JP2011073090A - 回転工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転工具ホルダ1は、ホルダ本体2において回転主軸の回転中心軸線Oと同一軸線上に設けたチューブ収納穴31に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気Aから冷気C2を発生させるボルテックスチューブ4を収納してなる。ホルダ本体2には、シャンク部23の中心位置からチューブ収納穴31の外周側位置を通って渦発生部41まで圧縮空気Aを導く圧縮空気通路32と、チューブ収納穴31の基端側の外周側へ旋回暖気流H1による暖気H2を排気する排気口33とが形成してある。回転工具ホルダ1は、旋回冷気流C1による冷気C2を、回転工具7に設けた冷気穴71又は回転工具7の外縁から噴出させるよう構成してある。
【選択図】図1
Description
これに対し、特許文献2の切削工具においては、ボルテックスチューブを用いた冷風発生器を工具本体に一体に組み付け、冷風によって加工部位を冷却することが開示されている。これによれば、エネルギー損失を抑制し、加工部位の制約を少なくすることができる。
該回転工具ホルダは、上記ホルダ本体において上記回転主軸の回転中心軸線と同一軸線上に設けたチューブ収納穴に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気から冷気を発生させるボルテックスチューブを収納してなり、
該ボルテックスチューブは、先端側に渦発生部を有し、該渦発生部に流入する圧縮空気によって先端側から基端側へ通過する自由渦による旋回暖気流を発生させると共に、該旋回暖気流の中心側に基端側から先端側へ通過する強制渦による旋回冷気流を発生させるよう構成してあり、
上記ホルダ本体には、上記シャンク部の中心位置から上記チューブ収納穴の外周側位置を通って上記渦発生部まで圧縮空気を導く圧縮空気通路と、上記チューブ収納穴の基端側の外周側へ上記旋回暖気流による暖気を排気する排気口とが形成してあり、
上記旋回冷気流による冷気を、上記回転工具に設けた冷気穴又は上記回転工具の外縁から噴出させるよう構成したことを特徴とする回転工具ホルダにある(請求項1)。
該回転工具ホルダは、上記ホルダ本体において上記回転主軸の回転中心軸線と同一軸線上に設けたチューブ収納穴に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気から冷気を発生させるボルテックスチューブを収納してなり、
該ボルテックスチューブは、先端側に渦発生部を有し、該渦発生部に流入する圧縮空気によって先端側から基端側へ通過する自由渦による旋回暖気流を発生させると共に、該旋回暖気流の中心側に基端側から先端側へ通過する強制渦による旋回冷気流を発生させるよう構成してあり、
上記ホルダ本体の外周には、該ホルダ本体を回転可能に支持する回転支持部材が設けてあり、
該回転支持部材には、上記渦発生部まで圧縮空気を導く圧縮空気通路を形成した通路部材が設けてあり、
上記旋回冷気流による冷気を、上記回転工具に設けた冷気穴又は上記回転工具の外縁から噴出させるよう構成したことを特徴とする回転工具ホルダにある(請求項4)。
具体的には、回転工具ホルダは、回転主軸によって回転する際の遠心力の発生を考慮して、ホルダ本体において回転主軸の回転中心軸線と同一軸線上に設けたチューブ収納穴に、ボルテックスチューブを収納してなる。これにより、回転工具ホルダが回転する際の遠心力の発生を抑制することができる。
また、ボルテックスチューブから排気される暖気は、チューブ収納穴の基端側の外周側へ形成した排気口から外部へ排気することができる。これにより、回転工具ホルダの回転に伴って排気口が回転しながら外部へ暖気を排気することになり、対流熱伝達が作用して、回転工具ホルダの排気口の周辺が局所的に過熱されることを抑制することができる。
これにより、回転切削加工を行う際に、回転工具の直近において冷気を発生させ、冷気のエネルギー損失を抑えることができる。また、回転工具ホルダの内部から回転工具へ冷気を供給することができることにより、回転工具の周辺に障害物が存在しない。これにより、被加工物における加工部位の制約を受けることなく、効果的に回転切削加工を行うことができる。
