詳細な説明
以下の説明または図面に示す構成要素の構築及び配置の詳細は、限定することを意図するものではない。本発明を実施するための他の実施形態及び異なる方法が明白に含まれる。また、本明細書中で使用する表現及び用語は、説明のためのものであって、限定するものとみなすべきではない。本明細書中の「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、及びそれらの変形の使用は、その後に列挙するアイテム及びその均等物ならびに追加のアイテムを包含することを意味する。
[定義]
用語「変異型IDH2阻害剤」または「IDH2変異体(複数可)阻害剤」とは、分子、例えば、ポリペプチド、ペプチド、もしくは小分子(例えば、1,000ダルトン未満の分子)、またはアプタマーを意味し、IDH2変異体サブユニットに結合し、例えば二量体、例えば変異型IDH2サブユニットのホモ二量体または変異型及び野生型サブユニットのヘテロ二量体の形成を阻害することにより、新規活性を阻害する。いくつかの実施形態では、変異型IDH2阻害剤の非存在下での活性に比べて、新規活性の阻害は、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%である。一実施形態では、変異型IDH2阻害剤は化合物1である。
用語「2HGレベルの上昇」とは、変異型IDH2対立遺伝子を保有していない被験者よりも、変異型IDH2対立遺伝子を保有している被験者において、10%、20%、30%、50%、75%、100%、200%、500%またはそれ以上多くの2HGが存在することを意味する。用語「2HGレベルの上昇」は、細胞内、腫瘍内、腫瘍を含む器官内、または体液内の2HGの量を指す場合がある。
用語「体液」とは、胎児を取り囲む羊水、房水、血液(例えば、血漿)、血清、脳脊髄液、耳垢、糜粥、カウパー腺液、女性射精液、間質液、リンパ液、母乳、粘液(例えば、鼻漏、痰)、胸水、膿、唾液、皮脂、精液、血清、汗、涙、尿、膣分泌物、または嘔吐物のうちの1つ以上を含む。
用語「阻害する」または「予防する」には、完全及び部分的阻害及び予防の両方が含まれる。阻害剤は、意図する標的を完全にまたは部分的に阻害し得る。
用語「被験者」は、ヒト及び非ヒト動物を含むことを意図する。例示的なヒト被験者として、障害、例えば、本明細書に記載の障害を有するヒト患者(患者と称される)または正常な被験者が挙げられる。本発明の一態様の用語「非ヒト動物」は、すべての脊椎動物、例えば非哺乳類(ニワトリ、両生類、爬虫類など)及び哺乳類、例えば非ヒト霊長類、家畜及び/または農業上有用な動物、例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなどを含む。
用語「治療する」とは、疾患/障害(例えば、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄肉腫、多発性骨髄腫、もしくはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)などの進行した血液悪性腫瘍)の発生もしくは進行を低減、抑制、減弱、縮小、抑止、もしくは安定化するか、疾患/障害の重篤度を緩和するか、または疾患/障害に関連する症状を改善することを意味する。
用語「骨髄異形成症候群」とは、血液の細胞成分(赤血球、白血球(リンパ球以外)及び血小板(またはそれらの前駆細胞である巨核球)のうちの1つ以上の産生異常を特徴とする血液学的状態を指す。
用語「再発」とは、治療後に、AMLを含む癌が寛解した患者が、再び癌細胞を有するようになる状況を指す。
用語「難治性または耐性」とは、集中治療後であっても、患者が、体内に残存する癌細胞を有する状況を指す。
障害を治療するのに有効な、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物、またはその多形体を含む化合物の量、または「治療有効量」または「治療有効用量」とは、障害を有する被験者を、そのような治療の非存在下で予想される以上に、治癒、軽減、緩和または改善する際の、被験者への単回または複数回用量の投与に有効な、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物、またはその多形体を含む、化合物の量を指す。
白血病、特にAMLの治療に対する奏効は、AMLの国際ワーキンググループ奏効基準に基づいて評価することができる(Cheson et al. Revised recommendations of the International Working Group for diagnosis, standardization of response criteria, treatment outcomes,and reporting standards for therapeutic trials in acute myeloid leukemia. J Clin Oncol 2003;21(24):4642−9)。
キーワード:AML=急性骨髄性白血病;CR=完全寛解;EMD=髄外疾患;IWG=国際ワーキンググループ;NA=該当なし
MDSについては、骨髄異形成における修正国際ワーキンググループ(IWG)奏効基準に基づいて治療に対する奏効を評価することができる(Cheson,et al.,Blood 2006;108:419−425)
MDSの自然経過を変更するための修正国際ワーキンググループ奏効基準
IWG奏効基準に対する削除は示していない。
ヘモグロビンをg/dLからg/Lに変換するには、g/dLを10倍する。
MDSは骨髄異形成症候群を示す;Hgb、ヘモグロビン;CR、完全寛解;HI、血液学的改善;PR、部分寛解;FAB、French−American−British;AML、急性骨髄性白血病;PFS、無増悪生存;DFS、無病生存。
*異形成の変化は、正常範囲の異形成の変化を考慮する必要がある(変更点)。41
†IWG奏効基準に対する変更点。
‡いくつかの状況では、プロトコール療法は、4週間の期間より前にさらなる治療(例えば、地固め、維持)の開始を必要とする場合がある。そのような患者は、治療開始時点で適合する奏効カテゴリーに含めることができる。反復化学療法コース中の一時的な血球減少は、前回のコースを上回るカウント数に回復する限りにおいては、奏効の持続性を阻むものとみなすべきではない。
血液学的改善のための修正国際ワーキンググループ奏効基準
IWG奏効基準に対する削除は示していない。
ヘモグロビンレベルをg/dLからg/Lに変換するには、g/dLを10倍する。
Hgbはヘモグロビンを示す;RBC、赤血球;HI、血液学的改善。
*前処置は、≧1週間離した(変更点)少なくとも2回の測定の平均をカウントしている(輸血に影響を受けない)。
†IWG奏効基準に対する変更点
‡急性感染、反復化学療法(変更点)、消化管出血、溶血などの別の説明がなされない場合。個々の奏効パターンだけでなく、2種類の赤血球及び血小板の奏効を全体として報告することが推奨される。
本明細書中で使用する場合、ECOGステータスとは、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスのことを指し(Oken M,et al Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group. Am J Clin Oncol 1982;5(6):649−655)、これを以下に示す:
一実施形態では、有効量の本明細書に記載の化合物を投与することを含む、患者の米国東海岸癌臨床試験グループのパフォーマンスステータス(ECOG)を改善するための方法を本明細書で提供する。
さらなる癌治療剤に関して本明細書中で使用する用語「併用投与する」とは、本明細書において提供する化合物とともに追加の癌治療剤を、単一の剤形(例えば、化合物及び上記第二の治療薬を含有する組成物)の一部として、または別個の複数の剤形として投与し得ることを意味する。あるいは、本明細書において提供する化合物の投与の前に、連続して、または後に、さらなる癌治療剤を投与してもよい。そのような併用療法処置では、本明細書において提供する化合物及び第二の治療薬(複数可)の両方を、従来の方法によって投与する。本明細書において提供する化合物及び第二の治療薬の両方を含む組成物を被験者へ投与することは、治療コースの間の別の時点において、前記被験者に同じ治療薬、任意の他の第二の治療薬または本明細書において提供する任意の他の化合物を別個に投与することを必ずしも排除するものではない。追加の癌治療に関して本明細書中で使用する用語「併用投与する」とは、追加の癌治療を、本明細書において提供する化合物の投与の前に、連続して、同時に、または後に行い得ることを意味する。
用語「DNA脱メチル化剤」とは、メチル基のDNAへの転移を阻害する物質を指す。一実施形態では、DNA脱メチル化剤はシチジン類似体である。
本明細書中で言及する用語「シチジン類似体」とは、シチジン類似体の遊離塩基、またはその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、複合体、プロドラッグ、前駆体、代謝産物、及び/または誘導体を包含することを意図する。特定の実施形態では、本明細書で言及するシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、またはその塩、溶媒和物、水和物、共結晶または複合体を包含する。特定の実施形態では、本明細書で言及するシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物を包含する。
本明細書中で使用する用語「他の立体異性体を実質的に含まない」とは、1つ以上の選択した立体中心で、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の選択した立体化学を有する化合物で富化した調製物を意味する。
用語「富化した」とは、少なくとも指定した割合の調製物が、1つ以上の選択した立体中心で選択した立体化学を有する化合物であることを意味する。
用語「結晶性の」とは、高度に規則的な化学構造を有する固体を指す。特に、結晶性の化合物1は、化合物1の1つ以上の単結晶形態として製造してもよい。本願の目的のために、用語「結晶形」、「単結晶形」及び「多形体」は同義語であり;この用語は、異なる特性(例えば、異なるXRPDパターン及び/または異なるDSCスキャン結果)を有する結晶を区別する。用語「多形体」は、疑似多形体を含み、これらは、一般的には物質の異なる溶媒和物であり、したがってその性質は互いに異なる。したがって、化合物1のそれぞれの異なる多形体及び疑似多形体は、本明細書においては明確な単結晶形態であると考えられる。
用語「実質的に結晶性の」とは、少なくとも特定の重量%の結晶性であり得る形態を指す。特定の重量%とは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の任意の百分率である。いくつかの実施形態では、実質的に結晶質とは、少なくとも70%の結晶性である化合物1を指す。他の実施形態では、実質的に結晶性とは、少なくとも90%の結晶性である化合物1を指す。
用語「単離された」とは、化合物の少なくとも特定の重量%の特定の結晶形態であり得る形態を指す。特定の重量%とは、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または90%〜100%の任意の百分率である。
用語「溶媒和物または溶媒和物の」とは、本発明の結晶形を含む化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。特定の場合には、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子を結晶性固体の結晶格子に組み込む場合に単離することができる。「溶媒和物または溶媒和物の」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物として、例えば、水和物、エタノラートまたはメタノラートが挙げられる。
用語「水和物」とは、溶媒分子が所定の化学量論量で存在するH2Oである溶媒和物であり、例えば、半水和物、一水和物、二水和物、または三水和物を含む場合がある。
用語「混合物」は、混合物の相状態(例えば、液体または液体/結晶)にかかわらず、混合物の組合せ要素を指すために用いる。
用語「シーディング」は、再結晶または結晶化を開始させるための結晶性物質の添加を指すために用いる。
用語「貧溶媒」は、その結晶形を含む化合物が難溶性である溶媒を指すために用いる。
用語「薬学的に許容可能な担体またはアジュバント」とは、本発明の一態様の化合物とともに被験者に投与してもよく、その薬理学的活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与する場合に非毒性である担体またはアジュバントを指す。
本明細書中で使用する用語「薬学的に許容可能な塩」とは、その用語が指す化合物の非毒性の酸または塩基付加塩を指す。薬学的に許容可能な塩の例は、Berge et al.,1977,“Pharmaceutically Acceptable Salts.”J.Pharm.Sci.Vol.66,pp.1−19に記載されている。
用語「約(about)」とは、およそ(approximately)、ほぼ(in the region of)、大まかに(roughly)、または大体(around)を意味する。用語「約」を数値範囲とともに使用する場合、この用語はその数値範囲の上及び下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書においては、示す値の上下の数値を10%の分散で変更するために使用する。
化合物
一実施形態では、化合物1は、以下の式:
を有する2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オール、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物、もしくは多形体である。
化合物1は、1つ以上の同位体置換を含む場合もある(「同位体置換体」)。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、及び3H(Tまたはトリチウム)を含む任意の同位体形態であってもよく;Cは、12C、13C、及び14Cを含む任意の同位体形態であってもよく;Oは、16O及び18Oを含む任意の同位体形態であってもよい;などである。例えば、化合物1を、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のH、C及び/またはOの特定の同位体形態で富化する。
特定の実施形態では、化合物1を複数の互変異性体形態で表してもよく、そのような場合、本発明の一態様は、単一の互変異性体形態(例えば、ケト−エノール互変異性体)のみを表し得る場合であっても、本明細書に記載する化合物のすべての互変異性体を含む。そのような化合物1の異性体はすべて本明細書に明示的に含まれる。化合物1の合成は、2013年7月25日に公開された米国公開出願US−2013−0190287−A1に記載されており、その全体を参照として本明細書に援用する。
化合物1の対応する塩、例えば薬学的に許容可能な塩を調製し、精製し、及び/または取り扱うことが好都合または望ましい場合がある。薬学的に許容可能な塩の例は、Berge et al.,1977,“Pharmaceutically Acceptable Salts.”J.Pharm.Sci.Vol.66,pp.1−19に記載されている。
例えば、化合物1がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基を有する(例えば、−NH−が−N−−であり得る)場合、塩を適切なカチオンで形成してもよい。適切な無機カチオンの例として、Na+及びK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+などのアルカリ土類カチオン、及びAl3+などの他のカチオンが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、ならびにリジン及びアルギニンなどのアミノ酸由来のものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH3)4 +である。
化合物1がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基を有する(例えば、−NHRが−NH2R+であり得る)場合、塩を適切なアニオンで形成してもよい。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸に由来するものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸:2−アセチオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び吉草酸由来のものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。一実施形態では、化合物1は、2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールのメシル酸塩を含む。好適な高分子有機アニオンの例として、以下の高分子酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロース由来のものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
したがって、本明細書において提供する方法及び医薬組成物において使用するための化合物1は、化合物1それ自体、ならびにその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物、または多形体を含む。化合物1の代謝産物は、特許出願公開WO2015/006592に開示されており、前記文献はその全体を参照として本明細書に援用する。本明細書において提供する化合物1を、適切な官能性を付加することによって修飾し、プロドラッグに変換して、選択した生物学的特性、例えば、特定の組織への標的化などを高めてもよい。そのような修飾(すなわち、プロドラッグ)は、当該技術分野において公知であり、所定の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を高め、経口利用可能性を高め、溶解性を高めて注射によって投与できるようにし、代謝を変化させ、及び排泄率を変化させるものを含む。プロドラッグの例として、エステル(例えば、リン酸塩、アミノ酸(例えばバリン)エステル)、カルバミン酸塩及び他の薬学的に許容可能な誘導体が挙げられ、被験者への投与の際に活性化合物を提供することができる。
化合物1は、様々な固体形態で存在し得ることが見出されている。一実施形態では、純粋な結晶形態を含む固体形態を本明細書において提供する。別の実施形態では、溶媒和形態及び非晶形を含む固体形態を本明細書において提供する。本開示は、化合物1の特定の固体形態を提供する。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載する形態の化合物1を含む組成物を提供する。提供する組成物のいくつかの実施形態では、化合物1は、1つ以上の固体形態の混合物として存在し;提供する組成物のいくつかの実施形態では、化合物1は、単一の形態で存在する。
一実施形態では、化合物1は、単結晶形態、または本明細書に記載の単結晶形態のいずれか1つである。化合物1の結晶形の合成は、2015年2月5日に公開された国際出願公開WO2015/017821及び2015年2月4日に出願された米国仮出願第61/112,127号に記載されており、両文献はその全体を参照として本明細書に援用する。また、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体もしくは希釈剤を含む医薬組成物;及び化合物1を提供し、この場合化合物1は単結晶形であるか、または本明細書に記載の結晶形のいずれか1つである。また、医薬組成物を調製するための化合物1の使用も提供し、この場合化合物1は、単結晶形態または本明細書に記載の単結晶形態のいずれか1つである。
本明細書において、化合物1の結晶形を記載するための特性情報の分類を提供する。しかしながら、そのような特定の形態が所与の組成物に存在することを決定するために、すべてのそのような情報が当業者にとって必要になるわけではないが、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識するであろう特性情報の任意の部分を使用して特定の形態の決定を達成することができること、例えば、そのような特定の形態が存在することを当業者が認識するのに単一の識別ピークでさえも十分であり得ることを理解すべきである。
一実施形態では、化合物1の少なくとも特定の重量%が結晶性である。特定の重量%は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の任意の百分率であってもよい。化合物1の特定の重量%が結晶性である場合、化合物1の残りは化合物1の非晶形である。結晶性の化合物1の非限定的な例は、化合物1の単結晶形態または異なる単結晶形態の混合物を含む。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも75重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも80重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも83重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも85重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも87重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも90重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも93重量%の結晶性である。いくつかの他の実施形態では、化合物1は少なくとも95重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも97重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも99重量%の結晶性である。
別の実施形態では、結晶性化合物1の特定の重量%は、特定の単結晶形態または単結晶形態の組合せである。特定の重量%は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の任意の百分率であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも75重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は少なくとも80重量%の結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも83重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも85重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも87重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも90重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも93重量%の単結晶形態である。いくつかの他の実施形態では、化合物1は、少なくとも95重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも97重量%の単結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1は、少なくとも99重量%の単結晶形態である。
化合物1の以下の説明において、本発明の実施形態は、本明細書中に記載するような1つ以上の特性を特徴とする化合物1の特定の結晶形態を参照して記載する場合がある。結晶形態を特徴付ける記述を使用して、結晶性の化合物1中に存在し得る異なる結晶形態の混合物を記載する場合がある。しかしながら、化合物1の特定の結晶形態はまた、特定の結晶形態を参照することに関連して、またはそれに関係なく、本明細書に記載の結晶形態の1つ以上によって特徴付けてもよい。
以下に示す詳細な説明及び例示的な実施例によって、結晶形態をさらに説明する。表1〜6に記載のXRPDピークは、データを取得するために使用する機器に応じて±0.2°の幅で変動し得る。表1〜6に記載するXRPDピークの強度は、10%の幅で変動し得る。
形態1
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態1を、図10に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表1に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表1に示すように、多形体を、図10から得られる1つ以上のピークによって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表1に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つまたは9つのピークによって特徴付けることができる。
表1
別の実施形態では、形態1を、8.9、13.0、18.9、23.8、及び28.1°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態1を、8.9、18.9、及び23.8°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。
形態2
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態2を、図11に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表2に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表2に示すように、多形体を、図11から得られるピークの1つ以上によって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表2に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つまたは9つのピークによって特徴付けることができる。
表2
別の実施形態では、形態2を、12.7、17.1、19.2、23.0、及び24.2°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態2を、12.7、19.2、及び24.2°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。
形態3
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態3を、図12に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表3に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表3に示すように、多形体を、図12から得られる1つ以上のピークによって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表3に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つまたは9つのピークによって特徴付けることができる。
表3
別の実施形態では、形態3を、6.8、10.6、13.6、14.2、及び19.2°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態3を、10.6、14.2、及び19.2°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。
形態4
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態4を、図13に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表4に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表4に示すように、多形体を、図13から得られる1つ以上のピークによって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表4に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つまたは9つのピークによって特徴付けることができる。
