JP2003048110A - 穴明け工具 - Google Patents

穴明け工具

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JP2003048110A JP2001242342A JP2001242342A JP2003048110A JP 2003048110 A JP2003048110 A JP 2003048110A JP 2001242342 A JP2001242342 A JP 2001242342A JP 2001242342 A JP2001242342 A JP 2001242342A JP 2003048110 A JP2003048110 A JP 2003048110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深穴を穴明けする場合でも芯厚dやランド幅
Eを小さくすることなく切屑排出溝2の断面積を大きく
して、工具本体1の剛性や強度と良好な切屑排出性とを
ともに確保する。 【解決手段】 軸線O回りに回転される工具本体1の先
端部外周に、一対の切屑排出溝2,2が軸線Oを挟んで
互いに反対側に設けられるとともに、これらの切屑排出
溝2,2の工具回転方向Tを向く壁面の先端には切刃が
設けられてなる穴明け工具であって、一対の切屑排出溝
2,2の少なくとも一方は、その溝底面2Aを、軸線O
に直交する断面において、軸線Oを中心とした芯厚円A
の工具回転方向T側と工具回転方向T後方側に接する一
対の凹曲線C1,C2を含んだ複数の凹曲線によって構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体の先端部
外周に設けられた一対の切屑排出溝の先端にそれぞれ切
刃が設けられた穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の穴明け工具としては、従来より
例えば図6および図7に示すようなスローアウェイ式ド
リルが提案されている。これらの図に示すスローアウェ
イ式ドリルでは、軸線O回りに工具回転方向Tに回転さ
れる略多段円柱状の工具本体1先端側の切刃部1A外周
に、図7に示すように軸線Oに直交する断面において溝
底面2Aが1の凹円弧状をなす一対の切屑排出溝2,2
が、軸線O方向後端側に向かうに従い工具回転方向Tの
後方側に捩れるように軸線Oを挟んで互いに反対側に対
称に形成され、これらの切屑排出溝2,2の工具回転方
向Tを向く壁面の先端に形成されたチップ取付座3,3
に、それぞれスローアウェイチップ4がその切刃4Aを
工具先端に突出させてクランプネジ5により着脱可能に
取り付けられている。なお、この例では、同形同大の略
菱形平板状に形成されたスローアウェイチップ4,4が
工具内周側と外周側とにずらされて取り付けられてい
て、これに伴い互いの切刃4A,4Aも工具内外周に偏
って配設されて、その軸線O回りの回転軌跡がオーバー
ラップして加工穴を形成するようにされている。
【0003】また、工具本体1において、この切刃部1
Aの後端側には、後端側に向かうに従い漸次拡径する円
錐台状の鍔部1Bが形成されていて、切屑排出溝2,2
はこの鍔部1Bにおいて外周側に切り上げられていると
ともに、この鍔部1Bよりもさらに後端側は、工具本体
1を工作機械に装着するための略円柱状のシャンク部1
Cとされている。さらに、このシャンク部1Cの後端面
からは上記軸線Oに沿って切削油剤等の供給孔6が切刃
部1Aに向けて穿設されており、この供給孔6は、切刃
部1Cの先端側において2つに分岐して工具本体1の先
端面に開口させられている。なお、この例では鍔部1B
の外周にも上記供給孔6に連通する連通孔6Aが形成さ
れてネジ止めされている。また、上述のように1の凹円
弧によって形成された切屑排出溝2の溝底面2Aの両縁
部には、工具本体1の周方向において一対の切屑排出溝
2,2の間に画成されるランド7,7の両側縁を断面直
線状に切り欠くようにして、溝底面2Aに鈍角に交差す
る幅の小さな面取り部2B,2Bがそれぞれ形成されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
