JP2006007394A - クーラントホール付き小径ドリル - Google Patents

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Takashi Uejima
隆司 上島
Yoshihiro Kondo
芳弘 近藤
Takenori Shimizu
武則 清水
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Abstract

【課題】刃径4.0mm以下の小径オイルホール付ドリルにおいて、ランド部という狭い部分に配置される流体供給用の貫通孔の径が小さいことに起因するシャンク部での圧力損失を低減する、クーラントホール付き小径ドリルを提供する。
【解決手段】ドリル内部にシャンク部後端から刃先近傍まで切削油剤或いは切削ミスト或いはエアー等の流体を供給する流体供給用の貫通孔を有し、該貫通孔は、シャンク部で、シャンク端より、シャンク径の0.4倍〜0.7倍、シャンク長さの0.01倍〜0.8倍のクーラント溜のスペースを設け、該クーラント溜から刃先迄をスパイラルに設けたクーラントホール付き小径ドリルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、小径ドリルの切削油剤或いは切削ミスト或いはエアー等のクーラントを供給するスパイラルホールに関する。
ドリル加工は、先端切れ刃で切削が行われるため、外部給油方式では加工穴が深くなったり、ドリルの回転が速くなるにつれて刃先まで供給が届き難くなり、それに伴って刃先温度が上昇し刃先の軟化や酸化作用によって早期に寿命になっていた。これらを改善するため、オイルホールを設けているが、ドリル断面のランド部という狭い部分に配置されるため、小径ドリルではドリル強度が損なわれ折損の危険性が増加するので、オイルホールの穴径を大きく出来ない。上記オイルホール付き小径ドリルを用いてシャンク後端より高圧ポンプによりクーラントを供給しても、刃先先端に開口したスパイラルホールから吐出されるクーラントは微量で、刃先の冷却や潤滑を行うには不十分である。
特許文献1は、シャンク部と刃部を有し、該刃部は直径3mm以下で、刃部内には先端面に開口が形成された2つのオイルホールが回転軸線をはさんで対向して形成されてなるオイルホール付ドリルが記載されている。
特開平11−197926号公報
小径のオイルホール付ドリルの流体供給用の貫通孔の径は、ドリル断面のランド部という狭い部分に配置されるためホール径は小さく、シャンク後端より刃先近傍までほぼドリル全長にわたって設けられており、スパイラルゆえにその長さが長くなり、特に、刃径4.0mm以下のドリルでは刃部の長さよりシャンク部の長さが機械への取り付け上長くなるものが多く、シャンク部での圧力損失が大きい。
本願発明は、ドリル内部にシャンク部後端から刃先近傍まで切削油剤或いは切削ミスト或いはエアー等の流体を供給する流体供給用の貫通孔を有し、該貫通孔は、シャンク部で、シャンク端より、シャンク径の0.4倍〜0.7倍、シャンク長さの0.01倍〜0.8倍のクーラント溜のスペースを設け、該クーラント溜から刃先迄をスパイラルに設けたことを特徴とするクーラントホール付き小径ドリルである。更に、該シャンク形状がストレートシャンク、シャンク径1.5mm〜4.0mm、ドリル刃径1.0mm〜4.0mmに設けたことを特徴とするクーラントホール付き小径ドリルである。
本発明によって、小径ドリルにおいても、吐出されるクーラントの量を増加させ、ドリル刃先の磨耗を抑制できた。
本発明は、該シャンク部内部にクーラント溜をシャンク部後端から設け、該クーラント溜の長さは、シャンク長さの0.01倍以下では供給流体の刃先からの吐出量を増加させる事が困難で、ドリル刃先の磨耗を抑制する事が出来ず、シャンク長さの0.8倍以上ではドリル強度が低下し折損や加工中の振動が発生するので、該クーラント溜の長さをシャンク長さの0.01倍以上0.8倍以下の範囲とした。
次に、該クーラント溜の径は、シャンク径の0.4倍以下では流体供給用の貫通孔と該クーラント溜を充分に接続することが出来ず流体を安定して供給できず、0.7倍以上ではシャンク強度が不足し折損や加工中の振動が発生するので、該クーラント溜の径をシャンク径の0.4倍以上0.7倍以下の範囲とした。
更に、クーラント溜の設定はシャンク径が1.5以下ではクーラント溜の加工が困難で、シャンク径が4.0を越えるスパイラルホール付ドリルでは、ドリル径が大きくなることで切削抵抗が増大し、折損や加工中の振動が発生するのでクーラント溜の設定をシャンク径1.5以上4.0以下の範囲とした。
ドリル刃径1.0mm以下ではホール付ドリルの製作が困難であり、4.0mm以上では前述の理由によりドリル刃径を1.0mm以上4.0mm以下の範囲とした。以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明例・比較例1〜25を、超硬合金製、ドリル刃数2、ドリル刃径2.0mm、シャンク径3.0mm、シャンク長さ20mm、首下長さ18mm、ドリル全長38mm、スパイラルホールの径0.3mm、ホールピッチ1.0mm、捩れ角21°、先端角135°、TiAlN被覆とし、該クーラント溜の長さと径を、放電加工により行い、表1としたものを用いて、各形状で5本の工具を用い、穴加工を行った。
Figure 2006007394
尚、S50Cの生材を、穴深さ6mmまで、ノンステップで、切削条件は、切削速度50m/min、送り量239mm/min、水溶性切削油を2.2Mpaでシャンク部後端に供給して行い、500穴加工した後の、穴加工の状況を調査し表1に併記する。表1に示す通り、本発明の範囲内の形状は、安定した穴加工が行なえたが、仕様範囲外の形状はいずれも折損したり、加工途中に振動による切削異常音が発生したりして不安定であった。
(実施例2)
本発明例26、比較例27として、超硬合金製、ドリル刃数2、首下長25mm、ドリル全長50mm、捩れ角30°、先端角135°、TiAlN被覆で、とした表2記載の仕様としたものをそれぞれ2本用いて行った。
Figure 2006007394
穴加工は、S50Cの生材をドリル刃径の3倍の深さまでノンステップで、切削条件は、切削速度50m/min、送り量398mm/min、水溶性切削油を2.2Mpaでシャンク部後端に供給し、200穴加工後の状況をを表2に併記する。表2より、本発明例26は、安定した穴加工が行なえたが、比較例27は、いずれも折損したり、加工途中に振動による切削異常音が発生したりして不安定であった。
図1は、本発明例の正面視図を示す。 図2は、本発明例の軸端視図を示す。
符号の説明
1:ドリル刃径
2:シャンク径
3:首下長
4:シャンク長
5:ホールピッチ
6:ホール径
7:クーラント溜
8:クーラント溜の長さ
9:クーラント溜の径

Claims (2)

  1. ドリル内部にシャンク部後端から刃先近傍まで切削油剤或いは切削ミスト或いはエアー等の流体を供給する流体供給用の貫通孔を有し、該貫通孔は、シャンク部で、シャンク端より、シャンク径の0.4倍〜0.7倍、シャンク長さの0.01倍〜0.8倍のクーラント溜のスペースを設け、該クーラント溜から刃先迄をスパイラルに設けたことを特徴とするクーラントホール付き小径ドリル。
  2. 請求項1記載のクーラントホール付き小径ドリルにおいて、該シャンク形状がストレートシャンク、シャンク径1.5mm〜4.0mm、ドリル刃径1.0mm〜4.0mmに設けたことを特徴とするクーラントホール付き小径ドリル。
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