JP2012001536A - 酸化オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素を実質的に用いることなく、オレフィンと、酸素とを反応させて酸化オレフィンを製造する方法を提供すること。
【解決手段】銀と、チタンと、ランタノイド元素と、を含む触媒の存在下、
オレフィンと、酸素と、を反応させる工程を備える酸化オレフィンの製造方法を提供する。この触媒は、ランタノイド元素を含む化合物及びチタン化合物から第1の複合体を得る工程と、該第1の複合体を熱処理して第2の複合体を得る工程と、該第2の複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合する工程とを有する調製方法により得られたものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化オレフィンの製造方法に関する。
酸化オレフィンの製造方法として、オレフィンを酸化させる工程を備えた方法が知られている。例えば、特許文献1には、硝酸銀及び二酸化チタンから調製された触媒を装填した固定床流通反応器を準備し、この固定床流通反応器に、水素、酸素及びオレフィン(プロピレン)を含み、水素及び酸素がほぼ同体積量である混合ガスを供給することにより、固定床流通反応器内でオレフィンを酸化させ、酸化オレフィン(酸化プロピレン)を製造するという方法が記載されている。
特表2002−516591号公報(実施例)
特許文献1の製造方法では、酸素とほぼ同体積量の水素を含む混合ガスが用いられる。したがって、かかる製造方法を実施するためには、酸素と水素とから生じ得る燃焼反応を防止するための安全対策等を講じる必要がある。
本発明者らは、水素を実質的に用いることなく、オレフィンと、酸素とを反応させて酸化オレフィンを製造する方法について鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
<1>銀と、
チタンと、
ランタノイド元素と、
を含む触媒の存在下、
オレフィンと、酸素と、を反応させる工程を有する酸化オレフィンの製造方法、
を提供する。なお、以下の説明においては、前記触媒を場合により、「本銀触媒」ということがあり、前記工程でのオレフィン及び酸素の反応を場合により、「本反応」ということがある。また、この酸化オレフィンの製造方法を場合により、「本製造方法」という。
さらに、本発明は前記<1>の具体的な実施態様として、
<2>前記ランタノイド元素が、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる、前記<1>記載の製造方法
<3>前記触媒が、以下の第1工程、第2工程及び第3工程を含む調製方法により得られるものである、前記<1>又は前記<2>記載の製造方法
第1工程:ランタノイド元素を含む化合物と、チタン化合物とを混合することにより、第1の複合体を得る工程;
第2工程:前記第1の複合体を熱処理して、第2の複合体を得る工程;
第3工程;前記第2の複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することにより、第3の複合体を得る工程
<4>前記調製方法が、以下の第4工程をさらに含む、前記<3>記載の製造方法
第4工程:前記第3の複合体を還元処理することにより第4の複合体を得る工程
<5>前記チタン化合物が酸化チタンである、前記<3>又は前記<4>記載の製造方法
<6>前記酸化チタンが、ルチル構造である、前記<5>記載の製造方法
<7>前記ランタノイド元素を含む化合物が塩である、前記<3>〜<6>の何れか記載の製造方法
<8>前記第3工程が、銀塩及び銀酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記第2工程で得られる前記第2の複合体とを混合することにより、前記第3の複合体を得る工程である、前記<3>〜<7>の何れか記載の製造方法
<9>前記工程が、さらに有機ハロゲン化合物の存在下で、オレフィンと、酸素とを反応させる工程である、前記<1>〜<8>の何れか記載の製造方法
<10>前記工程が、さらに水の存在下で、オレフィンと、酸素とを反応させる工程である、前記<1>〜<9>の何れか記載の製造方法
<11>前記オレフィンがプロピレンである、前記<1>〜<10>の何れか記載の製造方法、
を提供する。
本発明によれば、水素を実質的に用いることなく、オレフィンと、酸素とから酸化オレフィンを製造することができる。
図1は、実施例1で得られた触媒の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。横軸は、回折角(2θ)を示し、縦軸は、ピーク強度を示す。
<本銀触媒>
本銀触媒は、銀と、チタンと、ランタノイド元素とを含む。本銀触媒に含まれる銀は、ゼロ価(無電荷)の形態であってもよく、電荷を有している形態でもよく、電荷を有している形態とゼロ価の形態とが混在していてもよい。一方、チタン及びランタノイド元素については、電荷を有している形態で、又は電荷を有している形態とゼロ価の形態とが混在して、含まれていると好ましい。電荷を有している形態のチタン及び電荷を有している形態のランタノイ元素を含む本銀触媒は、後述する好適な調製方法により調製することができる。
前記ランタノイド元素とは、ランタン(原子番号:57)、セリウム(原子番号:58)、プラセオジム(原子番号:59)、ネオジム(原子番号:60)、プロメチウム(原子番号:61)、サマリウム(原子番号:62)、ユウロピウム(原子番号:63)、ガドリニウム(原子番号:64)、テルビウム(原子番号:65)、ジスプロシウム(原子番号:66)、ホルミウム(原子番号:67)、エルビウム(原子番号:68)、ツリウム(原子番号:69)、イッテルビウム(原子番号:70)及びルテチウム(原子番号:71)であり、これらの中でも、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれるランタノイド元素が好ましい。ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれるランタノイド元素を含む本銀触媒を用いると、本反応の過程での副反応が抑制される傾向がある。その結果、副生物の生成が抑制され、選択的に酸化オレフィンを製造できるという効果もある。より選択的に酸化オレフィンを製造できるという点では、ランタン、プラセオジム、ネオジム、ホルミウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれるランタノイド元素がさらに好ましい。