穴明け工具においては、穴明けされる加工穴の内径に対
して穴深さが深くなるほど、良好な切屑排出性と工具剛
性や強度とが求められる。しかるに、切屑排出性の向上
を図るには一般に切屑排出溝2の断面積を大きくするこ
とが考えられるが、溝底面2Aの断面が凹円弧状とされ
た上記従来の穴明け工具において、単純に切屑排出溝2
の断面積を大きくしようとして例えばその溝深さを深く
したりすると、切刃部1Aにおける工具本体1の芯厚が
小さくなって工具剛性や強度が損なわれ、穴明け加工中
に工具本体1に振れが生じて加工精度が著しく劣化した
り、場合によっては工具本体1の折損を招くおそれが生
じる。特に、上述のように軸線Oに沿って切削油剤等の
供給孔6が工具本体1に形成されている場合には、芯厚
が小さくなるとこの供給孔6と溝底面2Aとの間の肉厚
が薄くなるため、穴明け加工時に工具本体1に作用する
捩りモーメントによってこの部分から容易に破断が生じ
てしまう。また、このように芯厚が小さくなるのを避け
るために、例えば溝深さは一定としたまま溝底面2Aが
なす上記凹円弧の半径を大きくしたり、あるいはこの切
屑排出溝2を工具本体1の周方向に延びる断面長円状に
形成したりすると、この切屑排出溝2の溝幅が大きくな
って逆にランド7の幅は小さくなり、工具外周側での切
刃部1Aの肉厚が削がれてしまうために、やはり工具剛
性や強度の劣化を招くことになる。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、深穴を穴明けする場合でも芯厚やランド幅を小
さくすることなく切屑排出溝の断面積を大きくして、工
具本体の剛性や強度と良好な切屑排出性とをともに確保
することが可能な穴明け工具を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される工具本体の先端部外周に、一対の切屑排出溝
が上記軸線を挟んで互いに反対側に設けられるととも
に、これらの切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先
端には切刃が設けられてなる穴明け工具であって、上記
一対の切屑排出溝の少なくとも一方は、その溝底面を、
上記軸線に直交する断面において、上記軸線を中心とし
た芯厚円の工具回転方向側と工具回転方向後方側に接す
る一対の凹曲線を含んだ複数の凹曲線によって構成した
ことを特徴とする。従って、このような穴明け工具にお
いては、従来の切屑排出溝の溝底面が1の凹円弧によっ
て形成された穴明け工具と同じ芯厚および溝幅であって
も、上記複数の凹曲線をこの凹円弧よりも凹ませて溝底
面を形成することができ、これにより工具剛性や強度は
確保したまま切屑排出溝の断面積を増大させて切屑排出
性の向上を図ることができる。
【0007】ここで、この溝底面を構成する上記凹曲線
としては、各種の曲線を適用することが可能ではある
が、溝底面の形成の容易さや切屑に与えられる抵抗の安
定性などを考慮すると、円弧状とされるのが望ましい。
また、同様の理由から、上記複数の凹曲線は、互いに等
しい曲率半径とされるのが望ましく、さらに工具回転方
向側と工具回転方向後方側とで互いに対称な形状とされ
ていることが望ましいが、切屑排出溝の断面積をさらに
増大させたりするのに、複数の凹曲線のうちの少なくと
も一部を、他の凹曲線と異なる曲率半径としてもよい。
さらにまた、工具本体の回転バランスを考慮すると、上
記一対の切屑排出溝同士は軸線Oに対して回転対称に形
成されるのが望ましいのであるが、例えば上記スローア
ウェイ式ドリルのように切刃が工具先端の内周側と外周
側とに偏って設けられていて、生成される切屑の量や性
状も異なる場合などには、上記一対の切屑排出溝同士の
溝底面を、上記軸線に直交する断面において互いに異な
る形状としてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、それぞれ本発
明の第1〜第5の実施形態を示す図6に示したスローア
ウェイ式ドリルの軸線Oに直交するZZ断面に相当する
図であり、この図6や図7に示した従来の穴明け工具と
