JP2011518816A - Plkインヒビター - Google Patents

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Abstract

式(I)の化合物はPLKインヒビターであり、細胞増殖性疾患の治療に有用である:
Figure 2011518816

[式中、
R1は水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルまたは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
R2は、水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルまたは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
R3は、水素、‐CN、ヒドロキシ、ハロゲン、任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルもしくは(C3‐C6)シクロアルキル、-NR5R6またはC1‐C4アルコキシであり、ここでR5およびR6は独立して水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルであり;
環Aは任意に置換されていてもよい単環もしくは2環式の炭素環もしくは複素環または12までの環原子を有する環システムであり;
Tは、式R‐L1‐Y1‐の基であり、ここでL1およびY1は特許請求の範囲に定義のとおりであり、
Rは炭素結合した、α,α‐ジ置換アミノ酸またはアミノ酸エステル残基である。

Description

本発明は、アミノ酸エステル類のシリーズ、それらを含む組成物、それらを製造するための方法、およびポロ様キナーゼ(Polo‐like kinase)‘PLK’インヒビターとしての医薬にそれらを使用することに関する。
ポロ様キナーゼ(PLKs)は、増殖する細胞の有糸分裂への移行を制御し、正確な細胞分裂のために必要な有糸分裂の多数の局面を調節するカギとなる酵素である。
4つの公知のヒトPLKsのうち、PLK1は最良の特性であり、多型の腫瘍において異常な上昇と共に過剰発現され、哀れな病後の前兆となる指標としてしばしば設定される。
本発明の化合物は、癌などの細胞増殖性疾患の治療に使用され得る。本発明は、ジヒドロプテリジニン誘導体である化合物を含む。
PLKsは、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)からの代表的なポロキナーゼとの機能および配列上の類似性から名付けられたSer/Thrプロテインキナーゼファミリーであり、有糸分裂において様々な役割を果たす(Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 2001, 2, 21-32.)。
酵母(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびS.ポンベ(S. pombe))では、1つのPLKsが存在する一方、哺乳動物では今日までに4つの異なるPLKsが同定されている。
ヒトPLK1(Cell Growth Differ., 1994, 5, 249-257)、PLK2(血清誘導性キナーゼ、SNK、Mol. Cell. Biol., 1992, 12, 4164-4169)、PLK3(増殖関連キナーゼ、PRK、J. Biol. Chem. 1997, 272, 28646-28651)およびPLK4(Oncol. Rep., 1997, 4, 505-510)は構造上相同性があり、N‐末端触媒キナーゼドメインおよびいわゆるポロボックスを構成するC‐末端領域の2つの保存されたドメインを含む。PLK1、PLK2およびPLK3はすべての組織で発現するが、PLK4は独特の生理的役割を有していると考えられ、成人におけるPLK4 mRNAの分布は精巣や胸腺などの特定の組織に限定される。
PLK1は、PLKファミリーのうち最良の特性を有するメンバーであり、それは無脊椎動物に存在する1つのPLKsの既知機能のほとんどを果たすと考えられている(Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 2004, 5, 429-441)。
PLK1蛋白レベルは細胞周期依存的形式で変動し、そのキナーゼ活性は真核細胞分裂周期の第2ギャップ期および有糸分裂期(G2/M)間の移行時に最高点に達する。有糸分裂から脱却するとすぐに、ユビキチン依存性蛋白質分解の結果としてPLK1レベルは下落する。
PLK1は、CDK1/サイクリンB複合体、すなわち有糸分裂移行の主要なスイッチ(有糸分裂促進因子、MPF、Nature, 1990, 344, 503-508)であるサイクリン依存性キナーゼの活性化を通して、有糸分裂の開始に関わることが報告されている。
これは、PLK1が二重特異性ホスファターゼCDC25Cをリン酸化、したがって活性化するときに起こり、これはCDK1のpThr14およびpTyr15部位の脱リン酸化を通じた有糸分裂前のMYT1およびWEE1に媒介されるCDK1/サイクリンB活性の抑圧を順に緩和する(Cell, 1991, 67, 197-211)。有糸分裂の開始後すぐに、PLK1およびPLK3がCDC25Cをリン酸化することによりその核内移行が誘導される。
CDK1の活性化を通して有糸分裂移行を制御することとは別に、PLK1は有糸分裂の進行を調節する。それは、中心体成熟および微小管形成中心の調節、続いて起こる姉妹染色分体分離に関わる有糸分裂のステップ、および最後に細胞分裂を含む、双極性スピンドルの形成に関わる(Dev. Cell, 2003, 5, 127-138)。
発明の簡単な要約
本発明の化合物は、WO2004076454に開示されている化合物に関する。それらはPLK1インヒビターおよびその異性体である。したがってこれらの化合物は、例えば癌を含む様々な増殖疾患状態の治療など、医薬に使用される。
これらの化合物は、細胞内カルボキシエステラーゼにより加水分解されるα,α‐ジ置換グリシン酸モチーフまたはα,α‐ジ置換グリシンエステルモチーフ分子の存在が特徴である。親油性のα,α‐ジ置換グリシンエステルモチーフを有する本発明の化合物は、細胞膜を交差し、細胞内カルボキシエステラーゼにより酸へ加水分解される。極性の加水分解生成物は容易に細胞膜を交差できないため、細胞内に蓄積する。それゆえに化合物のPLK1活性は細胞内で持続し、高められる。
発明の詳細な説明
本発明によれば、式(I)の化合物またはその塩が提供される:
Figure 2011518816
[式中、
R1は、水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルまたは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
R2は、水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルまたは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
R3は、水素、‐CN、ヒドロキシ、ハロゲン、任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルもしくは(C3‐C6)シクロアルキル、-NR5R6または(C1‐C4)アルコキシであり、ここでR5およびR6は独立して水素もしくは任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルであり;
環Aは、任意に置換されていてもよい単環もしくは2環式の炭素環または複素環あるいは12までの環原子を有する環システムであり;
Tは、式R‐L1‐Y1‐であり、ここで、
Y1は、結合手、‐O‐、‐S‐、‐NR6‐、‐(C=O)‐、‐S(O2)‐、‐(C=O)NR6‐、‐NR6(C=O)‐、‐S(O2)NR6‐、‐NR6S(O2)‐または‐NR6(C=O)NR9‐であり、ここで、R6およびR9は独立して水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルであり;
L1は、式‐(Alk1)m(Q)n(Alk2)p‐の2価の基であり、ここで、
m、nおよびpは独立して0または1であり、
Qは、(i)任意に置換されていてもよい5〜13の環原子を有する2価の単環もしくは2環式の炭素環または複素環式基、または
(ii)pが0である場合、式‐Q1‐X2‐の2価の基であり、ここでX2は‐O‐、‐S‐またはNRA‐であり、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよいC1‐C3アルキルであり、Q1は、任意に置換されていてもよい5〜13の環原子を有する2価の単環もしくは2環式の炭素環もしくは複素環式基であり、
Alk1およびAlk2は、独立して、任意に置換されていてもよい(C3‐C7)シクロアルキル基、または任意に置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖状のC1‐C6アルキレン、C2‐C6アルケニレンまたはC2‐C6アルキニレン基を表し、これらの基はエーテル(‐O‐)、チオエーテル(‐S‐)もしくはアミノ(‐NRA‐)結合を任意に含んでいるか、または末端に有していてもよく、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキルであり;
Rは、式(X):
Figure 2011518816
[式中、
R7は、カルボン酸基(‐COOH)、または1以上の細胞内カルボキシエステラーゼ酵素によりカルボン酸基に加水分解され得るエステル基であり;
R1 7は、天然または非天然のα‐アミノ酸の側鎖(ここで、官能基は保護されている)であり、R1 7は水素でない;
R8は水素;もしくは任意に置換されていてもよいC1‐C6アルキル、C3‐C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールまたは‐(C=O)R6、‐(C=O)OR6、もしくは‐(C=O)NR6であり、ここでR6は水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルである]
の基である]。
本発明の化合物中、R1が水素以外である場合、R1置換基が結合した炭素原子は不斉である。好ましくは、不斉中心の立体化学はRである。
別の主要な態様では、本発明は、PLK1活性を阻害する組成物を製造するための、上記で定義した式(I)の化合物、またはそのN‐オキシド、塩、水和物もしくは溶媒化合物の使用を提供する。
本発明に係る化合物は、エクスビボまたはインビボでのPLK1活性を阻害するために用いられ得る。
本発明のある態様では、本発明の化合物は、癌などの細胞増殖性疾患の治療のための組成物の製造に使用され得る。
別の態様では、本発明は、上記で定義された式(I)の化合物の有効量をこれらの疾患の患者に投与することを含む、前記のタイプの疾患を治療するための方法を提供する。
