JP2011526903A - フッ素化アルコール - Google Patents

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Abstract

式5
OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
(式中、
は、C(2c+1)であり、
cは2〜約6であり、vは2〜約4である)
を含む化合物、および式6の化合物
−O−CF=CF 式6
(式中、Rは、C(2c+1)であり、cは、2〜約6である)を、式7の化合物
HO−(CHCHO)−H 式7
(式中、vは、2〜約4である)と接触させることを含むその製造方法。

Description

これまで、多くのフルオロアルキル界面活性剤は、パーフルオロアルキルエタノール、F(CFCFCHCHOH、いわゆる「テロマーBアルコール」(式中、qは、典型的に、約2〜10)に基づいていた。テロマーBアルコールおよびその調製は、Kirchnerらによる米国特許第5,202,506号明細書に記載されている。テロマーBアルコールに基づく他のフルオロアルキル界面活性剤は、F(CFCF(CHCH)OCOCHCH(SONa)COO(CHCH)(CFCFF(式中、qは上述したとおりである)等の「二尾」アニオン界面活性剤があり、例えば、Yoshinoらによる「Surfactants having polyfluoroalkyl chains.II.Syntheses of anionic surfactants having two polyfluoroalkyl chains including a trifluoromethyl group at each tail and their flocculation−redispersion ability for dispersed magnetite particles in water」Journal of Fluorine Chemistry(1995),70(2),187−91に記載されているとおり、まず、2モルの1つ以上のパーフルオロアルキルエタノールを、1つの無水マレイン酸と反応させ、次に、ジエステル生成物を、亜硫酸水素ナトリウム溶液と反応させることにより調製される。Yoshinoらは、超臨界二酸化炭素で使用する場合qは2、3、および4である例を報告した。Yoshinoらは、両末端基がパーフルオロアルキル基に限定された二尾界面活性剤を報告している。
Nagaiらは、米国特許出願公開第2008/0093582号明細書に、構造R−(CHn1−(Xp1−CH(SOM)(Xq1−R(式中、Rは、エーテル結合を含有していてよいフルオロアルキル基であり、XおよびXは、同一または異なる二価の結合基であり、MはH、アルカリ金属、半アルカリ土類金属またはアンモニウムであり、Rは、アルキル基であり、n1は、1〜10の整数であり、p1およびq1は、それぞれ0または1である)の二尾界面活性剤を記載している。
かかる界面活性剤を作製するのに用いるパーフルオロアルキルエタノールへの1つの一般的な経路は、テトラフルオロエチレンを用いる多段階プロセスである。テトラフルオロエチレンは有害で、入手可能性の限定された高価な中間体である。調製にテトラフルオロエチレンをあまり用いない、または用いないフッ素化界面活性剤が必要とされている。同じく、先行技術のパーフルオロアルキル基が、テトラフルオロエチレンをあまり必要とせず、増大したフッ素効率を示す部分フッ素化末端基で置換された新たな改善されたフッ素化界面活性剤も必要とされている。「フッ素効率」とは、最低量のフルオロケミカルを用いて、基材に適用したときに所望の表面効果または界面活性剤特性を得る、または同レベルのフッ素を用いるよりも良い性能の得られる能力を意味する。高フッ素効率を有するポリマーは、比較のポリマーよりも少ない量のフッ素を用いて、同じ、または大きなレベルの表面効果が得られる。本発明は、かかる改善されたフッ素化界面活性剤を提供する。
本発明は、式5の化合物
OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
(式中、
は、C(2c+1)であり、
cは2〜約6であり、vは2〜約4である)
をさらに含む。
本発明は、式5の化合物
OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
(式中、
は、C(2c+1)であり、
cは2〜約6であり、vは2〜約4である)
を製造する方法であって、式6の化合物
−O−CF=CF 式6
(式中、Rは、C(2c+1)であり、cは、2〜約6である)を、式7の化合物
HO−(CHCHO)−H 式7
(式中、vは、2〜約4である)と接触させることを含む方法をさらに含む。
本明細書において商標は大文字で示す。
本発明の界面活性剤は、式1A、1B、または1Cの構造を有し、
(R−O−CO−)X 式1A
−O−CO−X−CO−O−(CHCH)R 式1B
−O−CO−X−CO−O−R 式1C
式中、
RはHまたは鎖状または分岐アルキル基C(2b+1)−であり、式中、bは1〜約18であり、好ましくは、約6〜約18であり、
各Rは、独立に、C(2c+1)で、cは、約2〜約6であり、好ましくは、2〜4であり、より好ましくは、4であり、
Xは、鎖状または分岐二官能性アルキルスルホネート基−C(2e−1)(SOM)−であり、式中、eは、2または3であり、好ましくは、3であり、Mは、水素、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属である一価のカチオンであり、好ましくは、Naであり、
は、構造(i)〜(vi)からなる群から選択され、式中、Rは、上述したとおりであり、gは、1〜約4であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは2であり、
(i)R(CHCF−(C2g)−(式中、dは、1〜約3であり、好ましくは、1〜2であり、より好ましくは、1である)、
(ii)ROCFCF−(C2g)−、
(iii)ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−(式中、vは、1〜約4であり、好ましくは、1〜2であり、より好ましくは2である)、
(iv)ROCFHCFO(C2w)(式中、wは、約3〜約12であり、好ましくは、4〜6であり、より好ましくは、4である)、
(v)ROCF(CF)CONH−(C2g)−または
(vi)R(CH[(CFCF(CHCH(式中、hは、1〜約6であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、1であり、i、jおよびkは、それぞれ独立に、1、2または3またはこれの混合であり、好ましくは、1または2であり、より好ましくは、1であり、ただし、基(vi)の炭素原子の合計数は、約8〜約22個である)。好ましいRは、(i)、(ii)、(iii)および(iv)である。
式1A、1Bおよび1Cの好ましい実施形態は、式中、Rが、基(i)R(CHCF−(C2g)−、(ii)ROCFCF−(C2g)−、(iii)ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−または(iv)ROCFHCFO(C2w)−で、cが3または4のとき、XはCHCH(SOM)、CHCH(CHSOM)、CH(CH)CH(SOM)、CHCH(SOM)CHまたはCHCH(SOM)CHCHであるときのものである。より具体的に、式1A、1Bおよび1Cのより具体的な好ましい実施形態は、dが1であり、gが1または2であり、RがCまたはCのときである。同じく、特に好ましいのは、RがCまたはCで、XがC(SONa)またはCHCH(SONa)の化合物である。RがCCHCFCHCHまたはCCHCFCHCHであり、Rが(CFFである式1Bの化合物も好ましい。式1A(ROCO−X−COOR)の好ましい実施形態は、CCHCFCHCHOC(O)C(SONa)C(O)O−CHCHCFCHである。式1Bの好ましい実施形態は、CCHCFCHCHOC(O)CHCH−(SONa)C(O)−CHCH(CFFである。式1Cの好ましい実施形態は、CCHCFCHCHOC(O)CHCH(SONa)C(O)O(CHHである。
式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤は、それらの調製にテトラフルオロエチレンの使用を節約し、テロマーBアルコールから誘導された先行技術の界面活性剤に匹敵する、または改善された特性を与える。
式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤は、以下の反応スキームAに従って、式2A、2Bおよび2Cの不飽和中間体を介して調製される。
Figure 2011526903
式1A、1Bおよび1Cの調製に用いる不飽和中間体は、式2A、2B、および2Cの構造を有し
(R−O−CO−)Y 式2A
−O−CO−Y−CO−O−(CHCH)R 式2B
−O−CO−Y−CO−O−R 式2C
式中、
式中、Rは、基
(i)R(CHCF−(C2g)−、
(ii)ROCFCF−(C2g)−、
(iii)ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−、
(iv)ROCFHCFO(C2w)、
(v)ROCF(CF)CONH−(C2g)−または
(vi)R(CH[(CFCF(CHCHであり、
各Rは、独立に、C(2c+1)であり、
cは、2〜約6であり、好ましくは、2〜4であり、より好ましくは、4であり、
dは、1〜約3であり、好ましくは、1〜2であり、より好ましくは、1であり、
gは、1〜4であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、2であり、
vは、1〜約4であり、好ましくは、2〜3であり、より好ましくは、2であり、
wは、約3〜約12であり、好ましくは、4〜6であり、より好ましくは、4であり、
hは、1〜約6であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、2であり、
i、jおよびkは、それぞれ独立に、1、2または3またはこれらの混合であり、好ましくは、1または2であり、より好ましくは、1であり、
ただし、基(vi)の炭素原子の合計数は約8〜約22個であり、
Yは、オレフィン不飽和を有する鎖状または分岐ジラジカル−C(2e−2)であり、式中、eは、2または3であり、好ましくは、2であり、Rは、Hまたは鎖状または分岐アルキル基C(2b+1)−であり、bは、1〜約18であり、好ましくは、6〜18である。
式1Aの界面活性剤は、式R−OH(式中、Rは上述したとおりである)の2モルのフルオロアルコールを、1モルの構造C(2e−2)(COOH)または式D(式中、eは、2または3である)のその無水物の不飽和鎖状または分岐二塩基酸と反応させて、式2Aの不飽和ジエステルを中間体として形成することにより調製される。
Figure 2011526903
カルボン酸エステル化の方法は、JainおよびMasseによる「Carboxylic acid esters:synthesis from carboxylic acids and derivatives」Science of Synthesis(2006),20b,711−723に論じされているとおり、従来のものである。遊離酸基をアルコールと反応させるときは、酸触媒または脱水剤が好ましい。酸触媒の一例は、トルエン中のp−トルエンスルホン酸であり、脱水剤の一例は、塩化メチレン中のジシクロヘキシルカルボジイミドである。好ましい不飽和二塩基酸および対応の無水物は、マレイン、イタコン(メチレンコハク酸)、シトラコン(メチルマレイン酸)、トランス−グルコン(HOOCCHCH=CHCOOH)およびトランス−ベータ−ヒドロムコン(HOOCCHCH=CHCHCOOH)酸および無水物である。式2Aの不飽和ジエステルを、水性亜硫酸水素ナトリウムと反応させてスルホン酸を形成する。スルホン化技術は、Robertsによる、「Sulfonation Technology for Anionic Surfactant Manufacture」、Organic Process Research & Development 1998,2,194−202およびSekiguchiらによる米国特許第4,545,939号明細書に記載されている。あるいは、上述したオレフィン前駆体は、三酸化硫黄を二重結合に加えることにより、式1A、1Bおよび1Cのスルホネートに変換することができる。遊離スルホン酸を界面活性剤として用いることができる。または、スルホン酸を、アンモニウム塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくは、ナトリウム塩へ変換することができる。当業者であれば、RobertsおよびSekiguchiにより記載されたもの等(上記)、他のスルホン化方法が適用可能であり、本発明に含まれることが分かるであろう。
