JP2011519047A - 角質化構造体中の分析物を判定するためのタンパク質非分解的な方法 - Google Patents

角質化構造体中の分析物を判定するためのタンパク質非分解的な方法 Download PDF

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Abstract

個体(以前に1つまたは複数の分析物を摂取している可能性がある個体)の頭髪もしくは体毛または他の角質化構造体から1つまたは複数の分析物を迅速に放出させることを可能にする方法を提供する。本方法は、角質化構造体を還元剤と接触させる工程を含み得るが、タンパク質分解剤と接触させる工程は含み得ない。本方法は、イムノアッセイなどの既知の分析技術による、1つまたは複数の分析物の同定および定量をさらに含み得る。説明する方法は、分析物に損傷を与えることもなく、その後に使用される分析物検出プローブ(例えば、抗体)に対する有害な影響を引き起こすこともない。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年4月29日に出願された米国特許出願第12/111,914号の優先権を主張するものであり、この出願の内容すべてが、参照により本明細書に組み入れられる。
技術分野
本開示は、対象の角質化構造体中における1つまたは複数の関心対象分析物の存在および量を判定するための材料および方法、より詳しくは、角質化構造体のタンパク質分解処理を必要としない当該判定のための材料および方法に関する。
背景
本開示は、毛髪および他の角質化構造体、例えば指爪および足爪などに存在する有機分析物、例えば、ある特定の乱用薬物またはその代謝物などを含む分析物の比較的迅速な放出および直接分析を可能にする、改良された分析方法に関する。この方法は、分析物の構造に影響を及ぼすこともなく、分析物を検出するために使用され得る分析物プローブ、例えば、抗体、RNA/DNA、およびバイオレセプタープローブなどを害することもなく、そのような分析物の高感度検出を可能にする。例えば、いくつかの態様において、1つまたは複数の分析物を含有する疑いがあり並びに本明細書において説明したように処理された角質化構造体に対して、分析物プローブを直接加えることが可能である。この方法により、1つまたは複数の分析物の同定、並びに対象による1つまたは複数の分析物の摂取の程度および期間を評価することができる。
毛髪および他の角質化構造体の分析は、関心対象分析物を検出するための尿、血液、または口腔液の分析技術よりも、ある特定の利点を有する。そのような利点としては、取り扱いおよび貯蔵の容易さ、幅広い検出窓、並びに薬物の存在および量と使用時期および摂取量との相関関係が挙げられる。尿、血液、または口腔液の技術は、使用または曝露の期間および強度を究明することができないという欠点を有することが知られている。これらの技術は、せいぜい、摂取された分析物に関する短期間の情報を提供することができるにすぎない。その上、そのような結果の解釈においても問題がある。例えば、尿中において低濃度の摂取薬物もしくは薬物代謝物を検出した場合、それは、対象がごく最近に少量の薬物を摂取したことも、あるいは数日より以前により多くの量を摂取したことも意味し得る。したがって、通常、慢性的な薬物の使用は、繰り返しの試験を行うことなしには、これらの方法では判定することができない。
関心対象分析物の期間および強度の両方を測定するための、信頼性があり正確な方法を確立するという課題に応えて、「Radioimmunoassay of Hair for Determining Opiate Abuse Histories」, J. Nucl Med 20:749-752(1979)(非特許文献1)において報告されているように、Dr. Werner A. Baumgartnerによって行われた研究により、これらの物質が、個体の毛髪繊維が合成される際に該繊維内に「取り込まれる」ために、哺乳動物の体毛を分析することによって乱用薬物に対する長期の曝露歴を得ることができるということが見出された。この点に関して、毛髪はテープレコーダのように機能することが示され、すなわち、毛髪試料の部分分析によって過去の曝露歴を評価することができる。例えば、モルフィンは、ひとたび血流に入ると、毛髪が合成される際に毛髪内に入り込むことがわかった。
乱用薬物を含めて様々な化学物質が、毛髪の合成の際に、毛髪によって取り込まれることがわかったが、これらの物質は、実質的に毛髪が身体上に存在する間、頭髪内に「閉じ込められる」。これは、頭髪および体毛、並びに爪などの他の角質化構造体に当てはまることが見出され、それらについては、Suzukiら, Forensic Sci. International, 24:9-16, 1984(非特許文献2)を参照されたい。これら取り込まれた物質は、毛髪から洗い出すことができず、以前は、毛髪繊維の完全もしくはほとんど完全な破壊においてのみ、完全に放出されると考えられた。
毛髪から分析物を抽出する従来法は、毛髪を熱メタノール溶液に供する工程、または毛髪を何時間も(通常は終夜)アルカリもしくは酸媒体中においてインキュベートする工程を含んでいた;Yeglesら, Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.73-94(非特許文献3);Jurado, C. Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.95-125(非特許文献4);Cheze, M.ら, Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.163-185(非特許文献5))。従来法は、抽出を助けるために、溶媒と共に超音波処理あるいは乳鉢および乳棒の使用も包含していた。
溶媒抽出手法は、摂取された分析物の存在および量を正確に判定することにおいて、いくつかの問題に悩まされ得る。これらの問題の1つは、溶媒抽出法が、しばしば、毛髪試料中に存在するすべての分析物のうちの少量の未知で変わりやすい画分しか取り出せないということである。別の不都合は、異なる分析物は、抽出のために異なる溶媒あるいは異なる時間および温度を必要とし得るということである。その上、イムノアッセイによる分析のためには溶媒をエバポレートする必要があり、並びに溶媒の多くが有毒で危険である。
1つまたは複数の分析物を放出させるために、他の従来法は、角質化構造体を完全に消化し還元するためにタンパク質分解処理と還元処理との組み合わせを用いていた。例えば、米国特許第5,466,579号(特許文献1)、米国特許第5,324,642号(特許文献2)、米国特許第6,022,693号(特許文献3)、米国特許第6,582,924号(特許文献4)、および米国特許第6,949,344号(特許文献5)を参照されたく、これらは、ラジオイムノアッセイおよびエンザイムイムノアッセイなどのイムノアッセイを含む、関心対象分析物のスクリーニングおよび確認アッセイの両方のための例示的な検出方法を提供するものであり、これらの特許は、参照により本明細書中に組み入れられる。そのようなタンパク質分解処理法と還元処理法との組み合わせは、効率的ではあるが、その一方で、タンパク質分解酵素のコストのために比較的高価であり、さらに、抗体などの分析物検出プローブがタンパク質分解により切断されることによって、その後の分析物検出分析に影響を及ぼしかねず、ある特定の高感度分析技術の使用が妨げられるか、あるいは中間体プロテアーゼの中和、分離、または精製工程の適用が必要となる。