用語
ここで用いられる用語「(Ca‐Cb)アルキル」は、a〜bの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状のアルキル基を指し、ここでaおよびbは整数である。したがって、例えば、aが1であり、bが6である場合、この用語はメチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、t‐ブチル、n‐ペンチルおよびn‐ヘキシルを含む。
ここで用いられる用語「2価(Ca‐Cb)アルキレン基」は、a〜bの炭素原子および2つの不飽和原子価を有する飽和炭化水素鎖を指し、ここでaおよびbは整数である。
ここで用いられる用語「(Ca‐Cb)アルケニル」は、a〜bの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖状のアルケニル部分を指し、ここでaおよびbは整数であり;EまたはZのどちらかの立体化学に当てはまる少なくとも1つの二重結合を有する。この用語は、例えばビニル、アリル、1‐および2‐ブテニルならびに2‐メチル‐2‐プロペニルを含む。
ここで用いられる用語「2価(Ca‐Cb)アルケニレン基」は、a〜bの炭素原子、少なくとも1つの二重結合および2つの不飽和原子価を有する炭化水素鎖を意味する。
ここで用いられる用語「(Ca‐Cb)アルキニル」は、2〜6の炭素原子を有し、さらに1つの三重結合を有する直鎖または分枝鎖状の炭化水素基を指し、ここでaおよびbは整数である。この用語は、例えばエチニル、1‐プロピニル、1‐および2‐ブチニル、2‐メチル‐2‐プロピニル、2‐ペンチニル、3‐ペンチニル、4‐ペンチニル、2‐ヘキシニル、3‐ヘキシニル、4‐ヘキシニルおよび5‐ヘキシニルを含むであろう。
ここで用いられる用語「2価(Ca‐Cb)アルキニレン基」は、2〜6の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する2価の炭化水素鎖を指し、ここでaおよびbは整数である。
ここで用いられる用語「炭素環」は、すべて炭素である16までの環原子を有する単環、2環または3環式基を指し、アリールおよびシクロアルキルを含む。
ここで用いられる用語「シクロアルキル」は、3〜8の炭素原子を有する単環式飽和炭素環式基を指し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルおよびシクロオクチルを含む。
ここで用いられる限定的な意味の用語「アリール」は、単環、2環または3環式芳香族炭素環式基を指し、共有結合により直接結合した2つの単環式芳香族炭素環を有する基を含む。このような基の例はフェニル、ビフェニルおよびナフチルである。
ここで用いられる限定的な意味の用語「ヘテロアリール」は、S、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む単環、2環または3環式芳香族基を指し、このような単環式環を2つまたはこのような単環式環および単環式アリール環を1つずつ有する基を含む。
このような基の例は、チエニル、ベンズチエニル、フリル、ベンズフリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンズチアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、ベンズトリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリルおよびインダゾリルである。
ここで用いられる限定的な意味の用語「複素環」または「複素環式」は、上記で定義された「ヘテロアリール」を含み、その非芳香族的な意味では、S、NおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む単環、2環または3環式の非芳香族基および、別のこのような基または単環式炭素環式基と共有結合した1以上のこのようなヘテロ原子を含む単環式非芳香族基からなる基に関する。
このような基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピペリジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホリニル、ピペラジニル、インドリル、ベンズフラニル、ピラニル、ベンズイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、マレイミドおよびスクシンイミド基である。
「2価のフェニレン、ピリジニレン、ピリミジニレンまたはピラジニレン基」は、2つの不飽和原子価を有するベンゼン、ピリジン、ピリミジンまたはピラジン環であり、1,3‐フェニレン、1,4‐フェニレンおよび次の基を含む:
Figure 2011518816
明細書の文脈中で他の意味を有すると特に明記されていなければ、用語「置換された」は、本文中のどの部分にも適用されるように、4つまでの両立可能な置換基で置換されていることを意味し、例えばこれらはそれぞれ独立して(C1‐C6)アルキル、(C1‐C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1‐C6)アルキル、メルカプト、メルカプト(C1‐C6)アルキル、(C1‐C6)アルキルチオ、フェニル、ハロ(フッ素、臭素および塩素を含む)、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、ニトリル(‐CN)、オキソ、‐COOH、‐COORA、‐CORA、‐SO2RA、‐CONH2、‐SO2NH2、‐CONHRA、‐SO2NHRA、‐CONRARB、‐SO2NRARB、‐NH2、‐NHRA、‐NRARB、‐OCONH2、‐OCONHRA、‐OCONRARB、‐NHCORA、‐NHCOORA、‐NRBCOORA、‐NHSO2ORA、‐NRBSO2OH、‐NRBSO2ORA、‐NHCONH2、‐NRACONH2、‐NHCONHRB、‐NRACONHRB、‐NHCONRARBまたは‐NRACONRARBであってもよく、ここでRAおよびRBは独立して(C1‐C6)アルキル、(C3‐C6)シクロアルキル、フェニルまたは5〜6の環原子を有する単環式ヘテロアリールであるか、またはRAおよびRBが同一の窒素原子に結合している場合は環式アミノ基(例えばモルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニルまたはテトラヒドロピロリル)を形成する。「任意の置換基」は、前記の置換基のうちの1つであってもよい。
用語「天然または非天然のα‐アミノ酸側鎖」は、式NH2‐CH(RY)‐COOHの天然または非天然アミノ酸の基RYを指す。
天然α‐アミノ酸側鎖の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、ヒスチジン、5‐ヒドロキシリシン、4‐ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、α‐アミノアジピン酸、α‐アミノ‐n‐酪酸、3,4‐ジヒドロキシフェニルアラニン、ホモセリン、α‐メチルセリン、オルニチン、ピペコリン酸およびチロキシンの側鎖を含む。
例えばアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、グアニジル、イミダゾリルまたはインドリル基の官能性置換基を含む天然α‐アミノ酸は、それらの特徴的な側鎖にアルギニン、リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシンおよびシステインを含む。本発明の化合物においてR1 7がこれらの側鎖のうちの1つである場合、官能性置換基は任意に保護されていてもよい。
用語「保護された」は、天然α‐アミノ酸側鎖の官能性置換基に関して用いられる場合、実質的に非官能性であるこのような置換基の誘導体を意味する。例えば、カルボキシ基は(例えばC1‐C6アルキルエステルとして)エステル化されていてもよく、アミノ基は(例えばNHCOC1‐C6アルキルアミドとして)アミド類または(例えばNHC(=O)OC1‐C6アルキルもしくはNHC(=O)OCH2Phカルバメートとして)カルバメート類に変換されていてもよく、ヒドロキシ基は(例えばOC1‐C6アルキルもしくはO(C1‐C6アルキル)フェニルエーテルとして)エーテル類またはエステル類(例えばOC(=O)C1‐C6アルキルエステル)に変換されていてもよく、そしてチオール基はチオエーテル類(例えばtert‐ブチルもしくはベンジルチオエーテル)またはチオエステル類(例えばSC(=O)C1‐C6アルキルチオエステル)に変換されていてもよい。
本文中で用いられる用語「塩」は、塩基付加、酸付加および4級塩を含む。
本発明における酸性化合物は、アルカリ金属水酸化物のような塩基(例えばナトリウムおよびカリウム水酸化物);アルカリ土類金属水酸化物(例えばカルシウム、バリウムおよびマグネシウム水酸化物);有機塩類(例えばN‐メチル‐D‐グルカミン、コリントリス(ヒドロキシメチル)アミノ‐メタン、L‐アルギニン、L‐リシン、N‐エチルピペリジン、ジベンジルアミンなど)と医薬的に許容される塩を含む塩類を形成することができる。
塩基性の式(I)の化合物は、無機酸(例えば、塩化水素もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸などのようなハロゲン化水素酸)、有機酸(例えば、酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、乳酸およびマンデル酸など)と、医薬的に許容される塩を含む塩類を形成することができる。
本発明の化合物は、N‐オキシド、水和物または溶媒和物の形態で回収することもでき、このような形態は非水和、非溶媒和または非N‐オキシド形態の活性を有する。
用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と例えばエタノールなどの化学量論的な量の1以上の医薬的に許容される溶媒分子とを含む複合分子を記述するために、本文中で用いられる。
用語「水和物」は前記の溶媒が水である場合に用いられる。
不斉炭素原子の存在が原因で1以上の事実上のまたは潜在的なキラル中心を含む本発明の化合物は、各々のキラル中心でRまたはSの立体化学を有する多数のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、このようなすべてのジアステレオマーおよびその混合物を含む。
用語「エステル」または「エステル化されたカルボキシ基」は、上記の置換基R7と関連して、基R10O(C=O)‐を意味し、ここでR10はエステルの特性を与える基であり、概念的にはアルコールR10OHに由来する。
置換基R1‐R3
R1は水素、(C1‐C6)アルキル、例えばメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、(C2‐C6)アルケニル、例えばアリル、(C2‐C6)アルキニル、例えば‐CH2C≡CH、または(C3‐C6)シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシルである。本発明の化合物のあるサブクラスでは、R1はエチルである。