本銀触媒は、上述のランタノイド元素に加え、銀及びチタンを含む。本銀触媒中のチタンは、少なくとも一部が二酸化チタン等のチタン酸化物の形態で含まれていることが好ましい。また、銀は、ゼロ価の状態で、チタン酸化物の表面上に分散している形態で含まれていると、本銀触媒として好適である。なお、銀がゼロ価の状態で、チタン酸化物の表面上に分散している形態で含まれていることは、本銀触媒を走査型電子顕微鏡で観察する等により確認できる。
本銀触媒は、以下の第1工程、第2工程及び第3工程を含む調製方法により調製されたものが好ましい。
第1工程:ランタノイド元素を含む化合物と、チタン化合物とを混合することにより、第1の複合体を得る工程;
第2工程:前記第1の複合体を熱処理して、第2の複合体を得る工程;
第3工程;前記第2の複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することにより、第3の複合体を得る工程
以下、本銀触媒の調製方法として好適なものについて詳細に説明する。なお、この調製方法を場合により、「本調製方法」といい、前記第1の複合体、前記第2の複合体及び前記第3の複合体の各々を、以下、「第1複合体」、「第2複合体」、及び「第3複合体」といい、前記ランタノイド元素を含む化合物を「ランタノイド元素化合物」という。
本調製方法の第1工程として、ランタノイド元素化合物と、チタン化合物とを混合することにより、第1複合体を得る。
かかるランタノイド元素化合物としては、ランタノイド元素を含む塩、及びランタノイド元素を含む酸化物等が挙げられ、これらの中でも、ランタノイド元素を含む塩が好ましい。このような塩としては、塩化ランタン、塩化セリウム、塩化プラセオジム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化ホルミウム及び塩化イッテルビウムといった塩化物;臭化ランタン、臭化セリウム、臭化プラセオジム、臭化ネオジム、臭化サマリウム、臭化ホルミウム及び臭化イッテルビウムといった臭化物;ヨウ化ランタン、ヨウ化セリウム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化サマリウム、ヨウ化ホルミウム及びヨウ化イッテルビウムといったヨウ化物;硝酸ランタン、硝酸セリウム、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、硝酸サマリウム、硝酸ホルミウム及び硝酸イッテルビウムといった硝酸塩;酢酸ランタン、酢酸セリウム、酢酸プラセオジム、酢酸ネオジム、酢酸ホルミウム及び酢酸イッテルビウムといった酢酸塩;炭酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸プラセオジム、炭酸ネオジム、炭酸サマリウム及び炭酸イッテルビウムといった炭酸塩等が挙げられるが、中でも、後述する本調製方法の第2工程において、熱処理時に第1複合体から揮発成分(例えば、金属原子を含む塩のアニオン成分等)を除去することが容易になることから、ランタノイド元素を含む硝酸塩、ランタノイド元素を含む酢酸塩、及びランタノイド元素を含む炭酸塩が好ましい。ここに例示する好適な塩は、後述する本調製方法の第2工程において、アニオン成分を、窒素、窒素酸化物ガス、炭酸ガス、水蒸気といった形態で揮発させることにより、第1複合体からの除去が容易となる。
第1工程におけるチタン化合物及びランタノイド元素化合物の使用量比は、チタン化合物100重量部に対する金属元素化合物の使用量で表して、0.001〜5重量部の範囲であることが好ましく、0.01〜3重量部の範囲であることがさらに好ましい。
前記チタン化合物としては、酸化チタン及び二酸化チタン等の酸化物;塩化チタン、臭化チタン及びヨウ化チタン等のハロゲン化物;チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソブトキシド及びチタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシドが挙げられ、上述のとおり、これらの中では酸化物が好ましく、二酸化チタンが特に好ましい。また、この酸化物の結晶形は特に限定されることはなく、酸化チタン(特に、二酸化チタン)を用いる場合、アナターゼ構造の酸化チタン、ルチル構造の酸化チタン又はこれら2つの混合物を使用できるが、酸化チタンを用いる場合には、ルチル構造の酸化チタンを用いることが好ましく、前記第1工程に用いる酸化チタンの実質的に全部が、ルチル構造であることが特に好ましい。
第1工程において、ランタノイド元素化合物と、チタン化合物との混合は、溶媒の存在下で行われることが好ましい。かかる溶媒としては、水、有機溶媒又は、水及び有機溶媒の混合溶媒(水/有機溶媒混合溶媒)が挙げられる。ここでいう有機溶媒を具体的に例示すると、メタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン及びヘキサン等の炭化水素類;等が挙げることができる。ランタノイド元素化合物及びチタン化合物のうち少なくとも一方が溶解し易いという点で、水又は水/有機溶媒混合溶媒が好ましく、水が特に好ましい。
前記第1工程に用いる好ましい組み合わせとしては、ランタノイド元素化合物として、ランタノイド元素を含む塩を、チタン化合物として二酸化チタンを、溶媒として水を用いるものである。以下、このような好ましい組み合わせを例にとり、第1複合体を得る第1工程の一実施態様について詳述する。
まず、ランタノイド元素を含む塩を水に溶解し、塩水溶液を調製する。続いて、この塩水溶液と二酸化チタンとを混合する。この塩水溶液における塩(金属元素を含む塩)の濃度は、用いた塩の種類に応じて適切な範囲に調節できるが、重量濃度で表して、0.01〜50重量%の範囲であると好ましい。なお、この塩水溶液の調製には、2種以上の塩を用いることもでき、この場合は、用いた2種以上の塩の合計重量濃度が前記の範囲であればよい。また、この塩水溶液を調製する際には、ランタノイド元素を含む塩及び水を混合した後、必要に応じて加熱又は冷却してもよく、その際の温度は0〜100℃の範囲から調節できる。また、溶解後にわずかに残存する未溶解分を取り除くため、濾過等を行ってもよい。
前記塩水溶液と二酸化チタンとを混合する際の温度としては、0〜150℃の範囲から選ばれ、10〜80℃の範囲が好ましい。混合時間は、0.1〜10時間の範囲から、混合時の温度に応じて調節できる。
