JP2011529414A - カチオン変性クレー粒子を有するインクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

インクジェット印刷システムは、インクジェットプリンター、インク組成物および、支持体と、支持体上に支持体から順番に多孔性ベース層、多孔性中間層および多孔性最上層を塗布したインクジェット媒体を含有し、各々が特定の限定を有する。インクジェット記録媒体およびプリンターシステムは低コストの材料を用いて1回の被覆および乾燥工程を必要とする効果的な方法で製造することができ、優れた光沢、色濃度および画像品質を提供する。

Description

本発明は高い品質のインクジェット印刷のための多層被覆インクジェット受容体、その製法およびインクジェットプリンターでの紙上への印刷方法に関する。より詳しくは、本発明は優れた印刷色濃度、画像品質および光沢を有するインクジェット記録要素に関する。被覆組成物は1回の被覆パスで層を被膜することに適合している。
典型的なインクジェット記録および印刷システムにおいて、インク液滴はハイスピードでノズルから記録要素または媒体に噴出されて、媒体上に画像を形成する。インク液滴、即ち記録液は一般に記録剤(たとえば、染料または顔料)および多量の溶媒を含有する。溶媒、すなわちキャリア液は典型的には水および1以上の有機材料、たとえば一価アルコールまたは多価アルコールを含有する水性混合物から成っている。
インクジェット記録要素は典型的には一方の側に少なくとも1つのインク受容層(IRL)を有する支持体からなる。一般的に2つの型のIRLが存在する。IRLの第1の型は高い膨潤性を有するポリマーの非多孔質被膜からなり、非多孔質被膜はインクを分子拡散によって吸収する。カチオン性またはアニオン性物質が被膜に加えられ、染料固定剤またはカチオンまたはアニオン染料の媒染剤として機能する。典型的には基材は平滑な樹脂被覆紙であり、被膜は要すれば透明および非常に平滑であり、非常に高い光沢の「フォト−グレード」インクジェット記録要素になる。しかしながらこの型のIRLはインクを徐々に吸収して、画像受容体または印刷がすぐに乾燥して触れられるようにならない。
第2の型のインク受容層(IRL)は無機、ポリマー状または有機−無機コンポジット粒子、ポリマー状バインダーおよび要すれば添加剤(たとえば、染料固着剤または媒染剤)の多孔質被膜からなる。この粒子は化学組成、大きさ、形および内部粒子多孔性が大きく異なりうる。この場合、印刷液がIRLの開口内部連続孔に吸着され、実質的に毛官現象によって、すぐに乾燥して接触可能な印刷が得られる。典型的には1つ以上の層に含まれ得る多孔質媒体の完全に連続した粒子間間隙容積はイメージを形成するすべての適用インクを保持することが可能である。
理論的には、多孔質層中の有機および/または無機粒子は粒子間の空隙によって孔を形成する。バインダーは粒子を互いに保持するのに使用される。しかしながら、高い孔体積を維持するために、バインダーの量を制限することが望まれている。余りに多くのバインダーは粒子またはビーズ間の空隙を埋めて、インクの吸着を減少する。一方、余りに少ないバインダーは多孔質層の割れを防止することが不十分である。
光沢を有する多孔質インクジェット記録媒体は通常基材に加えて少なくとも2層を有する:すなわち基材に1番近いベース層および基材から離れた光沢を有する画像受容層からなる。「写真グレード」光沢を得るための1つの方法は樹脂被覆した紙基材上にインクジェット受容層を塗布することである。樹脂被覆紙基材はしかしながら比較的高価であり、製造に余分な樹脂被覆工程を必要とする。
たとえば、バーメル(Bermel)による米国特許6,630,212には、樹脂被覆された基材紙上に塗布された2つの多孔質層を有するインクジェット記録媒体が開示されている。2層はポリエチレン樹脂被覆基材紙上にプレメータ法、押出ホッパー被覆によって同時に塗布される。ベース層被覆組成物はヒュームドアルミナ粒子、PVAバインダーおよび塗装助剤を固形分30%で含有する。ベース層の被覆重量は43g/mである。ベース層上の画像受容層はヒュームドアルミナ粒子、カチオンポリマー状ラテックス分散体およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)バインダーを含有する。IRLの被覆重量は2.2g/mである。アルミナは高いインク容量の記録材料として比較的高価な材料である。
「写真グレード」の光沢を有するインクジェット記録媒体はプレーンの紙基材上に被覆するときに形成されてもよい。プレーン紙基材は一般に凹凸があるか、樹脂被覆紙基材より平滑でないので、画像受容層上の平滑で光沢のある表面を達成するために特別な被覆方法、たとえばキャスト被覆またはフィルムトランスファー被覆を用いることが一般に必要である。これらの特別な被覆方法は乾燥を必要としたり、追加的な工程を必要としたりすることでその製産性に問題がある。加熱および加圧を用いるマイルドカレンダーも一般的なポストメーター(ブレード、ロッドまたはエアーナイフ)またはプレメータ(ビーズまたはカーテン)被覆方法と組み合わせてプレーンペーパー上に用いて、画像受容層上の光沢を有する表面を提供する。過剰なカレンダー工程はインク吸収能力の低減に繋がる。
多孔質インクジェット受容体の製造方法は典型的には水性粒子分散体の被覆を用いる。そのような組成物に有用な粒子は一般的に表面電位を持っており、それが粒子間の反発力や水相での極性分子の吸引力を提供することによって分散体の安定性を向上する。これらの粒子は表面の化学的性質によって特徴付けられる。粒子表面上の電荷を有する化学部分が予め一般的にマイナス電位を有するならば、粒子はここではアニオン性粒子と定義付けられる。炭酸カルシウムおよび酸化シリコン粒子の分散体はその本質的状態(3〜10のpH範囲)でアニオン性微粒子の例である。逆に、全体でプラスの表面電荷を有する分散粒子はここではカチオン粒子と呼ぶ。アルミナはインクジェット受容体の多孔質層中で用いられるカチオン粒子の例である。
上記粒子を用いる多孔質層を有するインクジェット受容体は公知である。シュルツ(Schultz)らによる米国特許公開2007/0202279には、プレーン紙基材上に被覆された多孔質3層インク受容材料を記載する。多孔質ベース層はアニオン性顔料、たとえば沈降炭酸カルシウム(PCC)およびシリカゲル、およびバインダー、たとえばポリ(ビニルアルコール)およびスチレンブタジエンラテックス、および総乾燥重量少なくとも25g/mで含有する。3層材料中のベース層の主たる役割の1つは原料紙よりもその上層を被覆するために平滑な基材を提供するためである。また、多孔質ベース層はプリンターによる最上層へ提供されるインクに含まれるインク溶液の液溜めを提供する。シュルツらはコロイダルアルミナを含有する少なくとも25g/mの量の多孔質中間層および少なくとも1g/mの量におけるアルミナを含有する多孔質トップ層を記載する。ベース層はポストメータ法、たとえばロッドコーティングによって塗装され、その後の乾燥され、次いで、その上の2層は同時にプレメータ法、たとえばカーテン塗装によって塗装される。材料を少なくとも1回、要すれば最初のベース層被覆の後いずれかのときにカレンダーコーティングして、印刷していない状態で少なくとも15カードナーユニットの20度光沢を提供する。
シュルツらによって記載されるインクジェット記録要素は、優れた画像品質および光沢を提供するが、ベース層および上層の被覆組成物がそれぞれ適合しない反対の表面電荷の粒子を含有するために、ベース層と2つの上層の被覆の間に乾燥工程が必要である。非適合性の被覆組成物の被覆は、同時であってもウェトンウェットであっても、被覆分散体の凝集や、同時被覆が困難で、光沢が悪くなったりする。
インクジェット画像の品質および濃度が上昇すれば、インクジェット被覆要素(もしくは「受容体」と呼ぶ)に適用されるインクの量も増加する。このために、媒体中に適当な量の空隙容量を提供するのが重要であり、それによりパドリングまたは凝集および内部色ブリードを防止する。同時に、印刷スピードが需要者の要望を提供するために増大する。従って、インク量の増大を許容する十分な能力を有するだけではなく、媒体はインク体積/単位面積/単位時間によるより大きなインクフラックスが処理されなければならない。
シュルツらの要素は凝集を起こさないで高いインクフラックスを吸収することができ、光沢の所望のレベルを提供することができる。炭酸カルシウムを含有するベース層被覆組成物はアルミナを含有する上層被覆組成物と適合しない。アルミナを含有する組成物と炭酸カルシウムを含有する組成物との同時被覆はそれらが接触する被覆塗装装置に欠陥をもたらす不適合組成物の傾向によって排除される。さらに、50g/mより大きな乾燥固形分量を被覆するために必要な水の総重量が十分な結果を有する乾燥のために問題となる。速い乾燥条件では割れ(cracking)の問題が発生するが、乾燥条件がより緩くなると製産性が落ちる。
チェ(Chen)らによる米国特許6,150,289には、カチオン性ポリマーで処理して粒子の表面電荷を正にしたクレー粒子の被覆層を有するプレーン紙基材を含有するマット表面のインクジェット受容体が開示されている。粒子の70%が対応球直径0.5μ以上を有する。この被覆組成物を用いて光沢のあるインクジェット受容体を調製する方法が記載されていない。
以上のように、高い品質、高い容量、高い光沢の多孔質インクジェット受容体材料の製造は多層構造、1層以上の高い被覆重量および比較的高価な材料もしくは複雑な製造方法であることによって非常に難しい。
米国特許6,630,212 米国特許公開2007/0202279 米国特許6,150,289
写真品質のインクジェット受容体材料に関して、単一の被覆および乾燥工程だけで十分な方法で安い材料を用いる製法で製造でき、高い光沢、色濃度および画像品質を有する画像を提供するものが要求されている。
本発明は
(a)インクジェットプリンター;
(b)インク組成物;および
(c)支持体と、支持体上に支持体から順番に多孔性ベース層、多孔性中間層および多孔性最上層を塗布したインクジェット媒体を含有するインクジェット印刷システムにおいて、
(1)多孔性ベース層がバインダーおよびゼーター電位がプラスになるようにカチオン表面変性剤で処理したクレー粒子を含有し、該クレーがメジアン粒径1.0μ以下を有するものであり、
(2)多孔性中間層および多孔性最上層がそれぞれ独立して半金属または金属酸化物の粒子を含有し、それらがゼーター電位プラスを有するかまたはそのように処理され、粒子が平均二次粒径が500nm以下を有するものであり、かつ
(3)ベース層中のカチオン変性剤のミリモル当量/クレー粒子のグラム数の比が0.1以上であることを特徴とするインクジェット印刷システムを提供する。
本発明はまた記録媒体および媒体を製造する方法を提供する。インクジェット記録媒体は単一の被覆または乾燥工程だけを要求する効果的な方法で安価な材料を用いて製造することができ、印刷システムは優れた光沢、色濃度および画像品質を有する画像を提供する。
本発明に有用なインクジェットプリンターの模式図。 インクジェットプリンターの供給トレーから回収トレーへの媒体の流れを示す模式図。
本発明の上記目的および他の目的および特徴さらに利点を以下の説明および図面を考慮に入れてより詳細に説明する。明細書中の番号は同じ番号を使用するものは同じものを示す。
本発明は上記に要約されている。本発明に有用なインクジェット印刷システムはプリンター、少なくとも1つのインクおよびインクジェットプリンターからインクを受容するのに好適な画像記録要素、典型的にはシート(以下「媒体」とも呼ぶ。)を含む。インクジェット印刷はデジタルデータシグナルに対応して画像記録要素に画素毎にインク滴を付着することによって印刷イメージを形成する非衝撃方法である。所望の印刷画像を得るために画像記録要素上にインク滴の付着を制限するために用いられてもよい種々の方法が存在する。1つの方法は、ドロップ−オン−デマンドインクジェットとして知られており、個々のインク滴が画像記録要素上に必要に応じて噴出されて所望の印刷イメージを形成する。ドロップ−オン−デマンド印刷におけるインク滴の性質を制御する一般的な方法は圧電性トランスデューサー、熱バブル形成または可動性アクチェーターを包含する。
