別途規定しない限り、本明細書中で使用されるすべての技術および科学用語は、当業者によって通常的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中で言及されるすべての刊行物および特許は、参照によりその全体として本明細書に援用される。
A.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、文脈がそうでないことを明確に規定しない限り、不定冠詞「a」および「an」ならびに定冠詞「the」は、単数に加え複数の指示物を包含する。
用語「約(about)」または「ほぼ(approximately)」は、当業者によって判定されるような個々の値に関する容認し得る誤差を意味し、該誤差は、部分的には、その値をどのように測定または判定するかに依存する。特定の実施形態において、用語「約」または「ほぼ」は、1、2、3または4個分の標準偏差を意味する。特定の実施形態において、用語「約」または「ほぼ」は、与えられた値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%の範囲内を意味する。
本明細書中で使用する場合であって、そうでないことを明記しない限り、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」および「治療(treatment)」は、疾患または障害の、あるいは該疾患または障害に伴う1種または複数の症状の根絶または改善を指す。特定の実施形態において、該用語は、このような疾患または障害を患う対象への1種または複数の予防または治療剤の投与からもたらされる、疾患または障害の拡大または悪化の最小化を指す。いくつかの実施形態において、該用語は、個々の疾患の症状が始まった後の、1種または複数の付加的活性薬剤(複数可)を伴うまたは伴わない、本明細書中で提供される化合物または剤形の投与を指す。
本明細書中で使用する場合であって、そうでないことを明記しない限り、用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」および「予防(prevention)」は、疾患または障害の、あるいはそれらの1種または複数の症状の開始、再発または拡大を予防することを指す。特定の実施形態において、該用語は、特に本明細書中に示す疾患または障害の危機にある対象に、症状の開始に先立って、1種または複数の付加的活性薬剤(複数可)を伴ってまたは伴わないで、本明細書中で提供される化合物または剤形を投与して治療することを指す。該用語は、個々の疾患の症状を抑制または低減することを包含する。疾患の家族暦を有する対象は、とりわけ、特定の実施形態における予防計画の候補者である。加えて、症状再発の病歴を有する対象も、予防の潜在的候補者である。これに関して、用語「予防」は、用語「予防的治療(prophylactic treatment)」と互換的に使用できる。
本明細書中で使用する場合であって、そうでないことを明記しない限り、用語「管理する(manage)」、「管理すること(managing)」および「管理(management)」は、疾患または障害の、あるいはそれらの1種または複数の症状の進行、拡大または悪化を予防または減速することを指す。対象が予防および/または治療剤から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさないこともある。これに関して、用語「管理すること」は、特定の疾患を患う患者を、疾患の再発を予防または最小にするような試みで治療することを包含する。
本明細書中で使用する場合、特定の医薬組成物を投与することによって特定の障害の症状を改善することは、永続的または一時的、持続性または一過性のいずれにせよ、組成物の投与に帰せられるまたは付随する可能性のある任意の減弱を指す。
本明細書中で使用する場合であって、そうでないことを明記しない限り、化合物の用語、「予防上有効な量」および「有効量」は、疾患または障害の治療または管理において治療用の利益を提供するのに、あるいは該疾患または障害に伴う1種または複数の症状を遅延または最小にするのに十分な量を意味する。化合物の「治療上有効な量」および「有効量」は、疾患または障害の治療または管理において、単独であるいは1種または複数の他の薬剤(複数可)と組み合わせて治療上の利益を提供する治療剤の量を意味する。用語、「治療上有効な量」および「有効量」は、療法を全般的に改善する、疾患または障害の症状または原因を低減または回避する、あるいは別の治療剤の治療効力を増強する量を包含することができる。
本明細書中で使用する場合であって、そうでないことを明記しない限り、化合物の「予防上有効な量」は、疾患または障害を予防するのに、あるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効な量は、疾患の予防において、単独であるいは1種または複数の他の薬剤(複数可)と組み合わせて予防上の利益を提供する治療剤の量を意味する。用語「予防上有効な量」は、全般的な予防を改善する、あるいは別の予防剤の予防効力を増強する量を包含することができる。
「腫瘍」は、本明細書中で使用する場合、悪性または良性のいずれにせよ、すべての腫瘍性の細胞成長および増殖、ならびにすべての前がん性およびがん性の細胞および組織を指す。「腫瘍性」は、本明細書中で使用する場合、悪性または良性のいずれにせよ、異常な組織成長をもたらす調節異常性または無秩序性細胞成長の任意の形態を指す。したがって、「腫瘍性細胞」には、調節異常性または無秩序性細胞成長を有する悪性および良性細胞が含まれる。
用語「がん」および「がん性」は、典型的には無秩序性細胞成長で特徴付けられる、哺乳動物の生理学的状態を指すか、あるいは記述する。がんの例には、限定はされないが、血液性の(例えば、リンパ腫、白血病)および固形の腫瘍が含まれる。
用語「組成物」、「製剤(formulation)」および「剤形」は、本明細書中で使用する場合、明記された成分(複数可)(指摘されているなら、明記された指定量の)、および明記された量(複数可)の明記された成分(複数可)の組合せから直接または間接的に由来する任意の製品(複数可)を含有する組成物を包含すると解釈される。「医薬(pharmaceutical)」または「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」とは、組成物、製剤または剤形中の任意の賦形剤(複数可)、添加剤(複数可)または担体(複数可)が、他の成分(複数可)と適合性があり、かつその受容者にとって有害でないことを意味する。そうでないことを指摘しない限り、用語「組成物」、「製剤」および「剤形」は、本明細書中で互換的に使用される。
用語「即時放出」は、本明細書中で提供される組成物、製剤または剤形に関して本明細書中で使用する場合、該組成物、製剤または剤形が、経口投与後に胃を過ぎてから、該組成物、製剤または剤形からAPIの一部または全部を空間的および/または時間的に放出するように遅延させるのに役立つ成分(例えば、被覆)を含まないことを意味する。特定の実施形態において、即時放出性の組成物、製剤または剤形は、経口投与後にAPIを実質的に胃内で放出するものである。具体的な実施形態において、即時放出性の組成物、製剤または剤形は、遅延放出性でないものである。具体的な実施形態において、即時放出性の組成物、製剤または剤形は、腸溶性コーティングを含まないものである。
用語「腸溶性被覆されていない」は、本明細書中で使用する場合、胃を過ぎてから(例えば、腸で)活性成分(複数可)を放出することを意図した被覆を含まない医薬組成物、製剤または剤形を指す。特定の実施形態において、腸溶性被覆されていない組成物、製剤または剤形は、活性成分(複数可)を実質的に胃内で放出するように設計される。
用語「実質的に胃内で」は、本明細書中で提供される組成物、製剤または剤形に関して使用する場合、シチジン類似体の少なくとも約99%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約65%、少なくとも約60%、少なくとも約55%、少なくとも約50%、少なくとも約45%、少なくとも約40%、少なくとも約35%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、少なくとも約20%、少なくとも約15%、少なくとも約10%が、胃で放出されることを意味する。用語「胃内で放出される」および関連する用語は、本明細書中で使用する場合、シチジン類似体が、胃の内膜細胞による取込みまたは該細胞を透過する輸送のために利用可能になり、次いで身体にとって利用可能になる過程を指す。
用語「対象」は、本明細書中では、限定はされないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含む哺乳動物などの動物を包含すると定義される。具体的な実施形態において、対象はヒトである。
用語「同時投与」および「と組み合わせた」は、2種以上の治療剤を同時的、並行的、または特定の時間範囲の制約なしに逐次的に投与することを包含する。一実施形態において、薬剤は、細胞中または対象の身体中に同時に存在するか、あるいは生物学的または治療的効果を同時に発揮する。一実施形態において、治療剤は、同一の組成物または単位剤形中に存在する。他の実施形態において、治療剤は、別個の組成物または単位剤形中に存在する。特定の実施形態において、第1薬剤は、第2治療剤の投与に先立って(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前に)、第2治療剤の投与と並行して、あるいは第2治療剤の投与後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)投与することができる。
用語「同位体組成」は、所定の原子位置(atomic position)に存在する各同位体の量を指し、「天然同位体組成」は、天然に存在する同位体組成、または所定の原子位置に関する存在比を指す。それらの天然同位体組成に相当する原子位置は、本明細書中で「非富化の」と呼ぶこともできる。そうでないことを明示しない限り、本明細書中で挙げられる化合物の原子位置は、その原子の任意の安定な同位体を表すことを意味する。例えば、そうでないことを言明しない限り、位置が「H」または「水素」と具体的に指定される場合、該位置は、その天然の同位体組成の水素を有すると解される。
用語「同位体的に富化された」は、その原子の天然同位体組成と異なる同位体組成を有する原子位置を指す。「同位体的に富化された」は、また、その原子の天然同位体組成と異なる同位体組成を有する少なくとも1種の原子位置を含む化合物を指すことができる。本明細書中で使用する場合、「アイソトポローグ」は、同位体的に富化された化合物である。
用語「同位体富化」は、分子中の所定の原子位置における、その原子の天然同位体組成に代わるある量の特定同位体の組込み比率を指す。例えば、与えられた原子位置における1%の重水素富化は、所定の検体中の分子の1%が、指定された位置に重水素を含むことを意味する。重水素の天然に存在する分布は約0.0156%であるので、非富化出発原料を使用して合成された化合物中の任意の位置での重水素富化は、約0.0156%である。
用語「同位体富化率」は、特定の同位体の同位体組成と天然同位体組成との間の比率を指す。
本明細書中で提供される化合物に関して、特定の原子位置が、重水素または「D」を有すると明示される場合、その位置での重水素の存在比は、約0.015%である重水素の天然存在比に比べて十分により大きいと解される。重水素を有すると明示される位置は、典型的には、それぞれ明示された重水素位置で、特別な実施形態において、少なくとも1000(15%の重水素組込み)、少なくとも2000(30%の重水素組込み)、少なくとも3000(45%の重水素組込み)、少なくとも3500(52.5%の重水素組込み)、少なくとも4000(60%の重水素組込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組込み)、少なくとも5000(75%の重水素組込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組込み)、少なくとも6000(90%の重水素組込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組込み)、少なくとも6600(99%の重水素組込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素組込み)の最小同位体富化率を有する。
本明細書中で提供される化合物の同位体富化および同位体富化率は、例えば、質量分光法、核磁気共鳴分光法および結晶学を含む、当業者に周知の通常的分析法を使用して測定することができる。
B.シチジン類似体
1.概観
本明細書では、シチジン類似体を含有し、経口で投与するとAPIを実質的に胃内で放出する剤形、医薬製剤および組成物が提供される。特定の実施形態において、シチジン類似体は、5−アザシチジンである。特定の実施形態において、シチジン類似体は、5−アザ−2'−デオキシシチジン(デシタビンまたは5−アザ−CdR)である。特定の実施形態において、シチジン類似体は、例えば、1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(シタラビンまたはara―C)、プソイドイソシチジン(psiICR)、5−フルオロ−2'−デオキシシチジン(FCdR)、2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロシチジン(ゲムシタビン)、5−アザ−2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロシチジン、5−アザ−2'−デオキシ−2'−フルオロシチジン、1−β−D−リボフラノシル−2(1H)−ピリミジノン(ゼブラリン)、2',3'−ジデオキシ−5−フルオロ−3'−チアシチジン(エムトリバ)、2'−シクロシチジン(アンシタビン)、1−β−D−アラビノフラノシル−5−アザシトシン(ファザラビンまたはara−AC)、6−アザシチジン(6−アザ−CR)、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン(dH−アザ−CR)、N4−ペンチルオキシ−カルボニル−5'−デオキシ−5'−フルオロシチジン(カペシタビン)、N4−オクタデシル−シタラビン、エライジン酸シタラビン、またはシチジン類似体および脂肪酸を含む複合化合物(例えば、限定はされないが、CP−4200(Clavis Pharma ASA)をはじめとするアザシチジン−脂肪酸複合体、またはアザ−C−5'−ペトロセリン酸エステルもしくはアザ−C−5'−ペトロセライジン酸エステルなどの、国際公開第2009/042767号に開示されている化合物)である。
特定の実施形態において、本明細書中で提供されるシチジン類似体には、例えば、5−アザシチジンのエステル化誘導体など、シチジン類似体のエステル化誘導体が含まれる。特別な実施形態において、エステル化誘導体は、シチジン類似体分子上の1つまたは複数の位置にエステル部分(例えば、アセチル基)を含むシチジン類似体である。エステル化誘導体は、当技術分野で周知の方法によって調製できる。特定の実施形態において、シチジン類似体のエステル化誘導体は、シチジン類似体のプロドラッグとして役立ち、例えば、エステル化誘導体の投与後に、該誘導体はin vivoで脱アセチル化されてシチジン類似体をもたらす。本明細書中の特別な実施形態は、好都合な物理化学および治療上の特性を所持する2',3',5'−トリアセチル−5−アザシチジン(TAC)を提供する。例えば、国際公開第2008/092127号(国際出願PCT/US2008/052124号);Ziemba,A.J.ら「Development of Oral Demethylating Agents for the Treatment of Myelodysplastic Syndrome」(Abstract No.3369)、In:Proceedings of the 100th Annual Meeting of the American Association for Cancer Research;2009 Apr.18〜22;Denver,Co.Philadelphia(PA):AACR;2009(その双方とも参照によりその全体で本明細書に援用される)を参照されたい。
特定の実施形態において、本明細書中で提供されるシチジン類似体には、シチジンまたはデオキシシチジンに構造的に関連し、かつシチジンまたはデオキシシチジンの作用を機能的に模倣および/またはそれらの作用に拮抗する任意の化合物が含まれる。本明細書中の特定の実施形態は、本明細書中で提供されるシチジン類似体の塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、複合体、プロドラッグ、前駆体、代謝産物、および/またはその他の誘導体を提供する。例えば、特別な実施形態では、5−アザシチジンの塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、複合体、前駆体、代謝産物、および/またはその他の誘導体を提供する。特定の実施形態は、本明細書中で提供されるシチジン類似体の塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、または複合体でないシチジン類似体を提供する。例えば、特別な実施形態は、非イオン性、非溶媒和性(例えば無水)、非複合性の形態の5−アザシチジンを提供する。本明細書中の特定の実施形態は、2種以上の本明細書中で提供されるシチジン類似体の混合物を提供する。
本明細書中で提供されるシチジン類似体は、本明細書中で引用される、あるいは、そうでなければ文献中の利用できる合成方法および手法を使用して調製できる。例えば、5−アザシチジンの特定の合成方法は、例えば、そのいずれも参照により本明細書に援用される米国特許第7038038号および本明細書中で考察される参考文献中に教示されている。5−アザシチジンは、また、Celgene Corporation、Warren、ニュージャージー州から入手できる。本明細書中で提供されるその他のシチジン類似体は、当業者が入手可能な前に開示した合成手順を使用して調製できる。
特定の実施形態において、典型的なシチジン類似体は、下に示す構造を有する:
2.同位体的に富化されたシチジン類似体
本明細書中の特別な実施形態は、同位体的に富化されたシチジン類似体、そのプロドラッグ、その合成中間体、その代謝産物を提供する。例えば、本明細書中の具体的な実施形態は、同位体的に富化された5−アザシチジンを提供する。
薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)および毒性プロファイルを改善するための医薬の同位体富化(例えば、重水素化)は、以前に一部の部類の薬物で立証されている。例えば、Lijinskyら、Food Cosmet.Toxicol.、20:393(1982);Lijinskyら、J.Nat.Cancer Inst.、69:1127(1982);Mangoldら、Mutation Res.308:33(1994);Gordonら、Drug Metab.Dispos.、15:589(1987);Zelloら、Metabolism、43:487(1994);Gatelyら、J.Nucl.Med.、27:388(1986);Wade,D.、Chem.Biol.Interact.117:191(1999)を参照されたい。
いずれか特定の理論によって制約されるものではないが、薬物の同位体富化は、例えば、(1)好ましくない代謝産物を低減または排除するために、(2)親薬物の半減期を増すために、(3)所望の効果を達成するのに必要とされる投与回数を低減するために、(4)所望の効果を達成するのに必要とされる投与量を低減するために、(5)もしいずれかが形成されるなら、活性代謝産物の形成を増加させるために、および/または(6)特定組織中での有害代謝産物の産生を低下させ、および/または併用療法を意図しようとなかろうと、併用療法のためのより有効な薬物および/またはより安全な薬物を創出するために使用することができる。
ある原子をその同位体の1つで置き換えると、しばしば、化学反応の反応速度の変化が生じる可能性がある。この現象は、速度論的同位体効果(KIE)として知られる。例えば、C−H結合が化学反応の律速段階(すなわち最も高い遷移状態エネルギーを有する段階)中に切断されるなら、その水素を重水素に代えることは、反応速度の低下を引き起こし、その進行を減速する。この現象は、重水素の速度論的同位体効果(「DKIE」)として知られる。例えば、Fosterら、Adv.Drug Res.、vol.14、pp.1〜36(1985);Kushnerら、Can.J.Physiol.Pharmacol.、vol.77、pp79〜88(1999)を参照されたい。
DKIEの大きさは、C−H結合が切断される所定反応の速度と水素を重水素に代えた同様の反応の速度との間の比率として表現することができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)から50またはそれ以上などの極めて大きな数字に及ぶことがあり、水素を重水素に代えると、反応は50分の1またはそれ以下に減速されることがあることを意味する。特定の理論によって制約されるものではないが、DKIE値が大きいのは、部分的には、不確定性原理の結果であるトンネル効果として知られる現象のためである。トンネル効果は、水素原子の小さな質量のせいであり、プロトンを巻き込む遷移状態が、時には、必要とされる活性化エネルギーの不在状態で生じることができるため、発生する。重水素は、水素に比べてより大きな質量を有するので、この現象を経験する確率が統計的により低い。
三重水素(「T」)は、水素の放射性同位体であり、研究、核融合炉、中性子発生装置および放射性医薬品で使用される。三重水素は、核内に2個の中性子を有し、3に近い原子量を有する水素原子である。それは、天然には、環境中に極めて低い濃度で存在し、最も一般的にはT2Oとして見出される。三重水素は、徐々に崩壊し(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の外層を貫通できない低エネルギーのβ粒子を放射する。内部暴露が、この同位体に伴う主な危険であり、しかも重大な健康リスクを引き起こすには大量に摂取しなければならない。三重水素は危険レベルに到達する前に、重水素に比較してより少ない量の三重水素が消費されるはずである。水素を三重水素(「T」)に代えると、二重水素に比べてやはりより強固な結合が生じ、数値的により大きな同位体効果が得られる。
同様に、その他の元素を同位体に、例えば、限定はされないが、炭素を13Cまたは14Cに、硫黄を33S、34Sまたは36Sに、窒素を15Nに、および酸素を17Oまたは18Oに代えると、同様の速度論的同位体効果がもたらされる可能性がある。
動物体は、治療剤などの外来物質を循環系から排出する目的で各種の酵素を発現する。このような酵素の例には、これらの外来物質と反応し、腎臓で排泄するためにより極性のある中間体または代謝産物に転換するためのシトクロムP450酵素(「CYP」)、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、およびモノアミンオキシダーゼが含まれる。医薬化合物の最も一般的な代謝反応のいくつかは、炭素−水素結合(C−H)の炭素−酸素(C−O)または炭素−炭素(C−C)π結合のいずれかへの酸化を伴う。生じる代謝産物は、生理学的条件下で安定または不安定である可能性があり、親化合物と比較して相当に異なる薬物動態、薬力学、ならびに急性および長期の毒性プロファイルを有することができる。多くの薬物で、このような酸化は急速である。結果として、これらの薬物は、多回のまたは高い1日当たり投与を必要とすることが多い。