したがって、毛髪、指爪、および足爪などの身体における角質化構造体から分析物を迅速かつ完全に放出させることが可能であり、並びに関心対象分析物および/または分析物検出プローブを破壊もしくは妨害することなく、分析物の同定および対象におけるそれらの使用期間を直接的に判定することを可能とし得る、効率的で比較的安価な分析物検出法、例えばイムノアッセイ法などが必要とされている。
米国特許第5,466,579号 米国特許第5,324,642号 米国特許第6,022,693号 米国特許第6,582,924号 米国特許第6,949,344号
「Radioimmunoassay of Hair for Determining Opiate Abuse Histories」, J. Nucl Med 20:749-752(1979) Suzukiら, Forensic Sci. International, 24:9-16, 1984 Yeglesら, Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.73-94 Jurado, C. Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.95-125 Cheze, M.ら, Analytical and Practical Aspects of Drug Testing in Hair, CRC Press, 2007, pp.163-185
概要
毛髪などの角質化構造体は、硬質で強固な最終構造体を提供するために多くのジスルフィド結合で分子内および分子間の両方において架橋されたケラチンポリペプチド鎖による複雑な巨大集合体である。例えば、毛髪は、コイルドコイルケラチンポリペプチド鎖で構成され、これらは、集合して「プロトフィブリル(protofibril)」を形成し、多くのプロトフィブリルが2つ以上のプロトフィブリルの周りに円になって束ねられて「ミクロフィブリル」として知られる多重より線(multi-stranded cable)を形成し、数百のそのようなミクロフィブリルが一緒になって、結果として「マクロフィブリル」と呼ばれる繊維束が形成される。マクロフィブリルは、毛髪繊維の皮質(または本体)層を形成する。
関心対象分析物は、対象の角質化構造体が成長する際にその中に取り込まれ得る。そのような構造体中に入り込んだ分析物を検出するための従来法は、角質化構造体を完全に消化し破壊するためにケラチンのタンパク質主鎖を切断し(例えば、ケラチンのアミド(ペプチド結合)結合を破壊し)、分子内および分子間のジスルフィド結合をスルフヒドリルへと還元して、結果としてこれらの複雑なタンパク質マクロ構造体を解いてほぐしたペプチド切断をもたらすタンパク質分解的なおよび還元的な両方の方法が使用されていた。驚いたことに、入り込んだ分析物を放出させるために、角質化構造体のそのようなタンパク質分解による切断は必ずしも必要でないということ、並びに従来法と比較して定量的な方法において分析物を放出させるためには、タンパク質分解酵素の不在下において、ジチオトレイトール(「DTT」)などの還元剤によって角質化構造体を処理することで十分であるということが本発明者らによって見出された。したがって、前述において説明したような、DTTなどの還元剤とタンパク質分解酵素との間の、各作用物質がもう一方の作用物質による毛髪構造体中へのさらなる浸透および活性を促進する相乗効果は、有用ではあるが、関心対象分析物の放出をもたらすためには必ずしも必要ではないということが本発明者らによって見出された。結果として得られる方法は、1つまたは複数の関心対象分析物の高感度検出を提供しつつも、コストおよび時間の両方において従来法より効果的である。その上、結果として得られる方法は、関心対象分析物のスクリーニングおよび確認アッセイの両方に使用することができ、並びに、一例として、イムノアッセイとの適合性もある。
したがって、本明細書において、
(a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程、
(b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程であって、該接触において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない、工程、並びに
(c)分析物が工程(b)の試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
を含む、対象の角質化構造体試料における分析物の存在を判定するための方法が提供される。さらに本方法は、分析物が存在する場合に試験溶液中の分析物の量を判定する工程を含み得る。いくつかの態様において、本方法は、工程(c)の前に、工程(b)の試験溶液中に存在する残存還元剤を不活性化して、不活性化試験溶液をもたらす工程であって、該不活性化において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない工程、および不活性化試験溶液中に分析物が存在するか否かを判定する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、本方法は、工程(b)の試験溶液を精製して、残存する角質化試料を試験溶液から分離し、精製された試験溶液をもたらす工程であって、該精製において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない工程、および精製された試験溶液中に分析物が存在するか否かを判定する工程をさらに含み得る。
また、
(a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程、
(b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程、
(c)(b)の試験溶液中の残存還元剤を不活性化して、不活性化試験溶液をもたらす工程、
(d)工程(c)の不活性化試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去し、かつ精製された不活性化試験溶液をもたらす工程、および
(e)分析物が工程(b)の精製された不活性化試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
から実質的に成る、対象の角質化構造体試料における分析物の存在を判定するための方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、さらに、分析物が存在する場合に、精製された不活性化試験溶液中の分析物の量を判定する工程を含み得る。
また、
(a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程、
(b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程、および
(c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