表4
別の実施形態では、形態4を、7.2、13.6、18.5、19.3、21.9、及び23.5°の2θ角で特定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態4を、13.6、18.5、及び23.5°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。
形態5
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態5を、図14に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表5に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表5に示すように、多形体を、図14から得られる1つ以上のピークによって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表5に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つまたは9つのピークによって特徴付けることができる。
表5
別の実施形態では、形態5を、6.4、8.4、9.8、17.8、及び19.7°の2θ角度で同定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態5を、8.4°及び9.8°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。
形態6
一実施形態では、化合物1の単結晶形態である形態6を、図15に示すX線粉末回折(XRPD)パターン、及びCuKα線を用いて得られる表6に示すデータによって特徴付ける。特定の実施形態では、表6に示すように、多形体を、図15から得られる1つ以上のピークによって特徴付けることができる。例えば、多形体を、表6に示す1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたは7つまたは8つのピークによって特徴付けることができる。
表6
別の実施形態では、形態6を、8.1、14.1、16.4、17.3、20.5、及び24.1°の2θ角で同定されるピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態6を、8.1、16.4、17.3、及び24.1°の2θ角度で同定されるピークによって特徴付けることができる。
[DNA脱メチル化剤]
一実施形態では、本明細書において提供する方法は、1つ以上のDNA脱メチル化剤の投与または併用投与を含む。一実施形態では、DNA脱メチル化剤はシチジン類似体である。特定の実施形態では、シチジン類似体はアザシチジンである)か、または5−アザ−2′−デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施形態では、シチジン類似体はアザシチジンである。特定の実施形態では、シチジン類似体は、5−アザ−2′−デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施形態では、シチジン類似体は、例えば:1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(シタラビンまたはara−C);プソイドイソシチジン(psi ICR);5−フルオロ−2′−デオキシシチジン(FCdR);2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロシチジン(ゲムシタビン);5−アザ−2′−デオキシ−2′,2′−ジフルオロシチジン;5−アザ−2′−デオキシ−2′−フルオロシチジン;1−β−D−リボフラノシル−2(1H)−ピリミジノン(ゼブラリン);2′,3′−ジデオキシ−5−フルオロ−3′−チアシチジン(エムトリバ);2′−シクロシチジン(アンシタビン);1−β−D−アラビノフラノシル−5−アザシトシン(ファザラビンまたはara−AC);6−アザシチジン(6−アザ−CR);5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン(dH−aza−CR);N4−ペンチルオキシ−カルボニル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン(カペシタビン);N4−オクタデシル−シタラビン;またはエライジン酸シタラビンである。特定の実施形態では、シチジン類似体は、シチジンまたはデオキシシチジンに構造的に関連し、シチジンまたはデオキシシチジンの作用を機能的に模倣及び/または拮抗する任意の化合物を含む。
特定の実施形態では、例示的なシチジン類似体は、以下に示す構造を有する:
。
本明細書において提供する方法で使用するためのシチジン類似体は、本明細書中で参照するか、または文献中で利用可能な合成方法及び手順を用いて調製してもよい。例えば、アザシチジン及びデシタビンを合成するための特定の方法は、例えば、米国特許第7,038,038号及びその中に記載されている文献に開示されており、これらの各々は、参照として本明細書に援用する。本明細書において提供する方法において使用するための他のシチジン類似体は、例えば、当該分野で公知の手順を用いて調製してもよく、または商業的供給元から購入してもよい。一実施形態では、本明細書において提供する方法で使用するためのシチジン類似体は、特定の固体形態(例えば、非晶形または結晶形態)で調製してもよい。例えば、2005年5月8日に発行された米国特許第6,887,855号及び2005年9月13日に発行された米国特許第6,943,249号を参照されたい。これらはいずれも、参照としてその全体を本明細書に援用する。
一実施形態では、本明細書において提供する方法で使用するシチジン類似体は、遊離塩基、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物である。一実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は固体である。別の実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、非晶形の固体である。さらに別の実施形態では、遊離塩基または薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、結晶形態の固体である。例えば、特定の実施形態は、固体形態のアザシチジン及びデシタビンを提供し、これらは、例えば、米国特許第6,887,855号;第6,943,249号;第7,038,038号;第7,078,518号;第7,192,781号;第7,772,199号及び米国特許出願公開第2005/027675号に記載される方法に従って調製することができ、これらの文献の各々は、参照としてその全体を本明細書に援用する。他の実施形態では、固体形態のアザシチジン及びデシタビンは、当該分野で公知の他の方法を用いて調製することができる。
一実施形態では、本明細書において提供する方法で使用するシチジン類似体は、シチジン類似体の薬学的に許容可能な塩であり、例えば、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、2−ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、またはウンデカン酸塩が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
アザシチジンは、4−アミノ−1−β−D−リボフラノシル−s−トリアジン−2(1H)−オンであり、VIDAZA(登録商標)(Celgene Corporation)としても知られている。その実験式はC8H12N4O5であり、分子量は244である。アザシチジンは、アセトン、エタノール及びメチルケトンに不溶性の白色〜オフホワイトの固体であり;エタノール/水(50/50)、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールにわずかに溶解し;水、水飽和オクタノール、5%デキストロース/水、N−メチル−2−ピロリドン、生理食塩水及び5%Tween80/水に控えめに溶解し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶である。
VIDAZA(登録商標)は、より高リスクのMDS患者の治療のために承認されている。これは、皮下注射用の懸濁液として再構成するか、または静脈内注入用のさらに希釈した溶液として再構成するために、滅菌形態で供給される。VIDAZA(登録商標)のバイアルは、100mgのアザシチジン及び100mgのマンニトールを滅菌凍結乾燥粉末として含有する。承認された投与スケジュールは、28日間の治療サイクルのうちの連続7日間における1日2回の皮下注射または1日1回の静脈内注入である。
経口アザシチジンは、低リスク骨髄異形成症候群(MDS)及び急性骨髄性白血病(AML)患者において効果的かつ安全である。一実施形態では、MDS患者及びAML患者に使用する用量は、長期投与(28日間の治療サイクルのうちの14日または21日)に基づいて1日1回300mgである。一実施形態では、経口アザシチジンの開始用量は120mgであり、最大耐量は480mgである。
デシタビンは、4−アミノ−1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−1,3,5−トリアジン−2(1H)オンであり、DACOGEN(登録商標)としても知られている。その実験式はC8H12N4O4であり、分子量は228.21である。デシタビンは、明白色〜ほぼ白色の粉末であり、エタノール/水(50/50)、メタノール/水(50/50)及びメタノールにわずかに可溶であり;水に控えめに溶解し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶である。
DACOGEN(商標)は、骨髄異形成症候群の患者の治療のために承認されている。それは、注射用の白色滅菌凍結乾燥粉末として透明な無色ガラスバイアル中に供給される。単回用量として各々20mLであり、ガラスバイアルには、50mgのデシタビン、68mgの第一リン酸カリウム(リン酸二水素カリウム)及び11.6mgの塩酸ナトリウムが含まれる。
組成物及び投与経路
一実施形態では、治療有効量の変異型IDH2阻害剤及びDNA脱メチル化剤を含む医薬組成物を本明細書において提供する。一実施形態では、変異型IDH2阻害剤は化合物1である。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を本明細書において提供する。
一実施形態では、化合物1とアザシチジンを1つの組成物として製剤化する。別の実施形態では、化合物1とアザシチジンを別々の組成物として製剤化する。
一実施形態では、本明細書において提供する方法で利用する化合物は、被験者に投与する前に、薬学的に許容可能な担体またはアジュバントとともに薬学的に許容可能な組成物中に製剤化してもよい。別の実施形態では、そのような薬学的に許容可能な組成物は、本明細書に記載のものを含む疾患または疾患の症状の調節を達成するのに有効な量のさらなる治療薬をさらに含む。
本発明の一態様の医薬組成物に使用してもよい薬学的に許容可能な担体、アジュバント及びビヒクルとして、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネートなどの自己乳化薬物送達システム(SEDDS)、Tweenまたは他の類似のポリマー送達マトリックスなどの医薬剤形で使用する界面活性剤、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、緩衝物質、例えば、リン酸、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。α−、β−、及びγ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、もしくは2−及び3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学修飾誘導体、または他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載の化合物1の送達を高めるために効果的に使用してもよい。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物1及び賦形剤を含む。一実施形態では、化合物1及び賦形剤を含む医薬組成物は経口投与用である。一実施形態では、賦形剤は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、及び/または潤滑剤である。一実施形態では、賦形剤は希釈剤である。一実施形態では、賦形剤は結合剤である。一実施形態では、賦形剤は崩壊剤である。一実施形態では、賦形剤は湿潤剤である。一実施形態では、賦形剤は安定剤である。一実施形態では、賦形剤は流動促進剤である。一実施形態では、賦形剤は潤滑剤である。
一実施形態では、希釈剤は微結晶セルロースである。
一実施形態では、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースである。
一実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。
一実施形態では、湿潤剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
一実施形態では、安定剤は酢酸コハク酸ヒプロメロースである。
一実施形態では、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素である。
一実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物1及び/またはアザシチジンならびに賦形剤を含む。一実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンならびに賦形剤を含む医薬組成物は、経口投与用である。
化合物1及び/またはアザシチジンの経口送達様式として、錠剤、カプセル、カプレット、溶液、懸濁液、及びシロップが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではなく、カプセル化してもしなくてもよい複数の顆粒、ビーズ、散剤またはペレットを含んでもよい。そのような様式はまた、本明細書においては、化合物1及び/またはアザシチジンを含有する「薬物コア」と呼称する場合がある。
本明細書の特定の実施形態は、錠剤またはカプセルである固体経口剤形を提供する。特定の実施形態では、製剤は、化合物1及び/またはアザシチジンを含む錠剤である。特定の実施形態では、製剤は、化合物1及び/またはアザシチジンを含むカプセルである。特定の実施形態では、本明細書において提供する錠剤またはカプセルは、場合により、例えば流動促進剤、希釈剤、潤滑剤、着色剤、崩壊剤、造粒剤、結合剤、ポリマー、及びコーティング剤などの1つ以上の賦形剤を含む。特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤である。特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃の中で活性医薬成分(API)を放出する徐放錠剤である。特定の実施形態では、製剤は硬ゼラチンカプセルである。特定の実施形態では、製剤は軟ゼラチンカプセルである。特定の実施形態では、カプセルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルである。特定の実施形態では、製剤は即時放出カプセルである。特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内でAPIを放出する即時放出または徐放カプセルである。特定の実施形態では、製剤は、投与後に実質的に口中で溶解する迅速崩壊錠剤である。特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、悪性腫瘍を治療するための医薬組成物を調製するための化合物1及び/またはアザシチジンの使用を包含し、この場合経口投与用に組成物を調製する。
本明細書の特定の実施形態は、製剤を経口投与する被験者(例えばヒト)において、特定のAUC値(例えば、AUC(0−t)またはAUC(0−∞))を達成する化合物1及び/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出経口製剤及び/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng−hr/mL、少なくとも約50ng−hr/mL、少なくとも約75ng−hr/mL、少なくとも約100ng−hr/mL、少なくとも約150ng−hr/mL、少なくとも約200ng−hr/mL、少なくとも約250ng−hr/mL、少なくとも約300ng−hr/mL、少なくとも約350ng−hr/mL少なくとも約400ng−hr/mL、少なくとも約450ng−hr/mL、少なくとも約500ng−hr/mL、少なくとも約550ng−hr/mL、少なくとも約600ng−hr/mL、少なくとも約650ng−hr/mL、少なくとも約700ng−hr/mL、少なくとも約750ng−hr/mL、少なくとも約800ng−hr/mL、少なくとも約850ng−hr/mL少なくとも約900ng−hr/mL、少なくとも約950ng−hr/mL、少なくとも約1000ng−hr/mL、少なくとも約1100ng−hr/mL、少なくとも約1200ng−hr/mL、少なくとも約1300ng−hr/mL、少なくとも約1400ng−hr/mL、少なくとも約1500ng−hr/mL、少なくとも約1600ng−hr/mL、少なくとも約1700ng−hr/mL、少なくとも約1800ng−hr/mL、少なくとも約1900ng−hr/mL、少なくとも約2000ng−hr/mL、少なくとも約2250ng−hr/mL、または少なくとも約2500ng−hr/mLのAUC値を達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、AUC測定は、投与後の動物またはヒトボランティアの血液試料から得られる時間−濃度の薬物動態特性から得られる。
本明細書の特定の実施形態は、製剤を経口投与する被験者において、特定の最大血漿濃度(「Cmax」)を達成する化合物1及び/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出経口製剤及び/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約75ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約350ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約550ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約650ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約750ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約850ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約950ng/mL、少なくとも約1000ng/mL、少なくとも約1100ng/mL、少なくとも約1200ng/mL、少なくとも約1300ng/mL、少なくとも約1400ng/mL、少なくとも約1500ng/mL、少なくとも約1600ng/mL、少なくとも約1700ng/mL、少なくとも約1800ng/mL、少なくとも約1900ng/mL、少なくとも約2000ng/mL、少なくとも約2250ng/mL、または少なくとも約2500ng/mLの化合物1及び/またはシチジン類似体のCmaxを達成する経口製剤を提供する。
本明細書の特定の実施形態は、製剤を経口投与する被験者において、特定の時間で最大血漿濃度(「Tmax」)を達成する化合物1及び/またはアザシチジンを含む医薬製剤(例えば、即時放出経口製剤及び/またはAPIを実質的に胃内で放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、約10分未満、約15分未満、約20分未満、約25分未満、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、約60分未満、約65分未満、約70分未満、約75分未満、約80分未満、約85分未満、約90分未満、約95分未満、約100分未満、約105分未満、約110分未満、約115分未満、約120分未満、約130分未満、約140分未満、約150分未満、約160分未満、約170分未満、約180分未満、約190分未満、約200分未満、約210分未満、約220分未満、約230分未満、または約240分未満のシチジン類似体のTmaxを達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、Tmax値は、製剤を経口投与する時点から測定する。
本明細書の特定の実施形態は、化合物1及び/またはアザシチジンを含み、腸溶コーティングを有する経口剤形を提供する。特定の実施形態は、孔を有する透過性または部分的透過性(例えば、「漏出性」)腸溶性コーティングを提供する。特定の実施形態では、透過性または部分透過性腸溶コーティング錠剤は、化合物1及び/またはアザシチジンを実質的に胃内で、即時放出様式で放出する。
経口投与する際に、例えば実質的に胃内で放出させるための、化合物1及び/またはアザシチジンの吸収及び/または有効な送達を最大化するように設計した剤形を本明細書において提供する。したがって、本明細書の特定の実施形態は、経口投与する際に、例えば、実質的に胃内でAPIを即時放出させるように設計した医薬賦形剤を用いた化合物1及び/またはアザシチジンの固体経口剤形を提供する。特定の即時放出製剤は、特定の量の化合物1及び/またはアザシチジンならびに場合により1種以上の賦形剤を含む。特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤または即時放出カプセル(例えば、HPMCカプセルなど)であってもよい。
本明細書において提供する化合物1及び/またはアザシチジン(例えば、実質的に胃内でAPIを放出する即時放出経口製剤及び/または製剤)を含む、本明細書において提供する製剤の製造方法を本明細書において提供する。特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、例えば、関連する教科書に記載されているように、医薬製剤分野の当業者に公知の従来の方法を用いて調製してもよい。例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott Williams&Wilkins,(2000);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Edition,Lippincott Williams&Wilkins,(1999);Gibson,Pharmaceutical Preformulation and Formulation,CRC Press(2001)参照。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤(例えば、即時放出経口製剤、実質的に胃内でAPIを放出する製剤、または実質的に口中で溶解する迅速崩壊製剤)は、特定の量の化合物1及び/またはアザシチジンを含む。特定の実施形態では、製剤中の化合物1及び/またはアザシチジンの特定の量は、例えば、約10mgである。一実施形態では、特定の量は約20mgである。一実施形態では、特定の量は約40mgである。一実施形態では、特定の量は約60mgである。一実施形態では、特定の量は約80mgである。一実施形態では、特定の量は約100mgである。一実施形態では、特定の量は約120mgである。一実施形態では、特定の量は約140mgである。一実施形態では、特定の量は約160mgである。一実施形態では、特定の量は約180mgである。一実施形態では、特定の量は約200mgである。一実施形態では、特定の量は約220mgである。一実施形態では、特定の量は約240mgである。一実施形態では、特定の量は約260mgである。一実施形態では、特定の量は約280mgである。一実施形態では、特定の量は約300mgである。一実施形態では、特定の量は約320mgである。一実施形態では、特定の量は約340mgである。一実施形態では、特定の量は約360mgである。一実施形態では、特定の量は約380mgである。一実施形態では、特定の量は約400mgである。一実施形態では、特定の量は約420mgである。一実施形態では、特定の量は約440mgである。一実施形態では、特定の量は約460mgである。一実施形態では、特定の量は約480mgである。一実施形態では、特定の量は約500mgである。一実施形態では、特定の量は約600mgである。一実施形態では、特定の量は約700mgである。一実施形態では、特定の量は約800mgである。一実施形態では、特定の量は約900mgである。一実施形態では、特定の量は約1000mgである。一実施形態では、特定の量は約1100mgである。一実施形態では、特定の量は約1200mgである。一実施形態では、特定の量は約1300mgである。一実施形態では、特定の量は約1400mgである。一実施形態では、特定の量は約1500mgである。一実施形態では、特定の量は約1600mgである。一実施形態では、特定の量は約1700mgである。一実施形態では、特定の量は約1800mgである。一実施形態では、特定の量は約1900mgである。一実施形態では、特定の量は約2000mgである。一実施形態では、特定の量は約2100mgである。一実施形態では、特定の量は約2200mgである。一実施形態では、特定の量は約2300mgである。一実施形態では、特定の量は約2400mgである。一実施形態では、特定の量は約2500mgである。一実施形態では、特定の量は約3000mgである。一実施形態では、特定の量は約4000mgである。一実施形態では、特定の量は約5000mgである。
特定の実施形態では、製剤は、錠剤であり、錠剤は、標準的な当該技術分野で認識されている錠剤処理手順及び装置を使用して製造する。特定の実施形態では、錠剤を形成する方法は、化合物1及び/またはアザシチジンを単独で、または1つ以上の賦形剤、例えば担体、添加剤、ポリマーなどとの組合せで含む粉末、結晶及び/または顆粒状組成物の直接圧縮である。特定の実施形態では、直接圧縮の代替として、湿式造粒法または乾式造粒法を用いて錠剤を調製してもよい。特定の実施形態では、錠剤は、湿性のまたは他の取り扱いが容易な材料から出発して、圧縮ではなく成形する。特定の実施形態では、圧縮及び造粒技術を使用する。
特定の実施形態では、製剤はカプセルであり、当該技術分野で認識されている標準的なカプセル処理手順及び装置を使用してカプセルを製造してもよい。特定の実施形態では、軟ゼラチンカプセルを調製してもよく、その内部でカプセルは、化合物1及び/またはシチジン類似体及び植物油の混合物または非水性の水混和性物質、例えばポリエチレングリコールなどを含む。特定の実施形態では、化合物1及び/またはシチジン類似体の顆粒を、固体粉末担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチンとの組合せで含有する硬ゼラチンカプセルを調製してもよい。特定の実施形態では、硬質ゼラチンカプセルのシェルは、ゼラチン及びグリセロールなどの少量の可塑剤を含むカプセル組成物から調製してもよい。特定の実施形態では、ゼラチンの代替物として、カプセルシェルは炭水化物材料製であってもよい。特定の実施形態では、カプセル組成物は、必要に応じて、ポリマー、着色剤、着香剤及び乳白剤をさらに含む場合がある。特定の実施形態では、カプセルはHPMCを含む。
