JP2011525980A - 単方向プローブに基づいて電子デバイスを多次元的に試験するための方法及び装置 - Google Patents

単方向プローブに基づいて電子デバイスを多次元的に試験するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、電子デバイスを試験する方法及び装置に関し、単方向測定プローブ(46)によって放射磁場を測定する。この方法及び装置は、ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値(Bz1)をプローブ(46)によって測定し、記録した後で、プローブ(46)及び電子デバイスを、同一の距離d0を保持したまま、ZZ’軸に直交するXX’軸を中心に振幅90°未満の角度だけ旋回させることによって互いに対して移動させ、ZZ’軸の各位置(x,y)について、ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第2の値(Bz2)をプローブ(46)によって測定し、記録した後で、第1の値(Bz1)及び第2の値(Bz2)に基づいて、ZZ’軸及びXX’軸に直交するYY’軸に沿った磁場の成分By値を決定し、記録する。

Description

本発明は、電子デバイスを試験する方法及び装置に関する。
本願明細書全体を通して、「電子アセンブリ」という用語は、所定の電気回路に従って互いに接続され、外部接続端子を備える場合の多い、複数の部品に一体化された電子部品一式を指す。例えば、能動部品(マイクロプロセッサ、記憶素子など)及び/又は受動部品(抵抗器、コンデンサ、インダクタ)及び/又はマイクロシステム(例えばMEMS)を備えた集積回路からなる単一パッケージのプリント回路基板(PCB)アセンブリ(「システムインパッケージ」即ちSiPと呼ばれる)を含み、種々の部品は互いに隣り合わせて取り付けたり、及び/又は積み重ねたり、及び/又は多層又はその他の構造内に埋め込んだりすることができ、これらの電子アセンブリ内の特に種々の部品間の電気接続は、導電線、溶着、結線(「ワイヤボンディング」)、接着(「フリップチップ」)などを用いて実施される。
集積回路及び電子アセンブリなどの電子デバイスは、様々な目的、特に故障の検出と故障箇所の特定のために試験したり、特性の設計又は決定を支援するために試験したりすることができなければならない。
このような試験を実施する既知の方法の1つでは、電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号(試験ベクトル)を供給したのち、動作中となった電子デバイスの測定を実施する。特に最近の電子デバイスでは、かなり小型化が進み、集積度もきわめて大規模化しているため、この測定は、ほとんどの場合、顕微鏡下で実施されている。更に、考えられる非破壊測定法の1つでは、この電子デバイスの内部に電流を循環させることによって、この電子デバイスのすぐ近傍に誘導される少なくとも1つの磁場を検出する。特に、このデバイスの近傍に配置された磁気プローブ(磁気抵抗センサ又はSQUID(超伝導量子干渉素子)センサなど)を用いて、電子デバイスに流れる電流を画像化できることが知られている。このようなプローブを用いれば、プローブに対して固定された所定のZZ’軸(一般に、プローブの縦軸に相当する)に沿った磁場のBz成分を評価することが可能となることから、このプローブのZZ’軸に直交する平面のBz成分を二次元的に画像化することが可能となる。厚さをゼロとみなせる観測対象に平行であると考えられる磁場の二次元画像に基づいて、この対象に流れる電流の二次元分布を計算によって評価することができる。
しかし、最近では電子アセンブリなどの電子デバイスを三次元で設計することがますます多くなっている。このようなプローブは、その有効性がプローブと測定対象との距離に比べて測定対象の厚さが無視できることを前提としており、電子デバイスの厚さの範囲内で、プローブから離れたところの電流を評価し、画像化するには適していない。
この問題を解決するために考えられた解決方法(INFANTE F: 「Failure Analysis for System in Package devices using Magnetic Microscopy」論文 XP009114699(公開日不明)、米国特許出願第2003/001596号明細書)では、電子デバイスの種々の面上で複数の測定を実施し、プローブを互いに直交する異なる軸方向に合わせ、互いに組み合わせて再構成することによって、電流の評価値を得ることを可能にする様々な二次元画像を得る。しかし、二次元画像の組み合せを含むこのような方法では、例えば、同一面上になく、互いに直交もしていない複数の導電線、平面に平行に延びておらずプローブによって検出される導電線、ループ状の導電線がある場合や、電子デバイスが立方体の形状にない場合など、回路内部で三次元的に直面すると考えられるあらゆる状況に対応することができない。更に、電子デバイスの直交する3つの面の前方における直交する3つの方向に沿った測定の必要条件は、直交する3つのプローブを備える特に複雑な測定装置、又はプローブの前方に電子デバイスの様々な面を向けるための電子デバイスの連続的な操作を含み、これらはいずれも時間を要し、信頼性が低いものである。
そこで、本発明の目的は、単方向型の測定プローブに基づいて、電子デバイスによって放射される磁場の軸方向成分Bzに限定されない測定値を得ることを可能にする試験方法及び試験装置を提供することである。
より詳細には、本発明の目的は、プローブのZZ’軸に直交する平面だけでなく、ZZ’軸に平行な少なくとも1つの平面の電流循環を評価可能な測定を実施できる試験方法及び試験装置を提供することである。
特に、本発明の目的は、電子デバイスのただ1つの面の前方に配置される単方向プローブによって実施される測定のみに基づいて、電子デバイスに流れる電流の三次元的な循環によって誘導される磁場の3つの成分の代表値をきわめて高い信頼性と高い精度で得ることを可能にする試験方法及び試験装置を提供することである。
また、特に本発明の目的は、電子アセンブリなどの三次元電子デバイスの故障を検知し、故障箇所を特定するのに用いることができる方法及び装置を提供することである。