R2は水素、(C1‐C6)アルキル、例えばメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、(C2‐C6)アルケニル、例えばアリル、(C2‐C6)アルキニル、例えば‐CH2C≡CH、または(C3‐C6)シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシル、またはC614アリール、例えばフェニルもしくはナフチルである。本発明の化合物のあるサブクラスでは、R2はシクロペンチルである。
R3は水素、‐CN、ヒドロキシ、ハロゲン、(C1‐C6)アルキル、例えばメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、(C2‐C6)アルケニル、例えばアリル、(C2‐C6)アルキニル、例えば‐CH2C≡CH、または(C3‐C6)シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシル、‐NR5R6およびC1‐C4アルコキシであり、ここでR5およびR6は独立して水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、例えばメチルまたはエチルである。本発明の化合物のあるサブクラスでは、R3は水素である。
環A
環Aは12までの環原子を有する単環または2環式の炭素環または複素環式環または環システムである。このような環の例は、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ピリミジン、ピラゾリン、トリアゾリン、フラン、チオフェン、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソキサゾールおよびチアジアゾール環である。好ましい環Aは、フェニル、ピリジニルおよびピリミジニルである。
環Aは上記の任意の置換基、例えば、クロロ、ブロモまたはフルオロ、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシで置換されていてもよい。
置換基T
この置換基は、リンカー基を通して環Aと結合した式(X)のα,α‐ジ置換グリシン酸またはα,α‐ジ置換グリシンエステル部分を含む。
本発明のエステル化合物は、細胞内エステラーゼによりカルボン酸に変換される。エステル類およびカルボン酸類は共に、それ自体でPLK阻害活性を有し得る。したがって、本発明の化合物は、エステルだけでなく、対応するカルボン酸の加水分解生成物も含む。
エステル基R7
置換基T中に存在するエステル基R7は、本発明の化合物において、1以上のカルボキシエステラーゼ酵素により、カルボン酸基へ加水分解され得るものでなければならない。
本発明の化合物のエステル基を対応する酸に加水分解できる細胞内カルボキシエステラーゼ酵素は、3つの既知ヒト酵素のアイソタイプであるhCE-1、hCE-2およびhCE-3を含む。これらが主要な酵素であると考えられているが、ビフェニルヒドロラーゼ(BPH)などの他の酵素も結合の加水分解に役割を有し得る。
一般に、カルボキシエステラーゼが遊離型アミノ酸エステルを元の酸に加水分解するのであれば、それはモジュレータに共有結合する際にエステルモチーフをも加水分解するであろう。
それゆえに、本文中に記載の破砕細胞アッセイは、必要とされる加水分解特性を有するエステルについての直接的、迅速かつ簡単な一次スクリーンで提供する。そしてこの方法で選抜されたエステルモチーフは、選択された結合化学作用を媒介として残りの分子と結合する際に、そのバックグラウンドでまだカルボキシエステラーゼ基質であることを確認するために、同じカルボキシエステラーゼアッセイで再検定され得る。
それらが細胞内カルボキシエステラーゼ酵素により加水分解され得ることの必要性を前提として、特定のエステル基R7の例は、式‐(C=O)OR10(式中、R10は、R11R12R13C‐である)の化合物を含む。ここで、
(i)R11は、水素、フッ素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキル‐(Z1)a‐[(C1‐C3)アルキル]b‐または(C2‐C3)アルケニル‐(Z1)a‐[(C1‐C3)アルキル]b‐であり、ここでaおよびbは独立して0または1であり、Z1は‐O‐、‐S‐または‐NR14‐(ここでR14は水素または(C1‐C3)アルキルである)であり; R12およびR13は独立して水素または(C1‐C3)アルキル‐であるか;
(ii)R11は、水素または任意に置換されていてもよいR15R16N‐(C1‐C3)アルキル‐(ここで、R15は水素または(C1‐C3)アルキルであり、R16は水素または(C1‐C3)アルキルである;またはR15およびR16は、それらが結合している窒素と共に、任意に置換されていてもよい5または6の環原子を有する単環式複素環または8〜10の環原子を有する2環式複素環システムを形成する)であり、R12およびR13は独立して水素または(C1‐C3)アルキル‐であるか;あるいは
(iii)R11およびR12は、それらが結合している炭素と共に、任意に置換されていてもよい3〜7の環原子を有する単環式炭素環または8〜10の環原子を有する2環式炭素環システムを形成し、R13は水素である。
上記(i)、(ii)および(iii)の場合において、「アルキル」はフルオロアルキルを含む。
これらのクラスにおいて、R10は、例えばメチル、トリフルオロメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、n‐、sec‐もしくはtert‐ブチル、シクロヘキシル、アリル、フェニル、ベンジル、2‐、3‐もしくは4‐ピリジルメチル、N‐メチルピペリジン‐4‐イル、テトラヒドロフラン‐3‐イル、メトキシエチル、インダニル、ノルボニル、ジメチルアミノエチルまたはモルホリノエチルであってもよい。好ましいR10はシクロペンチルである。
基R1 7
置換基T内に存在する基R1 7は、官能基で保護されていてもよい天然または非天然のα‐アミノ酸側鎖であるが、R1 7は水素でない。
例えば、R1 7はフェニルまたはピリジルのようなヘテロアリールまたは式‐CRaRbRcの基であってもよい。ここで:
Ra、RbおよびRcはそれぞれ独立して、水素、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキル、(C3‐C8)シクロアルキルであるか;または
Rcは水素であり、RaおよびRbは独立して、フェニルまたはピリジルのようなヘテロアリールであるか;または
Rcは水素、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキルまたは(C3‐C8)シクロアルキルであり、RaおよびRbは、それらが結合している炭素原子と共に、3〜8員のシクロアルキルまたは5〜6員の複素環を形成するか;または
Ra、RbおよびRcは、それらが結合している炭素原子と共に、3環(例えばアダマンチル)を形成するか;または
RaおよびRbはそれぞれ独立して、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキル、またはRcについて以下で定義される水素以外の基であるか、またはRaおよびRbは、それらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキルまたは複素環を形成し、Rcは水素、‐OH、‐SH、ハロゲン、‐CN、‐CO2H、(C1‐C4)ペルフルオロアルキル、‐CH2OH、‐O(C1‐C6)アルキル、‐O(C2‐C6)アルケニル、‐S(C1‐C6)アルキル、‐SO(C1‐C6)アルキル、‐SO2(C1‐C6)アルキル、‐S(C2‐C6)アルケニル、‐SO(C2‐C6)アルケニル、‐SO2(C2‐C6)アルケニル、または基‐Q‐W(ここで、Qは結合手または‐O‐、‐S‐、‐SO‐もしくは‐SO2‐を表し、Wはフェニル、フェニルアルキル、(C3‐C8)シクロアルキル、(C3‐C8)シクロアルキルアルキル、(C4‐C8)シクロアルケニル、(C4‐C8)シクロアルケニルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル基を表し、基Wは、ヒドロキシ、ハロゲン、‐CN、‐CONH2、‐CONH(C1‐C6)アルキル、‐CONH(C1‐C6アルキル)2、‐CHO、‐CH2OH、(C1‐C4)ペルフルオロアルキル、‐O(C1‐C6)アルキル、‐S(C1‐C6)アルキル、‐SO(C1‐C6)アルキル、‐SO2(C1‐C6)アルキル、‐NO2、‐NH2、‐NH(C1‐C6)アルキル、‐N((C1‐C6)アルキル)2、‐NHCO(C1‐C6)アルキル、 (C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、(C3‐C8)シクロアルキル、(C4‐C8)シクロアルケニル、フェニルまたはベンジルから独立して選択される1以上の置換基で任意に置換されていてもよい)である。
ある場合には、R1 7は、H‐Alk4‐、フェニル、単環式複素環、C3‐C7シクロアルキル、フェニル(Alk4)‐、複素環 (Alk4)‐、またはC3‐C7シクロアルキル(Alk4)‐(ここで、複素環部位は3〜7の環原子を有する単環式複素環であり、‐Alk4‐は直鎖もしくは分枝鎖状の2価(C1‐C6)アルキレン、(C2‐C6)アルケニレンまたは(C2‐C6)アルキニレン基であり、これらの基はエーテル(‐O‐)、チオエーテル(‐S‐)またはアミノ(‐NRA‐)結合により中断されているかまたは末端に有していてもよく、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキルであり、Alk4‐または環状部位は任意に置換されていてもよい)である。
例えば、R1 7は、C1‐C6アルキル置換基、例えばメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピルまたはn‐、sec‐もしくはtert‐ブチルであってもよい。
特定の場合、R1 7はメチルである。
基R8
R8は、例えば任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C3‐C6)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール、例えばメチル、エチル、n‐もしくはイソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルまたはピリジルであってもよい。
またR8は、例えば水素または‐(C=O)R16であってもよく、ここでR16はメチル、エチル、n‐もしくはイソプロピルまたはn‐、iso‐もしくはsec‐ブチルのような任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、チエニルのような(C3‐C6)シクロアルキル、ベンジル、4‐メトキシフェニルメチルカルボニル、チエニルメチルもしくはピリジルメチルのようなフェニル(C1‐C6アルキル)‐、チエニル(C1‐C6アルキル)‐またはピリジル(C1‐C6アルキル)‐である。