式1A、1Bおよび1Cの二重結合にスルホネート基を付加して、式2A、2Bおよび2Cの界面活性剤を作製すると、立体異性体および位置異性体が形成される。本発明の目的のために、異性体は全て等価であり、式2A、2Bおよび2Cの定義に全て含まれる。
式1Bおよび1Cの界面活性剤は、式R−OHのフルオロアルコール1モルを、式Dの構造の不飽和鎖状または分岐二塩基酸無水物1モルと低温(約50〜85℃)で反応させることにより調製される。フルオロアルコール、好ましくは、式R−CHCH−OH1モルと高温(約100〜120℃)でエステル化を続け、式2Bを生成する、または式R−OHの1モルのアルコールで、式2Cを生成する。任意の様々な従来のフッ素化アルコールが、プロセスのこの点で用いるのに好適である。これに続いてスルホネートへ変換される。式1Bおよび1Cの界面活性剤の調製には無水物が好ましい。第1のエステル化による無水物環の開環は、中間体酸エステルの第2のエステル化より早い反応である。上述したとおり、第2のエステル化酸触媒または脱水剤を用いる。このように二塩基酸を用いると、生成物の混合物が得られる。エステル化に2種類のアルコールを用いるシーケンスは逆にすることができる。
式1Aの界面活性剤は、式1Bおよび1Cに記載した同じアルコールの2回の添加および2つの温度の手順を用いた後、スルホネートに変換することにより調製することもできる。しかしながら、この2工程手順は好ましくはない。
式1A、1Bおよび1Cの組成の界面活性剤の混合物は、R−OH、R−CHCH−OHおよびR−OHアルコールの2つ以上のうち混合物2モルを用いて調製することができる。2種類以上のアルコールの混合物2モルを、構造CeH(2e−2)(COOH)の不飽和鎖状または分岐二塩基酸またはその無水物(式D)1モルと、式1Aの界面活性剤の調製で上述したとおりにして反応させて、スルホネートに変換する。かかる界面活性剤混合物は、そのまま用いる、または成分フラクションへ分離することができる。かかる分離は好ましくはない。
本発明に有用なR(CHCF−CHCH−のR基(i)を含むアルコールとしては、式(V)フッ素化テロマーアルコールが挙げられる。
−(CHCF(CHCH−OH (V)
(式中、Rは、2〜6個の炭素原子を有する鎖状または分岐パーフルオロアルキル基であり、下付きqおよびrはそれぞれ独立に1〜3の整数である。)これらのテロマーアルコールは、スキーム1に従った合成により入手可能であり、式中、R、qおよびrは、式(V)で定義したとおりである。
Figure 2011526903
フッ化ビニリデンの鎖状または分岐パーフルオロアルキルヨウ化物のテロメリゼーションにより、構造R(CHCFI(式中、qは1以上、RはC〜Cのパーフルオロアルキル基である)の化合物が生成される。例えば、Balagueら、「Synthesis of fluorinated telomers,Part 1, Telomerization of vinylidene fluoride with perfluoroalkyl iodides」、J.Fluorine Chem.(1995),70(2),215−23を参照のこと。具体的なテロマーヨウ化物は、分留により単離される。テロマーヨウ化物は、米国特許第3,979,469号明細書に記載された手順によりエチレンで処理すると、rが1〜3以上のテロマーヨウ化エチレン(スキーム1のVI)が得られる。テロマーヨウ化エチレン(スキーム1のVI)を、国際公開第95/11877号パンフレットに開示された手順に従って、発煙硫酸で処理して加水分解すると、対応のテロマーアルコール(スキーム1のV)が得られる。あるいは、テロマーヨウ化エチレン(スキーム1のVI)を、N−メチルホルムアミドで処理してから、エチルアルコール/酸加水分解することができる。
式(ii)ROCFCF(C2g)−のR基は、以下の一連の反応から得られる式ROCFCF−CHCHOHのフルオロアルコールを調製することにより得られる。式中、Rは、1〜3個の酸素原子により任意で中断された鎖状または分岐C〜Cパーフルオロアルキルであり、qは、1〜3の整数である。
Figure 2011526903
上記の式(スキーム2のV)のパーフルオロアルキルエーテルヨウ化物は、パーフルオロ−n−プロピルビニルエーテルからの式(スキーム2のV)の化合物の調製を開示している本明細書に参考文献として援用される米国特許第5,481,028号明細書の実施例8に記載された手段により作製することができる。パーフルオロアルキルエーテルヨウ化物(スキーム2のV)は、高温高圧で過剰のエチレンと反応させる。エチレンの添加は、熱的に実施できるが、好適な触媒を用いるのが好ましい。好ましくは、触媒は、過酸化物触媒、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化イソブチル、過酸化プロピオニルまたは過酸化アセチルである。より好ましくは、過酸化物触媒は、過酸化ベンゾイルである。反応温度は限定されないが、110℃〜130℃の範囲の温度が好ましい。反応時間は、触媒および反応条件により異なる可能性があるが、24時間が通常適切である。生成物は、未反応の出発材料を、最終生成物から分離する任意の手段により精製されるが、蒸留が好ましい。理論の80%までの満足いく収率は、パーフルオロアルキルエーテルヨウ化物1モル当たり約2.7モルのエチレン、110℃の温度および自発圧力、24時間の反応時間を用いて、生成物を蒸留により精製することにより得られた。
パーフルオロアルキルエーテルエチレンヨウ化物(スキーム2のVI)を、国際公開WO第95/11877号パンフレット(Elf Atochem S.A.)に開示された手順に従って、発煙硫酸で処理し、加水分解して、対応のアルコールを得る(スキーム2のVII)。あるいは、パーフルオロアルキルエーテルエチルヨウ化物は、N−メチルホルムアミドで処理してから、エチルアルコール/酸加水分解することができる。約130°〜160℃の温度が好ましい。
式(iii)ROCFHCFO(CHCHO)v−(C2g)−のR基は、フッ素化ビニルエーテルをポリエチレングリコールと反応させることにより調製される。典型的に、ビニルエーテルを、グリコールへ、約1:1〜約3:1、好ましくは約2:1のモル比で徐々に添加する。反応は、グリコールから平衡量のアルコキシドアニオンを生成するのに十分塩基性の触媒である水素化ナトリウムを存在させて行う。その他の好適な塩基性触媒としては、水素化カリウム、ナトリウムアミド、リチウムアミド、カリウムtert−ブトキシドおよび水酸化カリウムが挙げられる。反応は、窒素ガス等の不活性雰囲気下で行う。好適な溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびジオキサンが挙げられる。好ましいのはジメチルホルムアミドである。冷却を用いて、反応温度を約0℃〜約30℃に維持する。反応は、通常、1〜約18時間行われる。溶媒を、従来の技術、例えば、ロータリエバポレータでの真空蒸発を用いて、あるいは、生成物が水に不溶で、溶媒が水溶性の場合には、混合物を過剰の水に添加した後、層を分離することにより、除去する。
パーフルオロプロピルビニルエーテルのポリエチレングリコールとの反応は常に完了するものではない。ポリエチレングリコールヒドロキシル基の平均の変換度は、H NMR分光法により求めることができる。典型的に、未反応ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの一端に添加されたフッ素化ビニルエーテルの生成物(例えば、以下の構造B)およびポリエチレングリコールの両端に添加されたフッ素化ビニルエーテルの生成物(例えば、以下の構造A)の混合物が得られる。混合物の成分の相対量は、反応物質の比、反応条件および生成物を単離する方法に影響される。ビニルエーテル対グリコールの大きな比および長い反応時間が、以下に示す構造Aには好ましい。ビニルエーテル対グリコールの小さい比および短い反応時間だと、以下に示す構造Bおよび未反応ポリエチレングリコールの量が増える。構造A、Bおよび混合物の選択的な溶媒抽出を行うための出発グリコール間の溶解度の差を用いて、構造AまたはBが高濃度の試料を得ることが可能な場合がある。構造Bのアルコールは、基R(iii)に必要な組成である。
OCFHCFO−(CHCHO)−CFCHFOR(構造A)
OCFHCFO−(CHCHO)H(構造B)
用いるのに好適なポリエチレングリコールは、Sigma−Aldrich,Milwaukee,WIより市販されている。上記反応で用いるフッ素化ビニルエーテルは、様々な方法により作製される。これらの方法としては、フッ化2−アルコキシプロピニルを、金属炭酸塩の固定床、乾燥金属炭酸塩で充填され、管を通るスクリューブレードを備えた管状反応器、または金属炭酸塩の誘導床で、反応させることにより、フッ素化ビニルエーテルを作製することが含まれる。米国特許出願公開第2007/0004938号明細書には、フッ化2−アルコキシプロピニルを、金属炭酸塩と、無水条件下、攪拌床反応器で、フッ素化ビニルエーテルを生成するための中間体カルボキシレートの脱炭酸温度より高い温度で反応させることにより、フッ素化ビニルエーテルを生成するプロセスが記載されている。用いるのに好適なフッ素化ビニルエーテルとしては、それぞれ、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEより入手可能なCF−O−CF=CF、CFCF−O−CF=CF、CFCFCF−O−CF=CFおよびCFCFCFCF−O−CF=CFが例示される。
式(iv)ROCFHCFO(C2w)−(式中、wは約3〜約12である)のR基は、アルカリ金属化合物を存在させた、パーフルオロヒドロカーボンビニルエーテルの、ジオールとの反応により調製される。好ましいエーテルとしては、式R−O−CF=CF(式中、Rは、2〜6個の炭素のパーフルオロアルキルである)のものである。ジオールは、エーテル1モル当たり、約1〜約15モル、好ましくは、エーテル1モル当たり約1〜約5モルで用いる。好適なアルカリ金属化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ水酸化物、アルカリ水素化物またはアルカリアミドが挙げられる。好ましいのは、アルカリ金属、例えば、Na、KまたはCs、あるいはアルカリ水素化物、例えば、NaHまたはKHである。反応は、約40℃〜約120℃の温度で行う。反応は、任意の溶媒、例えば、エーテルまたはニトリルで行うことができる。
式(v)ROCF(CF)CONH−CHCH−のR基は、式4のフッ素化アルコールを作製することにより調製される。
Figure 2011526903
式中、Rは、約2〜約6個の炭素原子を有する直線または分岐パーフルオロアルキル基またはこれらの混合物であり、
は、酸素またはXであり、
各Xは、独立して、任意で、酸素、窒素または硫黄を含有する約1〜約20個の炭素原子を有する有機二価結合基またはこれらの組み合わせであり、
Gは、FまたはCFであり、Aは、アミドであり、j’は、ゼロまたは正の整数であり、Xは、有機結合基であり、h’はゼロまたは1であり、BはHであり、Eはヒドロキシルである。
式4の化合物は、過フッ素化エステル(それぞれ、本明細書に参考文献として援用される米国特許第6,054,615号明細書および米国特許第6,376,705号明細書に記載された方法に従って調製したもの)と、トリアミンまたはジアミンアルコール間の、溶媒あり、またはなしでの反応により調製される。この反応条件は、エステルの構造に応じて異なる。アルファ、アルファ−ジフルオロ置換エステルのジアミンとの反応は、約5℃〜約35℃の温度で行われる。この反応に好適な溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、アセトン、CHCl、CHClまたはエーテルが挙げられる。アルファ−フッ素置換基のないエステルとジアミンの反応は、約90℃〜約160℃、好ましくは、約100℃〜約140℃の温度で反応される。好ましくは、この反応には溶媒を用いないが、好適な溶媒としては、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミドまたは2−メトキシエチルエーテルが挙げられる。