を含むが、角質化構造体試料をタンパク質分解酵素に接触させる工程は含まない、対象の角質化構造体試料における分析物の存在を判定するための方法も提供される。本方法は、分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程、および/または試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程、および/または試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含み得る。
さらに、
(a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程、
(b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程、および
(c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
を含むが、角質化構造体試料をタンパク質分解により切断する工程は含まない、対象の角質化構造体試料における分析物の存在を判定するための方法が提供される。本方法は、分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程、および/または試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程、および/または試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含み得る。
また、
(a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程、
(b)該角質化構造体試料中に存在するジスルフィド結合を還元するが該試料中のペプチド結合は切断しないようにして、角質化構造体試料を処理し、試験溶液をもたらす工程、および
(c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
を含む、対象の角質化構造体試料における分析物の存在を判定するための方法も提供される。本方法は、分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程、および/または試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程、および/または試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含み得る。
本明細書に記載された任意の方法において、還元剤は、DTTまたはDTEを含み得る。
任意の方法において、不活性化工程は、金属塩の水溶液に試験溶液を接触させる工程を含み得、該塩の金属カチオンは、Cu++、Zn++、Mn++、Fe+++、Fe++、Pb++、Cd++、Hg++、Ag++、As+++、およびCo++からなる群より選択される。
任意の方法において、精製工程は、試験溶液の分離、濾過、または遠心分離を含み得る。
任意の方法において、分析物に対して特異的なイムノアッセイを用いて、分析物が存在するか否かを判定することができ、並びに任意の方法において、分析物に対して特異的なイムノアッセイは、分析物に対して特異的な抗体の使用を含み得る。いくつかの態様において、イムノアッセイはラジオイムノアッセイである。いくつかの態様において、イムノアッセイはエンザイムイムノアッセイである。
本方法のいくつかの態様では、質量分析技術を用いて、分析物が存在するか否かを判定する。
いくつかの態様では、クロマトグラフィー技術を用いて、分析物が存在するか否かを判定する。
本方法のいくつかの態様において、接触工程または処理工程を実施する際のpHは、約5.0〜約10.5の間であり、例えば、接触工程または処理工程を実施する際のpHは、約5〜約8.8の間、または約8.8〜約10.5の間である。
本方法のいくつかの態様において、接触工程または処理工程を実施する際の温度は、約20℃〜約40℃の間である。
本方法のいくつかの態様において、接触工程または処理工程は、約0.5時間〜約12時間の期間、例えば、約1〜約5時間の期間、または約2時間の期間にわたって実施される。
いくつかの態様において、分析物は、乱用薬物もしくはその代謝物、処方箋調剤薬もしくはその代謝物、鎮痛薬もしくはその代謝物、栄養剤、または内因性の分析物、あるいは上記の任意のものの塩形態である。
乱用薬物もしくはその代謝物は、コカイン、ベンゾイルエクゴニン、コカエチレン、ノルコカイン、PCP、アンフェタミン、メタンフェタミン、カンナビノイド、THC、カルボキシ-THC、ヘロイン、コデイン、モルフィン、6-モノアセチルモルフィン(MAM)、オキシコドン、3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)、および3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)からなる群より選択され得る。
角質化構造体試料は、毛髪、指爪、または足爪を含み得る。
いくつかの態様において、角質化構造体試料、例えば毛髪試料は洗浄されている。
いくつかの態様において、乱用薬物もしくはその代謝物、処方箋調剤薬もしくはその代謝物、鎮痛薬もしくはその代謝物は、オピオイド、カンナビノイド、NSAID、ステロイド、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、三環系剤(tricyclic)、またはエフェドリン、あるいはそれらの代謝物である。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通して理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているのと同様または同等な方法および材料は、目下説明している方法の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料については、以下に記載する。本明細書において言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書と相反する場合には、定義を含めて本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および例は、例証に過ぎず、限定を意図するものではない。
他の特色および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなると考えられる。
すべてがジスルフィド結合によって広範囲に架橋されている、多くのより小さい構造体(ケラチンα-へリックス;コイルドコイルプロトフィブリル、ミクロフィブリル、およびマクロフィブリル)の集合から、毛髪の複雑なマクロ構造がどのように生じているかを示す毛髪の断面図を示す。 すべてがジスルフィド結合によって広範囲に架橋されている、多くのより小さい構造体(ケラチンα-へリックス;コイルドコイルプロトフィブリル、ミクロフィブリル、およびマクロフィブリル)の集合から、毛髪の複雑なマクロ構造がどのように生じているかを示す毛髪の断面図を示す。
詳細な説明