具体的には、第1の発明と同様に、回転工具ホルダの構成によって、回転する際の遠心力の発生を抑制することができ、排気口の周辺が局所的に過熱されることを抑制することができる。また、ボルテックスチューブにおける渦発生部へは、ホルダ本体を回転可能に支持する回転支持部材に設けた通路部材の圧縮空気通路から圧縮空気を導くことができる。また、本発明においても、冷気のエネルギー損失を抑えることができ、被加工物における加工部位の制約を受けることなく、効果的に回転切削加工を行うことができる。
第1の発明において、上記ホルダ本体は、内側嵌合部及び上記シャンク部を形成してなる基端側本体部と、上記内側嵌合部の外周に嵌合する外側嵌合部及び上記工具保持部を形成してなる先端側本体部とを組み付けてなり、かつ上記基端側本体部と上記先端側本体部との間に形成した上記チューブ収納穴に上記ボルテックスチューブを収納してなり、上記圧縮空気通路は、上記外側嵌合部を通って形成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、チューブ収納穴を容易に形成することができ、回転加工ホルダをコンパクトに形成することができる。
この場合には、ホルダ本体の内部に、圧縮空気通路をコンパクトに形成することができる。
(実施例1)
本例の回転工具ホルダ1は、図1に示すごとく、ホルダ本体2の基端に設けたシャンク部23を回転駆動力を発生させる回転主軸6に保持し、ホルダ本体2の先端に設けた工具保持部24に回転工具7を保持して用いるものである。
回転工具ホルダ1は、ホルダ本体2において回転主軸6の回転中心軸線Oと同一軸線上に設けたチューブ収納穴31に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気Aから冷気C2を発生させるボルテックスチューブ4を収納してなる。ボルテックスチューブ4は、先端側に渦発生部41を有し、渦発生部41に流入する圧縮空気Aによって先端側から基端側へ通過する自由渦による旋回暖気流H1を発生させると共に、旋回暖気流H1の中心側に基端側から先端側へ通過する強制渦による旋回冷気流C1を発生させるよう構成してある。
図1において、基端側を矢印L1で示し、先端側を矢印L2で示す。
図2に示すごとく、本例の回転工具ホルダ1は、工作機械60の回転主軸6におけるチャック部に保持され、工具保持部24に保持するドリル7A、エンドミル7B、リーマ等の回転工具7によって被加工物に回転切削加工を行うために用いる。
シャンク部23は、基端(上方先端)に向かうに連れて縮径するテーパ状に形成してあり、シャンク部23の基端には、スタッド部231が取り付けられている。また、シャンク部23の下端側に隣接する部位には、回転主軸6に保持する回転工具ホルダ1の回止めを行う回止め溝(図示略)が周方向の対向位置に一対に形成されている。
ボルテックスチューブ4は、基端側本体部21と先端側本体部22との間の空間312に渦発生部41を配置し、残りのチューブ部42を基端側本体部21の穴部分311に配置して収納されている。チューブ部42における基端側部分には、暖気H2の排気量を調整するバルブ43が配設されている。
外周側通路部322は、基端側通路部321内と外側嵌合部221内とに連続して形成してある。先端側本体部22の外側嵌合部221の周方向部位において、外周側通路部322を形成した部位と異なる部位には、基端側本体部21と先端側本体部22との回止め及び抜け防止を行う止め具27が設けてある。傾斜通路部323は、シャンク部23の一対の回止め溝の周方向の対向部位に直交する方向に傾斜して形成してある。
また、先端に切刃72が形成される回転工具7であれば、回転工具7の中心軸線方向に平行に1本又は複数本の冷気穴71を貫通形成することもできる。
そして、ボルテックスチューブ4によって発生した冷気C2は、エンドミル7Bにおける外周に軸線方向に沿って噴出される。
また、ボルテックスチューブ4から排気される暖気H2は、チューブ収納穴31の基端側の外周側へ形成した排気口33から外部へ排気することができる。これにより、回転工具ホルダ1の回転に伴って排気口33が回転しながら外部へ暖気H2を排気することになり、対流熱伝達が作用して、回転工具ホルダ1の排気口33の周辺が局所的に過熱されることを抑制することができる。
これにより、回転切削加工を行う際に、回転工具7の直近において冷気C2を発生させ、冷気C2のエネルギー損失を抑えることができる。また、回転工具ホルダ1の内部から回転工具7へ冷気C2を供給することができることにより、回転工具7の周辺に障害物が存在しない。これにより、被加工物における加工部位の制約を受けることなく、効果的に回転切削加工を行うことができる。