ドロップ−オン−デマンド(DOD)液放出装置は長年インクジェット印刷システムにおけるインク印刷装置として知られている。初期の装置は米国特許3,946,398(カイサーら)および米国特許3,747,120(ステンメー(Stemme))に記載されているような圧電性アクチェータに基づくものであった。インクジェット印刷、熱インクジェット(または「熱バルブジェット」)の現在の一般的な形態は電子的に抵抗のあるヒーターを用いて、液滴を放出する蒸気バルブを生成する(米国特許4,296,421(ハラら)に記載)。別の方法は、連続インクジェットとして知られており、液滴の連続粒を形成し、その一部が画像記録要素の表面に画像的な方法で反映され、非画像液滴はインク溜めに戻る。連続インクジェットプリンターは米国特許6,588,888;6,554,410;6,682,182;6,793,328;6,866,370;6,575,566および6,517,197に記載されている。
図1はプリンターの内部成分用の保護カバー40を含むインクジェットプリンター10の1つの模式図を示す。プリンターはトレーの中に媒体サプライ20を有する。プリンターはプリントヘッドにインクを供給する1以上の有機タンク18(図中では4つのインク種を有する)を有し、それからプリントヘッド30にインクが供給される。プリトヘツド30およびインクタンク18はキャリッジ100上に載置されている。プリンターは画像データ源12を有し、それがコントローラー(示していない)によってプリトヘツド30からインクの液滴を放出する指令として翻訳されたシグナルを供給する。プリトヘツドはインクタンクと一体化されていてもよく、また分離されていてもよい。プリントヘツドの例として米国特許7,350,902に記載されている。一般的な印刷操作では、媒体シートが媒体供給トレー中の記録媒体(またはインクジェット受容体)サプライ20からプリントヘツド30が媒体シート上にインキの液滴を放出する領域へ移動させる。印刷された媒体の集まり22が出力トレーに積み上がる。
図2には、どのようにインクジェットプリンターが多くのローラを含んで、図2の横からの図に模式的に示されているように媒体シートをプリンターを通って前進させる。この例ではピックアップローラ320が媒体供給トレー360中に存在する媒体のスタック20の最上の媒体シート371を矢印302の方向に動かす。ターンローラ322はC形状のパス350(カーブ状の表面を有する操作は示されていない)の回りに媒体シート371を移動させて、媒体シートがプリンター中304の矢印に示される方向に進む。媒体シート371は次いで供給ローラ312およびアイドラー(idler)ローラ323によってプリント領域303を横ぎりプリンターキャリッジ100の下の304の矢印の方向に進む。放電ローラ324および星型ホイール325は印刷された媒体シート390を方向304に沿って放出トレー380に移行する。一般的な媒体ピックアップおよび供給においてすべてのローラは前方向313に回転する。媒体シートまたはそれに含まれる情報の特徴を検索することが可能なセンサー215をキャリッジ100上に設けてもよい。媒体シートまたはその上に存在する情報の特性を検索するためのさらに別のセンサー375を媒体シート371の前面または裏面に向かって配置し、媒体供給トレー360を含む媒体移動パス350に沿って有利な位置に配置してもよい。また、インクジェット印刷システムはインク記録媒体の連続ロールで供給されるプリンターを有してもよく、その場合印刷後に個々の印刷物にカットされてもよい。
異なる型の稼動記録要素(媒体)がインクを吸収する能力が大きく変化する。インクジェット印刷システムは特定の媒体の型に適用する異なるプリントモードを提供する。1つのプリントモードは印刷操作中におけるインク液滴の放出の量、位置およびタイミングを決定する多くのルールである。インクジェット印刷における最適な画像再生において、印刷システムは正しいプリントモードを有する供給媒体タイプにマッチすべきである。印刷システムは供給媒体の特徴を受容する使用者のインターフェースに依存し、自動媒体検出システムを用いてもよい。媒体検出システムは媒体検出器、シグナルコンディショニング方法および媒体の特徴を決定するアルゴリズムまたはルックアップテーブルを含む。媒体検出器はロゴや媒体タイプに対応するパターンを含む媒体上に存在する印を検出するようにしてもよく、また本質の媒体特性、特に光の反射を検出するようにしてもよい。媒体光センサーは検出される特性に基づいて媒体シートの前または後ろのいずれかを見る位置に配置されてもよい。図2の例示されているように、光センサー375は媒体供給トレー360中の媒体シート371もしくは媒体移動バス350に沿って配置される。また、光センサー215はプリント領域303に配置されてもよい。必要に応じて媒体は米国特許7,120,272に記載された方法により検出可能な繰返しパターンを有する。また、媒体検出方法の多くは米国特許6,585,341に記載されている。
インクジェット印刷の分野に公知のインク組成物は水性または溶媒ベースであってもよく、室温または圧力下で液状、固体またはゲルであってもよい。水性ベースのインク組成物が好ましい。何故ならばそれらが溶媒ベースのインクに比べて環境に優しく、多くのプリントヘツドが水性ベースのインクに用いられるようにデザインされているからである。
インク組成物は、顔料、染料、ポリマー状染料、ローディッド染料/ラテックス粒子、または他の着色剤もしくはそれらの組み合わせで着色されていてもよい。顔料ベースのインク組成物が、そのようなインクが他の型の着色剤から得られる印刷画像に比べて光やオゾンに対してより耐性が高く比較的光学濃度のよいイメージを提供するからである。インク組成物中の着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グレー、レッド、バイオレット、ブルー、グリーン、オレンジ、ブラウンなどであってもよい。
インクジェット印刷の挑戦は種々のインクジェット受容体の上に形成される画像の安定性と耐久性である。顔料をインク着色剤として用いるインクは染料ベースのインクと比較して光退色および環境汚染による退色について、特に微小多孔質写真光沢受容体上に印刷した場合に高い画像安定性を提供する。優れた物理的耐久性(たとえば、耐摩耗性)にとって、顔料ベースはインク組成物中にバインダーポリマーを添加することによって改良されうる。
本発明に有用なインク組成物は水性ベースである。水性ベースとは本明細書中でインク組成物中の液状成分の多くが水、好ましくは50%以上が水およびより好ましくは60%以上が水であることを有する。
本発明に有用な水組成はプリントヘツドのノズル中で乾燥したり、クラスティングしたりすることを防止て、インク組成物中で成分の溶解性を助長し、または画像記録要素中にインク組成物の浸入を促進するために湿潤剤および/または共溶媒を含んでもよい。本発明の水性ベースインク組成物に用いられる湿潤剤および共溶媒の代表的な例としては、(1)アルコール類、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコールおよびテトラヒドロフルフリルアルコール;(2)多価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−へプタンジオール、1,7−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチルプロパンジオール、サッカライドおよびシュガーアルコール、およびチオグリコール;(3)多価アルコールから誘導される低級モノ−およびジ−アルキルエーテル、たとえばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;(4)窒素含有化合物、たとえば尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミザゾリジノンおよび(5)イオウ含有化合物、たとえば2,2’−チオジエタノール、ジメチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホンが挙げられる。
本発明に有用なインク組成物は、そのようなインクが他の型の着色剤から得られた印刷画像に比べて光やオゾンに対してより高い光学濃度および耐久性を有する着色画像を形成するので、顔料ベースである。本発明に有用なインクに用いられてもよい顔料は、たとえば米国特許5,026,427;5,085,698;5,141,556;5,160,370および5,169,436に記載されたものが挙げられる。顔料の正確な選択は色の再現性と画像の安定性などの性能要求および特定の用途に基づく。
本発明に有用な顔料はそれらに限定されないが、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾ顔料レイキ、b−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンジイミダゾロン顔料、ジアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノンおよびイソインドリン顔料、ポリ環状顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アタントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロールピロール顔料、酸化チタン、酸化鉄およびカーボンブラックが挙げられる。
使用させてもよい顔料の典型的な例としては、カラーインデックス(C.I.)顔料、イエロー 1,2,3,5,6,10,12,13,14,16,17,62,65,73,74,75,81,83,87,90,93,94,95,97,98,99,100,101,104,106,108,109,110,111,113,114,116,117,120,121,123,124,126,127,128,129,130,133,136,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,165,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,183,184,185,187,188,190,191,192,193,194;C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,21,22,23,31,32,38,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,49:3,50:1,51,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,68,81,95,112,114,119,122,136,144,146,147,148,149,150,151,164,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,192,194,200,202,204,206,207,210,211,212,213,214,216,220,222,237,238,239,240,242,243,245,247,248,251,252,253,254,255,256,258,261,264;C.I.ピグメントブルー 1,2,9,10,14,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,15,16,18,19,24:1,25,56,60,61,62,63,64,66,架橋アルミニウムフタロシアニン顔料;C.I.ピグメントブラック 1,7,20,31,32;C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,6,13,15,16,17,17:1,19,22,24,31,34,36,38,40,43,44,46,48,49,51,59,60,61,62,64,65,66,67,68,69;C.I.ピグメントグリーン 1,2,4,7,8,10,36,45;C.I.ピグンメントバイオレット 1,2,3,5:1,13,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,50およびそれらの混合物が挙げられる。