本明細書中で提供される化合物の特定の位置での同位体富化は、天然同位体組成を有する同様の化合物に比較して、本明細書中で提供される化合物の薬物動態、薬理学的および/または毒物学的プロファイルに影響を及ぼす検出可能なKIEを生じさせる可能性がある。一実施形態において、重水素富化は、代謝中にC−H結合の開裂部位で行われる。
本明細書中の特定の実施形態は、重水素富化された5−アザシチジン類似体を提供し、ここで、5−アザシチジン分子中の1つまたは複数の水素は、重水素で同位体的に富化される。特定の実施形態において、本明細書中で提供されるのは、式(I)の化合物:
であり、式中、1つまたは複数のY原子(すなわち、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6およびY7)は、重水素で同位体的に富化された水素であり、かつ任意の残りのY原子は、非富化水素原子である。特別な実施形態において、示したY原子中の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つは、重水素で同位体的に富化され、かつ任意の残りのY原子は、非富化水素である。
特定の実施形態において、化合物(I)のリボース部分上の1つまたは複数のY原子は、重水素で富化される。詳細な例には、限定はされないが、次の化合物
が含まれ、該化合物中、標識「D」は重水素で富化される原子の位置を示し、すなわち、示した化合物を含む検体は、示した位置に重水素の天然存在比を超える重水素富化を有する。
特定の実施形態では、化合物(I)の5−アザシトシン部分上のY原子が、重水素で富化される。特定の例には、次の化合物
が含まれ、該化合物中、標識「D」は、重水素で富化された原子の位置を示し、すなわち、示した化合物を含む検体は、示した位置に重水素の天然存在比を超える重水素富化を有する。
特定の実施形態では、化合物(I)のリボース部分上の1つまたは複数のY原子、および5−アザシトシン部分上のY原子が、重水素で富化される。特定の例には、限定はされないが次の化合物
が含まれ、該化合物中、標識「D」は、重水素で富化された原子の位置を示し、すなわち、示した化合物を含む検体は、示した位置に重水素の天然存在比を超える重水素富化を有する。
1つまたは複数の重水素は、生理学的条件下で水素と交換できることが理解される。
本明細書中の特定の実施形態は、5−アザシチジンの炭素−13で富化された類似体を提供し、ここで、5−アザシチジン分子中の1つまたは複数の炭素は、炭素−13で同位体的に富化される。特定の実施形態において、本明細書中で提供されるのは、式(II)の化合物
であり、ここで、1、2、3、4、5、6、7または8の中の1つまたは複数は、炭素−13で同位体的に富化された炭素原子であり、1、2、3、4、5、6、7または8の中の任意の残りの原子は非富化炭素原子である。特別な実施形態において、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つの炭素原子(すなわち、1、2、3、4、5、6、7および8の原子)が炭素−13で同位体的に富化され、任意の残りの炭素原子は、富化されていない。
特定の実施形態において、化合物(II)のリボース部分の1つまたは複数の炭素原子は、炭素13で富化される。特定の例には、限定はされないが、次の化合物
が含まれ、該化合物中、星印(「*」)は炭素−13で富化された原子の位置を示し、すなわち、示した化合物を含む検体は、示した位置に炭素−13の天然存在比を超える炭素−13の富化を有する。
特定の実施形態において、化合物(II)の5−アザシトシン部分の1つまたは複数の炭素原子は、炭素−13で富化される。特定の例には、限定はされないが、次の化合物
が含まれ、該化合物中、星印(「*」)は炭素−13で富化された原子の位置を示し、すなわち、示した化合物を含む検体は、示した位置に炭素−13の天然存在比を超える炭素−13の富化を有する。
特定の実施形態において、化合物(II)のリボース部分上の1つまたは複数の炭素原子および5−アザシトシン部分上の1つまたは複数の炭素原子が炭素−13で富化され、すなわち、ここでは、リボース部分に関する炭素−13富化とアザシトシン部分に関する炭素−13富化との任意の組合せが包含される。
特定の実施形態では、1つまたは複数の水素が、重水素で富化され、かつ1つまたは複数の炭素が、炭素−13で富化され、すなわち、ここでは、5−アザシチジンの重水素富化と炭素−13富化との任意の組合せが包含される。
3.同位体的に富化されたシチジン類似体の合成
本明細書に記載の化合物は、当業者に周知の任意の方法を使用して合成できる。例えば、本明細書に記載の特定の化合物は、当業者に周知の合成有機化学技術を使用して合成される。いくつかの実施形態では、5−アザシチジンの周知の合成方法が採用され、ここで、試薬、出発原料、前駆体または中間体の中の1種または複数は、1種または複数の同位体的に富化された試薬、出発原料、前駆体または中間体、例えば、限定はされないが、1種または複数の重水素で富化された試薬、出発原料、前駆体または中間体、および/または1種または複数の炭素−13で富化された試薬、出発原料、前駆体または中間体で代替される。同位体的に富化された試薬、出発原料、前駆体または中間体は、市販されているか、あるいは当業者に周知の定型的化学反応によって調製できる。いくつかの実施形態において、経路は、参照によりその全体で本明細書に援用される米国特許第7038038号中に開示されているものに基づく。
特定の実施形態において、重水素で富化されたリボース、重水素で富化された5−アザシトシン、炭素−13で富化されたリボース、および/または炭素−13で富化された5−アザシトシンなどの同位体的に富化された適切な出発原料を、重水素および/または炭素−13で富化された対応する5−アザシチジンを調製するための次の一般的スキーム中で、出発原料として採用することができる(スキーム1参照)。米国特許第7038038号に従って、5−アザシトシンをヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理してシリル化された5−アザシトシンを得る。テトラアセチル−D−リボースは、Brownら、Biochemical Preparations、1955、4、70〜76に従って、D−リボースを無水酢酸中で酢酸ナトリウムと反応させることによって調製される。シリル化された5−アザシトシンを、TMS−トリフラートの存在下でテトラアセチル−D−リボースとカップリングし、生じる保護された5−アザシチジンを、メタノール中、ナトリウムメトキシドで処理して、5−アザシチジンを得る。米国特許第7038038号を参照されたい。
いくつかの実施形態において、5−アザシチジンのリボース部分中の1つまたは複数の水素の位置が、重水素で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、商業的供給源から購入される、または文献法に従って調製される重水素で富化された適切なリボースから、スキーム1に従って調製できる。重水素で富化されたリボースである出発原料と具体例には、限定はされないが、表1に挙げる次の化合物が含まれ、これらの化合物を、対応する重水素で富化された5−アザシチジン類似体へ転換できる。
他の実施形態において、5−アザシチジンの5−アザシトシン環上の水素の位置は、重水素で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、例えば、重水素化された5−アザシトシンからスキーム1に従って調製できる。重水素化5−アザシトシンは、例えば、スキーム2示すように適切な重水素化試薬から調製できる。例えば、Grundmannら、Chem.Ber.1954、87、19〜24;Piskalaら、in ZorbachおよびTipson(編)Synthetic Procedures in Nucleic Acid Chemistry、Vol.1、Wiley Interscience、New York、1968、107〜108;Piskala、Collect.Czech.Chem.Comm.1967、32、3966〜3976を参照されたい。
他の実施形態では、5−アザシトシン環上の水素の位置および5−アザシチジンのリボース部分の1つまたは複数の水素の位置が、重水素で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、例えばスキーム1に従って、出発原料である適切な重水素化リボースを重水素化5−アザシトシンとカップリングすることによって調製できる。例えば、化合物I−9、I−10、I−11、I−12、I−13およびI−14は、対応する出発原料である表1に挙げた重水素化リボースとスキーム2により調製された重水素化5−アザシトシンとから調製することができる。
いくつかの実施形態において、5−アザシチジンのリボース部分の1つまたは複数の炭素原子は、炭素−13で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、商業的供給源から購入される、または文献法に従って調製される適切な炭素−13富化リボースからスキーム1に従って調製できる。出発原料である炭素−13富化リボースの具体例には、限定はされないが、表2に挙げる次の化合物が含まれ、それらの化合物を、対応する炭素−13富化5−アザシチジン類似体に転換できる(星印(「*」)は炭素−13で富化された原子の位置を示す)。
他の実施形態において、5−アザシトシン環中の1つまたは複数の炭素原子は、炭素−13で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、炭素−13で富化された5−アザシトシンからスキーム1に従って調製できる。炭素−13富化5−アザシトシン中間体は、炭素−13で富化された適切な試薬からスキーム3に示すように調製できる。例えば、Grundmannら、Chem.Ber.1954、87、19〜24;Piskalaら、in ZorbachおよびTipson(編)Synthetic Procedures in Nucleic Acid Chemistry、Vol.1、Wiley Interscience、New York、1968、107〜108;Piskala、Collect.Czech.Chem.Comm.1967、32、3966〜3976を参照されたい。
他の実施形態において、5−アザシトシン環上の1つまたは複数の炭素の位置、および5−アザシチジンのリボース部分の1つまたは複数の炭素の位置は、炭素−13で富化される。このような5−アザシチジン類似体は、スキーム1に従い、出発原料である適切な炭素−13富化リボースを炭素−13で富化された適切な5−アザシトシンとカップリングして調製することができる。例えば、化合物は、出発原料である表2に挙げた炭素−13富化リボースと、スキーム3により調製される炭素−13富化5−アザシトシンとから調製できる。
上記の経路および方法を変更して、重水素富化および炭素−13富化の双方を兼ね備えた、5−アザシチジンのアイソトポローグを提供できる。
C.医薬組成物
1.概観
本明細書中の実施形態は、1種または複数のシチジン類似体、例えば、5−アザシチジン、および任意選択で吸収促進剤を含有する医薬製剤および組成物を包含し、ここで、該製剤および組成物は、経口投与用に調製される。特別な実施形態において、製剤および組成物はシチジン類似体を実質的に胃内で放出するように調製される。具体的な実施形態において、シチジン類似体、例えば,5−アザシチジン、ならびに医薬製剤および組成物は、異常な細胞増殖に付随した疾患および障害を治療するのに使用され、ここで、該シチジン類似体、製剤および組成物は、経口投与用に、好ましくはシチジン類似体の実質的に胃内での放出用に調製される。特別な実施形態は、本明細書中に示すような特定の医学的徴候を治療するための医薬製剤および組成物を調製するための、1種または複数のシチジン類似体、例えば,5−アザシチジンの使用に関する。本明細書中で提供されるシチジン類似体を含有する医薬製剤および組成物は、それを必要とする対象におけるシチジン類似体の経口送達を意図している。経口送達形態には、限定はされないが、錠剤、カプセル剤、キャプレッツ、溶液、懸濁液、およびシロップが含まれ、かつ、カプセル剤化されていても、されていなくてもよい多くの顆粒、ビーズ、粉末またはペレットも包含される。このような形態を、本明細書中では、シチジン類似体を含む「薬物コア」とも呼ぶ。
本明細書中の特別な実施形態は、錠剤またはカプセル剤である固形の経口剤形を提供する。特定の実施形態において、製剤は、シチジン類似体を含有する錠剤である。特定の実施形態において、製剤は、シチジン類似体を含有するカプセル剤である。特定の実施形態において、本明細書中で提供される錠剤またはカプセル剤は、例えば、流動促進剤、賦形剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、顆粒化剤、結合剤、ポリマー、および被覆剤などの1種または複数の添加剤を任意選択で含有する。特定の実施形態において、製剤は即時放出性錠剤である。特定の実施形態において、製剤は、APIを例えば実質的に胃内で放出する制御放出性錠剤である。特定の実施形態において、製剤は、硬質ゼラチンカプセル剤である。特定の実施形態において、製剤は、軟質ゼラチンカプセル剤である。特定の実施形態において、カプセル剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤である。特定の実施形態において、製剤は、即時放出性カプセル剤である。特定の実施形態において、製剤は、APIを、例えば実質的に胃内で放出する即時または制御放出性カプセル剤である。特定の実施形態において、製剤は、投与後に実質的に口内で溶解する急速崩壊性錠剤である。特定の実施形態において、本明細書中の実施形態は、異常な細胞増殖に伴う疾患を治療するための医薬組成物を調製するための、シチジン類似体、例えば、5−アザシチジンの使用を包含し、ここで、該組成物は経口投与用に調製される。
2.本明細書中で提供されるいくつかの剤形の性能
特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、経口で投与すると、APIの即時放出をもたらす。特別な実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、治療上または予防上有効な量のシチジン類似体(および、任意選択で1種または複数の添加剤)を含有し、経口で投与するとAPIの即時放出をもたらす。
特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、経口で投与するとAPIの実質的に胃内での制御放出をもたらす。特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、治療上または予防上有効な量のシチジン類似体、およびシチジン類似体を実質的に胃内で放出させる能力を有する薬物放出制御成分を含有する。特定の実施形態では、製剤中にマトリックス(例えば、ポリマーマトリックス)を採用して、シチジン類似体の放出を調節することができる。特定の実施形態では、製剤中に被覆および/または殻を採用して、シチジン類似体の実質的に胃内での放出を調節することができる。
特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、経口で投与すると、APIを実質的に胃内で放出する。特定の実施形態において、製剤は、経口で投与するとシチジン類似体の即時放出をもたらす。特定の実施形態において、製剤は、任意選択で、さらに、薬物放出制御成分を含有し、ここで、該薬物放出制御成分は、シチジン類似体の放出が実質的に胃内で起こるように調整される。特別な実施形態において、薬物放出制御成分は、シチジン類似体の放出が、即時性であり、かつ実質的に胃内で起こるように調整される。特別な実施形態において、薬物放出制御成分は、シチジン類似体の放出が、維持され、かつ実質的に胃内で起こるように調整される。特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤は、経口で投与すると、APIを実質的に胃内で放出し、かつ続いて、残りのAPIを腸で放出する。
熟練した専門家が、対象の胃腸管中のどこで薬物が放出されるかを評価できる方法は、当技術分野で周知であり、多くの方法の中でも、例えば、シンチグラフィー研究、胃腸管の関連部分の体液を模擬した生体関連媒質中での試験が挙げられる。
本明細書中の特別な実施形態は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有し、同一シチジン類似体のSC投与に対比して、経口で製剤を投与される対象において特定の暴露を達成する、医薬組成物(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特別な実施形態は、SC投与に対比して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%の暴露を達成する経口製剤を提供する。
特定の実施形態において、例えば5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含有する製剤(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)は、経口で投与すると、製剤中のある一定比率のシチジン類似体を全身性で生物学的に利用可能にする。特定の実施形態では、対象に製剤を経口で投与した後に、製剤中のシチジン類似体は、実質的に胃内で吸収され、全身暴露を介して身体とって利用可能になる。特別な実施形態において、本明細書中で提供されるシチジン類似体を含有する製剤の経口でのバイオアベイラビリティーは、製剤中のシチジン類似体の総量の、例えば、約1%を超え、約5%を超え、約10%を超え、約15%を超え、約20%を超え、約25%を超え、約30%を超え、約35%を超え、約40%を超え、約45%を超え、約50%を超え、約55%を超え、約60%を超え、約65%を超え、約70%を超え、約75%を超え、約80%を超え、約85%を超え、約90%を超え、約95%を超え、または約100%を超える。
熟練した専門家が、対象における薬物製剤の経口でのバイオアベイラビリティーを評価できる方法は、当技術分野で周知である。このような方法には、例えば、限定はされないが、最大血漿中濃度(「Cmax」)、最大血漿中濃度到達時間(「Tmax」)、または曲線下面積(「AUC」)の測定などの、いくつかの投与に関連するパラメーターの比較が含まれる。
本明細書中の特別な実施形態は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有し、経口で該製剤を投与された対象(例えば、ヒト)において特定のAUC値(例えば、AUC(0〜t)またはAUC(0〜∞)を達成する医薬製剤(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特別な実施形態は、少なくとも約25ng−hr/mL、少なくとも約50ng−hr/mL、少なくとも約75ng−hr/mL、少なくとも約100ng−hr/mL、少なくとも約150ng−hr/mL、少なくとも約200ng−hr/mL、少なくとも約250ng−hr/mL、少なくとも約300ng−hr/mL、少なくとも約350ng−hr/mL、少なくとも約400ng−hr/mL、少なくとも約450ng−hr/mL、少なくとも約500ng−hr/mL、少なくとも約550ng−hr/mL、少なくとも約600ng−hr/mL、少なくとも約650ng−hr/mL、少なくとも約700ng−hr/mL、少なくとも約750ng−hr/mL、少なくとも約800ng−hr/mL、少なくとも約850ng−hr/mL、少なくとも約900ng−hr/mL、少なくとも約950ng−hr/mL、少なくとも約1000ng−hr/mL、少なくとも約1100ng−hr/mL、少なくとも約1200ng−hr/mL、少なくとも約1300ng−hr/mL、少なくとも約1400ng−hr/mL、少なくとも約1500ng−hr/mL、少なくとも約1600ng−hr/mL、少なくとも約1700ng−hr/mL、少なくとも約1800ng−hr/mL、少なくとも約1900ng−hr/mL、少なくとも約2000ng−hr/mL、少なくとも約2250ng−hr/mL、または少なくとも約2500ng−hr/mLのAUC値を達成する経口製剤を提供する。特別な実施形態において、AUCの測定値は、投与に続く動物またはヒト志願者の血液検体から得られる時間−濃度の薬物動態プロファイルから得られる。
本明細書中の特別な実施形態は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有し、経口で該製剤を投与された対象において特定の最大血漿中濃度(「Cmax」)を達成する医薬製剤(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特別な実施形態は、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約75ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約350ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約550ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約650ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約750ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約850ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約950ng/mL、少なくとも約1000ng/mL、少なくとも約1100ng/mL、少なくとも約1200ng/mL、少なくとも約1300ng/mL、少なくとも約1400ng/mL、少なくとも約1500ng/mL、少なくとも約1600ng/mL、少なくとも約1700ng/mL、少なくとも約1800ng/mL、少なくとも約1900ng/mL、少なくとも約2000ng/mL、少なくとも約2250ng/mL、または少なくとも約2500ng/mLのシチジン類似体のCmaxを達成する経口製剤を提供する。
本明細書中の特別な実施形態は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有し、経口で製剤を投与された対象において特定の最大血漿中濃度到達時間(「Tmax」)を達成する医薬製剤(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特別な実施形態は、約10分未満、約15分未満、約20分未満、約25分未満、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、約60分未満、約65分未満、約70分未満、約75分未満、約80分未満、約85分未満、約90分未満、約95分未満、約100分未満、約105分未満、約110分未満、約115分未満、約120分未満、約130分未満、約140分未満、約150分未満、約160分未満、約170分未満、約180分未満、約190分未満、約200分未満、約210分未満、約220分未満、約230分未満、または約240分未満のシチジン類似体のTmaxを達成する経口製剤を提供する。特別な実施形態において、Tmax値は、製剤を経口で投与した時間から測定される。