本明細書において、個体(以前に1つまたは複数の分析物を摂取している個体)の頭髪もしくは体毛または他の角質化構造体から1つまたは複数の分析物を迅速に放出させ、その後に、高感度レセプターアッセイ、イムノアッセイ、または質量分析法もしくは原子吸光分光分析法などの器械技術を含む公知の分析技術による、1つまたは複数の分析物の同定を可能にする方法が提供される。角質化構造体の内部から還元溶液への1つまたは複数の分析物の放出は、分析物に損傷を与えることもなく、その後に使用される分析物検出プローブ(例えば、抗体)に対する有害な影響を引き起こすこともなく、もたらされる。本方法はさらに、血液または口腔液の試料中の分析物の含有量を測定する従来の試験法では必要とされるような反復試験を実施することなしに、長期間における対象の過去の使用傾向の検出も可能にする。以前から知られているように、同じ個体の毛髪内に取り込まれた分析物の量は、摂取された分析物の量に正比例し、並びにこれまでの使用に関する情報を毛髪試料の部分分析から得ることができる。
本方法において、例えば毛髪などの角質化構造体の試料は、最初に、対象、例えば特定の分析物を摂取し得たかもしくは摂取した疑いのある対象から採取される。本明細書において使用される場合、「分析物」なる用語は、対象において内因的に産生されたかまたは外因的に取り入れられた任意の化合物を意味する。
したがって、いくつかの態様において、関心対象分析物は、外因的に対象内に取り込まれ得、すなわち、通常、対象内に存在し得ないが、外因的方法、例えば、吸入、非経口投与(例えば、IV、経皮、皮下、またはIMなどの経路)、または摂取(例えば、経口、口腔、または経粘膜などの経路)などによって取り込まれ得る。本明細書で使用される場合、外因的に取り込まれた分析物の代謝物もしくは分解産物は、外因的に取り込まれた分析物に由来するために、当該物質が対象においてインビボで内因的に産生されているという事実にもかかわらず、外因的な関心対象分析物である。
いくつかの態様において、関心対象分析物は、外因的に取り込まれた乱用薬物、処方箋調剤薬、鎮痛薬、有機化合物、栄養剤、金属、有毒化学物質、殺虫剤、またはそれらの代謝物もしくは分解産物であり得る。乱用薬物、鎮痛薬、または処方箋調剤薬、あるいはそれらの代謝物の例としては、オピオイド、カンナビノイド、NSAID、ステロイド、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、三環系剤、またはエフェドリン、あるいはそれらの代謝物が挙げられる。
具体例としては、コカイン(および代謝物ベンゾイルエクゴニン、コカエチレン、およびノルコカイン)、オピオイドおよびその代謝物(モルフィン、ヘロイン、6-モノアセチルモルフィン、ジアセチルモルフィン、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、およびメサドン)、カンナビノイド、フェンシクリジン(PCP)、アンフェタミン、メタンフェタミン、MDMA(エクスタシー、メチレンジオキシ-メタンフェタミン)、MDA(メチレンジオキシアンフェタミン)、マリファナ、(並びにTHCおよびカルボキシ-THC代謝物)、プロポキシフェン、メペリジン、ベンゾジアゼピン、カリソプロドール、トラマドール、フェンタニール、ブプレノルフィン、ナルトレキソン、三環系剤、ニコチン(およびその代謝物コチニン)、eve(メチレンジオキシ-エチルアンフェタミン)、フルニトラゼパム、リゼルギン酸(LSD)、ジゴキシン、メチルフェニデート、アセトアミノフェン、サリチレート、フルオキセチン、セルトラリン、デキストロメトルファン、エフェドリン、フェネチルアミン、プソイドエフェドリン、およびシネフリンが挙げられる。殺虫剤としては、パラチオン、マラチオン、クロルピリホス、ダイアジノン、ジクロルボス、およびテトラクロルビンホスが挙げられるが、これに限定されるものではない。
他の態様において、関心対象分析物は、例えば、対象の病状または代謝状態の存在または不在に相関する量において内因的に産生される。内因性の分析物の例としては、脂肪酸エステル(例えば、アルコール摂取のマーカーとして)、クロム(例えば、グルコース耐性および2型糖尿病の指標として)、グルコース(例えば、グルコース耐性および2型糖尿病の指標として)、およびグリコシル基(例えば、慢性の高血糖の指標として)が挙げられる。
角質化試料のサイズは、還元剤溶液1mLあたり約4〜約16mgの範囲、例えば、還元剤溶液1mLあたり約5〜約12mg、約6〜約10mg、約7〜約15mg、約5〜約10mg、または約8〜約14mgの範囲に及び得る。試料は、最初に、実際の摂取ではなく外部接触によって表面上に堆積し得た分析物もしくは汚染物質を除去するために、公知の方法によって洗浄され得る。
次いで、取り込まれている分析物を放出させるために、角質化構造体試料が処理される。重要なことには、角質化構造体の処理方法は、角質化構造体を1つまたは複数のタンパク質分解酵素、例えば、パパイン、キモパパイン、プロテイナーゼKなどに接触させる工程を含まない。したがって、処理方法は、構造体中のペプチド(アミド)結合をタンパク質分解により切断することはせず、例えば、それらを実質的に切断しない。いくつかの態様において、本方法は、角質化構造体試料中に存在するジスルフィド結合を還元、例えば実質的に還元するが、試料中のペプチド結合は切断しない(例えば、実質的にそれらを切断しない)。通常、処理方法は、還元工程、任意の不活性化工程、および任意の精製(例えば、分離、濾過、遠心分離)工程を含む。
還元工程では、試料を、例えば、ジチオトレイトール(「DTT」)などの還元剤の溶液(還元溶液)に接触させることにより、ケラチンマクロ構造体中の分子内および分子間ジスルフィド結合を還元し、それにより、取り込まれている分析物を放出させる。いくつかの態様では、角質化構造体試料は、実質的に還元剤から成る還元溶液に接触され得るか、あるいはタンパク質分解酵素を含まない還元溶液に接触され得る。いくつかの態様では、接触工程は、ケラチンポリペプチド鎖におけるペプチド主鎖結合(すなわち、アミド結合)の実質的な破壊を生じない。
還元溶液と接触させた後、還元された角質化構造体試料は、任意で、残存還元剤を不活性化するために処理してもよい。接触工程と同様に、不活性化工程は、タンパク質分解酵素の不在下で(例えば、実質的に不活性化剤から成る溶液中、あるいはタンパク質分解酵素を含まない溶液中において)実施される。
1つまたは複数の分析物の存在および任意で濃度を判定するために、還元溶液との接触工程の後または任意の不活性化工程の後のいずれかにおいて、試験試料を、処理済みの角質化構造体試料から採取することができる。試料は、残存する還元された角質化試料を除去するために、任意の不活性化工程の後に、または任意の精製工程(例えば、分離、遠心分離、または濾過)の後に、直接除去してもよい。
還元溶液中に含有される還元剤は、角質化構造体中のジスルフィド結合を還元することができる任意の還元剤であり得る。典型的な例としては、DTT(2,3ジヒドロキシブタン-1,4-ジチオール)もしくはその異性体DTE(2,3ジヒドロキシブタン-1,4-ジチオール)、チオグリコレート、システイン、サルファイト、バイサルファイト、硫化物(sulfide)、二硫化物(bisulfide)、またはTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)、あるいは上記の任意のものの塩形態が挙げられる。TCEPは、より低いpH範囲、例えば5.5〜約8で実施されるアッセイにおいて特に有用であり得る。