分散剤および界面活性剤の使用を用いないで分散しうる自己分散型顔料も本発明に有用
である。この型の顔料は表面処理されたもの、たとえば酸化/還元、酸/塩基処理またはカップリング化学による官能化処理されたもので、別の分散剤を必要としないものである。表面処理は顔料の表面をアニオン性、カチオン性または非イオン性にしうる。たとえば、米国特許6,494,943および5,837,045が挙げられる。自己分散型顔料の例としてはCAB−O−JET200およびCAB−O−JET300(キャボット・スペシャリティー・ケミカルズ)およびBONJET CW−1、CW−2およびCW−3(オリエント化学工業)が挙げられる。特に、自己分散型カーボンブラック顔料インクが、本発明に有用なインクセットに用いることができ、その場合インクは無機塩基によって中和された酸基を有する水溶性ポリマーを含み、カーボンブラック顔料は同時継続の同じ出願人に譲渡された米国特許出願60/892,137号に記載された揮発表面官能基を11重量%以上有する。
本発明に有用な顔料ベースのインク組成物はインクジェット印刷の分野に公知の他の方法で調製してもよい。有用な方法は一般に2つの工程;(a)一次粒子が粒状システムにおいて確認される一番小さいものと提示される場合には、分散およびミリング工程で一次粒子まで顔料を粉砕する工程、および(b)工程(a)からの顔料分散物を残りのインク成分に希釈して作業力を有するインクを提供する希釈工程の2つである。
粉砕工程(a)は種々の粉砕に、たとえばメディアミル、ボールミル、3本ロールミル、3本ロールミル、ビードミルおよびエアージェットミル、アトリターまたは液相互作用チャンバーを用いて行われる。粉砕工程(a)において、顔料は要すれば工程(b)において顔料分散体を希釈するのに用いた媒体と同じまたは同様のものである媒体中で懸濁してもよい。不活性粉砕媒体を一次粒子に顔料を粉砕するのを促進するために粉砕工程(a)中に入れてもよい。不活性粉砕媒体はたとえば米国特許5,891,231に記載されているような材料、たとえばポリマービーズ、ガラス、セラミック、金属およびプラスチックが挙げられる。粉砕媒体は工程(a)によって得られた顔料分散体または工程(b)で得られたインク組成物のいずれかから取除かれる。
分散剤は、顔料を一次粒子にまで粉砕するのを促進するために粉砕工程(a)中に入れてもよい。工程(a)から得られた顔料分散体もしくは工程(b)から得られたインク組成物にとって、分散剤は粒子安定性を維持し、沈殿を阻止するために必要に応じて存在する。本発明に有用な分散剤は、これらに限定されないが、インクジェット印刷の分野に用いられているものでよい。水性の顔料ベースのインク組成物において、有用な分散剤はアニオン性またはノニオン性界面活性剤、たとえばドデシル硫酸ナトリウムまたはオレイルメチルタウリン酸カリウムまたはナトリウムが挙げられる(たとえば米国特許5,679,138;5,651,813または5,985,017)。
ポリマー分散剤も公知であって、水性顔料ベースのインク組成物に有用である。ポリマー分散剤は粉砕工程(a)の前またはその間に顔料分散体に添加してもよく、ポリマー類、たとえばホモポリマーおよびコポリマー、アニオン性、カチオン性または非イオン性ポリマー、またはランダム、ブロック、分岐鎖またはグラフトポリマーであってもよい。本発明の粉砕工程に有用なポリマー分散体は親水性および疎水性部分を有するランダムおよびブロックコポリマーが挙げられ、たとえば米国特許4,597,794;5,085,698;5,519,085;5,272,201;5,172,133または6,043,297、およびグラフトコポリマー、たとえば米国特許5,231,131;6,087,416;5,719,204;または5,714,538が挙げられる。
着色相およびポリマー相を有するコンポジット着色粒子は本発明の水性顔料ベースインクに有用である。コンポジット着色粒子は、たとえば米国特許公開2003/0199614、2003/0203988または2004/0127639に記載されたように、顔料の存在下にモノマーを重合することによって形成される。マイクロカプセル化顔料粒子もまた有用であり、樹脂フィルムで被覆された顔料粒子からなる(例えば、米国特許6,074,467)。
本発明に有用なインク組成物に用いられる顔料は効果的な量、一般に0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜6重量%の量で存在してもよい。
インクジェットインク組成物はまた非着色性粒子、無機粒子またはポリマー粒子を含んでもよい。そのような粒状添加剤の使用はここ数年、特に写真品質画像を得るためのインクジェットインク組成物において特に増大している。たとえば米国特許5,925,178には、画像記録要素上の顔料粒子の光学濃度および耐摩耗性を改善するために顔料ベースのインク中に無機粒子の使用が記載されている。他の例においては、米国特許6,508,548には、印刷画像の耐光性および耐オゾン性を改善するために染料ベースのインク中に水分散性ポリマーラテックスを使用することが記載されている。
インク組成物には非着色粒子、たとえば無機またはポリマー粒子を配合して、光沢の差、光および/またはオゾン耐久性、耐水性、耐摩耗性および種々の印刷画像の他の特性を改善してもよい(米国特許6,598,967または米国特許6,508,548)。非着色粒子を含むか、着色剤を含まないカラーレスインク組成物を用いてもよい。たとえば、米国特許公開2006/0100307には、水性媒体およびマイクロゲル粒子を含有するインクジェットインクが開示されている。カラーレスインク組成物はまた着色インク組成物の下、上またはそれらと共に印刷されて「固定剤」または不溶性液としてしばしば用いてプレーン紙上で着色と耐水性との間のブリードを減少させてもよい(米国特許5,866,638または6,450,632)。カラーレスインクを用いて、着色画像に対するオーバーコートを提供して、引っ掻き耐久性および耐水性を改善してもよい(たとえば、米国特許公開2002/0009547またはEP1,022,151)。カラーレスインクはまた印刷画像における光沢の差を減少することに用いてよい(米国特許6,604,819または米国特許公開2003/0085974、2003/0193553または2003/0189626)。
本発明に用いられるインクに有用な無機粒子の例としては、限定的ではないが、アルミナ、ベーマイト、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼結クレー、アルミノシリケート、シリカまたは硫酸バリウムが挙げられる。
水性ベースのインクにおいて、本発明に有用なポリマーバインダーは付加ポリマーまたは縮合ポリマーとして分類される水分散性ポリマーであり、それらいずれも重合化学の当業者に公知である。ポリマー類の例には、アクリルポリマー、スチレンポリマー、ポリエチレンポリマー、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ酸無水物およびそれらの組合せの共重合体が挙げられる。そのようなポリマー粒子はアイオノマー状、フィルム形成性、非フィルム形成性、燃焼性または高度に架橋されていてもよく、広い範囲の分子量およびガラス転移温度を有してもよい。
有用なポリマーバインダーの例はJONCRYL(S.C.ジョンソン社)、UCAR(ダウケミカル社)、JONREZ(メットウエストバコ社)およびVANCRYL(エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社)の名前で市販のスチレンアクリル共重合体;EASTAMAN AQ(イーストマンケミカル社)の名前で市販のスルホン化ポリエステル;およびポリエチレンまたはポリプロピレン樹脂エマルションおよびポリウレタン(たとえば、ワイトコ(Witco)からのWITCOBONDS)が挙げられる。これらのポリマーは、典型的な水性ベースのインク組成物に適合しており、物理的な摩耗、光およびオゾンに対して高い耐久性の印刷画像を提供することから、好ましい。
本発明に用いられるインク組成物に有用な非着色粒子およびバインダーは効果的な量、一般に0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜6重量%の量で存在する。材料の正確な選択は特別な用途および印刷イメージの特性に依存する。
インク組成物はまた水溶性ポリマーバインダーを含んでもよい。本発明に有用な水溶性ポリマーはそれらが水層に溶解するかまたはインクの水/水溶性溶媒層と組み合わせるかにおいてポリマー粒子とは異なっている。用語「水溶性」とは、ポリマーが水に溶解したときおよびポリマーが少なくとも部分的に中和されたとき、得られた溶液が視覚的に透明であることを意味する。この種のポリマーに含まれるものは、ノニオン性、アニオン性、両性およびカチオン性ポリマーである。水溶性ポリマーの代表的な例はポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチルオキサゾリン、ポリエチレンイミン、ポリアミドおよびアルカリ溶解性樹脂、ポリウレタン(米国特許6,268,101に見られるもの)、ポリアクリル型ポリマー、たとえばポリアクリル酸およびスチレンアクリル性メタクリル酸コポリマー(S.C.ジョンソン社からのJONCRYL 70、メットウエストバコ社からのTRUDOT IJ−4655およびエアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社からのVANCRYL68S)が挙げられる。
本発明に有用なインクセットのインク中に用いられ得る水溶性アクリル型ポリマー添加剤および水分散性ポリカーボネート型またはポリエーテル型ポリウレタンの例としては本願の出願人に譲渡されて同時継続の米国特許出願60/892,158および60/892,171に記載されているものである。本発明に用いられるインクに有用なポリマーバインダー添加剤はたとえば米国特許公開2006/0100307および2006/0100308に記載されている。
実際には、インクの静的および動的表面張力は、インクセット中のインクが所望の内部色ブリードを有する印刷を提供するように制御される。特に、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック顔料ベースインクを含有するインクセットおよびカラーレス保護インクのすべてのインクについて10ミリ秒表面エージでの動的表面張力は35mN/m以上であるべきであるが、イエローインクおよびカラーレス保護インクの静的表面張力はインクセット中シアン、マゼンタおよびブラックインクの静的表面張力よりも少なくとも2.0mN/m小さく、カラーレス保護インクの静的表面張力はイエローインクの静的表面張力よりも少なくとも1.0mN/m小さくて、多孔質写真光沢およびプレーン紙の両方に内部カラーブリードの許容しうる性能を提供する。イエローインクの静的表面張力はクリヤーの保護インクを除くインクセットのすべての他のインクよりも少なくとも2.0mN/m小さく、かつクリヤー保護インクの静的表面張力はイエローインクを除くインクセット中のすべての他のインクより少なくとも2.0mN/m小さいことが一般に好ましい。