特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンの製剤を、アザシチジンの有意な加水分解を引き起こさない水性溶媒を用いて調製する。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンの製剤は、製剤中のアザシチジンの有意な加水分解を引き起こさない水性溶媒を用いて薬物コアにコーティングを施した錠剤である。特定の実施形態では、薬物コアのコーティング用の溶媒として水を使用する。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンの経口剤形は、水性溶媒を用いて薬物コアに塗布したフィルムコーティングを含む錠剤である。特定の実施形態では、フィルムコーティング用の溶媒として水を使用する。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンを含有する錠剤を、医薬組成物の分解を伴わない水性溶媒を用いてフィルムコーティングする。特定の実施形態では、医薬組成物の分解を伴わないフィルムコーティング溶媒として、水を使用する。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンならびに水性フィルムコーティングを有する経口剤形は、経口送達の際に即時薬物放出をもたらす。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンならびに水性フィルムコーティングを有する経口剤形は、経口投与の際に上部胃腸管、例えば胃へ薬物を徐放する。特定の実施形態では、水性フィルムコーティングを有する錠剤は、APIとして化合物1及び/またはアザシチジンを含む。
特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンを実質的に胃内で放出するアザシチジンの経口投与のための徐放医薬製剤であって、a)特定の量の化合物1及び/またはアザシチジン;b)化合物1及び/またはアザシチジンの実質的に上部胃腸管、例えば胃における放出を制御するための薬剤放出調節成分;ならびにc)場合により1種以上の賦形剤、を含む徐放医薬製剤を本明細書において提供する。特定の実施形態では、化合物1及び/またはアザシチジンを含む経口剤形は、医薬組成物及び任意の賦形剤を含む薬物コアを含む徐放錠剤またはカプセル剤として調製する。場合により、「シールコート」または「シェル」を塗布する。特定の実施形態では、本明細書において提供する化合物1及び/またはアザシチジンを含む本明細書で提供する製剤は、治療有効量の化合物1及び/またはアザシチジン、経口投与する際に実質的に胃内において化合物1及び/またはアザシチジンの放出を調節する薬物放出調節成分、ならびに場合により1つ以上の賦形剤を含む徐放錠剤またはカプセルである。
特定の実施形態は、ポリマーマトリックスである薬物放出調節成分を提供し、これは、胃液への曝露の際に膨潤して製剤の胃内滞留をもたらすとともに、化合物1及び/またはアザシチジンの実質的に胃内におけるポリマーマトリックスからの持続放出をもたらす。特定の実施形態では、そのような製剤は、製剤中に、化合物1及び/またはアザシチジンを適切なポリマーマトリックスに組み込むことによって調製してもよい。そのような製剤の例は、当該技術分野で公知である。例えば、Shellらの米国特許出願公開第2002/0051820号(出願番号09/990,061);Shellらの米国特許公開第2003/0039688号(出願番号10/045,823);Guslerらの米国特許公開第2003/0104053号(出願番号10/029,134)を参照されたく、各々の文献はその全体を参照として本明細書に援用する。
特定の実施形態では、薬物放出調節成分は、薬物含有コアを取り囲むシェルを含む場合があり、シェルは、例えば、化合物1及び/またはアザシチジンがコアから拡散できるようにするとともに、胃液への曝露の際に膨潤して胃内に滞留する大きさに変化することにより製剤の胃内滞留を促進することによって、化合物1及び/またはアザシチジンをコアから放出させる。特定の実施形態では、そのような製剤は、まず、化合物1及び/またはアザシチジンならびに1つ以上の賦形剤の混合物を圧縮して薬物コアを形成し、薬物コア全体に別の粉末混合物を圧縮してシェルを形成するか、適切な材料で作られたカプセルシェルで薬物コアを取り囲むことによって調製してもよい。そのような製剤の例は、当該技術分野で公知である。Bernerらの米国特許公開第2003/0104062号 出願番号10/213,823)を参照されたく、前記文献はその全体を参照として本明細書に援用する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する医薬製剤は、化合物1及び/またはアザシチジン、ならびに任意に「薬物コア」を形成するための1つ以上の賦形剤を含む。任意の賦形剤として、例えば当該技術分野で公知の、例えば、希釈剤(増量剤)、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤、結合剤、賦形剤担体、流動促進剤、浸透促進賦形剤、可塑剤などが挙げられる。当業者であれば、いくつかの物質は、医薬組成物において2つ以上の目的を果たすことを理解するであろう。例えば、いくつかの物質は、圧縮後に錠剤を一緒に保持するのに役立つ結合剤であるとともに、標的送達部位に達すると錠剤を壊すのに役立つ崩壊剤でもある。賦形剤の選択及び使用量の選択は、当該技術分野で利用可能な標準的な手順及び参考作業の経験及び考察に基づいて、製剤化する科学者によって容易に決定され得る。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の結合剤を含む。結合剤は、例えば、錠剤に凝集性を付与するために使用してもよく、したがって圧縮後に錠剤が損なわれないことを保証する。好適な結合剤として、デンプン(トウモロコシデンプン及びアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロース及びラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然及び合成ガム、例えば、アラビアゴム・アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを含む)、ビーガム、カルボマー(例えばカルボポール)、ナトリウム、デキストリン、グアーガム、水添植物油、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、コリドン、プラスドン)、微結晶セルロースなどが挙げられるが、これらに限定されない。結合剤としてはまた、例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、カラギーナン、酢酸フタル酸セルロース、セラトニア、キトサン、粉砂糖、コポビドン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、イヌリン、ラクトース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸、スクロース、及びゼインが挙げられる。結合剤は、薬物コアに対して、適切に決定する場合、薬物コアの約2%w/w;薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約34%w/w、薬物コアの約36%w/w、薬物コアの約38%w/w、薬物コアの約40%、薬物コアの約42%w/w、薬物コアの約44%w/w、薬物コアの約46%w/w、薬物コアの約48%w/w、薬物コアの約50%w/w、薬物コアの約52%w/w、薬物コアの約54%w/w、薬物コアの約56%w/w、薬物コアの約58%w/w、薬物コアの約60%w/w、薬物コアの約62%w/w、薬物コアの約64%w/w、薬物コアの約66%w/w;薬物コアの約68%w/w、薬物コアの約70%w/w、薬物コアの約72%w/w、薬物コアの約74%w/w、薬物コアの約76%w/w、薬物コアの約78%w/w、薬物コアの約80%w/w、薬物コアの約82%w/w、薬物コアの約84%w/w、薬物コアの86%w/w、薬物コアの約88%w/w、薬物コアの約90%w/w、薬物コアの約92%w/w、薬物コアの約94%w/w、薬物コアの約96%w/w、薬物コアの約98%w/w、またはそれ以上の量であり得る。特定の実施形態では、特定の結合剤の適切な量は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の希釈剤を含む。希釈剤を用いて、例えば、実用的なサイズの錠剤を最終的に提供するために容積を増加させてもよい。好適な希釈剤として、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、微結晶セルロース(例えばAVICEL)、ミクロファインセルロース、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、砂糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT)、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクなどが挙げられる。希釈剤としてはまた、例えば、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸セルロース、圧縮糖、粉砂糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、パルミトステアリン酸グリセリル、イソマルト、カオリン、ラシトール、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マルトース、中鎖トリグリセリド、微結晶セルロース、微結晶ケイ化セルロース、パワードセルロース、ポリデキストロース、ポリメチルアクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、タルク、トラガント、トレハロース、及びキシリトールなども挙げられる。希釈剤は、錠剤またはカプセルの所望の容量を得るために計算した量で使用してもよく;特定の実施形態では、希釈剤を、重量/重量で、薬物コアの約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約22%以上、約24%以上、約26%以上、約28%以上、約30%以上、約32%以上、約34%以上、約36%以上、約38%以上、約40%以上、約42%以上、約44%以上、約46%以上、約48%以上、約50%以上、約52%以上、約54%以上、約56%以上、約58%以上、約60%以上、約62%以上、約64%以上、約68%以上、約70%以上、約72%以上、約74%以上、約76%以上、約78%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上;薬物コアの約10%〜約90%w/w;薬物コアの約20%〜約80%w/w;薬物コアの約30%〜約70%w/w;薬物コアの約40%〜約60%w/wの量で使用する。特定の実施形態では、適切な量の特定の希釈剤は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の潤滑剤を含む。潤滑剤は、例えば、錠剤製造を容易にするために使用してもよく;好適な潤滑剤の例として、例えば、植物油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びカカオ植物油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ならびにステアリン酸が挙げられる。特定の実施形態では、ステアリン酸塩は、存在する場合、薬物含有コアのおよそ2重量%以下に相当する。潤滑剤のさらなる例として、例えば、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。特定の実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。特定の実施形態では、潤滑剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約0.2%w/w、薬物コアの約0.4%w/w、薬物コアの約0.6%w/w、薬物コアの約0.8%w/w、薬物コアの約1.0%w/w、薬物コアの約1.2%w/w、薬物コアの約1.4%w/w、薬物コアの約1.6%w/w、薬物コアの約1.8%w/w、薬物コアの約2.0%w/w、薬物コアの約2.2%w/w、薬物コアの約2.4%w/w、薬物コアの約2.6%w/w、薬物コアの約2.8%w/w、薬物コアの約3.0%w/w、薬物コアの約3.5%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約4.5%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約25%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約35%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約0.2%w/w〜10%w/w、薬物コアの約0.5%〜約5%w/w、または薬物コアの約1%〜約3%w/wの量で存在する。特定の実施形態では、特定の潤滑剤の適切な量は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、錠剤の崩壊を容易にするために使用してもよく、例えば、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ゴムまたは架橋ポリマーであってもよい。崩壊剤としてはまた、例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL、PRIMELLOSE)、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON、POLYPLASDONE)、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、EXPLOTAB)及びデンプンが挙げられる。さらなる崩壊剤として、例えば、アルギン酸カルシウム、キトサン、ドキュセートナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポビドンが挙げられる。特定の実施形態では、崩壊剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約32%w/w超、薬物コアの約1%〜約10%w/w、薬物コアの約2%〜約8%w/w、薬物コアの約3%〜約7%w/w、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態では、特定の崩壊剤の適切な量は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の安定剤を含む。例えば、酸化反応を含む薬剤分解反応を阻害または遅延させるために、安定剤(吸収促進薬とも呼ばれる)を使用してもよい。安定剤として、例えば、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンE TPGS)、アカシア、アルブミン、アルギン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベントナイト、ブチルヒドロキシトルエン、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セラトニア、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、ジエタノールアミン、エデト酸塩、エチルセルロース、パルミトステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、転化糖、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モノエタノールアミン、ペクチン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、ポラクリリンカリウム、ポビドン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ラフィノース、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール、ステアリルアルコール、スルホブチル−b−シクロデキストリン、トレハロース、白蝋、キサンタンガム、キシリトール、黄蝋、及び酢酸亜鉛が挙げられる。特定の実施形態では、安定剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%〜約10%w/w、薬物コアの約2%〜約8%w/w、薬物コアの約3%〜約7%w/w、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態では、特定の安定剤の適切な量は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、粉末組成物もしくは顆粒の流動特性を改善するために、または投与の精度を改善するために使用してもよい。流動促進剤として機能し得る賦形剤として、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、第三リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、粉末セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、デンプン、第三リン酸カルシウム、及びタルクが挙げられる。特定の実施形態では、流動促進剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w未満、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w未満、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%〜約10%w/w、薬物コアの約2%〜約8%w/w、薬物コアの約3%〜約7%w/w、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの量で存在する。特定の実施形態では、特定の流動促進剤の適切な量は、当業者が決定する。
特定の実施形態では、本明細書において提供する製剤は、1つ以上の透過促進剤(例えば、浸透性増大剤とも呼ばれる)を含む。特定の実施形態では、透過促進剤は、胃腸壁(例えば、胃)を通るアザシチジンの取り込みを促進する。特定の実施形態では、透過促進剤は、血流に入るアザシチジンの速度及び/または量を変化させる。特定の実施形態では、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンE TPGS)を透過促進剤として使用する。特定の実施形態では、例えば当該技術分野で公知の任意の透過促進剤を含む1つ以上の他の適切な透過促進剤を使用する。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所的に、直腸内、鼻内、頬側、膣内または移植リザーバーを介して、好ましくは経口投与または注射による投与によって投与してもよい。一実施形態では、医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルを含み得る。いくつかの場合では、薬学的に許容可能な酸、塩基または緩衝液を用いて製剤のpHを調節し、製剤化した化合物またはその送達形態の安定性を高めてもよい。本明細書において使用する非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内及び頭蓋内注射または注入技術を含む。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物は、例えば、滅菌注射用の水性または油性懸濁液などの滅菌注射用製剤の形態であってもよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween 80など)及び懸濁化剤を用いて、当該技術分野で公知の技術によって製剤化してもよい。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。使用し得る許容可能なビヒクル及び溶媒としては、マンニトール、水、リンガー溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の低刺激性の固定油を使用してもよい。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、オリーブ油またはヒマシ油のような天然の薬学的に許容可能な油、特にそのポリオキシエチル化型において、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはエマルジョン及び/または懸濁液のような薬学的に許容可能な剤形の製剤に一般的に使用されるカルボキシメチルセルロースもしくは同様の分散剤を含む場合がある。他の一般的に使用される界面活性剤、例えばTweenまたはSpan、及び/または薬学的に許容可能な固体、液体または他の剤形の製造に一般的に使用される他の同様の乳化剤またはバイオアベイラビリティーエンハンサーも、製剤化を目的として使用してもよい。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物はまた、直腸投与のための坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、本発明の一態様の化合物と、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸で溶融して活性成分を放出する適切な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製することができる。そのような材料として、カカオバター、蜜ろう及びポリエチレングリコールが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
本明細書において提供する医薬組成物の局所投与は、所望の治療が局所塗布によって容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合に有用である。皮膚に局所的に塗布するために、医薬組成物を、担体に懸濁または溶解した活性成分を含有する適切な軟膏とともに製剤化するべきである。本発明の一態様の化合物の局所投与のための担体として、鉱油、液化石油、白油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。あるいは、医薬組成物は、適切な乳化剤を用いて担体に懸濁または溶解した活性化合物を含有する適切なローションまたはクリームで製剤化することができる。好適な担体として、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。本明細書において提供する医薬組成物はまた、直腸坐剤製剤または適切な浣腸製剤によって、下部腸管に局所塗布してもよい。局所的経皮パッチもまた、本明細書に含まれる。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物を、点鼻液または鼻腔吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術によって調製し、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/または当該技術分野で公知の他の可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製してもよい。
本明細書において提供する組成物が、化合物1とアザシチジンの組合せを含む場合、化合物1及びアザシチジンの両方は、通常、単剤療法レジメンで投与する用量の約1〜100%、より好ましくは約5〜95%の用量レベルで存在すべきである。アザシチジンは、本発明の一態様の化合物から、複数回投与計画の一部として別々に投与してもよい。あるいは、アザシチジンは、単一組成物中で化合物1と一緒に混合した単一剤形の一部であってもよい。
一実施形態では、本明細書において提供する組成物は、例えば、注射により、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、もしくは皮下へ;または経口、口腔内、鼻内、経粘膜、局所的に、眼科用薬剤において、もしくは吸入によって、約0.5〜約100mg/kg体重の範囲の用量で、あるいは1mg〜1000mg/用量で、4〜120時間ごとに、または特定の薬物の必要性に応じて、投与することができる。本明細書における方法は、所望の、または記載する効果を達成するための化合物または化合物組成物の有効量の投与を企図する。一実施形態では、医薬組成物を、1日あたり約1〜約6回、あるいは連続注入で投与する。そのような投与は、慢性または急性療法として使用することができる。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせてもよい活性成分の量は、治療する宿主及び特定の投与様式に応じて様々に異なる。一般的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物を含有する(w/w)。あるいは、そのような製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
上記に列挙した用量よりも低いまたは高い用量が必要とされる場合がある。特定の被験者の具体的な用量及び治療計画は、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、疾患、病態または症状の重症度及び経過、疾患、病態または症状に対する被験者の性向等の様々な要因、及び治療する医師の判断に依存する。
被験者の病態が改善した場合、必要に応じて、本明細書において提供する化合物、組成物または合剤の維持用量を投与してもよい。続いて、用量もしくは投与頻度またはその両方を、症状の関数として、症状が所望のレベルまで軽減された場合にその改善した病態が維持されるレベルまで低下させてもよい。しかしながら、被験者は、疾患症状の再発時には、長期間の断続的な治療を必要とする場合がある。
[使用方法]
一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによる血液悪性腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。いくつかのそのような実施形態において、血液悪性腫瘍は、進行性の血液悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、治療する血液悪性腫瘍はAMLである。いくつかの実施形態では、治療する血液悪性腫瘍は、新たに診断されたAMLである。
一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによる再発性または難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによる、再発性AMLの治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによる、難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。
いくつかの実施形態では、治療する血液悪性腫瘍はMDSである。一実施形態では、MDSは、以下の障害:不応性貧血(RA);環状鉄芽球を伴うRA(RARS);芽球増加を伴うRA(RAEB);多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD);分類不可能な骨髄異形成症候群(MDS−U);単離された(5q)染色体欠失異常に関連する骨髄異形成症候群、治療関連骨髄新生物及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)から選択される。
一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによるMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は不応性貧血(RA)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、芽球増加を伴うRA(RAEB)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、分類不可能な骨髄異形成症候群(MDS−U)である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、単離された(5q)染色体欠失異常に関連する骨髄異形成症候群である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、治療関連骨髄新生物である。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。
一実施形態では、MDSは低リスクMDS及び高リスクMDSから選択される。
特定の実施形態では、低リスクMDS及び高リスクMDSは、最も一般的には芽球の割合、細胞遺伝学的リスク群、及び血球減少に基づくが、年齢、全身状態、輸血の必要性、及び他の臨床的(及びますます分子的な)要因も含む場合がある予後システムによって決定する。
