対し、後述の一般式(IV)で表される塩基性化合物を使用することにより、コンタクトホールパターンの形成においても、一般式(III)で表される繰り返し単位によって提供される上記効果を得ると共に、良好な断面形状を有するパターンの形成が可能となった。良好な断面形状が形成されると、DOF時の形状も良化し、結果DOFが拡大しEDWが良化する。
一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは2〜20モル%である。
一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
本発明において、樹脂(A)は、前記式(I)で表される繰り返し単位と、前記一般式(A−1)又は(X)で表される繰り返し単位と、前記一般式(V)で表される繰り返し単位とを含有することが好ましい。
本発明において、前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(A−1)又は(X)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることが好ましい。
樹脂(A)は上記一般式(I)で表される繰り返し単位、上記一般式(A−1)又は(X)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(V)で表される繰り返し単位のみからなる樹脂、換言すると、これら繰り返し単位の樹脂(A)中の含有量の合計が、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、100モル%の樹脂であることが好ましい。
本発明において、樹脂(A)は、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位とを有することが好ましい。
本発明において、前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(A−1)又は(X)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることが好ましい。
樹脂(A)は上記一般式(I)で表される繰り返し単位、上記一般式(A−1)又は(X)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(V)で表される繰り返し単位のみからなる樹脂、換言すると、これら繰り返し単位の樹脂(A)中の含有量の合計が、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、100モル%の樹脂であることが好ましい。
本発明において、樹脂(A)は、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位とを有することが好ましい。
上記一般式(II)及び(III)中、R1、R11、R2及びnの定義及び好ましい範囲は、前述の一般式(II)及び(III)の説明におけるR1、R11、R2及びnと同義である。
本発明において、前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることが好ましく、50〜70モル%、20〜35モル%、及び5〜15モル%であることがより好ましい。
以上において説明した樹脂(A)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明において、前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることが好ましく、50〜70モル%、20〜35モル%、及び5〜15モル%であることがより好ましい。
以上において説明した樹脂(A)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
上記具体例において、Etはエチル基を、tBuはt−ブチル基を表す。
酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の酸で分解し得る基の数(B)と酸で脱離する基で保護されていないアルカリ可溶性基の数(S)とにより、式B/(B+S)によって計算される。この含有率は、好ましくは0.01〜0.7であり、より好ましくは0.05〜0.50であり、更に好ましくは0.05〜0.40である。
酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の酸で分解し得る基の数(B)と酸で脱離する基で保護されていないアルカリ可溶性基の数(S)とにより、式B/(B+S)によって計算される。この含有率は、好ましくは0.01〜0.7であり、より好ましくは0.05〜0.50であり、更に好ましくは0.05〜0.40である。
なお、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂を2種以上で含有しても良い。この場合、2種以上の樹脂(A)を含有しても良いし、1種以上の樹脂(A)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂(A)以外の1種以上の樹脂を含有しても良い。
樹脂(A)の添加含有量は特に限定されないが、2種類以上含有する場合は総量として、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは20〜99質量%であり、より好ましくは30〜98質量%である。
本発明における樹脂(A)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜30000の範囲であることがより好ましく、2000〜25000の範囲であることが特に好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。
本発明における樹脂(A)を製造するための重合法としては、例えば、各繰り返し単位の前駆体に相当する不飽和モノマー及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に前記不飽和モノマーと開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には本発明の樹脂組成物に含有される後述の溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン等)が挙げられる。より好ましくは本発明の樹脂組成物に含有される後述の溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
樹脂(A)の添加含有量は特に限定されないが、2種類以上含有する場合は総量として、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは20〜99質量%であり、より好ましくは30〜98質量%である。
本発明における樹脂(A)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜30000の範囲であることがより好ましく、2000〜25000の範囲であることが特に好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。
本発明における樹脂(A)を製造するための重合法としては、例えば、各繰り返し単位の前駆体に相当する不飽和モノマー及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に前記不飽和モノマーと開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には本発明の樹脂組成物に含有される後述の溶剤(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン等)が挙げられる。より好ましくは本発明の樹脂組成物に含有される後述の溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
詳細な重合方法、そして精製方法などは、丸善株式会社発行「第5版 実験化学講座26 高分子化学」の第2章「高分子合成」などに記載の方法を用いることができる。
[2](B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B)」又は「(B)成分」ともいう)を含有する。酸発生剤(B)はフッ素原子を含有する酸を発生する化合物であることが好ましい。発生する酸がフッ素原子を有することにより、酸が強酸となり、樹脂(A)の脱保護反応がより進行し解像力が向上する。
(B)成分としては、オニウム塩が好ましい。このオニウム塩のカチオンとしては、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンがより好ましい。