本例は、図5に示すごとく、圧縮空気通路32をホルダ本体2の内部ではなく、ホルダ本体2の外部に設けた回転工具ホルダ1を示す例である。
本例のホルダ本体2の外周には、ホルダ本体2を回転可能に支持する回転支持部材5が設けてある。回転支持部材5には、渦発生部41まで圧縮空気Aを導く圧縮空気通路32を形成した通路部材54が設けてある。
本例のホルダ本体2における先端側本体部22の先端側部分には、ボルテックスチューブ4の渦発生部41に連通される圧縮空気通路32の一部が形成してあり、この圧縮空気通路32の一部には、先端側本体部22の先端側部分の全周に設けた環状溝34が連通されている。
本例においても、回転工具ホルダ1のその他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
2 ホルダ本体
21 基端側本体部
22 先端側本体部
23 シャンク部
24 工具保持部
31 チューブ収納穴
32 圧縮空気通路
33 排気口
4 ボルテックスチューブ
41 渦発生部
5 回転支持部材
54 通路部材
6 回転主軸
7 回転工具
71 冷気穴
A 圧縮空気
H1 旋回暖気流
H2 暖気
C1 旋回冷気流
C2 冷気
Claims (4)
- ホルダ本体の基端に設けたシャンク部を回転駆動力を発生させる回転主軸に保持し、上記ホルダ本体の先端に設けた工具保持部に回転工具を保持して用いる回転工具ホルダにおいて、
該回転工具ホルダは、上記ホルダ本体において上記回転主軸の回転中心軸線と同一軸線上に設けたチューブ収納穴に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気から冷気を発生させるボルテックスチューブを収納してなり、
該ボルテックスチューブは、先端側に渦発生部を有し、該渦発生部に流入する圧縮空気によって先端側から基端側へ通過する自由渦による旋回暖気流を発生させると共に、該旋回暖気流の中心側に基端側から先端側へ通過する強制渦による旋回冷気流を発生させるよう構成してあり、
上記ホルダ本体には、上記シャンク部の中心位置から上記チューブ収納穴の外周側位置を通って上記渦発生部まで圧縮空気を導く圧縮空気通路と、上記チューブ収納穴の基端側の外周側へ上記旋回暖気流による暖気を排気する排気口とが形成してあり、
上記旋回冷気流による冷気を、上記回転工具に設けた冷気穴又は上記回転工具の外縁から噴出させるよう構成したことを特徴とする回転工具ホルダ。 - 請求項1において、上記ホルダ本体は、内側嵌合部及び上記シャンク部を形成してなる基端側本体部と、上記内側嵌合部の外周に嵌合する外側嵌合部及び上記工具保持部を形成してなる先端側本体部とを組み付けてなり、
上記チューブ収納穴は、上記基端側本体部内及び該基端側本体部と上記先端側本体部との間の空間に連続して形成してあり、
上記圧縮空気通路は、上記外側嵌合部内を通って形成してあることを特徴とする回転工具ホルダ。 - 請求項1又は2において、上記圧縮空気通路は、上記シャンク部の中心位置に上記回転中心軸線の方向に平行に設けた基端側通路部と、上記チューブ収納穴の外周側位置に上記回転中心軸線の方向に平行に設けた外周側通路部とを、上記シャンク部の外周から斜め先端側へ設けた傾斜通路部によって連通させ、該傾斜通路部における上記シャンク部の外周に位置する端部に埋め栓を設けてなることを特徴とする回転工具ホルダ。
- ホルダ本体の基端に設けたシャンク部を回転駆動力を発生させる回転主軸に保持し、上記ホルダ本体の先端に設けた工具保持部に回転工具を保持して用いる回転工具ホルダにおいて、
該回転工具ホルダは、上記ホルダ本体において上記回転主軸の回転中心軸線と同一軸線上に設けたチューブ収納穴に、ボルテックス効果を利用して圧縮空気から冷気を発生させるボルテックスチューブを収納してなり、
該ボルテックスチューブは、先端側に渦発生部を有し、該渦発生部に流入する圧縮空気によって先端側から基端側へ通過する自由渦による旋回暖気流を発生させると共に、該旋回暖気流の中心側に基端側から先端側へ通過する強制渦による旋回冷気流を発生させるよう構成してあり、
上記ホルダ本体の外周には、該ホルダ本体を回転可能に支持する回転支持部材が設けてあり、
該回転支持部材には、上記渦発生部まで圧縮空気を導く圧縮空気通路を形成した通路部材が設けてあり、
上記旋回冷気流による冷気を、上記回転工具に設けた冷気穴又は上記回転工具の外縁から噴出させるよう構成したことを特徴とする回転工具ホルダ。
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