特定の実施形態では、高リスクMDSを有する患者は、International Pregnostic Scoring System(IPSS)カテゴリーのIntermediate−2及びHigh群に分類され、主として、IPSS−R群のVery High、High、及び、場合によりIntermediateに対応し、これは多くの場合、芽球増加を伴う不応性貧血の世界保健機関(WHO)組織学分類の亜型である(RAEB)−1及びRAEB−2に相当し、全生存期間中央値は<2年であることが予想される。高リスクMDS(INT−2/High IPSSまたはHigh/Very high IPSS−Rスコア)を有する患者は、AMLへの進行の確率がそれぞれ33%〜45%であり、介入なしでの約12か月の生存期間中央値を有する(Greenberg et al. Clinical application and proposal for modification of the International Working Group (IWG) response criteria in myelodysplasia. Blood 2006;108(2):419−25 1997)。
いくつかの実施形態では、治療する血液悪性腫瘍は、高リスクMDSである。
一実施形態では、変異型IDH2阻害剤とDNA脱メチル化剤を併用して被験者に投与することによる固形腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、変異型IDH2阻害剤は化合物1である。一実施形態では、化合物1は、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物、または多形体を包含する。
一実施形態では、DNA脱メチル化剤はアザシチジンである。
一実施形態では、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物などの進行性の血液悪性腫瘍の治療方法であって、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする新規に診断されたAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする再発性または難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする高リスクMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物などの進行性の血液悪性腫瘍の治療方法であって、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、化合物1の単結晶形態は、90%〜100%の任意の割合の純度である。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする新たに診断されたAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする再発性または難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする高リスクMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物などの進行性の血液悪性腫瘍の治療方法であって、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする新たに診断されたAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする再発性または難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする高リスクMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物などの進行性の血液悪性腫瘍の治療方法であって、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、化合物1の単結晶形態は、90%〜100%の任意の割合の純度である。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする再発性または難治性AMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする新規に診断されたAMLの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とするMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、IDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする高リスクMDSの治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、神経膠腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管癌、肉腫、または非小細胞肺癌などの固形腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを被験者に投与することを含む、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、神経膠腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管癌、肉腫、または非小細胞肺癌などの固形腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、化合物1の単結晶形態は、90%〜100%の任意の割合の純度である。
一実施形態では、治療有効量の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、神経膠腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管癌、肉腫、または非小細胞肺癌などの固形腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。
一実施形態では、治療有効量の単結晶形態の化合物1及びアザシチジンを含む医薬組成物を被験者に投与することを含む、それぞれIDH2の変異型対立遺伝子の存在を特徴とする、神経膠腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管癌、肉腫、または非小細胞肺癌などの固形腫瘍の治療方法を本明細書において提供する。一実施形態では、化合物1の単結晶形態は、90%〜100%の任意の割合の純度である。
一実施形態では、治療する悪性腫瘍はIDH2の変異型対立遺伝子を特徴とし、IDH2変異は、被験者内で、α−ケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性の還元を触媒する新規能力を酵素に付与する。本実施形態の一態様では、変異型IDH2はR140X変異を有する。本実施形態の別の態様では、R140X変異はR140Q変異である。本実施形態の別の態様では、R140X変異はR140W変異である。本実施形態の別の態様では、R140X変異はR140L変異である。本実施形態の別の態様では、変異型IDH2はR172X変異を有する。本実施形態の別の態様では、R172X変異はR172K変異である。本実施形態の別の態様では、R172X変異はR172G変異である。
悪性腫瘍は、細胞試料を配列決定して、IDH2のアミノ酸140及び/または172の変異(例えば、存在する変化したアミノ酸)の存在及び特定の性質を決定することによって分析することができる。
理論に拘泥するものではないが、出願人らは、αケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性の還元を触媒する新しい酵素の能力を付与するIDH2の変異型対立遺伝子、特にIDH2のR140Q及び/またはR172K変異が、細胞の性質または体内における位置に関係なく、すべてのタイプの癌のサブセットを特徴付けることを見出した。したがって、本明細書において提供する化合物、組成物及び方法は、そのような活性を付与するIDH2の変異型対立遺伝子、特にIDH2 R140Q及び/またはR172K変異の存在を特徴とする任意のタイプの癌の治療に有用である。
一実施形態では、悪性腫瘍は、診断または治療の時点で、少なくとも30、40、50、60、70、80または90%の腫瘍細胞がIDH2変異、特にIDH2 R140Q、R140W、もしくはR140L及び/またはR172KもしくはR172G変異を保有している腫瘍である。
一実施形態では、悪性腫瘍の治療の有効性を、被験者における2HGのレベルを測定することによってモニタリングする。一般的には、2HGのレベルを治療前に測定し、この場合化合物1の使用に対して上昇したレベルが示される。上昇したレベルが確定すると、治療の経過中及び/または終了後に2HGのレベルを測定して効力を確定する。特定の実施形態では、2HGのレベルを、治療の経過中及び/または終了後にのみ測定する。治療の過程及び治療後の2HGのレベルの低下は、有効性の指標である。同様に、2HGレベルが治療の経過中またはその後に上昇しないという判定もまた、有効性の指標である。一般的には、腫瘍及び/または他の癌関連病変の数及びサイズの減少、被験者の健康全般の改善、ならびに悪性腫瘍の有効性と関連している他のバイオマーカーの変化などの悪性腫瘍の治療の有効性の他の周知の測定と一緒に2HG測定を利用する。
2HGは試料中でLC/MSにより検出することができる。試料を80:20でメタノールと混合し、3,000rpmで20分間、4℃で遠心分離する。得られた上清を回収し、2−ヒドロキシグルタレートレベルを評価するためのLC−MS/MSの前に−80℃で保存することができる。様々な異なる液体クロマトグラフィー(LC)分離方法を使用することができる。注入した代謝産物標準溶液で最適化したMSパラメータを用いて、多重反応モニタリング(MRM)モードで作動する三連四重極型質量分析計へ陰性エレクトロスプレーイオン化(ESI、−3.0kV)することによって、各方法をカップリングすることができる。代謝産物は、以前に報告された方法(Luo et al. J Chromatogr A 1147,153 64,2007)の変法に従って、水性移動相中のイオン対形成剤としての10mMトリブチルアミンを用いる逆相クロマトグラフィーによって、分離することができる。1つの方法は、TCA代謝産物の分割を可能にし:t=0,50%B;t=5,95%B;t=7,95%B;t=8,0%Bであり、式中、Bは100%メタノールの有機移動相を示す。別の方法は、2−ヒドロキシグルタレートに特異的であり、50%Bから95%B(上記で定義した緩衝液)への5分間にわたる速い直線勾配で実行する。上記のように、Synergi Hydro−RP、100mm×2mm、粒子サイズ2.1μm(Phenomonex)をカラムとして使用することができる。代謝産物は、ピーク面積と既知の濃度の純粋な代謝産物標準とを比較することによって定量することができる。例えば、Munger et al. Nat Biotechnol 26,1179 86,2008に記載されているように、13Cグルタミンからの代謝物フラックス試験を実行することができる。
一実施形態では、2HGを直接的に評価する。
別の実施形態では、分析方法を実施する過程で形成する2HGの誘導体を評価する。一例として、そのような誘導体は、MS分析で形成される誘導体であり得る。誘導体は、塩付加物、例えばNa付加物、水和変異体、または塩付加物、例えばMS分析で形成した例えばNa付加物でもある水和変異体を含むことができる。
別の実施形態では、2HGの代謝誘導体を評価する。例として、2HG、例えばR−2HGと相関するであろうグルタル酸塩またはグルタミン酸塩などの2HGの存在の結果として増強もしくは上昇するか、または低下する種が挙げられる。
例示的な2HG誘導体として、以下に提供する化合物またはその塩付加物のような脱水誘導体が挙げられる:
。
2HGは、遺伝性代謝障害2−ヒドロキシグルタル酸尿症において蓄積することが知られている。この疾患は、2HGをα−KGに変換する酵素である2−ヒドロキシグルタレートデヒドロゲナーゼの欠損によって引き起こされる(Struys,E.A.et al. Am J Hum Genet 76,358−60(2005))。2−ヒドロキシグルタレートデヒドロゲナーゼ欠損症を有する患者は、MRI及びCSF分析による評価によると、2HGを脳に蓄積させ、白質脳症を発症し、さらに脳腫瘍を発症するリスクが高い(Aghili,M.,Zahedi,F.&Rafiee,J Neurooncol 91,233−6(2009);Kolker,S.,Mayatepek,E.&Hoffmann,G.F.Neuropediatrics 33,225−31(2002);Wajner,M.,Latini,A.,Wyse,A.T.&Dutra Filho,C.S.J Inherit Metab Dis 27,427−48(2004))。さらに、2HGの脳内レベルの上昇は、ROSレベルの増加につながり(Kolker,S.et al. Eur J Neurosci 16,21−8(2002);Latini,A.et al. Eur J Neurosci 17,2017−22(2003))、潜在的に癌リスクの増加に寄与する。2HGがNMDA受容体作動薬として作用する能力は、この効果に寄与し得る(Kolker,S.et al. Eur J Neurosci 16,21−8(2002))。2HGはまた、酵素を利用してグルタミン酸及び/またはαKGを競合的に阻害することによって、細胞に対して毒性である場合がある。これらには、アミノ酸及び核酸生合成のためのグルタミン酸窒素の利用を可能にするトランスアミナーゼ、ならびにHif1−αレベルを調節するαKG依存性プロリルヒドロキシラーゼが含まれる。
したがって、別の実施形態によれば、被験者に化合物1及びアザシチジンを投与することによる、被験者における2−ヒドロキシグルタル酸尿症、特にD−2−ヒドロキシグルタル酸尿症の治療方法を提供する。
本明細書に記載の治療方法は、化合物1及びアザシチジンでの治療の前及び/またはその後の様々な評価段階をさらに含むことができる。
一実施形態では、化合物1及びアザシチジンによる治療の前及び/または後に、本方法は、悪性腫瘍の増殖、サイズ、重量、侵襲性、病期及び/または他の表現型を評価する工程をさらに含む。
一実施形態では、化合物1及びアザシチジンによる治療の前及び/または後に、本方法は、悪性腫瘍のIDH2遺伝子型を評価する工程をさらに含む。これは、DNA配列決定、免疫分析、及び/または2HGの存在、分布またはレベルの評価などの、当該技術分野における通常の方法によって達成してもよい。
一実施形態では、化合物1及びアザシチジンによる治療の前及び/または後に、本方法は、被験者の2HGレベルを測定する工程をさらに含む。これは、分光分析、例えば、磁気共鳴に基づく分析、例えば、MRI及び/またはMRS測定、血清または脊髄液分析などの体液の試料分析、または外科用物質の分析、例えば、質量分析によって達成してもよい。
一実施形態では、化合物1とアザシチジンを同時に投与する。一実施形態では、化合物1とアザシチジンを連続的に投与する。
一実施形態では、治療する疾患及び被験者の病態に応じて、化合物1を、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内への注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入、鼻腔、膣、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所)投与経路によって投与してもよい。化合物1は、単独でまたは1つ以上の活性薬剤(複数可)と一緒に、各投与経路に適した、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、アジュバント及びビヒクルとともに適切な投薬単位で製剤化してもよい。
一実施形態では、本明細書において提供する方法で投与する化合物1の量は、例えば、約5mg/日〜約2,000mg/日の範囲であってもよい。一実施形態では、この範囲は、約10mg/日〜約2,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は約20mg/日〜約2,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約50mg/日〜約1,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約100mg/日〜約1,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約100mg/日〜約500mg/日である。一実施形態では、この範囲は約150mg/日〜約500mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約150mg/日〜約250mg/日である。特定の実施形態では、特定の用量は、例えば、約10mg/日である。一実施形態では、用量は約20mg/日である。一実施形態では、用量は約50mg/日である。一実施形態では、用量は約75mg/日である。一実施形態では、用量は約100mg/日である。一実施形態では、用量は約120mg/日である。一実施形態では、用量は約150mg/日である。一実施形態では、用量は約200mg/日である。一実施形態では、用量は約250mg/日である。一実施形態では、用量は約300mg/日である。一実施形態では、用量は約350mg/日である。一実施形態では、用量は約400mg/日である。一実施形態では、用量は約450mg/日である。一実施形態では、用量は約500mg/日である。一実施形態では、用量は約600mg/日である。一実施形態では、用量は約700mg/日である。一実施形態では、用量は約800mg/日である。一実施形態では、用量は約900mg/日である。一実施形態では、用量は約1,000mg/日である。一実施形態では、用量は約1,200mg/日である。一実施形態では、用量は約1,500mg/日である。特定の実施形態では、特定の用量は、例えば、最大約10mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約20mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約50mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約75mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約100mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約120mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約150mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約250mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約300mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約350mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約400mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約450mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約500mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約600mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約700mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約800mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約900mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,000mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,500mg/日である。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物または剤形中の化合物1の量は、例えば、約5mg〜約2,000mgの範囲であってもよい。一実施形態では、この範囲は約10mg〜約2,000mgである。一実施形態では、この範囲は、約20mg〜約2,000mgである。一実施形態では、この範囲は約50mg〜約1,000mgである。一実施形態では、この範囲は、約50mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約50mg〜約250mgである。一実施形態では、この範囲は約100mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約150mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約150mg〜約250mgである。特定の実施形態では、特定の量は、例えば、約10mgである。一実施形態では、特定の量は約20mgである。一実施形態では、特定の量は約50mgである。一実施形態では、特定の量は約75mgである。一実施形態では、特定の量は約100mgである。一実施形態では、特定の量は約120mgである。一実施形態では、特定の量は約150mgである。一実施形態では、特定の量は約200mgである。一実施形態では、特定の量は約250mgである。一実施形態では、特定の量は約300mgである。一実施形態では、特定の量は約350mgである。一実施形態では、特定の量は約400mgである。一実施形態では、特定の量は約450mgである。一実施形態では、特定の量は約500mgである。一実施形態では、特定の量は約600mgである。一実施形態では、特定の量は約700mgである。一実施形態では、特定の量は約800mgである。一実施形態では、特定の量は約900mgである。一実施形態では、特定の量は約1,000mgである。一実施形態では、特定の量は約1,200mgである。一実施形態では、特定の量は約1,500mgである。特定の実施形態では、特定の量は、例えば、最大約10mgである。一実施形態では、特定の量は最大約20mgである。一実施形態では、特定の量は最大約50mgである。一実施形態では、特定の量は最大約75mgである。一実施形態では、特定の量は最大約100mgである。一実施形態では、特定の量は最大約120mgである。一実施形態では、特定の量は最大約150mgである。一実施形態では、特定の量は最大約200mgである。一実施形態では、特定の量は最大約250mgである。一実施形態では、特定の量は最大約300mgである。一実施形態では、特定の量は最大約350mgである。一実施形態では、特定の量は最大約400mgである。一実施形態では、特定の量は最大約450mgである。一実施形態では、特定の量は最大約500mgである。一実施形態では、特定の量は最大約600mgである。一実施形態では、特定の量は最大約700mgである。一実施形態では、特定の量は最大約800mgである。一実施形態では、特定の量は最大約900mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,000mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,200mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,500mgである。
一実施形態では、化合物1は、例えば、単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などの単回用量として;または経時的に、例えば、経時的な連続注入もしくは経時的な分割ボーラス投与などで送達することができる。一実施形態では、必要な場合、例えば患者が安定した疾患または退行を経験するまで、または患者が疾患の進行または容認できない毒性を経験するまで、化合物1を反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当該技術分野で公知の方法、例えば、患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRIスキャンを用いて画像化した腫瘍の視覚化、及び他の一般に受け入れられている評価様式などによって判定する。
特定の実施形態では、化合物1を周期的に患者に投与する(例えば、1週間にわたる連日投与、次いで最大3週間の投与を行わない休止期間)。サイクリング療法は、一定期間活性剤を投与し、続いて一定期間休薬し、この連続投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、耐性の発達を低下させ、副作用を回避もしくは低減し、及び/または治療の有効性を改善することができる。
一実施形態では、本明細書において提供する方法は、化合物1を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40回、または40回を上回るサイクルで投与することを含む。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約1である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約2である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約3である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約4である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約5である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約6である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約7である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約8である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約9である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約10である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約11である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約12である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約13である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約14である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約15である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約16である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約17である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約18である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約19である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約20である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約21である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約22である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約23である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約24である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約25である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約26である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約27である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約28である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約29である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約30である。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約30サイクルより大きい。