R8は‐(C=O)OR17、または‐(C=O)NHR17であってもよく、ここでR17は水素あるいはメチル、エチルまたはn‐もしくはイソプロピルのような任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルである。
好ましいR8は水素である。
全身に投与される本発明の化合物については、それらが全身代謝前により低活性であるために、エステラーゼ開裂速度が遅いエステルが好ましい。したがって、完全な状態のまま標的組織に到達する能力が増し、エステルは標的組織細胞内で酸性物質に変換され得る。しかしながら、局所投与については、エステルが直接標的組織に塗布される場合、または例えば吸入などにより標的に向けられる場合のどちらにおいても、組織の露出および結果として起こる望ましくない副作用を最小化するために、速いエステラーゼ開裂速度を有するエステルがしばしば好まれるであろう。
基Rが結合している炭素原子が置換されていないのであれば、すなわちRがメチレン(‐CH2)‐基に結合しているのであれば、エステル類は炭素原子が置換されているか、またはフェニルもしくはシクロヘキシル環のような環システムの一部である場合よりも速く開裂する傾向にある。
基‐L1‐Y1
この基(または結合)は、インヒビターの環Aに、置換基T内のアミノ酸エステルモチーフRが結合するために選択される特定の化学戦略から発生する。明らかに、このカップリングの化学戦略は広く変動してもよく、したがって様々なY1およびL1の多くの組合せが可能である。
しかしながら、インヒビターが酵素の活性部位に結合する際、アミノ酸エステルモチーフは、一般に酵素とは離れた方向に展開し、したがってインヒビターの結合様式の妨害を最小化または回避する。それゆえに、アミノ酸エステルモチーフおよび残りの分子間の化学結合を構成する精密な種々の組合せは、全体として、化合物の主要な結合様式とはしばしば無関係であろう。
先の一般的な所見を念頭において、基‐L1‐Y1‐を構成する可変要素を順に採用していくと:
Y1は例えば、‐NR3‐、‐S‐、‐O‐、‐C(=O)NR3‐、‐NR3C(=O)‐または‐C(=O)O‐であってもよく、ここでR3は水素または‐CH2CH2OHのような任意に置換されていてもよいC1‐C6アルキルである;
基L1については、Alk1およびAlk2基が存在する場合、その例は‐CH2‐、‐CH2CH2‐、‐CH2CH2CH2‐、‐CH2CH2CH2CH2‐、‐CH=CH‐、‐CH=CHCH2‐、‐CH2CH=CH‐、CH2CH=CHCH2‐、‐C≡C‐、‐C≡CCH2‐、‐CH2C≡C‐およびCH2C≡CCH2を含む。
Alk1およびAlk2のさらなる例は、‐CH2W‐、‐CH2CH2W‐、‐CH2CH2WCH2‐、‐CH2CH2WCH(CH3)‐、‐CH2WCH2CH2‐、‐CH2WCH2CH2WCH2‐、および‐WCH2CH2‐を含み、ここでWは‐O‐、‐S‐、‐NH‐、‐N(CH3)‐または‐CH2CH2N(CH2CH2OH)CH2‐である。さらに、Alk1およびAlk2の例は、2価のシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を含む。
Alk1およびAlk2が存在する場合、‐CH(CH3)‐、‐C(CH3)2‐またはどの配向でもよい‐CH2CH(CH3)‐、‐CH2C(CH3)2‐のような分枝鎖アルキルであってもよい。
L1については、nが0である場合、該基は炭化水素鎖(任意に置換されていているか、あるいはエーテル、チオエーテルまたはアミノ結合を有していてもよい)である。L1には任意の置換基がないことが好ましい。
mおよびpが共に0である場合、L1は5〜13の(任意に置換されていてもよい)環原子を有する2価の単環または2環式炭素環または複素環式基である。nが1であり、かつmおよびpのうち少なくとも1つが1である場合、L1は1以上の炭化水素鎖および5〜13の(任意に置換されていてもよい)環原子を有する単環または2環式炭素環または複素環式基を含む2価の基である。
Qが存在する場合、例えば2価のフェニル、ナフチル、シクロプロピル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシル基、またはピペリジニル、ピペラジニル、インドリル、ピリジル、チエニルもしくはピロリル基のような5〜13の環原子を有する単環または2環式炭素環または複素環式基であってもよいが、1,4‐フェニレンが好ましい。
特に、本発明のいくつかの実施態様では、nが1であれば、L1、mおよびpは0であってもよい。他の実施態様では、mが1であれば、nおよびpは0であってもよい。さらなる実施態様では、m、nおよびpはすべて0であってもよい。さらに別の実施態様では、Qが単環式複素環式基であれば、mは0であってもよく、nは1であってもよく、かつpは0または1であってもよい。Alk1およびAlk2が存在する場合、‐CH2‐、‐CH2CH2‐および‐CH2CH2CH2‐から選択されてもよく、かつQは1,4‐フェニレンであってもよい。
基‐L1‐Y1‐[CH2]z‐の限定的な例は、‐(CH2)3NH‐、‐CH2C(=O)NH‐、‐CH2CH2C(=O)NH‐、‐CH2C(O)O‐、‐CH2S‐、‐CH2CH2C(O)O‐、‐(CH2)4NH‐、‐CH2CH2S‐、‐CH2O、‐CH2CH2O‐、および次の基を含む。
Figure 2011518816
より限定的な好ましい基‐L1‐Y1‐の例では、環Aがフェニル環である場合に有用であり、L1はC1‐C3アルキレン、例えば‐CH2‐、‐CH2CH2‐または‐CH2CH2CH2‐であり、Y1は‐NHC(=O)‐である。
上記のとおり、本発明に係る化合物はPLK1キナーゼ活性インヒビターであり、したがって癌などの細胞増殖性疾患の治療に用いられるためのものである。
個々の特定の患者への特定の投与量レベルは、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、総合的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄頻度、薬剤の組合せおよび治療中の特定疾患の深刻さを含む様々な要因に依存し得ることが理解されるであろう。最適な投与量レベルおよび投与頻度は臨床試験により決定される。
本発明に係る化合物は、それらの薬物動態学的特性に合致したどのような経路でも投与できるように製造され得る。経口投与が可能な組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤の形態、経口、局所もしくは無菌の非経口液剤または懸濁剤などのような液体またはゲル状製剤であってもよい。経口投与のための錠剤およびカプセル剤は、単位投与量を与える形態であってもよく、結合剤、例えばシロップ剤、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴムまたはポリビニル‐ピロリドンのような慣用の賦形剤;充填剤、例えばラクトース、砂糖、コーンスターチ、カルシウムホスフェート、ソルビトールまたはグリシン;錠剤滑沢剤、例えばマグネシウムステアレート、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばポテトスターチ、またはラウリル硫酸ナトリウムのような許容される湿潤剤を含んでいてもよい。
錠剤は、通常の製薬現場で広く既知の方法に従ってコーティングされていてもよい。
経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であってもよく、使用前に水または他の適当な賦形剤で復元するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン硬化食用油脂などの懸濁化剤;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性溶剤、例えばアーモンド油、分画ココナッツ油、グリセリン、プロピレングリコールのような油性エステルまたはエチルアルコール(食用油を含んでいてもよい);保存剤、例えばメチルもしくはプロピル p‐ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸
のような慣用の添加剤、および必要に応じて慣用の着香剤または着色剤を含んでいてもよい。
肌への局所的な適用のために、薬剤はクリーム剤、ローション剤または軟膏剤に調製されてもよい。薬剤として用いられ得るクリーム剤または軟膏剤は、英国薬局方などの薬学の標準的なテキストに記載されているように、当該分野技術において周知の慣用の製剤である。
吸入による局所的な適用のために、薬剤は、例えば圧力操作式ジェットアトマイザーもしくは超音波アトマイザー、または好ましくは推進剤操作式流量調節エアゾールもしくは、例えば吸入カプセル剤もしくは他の「乾燥散剤」輸送システムによるマイクロ散剤の推進剤不添加投与のために製剤されてもよい。例えば推進剤(例えば、流量調節エアゾールの場合のFrigen)、界面活性物質、乳化剤、安定化剤、保存剤、着香剤および充填剤(例えば、吸入用散剤の場合はラクトース)のような賦形剤は、このような吸入用製剤中に存在していてもよい。
吸入の目的のためには、患者にとって適切な吸入技術を用いて、最適サイズのエアゾール粒子を生み出し、投与することのできる、多数の器具が利用可能である。アダプタ(スペーサ、エキスパンダ)および洋梨型コンテナ(例えば、Nebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))ならびに自動デバイス放射式パフアスプレー(Autohaler(登録商標))の使用に加えて、流量調節エアゾール用には、特に吸入用散剤の場合には、多数の技術的解決策(例えば、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)または欧州特許出願EP 0 505 321に記載されたような吸入剤)が利用可能である。
目への局所的な適用のために、薬剤は、適切な無菌水性または非水性賦形剤中の液剤または懸濁剤として調製されてもよい。添加剤には、例えば、
メタビスルフェートナトリウムまたはエデエートジナトリウムなどのバッファー;フェニル水銀アセテートもしくはナイトレート、ベンズアルコニウムクロライドまたはクロルヘキシジンなどの殺菌剤や防カビ剤を含む保存剤、およびヒプロメロースなどの濃縮剤を含んでいてもよい。
活性成分は、無菌媒体中で非経口投与されてもよい。用いられる媒体や濃度に依存して、薬剤を媒体中に懸濁するか、または溶解することができる。有利には、局所麻酔薬、保存剤および緩衝剤などのアジュバントを媒体中に溶解することができる。
