JP2011530604A - キマーゼ阻害薬 - Google Patents

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Abstract

キマーゼが関与する種々の疾患及び症状を処置するのに有用な低分子阻害薬が開示される(式(I))。また、医薬組成物、これらの使用方法及び製造方法が開示される。

Description

出願データ
本出願は、2008年8月13日に出願された米国特許仮出願第61/088,551号の権利を主張する。
発明の分野
本発明は、キマーゼが関与する種々の疾患及び症状を処置するのに有用な低分子阻害薬に関する。
発明の背景
心筋症患者の心臓組織では、動物モデルにおいて心臓線維症を促進することが証明されている(Kuwahara, et al. Circulation, 2002, 106, 130)トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)が上昇している(Li et al., Circulation, 1997, 96, 874)。心筋の線維化領域では、肥満細胞は数を増し、そして心筋症の患者の心臓組織における線維芽細胞増殖の進行の一因となりうることが知られている(Patella et al., Circulation, 1998, 97, 971)。キマーゼは、肥満細胞の分泌顆粒に含有されるキモトリプシン様セリンプロテアーゼである。キマーゼの正確な生理学的役割は完全には明かされていないが、キマーゼは、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換することが知られており、そしてTGF−β、マトリックスプロテアーゼ類、及びサイトカイン類の活性化の一因となりうる(Taipale et al., J. Biol. Chem., 1995, 270, 4689; Takai et al., Life Sci., 1996, 58, 591; Takai et al., Circulation, 1999, 100, 654)。
強力かつ選択的なキマーゼ阻害薬は、心臓リモデリングの2つの独立メディエーターである、心臓におけるアンジオテンシンIIの局所産生及びTGF−βの放出を阻害することによる、慢性心不全、アテローム動脈硬化、再狭窄、及び心筋梗塞の処置法として利用できる可能性を有する。キマーゼは、微小血管漏出、好中球蓄積、粘液分泌の促進、及びサイトカイン類の調節に関与しているため、阻害薬はまた、皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び肺炎症のような、肥満細胞介在性疾患の処置にも利用できる可能性を有する(He et al., Eur. J. Pharmacol., 1998, 352, 91)。
幾つかの低分子キマーゼ阻害薬は、心不全の心筋症ハムスターモデルにおいて(Takai et al. J. Pharmacol. Exp. Ther. 2003, 305, 17)、イヌでのバルーンカテーテルによる頚動脈損傷において(Takai et al. J. Pharmacol.Exp. Ther, 2003, 304, 841)、及び心不全のハムスター冠動脈の左前下行枝結紮モデルにおいて(WO 03/018061)有効であることが報告されている。更に、あるキマーゼ阻害薬は、ヒツジ喘息モデルにおいて(WO 2005/073214)有効であることが証明されている。しかし、キマーゼ阻害薬の医薬としての製品化の例は存在しない。
発明の要約
したがって本発明の目的は、本明細書中と同義の低分子キマーゼ阻害薬、及びその医薬組成物を提供することである。
また本発明の目的は、前記キマーゼ阻害薬に関連する種々の疾患及び症状を処置するためのキマーゼ阻害薬の使用方法を提供することである。
更に本発明の目的は、前記キマーゼ阻害薬の製造方法を提供することである。
発明の詳細な説明
本発明の1つの一般的態様において、式(I):
Figure 2011530604

[式中、
は、水素、C−C直鎖若しくは分岐のアルキル基、C−C直鎖若しくは分岐のアルコキシ基又はハロゲンであり;
は、アリール又はヘテロアリール基(場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C−C直鎖又は分岐のアルキル、C−C直鎖又は分岐のアルコキシ、C−C直鎖又は分岐のアルキルチオ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)であり;
は、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル、C−C直鎖又は分岐のアルコキシカルボニル、カルボキサミド(ここで、N原子は、アルキルスルホニル基で置換されている)、ヘテロアリール(場合によりヒドロキシルで置換されている)及びアリールから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)である]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
別の実施態様において、
が、水素又はハロゲンであり;
が、フェニル(C−C直鎖若しくは分岐のアルキル又はC−C直鎖若しくは分岐のアルコキシで置換されている)、ナフチル、インドリル又はアザインドリル基(それぞれナフチル、インドリル又はアザインドリルは、場合により、ハロゲン、C−C直鎖若しくは分岐のアルキル又はC−C直鎖若しくは分岐のアルコキシから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)であり;
が、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、直前の実施態様の化合物が提供される。
別の実施態様において、
が、水素であり;
が、ナフチル又はインドリル基(それぞれ場合により、1〜3個のC−C直鎖又は分岐のアルキル基で独立に置換されている)であり;
が、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、直前の実施態様の化合物が提供される。
更に別の実施態様において、
が、ナフチル又はインドリル基(それぞれ場合により、1〜2個のメチル基で置換されている)であり;
が、C−C直鎖アルキル基(C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、直前の実施態様の化合物が提供される。
本発明の別の一般的態様において、式(II):
Figure 2011530604

[式(II)中、下記式:
Figure 2011530604

で示される要素は、下の表IのB1〜B6から選択され;そして
下記式:
Figure 2011530604

で示される要素は、下の表IのC1〜C5から選択される]で示される化合物:
Figure 2011530604

又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
本発明の別の実施態様において、後述の一般合成法及び実施例により製造することができる、表IIの下記化合物:
Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
本発明の別の実施態様において、キマーゼ試験法において阻害活性を示した、表IIIの下記化合物:
Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