本明細書中の特別な実施形態は、シチジン類似体を含有する経口剤形を提供し、ここで、該経口製剤は腸溶性被覆を有する。特別な実施形態は、細孔を備えた透過性または部分透過性の(例えば、「漏れ易い」)腸溶性被覆を提供する。特別な実施形態において、透過性または部分透過性の腸溶性被覆錠剤は、5−アザシチジンを即時放出方式により実質的に胃内で放出する。
3.本明細書中で提供されるいくつかの剤形の設計
本明細書では、例えば実質的に胃内で放出するために経口で投与した場合に、いくつかのシチジン類似体、例えば、5−アザシチジンの吸収および/または効率的な放出を最大にするように設計された剤形が提供される。したがって、本明細書中の特定の実施形態は、経口で投与するとAPIを例えば実質的に胃内で即時放出するように設計された医薬添加剤を使用する、例えば、5−アザシチジンなどのシチジン類似体の固形経口剤形を提供する。特定の即時放出性製剤は、一定量のシチジン類似体および任意選択で1種または複数の添加剤を含有する。特定の実施形態において、製剤は即時放出性錠剤または即時放出性カプセル剤(例えば、HPMCカプセル剤など)でよい。
本明細書では、本明細書中で提供されるシチジン類似体を含有する、本明細書中で提供される製剤(例えば、即時放出性経口製剤および/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)の製造方法が提供される。特別な実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、例えば、関連教科書に記載のような、医薬製剤に関わる当業者にとって周知の通常的方法を使用して調製できる。例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、LippincottWilliams & Wilkins、(2000);Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & Wilkins、(1999);Gibson、Pharmaceutical Preformulation and Formulation、CRC Press(2001)を参照されたい。
特別な実施形態において、本明細書中で提供される製剤(例えば、即時放出性経口製剤、APIを実質的に胃内で放出する製剤、または実質的に口内で溶解する急速崩壊性製剤)は、例えば、5−アザシチジンなどの一定量のシチジン類似体を含有する。特別な実施形態において、製剤中のシチジン類似体の一定量は、例えば、約10mg、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mg、約400mg、約420mg、約440mg、約460mg、約480mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、約3000mg、約4000mg、または約5000mgである。特別な実施形態において、製剤中のシチジン類似体の一定量は、例えば、少なくとも約10mg、少なくとも約20mg、少なくとも約40mg、少なくとも約60mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約120mg、少なくとも約140mg、少なくとも約160mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約600mg、少なくとも約700mg、少なくとも約800mg、少なくとも約900mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1400mg、少なくとも約1500mg、少なくとも約1600mg、少なくとも約1700mg、少なくとも約1800mg、少なくとも約1900mg、少なくとも約2000mg、少なくとも約2100mg、少なくとも約2200mg、少なくとも約2300mg、少なくとも約2400mg、少なくとも約2500mg、少なくとも約3000mg、少なくとも約4000mg、または少なくとも約5000mgである。
特定の実施形態において、製剤は錠剤であり、該錠剤は、標準的で当技術分野で受け入れられている錠剤加工法および装置を使用して製造される。特定の実施形態において、錠剤を形成する方法は、シチジン類似体を単独で、または例えば、担体、添加剤、ポリマーなどの1種または複数の添加剤と組み合わせて含有する、粉末、結晶および/または顆粒状組成物の直接圧縮である。特定の実施形態では、直接圧縮に代わるものとして、錠剤は、湿式造粒または乾式造粒法を使用して調製できる。特定の実施形態において、錠剤は、湿ったまたはそうでなければ加工し易い材料から出発して、圧縮ではなく成型される。特定の実施形態では、圧縮および造粒技術が使用される。
特定の実施形態において、製剤はカプセル剤であり、ここで、該カプセル剤は、標準的で当技術分野で受け入れられているカプセル剤加工法および装置を使用して製造できる。特定の実施形態において、シチジン類似体、および植物油または例えばポリエチレングリコールなどの非水性の水混和性材料の混合物を含む軟質ゼラチンカプセル剤を調製できる。特定の実施形態において、シチジン類似体の顆粒を、例えば、乳糖、蔗糖、ソルビトール、マンニトール、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチンなどの固形微粉状担体と組み合わせて含有する硬質ゼラチンカプセル剤を調製できる。特定の実施形態において、硬質ゼラチンカプセル剤の殻は、ゼラチンおよび少量の可塑剤(グリセロールなど)を含むカプセル剤用組成物から調製できる。特定の実施形態において、ゼラチンの代わりとして、カプセル剤の殻は、炭水化物材料で形成できる。特定の実施形態において、カプセル剤用組成物は、必要なら、さらに、ポリマー、着色剤、香味剤および乳白化剤を含むことができる。特定の実施形態において、カプセル剤は、HPMCを含む。
特定の実施形態において、例えば、5−アザシチジンなどのシチジン類似体の製剤は、シチジン類似体の有意な加水分解を引き起こすことなしに水性溶媒を使用して調製される。特別な実施形態において、例えば、5−アザシチジンなどのシチジン類似体の製剤は、製剤中のシチジン類似体の有意な加水分解を引き起こすことなしに水性溶媒を使用して薬物コアに塗布された被覆を含む錠剤である。特定の実施形態において、薬物コアを被覆するための溶媒として、水が採用される。特定の実施形態において、シチジン類似体の経口剤形は、水性溶媒を使用して薬物コアに塗布されたフィルムコートを含む錠剤である。特別な実施形態において、フィルムコート用の溶媒として水が採用される。特別な実施形態において、シチジン類似体を含む錠剤は、医薬組成物の分解をもたらすことなしに水性溶媒を使用してフィルムコートされる。特別な実施形態において、医薬組成物の分解をもたらすことなしにフィルムコート用溶媒として水が使用される。特定の実施形態において、5−アザシチジンおよび水性フィルムコートを含む経口剤形は、経口送達により即時性の薬物放出をもたらす。特定の実施形態において、5−アザシチジンおよび水性フィルムコートを含む経口剤形は、経口投与により上部胃腸管、例えば、胃への制御された薬物放出をもたらす。特別な実施形態において、水をベースにしたフィルムコートを有する錠剤は、APIとして5−アザシチジンを含有する。
特定の実施形態において、本明細書では、シチジン類似体を実質的に胃内で放出する、シチジン類似体の経口投与用制御放出性医薬組成物が提供され、該組成物は、a)一定量のシチジン類似体、(b)実質的に上部胃腸管、例えば、胃でのシチジン類似体の放出を調節するための薬物放出制御成分、および(c)任意選択で1種または複数の添加剤を含有する。特定の実施形態において、シチジン類似体を含有する経口剤形は、医薬組成物および任意選択の添加剤を含有する薬物コアを含む制御放出性錠剤またはカプセル剤として調製される。任意選択で、「封止コート」または「殻」が塗布される。特定の実施形態において、本明細書中で提供されるシチジン類似体を含有する本明細書中で提供される製剤は、制御放出性の錠剤またはカプセル剤であり、それらは、治療上有効な量のシチジン類似体、経口投与で該シチジン類似体の実質的に胃内での放出を調節する薬物放出制御成分、および任意選択で1種または複数の添加剤を含有する。
特別な実施形態は、胃液に暴露されると膨潤して製剤の胃部滞留およびシチジン類似体のポリマーマトリックスからの実質的に胃内での持続放出をもたらす、ポリマーマトリックスである薬物放出制御成分を提供する。特定の実施形態において、このような製剤は、製剤の際にシチジン類似体を適切なポリマーマトリックス中に組み込むことによって調製できる。このような製剤の例は、当技術分野で周知である。例えば、そのそれぞれが、参照によりその全体で本明細書に援用される、Shellらの米国特許出願公開第2002/0051820号(出願番号09/990061号);Shellらの米国特許出願公開第2003/0039688号(出願番号10/045823号;Guslerらの米国特許出願公開第2003/0104053号(出願番号10/029134号)を参照されたい。
特定の実施形態において、薬物放出制御成分は、薬物を含むコアを取り囲む殻を構成することができ、ここで、該殻は、例えば、コアからのシチジン類似体の拡散を可能にすること、および胃液への暴露により胃中に保持される大きさへ膨潤させて製剤の胃部滞留を促進することによって、コアからシチジン類似体を放出する。特定の実施形態において、このような製剤は、最初にシチジン類似体と1種または複数の添加剤との混合物を圧縮して薬物コアを形成すること、および該薬物コアの上に別の粉末混合物を圧縮して殻を形成すること、または薬物コアを適切な材料で作られたカプセル剤殻で閉じ込めることによって調製できる。このような製剤の例は、当技術分野で周知である。参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、例えば、Bernerらの米国特許出願公開第2003/0104062号(出願番号10/213823号)を参照されたい。
本明細書中の特定の実施形態は、シチジン類似体を含有する経口剤形を提供し、ここで、該剤形は、通常の腸溶性被覆中に細孔を含む。特別な実施形態において、シチジン類似体の経口剤形は、細孔を有する透過性または部分透過性(例えば、漏れ易い)腸溶性被覆を含む錠剤である。特別な実施形態において、透過性または部分透過性の腸溶性被覆を施された錠剤は、錠剤から主として上部胃腸管、例えば胃へのシチジン類似体の放出を調節する。特別な実施形態において、透過性または部分透過性の腸溶性被覆を施された錠剤は、5−アザシチジンを含有する。特別な実施形態において、シチジン類似体の残りは、続いて胃を過ぎて(例えば、腸で)放出される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される医薬製剤は、シチジン類似体を含有する圧縮錠剤である。シチジン類似体に加えて、該錠剤は、任意選択で、1種または複数の添加剤、例えば,(a)所望の大きさの錠剤を調製するために製剤に、必要なバルクを付加できる賦形剤または充填剤、(b)製剤粒子の接着を促進し、造粒物の調製を可能にし、最終錠剤の完全性を維持することができる結合剤または接着剤、(c)投与後に、薬物の利用能を向上させるために、錠剤のより小さな粒子への崩壊を促進できる崩壊剤または崩壊促進剤、(d)錠剤化する材料の錠剤金型中への流れを高め、ポンチおよび金型の磨耗を最小にし、充填材料のポンチおよび金型への固着を防止し、かつ光沢を有する錠剤を製造することができる抗接着剤、流動促進剤、滑沢剤または滑沢促進剤、ならびに(e)着色剤および香味剤などの多方面にわたる添加物を含有する。圧縮後、本明細書中で提供される錠剤を、本明細書に記載のような各種材料で被覆することができる。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される医薬製剤は、シチジン類似体の多重圧縮錠剤である。多重圧縮錠剤は、充填材料を、1回を超える圧縮にかけることによって調製される。得られるものは多層錠剤または錠剤内錠剤(tablet−within−a−tablet)であってよく、内側の錠剤はシチジン類似体および任意選択の1種または複数の添加剤を含有するコアであり、外側部分は殻であり、該殻は、1種または複数の添加剤を含有し、シチジン類似体を含んでもよいし、含まなくてもよい。層状錠剤は、金型中での充填材料の一部の、それに続く付加的充填材料の初期圧密、および独立した充填物の数に応じて2または3層錠剤を形成するための圧縮によって調製できる。各層は、化学的または物理的不適合性の理由のために互いから隔離された異なる治療剤を、あるいは段階的な薬物放出のため、または単純に多層錠剤の独特な外観のために同一薬剤を含むことができる。充填物の各部分を様々に着色して、目立って見える錠剤を調製することができる。内部コアとしての圧縮錠剤を有する錠剤の調製では、特殊な機械を使用して、後に続く周りを取り囲む充填材料の圧縮に備えて、前以て形成された錠剤を金型内に正確に配置することができる。
特定の実施形態では、シチジン類似体の圧縮錠剤を、着色または無着色の糖の層で被覆することができる。該被覆は、水溶性で、かつ経口摂取の後に急速に溶解することができる。糖衣は、封じ込められた薬物を環境から保護し、不快な味または臭いに対する遮断物を提供する目的に役立つ可能性がある。糖衣は、圧縮錠剤の外観を向上させ、かつ製造業者を識別する情報の刻印を可能にすることもできる。特定の実施形態において、糖衣錠は、最初の未被覆錠剤に比べて、50%より大きくかつより重くてよい。錠剤の糖衣化は、任意選択の次のステップ:(1)防水および封止(必要なら)、(2)サブコーティング、(3)平滑化および最終円形化、(4)仕上げおよび着色(所望なら)、(5)刻印(必要なら)、および(6)研磨、に分けることができる。
特定の実施形態において、シチジン類似体の圧縮錠剤は、フィルムコートすることができる。フィルムコート錠剤は、錠剤を覆って皮膚様フィルムを形成する能力のある薄いポリマー層で被覆された圧縮錠剤でよい。該フィルムは、通常、着色され、より耐久性があり、嵩がより少なく、かつ塗布するための時間消費がより少ない利点を有する。その組成により、被覆は、胃腸管内の所望の場所で破れ、コア錠剤を露出するように設計できる。圧縮錠剤を覆ってプラスチック様材料の薄くぴったりした被覆を配置するフィルムコート法は、元の圧縮錠剤と本質的に同じ重量、形状、および大きさを有するコーティング錠剤をもたらすことができる。フィルムコートを着色して、錠剤を魅力的かつ目立つようにすることができる。フィルムコート用溶液は非水性または水性でよい。特別な実施形態において、非水性溶液は、錠剤に所望の被覆を提供するために、任意選択で、次のタイプの材料:(1)例えば、酢酸フタル酸セルロールなどの、通常の被覆条件下で再現性があり、かつ種々の錠剤形状に適用可能な平滑で薄いフィルムを作り出す能力のあるフィルム形成剤、(2)例えば、ポリエチレングリコールなどの、体液の透過および薬物の治療利用能を保証するためにフィルムに水溶性または透過性を提供する混ぜ物物質(alloying substance)、(3)例えば、ヒマシ油など、被覆の柔軟性および弾性をもたらし、かくして耐久性を提供するための可塑剤、(4)例えば、ポリオキシエチレンソルビタン誘導体などの、塗布中にフィルムの伸展性を高めるための界面活性剤、(5)例えば、不透明剤としての二酸化チタン、および着色剤としてのFD&CまたはD&D染料などの、被覆錠剤の外観を魅力的で目立つようにするための不透明化剤または着色剤、(6)例えば、甘味料としてのサッカリン、香味剤および芳香剤としてのバニリンなどの、対象にとっての錠剤の受容性を増強するための甘味剤、香味剤または芳香剤、(7)例えば、蜜蝋などの、独立の研磨操作なしに錠剤に光沢を提供するための光沢剤、および(8)例えば、アルコール−アセトン混合物などの、効果的でしかも迅速な操作を可能にするための急速蒸発を可能にしながら、錠剤を覆うその他の成分の伸展を可能にするための揮発性溶媒の中の1種または複数を含むことができる。特定の実施形態において、水性のフィルムコート用製剤は、次のもの:(1)例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびメチルセルロースのようなセルロースエーテルポリマーなどの、フィルム形成性ポリマー、(2)例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、フタル酸ジエチル、および塩基性酢酸ブチル(dibutyl subacetate)などの可塑剤、(3)例えば、FD&CまたはD&Cレーキおよび酸化鉄顔料などの着色剤および乳白化剤、または(4)例えば、水などのビヒクルの中の1種または複数を含むことができる。
特定の実施形態では、シチジン類似体の圧縮製剤を、圧縮被覆することができる。被覆材料を、顆粒または粉末の形態で、特殊な打錠機を用いて薬物の錠剤コア上に圧縮することができる。
特定の実施形態において、医薬製剤は、シチジン類似体のゼラチンで被覆された錠剤である。ゼラチン被覆錠剤は、被覆された錠剤が等価量の粉末を充填したカプセル剤に比べてより小さいことを可能にするカプセル剤形状の圧縮錠剤である。ゼラチン被覆は、嚥下を容易にし、かつ非封止カプセル剤と比較して、ゼラチン被覆錠剤は、いたずらがよりわかりやすい可能性がある。
特定の実施形態において、医薬製剤は、シチジン類似体の舌下錠剤でよい。舌下錠剤は、口内粘膜を通って吸収されるように舌の下で溶解されことを意図している。舌下錠剤は、迅速に溶解し、薬物の急速放出を提供する。
特定の実施形態において、医薬製剤は、シチジン類似体の即時放出性錠剤である。特定の実施形態において、即時放出性錠剤は、例えば、特殊な被覆およびその他の技術などのなんらかの特殊な速度調節性の特徴を欠いてAPIを崩壊させ、放出するように設計される。特定の実施形態において、該製剤は、例えば、投与後に実質的に口内で溶解する急速崩壊性錠剤である。特定の実施形態において、医薬組成物は、シチジン類似体の延長放出性錠剤である。特定の実施形態において、該延長放出性錠剤は、例えば、APIを実質的に胃内で長期にわたって放出するように設計される。
特定の実施形態において、圧縮錠剤は、湿式造粒によって調製できる。湿式造粒は、圧縮錠剤の製造に広く採用される方法であり、特別な実施形態では、次のステップ:(1)成分を秤量し混合すること、(2)湿り体を調製すること、(3)湿り体を、篩いを通してペレットまたは顆粒にすること、(4)顆粒を乾燥すること、(5)顆粒を乾式篩い分けにより大きさで分別すること、(6)滑沢剤を添加して混合すること、および(7)圧縮して打錠すること、の1つまたは複数を必要とする。
特定の実施形態において、圧縮錠剤は、乾式造粒によって調製できる。乾式造粒法では、粉末混合物を大きな断片に圧密し、続いて破砕し、大きさで分別して顆粒にする。しかし、この方法は、活性成分または賦形剤のどちらかが凝集特性を有する。成分を秤量、混合した後、該粉末混合物をスラグ化するか圧縮して大きい平坦な錠剤またはペレットにする。次いで、該スラグを、手でまたは粉砕機で破砕し、大きさで分別するために所望メッシュの篩いを通す。滑沢剤を通常の方式で添加し、圧縮して錠剤を調製する。別法として、スラグ化の代わりに、粉末コンパクターを使用し、粉末を高圧ローラーの間で圧搾して該粉末の密度を高めることができる。圧縮された材料を、次いで、破砕し、大きさで分別し、滑沢化し、通常の方式で圧縮することによって錠剤を調製する。ローラー圧密法は、スラグ化よりも好まれることが多い。ローラー圧密製剤で使用される結合剤には、メチルセルロースまたはヒドロキシル−メチルセルロースが含まれ、結合剤は良好な錠剤硬度および破砕性をもたらす。
特定の実施形態において、圧縮錠剤は、直接圧縮によって調製できる。若干の顆粒状化学物質は、湿式または乾式造粒を必要としないで打錠機中での直接圧縮を可能にする自由流動および凝集特性を所持する。この性質を有さない化学物質の場合には、直接圧縮による錠剤の製造に必要な性質を付与する特殊な医薬添加剤を使用できる。特定の打錠用添加剤には、例えば、噴霧乾燥乳糖、α−乳糖一水和物の微結晶、蔗糖−転化糖−トウモロコシデンプン混合物、微結晶セルロース、結晶性麦芽糖、およびリン酸二カルシウムなどの充填剤;直接圧縮デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース繊維、および架橋ポリビニルピロリドンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどの滑沢剤;ならびにヒュームド二酸化ケイ素などの流動促進剤が含まれる。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される錠剤は、成型によって調製できる。成型錠剤のための基剤は、一般に、粉末蔗糖を部分的に含むまたは含まない微細な粉末乳糖の混合物である。充填物を調製する際に、薬物は幾何学的希釈によって基剤と均一に混合される。粉末混合物は、粉末を、圧密できるように単に湿らすのに十分な、水とアルコールとの混合物で湿らすことができる。乳糖/蔗糖基剤の一部に対する水の溶媒作用が、乾燥に際して粉末混合物の結合をもたらす。アルコール部分は、乾燥処理を促進する。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される医薬製剤は、シチジン類似体、および任意選択で、「薬物コア」を形成するための1種または複数の添加剤を含む。任意選択の添加剤には、例えば、当技術分野で周知のような、賦形剤(増量剤)、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤、結合剤、添加剤用支持剤、流動促進剤、透過増強用添加剤、可塑剤などが含まれる。当業者は、若干の物質が、医薬組成物中で1つを超える目的に役立つことを理解するであろう。例えば、若干の物質は、圧縮後に錠剤を全体として保持するのを助ける結合剤であるが、さらに、錠剤が標的送達部位に一旦到達すると、錠剤をばらばらにするのを助ける崩壊剤でもある。添加剤の選択および使用量は、製剤科学者が経験ならびに当技術分野で利用できる標準的方法の検討および参考著作に基づいて容易に決定できる。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の結合剤を含有する。結合剤を使用して、例えば、錠剤に凝集性を付与し、それによって、錠剤が圧縮後に無傷のままであることを保証できる。適切な結合剤には、限定はされないが、数ある中でも、デンプン(トウモロコシデンプンおよびα化デンプンを含む)、ゼラチン、糖類(蔗糖、ブドウ糖、デキストロースおよび乳糖を含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成のゴム(例えば、アラビアゴム)、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを含む)、ビーガム、カルボマー(例えば、カルボポール)、ナトリウム、デキストリン、グアーガム、水素化植物油、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON、PLASDONE)、微結晶セルロースが含まれる。