本発明の化合物は、多数の既知の医薬活性物質と共に用いられてもよい。例えば、本発明の化合物は、細胞毒性物質、HDACインヒビター、キナーゼインヒビター、アミノペプチダーゼインヒビター、プロテアーゼインヒビター、bcl‐2拮抗薬、mTorインヒビターおよびモノクローナル抗体(例えば、成長因子受容体指向型モノクローナル抗体)と共に用いられてもよい。
好ましい細胞毒性物質は、例えばタキサン類、プラチン類、5‐フルオラシルのような抗代謝物質類、トポイソメラーゼインヒビター類などを含む。したがって、式(I)のアミノ酸誘導体、その互変体もしくはその医薬的に許容される塩、N‐オキシド、水和物または溶媒和物を含む本発明の薬剤は、概して細胞毒性物質、HDACインヒビター、キナーゼインヒビター、アミノペプチダーゼインヒビターおよび/またはモノクローナル抗体をさらに含む。
さらに、本発明は:
(a)式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、N‐オキシド、水和物もしくは溶媒和物;
(b)細胞毒性物質、HDACインヒビター、キナーゼインヒビター、アミノペプチダーゼインヒビター、プロテアーゼインヒビター、bcl‐2拮抗薬、mTorインヒビターおよび/またはモノクローナル抗体;および
(c)医薬的に許容される担体および/または希釈剤
を含む医薬組成物を提供する。
さらに提供されるのは:
(a)式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、N‐オキシド、水和物もしくは溶媒和物;および
(b)細胞毒性物質、HDACインヒビター、キナーゼインヒビター、アミノペプチダーゼインヒビター、プロテアーゼインヒビター、bcl‐2拮抗薬、mTorインヒビターおよび/またはモノクローナル抗体
を含む、ヒトまたは動物の身体治療において、別々に、同時にまたは連続して使用される製品である。
合成
本発明に係る化合物(I)の合成のための合成方法は多数あるが、すべて公知の化学、公知の有機合成化学に頼っている。したがって、式(I)に記載の化合物は、標準的な文献に記載の方法にしたがって合成することが可能であり、当業者の間でよく知られている。
典型的な出典文献は「Advanced organic chemistry」4th Edition(Wiley)、J March;「Comprehensive Organic Transformation」、2nd Edition(Wiley)、R.C.Larock、「Handbook of Heterocyclic Chemistry」、2nd Edition(Pergamon)、A.R.Katritzky;「Synthesis」、「Acc. Chem. Res.」、「Chem. Rev」に見られるような論評記事またはオンライン上で標準出典文献により割り出される一次出典文献または「Chemical Abstracts」もしくは「Beilstein」などの二次出典である。
本発明の化合物は、下記のいくつかの実施例に明記される多数の方法により製造され得る。下記の反応では、例えばヒドロキシ、アミノおよびカルボキシ基など、最終生成物に必要な官能基が望ましくない反応を起こすことを回避するために、反応性官能基を必要に応じて保護してもよい[例えば「Protecting Groups in Organic Synthesis」,3rd Edition, (Wiley), T.W.Greene参照]。
慣用の保護基は、標準的実践法と共に用いられ得る。いくつかの例では、脱保護は、一般的な式(I)の化合物の合成の最終段階であり、以下の本文中に記載の本発明による方法は、これらの保護基の除去まで拡張するものと解釈される。
称略
AcOH=酢酸
EDC=1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
Et2O=ジエチルエーテル
Et3N=トリエチルアミン
Bocまたはboc=tert‐ブトキシカルボニル
Boc2O=ジ‐tert‐ブチルジカルボネート
Cbz=ベンジルオキシカルボニル
DCE=ジクロロエタン
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=ジメチルアミノピリジン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
HCl=塩酸
K2CO3=炭酸酸カリウム
LiOH=水酸化リチウム
MeOH=メタノール
MgSO4=硫酸マグネシウム
Na2CO3=炭酸ナトリウム
NaH=水素化ナトリウム
NaHCO3=炭酸水素ナトリウム
NaI=ヨウ化ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
NBu4Br=テトラブチルアンモニウムブロマイド
Pd(dppf)Cl2=ジクロロ‐(1,2‐ビス‐(ジフェニルホスフィノ)エタン)‐パラジウム(II)
Pd/C=パラジウム炭素
STAB=トリアセトキシボロハイドライドナトリウム
TBTU=O‐ベンゾトリアゾール‐1‐イル‐N,N,N',N'‐テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
aq=水性の
g=グラム
LCMS=高速液体クロマトグラフィ/マススペクトロメトリ
mg=ミリグラム
min=分
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
mol=モル
mmol=ミリモル
NMR=核磁気共鳴
RTまたはrt=室温
sat=飽和
工業用に利用可能な試薬および溶剤(HPLC等級)はさらに精製しないで用いた。溶剤はBuchiロータリーエバポレータを用いて除去した。マイクロ波放射は、Biotage Initiator(商標)Eightマイクロ波シンセタイザーを用いて行った。フラッシュクロマトグラフィカラムによる化合物の精製は、Fluorochemから購入した、粒子サイズ40‐63μm(230‐400目)のシリカゲルを用いて行った。予備的HPLCによる化合物の精製は、逆相Axia(商標)prep Luna C18 カラム(10 μm, 100×21.2 mm),グラジエント0‐100% B (A=水 / 0.005% TFA, B=アセトニトリル) 10分間, flow = 25mL/分, UV 254 nmで検出、Gilson システムで行った。
1H NMRスペクトルは、Bruker 300 MHz AVスペクトロメータを用いて、重水素化された溶媒中で記録した。化学シフト(δ)は百万分の一部分である。薄層クロマトグラフィ(TLC)分析は、Kiesegel 60 F254 (Merck)プレートを用いて行い、UV光を用いて可視化した。
分析的HPLC/MSは、逆相Luna C18カラム(3 μm, 50×4.6 mm),グラジエント5‐95% B (A=水 / 0.1%ギ酸, B=アセトニトリル / 0.1%ギ酸) 13.0分間, flow = 1.25mL/分を用いて、Agilent HP1100 LCシステムで行った。UVスペクトルは、G1315B DAD ディテクターを用いて、220〜254 nmで記録した。マススペクトルは、LC/MSD SL G1956Bディテクターで、m/z 150〜800の範囲にわたって得た。データを統合し、ChemStationおよびChemStation Data Browser softwaresを用いて記録した。
中間体
本文中に記載の実施例の製造法のための中間体は、以下(図1)に示される。
Figure 2011518816
中間体A:
(7R)‐2‐クロロ‐8‐シクロペンチル‐7‐エチル‐5‐メチル‐7,8‐ジヒドロプテリジン‐6(5H)‐オン
Figure 2011518816
WO2004076454に記載の方法を用いて、表題の化合物を製造した。
中間体B:
4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル‐5‐メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシ安息香酸
Figure 2011518816
WO2004076454に記載の方法を用いて、表題の化合物を製造した。
4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル‐5‐メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシ-N-ピペリジン-4-イルベンズアミド
Figure 2011518816
次の方法により中間体Bから表題の化合物を製造した。
Figure 2011518816
第1段階
tert-ブチル-4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル‐5‐メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
DCM(20mL)中の中間体B(500mg, 1.18mmol)の懸濁液に、TBTU(415mg, 1.29mmol)およびDIPEA(0.41mL, 2.35mmol)を加えた。反応混合物を30分間室温で撹拌し、tert-ブチル 4-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(282mg, 1.41mmol)を加えた。反応混合物を30分間室温で撹拌し、DCM(30mL)で希釈し、水(2 × 30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下に濃縮し、濃褐色の油状物を得た。Et2O/ヘプタン(1:3)で粉砕し、表題の化合物をベージュ色の固体(528mg, 74%)として得た。
ESMS m/z: 608 [M+H]+.
第2段階
4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル‐5‐メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシ-N-ピペリジン-4-イルベンズアミド
第1段階の生成物(528mg, 0.87mmol)をジオキサン(10mL)中の4N HClに懸濁し、反応混合物を1時間室温で撹拌し、その後減圧下に濃縮した。残渣をEt2Oで粉砕し、その後DCM(100mL)と飽和Na2CO3(50mL)との間で分割した。有機層を分離し、飽和Na2CO3(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下に濃縮し、濃黄色油状の表題の中間体を得、これを直ちに凝固させた(407mg, 92%)。
ESMS m/z 508 [M+H]+. 1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ: 8.56(1H, dd, J=8.4, 3.5 Hz), 7.57-7.76(2H, m), 7.39-7.44(1H, m), 4.53(1H, br.s.), 4.08-4.34(2H, m), 3.98(3H, d, J=4.7Hz), 3.39-3.65(2H, m), 3.29-3.38(3H, m), 2.81-3.15(2H, m), 1.41-2.44(14H, m), 0.75-0.97(3H, m).