Figure 2011530604

又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
本発明の別の実施態様において、表IVの好ましい下記化合物:
Figure 2011530604

又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
本出願の上記明細書に開示されている全ての化合物において、命名法が構造と矛盾している場合は、その化合物は構造により規定されると理解すべきである。
本発明は、ラセミ体及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物、並びに個々のジアステレオマーとして存在することができる、1個以上の不斉炭素原子を含有する上記の任意の化合物の使用を包含する。これらの化合物のこのような全ての異性体は、明示的に本発明に包含される。各不斉炭素は、R若しくはS立体配置であっても、又は立体配置の組合せであってもよい。
式(I)又は(II)の幾つかの化合物は、2種以上の互変異性体として存在することができる。本発明は、このような全ての互変異性体を使用する方法を包含する。
本明細書において使用される全ての用語は、特に断りない限り、当該分野において知られているようなその普通の意味において理解すべきである。例えば、C1−4アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシのような、末端酸素を持つ有機ラジカルのC1−4アルキルを包含する。
全ての有機ラジカル:アルキル、アルケニル及びアルキニル基、又はアシル及びアルコキシのような他のラジカルに組み込まれたこのような基は、構造的に可能でかつ特に断りない限り、分岐又は非分岐であると理解すべきであり、そして部分的又は完全にハロゲン化されていてもよい。
有機ラジカル又は化合物に関連して本明細書に上述及び後述されている「低級」という用語は、それぞれ7個以下、好ましくは4個以下そして有利には1個又は2個の炭素原子を持つ分岐又は非分岐のものを定義している。
環状基は、炭素環、複素環又はヘテロアリール(それぞれ部分的又は完全にハロゲン化されていてもよい)を意味すると理解すべきである。
炭素環は、3〜14個の炭素原子を含有する炭化水素環を包含する。これらの炭素環は、芳香族又は非芳香族環系のいずれかであってよい。非芳香族環系は、モノ−又はポリ不飽和の、単環式、二環式又は三環式であってよく、そして架橋していてもよい。好ましい炭素環は、特に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、ベンジル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル、アダマンチル、ノルボルニル、フルオレン、及びベンゾシクロヘプテニルを包含する。シクロブタニル及びシクロブチルのようなシクロアルキルに関する幾つかの用語は、互換的に使用するものとする。
「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSのような1〜4個のヘテロ原子を含有する、芳香族5〜8員単環式又は8〜11員二環式の環を意味すると理解すべきである。ヘテロアリールは、環の任意の原子により結合してよく、これにより安定構造が生み出される。特に断りない限り、このようなヘテロアリールは、アジリジニル、チエニル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、インダゾリル及びトリアゾリルを包含する。
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書において使用されるとき、酸素、窒素、硫黄及びリンのような、炭素以外の原子を意味すると理解すべきである。
本明細書において使用されるとき、「窒素」及び「硫黄」は、窒素及び硫黄の任意の酸化型、並びに任意の塩基性窒素の第4級型を包含する。開鎖又は環状ラジカル中の全てのヘテロ原子は、全ての酸化型を包含する。
全てのアルキル基又は炭素鎖において、1個以上の炭素原子は、場合によりヘテロ原子:O、S又はNにより置換されていてもよく、Nが置換されていないならば、これはNHであると理解すべきであり、またヘテロ原子は、分岐又は非分岐の炭素鎖内の末端炭素原子又は内部炭素原子のいずれかを置換してもよいと理解すべきである。このような基は、本明細書に上記のように、オキソのような基により置換することができ、これにより、特に限定されないが、アルコキシカルボニル、アシル、アミド及びチオキソのような定義が得られる。
「アリール」という用語は、本明細書において使用されるとき、本明細書に定義されるような芳香族炭素環又はヘテロアリールを意味すると理解すべきである。各々アリール又はヘテロアリールは、特に断りない限り、その部分的に若しくは完全に水素化された誘導体及び/又は部分的に若しくは完全にハロゲン化された誘導体を包含する。例えば、キノリニルは、デカヒドロキノリニル及びテトラヒドロキノリニルを包含してよく、ナフチルは、テトラヒドロナフチルのようなその水素化誘導体を包含してよい。本明細書に記載されるアリール及びヘテロアリール化合物の他の部分的に又は完全に水素化された誘導体は、当業者には明らかとなる。
「ハロゲン」という用語は、本明細書において使用されるとき、臭素、塩素、フッ素又はヨウ素、好ましくはフッ素を意味すると理解すべきである。「部分的に又は完全に水素化された」;部分的に又は完全にフッ素化された;「1個以上のハロゲン原子により置換された」という定義は、例えば、1個以上の炭素原子上のモノ、ジ又はトリハロ誘導体を包含する。アルキルでは、限定されない例は、−CHCHF、−CFなどになろう。
本発明の化合物は、当業者ならば承知のとおり「化学的に安定」であることが予期されるもののみである。例えば、「ダングリング価(dangling valency)」を有するであろう化合物、又は「カルボアニオン」は、本明細書に開示される本発明の方法により意図される化合物ではない。
本発明は、式(I)又は(II)の化合物の薬学的に許容しうる誘導体を包含する。「薬学的に許容しうる誘導体」とは、任意の薬学的に許容しうる塩又はエステル、あるいは患者に投与されると本発明に有用な化合物を提供(直接又は間接的に)できる任意の他の化合物、又は薬理活性代謝物若しくはその薬理活性残基のことをいう。薬理活性代謝物は、酵素的に又は化学的に代謝しうる、本発明の任意の化合物を意味すると理解すべきである。これは、例えば、式(I)、(II)又は(III)のヒドロキシル化又は酸化誘導体化合物を包含する。
薬学的に許容しうる塩は、薬学的に許容しうる無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものを包含する。適切な酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸及びベンゼンスルホン酸を包含する。シュウ酸のような他の酸は、これら自体は薬学的に許容しえないが、本化合物及びその薬学的に許容しうる酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に利用することができる。適切な塩基から誘導される塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN−(C−Cアルキル) 塩を包含する。
更に、本発明の範囲内で式(I)の化合物のプロドラッグが使用される。プロドラッグは、簡単な化学変換により、本発明の化合物を生成するように修飾されている化合物を包含する。簡単な化学変換は、加水分解、酸化及び還元を包含する。具体的には、プロドラッグが患者に投与されると、このプロドラッグは、本明細書に開示される化合物に変換され、その結果所望の薬理作用が与えられる。
本明細書に記載の化合物は、市販されているか、又は当該分野において周知の方法及び任意の必要な中間体により製造することができるかのいずれかである。
本発明を更に完全に理解してもらうために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、本発明の好ましい実施態様を例示する目的のものであり、本発明の範囲を何ら限定するものと解釈してはならない。
以下の実施例は例示的であり、そして当業者には認識されるとおり、特定の試薬又は条件は、過度の実験を行うことなく個々の化合物に必要とされるように修飾することができよう。以下のスキームに使用される出発物質は、市販されているか、又は当業者により市販の材料から容易に製造されるかのいずれかである。
一般合成法
本発明はまた、式(I)及び(II)の化合物の製造方法を提供する。全てのスキームにおいて、特に断りない限り、下記式中のR、R及びRは、本明細書に上記の本発明の式(I)及び(II)中のR、R及びRの意味を有するものとする。
最適な反応条件及び反応時間は、使用される特定の反応物に応じて変化させることができる。特に断りない限り、溶媒、温度、圧力、及び他の反応条件は、当業者であれば容易に選択することができる。具体的な手順は、合成例の項に提供される。典型的には、反応の進行は、必要に応じて薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターすることができ、そして中間体及び生成物は、シリカゲルのクロマトグラフィー及び/又は再結晶により精製することができる。本発明の化合物の製造に使用される適切に置換された出発物質及び中間体は、市販されているか、又は当業者には文献で知られている方法により容易に製造されるかのいずれかであり、そして以下の合成例に例示される。