式4の化合物はまた、過フッ素化フッ化アシルと、ジアミンアルコールまたはアミンアルコール間の反応によっても調製される。この反応は、約−30℃〜約40℃、好ましくは、約5℃〜約25℃の温度で行われる。この反応に好適な溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、アセトン、CHCl、CHClまたは2−メトキシエチルエーテル、ジエチルエーテルが挙げられる。
上記した式(vi)のR基、R(CH[(CFCF(CHCH−は、式R(CH[(CFCF(CHCHOHのフルオロアルコールの調製により得られる。式中、Rは、C〜Cパーフルオロアルキル、下付きhは1〜約6、下付きi、jおよびkは、それぞれ独立に、1、2、3またはこれらの混合である。これらのアルコールは、オリゴマーヨウ化物(C2n+1I、C2n+1CHIまたはC2n+1I)(式中、下付きnは、1〜約6の整数である)から、発煙硫酸処理および加水分解を用いて調製される。例えば、発煙硫酸(15%SO)と、約60℃で、約1.5時間反応させ、氷で冷やした希釈KSO溶液を用いて加水分解した後、約100℃まで約30分間加熱すると、満足いく結果が得られることが分かっている。他の反応条件を用いることもできる。周囲室温まで冷やした後、固体が沈殿し、単離され、精製される。例えば、液体の上澄みを取り、固体をエーテルに溶解し、NaClで飽和した水で洗い、無水NaSOで乾燥し、濃縮し、真空下で乾燥する。他の従来の精製手順も用いることができる。
あるいは、上述した式R(CH[(CFCF(CHCHOHのアルコールは、オリゴマーヨウ化物R(CH[(CFCF(CHCHI(式中、Rおよび下付きh、i、jおよびkは、対応のアルコールで上述したとおりである)を、N−メチルホルムアミドと、約150℃まで加熱し、約19時間保持することにより調製することができる。反応混合物を水で洗うと残渣が得られる。この残渣とエタノールおよび濃縮塩酸の混合物を、約2.5時間、温和に還流(約85℃浴温度で)する。反応混合物を水で洗い、ジクロロメタンで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥する。ジクロロメタン溶液を濃縮し、減圧蒸留してアルコールを得る。任意で、N,N-ジメチルホルムアミドを、N-メチルホルムアミドの代わりに用いることができる。その他の従来の精製手順を用いることができる。
式R(CH[(CFCF(CHCHIのヨウ化物は、好ましくは、C2n+1I、C2n+1CHIまたはC2n+1I(式中、nは1〜約6である)の、エチレンおよびテトラフルオロエチレンの混合物を用いたオリゴマー化により調製される。反応は、室温から約150℃までの任意の温度で、好適なラジカル開始剤により行うことができる。好ましくは、反応は、約40°〜約100℃の温度で、その範囲で約10時間の半減期を有する開始剤により行う。気相中の出発材料の供給比、すなわち、C2n+1I、C2n+1CHIまたはC2n+1I(式中、nは1〜約6である)のモル対エチレンおよびテトラフルオロエチレンを併せたモルを用いて、反応の変換を制御することができる。このモル比は、約1:3〜約20:1、好ましくは、約1:2〜10:1、より好ましくは、約1:2〜約5:1である。エチレン対テトラフルオロエチレンのモル比は、約1:10〜約10:1、好ましくは約3:7〜約7:3、より好ましくは、約4:6〜約6:4である。
本発明は、スルホン酸基の追加の前に形成される本発明の界面活性剤の調製に用いる不飽和中間体をさらに含む。不飽和中間体は、式2A、2B、または2Cの構造を有し
(R−O−CO−)Y 式2A
−O−CO−Y−CO−O−(CHCH)R 式2B
−O−CO−Y−CO−O−R 式2C
式中、
は、基
(i)R(CHCF−(C2g)−、
(ii)ROCFCF−(C2g)−、
(iii)ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−、
(iv)ROCFHCFO(C2w)、
(v)ROCF(CF)CONH−(C2g)−または
(vi)R(CH[(CFCF(CHCHであり、
各Rは、独立に、C(2c+1)であり、
cは、2〜約6であり、好ましくは、2〜4であり、より好ましくは、4であり、
dは、1〜約3であり、好ましくは、1〜2であり、より好ましくは、1であり、
gは、1〜4であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、2であり、
vは、1〜約4であり、好ましくは、2〜3であり、より好ましくは、2であり、
wは、約3〜約12であり、好ましくは、4〜6であり、より好ましくは、4であり、
hは、1〜約6であり、好ましくは、1〜3であり、より好ましくは、2であり、
i、jおよびkは、それぞれ独立に、1、2または3またはこれらの混合であり、好ましくは、1または2であり、より好ましくは、1であり、
ただし、基(vi)の炭素原子の合計数は約8〜約22個であり、
Yは、オレフィン不飽和を有する鎖状または分岐ジラジカル−C(2e−2)−であり、式中、eは、2または3であり、好ましくは、2であり、Rは、Hまたは鎖状または分岐アルキル基C(2b+1)−であり、bは、1〜約18であり、好ましくは、6〜18である。
式2A、2Bおよび2Cの化合物は、スルホン化工程を省く以外は、式1A、1Bおよび1Cで上述したとおりにして調製される。式2A、2Bおよび2Cの化合物はまた、単体または他のモノマーとの混合により重合して、得られるポリマーおよび得られるポリマーが適用される表面に防汚および撥水性を与えることのできるモノマーである。
式2A、2Bおよび2Cの好ましい化合物は、Rが、R(CHCF)d−(C2g)−、ROCFCF−(C2g)−、R−OCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−またはROCFHCFO(C2wO)−(C2g)−であるものである。cが、3または4である、またはYが、CH=CH、CHC(=CH)、C(CH)=CH、CH=CHCHまたはCHCH=CHCHである式2A、2Bおよび2Cの化合物も好ましい。Rが、R(CHCF−(C2g)−、ROCFCF−(C2g)−、ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−またはROCFHCFO(C2wO)−(C2g)−であり、dが、1であり、gが、1であり、RがCまたはCFであり、Yが、CH=CH、CHC(=CH)またはC(CH)=CHである化合物がより好ましい。Rが、CCHCFCHCHまたはCCHCFCHCHであり、Rが、(CFFである式2Bの化合物も好ましい。
式2A、2Bおよび2Cの化合物は、部分フッ素化スルホン化界面活性剤を調製するための中間体、特に、前述した式1A、1Bおよび1Cのものとして有用である。
本発明は、液体に上述した式1A、1Bおよび1Cの化合物を添加することを含む、様々な用途において、液体の表面挙動を変える方法をさらに含む。式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤は、水、水溶液および水性エマルジョンを単純にブレンドする、または添加することにより用いられる。式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤は、典型的に、表面および界面張力を下げ、低い臨界ミセル濃度を与える。表面挙動変更としては、湿潤、浸透、拡散、平滑化、流動、乳化、液体の分散の安定化、反発、剥離、潤滑、エッチングおよび結合の特性改善が例示される。
低表面張力が必要とされるかかる用途としては、それぞれ、ガラス、木材、金属、レンガ、コンクリート、セメント、天然および合成石、タイル、合成床、ラミネート、紙、テキスタイル材料、リノリウムおよびその他プラスチック、樹脂、天然および合成ゴム、繊維および布地および塗料用コーティング組成物、水性および非水性クリーニング製品、ポリマー、ならびに、床、家具、靴、インクおよび自動車ケア用ワックス、仕上げ剤、レベリングおよび光沢剤が例示される。湿潤剤用途としては、除草剤、殺菌剤、殺草剤、ホルモン増殖調節剤、寄生虫駆除剤、殺虫剤、抗菌剤、防菌剤、抗線虫剤、殺菌剤、枯れ葉剤または肥料、治療剤、抗菌剤、フルオロケミカル代用血液、テキスタイル処理浴および紡糸仕上げ剤を含有する組成物用湿潤剤が挙げられる。パーソナルケア製品における用途としては、シャンプー、コンディショナー、クリームリンス、肌用化粧製品(治療または保護クリームおよびローション、撥油撥水化粧パウダー、デオドラントおよび制汗剤)、ネイルポリッシュ、リップスティックおよび歯磨き粉が挙げられる。さらなる用途としては、布地ケア製品(汚れ前処理および/または衣類、カーペットおよび室内装飾品用汚れ除去剤)および洗濯洗剤が挙げられる。その他用途としては、濯ぎ助剤(カーウォッシュおよび自動食器洗浄用)、油井処理(掘削泥水、三次油井採収を改善する添加剤を含む)、極圧潤滑剤、浸透時間を改善するための潤滑切削油、筆記インク、印刷インク、写真現像液、森林火災鎮火用乳剤、粉末消火剤、エアロゾルタイプ消火剤、固化用ゲルまたは封入医療廃棄物形成用増粘剤、フォトレジスト、現像剤、クリーニング液、エッチング組成物、現像剤、ポリッシャー、ならびに半導体およびエレクトロニクスの製造、処理および取扱いにおけるレジストインクが挙げられる。本発明の界面活性剤は、ガラス表面および写真フィルム用防曇剤として、磁気テープ、蓄音機レコード、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスクドライブ、ゴム組成物、PVC、ポリエステルフィルムおよび写真フィルム用静電気防止剤として、光学素子(ガラス、プラスチックまたはセラミックス等)の表面処理として機能する製品に組み込むことができる。その他の用途は、乳化剤、発泡剤、剥離剤、撥剤、流動性改質剤、膜蒸発防止剤、湿潤剤、浸透剤、クリーナー、研削剤、電気めっき剤、耐食剤、はんだ剤、分散助剤、抗菌薬、パルプ化助剤、濯ぎ助剤、研磨剤、乾燥剤、静電気防止剤、粘着防止剤、結合剤および油田化学薬品である。
本発明の化合物はまた、ポリウレタン発泡体の泡制御剤、スプレー式オーブンクリーナー、発泡台所浴室クリーナーおよび消毒剤、エアロゾル髭そりクリームとして、および布地処理浴においても有用である。本発明の界面活性剤は、重合用乳化剤、特に、フルオロモノマー、ラテックス安定剤、シリコーン用離型剤、フォトエマルジョン安定剤、無機粒子および顔料として有用である。かかるフッ素系界面活性剤はまた、超臨界二酸化炭素エマルジョンおよび水中ナノ粒子または顔料の分散剤にも有用である。
液体中、約0.1%未満、好ましくは、約0.01重量%未満という低濃度の式1A、1Bまたは1Cの化合物が有効である。従って、式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤は、様々な最終用途に有用である。
本発明は、式5の化合物をさらに含む。
OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
式中、
は、C(2c+1)であり、
cは、2〜約6、好ましくは2〜4、より好ましくは4であり、
vは、2〜約4、好ましくは、2〜3、より好ましくは2である。
式5の好ましい化合物は、cが3または4であり、gが2であり、vが2または3のものである。式5の化合物は、部分フッ素化スルホン化界面活性剤を作製する際の中間体として有用である。特に、式5の化合物は、前述したとおり、式1A、1Bおよび1Cの界面活性剤を作製するのに有用である。
本発明は、式5の化合物
OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
(式中、Rは、C(2c+1)であり、cは、2〜約6であり、vは、2〜約4である)
を調製するプロセスをさらに含み、
式6の化合物
−O−CF=CF 式6
(式中、Rは、C(2c+1)であり、cは、2〜約6である)を、式7の化合物
HO−(CHCHO)−H 式7
(式中、vは、2〜約4)と接触させることを含む。