また、これらオニウムカチオンの対アニオンとしては、アルカンスルホン酸、アリールスルホン酸、フッ素を有するスルホン酸アニオンが好ましい。より好ましくは、フッ素原子で置換されたアルキルスルホン酸アニオン、又は、フッ素若しくはフッ化アルキル基で置換されたアリールスルホン酸アニオンである。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B)」又は「(B)成分」ともいう)を含有する。酸発生剤(B)はフッ素原子を含有する酸を発生する化合物であることが好ましい。発生する酸がフッ素原子を有することにより、酸が強酸となり、樹脂(A)の脱保護反応がより進行し解像力が向上する。
(B)成分としては、オニウム塩が好ましい。このオニウム塩のカチオンとしては、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンがより好ましい。
また、これらオニウムカチオンの対アニオンとしては、アルカンスルホン酸、アリールスルホン酸、フッ素を有するスルホン酸アニオンが好ましい。より好ましくは、フッ素原子で置換されたアルキルスルホン酸アニオン、又は、フッ素若しくはフッ化アルキル基で置換されたアリールスルホン酸アニオンである。
フッ素原子で置換されたアルキルスルホン酸アニオンとしては、炭素数1〜8のパーフルオロアルキルスルホン酸アニオンが好ましく、炭素数2〜6のパーフルオロアルキルスルホン酸アニオンがより好ましい。
フッ素若しくはフッ化アルキル基で置換されたアリールスルホン酸アニオンのアリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、対アニオンは、フッ素原子やフッ化アルキル基以外の置換基を有していてもよい。置換基の具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等が挙げられるが、特に限定されない。
(B)成分としてより具体的には、下記一般式(ZI)又は(ZII)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
Z−は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、これらアニオンはフッ素原子で置換されていることが好ましく、より好ましくは上述したフッ素原子を有する有機アニオン(すなわち、フッ素原子で置換されたアルキルスルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ化アルキル基で置換されたアリールスルホン酸アニオンなど)である。
Z−は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、これらアニオンはフッ素原子で置換されていることが好ましく、より好ましくは上述したフッ素原子を有する有機アニオン(すなわち、フッ素原子で置換されたアルキルスルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ化アルキル基で置換されたアリールスルホン酸アニオンなど)である。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
なお、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
R201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、3つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。
R201、R202及びR203としてのアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、それぞれ、更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−、−S−、−CO−、−SO2−などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、3つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。
R201、R202及びR203としてのアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、それぞれ、更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−、−S−、−CO−、−SO2−などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046、0047、0048、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。特に、R201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合、特に、以下の(1)又は(2)の態様が好ましい。
(1)R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、Ar−CO−X−で表される構造であり、残りの2つが、直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。
このとき、残りの2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。ここで、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様である。好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。
Xは置換基を有してもよいアルキレン基を表す。具体的には、炭素数1〜6のアルキレン基である。好ましくは炭素数1〜3の直鎖構造又は分岐構造のアルキレン基である。
残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造(好ましくは5〜7員環)を形成していていることが好ましい。
このとき、残りの2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。ここで、Arは置換基を有していてもよいアリール基を表し、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様である。好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。
Xは置換基を有してもよいアルキレン基を表す。具体的には、炭素数1〜6のアルキレン基である。好ましくは炭素数1〜3の直鎖構造又は分岐構造のアルキレン基である。
残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造(好ましくは5〜7員環)を形成していていることが好ましい。
(2)R201、R202及びR203のうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよいアリール基であり、残りの2つが直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基である場合。
このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としてより好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。
残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201、R202及びR203としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としてより好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。
残り2つの直鎖若しくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6である。これら原子団は更に置換基を有していてもよい。また、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(ZII)中、
R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、それぞれ、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したものと同様である。
R204〜R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z−は、一般式(ZI)について前述したものと同様である。
R204〜R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z−は、一般式(ZI)について前述したものと同様である。
(B)成分として好適な例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
(B)成分の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して0.5〜25質量%が好ましく、1.0〜15質量%がより好ましい。