式(I)及び(II)の化合物は、スキーム1に図解される方法により合成することができる。
Figure 2011530604
スキーム1に略述されるように、式(III)の無水フタル酸と式(IV)の酸との適温での反応により、式(V)のラクトンが得られる。式(V)のラクトンと式(VI)の置換ヒドラジンとの適切な溶媒中での反応により、式(I)の化合物が得られる。
あるいは、式(V)のラクトンとヒドラジンとの適切な条件下での反応により、式(VII)のフタラジノンが得られる。適切な溶媒中のHal−R(VIII)(ここで、Hal=Br又はI)のようなアルキル化剤での、適切な塩基の存在下でのフタラジノン(VII)のアルキル化により、式(I)の化合物が得られる。
式(IV)(ここで、Rは1,4−ジメチルインドリルである)の出発酸は、スキーム2に示される方法により合成することができる。
Figure 2011530604
スキーム2に示されるように、4−メチルインドール(IX)とホルムアルデヒド及びジメチルアミンとの、適切な反応条件下での反応により、式(X)のジメチルアミノ化合物が得られる。式(X)の化合物とヨウ化メチルとの反応と、これに続くシアン化カリウムのような試薬との反応により、式(XI)のニトリルが得られる。標準反応条件下でのヨウ化メチルによる化合物(XI)中のインドール窒素のN−メチル化により、式(XII)のジメチルインドールが得られる。式(XII)の化合物中のニトリル基の加水分解により、目的の式(IV)(ここで、Rは1,4−ジメチルインドリルである)の中間体が得られる。
当該分野において知られており、かつ以下の実施例に図解される方法による、式(I)又は(II)の最初の生成物の更なる修飾を利用することにより、本発明の更に別の化合物を製造することができる。
実験
実施例1:[3−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
Figure 2011530604
1.1) ジメチル−(4−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−アミン
氷酢酸(30mL)中のジメチルアミン(30mL、水中40%、120mmol)及びホルマリン(13mL、水中37%、84mmol)の冷却溶液に、0℃で4−メチルインドール(21g、165mmol)を加えた。この反応液を室温まで温め、3時間撹拌した。50% NaOH及び氷の添加により、この反応混合物をpH12にして、生成物を塩化メチレンで抽出した。有機層をNaSOで乾燥して濾過し、真空で溶媒を留去することにより、標題化合物を得たが、これを更に精製することなく使用した(33g、162mmol、98%)。LC/MS(M+1):205.7。
1.2) ヨウ化トリメチル−(4−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−アンモニウム
ジメチル−(4−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−アミン(20g、98mmol)をアセトニトリルに懸濁して、この物質が完全に溶解するまで温めた。この反応液を室温まで冷却し、次にヨウ化メチル(9.1mL、147mmol)をこの反応液に滴下により加えた。反応液を箔で覆い、次に室温で一晩撹拌した。次いでこの反応液を濾過して、濾液から真空で溶媒を留去することにより、油状物を得て、これをアセトニトリルにとった。次にこの白色固体をアセトニトリル及びエーテルで粉砕して、元の固体と合わせて標題化合物を得たが、これを更に精製することなく、使用した(30g、87mmol、88%)。LC/MS(M+1):347。
1.3) (4−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセトニトリル
ヨウ化トリメチル−(4−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−アンモニウム(2.6g、7.5mmol)をエタノール(53mL)に懸濁して、シアン化ナトリウム(736mg、15mmol)をこの反応液に加えた。反応液を撹拌して一晩加熱還流した。16時間後、この反応液を室温まで冷却して、真空で溶媒を留去した。生じた油状物をジクロロメタンにとり、水3×で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過して、真空で溶媒を留去した。生じた物質をヘキサン/ジクロロメタンを溶離液としてシリカで精製した(1.0g、5mmol、71%)。LC/MS(M+1):171.3。
1.4) (1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−アセトニトリル
(4−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセトニトリル(540mg、3.2mmol)を無水THF(10.3mL)にとり、0℃まで冷却して、水素化ナトリウム(228mg、鉱油中60%、6mmol)をこの撹拌溶液に加えた。反応液を0℃で15分間撹拌して、ヨウ化メチル(0.26mL、4mmol)を加えた。この溶液を0℃で20分間撹拌して、塩化アンモニウム飽和水溶液をゆっくり加えることによりクエンチした。化合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥(NaSO)し、濾過して、真空で溶媒を留去することにより、固体を得たが、これをヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルで精製した(1.0g、5mmol、71%)。LC/MS(M+1):185.5。
1.5) (1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−酢酸
(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−アセトニトリル(6.0g、33mmol)をエタノール(150mL)に懸濁して、次に水(150mL)中の水酸化カリウム(10.6g、162mmol)をこの溶液に加えた。この反応液を撹拌し、次いで16時間加熱還流した。次に反応液を室温まで冷却して、水で希釈した。水層をDCM(3×150mL)で洗浄し、次に水層を0℃まで冷却して12N HClの添加により酸性にした。生じた懸濁液をDCM(3×100mL)で抽出して、有機層を合わせ、濾過して真空で溶媒を留去した。生じた生成物は、更に精製することなく使用した(3.9g、20mmol、60%)。LC/MS(M+1):204.7。
1.6) 3−[1−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−メタ−(Z)−イリデン]−3H−イソベンゾフラン−1−オン
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコに(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−酢酸(0.5g、2.4mmol)、無水フタル酸0.3g(2.4mmol)、続いて無水酢酸ナトリウム1.2g(15.2mmol)を仕込んだ。フラスコを窒素流下で2時間200℃まで加熱した。トルエンを用いて生成した水を共沸により留去した。生じた褐色溶融物(98%)をとり直ちに次の工程に進めた。LC/MS(M+1):290.3。
1.7) [4−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−酢酸エチルエステル
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコにIPA 4mL中の(1.6)(0.7g、2.4mmol)を仕込んだ。ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩0.6g(5.0mmol)、続いてトリエチルアミン7.2mL(5.0mmol)を加えた。この反応液を100℃で4時間還流した。溶媒を取り出して、10%メタノール/ジクロロメタンに溶解した。有機層を水(1×)及び食塩水(1×)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して、生じた固体は、5〜95%アセトニトリル/水で溶出する逆相HPLCにより精製することによって(1.7)を得た(0.13g、13%)。LC/MS(M+1):390.2。
1) [3−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコにジオキサン/水(1:1)4ml中の(1.7)45mg(0.12mmol)を仕込んだ。水酸化リチウム9.7mg(0.23mmol)を加えて、4時間撹拌した。溶媒を留去して、ジクロロメタン及び水で希釈した。有機層を廃棄した。水層は5% HClでpH3まで酸性にした。目的生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去することにより、標題化合物(1)を得た(30mg、72%)。LC/MS(M+1):362.2。
Figure 2011530604