通常、接触工程の際の水溶液中における還元剤の濃度は、約1〜約20g/Lであり、例えば、約1〜約15g/L、約2〜約14g/L、約5〜約15g/L、約10〜約18g/L、約3〜約12g/L、約4〜約8g/Lである。当業者であれば理解するように、還元剤の量は、反応時間の長さと使用されるべき検出手法に基づいて変わり得る。
いくつかの態様において、本方法は、室温もしくはほぼ室温において、ほぼ中性のpHで実施され得る。例えば、本方法は、約20℃〜60℃の間の温度(例えば、約20、25、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または60℃)において、約pH5〜約10.5の間のpHで実施され得る。いくつかの態様において、本方法のpHは、約8.8〜9.7の間(例えば、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.45、9.5、9.55、9.6、9.65)であり、本方法は、約37℃の温度で行われる。他の態様において、例えば、関心対象分析物またはその代謝物もしくは分解産物が塩基性のpHに対して感受性を有する場合には、より低いpH、例えば、約5〜約8.7(例えば、約5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、6.2、6.4、6.6、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、8.6、または8.7)を用いてもよい。反応温度、時間、およびpHを含めて、適切な反応条件は、当業者により容易に決定され得る。追加情報として、例えば、米国特許第5,466,579号、同第5,324,642号、同第6,022,693号、同第6,582,924号、および同第6,949,344号を参照されたく、これらは、より低いpHでアッセイを実施することによって、関心対象分析物(例えば、ヘロイン代謝物、コカインなど)の化学構造を保存するための方法について説明するものであり、これらの特許は、参照により本明細書中に組み入れられる。
DTTおよびDTEは、還元剤として特に有用である。説明したプロセスにおけるDTTまたはDTEの使用により、結果として、比較的短い時間(角質化試料の量およびタイプに応じて)、例えば、約0.5〜約4時間、または約1〜3時間、または約1.5〜約2.5時間で、取り込まれた分析物の放出をもたらすことが見出された。ある特定の態様において、約2時間の処理は、例えば、約5〜15mgの角質化試料、例えば毛髪に対して十分である。
ひとたび、1つまたは複数の分析物が溶液混合物中に放出されれば、残存する活性還元剤は、任意で、不活性化が自然に生じるのに十分な期間を単に待つことを含む当業者に公知の方法によって、不活性化されてもよい。通常、この期間は、用いられた還元剤の濃度および量、pH、温度、試料サイズなどに応じて、還元剤と角質化試料との最初の接触の後、約2〜約14時間である。
あるいは、当業者に既知のように、残存還元剤は、ある特定の金属イオンを、通常は金属塩の形態において還元溶液に添加することにより不活性化することができる。還元された試料を分析物検出法に供し得るには還元剤が自然に不活性化するのを待たねばならないため、還元溶液と試料とを接触させた後でそのような金属塩を少量、例えば、最終試料溶液において約0.1〜約1.0g/Lにて添加することは、還元された試料を分析物検出法に供し得る時間を短縮するのに十分であり得る。最も有効なのは、DTTまたはDTEなどの還元剤と化学的に結合し、不活性化した後に、溶液から沈殿しない特定の金属塩である。還元溶液における沈殿は、結果として、沈殿物への吸着またはその中への封入による分析物の喪失をもたらすか、または光学的読み取り法における粒状障害物による干渉の原因と成り得るために、そのような沈殿を避けることは有用であり得る。
ある特定の態様では、沈殿を、還元溶液のpHを約6〜約8、最も好ましくは約7に維持することによっても防ぐ。これを達成し得る方法の1つは、1モル濃度のBIS-TRIS塩基を添加することによって、pHを約7に維持することである。約pH7は、ある特定の分析物検出法、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはエンザイムイムノアッセイなどを実施するために有用なpHでもある。
米国特許第5,466,579号および同第5,324,642号に記載されているようなCu++の塩(例えば、硫酸銅)に加えて、Zn++の塩(例えば、硫酸亜鉛および硝酸亜鉛)、Mn++の塩(例えば、硫酸マンガン)、Fe+++の塩(例えば、硫酸第二鉄および塩化第二鉄)、およびFe++の塩(例えば、硫酸第一鉄)が有効である。さらに、Pb++の塩(例えば、酢酸鉛および硝酸鉛)、Cd++の塩(例えば、塩化カドミウム)、Hg++の塩(例えば、塩化第二水銀)、Ag++の塩(例えば、硝酸銀)、およびCo++の塩(例えば、塩化コバルト)も有効である。例えば、米国特許第6,022,693号および同第6,350,582号を参照されたい。
ある特定の態様では、沈降性化合物の形成によって、残存還元剤(例えば、DTTまたはDTE)を除去するために、亜ヒ酸ナトリウム(NaAsO2)などのアルセナイトが用いられ得る。通常、還元剤の不活性化を達成するために、亜ヒ酸ナトリウムの100mg/mL溶液100マイクロリットルを、毛髪消化溶液(約10g/Lの最終濃度)1mLに添加する。しかしながら、アルセナイトは、沈殿を生じ、それによって分析物が吸着もしくは閉じ込められる可能性があるために好ましくない。通常、試料を還元溶液に接触させた後、約1〜約5(例えば、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5)時間において、約0.8〜約1.6mL(例えば、約0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、または1.6mL)の還元溶液に、溶液中において約0.1〜約1mg(例えば、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1mg)の金属塩が添加され得る。通常、不活性化は、約30分未満、例えば、約20分未満、約10分未満、約5分未満、または約2分未満において迅速に完了する。
一度、試料の処理が完了したら、還元された該角質化試料溶液は、レセプターアッセイ、タンパク質ベースの分析方法、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはエンザイムイムノアッセイ(ETA)を含めたイムノアッセイなど、および/または機器による方法、例えば、質量分光分析クロマトグラフィー技術または原子吸光法などを含めた、当技術分野で公知の分析物検出法による直接分析に供され得る。したがって、驚いたことに、還元剤は、ケラチンのジスルフィド結合を破壊し得るが、イムノアッセイにおいて用いられるIgGタンパク質(抗体)は破壊し得ないということが見出された。