[(B’)オニウム塩以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物]
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に、(B’)オニウム塩以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B’)」又は「(B’)成分」ともいう)を含有しても良い。
(B’)成分としては、ジアゾジスルホン化合物若しくはオキシムエステル化合物が好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に、(B’)オニウム塩以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B’)」又は「(B’)成分」ともいう)を含有しても良い。
(B’)成分としては、ジアゾジスルホン化合物若しくはオキシムエステル化合物が好ましい。
(B’)成分としてより具体的には、下記一般式(ZIII’)で表される化合物が挙げられる。
一般式(ZIII’)中、R206及びR207は、各々独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、置換基を有してもよい。
アルキル基としては、炭素数1〜16(好ましくは1〜10)の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)の単環又は多環のものが挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のものが挙げられる。
R206及びR207が更に有していてもよい置換基としては、R201、R202及びR203としてのアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基として前述したものが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜16(好ましくは1〜10)の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)の単環又は多環のものが挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のものが挙げられる。
R206及びR207が更に有していてもよい置換基としては、R201、R202及びR203としてのアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基として前述したものが挙げられる。
上記一般式(ZIII’)で表される化合物として好適な例を以下に列挙するが、これらに限定されるものではない。
(B’)成分として以下に例示するようなオキシムエステル化合物を使用することもできる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が(B’)成分を含有する場合、その組成物中の含有率は、全固形分濃度に対して0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(B)成分を2種含有する場合、(B)成分と(B’)成分を1種づつ含有する場合などが挙げられる。
また、(B)成分と(B’)成分との併用比率は、95:5〜50:50が好ましく、85:15〜60:40がより好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(B)成分を2種含有する場合、(B)成分と(B’)成分を1種づつ含有する場合などが挙げられる。
また、(B)成分と(B’)成分との併用比率は、95:5〜50:50が好ましく、85:15〜60:40がより好ましい。
[3](C)一般式(IV)で表される塩基性化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、下記一般式(IV)で表される塩基性化合物を含有する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、下記一般式(IV)で表される塩基性化合物を含有する。
上記一般式中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアラルキル基を表す。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
R21、R22、R23、R24としてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。
R21、R22、R23、R24としてのアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。
R21、R22、R23、R24としてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、7〜20であることが好ましく、7〜11であるであることがより好ましい。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Xについてのアルキル基としては、R21、R22、R23、R24について前述したものと同様なものが挙げられる。
Xとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。具体的にはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
Zについてのヘテロ環基としては、炭素数2〜20であることが好ましく、ヘテロ原子を含む芳香族基、ヘテロ原子を含む脂環基のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含む芳香族基であることが好ましい。5員環又は6員環であることが好ましい。Zについてのヘテロ環基としては含窒素へテロ環であることが好ましい。Zについてのヘテロ環基としては、例えば、ピリジン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イミダゾール環基、チオフェン環基、フラン環基、ピロール環基、チイラン環基、シクロチオラン環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾフラン環基、ベンゾピロール環基、トリアジン環基、ベンゾイミダゾール環基、トリアゾール環基、ピロリドン環基等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。ピリジン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イミダゾール環基、チオフェン環基、フラン環基又はピロール環基であることが好ましい。
Xは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Zは、ヘテロ環基を表す。
R21、R22、R23、R24としてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。
R21、R22、R23、R24としてのアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。
R21、R22、R23、R24としてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、7〜20であることが好ましく、7〜11であるであることがより好ましい。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Xについてのアルキル基としては、R21、R22、R23、R24について前述したものと同様なものが挙げられる。
Xとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。具体的にはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
Zについてのヘテロ環基としては、炭素数2〜20であることが好ましく、ヘテロ原子を含む芳香族基、ヘテロ原子を含む脂環基のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含む芳香族基であることが好ましい。5員環又は6員環であることが好ましい。Zについてのヘテロ環基としては含窒素へテロ環であることが好ましい。Zについてのヘテロ環基としては、例えば、ピリジン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イミダゾール環基、チオフェン環基、フラン環基、ピロール環基、チイラン環基、シクロチオラン環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾフラン環基、ベンゾピロール環基、トリアジン環基、ベンゾイミダゾール環基、トリアゾール環基、ピロリドン環基等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。ピリジン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、イミダゾール環基、チオフェン環基、フラン環基又はピロール環基であることが好ましい。