かくして得られる混合物は、溶媒である水の中に、第1複合体が分散又は析出した形態となる。続いて、濾過操作等の固液分離操作により、第1複合体と水とを分離したり、減圧蒸留等の蒸留操作により、水等の揮発成分を除去したりすることにより、該混合物から、溶媒である水を分離して、第1複合体を得る。該混合物から第1複合体を分離するために、固液分離操作及び蒸留操作を組み合わせて行ってもよい。なお、濾過操作により、第1複合体と、水とを分離した場合には、濾過して得られた固形状の第1複合体を、必要に応じて、適切な溶媒を用いて洗浄(例えば、水を用いて水洗)してもよい。また、濾過操作により得られる第1複合体を、減圧乾燥等を行うことにより乾燥してもよい。
以上、本調製方法の第1工程の一実施形態について説明したが、用いるランタノイド元素化合物が水等の溶媒に不溶又は難溶である場合には、このランタノイド元素化合物と溶媒とを混合して、分散液を調製すればよい。そして、前記塩水溶液を、該分散液に置き換えて、既に説明したとおりに、第1工程を行えば、溶媒に不溶又は難溶のランタノイド元素化合物を用いた場合にも、第1複合体を得ることができる。
続いて、第1工程で得られた第1複合体を熱処理して、第2複合体を得る(本調製方法の第2工程)。この熱処理は、処理温度の下限が250℃以上の熱処理であることが好ましく、該処理温度の下限は300℃以上がより好ましい。また、該処理温度の上限は、第1工程で用いた、チタン化合物の種類、このチタン化合物に含まれることもある不純物の種類及びその量に応じて調節することができるが、1000℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。なお、チタン化合物が例えば、酸化チタン等であるとき、この酸化チタン等の比表面積に応じて、該処理温度の上限を調節することもある。
第2工程における熱処理は例えば、以下のようにして実施できる。第1複合体を適当な耐熱容器に収容し、第1複合体を耐熱容器ごと焼成炉内に入れ、当該焼成炉を所定の処理温度に昇温する。もちろん、予め所定の処理温度に保持された焼成炉に、第1複合体を収容した耐熱容器を入れてもよい。熱処理の処理時間(熱処理時間)は、処理温度等に応じて、0.1〜20時間の範囲から調節される。なお、この熱処理は、酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム及びアルゴンのうち、いずれの雰囲気ガスの存在下でも実施できるし、これらから選ばれる2種以上を混合した雰囲気ガス(例えば、空気等)の存在下でも実施できる。これらの中でも、該雰囲気ガスは、空気又は酸素が好ましく、空気がより好ましい。所定の熱処理時間が経過した後、必要に応じて冷却する。このようにして第2複合体を得ることができる。
次に、第2工程で得られた第2複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することにより、第3複合体を得る(本調製方法の第3工程)。この第3工程においては、溶媒の存在下に、第2複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することが好ましく、この溶媒としては、第1工程に用いる溶媒として例示したものと同じものを例示することができる。
第3工程では、金属銀、銀化合物又はこれらの混合物を用いることができるが、これらのうち銀化合物を用いることが好ましい。該銀化合物としては、例えば、酸化銀等の酸化物;炭酸銀、硝酸銀、硫酸銀、シアン化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、酢酸銀、安息香酸銀及び乳酸銀等の銀塩;アセチルアセトナート銀等の銀錯体が挙げられ、中でも、酸化物及び/又は銀塩が好ましく、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀又はこれらから選ばれる2種以上の混合物がさらに好ましく、硝酸銀が特に好ましい。
以下、溶媒を用い、前記第2複合体と銀化合物とを混合する場合の第3工程について詳述する。まず、溶媒と、銀化合物と、から銀化合物溶液を調製する。ここでいう溶媒を以下、「銀化合物溶液調製用の溶媒」ということがある。なお、この銀化合物溶液調製用の溶媒には、酸、含窒素化合物又はこれらの混合物を添加してもよい。
銀化合物溶液調製用の溶媒に添加できる酸は、無機酸、有機酸のいずれでもよい。該無機酸としては例えば、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸及び過塩素酸等が挙げられる。該有機酸としては例えば、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸及び酒石酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、ジカルボキシベンゼン、トリカルボキシベンゼン、ジカルボキシナフタレン及びジカルボキシアントラセン等の芳香族カルボン酸が挙げられる。これらの中でも有機酸が好ましく、脂肪族カルボン酸がさらに好ましく、シュウ酸及びクエン酸が特に好ましい。銀化合物溶液調製用の溶媒に酸を添加する場合、酸の使用量は、用いる銀化合物に含まれる銀1モルに対して、0.1〜10モルの範囲であると好ましい。なお、銀化合物として複数種を用いる場合には、これらに含まれる銀の合計1モルに対して、酸の使用量を0.1〜10モルの範囲とすればよい。
銀化合物溶液調製用の溶媒に添加できる含窒素化合物としては、例えば、アミン化合物、イミン化合物、アミド化合物、有機基を有するヒドラジン化合物、ニトリル化合物、ニトロ化合物及びニトロソ化合物等の含窒素有機化合物;アンモニア、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン及びヒドロキシアミン等の含窒素無機化合物;第四級アンモニウム塩等が挙げられる。この含窒素化合物としてはアミン化合物が好ましい。なお、アミン化合物は、アミン塩酸塩及びアミン酢酸塩等の酸付加塩であってもよい。含窒素化合物を銀化合物溶液調製用の溶媒に添加する場合、含窒素化合物の使用量は、用いる銀化合物に含まれる銀1モルに対して、0.1〜20モルの範囲が好ましい。なお、銀化合物として複数種を用いる場合には、これらに含まれる銀の合計1モルに対して、含窒素化合物の使用量を0.1〜20モルの範囲とすればよい。
前記アミン化合物は例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン、ベンジルアミン及びフェニレンジアミン等の炭素数1〜20の脂肪族アミンもしくは炭素数6〜20の芳香族アミン;グリシン等のアミノ酸等が挙げられる。