特定の態様において、機器による方法は、イムノアッセイにおいて得られた陽性の結果を確認するために使用され得る。これらの方法はタンパク質ベースでないために、還元剤を不活性化する工程を必要としない。処理の迅速さおよび穏和さ、並びに「スパイク」の包含、すなわち、既知の量の重水素化された分析物の包含により効率を定量化する能力により、本開示の処理方法は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、および質量分析法などの機器分析法を選択する方法にもなる。
本方法は、コカイン、モルフィン/ヘロイン、および他のオピオイド、カンナビノイド、マリファナ、フェンシクリジンすなわち「PCP」、メタカロン、およびアンフェタミンなどの乱用薬物を含む前述において説明したいかなる関心対象分析物についてもその使用および以前の使用を検出するために使用することができる。その上、本方法は、ジゴキシン、メサドン、およびベンゾジアゼピンなどの処方箋調剤薬の以前の使用の判定においても有効である。毛髪の合成の際に毛髪に移送された、個体の血流中に存在するいかなる分析物、特にいかなる有機分析物をも、本明細書において説明した方法によって抽出および分析することができることが企図される。
ある特定の態様では、関心対象の1つまたは複数の分析物の放出を助けるために、界面活性剤を使用することができる。生体膜成分の溶解に有用なある特定の生物学的界面活性剤化合物は、比較的低いpHでの分析物の放出を助け、一方で、還元およびその後の分析物検出には干渉しない。これらの生物学的界面活性剤は、約5〜約10.5の範囲のpHにおいて、角質化試料の処理を助け得る。好適な界面活性剤としては、胆汁酸界面活性剤、例えば、グリココール酸、コール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、並びに、ナトリウム塩を含むそれらの塩などが挙げられる。本方法における使用のための他の界面活性剤としては、スルホベタイン、例えばZwittergents(登録商標)など、およびベタイン、例えばEmpigen BB(N-ドデシル-N,N-ジメチルグリシン)などが挙げられる(すべて、Calbiochem Corp., La Jolla, CAから入手可能)。他の界面活性剤としては、ヘキシル-β-D-グルコピラノシド、ヘプチル-β-D-グルコピラノシド、オクチル-β-D-グルコピラノシド、ノニル-β-D-グルコピラノシド、デシル-β-D-グルコピラノシド、ドデシル-β-D-マルトシド、およびオクチル-β-D-チオグルコピラノシド(OSGP)を含む、アルキルグルコシドが挙げられる。アルキルグルコシドの混合物、例えば、製品ELUGENT(登録商標)(Calbiochem)なども有効である。
特に好ましいのは、胆汁酸のコール酸およびグリココール酸であり、これらは、約6.3〜約8の範囲のpHにおいて毛髪の消化を助ける。デオキシコール酸およびグリコデオキシコール酸などのデオキシコレート(deoxycholate)は、約7より上のpHでの毛髪の消化に対する助力において有効である。
界面活性剤は、本明細書において説明した方法を用いて測定される、米国において最も一般的な乱用薬物、すなわち、マリファナ、コカイン、フェンシクリジン、メタンフェタミン、およびオピオイドに対する業界標準の薬物5種スクリーニング(five-drug screen)において使用することができる。したがって、それらは、薬物5種スクリーニングに関するいかなる分析物または抗体にも影響を与えず、並びに結果として偽陰性または偽陽性を生じない。薬物5種スクリーニングにおける使用のために最も効果的な特定の界面活性剤は、コレート(cholate)、デオキシコレート、コール酸、デオキシコール酸、オクチル-β-D-グルコピラノシド、およびオクチル-β-D-チオグルコピラノシドである。コカイン、オピオイド、フェンシクリジン、アンフェタミン、および交感神経様作動アミンを含むスクリーニングが実施される場合、胆汁酸界面活性剤、アルキルグルコシド、スルホベタイン、およびベタインが好ましい。コカイン単独のスクリーニングでは、好ましい界面活性剤は、コール酸、Zwittergents(登録商標)、アルキルグルコイド(alkylglucoide)、およびN-ドデシル-N,Nジメチルグリシンである。
実際には、生物学的界面活性剤は、角質化試料に水性還元溶液を接触させる前に、約30〜約40℃の範囲の温度において当該溶液と混合される。通常、約1〜2mgの生物学的界面活性剤が、約1mlの還元溶液に添加される。
生物学的界面活性剤、イオン交換樹脂(例えば、妨害物質を除去するため)の使用、および消化のためのpH範囲の変更を含めて、本明細書において説明した方法に関する追加情報は、米国特許第6,022,693号および同第6,350,582号に見ることができ、これらの特許は、参照により本明細書中に組み入れられる。
本開示の方法からは、特定の分析物に対する以前の曝露を迅速で正確で安価に判定することができるなど、得られるべき利益は多い。本方法は、長期間にわたる摂取あるいは非摂取の記録を提供し得る。いかなるタンパク質分解処理工程も行わないことにより、タンパク質分解的な方法の費用および生物学的分析物検出剤へのある特定の干渉の両方が低減される。驚いたことに、タンパク質分解酵素および還元剤の毛髪構造体中への拡散に対する各剤の間の相乗的相互作用は、関心対象分析物の効率的な放出のためには必ずしも必要ではない。その上、毛髪の採取は、採血または採尿よりも煩わしくなく、かつ身体的に不快ではなく、試料は変化したり置き換わったりすることができず、あるいは予定される試験、例えば採用試験または年に一度の身体検査の前の短期間の節制または「フラッシング」(水分の過剰摂取)によって検出を回避することもできない。試料は、冷凍しなくても無期限に貯蔵が可能である。最後に、本方法は、関心対象分析物を検出するためのスクリーニングおよび確認アッセイの両方を促進する。
以下の実施例は、説明を意図したものであって、特許請求の範囲を制限するものではない。
実施例I:毛髪試料のタンパク質非分解消化物(nonproteolytic digest)のラジオイムノアッセイ
試験管中の毛髪試料8mgに、6%のジチオトレイトール(pH9.5)1.6mLを加え、当該試料を37℃で2時間インキュベートした。次いで当該試料を、6%の硫酸銅五水和物を含有する1.0MのBis Tris(pH7)140uLで中和した。コカイン、オピオイド、PCP、アンフェタミン、およびカンナビノイドに対するアッセイのために上澄みを採取した。
ラジオイムノアッセイは、I125で標識された薬物を伴う試料のアリコートと、該薬物に対する一次抗体とを組み合わせることによって実施した。試料中の標識された薬物および標識されていない薬物が、一次抗体の結合部位に対して競合する。インキュベートした後、一次抗体に対する二次抗体を添加して、抗体の結合した薬物を沈殿させた。遠心分離処理し、上澄みを静かにデカントした後、沈殿した結合画分をガンマカウンタで計測した。
コカインについての実施例結果
Figure 2011519047
*米国特許第5,324,642号および同第6,350,582号に記載されている方法を用いた、比較RIA(comparative RIA)の結果
**MS=試料中に存在する薬物の質量分析定量
COC=コカイン;BE=ベンゾイルエクゴニン;CE=コカエチレン;NOR=ノルコカイン