この目的を実現するために、本発明は、電子デバイスを試験する方法を提供する。この方法は、プローブに対して固定された所定のZZ’軸に沿った磁場のBz成分の値を表す信号を送出することができるように適合された単方向測定プローブによって、電子デバイスに流れる電流の少なくとも1回の循環によって放射される磁場を測定する方法であって、
電子デバイスの1つの面の前方、距離d0の地点にプローブを設置し、電子デバイスの入力端子から電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対して、ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値Bz1をプローブによって測定して記録し、
次に、ZZ’軸に直交するXX’軸を中心に角度振幅90°未満で相対的に旋回させることによって、プローブ及び電子デバイスを互いに対して移動させ、電子デバイスの同一面の前方、同一距離d0の地点にプローブを保持し、電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対して、ZZ’軸に沿った磁場の成分Bzの第2の値Bz2をプローブによって測定して記録し、
次に、これまでに得られた第1の値Bz1と、第2の値Bz2に基づいて、ZZ’軸及びXX’軸に直交するYY’軸に沿った磁場のBy成分の値を決定して記録する。
特に、本発明は観測に基づくものであり、この観測によれば、プローブのZZ’軸に直交するXX’軸の周りで、プローブに対する電子デバイスの異なる角度(90°未満、特に45°未満の間隔)で実施した磁場の同一成分Bzの2つの測定に基づいて、磁場の第2の成分Byの値を計算することが可能である。
更に、最初の2つの軸と互いに直交する第3の軸YY’の周りに電子デバイス及びプローブを旋回させる(しかも、この第3の軸YY’に関してのみ、電子デバイスの面を通り、第2の軸XX’に対して直交する方向はZZ’軸に対して直交し、電子デバイスを、磁場のBz成分の第1の値Bz1を測定する位置に対して第2の軸XX’の周りを旋回させない)ことによって、磁場の第3の成分Bxの値を計算することも可能である。このため、本発明による方法は有利には、YY’軸を中心に角度振幅90°未満で相対的に旋回させることによって、
プローブ及び電子デバイスを互いに対して移動させ、電子デバイスの同一面の前方、同一距離d0の地点にプローブを保持し、電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、ZZ’軸に沿った磁場の成分Bzの第3の値Bz3をプローブによって測定して記録し、
次に、これまでに得られた第1の値Bz1と、第3の値Bz3に基づいて、XX’軸に沿った磁場のBx成分の値を測定して記録する。
本発明による試験方法は特に、電子デバイスの電気回路の故障を検知し、故障箇所を特定することに用いることができる。
このため、本発明による方法は有利には、
前述の面に対してプローブのZZ’軸の様々な位置(x,y)について、プローブによって得られる測定値に基づいて求められ、この電子デバイスによって放射される磁場の3つの成分Bx、By、Bzのうち1つに基づいて、電子デバイスの少なくとも一部の測定画像と呼ばれる画像を作製し、
シミュレーションによって、電子デバイスの一部の複数のシミュレーション画像を作製し、各シミュレーション画像は、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、電子デバイスの一部の電流循環の少なくとも1つの故障が存在する場合に電子デバイスによって放射されると考えられる磁場の対応成分Bx、By、Bzのシミュレーションによって計算される値に基づいて、測定画像と同じように得ることができる画像に対応し、
シミュレーション画像を測定画像と比較する。
この比較は、ユーザーが実施(目視比較)してもよく、例えば、画像を処理して比較するソフトウェア(例えば、DALSA Imaging社(カナダ、バーナビー)の画像処理ソフトウェアWIT(登録商標))を用いて自動的に実施してもよい。特筆すべきは、シミュレーション画像を作製し、測定画像と比較することによって、磁場成分の値に基づく計算は必ずしも単純な解析解があるとは限らない電流強度の計算を省くことができる。更に、測定の根本原理による測定誤差、特に、プローブと電子デバイスとの間に必然的に存在する距離による誤差は測定画像とシミュレーション画像のいずれにも含まれることから、このように画像を比較することによってこのような誤差を克服することができる。
電気回路の特性に応じて、様々なシミュレーション画像を適切に選択することによって、短時間で電気回路の故障箇所を特定することができる。
特に、有利なことに、本発明によれば、前述の比較に用いられる電子デバイスの一部に関する測定画像は、試験を実施するも故障のない電子デバイスに対応する基準電子デバイス全体によって放射される磁場の前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対して測定された対応測定成分Bx、By、Bzに基づいて得られる画像(又は対応するマトリックス)と、試験を実施する電子デバイス全体によって放射される磁場の前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対して測定された対応測定成分Bx、By、Bzに基づいて得られる画像(又は対応するマトリックス)との差に対応し、
基準電子デバイス全体によって放射される磁場の前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対してシミュレーションによって計算された対応測定成分Bx、By、Bzの値に基づいて得られる画像(又は対応するマトリックス)と
少なくとも1つの故障がある電子デバイス全体によって放射される磁場の前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)に対してシミュレーションによって計算された対応測定成分Bx、By、Bzの値に基づいて得られる画像(又は対応するマトリックス)との差によって各シミュレーション画像を作製する。このようにして、電子デバイスの故障のない全部品及び対応する全画像が取り除かれ、比較に用いられないことから、この比較はとりわけ容易、正確かつ迅速なものとなる。