界面活性剤を適当なレベルにインクの表面張力を調製するために添加してもよい。界面活性剤はアニオン性、カチオン性、両性またはノニオン性であってよく、インク組成物の0.01〜5%のレベルで用いてもよい。ノニオン界面活性剤の例としては直鎖または二級アルコールエトキシレート(たとえば、ユニオンカーバイド社から市販のTERGITOL15−SおよびTERGITOL TMNシリーズおよびユニクエマ(Uniquema)からのBRIJシリーズ)、エトキシル化アルキルフェノール(たとえば、ユニオンカーバイド社からのTRITONシリーズ)、フルオロ界面活性剤(たとえば、デュポン社からのZONYLSおよび3M社からのFLUORADS)、脂肪酸エトキシレート、脂肪酸アミドエトキシレート、エトキシル化およびプロポキシル化ブロックコポリマー(たとえば、BASFからのPLURONICおよびTETRONIC)、エトキシル化またはプロポキシル化シリコーンベース界面活性剤(たとえば、CKワイトコ社からのSYLWET)、アルキルポリグリシド(たとえば、コグニス社のGLUCOPONS)およびアセチレンポリエチレンオキシド界面活性剤(たとえば、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社からのSURFYNOLS)が挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としては、カルボキシレート化物(たとえば、エーテルカルボキシレートおよびスルホスクシネート)、硫酸化物(たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム)、スルホン化物(たとえば、ドデシルベンゼンスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、脂肪酸タウレートおよびアルキルナフタレンスルホネート)、ホスフェート化物(たとえば、アルキルおよびアリールアルコールのリン酸エステル、デキスター化学(Dexter Chemical)からのSTRODEXシリーズ)、ホスホネート化およびアミンオキシド界面活性剤およびアニオン性フルオリネート界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の例としては、ベタイン、スルタインおよびアミノプロピルオネート挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、第四級アンモニウム化合物、カチオン性アミンオキシド、エトキシル化脂肪酸アミンおよびイミダゾリン界面活性剤が挙げられる。上記界面活性剤の更なる例としては、「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」、2003年、ノースアメリカンエディションに記載されている。
殺生物剤が、微生物、たとえばカビ、菌などの水性インク中での生育を抑制するためにインクジェットインク組成物に添加されてもよい。インク組成物用の好ましい殺生物剤はPROXEL GXL(ゼネカスペシャルティ社(Zeneca Specialties Co.))であり、最終濃度0.0001〜0.5重量%で用いる。本発明のインクジェット組成物に必要に応じて存在する他の添加剤は増粘剤、導電性向上剤、高コゲーション剤(anti−kogation agent)、乾燥剤、耐水剤、染料溶解剤、キレート化剤、バインダー、光安定剤、粘性剤、緩衝剤、抗カビ剤、抗カール剤、安定剤および消泡剤が挙げられる。
本発明に有用な水性インク組成物のpHは有機または無機酸または塩基を添加することによって調製してもよい。有用なインクは使用される染料や顔料の種類に基づいてpH2〜10を有してもよい。典型的な無機酸は塩酸、リン酸または硫酸が挙げられる。典型的な有機酸はメタンスルホン酸、酢酸および酪酸が挙げられる。典型的な無機塩基は水酸化アルカリ金属および炭酸アルカリ金属が挙げられる。典型的な有機塩基はアンモニア、トリエタノールアミンおよびテトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。
インク組成物の正確な選択はそれらが放出されるプリントヘツドの特定の用途および性能要求に応じる。熱および圧電性ドロップ−オン−ディマンドプリントヘツドおよび連続プリントヘツドは各々インクジェット印刷の分野に知られているように信頼でき、正確なインクの吐出を達成するために物理的特性の異なるセットを有するインク組成物を要求する。許容される粘度は20cP以下および好ましくは1.0〜6.0cPの範囲内である。
着色インクジェット印刷には、最小限シアン、マゼンタおよびイエローインクが減色システムとして作用することを意図するインクジェットセットに要求される。ブラックインクが画像中の黒い部分に要求されるインクを減少し、かつ白黒書類、たとえばテキストの印刷のインクを減少するためにインクセットに添加されてもよい。ミクロ多孔質写真光沢およびプレーン紙受容体上に印刷するための要求はインクセット中に複数のブラックインクを提供することによって行ってもよい。この場合、ブラックインクの1つはミクロ多孔質写真光沢受容体上の印刷により適当なものであってよく、他の黒インクはプレーン紙に印刷するのに好適であってよい。この目的のためのそれぞれのブラックインク配合を使用することは受容体の所望の印刷濃度、印刷光沢および耐汚れ性に基づいて選択される。
他のインクをインクセットに添加してもよい。これらのインクは光または希釈シアン、光または希釈マゼンタ、光または希釈ブラック、レッド、ブルー、グリーン、オレンジ、グレーなどが挙げられる。他のインクは画像性能に貢献するが、それらはシステムを複雑にしたり割高にする。最後に、カラーレスインク組成物をインクがないおよびほとんどない画像領域に光沢の均一性、耐久性および耐汚れ性を提供する目的のためにインクジェットインクセットに添加してもよい。インクを含有する着色の実質的なレベルを有して印刷される画像領域にとっても、カラーレスインク組成物を更なる利点を有するそれらの領域に添加してもよい。上記目的の保護インクの例は米国特許出願公開2006/0100306および2006/0100318に記載されている。
本発明の説明において、以下の定義を一般的に適用する:
用語「1回塗装とする」または「単一塗装物」とは、必要に応じて1以上の箇所で1以上の層を塗装することを含む塗装工程であって、塗装操作がインクジェット記録材料がロールに巻き取られ前に起こることを意味する。インクジェット記録材料がロールに巻き取られる前および再びその後に起こる塗装工程であって、ロールに2回目にインクジェット記録材料が巻き取られる前の塗装操作は2回塗装操作と呼ばれる。
用語「ポストメータ法」とは被覆組成物が塗装後塗装された過剰の材料を除去することによって定量される方法を意味する。
用語「プレメータ法」は被覆組成物が塗装前にたとえばポンプで定量化されるようなダイレクトメータ法を意味する。プレメータ法はカーテン塗装、押出ホッパー塗装およびスライドホッパー塗装法などから選択されうる。
用語「多孔質」とは液の拡散よりも毛細管作用によって適用されたインクが吸収されるような特質を有する層を意味する。多孔質とは粒子の間に形成された間隙に基づくが、多孔質は粒子/バインダー比によって影響される。層の多孔質性は限定(critical)顔料体積濃度(CPVC)に基づいて予想することができる。基材上に1以上の多孔質層、好ましくは実質すべて多孔質層を有するインクジェット記録媒体は、基材が少なくとも多孔質と考えられなくても、「多孔質インクジェット記録媒体」と呼ばれうる。
本明細書中において粒径とは、他に指示しない限り、NANOTRAC(マイクロタック社)、MALVERNまたはCILAS装置または本質的に同等の手段を用いてレーザ回折またはフォトン補正スペクトロスコピー(PCS)を用いて測定する水中に分散された希釈粒子の光散乱測定によって決定されるメジアン粒径であり、その装置の情報は製品の文献に開示されている。0.3μmよりも大きい粒径では、粒子測定はマイクロメトリックスSEDIGRAPH5100またはその同等物によって行われる。50nm以下の粒径では、粒径の測定は直接法、代表サンプルの伝達電子マイクロスコピー(transmission eloctron microscopy:TEM)または同等物によって行われる。他に指示しない限り粒径は二次粒径を意味する。
本明細書中においてインクジェット媒体中の層に関して用語「上の」「上」、「上方」「下の」、「下」、「下方」は基材上の層の順序を意味するが、層がすぐに隣接しているか、中間層を有していないかを必ずしも示さない。
用語「画像受容層」は印刷画像が実質的に層全体に存在する顔料トラツプ層、染料トラップ層または顔料および染料トラップ層とし用いられる層を意味する。典型的には、画像受容層は染料ベースインクの媒染剤を含有する。染料ベースインクの場合、画像は要すれば1以上の画像受容層に存在する。
用語「ベース層」(「液溜め層」または「インクキャリア液受容層」ともいう。)は、実質的な量のインクキャリア液を吸収する1以上の他のインク保持層の下の層を意味する。使用時には、実質的な量、しばしばほとんどのインクのキャリア液をベース層に受容する。ベース層はインク含有層の上ではなく、それ自体画像含有層(顔料トラツプ層または染料トラツプ層)でもない。典型的には、ベース層は基材に1番近いインク保持層である。
用語「インク受容層」または「インク保持層」は適用されたインク組成物を受容して、後に乾燥したとしてもインクキャリア液および/または着色剤を含むインクジェット記録要素中に画像を形成するのに用いられる少なくとも1つのインク組成物のいずれかの部分を吸収またはトラップする支持体上のすべての層またはいくつかの層を意味を包含する。従って、インク受容層は画像が染料および/または顔料で形成されるインク受容層、ベース層またはいくつかの付加的な層、たとえばベース層とインクジェット記録要素の最上層との間の層を含む。典型的には基材上のすべての層がインク受容性である。インク受容層が被覆される基材もインクキャリア液を吸着しうるが、インク受容層ではなくインク吸収または吸着層と呼ぶ。
用語「沈降炭酸カルシウム」とは天然に見出される炭酸カルシウムに基づくものではなく、合成的に製造された炭酸カルシウムを意味する。
金属酸化物または半金属酸化物粒子は大まかには湿潤方法によって製造された粒子および乾燥方法(ガス相または蒸気相方法)によって製造された粒子に分類されうる。後者の粒子はまたヒュームドまたはピロジェン(pyrogenic)粒子とも呼ばれる。蒸気層方法において、火炎加水分解法またはアーク法が一般的に知られている。ヒュームド粒子は非ヒュームドまたは水和粒子とは異なる特性を示す。ヒュームドシリカの場合、表面上にシラノール基の濃度において異なるかも知れない。ヒュームド粒子は高い空隙率を有する三次元構造を形成するために好適である。
ヒュームドまたはピロジェン(熱分解粒子)はより小さな一次粒子の凝集体である。一次粒子は多孔質ではないけれども、凝集体は空隙容積が大きく、急速液体吸収が可能である。これらの空隙含有凝集体は凝集体粒子が細密充填されて、被膜の内部粒子空隙容積を減少したとしても、液吸収の能力を保持する被膜となる。たとえば、本発明において選択的に用いられるヒュームドアルミナ粒子は米国特許公開2005/0170107に記載されている。
用語「プレーン紙」は生紙状に塗布された被膜1g/m以下を有する紙を意味する。用語「生紙」はセルロースの紙であって、その表面が紙のセルロース繊維上に連続層または分離した材料の被膜を有さないものであるが、紙はサイジング剤で処理されていてもよく、表面の部分を処理剤で含浸していてもよい。
本発明のベース層は有利にはプレーン紙基材と組み合わせて、インク滴吸収、平滑およびカレンダーの適用で光沢を形成する能力を提供してもよい。ベース層は好ましくは少なくとも50重量%の無機粒子、有利には少なくとも80重量%、典型的には少なくとも90重量%、好適には少なくとも95重量%の無機粒子を含有して、多孔性を提供してもよい。粒子の少なくとも50重量%、典型的には少なくとも70重量%がクレー粒子である。
クレーは一般的に種々のアレンジされる金属または半金属原子の四面体または八面体配位の層およびさらにミネラルのタイプによれば水化物の層を中間に有するアルミニウム、鉄およびマグネシウムの1以上の結晶性含水フィロシリケート(phyllosilicate)である。カオリンはAl・2SiO・2HOを有する。カオリンは紙の製造において充填剤として用いられ、その場合パルプ繊維と混合して用い、明るさと乳向性のために当業者に知られている。焼結、すなわちカオリンを500〜1000℃で処理する方法はカオリンを脱水酸化して、改良された明るさと乳白度を提供し得るアモルファスアルミノシリケート層に残す。プレーン紙基材上に塗装されるベース層の主成分として、カオリンがカレンダーを少し広げることによって上層の光沢を提供する適当な物質を提供する。
本発明に用いられ得るカオリンの例としては、KAOGLOSS90(Thieleから市販)、POLYGLOSS90(Huberから市販)およびHYDRAFINE90(Huberから市販)を含む。