注意:RIAアッセイに対するB/Bo比率(%)の説明 -- 100%の陰性(Bo)値は、試料中に分析物を含有しない参照管の値であり、放射性トレーサーに対する抗体の最大結合を表す。未知の試料は、陰性Boの比率(%)として「B/Bo比率(%)」で表現される。試料中の分析物の濃度は、B/Bo比率(%)の値とは逆に変化する。陽性試料は、カットオフ較正物質と同等またはそれ以上の薬物を含有するものであり、したがって、B/Bo比率(%)はカットオフ較正物質と同等またはそれ以下である。
オピオイドについての実施例結果
Figure 2011519047
*米国特許第5,324,642号および同第6,350,582号に記載されている方法を用いた、比較RIAの結果
**MS=試料中に存在する薬物の質量分析定量
MAM=6-モノアセチルモルフィン
PCPについての実施例結果
Figure 2011519047
*米国特許第5,324,642号および同第6,350,582号に記載されている方法を用いた、比較RIAの結果
**MS=試料中に存在する薬物の質量分析定量
PCP=フェンシクリジン
アンフェタミンについての実施例結果
Figure 2011519047
*米国特許第5,324,642号および同第6,350,582号に記載されている方法を用いた、比較RIAの結果
**MS=試料中に存在する薬物の質量分析定量
METH=メタンフェタミン;AMP=アンフェタミン;MDA=3,4-メチレンジオキシアンフェタミン;MDMA=3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン
実施例II:市販の抗体コーティングマイクロプレートを使用した、毛髪試料のタンパク質非分解消化物のエンザイムイムノアッセイ
試験管中の毛髪試料8mgに、1.5%のジチオトレイトール(pH9.5)0.8mLを加え、当該試料を37℃で2時間インキュベートした。次いで当該試料を、1.25%の亜鉛を含有する1.0のBis-Tris(pH7)70uLで中和し、混合し、遠心分離した。抗体コーティングマイクロプレートでのPCP(フェンシクリジン)のアッセイのために、上澄みを採取した。ウェルにおいて試料を1時間インキュベートした後、HRP-抗原を添加する前に、一度ウェルを空にして洗浄し、業者(Cozart Industries)によって説明された方法を継続した。
PCPについての実施例結果
Figure 2011519047
**MS=試料中に存在する薬物の質量分析定量
PCP=フェンシクリジン
実施例III:毛髪試料の低pHにおけるタンパク質非分解消化物の機器分析
試験管中の毛髪12mgに、12%のジチオトレイトールおよび0.2%のコール酸を含有する1.0MのBis-Tris溶液(pH5.5)1.2mLを添加した。試料は、120振動/分で振盪しながら、37℃で終夜(8〜12時間)インキュベートする。これらの消化された試料からの上澄みは、その後の分析手法(例えば、MS)のための洗浄/抽出の後、分析する。
実施例IV:還元剤(例えば、DTT)が消化物における活性成分であることの実証
DTTが目下説明しているタンパク質非分解的な消化法における活性成分であることを実証するために、コデイン陽性毛髪試料のアリコートを、pH9.5においてTris緩衝液(DTTを含有しない)と接触させ、試料の別のアリコートを、6グラムDTT/Lを含有する溶液にpH9.5において接触させた。DTTを含有しないpH9.5の溶液では、毛髪10mgあたり2.36ngのコデインが回収されたが、一方で、DTTを含有するpH9.5の溶液からは、毛髪10mgあたり19.34ngのコデインが回収された。
他の態様
いくつかの態様について説明してきた。しかしながら、本明細書において提供された開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うことが可能であることは理解されると考えられる。したがって、他の態様は、添付の特許請求の範囲内にある。

Claims (40)

  1. (a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程;
    (b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程であって、該接触において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない、工程;および
    (c)分析物が工程(b)の試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
    を含む、対象の角質化構造体試料中の分析物の存在を判定するための方法。
  2. 分析物が存在する場合に試験溶液中の分析物の量を判定する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 工程(c)の前に、工程(b)の試験溶液中に存在する残存還元剤を不活性化して、不活性化試験溶液をもたらす工程であって、該不活性化において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない、工程、および
    不活性化試験溶液中に分析物が存在するか否かを判定する工程
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 工程(b)の試験溶液を精製して、残存する角質化試料を試験溶液から分離し、精製された試験溶液をもたらす工程であって、該精製において、角質化構造体がタンパク質分解により切断されることがない、工程、および
    精製された試験溶液中に分析物が存在するか否かを判定する工程
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. (a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程;
    (b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程;
    (c)(b)の試験溶液中の残存還元剤を不活性化して、不活性化試験溶液をもたらす工程;
    (d)工程(c)の不活性化試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去し、かつ精製された不活性化試験溶液をもたらす工程;および
    (e)分析物が工程(b)の精製された不活性化試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
    から実質的に成る、対象の角質化構造体試料中の分析物の存在を判定するための方法。
  6. 分析物が存在する場合に、精製された不活性化試験溶液中の分析物の量を判定する工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. (a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程;
    (b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程;および
    (c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
    を含むが、
    角質化構造体試料をタンパク質分解酵素に接触させる工程
    は含まない、