結合剤には、また、例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、カボマー(cabomer)、カラゲナン、酢酸フタル酸セルロース、セラトニア、キトサン、粉糖、コポビドン、デキストラート、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、イヌリン、乳糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、麦芽糖、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、α化デンプン、ステアリン酸、蔗糖、およびゼインが含まれる。結合剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約34%w/w、薬物コアの約36%w/w、薬物コアの約38%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約42%w/w、薬物コアの約44%w/w、薬物コアの約46%w/w、薬物コアの約48%w/w、薬物コアの約50%w/w、薬物コアの約52%w/w、薬物コアの約54%w/w、薬物コアの約56%w/w、薬物コアの約58%w/w、薬物コアの約60%w/w、薬物コアの約62%w/w、薬物コアの約64%w/w、薬物コアの約66%w/w、薬物コアの約68%w/w、薬物コアの約70%w/w、薬物コアの約72%w/w、薬物コアの約74%w/w、薬物コアの約76%w/w、薬物コアの約78%w/w、薬物コアの約80%w/w、薬物コアの約82%w/w、薬物コアの約84%w/w、薬物コアの約86%w/w、薬物コアの約88%w/w、薬物コアの約90%w/w、薬物コアの約92%w/w、薬物コアの約94%w/w、薬物コアの約96%w/w、薬物コアの約98%w/w、または適切であると判定されたらそれ以上の量で存在できる。特定の実施形態において、特定の結合剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の賦形剤を含有する。賦形剤を使用して、例えば、嵩を増やし、最終的に実用的な大きさの錠剤を提供することができる。適切な賦形剤には、数ある中でも、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、微結晶セルロース(例えば、AVICEL)、微細セルロース、α化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖類、デキストラート、デキストリン、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT)、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが含まれる。賦形剤には、また、例えば、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸セルロース、圧縮性糖(compressible sugar)、粉糖、デキストラート、デキストリン、デキストロース、エリトリトール、エチルセルロース、果糖、フマル酸、パルミトステアリン酸グリセリル、イソマルト(isomalt)、カオリン、ラシトール(lacitol)、乳糖、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、麦芽糖、中鎖トリグリセリド、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、粉末セルロース、ポリデキストロース、ポリメチルアクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、蔗糖、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、タルク、トラガカントゴム、トレハロース、およびキシリトールが含まれる。賦形剤は、錠剤またはカプセル剤に対して所望される容積を得るように計算された量で使用することができ、特定の実施形態において、賦形剤は、薬物コアの、重量/重量で、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約22%以上、約24%以上、約26%以上、約28%以上、約30%以上、約32%以上、約34%以上、約36%以上、約38%以上、約40%以上、約42%以上、約44%以上、約46%以上、約48%以上、約50%以上、約52%以上、約54%以上、約56%以上、約58%以上、約60%以上、約62%以上、約64%以上、約68%以上、約70%以上、約72%以上、約74%以上、約76%以上、約78%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上;薬物コアの約10%〜約90%w/w;薬物コアの約20%〜約80%w/w;薬物コアの約30%〜約70%w/w;薬物コアの約40〜約60%w/wの量で使用される。特定の実施形態において、特定の賦形剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の滑沢剤を含有する。滑沢剤を使用して、例えば、錠剤の製造を容易にすることができ、適切な滑沢剤の例には、例えば、ピーナツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびテオブロマ(theobroma)のオイルなどの植物油;グリセリン;ステアリン酸マグネシウム;ステアリン酸カルシウム:ならびにステアリン酸が含まれる。特定の実施形態において、ステアレートは、存在するなら、薬物を含むコアのほぼ2重量%を超えない。滑沢剤のさらなる例には、例えば、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリル酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が含まれる。特別な実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。特定の実施形態において、滑沢剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約0.2%w/w、薬物コアの約0.4%w/w、薬物コアの約0.6%w/w、薬物コアの約0.8%w/w、薬物コアの約1.0%w/w、薬物コアの約1.2%w/w、薬物コアの約1.4%w/w、薬物コアの約1.6%w/w、薬物コアの約1.8%w/w、薬物コアの約2.0%w/w、薬物コアの約2.2%w/w、薬物コアの約2.4%w/w、薬物コアの約2.6%w/w、薬物コアの約2.8%w/w、薬物コアの約3.0%w/w、薬物コアの約3.5%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約4.5%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約25%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約35%w/w、薬物コアの約40%w/w;薬物コアの約0.2%〜約10%w/w;薬物コアの約0.5%〜約5%w/w;薬物コアの約1%〜約3%w/wの量で存在する。特定の実施形態において、特定の滑沢剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の崩壊剤を含有する。崩壊剤を使用して、例えば、錠剤の崩壊を促進することができ、崩壊剤は、例えば、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ゴム、または架橋ポリマーでよい。崩壊剤には、また、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL、PRIMELLOSE)、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON、POLYPLASDONE)、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、EXPLOTAB)、およびデンプンが含まれる。さらなる崩壊剤には、例えば、アルギン酸カルシウム、キトサン、ドクサート(docusate)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポビドンが含まれる。特定の実施形態において、崩壊剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w;薬物コアの約32%w/w超;薬物コアの約1%〜約10%w/w;薬物コアの約2%〜約8%w/w;薬物コアの約3%〜約7%w/w;または薬物コアの約4〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態において、特定の崩壊剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の安定剤を含有する。安定剤(吸収増強剤とも呼ばれる)を使用して、例えば、例を挙げれば酸化反応を含む薬物の分解反応を抑制または遅延させることができる。安定剤には、例えば、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、アラビアゴム、アルブミン、アルギン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベントナイト、ブチル化ヒドロキシトルエン、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カラゲナン、セラトニア、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、ジエタノールアミン、エデト酸塩、エチルセルロース、パルミトステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、転化糖、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モノエタノールアミン、ペクチン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、ポラクリリンカリウム、ポビドン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ラフィノース、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリルアルコール、スホブチル−b−シクロデキストリン(sufobutyl−b−cyclodextrin)、トレハロース、白蝋、キサンタンガム、キシリトール、イエローワックス、および酢酸亜鉛が含まれる。特定の実施形態において、安定剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w;薬物コアの約1%〜約10%w/w;薬物コアの約2%〜約8%w/w;薬物コアの約3%〜約7%w/w;薬物コアの約4%〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態において、特定の安定剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の流動促進剤を含有する。流動促進剤を使用して、例えば、粉末組成物または顆粒の流動特性を改善するか、あるいは投与量の精度を向上させることができる。流動促進剤として機能できる添加剤には、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、三塩基性リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、粉末セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、デンプン、三塩基性リン酸カルシウム、およびタルクが含まれる。特定の実施形態において、流動促進剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w未満、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w;薬物コアの約1%〜10%w/w;薬物コアの約2%〜約8%w/w;薬物コアの約3%〜約7%w/w、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態において、特定の流動促進剤の適切な量は、当業者によって決定される。
特定の実施形態において、本明細書中で提供される製剤は、1種または複数の吸収促進剤(透過性増強剤とも呼ばれる)を含有する。特定の実施形態において、吸収促進剤は、胃腸壁(例えば、胃)を通るシチジン類似体の取り込みを増強する。特定の実施形態において、吸収促進剤は、血流に入るシチジン類似体の比率および/または量を変える。特別な実施形態において、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)が、吸収促進剤として使用される。特別な実施形態において、例えば、当技術分野で周知の任意の吸収促進剤をはじめとする1種または複数の他の適切な吸収促進剤が使用される。適切な吸収促進剤の具体例には、例えば、下記に挙げるものが含まれる:
その他の潜在的吸収促進剤には、例えば、アルコール、ジメチルスルホキシド、モノオレイン酸グリセリル、グリコフロール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、2−ピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびチモールが含まれる。
特定の実施形態において、吸収促進剤は、製剤の総重量に対して重量で、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、約5%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%;約10%超;約12%超;約14%超;約16%超;約18%超;約20%超;約25%超;約30%超;約35%;約40%超;約45%超;または約50%超の量で存在する。特定の実施形態において、本明細書中で提供される適切な吸収促進剤の妥当な量は当業者によって決定される。
なんらかの特定の理論によって制約されることを意図するものではないが、本明細書中で提供される吸収促進剤は、とりわけ、胃腸壁を通るシチジン類似体の輸送を促進すること(例えば、輸送の速度または程度を増大させること)によって機能する。一般に、胃腸壁を通る移動は、例えば、濃度勾配によってのみ駆動される方式での膜を横切る薬物の移動などの受動拡散;細胞膜中に埋め込まれた特殊な輸送系による細胞膜を横切る薬物の移動などの担体介在性拡散;2つの細胞を透過するのではなくその間を通ることによって膜を横切る薬物の移動などの細胞間隙拡散;および細胞を横切る薬物の移動などの経細胞拡散によって行われる。加えて、細胞に入る薬物を汲み出すことによって薬物の細胞内蓄積を防止する能力のある多数の細胞性タンパク質が存在する。これらは、流出ポンプと呼ばれることもある。1つのこのような流出ポンプが、体の多くの種々の組織(例えば、腸、胎盤膜、血液脳関門)中に存在するp−糖タンパク質を含むものである。吸収促進剤は、とりわけ、上述の過程のいずれかを促進することによって(数ある中でも、膜の流動性を高めること、細胞間の密着結合を開くこと、および/または流出を抑制することなどによって)機能することができる。
特定の実施形態において、シチジン類似体、例えば,5−アザシチジンを含有する本明細書中で提供される組成物は、シチジンデアミナーゼ阻害剤を本質的に含まない(例えば、シチジンデアミナーゼ阻害剤を含まない)。特定の実施形態において、本明細書中で提供される組成物は、シチジンデアミナーゼ阻害剤であるテトラヒドロウリジン(THU)を本質的に含まない(例えば、含まない)。本明細書中の特定の実施形態は、治療上有効な量のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有する医薬組成物を提供し、ここで、該組成物は、対象への経口投与後に、シチジン類似体を実質的に胃内で放出し、かつ該組成物は、シチジンデアミナーゼ阻害剤(例えば、THU)を本質的に含まない。本明細書中の特定の実施形態は、治療上有効な量のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含有する医薬組成物を提供し、ここで、該組成物は、対象への経口投与後に、シチジン類似体を実質的に胃内で放出し、該組成物は、シチジンデアミナーゼ阻害剤(例えば、THU)を本質的に含まず(例えば、含まず)、かつ該組成物は、本明細書中に示す特定の生物学的パラメーター(例えば、本明細書中に示す特定のCmax値、Tmax値、および/またはAUC値)を達成する。特別な実施形態において、シチジンデアミナーゼ阻害剤(例えば、THU)を本質的に含まない本明細書中で提供される組成物は、例えば、200mg未満、150mg未満、100mg未満、50mg未満、25mg未満、10mg未満、5mg未満、1mg未満、または0.1mg未満のシチジンデアミナーゼ阻害剤を含有する。
4.付加的治療剤
特別な実施形態において、本明細書中で提供されるシチジン類似体の経口製剤は、さらに、1、2、3種またはそれ以上の他の薬理学的活性物質(本明細書中で「付加的治療剤」、「第2活性薬剤」などとも呼ばれる)を含有する。特別な実施形態において、本明細書中で提供される経口製剤は、付加的治療剤(複数可)を治療上有効な量で含有する。特別な実施形態において、シチジン類似体(例えば、アザシチジン)および付加的治療剤(複数可)は、本明細書中で開示される方法および当技術分野で周知の方法を含む、活性医薬成分を同時製剤化する方法を使用して、同じ剤形中に統合して同時製剤化される。他の実施形態において、シチジン類似体および付加的治療剤(複数可)は、別々の剤形で同時投与される。いくつかの組合せは、特定の疾患または障害、例えば、いくつかのタイプのがん、ならびに望ましくない血管新生または異常な細胞増殖に伴う、またはそれらによって特徴付けられる特定の疾患および状態を含む、特定の疾患または障害の治療において相乗的に作用すると思われる。本明細書中で提供されるシチジン類似体の経口剤形は、また、いくつかの第2活性薬剤に伴う有害効果を軽減するように作用し、若干の第2活性薬剤を使用して、本明細書中で提供されるシチジン類似体の経口剤形に伴う有害効果を軽減できる。特定の実施形態において、本明細書中で提供される経口製剤は、それを必要とする対象において再感作効果を提供するために、1種または複数の治療剤と一緒に同時投与される。付加的治療剤は、例えば、大分子(例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成の無機、有機金属、または有機分子)でよい。
本明細書中で開示される組成物および方法で有用な特定の付加的治療剤の例には、限定はされないが、例えば、細胞障害剤、抗代謝剤、抗葉酸剤、HDAC阻害剤(例えば、SNDX−275またはMS−275としても知られるエンチノスタット;スベロイルアミリドヒドロキサム酸(SAHA)またはN−ヒドロキシ−N'−フェニル−オクタンジアミドとしても知られるボリノスタット)、DNA挿入剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、DNA開裂剤、トポイソメラーゼ阻害剤、CDK阻害剤、JAK阻害剤、抗血管新生剤、Bcr−AbI阻害剤、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、HGFR阻害剤、IGFR阻害剤、c−Kit阻害剤、Ras経路阻害剤、PI3K阻害剤、多標的キナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、ソマトスタチン類似体、ERモジュレーター、抗チューブリン剤、ビンカアルカロイド、タキサン、HSP阻害剤、Smoothenedアンタゴニスト、テロメラーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、抗転移剤、免疫抑制剤、生物学的薬剤(抗体など)、およびホルモン療法剤が含まれる。特別な実施形態において、同時投与される治療剤は、免疫調節化合物、例えば、サリドマイド、レナリドミド、またはポマリドミドである。同時投与される薬剤は、例えば、経口で、または注射によって投与できる。
付加的治療剤の他の例には、限定はされないが、造血成長因子、サイトカイン、抗がん剤、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポイエチン(EPO)、インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、オブリメルセン、メルファラン、トポテカン、ペントキシフィリン、タキソテレ、イリノテカン、シプロフロキサシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ダカルバジン、Ara−C、ビノレルビン、プレドニゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、三酸化砒素が含まれる。このような付加的治療剤は、限定はされないが、多発性骨髄腫の治療に関連するものを含む、本明細書中で開示される方法および組成物において特に有用である。
付加的治療剤の他の例には、限定はされないが、抗体(例えば、リツキシマブ、抗CD33)、造血成長因子、サイトカイン、抗がん剤、抗生物質、COX−2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、または薬理学上活性な変異体もしくはその誘導体が含まれる。例えば、S.Nandら、Leukemia and Lymphoma、2008、49(11):2141〜47を参照されたい(AMLおよび高リスクMDSを患う高齢患者へのヒドロキシウレア、アザシチジンと低用量のゲムツズマブオゾガミシンとの組合せ投与を含む第II相試験について記載し、この組合せは、この患者群でのAMLおよび高リスクMDSの治療において安全かつ有効な治療方式であると結論付けている)。このような付加的治療剤は、限定はされないが、本明細書中で開示される疾患および障害の治療に関連するものを含む、本明細書中で開示される方法および組成物において特に有用である。
大分子活性薬剤の例には、限定はされないが、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクロナールおよびポリクロナール抗体が含まれる。典型的な大分子活性薬剤は、天然に存在するまたは人工的に作られるタンパク質などの生物学的分子である。特に有用であるタンパク質には、生存、および/または造血前駆細胞および免疫学的に活性を生み出す細胞の増殖をin vitroおよびin vivoで刺激するタンパク質が含まれる。他のものは、関係する赤血球前駆細胞の分裂および分化をin vitroまたはin vivoで刺激する。特定のタンパク質には、限定はされないが、IL−2(組換えIL−II(「rIL2」)およびカナリア痘IL−2を含む)、IL−10,IL−12およびIL−18などのインターロイキン;インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、およびインターフェロンγ−Ibなどのインターフェロン;GM−CFおよびGM−CSF;ならびにEPOが含まれる。