特定の実施形態では、治療サイクルは、それを必要とする被験者に、複数日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日、または14日超)にわたって投与する化合物1の複数回投与、場合により、その後の治療投薬休暇(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28日、または28日超)を含む。
一実施形態では、治療する疾患及び被験者の病態に応じて、アザシチジンを、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内への注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入、鼻腔、膣、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所)投与経路によって投与してもよい。アザシチジンは、単独でまたは化合物1及び/または1つ以上の活性薬剤(複数可)と一緒に、各投与経路に適した、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、アジュバント及びビヒクルとともに適切な投薬単位で製剤化してもよい。
一実施形態では、アザシチジンを、例えば、静脈内(IV)、皮下(SC)または経口経路によって投与する。本明細書の特定の実施形態は、アザシチジンと、化合物1及び/または1つ以上の追加の活性薬剤との併用投与を提供して、それを必要とする被験者における相乗的治療効果を提供する。併用投与する活性薬剤(複数可)は、本明細書に記載の癌治療剤であってもよい。特定の実施形態では、併用投与する活性薬剤(複数可)は、IDH2の阻害剤であってもよい。特定の実施形態では、併用投与する薬剤(複数可)は、例えば、経口または注射(例えば、IVまたはSC)によって投与してもよい。
特定の実施形態では、治療サイクルは、それを必要とする被験者に、複数日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日、または14日超)にわたって投与するアザシチジンの複数回投与、場合によりその後の治療投薬休暇(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28日または28日超)を含む。本明細書において提供する方法の適切な投与量には、例えば、治療有効量及び予防有効量が含まれる。例えば、特定の実施形態では、本明細書において提供する方法において投与するアザシチジンの量は、例えば、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日の範囲であってもよい。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約100mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約100mg/m2/日〜約500mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日〜約500mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日〜約200mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日〜約100mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約50mg/m2/日〜約75mg/m2/日である。特定の実施形態では、アザシチジンの量は、約120mg/m2/日〜約250mg/m2/日である。特定の実施形態では、特定の用量は約50mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約60mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約75mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約80mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約100mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約120mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約140mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約150mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約180mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約200mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約220mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約240mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約250mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約260mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約280mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約300mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約320mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約350mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約380mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約400mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約450mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は約500mg/m2/日である。特定の実施形態では、特定の用量は最大約100mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約120mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約140mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約150mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約180mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約200mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約220mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約240mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約250mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約260mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約280mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約300mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約320mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約350mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約380mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約400mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約450mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約500mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約750mg/m2/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1000mg/m2/日である。
一実施形態では、本明細書において提供する方法で投与するアザシチジンの量は、例えば、約5mg/日〜約2,000mg/日の範囲であってもよい。一実施形態では、この範囲は、約10mg/日〜約2,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約20mg/日〜約2,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約50mg/日〜約1,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約100mg/日〜約1,000mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約100mg/日〜約500mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約150mg/日〜約500mg/日である。一実施形態では、この範囲は、約150mg/日〜約250mg/日である。特定の実施形態では、特定の用量は約10mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約20mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約50mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約75mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約100mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約120mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約150mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約250mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約300mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約350mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約400mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約450mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約500mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約600mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約700mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約800mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約900mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約1,000mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約1,200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は約1,500mg/日である。特定の実施形態では、特定の用量は最大約10mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約20mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約50mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約75mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約100mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約120mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約150mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約250mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約300mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約350mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約400mg/日である。一実施形態では、特定の用量は、最大約450mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約500mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約600mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約700mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約800mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約900mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,000mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,200mg/日である。一実施形態では、特定の用量は最大約1,500mg/日である。
一実施形態では、本明細書において提供する医薬組成物または剤形中のアザシチジンの量は、例えば、約5mg〜約2,000mgの範囲であってもよい。一実施形態では、この範囲は約10mg〜約2,000mgである。一実施形態では、この範囲は、約20mg〜約2,000mgである。一実施形態では、この範囲は約50mg〜約1,000mgである。一実施形態では、この範囲は、約50mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約50mg〜約250mgである。一実施形態では、この範囲は約100mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約150mg〜約500mgである。一実施形態では、この範囲は約150mg〜約250mgである。特定の実施形態では、特定の量は約10mgである。一実施形態では、特定の量は約20mgである。一実施形態では、特定の量は約50mgである。一実施形態では、特定の量は約75mgである。一実施形態では、特定の量は約100mgである。一実施形態では、特定の量は約120mgである。一実施形態では、特定の量は約150mgである。一実施形態では、特定の量は約200mgである。一実施形態では、特定の量は約250mgである。一実施形態では、特定の量は約300mgである。一実施形態では、特定の量は約350mgである。一実施形態では、特定の量は約400mgである。一実施形態では、特定の量は約450mgである。一実施形態では、特定の量は約500mgである。一実施形態では、特定の量は約600mgである。一実施形態では、特定の量は約700mgである。一実施形態では、特定の量は約800mgである。一実施形態では、特定の量は約900mgである。一実施形態では、特定の量は約1,000mgである。一実施形態では、特定の量は約1,200mgである。一実施形態では、特定の量は約1,500mgである。特定の実施形態では、特定の量は最大約10mgである。一実施形態では、特定の量は最大約20mgである。一実施形態では、特定の量は最大約50mgである。一実施形態では、特定の量は最大約75mgである。一実施形態では、特定の量は最大約100mgである。一実施形態では、特定の量は最大約120mgである。一実施形態では、特定の量は最大約150mgである。一実施形態では、特定の量は最大約200mgである。一実施形態では、特定の量は最大約250mgである。一実施形態では、特定の量は最大約300mgである。一実施形態では、特定の量は最大約350mgである。一実施形態では、特定の量は最大約400mgである。一実施形態では、特定の量は最大約450mgである。一実施形態では、特定の量は最大約500mgである。一実施形態では、特定の量は最大約600mgである。一実施形態では、特定の量は最大約700mgである。一実施形態では、特定の量は最大約800mgである。一実施形態では、特定の量は最大約900mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,000mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,200mgである。一実施形態では、特定の量は最大約1,500mgである。
一実施形態では、アザシチジンは、例えば、単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などの単回用量として;または経時的に、例えば、経時的な連続注入もしくは経時的な分割ボーラス投与などで送達することができる。一実施形態では、必要な場合、例えば患者が安定した疾患または退行を経験するまで、または患者が疾患の進行または容認できない毒性を経験するまで、アザシチジンを反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当該技術分野で公知の方法、例えば、患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRIスキャンを用いて画像化した腫瘍の視覚化、及び他の一般に受け入れられている評価様式などによって判定する。
一実施形態では、アザシチジンは、1日1回投与するか、または1日2回、1日3回、及び1日4回などの1日あたり複数回の用量に分割することができる。一実施形態では、投与は、連続的(すなわち、連日または毎日)、断続的、例えば周期的(すなわち、薬物を投与しない休止日、休止週または休止月を含む)であり得る。一実施形態では、アザシチジンを、一定期間、連日、例えば、1日1回、または1日1回より多く投与する。一実施形態では、アザシチジンを、少なくとも7日間連続して投与する。いくつかの実施形態では、アザシチジンを最大52週にわたって投与する。一実施形態では、アザシチジンを断続的に投与、すなわち規則的または不規則な間隔で停止及び開始する。一実施形態では、アザシチジンを1週間に1〜6日間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1日おきに投与する。一実施形態では、アザシチジンを周期的に投与する(例えば、休止期間を挟みつつ、一定期間、毎日または連日にわたって投与する)。一実施形態では、アザシチジンを、2〜8週間連続して毎日投与し、その後に最大1週間の投与のない休止期間を設けるか;または、例えば1週間にわたって毎日投与し、次いで最大3週間の投与のない休止期間を設ける)。
一実施形態では、投与頻度は約1日1回〜約1か月に1回の範囲である。一実施形態では、アザシチジンを1日1回投与する。別の実施形態では、アザシチジンを1日2回投与する。さらに別の実施形態では、アザシチジンを1日3回投与する。さらに別の実施形態では、アザシチジンを1日4回投与する。一実施形態では、アザシチジンを1日おきに1回投与する。一実施形態では、アザシチジンを週2回投与する。一実施形態では、アザシチジンを週1回投与する。一実施形態では、アザシチジンを2週間に1回投与する。一実施形態では、アザシチジンを3週間に1回投与する。一実施形態では、アザシチジンを4週間に1回投与する。
一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、1日〜6か月間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1週間〜3か月間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1週間〜4週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1週間〜3週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1週間〜2週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約1週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約2週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを1日1回、約3週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約4週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約6週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約9週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約12週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約15週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約18週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約21週間投与する。一実施形態では、アザシチジンを、1日1回、約26週間投与する。特定の実施形態では、アザシチジンを断続的に投与する。特定の実施形態では、アザシチジンを、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日の量で断続的に投与する。特定の実施形態では、アザシチジンを連続的に投与する。特定の実施形態では、アザシチジンを、約50mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日の量で連続的に投与する。
特定の実施形態では、アザシチジンを、周期的に患者に投与する(例えば、1週間にわたる連日投与、次いで、最大3週間の投与を行わない休止期間)。サイクリング療法は、一定期間活性剤を投与し、続いて一定期間休薬し、この連続投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、耐性の発達を低下させ、副作用を回避もしくは低減し、及び/または治療の有効性を改善することができる。
一実施形態では、本明細書において提供する方法は、アザシチジンを、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40回、または40回を上回るサイクルで投与することを含む。一実施形態では、一群の患者に投与するサイクルの中央値は約1である。一実施形態では、サイクルの中央値は約2である。一実施形態では、サイクルの中央値は約3である。一実施形態では、サイクルの中央値は約4である。一実施形態では、サイクルの中央値は約5である。一実施形態では、サイクルの中央値は約6である。一実施形態では、サイクルの中央値は約7である。一実施形態では、サイクルの中央値は約8である。一実施形態では、サイクルの中央値は約9である。一実施形態では、サイクルの中央値は約10である。一実施形態では、サイクルの中央値は約11である。一実施形態では、サイクルの中央値は約12である。一実施形態では、サイクルの中央値は約13である。一実施形態では、サイクルの中央値は約14である。一実施形態では、サイクルの中央値は約15である。一実施形態では、サイクルの中央値は約16である。一実施形態では、サイクルの中央値は約17である。一実施形態では、サイクルの中央値は約18である。一実施形態では、サイクルの中央値は約19である。一実施形態では、サイクルの中央値は約20である。一実施形態では、サイクルの中央値は約21である。一実施形態では、サイクルの中央値は約22である。一実施形態では、サイクルの中央値は約23である。一実施形態では、サイクルの中央値は約24である。一実施形態では、サイクルの中央値は約25である。一実施形態では、サイクルの中央値は約26である。一実施形態では、サイクルの中央値は約27である。一実施形態では、サイクルの中央値は約28である。一実施形態では、サイクルの中央値は約29である。一実施形態では、サイクルの中央値は約30である。一実施形態では、サイクルの中央値は約30サイクルより大きい。
一実施形態では、アザシチジンを、本明細書において提供する用量で、7日間の治療期間及び21日間の休薬期間からなる28日間の周期で患者に投与する。一実施形態では、アザシチジンを、本明細書において提供する用量で、1日目〜7日目の各日に、患者に投与し、次いで、8日目〜28日まで、アザシチジンの投与を行わない休薬期間を設ける。一実施形態では、アザシチジンを周期的に患者に投与し、各サイクルは7日間の治療期間、その後の21日間の休薬期間からなる。特定の実施形態では、アザシチジンを、約50、約60、約70、約75、約80、約90、または約100mg/m2/日の用量で7日間患者に投与し、続いて21日間の休止期間を設ける。一実施形態では、アザシチジンを静脈内投与する。一実施形態では、アザシチジンを皮下投与する。