2) [3−(2−ナフチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピオン酸
これは、2−ナフチル酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノプロピオン酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率9%、LC/MS(M+1):359.2。
Figure 2011530604

3) [3−(1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピオン酸
これは、2−1H−インドール酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノプロピオン酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率4%、LC/MS(M+1):348.3。
Figure 2011530604

4) [3−(1−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピオン酸
これは、2−(1−メチルインドール)酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノプロピオン酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率3.4%、LC/MS(M+1):362.2。
Figure 2011530604

5) [3−(2−ナフチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
これは、2−ナフチル酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率9.8%、LC/MS(M+1):345.2。
Figure 2011530604

6) [3−(1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
これは、2−1H−インドール酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率1.5%、LC/MS(M+1):334.2。
Figure 2011530604

7) [3−(1−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
これは、2−(1−メチルインドール)酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率3%、LC/MS(M+1):348.1。
Figure 2011530604

8) [3−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−酢酸
これは、2−(5−メトキシ−1H−インドール)酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率0.6%、LC/MS(M+1):364.2。
Figure 2011530604

9) [3−(2,5−ジメチルフェニル酢酸)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピオン酸
これは、2,5−ジメチルフェニル酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノプロピオン酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率7.7%、LC/MS(M+1):337.2。
Figure 2011530604