本発明のベース層はバインダーを少なくとも2重量%、典型的には4重量%含有する。十分なバインダーは塗装後乾燥時にヒビ割れを防止するために用いられる。バインダーの使用量は限定的ではないが、インクがインクジェット媒体に適用されるので、液体キャリアがバインダーを膨潤し、間隙を閉鎖し、ブリードや他の問題が生じるかも知れない。多孔質性を維持するために、ベース層はバインダーを25重量%以下、好ましくは18重量%以下、典型的には10重量%以下で含有する。
好適なポリマー状バインダーを本発明に用いるインクジェット記録要素のベース層に用いてもよい。望ましい態様では、ポリマー状バインダーは適合性の親水性ポリマー、たとえばポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(ビニルアセタミド)、特に加水分解ポリ(ビニルアセテート/ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキレンオキシド)、スルホン化またはホスフェート化ポリエーテルおよびポリスチレン、カゼイン、ゼイン(zein)、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジアン、寒天、クズウコンデンプン、グアーガム、カラギーナン、トラガカント、キサンタンまたはラムザン(rhamsan)が挙げられる。好適には、親水性ポリマーはポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアセテート)またはそれらの共重合体もしくはゼラチンである。一般に、よい結果はポリウレタン、ビニルアセテート−エチレン共重合体、エチレンビニルクロリド共重合体、ビニルアセテート−ビニルクロリド−エチレン三元ポリマー、アクリルポリマーまたはそれらの誘導体で得られる。典型的には、バインダーは水溶性親水性ポリマー、最も好適には多価アルコール、たとえばポリ(ビニルアルコール)である。
他のバインダーも画像記録要素、たとえのベース層に用いてもよく、それらの例としては疎水材料、たとえばポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、n−ブチルアクリレートおよびエチルアクリレートの共重合体およびビニルアセテートおよびn−ブチルアクリレートの共重合体が挙げられる。ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ラテックスが特に有用である。親水性およびラテックスバインダーの混合物が有用であり、PVAとポリ(スチレン−コ−ブタジエン)の混合物が特に有用である。
ベース層に機械的耐久性を付与するために、上記バインダーに作用する架橋剤を少量添加してもよい。そのような添加剤は層の凝集力を改善する。架橋剤の例としては、カルボジイミド、多官能性アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、多価金属カチオン、ビニルスルホン、ピリジニウム、ピリジウムジカチオンエーテル、メトキシアルキルメラミン、トリアジン、ジオキサン誘導体、クロムミョウバン、ジルコニウムサルフェート、ホウ酸またはホウ酸塩が挙げられる。典型的には架橋剤はアルデヒド、アセタールまたはケタール、たとえば2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンまたはホウ素化合物である。
特にひとつの態様では、ベース層はバインダーを2〜10重量%および無機粒子を少なくとも90重量%を含み、無機粒子の少なくとも60重量%、典型的には少なくとも65重量%、望ましくは少なくとも70重量%がカオリン、特にメジアン粒径0.2〜1μm、好ましくは0.5μm以下のカオリンを含む。
一つの好適な例では、ベース層はクレーに40重量%以下(無機粒子の総重量に基づいて)で、他の粒子、たとえば有機−無機コンポジット粒子を含む有機および/または他の無機粒子を混合して含んでもよい。
ベース層に使用してもよい有機粒子の例は、アクリル樹脂に限定されないポリマービーズ、メチルメタクリレート、スチレン樹脂、セルロース誘導体、ポリビニル樹脂、エチレン−アリル共重合体およびポリ縮合ポリマー、たとえばポリエステルが含まれる。中空スチレンビーズはある種の用途に好ましい有機粒子である。
使用してもよい有機粒子の他の例としては米国特許6,492,006に記載のコア/セル粒子および米国特許6,475,602に記載のごとき均一粒子が挙げられる。
ベース層にカオリン粒子に加えて使用される無機粒子の例としてはシリカ、アルミナ、二酸化チタン、タルクまたは酸化亜鉛が挙げられる。典型的な例では、カオリン含有ベース層はさらに多孔質アルミナまたはシリカゲルを含む。
望ましい態様では、カオリン含有ベース層はシリカゲルをベース層中に他の無機粒子の重量に基づいて少なくとも5重量%、好適には少なくとも10重量%、有利には少なくとも15重量%のシリカゲル粒子を含む。
望ましい態様では、必要に応じて添加される有機または無機粒子の平均二次粒子径は0.3μm以上、好適には少なくとも0.5μm、典型的には少なくとも1.0μmである。必要に応じて添加される無機または有機粒子の平均二次粒径は5.0μ以下である。上述のように、より小さい粒子は小さい毛管を提供するが、粒子/バインダー比が粒子によって提供される大きな表面積において、下降するように調整されなければ割れが発生する傾向がある。一方、余り大きな粒子は接触点が少なく、たとえば被膜が乾燥被膜を形成するいくつかのビーズに等しい厚さを有するならば、脆く割れが発生する傾向にある。
米国特許公開2007/0202279にシルツらによって記載された従来技術の画像記録要素の典型的な例において、ベース層は沈降炭酸カルシウムおよびシリカゲル粒子を含む。従来技術のベース層の乾燥被覆量は他の液状キャリア吸収層の存在に基づいて典型的には少なくとも25g/m、よりしばしば少なくとも30g/mである。本発明においては、ベース層の乾燥被覆重量は少なくとも5g/m、望ましくは少なくとも7g/m、有利には少なくとも9g/mである。典型的には、本発明のベース層は乾燥被覆重量に制限されないが、25g/m以下、望ましくは20g/m以下、望ましくは15g/m以下である。
以下に示すように、他の一般的な添加剤を記録材料の特定の用途に基づいてベース層中に含んでもよい。
ベース層は少なくとも他の2つの多孔質層の下に位置し、画像記録要素に適用される液状キャリアの実質的な量を吸収しうるものであるが、その上に形成される層よりも染料および顔料が少ない。望ましくは、着色剤はその上の画像記録層に保持され、ベース層は典型的には媒染剤を含まない。
反対の電荷を保持する部分に加える粒子の化学処理は粒子の本質的な電荷を転換することを可能にする。粒子の表面電荷はゼーター電位で特徴付けられてもよく、ゼーター電位は分散媒体と分散された粒子に付着する液体の静止層との間の電位である。ゼーター電位はASTM標準D4187−82(1985)に従って電気泳動移動を測定することによって推測できる。
正の電荷を提供するカチオン表面変性剤が、粒子を、近接するインク受容層の他の成分、たとえば媒染剤、界面活性剤および他の正電荷の粒子と分散性および化学的に適合性にするから、望ましい。好ましくは、処理粒子のゼーター電位はpH2〜6のいずれでも少なくとも+20mVである。このことは、粒子のコロイド安定性がゼーター電位の増加に応じて増加する傾向にあり好ましい。
本発明のベース層のクレー粒子はカチオン表面変性剤で処理される。カチオン表面変性剤はクレー粒子に付着したときに正電荷を有するもしくは正電荷を提供し得るものであり、分子状、ポリマー状または粒子状であってもよい。本発明の粒子に好適な粒子種は弱有機塩基、たとえばアミンおよびアミド、第四級アミンおよびクレー粒子の表面結合しうる有機および無機カチオンを含む。
本発明の粒子に適合されるポリマー材料はカチオンポリ電解質、たとえばポリアルキレンアミンから選択される。1つの観点では、本発明に有用なカチオンポリマーは全体で正電荷を有する。1つの観点では、カチオンポリマーはポリマーアミン、たとえは第四級アミンのポリマーもしくは第四級アミンに転換されうるアミンのポリマーおよびそれらの組み合わせであってもよい。カチオンポリマーは2つ以上の異なるカチオンモノマーを含んでもよく、カチオンモノマーおよび他のノニオンまたはアニオンモノマーを含んでもよい。カチオンポリマーの好適なモノマーはポリマー鎖に存在してもよい第四級アンモニウム基を含む水溶性ポリオレフィン、たとえばエピクロロヒドリン/ジメチルアミン共重合体、アルキル−またはジアルキルジアリルアンモニウムハライド、たとえばジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジエチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジアリルアンモニウムブロミリドおよびジエチルジアリルアンモニウムブロミド、メチルアクリロイル−オキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリロイル−オキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイル−オキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェート、メタクリルアミド−プロピルトリメチルアンモニウムクロリドから選択される。他の例示されるモノマーはジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびそのメチルクロリドまたはジメチルスルフェートアンモニウム塩、ジメチルアミノエチルアクリレートおよびそのメチルクロリド塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびその非四級化アミン形態、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびその非四級化アミン形態およびジメチルアミンおよびエピクロロヒドリンが挙げられる。例示的なポリマーはまたエピクロロヒドリンおよびアミン、特に第二級アミン単独またはその組み合わせを共重合した生成物および上記のカチオンモノマーのいずれかと非イオンモノマー、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミドまたはN,N−ジメチルアクリルアミドを重合することによって得られるポリマーが挙げられる。
例示的なカチオンポリマーはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(p−DADMAC)、第四級ジメチルアミノエチルアクリレートの共重合体、第四級ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体およびエピクロロヒドリン/ジメチルアミンの共重合体が挙げられる。好適なポリマーの例はAGEFLOC B−50LV、NALCO62060、NALCO7135、NALCO7132およびNALCO8850として市販されているものが挙げられる。有利にはカチオン樹脂はポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)およびポリエチレンイアミンのグループから選択される。特に有益なカチオンポリマーは非常に低い分子量のポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)クロリド、p−DADMAC(アルドリツチ社から市販)である。
他のカチオンポリマーはホルムアルデヒドとメラミン、尿素またはシアノグアニジンとの縮合物が含まれる。本発明に有用なカチオンポリマーは上記カチオンモノマーとノニオンモノマー、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルアルコール、N−メチロイルアクリルアミドまたはジアセトンアクリルアミドおよび/またはアニオン性モノマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、AMPSまたはマレイン酸のコポリマーでこれらのポリマーの全体のチャージがカチオンであるものが含まれる。