本発明のプロセスにおいて、式5の化合物は、アルカリ金属化合物を存在させた、パーフルオロヒドロカーボンビニルエーテルの、ジオールとの反応により調製される。好ましいエーテルとしては、式R−O−CF=CF(式中、Rは、1〜6個の炭素のパーフルオロアルキルである)のものである。好ましいジオールは、ジエチレングリコールを含む。ジオールは、エーテル1モル当たり、約1〜約15モル、好ましくは、エーテル1モル当たり約1〜約5モルで用いる。好適なアルカリ金属化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ水酸化物、アルカリ水素化物またはアルカリアミドが挙げられる。好ましいのは、アルカリ金属、例えば、Na、KまたはCs、あるいはアルカリ水素化物、例えば、NaHまたはKHである。反応は、略周囲温度〜約120℃、好ましくは、約40℃〜約120℃の温度で行う。反応は、任意の溶媒、例えば、エーテルまたはニトリルで行うことができる。このプロセスは、界面活性剤等の誘導体をつくるのに用いられる式5のアルコールを調製するのに有用である。
式1A、1Bおよび1Cの本発明の界面活性剤は、多くの場合、テロマーBアルコールから作製された従来のフッ素系界面活性剤に比べると、調製の際に必要なテトラフルオロエチレンが少ない。Rが、(ii)ROCFCF−(C2g)−、(iii)ROCFHCFO(CHCHO)−(C2g)−、(iv)ROCFHCFO(C2w)−または(v)ROCF(CF)CONH−(C2g)であるときは、テトラフルオロエチレンを、R−OHアルコール前駆体のR部分に用いてよいが、テトラフルオロエチレンは、それ以外で式1A、1Bまたは1Cあるいは式2A、2Bまたは2Cの化合物の調製には用いない。本発明の界面活性剤については、これまでのテロマーBアルコールから作製された界面活性剤中の1〜20個の炭素の典型的なパーフルオロアルキル基に比べて、いくつかのフッ素が、他の原子またはモノマーに代わる。R(i)および(vi)基を含む式1A、1Bおよび1Cまたは式2A、2Bおよび2Cの化合物の調製に用いるテトラフルオロエチレンは少ない。
テトラフルオロエチレンと置換されるモノマー部分は、たいていの場合、低比率のフッ素も含有している。従って、多くの場合、本発明の界面活性剤は、多くの従来の界面活性剤よりもフッ素効率が良い。「フッ素効率」とは、最小量のフルオロケミカルを用いて、基材に適用したときに所望の表面効果または界面活性剤特性を得る、または同レベルのフッ素を用いるよりも良い性能の得られる能力を意味する。
材料および試験方法
以下の材料および試験方法を、本明細書の実施例で用いた。
一般的な有機および無機化合物は全て、Sigma−Aldrich(Milwaukee WI)より入手し、精製なしで用いた。これらには、無水マレイン酸、亜硫酸水素ナトリウム、トルエン、ヘキサン、p−トルエンスルホン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、トランス−グルタル酸、トランス−ベータ−ヒドロムコン酸および実施例で用いたその他所定の化合物が挙げられる。
SIMULSOL SL8:オクチル/デセイルポリグリコシドは、Kreglinger Europe(Antwerp,Belgium)より入手可能である。
TRITON X100:p−tert−オクチルフェノキシポリエチルアルコールは、Sigma−Aldrich(Saint Louis,MO)より入手可能である。
DOWANOL DB:1−ブトキシ−2−エトキシエタンは、Dow Chemical Company(Midland,MI)より入手可能である。
SOLKANE 365 MFC、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、Solvay Fluorides(Thorofare NJ)より入手可能である。
以下のフッ素化化学物質は、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington DE)より入手可能である。パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルフルオリド、ヨウ化パーフルオロブチル、フッ化ビニリデン、パーフルオロプロピルビニルエーテルおよびヨウ化パーフルオロエチルエチル。
以下のフッ素化化学物質は、後述するとおりにして調製した:
CHCFIおよびC(CHCFIは、Balagueらによる「Synthesis of Fluorinated Telomers,Part 1,Telomerization of Vinylidene Fluoride with Perfluoroalkyl Iodides」J.Fluorine Chem.(1995),70(2),215−23に記載されているとおり、ヨウ化パーフルオロブチルとフッ化ビニリデンを反応させることにより調製した。具体的なテロマーヨウ化物は、分留により単離される。
OCFCFIは、Viacheslavらによる米国特許第5,481,028号明細書に記載されているとおり、パーフルオロプロピルビニルエーテルを塩化ヨウ素およびフッ化水素酸と、酸フッ化ホウ素を触媒として反応させることにより調製した。
試験方法1−臨界ミセル濃度(CMC)およびCMCを超える表面張力の測定
水性界面活性剤溶液の表面張力を、様々な重量パーセントで、mN/mで、Kruss K11張力計(Kruss USA(Charlotte,NC)製)を用いて測定した。最も低い表面張力を有する化合物が、有効性が最も高かった。
臨界ミセル濃度(CMC)は、界面活性剤の濃度を増大しても、もう表面張力が実質的に下がらない濃度と定義される。CMCを求めるには、表面張力を、界面活性剤濃度の関数として測定する。表面張力を(横軸)対ログ濃度(縦軸)でプロットする。得られる曲線は、CMCより高い濃度だとほぼ水平部分を有し、CMCより低い濃度だと、負の急な傾斜を有する。CMCは、外挿された急な傾斜と、外挿された略水平な線の交点での濃度である。CMCを超える表面張力は、曲線の平坦な部分の値である。CMCは、低コストで有効な性能を得るためにできる限り低くしなければならない。
試験方法2−シクロヘキサンでの拡散
試験方法2は、Sternらによる国際公開第1997046283A1号パンフレットから適用されるものであり、界面活性剤を、n−ヘプタンの表面に適用して、高度消火泡(AFFF)のスクリーニング評価を行った。Sternらが用いたn−ヘプタンに換えて、シクロヘキサンを試験方法2で用いた。試験方法2は、低密度の可燃性液体が表面を超えて拡散する界面活性剤溶液の能力を測定するものである。界面活性剤溶液が、表面を超えて拡散すると(「優」評価)、可燃性液体と空気の間にバリアがつくられる。界面活性剤溶液が、表面を完全に超えて拡散しないと(部分拡散の程度に応じて「良」または「可」評価)、空気と可燃性液体間のバリアは不完全である。界面活性剤溶液が、可燃性液体に浸透すると(「不可」評価)、空気と可燃性液体間のバリアはつくられない。
界面活性剤溶液は、フッ素系界面活性剤(活性成分0.9g/L)、炭化水素界面活性剤(SIMULSOL SL8またはTRITON X100、活性成分2.4g/L)、ブチルカルビトール(DOWANOL DB、活性成分4.2g/L)を混ぜることにより調製し、完全に混合した。ペトリ皿(直径11.5cm)の略半分に、75mLのシクロヘキサンを入れた。シクロヘキサンの表面が完全に静止したら(約1分)、フッ素系界面活性剤、炭化水素界面活性剤、ブチルカルビトールおよび水の100ミリリットルの溶液を、最初はペトリ皿の中央に、ペトリ皿の外側端部の放射状の線に沿って外側に、マイクロピペットにより滴下して付着させた。タイマーを始動した。
低性能の処方だと、界面活性剤溶液は、シクロヘキサンに「即時に沈む」。正しくなされた処方では、界面活性剤溶液は、沈まずに、シクロヘキサンの表面に、単に「浮かぶ」。良くなされた処方では、界面活性剤は、シクロヘキサンの表面を超えて拡散する。界面活性剤溶液がシクロヘキサン表面を超えて拡散した範囲が停止したときの時間を記録し、その点での表面被覆の範囲(<100%)を記録した。良好になされた処方では、界面活性剤溶液は、シクロヘキサンの全表面に即時に拡散する。良好になされた処方において、界面活性剤溶液の攪拌範囲が、最初に全表面(100%)を被覆した時間を記録した。
実施例1
エタノールアミン(13g、28ミリモル)およびエーテル(30mL)の混合物を15℃まで冷やした。パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルフルオリド(エーテル50mL中33g)を滴下して添加し、反応温度を25℃未満に保った。添加後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。固体をろ過により除去し、ろ液を塩酸(0.5N、30mL)、水(2回、30mL)、炭酸水素ナトリウム(0.5N、20mL)、水(30mL)および塩化ナトリウム溶液(飽和、20mL)で洗った。次に、それを濃縮し、一晩、室温で真空乾燥したところ、白色固体35gが収率95%で得られた。生成物を、H NMRを用いて分析し、構造は、N−(パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル)−2−アミノエタノール、COCF(CF)CONHCHCHOHと確認された。
無水マレイン酸(0.60g、6.1ミリモル)、COCF(CF)CONHCHCHOH(4.5g、12ミリモル、上述したとおりに調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.12g)およびトルエン(50mL)の混合物を、連続的に攪拌し、窒素下で加熱還流した。90%の水が、ディーン・スタークトラップを用いて、共沸により除去されるまで、温度を111℃に約22時間維持した。液体クロマトグラフィー/質量スペクトル(LC/MS)を行ったところ、ジエステルへの完了を示した。溶液を分離し、5%の重炭酸ナトリウム溶液で2回洗って抽出した。混ざった有機抽出物を、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、トルエンをロータリエバポレーションにより除去した。黄色の油(3.12g、収率61.9%、純度90%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCF(CF)C(O)NHCHCHO−C(O)CH=CHC(O)OCHCHNHC(O)−CF(CF)OCとして確認された。
実施例2
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を、60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗って、蒸留したところ、2mmHg(267Pa)で沸点が54〜57℃のCCHCFCHCHOHが得られた。
実施例1のエステル化手順を用いて、Di(1H、1H、2H、2H、4H、4H−パーフルオロオクチル)マレエート(7.76g、収率95%、純度95%)を、トルエン50mL中無水マレイン酸(1.07g、11ミリモル)、CCHCFCHCHOH(7.13g、22ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.21g、1.1ミリモル)の111℃で40時間の反応により作製した。淡黄色生成物を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造はCCHCFCHCHOC(O)−CH=CH−C(O)OCHCHCFCHと確認された。
実施例3
エチレン(56g)を、C(CHCFI(714g)およびd−(+)−リモネン(3.2g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を、真空蒸留により単離して、C(CHCFCHCHIを得た。C(CHCFCHCHI(10g、0.02モル)およびN−メチルホルムアミド(8.9mL、0.15モル)の混合物を150℃まで26時間加熱した。混合物を100℃まで冷やした後、水を添加して、粗エステルを分離した。エチルアルコール(3mL)およびp−トルエンスルホン酸(0.09g)を、添加し、混合物を70℃で、0.25時間攪拌した。ギ酸エチルおよびエチルアルコールを、蒸留により除去して、粗生成物を得た。粗生成物をエーテルに溶解し、10重量%の水性亜硫酸ナトリウム、水および塩水で洗い、次に、硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸留により、2mmHg(266Pa)で沸点が94〜95℃の生成物C(CHCFCHCHOH(6.5g、収率83%)が得られた。