本明細書中で提供される方法および組成物において使用できる特定のタンパク質には、限定はされないが、米国でNeupogen(登録商標)(Amgen、Thousand Oaks、カリフォルニア州)の商品名で販売されているフィルグラスチム;米国でLeukine(登録商標)(Immunex、Seatle、ワシントン州)の商品名で販売されているサルグラモスチム;および米国でEpogen(登録商標)(Amgen、Thousand Oaks、カリフォルニア州)の商品名で販売されている組換えEPOが含まれる。
GM−CSFの組換えおよび変異型は、参照によりその全体で本明細書に援用される、米国特許第5391485号、5393870号および5229496号に記載のように調製できる。G−CSFの組換えおよび変異型は、参照によりその全体で本明細書に援用される、米国特許第4810643号、4999291号、5528823号および5580755号に記載のように調製できる。
本明細書中の実施形態は、本来の天然に存在するタンパク質および組換えタンパク質の使用を包含する。特別な実施形態は、それらの基礎をなすタンパク質の薬理学的活性の少なくとも一部をin vivoで呈示する、天然に存在するタンパク質の変異体および誘導体(例えば、修飾された形態)を包含する。変異体の例には、限定はされないが、天然に存在するタンパク質の形態中の対応する残基と異なる1つまたは複数のアミノ酸残基を有するタンパク質が含まれる。また、用語「変異体」は、天然に存在する形態中に通常的に存在する炭水化物部分を欠くタンパク質(例えば、非グリコシル化形態)を包含する。誘導体の例には、限定はされないが、ペグ化誘導体、ならびにIgG1またはIgG3をタンパク質または注目タンパク質の活性部分に融合することによって形成されるタンパク質などの融合タンパク質が含まれる。例えば、Penichet,M.L.およびMorrison,S.L.、J.Immunol.Methods 248:91〜101(2001)を参照されたい。
本明細書中で開示される経口製剤と組み合わせて使用できる抗体には、モノクロナールおよびポリクロナール抗体が含まれる。抗体の例には、限定はされないが、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコマブ(Panorex(登録商標))、およびG250が含まれる。本明細書中で開示される経口製剤は、また、抗TNF−α抗体を含むこと、それと組み合わせること、またはそれと組み合わせて使用することができる。
大分子活性薬剤は、抗がんワクチンの形態で投与できる。例えば、IL−2、G−CSFおよびGM−CSFなどのサイトカインを分泌する、またはそれらの分泌を引き起こすワクチンは、本明細書中で提供される方法、医薬組成物およびキットの中で使用できる。例えば、Emens,L.A.ら、Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77〜84(2001)を参照されたい。
一実施形態において、付加的治療剤(大分子化合物または小分子化合物)は、本明細書中で提供されるシチジン類似体の投与(例えば、経口投与)に伴う有害効果を低減、排除、または予防する。特定のシチジン類似体および治療されている疾患または障害に応じて、有害効果には、限定はされないが、当技術分野で特定のシチジン類似体に伴うことが知られている数ある有害効果の中でも、貧血、好中球減少、熱性好中球減少、血小板減少、肝毒性(例えば、限定はされないが、先在性肝障害を有する患者の肝毒性を含む)、血清クレアチニンの上昇、腎不全、尿細管性アシドーシス、低カリウム血、肝性昏睡、悪心、嘔吐、消化不良、腹痛、発熱、白血球減少、下痢、便秘、斑状出血、点状出血、悪寒、虚弱、肺炎、不安、不眠症、嗜眠、および体重減少が含まれる。
若干の大分子のように、多くの小分子化合物は、本明細書中で開示されるシチジン類似体経口製剤と共に(前に、後にまたは同時に)投与されると、相乗効果を提供する能力があると考えられる。小分子の第2活性薬剤には、限定はされないが、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、およびステロイドが含まれる。
抗がん剤の例には、限定はされないが、次のものが含まれる:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート(bisnafide dimesylate);ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン(carzelesin);セデフィンゴール(cedefingol);セレコキシブ(COX−2阻害剤);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシラート(crisnatol mesylate);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デアザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシラート(dezaguanine mesylate);ジアジクオン(diaziquone);ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン(enloplatin);エンプロマート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン(flurocitabine);ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン(ilmofosine);イプロプラチン(iproplatin);イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン(plomestane);ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン(riboprine);サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン(simtrazene);スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(sulofenur);タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン(zeniplatin);ジノスタチン;および塩酸ゾルビシン。
他の抗がん剤には、それだけには限らないが、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン(abiraterone);アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド(andrographolide);血管新生抑制剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背側化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン剤、前立腺癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節物質;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine);βラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド(bisnafide);ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジヒドロタキソール;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロールニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロドーノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメックス;ホルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標));イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;4−イポメアノール;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセタート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルートテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;アービタックス;ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリア属(myobacterium)の細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;オブリメルセン(Genasense(登録商標))O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aに基づく免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;微細藻類のプロテインキナーゼC阻害剤;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe 186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフイトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣体;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプタート(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スウェインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;サイマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖抑制因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが含まれる。
具体的な付加的治療剤には、限定はされないが、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(Decadron(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテレ、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセローダ、CPT−11、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα(例えば、PEG INTRON−A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パクリタキセル、ビンブラスチン、IL−2、GM−CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化砒素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、およびエトポシドが含まれる。
D.使用方法
本明細書に記載した、本明細書の特定の実施形態は、例えば、異なる投与量および/または投与期間を可能にする;代替の薬物動態学的プロファイル、薬力学的プロファイル、および/または安全性プロファイルを提供する;長期および/または維持療法の評価を可能にする;脱メチル化反応および/または遺伝子の再発現を最大限にする治療レジメンを提供する;連続的な脱メチル化反応を延長する治療レジメンを提供する;シチジン類似体の新規な指示を提供する;および/または他の潜在的な有利な利点を提供することに関する方法に有用なシチジン類似体の経口製剤を提供する。
本明細書で提供されるのは、製剤がシチジン類似体を実質的に胃内で放出する、例えば、5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含む医薬製剤を経口投与することによって、例えば、血液障害および固形腫瘍を含めた、がんなどの異常な細胞増殖によって発現した病態生理学的な状態を治療する方法である。本明細書の他の実施形態は、免疫異常を治療する方法を提供する。具体的な実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体の即時放出を実施する製剤を経口投与することを含む。特別な実施形態では、シチジン類似体および1種または複数の治療剤を、相乗的な治療効果をもたらすために対象に同時投与する。同時投与する薬剤は、経口でまたは注射によって投与されるがん治療剤となり得る。
特別な実施形態では、異常な細胞増殖に関連する障害を治療するための本明細書で提供される方法は、治療上有効な量のシチジン類似体を含む製剤を経口投与することを含む。本明細書で提供される方法に関連する具体的な治療上の指示は、本明細書に開示されている。特別な実施形態では、医薬製剤中のシチジン類似体の治療上有効な量は、本明細書に開示される量である。特別な実施形態では、医薬製剤中のシチジン類似体の正確な治療上有効な量は、例えば、対象の年齢、体重、疾患および/または状態に応じて変わる。
具体的な実施形態では、異常な細胞増殖に関連する障害には、それだけには限らないが、MDS、AML、ALL、CML、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、(非ホジキンリンパ腫(NHL)およびホジキンリンパ腫を含めた)リンパ腫、多発性骨髄腫(MM)、肉腫、黒色腫、癌、腺癌、脊索腫、乳がん、結腸直腸がん、卵巣がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん)、精巣がん、腎がん、膵がん、骨がん、胃がん、頭部および頚部がん、および前立腺がんが含まれる。具体的な実施形態では、異常な細胞増殖に関連する障害はMDSである。具体的な実施形態では、異常な細胞増殖に関連する障害はAMLである。
特定の実施形態では、異常な細胞増殖の障害を治療するための本明細書で提供される方法は、IV、SCおよび経口投与方法の少なくとも2つを用いて、シチジン類似体を投与することを含む。例えば、本明細書の特別な実施形態は、例えば、SCまたはIVで投与される5−アザシチジンなど、シチジン類似体の初期治療サイクルを施行し、続いて、シチジン類似体のその後の経口で投与される治療サイクルを施行することを提供する。特定の実施形態では、治療サイクルは、複数の日数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日または14日以上)にわたって、場合によっては、続いて治療投与を休む日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日、または14日以上)を有し、治療を必要とする対象に投与される反復投与量を含む。本明細書の特別な実施形態は、1、2、3、4、5回またはそれ以上の初期サイクルのSCおよび/またはIV投与、続いて、その後のサイクルの経口投与を含む治療スケジュールを提供する。例えば、本明細書の特別な実施形態は、サイクル1のSC投与、続いて、その後のサイクルの経口投与を含む治療スケジュールを提供する。本明細書で提供される方法のための適当な用量範囲および量は、本明細書を通して提供される。例えば、特定の実施形態において、SC投与量は約75mg/m2である。特定の実施形態では、経口投与量は、約60mg、約80mg、約120mg、約180mg、約240mg、約300mg、約360mg、約480mgまたは約480mg以上である。特定の実施形態では、経口投与量は、SC AUCが80%、100%または120%になるよう算出される。
特定の実施形態では、異常な細胞増殖の障害を治療する方法は、単回または複数の1日投与量としてシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む製剤を経口投与することを含む。特別な実施形態では、シチジン類似体を含む1種(または複数)の製剤は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または1日4回以上経口投与される。例えば、特定の実施形態では、シチジン類似体を含む製剤は、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日間1日1、2、3または4回シチジン類似体約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、または約1、000mgの投与を含む治療サイクルを用いて投与される。特定の実施形態では、治療方法は連続的な低用量投与を含む。特定の実施形態では、シチジン類似体を含む製剤は、シチジン類似体を7日間1日2回約300mg投与することを含む治療サイクルを用いて投与される。特定の実施形態では、シチジン類似体を含む製剤は、シチジン類似体を14日間1日2回約300mg投与することを含む治療サイクルを用いて投与される。特定の実施形態では、シチジン類似体を含む製剤は、シチジン類似体を7日間1日3回約300mg投与することを含む治療サイクルを用いて投与される。特定の実施形態では、シチジン類似体を含む製剤は、シチジン類似体を14日間1日3回約300mg投与することを含む治療サイクルを用いて投与される。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供されるサイクルの1回または複数回を用いておよび例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月、または12カ月以上の期間のサイクルの1回または複数回を繰り返してシチジン類似体を含む製剤を投与することを含む。
特定の実施形態では、本明細書の方法は、例えば、シチジン類似体のIVまたはSC投与に関連する制限を克服するために本明細書で提供される特定の経口製剤を投与することを含む。例えば、IVまたはSC投与は、シチジン類似体を長期間定期的に送達する能力を制限し、それによって、シチジン類似体の最大の効力を潜在的に制限することがある。長期のIVまたはSC投与スケジュールの厳密さに従うことの難しさにより、シチジン類似体に長期SCまたはIV曝露すると、対象(例えば、複数の血球減少を伴う対象)はレジメンを中断することがある。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるLyons、R.M.ら、Hematologic Response to Three Alternative Dosing Schedules of Azacitidine in Patients With Myelodysplastic Syndromes、J.Clin.Oncol.(2009年)(DOI:10.1200/JCO.2008.17.1058)を参照のこと。したがって、特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、SCまたはIVシチジン類似体投与に関連するものまたは他のものの制限を克服するために、本明細書で提供される経口製剤を投与することを含む。例えば、特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、7日間以上、8日間以上、9日間以上、10日間以上、11日間以上、12日間以上、13日間以上、14日間以上、15日間以上、16日間以上、17日間以上、18日間以上、19日間以上、20日間以上、または21日間以上本明細書で提供される経口製剤を対象に毎日投与することを含む。
本明細書の特定の実施形態は、IVまたはSC投与に比べて、より長期間にわたって低用量でシチジン類似体(例えば、アザシチジン)を送達することを含む、本明細書で提供されるシチジン類似体の経口製剤を投与することを含む方法を提供する。特別な実施形態では、かかる方法は、本明細書で提供される経口製剤を投与することによって(例えば、アザシチジンに伴う用量関連血球減少を含めた)用量関連血球減少を管理することを含む。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、同じシチジン類似体を含むIVまたはSC用量に比べて、安全性プロファイルの改善を達成するために本明細書で提供される経口製剤を投与することを含む。
本明細書に記載した通り、特定の実施形態は、シチジン類似体のIVまたはSC投与に比べて、本明細書で提供される経口製剤を投与することによって特定の疾患または障害の治療(例えば、固形腫瘍の治療)を改善するための方法を提供する。特別な実施形態では、本明細書のいくつかの方法は、より長期間より低用量で本明細書で提供される経口製剤を投与して脱メチル化反応の改善をもたらすことを提供する。例えば、本明細書で提供されるいくつかの方法は、固形腫瘍を治療するために本明細書で提供される経口製剤を投与し、SCまたはIV投与によってシチジン類似体を投与することに関連するある種の用量を制限する毒性に関連する副作用を避けることを含む。シチジン類似体の投与に関連する、ある種の毒性に関連する欠点の例は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるK.Appletonら、J.Clin.Oncol.、25巻(29号):4603〜4609頁(2007年)に記載されている。
本明細書の特別な実施形態は、本明細書で提供される医薬組成物を経口投与することによって本明細書で提供される疾患または障害を有する対象を治療するための方法を提供し、上記治療は対象の生存率を改善させる。特定の実施形態では、1種または複数の通常の看護レジメンと比較して、生存率の改善が測定される。本明細書の特別な実施形態は、本明細書で提供される医薬組成物を経口投与することによって本明細書で提供される疾患または障害を有する対象を治療するための方法を提供し、上記治療は有効性の改善をもたらす。特別な実施形態では、有効性の改善は、米国食品医薬品局(FDA)によって推奨される通り、がんの臨床試験の1つまたは複数のエンドポイントを用いて測定される。例えば、FDAは、Gudiance for Industry on Clinical Trial Endpoints for the Approval of Cancer Drugs and Biologics(http://www.fda.gov/CbER/gdlns/clintrialend.htm)を提供している。FDAエンドポイントには、それだけには限らないが、全生存、(i)無病生存率(ii)奏効率、(iii)腫瘍増殖停止時間および無進行生存ならびに(iv)治療不成功までの期間などの腫瘍評価に基づくエンドポイントが含まれる。症状エンドポイントを含むエンドポイントは、(i)がん症状の腫瘍増殖停止時間および(ii)複合の症状エンドポイントなどの特定の症状エンドポイントを含むことができる。血液または体液からアッセイした生物マーカーはまた、疾患の管理を決定するために有用となり得る。
特定の実施形態では、異常な細胞増殖の障害を治療する方法は、食物を含むシチジン類似体の製剤を経口投与することを含む。特定の実施形態では、異常な細胞増殖の障害を治療する方法は、食物を含まないシチジン類似体の製剤を経口投与することを含む。特定の実施形態では、薬理学的パラメーター(例えば、Cmax、Tmax)は、対象の摂食状態に依存する。特定の実施形態では、シチジン類似体の製剤は、舌下に投与される。