前記一般式(IV)で表される塩基性化合物は、例えば、2−ブロモベンゾイミダゾールとハロゲン化ヘテロ環化合物とをブチルリチウム存在下低温(例えば、−78℃〜40℃)にて反応させる等で製造することができる。
前記一般式(IV)で表される塩基性化合物の分子量としては、100〜5000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
本発明において、前記一般式(IV)で表される塩基性化合物の含有量は、組成物の固形分を基準として、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
[4](D)その他の塩基性化合物
更に、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記塩基性化合物(C)以外の塩基性化合物(以下、塩基性化合物(D)ともいう。)を併用しても良い。
併用される塩基性化合物(D)は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
前記一般式(IV)で表される塩基性化合物の分子量としては、100〜5000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
本発明において、前記一般式(IV)で表される塩基性化合物の含有量は、組成物の固形分を基準として、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
[4](D)その他の塩基性化合物
更に、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記塩基性化合物(C)以外の塩基性化合物(以下、塩基性化合物(D)ともいう。)を併用しても良い。
併用される塩基性化合物(D)は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
(1)下記一般式(BS−1)で表される化合物
一般式(BS−1)中、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基(直鎖又は分岐)、シクロアルキル基(単環又は多環)、アリール基、アラルキル基の何れかを表す。但し、3つのRの全てが水素原子とはならない。
Rとしてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される化合物は、3つのRの1つのみが水素原子、あるいは全てのRが水素原子でないことが好ましい。
一般式(BS−1)の化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては−CH2CH2O−が好ましい。具体的例としては、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、前記一般式(IV)で表される塩基性化合物以外のイミダゾール構造を有する化合物(2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、前記一般式(IV)で表される塩基性化合物以外のイミダゾール構造を有する化合物(2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CH2CH2O−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CH2CH2O−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
(4)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他の使用可能な塩基性化合物(D)としては、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物などが挙げられる。
本発明において、塩基性化合物(D)は、単独であるいは2種以上併用して用いられる。
本発明において、塩基性化合物(D)の含有量は、組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%であり、0.01〜5質量%であることが好ましい。
[酸発生剤(成分(B)及び成分(B’))/[塩基性化合物(塩基性化合物(C)及び(D))]のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
本発明において、塩基性化合物(D)の含有量は、組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%であり、0.01〜5質量%であることが好ましい。
[酸発生剤(成分(B)及び成分(B’))/[塩基性化合物(塩基性化合物(C)及び(D))]のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
[5](E)界面活性剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
本発明において、界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対し、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対し、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
[6](F)溶剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布することができる。全組成物成分の固形分濃度として、2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用し得る溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど〕、アルキルアルコキシカルボキシレート〔エトキシプロピオン酸エチル(EEP、別名エチルエトキシプロピオネート)、メトキシプロピオン酸メチル等〕、アルキレングリコールモノアルキルエーテル〔プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど〕、乳酸アルキルエステル〔乳酸エチル(以下、ELということもある。)、乳酸メチルなど〕、鎖状又は環状のケトン(シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン)、その他任意のエステル(2−メトキシエチルアセテート、酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等)、その他任意の溶剤(トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等)等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用しても良い。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塗布性の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートを含有する溶剤が好ましく、更には、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、アルキルアルコキシカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル又は乳酸アルキルエステルとの混合溶剤がより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
アルキルアルコキシカルボキシレートとしては、アルキルアルコキシプロピオネートが好ましく、3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
乳酸アルキルエステルとしては、乳酸エチルが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塗布性の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートの混合溶剤を含有することが更に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとエトキシプロピオン酸エチルとの混合溶剤を含有することが特に好ましい。