変形例として、シミュレーションを実施する回路部分を選択するために、他の方法を用いることもできる。例えば、複雑な回路の場合は、少なくとも一箇所の故障を含む電子デバイスの複数の部分の反復測定を複数回実施することによって仮説を立てることができ、反復測定ごとに、一部にのみシミュレーションと比較を実施することができる。逆に、単純な回路の場合は、測定画像及び各シミュレーション画像は、電子デバイス全体に対応してもよい。
有利には、本発明によれば、SQUIDセンサ及び磁気抵抗センサから選択されるセンサを備えた測定プローブが用いられる。
更に、有利には、本発明による方法によれば、電子デバイスは三次元の電子アセンブリであり、第1の値Bz1を測定するために、この電子アセンブリの外面の1つ、特に、この電子アセンブリの主面(面積が最大となる上面又は下面)に直交するZZ’軸にプローブを合わせる。
本発明による方法では、プローブ及び電子デバイスを互いに対して旋回させるため、電子デバイスを固定するフレームに対してプローブの位置を移動させるか、少なくともプローブのZZ’軸の向きが固定されたフレームに対して電子デバイスを動かすか、共通のフレームに対してプローブと電子デバイスを同時に動かすことができる。
有利には、本発明によれば、10°より大きく、45°未満の角度振幅角(特に、10〜30°)で相対的に旋回させることによって、プローブ及び電子デバイスを互いに動かす。
本発明は、本発明による試験方法を実施するように構成された試験装置をも含む。
そこで、本発明は電子デバイスを試験する装置も提供し、
電子デバイスを流れる電流の少なくとも1回の循環によって、プローブに対して固定された所定のZZ’軸に沿って、プローブの近傍で放射される磁場のBz成分の値を表す信号を送出することができるよう適合された単方向測定プローブと、
電子デバイスを受ける支持体と、
電子デバイスの入力端子からこの電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給する手段と、
プローブ及び支持体で受ける電子デバイスを互いに対して配置する機構と、
プローブが送出する信号に対応する値を記録する手段を備え、
前記機構は、電子デバイスに対するZZ’軸の各位置(x,y)について、ZZ’軸に直交するXX’軸を中心に角度振幅90°未満で相対的に旋回させることによって、プローブ及び電子デバイスの向きを互いに修正することができるように構成され、プローブは電子デバイスの同一面の前方、距離d0の地点に保持され、
装置は、プローブ及び電子デバイスのXX’軸に対する第1の相対角度位置でプローブによって測定したZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値Bz1と、プローブと電子デバイスのXX’軸に対する第2の相対角度位置でプローブによって測定したZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第2の値Bz2に基づいて、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)についてZZ’軸及びXX’軸に直交するYY’軸に沿った磁場のBy成分の値を測定し、記録するように構成され、同一距離d0の地点で、XX’軸に対する第1の角度位置及び第2の角度位置は、互いに90°未満、特に、45°未満分離間している計算手段を備える。
また、有利には、本発明によれば、機構は、YY’軸を中心に角度振幅90°未満相対的に旋回させることによって、プローブ及び電子デバイスの向きを互いに修正できるように構成され、プローブは電子デバイスと同一面の前方、同一距離d0の地点に保持され、計算手段は、プローブ及び電子デバイスのYY’軸に対する第1の相対角度位置でプローブによって測定したZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値Bz1と、プローブと電子デバイスのYY’軸に対する第2の相対位置でプローブによって測定したZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第3の値Bz3に基づいて、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)についてXX’軸に沿った磁場のBx成分の値を測定し、記録するように構成され、同一距離d0の地点で、YY’軸に対する第1の角度位置及び第2の角度位置は互いに90°未満分離間している。
更に、有利には、本発明によれば、測定プローブは、SQUIDセンサ及び磁気抵抗センサから選択されるセンサを備えている。
有利には、本発明によれば、本発明による装置は、
前述の面に対するプローブのZZ’軸の様々な位置(x,y)についてプローブによって得られる測定値に基づいて求められる、電子デバイスによって放射される磁場の3つの成分Bx、By、Bzのうち1つに基づいて、測定画像と呼ばれる画像を作製する手段と、
前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、電子デバイスの一部の電流循環の少なくとも1つの故障が存在する場合に、電子デバイスの一部によって放射されると考えられる磁場の3つの成分Bx、By、Bzの値をシミュレーションにより計算する手段と、
各シミュレーション画像が、前述の面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、磁場の対応成分Bx、By、Bzのシミュレーションよって計算される一組の値に基づいて、測定画像と同じように得ることができる画像に対応する、電子デバイスの一部の複数のシミュレーション画像をシミュレーションによって作製する手段とを更に備える。
更に、有利には、本発明によれば、
支持体は、電子アセンブリによって三次元に構成される電子デバイスを受けることができるように配置され、
機構は、支持体で受けた電子アセンブリの外面の一面に直交するZZ’軸にプローブを向けることができるように構成される。
