JP2012000664A - ろう付け工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】刃部のシャンク部に対する高いろう付け精度は維持しつつ、刃部への応力や振動の緩和を図ってその折損を防止するとともに、工具がコスト高となるのも防ぐ。
【解決手段】切刃3Bが形成された刃部3とシャンク部2とがろう付けにより接合されたろう付け工具であって、刃部3の後端部にはろう付け軸部5が形成されるとともに、シャンク部2の先端部にはろう付け軸部5が挿入されてろう付けされるろう付け穴部4が形成されており、このろう付け穴部4の先端側には、ろう付け穴部4の後端側部分4Aよりも内径が大きくなる拡径部7が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、切刃が形成された刃部がシャンク部にろう付けされたろう付け工具に関するものである。
このようなろう付け工具としては、例えば特許文献1に、切削部および軸部を有する切刃本体部と、この切刃本体部が接合されるシャンク部とを備え、このうちシャンク部は、軸部が隙間を設けて挿入されるとともに、この隙間にロウ材を供給して該軸部を固着するための挿入孔部と、この挿入孔部に同軸的に連通し、軸部の端部側が嵌合する嵌合孔部とを有し、これら軸部またはシャンク部には、挿入孔部と嵌合孔部との間に位置して溝部が形成されるようにしたものが提案されている。
特開2001−105230号公報
ところで、このようなろう付け工具では、刃部の先端部と外周部に切刃が形成されて、その軸線回りに回転されつつ該軸線に交差する方向に送り出されることにより溝加工等を行うエンドミルのような工具は勿論、刃部の先端部のみに切刃が形成されて、軸線回りに回転されつつ該軸線方向に送り出されることにより穴明け加工を行うドリルのような工具でも、刃部に撓みが生じることが避けられない。また、切削加工時における振動によっても、微小な撓みが刃部に生じることになる。
そして、この撓みによる応力は、シャンク部にろう付けされる刃部のろう付け軸部のうち、このろう付け軸部が挿入されるシャンク部のろう付け穴部の開口部に位置する部分において最も大きくなる。ところが、上記特許文献1に記載されたような従来のろう付け工具では、上記挿入孔部とこの挿入孔部に位置する軸部とは、これらの間に一定の隙間(クリアランス)が与えられるように、それぞれ一定の内外径とされているため、このクリアランスが小さいと、ろう付け穴部の上記開口部に位置する部分においてろう付け軸部に応力が集中して刃部の折損を招くおそれがある。
その一方で、刃部への応力や振動の緩和を図ってこのような折損を防ぐために、上記クリアランスを大きくすると、刃部のシャンク部に対するろう付け精度が損なわれて同軸度や平行度などが低下し、これに伴い切削加工時に刃部に振れが生じたりして切削精度も低下してしまうことになる。また、こうしてクリアランスが大きいと、刃部をろう付けするためのろう材も多く必要となり、ろう材が高価な銀ロウである場合などには工具がコスト高となってしまう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、刃部のシャンク部に対する高いろう付け精度は維持しつつ、刃部への応力や振動の緩和を図ってその折損を防止するとともに、工具がコスト高となるのも防ぐことが可能なろう付け工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、切刃が形成された刃部とシャンク部とがろう付けにより接合されたろう付け工具であって、上記刃部の後端部にはろう付け軸部が形成されるとともに、上記シャンク部の先端部には上記ろう付け軸部が挿入されてろう付けされるろう付け穴部が形成されており、このろう付け穴部の先端側には、該ろう付け穴部の後端側部分よりも内径が大きくなる拡径部が形成されていることを特徴とする。
従って、このように構成されたろう付け工具では、刃部のシャンク部に対するろう付け精度は、ろう付け穴部の後端側部分とろう付け軸部とのクリアランスを適正な大きさとすることにより、高い精度に維持することができる。そして、このろう付け穴部の先端側には、この適正なクリアランスが与えられる後端側部分よりも内径の大きな拡径部が形成されており、この拡径部においてろう付け穴部とろう付け軸部との間に、刃部やシャンク部を構成する硬質金属材料よりも硬度が低いろう材が介在することにより、刃部の撓みや振動を吸収することができるので、上述のように刃部の撓みによる応力が集中するろう付け穴部の開口部においてこの応力を緩和することができ、刃部の折損等を防止することが可能となる。また、内径の大きな拡径部が形成されるのは、ろう付け穴部先端側の開口部周辺だけなので、ろう材を多く必要とすることもない。