共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。
すなわち、これら第1〜第5の実施形態においては、工
具本体1先端の切刃部1Aに形成される一対の切屑排出
溝2,2の少なくとも一方が、その溝底面2Aが、工具
本体1の軸線Oに直交する断面において、この軸線Oを
中心とした芯厚円Aの工具回転方向T側と工具回転方向
Tの後方側とに間隔をあけて接する一対の凹曲線を含ん
だ複数の凹曲線によって構成されている。なお、図1な
いし図5において符号Bで示すのは、これら第1〜第5
の実施形態の切屑排出溝2と面取り部2B,2Bを含め
て溝幅Wが等しく、かつ溝底面2Aが同じ芯厚dの芯厚
円Aに接する切屑排出溝2を1の凹円弧によって形成し
た場合の該円弧を延長した円であり、すなわち第1〜第
5の実施形態と溝幅Wおよび芯厚dが等しい従来の穴明
け工具の切屑排出溝2の溝底面2Aの断面を示すもので
ある。ただし、上記面取り部2B,2Bの少なくとも一
方は形成されていなくてもよい。
【0009】ここで、これら第1〜第5の実施形態にお
いて上記凹曲線は、図中に符号C1,C2,…で示した
円の一部、すなわち円弧とされている(以下、凹曲線C
またはC1,C2,…と称する。)。ただし、これらの
凹曲線C…の曲率半径、すなわち本実施形態では該凹曲
線C…がなす円弧の半径は、上記円Bの半径よりも小さ
くされている。また、こうして複数の凹曲線C…によっ
て溝底面2Aが構成された切屑排出溝2においては、こ
れら複数の凹曲線C…は、工具回転方向T側と工具回転
方向T後方側とで互いに対称な形状とされており、すな
わち軸線Oに直交する断面において、上記芯厚円Aに接
する一対の凹曲線C1,C2またはその延長線の交点と
軸線Oとを結ぶ仮想直線Lに対して溝底面2Aが対称と
なるように形成されている。従って、本実施形態では、
溝底面2Aが凹曲線C…によって構成された切屑排出溝
2の該凹曲線C…の数は偶数となる。なお、これら芯厚
円Aに接する一対の凹曲線C1,C2が交差する部分
は、該凹曲線C1,C2同士がそのまま凸V字状に交差
するようにされていてもよいが、例えば上記芯厚円Aや
上記円Bに沿って面取りされていてもよく、またこれら
芯厚円Aに接する一対の凹曲線C1,C2同士以外の凹
曲線C…同士が交差する部分や該凹曲線C…と上記面取
り部2B,2Bとが交差する部分も、例えば円Bに沿っ
て面取りされていてもよい。
【0010】これら第1〜第5の実施形態のうち、まず
図1〜図3に示す第1〜第3の実施形態においては、上
記一対の切屑排出溝2,2の溝底面2A,2Aの双方が
複数の凹曲線C…によって構成されている。しかも、こ
れら第1〜第3の実施形態では、これら一対の切屑排出
溝2,2の溝底面2A,2Aが軸線Oに直交する断面に
おいてなす形状が該軸線Oについて回転対称となるよう
に、すなわち一方の溝底面2Aを軸線O回りに回転させ
た形状が他方の溝底面2Aと一致するようにされてい
る。そして、さらにこのうち図1に示す第1の実施形態
では、溝底面2Aが、工具本体1の軸線Oに直交する断
面において上記芯厚円Aの工具回転方向T側と工具回転
方向Tの後方側とに接する一対の凹曲線C1,C2によ
って構成されている。ただし、これらの凹曲線C1,C
2の曲率半径、すなわち該凹曲線C1,C2がなす上記
円弧の半径は互いに等しくされており、しかも上記円B
の半径の1/2よりも大きくされている。
【0011】また、図2に示す第2の実施形態では、芯
厚円Aに接する一対の凹曲線C3,C4を含めて4つの
凹曲線C3〜C6によって溝底面2Aが構成されてお
り、すなわち芯厚円Aの工具回転方向T側に接する凹曲
線C3のさらに工具回転方向T側には凹曲線C5が、ま
た芯厚円Aの工具回転方向T後方側に接する凹曲線C4
のさらに工具回転方向T後方側には凹曲線C6が、それ
ぞれ配されている。ここでこれらの凹曲線C3〜C6
は、その曲率半径すなわち該凹曲線C3〜C6がなす円
弧の半径が互いに等しく、また上記円Bの円周方向に略
等間隔に位置するように配設されている。ただし、この
凹曲線C3〜C6の半径は、溝幅Wが同じ場合には第1