1つの観点では、カチオンポリマーはゲルパーミェーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量少なくとも1,000ダルトン(Da)、好適には少なくとも10,000ダルトン、有利には少なくとも20,000ダルトンを有する。別の観点ではカチオンポリマーは重量平均分子量1,000,000ダルトン以下、典型的には500,000ダルトン以下、望ましくは300,000ダルトン以下、有利には100,000ダルトン以下である。異なるカチオン部分を含むカチオンポリマーの混合または異なる分子量および分配比を有するカチオンポリマーの混合を使用しうる。
本発明に使用される画像記録媒体を形成するために用いるクレー粒子のカチオン表面変性剤として好適な粒子状材料はpH2〜7いずれでも正のゼーター電位を有する酸化金属および不溶性金属塩である。正電荷ラテックス粒子、たとえばポリスチレンおよびポリ(メチル)メタクリレートも使用しうる。
他の態様では、カチオン表面変性剤は一般式Mn+(O)(OH)(Ap−)Oを有する酸化金属ヒドロキシド錯体(式中、Mn+は少なくとも1つの金属イオンであり、nは3または4であり、Aは有機または無機イオンであり、pは1、2または3であり、xは0かまたはそれ以上である。ただし、nが3のときは、a、bおよびcは各々0<a<1.5:0<b<3および0<pc<3のような有理数を含み、M3+の金属イオンの電荷がバランスされているものであり、nが4のときは、a、bおよびcが0<a<2:0<b<4:および0<pc<4の有理数を含み、M4+の電荷がバランスされる。)である。
好適には、金属イオンは3または4価を有するAl、TiおよびZrから選択される。特に好適な金属錯体はジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシド溶液(Grace DavisonのAl(OH)Cl)である。
他の望ましい態様では、カチオン表面変性剤は式:AlSi(OH)・nHO(式中x:yの比は1〜3であり、aおよびbは電荷中和のルールに従うように選択され、nは0〜10である。)を有するアルミノシリケートポリマーを含む。本発明に実際に有用なアルミノシリケートポリマーは米国特許7,223,454に記載されている。
他の態様では、カチオン表面変性剤はオルガノシランまたは加水分解オルガノシラン、典型的には第1級、第2級または第3級アミノ基もしくは第4級アンモニウム基を有するシリカカップリング剤を含む。より典型的には、オルガノシランは式:Si(OR)aZ(式中、Rは水素、炭素数1〜20を有する置換または非置換アルキル基もしくは炭素数6〜20を有する置換もしくは非置換アリール基であり、Zは炭素数1〜20の有機基または炭素数6〜20のアリール基であり、Zの少なくとも1は少なくともの第1級、第2級、第3級または第4級窒素原子をし、aは1〜3の整数およびbは1〜3の整数である。ただし、a+b=4である。)を有する。
カチオン表面変性剤として有用な化合物の例としては、アミノ−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジエチレントリアミンプロピルトリエトキシシラン、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、ジメトキシシリルメチルプロピル変性ポリエチレンイミン、N−(3−トリエトキシリルイルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールおよびアミノアルキルシルセスキオキサンが挙げられる。
クレー粒子の表面は通常全体としてマイナスチャージを有する。特定の理論には限定されないが、カチオン変性剤とアニオンクレーとの混合は変性剤とクレー表面のマイナスチャージ部分で反応して、クレー表面と変性剤との間に塩結合が生じることが予想される。ポリマー状カチオン変性剤の場合、単一ポリマー鎖が単一のクレー粒子の表面または粒子の間で反応してもよく、粒子凝集もしくは凝集体を形成する。十分なカチオン変性剤の存在において、クレー表面のマイナス部分の多くは中和され、変性クレー表面が全体として正の電荷を有する。この全体として正電荷の存在が他の変性されたクレー粒子を反発もしくは分散するために必要なエネルギーを供給し、カチオン変性剤が変性クレー粒子を含む水性スラリー中の分散剤として作用する。
ベース層上の多孔質層は適用されたインクの液状成分の通路を提供し、ベース層中に浸入する内部連結空隙を含み、ベース層がインクを吸収する能力に寄与する。非多孔質層や独立気泡を有する層はその下の層がインク吸収能力に寄与することにならない。
上述のように、インクジェット記録要素はベース層上に、1以上のサブ層に分離してもよい多孔質インク受容中間層を有し、それは500nmより小さい、特に300nmより小さい、望ましくは150nmより小さいメジアン粒径を有する1以上の材料の粒子の層の重量に基づいて50重量%以上含むものを有し、中間層は25g/m〜60g/mの量で存在する。
好適には、インク受容中間層の1以上の材料は水和もしくは非水和アルミニウムオキシドの粒子を含有する。有利には、1以上の材料は実質的に非凝集性コロイダル粒子である。望ましくは、1以上の材料は水和アルミナ、すなわちアルミニウムオキシヒドロキシド材料、たとえばベーマイトである。インク受容中間層の1以上の材料はインク受容中間層中に無機粒子75〜100%を含有する。
用語「水和アルミナ」は本明細書中では一般式:Al3−n(OH)2n・mH
(式中、nは0〜3の整数、mは0〜10、好ましくは0〜5の数字である。)
と定義される。多くの場合、mHOは特に限定されないが、結晶格子の形成において関与しない水相を表わす。従って、mは整数以外の値をとってもよい。しかしながら、mおよびnは同時に0ではない。
本明細書中において用語「非水和アルミナ」は、上記式においてmおよびnが同時に0でないものであり、乾燥法によって製造されたヒュームドアルミナまたは水和アルミナを焼成して得られた無水アルミナAlが挙げられる。この場合、非水和アルミナはインクジェット記録要素の製造中に被覆組成物を形成するのに用いられる乾燥材料に適用され、水の添加後に起こる水和を意味しない。
ベーマイト構造を示す水和アルミナの結晶は一般にマクロ平面および特徴的な回折ピークの(020)平面、層材料である。完全なベーマイトの他に、プソイドベーマイトと呼ばれる構造で(020)平面の層の間に過剰の水を含有する構造を取ってもよい。プソイドベーマイトのX線回折パターンは完全なベーマイトのそれよりもより広い回折ピークを示す。完全なベーマイトおよびプソイドベーマイトは互いに明快に区別されないので、用語「ベーマイト」または「ベーマイト構造」は他に指示しない限り両方を含むものとして用いる。この明細書中の目的において、「ベーマイト」はベーマイトおよび/またはプソイドベーマイトを包含する。
ベーマイトおよびプソイドベーマイトは明細書中では一般式γ−AlO(OH)xHO(式中、xは0〜1である)で示されるオキシヒドロキシアルミニウムである。x=0のとき、材料はプソイドベーマイトと比べて特にベーマイトである。x>0のときには、材料は結晶構造中に水を導入し、プソイドベーマイトとして知られている。ベーマイトおよびプソイドベーマイトはまたAl・zHO(式中、z=1のとき、材料はベーマイトであり、1<z<2のとき、材料はプソイドベーマイトである)として表わされる。上記材料は水酸化アルミニウム(たとえば、Al(OH)、バイヤライト(bayerite)およびギブサイト(gibbsite))とは異なり、およびダイヤスポア(diaspore:α−AlO(OOH))とはその組成および結晶構造が異なる。上述のようにベーマイトは通常ある態様では十分に結晶化されており、JCPDS−ICDD粉体回折ファイル21−1307中に与えられるX線回折パターンに従う構造を有するが、プソイドベーマイトはそれほど結晶化されておらず、比較的幅の広いピークで強さの強くて低いXRDパターンを示す。
用語「アルミニウムオキシハイドロキシド」は表面がシエルまたは層の一般式γ−AlO(OH)xHO(好ましくはベーマイト)を形成しうる材料を含むものと意味し、そのような材料はアルミニウム金属、アルミニウムニトリド、アルミニウムオキシニトリド(AlON)、α−Al、γ−Al、一般式Alの一般的な遷移アルミナス(transitional alminas)、ベーマイト(γ−AlO(OH))、プソイドベーマイト((γ−AlO(OH))・xHO(式中、0<x<1)、ダイヤスポア(α−AlO(OH))およびバイエライトおよびギブサイトの水酸化アルミニウム(Al(OH))が挙げられる。従って、アルミニウムオキシヒドロキシド粒子は、少なくとも表面シェルがアルミニウムオキシヒドロキシドを有する微細分割材料を包含する1つの有利な態様では、粒子のコアおよびシェルがともに同じ材料であり、BET表面積100m/g以上を有するベーマイトを含む。
典型的な態様では、中間層中に用いられるコロイダルアルミナは上層におけるコロイダルアルミナよりも大きな結晶サイズ(X線ディフラクトメーター(ジーメンスまたはフリップスまたは同等)を用いる粉体アルミナサンプルでのX線回折(d50)によって測定された。)を含む。典型的には、中間層の結晶サイズは少なくとも25nm、好適には少なくとも30nmである。典型的には、上層の結晶サイズは25nm以下、少なくとも15nm以上である。
また、中間層はシリカ粒子を含む。好適には、粒子はヒュームドシリカ粒子少なくとも50重量%を含む。典型的にはヒュームドシリカ粒子は中間層中の無機粒子に基づいて少なくとも75重量%を含む。有利には、中間層に用いられるシリカ粒子はカオリン粒子の使用時に上述したタイプから選択されるカチオン変性剤で処理される。
上述のようにインクジェット記録要素は、多孔質インク受容中間層の上に多孔質の画像受容上層を有する。1つの態様では、最上層はメジアン粒径200nm以下、好適には150nm以下、望ましくは140nm以下および180nm以上、好適には少なくとも100nm以上の平均粒子径を有する1以上の材料の非凝集コロイダル粒子(i)を含むメジアン粒径を有する材料の混合物を層の重量に基づいて50重量%以上含有する。有利には、粒子(i)は1以上の第2の材料の粒子より少なくとも10%、望ましくは少なくとも20%小さく、メジアン二次粒径250nm以下、望ましくは200nm以下、150nm以下を有し、一次平均粒径7〜40nmを有する一以上の材料の凝集コロイダル粒子(ii)であり、多孔質画像受容層は乾燥重量全量に基づいて1〜10g/mの量で存在する。上層は望ましくは媒染剤を高濃度で高量重量、典型的にはカチオンポリマーを含有する。
好適には画像受容上層の第1の態様における1以上の材料は水和または非水和酸化金属の粒子を含有し、凝集コロイダル粒子はヒュームド金属酸化物である。望ましくは、ヒュームド粒子は層のすべての無機粒子の重量に基づいて25〜75重量%の量で存在する。有利には、画像受容上層中のヒュームドアルミナおよび非凝集コロイダル粒子は層中のすべての無機粒子の重量に基づいて25〜75重量%の量で存在する。そのような混合物において、2つの型の粒子の平均凝集粒径の差は25%以内、望ましくは20%以内である。有用なコロイダル粒子の例は水和アルミナ(アルミニウムオキシヒドロキシド、たとえばベーマイトを含む)、アルミナ、シリカ、アルミナシリケート、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムが挙げられる。
望ましくは、非凝集コロイダルシリカは粒径の他に上記インク受容中間層に説明したアルミニウムオキシヒドロキシド材料またはコロイダル(非凝集)シリカを含む。
本発明の最上層または中間層が少なくとも50%のアルミナを含むときには、上層画像受容層中のヒュームドアルミナ粒子の濃度はインク受容中間層(それが存在するときには層中の他の無機粒子に対して)より多い。好適には、層中の他の無機粒子に比べて上層の画像受容層中のヒュームドアルミナ粒子の濃度は2倍以上、有利には4倍以上(インク受容中間層が存在する場合にはヒュームドアルミナ粒子の濃度より)である。