ただし、この拡径部の内径が小さすぎると、ろう付け軸部とのクリアランスも小さくなって充分な応力緩和を図ることができなくなるおそれがある。また、この拡径部のろう付け穴部開口部からの深さが小さすぎても、同様に充分な応力緩和を図ることができなくなる一方、この深さが深すぎて、ろう付け穴部においてクリアランスの大きな拡径部の占める割合が大きくなると、ろう付け精度の維持に支障を来すおそれが生じる。
このため、上記拡径部の開口部におけるろう付け軸部との半径方向クリアランスは、上記ろう付け穴部の後端側部分におけるろう付け軸部との半径方向クリアランスに対して4倍以上とされるとともに、上記ろう付け穴部の開口部からの上記拡径部の深さは、該ろう付け穴部の深さに対して1/4以下で、ろう付け穴部の後端側部分におけるろう付け軸部との上記半径クリアランスの2倍以上とされていることが望ましい。
なお、この拡径部は、その内径が一定とされた円筒面状の内周面を有するものであってもよいが、応力の集中はろう付け穴部の開口部側で大きくなるので、この拡径部の内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなるようにされたものであってもよく、また、こうして内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなった後に一定とされたものであってもよい。これらの場合には、必要とされるろう材を一層少なくすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、刃部をシャンク部に高精度にろう付けすることができて、これにより切削精度も高精度とすることができるとともに、ろう付け軸部への撓みによる応力の集中を防止して折損等が発生するのを防ぐことができ、工具寿命の延長を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態を示す一部破断側面図である。 図1に示す実施形態のろう付け穴部の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の第1変形例を示すろう付け穴部先端側の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の第2変形例を示すろう付け穴部先端側の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の第3変形例を示すろう付け穴部先端側の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の第4変形例を示すろう付け穴部先端側の拡大断面図である。
図1および図2は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態は、本発明をろう付け式のドリルに適用した場合を示すものであって、その工具本体1は、後端側(図1において右側)のシャンク部2と先端側(図1において左側)の刃部3とから構成されており、シャンク部2の先端部に形成されたろう付け穴部4に刃部3の後端側のろう付け軸部5が挿入されてろう材6によってろう付けされることにより、これらシャンク部2と刃部3とが工具軸線Oに関して同軸に接合されて一体化されている。
シャンク部2はその外形が工具軸線Oを中心とした略円柱状とされており、ろう付け穴部4は、同じく工具軸線Oを中心とした断面円形とされて、該シャンク部2の先端面に開口して工具軸線O方向後端側に延びるように穿設されている。そして、このろう付け穴部4は、その後端側部分4Aが刃部3のろう付け軸部5を嵌挿可能な程度のクリアランスとなる一定の内径とされるとともに、こうして一定内径とされた後端側部分4Aよりも先端側には、該後端側部分4Aの内径よりも大きな内径とされた拡径部7とされている。
ここで、本実施形態では、この拡径部7は、図2に示すように一定内径とされたろう付け穴部4の後端側部分4Aよりも大きな内径のやはり一定内径とされて、シャンク部2の先端面に開口するように形成された座ぐり形状とされており、従ってこの拡径部7とろう付け穴部4の後端側部分4Aとの間には、先端側に向けてろう付け穴部4の内径が一段広がるような段差面が形成される。なお、本実施形態では、この段差面は工具軸線Oに垂直な平面状の円環面とされている。
