JP2010508342A - 癌の治療のためのhsp90阻害剤としてのアデニン誘導体 - Google Patents

癌の治療のためのhsp90阻害剤としてのアデニン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)式(I)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である、化合物を提供する:
Figure 2010508342

(ここで、R、R、L、Het、A、x、y及びWは、本明細書中にて定義するとおりである)。本化合物は、HSP90に介される病気の治療において、有用である。
【選択図】なし

Description

HSP90阻害剤
本発明は、一連のアミノ酸誘導体、これらを含む組成物、これらの調製工程、及びHSP90阻害剤としての医薬中における使用に関する。化合物はまた、不適切なHSP90活性を介する癌のような細胞増殖性の病気、並びに、例えば、関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスのような炎症及び免疫障害、並びに加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症及び子宮内膜症のような血管新生期に関連する疾患、の治療に使用されてもよい。化合物はまた、細胞傷害性薬物の作用から正常細胞を保護する際にも使用されてもよい。本発明は、アデニン誘導体である化合物を包含する。
発明の背景
細胞は、分子シャペロンとしても公知である、いくつかの熱ショックタンパク質又はHSPの合成を増加させることによって、ストレスに反応する。熱ショックタンパク質は、一般的なタンパク質のフォールディングを補助したり、間違えてフォールディングしたり、フォールディングしなかったタンパク質の非特異的な凝集のような、非機能的な副反応を防ぐ。特に熱ショックタンパク質90(HSP90)は、癌細胞生存のための重要な介在因子として同定された。
多くのHSPは、正常状態において、いたるところで発現されており、これら基礎レベルにて、正常タンパク質のフォールディングを促進し、間違ったフォールディング又は凝集の危険性からプロテオソームを守っている[Wegele et al,Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol.,2004,151,1〜44]。ストレスのない条件下では、HSP90は、細胞の全タンパク質量の1〜2%しか含まれない一方で、腫瘍細胞では、正常細胞に比較して2〜10倍高レベルで発現している。これらのシャペロンタンパク質は、できたばかりのポリペプチド鎖合成の際の新規タンパク質のフォールディング、膜を横切るタンパク質のトランスロケーション、及び正常タンパク質のターンオーバーのような、必須のハウスキーピング機能に必要である。HSPはまた、シグナル分子の翻訳後修飾制御[Csermelt et al,Pharmacol.Ther,1998,79,129〜168]、転写複合体の集合や脱集合[Science 2002,296,2232−2235]、並びに、免疫系による免疫原ペプチドのプロセッシングのような高次機能にも関与する。
HSPは、他のシャペロン、シャペロン共役因子、ATPアーゼ活性の調節因子及び様々な修飾タンパク質を含む、マルチタンパク質複合体の構成因子として機能する。HSP90シャペロン複合体の構成因子としては、HSP70、HSP40、HIP、HOP、CDC37/p50、AHA1、p23及びイムノフィリンが挙げられる。シャペロンは典型的には、ATP加水分解で引き起こされる循環的に繰り返す様式で、標的タンパク質と相互作用する[Smith et al,Mol.Cell Biol.1995,15,6804〜6812]。それゆえ、HSP90の核酸結合ポケットを小分子でターゲッティングすると、シャペロン複合体の活性を修飾する方法を提供できる。HSP90は、多くのポリペプチドの生合成に必要ではないことから、シャペロンの中でも特徴的である。その標的タンパク質の多くは、細胞の増殖と生存に不可欠である構造的に不安定なシグナル伝達因子である[Pratt et al,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,1998,217,420−431]。標的と翻訳後に相互作用すると、HSP90はストレス反応と一緒になって、シグナル伝達経路及び転写反応に変化を与えるようになる[Morimoto et al,Cell,2002,110,281〜284]。ショウジョウバエを用いた研究により、HSP90の機能を抑えると、遺伝子発現のエピジェネティックな変化と同時に、染色体状態の遺伝可能な変化を誘導できることが示された[Solars et al,Nature Genet.2003,33,70〜74及びSangster et al,Cell Cycle,2003,2,166〜168]。
固形悪性腫瘍及び血液悪性腫瘍の両方に共通した特徴は、1種類以上のHSPの発現が上昇していることである。乳癌におけるHSP90の過剰発現は、予後不良と関連している[Jameel et al,Int.J.Cancer 1992,50,409〜415]。シャペロンの発現上昇は、いくらか癌化に寄与する。進行癌におけるHSP量の増加は、腫瘍の低酸素及びアシドーシス性の微小環境に対する、適切な細胞保護性ストレス反応を反映している。シャペロン活性が分子レベルで増加すると、腫瘍細胞は、悪性形質転換に関わる細胞内シグナルの脱制御に寛容になり、それによって腫瘍細胞がアポトーシスを免れるメカニズムを提供するようである[Mosser et al,Oncogene 2004,23,2907]。HSP90及びそのシャペロン共役因子による、腫瘍細胞のアポトーシスの調節は、AKT[Basso et al,J.Biol.Chem.,2003,277,39858〜39866]、腫瘍壊死因子(TNF)受容体[Vanden Bergh et al,J.Biol.Chem.2003,278,5622〜5629]及びNF−κB機能[Chen et al,Mol.Cell,2002,9,401〜410]に対する効果を介している。
HER2、AKT及びRAF−1のような[Neckers et al,Trends Mol.Med.2002,8,S55〜S61]悪性表現型の進行に有意な役割を果たすいくつかのキナーゼを含む、多くのキナーゼは、HSP90の標的タンパク質である。リガンド依存的な転写因子(例えば、ステロイド受容体)、PASドメインを含む転写因子(例えば、HIF−1α)及び変異が導入された又はキメラのシグナルタンパク質(変異型p53、NPM−ALKキナーゼ、p210Bcr−Abl)もまた、HSP90の標的である。さらに、標的タンパク質の中には、他の基礎的な腫瘍化のプロセス、すなわち、アポトーシス回避(例えば、Apaf−1、RIP)、不死化(例えば、hTert)、血管新生(例えば、VEGFR、Flt−3、FAK、HIF−1)及び転移(c−Met)に含まれるものもある。
HSP90は、大部分は細胞質にとどまり、ホモ二量体として存在する。個々の単量体は、3つの主要なドメインを含む。N末端ドメインは、バージェラットフォールドで定義される珍しいアデニンヌクレオチド結合ポケットを含む[Dutta et al,Trends Biochem.Sci.,2000,25,24〜28]。この折りたたみにおける、ATPの加水分解によって引き起こされる構造変化は、HSP90二量体のシャペロン活性にて、必須の役割を有しているようである。真核生物において、高度にチャージされたリンカー配列が、HSP90のN末端ドメインと‘中間領域’を結合する。この中間領域の構造は、タンパク質に結合したATP分子のγ−リン酸と相互作用することによってATPの加水分解を調節しているという、重要な役割を有していることを示している[Meyer et al,Mol.Cell 2003,11,647〜658]。N末端ATP結合部位はまた、構造的に無関係な天然物であるゲルダナマイシン及びラディシコールの相互作用部位でもある。これらの化合物は、シャペロンがADP結合構造とATP結合構造間を行き来するのを妨げる。HSP90のN末端に結合する薬剤は、HSP90タンパク質複合体によって通常発現される多くの標的タンパク質に、CHIP(HSP70カルボキシ末端相互作用タンパク質)のようなE3ユビキチンリガーゼを、動員するようである[Xu et al,Proc.Natl.Acad.Sci.,2002,99,12847〜12852]。この動員により、プロテオソームによる標的の分解、及び、それらの細胞内の量の減少が導かれる。
正常及び多くの癌細胞株において、HSP90阻害剤は、p53とは独立に主にG1細胞周期停止を誘導する[McIlwrath et al,Cancer Chemother.Pharmacol.1996,37,423〜428]。HSP90阻害剤への曝露に引き続いて、腫瘍細胞において抗アポトーシスシグナルの破壊がおきて、細胞傷害性薬物の前アポトーシス効果を増強できるようになる[Basso et al,Oncogene 2002,21,1159〜1162]。
我々は今、強力で選択的なHSP90阻害剤化合物群並びにそれらのアイソフォーム及びスプライシング変異体を発見した。従って、化合物は、癌のようなHSP90の不適切な作用が含まれてもよい様々な増殖性の病気、関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスのような炎症及び免疫障害、並びに、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症及び子宮内膜症のような血管新生期に関連する疾患、の状態の治療における医薬に使用される。化合物は、細胞傷害性薬物の作用から正常細胞を保護する際にも使用されてもよい。本発明の化合物は、国際特許出願番号WO2003037860号及びWO2002036075号、並びに出版物J.Med,Chem 2006,49,817〜829に包含されているHSP90阻害剤に関連するが、本発明の化合物がアミノ酸エステルモチーフを有する点で上記とは異なる。
発明の簡単な記述
本発明は、(a)以下の式(I)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である化合物を提供する:
Figure 2010508342
ここで:
−Rは、水素又はハロゲン原子、あるいはシアノ、ニトロ、−N、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C2−6アルケニルチオ、グアニジン、アミジン、−NR’R’’、−NR’’’OR’又は−NR’’’R’R’’基(ここで、R’、R’’及びR’’’基は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)を表すか、あるいは式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、NHCOOR、−NRCOOR、−NHSO、−NRSO、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、非縮合フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールであるか、あるいはR及びRは、同じ窒素原子に結合して、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)の基を表し;
−Rは、水素又はハロゲン原子、あるいはシアノ、ニトロ、−N、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C2−6アルキニル基、あるいは式−NR’R’’、−COR’、−SOR’、−NR’OR’’又は−CONR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキル、あるいはC6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表す)の基を表し;
−x及びyは、同じか又は異なっており、0又は1を表し;
−Lは、C1−4アルキレンを表し;
−Hetは、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR’−又は−O−(ここで、R’は、水素又は非置換のC1−4アルキルを表す)を表し;
−Aは、さらなるC6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、C6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し;
−Wは、式−[CH−Y−L−Rの基であり、ここで:
−zは、0又は1であり;
−Yは、結合を表すか、あるいは、式−S−、−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−NR(C=O)NR−又は−NR(C=S)NR−の基を表し、ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、水素又はC1−6アルキルを表し;
−Lは、式−(Alk(Q)(Alk−の二価の基であり、ここで:
−m、n及びpは、独立して0又は1であり;
−Qは、(i)さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表すか;あるいは、(ii)pが0である場合、式−Q−X−の基を表し、ここで、Xは、−O−、−S−又は−NR−を表し(ここで、Rは、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに、Qは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表す、のいずれかであり;
−Alk及びAlkは、同じか又は異なっており、C3−7カルボシクリル基を表すか、あるいは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、又はC2−6アルキニレン基を表し、ここで、エーテル(−O−)、チオエーテル(−S−)又はアミノ(−NR−)結合を任意に含むか、又は該結合で終了してもよくて(ここで、Rは、水素又はC1−4アルキルを表す);
−Rは、式(X)又は(Y)の基であり:
Figure 2010508342
ここで:
−Rは、−COOH基、又は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素により、−COOH基に加水分解可能なエステル基であり;
−Rは、水素、あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R、−(C=O)OR10又は−(C=O)NR10基を表し、ここで、Rは、水素、C1−6アルキル基、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し、あるいは、Rは、式−Alk−Cycの基を表し、ここで、Alkは、C1−6アルキレン基を表し、及び、Cycはさらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し、並びに、R10は、水素又はC1−6アルキルを表し、あるいはここで、Rは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル,5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し;かつ
−Dは、5又は6員のヘテロアリールあるいは5又は6員のヘテロシクリル基を表し、ここで、Rは、図示した環窒素に隣接した環炭素に結合しており、ここで環Dは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合しており、この場合は、波線が横切っているように図示した結合は、前記第二環の環原子からの結合であってもよく;
ここで、
−R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Alk、Alk及びAlkのアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニル部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、フェニル、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)から選択された、1、2又は3個の置換基で置換されており;かつ
−R、R、R、R、A、Q、Q及びDの、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ,C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)から選択された、1、2、3又は4個の置換基で置換されている。
本発明の化合物は、アミノ酸モチーフ、又は、細胞内カルボキシルエステラーゼによって加水分解可能なアミノ酸エステルモチーフ分子の存在が、特徴的である。本発明の化合物は、細胞膜を横切ることが可能であり、それがエステルの形態であれば、細胞内カルボキシルエステラーゼによって加水分解されて酸になり得る。極性のある加水分解産物は、細胞膜を容易に横切らないことから、細胞内に蓄積する。それゆえ、本化合物のHSP90活性は、細胞内にて長続きし、増強される。
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)の化合物又はそれらの互変異性体、あるいは、それらの医薬的に受容可能な塩である。
別の広い局面において、本発明は、HSP90活性を阻害するための医薬品の製造における、上記に定義した化合物の使用を提供する。さらに好ましくは、本発明は、HSP90によって引き起こされる疾患の治療に使用するための医薬品の製造における、上記に定義した化合物の使用を提供する。