前記イミン化合物は例えば、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジン等が挙げられる。
前記アミド化合物は例えば、アセトアミド及びベンズアミド等が挙げられる。
前記ヒドラジン化合物は例えば、メチルヒドラジン及びフェニルヒドラジン等が挙げられる。
前記ニトリル化合物は例えば、ベンゾニトリル及びブチロニトリル等が挙げられる。
前記ニトロ化合物は例えば、ニトロベンゼン及びニトロピリジン等が挙げられる。
前記ニトロソ化合物は例えば、ニトロソジメチルアニリン及びニトロソナフトール等が挙げられる。
前記第四級アンモニウム塩は、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等の第四級アンモニウム水酸化物;例えば塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム及び臭化テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウムハロゲン化物;等が挙げられる。
かくして調製された銀化合物溶液と、前記第2工程を経て得られた第2複合体と、を混合することにより、銀化合物と、第2複合体と、を混合する。好ましくは、第2複合体も、適当な溶媒に分散せしめて、第2複合体分散液を得た後、この第2複合体分散液と、銀化合物溶液と、を混合することが好ましい。かかる第2複合体分散液の調製用の溶媒と、銀溶液調製用の溶媒とは、互いに混和するもの同士を用いることが好ましい。銀化合物溶液調製用の溶媒として水を用いた場合には、第2複合体分散液の調製用の溶媒も水が好ましい。また、第2複合体分散液の調製用の溶媒には、酸又はアルカリを添加することができる。酸としては、銀化合物溶液調製用の溶媒に任意に添加できる酸として例示したものと同じものが使用できる。アルカリとしては、銀化合物溶液調製用の溶媒に任意に添加できる含窒素化合物として例示したもののうち、アルカリ性を有するもの、すなわち、アミン化合物、イミン化合物、ヒドラジン又はヒドラジン化合物、アンモニア、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン及び水酸化アンモニウム等が使用可能であり、含窒素化合物以外ではアルカリ金属水酸化物等も使用できる。これら酸及びアルカリは、該第2複合体分散液の調製用に用いる溶媒の種類等により適宜、最適なものを選択することができる。
銀化合物溶液と、第2複合体分散液との混合方法は特に制限されないが、両者のうち一方を、他方に少量ずつ添加しながら混合することが好ましく、第2複合体分散液に、銀化合物溶液を滴下する混合方法がさらに好ましい。
銀化合物溶液及び第2複合体分散液を混合する際の温度は、0〜100℃の範囲から選ばれる。なお、第2複合体分散液に銀化合物溶液を滴下する場合には、この温度範囲を保持しながら、滴下速度を調節すればよい。滴下終了後は0.1〜10時間程度攪拌することが好ましい。
第3工程における銀化合物と第2複合体との使用量比は、本銀触媒中に含まれる銀の含有量(銀含有量)が後述する最適な範囲になるようにして決定される。好ましくは、銀化合物に含まれる銀の重量を基準に対して、第2複合体が0.1〜200重量倍の範囲とする。
第3工程で得られる混合物、すなわち第3複合体を含む混合物は、該第3複合体が溶媒に分散又は析出した形態となる。なお、この溶媒は、銀化合物溶液及び第2複合体分散液の調製に各々用いた溶媒が混合された混合溶媒である。以下、この第3工程で得られる混合物を「第3工程混合物」という。第3工程混合物は、続いて、濾過操作等の固液分離操作により、この溶媒と第3複合体とを分離したり、減圧蒸留等の蒸留操作により、溶媒等の揮発成分を除去したりすることにより、溶媒を分離して、第3複合体を固形状で得ることができる。第3工程混合物から第3複合体を分離するために、固液分離操作及び蒸留操作を組み合わせて行ってもよい。第3複合体と溶媒とを分離して得られた固形状の第3複合体を、必要に応じて、適切な溶媒を用いて洗浄(例えば、水を用いて水洗)してもよい。また、この固形状の第3複合体を、減圧乾燥等を用いて、乾燥してもよい。第3工程で得られる第3工程混合物にアルカリ金属分が含まれている場合には、この第3工程混合物から取り出した固形状の第3複合体を、溶媒を用いて十分洗浄する等により、該第3複合体に含まれるアルカリ金属分(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム等)の混入量を低減することが好ましい。その理由は、アルカリ金属分が混入していると、本銀触媒の触媒活性を低下させる傾向があるためである。このように必要に応じて、洗浄等を行うことにより、アルカリ金属分が実質的に混入されていない第3複合体を得ることができる。そして、アルカリ金属分が実質的に混入されていない第3複合体は本銀触媒として、好ましく用いることができる。なお、ここでいうアルカリ金属分が実質的に混入されていない第3複合体とは、後述するように、第3複合体中の銀含有量をICP発光分析法やXRF分析法を用いて求めたとき、アルカリ金属分の含有量がこれらの分析法の検出下限以下であることを意味する。第3複合体の総重量に対する、アルカリ金属分の含有量は1500重量ppm以下がさらに好ましい。
以上説明した、第1工程、第2工程及び第3工程を含む本調製方法で得られる第3複合体は、そのまま又は必要に応じて成型等を行ってから、本銀触媒として使用できる。また、後述する本反応の触媒活性を、より高めるためには、さらに以下の第4工程を実施することが好ましい。
第4工程:第3工程で得られた第3複合体を還元処理することにより第4の複合体を得る工程
以下、この第4工程を場合により、「本調製方法の第4工程」といい、前記第4の複合体を「第4複合体」という。
上記のとおり、第3工程で得られる第3工程混合物には、前記銀化合物溶液等の調製に用いた溶媒が含まれている。該第3工程混合物を、そのまま第4工程の還元処理に供することもできるし、溶媒を分離して第3複合体を固形状で取り出した後、この固形状の第3複合体を還元処理に供することもできる。また、既に説明したとおり、第3工程混合物から取り出した固形状の第3複合体は、洗浄等によりアルカリ金属分の混入量を低減することが好ましい。かかる洗浄の際には、銀化合物溶液調製に用いた溶媒と同じものを洗浄溶媒として用いると、第3複合体に付着している微量の銀化合物を十分除去することもできる。