無水マレイン酸(0.65g、6.7ミリモル)、CCHCFCHCFCHCHOH(4.37g、1.333*10−2モル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g、0.67ミリモル)およびトルエン(50mL)を一緒に混合して、110℃で48時間加熱還流した。実施例1のように検査を行った。得られた淡黄色液体(2.90g、収率51.4%、純度>99%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCFCHCHO−C(O)CH=CH−C(O)OCHCHCFCHCFCHと確認された。
実施例4
OCFCFI(100g、0.24モル)および過酸化ベンゾイル(3g)を、窒素下で圧力容器に入れた。一連の3つの真空/窒素ガスシーケンスを、−50℃で実施して、エチレン(18g、0.64モル)を入れた。容器を24時間、110℃で加熱した。オートクレーブを0℃まで冷やし、脱気後開いた。次に、生成物を瓶に集めた。生成物を蒸留したところ、80gのCOCFCFCHCHIが収率80%で得られた。沸点は、25mmHg(3.3kPa)で56〜60℃であった。
OCFCFCHCHI(300g、0.68モル、上述したとおりにして調製したもの)およびN−メチル−ホルムアミド(300mL)の混合物を、150℃まで26時間加熱した。100℃まで冷やした後、水を添加して、粗エステルを分離した。エチルアルコール(77mL)およびp−トルエンスルホン酸(2.59g)を粗エステルに添加し、反応物を70℃で15分間攪拌した。ギ酸メチルおよびエチルアルコールを蒸留して、粗生成物を得た。粗生成物をエーテルに溶解し、水性亜硫酸ナトリウム、水および塩水で洗ってから、硫酸マグネシウムで乾燥した。生成物を蒸留したところ、199gのCOCFCFCHCHOHが収率85%で得られた。沸点は、40mmHg(5333Pa)で71〜73℃であった。
実施例1のように手順を行った。無水マレイン酸(0.66g、6.8ミリモル)、COCFCFCHCHOH(4.46g、14ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g、0.68ミリモル)およびトルエン(50mL)を一緒に混合し、50時間、112℃で還流した。淡黄色の生成物(4.12g、82.4%、純度>99%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCFCFCHCHOC(O)CH=CHC(O)OCHCHNHC(O)CF(CF)OCと確認された。
実施例5
ドライボックスにおいて、500mLのパイレックス(登録商標)瓶に、ジエチレングリコール(99%、Aldrich Chemical Company)(175mL、1.84モル)および80mLの無水テトラヒドロフラン(Aldrich Sure/Seal(登録商標))を入れた。NaH(3.90g、0.163モル)を、水素発生完了まで、マグネチックスターラーで攪拌しながら徐々に添加した。キャップをした瓶をドライボックスから取り出し、溶液を400mLの金属振とう管に、窒素を充填したグローブバッグ中で移した。振とう管を、−18℃の内部温度まで冷やし、振とうを開始し、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE、41g、0.145モル)を金属シリンダから添加した。混合物を、室温まで温め、20時間振とうした。反応混合物を、別の400mL振とう管で繰り返しの反応を行って混合した。混合した反応混合物を、600mLの水に添加し、この混合物を、3×200mLのジエチルエーテルで、分液漏斗で抽出した。エーテル抽出物を、MgSOで乾燥し、ろ過し、ロータリエバポレータにより真空で濃縮して、液体(119.0g)を得た。CDOD中H NMRおよびガスクロマトグラフィーによる分析によれば、両方共、少量のジエチレングリコールを示した。この材料を150mLのジエチルエーテルに溶解し、分液漏斗において水(3×150mL)で抽出した。エーテル層をMgSOで乾燥し、ろ過し、ロータリエバポレータにより高真空で濃縮して、液体(99.1g)を得た。H NMR(C、ppm TMSのダウンフィールド)は、97モル%の所望のモノ−PPVE付加物:1.77(broad s、OH)、3.08−3.12(m、OCHCHOCHCHOH)、3.42(t、OCHCHOCHCHOH)、3.61(t、OCHCHOCHCHOH)、5.496(トリプレットのダブレット、H−F=53Hz、H−F=3Hz OCFCHFOC)および3モル%のビスPPVE付加物:5.470(トリプレットのダブレット、H−F=53Hz、H−F=3Hz、COCHFCFOCHCHOCHCHOCFCHFOC)を示している。ビスPPVE付加物についての他のピークは、モノPPVE付加物と重なる。
無水マレイン酸(0.59g、6.1ミリモル)、COCHFCFOCHCHOCHCHOH(4.5g、12ミリモル、上述したとおりにして調製したもの、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.12g、0.61ミリモル)およびトルエン(50mL)を一緒に連続的に攪拌し、114℃で、25時間にわたって還流加熱した。反応の完了をLC/MSおよび水の除去により確認した。実施例1のように検査を行うと、淡黄色液体(4.48g、収率90.0%、純度87%を生成した。H NMRおよびLC/MSを用いて、ジエステルへの完全な変換を確認したところ、構造は、COCFHCFOCHCH−OCHCHOC(O)CH=CHC(O)OCHCHO−CHCHOCFCFHOCと確認された。
実施例6
1ガロンの反応器に、パーフルオロエチレンヨウ化物(850g)を充填した。冷排気後、圧力が60psig(414kPa)に達するまで、27:73の比のエチレンおよびテトラヒドロフランを添加した。反応物を70℃まで加熱した。圧力が、160psig(1.205MPa)に達するまで、さらに、27:73の比のエチレンおよびテトラフルオロエチレンを添加した。過酸化ラウロイル溶液(150gパーフルオロエチルエチルヨウ化物中4g過酸化ラウロイル)を、1mL/分の速度で1時間添加した。ガス供給速度を、エチレンおよびテトラフルオロエチレン1:1に調節し、圧力を160psig(1.205MPa)に保った。約67gのエチレンを添加した後、エチレンとテトラフルオロエチレンの両方の供給を停止した。反応物を70℃でさらに8時間加熱した。揮発物質を真空蒸留により、室温で除去した。オリゴマーエチレン−テトラフルオロエチレンヨウ化物の固体C(CH[(CFCF)(CHCH)]−I(773g)(式中、kは約2:1の比で2と3が混ざったもの)が得られた。
ヨウ化物の分離なしで上述したとおりにして調製したオリゴマーヨウ化物混合物(46.5g)を、N−メチルホルムアミド(NMF、273mL)と混合し、150℃で19時間加熱した。反応混合物を、水(4×500mL)で洗って、残渣を得た。この残渣、エタノール(200mL)および濃塩酸(1mL)の混合物を、24時間、温和に還流した(85°C浴温度)。反応混合物を水(300mL)に注いだ。固体を水(2×75mL)で洗って、真空(2トル、267Pa)乾燥して、24.5gの固体を得た。約2gの生成物が昇華した。オリゴマーアルコールC(CH[(CFCF)(CHCH)]−OH(式中、kは約2:1で2と3が混ざったもの)の合計収量は、26.5gであった。
無水マレイン酸(1.74g、18ミリモル)およびC(CH[(CFCF)(CHCH)]k−OH(6.26g)の混合物を一緒に連続的に攪拌し、70℃まで加熱した。反応を45時間そのまま行って、ガスクロマトグラム(GC)を数回の間隔でとって、反応物質の消失およびハーフ酸/エステルCCHCH[(CFCF)(CHCH)]k−OC(O)CH=CHC(O)OHの導入を確認した。ハーフ酸/エステル(4.75g、9.7ミリモル)、CCHCH[(CFCF)(CHCH)]−OH(3.80g、9.7ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.12g、0.97ミリモル)を、トルエン(50mL)中、114℃で19時間、加熱還流した。生成物を、CHCN(3×100mL)による抽出、濃縮、テトラヒドロフランによる抽出、濃縮および乾燥を用いて単離したところ、黄色/オレンジ色の固体生成物(7.46g、収率93.3%、97%)が得られ、これを、H NMRおよびLC/MSで分析したところ、構造は、CCHCH[(CFCF)(CHCH)]kOOC(O)CH=CH−C(O)O[(CHCH)−(CFCF)]k−CHCH(式中、kは2と3の混ざったもの)と確認された。
実施例7
エタノールアミン(13g、28ミリモル)およびエーテル(30mL)の混合物を、15℃まで冷やした。パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルフッ化物(エーテル50mL中33g)を滴下して添加して、反応温度を25℃未満に保った。添加後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。固体をろ過により除去し、ろ液を塩酸(0.5N、30mL)、水(2回、30mL)、炭酸水素ナトリウム(0.5N、20mL)、水(30mL)および塩化ナトリウム溶液(飽和、20mL)で洗った。次に、濃縮し、一晩、室温で真空乾燥したところ、白色固体35gが収率95%で得られた。H NMRおよびF NMRによる分析によれば、生成物は、N−(パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル)−2−アミノエタノール、COCF(CF)CONHCHCHOHであった。
無水イタコン酸(0.67g、6.0ミリモル)、COCF(CF)CONHCHCH−OH(4.44g、2ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.11g、0.60ミリモル)およびトルエン(50mL)を、連続的に攪拌し、111℃で25時間にわたって還流加熱した。トルエンの上澄みを取ったところ、黄色の粘性固体が残った。生成物をまず、空気乾燥してから、真空オーブンに2時間入れた。生成物(3.62g、72.4%、純度65%)をH NMRおよびLC/MSにより分析し、完全な変換を確認したところ、構造は、COCF(CF)C(O)NHCHCHOC(O)CHC(=CH)C(O)OCHCH−NHC(O)CF(CF)OCと確認された。
実施例8
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を入れたオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗い、蒸留して、2mmHg(267Pa)で沸点が54〜57℃のCCHCFCHCHOHを得た。
無水イタコン酸(0.75g、6.7ミリモル)、CCHCFCHCHOH(4.37g、13ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g、0.67ミリモル)およびトルエン(50mL)を、19時間にわたって、113℃の温度で還流した。得られた淡黄色の液体(4.53g、収率90.6%、純度72%)をH NMR およびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CHC(=CH)C(O)OCHCHCFCH
と確認された。
実施例9
エタノールアミン(13g、28ミリモル)およびエーテル(30mL)の混合物を15℃まで冷やした。パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルフッ化物(エーテル50mL中33g)を、滴下して添加し、反応温度を25℃未満に保った。添加後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。固体をろ過により除去し、ろ液を塩酸(0.5N、30mL)、水(2回、30mL)、炭酸水素ナトリウム(0.5N、20mL)、水(30mL)および塩化ナトリウム溶液(飽和、20mL)で洗った。次に、それを濃縮し、一晩、室温で真空乾燥したところ、白色固体35gが収率95%で得られた。H NMRおよびF NMRによる分析によれば、生成物は、N−(パーフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル)−2−アミノエタノール、COCF(CF)CONHCHCHOHであったことが示された。