本発明に関わる化合物は、生体外又は生体内において、HSP90活性の阻害用に使用されてもよい。
本発明の1つの局面において、本発明の化合物は、癌、例えば、関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスのような炎症及び免疫障害、並びに加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症及び子宮内膜症のような血管新生期に関連する疾患、の治療用の組成物の調製において、使用されてもよい。本化合物はまた、細胞傷害性薬物の作用から正常細胞を保護する際に使用されてもよい。
別の局面において、本発明は、これらの病気に苦しむ患者に、効果的な量の上記で定義した化合物を投与することを含む、前述の病気型の治療方法を提供する。
発明の詳細な記述
上記の定義は、高分子量の分子を含むかもしれないが、医薬品化学の慣例の一般的な方針では、本発明に係る化合物は、600より小さい分子量を有するべきことが、好ましい。
、R、R、R、R、R、R、R、R10、Alk、Alk及びAlkのアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル及びアルキニレン部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR及び−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、非縮合C3−6シクロアルキル、非縮合フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)の基から選択された、1、2又は3個の置換基で置換されている。特に特定しない限りは、上記に記載した置換基は、好ましくはそれ自身非置換である。
好ましい置換基には、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)が挙げられる。
さらに好ましい置換基には、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルキルオキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)が挙げられる。さらに好ましい置換基には、ハロゲン、C1−2アルコキシ、C1−2ハロアルキル、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)である。特に、R’及びR’’は、非置換であることが好ましい。
アルキル、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン部分が、2個又は3個の置換基で置換されている場合には、シアノ及びニトロから選択される2個以下の置換基が好ましい。さらに好ましくは、1個以下の置換基が、シアノ及びニトロから選択される。さらに、アルキル、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン部分が、2個又は3個の置換基で置換されている場合には、−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR及び−NRCONRから、1個以下の置換基が選択されるのが好ましい。
本明細書で使用されるように、C1−6アルキル基又は部分は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝アルキル基又は部分であり、例えば、C1−4アルキル基又は部分は、1〜4個の炭素原子を含む。C1−4アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル及びt−ブチルが挙げられる。錯誤回避のために詳述するならば、1個の基の中に2個のアルキル部分が存在する場合には、アルキル部分は同じか又は異なっていてもよい。
本明細書で使用されるように、C2−6アルケニル基又は部分は、適用できる場所では、E又はZの立体化学のいずれの、少なくとも1個の二重結合を有しており、2〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝アルケニル基又は部分であり、例えば、C2−4アルケニル基又は部分は、2〜4個の炭素原子を含む(例えば、−CH=CH又は−CH−CH=CH、−CH−CH−CH=CH、−CH−CH=CH−CH、−CH=C(CH)−CH及び−CH−C(CH)=CH)。錯誤回避のために詳述するならば、1個の基の中に2個のアルケニル部分が存在する場合には、アルケニル部分は同じか又は異なっていてもよい。
本明細書で使用されるように、C2−6アルキニル基又は部分は、2〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝アルキニル基又は部分であり、例えば、C2−4アルキニル基又は部分は、2〜4個の炭素原子を含む。C2−4アルキニル基の例としては、−C≡CH又は−CH−C≡CH、並びに1−及び2−ブチニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル及び5−ヘキシニルが挙げられる。錯誤回避のために詳述するならば、1個の基の中に2個のアルキニル部分が存在する場合には、アルキニル部分は同じか又は異なっていてもよい。
本明細書で使用されるように、C1−6アルキレン基又は部分は、直鎖又は分枝アルキレン基又は部分であり、例えば、C1−4アルキレン基又は部分である。例としては、メチレン、n−エチレン、n−プロピレン及び−C(CH−基及び部分が挙げられる。
本明細書で使用されるように、C2−6アルケニレン基又は部分は、直鎖又は分枝アルケニレン基又は部分であり、例えば、C2−4アルケニレン基又は部分である。例としては、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−が挙げられる。
本明細書で使用されるように、C2−6アルキニレン基又は部分は、直鎖又は分枝アルケニレン基又は部分であり、例えば、C2−4アルキニレン基又は部分である。例としては、−C≡C−、−C≡C−CH−及び−CH−C≡C−が挙げられる。
本明細書で使用されるように、ハロゲン原子は、典型的には塩素、フッ素、臭素又はヨウ素である。
本明細書で使用されるように、C1−6アルコキシ基又はC2−6アルケニルオキシ基は、典型的にはそれぞれ、酸素原子に結合している、上記C1−6アルキル(例えば、C1−4アルキル)基又は上記C2−6アルケニル(例えば、C2−4アルケニル)基である。
ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルコキシ又はハロアルケニルオキシ基は、典型的には、それぞれ、1種類以上の前記ハロゲン原子で置換されている前記アルキル、アルケニル、アルコキシ又はアルケニルオキシ基である。典型的には、1、2又は3個の前記ハロゲン原子で置換されている。好ましいハロアルキル及びハロアルコキシ基には、−CX及び−OCX(ここで、Xは、例えば、塩素及びフッ素のような、前記ハロゲン原子である)のような、パーハロアルキル及びパーハロアルコキシ基が挙げられる。
本明細書で使用されるように、C1−4アルキルチオ又はC2−4アルケニルチオ基は、典型的にはそれぞれ、硫黄原子に結合している、前記C1−4アルキル基又はC2−4アルケニル基(例えば、−S−CH)である。
本明細書で使用されるように、C1−4ヒドロキシアルキル基は、1種類以上のヒドロキシ基で置換されたC1−4アルキル基である。典型的には、1個、2個又は3個のヒドロキシ基で置換されている。好ましくは、単一のヒドロキシ基で置換されている。
フェニル環が、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロシクリル、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と縮合する場合、好ましくは、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロシクリル、C3−7カルボシクリル又は5〜6員のヘテロシクリル基と縮合し、さらに好ましくは、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル基と縮合する。最も好ましくは、5〜6員のヘテロシクリル基と縮合する。この場合、好ましい5〜6員のヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ジチオラニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオキソラニル、チアゾリジニル及びイソチアゾリジニルが挙げられ、より好ましくは、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオキソラニル、ジオキソラニル及びジチオラニルであり、最も好ましくは、ジオキソラニルである。
本明細書で使用されるように、5〜10員のヘテロアリール基又は部分は、5〜6員環のような、5〜10員の単環芳香環であり、O、S及びNから選択される、例えば1、2、3又は4個のヘテロ原子といった、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。環が4個のヘテロ原子を含む場合、好ましくは、全て窒素原子である。例として、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル及びテトラゾリル基が挙げられる。チエニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニル基が好ましく、例えば、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニル基である。さらに好ましい基は、チエニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル及びトリアジニルであり、例えば、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル及びトリアジニルである。
ヘテロアリール基又は部分が別の基と縮合される場合、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクリル又はC3−7カルボシクリル基と縮合されてもよい。好ましくは、フェニル、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル環と縮合されるのが好ましく、より好ましくは、フェニル基と縮合される。例としては、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズトリアゾリル、インドリル、イソインドリル及びインダゾリル基が挙げられる。好ましい基には、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル及びベンズイソチアゾリル基が挙げられ、より好ましくは、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル及びベンゾチアゾリル、最も好ましくは、ベンゾチアゾリルである。
本明細書で使用されるように、5〜10員のヘテロシクリル基又は部分は、非芳香族の、飽和又は不飽和C5−10炭素環であり、ここで、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の炭素原子が、N、O、S、S(O)及びS(O)から選択された部分で置換されており、残りの炭素原子のうち1個以上が、−C(O)−又は−C(S)−基により任意に置換されている。残りの炭素原子のうち1個以上が、−C(O)−又は−C(S)−により任意に置換されている場合には、好ましくはこのような炭素原子のうち1個又は2個のみが(より好ましくは2個)置換される。典型的には、5〜10員のヘテロシクリル環は、5〜6員環である。
適切なヘテロシクリル基及び部分には、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジチオラニル、ジオキソラニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、チオモルホリニル、S−オキソ−チオモルホリニル、S,S−ジオキソ−チオモルホリニル、モルホリニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキソラニル、トリオキソラニル、トリチアニル、イミダゾジニル、ピラニル、ピラゾリニル、チオキソラニル、チオキソチアゾリジニル、1H−ピラゾール−5−(4H)−オニル、1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チオニル、オキソピロリジニル、オキソチアゾリジニル、オキソピラゾリジニル、スクシンイミド及びマレイミド基及び部分が挙げられる。好ましいヘテロシクリル基は、ピロリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジチオラニル、ジオキソラニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チオモルホリニル及びモルホリニル基及び部分である。より好ましいヘテロシクリル基は、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、モルホリニル及びピロリジニル基、並びに、1個又は2個の環炭素原子が−C(O)−基で置換された変異体である。特に好ましい基としては、テトラヒドロフラニル及びピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。
ヘテロシクリル基又は部分が別の基と縮合される場合、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクリル又はC3−7カルボシクリル基と縮合されてもよく、さらに好ましくは、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル基と縮合されてもよい。好ましくは、単環である(すなわち、縮合されていない)。
錯誤回避のために詳述するならば、上記のヘテロアリール及びヘテロシクリル基の定義は、環に存在しうる“N”部分について言及しているが、当業者である化学者にとっては明らかであろうとおり、各々の隣接した環原子が単結合で結合していたとしても、N原子がプロトン化しているであろう(又は、以下に定義したように置換基を有しているであろう)。
本明細書にて使用されるように、C3−7炭素環基又は部分は、3〜7個の炭素原子を有する非芳香族の飽和又は不飽和炭化水素環である。好ましくは、3〜7個の炭素原子を有しており、より好ましくは3〜6個の炭素原子を有している、飽和又は一不飽和炭化水素環(すなわち、シクロアルキル部分又はシクロアルケニル部分)である。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル並びにそれらの一不飽和変異体が挙げられ、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。C3−7カルボシクリル基又は部分はまた、上記に記載したC3−7カルボシクリル基又は部分も含むが、ここで、1個以上の環炭素原子は、−C(O)−基で置換されている。より好ましくは、1個又は2個の環炭素原子(最も好ましくは2個)が、−C(O)−で置換されている。このような基で好ましいものは、ベンゾキノンである。
カルボシクリル基又は部分が別の基と縮合される場合、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクリル又はC3−7カルボシクリル基と縮合されてもよく、さらに好ましくは、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル環と縮合されてもよい。例えば、さらなるフェニル環と縮合されてもよい。代表的な縮合カルボシクリル基は、インダニルである。より好ましくは、カルボシクリル基は、単環である(すなわち、非縮合)。
特に言及しない限り、R、R、R、R、A、Q、Q及びDのフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR及び−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6非縮合シクロアルキル、非縮合フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)基から選択された、1、2、3又は4個の置換基で置換されている。特に言及しない限りは、置換基は、好ましくはそれ自身非置換であり、特に、R及びRは、非置換であることが好ましい。
フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分が、2個、3個又は4個の置換基で置換されている場合、2個以下の置換基が、C1−4アルキレン、シアノ及びニトロから選択されるのが好ましい。より好ましくは、2個以下の置換基が、C1−4アルキレン、シアノ及びニトロから選択される。さらに、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分が、2個又は3個の置換基で置換されている場合、1個以下の置換基が、−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR及び−NRCONRから選択されるのが好ましい。
典型的には、R、R、R、R、A、Q、Q及びDのフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分は、非置換であるか、あるいは、1、2、3又は4個の置換基で(例えば、1、2又は3個の置換基で)置換されている。好ましい置換基には、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)の基が挙げられる。好ましくは置換基は、それ自身非置換である。