    対象の角質化構造体試料中の分析物の存在を判定するための方法。
  8. 分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  10. 試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  11. (a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程;
    (b)該角質化試料を還元剤の水溶液に接触させて試験溶液をもたらす工程;および
    (c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
    を含むが、
    角質化構造体試料をタンパク質分解により切断する工程
    は含まない、
    対象の角質化構造体試料中の分析物の存在を判定するための方法。
  12. 分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. 試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
  14. 試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
  15. (a)洗浄されていてもよい角質化構造体試料を提供する工程;
    (b)該角質化構造体試料中に存在するジスルフィド結合を還元するが該試料中のペプチド結合は切断しないようにして、角質化構造体試料を処理し、試験溶液をもたらす工程;および
    (c)分析物が試験溶液中に存在するか否かを判定する工程
    を含む、対象の角質化構造体試料中の分析物の存在を判定するための方法。
  16. 分析物が存在する場合に試験試料中の分析物の量を判定する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 還元剤がDTTまたはDTEを含む、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 不活性化工程が、金属塩の水溶液に試験溶液を接触させることを含み、該塩の金属カチオンが、Cu++、Zn++、Mn++、Fe+++、Fe++、Pb++、Cd++、Hg++、Ag++、As+++、およびCo++からなる群より選択される、請求項3、5、9、または13のいずれか一項記載の方法。
  19. 精製工程が、試験溶液を分離、濾過、または遠心分離することを含む、請求項4、5、10、または14のいずれか一項記載の方法。
  20. 分析物に対して特異的なイムノアッセイを用いて、分析物が存在するか否かを判定する、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  21. 分析物に対して特異的なイムノアッセイが、該分析物に対して特異的な抗体の使用を含む、請求項20記載の方法。
  22. イムノアッセイが、ラジオイムノアッセイである、請求項20記載の方法。
  23. イムノアッセイが、エンザイムイムノアッセイである、請求項20記載の方法。
  24. 質量分析技術を用いて、分析物が存在するか否かを判定する、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  25. クロマトグラフィー技術を用いて、分析物が存在するか否かを判定する、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  26. 接触工程または処理工程を実施する際のpHが、約5.0〜約10.5の間である、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  27. 接触工程または処理工程を実施する際のpHが、約5〜約8.8の間である、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  28. 接触工程または処理工程を実施する際のpHが、約8.8〜約10.5の間である、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  29. 接触工程または処理工程を実施する際の温度が、約20℃〜約40℃の間である、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  30. 接触工程または処理工程が、約0.5時間〜約12時間の期間にわたって実施される、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  31. 接触工程または処理工程が、約1時間〜約5時間の期間にわたって実施される、請求項30記載の方法。
  32. 接触工程または処理工程が、約2時間の期間にわたって実施される、請求項30記載の方法。
  33. 分析物が、乱用薬物もしくはその代謝物、処方箋調剤薬もしくはその代謝物、鎮痛薬もしくはその代謝物、栄養剤、または内因性の分析物、あるいは上記の任意のものの塩形態である、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  34. 乱用薬物もしくはその代謝物が、コカイン、ベンゾイルエクゴニン、コカエチレン、ノルコカイン、PCP、アンフェタミン、メタンフェタミン、カンナビノイド、THC、カルボキシ-THC、ヘロイン、コデイン、モルフィン、6-モノアセチルモルフィン(MAM)、オキシコドン、3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)、および3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)からなる群より選択される、請求項33記載の方法。
  35. 角質化構造体試料が、毛髪、指爪、または足爪を含む、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  36. 角質化構造体試料が毛髪を含む、請求項30記載の方法。
  37. 毛髪試料が洗浄されている、請求項1、5、7、11、または15のいずれか一項記載の方法。
  38. 試験溶液中の残存還元剤を不活性化する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
  39. 試験溶液を精製して、残存する角質化試料を除去する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
  40. 乱用薬物もしくはその代謝物、処方箋調剤薬もしくはその代謝物、または鎮痛薬もしくはその代謝物が、オピオイド、カンナビノイド、NSAID、ステロイド、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、三環系剤、またはエフェドリン、あるいはそれらの代謝物である、請求項33記載の方法。
JP2011507600A 2008-04-29 2009-04-29 角質化構造体中の分析物を判定するためのタンパク質非分解的な方法 Active JP5405561B2 (ja)

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