第4工程の還元処理とは、第3複合体に含まれる銀イオン(1価の銀イオン)の一部又は全部を、ゼロ価の銀に転化する処理を意味する。当該還元処理は、第3複合体中に含まれる銀イオンの実質的に全部が、ゼロ価の銀に転化していることが好ましい。
還元処理の被処理物として、第3工程混合物をそのまま用いた場合には、この第3工程混合物に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、アミノエタノール及びジメチルアミノエタノール等のアルコール類;グルコース、フルクトース及びガラクトース等の糖類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド及びフェニルアルデヒド等のアルデヒド類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、プロピルヒドラジン、ブチルヒドラジン及びフェニルヒドラジン等のヒドラジン類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム及び水素化マグネシウム等の金属水素化物類;水素化ホウ素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム及びジメチルアミンボラン等のホウ素化合物;亜燐酸水素ナトリウム及び亜燐酸水素カリウム等の亜燐酸類等の還元剤を加えることにより、還元処理を行うことができる。当該還元剤の使用量は、第3工程に用いた銀化合物の量を基準に調節できるが、該銀化合物中にある銀1モルに対して、1モル以上であることが好ましい。還元処理に係る処理条件は、用いた銀化合物又は還元剤の種類等により適宜調節することができる。また、上述の還元剤のうち、アルコール類、ヒドラジン又はヒドラジン化合物が、前記第3工程混合物にすでに含まれている場合は、それらを還元剤として使用することもできる。
還元処理の被処理物として前記第3工程混合物を用いる場合、後述する還元ガスを用いて還元処理を行うこともできる。この場合、第3工程混合物中に、還元ガスをバブリングする方法や、適当な耐圧容器に第3工程混合物を封入し、ここに還元ガスを注入すればよい。
第4工程を経て得られる混合物は、たとえば濾過することにより溶媒を除去し、さらに必要に応じて洗浄処理及び/又は乾燥処理等を行うことにより第4複合体を得ることができる。
また、前記第3工程混合物を濾過等することにより第3複合体を得た場合では、この第3複合体は固体状で得られることになる。この固体状の第3複合体は、還元ガスを用いることにより還元処理を行うことができる。還元処理を行う前の第3複合体は、たとえば濾過及び洗浄を行った後の、洗浄溶媒等で湿潤した状態で還元処理を行ってもよいし、加熱又は減圧、あるいはこれらを組み合わせた乾燥処理により乾燥させてから、還元処理を行ってもよい。
還元ガスを用いる場合には、適当な充填管に前記第3複合体を充填し、該充填管中に還元ガスを通気するといった簡便な操作で還元処理を行うことができる。充填管中の還元ガスの通気性を良好にするために、該第3複合体を適当な形状に成型してから、成型後の第3複合体を充填管に充填してもよい。還元ガスは、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブテン又はブタジエン等、あるいはこれらから選ばれる2種以上の混合ガスが例示される。中でも、一酸化炭素、水素、及びプロピレンが好ましい。また、還元ガスは、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン又は水蒸気(スチーム)等、あるいはこれらから選ばれる2種以上を混合した希釈ガスで希釈してもよく、その混合割合は任意である。好適な一例を挙げると、還元ガスとして水素を、希釈ガスとして水蒸気(スチーム)を用いる還元処理が挙げられ、この場合には、還元ガス(水素)を充填管中に通気する際にスチームを同伴させればよく、充填管中に通気される気流中のスチームの混合割合は5〜70体積%が好ましい。
固形状の第3複合体を適当な充填管に充填し、該充填管中に還元ガスを通気するといった還元処理の処理温度は、還元ガスの種類及び第3複合体の種類(組成)や、希釈ガスの種類及びその混合割合によって、20〜300℃の範囲から最適の温度が選択できる。ただし、処理温度が高過ぎると、還元処理により金属銀粒子の凝集が生じ易くなって、本銀触媒中の銀の有効表面積が小さくなるおそれがある。そのため、処理温度の上限は、250℃以下がより好ましく、220℃以下が特に好ましい。
還元処理の被処理物である第3複合体に含まれている銀が、酸化銀あるいは炭酸銀の状態で含まれている場合、該第3複合体を熱処理するだけでも、該第3複合体中に含まれている酸化銀あるいは炭酸銀が熱分解し金属銀に転化する。このように、熱処理することによって、第3複合体中の酸化銀あるいは炭酸銀を金属銀に転化し、第4複合体を得る場合、還元ガスを必要とせず、窒素;ヘリウム、アルゴン等の希ガス等を雰囲気ガスとして用いることができるし、酸素や空気を用いることもできる。このような熱処理により還元処理を行う場合に、還元ガスを用いる還元処理で説明したものと同じように、適当な充填管に、固形状の第3複合体を充填し、雰囲気ガスを通気させつつ、又は雰囲気ガスを通気させることなく、充填管を加熱すれば、該充填管に充填された第3複合体を熱処理することができる。この場合の処理温度は、酸化銀あるいは炭酸銀が熱分解を起こすのに十分な温度が必要であり、200〜500℃の範囲から選ばれることが好ましく、250〜450℃の範囲から選ばれることがさらに好ましい。ただし、温度が高すぎると、上述したように金属銀粒子の凝集が生じ易い傾向がある。そのため、第3複合体に含まれている銀原子が、酸化銀あるいは炭酸銀の状態で含まれている場合でも、この熱分解による還元処理と還元ガスを用いる還元処理とを併用することが好ましく、より低温で還元処理ができるという点で、前記還元ガスを用いる還元処理の方が、より好ましい。
かくして還元ガスを用いたり、熱処理を行ったり、することにより還元処理を行った後は、必要に応じて冷却した後、充填管から取り出すことにより第4複合体は得られる。得られた第4複合体は、そのまま又は必要に応じて成型等することにより、本銀触媒として使用できるものとなる。
本銀触媒中の銀の含有量(銀含有量)は、本銀触媒の総重量に対して、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。銀含有量がこの範囲になるようにして、本銀触媒の製造原料の各々の使用量を決定することが好ましい。なお、かかる銀含有量は、ICP発光分析法やXRF分析法を用いることにより求めることができる。