10) [3−(3−メトキシフェニル酢酸)−4−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−5−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピオン酸
これは、3−メトキシフェニル酢酸で出発して実施例1と類似のやり方で製造し、ヒドラジノプロピオン酸エチル塩酸塩での環拡大、及びけん化により標題化合物を得た。全収率3%、LC/MS(M+1):339.3。
実施例11:[3−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−フェニル酢酸
Figure 2011530604
11.1) 3−[1−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−メタ−(Z)−イリデン]−3H−イソベンゾフラン−1−オン
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコに(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イル)−酢酸(0.5g、2.4mmol)(実施例1.5から)、無水フタル酸0.3g(2.4mmol)、続いて無水酢酸ナトリウム1.2g(15.2mmol)を仕込んだ。このフラスコを窒素流下で2時間200℃まで加熱した。トルエンを用いて生成した水を共沸により留去した。生じた褐色の溶融物(11.1)(98%)をとり直ちに次の工程に進めた。LC/MS(M+1):290.3。
11.2) 4−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−2H−フタラジン−1−オン
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコにエタノール4ml中の(11.1)120mg(0.4mmol)を仕込んだ。65%ヒドラジン一水和物(52μL/0.4mmol)を加えた。この反応混合物を3時間還流した。生成物が沈殿した。この反応混合物を濾過して、残渣をエタノール2mLで洗浄した。生じた白色の粉末を乾燥することにより、(11.2)を得た(78mg、62%)。LC/MS(M+1):304.4。
11.3) [4−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−フェニル−酢酸エチルエステル
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコに鉱油中の60%水素化ナトリウム4.3mg(0.1mmol)を仕込んだ。トルエン4mL中の(11.2)(33mg、0.1mmol)を加えた。反応混合物を1時間還流した。この反応混合物が室温までゆっくり冷却させた。α−ブロモフェニル酢酸メチル16.6μL(0.1mmol)を加えた。この反応混合物を更に24時間還流した。反応混合物を5% HClでクエンチした。溶媒を留去して、生じた粗生成物をDMSO 1mLに溶解した。この粗生成物は、5〜95% AcCN/水で溶出する逆相HPLCにより精製することによって、(11.3)を得た(25mg、51%)。LC/MS(M+1):452.3。
11) [3−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−フェニル−酢酸
窒素管及び撹拌棒を取り付けた反応フラスコにジオキサン/水(1:1)4ml中の(3)15mg(0.03mmol)を仕込んだ。水酸化リチウム2.7mg(0.06mmol)を加えて、反応液を室温で4時間撹拌した。溶媒を留去してジクロロメタン及び水で希釈した。有機層を廃棄した。水層は5% HClでpH3まで酸性にした。目的の生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去することにより(11.4)を得た(11mg、76%)。LC/MS(M+1):438.3。
Figure 2011530604

12) [3−(1,4−ジメチル−1H−インドール−3−イルメチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピル−酢酸
これは、1,4−ジメチル−インドール−3−酢酸で出発して実施例11と類似のやり方で製造し、ヒドラジン塩酸塩での環拡大、α−ブロモペンタン酸エチルでのアルキル化、及びけん化により標題化合物を得た。全収率15%、LC/MS(M+1):404.3。
Figure 2011530604

13) [3−(1−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−フェニル−酢酸
これは、1−メチル−インドール−3−酢酸で出発して実施例11と類似のやり方で製造し、ヒドラジン塩酸塩での環拡大、α−ブロモフェニル酢酸エチルでのアルキル化、及びけん化により標題化合物を得た。全収率1%、LC/MS(M+1):424.4。
Figure 2011530604

14) [3−(1−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピル−酢酸
これは、1−メチル−インドール−3−酢酸で出発して実施例11と類似のやり方で製造し、ヒドラジン塩酸塩での環拡大、α−ブロモペンタン酸エチルでのアルキル化、及びけん化により標題化合物を得た。全収率1.6%、LC/MS(M+1):390.3。
Figure 2011530604

15) [3−(2−ナフチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−フェニル−酢酸
これは、2−ナフチル酢酸で出発して実施例11と類似のやり方で製造し、ヒドラジン塩酸塩での環拡大、α−ブロモフェニル酢酸エチルでのアルキル化、及びけん化により標題化合物を得た。全収率16.4%、LC/MS(M+1):421.4。
Figure 2011530604

16) [3−(2−ナフチル)−5−エタ−(E)−イリデン−6−オキソ−4−プロパ−2−エン−(E)−イリデン−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−プロピル−酢酸
これは、2−ナフチル酢酸で出発して実施例11と類似のやり方で製造し、ヒドラジン塩酸塩での環拡大、α−ブロモペンタン酸エチルでのアルキル化、及びけん化により標題化合物を得た。全収率23%、LC/MS(M+1):387.3。
同様のやり方で以下の化合物を製造することができる:
Figure 2011530604

2−[4−(6−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−4−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−7−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(4−メチル−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(4,6−ジメチル−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(4−メチル−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(4−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−3−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
Figure 2011530604