本発明の他の態様では、中間層がヒュームドシリカ粒子を少なくとも50重量%含む場合に、コロイダルシリカ粒子を含む最上層は有利にはヒュームドシリカ粒子を有する中間層とペアを組む。典型的には、最上層に有用なコロイダルシリカはカオリン粒子を用いるための上述の型から選択されたカチオン変性剤で処理される。
インク受容中間層および画像受容上層が共に多孔質である場合に関して、それらは内部連続気泡を有する。インク受容中間層および画像受容上層はそれらが全体に光沢に寄与するので、「光沢付与インク受容層」とも包括的に呼ばれる。上述のように、光沢提供インク受容層の各々における間隙はベース層に明らかに繋がるインクの通路を提供し、ベース層の乾燥時間を減少する。好適には、光沢付与インク受容層の間隙は開口(連結)しており、有利には(必ずしも必要ではないが)必要な中間層吸収のためのベース層中の空隙に等しいような孔径を有する。
上述の無機粒子に加えて、インク受容中間層および画像受容上層は個別に有機粒子、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(ブチルアクリレート)ならびに無機粒子、たとえばチタニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウムや他の無機粒子の更なる混合物を含有してもよい。有利には、光沢付与インク受容層中の実質的にすべての粒子が平均一次粒径300nm以下を有する。
好適には、光沢付与インク受容層に用いるポリマーバインダーはたとえば、親水性ポリマー、たとえばポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(アクリルアミド)、キトサン、ポリ(エチレンオキシド)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどを含む。他のバインダー、たとえば疎水性材料、たとえばポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、n−ブチルアクリレートおよびエチルアクリレートの共重合体およびビニルアセテートおよびn−ブチルアクリレートの共重合体を含んでもよい。
多孔質光沢付与インク受容層中に用いられる粒子/バインダー重量比は100:0以下、60:40より大きい範囲である。好適には、粒子:バインダー比は少なくとも80:20である。有利には粒子:バインダー比は少なくとも90:10である。一般に、上記より少ない粒子:バインダー比を有する層は十分な多孔質性を有さず、画像品質が悪くなる。非常に厚さの薄い最上層をバインダーを含まない被覆組成物から塗装することが当業者に知られているが、粒子:バインダー比98:2以下が典型的である。有利には、粒子:バインダー比は97:3以下である。より高い粒子:バインダー比の層はクラックが発生する傾向があり、または層と基材との接着が悪い可能性がある。本発明の望ましい態様では、光沢付与インク受容層における粒子:ホリマーバインダーの体積比は1:1〜15:1である。
光沢付与インク受容層に含まれうる他の添加剤はpH変性剤、たとえば硝酸、架橋剤、レオロジー変性剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、殺生物剤、潤滑剤、染料、染料固定剤または媒染剤、光増白剤および一般的に知られている添加剤が挙げられる。
インクジェット受容要素は顔料インクまたは染料ベースインクのいずかに、特に適用しておりまたは両方に適合してもよい。顔料ベースインクの場合、画像受容上層は顔料トラツプ層として機能する。染料ベースインクの場合、上層および中間層の両方または上層部分が層中に媒染の効果によって画像を含む。
用語「顔料トラップ層」とは画像を印刷するのに用いられるインクジェットインク組成物中の少なくとも75重量%、もしくは実質的にすべの顔料着色剤を顔料トラップ層中に保持することを意味する。
染料媒染剤はインク保持層のすべてから、通常インク受容上層および要すれば中間層に用いられうる。媒染剤はインクジェット染料に実質する材料であってよい。染料媒染剤は染料をインク保持層から受容する染料ベースインクからの染料を取除いて、1以上の染料トラップ層中に染料を固定する。そのような媒染剤の例は米国特許6,297,296に記載されたようなカチオンラテックスであり(その記載をここに導入する)、米国特許5,342,688に記載のようなカチオンポリマーおよび米国特許5,916,673に記載のごとき多価イオンも挙げられる。これらの媒染剤の例としてはポリマー状第四級アンモニウム化合物、または塩基性ポリマー、たとえばポリ(ジメチルアミノエチル)−メタクリレート、ポリアルキレンポリアミンまたはそれらのジシアノジアミンとの縮合生成物、アミン−エピクロロヒドリンポリ縮合物が挙げられる。さらに、レシチンおよびホスホリヒド化合物を用いることができる。そのような媒染剤の例としては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド/エチレングリコールジメタクリレート;ポリ(ジアリルジメチルアミンアンモニウムクロリド);ポリ(2−N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートメトスルフェート;ポリ(3−N,N,N−トリメチル−アンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド;ビニルピロリドンとビニル(N−メチルイミダゾリウムクロリド)との共重合体および3−N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロプルクロリドが誘導されたヒドロキシエチルセルロースがあげられる。望ましい態様ではカチオン媒染剤は第四級アンモニウム化合物である。
媒染剤と適合するために、含みうる層中のバインダーおよびポリマーは電荷を有さないか、媒染剤と同じ電荷を有するべきである。同じ層のポリマーまたはバインダーが媒染剤のそれと反対の電荷を有するときには、コロイドの不安定性および不必要な凝集が起こりうる。
ある種の態様では、多孔質上と画像受容層は個別に層の重量に基づいて少なくとも2重量%、典型的には少なくとも10重量%、好適には少なくとも15重量%の量で染料媒染剤を含む。典型的には媒染剤は層の重量の40%以下、好適には25%以下である。上層は媒染剤の最も高い濃度と量を実質的に含む層である。
塗装されたインク保持層の基材はプレーン紙、好ましくは生の(非塗装紙)から選択される。従って、樹脂被膜紙は避けられるべきである。本発明において使用される支持体の厚さは12〜500μm、典型的には75〜300μmである。
望ましくは、支持体に対するベース層の付着性を改良するために、支持体の表面はベース層を支持体に適用する前にコロナ放電処理を行ってもよい。
インク受容要素がインク記録装置のドライブまたは移行メカニズムまたは画像記録装置と接触するので、添加剤(たとえば、界面活性剤、潤滑剤およびマット粒子)をそれらが所望の特性に害を与えない程度でインクジェット記録要素に添加してもよい。
本発明のインクジェット記録要素もしくは異なる要素に分離されうるシート材料は種々の被覆方法によって製造されてもよく、その被覆方法は限定的ではないが、ワイヤーロッド被覆、スロット被覆、スライドホッパー被覆、グラビアまたはカーテン被覆を含む。これらの方法のいくつかは同時に2以上の層を被覆することを可能にし、それが経済的な観点で製造するのに好適である。
インクジェット記録材料は有利には以下の工程を有する方法によって製造される:
(a)二次吸収性基材を提供する工程:
(b)プレメータ法によって支持体の少なくとも1つの表面上に1回のパスで被覆し、少なくとも3つの被覆組成物がそれぞれ独立して無機粒子、バインダーおよび要すれば界面活性剤を含有し、支持体上にベース層を提供し、ベース層上に中間層および中間層上に最上層を被覆する工程:次いで
(c)被覆した層を乾燥する工程、からなる。所望に応じて乾燥層はさらにカレンダーをしてもよい。
好適には被覆組成物は水性組成物である。典型的にはベース層被覆組成物の無機粒子は乾燥ベース層の組成分のための上述のクレー粒子を少なくとも50重量%含有する。有利には、クレー粒子は上述のカチオン変性剤で処理粒子が正のゼーター電位を有する程度に処理される。典型的にはベース層被覆組成物は固形分少なくとも30%、望ましくは少なくとも40%、有利には少なくとも50%を有する。被覆組成物の固形分が低い場合には、製造工程、特に乾燥工程が非効率的になる。
典型的には中間層被覆組成物の無機粒子は乾燥中間層の組成の記載において上述した粒子を含む。有利には、中間層被覆組成物の無機粒子は正のゼーター電位を有する。好適なカチオン粒子の例は非処理または処理されたアルミナまたは水和アルミナ粒子およびカチオン変性剤で処理されたシリカ粒子である。カチオン粒子を含む中間層用の被覆組成物はカチオン粒子を含有するベース層の被覆組成物に適合しうる。
典型的には、最上層被覆組成物の無機粒子は乾燥最上層の組成に記載されたような粒子を含む。有利には最上層被覆組成物の無機粒子は正のゼーター電位を有する。好適なカチオン粒子の例としては未処理または処理されたアルミナもしくは水和アルミナ粒子およびカチオン変性剤で処理されたシリカ粒子が含まれる。最上層の被覆組成物はカチオン粒子を含む中間層用の被覆組成物に適合しうる。
典型的には中間および最上層被覆組成物は個別に固形分少なくとも20%、望ましくは少なくとも25%、有利には少なくとも30%が有する。
望ましい方法において、工程(b)の3つの被覆組成物は同時に単一の位置で被覆してもよい。
望ましい態様においては、3つの層はプレメータ法によって同時に塗装される。有利には、それらの層はカーテン塗装方法によって塗装される。
必要に応じて他の層、たとえばサブ層、オーバーコート、更にはベース層と上層との間の中間層などは当業者に一般的に知られている支持材料上に一般的な被覆方法で被覆されてもよい。好ましくは、ベース層および中間層は乾燥重量5g/m以上を有する層である。
本発明の別の態様では、凝集を減少し、ブリード、スメアリングおよび湿度に対する官能を減少し、生産性、プリンターに対する移行性、画像品質、乾燥時間、カラー濃度、光沢、摩耗および引っ掻き耐性、クラック耐性、層付着性、耐水性、画像安定性、環境可視または可視または紫外光露光に対する画像退色に対する耐性を向上し、光沢、たとえば示差光沢およびカラー光沢を減少し、製造、貯蔵、プリントおよび乾燥時におけるカールを減少する。
水中で固形分60重量%でクレー(HuberのHydraglos90、平均ストーク当量粒子径0.2μ)を有する第1の組成物を30分間回転していたミキサーによって分散することによって調製した。個々のサンプルを調製するにおいて、カチオン表面変性剤を水に加え、5分間攪拌後、クレー分散液の1部をこの混合物に加えて、30分間攪拌した。最後にポリ(ビニルアルコール)(エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社のCELVOL325)を添加して、組成物をさらに30分間攪拌した。表面変性剤P−DADMACはアルドリッジの最小分子量ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、カタログ番号522376)である。SYLOJET A200はジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシド溶液(Grace DavisonのAl(OH)Cl)である。材料の相対的重量を表1に示す。
Figure 2011529414
第2の組成物を水和アルミナ(CATAPAL200、Sasol社、一次粒子径40nm)、ポリ(ビニルアルコール)(日本合成社のGOHSENOL GH−23)、CARTABOND GH(クラリアント社(clariant Corp.))およびグリオキサール架橋剤およびホウ酸を95.38/4.25/0.25/0.13で加えることによって固形分重量33重量%の水性被覆配合剤を提供した。