一方、本実施形態の刃部3は、その外形がやはり工具軸線Oを中心とした略円柱状とされており、その外径は、上記ろう付け穴部4の後端側部分4Aの内径よりも僅かに小さくされて、工具軸線O方向に亙って一定外径とされている。ただし、ドリルである本実施形態における刃部3の先端部外周には、この刃部3先端の先端逃げ面から後端側に向けて一対の切屑排出溝3Aが工具軸線Oに関して対称に、使用時の工具回転方向後方側に向けて捩れるように形成されており、これらの切屑排出溝3Aの工具回転方向を向く壁面と上記先端逃げ面との交差稜線部に切刃3Bが形成されている。
なお、この刃部3の先端部外周に形成される上記切屑排出溝3Aは、該刃部3がシャンク部2にろう付けされた状態においてシャンク部2よりも手前で外周側に切り上げられており、上記拡径部7も含めたろう付け穴部4に挿入される刃部3後端側のろう付け軸部5は、上記一定外径の円柱状とされている。そして、このようにろう付け穴部4にろう付け軸部5が挿入されて、このろう付け軸部5の後端面がろう付け穴部4の底面に当接した状態で、銀ろう等の上記ろう材6により上述のように接合される。
ここで、こうして一定外径とされたろう付け軸部5に対して、ろう付け穴部4の内径は、図2に示すように拡径部7のシャンク部2先端面への開口部におけるろう付け軸部5との半径方向のクリアランスAが、ろう付け穴部4の後端側部分4Aにおけるろう付け軸部5との半径方向のクリアランスCに対して4倍以上とされている。ただし、ろう付け軸部5はろう付けされた状態で上記クリアランスCの範囲で偏心する可能性があるので、拡径部7の上記開口部における内径(直径)とろう付け軸部5の外径(直径)との差が、ろう付け穴部4の上記後端側部分4Aの内径(直径)とろう付け軸部5の外径(直径)との差の4倍以上とされていてもよい。
また、ろう付け穴部4の拡径部7の上記開口部から上記段差面までの該拡径部7の深さBは、拡径部7も含めたろう付け穴部4全体の深さL、すなわち拡径部7の上記開口部から後端側部分4Aにおけるろう付け穴部4の上記底面までの深さに対して1/4以下とされるとともに、上記ろう付け穴部4の後端側部分4Aにおけるろう付け軸部5との半径方向の上記クリアランスCの2倍以上とされている。
このように構成されたろう付け工具においては、ろう付け穴部4の先端側に、このろう付け穴部4の後端側部分4Aよりも内径の大きくなる拡径部7が形成されており、従って切削加工時に刃部3の切刃3Bに作用する切削負荷によって刃部3に撓みが生じても、このような撓みによる応力がろう付け穴部4の開口部において刃部3に集中するのを防ぐことができる。また、切削加工時における刃部3の振動も緩和することができる。
すなわち、このような拡径部7が形成されることにより、該拡径部7におけるろう付け穴部4の先端側のろう付け軸部5とのクリアランスAは、後端側部分4AのクリアランスCよりも大きくなる。そして、上記銀ろう等のろう材6は、通常は刃部3やシャンク部2を構成する硬質金属材料よりも柔らかいので、このように大きなクリアランスAとされた拡径部7のろう材6により刃部3の撓みや振動を吸収して応力の集中を防ぐことができるのである。
ただし、この拡径部7におけるろう材6は、必ずしも図2に示すようにシャンク部2の先端面と面一となるように充填されていなくてもよく、例えば上記段差面から先端側に向けてシャンク部2先端面に至る途中までに充填されていてもよく、また逆にシャンク部2の先端面から僅かに盛り上がるようにして刃部3をろう付けしていてもよい。
その一方で、上記構成のろう付け工具においては、ろう付け穴部4の後端側部分4Aでは、その内径が拡径部7より小さく、従ってろう付け軸部5とのクリアランスCも小さくされているので、ろう付け穴部4全体の内径を拡径させるのに対し、ろう付け軸部5の偏心や傾きを防いで、シャンク部2に対する刃部3の同軸度や平行度などの高いろう付け精度を確保することができる。また、ろう付けに必要とされる高価な銀ろう等のろう材6の量も削減することができる。
従って、上記構成のろう付け工具によれば、高精度の切削加工を可能とすることができるとともに、応力集中による刃部3の折損等を防いで長い寿命を確保することができ、さらには工具コストの低減を図ることも可能となる。
なお、この拡径部7におけるろう付け軸部5とのクリアランスAが小さすぎたり、拡径部7の深さBが小さすぎたりすると、このような応力緩和効果を充分に奏功することができなくなるおそれがある。このため、本実施形態のように拡径部7の開口部における半径方向の上記クリアランスAはろう付け穴部4の後端側部分4Aにおける半径方向クリアランスCの4倍以上とするのが望ましく、また、拡径部7の深さBはこの後端側部分4Aの半径方向クリアランスCの2倍以上とされるのが望ましい。