の実施形態の凹曲線C1,C2よりも小さく、さらに上
記円Bの半径の1/2や芯厚円Aの半径(芯厚dの1/
2)よりも小さくされている。
【0012】さらに、図3に示す第3の実施形態におい
ては、上記第2の実施形態と同様に芯厚円Aに接する一
対の凹曲線C7,C8を含めた曲率半径の等しい4つの
凹曲線C7〜C10が円Bの円周方向に等間隔に形成さ
れた上で、工具回転方向T側の凹曲線C7,C9の間に
さらに凹曲線C11が、また工具回転方向T後方側の凹
曲線C8,C10の間にはさらに凹曲線C12が形成さ
れ、合計6つの凹曲線C7〜C12によって溝底面2A
が構成されている。ここで、これらの凹曲線C11,C
12は、その曲率半径が上記凹曲線C7〜C10の曲率
半径よりも僅かに大きくされ、すなわち一部の凹曲線C
11,C12の曲率半径形の凹曲線C7〜C10の曲率
半径と異なる大きさとされている。また、凹曲線C1
1,C12がなす円弧の中心は、上記凹曲線C7〜C1
0の円弧の中心が位置する円Bと同心の円上において、
凹曲線C7,C9の中心同士の中央と凹曲線C8,C1
0の中心同士の中央とに配置されている。従って、円B
の中心からの凹曲線C11,C12による切屑排出溝2
の溝深さは、凹曲線C7〜C10による溝深さよりも大
きくされている。
【0013】一方、図4および図5に示す第4、第5の
実施形態では、上記一対の切屑排出溝2,2同士で、軸
線Oに直交する断面における溝底面2A,2Aの形状が
互いに異なるものとされている。このうち、図4に示す
第4の実施形態では、一方の切屑排出溝(図中左上の切
屑排出溝)2の溝底面2Aが第2の実施形態と同様に4
つの凹曲線C3〜C6によって構成されているのに対
し、他方の切屑排出溝(図中右下の切屑排出溝)2の溝
底面2Aは従来と同様に円Bに沿って形成された1つの
凹曲線(凹円弧)だけで構成されている。また、図5に
示す第5の実施形態では、一方の切屑排出溝(図中左上
の切屑排出溝)2の溝底面2Aが第3の実施形態と同様
に6つの凹曲線C7〜C10によって構成されているの
に対し、他方の切屑排出溝(図中右下の切屑排出溝)2
の溝底面2Aは第1の実施形態と同様に一対の凹曲線C
1,C2によって構成されている。なお、これら第4、
第5の実施形態において、各切屑排出溝2の溝底面2A
を構成する複数の凹曲線C1〜C12の曲率半径や配置
は、それぞれ対応する第1〜第3の実施形態の凹曲線C
1〜C12の曲率半径や配置と同様である。
【0014】従って、このように構成された穴明け工具
では、その溝底面2Aが複数の凹曲線C1〜C12によ
って構成された切屑排出溝2において、従来の円Bによ
る1つの凹円弧によって構成された切屑排出溝と等しい
溝幅Wおよび芯厚d、あるいはランド幅Eであっても、
図1〜図5において凹曲線C1〜C12が円Bより凹ん
でいることからも分かるように、その断面積は大きくす
ることができ、これにより工具本体1の切刃部1Aにお
ける剛性や強度は十分に確保したまま、切屑排出性の向
上を図ることができる。このため、上記構成の穴明け工
具によれば、たとえ穴明けされる加工穴の穴深さが内径
に比べて大きく、従って切刃部1Aもその切刃の外径に
比べて軸線方向の長さが長い場合や、あるいは軸線Oに
沿って切削油剤等の供給孔6が穿設されている場合であ
っても、穴明け加工中に工具本体1に振れが生じて加工
精度が損なわれたり、この切刃部1Aに折損や破断が生
じたりするのを防ぐことができ、高精度の穴明け加工を
長期に亙って安定して行うことが可能となる。
【0015】また、上記第1〜第5の実施形態において
は、この切屑排出溝2の溝底面2Aを構成する上記複数
の凹曲線C1〜C12がいずれも円弧とされており、切
屑排出溝2内を通して排出される切屑がこの凹曲線C1
〜C12に沿って溝底面2Aに摺接しながら流れ出てい
っても、局部的に強い抵抗を該溝底面2Aから受けて詰
まりを生じたりするようなことはなく、しかも切屑排出
溝2が螺旋状に形成されている場合でもその成形が比較
的容易であるという効果が得られる。ただし、この溝底
面2Aを構成する複数の凹曲線の一部または全部を、こ