第1の変形例では、有利には、本発明によれば、電子デバイスを受ける支持体はフレームに対して固定され、機構は、このフレームに対してプローブを旋回することができるように構成される。第2の変形例では、有利には、本発明によれば、プローブはフレームに対してZZ’軸を向けるようにフレームに取り付けられ、機構は電子デバイスを受ける支持体をフレームに対して旋回させることができるように構成され、支持体で受ける電子デバイスは撚りケーブルを用いて供給される。
また、本発明は、前述又は後述の特性を全部又は一部を組み合わせて備える試験の方法及び装置に関する。
本発明の好ましい実施形態のいくつかに関する以下の記載は、限定例を示す目的でのみ添付の図面を基準して記載され、これを読めば、本発明の他の目的、特性及び有利性が明らかとなる。
本発明の実施例による試験方法の概略フローチャートである。 画像比較によって、故障の検出と故障箇所の特定を実施する本発明による方法を示すフローチャートである。 本発明による試験装置の概略図である。 Bz1の値を測定する場合の位置を説明する概略図である。 Bz2の値を測定する場合の位置を示し、磁場のBy成分の計算を示す概略図である。 電子アセンブリを示す実施例の透視図である。 同一の電子アセンブリの電気回路を示す分解透視図である。 図5a及び図5bの電子アセンブリを用いて、本発明による方法によって得られる測定画像の例を示す図である。 電子アセンブリの電気回路における故障仮説の例の分解透視図である。 電子アセンブリの電気回路における故障仮説の例の分解透視図である。 電子アセンブリの電気回路における故障仮説の例の分解透視図である。 図7aに対応するシミュレーション画像の例を示す図である。 図7bに対応するシミュレーション画像の例を示す図である。 図7cに対応するシミュレーション画像の例を示す図である。
本発明による試験装置は全体が、例えば、NEOCERA社(米国、メリーランド州ベルツビル(Beltsville))のMagma C30(登録商標)名で市販されている磁気マイクロスコープなどの既知の装置のみからなり、この装置は、本発明による方法を実施するために、以下のとおり改変する。このため、本発明の主要かつ固有の特性に限り以下に記載するが、電子デバイスを試験する装置の他の一般特性は、それ自体が既知のものである。
本発明による試験装置4は、複数の脚部42を用いて床面に設置され、特に、試験する電子デバイス39を受けるために支持体44を取り付けた水平作業台43を備える固定された主フレーム41を含む。フレーム41は、支持体44の上方に一定の距離を置いて、(作業台43に直交する)垂直軸を有する、特にSQUIDセンサを含む単方向磁場測定プローブ46を支持して誘導する上部制御盤45も支持する。測定用プローブ46は、プローブに対して固定された所定のZZ’軸に沿ったBz成分の値を表す信号を送出することができるように適合されている。プローブ46のZZ’軸は任意の方向に向けてよいが、このZZ’軸が、支持体44に対して割線となり、従ってこの支持体44に配置される電子デバイスに対しても割線となるかぎり、本実施形態では、ZZ’軸が垂直となることが好ましい。
また、本発明による試験装置4は、プローブ46、より詳細にはZZ’軸を互いに向けて設置でき、電子デバイスは支持体44に受けて固定される機構を備えている。
この機構は、第一に、それ自体がよく知られている電動式手段(例えば前記のMagma C30 (登録商標)を基準)を備え、プローブ及び支持体44を3つの軸に沿って互いに平行移動させることが可能である。言わば、一方は台43に平行な水平面(XX’,YY’)に移動させ、一方はプローブ46の垂直軸ZZ’に平行に移動させることが可能である。例えば、この電動式による移動及び設置手段は、プローブ46を移動させる制御盤45の一部を構成し、制御盤45は、二つの水平クロスバー間の平行移動時に移動、誘導される水平な主軸方向バーを備えたガントリー様の支持体を含み、プローブ46自体は、主軸方向バーに沿って平行移動する際に誘導され、磁気センサを垂直誘導する垂直材を含み、以上の様々な運動は、フレーム41に対するプローブ46のセンサの正確な位置を確認する符号器に付属する複数の電動モーターに基づいて電動化されている。
支持体44は、電子デバイスを固定するための据付用金具47、48を備え、この金具は、水平で互いに直交し、受け台44に対する水平面で電子デバイスを固定できる2つの固定式押さえ材47と、固定式押さえ材47の一方の前方で台43に対して水平に動かして電子デバイスを固定できるように取り付けられる、少なくとも1つの可動式押さえ材48から成る。
この支持体44は更に、第1の水平軸XX’の周りを旋回する第1の台50の可動板49によって支えられ、それ自体は、第1の水平軸に直交する第2の水平軸YY’の周りを旋回する第2の台52の可動板51によって支えられているため、受け台44を、作業台43の水平面に対して、水平軸XX’の周りに所定の角度αで、及び/又は水平軸YY’の周りに所定の角度βで傾斜させることが可能となる。
旋回する台50、52はそれぞれ、対応する固定された水平軸XX’又はYY’の周りに、支持体44の傾斜角α又はβを保持することができる。この旋回する台50又は52は、手動で制御してもよく、及び/又は、電気モーターによる電動式にしてもよいが、それ自体はよく知られている。
また、本発明による試験装置4は、一方では平行移動時及び傾斜時にプローブ46及び支持体44の様々な運動を制御し、一方では試験装置の全動作を駆動する自動制御装置40を備えている。この自動制御装置40は、一方では測定プローブ46に接続され、一方では支持体44で支える電子デバイスに接続できる少なくとも一個のコネクタ53に接続される。この自動制御装置40は、特に、プローブ46によって送出される信号に対応する値を記録する大容量記憶装置を含むコンピュータ機器を備えている。
自動制御装置40は、特に、支持体44で受ける電子デバイスの入力に送出する所定の試験信号を生成することができるように構成する。このような試験信号は、例えば、自動装置40の一部をなすCREDENCE SYSTEM CORPORATION社(米国、ミルピタス)が市販する基準装置D10を備えた部品テスターを用いるなど、それ自体がよく知られている方法で、各電子デバイスの機能に応じて生成する。変形例として、例えば、Agitent Technologies France社(フランス、マッシー)が市販する供給回路、電圧計、電流計とともに、GPIB型の装置駆動ソフトウェア(例えばNational Instruments,France社(フランス、ルブランメスニル)が市販するLabview(登録商標)ソフトウェア)を用いてもよい。