また、本銀触媒は微量であれば、他の元素(銀、チタン及びランタノイド元素以外の元素)を含有していてもよいが、既に説明したとおり、本銀触媒の触媒活性を著しく損なわないためには、アルカリ金属分の混入は極力少なくすることが好ましい。前記第4複合体を本銀触媒として用いる場合には、この第4複合体を第3複合体から調製する過程(本調製方法の第4工程)で、アルカリ金属分を含む調製原料を用いないようにするか、第4複合体を調製後、調製された第4複合体を溶媒により十分洗浄するといった操作を行えばよい。かくして得られる第4複合体は、アルカリ金属分を実質的に含まないものであるので、本銀触媒として特に好ましい。なお、アルカリ金属分を実質的に含まない本銀触媒とは、該本銀触媒の銀含有量をICP発光分析法やXRF分析法を用いて求めたとき、アルカリ金属分の含有量がこれらの分析法の検出下限以下であることを意味し、本銀触媒の総重量に対して、アルカリ金属分の含有量が1500重量ppm以下であることがさらに好ましい。
<本製造方法>
次に,本銀触媒を用いる本製造方法について説明する。本製造方法は、本銀触媒の存在下に、オレフィンと、酸素と、を反応させる工程を備える。以下、オレフィン及び酸素を含むガスを「原料ガス」ということもある。
本製造方法は、回分式反応器、連続式反応器のいずれの反応器で行ってもよいが、本製造方法を商業生産として実施する点では、連続式反応器で行うことが好ましい。
本製造方法において、用いるオレフィン1モルに対する本銀触媒の使用量は、この本銀触媒に含まれる銀を基準に換算して、0.00005モル以上であると好ましく、0.0001モル以上であるとさらに好ましい。その上限は特に限定されるものではなく、本銀触媒の使用量を増加すれば、より多量の酸化オレフィンを製造できるが、本銀触媒のコスト等、経済性を考慮して、本銀触媒使用量の上限は調節される。
本製造方法に用いる酸素は、酸素単独すなわち高純度酸素はもちろん、本反応に不活性な気体(窒素及び二酸化炭素等)が含まれているもの(例えば、空気等)であってもよい。酸素の使用量は、反応形式(連続式又は回分式)、本銀触媒の種類等によって適宜調節できるが、プロピレン1モルに対して、0.01〜100モルの範囲が好ましく、0.03〜30モルの範囲がより好ましい。
本製造方法に用いるオレフィンは、その分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物であればよく、典型的には、以下の式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012001536
(式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、4つのRに含まれる炭素原子の合計数が0〜10の範囲である。)
このオレフィンも、本反応の反応系中における温度及び圧力条件で、気体で存在するものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン及びデセン等が挙げられるが、これらの中でもプロピレンが好ましい。プロピレンから誘導される酸化プロピレンは、工業材料として特に有用であり、オレフィンとしてプロピレンを用いる本製造方法によれば、良好な選択率で酸化プロピレンを製造できるので、より一層の本発明の効果を享受することができる。
本製造方法に用いるオレフィンも、本反応に不活性であれば、プロピレン以外の有機ガスで希釈されていてもよい。かかる有機ガスとしては、メタン及びエタン等の低級アルカンが例示できる。
本製造方法に用いる原料ガスには、有機ハロゲン化合物、特にハロゲン化炭化水素を含ませると好ましい。本反応を有機ハロゲン化合物の存在下で行えば、より高収率で酸化オレフィンを製造できるという効果がある。該有機ハロゲン化合物は、好ましくは有機塩素化合物であり、この有機塩素化合物としては、エチルクロライド、1,2−エチレンジクロライド及びメチルクロライド等が例示できる。該有機ハロゲン化合物は、本反応の反応系中における温度及び圧力条件で、気体で存在する化合物が好ましい。該有機ハロゲン化合物を用いる場合、その使用量は、原料ガスに対し、1〜1000体積ppmであると好ましく、1〜500体積ppmであるとさらに好ましい。
本反応の反応温度は、100〜400℃の範囲から選ばれることが好ましく、120〜300℃の範囲から選ばれることがより好ましい。
本反応の反応圧力は特に制限はなく、減圧条件下〜加圧条件下という広い範囲から選択できる。酸素及びオレフィンが、十分本銀触媒に接触できる点では加圧条件下が好ましい。この反応圧力は絶対圧力で表して、0.01〜3MPaの範囲から選択されると好ましく、0.02〜2MPaの範囲から選択されるとより好ましい。反応圧力は、本製造方法に用いる反応器の耐圧能力も加味して決定される。なお、減圧条件下とは、反応圧力が大気圧よりも減圧された状態であることを意味し、加圧条件下とは、大気圧よりも加圧された状態であることを意味する。
また、本製造方法においては、本銀触媒及び有機ハロゲン化合物に加えて、水の存在下に、オレフィンと酸素とを反応させることもできる。
水は、スチームにした後、酸素及びプロピレンと混合して混合ガスとすることで、本製造方法に用いることもできるし、本銀触媒を水で湿潤せしめることで本製造方法に用いることもできる。これらのうち、水はスチームとして用いることが好ましい。
水を用いる場合、その使用量は、プロピレン1モルに対して、0.1〜20モルの範囲から選択されることが好ましく、0.2〜10モルの範囲から選択されることがより好ましく、0.3〜8モルの範囲から選択されることがさらに好ましい。
以下、好適な反応形式である連続式反応器を用いる場合の本製造方法の一実施形態を説明する。
まず、本銀触媒を、ガス供給口及びガス放出口を供えた反応塔(反応器)に所定量充填する。当該反応塔には適切な加熱手段が設けられていてもよく、かかる加熱手段により反応塔内部を所定の反応温度まで昇温する。続いて、コンプレッサ等を用い、該ガス供給口から該反応塔内に、オレフィン(好ましくは、プロピレン)、酸素又は酸素を含む混合ガス、及び有機ハロゲン化合物を含む原料ガスを供給する。この原料ガスには上述のとおり、水が含まれていてもよい。この原料ガスが反応塔内で本銀触媒と接触することで、本銀触媒及び有機ハロゲン化合物の存在下に、オレフィンと、酸素と、が接触する。この接触により、当該原料ガスに含まれるオレフィンと酸素とが反応することにより酸化オレフィンが生成し、生成した酸化オレフィンを含む生成ガスが該ガス放出口から放出される。反応塔内を通過させる原料ガスの線速度は、当該原料ガスと本銀触媒とが酸化オレフィンを十分生成できる滞留時間になるようにして決定される。以上の実施形態では、反応塔に加熱手段が設けられている場合について記したが、反応塔は室温程度で維持しておき、供給する原料ガスを適当な加熱手段により、所定の反応温度まで加熱してから、反応塔内に供給する形態でもよい。また、反応塔に適当な攪拌手段を設け、当該反応塔内にある本銀触媒を攪拌させつつ、原料ガスを供給する形態でもよい。