のような円弧以外の凹曲線、例えば楕円やサイクロイ
ド、トロコイドなどによる凹曲線とされていてもよい。
さらに、第1、第2の実施形態のように、溝底面2Aを
構成する複数の凹曲線C1,C2やC3〜C6を互いに
等しい曲率半径とすれば、これらの凹曲線C1,C2や
C3〜C6部分を同一の工具(砥石やボールエンドミ
ル)で形成することができて、その加工が一層容易とな
るとともに、溝底面2Aに摺接した切屑が受ける抵抗も
均一化されてより安定する。また、これら第1、第2の
実施形態も含めて、上記第1〜第5の実施形態では、各
々の切屑排出溝2において、その工具回転方向T側と工
具回転方向T後方側とで溝底面2Aを構成する凹曲線C
1とC2、またはC3,C5とC4,C6、またはC
7,C9,C11とC8,C10,C12が互いに対称
に形成されているので、非対称とされている場合に比べ
て、加工工具が比較的少なくて済み、また切屑の抵抗の
変動も少なくすることができる。
【0016】一方、上記第3の実施形態のように、切屑
排出溝2の溝底面2Aを構成する凹曲線C7〜C12の
うち一部の凹曲線C11,C12の曲率半径を他の凹曲
線C7〜C10と異なる大きさとすれば、すべての凹曲
線が同じ曲率半径である場合に比べて切屑排出溝2の断
面積をさらに大きくすることができ、一層良好な切屑排
出性を得ることができる。特に、この第3の実施形態で
は、溝底面2Aの工具回転方向T側と工具回転方向T後
方側とにおいて、その芯厚円Aに接する工具内周側の凹
曲線C7,C8と工具外周側の凹曲線C9,C10とが
曲率半径の小さなものとされているのに対し、これら凹
曲線C7,C9間および凹曲線C8,C10間に配され
る凹曲線C11、C12の曲率半径が大きくされている
ので、芯厚円Aの周辺や工具外周側における工具本体1
の肉厚は減少させることなく、切屑排出溝2の断面積を
大きくすることができ、切屑排出性の向上と工具剛性や
強度の確保とを一層高いレベルで両立させることができ
る。なお、このように一部の凹曲線の曲率半径を他の凹
曲線と異なる大きさとするときには、各切屑排出溝2に
おいてその溝底面2Aが工具回転方向T側と工具回転方
向T後方側とで対称とならなくてもよく、場合によって
はすべての凹曲線の曲率半径が互いに異なる大きさとさ
れていてもよい。
【0017】さらに、上記第1〜第3の実施形態におい
ては、一対の切屑排出溝2,2が、軸線Oに直交する断
面において、その溝底面2A,2A同士が工具本体1の
軸線Oについて回転対称に形成されており、従って穴明
け加工時に工具本体1が軸線O回りに回転する際の切刃
部1Aの回転バランスを均等に保つことができて、振れ
などによる加工精度の劣化をより確実に防止することが
できるという効果を得ているが、上記第4の実施形態の
ように一対の切屑排出溝2,2の一方の溝底面2Aが複
数の凹曲線C3〜C6で形成されるとともに他方の溝底
面2Aが1の凹円弧で形成されていたり、あるいは第5
の実施形態のように一対の切屑排出溝2,2の双方が複
数の凹曲線C1,C2およびC7〜C12で構成されて
いるものの、その曲率半径や凹曲線の数、配置などが互
いに異なるものとされていて、その結果これらの切屑排
出溝が軸線Oについて対称とならなくなっていてもよ
い。特に、当該穴明け工具が上述した切刃が工具内外周
に偏って設けられたスローアウェイ式ドリルである場合
には、外周側に設けられた切刃からは内周側に設けられ
た切刃よりも多くの切屑が生成されるので、このように
一対の切屑排出溝2,2同士を非対称として、外周側の
切刃に連なる切屑排出溝2にはより大きな断面積が与え
られるようにして良好な切屑排出性を確保する一方、内
周側の切刃に連なる切屑排出溝2の断面積は小さくして
工具本体1の剛性や強度をより高くすることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体の先端部外周に形成される一対の切屑排出溝の
溝底面を、軸線に直交する断面において芯厚円の工具回
転方向側と工具回転方向後方側に接する一対の凹曲線を
含んだ複数の凹曲線によって構成することにより、芯厚
を小さくしたり、溝幅を大きくしてランド幅を損なった