中間体D:
メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシイソバリネート
Figure 2011518816
表題の化合物を次の方法により製造した。
Figure 2011518816
第1段階
2-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-2-メチルブタンニトリル
2頸丸底フラスコ(100mL)を、アダプタおよびゴム製チューブを介して、漂白剤に沈めた漏斗に取り付けた。この丸底フラスコに水(3mL)中の98%シアニドナトリウム(1.81g, 36.9mmol)、次いでぬるま湯(5mL)中の塩化アンモニウム(2.17g, 40.6mmol)を加えた。その後、水酸化アンモニウム(2.88mL, 73.8mmol)、次いでエタノール(11mL)中の4-ベンジルオキシ-2-ブタノン(6.58g, 36.9mmol)を加えた。得られた混合物を15分間室温で、その後60℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下に濃縮し、水(100mL)とDCM(100mL)との間で分割した。DCM(3 × 75mL)で水層を抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮した。CombiFlash(登録商標)Companion(登録商標)(Teledyne Isco Inc)(ヘプタン中のEtOAc)を用いる、12gシリカカラムで精製し、無色油状の表題の物質(4.70g, 62%)を得た。
ESMS m/z: 205[M+H]+; 1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ: 7.36(2H, br.s.), 7.33-7.25(3H, m), 4.56-4.49(2H, m), 3.73(2H, t, J=6.1 Hz), 2.67-2.27(2H, m), 1.49(3H, s).
第2段階
メチル 4-(ベンジルオキシ)イソバリネート
3頸丸底フラスコ(500mL)を、アダプタおよびゴム製チューブを介して、飽和NaHCO3中に沈めた漏斗に取り付けた。丸底フラスコを氷浴で0℃に冷却し、無水メタノール(50mL)を加えた。メタノールをHCl(g)で5分間飽和させた。メタノール(7mL)中の第1段階の生成物(2.0g, 9.8mmol)を反応混合液に加え、48時間65℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下に濃縮し、水(50mL)とEtOAc(50mL)との間で分割した。水層を単離し、飽和NaHCO3を添加し、生成物をEtOAc(3×50mL)中に抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮して、暗黄色油状の粗生成物(2.32g, 100%)を得た。
ESMS m/z: 238 [M+H]+; 1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ: 7.35-7.26(5H, m), 5.39(2H, br.s.), 4.57(2H, d, J=5.8 Hz), 3.64(3H,s), 3.61-3.52(2H, m), 2.28-2.14(2H, m), 1.53(3H,s).
第3段階
メチル 4-(ベンジルオキシ)-N-(tert-ブトキシカルボニル)イソバリネート
DCM(20mL)中の第2段階の生成物(2.32g, 9.78mmol)の溶液に、Et3N(6.8mL, 48.9mmol)を加えた。反応混合物を氷浴中で0℃に冷却し、それにBoc2O(2.56g, 11.7mmol)を2回に分けて加えた。反応混合物を24時間室温で撹拌し、生成物を減圧下でシリカ上に抽出した。CombiFlash(登録商標)Companion(登録商標)(Teledyne Isco Inc)(ヘプタン中のEtOAc)を用いて、12gシリカカラムで精製し、無色油状の表題の化合物(0.37g, 15%)を得た。
ESMS m/z: 360 [M+Na]+; 1H NMR(300MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.18(5H, m), 6.03(1H, br.s.), 4.45(2H, m), 3.64(3H, s), 3.55(2H, t, J=5.6 Hz), 2.41-2.07(2H, m), 1.58(3H, s), 1.44(9H, s).
第4段階
メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシイソバリネート
EtOAc(15mL)中の第3段階の生成物(0.370g, 1.10mmol)の溶液に、10% Pd/C(0.074g, 20% w.w.)を加えた。系を取り除き、(3ウェイタップ器具および水素充填風船形フラスコを用いて)水素雰囲気下に置き、これを2回繰り返し、混合物を水素雰囲気下に24時間室温で撹拌した。水素の系を取り除き、パラジウム残渣をCeliteを通して濾過した。Celiteを酢酸エチルを用いて徹底的に洗浄し、減圧下で濾液の溶媒を除去した。粗残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘプタン中の50% EtOAc)により精製し、無色油状の表題の化合物(0.251g, 93%)を得た。
ESMS m/z: 270 [M+Na]+; 1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ:5.84(1H, br.s.), 3.80-3.64(5H, s), 2.30-2.07(2H, m), 1.58(3H, s), 1.43(9H, s).
中間体E:
シクロペンチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシイソバリネート
Figure 2011518816
中間体Dについて記載したのと同じ方法で、第2段階のメタノールをシクロペンタノールで置き換え、表題の化合物を合成した。
ESMS m/z: 324 [M+Na]+; 1H NMR(300 MHz, CDCl3) : 5.99-5.75(1H, m), 5.15(1H, t, J=5.6 Hz), 3.67(2H, t, J=5.9 Hz), 2.17-1.92(2H,m), 1.89-1.51(8H, m), 1.49(3H, s), 1.38(9H, s).
実施例1:
メチル 4-[4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-イル]イソバリネート
Figure 2011518816
表題の化合物を次の方法により製造した。
Figure 2011518816
第1段階
メチル 4-オキソイソバリネート
DCM(5mL)およびオキサリルクロライド(0.055mL, 0.62mmol)の溶液を窒素雰囲気下に撹拌し、内部温度−70℃に冷却した。DMSO(0.040mL, 0.56mmol)を、温度が−65℃以下のままであることを確認しながら、ゆっくりと加えた。DCM(2mL)中の中間体D(0.068g, 0.26mmol)の溶液、次いでEt3N(0.310mL, 2.20mmol)を、常時−65℃以下の温度を保ちながら、ゆっくりと加えた。その後、反応液を室温に温め、減圧下に溶媒を除去し、粗生成物を淡黄色固体として得た。この粗混合物をさらに精製せずに、還元アミノ化工程に付した。
第2段階
メチル N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-[4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-イル]イソバリネート
DCE(3.5mL)中の中間体C(0.131g, 0.26mmol)および第1段階の生成物(0.064g, 0.26mmol)の溶液を15分間室温で撹拌した。トリアセトキシボロハイドライドナトリウム(0.165g, 0.78mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。飽和NaHCO3(10mL)およびDCM(20mL)を加え、水層をDCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下に濃縮して、黄色油状の粗生成物(0.210g)を得た。
ESMS m/z: 737 [M+H]+. 1H NMR(300 MHz, MeOD), 7.90(1H, d, J=8.4Hz), 7.64(2H,s), 7.59(1H, d J=9.8Hz), 4.52(1H, dd, J=3.2, 6.4Hz), 4.33(1H, t J=8.5Hz), 4.30-4.18(1H, m), 4.00(3H, m), 3.93(3H, s), 3.76-3.69(2H, m), 3.33(3H, s), 3.27-3.15(4H, m), 2.46(2H, t, J=8.4Hz), 2.28(2H, d J=12.8Hz), 2.08-1.90(8H, m), 1.67-1.56(7H, m), 1.38(9H, s), 0.88(3H, t, J=7.4Hz).
第3段階
メチル 4-[4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-イル]イソバリネート
DCM(1mL)中の第2段階の生成物(0.030g, 0.04mmol)の溶液をジオキサン(3mL)中の4N HClに加えた。反応液を2時間室温で撹拌し、溶媒を減圧下に除去した。得られた残渣を1:1のアセトニトリルおよび水(1.3mL)に吸収し、予備的HPLCにより精製した。純粋な分画を合わせ、凍結乾燥機で乾燥し、表題の化合物(0.023g, 12%)を白色固体として得た。
ESMS m/z: 637 [M+H]+; 1H NMR(300 MHz, MeOD), 7.90(1H, d, 8.4Hz), 7.64(2H, s), 7.59(1H, d J=9.8Hz), 4.52(1H, dd, J=3.2, 6.4Hz), 4.33(1H, t J=8.5Hz), 4.30-4.18(1H, m), 4.00(3H, m), 3.93(3H, s), 3.76-3.69(2H, m), 3.33(3H, s), 3.27-3.15(4H, m), 2.46(2H, t, J=8.4Hz), 2.28(2H, d J=12.8Hz), 2.08-1.90(8H, m), 1.67-1.56(7H, m), 0.88(3H, t, J=7.4Hz).