特に、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが、全溶媒中、50質量%以上含まれることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、アルキルアルコキシカルボキシレートとの混合比(質量比)が、塗布性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、60:40〜80:20がより好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布することができる。全組成物成分の固形分濃度として、2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用し得る溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど〕、アルキルアルコキシカルボキシレート〔エトキシプロピオン酸エチル(EEP、別名エチルエトキシプロピオネート)、メトキシプロピオン酸メチル等〕、アルキレングリコールモノアルキルエーテル〔プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど〕、乳酸アルキルエステル〔乳酸エチル(以下、ELということもある。)、乳酸メチルなど〕、鎖状又は環状のケトン(シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン)、その他任意のエステル(2−メトキシエチルアセテート、酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等)、その他任意の溶剤(トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等)等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用しても良い。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塗布性の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートを含有する溶剤が好ましく、更には、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、アルキルアルコキシカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル又は乳酸アルキルエステルとの混合溶剤がより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
アルキルアルコキシカルボキシレートとしては、アルキルアルコキシプロピオネートが好ましく、3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
乳酸アルキルエステルとしては、乳酸エチルが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塗布性の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートの混合溶剤を含有することが更に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとエトキシプロピオン酸エチルとの混合溶剤を含有することが特に好ましい。
特に、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが、全溶媒中、50質量%以上含まれることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、アルキルアルコキシカルボキシレートとの混合比(質量比)が、塗布性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、60:40〜80:20がより好ましい。
[7](G)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、感度及び非露光部の現像性の観点から、(G)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体(以下、単に糖類誘導体(G)ということもある。)を含有することが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、感度及び非露光部の現像性の観点から、(G)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体(以下、単に糖類誘導体(G)ということもある。)を含有することが好ましい。
(G)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体としては、酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基及び水酸基からなる群から選択される基を分子内に3つ以上有する化合物などが挙げられる。ただし、糖類誘導体(G)は酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基を少なくとも1つ有する。
糖類誘導体(G)として、好ましくは、環状又は鎖状の糖類誘導体を挙げることができる。糖類誘導体としては、例えば、5単糖類、6単糖類、単糖類以外の擬似糖類及びそれらの周辺糖類を挙げることができ、酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基等で置換されていてもよい。
前記酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基としては、アルコール性水酸基の水素原子が酸の作用により脱離する基で置換された基が挙げられ、具体的には、アセタール基、ケタール基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブチルエステル基などを表す。
また、下記構造
また、下記構造
のように二つの水酸基に結合して、酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基を形成してもよい。ここで、RF1及びRF2はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、RF1とRF2が結合して環を形成してもよい。
これら酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基は、同一分子内に2つあるいはそれ以上同時に有することも出来るが、同一分子内に2つ以上の酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基を有することが好ましく、また少なくとも1つは下記構造
を有することが好ましい。
本発明において、糖類誘導体(G)には、酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する基及び水酸基からなる群から選択される基を3つ以上有するが、好ましくは3〜10個、4〜8個有することがより好ましい。
糖類誘導体(G)の分子量は、好ましくは150〜3000、更に好ましくは150〜1500である。
本発明において、糖類誘導体(G)としては、上記要件を満たす化合物であれば、以下に示す構造の何れでも構わないが、その中でも環状糖類誘導体、鎖状糖類誘導体等の糖類誘導体や、その類縁体が好ましい。
本発明において、環状糖類誘導体とは、脂環基等の環状構造を主骨格とするか、或いは側鎖に有する糖類誘導体をいう。環状構造としては、好ましくは、5員環、6員環等を挙げることができ、例えば、シクロヘキサン環、シクロペンタン環及びエーテル酸素を含有したテトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環等を挙げることができる。
環状糖類誘導体の骨格としては、具体的にはアラビノース、キシロース、フコース、ラムノース、ガラクトース、グルコース、フルクトース、フルクトピラノース、ソルボース、マンノース、アロピラノース、アルトロース、タロース、タガトース、アラピロピラノシド、チオガラクトピラノース、マンノピラノシド、グルコピラノース、グルコピラノシド、サクロース、パラチノース、ラクチトール、ラクトース、マルツロース、マルトース、マルトシド、マルチトール、セロピオース、ツラノース、トリハロース、メリピオース、マルトリオース、メルジトース、ラフィノース、スタチオース、マルトテトラオース、マルトヘキサオース、シクロデキストリンなどが挙げられる。
以下に、環状糖類誘導体等の糖類誘導体(G)の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に於ける鎖状糖類誘導体とは、一般的な糖類の開環構造体及びそれに類する構造を有する化合物を表す。
具体的には、トレイトール、エリスルトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、エリスロース、キシルロース、リブロース、デオキシリブロース、グルセローグロヘプトース、及び以下に示す化合物等が挙げられる。
上記化合物群は、構造によっては光学異性体が存在するが、その全てを含む。また、これら化合物の水酸基は、場合によって、アセタール基やイソプロピリデン基のような酸分解基や、その他の置換基で置換されてもよい。
但し、いずれにしても、本発明は、これら化合物には限定されない。
これら糖類誘導体(G)は、単独であるいは2種以上で用いられる。