、R、R、R、A、Q、Q及びDのフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分のより好ましい置換基には、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−2アルキルを表す)の基が挙げられる。より好ましい置換基には、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ及びヒドロキシル基が挙げられる。より好ましい置換基には、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ及びヒドロキシが挙げられる。
本明細書で使用されるように、用語“塩”としては、塩基付加塩、酸付加塩及び第4級塩が挙げられる。酸性である本発明の化合物は、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及びカリウム);アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、バリウム及びマグネシウム)のような塩基とともに;有機塩類(例えば、N−メチル−D−グルカミン、コリン トリス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタン、L−アルギニン、L−リジン、N−エチル ピペリジン、ジベンジルアミンなど)とともに、医薬的に受容可能な塩を含む塩を形成する。塩基性のこれらの化合物(I)は、無機酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸又はリン酸など)、並びに、有機酸(例えば、酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、グルタミン酸、乳酸、及びマンデル酸など)とともに、医薬的に受容可能な塩を含む塩を形成する。
実際の又は潜在的なキラル中心を1個以上含む本発明の化合物は、不斉炭素原子が存在するために、各々のキラル中心毎にR又はS立体化学を有するジアステレオ異性体の数だけ存在し得る。本発明は、これらのジアステレオ異性体全てと、それらの混合物を含む。
上記の置換基Rに関連して、用語“エステル”又は“エステル化されたカルボキシル基”は、−(C=O)OR11基を意味し、ここで、R11はエステルに特徴的な基であり、観念的にはアルコールR11−OH由来である。

好ましくは、Rは、水素又はハロゲン原子、あるいは非置換のC1−4アルキル、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、メルカプト、C1−4アルキルチオ、−NR’R’’又は−CONR基を表し、ここで、R’、R’’、R及びRは、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキル基を表す。より好ましくは、Rは、ハロゲン原子(好ましくは塩素)あるいは非置換のC1−4アルキル又は−NR’R’’基を表し、ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキル基を表す。なおさらに好ましくは、Rは−NR’R’’基を表し、ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキル基を表す。最も好ましくは、Rは−NHを表す。
のアルキル基及び部分は、非置換であるか、あるいは、それら自身が非置換で、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルキルオキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1、2又は3個の置換基で置換されている。さらに好ましくは、Rのアルキル基及び部分は、非置換であるか、あるいは、ハロゲン、C1−2アルコキシ、C1−2ハロアルキル、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択された、1又は2個の置換されていない置換基で置換されている。特に、R’及びR’’は、非置換であることが好ましい。より好ましくは、Rのアルキル基及び部分は、非置換である。

好ましくは、Rは、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基あるいは式−NR’R’’基を表し、ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す。より好ましくは、Rは、水素又はハロゲン原子(好ましくはフッ素又は塩素)あるいは−NH基を表す。最も好ましくは、Rは、水素原子を表す。
−(L −(Het) −基
x及びyは、同じか又は異なっており、0又は1を表す。xが0の場合、Lは存在せず、yが0の場合、Hetは存在しない。好ましくは、xとyのうち少なくともひとつは1である。より好ましくは、xとyのうち、ひとつだけが1である。最も好ましい態様において、xは0であり、yは1である。
存在する場合、Lは好ましくは、非置換のC1−4アルキレン、より好ましくは非置換のC1−2アルキレン、最も好ましくは−CH−を表す。
存在する場合、Hetは好ましくは、−S−、−S(O)−又は−S(O)−を表す。より好ましくは、Hetは、−S−又は−S(O)−を表す。最も好ましくは、Hetは、−S−を表す。
A基
好ましくは、Aは、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜6員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、非置換であるか又は置換されたフェニル、5〜6員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリルあるいは5〜6員のヘテロシクリル基を表す。さらに好ましくは、Aは、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、非置換であるか又は置換されたフェニル、5〜6員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリルあるいは5〜6員のヘテロシクリル基を表す。さらに好ましくは、Aは、非置換であるか又は置換された非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合したフェニル基、あるいは、さらなるフェニル基と縮合した5〜6員のヘテロアリール基を表す。
Aが、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合するフェニル基を表す場合、好ましい5〜6員のヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ジチオラニル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオキソラニル、チアゾリジニル及びイソチアゾリジニル、より好ましくは、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオキソラニル、ジオキソラニル及びジチオラニル、最も好ましくは、ジオキソラニルが挙げられる。
Aが、5〜6員の非縮合ヘテロアリール基を表す場合、好ましい基としては、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルが挙げられる。
Aが、フェニル基と縮合した5〜6員のヘテロアリール基である場合、好ましい基としては、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、より好ましくは、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル又はベンゾチアゾリル、最も好ましくは、ベンゾチアゾリルが挙げられる。
Aが、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基を表す場合、適切な基としては、炭素原子のうち1、2、3又は4個が、N、O、S、S(O)及びS(O)から選択される部分で置換されており、残りの炭素原子のうち1個以上は、−C(O)−又は−C(S)−基で任意に置換されている、5〜6員のヘテロシクリル基が挙げられる。残りの炭素原子のうち1個以上が、−C(O)−又は−C(S)−基で置換されている場合、好ましくは1個又は2個のみ(より好ましくは2個)の炭素原子が置換されている。より好ましくは、ヘテロシクリル基の2個の炭素原子が−C(O)−基で置換されている。従って、適切な5〜6員のヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル及びチオモルホリニル、並びに、環炭素原子のうち1個又は2個が−C(O)−基で置換されている変異体が挙げられる。特に好ましい5〜6員のヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル及びピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。
Aが、C3−7非縮合カルボシクリル基である場合、好ましい基としては、環炭素原子のうち1個又は2個が、−C(O)−又は−S(O)−で置換されたC3−7カルボシクリル基が挙げられ、より好ましくは、環炭素原子のうち2個が、−C(O)−で置換されている。より好ましくは、Aが、C3−7非縮合カルボシクリル基である場合、ベンゾキノン基である。
最も好ましい態様において、Aは、非置換であるか又は置換されたフェニルを表し、ここでフェニル環は、さらなるフェニル、5〜6員のヘテロアリール又は5〜6員のヘテロシクリル基と任意に縮合している。Aが縮合している場合、好ましくは、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しており、さらに好ましくは、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオキソラニル、ジオキソラニル又はジチオラニル基と、最も好ましくはジオキソラニル基と縮合している。
好ましくは、Aは、非置換であるか、あるいは、それ自身が非置換で、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)の基から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されている。A基のさらに好ましい置換基としては、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)を表す、1、2、3又は4個の置換されていない置換基が挙げられる。よりさらに好ましい置換基としては、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ、及びヒドロキシが挙げられる。好ましいハロゲン置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられ、最も好ましくはヨウ素原子が挙げられる。好ましいC1−2アルコキシ置換基としては、メトキシ基が挙げられる。好ましいC1−4アルキル置換基としては、メチル、エチル及びプロピル、さらに好ましくは、エチル及びプロピルが挙げられる。好ましいC1−2アルキルチオ置換基としては、−S−CHが挙げられる。最も好ましい態様において、A基は、単一のヨウ素原子で置換されている。
W基
Wは、式−[CH−Y−L−Rの基である。W基は、リンカー基によりプリニル環系に結合する式(X)又は(Y)のαアミノ酸又はαアミノ酸エステル部分を含む。Wがエステル基で終了する場合には、本発明の化合物は、細胞内エステラーゼによって、対応するカルボン酸に変換される。エステル及びカルボン酸はどちらも、それ自身でHSP90阻害活性を有していてもよい。それゆえ、本発明の化合物は、エステルのみではなく、対応するカルボン酸加水分解産物もまた含む。
R基
R基は、以下の式(X)又は(Y)のうちひとつを有する:
Figure 2010508342

は、カルボン酸基−COOH又はエステル基−COOR11のいずれかである。Rがエステル基である場合、本発明の化合物の中でも、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であるものでなければならない。細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素は、本発明の化合物のエステル基を、公知である3種類のヒト酵素アイソタイプである、hCE−1、hCE−2及びhCE−3を含む対応する酸に加水分解することが可能である。これらが主要な酵素であると考えられているが、ビフェニル加水分解酵素(BPH)のような他の酵素もまた、結合体を加水分解する役割を有していてもよい。一般に、カルボキシルエステラーゼが、遊離のアミノ酸エステルを元の酸に加水分解するならば、修飾因子と共有結合している場合でもまた、エステルモチーフを加水分解するだろう。それゆえ、後で記載する細胞破壊アッセイにより、必要な加水分解特性を有するエステルの、直接的で、すばやくて、簡単な、第一スクリーニングを提供する。それから、このようにして選択したエステルモチーフは、選ばれた結合化学を介してHSP90阻害剤と結合している場合に、バックグラウンドにおいて未だカルボキシルエステラーゼの基質であることを確証するために、同様のカルボキシルエステラーゼアッセイにおいて再アッセイされてもよい。
細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素で加水分解可能であることが必要条件として、特定のエステル基Rの例としては、R11が−CR121314である式−(C=O)OR11のエステルが挙げられ、ここで:
(i)R13は、水素あるいは式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表し、ここで、a及びbは、同じか又は異なっており、0又は1を表し、並びにZは−O−、−S−又は−NR17−を表し(ここで、R17は、水素又はC1−4アルキルである)、R14は水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素又はC1−4アルキルを表し;
(ii)R13は、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル又は5〜10員のヘテロアリール基を表しており、R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;
(iii)R13は、式−(Alk)−NR1516の基を表し、ここで、Alkは、C1−4アルキレン基、並びに(a)R15及びR16は、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表すか、あるいは、(b)R15及びR16は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成する、のいずれかであり;R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;あるいは
(iv)R13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成し、並びにR12は水素を表す。
12、R13、R14、R15、R16、R17及びAlk基内の、アルキル、アルキレン及びアルケニル基の好ましい置換基としては、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基が挙げられる。さらに好ましい置換基は、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)である。最も好ましくは、R13、R14及びAlkの、アルキル、アルキレン及びアルケニル基は、非置換である。
13、R14、R15及びR16基内の、あるいはこれらで形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基の好ましい置換基としては、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表し、さらに好ましくはハロゲン原子、並びに、C1−2アルキル、C1−2アルキレン、C1−2アルコキシ及びヒドロキシル基を表す)から選択される1個又は2個の置換基が挙げられる。さらに好ましくは、R13、R14、R15及びR16基内の、あるいはこれらで形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、C1−2アルキレン基、特にメチレン基で置換されている。最も好ましくは、R13、R14、R15、R16基内の、あるいはこれらで形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換である。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]の基を表す場合、好ましくは、aとbのいずれかが0であり、例えば、aとbの両方が0である。[C1−4アルキレン]が存在する場合、好ましくはC1−3アルキレンであり、さらに好ましくは、−CH−CH−基のようなC1−2アルキレンである。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]の基を表す場合、好ましくはC1−4アルキルは、メチル、エチル又はn−プロピルのようなC1−3アルキル基であり、最も好ましくはメチルである。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]の基を表して、aが1である場合、Zは好ましくは−O−又は−NR17−であり(ここで、R17は、水素又はC1−2アルキルである)、さらに好ましくはZは−O−である。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくは、aとbのいずれかが0であり、さらに好ましくは、aとbの両方が0である。[C1−4アルキレン]が存在する場合、好ましくはC1−3アルキレンであり、さらに好ましくは、C1−2アルキレンである。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくはC2−4アルケニルは、C2−3アルケニル基、特に−CH=CHである。