実施例2
シクロペンチル 4-[4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-イル]イソバリネート
Figure 2011518816
実施例1に記載したのと同じ方法を用いて、中間体Eからこの化合物を製造した。
ESMS m/z: 691 [M+H]+; 1H NMR(300 MHz, MeOD), 7.89(1H, d, J=8.3Hz), 7.63(2H, s), 7.58(1H, dd, J=8.4, 1.6Hz), 5.35(1H, t, J=5.6Hz), 4.51(1H, dd, J=6.4, 3.0Hz), 4.39-4.12(2H, m), 3.99(3H, s), 3.71(2H, br.s.), 3.33(3H, br.s.), 3.29-3.07(4H, m), 2.43(2H, t, J=8.5Hz), 2.27(2H, d, J=14.3Hz), 2.16-1.66(20H, m), 1.64(3H, s), 0.87(3H, t, J=7.4Hz).
実施例3:
4-[4-[(4-[[(7R)-8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル]アミノ]-3-メトキシベンゾイル)アミノ]ピペリジン-1-イル]イソバリン
Figure 2011518816
表題の化合物を次の方法により製造した。
Figure 2011518816
THF(5mL)および水(5mL)中の実施例1第2段階の生成物(0.150g, 0.20mmol)の溶液に、LiOH(0.098g, 4.08mmol)を加えた。反応混合物を40℃で一晩撹拌した。THFを減圧下に除去し、得られた溶液を2N HClでpH1〜2に酸性化した。生成物をtert-ブタノール(3×30mL)で抽出し、減圧下に濃縮乾固した。生成物をEtOAc中でスラリーとし、濾過して単離し、0.09gの固体を得た。0.03gをジオキサン(1mL)中の4N HClで1時間処理した。溶媒を減圧下に除去し、生成物を1:1のAcCN / H2O(1.3mL)に吸収し、予備的HPLCにより精製した。純粋な分画を合わせ、凍結乾燥機で乾燥し、白色固体として表題の化合物(0.010g, 7.9%)を得た。
ESMS m/z: 623 [M+H]+; 1H NMR(300 MHz, MeOD), 7.95(1H, d, J=8.3Hz), 7.64(2H, s), 7.58(1H, dd J=1.8, 8.3Hz), 4.51(1H, dd, J=4.0, 6.6Hz), 4.35(1H, t J=9.1Hz), 4.27-4.18(1H, m), 4.00(3H, m), 3.72-3.663(2H, m), 3.33(3H, s), 3.27-3.15(4H, m), 2.46-2.41(2H, m), 2.30-2.24(2H, m), 2.10-1.88(8H, m), 1.70-1.63(7H, m), 0.88(3H, t, J=7.4Hz).
生理活性の測定
PLK1酵素アッセイ
化合物のPLK-1キナーゼ活性を阻害する能力は、Invitrogen(Paisley, UK)により行われるアッセイで測定した。Z'‐LYTE(商標)バイオケミカルアッセイは、蛍光ベースの共役酵素形式を採用しており、リン酸化されたおよびリン酸化されていないペプチドの蛋白質分解開裂への異なる感受性に基づいている。
基質となるペプチドは、両側末端に1つずつあるFRETペアを構成する2つの蛍光体で標識されている。一次反応では、キナーゼはATPのγ‐リン酸塩を、合成されたFRETペプチド中で、単独のセリンまたはスレオニン残基に変える。二次反応では、部位特異的プロテアーゼがリン酸化されていないFRETペプチドを認識し、開裂する。FRETペプチドのリン酸化は、Development Reagentによる開裂を抑圧する。開裂は、FRETペプチドのドナー側(すなわち、クマリン)および受容側(すなわち、フルオレセイン)蛍光体間のFRETを崩壊させる一方、開裂していない、リン酸化されたFRETペプチドはFRETを維持する。ドナー蛍光体を400nmで励起後、ドナー側放射線量と受容側放射線量の比(放射線量比)を計算する放射分析法を用いて、反応の進捗を定量化した。
最終的な10μLのキナーゼ反応は、2.8〜25.3ng PLK1、2μM Ser/Thr 16基質ペプチドおよび50mM HEPES pH 7.5, 0.01% BRIJ-35, 10mM MgCl2, 1mM EGTA中のATPからなる。アッセイは、Kmまたはそれに近いATP濃度で行う。60分後キナーゼ反応を室温でインキュベートし、5μLのDevelopment Reagentの1:8希釈液を添加する。アッセイプレートを更に60分間室温でインキュベートし、蛍光プレートリーダーで読み取った。
重複するデータ点は、DMSO中の試験化合物貯留液の1/3対数希釈シリーズから発生する。9階級の希釈液が10μMの最高濃度から調製され、化合物非添加のブランクを含む。IDBSからのXLfitソフトウェアを用いて、データを回収および分析した。用量作用曲線はモデル番号205(S字用量作用モデル)にフィットした曲線である。発生した曲線から、50%のIC50阻害濃度を測定し、記録する。
IC50の結果は、次の3つの範囲のうちの1つに割り当てられる:
範囲A:IC50<100nM、
範囲B:100nM〜500nMのIC50;および
範囲C:IC50>500nM。
NT=未試験
本文中の実施例の化合物について得られた結果を、以下(表1)に示す。
細胞阻害アッセイ
細胞は、96W組織培養プレート(1ウェル=30mm2)内の50μlの適切な培養培地(以下参照)中に植菌した。植菌密度は細胞系に依存させた:HCT-116=1000細胞/ウェル、Hut-78=2250細胞/ウェル、U937細胞=2000細胞/ウェル。24時間後、同じ培地中に調製した化合物を50μL添加し、4倍希釈して、0.15nM〜2500nM(各々の濃度についてn=6)の範囲の最終濃度を得た。その後72時間5%CO2雰囲気下に37℃でプレートをインキュベートした。WST‐1(代謝指標染料、Roche Cat no. 1 644 807)を用いて、製造業者向け取扱説明書にしたがって、細胞増殖を評価した。結果を展色剤用量%として計算し、IC50値は展色剤を50%阻害する化合物の濃度を表す。
HCT-116培養培地
2mMグルタミン(Sigma cat no G-7513)および50U/mLペニシリンならびにストレプトマイシンスルフェート(Sigma Cat no P-0781)を含む、10%加熱済不活性型ウシ胎児血清(Hyclone SH30071 Thermo Fischer Scientific)を添加したDulbeccos MEM(Sigma D6546)。
Hut-78 & U937培養培地:
2mMグルタミンおよび50U/mLペニシリンならびにストレプトマイシンスルフェートを増補し(詳細は上記のとおり)、上記と同じく10%加熱済不活性型ウシ胎児血清を添加したRPMI 1640(Sigma R0883)。
IC50の結果は、次の3つの範囲のうちの1つに割り当てられる:
範囲A:IC50<100nM、
範囲B:100nM〜500nMのIC50;および
範囲C:IC50>500nM。
NT=未試験
本文中の実施例の化合物について得られた結果を、以下(表1)に示す。
Figure 2011518816
破砕細胞カルボキシルエステラーゼアッセイ
R7がエステル基である本発明で得られた化合物は、いずれも次のアッセイを試験することにより、細胞内エステラーゼにより加水分解されるという必要条件を満たすか否かを決定するために試験され得る。
U937またはHCT 116腫瘍細胞(〜109)を、4倍量のDulbeccos PBS(〜1
リットル)で洗浄し、10分間4℃、525gで沈殿させた。これを2回繰り返し、最終的に35mLの冷却したホモゲナイズ緩衝液(Trizma 10mM, NaCl 130mM, CaCl2 0.5mM pH 7.0 at 25℃)中に細胞ペレットを再懸濁した。ホモジネートを窒素キャビテーション(700psi for 50min at 4℃)により調製した。ホモジネートを氷上で保持し、次の最終濃度のインヒビターカクテルで増補した:
ロイペプチン 1μM
アプロチニン 0.1μM
E64 8μM
ペプスタチン 1.5μM
ベスタチン 162μM
キモスタチン 33μM。
細胞ホモジネートを10分間525gの遠心分離によりクリアした後、得られた上清をエステラーゼ活性源として用い、必要時まで‐80℃で保管した。
エステル開裂測定
エステルの対応するカルボン酸への加水分解は、上記のとおりに調製した細胞抽出物を用いて測定することができる。この効果には、細胞抽出物(〜30μg / 全検定量0.5mL)をTris-HCl 25mM、125mM NaCl buffer, pH7.5 at 25℃中で、37℃でインキュベートした。その後0時間において、エステル(基質)を2.5μMの最終濃度で添加し、サンプルを適当な時間(通常0または80分)37℃でインキュベートした。3倍量のアセトニトリルを添加することにより反応を停止した。0時間のサンプルについては、エステル化合物の前にアセトニトリルを添加した。5分間12,000gで遠心分離後、エステルおよびそれに対応するカルボン酸について、室温でのLCMS(Sciex API 3000, HP1100 binary pump, CTC PAL)により、サンプルを分析した。
クロマトグラフィはAceCN(75×2.1mm)および水 / 0.1%ギ酸中の5〜95%のアセトニトリルに基づいていた。
下の表(表2)は、いくつかの異なるリンカー化合物により様々な細胞内酵素インヒビターに結合した、いくつかのアミノ酸エステルモチーフがすべて、細胞内カルボキシルエステラーゼにより対応する酸へ加水分解されることを示すデータを表す。
Figure 2011518816

Claims (19)

  1. 式(I)の化合物またはその塩:
    Figure 2011518816
    [式中、
    R1は、水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルもしくは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
    R2は、水素、または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルまたは(C3‐C6)シクロアルキル基であり;
    R3は、水素、‐CN、ヒドロキシ、ハロゲン、任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニルもしくは(C3‐C6)シクロアルキル、‐NR5R6またはC1‐C4アルコキシであり、ここでR5およびR6は独立して水素もしくは任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルであり;
    環Aは、任意に置換されていてもよい単環もしくは2環式の炭素環または複素環あるいは12までの環原子を有する環システムであり;