特定の実施形態では、シチジン類似体、例えば、5−アザシチジンは、シチジンデアミナーゼ阻害剤と共に同時投与されない。特定の実施形態では、本明細書で提供されるシチジン類似体を含む経口製剤は、THUと共に同時投与されない。本明細書の特定の実施形態は、実質的に胃内で放出するために本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を経口投与することを含む、本明細書で提供される疾患または障害(例えば、異常な細胞増殖に伴う疾患)を治療する方法を提供し、上記方法は、本明細書で提供される特定の生物学的パラメーター(例えば、本明細書で提供される特定のCmax値、Tmax値、および/またはAUC値)を達成し、上記方法は、シチジンデアミナーゼ阻害剤をシチジン類似体と共に同時投与しないことを含む。本明細書の特定の実施形態は、実質的に胃内で放出するために本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を経口投与することを含む、本明細書で提供される疾患または障害(例えば、異常な細胞増殖に伴う疾患)を治療する方法を提供し、上記方法は、シチジンデアミナーゼ阻害剤をシチジン類似体と共に同時投与しないことによってシチジンデアミナーゼ阻害剤(例えば、THU)を投与することに関連する有害作用を避ける。特別な実施形態では、シチジンデアミナーゼ阻害剤(例えば、THU)は、例えば、約500mg/d未満、約200mg/d未満、約150mg/d未満、約100mg/d未満、約50mg/d未満、約25mg/d未満、約10mg/d未満、約5mg/d未満、約1mg/d未満、または約0.1mg/d未満の量でシチジン類似体と共に同時投与される。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要としている対象に投与することによって、血液障害を含めた本明細書で提供される障害を治療することを含む。特別な実施形態では、5−アザシチジンを含む本明細書で提供される経口剤形は、血液障害を有する対象を治療するために用いられる。血液障害には、例えば、血液細胞中の形成異常による変化および様々な白血病などの血液の悪性疾患をもたらし得る血液細胞の異常増殖が含まれる。血液障害の例には、それだけには限らないが、他の中でもとりわけ、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、および鎌状赤血球貧血が含まれる。本明細書で提供される方法を用いて治療することができる他の障害は、例えば、多発性骨髄腫(MM)および非ホジキンリンパ腫(NHL)が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりAMLを治療することを含む。AMLは、成人に発生する最も一般的なタイプの急性白血病である。いくつかの遺伝した遺伝障害および免疫不全状態は、AMLリスクの増加に関連している。これらは、ブルーム症候群、ファンコニー貧血、リー・フラウメニ家系、毛細血管拡張性運動失調症、およびX連鎖無ガンマグロブリン血症など、ランダムな染色体切断をもたらす、DNA安定性における欠損を伴う障害が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりAPMLを治療することを含む。APMLは、AMLの異なるサブグループを表す。このサブタイプは、15;17染色体転座を含む前骨髄球性芽球を特徴とする。この転座は、レチノイン酸受容体およびPML配列からなる融解転写物の産生をもたらす。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりALLを治療することを含む。ALLは、様々なサブタイプによって示される異なる臨床的特徴を有する不均一性の疾患である。再発する細胞遺伝学的な異常は、ALLにおいて実証されている。最も一般的な細胞遺伝学的な異常は9;22転座である。得られたフィラデルフィア染色体は対象の不良な予後を表す。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりCMLを治療することを含む。CMLは、多能性幹細胞のクローン性骨髄増殖性障害である。CMLは、フィラデルフィア染色体を創出する第9および第22染色体の転座に関与する特異的な染色体異常を特徴とする。電離放射線は、CMLの発症に関連する。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりMDSを治療することを含む。特定の実施形態では、MDSには、以下の骨髄異形成症候群サブタイプ、すなわち、不応性貧血、(好中球減少症もしくは血小板減少症を伴うまたは輸血を必要とする場合)環状鉄芽球を有する不応性貧血、過剰な芽球を有する不応性貧血、形質転換における過剰な芽球を有する不応性貧血、および慢性骨髄単球性白血病の1種または複数が含まれる。特定の実施形態では、MDSは高リスクMDSである。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを伴う対象の生存率を増加させる(例えば、延命する)ためにシチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することを含む。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりNHLを治療することを含む。非ホジキンリンパ腫(NHL)は、リンパ系の不均一な群の悪性疾患を表す。血液およびリンパ腫瘍のWHO分類に従って、これらの疾患は、B細胞およびT細胞新生物として分類される。B細胞リンパ腫は全リンパ腫の約90%を占め、最も一般的な2つの組織学的疾病は、濾胞性リンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。NHLの新規症例およそ55,000〜60,000件が年間に米国で診断されている。例えば、Ansell,S.M.ら、Mayo Clin.Proc.、2005年、80巻(8号):1087〜97頁を参照のこと。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりMMを治療することを含む。多発性骨髄腫は、最も一般的に診断される血液の悪性疾患の1つである。2007年には、米国だけで、概算で新規MM症例20,000件およびMMによる死亡者10,000名であった。この疾患は、とりわけ、例えば、単クローン性免疫グロブリンGまたはAなどの免疫グロブリンの過剰産生をもたらし得る、骨髄中の悪性形質細胞の蓄積を特徴とする。パラプロテインとしても知られる、これらの免疫グロブリンは、MMを伴う患者の尿および血液中で検出することができる。MMの結果としては、貧血、破壊的な骨病変の発症、および腎不全が含まれる。例えば、Rao,K.V.、American Journal of Health−System Pharmacy、2007年、64巻(17号):1799〜1807頁を参照のこと。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、シチジン類似体を含む経口剤形をそれを必要とする対象に投与することによりCLLを治療することを含む。慢性リンパ球性リンパ腫(CLL)は、成熟したBリンパ球の悪性疾患であり、米国において最も流行性のリンパの悪性疾患である。Bリンパ球性新生物のWHO分類は、B細胞悪性疾患を悪性細胞の推定される正常な相当物に従ってグループ化する。CLLは、血液、骨髄、またはリンパ節から得られたリンパ球の免疫表現型分析によって診断される。例えば、Zent,C.Sら、Current Oncology Reports、2007年、9巻:345〜52頁を参照のこと。
本明細書の特定の実施形態は、シチジン類似体を含む経口製剤をそれを必要とする対象に投与することを含むシチジン類似体を対象に送達するための方法を提供する。特別な実施形態では、経口製剤は、(1)シチジン類似体の治療上有効な量;および(2)対象が経口シチジン類似体を含む製剤を摂取した後、シチジン類似体を実質的に胃内で放出することのできる場合による薬物放出制御成分を含む。本明細書の特定の実施形態は、対象におけるシチジン類似体の経口バイオアベイラビリティーを高めるための方法を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供される医薬組成物を経口投与することを含むシチジン類似体の経口バイオアベイラビリティーを増加させる方法を提供する。本明細書で提供されるいくつかの方法では、本明細書で提供される医薬組成物は、対象に経口投与され、対象の身体の生体液を接触させ、例えば、実質的に胃内など、上部胃腸管内で吸収される。
本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することによって本明細書で提供される特定の曝露値を達成する方法を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することにより本明細書で提供される特定の経口バイオアベイラビリティー値を達成する方法を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することにより本明細書で提供される特定のAUC値を達成する方法を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することにより本明細書で提供される特定のCmax値を達成する方法を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することにより本明細書で提供される特定のTmax値を達成する方法を提供する。
本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与することにより望ましくないまたは制御の効かない細胞増殖に関与する状態を治療する方法を提供する。かかる状態には、例えば、良性腫瘍、原発腫瘍および腫瘍転移などの様々なタイプのがん、血液障害(例えば、白血病、骨髄異形成症候群および鎌状赤血球貧血)、再狭窄(例えば、冠血管、頸動脈、および脳の病変)、内皮細胞の異常な刺激(動脈硬化症)、手術による体組織への侵襲、異常な創傷治癒、異常な血管新生、組織の線維化をもたらす疾患、反復運動障害、高度に血管新生化しない組織の障害、および臓器移植に伴う増殖性反応が含まれる。
特定の実施形態では、良性腫瘍の状態の細胞は、それらの分化した特徴を保持し、完全に制御の効かない方式で分裂しない。良性腫瘍は、局在性および/または非転移性となり得る。本明細書で提供される方法、組成物、および製剤を用いて治療することができる、良性腫瘍の特異的なタイプは、例えば、血管腫、肝細胞腺腫、海綿状血管腫、限局性結節性過形成、聴神経腫瘍、神経線維腫、胆管腺腫、胆管シスタノーマ(cystanoma)、線維腫、脂肪腫、平滑筋腫、中皮腫、奇形腫、粘液腫、結節性再生性過形成、トラコーマおよび化膿性肉芽腫が含まれる。
特定の実施形態では、悪性腫瘍の状態の細胞は分化せず、身体の成長制御シグナルに対して応答せず、かつ/または制御の効かない方式で増殖する。悪性腫瘍は浸潤性となり離れた部位に広がることができ得る(転移性)。悪性腫瘍は2つのカテゴリーに分けることができる。すなわち、原発性および続発性である。原発性腫瘍は、それらが見出される組織から直接生じる。続発性腫瘍または転移は、体内の他の場所で起こっているが、離れた臓器に現在広がっている腫瘍である。よく見られる転移の経路は、隣接した構造への直接の増殖であり、血管系またはリンパ系を通って広がり、組織平面および身体の空間(腹水、脳脊髄液など)に沿って走っている。
メチル化は、細胞制御に重要な意味を持つ遺伝子のサイレンシング(すなわち、エピジェネティックな遺伝子サイレンシング)をもたらすことができ、例えば、結腸直腸がんまたは肺がんを含めて、悪性腫瘍の発症における初期現象となり得る。例えば、M.V.Brockら、N.Engl.J.Med.、2008年、358巻(11号):1118〜28頁;P.M.Dasら、Mol.Cancer、2006年、5巻(28号);G.Giffordら、Clin.Cancer Res.、2004年、10巻:4420〜26頁;J.G.Hermanら、N.Engl.J.Med.、2003年、349巻:2042〜54頁;A.M.Jubbら、J.Pathology、2001年、195巻:111〜34頁を参照のこと。したがって、特定の実施形態では、本明細書の方法は、例えば、異常なDNAメチル化を逆行させることによって、エピジェネティックな遺伝子サイレンシングを防止するまたは逆行させるために、本明細書で提供される経口製剤を用いて提供される。具体的な実施形態では、本明細書で提供される経口製剤は、がんの原因がエピジェネティックな遺伝子サイレンシングである、例えば、家族性ポリポーシスまたは肺がんなどのがんを発症するリスクがある患者においてがんの発症を予防する早期介入のために用いられる。特別な実施形態では、かかる早期介入は、経口投与以外の手段(例えば、IVまたはSC投与)によって実行不可能であるはずである。具体的な実施形態では、本明細書で提供される経口製剤は、例えば、結腸直腸がんまたは非小細胞肺がんなどの早期再発のリスクがある患者においてがんの再発を予防するために早期介入用に用いられる。特定の実施形態では、早期介入は、本明細書に記載した通りの製剤および/または方法を用いて長期の経口投与スケジュールによって達成される。特定の実施形態は、例えば、エピジェネティックな変化により遺伝子サイレンシングのリスクがある患者において、遺伝子サイレンシングの影響を逆行させるために本明細書で提供される経口製剤を投与するための方法を提供する。特別な実施形態では、本明細書で提供される方法は、(例えば、異常なDNAメチル化を逆行させた後、染色質を転写的に活性な構造に回復するために)HDAC阻害剤化合物を投与することをさらに含む。特別な実施形態では、HDAC阻害剤化合物は、標的された治療と相乗的に作用する経口HDAC阻害剤であり、がんに関連するHDACアイソフォーム1、2、および3に選択的である、エンチノスタット(SNDX−275;正式にはMS−275)である。特別な実施形態では、相乗効果は、固形腫瘍の治療(例えば、NSCLC)または血液の悪性疾患(例えば、MDS、CMMoL、またはAML)の治療のために5−アザシチジンおよびHDAC阻害剤(例えば、エチノスタット(etinostat))を同時投与することによって達成される。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法、組成物、および製剤を用いて治療することができる、原発性もしくは続発性の特定のタイプのがんまたは悪性腫瘍には、例えば、白血病、乳がん、皮膚がん、骨がん、前立腺がん、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん)、脳がん、喉頭、胆嚢、膵臓、直腸、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、頭部および頚部、結腸、胃、気管支、腎臓のがん、基底細胞癌、潰瘍形成型および乳頭型両方の有棘細胞癌、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、ベティクルムセルサルコーマ(veticulum cell sarcoma)、骨髄腫、巨細胞腫、胆石、膵島細胞腫瘍、原発性脳腫瘍、急性および慢性リンパ球性および顆粒球性腫瘍、ヘアリーセル腫瘍、腺腫、過形成、髄様癌、褐色細胞腫、ミューコサルニューロンマス(mucosal neuronmas)、腸管神経節腫、過形成性角膜神経腫瘍、マルファン症候群様体質腫瘍、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫腫瘍、子宮頚部異形成およびin situ癌、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、髄芽腫、軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所皮膚病変、菌状息肉症、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、骨原性およびその他の肉腫、悪性高カルシウム血症、腎細胞腫瘍、ポリサイテルミアベラ(polycythermia vera)、腺癌、多形性神経膠芽細胞腫、白血病、リンパ腫、悪性黒色腫、類表皮癌、ならびに他の癌および肉腫が含まれる。
本明細書の特別な実施形態は、例えば、関節手術、腸手術、およびケロイド瘢痕を含めて、例えば、様々な外科的手順のための手術中の体組織への侵襲により異常な細胞増殖を治療するために本明細書で提供される方法、組成物、および製剤を用いて提供される。本明細書で提供される方法、組成物、および製剤を用いて治療することができる臓器移植に関連する増殖応答には、潜在的な臓器拒絶または関連する合併症に寄与するこうした増殖応答が含まれる。特に、これらの増殖応答は、心臓、肺(例えば、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん)、肝臓、腎臓、および他の体の臓器または臓器系の移植中に起こり得る。
特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤中のシチジン類似体の量、その投与方法、または本明細書で記載した通りの治療方法は、本明細書で提供される特定の用量である。特定の実施形態では、経口アザシチジン用量、その投与方法、またはMDSおよびAMLを含むがそれだけに限らない、少なくとも1種の状態の治療方法は、例えば、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約500mg/m2/日、または約120mg/m2/日〜約250mg/m2/日の範囲となり得る。特定の実施形態では、具体的な用量は、例えば、約120mg/m2/日、約140mg/m2/日、約150mg/m2/日、約180mg/m2/日、約200mg/m2/日、約220mg/m2/日、約240mg/m2/日、約250mg/m2/日、約260mg/m2/日、約280mg/m2/日、約300mg/m2/日、約320mg/m2/日、約350mg/m2/日、約380mg/m2/日、約400mg/m2/日、約450mg/m2/日、または約500mg/m2/日である。
特定の実施形態では、適当な生物マーカーは、シチジン類似体を含む医薬組成物の病態に対する効果を決定するまたは予想するおよび投与スケジュールへの指導を提供するために用いることができる。例えば、本明細書の特別な実施形態は、MDSと診断された患者が、患者の核酸メチル化状態を評価することによってシチジン類似体を含む医薬組成物による治療から得られたより大きな利益を得る確率が増加するか否かを決定する方法を提供する。特別な実施形態では、シチジン類似体はアザシチジンである。特別な実施形態では、核酸はDNAまたはRNAである。特別な実施形態では、より大きな利益は、全生存の利益である。特別な実施形態では、メチル化状態は1つもしくは複数の遺伝子、例えば、MDSまたはAMLに関連する遺伝子において試験される。具体的な実施形態は、ベースラインDNAメチル化レベルがアザシチジンで治療したMDS(例えば、高リスクMDS)を伴う患者の全生存に影響を与えるか否かを決定するための方法を含む。具体的な実施形態は、遺伝子プロモーターメチル化レベルが、MDS(例えば、高リスクMDS)を伴う患者の全生存に影響を与えるか否かを決定するための方法を提供する。
例えば、本明細書の具体的な実施形態は、遺伝子メチル化のMDS(例えば、高リスクMDS)を伴う患者における長期の生存に対する影響を評価するための方法を提供する。特別な実施形態では、かかる評価は、例えば、本明細書で提供される通り、シチジン類似体を含む医薬組成物による治療後、MDS(例えば、高リスクMDS)を伴う患者の全生存を予測するために使用される。特別な実施形態では、かかる評価は治療決定のために使用される。具体的な実施形態では、かかる治療決定には、患者の治療を計画するまたは調整すること、例えば、シチジン類似体の投与レジメン、量、および/または投与期間などが含まれる。
特定の実施形態は、例えば、特に遺伝子などのメチル化レベルの分析を用いて、シチジン類似体治療から得られた全生存の利益を得る確率が増加するMDSを診断された個別の患者を同定する方法を提供する。具体的な実施形態では、低いレベルの核酸メチル化は、アザシチジン治療後の全生存の改善を得る確率の増加に関連している。特別な実施形態では、治療後の全生存の改善を得る確率の増加は、例えば、本明細書で提供される通りシチジン類似体を含む医薬組成物を用いた、治療後の全生存の改善を得る確率が少なくとも5%高い、少なくとも10%高い、少なくとも20%高い、少なくとも30%高い、少なくとも40%高い、少なくとも50%高い、少なくとも60%高い、少なくとも70%高い、少なくとも80%高い、少なくとも90%高い、少なくとも少なくとも100%高い、少なくとも125%高い、少なくとも150%高い、少なくとも175%高い、少なくとも200%高い、少なくとも250%高い、少なくとも300%高い、少なくとも400%高い、または少なくとも500%高い。特別な実施形態では、治療後の全生存の改善を得るより高い確率は、MDSを診断された患者の特定の比較母集団の平均確率に比べて確率が高い。具体的な実施形態では、比較母集団は、本明細書に記載した通り個々の骨髄異形成サブタイプで分類された患者群である。一実施形態では、比較母集団は、高リスクMDSを有する患者からなる。特別な実施形態では、比較母集団は特定のIPSS細胞遺伝学的サブグループからなる。
特別な実施形態では、核酸(例えば、DNAまたはRNA)過剰メチル化状態は、当技術分野で知られている任意の方法によって決定することができる。特定の実施形態では、DNA過剰メチル化状態は、例えば、定量リアルタイムメチル化特異的PCR(「qMSP」)を用いることによって、MDSを診断された患者の骨髄穿刺液を用いて決定することができる。特定の実施形態では、メチル化分析は、ゲノムDNAの亜硫酸水素塩転換を使用することができる。例えば、特定の実施形態では、DNAの亜硫酸水素塩処理を用いて、メチル化されたCpG部位を損なわずに、非メチル化CpG部位をUpGに転換する。例えば、Frommer,M.ら、Proc.Nat’l Acad.Scl.USA 1992年、89巻:1827〜31頁を参照のこと。市販のキットは、かかる亜硫酸水素塩処理に用いることができる。特定の実施形態では、メチル化PCRを容易にするため、プライマーは、当技術分野で知られるように、例えば、メチル化状態にかかわらずDNAを増幅するアウタープライマーおよび第1のPCRによって増幅された領域内でメチル化または非メチル化配列に結合するネステッドプライマーがデザインされる。例えば、Liら、Bioinformatics 2002年、18巻:1427〜31頁を参照のこと。特定の実施形態では、プローブは、例えば、メチル化状態にかかわらず亜硫酸水素塩処理されたDNAに結合するプローブがデザインされる。特定の実施形態では、CpGメチル化は、例えば、アウタープライマーを用いて亜硫酸水素塩処理されたDNAのPCR増幅後検出される。特定の実施形態では、初期PCR反応から得られた増幅産物は、メチル化特異的プライマーまたは非メチル化特異的プライマーを用いて、ネステッドPCR反応用の鋳型として使用する。特定の実施形態では、検量線が特定のサンプル中でメチル化分子の百分率を決定するために確立される。核酸メチル化(例えば、RNAまたはDNAメチル化)を検出するための方法は、当技術分野で周知である。例えば、Laird,P.W.、Nature Rev.Cancer 2003年、3巻:253〜66頁;Belinsky,S.A.、Nature Rev.Cancer 2004年、4巻:1〜11頁を参照のこと。