13が、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルケニル]の基を表して、aが1である場合、Zは好ましくは−O−又は−NR17−であり(ここで、R17は、水素又はC1−2アルキルである)、さらに好ましくはZは−O−である。最も好ましくは、Zは存在しない(すなわち、0である)。
13が、水素、あるいは、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくはR13は、水素あるいはC1−4アルキル又はC2−4アルケニル基、あるいは−(C1−4アルキル)−O−(C1−4アルキル)基を表す。さらに好ましくは、R13は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、−CH=CH又は−CH−CH−O−CHを表し、最も好ましくはメチルである。
13が、水素、あるいは、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくはR14は、水素又はC1−2アルキルを表し、さらに好ましくは、水素又はメチルである。
13が、水素、あるいは、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくはR12は、水素又はC1−2アルキルを表し、さらに好ましくは、R12は水素又はメチルを表す。
13が、水素、あるいは、式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表す場合、好ましくはR13とR14両方におけるアルキル、アルキレン及びアルケニル基は、非置換である。
13は、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル又は5〜10員のヘテロアリール基を表す場合、好ましくは、非縮合フェニル又は5〜10員の非縮合ヘテロアリール基を表す。好ましくは、ヘテロアリール基としては、ピリジル、ピロリル、イソチアゾリル、ピラゾリル及びイソオキサゾリルが挙げられ、最も好ましくは、ピリジルである。
13は、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル又は5〜10員のヘテロアリール基を表す場合、好ましくは、R13内のフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換である。
13は、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル又は5〜10員のヘテロアリール基を表す場合、R14は好ましくは、水素又はC1−4アルキルを表し、さらに好ましくは、水素又はC1−2アルキルを表し、最も好ましくは、水素である。好ましくは、R14のC1−4アルキル基は、非置換である。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、Alkは好ましくは、C1−2アルキレン基を表し、好ましくは、−CH−又は−CHCH−のいずれかである。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表して、R15及びR16は同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す場合、好ましくは、R15は水素又はC1−2アルキルを表し、さらに好ましくは、R15はメチル基を表す。R13が、式−(Alk)−NR1516の基を表して、R15及びR16は同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す場合、好ましくは、R16は水素又はC1−2アルキルを表し、さらに好ましくは、R16はメチル基を表す。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表して、R15及びR16は、これらが結合する窒素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成する場合、好ましくはこれらは、5〜6員の非縮合ヘテロアリール又は5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する。さらに好ましくは、これらは5〜6員のヘテロシクリル基を形成する。好ましいヘテロシクリル基としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルが挙げられ、最も好ましくは、モルホリニルが挙げられる。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、Alkは好ましくは、C1−2アルキレン基を表し、さらに好ましくは、−CHCH−基である。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、R14は好ましくは、水素又はC1−2アルキルを表し、最も好ましくは、水素である。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、好ましくはAlk、R15及びR16内のアルキル及びアルキレン基は、非置換である。R13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、好ましくは、R15及びR16内のフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換である。
13が、式−(Alk)−NR1516の基を表す場合、好ましい基としては、−CH−CH−NMe及び−CH−CH−モルホリニルが挙げられる。
13及びR14はこれらが結合する炭素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成する場合、好ましい基としては、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル、C3−7非縮合カルボシクリル及びフェニル環と縮合したC3−7カルボシクリルが挙げられ、さらに好ましくは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル、C3−7非縮合カルボシクリル及びフェニル環と縮合したC3−7カルボシクリルである。
13及びR14はこれらが結合する炭素原子と一緒になって、環基を形成している場合、好ましい5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基としては、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニル基が挙げられ、さらに好ましくは、ピペリジニル及びテトラヒドロフラニル基である。R13及びR14はこれらが結合する炭素原子と一緒になって、環基を形成している場合、好ましいC3−7非縮合カルボシクリル基としては、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられ、さらに好ましくは、シクロペンチルである。R13及びR14はこれらが結合する炭素原子と一緒になって、環基を形成している場合、好ましいフェニル環と縮合しているC3−7カルボシクリル基としては、インダニルを含む。
13及びR14はこれらが結合する炭素原子と一緒になって、環基を形成している場合、好ましくは、形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択され、さらに好ましくはハロゲン原子、あるいは、C1−2アルキル、C1−2アルキレン、C1−2アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。最も好ましくは、形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、置換されていないか、あるいは、C1−2アルキル基(例えば、メチル基)又はC1−2アルキレン基(例えば、メチレン基)で置換されている。なおさらに好ましくは、このように形成されるフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換である。
特に好ましいR11基としては、C1−4アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−又はイソ−プロピル並びにn−、sec−及びtert−ブチル)、C3−7カルボシクリル基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、C2−4アルケニル基(例えば、アリル)、並びに、フェニル、ベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、N−メチルピペリジン−4−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、メトキシエチル、インダニル、ノルボニル、ジメチルアミノエチル及びモルホリノエチル基もまた、挙げられ、さらに好ましくは、R11は、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルを表す。最も好ましい基としては、R11がシクロペンチル又はt−ブチルの場合が挙げられ、さらに好ましくは、R11がシクロペンチルである場合である。
が−COOH又は−COOR11を表す化合物(ここで、R11はC1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルである)は、Rが−COOR18であり、R18が水素、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルである基によって記載され得る。好ましくは、Rは−COOR18である(ここで、R18は水素又はC3−7カルボシクリルであり、さらに好ましくは、R18は水素又はシクロペンチルである)。

基は、置換基W内のRが式(X)の基である場合に、本発明の化合物中に存在する。
は、好ましくは水素あるいは、C1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表すか、(ここで、R及びR10は上記で定義したとおりである)、あるいは、Rは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基を表す。さらに好ましくは、Rは好ましくは、水素あるいは、C1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表すか、(ここで、R及びR10は上記で定義したとおりである)、あるいは、Rは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、又はC3−7非縮合カルボシクリル基を表す。
がC1−6アルキル基を表す場合、好ましくは、メチル、エチルあるいはn−又はイソ−プロピルのようなC1−4アルキル基を表す。
がC3−7カルボシクリル基を表す場合、好ましくはC3−6カルボシクリル基であり、さらに好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルのような、C3−6シクロアルキル基を表す。
が5〜6員のヘテロアリール基を表す場合、好ましい基としては、ピリジルが挙げられる。
が−(C=O)Rを表す場合、好ましくは、Rは、C1−6アルキル、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、又は−Alk−Cyc基である。RがC1−6アルキルである場合、好ましくは、メチル、エチル、n−又はイソ−プロピル、あるいはn−、イソ−又はsec−ブチルのようなC1−4アルキル基である。基を表す。RがC3−7カルボシクリルである場合、好ましくはC3−6カルボシクリルであり、さらに好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルのような、C3−6シクロアルキルである。Rが5〜6員のヘテロアリールである場合、好ましい基としては、ピリジル及びチエニルが挙げられる。Rが−Alk−Cycである場合、Alkは好ましくはC1−4アルキレン基であり、さらに好ましくはC1−2アルキレンであり、最も好ましくはメチレンである。Rが−Alk−Cycである場合、Cycは好ましくは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール又は5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基である。Cycが5〜6員のヘテロアリールである場合、好ましくはチエニル又はピリジルである。好ましい−Alk−Cyc基としては、ベンジル、4−メトキシフェニルメチルカルボニル、チエニルメチル及びピリジルメチルが挙げられる。
が−(C=O)OR10又は−(C=O)NHR10を表す場合、好ましくは、R10は、水素又はC1−4アルキルであり、さらに好ましくは水素、メチル、エチルあるいはn−又はイソ−プロピルである。
、R、R10及びAlk内の、アルキル及びアルキレン基は、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択され、さらに好ましくは、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。最も好ましくは、R、R、R10及びAlk内の、アルキル及びアルキレン基は、非置換である。
及びR内の、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、カルボシクリル及びヘテロシクリルは、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されており、さらに好ましくは、置換基は、ハロゲン原子、並びに、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される。最も好ましくは、R内の、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換である。最も好ましくは、R内の、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、単一のC1−2アルコキシ基、さらに好ましくは単一のメトキシ基で置換されている。
最も好ましい態様において、Rは水素である。
全身に投与されるべき本発明の化合物としては、前全身的代謝にさらされにくいことから、エステラーゼによる切断速度がゆっくりであるエステルが好ましい。それゆえ、そのままの形で標的組織まで到達する能力が増大し、エステルは、標的組織の細胞内にてその酸産物に変換されることが可能である。しかし、局所投与としては、エステルは標的組織に直接適用されるか、又は例えば吸入によってそこに直行されるかのいずれかであるので、エステルは、全身曝露とそれに続く望まれない副作用を最小限にするために、エステラーゼによる切断速度は速いことが多くの場合望まれるであろう。R基が結合している炭素原子が置換されていない、すなわち、Rがメチレン(−CH−)基に結合されているならば、炭素が置換されているか、あるいはフェニル又はシクロヘキシル環のような環系の一部であるときに比べて、エステルはさらに急速に切断される傾向にある。従って、(i)pが1であり、Alkがメチレン基で終了しているとき、(ii)n及びpがどちらも0であり、mが1であり、並びに、Alkがメチレン基で終了しているとき、あるいは(iii)m、n及びpが0であり、Yが結合で、zが1であるときには、エステル(すなわち、Rが−COOHではない)はさらに急速に切断されるであろう。
−[CH −Y −L −基
−[CH−Y−L−基(又は、m、n、p及びzが0であり、Yが結合を表す場合には、結合)は、置換基W内のアミノ酸モチーフRを、分子の残り部分に結合するために選択される、特定の化学ストラテジーから生まれる。明らかに、そのカップリングのための化学ストラテジーは広く多様であってもよいことから、可変部分Y、L、及びzには多くの組み合わせが可能である。しかし、本発明の化合物がその活性部位にて酵素と結合する場合、アミノ酸モチーフは一般に、酵素から離れる傾向にあり、従って、阻害剤の結合様式への妨害を、最小限にするか、又は避けている。それゆえ、アミノ酸モチーフと、分子の残り部分の間の結合化学を作り上げる可変部分の正確な組み合わせは、全体として化合物の初期結合様式とは多くの場合は関係ないであろう。
下付文字zは0又は1であってよく、プリニル環系に結合するメチレン基は任意である。好ましくは、zは0であり、メチレン基は存在しない。

は、好ましくは、結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−(ここで、Rは水素又はC1−6アルキルを表す)の基を表す。RがC1−6アルキルである場合、好ましくはC1−2アルキルであり、さらに好ましくはエチルである。Rがアルキル基である場合、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択され、さらに好ましくは、ハロゲン、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で、置換されている。最も好ましい置換基は、ハロゲン、C1−2アルコキシ及びヒドロキシルであり、特にヒドロキシルである。