他の実施形態では、アザシチジンを、周期的に経口投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約1週間、単回投与または分割投与で連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約2週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約3週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約4週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約5週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約6週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約8週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約10週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約15週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約20週間、連日投与する。投与に続いて、約1日〜約10週間の休薬期間を設ける。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約1週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約2週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約3週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約4週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約5週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約6週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約8週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約10週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約15週間のサイクリング治療を企図する。一実施形態では、本明細書において提供する方法は、約20週間のサイクリング治療を企図する。いくつかの実施形態では、アザシチジンを、単回投与または分割投与で、約1週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約2週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約3週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約4週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約5週間、連日投与する。一実施形態では、アザシチジンを、約6週間、連日投与する。一実施形態では、約1、3、5、7、9、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、または30日間の休薬期間。いくつかの実施形態では、休薬期間は1日である。いくつかの実施形態では、休薬期間は3日間である。いくつかの実施形態では、休薬期間は7日間である。いくつかの実施形態では、休薬期間は14日間である。いくつかの実施形態では、休薬期間は28日間である。投薬周期の頻度、数及び長さは、増加または減少させることができる。
一実施形態では、化合物1を1日1回、経口投与する。一実施形態では、化合物1を、各28日サイクルの1〜28日目に投与する。一実施形態では、50mgの化合物1を1日1回、経口投与する。別の実施形態では、100mgの化合物1を1日1回、経口投与する。さらに別の実施形態では、200mgの化合物1を1日1回、経口投与する。一実施形態では、アザシチジンを7日間、皮下投与する。一実施形態では、アザシチジンを、各28日サイクルの1〜7日目に投与する。一実施形態では、75mg/m2/日のアザシチジンを、各28日サイクルの1〜7日目に投与する。
実施例1. AML細胞におけるEPO分化に対する化合物1及びアザシチジンの併用効果
細胞株
IDH2/R140Q対立遺伝子または空ベクター対照TF−1/pLVXを過剰発現する改変型TF−1赤白血病細胞において、細胞分化、細胞増殖及び細胞死の測定値を評価した(Wang et al.,Science 340:622−626,2013)。HEPES及びL−グルタミン(Lonza 12−115F)、10%FBS(HyClone SH30088.03)、Pen/Strep(Life Technologies 15070−063)、G418:終濃度500μg/ml(Life Technologies 10131−027);GM−CSF:終濃度5ng/ml(R&D 215−GM−050)を含有するRPMI中で細胞を増殖させた。新たに増殖した細胞のみを用いた。細胞を継代するたびに培地に新鮮なG418及びGM−CSFを加えた。細胞をペレット化し、新鮮な培地に再懸濁するか、10mlの新鮮な培地に2mlの細胞を加えることにより、2〜3日ごとに培地を交換した。細胞を化合物で処理する場合、細胞をペレット化して培地を交換し、化合物の適切な濃度を確保した。
化合物溶液の調製
化合物1はDMSO中の10mMストック溶液として得られた。このストックを20μlのバッチとして等分し、−20℃で保存した。ランニングストックを解凍し、室温で暗所に保ち、進行中の実験に使用した。
アザシチジンを4℃でデシケーター中に保持した。必要な量をメトラーで覆われた秤量天秤で計量し、RNase及びDNaseフリー水で再構成して10mMのランニングストックを得た。溶液を30μlのバッチとして等分し、−20℃で保存した。6か月ごとに新鮮なストックを調製した。10mMのアザシチジンバイアルを各実験について解凍し、使用後に捨てた。
各化合物の100μlストックを、10μlの10mMストックを990μlの培地に加えることによって調製した。この100倍ストックから、所要の最終濃度とするために必要な量を細胞に加えた。
アッセイ
エリスロポエチン(EPO)分化アッセイ
F1/pLVX及びTF1 IDH2/R140Q細胞(100,000細胞/ml)を化合物1、アザシチジンまたはその組合せで7日間前処理し(培地を2日ごとに交換した)、PBSで洗浄して残留GM−CSFを除去した。細胞を化合物1の存在下または非存在下でEPO(2ユニット/ml)を用いて分化誘導した。誘導を7日間継続し、細胞ペレットを採取し、ヘモグロビン形成量(血液系への分化の代用指標)について画像化した。
HBG及びKLF1 qPCR
RNA easyキット(Qiagenから入手)により細胞からRNAを単離した。500ngのRNAを使用してcDNAを作製し、これをリアルタイムqPCRに供し、胎児ヘモグロビン(HBG)及びKLF−1遺伝子発現を検出した。RNA easyキットはQiagenから入手した。cDNAはSuperscript VILOキット(Life technologies)から作製した。TaqmanプローブはApplied Biosciencesから入手した。
造血幹細胞及び芽球含有量の測定(CD34、CD38、FACS)
細胞を10×BSA中でブロックし、MACSリンス溶液で15分間、1×濃度に希釈した(染色緩衝液、BD Biosciences)。上清を遠心分離によって除去した。10μlの抗CD34 FITC及び抗CD38 APC抗体(それぞれ染色緩衝液中)を添加した。マウスIgG2a FITC及びIgG2a APCをアイソタイプ対照として用いた。細胞を暗所で10分間染色し、溶液を遠心分離して上清を除去し、細胞を染色緩衝液300μlに再懸濁し、蛍光標識細胞分取(FACS)へ進行する。
結果
EPO誘導分化の促進
細胞分化、細胞増殖及び細胞死の測定値を、図1に示すin vitro EPO分化アッセイ及び用量スケジュールパラダイムを用いて、TF1−R140Q細胞において評価した。細胞を、ビヒクル、アザシチジン単独、化合物1単独、またはアザシチジンと化合物1の組合せで処理した。連続スケジュールでは、化合物1を添加する前に細胞をアザシチジンで3日間前処理した。同時スケジュールでは、アッセイを通して細胞をアザシチジンと化合物1で同時処理した。
両スケジュールは、ヘモグロビン形成、KLF1(Kruppel様因子1)及びHBG(ヘモグロビン遺伝子A/B)RNAレベルの分化エンドポイントについて同様の傾向を示した(図2)。連続スケジュールでは、0.2μM及び1.0μM濃度の細胞ペレットの赤色の増加によって示されるように、化合物1単独では用量依存的にヘモグロビン産生が増加した。アザシチジン単独では、細胞ペレットの色にほとんどまたはまったく影響を及ぼさなかったが;しかしながら、アザシチジンと化合物1の併用では、着色/ヘモグロビン形成は化合物1単独よりも顕著に大きかった(図2Ai)。
分化マーカーKLF1及びHBGのRNA発現の用量依存的増加が、両方の単剤において観察された。アザシチジンと化合物1とを連続的に併用した場合、これらのパラメータは、相加的に増加するか、または相加的増大より大きく増加した(図2Aii、iii)。例えば、単剤としての化合物1(0.2μM)及びアザシチジン(0.3μM)は、HBG遺伝子発現においてそれぞれ241倍及び92倍の増加を示したが(図2A、iii)、一方、アザシチジン(0.3μM)と化合物1(0.2μM)の併用によって、530倍の増加が得られ、これは単剤の倍増率の足し合せよりも159%高い(図2A、iii)。アザシチジンと化合物1との連続的な併用はまた、より迅速な血液ヘモグロビン形成によって証明されるように、EPO誘導分化へ至るまでの全治療期間を短縮した。化合物1を単剤として用いた場合、細胞の赤色の増加を観察するために7日間が必要であったが、このヘム産生の増加は、薬剤を併用した場合には、EPO後4日目において視覚的に明らかであった(図7)。
ヘモグロビン形成(図2Bi)、KLF1発現(図2Bii)及びHBG発現(図2Biii)における同様の結果が、同時投与レジメンで観察された。化合物1単独(0.2及び1μM)の場合、EPO分化の際にヘモグロビン産生が用量依存的に増加した。アザシチジン単独でも、0.1及び0.3μMの濃度でヘモグロビン産生が増加したが、細胞ペレットサイズの減少によって証明されるように、細胞死は1μMで生じた。アザシチジンと化合物1の併用効果は、単剤よりも顕著に大きな着色/ヘモグロビン形成をもたらした(図2Bi)。
単剤としてのアザシチジン及び化合物1によって、分化マーカーKLF1及びHBGのRNA発現における用量依存的な増加が観察され、アザシチジンと化合物1との同時併用によって、RNA発現の、相加的または相加的増加よりも大きな増加が得られた(図2Bii、iii)。例えば、単剤としての化合物1(0.2μM)及びアザシチジン(1μM)は、それぞれHBG遺伝子発現に対し、2.5倍及び7.1倍の増加を示したが(図2Biii)、一方、アザシチジン(1μM)と化合物1(0.2μM)を併用した場合、11.3倍の増加が得られ、これは単剤の倍増率の足し合わせよりも121%高かった(図2Biii)。
造血前駆細胞及び幹細胞の欠乏の促進
造血幹(CD34+/CD38−)及び前駆(CD34+/CD38+)細胞集団を、EPO分化アッセイの終了時に定量した(図3及び8)。単剤としてのアザシチジン及び化合物1のいずれによっても、CD34+/CD38+(図3i)及びCD34+/CD38−(図3ii)細胞集団は減少した。アザシチジンと化合物1の併用によって、相加的、または相加的よりも大きな減少が得られた。例えば、単剤としての化合物1(0.2μM)及びアザシチジン(0.1μM)により、連続治療で造血前駆細胞(CD34+/CD38+)がそれぞれ32%及び7%減少したが、一方、アザシチジン(0.1μM)と化合物1(0.2μM)の併用により、造血前駆細胞集団が64%減少した(図3i)。
単剤としての化合物1(0.2μM)及びアザシチジン(0.1μM)は、連続または同時治療レジメンによって造血幹細胞集団に対して効果を示さなかった(<10%減少)(図3ii)が、同じ濃度でのそれらの併用により、連続及び同時治療の両方で造血幹細胞集団が20%減少した(図3ii)。
これらのデータは、白血病性幹細胞及びTF1−R140Q細胞の前駆細胞集団の欠乏に対して、化合物1及びアザシチジンの組合せの相加効果よりも大きい効果を示している。
細胞死の促進
EPO分化アッセイの終わりにアネキシンV/7−AADフローサイトメトリーを介して細胞死を分析した(図4及び9)。連続投与スケジュール計画では、単剤による細胞死の誘導(アネキシンV+及び/または7AAD+)はなかった(<2倍)。同時投与スケジュール計画では、単剤としてのアザシチジン及び化合物1により、アネキシンV+及び/または7AAD+細胞の割合がそれぞれ3.4倍及び3.5倍(用量濃度にわたる平均値)増加した。連続または同時治療レジメンのいずれかを使用する薬剤の併用では、細胞死の促進はなかった。
IncuCyte Zoomを用いてリアルタイム細胞死分析を行った(図5及び図6)。1〜10μMの濃度では、化合物1は細胞増殖に影響を及ぼさなかったが、一方、アザシチジン(1μM)では増殖が減少し、アポトーシスが増加した(図5i対図5iii;図5ii対図5iv)。両方の薬剤による連続治療は、アザシチジン単独で単独で観察されたもの以上に増殖をさらに減少させたり、アポトーシスを増加させたりすることはなかった(図5iii、5iv)。
アザシチジン(0.3μM)と化合物1(1μM)との同時併用は、細胞増殖に影響を与えなかった(図6i)が、単剤に比べて細胞の死滅は増加した(104時間において77%の増加)(図6ii)。これらの濃度でのいずれかの単剤による細胞死の誘導がないことを考慮すると、薬剤の併用による細胞死の増加は顕著である。アザシチジン(1μM)と化合物1(1μM)の併用では、単剤に比べて、増殖は減少し(104時間で32%の減少)(図6iii)アポトーシスは増加した(104時間で95%の増加)(図6iii、6iv)。要約すると、単剤としての化合物1は、カスパーゼ3/7細胞死の尺度に影響を及ぼさなかったが、同時併用の用量スケジュール計画は、アザシチジンの単剤効果を増強した。
総じてこれらの結果は、AZAと化合物1とを併用してIDH2変異型AML患者、より詳細にはIDH2R140Q変異型AML患者に恩恵をもたらすための新規併用パラダイムを示している。このメカニズムに基づいて、その併用を他のIDH2R140Q変異型の癌に変換することができる。
実施例2. イソクエン酸脱水素酵素(IDH)変異体標的化療法+アザシチジンの2つの併用の第1b/2相非盲検無作為化試験:集中的導入化学療法を受ける候補者ではない、それぞれIDH1またはIDH2変異を有する新たに診断された急性骨髄性白血病を有する被験者における、経口化合物2+皮下アザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジン
[適応症]:集中的導入化学療法(IC)を受ける候補者ではない、IDH1またはIDH2変異を有する新たに診断された急性骨髄性白血病(AML)を有する18歳以上の患者の治療。
主要な目的−第1b相(用量漸増段階)
[主目的]
集中的ICを受け入れる候補者ではない、IDH1またはIDH2変異をそれぞれ有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、経口(S)−N−((S)−1−(2−クロロフェニル)−2−((3,3−ジフルオロシクロブチル)アミノ)−2−オキソエチル)−1−(4−シアノピリジン−2−イル)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド)(以下、化合物2)+皮下(SC)アザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンの併用治療の安全性及び忍容性を評価すること。
SCアザシチジンと一緒に投与する場合の、経口化合物2及び経口化合物1の推奨される第2相用量(RP2D)を確立すること。
[副次的目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、IDH1またはIDH2変異をそれぞれ有する新たに診断されたAMLを有する被験者における、経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンの併用治療の予備的効果を評価すること。
第2相(無作為化段階)
[主目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、IDH1またはIDH2変異をそれぞれ有する新規に診断された被験者における、SCアザシチジンに比べての、経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンの併用治療の有効性を評価すること。
[副次的目的]
SCアザシチジンとともに投与した場合の経口化合物2及び経口化合物1の安全性を評価すること。
併用投与する場合の、経口化合物2、化合物1、及びSCアザシチジンの薬物動態(PK)を特徴づけること。
骨髄及び血漿試料中の2−ヒドロキシグルタレート(2−HG)レベルの抑制を伴うSCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物2及び経口化合物1のPK及びPDの関連性を評価すること。
健康関連の生活の質(HRQoL)の転帰について、SCアザシチジン単独で投与する場合に比べての、SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物2及び経口化合物1の効果を評価すること。
[治験のデザイン]
この第1b/2相の治験は、それぞれIDH1またはIDH2変異を有する新規に診断されたAMLを有する被験者における経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンの安全性及び有効性を評価するための、非盲検、無作為化、多施設治験である。研究対象集団は、集中的ICを受ける候補者ではない被験者からなる。この治験は、第1b相用量漸増段階及び第2相無作為化段階を含む。
[第1b相用量決定段階]
第1b相は、経口化合物2及び経口化合物1とSCアザシチジンとの併用の安全性及び忍容性を評価して、SCアザシチジンと併用投与した場合のこれらの2つの薬剤のRP2Dを定義するための非盲検、用量決定試験である。経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンレジメンの予備臨床活性もまた評価する。
第1b相段階は3つの期間:1)スクリーニング;2)治療;及び3)追跡調査からなる。
被験者のスクリーニング手順は、治験治療開始前28日以内のスクリーニング期間中に行う。IDH変異を有するAMLの診断は、骨髄液及び/または末梢血試料の病理学及びIDH遺伝子変異試験の両方のローカル判定に基づく。登録に適格な被験者は、合併症の存在、パフォーマンスステータスの低下、または他の要因などにより、治験責任医師の判断に基づいて集中的ICを受ける候補者であってはならない。IDH1変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者を、経口化合物2+SCアザシチジン群に割り当て、IDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者を、経口化合物1+SCアザシチジン群に割り当てる。被験者を、IDH1及びIDH2の二重変異に関連するAMLであると診断する稀な事例では、経口化合物2または化合物1治療群への割り当ては、共同研究者及び医療モニターの決定に基づいて行い、原資料に記録する。
治療期間中、標準的な3+3デザインを使用する。必要に応じて、医療モニター、リード安全医師、生物統計学者、その他の機能分野の代表者または指名者からなる投与判定チーム(DRT)、ならびにすべての現場の治験責任医師及び/または指名者(被験薬を投与された被験者を有する現場での)は、各用量レベルのサイクル1中に被験者が経験したすべての有害事象(AE)をレビューし、SCアザシチジンと併用投与した場合の経口化合物2または化合物1の最大耐量(MTD)を超過したかどうかを判定する。経口化合物2の1つの用量レベル(1日500mg)及び経口化合物1の2つの用量レベル(1日100mg及び1日200mg)を評価する予定である。経口化合物2については1日500mg未満、及び化合物1については1日100mg未満の用量レベルを、SCアザシチジンと併用してのこれらの用量のMTD超過がサイクル1中に認められる場合に、評価する。投与中断/遅延及び用量減少を用いて、毒性を管理してもよい。被験者は、疾患の憎悪/再発、治験治療に耐えられなくなるまで、または被験者が何らかの理由で治験治療の中止を希望するまで、治験治療を受けてもよい。治療に対する奏効は、修正国際ワーキンググループ(IWG)AML奏効基準(Cheson,et al. J Clin Oncol 2003;21(24):4642−9)に従って、治験責任医師が評価する。血液学的改善(HI)は、IWG骨髄異形成症候群HI基準(Cheson et al,Blood 2006;108(2):419−25)に従って評価する。治験治療を中止する場合、被験者は最終投与評価を受けることになる。治療中止の理由は、電子症例報告書(eCRF)のページ及び原資料に記録する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止したすべての被験者に対しては、AE、併用医薬、併用療法、輸血、医療資源利用、奏効、血液学的改善、その後のAML治療、及び生存についての評価を継続する。
追跡調査の同意の撤回または病状悪化以外の何らかの理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、治験の追跡調査期間中、病状が悪化するまで奏効に関して評価を継続する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、その後のAML治療、及び生存について評価を継続する。
本治験は、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)の優良臨床試験基準(GCP)ガイドラインに従って実施する。
[第2相無作為化段階]
第2相段階は、非盲検無作為化試験であり、奏効率(ORR)、無再発生存期間(EFS)、及び形態学的な完全寛解(CR)を評価するために、SCアザシチジン単独に対する、経口化合物2及び経口化合物1とSCアザシチジンとの併用の有効性を評価する。
第2相段階はまた、3つの期間:1)スクリーニング;2)治療;3)追跡試験からなる。
第1b相と同様に、被験者のスクリーニング手順は、治験開始28日前のスクリーニング期間中に行うが、AMLの診断は登録のためにローカルで行い、その後の中央判定に基づいて確認する。IDH変異は、骨髄液及び/または末梢血の両方の試料を用いて、中央判定で評価する。登録に適格な被験者は、合併症の有無、パフォーマンスステータスの低下、または他の要因により、治験責任医師の判断に基づいて集中的ICを受診する候補者ではない被験者である。
適格性の判定の後、IDH1またはIDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者を、3つの群のうちの1つに対して2:1の比率で無作為化する。IDH1変異を有する被験者を無作為化して、経口化合物2+SCアザシチジン(群1)対SCアザシチジン(群3)を2:1の比率で投与し;IDH2変異を有する被験者を無作為化して、経口化合物1+SCアザシチジン(群2)対SCアザシチジン(群3)を2:1の比率で投与する。群1と2では、最低50人の被験者を無作為化し、群3では最低25人のIDH1と25人のIDH2(群3では合計50人の被験者)を無作為化する(全群で合計150人の被験者)。被験者を、IDH1及びIDH2の二重変異に関連するAMLと診断する稀な事例では、経口化合物2または化合物1治療群への無作為化は、治験責任医師及び医療モニターの決定に基づいて行う。
被験者を、細胞遺伝学によって層別化する(より良好または中程度の、それに対して不十分な細胞遺伝学的リスク)。
治験治療は無作為化と同じ日に開始する。治験治療中の評価には、有効性、安全性、HRQoL、医療資源利用、薬物動態、薬力学、及び相関研究が含まれる。
治験中に収集したすべての骨髄液及び/または生検、末梢血塗抹及び細胞遺伝学の遡及的な中央判定を、被験者の治療について盲検化した人員によって行う。中央評価は統計分析に用いる。中央評価と局所評価との間の不一致は、第三者のレビュワーが裁定し、裁定した評価を統計分析に用いる。
治療及びHIに対する奏効は、それぞれ、修正IWG AML奏効基準(Cheson,J Clin Oncol 2003;21(24):4642−9)及びIWG骨髄異形成症候群HI基準(Cheson,et al,Blood 2006;108(2):419−25)に従い、盲検化独立奏効評価委員会(IRAC)によって治験責任医師が遡及的に評価する。
治験治療中の毒性を管理し、及び/または治療奏効を増大させるために、投薬中断、投薬遅延または投薬量の変更を行ってもよい。及び
治験の併用群における被験者に対する化合物2、化合物1、またはアザシチジンの中断は許容される。治験責任医師の評価において、被験者が臨床的有用性を示し続け、治験治療を継続するための治験実施計画書が指定するすべての基準を満たす場合、被験者は、単剤の化合物2、化合物1、またはアザシチジンでの治療を継続してもよい。被験者が進行性疾患を有しているか、または代替療法を受ける場合、治験治療を中止する。
被験者を中止する決定は、治験依頼者によって遅延させられたり拒否されたりすることはなく、依然として治療する医師がその責任を負う。しかしながら、被験者を中止する前に、治験責任医師が医療モニターに連絡し、検討及び討議するために適切な補足文書を提出することが推奨される。
治験治療の少なくとも1回の投与を受けたすべての被験者は、治験治療の中止時に最終投与(EOT)評価を受けるべきである。中止の理由は、電子症例報告書(eCRF)のページ及び原資料に記録する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止したすべての被験者に対しては、AE、併用医薬、併用療法、輸血、医療資源利用、奏効、血液学的改善、その後のAML治療、及び生存についての評価を継続する。
追跡調査の同意の撤回または病状悪化以外の何らかの理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、治験の追跡調査期間中、病状が悪化するまで奏効に関して評価を継続する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、その後のAML治療、及び生存について評価を継続する。
本治験は、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)の優良臨床試験基準(GCP)に従って実施する。
[治験期間]
治験の全期間は、およそ60か月であると予想され、第1b相及び第2相の、リクルート、スクリーニング、治療、及び追跡調査を含む。リクルートは、第1b相では7か月、第2相では17か月を要すると予想される。単一の被験者について、治験の第1b相セグメントの予測期間は、最大28日のスクリーニング期間を含めておよそ13か月であり、治験の第2相セグメントの予測期間は、最大28日のスクリーニング期間を含めておよそ25か月である。
治験終了とは、治療後の追跡調査を完了するための最後の被験者の最後の訪問の日付、または治験実施計画書の中で予め指定されている、主要、二次的、及び/または探索的分析に必要な最後の被験者からの最後のデータポイントの受信日のうちのいずれか遅いほうの日付と定義される。
治験は、完全な検出力に必要な量のEFS事象が生じるまで継続する。
[治験治療]
化合物2及び化合物1は、各28日サイクルの1〜28日目に1日1回(QD)経口投与する。被験者には、毎日±4時間のほぼ同じ時間帯に服用するように指示する必要がある。各用量を1杯の水で摂取し、可能な限り短時間で摂取すべきである。被験者には、錠剤全体を飲み込み、錠剤を噛むことはしないように指示すべきである。化合物2または化合物1の投与の2時間前及び1時間後には、絶食が必要である。絶食中も水の摂取は可能である。
第1b相及び第2相の両方の間、各28日間の治療サイクルの1日目から開始する7日間、アザシチジンをSC投与する。第2相段階の間、アザシチジン単独群に無作為化した被験者に、各28日サイクルの7日間、75mg/m2/日のアザシチジンをSC投与する。すべての無作為化被験者には、それらの治療を中止しない限り、治験終了まで28日ごとに7日間、75mg/m2/日のアザシチジンをSC投与する。さらに、被験者は、治験責任医師の裁量に応じて、抗生物質及び輸血を含む、必要に応じた最良の支援ケアを受けてもよい。7日間の投薬期間中に2回以下の投与を逃した場合、被験者が7日間の治療のすべてを受けるように投薬を継続すべきである。7日間の投薬期間中に3日以上を逃した場合、治験責任医師は治験依頼者に連絡すべきであり、投薬の決定はケースバイケースで行う。
[第1b相:]
第1b相は3+3デザインを使用する。化合物2については、1つの用量レベルを、登録する3人の被験者について検討する。コホート1に対しては、1日1回500mgの経口化合物2、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起する。コホート1の2人以上の被験者がコホート1において用量制限毒性(DLT)を有する場合、コホート−1を、1日1回250mgで、及び各28日サイクルの7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで検討する。