りすることなく、切屑排出溝の断面積を大きくすること
ができ、これにより工具本体の剛性や強度は十分に確保
したまま、切屑排出性の向上を図ることができる。従っ
て、深穴を加工したり、工具軸線に沿って切削油剤等の
供給孔が穿設されている場合でも、穴明け加工時の工具
本体の損傷を防ぎつつ円滑に切屑を排出して安定した加
工を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す軸線Oに直交
した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図2】 本発明の第2の実施形態を示す軸線Oに直交
した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図3】 本発明の第3の実施形態を示す軸線Oに直交
した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図4】 本発明の第4の実施形態を示す軸線Oに直交
した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図5】 本発明の第5の実施形態を示す軸線Oに直交
した断面図(図6におけるZZ断面図に相当)である。
【図6】 従来および本発明の第1〜第5の実施形態の
穴明け工具の側面図である。
【図7】 従来の穴明け工具の軸線Oに直交した断面図
(図6におけるZZ断面図)である。
【符号の説明】
1 工具本体 1A 切刃部 2 切屑排出溝 2A 溝底面 4A 切刃 6 切削油剤等の供給孔 7 ランド O 工具本体1の軸線 T 工具回転方向 C1〜C12 凹曲線 A 芯厚円 d 芯厚 B 切屑排出溝2の溝底面2Aの断面を1の凹円弧で形
成した場合の該円弧がなす円 W 溝幅 E ランド幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川出 保彦 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 Fターム(参考) 3C037 DD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の先端部
    外周に、一対の切屑排出溝が上記軸線を挟んで互いに反
    対側に設けられるとともに、これらの切屑排出溝の工具
    回転方向を向く壁面の先端には切刃が設けられてなる穴
    明け工具であって、上記一対の切屑排出溝の少なくとも
    一方は、その溝底面が、上記軸線に直交する断面におい
    て、上記軸線を中心とした芯厚円の工具回転方向側と工
    具回転方向後方側に接する一対の凹曲線を含んだ複数の
    凹曲線によって構成されていることを特徴とする穴明け
    工具。
  2. 【請求項2】 上記凹曲線は、円弧状とされていること
    を特徴とする請求項1に記載の穴明け工具。
  3. 【請求項3】 上記複数の凹曲線は、互いに等しい曲率
    半径とされていることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の穴明け工具。
  4. 【請求項4】 上記複数の凹曲線のうちの少なくとも一
    部は、他の凹曲線と異なる曲率半径とされていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の穴明け工
    具。
  5. 【請求項5】 上記複数の凹曲線は、工具回転方向側と
    工具回転方向後方側とで互いに対称な形状とされている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の穴明け工具。
  6. 【請求項6】 上記一対の切屑排出溝同士の溝底面が、
    上記軸線に直交する断面において互いに異なる形状とさ
    れていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の穴明け工具。
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