さらに好ましくは、Yは、結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−、−(C=O)NR−又は−NR(C=O)−(ここで、Rは上記に定義したとおりである)の基を表す。さらに好ましくは、Yは、結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NH−、−O−(C=O)−、−NH(C=O)−又は−(C=O)NH−の基を表す。Yが、−O−、−S−又は−NR−を表す場合、好ましくはLにおいて、mが0であり(すなわち、Alkが存在しない)かつnが1であるか(すなわち、Qが存在する)、あるいは、mが1であり(すなわち、Alkが存在する)かつn及びpが0である(すなわち、Q及びAlkが存在しない)のいずれかである。最も好ましくは、Yは結合である。

は、式−(Alk−(Q)−(Alk−の基を表す。下付文字m、n及びpは、独立して0又は1である。特に、本発明のある態様においては、nが1で、m及びpは0であってもよい。他の態様においては、mが1で、n及びpが0であってもよい。さらなる態様において、m、n及びpは全て0であってもよい。またさらなる態様においては、mが0であってもよく、Qが単環のアリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリル基で、nが1であってもよく、及びpが0又は1であってもよく、さらに好ましくはpは1である。最も好ましくは、n及びpが0であり、mが1であるか;あるいは、mが0であり、Qが単環のアリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリル基で、nが1であり、及びpが1であるか;のいずれかであり、例えば、n及びpが0であり、mが1である。
好ましいAlk基としては、C3−6シクロアルキル基、並びに、C1−4アルキレン、C2−4アルケニレン及びC2−4アルキニレン基が挙げられ、これらは、エーテル、チオエーテル又はアミノ−NR−結合(ここで、Rは水素又はC1−2アルキルを表す)を任意に含んでいるか、あるいは該基で終了していてもよい。RがC1−2アルキルである場合、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。R基の最も好ましい置換基は、ハロゲン、C1−2アルコキシ及びヒドロキシルであり、特にヒドロキシルである。
AlkがC3−6シクロアルキル基である場合、好ましい基としては、二価のシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基が挙げられ、これらは、エーテル、チオエーテル又はアミノ−NR−結合(ここで、Rは水素又はC1−2アルキルを表す)を任意に含んでいる。好ましくは、Rが存在する場合、非置換である。さらに好ましくは、AlkがC3−6シクロアルキル基である場合、エーテル又はアミノ−NR−結合を任意に含む5〜6員環である。適切な例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、並びに、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル及びテトラヒドロチオピラニルから選択される複素環基が挙げられる。さらに好ましい例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル及びピロリジニルが挙げられる。
AlkがC1−4アルキレン基である場合、好ましい基としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−並びに、−CH(CH)−、−C(CH−のような分枝変異体、あるいは、いずれかの配向にて−CHCH(CH)−、−CHC(CH−が挙げられる。AlkがC2−4アルケニレン基である場合、好ましい基としては、−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CHCH=CH−及び−CHCH=CHCH−、並びに分枝変異体が挙げられる。AlkがC2−4アルキニレン基である場合、好ましい基としては、−C≡C−、−C≡CCH−、−CHC≡C−及び−CHC≡CCH−、並びに分枝変異体が挙げられる。
Alkが、エーテル(−O−)、チオエーテル(−S−)又はアミノ(−NR)−(ここで、Rは水素又はC1−2アルキルを表す)で終了するC1−4アルキレン、C2−4アルケニレン又はC2−4アルキニレン基である場合、好ましい基としては、(いずれかの配向にて)−CHW−、−CHCHW−、−CHCHWCH−、−CHCHWCH(CH)−、−CHWCHCH−、−CHWCHCHWCH−、及び−WCHCH−が挙げられ、ここで、Wは−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、又は−CHCHN(CHCHOH)CH−である。従って、適切な基としては、−O−CH−、−S−CH−及び−O−CH−CH−が挙げられる。Alkが、エーテル、チオエーテル又はアミノ基で終了する場合、好ましくは、Yは結合であるか、あるいは、−(C=O)−、−O(C=O)−、−S(=O)−、−SO−、−NR(C=O)−又はNRS(O)−基であり、さらに好ましくは、Yは結合であるか、あるいは、−(C=O)−基である。さらに好ましくは、Alkは、エーテル、チオエーテル又はアミノ基で終了しないか、又は含まない。
最も好ましくは、AlkはC1−4アルキレン基であり、さらに好ましくは、−CH−、−CHCH−及び−CH−CH−CH−から選択され、最も好ましくは、Alkは−CHCHCH−である。
Alk基は、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。さらに好ましくは、Alk基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で、置換されている。最も好ましくは、Alk基は非置換である。
好ましいQとしては、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル及び5〜10員のヘテロシクリル基が挙げられる。さらに好ましくは、Qは、さらなるフェニルと任意に縮合しているフェニル、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は5〜10員の非縮合ヘテロシクリル基を表す。
Qが、さらなるフェニルと任意に縮合しているフェニルを表す場合、フェニル又はナフチルを表し、フェニル基が好ましい。Qがフェニルを表す場合、Qは、1,4間で分子の残りの部分と好ましくは結合される。
QがC3−7カルボシクリル基を表す場合、好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基であり、さらに好ましくはシクロヘキシル基である。
Qが、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール基を表す場合、好ましくは、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜6員のヘテロアリール基である。Qが、5〜6員の非縮合ヘテロアリール基を表す場合、好ましくは、ピリジル、チエニル、フリル又はピロリル基であり、さらに好ましくは、ピリジル、チエニル又はピロリル基である。Qが、フェニルと縮合している5〜6員のヘテロアリール基を表す場合、好ましくは、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル又はベンゾチエニル基であり、さらに好ましくは、インドリル基である。
Qが5〜10員のヘテロシクリル基を表す場合、好ましくは、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基であり、例えば、ピペリジニル又はピペラジニル基である。
最も好ましいQ基としては、存在する場合には、フェニル、ピリジニル、チエニル及びシクロヘキシル(例えば、フェニル及びシクロヘキシル)が挙げられ、さらに好ましくはフェニルである。しかし、1つの好ましい態様において、下付文字nは0であり、Q基は存在しない。
Q基は好ましくは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている。さらに好ましくは、Q基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている。最も好ましくは、Q基は非置換である。
好ましいAlk基としては、C3−6シクロアルキル基、並びに、C1−4アルキレン、C2−4アルケニレン及びC2−4アルキニレン基が挙げられ、これらは、エーテル、チオエーテル又はアミノ−NR−結合(ここで、Rは水素又はC1−2アルキルを表す)を任意に含んでいるか、あるいは該基で終了していてもよい。RがC1−2アルキルである場合、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。R基の最も好ましい置換基は、ハロゲン、C1−2アルコキシ及びヒドロキシルであり、特にヒドロキシルである。
AlkがC3−6シクロアルキル基である場合、好ましい基としては、二価のシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基が挙げられる。
AlkがC1−4アルキレン基である場合、好ましい基としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−並びに、−CH(CH)−、−C(CH−のような分枝変異体、あるいは、いずれかの配向にて−CHCH(CH)−、−CHC(CH−が挙げられる。最も好ましい基は、−CH−及び−CH−CH−である。AlkがC2−4アルケニレン基である場合、好ましい基としては、−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CHCH=CH−及び−CHCH=CHCH−、並びに分枝変異体が挙げられる。AlkがC2−4アルキニレン基である場合、好ましい基としては、−C≡C−、−C≡CCH−、−CHC≡C−及び−CHC≡CCH−、並びに分枝変異体が挙げられる。
Alkが、エーテル(−O−)、チオエーテル(−S−)又はアミノ(−NR−(ここで、Rは水素又はC1−2アルキルを表す))で終了するC1−4アルキレン、C2−4アルケニレン又はC2−4アルキニレン基である場合、好ましい基としては、(いずれかの配向にて)−CHW−、−CHCHW−、−CHCHWCH−、−CHCHWCH(CH)−、−CHWCHCH−、−CHWCHCHWCH−、及び−WCHCH−が挙げられ、ここで、Wは−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、又は−CHCHN(CHCHOH)CH−である。さらに好ましくは、Alkは、エーテル、チオエーテル又はアミノ基で終了しないか、又はこれらを含まない。
最も好ましくは、Alk基はC1−4アルキレン基であり、特に、−CH−及び−CHCH−である。しかし、ひとつの好ましい態様においては、下付文字pは0であり、Alk基は存在しない。
Alk基は、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている。さらに好ましくは、Alk基は、好ましくは非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で、置換されている。最も好ましくは、Alk基は非置換である。
好ましい態様において、mは1であり、n及びpは0であり、並びにLは好ましくは、C1−4アルキレン、さらに好ましくは−CH−、−CHCH−又は−CHCHCH−、最も好ましくは−CHCH−又は−CHCHCH−を表す。別の態様において、mは0であり、n及びpは1であり、並びにLは−Cyc’−Alk−(ここで、Cyc’は、非縮合フェニル又はC3−6非縮合シクロアルキル基を表し、上記でQについて記載したように置換されており、並びに、Alkは、C1−4アルキレンを表し、さらに好ましくは,−CH−又は−CHCH−である)を表す。別の好ましい態様において、mは0であり、n及びpは1であり、並びにLは−Cyc’−Alk−(ここで、Cyc’は、非縮合フェニル又は5〜10員の非縮合ヘテロアリールを表し、並びに、Alkは、C1−4アルキレンを表し、さらに好ましくは,−CH−又は−CHCH−である)を表す。
−[CH−Y−L−基全体としての好ましい例としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−(C=O)NH−(CH−、−(C=O)NH−(CH−、−NH−(CH−、−NH−C(=O)−CH−、−NH−C(=O)−CH−CH−、−O−C(=O)−CH−、−O−C(=O)−CHCH−、−S−CH−、−S−CH−CH−、−NH−(CH−、−O−CH−及び−O−CH−CH−、並びに以下の式の基が挙げられる:
Figure 2010508342
−[CH−Y−L−基全体としてのさらに好ましい例としては、
Figure 2010508342
−[CH−Y−L−基全体としてのさらに好ましい例としては、
−CHCHCH−及び
Figure 2010508342
が挙げられ、例えば、−CHCHCH−である。
環D
環Dは、R基が式(Y)である場合に存在する。好ましい(Y)基としては、環Dが5〜6員の非縮合ヘテロアリール又はヘテロシクリル基であるときの(Y)(ここで、Rは、環Dに示した窒素原子に隣接した環炭素原子に結合している)が挙げられる。さらに好ましくは、環Dは、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基であり、例えば、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピペラジニル、モルホリニル又はチオモルホリニル基である。さらに好ましくは、環Dは、ピロリジニル又はピペリジニル基である。
基を有することと、分子の残りの部分と結合していることに加えて、環Dは、好ましくは、非置換であるか、あるいは、ハロゲン原子、並びに、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される、1個又は2個の基で置換されている。さらに好ましくは、R基を有することと、分子の残りの部分と結合していること以外は、環Dは非置換である。従って、特に好ましい環D基は以下のようである:
Figure 2010508342
好ましい本発明の化合物は、(a)上記の式(I)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物であり、ここで:
−Rは、水素又はハロゲン原子、あるいは、非置換のC1−4アルキル、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、メルカプト、C1−4アルキルチオ、−NR’R’’又は−CONR基(ここで、R’、R’’、R及びRは各々、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキル基を表す)を表し、ここで、Rのアルキル基又は部分は、非置換であるか、あるいは、それ自身が非置換で、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルキルオキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1、2又は3個の置換基で置換されており;
−Rは、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基又は式−NR’R’’基(ここで、R’、R’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す)を表し;
−xは0であり、yは1であり;
−Hetは、−S−、−S(O)−又は−S(O)−を表し;
−Aは、非置換であるか、あるいは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しているフェニル基、又はさらなるフェニル基と縮合している5〜6員のヘテロアリール基から選択された置換基を表し、ここで、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基並びに部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されており;
−zは0であり;
−Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表し;
−m、n及びpは、同じか又は異なっており、0又は1を表し;
−Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル、及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されているC1−4アルキレン基を表し;
−Qは、さらなるフェニルと任意に縮合しているフェニル、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、又は5〜10員の非縮合ヘテロシクリル基を表し、ここで、Qのフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される、1個又は2個の置換基で置換されており;
−Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されているC1−4アルキレン基を表し;
−Rは、式(X)の基を表し;
−Rは、−COOHを表すか、あるいは、エステル基−COOR11であり、ここで、エステル基は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であり;かつ
−Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、R及びR10は、上記で定義したとおりである。