本製造方法によれば、前記特許文献1記載の発明のように、水素を用いることは必要ない。そのため、水素と酸素とから生じ得る燃焼反応に対する安全対策を講じる必要はない。すなわち、前記原料ガスとして、実質的に水素を含まないものを用いれば、前記安全対策を講じることは不要である。なお、ここでいう実質的に水素を含まない原料ガスとは、該原料ガス中に、酸素及び水素からの燃焼反応が生じない程度であれば、微量の水素が該原料ガスに含まれていてもよいことをいう。酸素及び水素からの燃焼反応が生じない程度とは、水素及び酸素の燃焼範囲を下回るような存在比であれば水素を含むことを意味する。本反応の反応圧力を考慮し、この反応圧力下での燃焼範囲を求めれば、原料ガス中の水素の存在割合の限界は求めることができる。このように、水素と酸素とから生じ得る燃焼反応を十分防止できる範囲であれば、原料ガスに水素が含まれていてもよいが、本製造方法では、原料ガスに水素が含まれていなくても、オレフィンから酸化オレフィンを製造できる。
かくして、反応塔を通過した生成ガスには、生成した酸化オレフィン、未反応のオレフィン及び酸素、二酸化炭素等の副生物が含まれている。また、オレフィンや酸素を希釈して用いた場合には、希釈用に用いた不活性ガスが混入している。この生成ガスを捕集した後、蒸留等の適当な分離手段により、目的とする酸化オレフィンを取り出すことができる。
以下、実施例を示して本発明の実施形態を説明する。
[実施例1]
硝酸ランタン0.18gを10mLの水に溶解して硝酸カルシウム水溶液とした後、この硝酸カルシウム水溶液に、二酸化チタン(TiO,Aldrich製、99.99%、ルチル構造)10gを加え、60℃で1時間撹拌した。撹拌後、エバポレーターを用いて、減圧下、60℃で水を蒸留して除去して第1複合体Aを得た。この第1複合体Aをさらに、焼成炉にて、空気下、400℃で5時間焼成することにより、第2複合体Aを得た。
得られた第2複合体のうち5gを用い、これを水50gに分散させた後、さらに水酸化ナトリウム0.93gを加えた。得られたスラリーを冷却し、次いで硝酸銀水溶液(硝酸銀2.64gを10mLの水に溶解した水溶液)を滴下した。冷却しながら3時間攪拌した後、沈殿物を濾過して捕集し、さらにイオン交換水200mLで4回洗浄することにより、第3複合体Aを得た。得られた第3複合体Aをガラス製焼成管に充填し、55mL/分で一酸化炭素(CO)/窒素(N)混合ガス(体積組成比 CO/N=1/10)を通気することにより還元処理した。このCO/N混合ガスに、さらに水をシリンジポンプにより1mL/時間になるように通気させ、ガラス製焼成管を110℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。その後、該ガラス製焼成管を210℃まで5時間かけて昇温することで第3複合体Aを還元処理し、第4複合体Aへと転化させた。かくして得られた第4複合体Aを本銀触媒(本銀触媒A)として以下の酸化プロピレンの製造方法に使用した。
前記本銀触媒A1mLを、1/2インチ径のステンレス製反応管に充填し、該反応管を200℃に昇温した。加圧条件下(ゲージ圧力で0.3MPa相当)で、プロピレン、空気、窒素、水及びエチルクロライドを含む原料ガスを、本銀触媒を充填したステンレス製反応管に供給することで、酸化プロピレン製造を実施した。なお、該原料ガスに含まれる各々の供給量は、プロピレン450mL/時間、空気900mL/時間、窒素990mL/時間、及び水1.2mL/時間であり、エチルクロライドは原料ガス中に50体積ppm含まれるようにした。原料ガスを反応管に供給し、反応管を通過してきた生成ガスを1時間、メタノール中に注入することで、生成した酸化プロピレン及び副生成物(アクロレイン、アセトン等)を吸収させ、これらを含むメタノール溶液を得た。このメタノール溶液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)分析することにより、生成酸化プロピレン量及び副生成物量(生成アクロレイン量及び生成アセトン量)を求めた。
また、前記、メタノールへの生成ガス注入終了時点での、充填管を通過してきた生成ガスをオンラインで、ガスクロマトグラフィー(検出器:TCD)へ導入することで、未反応のプロピレン(未反応プロピレン)、及び副生物(二酸化炭素)を分析し、未反応プロピレン量及び生成二酸化炭素量を求めた。反応間に供給したプロピレンの量(供給プロピレン量)と、ガスクロマトグラフィー分析により求められた未反応プロピレン量から、以下の式にしたがって、プロピレン転化率(%)を求めた。
[プロピレン転化率](%)
=([反応プロピレン量](モル)÷([未反応プロピレン量](モル)+[生成酸化プロピレン量](モル)+[生成二酸化炭素量]÷3(モル)+[生成アクロレイン量](モル)+[生成アセトン量](モル))×100
なお、前記反応プロピレン量は以下の式により求めた。
[反応プロピレン量](モル)
=[生成酸化プロピレン量](モル)+[生成二酸化炭素量]÷3(モル)+[生成アクロレイン量](モル)+[生成アセトン量](モル)
さらに、ガスクロマトグラフィー分析により求められた酸化プロピレン生成量から、以下の式にしたがって、選択率(酸化プロピレン選択率)を求めた。
[選択率](%)
=[生成酸化プロピレン量](モル)÷([生成酸化プロピレン量](モル)+[生成二酸化炭素量]÷3(モル)+[生成アクロレイン量](モル)+[生成アセトン量](モル))
以上のようにして求められたプロピレン転化率及び選択率の結果を表1に示す。
実施例1で得られた触媒の粉末X線回折(XRD)をRigaku製RINT-2500Vにて、CuKα線(λ=0.154nm)、X線出力:40kV, 300mAの条件で測定した。回折パターンは、JCPDSデータベース(Joint Committee of Powder Diffraction Standards)により同定した。
図1に得られたXRDパターンを示す。2θ=27.4, 36.1, 39.2, 41.2, 44.1, 54.3, 56.6°に帰属されるルチル構造のTiO2が観測された。