糖類誘導体(G)の含有量は、組成物の固形分を基準として、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。即ち、充分な添加効果を得るために0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
[8]その他の化合物
その他、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸を発生する化合物、安息香酸などのカルボン酸、染料、光塩基発生剤、酸化防止剤(例えば、特開2006−276688号公報の段落0130〜0133に開示されている、フェノール系酸化防止剤)、特開2006−330098号公報や特許3577743号公報に記載の、放射線の照射により酸を生成し、塩基性が低下するか若しくは中性となる化合物などを適宜含有してもよい。
その他、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸を発生する化合物、安息香酸などのカルボン酸、染料、光塩基発生剤、酸化防止剤(例えば、特開2006−276688号公報の段落0130〜0133に開示されている、フェノール系酸化防止剤)、特開2006−330098号公報や特許3577743号公報に記載の、放射線の照射により酸を生成し、塩基性が低下するか若しくは中性となる化合物などを適宜含有してもよい。
[9]レジスト膜及びパターン形成方法
本発明のレジスト膜は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されてなる。より具体的には、基板上に塗布されて形成されることが好ましい。本発明のレジスト膜の膜厚は、0.05〜4.0μmが好ましい。基板としては、半導体作成で用いられる各種基板が選択可能である。
本発明のレジスト膜は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されてなる。より具体的には、基板上に塗布されて形成されることが好ましい。本発明のレジスト膜の膜厚は、0.05〜4.0μmが好ましい。基板としては、半導体作成で用いられる各種基板が選択可能である。
レジストの下層に反射防止膜を設けてもよい。反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
また、必要に応じて、レジストの上層に反射防止膜を用いることが出来る。
反射防止膜としては、たとえば、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 AQUATAR−II、AQUATAR−III、AQUATAR−VIIなどが挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
また、必要に応じて、レジストの上層に反射防止膜を用いることが出来る。
反射防止膜としては、たとえば、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 AQUATAR−II、AQUATAR−III、AQUATAR−VIIなどが挙げられる。
本発明のパターン形成方法は、前記レジスト膜を露光する工程、及び露光した膜を現像する工程を含む。露光後、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像し、良好なパターンを得ることができる。
より詳細には、精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆基板、ガラス基板、ITO基板、石英/酸化クロム被覆基板等)上に、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、レジスト膜を形成し、次にKrFエキシマレーザー光、電子線、EUV光などの活性光線又は放射線を照射し、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
より詳細には、精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆基板、ガラス基板、ITO基板、石英/酸化クロム被覆基板等)上に、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布し、レジスト膜を形成し、次にKrFエキシマレーザー光、電子線、EUV光などの活性光線又は放射線を照射し、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
現像において使用するアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液(通常0.1〜20質量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド(TMAH)、コリンである。
アルカリ現像液のpHは通常10〜15である。
これらの現像液の中で好ましくは第四級アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド(TMAH)、コリンである。
アルカリ現像液のpHは通常10〜15である。
露光光源となる活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子線、EUV等であり、KrF、電子線、X線又はEUVの照射により露光されることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
(合成例1)樹脂6の合成
2Lフラスコにエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gをいれ、100mL/minの流量で一時間窒素置換した。また、4−アセトキシスチレン105.4g(0.65mol)、t−ブチルメタクリレート35.6g(0.25mol)、ベンジルメタクリレート17.6g(0.10mol)、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)1.73g(0.0075mol)をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート200gに溶解し、得られた溶液を上記と同様に窒素置換した。
2Lフラスコにエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gをいれ、100mL/minの流量で一時間窒素置換した。また、4−アセトキシスチレン105.4g(0.65mol)、t−ブチルメタクリレート35.6g(0.25mol)、ベンジルメタクリレート17.6g(0.10mol)、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)1.73g(0.0075mol)をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート200gに溶解し、得られた溶液を上記と同様に窒素置換した。
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの入った2Lフラスコを、内温が80℃になるまで昇温した後、更に重合開始剤V−601 1.73g(0.0075mol)を添加し、5分間攪拌した。その後、上記モノマー混合溶液を攪拌しながら6時間かけて滴下した。滴下後、2時間更に加熱攪拌した後、反応溶液を室温まで冷却し、ヘキサン3L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン500mlに溶解し、再度ヘキサン3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥して、4−アセトキシスチレン/t−ブチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体151gを得た。
反応容器中に上記で得られた重合体40.00g、メタノール40ml、1−メトキシ−2−プロパノール200ml、濃塩酸1.5mlを加え、80℃に加熱して5時間攪拌した。反応溶液を室温まで放冷し、蒸留水3L中に滴下した。ろ過した固体をアセトン200mlに溶解し、再度蒸留水3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥して樹脂6を35.5g得た。GPCによる重量平均分子量は24500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.49であった。
(合成例2)樹脂10の合成
2Lフラスコにエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gをいれ、100mL/minの流量で一時間窒素置換した。また、4−アセトキシスチレン105.4g(0.65mol)、t−ブチルメタクリレート35.6g(0.25mol)、フェニルメタクリレート16.0g(0.10mol)、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)2.30g(0.01mol)をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート200gに溶解し、得られた溶液を上記と同様に窒素置換した。
2Lフラスコにエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gをいれ、100mL/minの流量で一時間窒素置換した。また、4−アセトキシスチレン105.4g(0.65mol)、t−ブチルメタクリレート35.6g(0.25mol)、フェニルメタクリレート16.0g(0.10mol)、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)2.30g(0.01mol)をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート200gに溶解し、得られた溶液を上記と同様に窒素置換した。
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの入った2Lフラスコを、内温が80℃になるまで昇温した後、更に重合開始剤V−601 2.30g(0.01mol)を添加し、5分間攪拌した。その後、上記モノマー混合溶液を攪拌しながら6時間かけて滴下した。滴下後、2時間更に加熱攪拌した後、反応溶液を室温まで冷却し、ヘキサン3L中に滴下しポリマーを沈殿させた。ろ過した固体をアセトン500mlに溶解し、再度ヘキサン3L中に滴下、ろ過した固体を減圧乾燥して、4−アセトキシスチレン/t−ブチルメタクリレート/フェニルメタクリレート共重合体149gを得た。
上記で得られた重合体40.00gをテトラヒドロフラン200mlに溶解させた後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液5mlを加え1時間室温下で攪拌した後、蒸留水を添加しポリマーを沈殿させた。沈殿物を蒸留水で洗浄したのち、減圧下乾燥させた。ポリマーを酢酸エチル100mlに溶解させた後、ヘキサンを加え沈殿したポリマーを減圧乾燥にて粉体として、樹脂10を35.1g得た。GPCによる重量平均分子量は23500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.50であった。
用いるモノマーを変更する以外は、上記合成例1・合成例2と同様の方法で表1に示す、下記構造を例示した樹脂を合成した。なお、樹脂の組成比、重量平均分子量、及び分散度は目標とする値に対し、モノマーの仕込み比、開始剤の仕込み量、反応温度などにより適宜調整する事が出来る。樹脂の組成比、重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)を表1に示す。表1中の組成比(モル比)は、下記樹脂の構造における左からの繰り返し単位の順である。
[感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製]
樹脂、酸発生剤、塩基性化合物、界面活性剤及び必要に応じて糖類誘導体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略す)、乳酸エチル(以下、ELと略す)、エチルエトキシプロピオネート(以下、EEPと略す)の混合溶剤又は単独溶剤に溶解させ、固形分濃度10.0質量%の溶液を調製した後、得られた溶液を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、ポジ型レジスト溶液(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)を得た。
以下、表2に、評価に使用したレジスト溶液を示す。ここで、溶剤以外の各成分の使用量(質量%)は、溶剤を除いた固形分に対する質量%を意味する。溶剤については、PGMEAとPGMEとELとEEPとの混合比(質量%)を示す。
樹脂、酸発生剤、塩基性化合物、界面活性剤及び必要に応じて糖類誘導体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略す)、乳酸エチル(以下、ELと略す)、エチルエトキシプロピオネート(以下、EEPと略す)の混合溶剤又は単独溶剤に溶解させ、固形分濃度10.0質量%の溶液を調製した後、得られた溶液を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、ポジ型レジスト溶液(感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物)を得た。
以下、表2に、評価に使用したレジスト溶液を示す。ここで、溶剤以外の各成分の使用量(質量%)は、溶剤を除いた固形分に対する質量%を意味する。溶剤については、PGMEAとPGMEとELとEEPとの混合比(質量%)を示す。
(酸発生剤)
(有機塩基性化合物)
BS−11:ジシクロヘキシルメチルアミン
BS−11:ジシクロヘキシルメチルアミン
(界面活性剤)
E−1:PF636(OMNOVA社製)
E−2:PF6320(OMNOVA社製)
E−3:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
E−4:フロラードFC430(住友スリーエム(株)製)
E−1:PF636(OMNOVA社製)
E−2:PF6320(OMNOVA社製)
E−3:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
E−4:フロラードFC430(住友スリーエム(株)製)
〔パターン作製及び評価〕
上記のように調製したポジ型レジスト液を東京エレクトロン製スピンコーターMark8を利用して、膜厚60nmの反射防止層(ブリューワーサイエンス社製DUV32)を設けたシリコンウエハー上に均一に塗布し、130℃60秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.4μmのポジ型レジスト膜を形成した。この積層膜に対し、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製、PAS5500/850C,波長248nm)を用いて、NA=0.68、σ=0.60の露光条件でコンタクトホールパターンマスクを適用し露光した。露光後に140℃、60秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥し、直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを得た。得られたパターンを下記の方法で評価した。結果を表3に示す。
上記のように調製したポジ型レジスト液を東京エレクトロン製スピンコーターMark8を利用して、膜厚60nmの反射防止層(ブリューワーサイエンス社製DUV32)を設けたシリコンウエハー上に均一に塗布し、130℃60秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.4μmのポジ型レジスト膜を形成した。この積層膜に対し、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製、PAS5500/850C,波長248nm)を用いて、NA=0.68、σ=0.60の露光条件でコンタクトホールパターンマスクを適用し露光した。露光後に140℃、60秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥し、直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを得た。得られたパターンを下記の方法で評価した。結果を表3に示す。
(EDW)
上記と同様にして得た直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にホールの直径の±10%を許容する露光量幅を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製S−8840)を用いて求め、この値を最適露光量で割って百分率表示して露光ラチチュード(EL)の値とした。一方、直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成するフォーカスを最適フォーカスとし、露光量は前記最適露光量としたまま、フォーカスを変化(デフォーカス)させた際に、ホールの直径の±10%を許容するフォーカスの幅をデフォーカス余裕度(DOF)とした。それら露光ラチチュード(EL)の結果とデフォーカス余裕度(DOF)の結果からEDW数値をProData(KLAテンコール社製)を用いて算出した。数値が大きいほどマージンが大きく良好である。