更に、以下に示すように、本発明による試験装置4は、本発明による試験方法を実施するために、単方向磁気プローブ46が送出する信号に基づいて、デジタル処理の演算、特に、画像化の計算が実施できるように構成される。この演算を実施するために、自動コンピュータ制御装置40は、適切ないかなる方法でプログラミングしてもよい。
本発明による方法の第1のステップ10では、本発明による試験装置40の支持体44に試験する電子デバイス39を設置し、固定する。電子デバイスは、広い主面が水平に上向きとなるように設置することが好ましい。旋回台50、52を角度α及びβをゼロで設置し、支持体44及び電子デバイスを水平とする。
次に、電子デバイスから距離d0の地点に測定プローブを設置し、水平面の固定軸ZZ’の各位置、つまりこのZZ’の各座標ペア(x,y)について、電子デバイスによって放射される磁場のBz成分の第1の測定を実施し、電子デバイスをコネクタ53に接続して、電子デバイスの入力部に適切な信号を供給して電気回路、少なくとも試験される電気回路の部品に電流を発生させる。次に、磁場のBz成分の第1の値Bz1(x,y)を取得して、記録する。
次に、距離d0を同一に保持しながら、回路全体を走査するようにx及びyを変化させることによって、水平面でプローブ46を移動させ、各位置(x,y)について磁場のBz成分の第1の値Bz1(x,y)を測定し、記録する(ステップ11)。
ステップ12では、この平面で実施する測定の数、つまり(XX’軸の)座標x及び(YY’軸の)座標yの変動増分を選択して、様々な値Bz1(x,y)に基づいて、回路の少なくともの所定の一部によって放射される磁場のBz成分の代表値であり、ZZ’軸に直交する平面の2次元画像を得ることができる。それ自体がよく知られた方法例えば、上に記載するMagma C30(登録商標)装置に組み入れたソフトウェアを用いて、この画像を得てもよい。
次のステップ13では、第1の旋回台50を旋回させ、支持体44及び電子デバイスをXX’軸に対して10°より大きな、好ましくは10〜30°の所定の角度α分傾斜させる。αの値を大きくすれば、計算結果の精度は上がるが、電子デバイスから適切な距離d0の地点にプローブ46を設置することができなくなる。一方、β=0を保持する(YY’軸を中心に傾斜はつけない)。
この位置では、同時に測定プローブ46のセンサを電子デバイスからの距離d0と同一に保持し、ステップ11のとおり、水平面の同一位置(x,y)を走査しながら、上に示すような磁場のBz成分の測定を繰り返す(ステップ14)。角度αの傾斜はあるが、一定距離d0の地点にプローブを保持するために、YY’軸に沿ってプローブ46を移動させる場合、作業台43に対する測定プローブ46の高さを変更する必要があることに留意されたい。
ステップ14では、各位置(x,y)について磁場のBz成分の第2の値Bz2(x,y)を測定し、記録する。
図4bで明らかなとおり、構造から次式が成り立つ。
Bz2=Bz1.cosα−By.sinα
従って、ステップ15では、この式から、各位置(x,y)について、YY’軸に沿った磁場のBy成分の値を次式で導くことができる。
By=(Bz1.cosα−Bz2)/sinα
自動装置40によって、この磁場のBy成分の値を記録する。
同様に、次のステップ16では、第2の旋回台52を旋回させ、支持体44及び電子デバイスをYY’軸に対して、10°より大きな、好ましくは10〜30°の所定の角度β分傾斜させる。βの値が大きくなると、計算結果の精度は上がるが、電子デバイスから適切な距離d0の地点にプローブ46を設置することができなくなる。一方、α=0はリセットされる(XX’軸を中心に傾斜がない)。
この位置で、同時に、測定プローブ46のセンサを電子デバイスから同一距離d0で保持し、ステップ11のとおり、水平面の同一位置(x,y)を走査しながら、上に示すような磁場のBz成分の測定を繰り返す(ステップ17)。角度βの傾斜はあるが、一定距離d0の地点にプローブを保持するために、XX’軸に沿ってプローブ46を移動させる場合、作業台に対する測定プローブ46の高さを変更する必要がある。
従って、ステップ17では、各位置(x,y)について磁場のBy成分の第3の値Bz3(x,y)を測定し、記録する。
すでに記載したように、次式が成り立つ。
Bz3=Bz1.cosβ−Bx.sinβ
従って、ステップ18では、この式から、各位置(x,y)に対してXX’軸に沿った磁場のBx成分の値を次式で導くことができる。
Bx=(Bz1.cosβ−Bz3)/sinβ
自動装置40によって、この磁場のBx成分の値を記録する。
本発明によるBy成分及びBx成分の計算は、電子デバイスによって放射される磁場の値が傾斜角α又はβによって修正されないものとする。支持体44ひいては電子デバイスの位置を動かして対応する傾斜をつける、本願明細書に記載する実施形態では、コネクタ53で終端する撚りケーブル54を用いて電子デバイスを供給するのが好ましく、これにより、傾斜があっても、このケーブル54に流れる電流によって磁場が変化することはない。
別の実施形態(図示せず)では、逆に受け台44及び電子デバイスを水平面に保持することが可能であり、フレーム41に対して測定プローブ41の軸の向きを修正することによって、XX’軸及びYY’軸を中心に傾斜角α及びβをつけることが可能である。この場合、車軸関節を用いて、この測定プローブ46を制御盤45に取り付けてこの2つの軸を中心に傾斜をつけることができる。この方法では、各測定ステップ間で電子デバイスが移動しないため、放射磁場は変わらない。
測定及び計算のステップ10から18の終了時に、電子デバイスによって放射される磁場の各成分Bx、By、Bzについて、マトリックス[Bx(x,y,d0)]、[By(x,y,d0)]、[Bz(x,y,d0)]が得られ、各位置(x,y)について成分Bx、By、Bzの値を記録する。各マトリックスを画像形式で可視化してもよい。このようにして得られた3つの成分の測定画像は、電子デバイスの電流循環の代表値であり、導電線がどのような形状であっても、三次元方向のいずれにも流れる循環電流を考慮している。