2−[4−(5−クロロ−1,2,3−トリメチル−1H−インドール−7−イルメチル)−1−オキソ−1H−フタラジン−2−イル]−ペンタン酸
使用方法
本発明により、本明細書に記述される化合物及びその薬学的に許容しうる誘導体の使用方法が提供される。本発明において使用される化合物は、キマーゼを阻害する。キマーゼは、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換することが知られており、TGF−β、マトリックスプロテアーゼ及びサイトカイン類の活性化の一因となりうるため、キマーゼの阻害は、種々の疾患又は症状を予防及び処置するための魅力ある手段である。例には、心不全(慢性心不全(非虚血性)、心筋梗塞後心不全(虚血性)、急性心筋梗塞、再灌流傷害、左室機能障害、心臓線維症、拡張期心不全及び肥大性心筋症を包含する)、高血圧(肺高血圧、収縮期高血圧及び抵抗性高血圧を包含する)、冠動脈疾患、末梢動脈閉塞性疾患、動脈瘤、安定/不安定狭心症、再狭窄、糖尿病性腎症、心房細動/心室性不整脈、心臓弁膜症、心膜疾患、腎不全(慢性腎疾患、末期腎不全)、卒中がある。本発明の化合物はまた、以下の医療処置にも有用であろう:冠動脈バイパス移植術、経皮的冠動脈インターベンション及びステント留置術。
本発明の範囲内の他の疾患は、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び肺炎症、喘息、変形性関節症、骨吸収疾患、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、毒素性ショック症候群、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、急性及び慢性疼痛;更には炎症、熱傷、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、外傷に続発する多臓器損傷、急性糸球体腎炎、急性炎症性要素を伴う皮膚病、急性化膿性髄膜炎又は他の中枢神経系疾患の症状;血液透析、白血球フェレーシスに伴う症候群、顆粒球輸血関連症候群、及び壊死性腸炎、外傷性関節炎、及び敗血症を包含する。この件に関する参照は、US 5,948,785; US 6,271,238; US 5,691,335; US 5,814,631; US 6,300,337; EP 1,099,690; US 6,323,219; US 2005-0245536 A1; Fukami, et al., Current Pharmaceutical Design 1998, vol. 4, pp.439-453に作られる。
発明の背景に開示されるように、本発明の化合物は、サイトカイン類の活性化の一因となりえ、よってこれらは腫瘍性疾患の処置に有用となろう。この件に関する参照は、US 2005-0245536 A1に作られる。これらの疾患は、特に限定されないが、充実性腫瘍、例えば、乳癌、気道、脳、生殖器官、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌及びこれらの遠隔転移などを包含する。これらの疾患はまた、リンパ腫、肉腫、及び白血病を包含する。
乳癌の例は、特に限定されないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、及び上皮内小葉癌を包含する。
気道の癌の例は、特に限定されないが、小細胞及び非小細胞肺癌、更には気管支腺腫並びに胸膜肺芽腫及び中皮腫を包含する。
脳腫瘍の例は、特に限定されないが、脳幹、視神経及び視床下部膠腫、小脳及び大脳星細胞腫、髄芽種、上衣腫、更には下垂体性、神経外胚葉性及び松果体腫瘍を包含する。
末梢神経系腫瘍の例は、特に限定されないが、神経芽細胞腫、神経節芽細胞腫、及び末梢神経鞘腫瘍を包含する。
内分泌及び外分泌系の腫瘍の例は、特に限定されないが、甲状腺癌、副腎皮質癌、褐色細胞腫、及びカルチノイド腫瘍を包含する。
男性生殖器の腫瘍は、特に限定されないが、前立腺癌及び精巣癌を包含する。
女性生殖器の腫瘍は、特に限定されないが、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌を包含する。
これらの疾患は、ヒトにおいてよく特性決定されているが、他の哺乳動物においても類似の病因により存在し、そして本発明の医薬組成物により処置することができる。
治療的使用には、本化合物は、任意の従来の剤形で任意の従来法で投与することができる。投与の経路は、特に限定されないが、静脈内、筋肉内、皮下、滑液嚢内、輸液による、舌下、経皮、経口、局所又は吸入による経路を包含する。好ましい投与様式は、経口及び静脈内である。
本明細書に記載される化合物は、単独で、又は他の活性成分を包含する補助剤(阻害薬の安定性を強化し、ある実施態様においてこれらを含有する医薬組成物の投与を促し、溶解又は分散を増加させ、阻害活性を増大させ、補助療法を与えるなど)と組合せて投与することができる。有利には、このような併用療法は、低用量の従来の治療薬を利用することにより、これらの薬剤が単剤療法として使用されると被る、見込まれる毒性及び有害な副作用を回避できる。本発明の化合物は、従来の治療薬又は他の補助剤と物理的に合わせて単一の医薬組成物にしてもよい。他の治療薬との組合せは、特に限定されないが、以下を包含する:アンジオテンシンII受容体ブロッカー、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、CETP阻害薬/apoA1模倣物質、アデノシン二リン酸(P2Y12)阻害薬、直接トロンビン阻害薬、アルドステロンアンタゴニスト、血液凝固第Xa因子阻害薬、ナトリウム利尿ペプチド(ANP/BNP)、レニン阻害薬、抗不整脈薬、キマーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬(スタチン類)、Rhoキナーゼ阻害薬、β−ブロッカー、リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2阻害薬、強心配糖体、カルシウムチャネルブロッカー、利尿薬、フィブラート類、エンドセリン受容体アンタゴニスト、GPIIb/IIIa阻害薬、ヒストンデアセチラーゼ阻害薬、ヘパリン類、ニコチン酸誘導体、バソペプチダーゼ阻害薬、亜硝酸塩及び硝酸塩、脂肪酸酸化阻害薬、経口抗凝固薬、アシル−CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害薬、血栓溶解薬、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質阻害薬、チアゾリジンジオン類、アデノシン受容体モジュレーター、コレステロール吸収阻害薬、糖化最終産物/受容体(AGE/RAGE)相互作用モジュレーター/ブロッカー、アセチルサリチル酸、ジピリダモール、遺伝子治療及び細胞療法。
有利には、このような併用療法は、低用量の従来の治療薬を利用することにより、これらの薬剤が単剤療法として使用されると被る、見込まれる毒性及び有害な副作用を回避できる。本発明の化合物は、従来の治療薬又は他の補助剤と物理的に合わせて単一の医薬組成物にしてもよい。有利には、次に本化合物は、単一剤形にして一緒に投与することができる。幾つかの実施態様において、このような化合物の組合せを含む医薬組成物は、少なくとも約5%、しかし更に好ましくは少なくとも約20%の化合物(w/w)又はその組合せを含有する。本発明の化合物の最適百分率(w/w)は、変化させることができ、そして当業者の守備範囲内である。あるいは、本化合物は、別々に(連続的に又は並行して)投与することができる。別々の投与により、用法用量の柔軟性を高められる。
上述のとおり、上記化合物の剤形は、当業者には知られている薬学的に許容しうる担体及び補助剤を包含する。これらの担体及び補助剤は、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝物質、水、塩又は電解質及びセルロース性物質を包含する。好ましい剤形は、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、液体製剤、液剤、懸濁剤、乳剤、トローチ剤、シロップ剤、復元用粉剤、顆粒剤、坐剤及び経皮パッチを包含する。このような剤形の調製方法は知られている(例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger (1990)を参照のこと)。用量のレベル及び必要用量は、当該分野において充分に認識されており、当業者であれば特定の患者に適切な利用可能な方法及び手法から選択することができる。幾つかの実施態様において、用量レベルは、70kgの患者に対して約1〜1000mg/投与の範囲である。1日1回投与でも充分であるが、1日に5回以下の投与を行ってよい。経口投与には、2000mg/日以下が要求されるかもしれない。当業者であれば承知のとおり、特定の要因に応じてもっと低用量又は高用量が要求されることもある。例えば、具体的な用量及び治療計画は、患者の全身健康状態、患者の疾患の重篤度及び経過又はそれの素因、並びに担当医の判断のような要因に依存するだろう。
「患者」という用語は、ヒト及び非ヒト哺乳動物の両方を包含する。
「有効量」という用語は、本発明の化合物が投与又は使用される状況において、所望の効果又は結果を達成するのに充分な、本発明の化合物の量を意味する。その状況に応じて、この有効量という用語は、薬学的有効量又は診断的有効量を包含してよいか、又はこれらと同義であってよい。
「薬学的有効量」又は「治療有効量」という用語は、本発明の化合物を必要とする患者に投与されると、本化合物が有用である病態、症状、又は障害の処置を達成するのに充分な、本発明の化合物の量を意味する。このような量は、研究者又は臨床医が求める組織、系、又は患者の生物学的又は医学的応答を惹起するのに充分であろう。治療有効量を構成する本発明の化合物の量は、化合物及びその生物学的活性、投与に使用される組成物、投与の時間、投与の経路、化合物の排出の速度、処置の期間、処置される病態又は障害のタイプ及びその重篤度、本発明の化合物と併用されるか又は同時に使用される薬物、並びに患者の年齢、体重、全身健康状態、性、及び食事のような要因に応じて変化するだろう。このような治療有効量は、当業者であれば、自身の知識、先行技術、及び本開示を考慮してごく普通に決定することができる。
「診断的有効量」という用語は、診断方法、装置、又は試験法に使用されるとき、その診断方法、装置、又は試験法に必要な、所望の診断的効果又は所望の生物学的活性を達成するのに充分な、本発明の化合物の量を意味する。このような量は、研究者又は臨床医が求める、患者又はインビトロ若しくはインビボの組織若しくは系における生物学的又は医学的応答を包含してもよい、診断方法、装置、又は試験法における生物学的又は医学的応答を惹起するのに充分であろう。診断的有効量を構成する本発明の化合物の量は、化合物及びその生物学的活性、使用される診断方法、装置、又は試験法、投与に使用される組成物、投与の時間、投与の経路、化合物の排出の速度、投与の期間、本発明の化合物と併用されるか又は同時に使用される薬物及び他の化合物、並びに患者が診断的投与の対象であるならば、患者の年齢、体重、全身健康状態、性、及び食事のような要因に応じて変化するだろう。このような診断的有効量は、当業者であれば、自身の知識、先行技術、及び本開示を考慮してごく普通に決定することができる。
「処置すること」又は「処置」という用語は、患者のある病態の処置を意味し、そして以下:
(i) 患者がその病態を発症するのを防ぐこと(特に、このような患者が遺伝的に又は他の理由でその病態の素因を有するが、まだ罹患したと診断されていないとき);
(ii) 患者のその病態を阻害又は改善すること、即ち、その病態の進行を停止又は遅延させること;あるいは
(iii) 患者のその病態を軽減すること、即ち、その病態の退縮又は治癒を引き起こすこと
を包含する。
キマーゼの阻害のインビトロ試験法
キマーゼ試験法は、総容量15μLで非結合表面を持つCorning不透明黒色384ウェルマイクロタイタープレート(Corning, NY)中で実施した。アッセイ緩衝液は、20mMトリスHCl pH8.0、50mM NaCl、0.01% CHAPSから構成した。試験化合物は、96ウェルポリプロピレンプレート中でニートDMSOにより10mM DMSO原液から連続3倍希釈することにより、10点の用量反応曲線を得た。得られたDMSO溶液3μLを384ウェルポリプロピレンプレートに二重反復で移して、アッセイ緩衝液37μLを加えた。キマーゼは、アッセイ緩衝液3μL中に入れてアッセイプレートに加え、続いてPlateMate Plus(Matrix Technologies Corp., Hudson NH)を用いて適切な化合物希釈液2μLを加えた。反応は、Multidrop(Thermo Electron Corp., Waltham, MA)を用いて、150μLトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、Pierce Chemical, Rockford, IL)を含有するアッセイ緩衝液中のローダミン110、ビス−(スクシノイル−L−アラニル−L−アラニル−L−プロリル−L−フェニルアラニルアミド)(American Peptides, Sunnyvale, CA)10μLの添加により開始させた。最終アッセイ濃度は、500pMキマーゼ、100nM基質、100μM TCEP、及び1% DMSOであった。プレートを28℃及び湿度80%で1時間インキュベートし、このとき485nm励起、530nm発光、及びフルオレセイン・ダイクロイックミラーによるViewlux 1430マイクロプレート・イメージャー(Perkin Elmer Life Sciences, Boston, MA)で蛍光を読みとった。キマーゼを差し引いた完全な反応液を含有するアッセイブランク、及び化合物の代わりに1% DMSOのアッセイ緩衝液を含有する100%対照に対して、対照値の百分率を算出した。IC50値は、XLFit4(IDBS Software)を用いてデータを適合させることにより得た。本発明の好ましい化合物は、1μM以下の活性を有する。
本出願に引用された全ての特許及び文献は、全体が引用例として本明細書に取り込まれる。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2011530604