特定の実施形態では、統計解析は、シチジン類似体を含む特定の医薬組成物による治療の潜在的な利益を有する特定のメチル化レベルの影響を評価するために実施される。特定の実施形態では、メチル化の全生存に対する影響は、例えば、コックス比例ハザードモデルおよびカプラン‐マイヤー(KM)法を用いて評価される。
特定の実施形態では、MDSおよび/またはAMLに関連する任意の遺伝子は、患者においてそのメチル化状態について調べることができる。具体的な遺伝子には、それだけには限らないが、CKDN2B(p15)、SOCS1、CDH1(E−カドヘリン)、TP73、およびCTNNA1(α−カテニン)が含まれる。本明細書で開示される方法での使用に適しているMDSおよび/またはAMLに関連する個々の遺伝子は、当技術分野で周知である。
1.1種または複数の付加的治療剤を本明細書に開示される経口製剤と共に同時投与することを含む方法。
本明細書の特定の実施形態は、本明細書に開示される疾患または障害(例えば、異常な細胞増殖に関与する疾患または障害)を治療する方法を提供し、上記方法は、相乗的な治療効果をもたらすために本明細書に開示される経口製剤(例えば、5−アザシチジンを含む経口製剤など)を1種または複数の付加的治療剤(例えば、がん治療剤など)と共に同時投与することを含む。本明細書に開示される方法に有用な具体的な同時投与される治療剤は、明細書を通して開示される。特別な実施形態では、付加的治療剤は、治療上有効な量である量で同時投与される。特別な実施形態では、付加的治療剤は、それが同時投与されるシチジン類似体剤形と別々の剤形として同時投与される。特別な実施形態では、付加的治療剤は、それが同時投与されるシチジン類似体と共に剤形(例えば、単回投与剤形)として同時投与される。かかる場合では、シチジン類似体(例えば、アザシチジン)および付加的治療剤は、本明細書に開示される方法および当技術分野で周知の方法を含めて、原薬を同時に処方する方法を用いて同じ剤形として一緒に同時処方することができる。
参照による組み込み:本明細書を通して参照されるすべての開示(例えば、特許、刊行物、およびウェブページ)は、その全体を参照により組み込む。さらに、以下の開示はまた、その全体を参照により本明細書に組み込む。(1)B.S.Skikne、M.R.Ward、A.Nasser、L.Aukerman、G.Garcia−Maneroによる2008 ASCO poster abstract;および(2)G.Garcia−Manero、M.L.Stoltz、M.R.Ward、H.Kantarjian、and S.Sharma、Leukemia、2008年、22巻、1680〜84頁。
以下に記載の通り、5−アザシチジン錠剤を直接タブレット成形し、続いて場合による密封フィルム被覆および/または腸溶性フィルム被覆によって製造した。表3は、錠剤製剤のそれぞれに用いる添加剤を列挙している。表4は、重量を用いて錠剤の配合組成物を記載している。表5は、百分率を用いて錠剤の配合組成物を記載している。
製剤1は、密封被覆ステップを用いずに製造し、「漏出性の」腸溶性被覆を含んだ腸溶性被膜(enteric coat)にすることができる。タルクを、製剤1用の腸溶性被覆懸濁剤に用いたにすぎなかった。
製剤1を除いて、5−アザシチジンを20%薬物負荷した一般的な混合を用いてすべての錠剤を製造した。ビタミンE TPGS(d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)を5−アザシチジンの吸収を増強するために製剤のいくつかに加えた。ビタミンE TPGSは製剤6に用いなかった。
錠剤を、(密封被覆ステップを行わなかった)製剤1を除いて、図1に記載の方法を用いて製造した。製剤3および6は腸溶性フィルム被覆ステップを行わず、製剤6はビタミンE TPGSを含まなかった。この方法は一般に以下の通り記載される。
マンニトール、ケイ酸化した微結晶セルロース、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウムおよびアザシチジンを個別にふるいにかけて、任意の凝集物の凝集がないことを保証した。ビタミンE TPGSをステンレス網製の容器中で融解し、次いで、そこにケイ酸化した微結晶セルロースの一部を加えた(製剤6では行わない)。ビタミンE TPGS−ケイ酸化した微結晶セルロース混合物を放冷し、次いで、ふるいにかけた。アザシチジン、ビタミンE TPGS−ケイ酸化した微結晶セルロースは混合し、残りのケイ酸化した微結晶セルロース、マンニトールおよびクロスポビドンをV−ブレンダー中で混合した。ステアリン酸マグネシウムをV−ブレンダーに加え、その後さらに混合した。得られた混合物を、標準的な凹型成形用具を用いて錠剤に圧縮した。
ヒドロキシプロピルセルロースをエタノール中に分散させた。密封被覆されている錠剤を調製するためにヒドロキシプロピルセルロース製剤を用いて錠剤コアをスプレー被覆した。
EUDRAGITおよびクエン酸トリエチルを、イソプロパノール−アセトン混合溶媒系に分散させた。EUDRAGIT−クエン酸トリエチル製剤を用いて密封被覆されている錠剤をスプレー被覆した。
アザシチジンの加水分解に対する水性フィルム被覆の効果を評価するために試験を実施した。アザシチジン錠剤を、分解レベルに影響を与えずに水性溶媒を用いてフィルム被覆した。表6に示す通り、有意なレベルのアザシチジン分解生成物は、水性フィルム被覆後に観察されなかった。
実施例1に記載されている通り、表7および本明細書中の他で記載されている、以下の6つの製剤を、以下の実施例に記載されている通り調製し、臨床試験に用いた。
反復投与用量漸増試験(MTD試験;CL005)において、MDSまたはAMLを伴う患者を選択した(選択基準:ECOG PS 0〜2、適当な臓器機能、年齢>18歳)。患者にアザシチジンを複数の28日サイクルで投与した。試験は3+3デザインを有した。サイクル1の間、すべての患者にアザシチジンを75mg/m2×7日間皮下に投与した。(各サイクルの1〜7日目に投与する)その後のサイクルの間、患者にアザシチジンを表8に挙げた用量で経口投与した。PKデータをサイクル1および2の間1日目および7日目に収集し、サイクル4、5および7の間7日目に収集した。PDデータを各サイクルの間収集し、血液反応および/または改善率を各治療サイクルについて評価して生物学的活性用量(BAD)を決定した。現在まで、患者の7つのコホート(1コホート当たり対象3名)を試験し、患者は1人も用量規制毒性(DLT)を示さなかった。各コホートに使用された経口投与量および製剤を表8に列挙した。
アザシチジン75mg/m2SC投与後のサイクル1についてのPKプロファイルを図2に示す。75mg/m2のSC投与後にアザシチジン血漿中濃度から算出した薬物動態パラメーターを表9に示す。
SC(75mg/m2)および様々なPO投与後の血漿PKプロファイルを比較し図3に示す。経口用量の増加は、アザシチジン曝露において用量比例的に増加しなかった。
血液(PBL)および骨髄(BM)サンプルから得られたサイクル1および2におけるメチル化PDデータを得た。コホート4(製剤#3;経口投与量240mg)からの個別の患者から収集されたPDデータを図4および図5に示す。
コホート2の対象番号02004(MDSを伴う61歳男性、MDACC)を、アザシチジンのSCサイクルで治療し、その後120mgのアザシチジン(製剤#1)を初回経口投与した。患者に、製剤#1の場合にサイクル2〜6の間アザシチジン120mgの経口投与量×7日を投与し、その後サイクル7〜12の間アザシチジン180mg×7日を経口投与した。この患者において、アザシチジン75mg/m2のSC投与後、AUC値は1000ng*hr/mLであった。アザシチジン180mg経口投与後、AUC値は330ng*hr/mLであり、およそ33%の曝露をSC投与について観察した(経口バイオアベイラビリティー=30%)。
患者02004から得られたPD反応データを図6に示す。試験期間中に血小板(K/uL)、Hgb(g/dL)、ANC(K/uL)、および相対的BM芽球(%)を採取日に対してプロットする。患者は形態的な完全寛解(CR)を示した。
患者02004の場合、Hgb(スクリーニング時10.8g/dL、1日目に11.1g/dL)、血小板(スクリーニング時および1日目に140K/uL)、ANC(スクリーニング時1.46K/uLおよび1日目に1.12K/uL)、およびベースライン時および1日目にBM芽球(2%)値は、正常値より高かったまたは正常値に近かった。この患者は試験への登録前および試験中輸血(RBCまたはPLC)しないことが必要である日より前に輸血(RBCまたはPLT)をしなかった。IWG 2006基準に準拠して、患者は、完全寛解(CR)を達成した(45日〜74日まで連続28日間すべてのCR基準を満たす)。患者は、IWG AML基準ごとに形態的な完全寛解を達成した。しかし、IWG 2000CR基準のANC状態に関して、患者は、完全寛解の基準を満たさなかった(所要期間連続56日を3日不足)。
患者02007の場合、図5に示す通り、75mg/m2で7日間投与したとき、グレード4の血小板減少および好中球減少を、皮下のアザシチジンによる治療の第1サイクル中に発症した。75mg/m2を7日間SC注射として投与したとき、血球減少の発生は、14日目〜21日目にアザシチジンの既存の安全性プロファイルと一致する時点で起こった。対照的に、サイクル2から開始している経口アザシチジンの投与は、グレード3または4の血球減少をもたらさず、ベースラインレベルを超える血小板の増加をさらにもたらした。このデータは、例えば、本明細書で提供されるいくつかの経口剤形がより長期間にわたり低用量でアザシチジンの送達を可能にし、本明細書で提供されるいくつかの経口剤形がシチジン類似体の安全性プロファイルを変化させるという結論を裏付けている。
MTD試験におけるいくつかの患者についてのIWG基準の評価を以下の表10に示す。データは、とりわけ、実質的に胃内で放出するために配合されたアザシチジン投与後に患者の改善を実証する。
アザシチジンを含む即時放出性経口製剤は、患者におけるバイオアベイラビリティーを実証した。観測はこれまで、経口アザシチジン製剤で治療された患者において陽性の臨床活性を示唆している。安全性の問題は、これまで上記の投与量およびスケジュールで観察されていない。
Rapid Aza Clinical Evaluation(RACE)試験(CL008)と呼ばれる、経口アザシチジン臨床試験を実施した。試験デザインの要約を図7に示す。いくつかの経口製剤を本試験で評価した。患者の「3+7」コホートを本試験に登録した、すなわち、患者3名を製剤ごとに最初に試験し、コホートは患者10名までサイズを増やすことができた。コホートを並行して登録した。PKデータを表11に示される通り定期的に収集した。
製剤#4の結果:製剤4(すなわち、上部胃腸管領域において放出するための腸溶性フィルム被覆されている錠剤)を投与された対象1名の血漿PKプロファイルを図8に示す。AUC(0−t)の値(ng*hr/mL)は以下の通りである。すなわち、75mg/m2(124mg)のSC投与=2390(1日目)および2440(15日目);180mgの経口投与=234;360mgの経口投与=197;および1200mgの経口投与=66.5(17日目)および297(19日目)である。経口投与のTmaxは、2.5時間〜3.0時間に達した。曝露(AUC0−inf)の直線の増加は、180、360、および1200mg経口投与後に観察されなかった。相対的経口バイオアベイラビリティーは、0.8〜6.7%の範囲であった。
製剤#6の結果:製剤6(すなわち、ビタミンEを含まない密封被覆されている即時放出性錠剤)を投与された対象1名の血漿PKプロファイルを図9に示す。AUC(0−∞)の値(ng*hr/mL)は以下の通りである。すなわち、75mg/m2(120mg)のSC投与=1720(1日目)および1640(15日目);180mgの経口投与=231;360mgの経口投与=280;および1200mgの経口投与=543(17日目)および467(19日目)である。経口投与のTmaxは0.5時間〜1.0時間に達した。曝露(AUC0−∞)の直線の増加は、投与量と比例しなかったが、180、360、および1200mg経口投与後に観察された。1200mg経口投与後、AUCはSC投与後のAUCのおよそ30%(すなわち、それぞれ約500および約1,700)であった。
この試験から得られたデータでは、アザシチジンがアザシチジンを含む即時放出性製剤の経口投与後に吸収されたことが示された。アザシチジンのSC投与に比べて、即時放出性アザシチジン製剤は、腸溶性被覆されているアザシチジン製剤より優れた曝露パーセント(例えば、約30%)をもたらした。データは経口アザシチジンの単回もしくは複数回の1日投与量を裏付けている。
異なるアザシチジン製剤および用量に関する臨床試験から得られたデータに基づいて、例えば、その得られたPKプロファイル、AUC値、Cmax値、相対的経口バイオアベイラビリティー値、および曝露値に関して異なる製剤を比較するためにプロットを作成した。比較に使用する経口製剤には、製剤#3(「F3」);製剤#4(「F4」);および製剤#6(「F6」)が含まれ;これらの経口製剤は本明細書の他で(例えば、実施例1および3に)記載している。
製剤3、4および6の比較
図10は、SC(75mg/m2;n=18)および経口投与によってアザシチジンの投与後(直線目盛を用いて)PKプロファイルを比較している。製剤#3について、合計360mgのアザシチジンを経口投与し(n=6);製剤#4について、合計360mgのアザシチジンを経口投与し(n=3);製剤#6について、合計360mgのアザシチジンを経口投与した(n=5)。プロットは、腸溶性被覆されている製剤#4と比べた製剤#3および#6の即時放出特性を図示している。図11は、片対数目盛にプロットした同じデータを示している。
患者にアザシチジンをSC(75mg/m2)で投与し、製剤#3、#4、または#6(「F3」;「F4」;および「F6」;本明細書の他で記載した)を患者当たり投与された、合計180mg、240mg、300mg、360mg、540mg、600mg;720mg、900mg、1080mg、または1200mgアザシチジンと共に経口投与した。結果は、アザシチジンが経口投与後に吸収されることを示した。後述の通り、個々の値を、AUC値、Cmax値、相対的経口バイオアベイラビリティー値、およびSCに比べた(経口の)曝露値を含めて、測定し比較した。
図12は、アザシチジン投与後のAUC値(ng*hr/mL;平均値±SD)を示す。図13は、アザシチジン投与後のCmax値(ng/mL;平均±SD)を示す。(腸溶性被覆されている)製剤#4について、180mg〜1200mgの用量範囲で、投与量の増加は、曝露の増加に相当せず、吸収は不十分であった。製剤#3(ビタミンEを含む即時放出性錠剤)は、180mg〜1200mgの用量範囲で、投与量の増加は曝露の増加に相当した。製剤#6(ビタミンEを含まない即時放出性錠剤)、180mg〜1200mgの用量範囲で、用量の増加は、曝露の増加に相当した。即時放出性製剤#3および#6のTmaxは類似した。すなわち、製剤#3について、Tmax中央値は1.1時間(0.5、2.5時間の範囲)であり;製剤#6について、Tmax中央値は1.0時間(0.5、3.0時間の範囲)であった。
図14は、様々なアザシチジン用量レベルで製剤#3、#4、および#6を経口投与した後の相対的経口バイオアベイラビリティー(%;平均値±SD)を示す。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、(腸溶性被覆されている)製剤#4は、4%未満の平均の相対的経口バイオアベイラビリティーを有した。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、製剤#3(ビタミンEを含む即時放出性)は、11%〜21%の範囲の平均の相対的経口バイオアベイラビリティーを有した。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、製剤#6(ビタミンEを含まない即時放出性)は、11%〜14%の範囲の平均の相対的経口バイオアベイラビリティーを有した。
図15は、様々なアザシチジン投与量レベルで製剤#3、#4、および#6との経口投与した後、曝露(SCに比べた%;平均値±SD)を示す。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、(腸溶性被覆されている)製剤#4は、8%未満の平均的な曝露を有した。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、製剤#3(ビタミンEを含む即時放出性)は、18%〜37%の範囲の平均的な曝露を有した。アザシチジン360mg以下の投与量レベルで、製剤#6(ビタミンEを含まない即時放出性)は、20%〜31%の範囲の平均的な曝露を有した。腸溶性被覆されている製剤#4に比べて、即時放出性製剤#3および#6は、SCに比べて優れた曝露を提供した(総用量360mgで約30%)。
製剤3および6の比較
図16は、製剤#3および#6についての180mgの投与量レベルにおけるアザシチジン血漿中濃度(ng/ml)対時間(時間)の直線目盛プロファイルを示す(n=6)。図17は、製剤#3および#6についての360mgの投与量レベルにおけるアザシチジン血漿中濃度(ng/ml)対時間(hr)の直線目盛プロファイルを示す(n=6)。
図18は、個体(「ind」)のプロットおよび平均アザシチジンAUC(0−inf)(ng*hr/ml)対製剤#3および#6についてのアザシチジン投与量(mg)を線形回帰分析と共に示す。F3およびF6についての線形回帰方程式をプロットにも示す。選択された投与量のためにこれらの方程式を用いて、予想されるAUC(0−inf)(ng*hr/m1)を算出した。算出した値を表12に示す。
図19は、180mg、240mg、300mg、360mg、480mg、600mg、720mg、900mg、1020mg、1080mg、1140mg、および1200mgを含めたアザシチジン経口用量について、製剤#3または#6を投与後の、アザシチジンパーセント相対的経口バイオアベイラビリティー(平均値±SD)対アザシチジン投与量(mg)の比較を示す。1020mg以上の投与量で、製剤#6についての平均の相対的経口バイオアベイラビリティーは9%〜14%の範囲であり、製剤#3についての平均の相対的経口バイオアベイラビリティーは、10%〜21%の範囲であった。
図20は、製剤#3または#6の経口投与後、SCアザシチジン投与(平均値±SD)に比べてアザシチジン経口曝露パーセント対アザシチジン投与量(mg)の比較を示す。アザシチジン経口用量には、180mg、240mg、300mg、360mg、480mg、600mg、720mg、900mg、1020mg、1080mg、1140mg、および1200mgが含まれた。n>1を含む用量で、SCに比べて、製剤#6および#3の平均の曝露は類似した。
DNAメチル化を、本明細書に記載した臨床試験でアザシチジンによって治療した患者の応答をモニターするために生物マーカーとして使用した。分析を(Illumina、Inc.、San Diego、Californiaから市販の)Infiniumアッセイで実施した。BeadChipと組み合わせたInfiniumアッセイによって、ヒトゲノムの変異の大規模な照合が可能になる。例えば、Infinium HumanMethylation27 BeadChipは、27,578CpG遺伝子座の照合を可能にし、14,000個以上の遺伝子を網羅する。DNAメチル化アッセイプロトコルには、以下のステップが含まれる。すなわち、(1)亜硫酸水素塩の転換;(2)DNA増幅;(3)DNA断片化;(4)DNA沈殿;(5)BeadChipとのDNAハイブリッド形成;(6)BeadChipでの延長および染色;および(7)BeadChipの画像処理が含まれた。
メチル化のアッセイを、個別のCpG遺伝子座で亜硫酸水素塩転換DNAをタイピングすることによってメチル化状態を検出するために用いた。メチル化は転換からCを保護し、非メチル化CをTに転換した。1組のビーズに結合したプローブを用いて、ハイブリッド形成によりTまたはCの存在を検出し、続いて、標識されたヌクレオチドで一塩基延長を行った。12個までのサンプルを並行してプロファイルした。血液および骨髄サンプルを収集し、DNAメチル化を並行して分析した。
ベースラインのDNAおよび/またはRNAメチル化レベルが全生存(OS)ならびに遺伝子プロモーターメチル化レベルと治療(例えば、アザシチジンまたは従来の看護レジメン(「CCR」))との相互作用に影響を及ぼすか否かを調べるために試験を実施する。メチル化を、定量リアルタイムメチル化特異的PCR(qMSP)を用いて臨床試験に登録した患者の治療前骨髄穿刺液中の、MDSまたはAMLで事前に評価した5つの遺伝子:CDKN2B(p15)、SOCS1、CDH1(E−カドヘリン)、TP73、およびCTNNA1(α−カテニン)について決定する。メチル化のOSに対する影響を、コックス比例ハザードモデルおよびカプラン−マイヤー(KM)法を用いて評価する。
これらの5つの遺伝子の分析のために十分な核酸を有する(例えば、アザシチジンおよびCCRの場合の)患者の数を決定する。メチル化をCDKN2B、SOCS1、CDH1、TP73、およびCTNNA1の患者の特定の百分率として検出する。治療群間のメチル化レベルの相違を決定する。シチジン類似体(例えば、アザシチジン)治療のためのOSの利点を、これらの5つの遺伝子でのメチル化に対して陽性または陰性である患者について決定する。メチル化の存在がCCR群(良好な成績の予後指標)においてOSの改善に関連するか否かを決定する。任意の効果の存在および大きさを、DNAおよび/またはRNAメチル化と治療との相互作用を示唆し得るシチジン類似体群と比較する。
OSの改善を、これら5つの遺伝子のいずれかでのメチル化を有する患者においてシチジン類似体(例えば、アザシチジン)治療で評価し、メチル化のための死亡のHRを決定する。特定の遺伝子のメチル化の頻度によりメチル化レベルのOSおよび治療効果に対する影響の実験が可能になる。例えば、特定の遺伝子の場合、低レベルのメチル化は、メチル化の非存在と比較して、最も長期のOSおよびシチジン類似体治療から得られた最大のOSの利益に関連し得る。メチル化レベルのOSに対する影響は、それぞれのIPSS細胞遺伝学的なサブグループ(良好、中間、および不十分)において評価することができる。例えば、メチル化のOSに対する影響は、「不十分な」リスク群において最も強力になり得、死亡リスクは最も高い。
かかるデータおよび分析は、例えば、低レベルのメチル化を有する患者がシチジン類似体(例えば、アザシチジン)を含む医薬組成物による治療から得られるより大きな利益を引き出すことができるということが示され得る。分子生物マーカーは、MDSにおいて、例えば、疾患の予後の指標およびエピジェネティックな治療に対する反応の予測指標として、重要となり得る。