上記と同様にして得た直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にホールの直径の±10%を許容する露光量幅を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製S−8840)を用いて求め、この値を最適露光量で割って百分率表示して露光ラチチュード(EL)の値とした。一方、直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成するフォーカスを最適フォーカスとし、露光量は前記最適露光量としたまま、フォーカスを変化(デフォーカス)させた際に、ホールの直径の±10%を許容するフォーカスの幅をデフォーカス余裕度(DOF)とした。それら露光ラチチュード(EL)の結果とデフォーカス余裕度(DOF)の結果からEDW数値をProData(KLAテンコール社製)を用いて算出した。数値が大きいほどマージンが大きく良好である。
(側壁垂直性)
上記と同様にして得られた直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンの断面形状を断面SEMにより観察し、側面がほぼ垂直に切り立っているものをAとし、ややテーパー状になっているものをB、かなりテーパー形状になっているものをC、逆テーパー形状になっているものをDとした。
上記と同様にして得られた直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンの断面形状を断面SEMにより観察し、側面がほぼ垂直に切り立っているものをAとし、ややテーパー状になっているものをB、かなりテーパー形状になっているものをC、逆テーパー形状になっているものをDとした。
(サイドローブ耐性)
直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成する露光量を最適露光量とし、そのときのコンタクトホール周辺の未露光部分の膜表面状態を走査型電子顕微鏡(日立社製S−8840)により観察した。
前記最適露光量から露光量を変化させた際にサイドローブが観察される直前の露光量を最適露光量で除した値をサイドローブ耐性の指標とした。数字が大きいほどサイドローブ耐性が良好である。なお、コンタクトホール間にわずかに観察される窪み状の表面荒れがモレ光により露光されたサイドローブであり、過露光部にて観察された。
直径150nm、ピッチ300nm(ハーフピッチ150nm)のコンタクトホールパターンを形成する露光量を最適露光量とし、そのときのコンタクトホール周辺の未露光部分の膜表面状態を走査型電子顕微鏡(日立社製S−8840)により観察した。
前記最適露光量から露光量を変化させた際にサイドローブが観察される直前の露光量を最適露光量で除した値をサイドローブ耐性の指標とした。数字が大きいほどサイドローブ耐性が良好である。なお、コンタクトホール間にわずかに観察される窪み状の表面荒れがモレ光により露光されたサイドローブであり、過露光部にて観察された。
(塗布性(ウェハ面内均一性))
得られたレジストパターンを光学式膜厚計(VM−3110(大日本スクリーン社製))にて8インチシリコンウエハのウェハ面内の30点を測定した。
平均値から一番大きく離れた膜厚と平均膜厚を引いた値をウェハ面内均一性とした。
数値が小さいほど良好である。
得られたレジストパターンを光学式膜厚計(VM−3110(大日本スクリーン社製))にて8インチシリコンウエハのウェハ面内の30点を測定した。
平均値から一番大きく離れた膜厚と平均膜厚を引いた値をウェハ面内均一性とした。
数値が小さいほど良好である。
(Blob欠陥数)
得られたコンタクトホールパターンについて未露光部分の膜表面状態を、ケー・エル・エー・テンコール社製の欠陥検査装置KLA2360(商品名)を用い、欠陥検査装置のピクセルサイズを0.16μmに、また閾値を20に設定して、ランダムモードで測定し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出される現像欠陥を検出して、単位面積(1cm2)あたりの現像欠陥数を算出した。算出にあたっては、SEMVisionG3(アピライドマテリアルズ社製)にて欠陥SEM観察を行い、目視にて欠陥分類を実施し、Blob欠陥の個数を求めた。
得られたコンタクトホールパターンについて未露光部分の膜表面状態を、ケー・エル・エー・テンコール社製の欠陥検査装置KLA2360(商品名)を用い、欠陥検査装置のピクセルサイズを0.16μmに、また閾値を20に設定して、ランダムモードで測定し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出される現像欠陥を検出して、単位面積(1cm2)あたりの現像欠陥数を算出した。算出にあたっては、SEMVisionG3(アピライドマテリアルズ社製)にて欠陥SEM観察を行い、目視にて欠陥分類を実施し、Blob欠陥の個数を求めた。
表3に示した結果から明らかなように、本発明に係る塩基性化合物を用いていない比較例1、2はいずれも、EDW、側壁垂直性、サイドローブ耐性、塗布性、Blob欠陥数のいずれも劣っていることがわかる。
これに対し、本発明に係る塩基性化合物を用いた実施例1〜16はいずれも、EDW、側壁垂直性、サイドローブ耐性、塗布性、Blob欠陥数のいずれも優れていることがわかる。特に、PGMEAとEEPとの混合溶剤を使用した実施例1〜6、9〜11、13、15及び16は塗布性が優れていることがわかる。
また、弱塩基性である本発明の塩基性化合物を適用することにより、強塩基性の化合物を適用した場合と比較して、発生酸が膜中で有効に均一に作用することにより、膜表面近傍に酸が偏在的に作用する事がなくなり、結果としてサイドローブ耐性が良化すると推測される。
これに対し、本発明に係る塩基性化合物を用いた実施例1〜16はいずれも、EDW、側壁垂直性、サイドローブ耐性、塗布性、Blob欠陥数のいずれも優れていることがわかる。特に、PGMEAとEEPとの混合溶剤を使用した実施例1〜6、9〜11、13、15及び16は塗布性が優れていることがわかる。
また、弱塩基性である本発明の塩基性化合物を適用することにより、強塩基性の化合物を適用した場合と比較して、発生酸が膜中で有効に均一に作用することにより、膜表面近傍に酸が偏在的に作用する事がなくなり、結果としてサイドローブ耐性が良化すると推測される。
Claims (10)
- 前記式(I)で表される繰り返し単位、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される繰り返し単位の含有率が、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、それぞれ、45〜80モル%、15〜50モル%、及び5〜20モル%であることを特徴とする請求項3に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 一般式(IV)におけるZで表されるヘテロ環基が、5員又は6員の含窒素へテロ環であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- さらに、(D)酸の作用により分解しアルコール性水酸基を発生する糖類誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとアルキルアルコキシカルボキシレートの混合溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線による露光用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
- 請求項9に記載のレジスト膜を露光する工程、及び露光した膜を現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010138513A JP2012003070A (ja) | 2010-06-17 | 2010-06-17 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに該組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法 |
US13/095,023 US20110269071A1 (en) | 2010-04-28 | 2011-04-27 | Actinic ray-sensitive or radiation-sensitive resin composition, chemical amplification resist composition, and resist film and pattern forming method using the composition |
TW100114912A TWI548688B (zh) | 2010-04-28 | 2011-04-28 | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、化學增幅型抗蝕劑組成物、使用該組成物的抗蝕劑膜及其圖案形成方法 |
KR1020110040208A KR101658411B1 (ko) | 2010-04-28 | 2011-04-28 | 감활성광선성 또는 감방사선성 수지 조성물, 화학 증폭형 레지스트 조성물, 이들 조성물을 사용한 레지스트막 및 패턴 형성 방법 |
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