    Tは、式R‐L1‐Y1‐の基であり、ここで、
    Y1は、結合手、‐O‐、‐S‐、‐NR6‐、‐(C=O)‐、‐S(O2)‐、‐(C=O)NR6‐、‐NR6(C=O)‐、‐S(O2)NR6‐、‐NR6S(O2)‐または‐NR6(C=O)NR9‐であり、ここでR6およびR9は独立して水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルであり;
    L1は、式‐(Alk1)m(Q)n(Alk2)p‐の2価の基であり、ここで、
    m、nおよびpは独立して0または1であり、
    Qは、(i)任意に置換されていてもよい5〜13の環原子を有する2価の単環もしくは2環式の炭素環または複素環式基、または
    (ii)pが0である場合、式‐Q1‐X2‐の2価の基であり、ここで、X2は、‐O‐、‐S‐またはNRA‐であり、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよいC1‐C3アルキルであり、Q1は、任意に置換されていてもよい5〜13の環原子を有する2価の単環もしくは2環式の炭素環もしくは複素環式基であり、
    Alk1およびAlk2は、独立して、任意に置換されていてもよい(C3‐C6)シクロアルキル基、または任意に置換されていてもよい直鎖もしくは分枝鎖状の(C1‐C6)アルキレン、(C2‐C6)アルケニレンまたは(C2‐C6)アルキニレン基を表し、これらの基はエーテル(‐O‐)、チオエーテル(‐S‐)もしくはアミノ(‐NRA‐)結合を任意に含んでいるか、または末端に有していてもよく、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキルであり;
    Rは、式(X):
    Figure 2011518816
    [式中、
    R7は、カルボン酸基(‐COOH)、または1以上の細胞内カルボキシエステラーゼ酵素によりカルボン酸基に加水分解され得るエステル基であり;
    R1 7は、天然または非天然のα‐アミノ酸側鎖(ここで、官能基は保護されている)であるが、R1 7は水素でない;
    R8は水素;もしくは任意に置換されていてもよいC1‐C6アルキル、C3‐C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールまたは‐(C=O)R6、‐(C=O)OR6、または‐(C=O)NR6であり、ここでR6は水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C6)アルキルである]
    の基である]。
  2. R1がエチルである、請求項1に記載の化合物。
  3. R2がシクロペンチルである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 環Aが任意に置換されていてもよいフェニル環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R7が式‐(C=O)OR10(ここで、R10はR11R12R13C‐である)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
    ここで、
    (i)R11は、水素、フッ素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキル‐(Z1)a‐[(C1‐C3)アルキル]b‐または(C2‐C3)アルケニル‐(Z1)a‐[(C1‐C3)アルキル]b‐(ここで、aおよびbは独立して0または1であり、Z1は‐O‐、‐S‐または、‐NR14(ここでR14は水素または(C1‐C3)アルキルである)であり; R12およびR13は独立して水素または(C1‐C3)アルキルであるか;
    (ii)R11は、水素または任意に置換されていてもよいR15R16N‐(C1‐C3)アルキル(ここで、R15は水素または(C1‐C3)アルキルであり、R16は水素または(C1‐C3)アルキルであるか;またはR15およびR16は、それらが結合している窒素と共に、任意に置換されていてもよい5または6の環原子を有する単環式複素環または8〜10の環原子を有する2環式複素環システムを形成する)であり、R12およびR13は独立して水素または(C1‐C3)アルキルであるか;あるいは
    (iii)R11およびR12は、それらが結合している炭素と共に、任意に置換されていてもよい3〜7の環原子を有する単環式炭素環または8〜10の環原子を有する2環式炭素環システムを形成し、R13は水素であり、
    上記の(i)、(ii)および(iii)の場合、アルキルはフルオロアルキルを含む。
  6. R10が、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、n‐、sec‐もしくはtert‐ブチル、シクロヘキシル、アリル、フェニル、ベンジル、2‐、3‐もしくは4‐ピリジルメチル、N‐メチルピペリジン‐4‐イル、テトラヒドロフラン‐3‐イル、メトキシエチル、インダニル、ノルボニル、ジメチルアミノエチルまたはモルホリノエチルである、請求項5に記載の化合物。
  7. R10がシクロペンチルである、請求項5に記載の化合物。
  8. R1 7がフェニル、またはピリジルのようなヘテロアリール、または式‐CRaRbRcの基であり、
    ここで、Ra、RbおよびRcはそれぞれ独立して、水素、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキル、(C3‐C8)シクロアルキルであるか;または
    Rcは水素であり、RaおよびRbは独立してフェニルまたはピリジルのようなヘテロアリールであるか;または
    Rcは水素、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキルまたは(C3‐C8)シクロアルキルであり、RaおよびRbはそれらが結合している炭素原子と共に、3〜8員のシクロアルキルまたは5〜6員の複素環を形成するか;または
    Ra、RbおよびRcは、それらが結合している炭素原子と共に、3環(例えばアダマンチル)を形成するか;または
    RaおよびRbはそれぞれ独立して、(C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、フェニル(C1‐C6)アルキル、またはRcについて以下で定義される水素以外の基であるか、またはRaおよびRbは、それらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキルまたは複素環を形成し、Rcは水素、‐OH、‐SH、ハロゲン、‐CN、‐CO2H、(C1‐C4)ペルフルオロアルキル、‐CH2OH、‐O(C1‐C6)アルキル、‐O(C2‐C6)アルケニル、‐S(C1‐C6)アルキル、‐SO(C1‐C6)アルキル、‐SO2(C1‐C6)アルキル、‐S(C2‐C6)アルケニル、‐SO(C2‐C6)アルケニル、‐SO2(C2‐C6)アルケニル、または基‐Q‐W(ここで、Qは結合手または‐O‐、‐S‐、‐SO‐もしくは‐SO2‐を表し、Wはフェニル、フェニルアルキル、(C3‐C8)シクロアルキル、(C3‐C8)シクロアルキルアルキル、(C4‐C8)シクロアルケニル、(C4‐C8)シクロアルケニルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル基を表し、基Wはヒドロキシ、ハロゲン、‐CN、‐CONH2、‐CONH(C1‐C6)アルキル、‐CONH(C1‐C6アルキル)2、‐CHO、‐CH2OH、(C1‐C4)ペルフルオロアルキル、‐O(C1‐C6)アルキル、‐S(C1‐C6)アルキル、‐SO(C1‐C6)アルキル、‐SO2(C1‐C6)アルキル、‐NO2、‐NH2、‐NH(C1‐C6)アルキル、‐N((C1‐C6)アルキル)2、‐NHCO(C1‐C6)アルキル、 (C1‐C6)アルキル、(C2‐C6)アルケニル、(C2‐C6)アルキニル、(C3‐C8)シクロアルキル、(C4‐C8)シクロアルケニル、フェニルまたはベンジルから独立して選択される1以上の置換基で任意に置換されていてもよい)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. R1 7が、H‐Alk4‐、フェニル、単環式複素環式基、C3‐C7シクロアルキル、フェニル(Alk4)‐、複素環(Alk4)‐またはC3‐C7シクロアルキル(Alk4)‐(ここで、複素環部位は3〜7の環原子を有する単環式複素環であり、‐Alk4‐は直鎖もしくは分枝鎖状の2価の(C1‐C6)アルキレン、(C2‐C6)アルケニレンまたは(C2‐C6)アルキニレン基であり、これらの基はエーテル(‐O‐)、チオエーテル(‐S‐)またはアミノ(‐NRA‐)結合により中断されているかまたは末端に有していてもよく、ここでRAは水素または任意に置換されていてもよい(C1‐C3)アルキルであり、ここでAlk4‐または環状部位は任意に置換されていてもよい)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  10. R1 7がメチル、エチル、n‐もしくはイソ‐プロピル、またはn‐、sec‐もしくはtert‐ブチルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  11. R1 7がメチルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  12. R8が水素である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. L1が‐CH2‐、‐CH2CH2‐または‐CH2CH2CH2‐であり、Y1が‐NHC(=O)‐である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 実施例のいずれかの目的物である、請求項1に記載の化合物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物を医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物。
  16. インビトロまたはインビボでPLK1活性を阻害するための組成物を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  17. PLK1活性により媒介される疾病の患者に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の有効量を投与することを含む、該疾病の治療方法。
  18. 細胞増殖性疾患治療のための、請求項16に記載の使用または請求項17に記載の方法。
  19. 癌治療のための、請求項16に記載の使用または請求項17に記載の方法。
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