無水シトラコン酸(0.67g、6.0ミリモル)、COCF(CF)CONHCHCHOH(4.44g、12ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.11g、0.60ミリモル)およびトルエン(50mL)を一緒に添加し、連続攪拌しながら、40時間、111℃で還流加熱した。トルエン溶液中に2つの顕著な固体材料が存在していた。ピンク色の固体を除去し、白色固体を真空ろ過した。両材料をLC/MCにより分析したところ、ピンク色の固体は生成物で、白色固体は未反応のアルコール(1.22g)であったことが確認された。生成物(2.98g、収率59.6%、純度65%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCF(CF)C(O)NHCHCHOC(O)−C(CH)=CHC(O)OCHCHNHC(O)CF(CF)OCと確認された。
実施例10
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を、60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗って、蒸留したところ、CCHCFCHCHOHが得られた:2mmHg(267Pa)で沸点が54〜57℃。
無水シトラコン酸(0.75g、6.7ミリモル)、CCHCFCHCHOH(4.37g、13.3ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g)およびトルエン(50mL)を、約46時間、112℃で還流した後、ジエステルのみが、LC/MC分析で観察された。実施例1のように検査を行うと、淡黄色液体(2.98g、収率59.6%、純度>99%が得られ、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、ジエステル構造は、CCHCFCHCHOC(O)C(CH)=CHC(O)OCHCHCFCHと確認された。
実施例11
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を、60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗って、蒸留したところ、2mmHg(267Pa)で沸点が54〜57℃のCCHCFCHCHOHが得られた。
トランス−グルタコン酸(0.87g、6.7ミリモル)、CCHCFCHCHOH(4.37g、13ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.13g、0.67ミリモル)およびトルエン(50mL)を、一緒に連続的に攪拌し、111℃で24時間還流加熱した。実施例1のように検査を行った。得られた白色固体(2.52g、収率50.4%、純度80%)を、真空オーブン中で乾燥し、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CH=CHCHC(O)OCHCHCFCHと確認された。
実施例12
エチレン(56g)を、C(CHCFI(717g)およびd−(+)−リモネン(3.2g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、C(CHCFCHCFIを得た。C(CHCFCHCHI(10g、0.02モル)およびN−メチルホルムアミド(8.9mL、0.15モル)の混合物を150℃で26時間加熱した。混合物を100℃まで冷やした後、水を添加して、粗エステルを分離した。エチルアルコール(3mL)およびp−トルエンスルホン酸(0.09g)を添加し、混合物を70℃で0.25時間攪拌した。ギ酸エチルおよびエチルアルコールを蒸留により除去して、粗生成物を得た。粗生成物をエーテルに溶解し、10重量%の水性亜硫酸ナトリウム、水および塩水で洗い、次に、硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸留により、2mmHg(266Pa)で沸点が94〜95℃の生成物C(CHCFCHCHOH(6.5g、収率83%)が得られた。
トランス−グルタコン酸(0.75g、5.8ミリモル)、CCHCFCHCFCHCHOH(4.54g、12ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.11g、0.58ミリモル)およびトルエン(50mL)を、一緒に連続的に攪拌し、111℃で16時間還流加熱した。進行をLC/MSおよび共沸による水の除去によりモニターした。オレンジ/黄色固体をろ過し、5%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)で洗った。ろ液を分離し、有機層を5%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、次に、脱イオン水(50mL)で洗った。混ざった有機抽出物を、無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、トルエンを濃縮した(140.30mmHg、67℃)。有機固体(4.14g、収率81.5%、純度85%)を、真空オーブン中で乾燥し、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCFCH−CHOC(O)CH=CHCHC(O)O−CHCHCFCHCFCHと確認された。
実施例13
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を、60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗って、蒸留したところ、2mmHg(267Pa)で沸点が54〜57℃のCCHCFCHCHOHが得られた。
無水マレイン酸(2.00g、20ミリモル)を、CCHCFCHCHOH(6.69g、20ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)と反応させることにより、溶融反応を行った。反応を70℃で34時間にわたって続け、その間に、GC分析のためにアリコートを採った。白色固体ハーフ酸/エステル(8.02g、収率92.3%、純度>98%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CH=CHC(O)OHと確認された。
実施例14
実施例13に記載したとおりにして調製したマレエート(6.68g、17ミリモル)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.30g、1.7ミリモル)およびヘキシルアルコール(1.60g、17ミリモル)を、トルエン(50mL)と共に混合した。混合物を、一緒に連続的に攪拌し、114℃で19時間還流加熱した。実施例1のように検査手順を行って、透明液体(7.14g、収率89.3%、純度98%)を生成し、これをH NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CH=CHC(O)O−(CHHと確認された。
実施例15
実施例13に記載したとおりにして調製したマレエート(4.41g、10ミリモル)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.20g、1.0ミリモル)およびCF1CHCHOH(3.77g、10ミリモル)を、トルエン(50mL)と共に混合した。中身を、19時間、114℃で還流し、実施例1のように検査手順を行った。淡黄色液体(5.78g、収率72.3%、純度90%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CH=CHC(O)OCHCH−(CFFと確認された。
実施例16
実施例1に記載したとおりにして調製したマレエート(2.62g、3.2ミリモル)およびイソプロピルアルコール(IPA、31g)を、混合物が溶解するまで、約10分、50℃で一緒に添加した。水性亜硫酸ナトリウム(0.17g、1.6ミリモル)を脱イオン水(8mL)に溶解し、イソプロピルアルコール溶液に滴下して添加し、これを26時間還流加熱した(86℃)。イソプロピルアルコールおよび水をロータリエバポレーションにより除去した後、真空オーブンで、50℃で乾燥して、粘性の黄色の液体(1.70g、収率57.6%、純度75%)を生成した。これは、H NMRおよびLC/MS分析により、ジスエステルスルホネートであることが確認され、構造は、COCF(CF)C(O)NHCHCHO−C(O)CHCH(SONa)C(O)O−CHCHNHC(O)CF(CF)OCと確認された。
生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例17
実施例2に記載したとおりにして調製したマレエート(7.74g、11ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、一緒に連続的に攪拌した。温度を61℃に上げてから、脱イオン水(53mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(1.09g、11ミリモル)の溶液を滴下して添加した。混合物を、82℃の高温で24時間還流加熱した。溶液を濃縮して、イソプロピルアルコール/水溶液を除去した。残った淡黄色の液体をオーブンで一晩、乾燥したところ、白色固体(6.96g、収率78.8%、純度98%)が生成された。これを、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)−CHCH(SONa)C(O)O−CHCH2CFCHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例18
実施例3に記載したとおりにして調製したマレエート(2.88g、3.3ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、脱イオン水(20mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(1.54g、15ミリモル)を添加して、82℃で28時間、連続的に攪拌した。イソプロピルアルコール/水溶液を濃縮してから、真空オーブンで一晩、乾燥することにより、白色固体(2.58g、収率80.1%、純度>95%)を集めた。生成物をH NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCFCHCHOC(O)CHCH(SONa)C(O)O−CHCHCFCHCFCHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例19
実施例4に記載したとおりにして調製したマレエート(4.10g、5.5ミリモル)、イソプロピルアルコール(31g)および脱イオン水(14mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.28g、2.8ミリモル)を、82℃の温度で18時間、連続的に攪拌した。白色液体(3.36g、71.9%収率、>95%純度)を、イソプロピルアルコール/水溶液をロータリエバポレーティングにより集めてから、生成物を真空オーブンで乾燥した。生成物をH NMRおよびLC/MSにより分析したところ、ジエステルスルホネートへの変換を確認したところ、構造は、COCFCFCHCHOC(O)CHCH(SONa)C(O)O−CHCHCFCFOCと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例20
実施例5に記載したとおりにして調製したマレエート(1.49g、1.8ミリモル)、イソプロピルアルコール(31g)および脱イオン水(14mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.29g、2.8ミリモル)を一緒に混合して、82℃で27時間、還流した。イソプロピルアルコールを濃縮し、得られた白色固体(1.46g、収率87.1%、純度>97%)を、真空オーブン中で乾燥し、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCFHCFOCHCHO−CHCHOC(O)CHCH(SONa)C(O)O−CHCHOCHCHOCFCFHOCと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例21