[実施例2]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸セリウム0.18gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒B)を調製した。
この本銀触媒Bを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表1に示す。
[実施例3]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸プラセオジム0.14gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒C)を調製した。
この本銀触媒Cを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表1に示す。
Figure 2012001536
[実施例4]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸ネオジム0.14gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒D)を調製した。
この本銀触媒Dを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表2に示す。
[実施例5]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸サマリウム0.19gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒E)を調製した。
この本銀触媒Eを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表2に示す。
[実施例6]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸ホルミウム0.15gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒F)を調製した。
この本銀触媒Fを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表2に示す。
Figure 2012001536
[実施例7]
硝酸ランタン0.18gの代わりに硝酸イッテルビウム0.15gを使用したこと以外は、実施例1と同様の調製方法により本銀触媒(本銀触媒G)を調製した。
この本銀触媒Gを用い、実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表3に示す。
[参考例1]
二酸化チタン(TiO,Aldrich製、99.99%、ルチル構造)5gを用い、これを水50gに分散させた後、さらに水酸化ナトリウム0.93gを加えた。得られたスラリーを冷却し、次いで硝酸銀水溶液(硝酸銀2.64gを10mLの水に溶解した水溶液)を滴下した。冷却しながら3時間攪拌した後、沈殿物を濾過して捕集し、さらにイオン交換水200mLで4回洗浄した。得られた洗浄物をガラス製焼成管に充填し、55mL/分で一酸化炭素(CO)/窒素(N)混合ガス(体積組成比 CO/N=1/10)を通気することにより還元処理した。このCO/N混合ガスに、さらに水をシリンジポンプにより1mL/時間になるように通気させ、ガラス製焼成管を110℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。その後、該ガラス製焼成管を210℃まで5時間かけて昇温して、比較銀触媒Aを得た。この比較銀触媒A1mLを用い、そのほかは実施例1と同条件で酸化プロピレン製造を実施した。プロピレン転化率及び選択率の結果を表3に示す。
Figure 2012001536
酸化オレフィン、特に酸化プロピレンは各種の工業材料の製造中間体として有用である。本発明によれば、かかる酸化オレフィンを、前記安全対策を講じることなく、製造することができ、産業上の価値は大きい。

Claims (11)

  1. 銀と、
    チタンと、
    ランタノイド元素と、
    を含む触媒の存在下、
    オレフィンと、酸素とを反応させる工程を有する酸化オレフィンの製造方法。
  2. 前記ランタノイド元素が、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ホルミウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記触媒が、以下の第1工程、第2工程及び第3工程を含む調製方法により得られるものである請求項1又は2記載の製造方法。
    第1工程:ランタノイド元素を含む化合物と、チタン化合物とを混合することにより、第1の複合体を得る工程;
    第2工程:前記第1の複合体を熱処理して、第2の複合体を得る工程;
    第3工程:前記第2の複合体と、金属銀及び銀化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混合することにより、第3の複合体を得る工程
  4. 前記調製方法が、以下の第4工程をさらに含む請求項3記載の製造方法。
    第4工程:前記第3の複合体を還元処理することにより第4の複合体を得る工程
  5. 前記チタン化合物が酸化チタンである請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 前記酸化チタンが、ルチル構造である請求項5記載の製造方法。
  7. 前記ランタノイド元素を含む化合物が塩である請求項3〜6の何れか記載の製造方法。
  8. 前記第3工程が、銀塩及び銀酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、前記第2工程で得られる前記第2の複合体とを混合することにより、前記第3の複合体を得る工程である請求項3〜7の何れか記載の製造方法。
  9. 前記工程が、さらに有機ハロゲン化合物の存在下で、オレフィンと、酸素とを反応させる工程である請求項1〜8の何れか記載の製造方法。
  10. 前記工程が、さらに水の存在下で、オレフィンと、酸素とを反応させる工程である請求項1〜9の何れか記載の製造方法。
  11. 前記オレフィンがプロピレンである請求項1〜10の何れか記載の製造方法。
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