次に、このようにして得られた測定画像は、図2を基準して以下に示すように、電子デバイスの電気回路に生じる故障を検出し、故障の箇所を特定するのに用いてもよい。
第1のステップ21では、基準電子デバイスを選択する。この基準電子デバイスの電気回路24は基準電気回路であり、既知のものであり、故障がなく、試験される電子デバイス39の設計電気回路に対応し、考えられる故障を検出することが意図される。
次のステップ22では、磁場の各成分Bx、By、Bzについてマトリックス及び測定基準画像23を得るために、本発明による試験方法によるステップ10から19を基準電子デバイスに対して実施する。
既知の基準電気回路24に基づいて、例えば、CEDRAT Group (フランス、メイラン)が市販するFlux 3D(登録商標)有限要素解析ソフトウェア又はRIPPLON(カナダ、バーナビー)が市販する回路素子ソフトウェアBIO SAVART(登録商標)などの適切なシミュレーションソフトウェアを用いて、ステップ25では基準電子デバイスによって放射されると考えられる磁場の様々な成分Bx、By、Bzを計算し、次に各成分Bx、By、Bzについて、測定画像の計算と同じ方法を用いて、シミュレーションによって計算された磁場の成分Bx、By、Bzに基づいて得ることができるシミュレーション基準画像26を計算する。
次に試験27を実施する。これにより、シミュレーションの較正が正しいかどうか、つまりシミュレーションによる基準画像26が測定による基準画像23に対応しているかどうかを確認する。較正が正しくない場合、パラメータを補正しながら、シミュレーションステップ25を繰り返す。この試験27によって実施した比較が正しいと考えられる場合、2つの基準画像23、26のこの比較結果28を記録する。
次に、ユーザー(運用者)は、試験される電子デバイス39の電気回路に生じる可能性のある故障に関して、仮説をいくつか立てる。データベース30内の電気回路の記録29によって各仮説が立てられる。それぞれの記録29に対して、先行するシミュレーションステップ25と同じシミュレーションステップ31を、記録29で表される故障が含まれる電気回路に実施する。このようなシミュレーションステップの終了時に、シミュレーション画像が得られる。言わば、各故障仮説、つまり各記録29に対して、1つのシミュレーション画像32が得られる。
更に、シミュレーションステップ31の前後又は間に実施できるステップ33では、試験対象の電子デバイス39を用い、本発明による試験方法のステップ10から19を実施して、この電子デバイスの測定画像34を得る。
次のステップ35では、シミュレーション画像32をそれぞれ測定画像34と比較し、測定画像34と最も相関性の高いシミュレーション画像32、つまり基準電子デバイスに基づいて得られる結果28に最も近い比較結果を求める。この比較35は、単にユーザー(運用者)が目視で実施してもよく、画像比較ソフトウェアによって完全に自動で実施してもよく、画像比較ソフトウェアの支援を受けた運用者によって半自動で実施してもよい。例えば、この画像比較は、DALSA Digital Imaging社(カナダ、バーナビー)が市販する画像比較処理ソフトウェアWIT(登録商標)を用いて実施してもよい。
これにより、回路に生じる故障に関して、様々な仮説を立てることによって得られるシミュレーション画像を用いれば、磁場の成分Bx、By、Bzの統合解析計算を実施することなく、本発明による試験方法によって電子デバイスに生じる故障を検出し、故障箇所を特定することが可能となる。
更に、磁場の測定範囲内では回路の寄与分がそれぞれ互いに相加されるという事実があるために、本発明による方法を通して、特に、試験する必要のない電子デバイスの電気回路部品は必然的に故障がないことから、このような部品の測定及び/又はシミュレーションを回避することができる。
これを実施するために、電子デバイスの測定画像34から測定した基準画像23をサブトラクトすることによって、詳細に測定画像の差分を計算し、各シミュレーション画像32からシミュレーション基準画像26をサブトラクトすることによって、シミュレーション画像の差分を計算したのちに、このようにして得られた差分画像に限定した比較35を実施することが可能である。値がゼロでない測定画像の差分の一部にのみシミュレーション画像を作製することも可能である。このように、この方法は、きわめて簡便かつ迅速である。
図5aの実施例では、試験対象の電子デバイスは、図5bに示す7つの方形盤を積み重ねて成る電子アセンブリである。この電子アセンブリには、各盤を貫く導電線に電流−i,+iが循環することによる、図5bに示す基準電気回路がある。
図6は、本発明によって得られるSQUIDセンサ付きMagma C30(登録商標)装置による測定基準画像である。
図7a、7b、7cは、操作者によって立てられた電気回路の3つの故障仮説であり、各仮説は、データベース30の対応する電気回路の記録29によって立てられる。
図8a、8b、8cは、Bz成分のシミュレーション画像であり、上に記載の3種類の仮説に対応し、一方では、磁場の種々の成分に対応するマトリックスを得ることができるFlux 3D(登録商標)有限要素解析ソフトウェアに基づいて得られ、測定画像と同じように画像形式によって表す。
上述のように、次にシミュレーション画像を本発明による測定によって得られた故障のあるデバイスの画像と比較することができ、このシミュレーション画像に基づいて、測定画像ひいては故障に最もよく対応する画像を得ることが可能である。

Claims (16)

  1. 電子デバイス(39)を流れる電流が少なくとも1回循環することよって放射される磁場を単方向測定プローブ(46)によって測定する電子デバイス(39)の試験方法であって、前記プローブ(46)が、前記プローブに対して固定された所定のZZ’軸に沿った前記磁場のBz成分の値を表す信号を送出することが可能な方法であり、
    前記プローブ(46)を、前記電子デバイスの1つの面の前方、距離d0の地点に設置し、前記電子デバイスの入力端子に電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前記面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、前記プローブ(46)を用いて前記ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値Bz1を測定して記録し、