実施例6に記載したとおりにして調製したマレエート(7.54g、8.7ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、固体が溶液に溶解するまで、50℃に加熱した。脱イオン水(43mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.91g、8.7ミリモル)を混合物に移し、中身を、82℃で20時間還流した。イソプロピルアルコール/水溶液をロータリエバポレーションにより除去して、オレンジ/褐色固体(7.22g、収率87.3%、純度92%)を得た。生成物を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCH[(CFCF)(CHCH)]OOC(O)CH=CHC(O)O−[(CHCH)(CFCF)]CHCH(式中、kは約2:1の比で2と3が混ざったもの)と確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例22
実施例7に記載したとおりにして調製したイタコネート(3.60g、4.3ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、一緒に連続的に攪拌した。脱イオン水(21mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(0.45g、4.3ミリモル)の水溶液を溶液に徐々に添加し、温度を82℃まで23時間にわたって上げた。イソプロピルアルコール/水を濃縮したところ、黄色のゲル状生成物(3.73g、収率92.1%、純度75%)が残り、これを真空オーブンに一晩入れ、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCF(CF)−C(O)NHCHCHOC(O)C(SONa)C(O)OCHCHNHC(O)CF(CF)OCと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例23
実施例8に記載したとおりにして調製したイタコネート(2.00g、2.7ミリモル)、イソプロピルアルコール(31g)および脱イオン水(14mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.28g、2.7ミリモル)を、22時間28℃で還流した。白色固体(沈殿物)をろ過し、脱イオン水(50mL)で洗って、未反応のNaHSOを除去した。白色乾燥固体(2.11g、収率91.5%、純度>95%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)C(SONa)C(O)OCHCHCFCHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例24
実施例9に記載したとおりにして調製したシトラコネート(2.96g、3.5ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、一緒に連続的に攪拌し、加熱還流した。脱イオン水(18mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.37g、3.5ミリモル)を混合物に滴下して添加した。溶液を82℃に23時間維持した。溶液を濃縮すると、2つの顕著な層が観察された。小さな上層は黄色で、下は白色だった。各層を、H NMRにより分析したところ、上層は不純物がありそうなことが確認された。生成物をイソプロピルアルコール中、同じく、水中で試験し、アルコールも同様に試験した。結果は次のとおりであった。生成物は水に可溶であるが、イソプロピルアルコールには不溶であった。逆のことがアルコールに当てはまった。従って、不純物層にいくらかアルコールが含まれていた場合には、水を添加したとき、ろ過により除去されるはずである。出発酸がいくらか残っていた場合でも、表面張力の結果に影響しないはずである。下層(2.62g、収率78.8%、純度85%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCF(CF)C(O)NHCHCH−OC(O)C(SONa)C(O)O−CHCHNHC(O)CF(CF)OCと確認された。
生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例25
実施例10に記載したとおりにして調製したシトラコネート(2.70g、3.6ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、溶解するまで、約10分、50℃で一緒に添加した。水性亜硫酸ナトリウム(1.54g、14.8ミリモル)を脱イオン水(15mL)に溶解し、イソプロピルアルコール溶液に滴下して添加し、これを約82℃まで、約22時間加熱した。イソプロピルアルコールおよび水をロータリエバポレーションにより除去した後、真空オーブンで、50℃で乾燥して、オフホワイトの固体(1.56g、収率50.8%、純度:>99%)を得た。これを、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、ジエステルスルホネートの形成が確認され、構造は、CCHCFCHCHOC(O)C(SONa)−C(O)OCHCHCFCHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例26
実施例11に記載したとおりにして調製したトランス−グルタコネート(2.52g、3.4ミリモル)を、イソプロピルアルコール(31g)に添加し、60℃まで加熱した。この点で、脱イオン水(15mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(0.31g、3.0ミリモル)の溶液を滴下して添加し、温度を22時間にわたって82℃まで上げた。淡黄色の固体(2.26g、収率78.8%、純度80%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)C−(SONa)C(O)OCHCHCFCH−Cと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例27
実施例12に記載したとおりにして調製したトランス−グルタコネート(4.08g、4.6ミリモル)を、イソプロピルアルコール(31g)に添加し、50℃まで加熱した。脱イオン水(15mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(0.31g、3.0ミリモル)の溶液を滴下して添加し、混合物を23時間にわたって82℃まで加熱した。黄色の固体(3.94g、収率86.3%、純度90%)を、イソプロピルアルコール/水溶液のロータリエバポレーティングにより集め、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCFCHCHO−C(O)C(SONa)C(O)O−CHCHCFCHCFCHと確認された。
生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例28
実施例13に記載したとおりにして調製したマレエート(4.20g、9.4ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、約50℃まで加熱して、固体を溶液に溶解させた。脱イオン水(47mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(0.99g、9.4ミリモル)を溶液に移し、中身を、82℃で22時間還流した。イソプロピルアルコール/水溶液をロータリエバポレートしたところ、白色固体(4.14g、収率82.8%、純度90%)が残った。これを、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCH−CHOC(O)CHCH(SONa)C(O)OHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
実施例29
実施例14に記載したとおりにして調製した混合ジエステル(7.10g、13.9ミリモル)およびイソプロピルアルコール(32g)を、一緒に連続的に攪拌し、2つの液体が混和性となるまで、50℃まで加熱した。脱イオン水(70mL)に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(1.45g、13.9ミリモル)を混合物に移して、中身を82℃で22時間、還流した。イソプロピルアルコール/水溶液を蒸発させ、白色ゲル生成物(6.26g、収率73.3%、純度98%)を、真空オーブンで2時間乾燥した。生成物をH NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)−CHCH(SONa)C(O)O(CHHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
実施例30
実施例15に記載したとおりにして調製した混合ジエステル(5.78g、7.5ミリモル)およびイソプロピルアルコール(31g)を、一緒に添加し、60℃まで10分間加熱した。脱イオン水(37mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(0.78g、7.5ミリモル)溶液を溶液に添加して、混合物を82℃で20時間にわたって加熱還流した。イソプロピルアルコール/水溶液をロータリエバポレートし、無色ゲル生成物(4.26g、収率65%、純度98%)が残った。これを、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)−CHCH(SONa)C(O)OCHCH(CFFと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
比較例A
無水マレイン酸(0.63g、6.5ミリモル)、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−オクタノール(4.74g、13ミリモル)、p−トルエンスルホン酸一水和物(p−TsOH)(0.19g、1.0ミリモル)およびトルエン(50mL)を、フラスコに添加し、111℃で96時間加熱還流した。溶液を、5%重炭酸ナトリウムで2回(それぞれ50mL)洗うことにより、分離および抽出した。混ざった有機抽出物を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、140.30mmHg(18.7kPa)および67℃)でトルエンを除去した。得られた液体生成物ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)マレエート(4.88g、収率93.4%、純度>80%)を、H NMRおよびLC/MSにより確認した。
ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)マレエート(4.70g、5.8ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)を、イソプロピルアルコール(イソプロピルアルコール、31g)に添加し、連続的に攪拌しながら、50℃まで10分間にわたって加熱した。脱イオン水(10mL)に溶解した亜硫酸水素ナトリウム(0.61g、5.8ミリモル)溶液を、溶液に滴下して添加した。混合物を、22時間にわたって、82℃で還流した。進行をLC/MSによりチェックし、水性亜硫酸水素ナトリウム(0.61g、5.9ミリモル)をさらに添加した。混合物をさらに70.3時間還流した。イソプロピルアルコール/水溶液を、ロータリエバポレーションにより除去し、白色固体を生成した(2.70g、収率52.2%、純度99%)。生成物組成を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)マレエート2−スルホサクシネートのナトリウム塩と確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表1に示す。
比較例B