    [式中、
    は、水素、C−C直鎖若しくは分岐のアルキル基、C−C直鎖若しくは分岐のアルコキシ基又はハロゲンであり;
    は、アリール又はヘテロアリール基(場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、C−C直鎖又は分岐のアルキル、C−C直鎖又は分岐のアルコキシ、C−C直鎖又は分岐のアルキルチオ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)であり;
    は、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル、C−C直鎖又は分岐のアルコキシカルボニル、カルボキサミド(ここで、N原子は、アルキルスルホニル基で置換されている)、ヘテロアリール(場合によりヒドロキシルで置換されている)及びアリールから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)である]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. が、水素又はハロゲンであり;
    が、フェニル(C−C直鎖若しくは分岐のアルキル又はC−C直鎖若しくは分岐のアルコキシで置換されている)、ナフチル、インドリル又はアザインドリル基(それぞれナフチル、インドリル又はアザインドリルは、場合により、ハロゲン、C−C直鎖若しくは分岐のアルキル又はC−C直鎖若しくは分岐のアルコキシから選択される1〜3個の置換基で独立に置換されている)であり;
    が、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、請求項1に記載の化合物。
  3. が、水素であり;
    が、ナフチル又はインドリル基(それぞれ場合により、1〜3個のC−C直鎖又は分岐のアルキル基で独立に置換されている)であり;
    が、C−C直鎖又は分岐のアルキル基(場合により、C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、請求項2に記載の化合物。
  4. が、ナフチル又はインドリル基(それぞれ場合により、1〜2個のメチル基で置換されている)であり;
    が、C−C直鎖アルキル基(C−C直鎖又は分岐のアルキル、カルボキシル及びフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されている)である、請求項3に記載の化合物。
  5. 式(II):
    Figure 2011530604