さらに好ましい本発明の化合物は、(a)以下の式(IA)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩であり:
Figure 2010508342
ここで:
−Rは、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基又は式−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す)を表し;
−Aは、非置換であるか、あるいは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しているフェニル基、又はさらなるフェニルと縮合している5〜6員のヘテロアリール基から選択された置換基を表し、ここで、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基並びに部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されており;かつ
−Wは、式−Y−L−Rの基であり、Rは式(X)の基であり;
−Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表し;
−(i)mが1であり、n及びpが0であり、並びに、Lは、−Alk−基を表し、ここで、Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル、及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されているC1−4アルキレン基を表すか;あるいは、(ii)mが0であり、n及びpが1であり、Lが非縮合フェニル又は5〜10員の非縮合ヘテロアリール基を表し、並びにAlkはC1−4アルキレン基を表す、のいずれかであり;
−Rは、−COOHを表すか、あるいは、エステル基−COOR11であり、ここで、エステル基は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であり;かつ
−Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、Rは、C1−6アルキル、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は−Alk−Cyc−基であり、並びにR10は、水素あるいはC1−4アルキルである。
式(IA)において好ましくは、Rは水素又はハロゲン原子、あるいは−NH基を表し、さらに好ましくは水素原子である。
式(IA)において好ましくは、Aは、フェニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル−2,5−ジオン及びベンゾキノンから選択される基を表すか、あるいは、Aは、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオキソラニル、ジオキソラニル及びジチオラニルから選択された5〜6員のヘテロシクリル基と縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されており、さらに好ましくは、Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されている。
式(IA)において好ましくは、Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−、−(C=O)NR−又は−NR(C=O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルであり、さらに好ましくは、Yは結合である。
式(IA)において好ましくは、Rは、−COOH又は−COOR11基を表し、ここで、R11は、−CR121314を表し、かつ:
(i)R13は、水素あるいは式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表し、ここで、a及びbは、同じか又は異なっており、0又は1を表し、並びにZは−O−、−S−又は−NR17−を表し(ここで、R17は、水素又はC1−4アルキルである)、R14は水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素又はC1−4アルキルを表し;
(ii)R13は、フェニル、あるいは、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール基、5〜10員のヘテロアリール基、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表しており、R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;
(iii)R13は、式−(Alk)−NR1516の基を表し、ここで、Alkは、C1−4アルキレン基、並びに(a)R15及びR16は、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表すか、あるいは、(b)R15及びR16は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成しており;R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;あるいは
(iv)R13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員のヘテロアリール、を形成し、並びにR12は水素を表す。
式(IA)において好ましくは、R11は、−CR121314を表し、かつ以下のいずれかである:
(i)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し;R13は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル又は−(C1−4アルキル)−O−(C1−4アルキル)基を表し;かつ、R14は、水素又はC1−2アルキルを表し;あるいは
(ii)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し、並びにR13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって環基を形成し、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている、C3−7非縮合カルボシクリル基を形成する。
さらに好ましい本発明の化合物は、(a)上記の式(IB)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩であり:
Figure 2010508342
ここで:
−Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されており;かつ
−Wは、式−Y−L−Rの基を表し、ここで;
−Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−、−(C=O)NR−又は−NR(C=O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表し;
−Lは−Alk−基又は−Q−Alk−基を表し、並びに−Alk−は非置換のC1−4アルキレン基を表し、Qは、非縮合フェニル環あるいは非縮合ピリジニル又はチエニル環を表し、及び、Alkは非置換のC1−4アルキレン基を表し;かつ
−Rは、式(X)の基を表し;
−Rは、−COOH又は−COOR11を表し、ここで、R11は、−CR121314を表し、かつ以下のいずれかであり:
(i)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し;R13は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル又は−(C1−4アルキル)−O−(C1−4アルキル)基を表し;かつ、R14は、水素又はC1−2アルキルを表し;あるいは
(ii)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し、並びにR13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって環基を形成し、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている、C3−7非縮合カルボシクリル基を形成し;かつ
−Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、Rは、C1−6アルキル、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は−Alk−Cyc−基であり、並びにR10は、水素又はC1−4アルキルである。
式(IB)において好ましくは、Aは、ジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されている。式(IB)において好ましくは、Yは結合である。式(IB)において好ましくは、Rは、−COOH又は−COOR11を表し、並びにR11は、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリル基を表す。式(IB)において好ましくは、Rは、水素である。式(IB)のひとつの態様において、Lは、−Alk−基を表し、Alkは、非置換のC1−4アルキレン基を表す。
さらに好ましい本発明の化合物は、(a)上記の式(IC)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩であり:
Figure 2010508342
ここで:
−Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されており;
−Alkは、C1−4アルキレン基を表し;かつ
−R18は、水素、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルを表す。
式(IC)においてさらに好ましくは、R18は、水素、t−ブチル又はシクロペンチルを表し、さらに好ましくは、水素又はシクロペンチルである。式(IC)においてさらに好ましくは、Alkは、−CH−、−CHCH−又は−CHCHCH−を表し、最も好ましくは、−CHCH−又は−CHCHCH−を表す。
さらに好ましい本発明の化合物は、(a)以下の式(ID)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩であり:
Figure 2010508342
ここで:
−Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、ここで、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されており;
−Alkは、C1−4アルキレン基を表し;かつ
−R18は、水素、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルを表す。
式(ID)においてさらに好ましくは、R18は、水素、t−ブチル又はシクロペンチルを表し、最も好ましくは、水素又はシクロペンチルである。式(ID)においてさらに好ましくは、Alkは、−CH−又は−CHCH−を表す。
式(I)の特に好ましい化合物は:
−(S)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
−(S)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート;
−(S)−2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタン酸;
−(S)−2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタン酸;
−(R)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
−(R)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート;
−(S)−tert−ブチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
−シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−アラニナート;
−シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート;
−シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート;
−(R)−2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタン酸;
−(R)−2−アミノ−5−(6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イルチオ)]−9H−プリン−9−イル)ペンタン酸;
−4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニン;かつ
−4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾ ジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニン。
本発明の化合物は、アミノ酸又はアミノ酸エステル末端基で終了する側鎖(W)を有する、誘導体化されたプリン核を含む。本化合物のプリン核は、HSP90阻害活性を有するいくつかの公知のプリン類似体と同様である。このような化合物のHSP90に対する結合は、x線結晶構造解析により同定された(Immormino et al,J.Med.Chem.2006,49,4953−4960,PDB コード 2FWZ)。このような研究により、側鎖Wは、化合物がHSP90を阻害する能力を干渉せずに、そのかわりに、酵素的に修飾されうる基として、化合物が細胞に入ったり出たりする能力を変化させるように機能することが示唆される。従って、側鎖Wを追加したとしても、本発明の化合物は、HSP90阻害剤としてさらに有効であり、それゆえ、不適切なHSP90活性によって介される症状の治療に有効であろう。本発明の化合物の活性を測定するための適切はアッセイは、以下のようである:
細胞阻害アッセイ
癌細胞株(例えば、HCT116及びHUT)を対数増殖的に増殖させて、それから回収して、96穴組織培養プレートに1000細胞/穴(最終量200μl)になるように播くことができる。細胞増殖24時間後に、細胞を請求の化合物(最終濃度20μM)で処理することができる。それからプレートをさらに72時間再びインキュベートした後に、スルホローダミンB(SRB)細胞生存アッセイを、Skehan J Natl.Canc.Inst 1990,82,1107−1112に従って行う。
アッセイで得たデータは、以下のように、阻害剤非存在下で測定したコントロールの%阻害として表すことができて:
%阻害=100−((S/S)x100)
ここで、Sは阻害剤存在下におけるシグナルであり、SはDMSO存在下におけるシグナルである。それから、例えば、Graphpad Prismソフトを使用して、可変勾配のシグモイド用量反応式に8点のデータポイントの結果をあてはめたあと、非線形回帰分析により、IC50を決定できる(化合物のログ濃度に対する%活性)。
上記したように、本発明に係る化合物は、HSP90活性の阻害剤であり、従って、癌、並びに、慢性閉塞性肺疾患、喘息、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主病、全身性エリテマトーデス、及びその他を含む、自己免疫及び炎症性疾患の治療における使用である。本発明の化合物の好ましい使用法は、癌の治療における使用である。
特定の患者に見られる特別な用量は、使用した特別な化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性別、飲食物、投与時間、投与経路、排出率、薬剤の組み合わせ、及び治療を行っている特定の病気の重症度を含む、様々な因子に依存するであろうことが理解されるであろう。投薬の最適用量及び頻度は、臨床試験により決定されるであろうが、代表的な投薬量は、1日当たり0.1〜1000mgであろう。
本発明に係る化合物は、薬物動態学的特性に一致するいずれかの経路で投与されるように調製されてもよい。経口投与可能な組成物は、経口、局所、あるいは無菌性非経口溶液又は懸濁液のような、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、ロゼンジ、液体、又はゲル状製剤の形態であってもよい。経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、単位用量提示形態であってもよく、結合剤(例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガント又はポリビニル−ピロリドン);充填剤(例えば、ラクトース、糖、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン);錠剤化した潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレン、グリコール、又はシリカ);崩壊剤(例えば、ポテトスターチ)、又はラウリル硫酸ナトリウムのような容認可能な湿潤剤のような一般的な賦形剤を含んでいてもよい。錠剤は、通常の製薬業務で周知の方法に従って被膜されてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性又は油性の懸濁物、溶液、エマルジョン、シロップ、あるいはエリキシルの形態であってよく、使用前に水又は他の適切なビヒクルで再構成する乾燥物として提示されてもよい。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン硬化食用脂);乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート、又はアカシア);非水性ビヒクル(食用油を含んでもよい)(例えば、アーモンド油、分画したココナッツ油、グリセリン、プロピレングリコール、又はエタノールのような油性エステル);保存剤(例えば、メチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエート、あるいはソルビン酸)のような一般的な添加剤、並びに所望により一般的な芳香剤又は着色剤を含んでいてもよい。