    次に、前記ZZ’軸に直交するXX’軸を中心に角度振幅90°未満だけ相対的に旋回させることによって、前記プローブ(46)及び前記電子デバイスを互いに対して移動させ、前記プローブ(46)を前記電子デバイスの同一面の前方、同一距離d0の地点に保持して、前記電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記プローブ(46)により、前記ZZ’軸に沿った前記磁場のBz成分の第2の値Bz2を測定して記録し、
    次に、取得された前記第1の値Bz1及び前記第2の値Bz2に基づいて、前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記ZZ’軸及び前記XX’軸に直交するYY’軸に沿った磁場のBy成分の値を決定して記録する方法。
  2. 式: By=(Bz1.cosα−Bz2)/sinα
    によって前記磁場の前記By成分の値を計算する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記YY’軸を中心に角度振幅90°未満だけ相対的に旋回させることによって、前記プローブ(46)及び前記電子デバイスを互いに対して移動させ、前記プローブ(46)を前記電子デバイスの同一面の前方、同一距離d0に保持して、前記電子デバイスに電気エネルギー及び所定の入力信号を供給し、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記プローブ(46)により、前記ZZ’軸に沿った前記磁場の前記Bz成分の第3の値Bz3を測定して記録し、
    次に、取得された前記第1の値Bz1及び前記第3の値Bz3に基づいて、前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、XX’軸に沿った前記磁場のBx成分の値を決定して記録する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 式: Bx=(Bz1.cosβ−Bz3)/sinβ
    によって前記磁場の前記Bx成分の値を計算する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記面に対する前記プローブの前記ZZ’軸の複数の位置(x,y)について、前記プローブ(46)によって得られた測定値に基づいて求められた、前記電子デバイスによって放射される前記磁場の3つの成分Bx、By、Bzのうち1つに基づいて、測定画像(34)と呼ばれる前記電子デバイスの少なくとも一部の画像を作製し、
    前記電子デバイス(39)の少なくとも一部の複数のシミュレーション画像であって、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記電子デバイス(39)の一部の電流循環に少なくとも1つの故障が存在する場合に前記電子素子(39)によって放射されると考えられる前記磁場の対応する成分Bx、By、Bzのシミュレーションによって計算される値に基づいて、測定画像と同じように取得することが可能な画像に各々が対応している複数の画像をシミュレーションによって作製し、
    前記シミュレーション画像(32)を測定画像(34)と比較する、請求項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 比較に用いられる前記電子デバイス(39)の前記一部の測定画像が、試験対象である故障のない前記電子デバイス(39)に対応する基準電子デバイス全体によって放射される磁場の、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について測定された対応する測定成分Bx、By、Bzに基づいて得られる画像と、試験対象の前記電子デバイス(39)全体によって放射される磁場の、同じく前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について測定された対応する測定成分Bx、By、Bzに基づいて得られる画像との差に対応しており、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記基準電子デバイス全体によって放射される磁場の、シミュレーションによって計算された対応する測定成分Bx、By、Bzの値に基づいて得られる画像と、前記面に対するZZ’軸の各位置(x,y)について、少なくとも1つの故障が存在する場合に前記電子デバイス(39)全体によって放射される磁場の、シミュレーションによって計算された対応測定成分Bx、By、Bzの値に基づいて得られる画像との差によって、各シミュレーション画像が作製されている、請求項5に記載の方法。
  7. SQUDセンサ及び磁気抵抗センサから選択されるセンサを備える測定プローブ(46)を使用する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記電子デバイス(39)が三次元の電子アセンブリであり、前記プローブ(46)を前記電子アセンブリの外面のうちの一つに直交するZZ’軸に合わせて前記第1の値Bz1の値を測定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 10°を上回り45°を下回る角度振幅で、特に10〜30°の角度振幅で、相対的に旋回させることによって、前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)を互いに対して移動させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 電子デバイス(39)の試験装置であって、
    前記電子デバイス(39)に流れる電流が少なくとも1回循環することによって前記プローブ(46)の近傍で放射される磁場の、前記プローブに対して固定された所定のZZ’軸に沿ったBz成分の値を表す信号を送出することが可能な単方向測定プローブ(46)と、