化合物1については、2つの用量レベルを検討する。コホート1は、1日1回100mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間の75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起する。DLTが観察されない場合、DRTによってRP2Dを確認し、100mg用量を治験の第2相セグメントの開始用量として用いる。コホート2に対する用量漸増も、1日1回200mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起し、この用量レベルでの併用の忍容性を調べる。コホート1において2人以上の被験者がDLTを有する場合、1日1回50mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンでコホート−1を調べる。
DRTは、1サイクル後の各被験者のすべての毒性を評価し、個々の被験者に対して更なる用量変更が必要かどうかを判定する。
[第2相:]
化合物2の併用群:
IDH1変異を有する被験者に、各28日サイクルの1〜28日目におけるQDのRP2Dの化合物2+各28日サイクルの7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンを経口投与する。
化合物1の併用群:
IDH2変異を有する被験者に、各28日サイクルの1〜28日目におけるQDのRP2Dの化合物1+各28日サイクルの7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンを経口投与する。
アザシチジン単独群:
IDH1またはIDH2変異のいずれかを有する被験者に、各28日サイクルの7日間に75mg/m2/日SCのアザシチジンを投与する。
[主要有効性評価の概要]
有効性
連続血液及び骨髄サンプリングを使用して、サイクル2で開始する治療に対する奏効を判定する。奏効は、第1b相の間にローカルで評価する。第2相では、奏効をローカルで評価し、報告された血液検査値、末梢血塗抹、骨髄液及び/または生検、ならびに細胞遺伝学に基づく修正IWG基準に従って中央判定で確認する。
再発または憎悪の前に治験治療を中止する被験者は、再発または憎悪が確認されるまで毎月の現場訪問を履行する。再発または憎悪のために治験治療を中止している被験者については、毎月の追跡調査を、現場訪問または電話で行うことができる。被験者は、死亡するか、追跡不能となるか、さらなるデータ収集に対する同意を撤回するか、または治験終了まで追跡する。
[他の重要な評価の概要]
安全性
安全性評価としては、有害事象、身体検査、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス、バイタルサイン、心エコー検査(ECHO)または心電同期マルチゲート収集(MUGA)スキャン、心電図(ECG)、心臓マーカー、尿検査、凝固、血液学、血清化学、輸血、妊娠検査(妊娠可能性のある女性(FCBP)のみ)、及び併用薬または併用療法が挙げられる。
化合物2及び化合物1の血漿PK/PD
化合物2/化合物1及びアザシチジン併用のPK特性は、第2相セグメントにおける化合物2/化合物1及びアザシチジン併用の血漿濃度及びPKパラメータによって評価する。2−HGの血漿濃度は、化合物2または化合物1の血漿濃度との経時的な関連性で評価する。
研究製品の管理
経口化合物2及び化合物1は、各治療サイクルの1日目に分配し、各治療サイクルの完了後に報告する。
アザシチジンは、治験現場要員がSC投与する。調製及び投薬を含むすべてのIPの正確な記録を、被験者のCRF及び原資料の適切なセクションで行う。
[統計的方法]
[第1b相段階:]
第1b相における統計解析は、本質的に主として記述的である。素因、人口統計学的及びベースラインの疾患特性、安全性、PK、PD、ならびに臨床活性パラメータについての集計を作成する。分類データを頻度分布(被験者の数と割合)でまとめ、連続データを記述統計(平均、標準偏差、中央値、最小値、及び最大値)でまとめる。適切な場合には、データを用量レベルで、及び総合的にまとめる。
[第2相:]
第2相における全奏効率(ORR)の主要有効性エンドポイントは、修正IWG AML奏効基準に従って、CR、CRp、形態学的白血病細胞消失[MLFS]、CRi、及びPRの奏効を含む。ORRにおける治療差は、ITT集団におけるフィッシャーの正確確率検定を用いて試験する。この試験は、経口化合物2+SCアザシチジンと、それに対してIHD1またはIDH2変異を有し、アザシチジン単剤治療に対して無作為化した被験者を含むプールしたアザシチジン単剤治療群のORR、ならびに経口化合物1+SCアザシチジンと、それに対して別個にプールしたアザシチジン単剤治療群のORRの比較のための中心的なp値を提供する。
経口化合物2+SCアザシチジン群の50人のIDH1被験者、経口化合物1+SCアザシチジン群の50人のIDH2被験者、及びアザシチジン単剤治療群(プールしたアザシチジン単剤治療)における50人のIDH1またはIDH2被験者の組合せを用いて、最大150人の被験者を本治験において無作為化する。比較は、経口化合物2+SCアザシチジンと、それに対してプールしたアザシチジン単剤治療、及び化合物1+アザシチジンと、それに対してプールしたアザシチジン単剤治療について別々に行う。
[組み入れ基準]
被験者は、治験に登録するために以下の基準を満たさなければならない:
同意説明文書(ICF)に署名する時点で被験者は≧18歳である。
治験関連の評価/手順を実施する前に、被験者は、ICFを理解し、自発的に署名しなければならない。
被験者は、治験訪問スケジュール及び他の治験実施計画書の要件に厭わずに従うことができる。
被験者は、WHO分類に従って、未治療のAML、一次的(すなわち新規)または二次的(MDSもしくは骨髄増殖性新生物の進行([MPN]、または治療関連の)AMLを有し、骨髄において≧20%の白血病性芽球を有し:IDH1またはIDH2遺伝子変異(R132、R140、またはR172)を有し;承認されたローカル検査を使用して、第1相の適格性を確認してもよいが、誰が集中的ICを受ける候補者ではないかを治験責任医師が評価することによって;中央検査を行って第2相の適格性を確認しなければならない。
被験者は、0、1または2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する。
被験者は、以下のように定義される適切な器官機能を有する:白血病器官の関与のために考慮されない限り、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキソ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT/SGPT)≦3×ULN;血清総ビリルビン<1.5×ULN。効果のない赤血球形成、ギルバート症候群(例えば、UGT1A1の遺伝子変異)、または白血病性器官の関与に起因する可能性がある場合、より高いレベルが許容可能である;血清クレアチニン<2×ULNまたはCockroft−Gault糸球体濾過率(GFR)推定値:(140−年齢)×(体重kg)×(女性の場合は0.85)/72×血清クレアチニン、に基づいてクレアチニンクリアランス>30mL/分。
連続骨髄吸引/生検に同意する。
以下の条件を満たす妊娠可能性のある女性(FCBP)は参加してもよい:スクリーニング時及び治験中、及び最後の治験治療後の4か月間(カナダでは最後のアザシチジン投与後の6か月間)、性交を避けるか、または少なくとも2つの有効な避妊法(経口、注射、パッチ、もしくは移植可能なホルモン避妊薬;卵管結紮;子宮内避妊器具;殺精子薬を用いた合成二重バリア避妊法;またはパートナーの精管切除)を使用することに同意することを条件とし;及びスクリーニング時にヒト絨毛性ゴナドトロピン(β−hCG)妊娠試験(感度が少なくとも25mIU/mL)の陰性血清βサブユニットを有し;及び治療期間中の治験治療開始前72時間以内にβhCG妊娠試験(感度が少なくとも25mIU/mL)において陰性血清または尿(ローカルな規制の下での治験責任医師の裁量)を有する(72時間の時間枠内で実施する場合には、治療期間中の治験治療の開始前の試験として、スクリーニング血清妊娠検査を用いることができる点に留意されたい)。
妊娠可能性のある女性パートナーを有する男性被験者は、スクリーニング及び治験の経過中、性交を避けるか、または少なくとも2つの有効な避妊方法(例えば、殺精子剤を含む合成コンドームなど)を使用することに同意しなければならず、治験の経過中及び最後の治験治療後の4か月間(カナダでは最後のアザシチジンの投与後の6か月間)、子作りを避けるべきである。
[除外基準]
以下のいずれかに該当する場合、被験者を登録から除外する:
形態学、免疫表現型、分子アッセイ、または核型に基づいて、被験者が急性前骨髄球性白血病を有している疑いがあるか、または証明されている。
被験者が、慢性骨髄性白血病(CML)続発性のAMLを有する。
被験者が、IDH1またはIDH2変異に標的化した薬剤投与を受けている。
被験者が、AMLに対する全身抗癌療法、HSCT、または放射線療法を以前に受けている。白血球(WBC)のカウント数が>30×109/Lの被験者において、白血球増加症の調節のための治験治療開始前にヒドロキシ尿素が許容される点に留意されたい(ただし、アザシチジンの投与前及び投与後72時間以内にヒドロキシ尿素を投与すべきではない)。続発性AML(例えば、MDSまたはMPN)を有する被験者については、前癌に対する治療は排除するものではなく;完全な治療情報をCRF内に収集する。
被験者が、MDSに対するアザシチジンまたはデシタビンによる前治療を受けている。
被験者が、中枢神経系(CNS)白血病を有するか、または有すると疑われる。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が疑われる場合にのみ必要である。
被験者が、制御不能な出血、低酸素症またはショックを伴う肺炎、及び/または播種性血管内凝固のような、直ちに生命を脅かす重篤な白血病の合併症を有する。
治験治療の開始前6か月以内に、被験者が、ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIまたはIVうっ血性心不全;急性冠動脈症候群(ACS);及び/または脳卒中;または治験治療の開始前28日以内に得られた心エコー検査(ECHO)もしくは心電同期マルチゲート収集(MUGA)スキャンによる左心室駆出率(LVEF)<40%を含む有意な活動性心疾患を有する。
治験治療の開始前の1年間以上、疾患がない場合以外で、被験者が、MDS、MPN、またはAML以外の悪性腫瘍の既往歴を有する。しかしながら、以下の病歴/同時条件を有する被験者は許容される:皮膚の基底または扁平上皮細胞癌;子宮頸部上皮内癌;乳房の上皮内癌;前立腺癌の付随的な組織学的所見(腫瘍、節、転移の臨床病期分類システムを用いたT1aまたはT1b)。
被験者が、B型肝炎ウイルス(HBV)もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)に対する能動的感染、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する能動的ウイルス感染を有するか、または血清陽性であることが既知である
被験者が、嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与した薬物の摂取または胃腸吸収を制限する他の病態を有することが既知である
被験者が、管理不良高血圧(収縮期血圧[BP]>180mmHgまたは拡張期BP>100mmHg)を有する
被験者が狭い治療範囲を有する以下の高感度CYP基質薬物療法を受けている場合、治験治療の開始前に少なくとも5半減期の他の薬物に移行できない限り、被験者を治験から除外する:フェニトイン(CYP2C9)、S−メフェニトイン(CYP2C19)、チオリダジン(CYP2D6)、テオフィリン、及びチザニジン(CYP1A2)。
被験者が、乳癌耐性タンパク質(BCRP)トランスポーター感受性基質ロスバスタチンを服用しており;治験治療の開始前に少なくとも5半減期の他の薬物に移行できない限り、被験者を治験対象から除外すべきである
被験者が、管理不良の全身的な真菌性、細菌性、またはウイルス性の能動感染を有する(適切な抗生物質、抗ウイルス療法、及び/または他の治療によっても改善することのない感染に関連する進行中の徴候/症状として定義される)。
被験者が、治験治療のいずれかの成分に対する過敏症を有することが既知であるか、またはその疑いがある。
被験者が、治験治療の開始前に半減期≧5以内の他の薬物に移行できない場合、QT間隔を延長することが知られている薬物を服用している。(同等の薬物が利用できない場合、QTcを厳密に監視する)
被験者が、スクリーニング時に、QTc間隔(すなわち、フリデリシア補正[QTcF])≧450msであるか、またはQT延長もしくは不整脈事象(すなわち、心不全、低カリウム血症、QT間隔延長症候群の家族歴)のリスクを高める他の要因を有する。
妊娠または授乳中の女性被験者。
被験者が治験に参加することを妨げるであろう任意の重大な医学的病態、臨床検査異常、または精神疾患を、被験者が有する。
被験者が治験に参加する場合に被験者を容認できないリスクにさらす臨床検査異常の存在を含む任意の病態を、被験者が有する。
被験者が、治験からのデータを解釈する能力を混乱させる任意の病態を有する。
特定の実施形態では、例えば本明細書において提供する臨床試験実施計画書を受け入れて化合物1及びアザシチジンで治療するAML患者は、治療奏効を示す。いくつかの実施形態では、治療奏効は、修正IWG AML奏効基準に従って、完全奏効(CR)、形態学的白血病細胞消失(MLFS)、好中球回復の不完全(CRi)を伴う形態学的完全寛解、血小板回復の不完全(CRp)を伴う形態学的完全寛解、または部分寛解(PR)である。いくつかの実施形態では、治療奏効は、IWG MDS HI基準による、血液学的改善、例えば、好中球奏効(Hi−N)、血小板奏効(HI−P)、及び/またはエリスロイド奏効(HI−E)の改善である。特定の実施形態では、本明細書において提供する方法における化合物1及びアザシチジンで治療するAML患者は、無再発生存期間(EFS)、奏効期間、HRQoL及び/または全生存期間の改善を示す。
実施例3. イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)変異体標的化療法+アザシチジンの2つの併用の第1b/2相非盲検無作為化試験:集中的誘導化学療法を受ける候補者ではない、それぞれIDH1またはIDH2変異を保有する新規に診断された急性骨髄性白血病を有する被験者における経口化合物2+皮下アザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジン
[適応症]:集中的誘導化学療法(IC)を受ける候補者ではない、IDH1またはIDH2変異を有する新たに診断された急性骨髄性白血病(AML)を有する18歳以上の患者の治療。
主要な目的−第1b相用量決定段階
[主目的]
・集中的ICを受ける候補者ではない、それぞれIDH1またはIDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、皮下(SC)アザシチジンとともに投与する場合の経口化合物2の、及びSCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物1の併用治療の安全性及び忍容性を評価すること。
SCアザシチジンとともに投与する場合の、経口化合物2及び経口化合物1の推奨される併用用量(RCD)を確立すること。
[副次的目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、それぞれIDH1またはIDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物2の、及びSCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物1の併用治療の予備的有効性を評価すること。
第1b相化合物2の拡張段階
[主目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、IDH1変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、SCアザシチジンとともに投与する経口化合物2の併用治療の安全性及び忍容性を評価すること。
[副次的目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、IDH1変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、SCアザシチジンとともに投与する経口化合物2の併用治療の予備的有効性を評価すること。
SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物2の薬物動態(PK)を特徴付けること。
第2相(化合物1の無作為化段階)
[主目的]
集中的ICを受ける候補者ではない、IDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者において、SCアザシチジン単独に対する、SCアザシチジンとともに投与する経口化合物1の有効性を評価すること。
[副次的目的]
SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物1の安全性を評価すること。
SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物1のPKを特徴付けること。
健康関連の生活の質(HRQOL)の転帰に関して、SCアザシチジン単独に対する、SCアザシチジンとともに投与する場合の経口化合物1の効果を評価すること。
[治験デザイン]
この第1b/2相の治験は、それぞれIDH1またはIDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者における経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンの安全性及び有効性を評価するための非盲検無作為化多施設治験である。研究対象集団は、集中的ICを受ける候補者ではない被験者からなる。本治験は、第1b相用量決定及び化合物2拡張段階及び第2相無作為化段階を含む。
[第1b相用量決定段階]
第1b相は、SCアザシチジンとともに投与する経口化合物2及び経口化合物1の安全性及び忍容性を評価し、SCアザシチジンとともに投与する場合の、これら2剤のRCDを規定するための非盲検用量決定試験である。経口化合物2+SCアザシチジン及び経口化合物1+SCアザシチジンレジメンの予備臨床活性も評価する。
第1b相段階は、3つの期間:1)スクリーニング;2)治療;3)追跡調査からなる。
被験者のスクリーニング手順は、治験治療開始前28日以内のスクリーニング期間中に行う。IDH変異を有するAMLの診断は、骨髄液及び/または末梢血試料の血液病理学及びIDH遺伝子変異試験の両方のローカル判定に基づく。登録に適格な被験者は、合併症の有無、パフォーマンスステータスの低下、または他の要因により、治験責任医師の判断に基づいて集中的ICを受診する候補者であってはならない。IDH1変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者は、経口化合物2+SCアザシチジン群に割り当て、IDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者は、経口化合物1+SCアザシチジン群に割り当てる。被験者を、IDH1及びIDH2の二重変異に関連するAMLであると診断する稀な事例では、経口化合物2または化合物1治療群への割り当ては、共同研究者及び医療モニターの決定に基づいて行い、原資料に記録する。
治療期間中、標準的な3+3デザインを使用する。必要に応じて、Celgene医療モニター、Celgeneリード安全医師、Celgene生物統計学者、その他のCelgene機能分野の代表者または指名者からなる投与判定チーム(DRT)、ならびにすべての現場の治験責任医師及び/または指名者(被験薬を投与された被験者を有する現場での)は、各用量レベルのサイクル1中に被験者が経験したすべての有害事象(AE)をレビューし、SCアザシチジンと併用投与した場合の経口化合物2または化合物1の最大耐量(MTD)を超過したかどうかを判定する。経口化合物2の1つの用量レベル(1日500mg)及び経口化合物1の2つの用量レベル(1日100mg及び1日200mg)を評価する予定である。経口化合物2については1日500mg未満、及び化合物1については1日100mg未満の用量レベルを、SCアザシチジンと併用してのこれらの用量のMTD超過がサイクル1中に認められる場合に、評価する。投与中断/遅延及び用量減少を用いて、毒性を管理してもよい。被験者は、疾患の憎悪/再発、治験治療に耐えられなくなるまで、または被験者が何らかの理由で治験治療の中止を希望するまで、治験治療を受けてもよい。治療に対する奏効は、修正国際ワーキンググループ(IWG)AML奏効基準(Cheson et al. Revised recommendations of the International Working Group for diagnosis,standardization of response criteria,treatment outcomes, and reporting standards for therapeutic trials in acute myeloid leukemia. J Clin Oncol 2003;21(24):4642−9に従って、治験責任医師が評価する。
新たに診断されたAMLを有する被験者における血液学的改善(HI)もまた、IWG骨髄異形成症候群HI基準に従って評価する(Cheson et al. Clinical application and proposal for modification of the International Working Group (IWG) response criteria in myelodysplasia.Blood 2006;108(2):419−25)。治験治療を中止する場合、被験者は最終投与評価を受けることになる。治療中止の理由は、電子症例報告書(eCRF)のページ及び原資料に記録する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、AE、併用医薬、併用療法、輸血、医療資源利用、奏効、血液学的改善、その後のAML治療、及び生存についての評価を継続する。
追跡調査の同意の撤回または病状悪化以外の何らかの理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、治験の追跡調査期間中、病状が悪化するまで奏効に関して評価を継続する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、その後のAML治療、及び生存について評価を継続する。
本治験は、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)の優良臨床試験基準(GCP)ガイドラインに従って実施する。
[第1b相化合物1の拡張段階]
IDH1変異を有する新たに診断されたAMLを有する約15人の被験者の第1b相拡大コホートを化合物2の併用に登録する。化合物2の拡張に登録した被験者には、化合物2+アザシチジンをRCDで投与する。
[第2相化合物2無作為化段階]
第2相段階は、全奏効率(ORR)及び無再発生存期間(EFS)を評価するために、SCアザシチジン単独に対する、SCアザシチジンとともに投与する経口化合物1の有効性を評価する非盲検無作為化試験である。
第2相段階はまた、3つの期間:1)スクリーニング;2)治療;3)追跡調査からなる。
第1b相と同様に、被験者スクリーニング手順は、治験開始前28日以内のスクリーニング期間中に行うが、AMLの診断は、登録のためにローカルで行い、その後の中央病理診断に基づいて遡及的に確認する。IDHの変異状態はローカルで評価し、ローカルでの検査能力のない現場については紹介研究室を特定する。骨髄液及び末梢血試料は、変異状態を遡及的に確認するために、関連試料とともに中央検査室に送らなければならない。治験への組込みはローカルのIDH試験に基づくことができる。登録に適格な被験者は、合併症の有無、パフォーマンスステータスの低下、または他の要因により、治験責任医師の判断に基づいて集中的ICを受ける候補者ではない被験者である。
適格性の判定の後、IDH2変異を有する新たに診断されたAMLを有する被験者を無作為化し、経口化合物1+SCアザシチジン(群1)対SCアザシチジン単独(群2)を2:1の比率で受けさせる。群1には最低66人の被験者が含まれ、群2には最低33人の被験者が含まれる(両群に合計99人の被験者)。
WHO分類に従って、一次的(すなわち新規)または二次的(骨髄異形成症候群(MDS)もしくは骨髄増殖性新生物[MPN]の進行、または治療関連の)AMLによって、被験者を層別化する。
治験治療は、無作為化の3日以内に開始する。治験治療中の評価には、有効性、安全性、HRQoL、医療資源利用、薬物動態、薬力学、及び相関研究が含まれる。
第1b相及び第2相の両方において、スクリーニング中に収集したすべての骨髄液及び/または生検ならびに末梢血塗抹の遡及的中央病理診断を、被験者の治療に対して盲検化した人員によって行い、適格性を確認する。治験開始後に採取した骨髄液(BMA)及び/または生検ならびに末梢血塗抹は、ローカル及び中央病理診断の両方で利用可能でなければならない。遡及的中央病理診断では、BMA、末梢血塗抹、及び実施する場合には骨髄生検(BMB)を含む各々の骨髄採取時点ごとに一組の複製スライドが必要となる。中央病理診断は、治験治療に対して盲検化した人員によって行う。
治療及びHIに対する奏効は、それぞれ、修正IWG AML奏効基準(Cheson,2003)及びIWG骨髄異形成症候群HI基準(Cheson,2006)に従って、治験責任医師が評価する。
治験治療中の毒性を管理し、及び/または治療奏効を増大させるために、投薬中断、投薬遅延または投薬量の変更を行ってもよい。
治験の併用群における被験者に対する化合物2、化合物1、またはアザシチジンの中断は許容される。治験責任医師の評価において、被験者が臨床的有用性を示し続け、治験治療を継続するための治験実施計画書が指定するすべての基準を満たす場合、被験者は、単剤の化合物2、化合物1、またはアザシチジンでの治療を継続してもよい。被験者が進行性疾患を有しているか、または代替療法を受ける場合、治験治療を中止する。
被験者を中止する決定は、治験依頼者によって遅延させられたり拒否されたりすることはなく、依然として治療する医師がその責任を負う。しかしながら、被験者を中止する前に、治験責任医師が医療モニターに連絡し、検討及び討議するために適切な補足文書を提出することが推奨される。
治験治療の少なくとも1回の投与を受けたすべての被験者は、治験治療の中止時に最終投与(EOT)評価を受けるべきである。中止の理由は、電子症例報告書(eCRF)のページ及び原資料に記録する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、AE、併用医薬、併用療法、輸血、医療資源利用、奏効、血液学的改善、その後のAML治療、及び生存についての評価を継続する。
追跡調査の同意の撤回または病状悪化以外の何らかの理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、治験の追跡調査期間中、病状が悪化するまで奏効に関して評価を継続する。
追跡調査の同意を撤回する以外の理由で治験治療を中止するすべての被験者に対しては、その後のAML治療、及び生存について評価を継続する。
本治験は、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)の優良臨床試験基準(GCP)に従って実施する。
[治験期間]
治験の全期間は、およそ60か月であると予想され、第1b相及び第2相の、リクルート、スクリーニング、治療、及び追跡調査を含む。単一の被験者について、治験の第1b相セグメントの予測期間は、最大28日のスクリーニング期間を含めておよそ13か月であり、治験の第2相セグメントの予測期間は、最大28日のスクリーニング期間を含めておよそ30か月である。
治験終了とは、治療後の追跡調査を完了するための最後の被験者の最後の訪問の日付、または治験実施計画書の中で予め指定されている、主要、二次的、及び/または探索的分析に必要な最後の被験者からの最後のデータポイントの受信日のうちのいずれか遅いほうの日付と定義される。
[治験治療]
化合物2及び化合物1は、各28日サイクルの1〜28日目に1日1回(QD)経口投与する。被験者には、毎日±6時間のほぼ同じ時間帯に服用するように指示する必要がある。各用量を1杯の水で摂取し、可能な限り短時間で摂取すべきである。被験者には、錠剤全体を飲み込み、錠剤を噛むことはしないように指示すべきである。化合物1の投与の2時間前及び1時間後には、絶食が必要である。絶食中も水の摂取は可能である。化合物2の投与に絶食は必要ない。