肌への局所適用用には、薬剤は、クリーム、ローション又は軟膏に作製されてもよい。薬剤として使用されてもよいクリーム又は軟膏製剤は、当該分野で周知の一般的な製剤であり、例えば、British Pharmacopoeiaのような調剤の標準的な教科書に記載されている。
吸入による局所適用用には、薬剤は、エアロゾル伝達用(例えば、加圧式ジェットアトマイザー又は超音波式アトマイザーによる、あるいは好ましくは、噴霧式エアロゾル又は非噴霧式微粉末投与(例えば、吸入カプセル剤又は他の“乾燥粉末剤”伝達システム))に製剤化されてもよい。例えば、噴霧剤(例えば、エアロゾルの場合はFrigen)、表面活性化物質、乳化剤、安定剤、保存剤、芳香剤、及び充填剤(例えば、粉末剤吸入の場合はラクトース)のような賦形剤が、このような吸入製剤の中に存在していてもよい。吸入の目的には、最適な大きさの粒子のエアロゾルを得ることができて、患者に適切な吸入技術を使用して投与可能な装置が多く入手可能である。アダプター(スペーサー、エキスパンダ)及び梨型のコンテナ(例えば、Nebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))、並びに自動噴射スプレー装置(Autohaler(登録商標))に加えて、特に粉末剤吸入の場合に、エアロゾル用には、いくつかの技術的解決法が入手可能である(例えば、Diskhaler(登録商標), Rotadisk(登録商標), Turbohaler(登録商標)又は、例えば欧州特許出願第EP 0 505 321号に記載されたような吸入器)。
眼への局所適用用には、薬剤は、適切な無菌の水性又は非水性ビヒクル中で溶液あるいは、懸濁物に作製してもよい。添加剤(例えば、二亜硫酸ナトリウム又はエデト酸ナトリウムのような緩衝剤);酢酸フェニル水銀又は硝酸フェニル水銀、塩化ベンザルコニウム又はクロルヘキシジンのような殺菌剤(原核及び真核)を含む保存剤、並びにハイプロメロースのような増粘剤もまた、含まれていてもよい。
活性成分はまた、無菌媒体にて非経口投与されてもよい。使用されたビヒクル及び濃度に依存して、薬剤はビヒクル内で懸濁するか、溶解するかのいずれかになりうる。有利には、局所麻酔、保存剤及び緩衝剤のようなアジュバンドは、ビヒクル内に溶解することができる。
本発明の化合物は、いくつかの公知の医薬的活性のある物質と組み合わせて使用してもよい。例えば、本発明の化合物は、細胞毒素、HDAC阻害剤、キナーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼ阻害剤、及びモノクローナル抗体(例えば、増殖因子受容体を標的とするもの)と一緒に、使用されてもよい。好ましい細胞毒素としては、例えば、タキサン、プラチン、5−フルオラシルのような代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤などが挙げられる。従って、式(I)のアミノ酸誘導体を含む本発明の医薬、それらの互変異性体、あるいは、それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物は、典型的にさらに細胞毒素、HDAC阻害剤、キナーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼ阻害剤、及び/又はモノクローナル抗体を含む。
さらに本発明は、以下を含む医薬組成物を提供する:
(a)式(I)のアミノ酸誘導体、それらの互変異性体、あるいは、それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物;
(b)細胞毒素剤、HDAC阻害剤、キナーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼ阻害剤、及び/又はモノクローナル抗体;かつ
(c)医薬的に受容可能なキャリア又は希釈剤。
以下を含む産物もまた、提供する:
(a)式(I)のアミノ酸誘導体、それらの互変異性体、あるいは、それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物;かつ
(b)細胞毒素剤、HDAC阻害剤、キナーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼ阻害剤、及び/又はモノクローナル抗体;
ヒト又は動物の身体の治療にて、個別に、同時に又は連続的に使用するため。
合成
本発明が関わる化合物(I)の合成には、多数の合成ストラテジーが存在するが、全て、合成有機化学者に公知である、公知の化学に依存している。従って、式(I)の化合物は、標準的な文献に記載されていて、当業者に周知の手法に従って合成されうる。典型的な文献源は、 “Advanced organic chemistry”,第4版(Wiley),J March,“Comprehensive Organic Transformation”,第2版(Wiley),R.C. Larock,“Handbook of Heterocyclic Chemistry”,第2版(Pergamon),A.R.Katritzky,以下のような総説文献、“Synthesis”,“Acc.Chem.Res.”,“Chem.Rev”,あるいは、標準的なオンライン文献検索、あるいは“Chemical Abstracts”又は“Beilstein”のような二次文献から同定される原文である。
本発明の化合物は、以下に一般に記載されるいくつかの工程、及びさらに特別には、本明細書の後に記載する実施例によって調製されてもよい。以下に記載した反応において、反応中における望まない関与を避けるために、最終産物にて所望される反応機能基(例えば、ヒドロキシル、アミノ及びカルボキシ基)を、保護する必要があるかもしれない[例えば、Greene, T.W., “Protectiong Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, 1999を参照]。一般的な保護基は、定石と組み合わせて使用されてもよい。いくつかの例において、脱保護は、一般式(1)の化合物の合成の最終段階であってよく、本明細書の後ほどに記載された本発明に係る工程は、このような保護基の除去にまで広げるためであることが、理解される。
従って、本発明の1つの局面において、一般式(3)のアミノ酸エステルは、スキーム1に概要した方法によって調製されてもよいが、これに限定されることはない。
スキーム1
Figure 2010508342
試薬:a)BrAlkNHBocCO11(9),CsCO,DMF,b)THF,CHCl
従って、式(1)の8−スルファニルアリールアデニンは、DMFのような非プロトン溶媒中にて、水酸化カリウム又はカルシウム(caesium)のような無機塩基の存在下にて、一般式(2)のカルバマートを得るために、一般式(9)のブロモアルキルアミノエステルと一緒に、アルキル化されてもよい。トリフルオロ酢酸のような酸性条件下にて、カルバマート(2)を処理すると、一般式(3)のアミノエステルが導かれる。
本発明の別の局面において、一般式(4)の酸は、スキーム2に図示したように、水酸化リチウム又はナトリウムのような鉱物塩基を用いて、エタノールのような有機共溶媒と共に水性条件にて、式(3)のエステルを加水分解することにより調製されてもよい。
スキーム2
Figure 2010508342
試薬:a)LiOH,HO,EtOH
本発明の別の局面において、スキーム1においてアルキル化剤として使用した一般式(9)のアミノ酸エステルは、スキーム3に提示した方法によって調製されてもよい。
スキーム3
Figure 2010508342
試薬:a)tert−ブチルジメチルシリルクロライド,DBU b)二炭酸 ジ−tert−ブチル,トリエチルアミン c)R11OH,EDC,DMAP d)AcOH,HO d) NBS, PhP, ピリジン
本発明の別の局面において、一般式(10)のアルキルで置換されたプリン誘導体は、以下のスキーム4において概要した方法によって調製されてもよいが、これに限定されることはない。スキーム4において、R、Alk、A及びR11は、本明細書中にて定義したとおりである。
スキーム4
Figure 2010508342
試薬: a) HN−Alk−CHNHBocCOH, DMSO, EtN b) R11OH, EDC, DMAP, CHCl c) CH(OEt), PTSA d) NaN, ETOH, CHCl e) 10% Pd/C, EtOH, AcOH, H f) NBS, MeOH g) A−SH, CsCO, DMF h) N−ハロコハク酸イミド i) TFA, CHCl
本発明の別の局面において、一般式(11)のアリールアルキルで置換されたプリン誘導体は、以下のスキーム5において概要した方法によって調製されてもよいが、これに限定されることはない。スキーム5において、R、Q、Alk、A及びR11は、本明細書中にて定義したとおりである。
スキーム5
Figure 2010508342
試薬: a) ビスピナコラトジボロン, PdCl(dppf), KOAc, DMSO b) アデニン, Cu(OAc)2, TMEDA, MeOH c) NBS, MeCN d) A−SH, CsCO, DMF e) TFA, CHCl f)N−ハロコハク酸イミド, MeCN g) TFA, CHCl
細胞破壊アッセイ
特定のR基を含む化合物が、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によって−COOH基に加水分解可能であるかどうかを決定するために、化合物を以下のアッセイにて試験してもよい:
細胞抽出物の調製
癌細胞U937又はHCT116(〜109)を、4倍量のDulbeccos PBS(〜1リットル)で洗浄し、525gで4℃にて10分間でペレット化した。これを2回繰り返して、最終的な細胞ペレットを35mlの冷やしたホモジェナイズ緩衝液(Trizma 10 mM, NaCl 130 mM, CaCl 0.5 mM 25℃にてpH 7.0)に再懸濁した。ホモジネートは、窒素空洞法によって調製した(4℃にて50分間、700psi)。ホモジネートを氷上において、以下の最終濃度にて、阻害剤カクテルを加えた:
ロイペプチン 1μM
アプロチニン 0.1μM
E64 8μM
ペプスタチン 1.5 μM
ベスタチン 162 μM
キモスタチン 33 μM
525gにて10分間の遠心により、細胞ホモジネートを清澄化した後、生じる上清を、エステラーゼ活性源として使用し、必要となるまでは−80℃にて保存した。
エステル切断の測定
対応するカルボン酸へのエステルの加水分解は、上記のように調製した細胞抽出物を使用して測定できる。このために、細胞抽出物(〜30μg/全アッセイ量0.5ml)を37℃にて、トリス−HCl 25mM, 125mM NaCl緩衝液,25℃にてpH7.5中で、インキュベートした。それから、0時間にて、最終濃度が2.5mMになるようにエステル(基質)を添加して、サンプルを適切な時間(普通は0又は80分)37℃にてインキュベートした。反応物は、3倍量のアセトニトリルを添加して停止した。0時間のサンプル用には、エステル化合物より前に、アセトニトリルを添加した。12000gにて5分間遠心した後、エステル及びその対応するカルボン酸について、サンプルを室温にてLCMS(Sciex API 3000, HP1100 バイナリポンプ, CTC PAL)で解析した。クロマトグラフィーは、AceCN (752.1mm)カラム及び5〜95%アセトニトリル水溶液/0.1%ギ酸の移動相を基礎とした。
以下の表は、いくつかの異なるリンカー化学によって、様々な細胞内酵素阻害剤と結合した、いくつかのアミノ酸エステルモチーフが、細胞内カルボキシエステラーゼによって、対応する酸に全て加水分解されることを示すデータを提示する。
Figure 2010508342
実施例
略語
MeOH = メタノール; EtOH = エタノール; EtOAc = 酢酸エチル; Boc = tert−ブトキシカルボニル; DCM = ジクロロメタン; DMF = ジメチルホルムアミド; DMSO = ジメチルスルホキシド; DMAP = ジメチルアミノピリジン; DEAD = アゾジカルボン酸ジエチル; EDC = 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド; TFA = トリフルオロ酢酸; THF = テトラヒドロフラン; NaCO = 炭酸ナトリウム; HCl = 塩酸; DIPEA = ジイソプロピルエチルアミン; NaH = 水素化ナトリウム; NaOH = 水酸化ナトリウム; NaHCO = 炭酸水素ナトリウム; Pd/C = パラジウム炭素; EDC = 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド; ml = ミリリットル; g = グラム(単数及び複数); mg = ミリグラム(単数及び複数); mol = モル; mmol = ミリモル(単数及び複数); Sat = 飽和; LC/MS = 高速液体クロマトグラフィー/質量分析; NMR = 核磁気共鳴
試薬及び装置
商品として入手可能な試薬及び溶媒(HPLCグレード)は、さらに精製しないで使用した。溶媒は、Buchiロータリーエバポレーターを使用して除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる化合物の精製は、Silicycleより入手した、シリカゲル、粒子の大きさ40〜63μm(230〜400メッシュ)を使用して行った。分取HPLCによる化合物の精製は、逆相ThermoHypersil−Keystone Hyperprep HS C18カラム(12μm,100X21.2mm)、9.5分かけて、勾配20〜100% B(A=水/0.1%TFA, B= アセトニトリル/0.1% TFA)、流速= 30 ml/分、注入溶媒2:1 DMSO:アセトニトリル (1.6ml)、215nmにてUV検出を使用して、Gilsonシステムにて行った。
H NMRスペクトルを、重水素化溶媒中において、Bruker 400MHz AV分光器にて記録した。化学シフトδは、100万分の1単位である。薄層クロマトグラフィー(TLC)解析を、Kieselgel 60 F254 (Merck)プレートで行い、UV光を使用して可視化した。
分析用HPLC/MSは、逆相 Hypersil BDS C18カラム(5μm, 2.1X50mm)、2.10分かけて、勾配0〜95% B (A= 水/ 0.1% TFA, B= アセトニトリル/ 0.1% TFA)、流速= 1.0 ml/分を使用して、Agilent HP1100 LCシステムにて行った。UVスペクトルは、G1214A 単一波長UV検出器を使用して、215nmにて記録した。質量分析法は、LC/MSD Quad SW ESI インターフェースを使用して、サンプリング速度が1秒あたり2スキャン又は1.2秒あたり1スキャンにて、m/z範囲が150〜850以上で得られた。データを、OpenLynx and OpenLynx Browserソフトを使用して統合して、報告した。
中間体1: シクロペンチル(S)−5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタノアート
シクロペンチル(S)−5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタン酸の合成は、以下のスキーム6に概要する。この経路に関連する追加の文献は、J. Org. Chem. 1984, 49, 3527〜3534に見い出すことができる。
スキーム6
Figure 2010508342
段階1: シクロペンチル (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノグルタル酸 5−ベンジル エステル 1−シクロペンチル エステル
Figure 2010508342
氷浴中のBoc−L−Glu(OBzl)−OH (15 g, 44.5 mmol)ジクロロメタン溶液(220 ml)に、シクロペンタノール (4.8 ml, 53.3 mmol, 1.2当量), EDC (9.4 g, 48.9 mmol, 1.1当量)及びDMAP (543 mg, 4.4 mmol, 0.1当量)を添加した。反応混合物を、室温まで温めて、反応を完結させるために12時間攪拌した。反応混合物を、DCM (200 ml)で希釈し、1M HCl, 1M NaCO及びブラインで洗浄した。それから、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。産物を、酢酸エチル/ヘプタン (1:4)を使用したカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固形物として表題の化合物を入手した(12.4 g, 69 %)。
H NMR (300 MHz, CDCl) δ: 7.38 (5H, m), 5.70 (1H, m), 5.10 (2H, s), 5.05 (1H, m), 4.25 (1H, m), 2.47 (2H, m), 2.15 (1H, m), 1.95−1.55 (9H, m), 1.47 (9H, s).