ただし、この拡径部7の深さBについては、これが深くなりすぎると、ろう付け穴部4の後端側部分4Aが工具軸線O方向に短くなってろう付け精度の低下を招くおそれがあるので、ろう付け穴部4の深さLに対して1/4以下とされるのが望ましい。また、拡径部7の半径方向クリアランスAは大きくてもよいが、シャンク部2の先端面の外径によって決定される。
なお、本実施形態における拡径部7は、上述のようにろう付け穴部4の後端側部分4Aよりも大きな内径の一定内径とされて、その円筒面状の内周面が段差面を介してろう付け穴部4の後端側部分4Aに連なるようにされた座ぐり形状とされているが、刃部3の撓み等による応力が集中するのはろう付け穴部4のシャンク部2先端面における開口部であるので、この開口部でろう付け軸部5との半径方向クリアランスAが十分に確保されていればよい。
そこで、例えば図3に示す上記実施形態の第1変形例のように、拡径部7の内周面を工具軸線O上に中心線を有する凹円錐面として面取り形状としたり、あるいは図4に示す第2変形例のように、拡径部7の内周面が工具軸線Oに沿った断面においてシャンク部2の外周側に凹むような凹曲線状をなすようにしたり、あるいは逆に図示は略するが工具軸線Oに沿った断面がシャンク部2の内周側に凸となる凸曲線状をなすようにしたりして、この拡径部7の内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなるようにされていてもよい。これらの場合には、ろう材7の量をさらに削減することも可能となる。なお、これら図3〜図6に示す変形例において、上記実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
また、これらの変形例と上記実施形態とを組み合わせて、図5、図6に示す第3、第4変形例のように、拡径部7の内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなった後に一定とされるようにしてもよい。図5に示す第3変形例では、拡径部7の内周面が、ろう付け穴部4の後端側部分4A側では第2の変形例と同様に工具軸線Oに沿った断面においてシャンク部2の外周側に凹となる凹曲線状とされるとともに、ろう付け穴部4の開口部側では実施形態と同様に内径が一定の円筒面状とされている。
また、図6に示す第4変形例では、上記実施形態と第1変形例とを組み合わせて、拡径部7の内周面が、後端側部分4Aから先端側に向けて工具軸線O上に中心を有する円錐面をなす面取り状に内径が漸次大きくされた後、後端側部分4Aよりも大きな内径の一定内径とされて、シャンク部2の先端面に開口させられている。勿論、断面が凸曲線とされた変形例と上記実施形態を組み合わせてもよい。
以下、実施例を挙げて、拡径部7の上記半径方向クリアランスAと深さBについての本発明の効果について実証する。本実施例では、上記実施形態に応じて拡径部7の内径が一定とされたろう付け穴部4を有するろう付け工具(ドリル)において、このろう付け穴部4の後端側部分4Aとろう付け軸部5との半径方向クリアランスCを0.1mm、深さLを10.0mmとしてそれぞれ一定とし、拡径部7のろう付け軸部5との半径方向クリアランスAおよび深さBを次表1に示すように変えた複数のろう付け工具を作成した(表1において丸印、二重丸印が付いたもの)。
また、比較として、ろう付け穴部4に拡径部7が設けられずに、ろう付け穴部4の深さL(10.0mm)の全長に亙ってろう付け軸部5との半径方向クリアランスAが0.1mmで一定とされたもの、および0.4mmで一定とされたものも作成した(表1において三角印、バツ印が付いたもの)。これらも併せて表1に示す。
そして、これら表1に示したろう付け工具であるドリルにより同一の加工条件で穴明け加工を行い、その際の穴明け可能であった穴数によって工具寿命の評価を行った。この結果を表1に示す。なお、表1において二重丸印は75穴以上穴明け可能であったもの、丸印は50穴〜74穴を穴明け可能であったもの、三角印は20穴〜49穴を穴明け可能であったもの、バツ印は穴明け可能であった穴数が20穴未満であったものである。また、表1に横線が入っているものは工具の作成、および穴明け加工を行っていない。
なお、これらのろう付け工具において、シャンク部2の材質はS45C、刃部3の材質はSKH51、ろう材はJIS Z 3261におけるBAg−6であり、ろう付け穴部4の後端側部分4Aにおけるろう付け軸部5との半径方向クリアランスCは0.1mm、拡径部7も含めたろう付け穴部4全体の深さLは10.0mmであった。また、刃部3の切刃3Bの外径(直径)は2.0mm、被削材はS50C、加工穴は深さ5.0mmの貫通穴であり、穴明け加工時の回転速度は3000mm−1であり、刃部3を下向きにして工具本体1に1.5Nの荷重を加えることにより送りを与えた。