第1b相及び第2相の両方の間、各28日間の治療サイクルの1日目から開始する7日間、アザシチジンをSC投与する。第1b相の化合物2の拡張段階では、AML及びIDH1変異を有する被験者には、治験登録前にAMLの治療のためにわずか1サイクルのアザシチジンを投与してもよい。アザシチジンとともに投与する化合物2のサイクル1は、アザシチジンの治験前サイクルの開始から28日以内に与えなければならない。
第2相段階の間、アザシチジン単独群に無作為化した被験者に、各28日サイクルの7日間、75mg/m2/日のアザシチジンをSC投与する。すべての無作為化被験者には、それらの治療を中止しない限り、治験終了まで28日ごとに7日間、75mg/m2/日のアザシチジンをSC投与する。さらに、被験者は、治験責任医師の裁量に応じて、抗生物質及び輸血を含む、必要に応じた最良の支援ケアを受けてもよい(利用可能な製剤化、調製、貯蔵条件[例えば、冷蔵]、承認された適応症、既知の予防策、警告、及び最良の支援ケアの有害反応についての詳細は、現地の処方情報及び現地の治療ガイドライン参照;(最新版の処方情報を参照されたい)。7日間の投薬期間中に2回以下の投与を逃した場合、被験者が7日間の治療のすべてを受けるように投薬を継続すべきである。7日間の投薬期間中に3日以上を逃した場合、治験責任医師は治験依頼者に連絡すべきであり、投薬の決定はケースバイケースで行う。
[第1b相(用量決定及び化合物2の拡張)段階:]
第1b相の用量決定は3+3デザインを使用する。化合物2については、1つの用量レベルを、登録する3人の被験者について検討する。コホート1は、1日1回500mgの経口化合物2、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起する。コホート1の2人以上の被験者がサイクル1において用量制限毒性(DLT)を有する場合、コホート−1を、1日1回250mgの化合物2で、及び各28日サイクルの7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで検討する。DRTによるRCDの告知に際して、さらなる安全性評価及びPKサンプリングのために、最大15人の患者の拡大コホートをRCDに登録する。
化合物1については、2つの用量レベルを検討する。コホート1は、1日1回100mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間の75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起する。DLTが観察されない場合、DRTによってRCDを確認し、100mg用量を治験の第2相の開始用量として用いる。コホート2に対する用量漸増も、1日1回200mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンで惹起し、この用量レベルでの化合物1+SCアザシチジンの忍容性を調べる。コホート1において2人以上の被験者がDLTを有する場合、1日1回50mgの経口化合物1、及び各28日サイクルの各サイクルの1日目から開始する7日間における75mg/m2/日SCのアザシチジンでコホート−1を調べる。
DRTは、1サイクル後の各被験者のすべての毒性を評価し、個々の被験者に対して更なる用量変更が必要かどうかを判定する。
[第2相化合物1無作為化段階:]
化合物1+アザシチジン群(群1):
IDH2変異を有する被験者に、RCDの化合物1を各28日サイクルの1〜28日目にQD経口で、+75mg/m2/日のアザシチジンを各28日サイクルの7日間、SC投与する。
アザシチジン群(群2):
IDH2変異を有する被験者に、各28日サイクルのうちの7日間、75mg/m2/日のアザシチジンをSC投与する。
[主要有効性評価の概要]
有効性
連続血液及び骨髄サンプリングを使用して、サイクル2で開始する治療に対する奏効を判定する。奏効は、両方の相において、中央判定で報告される血液検査値、末梢血塗抹、骨髄液及び/または生検に基づく修正IWG基準に従ってローカルで評価する。第2相の被験者においては、最小残存病変のフローサイトメトリー測定によって測定する奏効の探索的評価も行う。現場では、骨髄採取時に、中央血液学用の末梢血を採取して送付する必要がある。
遡及的病理診断を実施する。遡及的中央病理診断では、BMA、末梢血塗抹、及び実施する場合にはBMBを含む、各々の骨髄採取時点ごとに一連の複製スライドが必要となる。中央病理診断は、治験治療に対して盲検化した人員によって行う。
中央病理診断のための骨髄液(及び/または生検)ならびに末梢血塗抹のスライドを提出するための指示書は、Study Reference及び/またはStudy Central Laboratory Manualに提供されている。
再発または憎悪の前に治験治療を中止する被験者は、再発または憎悪が確認されるまで毎月の現場訪問を履行する。再発または憎悪のために治験治療を中止している被験者については、毎月の追跡調査を、現場訪問または電話で行うことができる。被験者は、死亡するか、追跡不能となるか、さらなるデータ収集に対する同意を撤回するか、または治験終了まで追跡する。
[他の重要な評価の概要]
安全性
安全性評価としては、有害事象、身体検査、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス、バイタルサイン、心エコー検査(ECHO)または心電同期マルチゲート収集(MUGA)スキャン、心電図(ECG)、心臓マーカー、尿検査、凝固、血液学、血清化学、輸血、妊娠検査(妊娠可能性のある女性(FCBP)のみ)、及び併用薬または併用療法が挙げられる。
化合物2及び化合物1の血漿PK/PD
SCアザシチジンとともに投与する場合の化合物2のPK特性は、第1b相拡張セグメントにおける化合物2の血漿濃度及びPKパラメータによって評価する。2−HGの血漿濃度は、化合物2の血漿濃度との経時的な関連性で評価する。
SCアザシチジンとともに投与する場合の化合物1のPK特性は、第2相セグメントにおける化合物1の血漿濃度及びPKパラメータによって評価する。2−HGの血漿濃度は、化合物1の血漿濃度との経時的な関連性で評価する
研究製品の管理
経口化合物2及び化合物1は、各治療サイクルの1日目に分配し、各治療サイクルの完了後に報告する。
アザシチジンは、治験現場要員がSC投与する。すべてのIP投与の正確な記録を、被験者のeCRF及び原資料の適切なセクションで行う。
[統計的方法]
[第1b相(用量決定及び化合物2の拡張)段階:]
第1b相における統計解析は、本質的に主として記述的である。素因、人口統計学的及びベースラインの疾患特性、安全性、PK、PD、ならびに臨床活性パラメータについての集計を作成する。分類データを頻度分布(被験者の数と割合)でまとめ、連続データを記述統計(平均、標準偏差、中央値、最小値、及び最大値)でまとめる。適切な場合には、データを用量レベルで、及び総合的にまとめる。
[第2相化合物1無作為化段階:]
第2相における全奏効率(ORR)の主要有効性エンドポイントは、修正IWG AML奏効基準に従って、CR、CRp、Cri、形態学的白血病細胞消失(MLFS)、及びPRの奏効を含む。ORRにおける治療差は、ITT集団におけるカイ2乗検定を用いて試験する。この試験は、経口化合物1+SCアザシチジンと、それに対するアザシチジン単剤治療群のORRの比較のための中心的なp値を提供する。
本治験において、およそ99名の被験者を、経口化合物1+SCアザシチジン群での66名のIDH2被験者、及びSCアザシチジン単剤治療群での33名のIDH2被験者で無作為化する。アザシチジン単剤治療群で30%のORR、経口化合物1+SCアザシチジン群で50%のORRと仮定すると、この設計サンプルサイズ(化合物1+SCアザシチジン群での66、及びアザシチジン単剤治療群での33)は、75%のパワーを提供し、タイプIエラー率0.2(両側)でORRの20%の差異を検出する。
[組み入れ基準]
被験者は、治験に登録するために以下の基準を満たさなければならない:
同意説明文書(ICF)に署名する時点で被験者は≧18歳である。
治験関連の評価/手順を実施する前に、被験者は、ICFを理解し、自発的に署名しなければならない。
被験者は、治験訪問スケジュール及び他の治験実施計画書の要件に厭わずに従うことができる。
被験者は、WHO分類に従って新たに診断された一次的(すなわち新規)または二次的(MDSもしくは骨髄増殖性新生物[MPN]の進行、または治療関連の)AMLを有し、骨髄において≧20%の白血病性芽球を有し:
IDH1またはIDH2遺伝子変異(R132、R140、またはR172)を有する
IDH変異状態をローカルで評価する;ローカルでのテスト機能のない現場の場合、紹介ラボを特定する
誰が集中的ICを受ける候補者ではないかを治験責任医師が評価することによって
被験者は、0、1または2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する。
被験者は、以下のように定義される適切な器官機能を有する:
白血病器官の関与のために考慮されない限り、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキソ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT/SGPT)≦3×ULNである。
血清総ビリルビンが<1.5×ULNである。効果のない赤血球形成、ギルバート症候群(例えば、UGT1A1の遺伝子変異)については標準の上限値の≦3倍、または白血病性器官の関与に起因する可能性がある場合、より高いレベルが許容可能である。
血清クレアチニンが<2×ULNであるか、またはModification of Diet in Renal Disease(MDRD)糸球体濾過率(GFR)に基づくクレアチニンクリアランスが□30mL/分である:
GFR(mL/分/1.73m2)=175×(Scr)−1.154×(年齢)−0.203×(0.742、女性の場合)×(1.212、アフリカ系米国人の場合)
連続骨髄吸引/生検に同意する。
以下の条件を満たす妊娠可能性のある女性(FCBP)*は参加してもよい:
スクリーニング時及び治験中、及び最後の治験治療後の4か月間、性交について真の禁欲**を遂行するか、または排卵の阻害に関連する非常に有効な避妊法(例えば、併用[エストロゲン及びプロゲストゲンを含む]もしくはプロゲストゲンのみ、経口、注射、膣内、パッチ、または移植可能なホルモン避妊薬;両側卵管閉塞法;子宮内避妊器具;子宮内ホルモン放出システム;もしくは男性パートナーの殺菌[パートナーの精管切除は非常に有効な避妊法であるが、但し、パートナーはFCBP治験参加者の唯一の性的パートナーであり、かつ精管切除したパートナーは外科的成功の医学的評価を受けていることを条件とする点に留意されたい])を使用することへの同意;及び
スクリーニング時にヒト絨毛性ゴナドトロピン(β−hCG)妊娠試験(感度が少なくとも25mIU/mL)の陰性血清βサブユニットを有し;及び
治療期間中の治験治療開始前72時間以内にβhCG妊娠試験(感度が少なくとも25mIU/mL)において陰性血清または尿(ローカルな規制の下での治験責任医師の裁量)を有する(72時間の時間枠内で実施する場合には、治療期間中の治験治療の開始前の試験として、スクリーニング血清妊娠検査を用いることができる点に留意されたい)。
妊娠可能な妊娠していない女性パートナーを有する男性被験者は、スクリーニング時及び治験の経過中、性交について真の禁欲を遂行するか、または有効な避妊方法(上記のような)を使用することに同意しなければならず、治験の経過中及び最後の治験治療後の4か月間(カナダでは最後のアザシチジンの投与後の6か月間)、パートナーとの子作りを避けるべきである。
さらに、男性被験者は、アザシチジンでの治療中、及び最後のアザシチジン投与後、少なくとも4か月間、コンドームを使用することに同意しなければならない。
[除外基準]
以下のいずれかに該当する場合、被験者を登録から除外する。
形態学、免疫表現型、分子アッセイ、または核型に基づいて、被験者が急性前骨髄球性白血病を有している疑いがあるか、または証明されている。
被験者が、慢性骨髄性白血病(CML)続発性のAMLを有する。
被験者が、IDH1またはIDH2変異に標的化した薬剤投与を受けている。
被験者が、AMLに対する全身抗癌療法、HSCT、または放射線療法を以前に受けている。留意点:白血球増加症を有する被験者において、末梢白血病芽球の調節のための登録前にヒドロキシ尿素が許容される(ただし、アザシチジンの投与前及び投与後72時間以内にヒドロキシ尿素を投与すべきではない)。続発性AML(例えば、MDSまたはMPN)を有する被験者については、前癌に対する治療は排除するものではなく;完全な治療情報をCRF内に収集する。APLが疑われる場合についての、すべてのトランスレチノイン酸(ATRA)の使用は、治験実施計画書の治療開始前に中止する限りにおいては排除するものではない。
被験者が、アザシチジンを用いた1サイクルより多くの前治療を受けているか、またはMDSに対するデシタビンを用いた前治療を受けている。
分類:現在第1サイクル(7日間)のアザシチジンを受けている新たに診断されたAMLを有する被験者を、治験のためにスクリーニングすることができる。治験においては、アザシチジンとともに投与する化合物1または化合物2によるサイクル1は、アザシチジン予備研究の開始の28日(±3日)後に開始しなければならない。
被験者が、中枢神経系(CNS)白血病を有するか、または有すると疑われる。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が疑われる場合にのみ必要である。
被験者が、制御不能な出血、低酸素症またはショックを伴う肺炎、及び/または播種性血管内凝固のような、直ちに生命を脅かす重篤な白血病の合併症を有する。
治験治療の開始前6か月以内に、被験者が、ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIまたはIVうっ血性心不全;急性冠動脈症候群(ACS);及び/または脳卒中;または治験治療の開始前28日以内に得られた心エコー検査(ECHO)もしくは心電同期マルチゲート収集(MUGA)スキャンによる左心室駆出率(LVEF)<40%を含む有意な活動性心疾患を有する。
治験治療の開始前の1年間以上、疾患がない場合以外で、被験者が、MDS、MPN、またはAML以外の悪性腫瘍の既往歴を有する。しかしながら、以下の病歴/同時条件を有する被験者は許容される:
皮膚の基底または扁平上皮細胞癌
子宮頸部上皮内癌
乳房の上皮内癌
前立腺癌の付随的な組織学的所見(腫瘍、節、転移の臨床病期分類システムを用いたT1aまたはT1b)
被験者が、B型肝炎ウイルス(HBV)もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)に対する能動的感染、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する能動的ウイルス感染を有するか、または血清陽性であることが既知である
被験者が、嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与した薬物の摂取または胃腸吸収を制限する他の病態を有することが既知である
被験者が、管理不良高血圧(収縮期血圧[BP]>180mmHgまたは拡張期BP>100mmHg)を有する
被験者が狭い治療範囲を有する以下の高感度CYP基質薬物療法を受けている場合、治験治療の開始前に少なくとも5半減期の他の薬物に移行できない限り、被験者を治験から除外する:フェニトイン(CYP2C9)、S−メフェニトイン(CYP2C19)、チオリダジン(CYP2D6)、テオフィリン、及びチザニジン(CYP1A2)。
被験者が、乳癌耐性タンパク質(BCRP)トランスポーター感受性基質ロスバスタチンを服用しており;治験治療の開始前に少なくとも5半減期の他の薬物に移行できない限り、被験者を治験対象から除外すべきである。
被験者が、管理不良の全身的な真菌性、細菌性、またはウイルス性の能動感染を有する(適切な抗生物質、抗ウイルス療法、及び/または他の治療によっても改善することのない感染に関連する進行中の徴候/症状として定義される)。
被験者が、治験治療のいずれかの成分に対する過敏症を有することが既知であるか、またはその疑いがある。
被験者が、治験治療の開始前に半減期≧5以内の他の薬物に移行できない場合、QT間隔を延長することが知られている薬物を服用している。(同等の薬物が利用できない場合、QTcを厳密に監視する)
被験者が、スクリーニング時に、QTc間隔(すなわち、フリデリシア補正[QTcF])≧450msであるか、またはQT延長もしくは不整脈事象(すなわち、心不全、低カリウム血症、QT間隔延長症候群の家族歴)のリスクを高める他の要因を有する。
妊娠または授乳中の女性被験者。
被験者が治験に参加することを妨げるであろう任意の重大な医学的病態、臨床検査異常、または精神疾患を、被験者が有する。
被験者が治験に参加する場合に被験者を容認できないリスクにさらす臨床検査異常の存在を含む任意の病態を、被験者が有する。
被験者が、治験からのデータを解釈する能力を混乱させる任意の病態を有する。
実施例4:2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールの合成
実施例4、工程1:6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸の調製
ジエチルエーテル(4.32L)及びヘキサン(5.40L)をN2雰囲気下で反応容器に加え、−75℃〜−65℃まで冷却した。−65℃未満、N2雰囲気下で、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン中3.78L)を滴下した後、ジメチルアミノエタノール(327.45g、3.67mol)を滴下し、10分後、2−トリフルオロメチルピリジン(360g、2.45mol)を滴下した。約2.0〜2.5時間、温度を−65℃未満に維持しながら、反応物をN2下で撹拌した。粉砕したドライアイス上にN2下で反応混合物を注ぎ、次いで撹拌しながら(約1.0〜1.5時間)0〜5℃の温度にした後、水(1.8L)を添加した。反応混合物を5〜10分間撹拌し、5〜10℃に温めた。混合物がpH1.0〜2.0に達するまで6N HCl(900mL)を滴下し、次いで混合物を5〜10℃で10〜20分間撹拌した。25〜35℃において反応混合物を酢酸エチルで希釈し、次いでブライン溶液で洗浄した。反応物を濃縮し、n−ヘプタンですすぎ、次いで乾燥して、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸を得た。
実施例4、工程2:6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの調製。メタノールを反応容器に窒素雰囲気下で加えた。6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸(150g、0.785mol)を加え、周囲温度で溶解させた。塩化アセチル(67.78g、0.863mol)を45℃未満の温度で滴下した。反応混合物を約2〜2.5時間、65〜70℃で維持し、次いで真空下で35〜45℃で濃縮し、25〜35℃に冷却した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHC03溶液ですすぎ、次いでブライン溶液ですすいだ。混合物を真空下で35〜45℃で濃縮し、25〜35℃に冷却し、次いでn−ヘプタンですすぎ、真空下、35〜45℃で濃縮し、次いで脱気して褐色固体を取得し、これをn−ヘプタンですすぎ、25〜35℃で10〜15分間撹拌した。懸濁液を撹拌しながら−40〜−30℃に冷却し、濾過し、乾燥させて、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを得た。
実施例4、工程3:6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオンの調製。1Lの無水エタノールをN2雰囲気下で反応容器に入れ、N2雰囲気下、50℃未満で金属ナトリウム(11.2g、0.488mol)を分割して加えた。反応物を5〜10分間攪拌し、次いで50〜55℃に加熱した。乾燥ビウレット(12.5g、0.122mol)をN2雰囲気下、50〜55℃の温度で反応容器に加え、10〜15分間攪拌した。50〜55℃に維持しながら、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(50.0g、0.244mol)を加えた。反応混合物を加熱還流し(75〜80℃)、1.5〜2時間維持し、次いで35〜40℃に冷却し、真空下45〜50℃で濃縮した。水を加え、混合物を減圧下で濃縮し、35〜40℃に冷却し、さらに水を加え、混合物を0〜5℃に冷却した。6NのHClをゆっくり添加することによってpHを7〜8に調整し、固体を沈殿させ、これを遠心分離し、水ですすぎ、再び遠心分離した。6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオンの灰白色から淡褐色の固体を600mmHgの圧力下、50℃〜60℃で8〜10時間真空乾燥し、6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオンを得た。
実施例4、工程4:2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジンの調製。20〜35℃でPOCl3(175.0mL)を反応容器に入れ、6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオン(35.0g、0.1355mol)を50℃未満で分割して加えた。反応混合物をN2ガスでパージして5〜20分間脱気した。五塩化リン(112.86g、0.542mol)を50℃未満で撹拌しながら添加し、得られたスラリーを加熱還流し(105〜110℃)、3〜4時間維持した。反応混合物を50〜55℃に冷却し、55℃未満で濃縮し、次いで20〜30℃に冷却した。反応混合物を酢酸エチルですすぎ、酢酸エチル層を、撹拌及び温度を10℃未満に維持しながら冷水(温度約5℃)にゆっくりと加えた。混合物を10〜20℃の温度で3〜5分間攪拌し、酢酸エチル層を回収した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液ですすぎ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この物質を真空下、45℃未満で2〜3時間乾燥させて、2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジンを得た。
実施例4、工程5:4−クロロ−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンの調製。THF(135mL)と2,4−ジクロロ−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1,3,5−トリアジン(27.0g、0.0915mol)の混合物を20℃〜35℃で反応容器に加え、4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(16.31g、0.1006mol)及び炭酸水素ナトリウム(11.52g、0.1372mol)を加えた。得られたスラリーを20〜24時間、加熱還流(75〜80℃)した。反応物を30〜40℃に冷却し、THFを減圧下、45℃未満で蒸発させた。反応混合物を20〜35℃に冷却し、酢酸エチル及び水ですすぎ、酢酸エチル層を回収し、0.5NのHCl及びブライン溶液ですすいだ。有機層を真空下、45℃未満で濃縮し、次いでジクロロメタン及びヘキサンですすぎ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空下、45〜50℃で5〜6時間乾燥させて、4−クロロ−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンを得た。
実施例4、工程6:2−メチル−1−(4−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−(2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)プロパン−2−オールの調製。THF(290mL)、4−クロロ−6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(29.0g、0.06893mol)、炭酸水素ナトリウム(8.68g、0.1033mol)、及び1,1−ジメチルアミノエタノール(7.37g、0.08271mol)を20〜35℃で反応容器に加えた。得られたスラリーを16〜20時間、加熱還流(75〜80℃)した。反応物を30〜40℃に冷却し、THFを減圧下、45℃未満で蒸発させた。反応混合物を20〜35℃に冷却し、酢酸エチル及び水ですすぎ、酢酸エチル層を回収した。有機層を真空下、45℃未満で濃縮し、次いでジクロロメタン及びヘキサンですすぎ、濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空下、45〜50℃で8〜10時間乾燥させて、2−メチル−1−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−(2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)プロパン−2−オールを得た。
実施例5:2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールメタンスルホネートの調製:
アセトン(435.0mL)及び2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オール(87.0g、0.184mol)を20〜35℃で反応容器に加えた。別の容器で、撹拌しながら冷(0〜4℃)アセトン(191.4mL)にメタンスルホン酸を10分間かけて添加してメタンスルホン酸溶液を調製した。ミクロンフィルターを通過させながら、新たに調製したメタンスルホン酸溶液を反応混合物に滴下した。得られたスラリーをヌッチェフィルターで濾過し、アセトンで洗浄した。濾過した物質を、真空を用いて30〜40分間乾燥して、2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールメタンスルホネートを得た。
実施例6:2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールメタンスルホネートの形態3の合成
形態3への結晶化は以下の塩形成によって達成した:1)結晶化装置にアセトン(500ml、4.17vol)を入れ、次いで混合物を10分間攪拌し(550rpm)、2)2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オール(120.0g、253.5mmol)を、固形チャージャーを介して結晶化装置に45分間かけて充填し;3)固形チャージャーをアセトン(100ml、0.83vol)ですすぎ;4)反応物を攪拌し(550rpm)、35℃に加熱して透明な溶液を得て(10分で)、5)MSA/アセトン溶液(0.3mol/L、18.1ml、3.8ml/分)の第1の部分(2%)を、ピストンポンプを介して5分間にわたって添加し、次いでポンプのパイプラインをアセトン(5ml、0.04vol)で洗浄し、6)溶液を透明に保ちながら、混合物を35℃で10〜15分間エージングさせ、7)2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールメタンスルホネートシード(実施例2で生成したように2.4g、2wt%)を透明な溶液に加え、8)MSA/アセトン溶液(0.3mol/L、444ml、3.7ml/分)の第2の部分(49%)を2時間にわたって加え、9)混合物を35℃で30分間エージングさせ、10)MSA/アセトン溶液(0.3mol/L、444ml、7.4ml/分)の第3の部分(49%)を1時間にわたって加え、11)混合物を35℃で2時間エージングさせ、12)混合物を1時間、20℃まで冷却し、13)混合物を濾過し、ケーキをアセトンで洗浄し(240mlで2回)、17)ならびに30℃で真空乾燥し;形態3の結晶を得た。
このようにいくつかの実施形態のいくつかの態様を記載してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、及び改良を容易に思い付くであろうことを理解されたい。そのような変更、修正、及び改良は、本開示の一部であることが意図され、本発明の趣旨及び範囲内に含まれることが意図される。したがって、上記の記載及び図面は単なる例示に過ぎない。