    前記電子デバイス(39)を受ける支持体(44)と、前記電子デバイス(39)の入力端子に電気エネルギー及び所定の入力信号を供給する手段(53、54)と、
    前記プローブ(46)及び前記支持体(44)に受容される電子デバイス(39)を互いに対して配置する機構と、
    前記プローブ(46)が送出する前記信号に対応する値を記録する手段(40)と
    を備え、
    前記機構が、前記電子デバイスに対するZZ’軸の各位置(x,y)について、前記プローブ(46)を前記電子デバイス(39)の同一面の前方、距離d0の地点に保持して、前記ZZ’軸に直交するXX’軸を中心に角度振幅90°未満だけ相対的に旋回させることにより、前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の方向を互いに対して修正することを可能にするように構成されており、
    前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記XX’軸に対して前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の第1の相対角度位置にある前記プローブ(46)によって測定された、前記ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値と、記XX’軸に対して前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の第2の相対角度位置にある前記プローブ(46)によって測定された、前記ZZ’軸に沿った磁場の前記Bz成分の第2の値とに基づいて、前記ZZ’軸及び前記XX’軸に直交するYY’軸に沿った前記磁場のBy成分の値を測定して記録するように構成された計算手段(40)であって、同一距離d0の地点で前記XX’軸に対する前記第1の角度位置及び前記第2角度位置が互いに角度90°未満だけ離間している、計算手段(40)を備えている装置。
  11. 前記機構が、前記プローブ(46)を前記電子デバイス(39)の同一面の前方、距離d0に保持して、前記YY’軸を中心に角度振幅90°未満だけ相対的に旋回させることにより、前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の向きを互いに対して修正することを可能にするように構成されており、前記計算手段(40)が、前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記YY’軸に対して前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の第1の相対角度位置にある前記プローブ(46)によって測定された、前記ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第1の値Bz1と、前記YY’軸に対して前記プローブ(46)及び前記電子デバイス(39)の第2の相対角度位置にある前記プローブ(46)によって測定された、前記ZZ’軸に沿った磁場のBz成分の第3の値Bz3とに基づいて、前記XX’軸に沿った前記磁場のBx成分の値を測定し、記録するように構成されており、ここで同一距離d0の地点で前記YY’軸に対する前記第1の角度位置及び前記第2角度位置が互いに角度90°未満分離間している、請求項10に記載の装置。
  12. 前記面に対する前記プローブの前記ZZ’軸に関する複数の位置(x,y)について、前記プローブ(46)によって得られる測定値に基づいて求められた、前記電子デバイス(39)によって放射される磁場の3つの成分Bx、By、Bzのうちの1つに基づいて、測定画像と呼ばれる画像を作製する手段と、
    前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記電子デバイス(39)一部の電流循環の少なくとも1つの故障が存在する場合に前記電子デバイス(39)の一部によって放射されると考えられる磁場の3つの成分Bx、By、Bzのシミュレーションによる値を計算する手段(40)と、
    シミュレーションによって前記電子デバイス(39)の前記一部の複数のシミュレーション画像を生成する手段であって、各シミュレーション画像が、前記面に対する前記ZZ’軸の各位置(x,y)について、前記磁場の対応する成分Bx、By、Bzのシミュレーションによって計算される前記一組の値に基づいて、測定画像と同じようにして取得することが可能な画像に対応している、手段と
    を備える請求項10又は11に記載の装置。
  13. 前記プローブ(46)がSQUIDセンサ及び磁気抵抗センサから選択されるセンサを備える、請求項11〜13のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記支持体(44)が、電子アセンブリによって三次元に構成された電子デバイスを受けることが可能なように配置されており、
    前記機構が、前記支持体(44)に受容された電子アセンブリの外面の一つに直交する前記ZZ’軸に前記プローブ(46)の方向を合わせることが可能なように構成されている、請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記電子デバイス(39)を受ける前記支持体(44)が、フレーム(41)に対して固定されており、前記機構が、前記フレーム(41)に対して前記プローブ(46)を旋回させることができるように構成されている、請求項10〜14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 前記プローブ(46)が、前記フレーム(41)に対して前記ZZ’軸の向きを固定するように前記フレーム(41)に取り付けられており、前記機構が、前記電子デバイス(39)を受ける前記支持体(44)を前記フレーム(41)に対して旋回させることができるように構成されており、且つ前記支持体(44)に受容される前記電子デバイス(39)が撚りケーブル(54)を用いて供給されている、請求項10〜14のいずれか1項に記載の装置。
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