Figure 2012000664
この表1の結果より、まず、拡径部7の深さBがろう付け穴部4の深さLと同じ10.0mmで、言い換えればろう付け穴部4が拡径部7が形成されることなく一定内径とされたもののうち、このろう付け穴部4または拡径部7とろう付け軸部5との半径方向クリアランスAが0.1mmと、拡径部7を有するものにおけるろう付け穴部4の後端側部分4Aとろう付け軸部5との半径方向クリアランスAと等しくされたもの(表1の三角印のもの)では、20穴以上は穴明け可能であったものの、ろう付け穴部4の開口部において応力が集中して、加工穴数が50穴に達する前に刃部3に折損を生じて寿命となった。
また、同じく拡径部7の深さBがろう付け穴部4の深さLと同じ10.0mmとされたもののうち、ろう付け穴部4または拡径部7とろう付け軸部5との半径方向クリアランスAが0.4mmと大きくされたもの(表1のバツ印のもの)では、刃部3がシャンク部2に対して傾いてろう付けされてしまい、これにより穴明け加工時に切刃3Bに大きな振れが生じて、やはり加工穴数が20穴に達することなく穴明け不能となった。
これらに対して、ろう付け穴部4の先端側に内径が大きくなる拡径部7が形成された本発明に係るろう付け工具(表1の丸印、二重丸印のもの)では、いずれにおいても50穴以上の穴加工が可能であった。特に、拡径部7の開口部におけるろう付け軸部5との半径方向クリアランスAがろう付け穴部4の後端側部分4Aにおけるろう付け軸部5との半径方向クリアランスC(0.1mm)に対して4倍の0.4mm以上であるとともに、ろう付け穴部4の開口部からの拡径部7の深さBが、ろう付け穴部4の深さL(10.0mm)に対して1/4の2.5mm以下で、かつろう付け穴部4の後端側部分4Bにおける半径クリアランスCの2倍の0.2mm以上とされたもの(表1の二重丸印のもの)では、75穴以上加工を行っても折損等を生じることなく、高精度の穴明け加工を行うことが可能であった。
なお、このうち、上記半径方向クリアランスAが半径方向クリアランスC(0.1mm)に対して4倍の0.4mmで、上記拡径部7の深さBが、ろう付け穴部4の深さL(10.0mm)に対して1/50で、かつ上記半径クリアランスCの2倍の0.2mmのものについては、上記実施形態のように拡径部7が座ぐり形状のもののほかに、図3に示した第1変形例のように拡径部7の内周面が凹円錐面状とされた面取り形状のものでも、同様の条件で穴明け加工を行った。その結果でも、表1に並べて示すように75穴以上の穴明け加工が可能であった。
1 工具本体
2 シャンク部
3 刃部
3B 切刃
4 ろう付け穴部
4A ろう付け穴部4の後端側部分
5 ろう付け軸部
6 ろう材
7 拡径部
O 工具軸線
A 拡径部7の開口部におけるろう付け軸部5との半径方向クリアランス
B ろう付け穴部4の開口部からの拡径部7の深さ
C ろう付け穴部4の後端側部分4Aにおけるろう付け軸部5との半径方向クリアランス
L ろう付け穴部4の深さ

Claims (5)

  1. 切刃が形成された刃部とシャンク部とがろう付けにより接合されたろう付け工具であって、上記刃部の後端部にはろう付け軸部が形成されるとともに、上記シャンク部の先端部には上記ろう付け軸部が挿入されてろう付けされるろう付け穴部が形成されており、このろう付け穴部の先端側には、該ろう付け穴部の後端側部分よりも内径が大きくなる拡径部が形成されていることを特徴とするろう付け工具。
  2. 上記拡径部の開口部における上記ろう付け軸部との半径方向クリアランスが、上記ろう付け穴部の後端側部分における上記ろう付け軸部との半径方向クリアランスに対して4倍以上であるとともに、上記ろう付け穴部の開口部からの上記拡径部の深さが、該ろう付け穴部の深さに対して1/4以下で、上記ろう付け穴部の後端側部分における上記半径クリアランスの2倍以上とされていることを特徴とする請求項1に記載のろう付け工具。
  3. 上記拡径部の内径が一定とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のろう付け工具。
  4. 上記拡径部の内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のろう付け工具。
  5. 上記拡径部の内径が先端側に向かうに従い漸次大きくなった後に一定とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のろう付け工具。
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