    [式(II)中、下記式:
    Figure 2011530604

    で示される要素は、下の表IのB1〜B6から選択され;そして
    下記式:
    Figure 2011530604

    で示される要素は、下の表IのC1〜C5から選択される]で示される化合物:
    Figure 2011530604

    又はその薬学的に許容しうる塩。
  6. 下の表から選択される化合物:
    Figure 2011530604

    Figure 2011530604

    Figure 2011530604

    Figure 2011530604

    又はその薬学的に許容しうる塩。
  7. 下の表から選択される化合物:
    Figure 2011530604

    Figure 2011530604

    又はその薬学的に許容しうる塩。
  8. 治療有効量の請求項1に記載の化合物並びに1種以上の薬学的に許容しうる担体及び/又は補助剤を含む、医薬組成物。
  9. 慢性心不全(非虚血性)、心筋梗塞後心不全(虚血性)、急性心筋梗塞、再灌流傷害、左室機能障害、心臓線維症、拡張期心不全、肥大性心筋症、肺高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎症、喘息、収縮期高血圧、抵抗性高血圧、冠動脈疾患、末梢動脈閉塞性疾患、動脈瘤、安定/不安定狭心症、再狭窄、糖尿病性腎症、心房細動/心室性不整脈、心臓弁膜症、心膜疾患、慢性腎疾患、末期腎不全及び卒中から選択される疾患又は症状の処置方法であって、薬学的有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
  10. 冠動脈バイパス移植術、経皮的冠動脈インターベンション及びステント留置術から選択される医療処置を必要とする疾患又は症状の処置方法であって、更に薬学的有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
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