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール(8.02g、22ミリモル)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(4.27g、21ミリモル)およびジクロロメタンCHCl、35mL)を、窒素入口、オーバーヘッドスターラーおよび2つのストッパーを備えたフラスコに添加した。溶液を、0℃まで冷やし、テトラヒドロフラン(15mL)に溶解したシトラコン酸(1.28g、9.8ミリモル)を滴下して加えた。溶液を10分間攪拌してから、氷浴を外して、溶液を室温まで温めた。混合物を一晩攪拌した。得られた混合物をろ過して、副生成物として生成された少量の1,3−ジシクロヘキシルウレアをろ過してから、過剰のテトラヒドロフラン(50mL)で洗った。テトラヒドロフランおよびCHClを、378.14mmHg(kPa)および46℃)で濃縮し、生成物を真空オーブンで3時間乾燥した。生成物を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、モノエステルへの変換が示された。さらなるモルのアルコールを添加せずに、同様の手順を再び行った。アルコール(6.30g、13ミリモル)、DCC(2.63g、13ミリモル)およびCHCl(35mL)をフラスコに添加し、0℃まで冷やした。前に生成したモノエステルを、テトラヒドロフラン(15mL)に再溶解し、溶液に滴下して加えた。検査方法を実施したところ、得られた生成物は、淡黄色液体(6.46g、収率80%、純度75%)であった。生成物を、H NMRおよびLC/MSで分析したところ、構造は、ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シトラコネートと確認された。
ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シトラコネート(4.99g、6.1ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)およびイソプロピルアルコール(32g)を、フラスコに移し、50℃で10分間加熱した。脱イオン水に溶解した水性亜硫酸ナトリウム(1.53g、15ミリモル)の溶液を溶液に添加し、22時間還流加熱した(82℃)。白色固体をオーブンで一晩、乾燥した(2.98g、収率53.0%、純度95%)。生成物の組成は、H NMRおよびLC/MSにより、ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シトラコネート−2−スルホサクシネートのナトリウム塩と確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
比較例C
無水マレイン酸(17.2g、176ミリモル)、1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサノール(93.1g、353ミリモル)、p−トルエンスルホニル水酸化物(p−TsOH)(3.4g、17.6ミリモル)およびトルエン(500mL)を、8時間加熱還流した。還流4時間後、追加量のp−TsOH(3.4g、17.6ミリモル)を添加した。溶液を、一晩、室温で攪拌した。溶液を酢酸エチル(500mL)で希釈し、塩水で3回(それぞれ250mL)洗った。混ざった抽出物を、酢酸エチル(300mL)でさらに洗った。混ざった有機物を、無水MgSOで乾燥し、濃縮して、無色の油(85.8g、収率80%、純度98%)を得た。生成物の構造は、H NMRおよびLC/MSにより、ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキシル)マレエートと確認された。
ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキシル)マレエート(1.5g、2.5ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)を、イソプロピルアルコール(32g)に添加し、2つの液体が混和性となるまで、10分間にわたって加熱した。脱イオン水(15mL)に溶解した亜硫酸水素ナトリウム(1.5g、14ミリモル)の溶液を、フラスコに移し、中身を、22時間にわたって、82℃で加熱還流した。イソプロピルアルコール/水溶液の除去後、白色固体生成物が得られた(0.98g、収率55.8%、純度99%)。生成物組成を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、ジ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキシル))マレエート−2−スルホサクシネートのナトリウム塩と確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。試験方法2によるシクロヘキサンでの拡散を評価した。結果を表3に示す。
比較例D
エチレン(25g)を、CCHCFI(217g)およびd−(+)−リモネン(1g)を充填したオートクレーブに入れ、反応器を240℃で12時間加熱した。生成物を真空蒸留により単離して、CCHCFCHCHIを得た。発煙硫酸(70mL)を、50gのCCHCFCHCHIに徐々に添加し、混合物を、60℃で1.5時間攪拌した。反応物を氷で冷やした1.5重量%のNaSO水溶液で急冷し、95℃で0.5時間加熱した。下層を分離し、10重量%の水性酢酸ナトリウムで洗って、蒸留したところ、2mmHg(267Pa)で沸点54〜57℃のCCHCFCHCHOHが得られた。
トランス−β−ヒドロムコン酸(0.94g、6.5ミリモル)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.12g、0.65ミリモル)、CCHCFCHCHOH(4.29g、13ミリモル)およびトルエンを一緒に添加し、中身を111℃で25時間、加熱還流した。実施例1のように検査を行った。白色固体(3.82g、収率76.4%、純度95%)のH NMRおよびLC/MSによる分析により、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CHCH=CHCHC(O)OCHCHCFCH−Cと確認された。
上述したとおりにして調製したトランス−β−ヒドロムコネート(3.80g、5.0ミリモル)を、イソプロピルアルコール(31g)に添加し、60℃まで加熱した。水性亜硫酸ナトリウム(0.52g、5.0ミリモル)の溶液を、脱イオン水に溶解し、混合物に移した。温度を82℃まで上げ、22時間維持した。白色沈殿物を、真空ろ過により集め、ろ液を濃縮して、イソプロピルアルコール/水溶液を除去した。白色固体(3.88g、収率89.9%、純度98%を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、CCHCFCHCHOC(O)CHCH(SONa)CH−CHC(O)O−CHCHCFCHと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
比較例E
OCFCFI(100g、0.24モル)および過酸化ベンゾイル(3g)を、窒素下で圧力容器に入れた。一連の3つの真空/窒素ガスシーケンスを、−50℃で実施して、エチレン(18g、0.64モル)を入れた。容器を24時間、110℃で加熱した。オートクレーブを0℃まで冷やし、脱気後開いた。次に、生成物を瓶に集めた。生成物を蒸留したところ、80gのCOCFCFCHCHIが収率80%で得られた。沸点は、25mmHg(3.3kPa)で56〜60℃であった。
OCFCFCHCHI(300g、0.68モル、上述したとおりにして調製したもの)およびN−メチル−ホルムアミド(300mL)の混合物を、150℃まで26時間加熱した。100℃まで冷やした後、水を添加して、粗エステルを分離した。エチルアルコール(77mL)およびp−トルエンスルホン酸(2.59g)を粗エステルに添加し、反応物を70℃で15分間攪拌した。ギ酸メチルおよびエチルアルコールを蒸留して、粗生成物を得た。粗生成物をエーテルに溶解し、水性亜硫酸ナトリウム、水および塩水で洗ってから、硫酸マグネシウムで乾燥した。生成物を蒸留したところ、199gのCOCFCFCHCHOHが収率85%で得られた。沸点は、40mmHg(5.3kPa)で71〜73℃であった。
トランス−β−ヒドロムコン酸(0.94g、6.5ミリモル)、COCFCFCHCHOH(4.30g、13ミリモル、上述したとおりにして調製したもの)、p−トルエンスルホン酸一水和物H(0.13g、0.65ミリモル)およびトルエン(50mL)を、一緒に連続的に攪拌し、加熱還流した(111℃、25時間)。検査方法を実施して、淡黄色液体(3.90g、収率78.0%、純度99%)を生成し、H NMRおよびLC/MSで分析したところ、構造は、COCFCFCHCHOC(O)CHCH=CHCHC(O)O−CHCHCFCFOCと確認された。
上述したとおりにして調製した、トランス−β−ヒドロムコネート(3.88g、5.1ミリモル)を、イソプロピルアルコール(31g)と、10分間にわたって、65℃の高温で、連続的に攪拌した。脱イオン水(14mL)に溶解した亜硫酸ナトリウム(0.29g、2.8ミリモル)の溶液を混合物に滴下して添加した。温度を82℃まで上げ、22時間にわたって維持した。溶液を濃縮してイソプロピルアルコールを除去し、得られた液体を真空オーブンに一晩入れた。得られた白色固体(3.72g、収率84.4%、純度87%)を、H NMRおよびLC/MSにより分析したところ、構造は、COCFCFCHCHOC(O)CHCH(SONa)CHCHC(O)O−CHCHCFCFOCと確認された。生成物の試験方法1によるCMCおよびCMCを超えた表面張力を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2011526903
Figure 2011526903
表2によれば、本発明の界面活性剤は、低臨界ミセル濃度(0.1重量パーセント未満)およびCMCを超えた低表面張力レベル(水中20mN/m)を与えたことが分かる。表1に、比較例のデータを示す。CのRを有する比較例Cは、本発明の実施例と同様のフッ素レベルを含有していたが、CMC値がはるかに高く、本発明の実施例による優れた性能が示されている。比較例AおよびBは、それぞれ、C13のRを有しており、本発明の実施例よりフッ素レベルが高かった。本発明の実施例は、低レベルのフッ素にもかかわらず、比較例AおよびBと同様のCMC値を有していた。このように、本発明の実施例は、存在するフッ素が少なくて、匹敵する性能を与える高レベルのフッ素効率を有していた。CMCを超えて、全ての実施例は、匹敵する表面張力を示した。
Figure 2011526903
表3によれば、本発明の界面活性剤は、炭化水素界面活性剤SIMULSOL SL8またはTRITON X100と、水性処方で組み合わせると、両者とも沈んだ比較例BまたはCのいずれよりも即時に拡散し、より完全にシクロヘキサンを超えることが分かる。シクロヘキサンを超えた拡散であることは、有効な消火泡と予測される。表3によれば、低臨界ミセル濃度およびCMCを超えた低表面張力レベルが必要であるが、有効な消火泡には十分な基準でないことが分かる。

Claims (9)

  1. 式5の化合物
    式5 ROCFHCFO(CHCHO)−H
    (式中、
    は、C(2c+1)であり、
    cは、2〜約6であり、vは、2〜約4である)
    を含む化合物。
  2. cが3または4である請求項1に記載の化合物。
  3. vが2または3である請求項1に記載の化合物。
  4. 式5の化合物
    OCFHCFO(CHCHO)−H 式5
    (式中、
    は、C(2c+1)であり、
    cは、2〜約6であり、vは、2〜約4である)
    を製造する方法であって、式6の化合物
    −O−CF=CF 式6
    (式中、Rは、C(2c+1)であり、cは、2〜約6である)を、式7の化合物
    HO−(CHCHO)−H 式7
    (式中、vは、2〜約4である)と接触させることを含む方法。
  5. cが3または4である請求項4に記載の方法。
  6. vが2である請求項5に記載の方法。
  7. 接触中のR−O−CF=CF対HO−(CHCHO)−Hのモル比が、約1〜15である請求項4に記載の方法。
  8. 前記接触が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ水酸化物、アルカリ水素化物またはアルカリアミドの存在下に実施される請求項4に記載の方法。
  9. 前記アルカリ金属が、Na、KまたはCsであり、アルカリ水素化物が、NaHまたはKHである請求項8に記載の方法。
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