5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含む経口製剤の、肺がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)を有する患者を治療する能力を評価するために臨床試験を実施する。かかる試験は、例えば、NSCLC)を有する患者において特定のNSCLC細胞タイプの増殖を停止するまたは逆行させる能力の評価が含まれる。いくつかの臨床試験では、患者を、経口製剤の投与前に、特定のNSCLC細胞タイプ、例えば、A549、H1975、H522、H23、H460、およびH1299について試験する。いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)投与から優先的に利益を受けられることが知られるまたは考えられる細胞タイプを有する患者を登録することができる。いくつかの臨床試験では、NSCLCを有する患者は、特定のNSCLC細胞型を分析せずに登録される。いくつかの臨床試験では、NSCLC細胞の任意のタイプを有する患者は、本明細書で提供される経口製剤による治療の候補者である。
いくつかの臨床試験では、3つの主なNSCLC群のいずれかからの患者、すなわち、(1)外科的に切除可能である腫瘍を有する患者;(2)局所的または局部的に進行した肺がんを有する患者;または(3)診断の時点で遠隔転移を有する患者を登録することができる。いくつかの臨床試験では、患者は、現在、例えば、手術、化学療法、または放射線療法を含めてNSCLCのための追加の治療を受けることができる。
いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与されている患者はまた、1種または複数の付加的治療剤を投与することができ、その例を本明細書に開示している。1種(または複数)の付加的治療剤は、シチジン類似体と同様の経口製剤として投与することも、シチジン類似体を含む経口製剤と併用して(例えば、PO、SCまたはIV投与によって)同時投与することもできる。付加的治療剤のための適当な量および投与スケジュールを当技術分野で周知の方法を用いて個々の患者について決定する。
遺伝子メチル化とNSCLC腫瘍の再発との関連は、当技術分野で知られている。例えば、M.V.Brockら、N.Engl.J.Med.、2008年、358巻(11号):1118〜28頁を参照のこと。したがって、本明細書で提供されるいくつかの臨床試験では、患者を、登録前にスクリーニングし、かつ/またはシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤による治療に対する潜在的な反応を示すDNAまたはRNAメチル化レベルについての試験中にモニターする。いくつかの臨床試験では、高レベルのDNAメチル化(例えば、CpGアイランドメチル化)および/または腫瘍抑制因子遺伝子の転写性サイレンシングの可能性の増加を有する患者は、(例えば、1種または複数のDNAメチルトランスフェラーゼ酵素の活性を軽減することによって)過剰メチル化を防止するまたは逆行させることが知られるまたは考えられる、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を投与することができる。かかる試験では、患者は、エピジェネティックなサイレンシングを軽減することが知られるまたは考えられる1種または複数の付加的治療剤、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させるヒストン残基のアセチル化および脱アセチル化を調節するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する化合物などを同時投与することもできる。例えば、J.G.Herman&S.B.Baylin、N.Engl.J.Med.、2003年、349巻:2042〜54頁;P.A.Jones&S.B.Baylin、Nature Rev.Gen.、2002年、3巻:415〜28頁を参照のこと。本明細書に開示される臨床試験における同時投与のための適当なHDAC阻害剤は、当技術分野で知られているおよび/または本明細書に記載されている(例えば、エンチノスタットまたはボリノスタット)。
臨床試験中に投与される経口製剤中のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)の量は、当技術分野で知られているように、とりわけ、患者のNSCLCの病期および進行、患者の年齢および体重、患者の前の治療レジメン、および他の変数を含めた、例えば、患者の個別の特性に依存する。いくつかの臨床試験では、潜在的な開始用量は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を、1日あたり、例えば、約60mg、約120mg、約180mg、約240mg、約300mg、約360mg、約420mg、約480mg、約540mg、約600mg、約660mg、約720mg、約780mg、約840mg、約900mg、約960mg、約1020mg、又は約1020mg以上で、特定の期間、例えば、約1週間、約1.5週間、約2週間、約2.5週間、約3週間、約3.5週間、約1カ月、約1.5カ月、約2カ月、またはより長期間であり得る。他の潜在的な開始用量および期間は本明細書に開示されている。サイクルは、本明細書に開示される通り、例えば、1カ月または複数の月にわたって、望む通りに繰り返すことができる。ある一定回数のサイクルの後、用量は有益な効果を高めるために増加させることができる、ただし、このような増量は望ましくない毒性を引き起こさない。患者は本明細書に開示される通り、最小限の回数のサイクルの間治療することができる。完全寛解または部分寛解は、さらなる治療サイクルを必要とし得る。患者が利益を受け続ける限り治療は続けることができる。
5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含む経口製剤の(例えば、卵巣がんを有する患者においてがん細胞の増殖を停止させるまたは逆行させる能力を含めた)卵巣がんを有する患者を治療する能力を評価するために臨床試験を実施する。具体的な卵巣がんには、それだけには限らないが、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞細胞腫瘍、および卵巣低悪性潜在性腫瘍が含まれる。いくつかの臨床試験では、患者を、経口製剤の投与前に特定のタイプの卵巣がんの存在についてスクリーニングする。いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)投与から優先的に利益を受けることが知られるまたは考えられる卵巣がんのタイプを伴う患者を登録することができる。いくつかの臨床試験では、卵巣がんを有する患者を、特定の卵巣がんタイプについてのスクリーニングをせずに登録する。いくつかの臨床試験では、卵巣がんのいずれかのタイプを有する患者は、本明細書で提供される経口製剤による治療の候補者である。いくつかの臨床試験では、患者は、例えば、手術、化学療法、または放射線療法を含めた卵巣がんの追加の治療を現在受けることができる。
いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与される患者は、1種または複数の付加的治療剤を投与することもでき、その例を、本明細書に開示している(例えば、カルボプラチン)。1種(複数)の付加的治療剤は、シチジン類似体と同じ経口製剤として投与することも、シチジン類似体を含む経口製剤と併用して(例えば、PO、SCまたはIV投与によって)同時投与することもできる。付加的治療剤のための適当な量および投与スケジュールを当技術分野で周知の方法を用いて個々の患者について決定する。
遺伝子メチル化と卵巣がんとの関連は、当技術分野で知られている。例えば、G.Giffordら、Clin.Cancer Res.、2004年、10巻:4420〜26頁を参照のこと。したがって、本明細書で提供されるいくつかの臨床試験では、患者を、登録前にスクリーニングし、かつ/またはシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤による治療に対する潜在的な反応を示すDNAまたはRNAメチル化レベルについての試験中にモニターする。いくつかの臨床試験では、高レベルのDNAメチル化(例えば、CpGアイランドメチル化)および/または腫瘍抑制因子遺伝子の転写性サイレンシングの可能性の増加を有する患者は、(例えば、1種または複数のDNAメチルトランスフェラーゼ酵素の活性を軽減することによって)過剰メチル化を防止するまたは逆行させることが知られるまたは考えられる、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を投与することができる。かかる試験では、患者は、エピジェネティックなサイレンシングを軽減することが知られるまたは考えられる1種または複数の付加的治療剤、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させるヒストン残基のアセチル化および脱アセチル化を調節するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する化合物などを同時投与することもできる。例えば、J.G.Herman&S.B、Baylin、N.Engl.J..Med.、2003年、349巻:2042〜54頁;P.A.Jones&S.B.Baylin、Nature Rev.Gen.、2002年、3巻:415〜28頁を参照のこと。本明細書に開示される臨床試験での同時投与のための適当なHDAC阻害剤は、当技術分野で知られているおよび/または本明細書に記載されている(例えば、エンチノスタットまたはボリノスタット)。
臨床試験中に投与される経口製剤中のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)の量は、当技術分野で知られている通り、とりわけ、患者の卵巣がんのタイプ、病期および進行、患者の年齢および体重、患者の前の治療レジメン、および他の変数を含めた、例えば、患者の個別の特性に依存する。いくつかの臨床試験では、潜在的な開始用量は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を、一日あたり、例えば、約60mg、約120mg、約180mg、約240mg、約300mg、約360mg、約420mg、約480mg、約540mg、約600mg、約660mg、約720mg、約780mg、約840mg、約900mg、約960mg、約1020mg、又は約1020mg以上で、ある特定の期間、例えば、約1週間、約1.5週間、約2週間、約2.5週間、約3週間、約3.5週間、約1カ月、約1.5カ月、約2カ月、またはより長期間であり得る。他の潜在的な開始用量および期間は本明細書に開示されている。サイクルは、例えば、本明細書に開示される通り、1カ月または複数の月にわたって、望む通りに繰り返すことができる。ある一定回数のサイクルの後、用量は有益な効果を高めるために増加させることができる、ただし、このような増量は望ましくない毒性を引き起こさない。患者は本明細書に開示される通り、最小限の回数のサイクルの間治療することができる。完全寛解または部分寛解は、さらなる治療サイクルを必要とし得る。患者が利益を受け続ける限り治療は続けることができる。
5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含む経口製剤の、(例えば、膵がんを有する患者においてがん細胞の増殖を停止するまたは逆行させる能力を含めた)膵がんを有する患者を治療する能力を評価するために臨床試験を実施する。いくつかの臨床試験では、患者を、経口製剤の投与前に特定のタイプの膵がんに登録する前にスクリーニングする。膵がんの細胞分類は当技術分野で周知であり、例えば、膵管癌;腺房細胞癌;乳頭粘液性癌;印環細胞癌;腺扁平上皮癌;未分化癌;粘液性癌;巨細胞癌;混合型(腺管−内分泌または腺房−内分泌);小細胞癌;嚢胞腺癌(漿液型および粘液型);未分類;膵芽腫;乳頭−嚢胞性新生物(Frantz腫瘍);嚢胞性粘液性新生物または膵管内乳頭粘液性新生物を伴う浸潤性腺癌;異形成を伴う膵粘液性嚢胞腫瘍;異形成を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍;および偽乳頭固形腫瘍が含まれる。いくつかの臨床試験では、経口製剤の投与前に、(例えば、膵臓の腫瘍のサイズなど、がんが広がっているか否か、そうであるなら、体のどの部分まで広がっているか否か)膵がんの特定の病期について登録する前に患者をスクリーニングする。いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)投与から優先的に利益を受けることが考えられる膵がん患者を登録することができる。いくつかの臨床試験では、膵がんを有する患者は、特定の膵がんタイプのためのスクリーニングをせずに登録される。いくつかの臨床試験では、膵がんの任意のタイプを有する患者は、本明細書で提供される経口製剤による治療の候補者である。いくつかの臨床試験では、患者は、例えば、手術、化学療法、または放射線療法を含めた膵がんの追加の治療を現在受けることができる。
いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与されている患者はまた、1種または複数の付加的治療剤を投与することもでき、その例を本明細書に開示している(例えば、ゲムシタビン)。1種(または複数)の付加的治療剤は、シチジン類似体と同じ経口製剤として投与することも、またはシチジン類似体を含む経口製剤と併用して(例えば、PO、SCまたはIV投与によって)同時投与することもできる。付加的治療剤のための適当な量および投与スケジュールを当技術分野で周知の方法を用いて個々の患者について決定する。
本明細書で提供されるいくつかの臨床試験では、患者を登録前にスクリーニングし、かつ/またはシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤による治療に対する潜在的な反応を示すDNAもしくはRNAメチル化レベルについての試験中にモニターする。いくつかの臨床試験では、高レベルのDNAメチル化(例えば、CpGアイランドメチル化)および/または腫瘍抑制因子遺伝子の転写性サイレンシングの可能性の増加を有する患者は、(例えば、1種または複数のDNAメチルトランスフェラーゼ酵素の活性を軽減することによって)過剰メチル化を防止するまたは逆行させることが知られるまたは考えられる、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を投与することができる。かかる試験では、患者は、エピジェネティックなサイレンシングを軽減することが知られるまたは考えられる1種または複数の付加的治療剤、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させるヒストン残基のアセチル化および脱アセチル化を調節するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する化合物などを同時投与することもできる。例えば、J.G.Herman&S.B.Baylin、N.Engl.J.Med.、2003年、349巻:2042〜54頁;P.A.Jones&S.B.Baylin、Nature Rev.Gen.、2002年;3巻:415〜28頁を参照のこと。本明細書に開示される臨床試験において同時投与のための適当なHDAC阻害剤は、当技術分野で知られているおよび/または本明細書に記載されている(例えば、エンチノスタットまたはボリノスタット)。
臨床試験中に投与される経口製剤中のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)の量は、当技術分野で知られている通り、とりわけ、患者の膵がんのタイプ、病期および進行、患者の年齢および体重、患者の前の治療レジメン、および他の変数を含めた、例えば、患者の個別の特性に依存する。いくつかの臨床試験では、潜在的な開始用量は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を、1日あたり、例えば約60mg、約120mg、約180mg、約240mg、約300mg、約360mg、約420mg、約480mg、約540mg、約600mg、約660mg、約720mg、約780mg、約840mg、約900mg、約960mg、約1020mg、又は約1020mg以上で、特定の期間、例えば、約1週間、約1.5週間、約2週間、約2.5週間、約3週間、約3.5週間、約1カ月、約1.5カ月、約2カ月、またはより長期間であり得る。他の潜在的な開始用量および期間は本明細書に開示されている。サイクルは、本明細書に開示される通り、例えば、1カ月または複数の月にわたって、望む通りに繰り返すことができる。ある一定回数のサイクルの後、用量は有益な効果を高めるために増加させることができる、ただし、このような増量は望ましくない毒性を引き起こさない。患者は本明細書に開示される通り、最小限の回数のサイクルの間治療することができる。完全寛解または部分寛解は、さらなる治療サイクルを必要とし得る。患者が利益を受け続ける限り治療は続けることができる。
5−アザシチジンなどのシチジン類似体を含む経口製剤の、(例えば、結腸直腸がんを有する患者においてがん細胞の増殖を停止させるまたは逆行させる能力を含めた)結腸直腸がんを有する患者を治療する能力を評価するために臨床試験を実施する。いくつかの臨床試験では、経口製剤の投与前に特定のタイプの結腸直腸がんの登録前に患者をスクリーニングする。結腸がんの病理組織タイプは当技術分野で周知であり、例えば、腺癌;粘液性(膠様)腺癌;印環腺癌;スキルス腫瘍;および神経内分泌腫瘍が含まれる。結腸および直腸の腫瘍の世界保健機関分類には、(1)腺腫(例えば、管状、絨毛、腺管繊毛、および鋸歯状);慢性炎症性疾患に伴う上皮内新生物(異形成)(例えば、低悪性度腺上皮内新生物および高悪性度腺上皮内新生物);癌(例えば、腺癌、粘液性腺癌、印環細胞癌、小細胞癌、腺扁平上皮癌、髄様癌、および未分化癌);カルチノイド(高分化型神経内分泌新生物)(例えば、腸クロム親和性(EC)−細胞、セロトニン産生新生物、L−細胞、グルカゴン様ペプチドおよび膵臓ポリペプチド/ペプチドYY(PYY)産生腫瘍など);および混合癌−腺癌を含む上皮性腫瘍;および(2)脂肪腫;平滑筋腫;胃腸間葉系腫瘍;平滑筋肉腫;血管肉腫;カポジ肉腫;黒色腫などを含む非上皮性腫瘍;ならびに悪性リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織型の辺縁帯B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、およびバーキット様/異型バーキットリンパ腫が含まれる。いくつかの臨床試験では、経口製剤の投与前に(例えば、結腸または直腸の腫瘍のサイズなど、がんが広がっているか否か、そうであるなら、体のどの部分まで広がっているか否か)結腸直腸がんの特定の病期について登録する前に患者をスクリーニングする。いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)投与から優先的に利益を受けることが考えられる結腸直腸がん患者を登録することができる。いくつかの臨床試験では、結腸直腸がんを有する患者は、特定の結腸直腸がんタイプのためのスクリーニングをせずに登録される。いくつかの臨床試験では、結腸直腸がんの任意のタイプを有する患者は、本明細書で提供される経口製剤による治療の候補者である。いくつかの臨床試験では、患者は、例えば、手術、化学療法、または放射線療法を含めた、結腸直腸がんの追加の治療を現在受けることができる。
いくつかの臨床試験では、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤を投与されている患者はまた、1種または複数の付加的治療剤を投与することもでき、その例を本明細書に開示している。1種(または複数)の付加的治療剤は、シチジン類似体と同じ経口製剤として投与することも、シチジン類似体を含む経口製剤と併用して(例えば、PO、SCまたはIV投与によって)同時投与することもできる。付加的治療剤のための適当な量および投与スケジュールを当技術分野で周知の方法を用いて個々の患者について決定する。
遺伝子メチル化と結腸直腸がんとの関連は、当技術分野で知られている。例えば、A.M.Jubbら、J.Pathol.、2001年、195巻:111〜134頁を参照のこと。したがって、本明細書で提供されるいくつかの臨床試験では、患者を、登録前にスクリーニングし、かつ/またはシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を含む経口製剤による治療に対する潜在的な反応を示すDNAまたはRNAメチル化レベルについての試験中にモニターする。いくつかの臨床試験では、高レベルのDNAメチル化(例えば、CpGアイランドメチル化)および/または腫瘍抑制因子遺伝子の転写性サイレンシングの可能性の増加を有する患者は、(例えば、1種または複数のDNAメチルトランスフェラーゼ酵素の活性を軽減することによって)過剰メチル化を防止するまたは逆行させることが知られるまたは考えられる、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を投与することができる。かかる試験では、患者は、エピジェネティックなサイレンシングを軽減することが知られるまたは考えられる1種または複数の付加的治療剤、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させるヒストン残基のアセチル化および脱アセチル化を調節するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する化合物などを同時投与することもできる。例えば、J.G.Herman&S.B.Baylin、N.Engl.J.Med.、2003年、349巻:2042〜54頁;P.A.Jones&S.B.Baylin、Nature Rev.Gen.、2002年、3巻:415〜28頁を参照のこと。本明細書に開示される臨床試験において同時投与のための適当なHDAC阻害剤は、当技術分野で知られているおよび/または本明細書に記載されている(例えば、エンチノスタットまたはボリノスタット)。
臨床試験中に投与される経口製剤中のシチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)の量は、当技術分野で知られている通り、とりわけ、患者の結腸直腸がんのタイプ、病期および進行、患者の年齢および体重、患者の前の治療レジメン、および他の変数を含めた、例えば、患者の個別の特性に依存する。いくつかの臨床試験では、潜在的な開始用量は、シチジン類似体(例えば、5−アザシチジン)を、1日あたり、例えば、約60mg、約120mg、約180mg、約240mg、約300mg、約360mg、約420mg、約480mg、約540mg、約600mg、約660mg、約720mg、約780mg、約840mg、約900mg、約960mg、約1020mg、又は約1020mg以上で、ある特定の期間、例えば、約1週間、約1.5週間、約2週間、約2.5週間、約3週間、約3.5週間、約1カ月、約1.5カ月、約2カ月、またはより長期間であり得る。他の潜在的な開始用量および期間は本明細書に開示されている。ある一定回数のサイクルの後、用量は有益な効果を高めるために増加させることができる、ただし、このような増量は望ましくない毒性を引き起こさない。患者は、本明細書に開示される通り、最小限の回数のサイクルの間治療することができる。完全寛解または部分寛解は、さらなる治療サイクルを必要とし得る。患者が利益を受け続ける限り治療は続けることができる。
本開示は、特定の実施形態および実施例と関連して記載されているが、別段の指示がない限り、ここに請求する発明がかかる具体的な実施形態および実施例に過度に限られるものではない。