第3の組成物を水和アルミナ(Condea Vista社のDISPAL 14N4−80、分散粒子径で120nm)、ヒュームドアルミナ(キャボット社のCAB−O−SPERSE PG003、フォトン補正スペクトロスコピーによる平均凝集径150nm)、ポリ(ビニルアルコール)(日本合成社のGOHSENOLGH−23)、カチオン媒染剤(米国特許6,045,917の媒染剤2)、CARTABOND GHグリオキサール(クラリアント社)およびホウ酸を36.4:41.58:5.23:15.72:0.25:0.13で組み合わせて、固形分重量21%の水性被覆配合剤を提供した。界面活性剤ZONYL FSN(デュポン社)およびOLIN 10G(オーリン社)を塗装助剤として少量添加した。
カチオン変性剤の電荷当量重量は変性剤の分子量を1分子につきカチオン部分の数および正式電荷によって割ることによって計算してもよい。分子化合物にとって、電荷当量は正式電荷によって分子量を割ることに等しく、ジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシドでは電荷当量は174g/モルである。ホモポリマーでは、電荷当量は繰返しユニットの分子量を正確な電荷で割ることによって得られ、p−DADMACでは、電荷当量は162g/モルである。電荷当量は従って組成物中のクレーの量に対する電荷当量の比を計算することに用いられる。
第1の組成物の種々のサンプルの粘度はブルックフィールド装置を用いてNo.18スピンドルで0.5rpmで測定した。塗装は第1、第2および第3被覆組成物180g/mの低湿潤エキスパンション、混合ハードウッド紙ベースからなる支持体上に同時スライドホッパー、イミド被覆方法で順に調整し、乾燥した。被覆品質は目視で判断し、結果を表2に記載する。
Figure 2011529414
表2の結果では、カチオン変性剤の不十分な量はアニオン性クレー分散体の粘度を急激に増加し、分散体を塗装できなくする。上記結果の可能な説明としては、カチオン変性剤および非変性アニオン粒子の混合物および/または部分的に変性された粒子状の中和表面電荷のいずれかが分散体に不安定性を提供することがわかる。変性剤の電荷当量がドライクレーの1gにつき変性剤の0.1ミリモルより大きいときに、組成物の粘度が塗装に好適である。上記結果はさらに、クレーおよびアルミナを含有する組成物に同時に複層被覆が、クレー分散体が十分な量でカチオン表面変性剤で予め処理されているときに可能であることを示す。
ベース層被覆組成物を実施例1の第1の組成物を用いて、シリカゲル(IJ−624、クロソフィールド社)をクレーに20%に変えること以外は同様に調製した。実施例1の方法で処理したが、シリカゲルを実施例1のカチオン変性剤の添加後30分間の混合期間後に添加し、別に混合を15分間シリカゲルの添加後に導入すること以外は同様に行った。表3はベース層組成物の組成を要約する。
Figure 2011529414
3層被覆を紙基材上にベース層組成物CC6−CC16を順番に調製し、ベース層、中間層(第2)および上層(第3)組成物を同時にスリットホッパーフィード塗装することによって実施例1と同様に形成し、その後乾燥した。ベース層組成物は26.98cc/m湿潤で塗装し、固定乾燥重量(クレー、シリカゲルおよびPVA)を6.52、1.63、0.41g/mそれぞれにした。
非処理クレー粒子を有するCC16ベース層組成物で塗膜を形成したものは品質が悪かった。組成CC7〜CC10およびCC12〜C15のp−DADMACまたはSYLOJET A200の少なくとも0.1ミリモルで処理したものは優れた塗装品質を提供するが、CC6およびCC11は変性剤の量が少なく、塗装が悪い。塗装品質の結果を表4に要約する。
組成物CC6〜CC16のゼーター電位は本願の明細書中に記載された標準方法に従って測定し、表4に要約する。
Figure 2011529414
未処理のクレー、シリカゲル(20重量%)およびPVAを含有する組成CC16は大きなゼーター電位を有し、マイナスのサインであった。サンプルCC6〜CC15において、p−DADMACまたはSYLOJET A200での処理は表面電荷を反対にし、電位をプラス15mv以上に上げた。SYLOJET A200の1番低いレベルを除いた。正のゼーター電位は、粒子の表面が処理によりカチオンに変性されたことを示す。
比較のインクジェット受容体3A(表5)は以下の変性で米国特許公開2007/0202279の方法により2段階被覆で調製した。沈降炭酸カルシウム、シリカゲル、ポリ(ビニルアルコール)およびラテックスを65.34/21.30/1.80/11.56の割合でベース層の組成を紙基材上に乾燥重量32.3g/mで塗装した後乾燥した。被覆組成物はヒュームドアルミナ、ベーマイト、ポリ(ビニルアルコール)、媒染剤、硬化剤および界面活性剤を41.31/36.16/5.20/15.62/0.37/1.34比で有するものを最上層として調製した。被覆組成物をベーマイト、ポリ(ビニルアルコール)および硬化剤を95.38/4.25/0.37の割合からなる中間層を調製した。最上層および中間層は乾燥されたベース層上に乾燥重量2.15および37g/mで同時に塗装した。受容体3Aの総重量は71.45g/mであった。
インクジェット受容体3B(表5)を以下の被覆重量で本発明により調製した:(1)ヒュームドアルミナ、ベーマイト、ポリ(ビニルアルコール)、媒染剤、硬化剤および界面活性剤を41.31/36.16/5.20/15.62/0.37/1.34で含む最上層を乾燥重量2.15g/mで;(2)ベーマイト、ポリ(ビニルアルコール)および硬化剤を95.78/4.25/0.37で乾燥重量32g/mで中間層を形成した。および(3)ジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシドで処理したカオリンクレー、シリカゲルおよびポリ(ビニルアルコール)を73.06/4.12/18.26/4.56で含み、乾燥重量10g/mで塗装したベース層。インクジェット受容体3Bの全体の乾燥重量は44.15g/mであった。
各々の被膜のサンプルを同じ温度で同じ圧力でカレンダー処理し、非印刷光沢をガードナーグロスメータで測定した。光沢の結果を表5に示す。
Figure 2011529414
低重量で同時塗装の本発明のサンプル3Bは主に重量の重さ、連続塗装の比較被膜サンプル3Aと比べて光沢が改良されている。非常に低い重量の本発明の実施例のサンプル3Bはインク能力が低いと思われるが、サンプル3Aおよび3Bをコダックイージーシェア5300プリンターで印刷したときに、凝集は見られない。
サンプル3Aおよび3Bはさらにカラーマネージメントが不可能なエプソン340染料ベースインクジェットプリンターで印刷することによっても評価した。Dmaxで反射濃度を第1次カラーCMY、第2次カラーRGBおよびブラックについて測定した。濃度測定は表6に示す。
Figure 2011529414
表6に示される結果は本発明の被膜が比較の高重量の炭酸カルシウムベース層を有する被膜と比べて染料ベースインクを有しても改良された濃度を提供することがわかる。
10:インクジェットプリンター
12:画像データソース
18:インクタンク
20:記録媒体供給
22:印刷媒体コレクション
30:プリントヘッド
40:保護カバー
100:キャリッジ
215:光学センサー
302:媒体方向
303:プリント領域
304:媒体方向
312:フィードローラ
313:前方向
320:ピックアップローラ
322:ターンローラ
323:ガイドラーローラ
324:アイドラーローラ
325:星状歯車
350:媒体移行
360:媒体供給トレー
371:媒体シート
375:別の光学センサー
380:媒体アウトプットトレー
390:印刷媒体シート

Claims (20)

  1. (a)インクジェットプリンター;
    (b)インク組成物;および
    (c)支持体と、支持体上に支持体から順番に多孔性ベース層、多孔性中間層および多孔性最上層を塗布したインクジェット媒体を含有するインクジェット印刷システムにおいて、
    (1)多孔性ベース層がバインダーおよびゼーター電位がプラスになるようにカチオン表面変性剤で処理したクレー粒子を含有し、該クレーがメジアン粒径1.0μ以下を有するものであり、
    (2)多孔性中間層および多孔性最上層がそれぞれ独立して半金属または金属酸化物の粒子を含有し、それらがゼーター電位プラスを有するかまたはそのように処理され、粒子が平均二次粒径が500nm以下を有するものであり、かつ
    (3)ベース層中のカチオン変性剤のミリモル当量/クレー粒子のグラム数の比が0.1以上であることを特徴とするインクジェット印刷システム。
  2. 金属酸化物が独立してヒュームドアルミナ、水和アルミナおよび混合物から成る群から選択され、半金属酸化物がカチオン変性ヒュームドシリカ、カチオン変性コロイダルシリカおよびそれらの混合物から選択される請求項1記載のシステム。
  3. 支持体が吸収紙である請求項1記載のシステム。
  4. 多孔性ベース層がカチオン変性クレーおよびシリカゲルの組み合わせから成る請求項1記載のシステム。
  5. 多孔性ベース層バインダーがPVAバインダーを含有する請求項1記載のシステム。
  6. カチオン表面変性剤がジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシドである請求項1記載のシステム。
  7. カチオン表面変性剤が第四級アミンを有するカチオンポリマーである請求項1記載のシステム。
  8. カチオン表面変性剤がアミノシランである請求項1記載のシステム。
  9. 最上層がPVAバインダーを含有する請求項1記載のシステム。
  10. 多孔性最上層がヒュームドアルミナおよびコロイダルアルミナ(ベーマイト)の混合物を含有する請求項1記載のシステム。
  11. ベース層のクレーがカオリンを含有する請求項1記載のシステム。
  12. 支持体と、支持体上に支持体から順番に多孔性ベース層、多孔性中間層および多孔性最上層を塗布したインクジェット記録媒体において、
    (1)多孔性ベース層がバインダーおよびゼーター電位がプラスになるようにカチオン表面変性剤で処理したクレー粒子を含有し、該クレーがメジアン粒径1.0μ以下を有するものであり、
    (2)多孔性中間層および多孔性最上層がそれぞれ独立して半金属または金属酸化物の粒子を含有し、それらがゼーター電位プラスを有するかまたはそのように処理され、粒子が平均二次粒径が500nm以下を有するものであり、かつ
    (3)ベース層中のカチオン変性剤のミリモル当量/クレー粒子のグラム数の比が0.1以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  13. ベース層がカオリンを含有する請求項12記載の媒体。
  14. 金属性酸化物が独立してヒュームドアルミナ、水和アルミナおよびその混合物から選択され、半金属酸化物がカチオン変性ヒュームドシリカ、カチオン変性コロイダルシリカおよびそれらの混合物から選択される請求項12記載の媒体。
  15. a.吸収性支持体を提供する工程、
    b.クレー粒子、ゼーター電位をプラスにするカチオン表面変性剤およびバインダーを含有し、クレー粒子がメジアン粒径1.0μ以下を有し、カチオン性変性剤のミリ当量/粒子のグラム数の比が1以上である第1の水性被覆組成物を提供する工程、
    c.独立してバインダーおよびヒュームドアルミナ、水和アルミナ、カチオン変性ヒュームドシリカおよびカチオン変性コロイダルシリカまたはそれらの組み合わせを含有する第2および第3の水性被覆組成物を提供する工程、
    d.支持体上に1回の被覆バスで第1、第2および第3の被覆組成物をその順に被覆する工程、および
    e.被膜を乾燥する工程
    を含有するインクジェット記録媒体を製造する方法。
  16. さらに被膜をカレンダー処理する工程を有する請求項15記載の方法。
  17. 少なくとも2つの被覆組成物が同時に塗装される請求項15記載の方法。
  18. クレー粒子がp−DADMACまたはジアルミニウムクロリドペンタヒドロキシドで上記b工程中で変性される請求項15記載の方法。
  19. 第1の被覆組成物がまたシリカゲルを含有する請求項15記載の方法。
  20. 記録媒体が少なくとも15の60度ガードナー光沢を提供する請求項13記載の方法。
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