段階2: (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−グルタル酸 1−シクロペンチル エステル
Figure 2010508342
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−グルタル酸 5−ベンジル エステル 1−シクロペンチル エステル (12.4 g, 30.5 mmol)を、EtOAc (200 ml)に溶解し、20% Pd(OH)−炭素触媒(1.3 g)を添加する前に、窒素でパージした。それから、反応を完結させるために5時間水素バルーン下で放置する前に、反応フラスコを5分間水素ガスでパージした。触媒をろ過により除去し、50 ml EtOAcで洗浄して、ろ液を合わせて、減圧下で蒸発させた。表題の化合物を、透明な油状物として単離し(7.73 g, 85 %収率)、さらに精製する必要はなかった。
H NMR (300 MHz, CDCl) δ: 10.0 (1H, br s), 5.70 (2H, m), 4.28 (1H, m), 2.47 (2H, m), 2.15 (1H, m), 1.95−1.55 (9H, m), 1.47 (9H, s).
段階3: (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−ペンタン酸 シクロペンチル エステル
Figure 2010508342
クロロギ酸エチル(2.45 ml, 25.6 mmol, 1.2当量)を、攪拌している(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−グルタル酸 1−シクロペンチル エステル (6.73 g, 21.4 mmol) 及びN−メチルモルホリン (3.05 ml, 27.8 mmol, 1.3当量)のTHF (50 ml)溶液に、−20℃にて添加した。反応混合物は、白色固形物の沈殿を生じて非常に濁ってきた。それから、混合を助けるために、反応物をさらにTHF(100 ml)で希釈して、−20℃にて2時間攪拌したまま放置した。沈殿物をろ別し、ろ液を、20分かけて、0℃にて、水素化ホウ素ナトリウム (2.43 g, 64.1 mmol, 3当量)のTHF (20 ml)及び水(5ml)溶液に添加した。反応混合物を、室温で攪拌し、反応を完結させるために4時間放置した。混合物を1M HClでpH5まで酸性化して、減圧下にてTHFを除去した。水溶液をEtOAc (3 x 100 ml)で抽出して、硫酸マグネシウム上で乾燥した。産物をカラムクロマトグラフィー (DCM−5%MeOH/DCM)で精製して、透明な油状物として単離した(5.0 g, 78 % 収率)。
H NMR (300 MHz, CDCl) δ: 5.20 (2H, m), 4.25 (1H, m), 3.65 (2H, m), 2.00−1.57 (12H, m), 1.47 (9H, s).
段階4: (S)−5− ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸 シクロペンチル エステル
Figure 2010508342
N−ブロモコハク酸イミド(3.54g, 19.9mmol, 3当量)のDCM (30ml)懸濁液に、トリフェニルホスフィン(4.87g, 18.8mmol, 2.8当量)のDCM (15ml)溶液を添加した。ピリジン (644μl, 7.96mmol, 1.2当量)及び(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−ペンタン酸 シクロペンチル エステル (2.0g, 6.64mmol)のDCM(20 ml)溶液を添加する前に、溶液をさらに5分間攪拌した。溶液を18時間攪拌し、真空中で濃縮し、残存溶媒をトルエン (3 x 30 ml)と共沸混合物とした。残渣をジエチルエーテル (30 ml)及び酢酸エチル:ヘプタン (1:9, 2 x 30 ml)で粉末化した。エーテル及び酢酸エチル/ヘプタン溶液をあわせたものを、シリカ上で濃縮して、酢酸エチル/ヘプタン (1:9〜2:8)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物が、透明な油状物として提供された(1.34g, 55 % 収率)。
H NMR (300 MHz, CDCl) δ: 5.25 (1H, m), 5.05 (1H, br d), 3.45 (2H, m), 2.00−1.55 (12H, m), 1.45 (9H, s).
中間体2: シクロペンチル (2S)−4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ) ブタノアート
シクロペンチル (2S)−4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ) ブタノアートの合成は、以下のスキーム7に概要する。
スキーム7
Figure 2010508342
段階1: O−[tert−ブチル(ジメチル)シリル−L−ホモセリン
Figure 2010508342
0℃における、L−ホモセリン (1 g, 8.4 mmol)のアセトニトリル (10 ml)懸濁物に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.32 ml, 8.8 mmol, 1.05当量)を添加した。それから、tert−ブチルジメチルシリルクロライド (1.33 g, 8.8 mmol, 1.05当量)を、5分以上かけて、小分けにして(portionwise)添加して、反応混合物を室温まで温めて、16時間攪拌した。白色沈殿物が形成されて、ろ別し、減圧下で乾燥する前に、アセトニトリルで洗浄した。表題の化合物を白色固形物として単離した(1.8g, 92 % 収率)。 H NMR (500 MHz, DMSO−d), δ: 7.5 (1H, br s), 3.7 (1H, m), 3.35 (4H, br m), 1.95 (1H, m), 1.70 (1H, m), 0.9 (9H, s), 0.1 (6H, s).
段階2: N−(tert−ブトキシカルボニル)−O−[tert−ブチル(ジメチル)シリルL−ホモセリン
Figure 2010508342
0℃において、段階1(スキーム7)の産物(1.8 g, 7.7 mmol)のDCM(100 ml)懸濁液を、トリエチルアミン (2.15 ml, 15.4 mmol, 2当量)及び二炭酸 ジ−tert−ブチル (1.77 g, 8.1 mmol, 1.05当量)で処理した。反応混合物を、室温で16時間攪拌した。DCMを減圧下で除去し、混合物を、酢酸エチル/ブラインで処理した。酢酸エチル相を、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で蒸発させた。粗産物は、さらに精製することなく次に進めた(2.53 g, 99 % 収率)。 H NMR (500 MHz, CDCl), δ: 7.5 (1H, br s), 5.85 (1H, d, J=6.5 Hz), 4.3 (1H, m), 3.75 (2H, m), 1.95 (2H, m), 1.40 (9H, s), 0.85 (9H, s), 0.1 (6H, s).
段階3: シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−O−[tert−ブチル(ジメチル)シリル−L−ホモセリナート
Figure 2010508342
0℃における段階2 (スキーム7)の産物(2.53 g, 7.6 mmol)のDCM(50ml)溶液に、シクロペンタノール (1.39 ml, 15.3 mmol, 2当量)、EDC (1.61 g, 8.4 mmol, 1.1当量)及びDMAP (93 mg, 0.76 mmol, 0.1当量)を添加した。減圧下で蒸発させる前に、反応混合物を室温で16時間攪拌した。粗残渣を酢酸エチル (100 ml)に溶解して、1M HCl、 1M NaCO及びブラインで洗浄した。それから、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で蒸発させた。産物は、酢酸エチル/ヘプタン (1:4)を使用して、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題の化合物が、2.24 g, 73% 収率にて生じた。 m/z 402 [M+H]H NMR (250 MHz, CDCl), δ: 5.2 (1H, d, J=6.3 Hz), 5.15 (1H, m), 4.2 (1H, m), 3.6 (2H, m), 2.0 (1H, m), 1.95−1.55 (9H, br m), 1.4 (9H, s), 0.85 (9H, s), 0.1 (6H, s).
段階4: シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ホモセリナート
Figure 2010508342
段階3 (スキーム7)の産物(1.57 g, 3.9 mmol)を、酢酸:THF:水(3:1:1, 100 ml)中に溶解した。反応混合物を、30℃にて16時間攪拌した。酢酸エチル (200 ml)を添加して、1M NaCO、1M HCl及びブラインで洗浄した。酢酸エチル相を、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、静止しておくと結晶化する透明な油状物として産物が生じた(1.00 g, 95 % 収率)。 m/z 310 [M+Na]H NMR (250 MHz, CDCl), δ: 5.4 (1 H, d, J=6.5 Hz), 5.2 (1 H, m), 4.4 (1H, m), 3.65 (2H, m), 2.15 (1H, m), 1.9−1.55 (9H, br m), 1.45 (9H, s).
段階5: シクロペンチル (2S)−4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタノアート
Figure 2010508342
N−ブロモコハク酸イミド(1.86g, 10.4mmol)のDCM(16.2ml)スラリーに、トリフェニルホスフィン(2.56g, 9.74mmol)のDCM(7.2ml)溶液を添加した。添加後、溶液をさらに5分間攪拌した。ピリジン (338μl, 4.18mmol)を添加して、続いて段階4の産物(スキーム7) (1.00 g, 3.48 mmol)のDCM(8.8 ml)溶液を添加した。溶液を18時間攪拌し、減圧下で濃縮して、残渣溶媒をトルエン (3x16 ml)とともに共沸させた。残渣を、ジエチルエーテル (10 ml)及び酢酸エチル:ヘプタン (1:9, 2x10 ml)で粉末化した。エーテル及びヘプタン溶液をあわせたものを、シリカ上で濃縮し、酢酸エチル/ヘプタン (1:9〜2:8)を使用して、カラムクロマトグラフィーで精製して、表題の化合物が1.02g (84%収率)提供された。 H NMR (300 MHz, CDCl), δ: 5.30−5.05 (2H, m), 4.45−4.30(1H, m), 3.45 (2H, t, J=7.3 Hz), 2.50−2.30 (1H, m), 2.25− 2.10 (1H, m), 1.95− 1.60 (8H, br m), 1.47 (9H, s).
中間体3: シクロペンチル (R)−5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタノアート
中間体1と類似の方法により、5−ベンジル 1−シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−グルタミン酸 (Boc−D−Glu(OBzl)−OH)から開始して合成される。
中間体4: シクロペンチル (2S)−4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ ブタノアート
中間体2と類似の方法により、D−ホモセリンから開始して合成される。
中間体5: tert−ブチル 5−ブロモ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート
tert−ブチル 5−ブロモ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナートの合成は、以下のスキーム8に概要する。
スキーム8
Figure 2010508342
段階1: 5−ベンジル 1−tert−ブチル N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−グルタミン酸
Figure 2010508342
5−ベンジル 1−tert−ブチル L−グルタミン酸 塩酸塩 (1.156g, 3.51 mmol)水溶液(4 ml)を、攪拌しているトリエチルアミン (1.232 ml, 8.76 mmol)のジオキサン(4 ml)溶液に添加した。生じた溶液を、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニルオキシ] ピロリジン−2,5−ジオン [TEOC・OSu] (1 g, 3.86 mmol)で処理して、室温で24時間攪拌した。
混合物を水(50 ml)で希釈して、固形NaHSOで酸性化し、エーテル(3 x 60 ml)で抽出した。有機相をあわせたものを、水(3 x 100 ml)及びブライン (100 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、5−ベンジル 1−tert−ブチル N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−グルタミン酸 (1.67 g)が、無色透明な油状物として生じた。 m/z 438 (M+H)
段階2: (4S)−5−tert−ブトキシ−5−オキソ−4−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ) ペンタン酸
Figure 2010508342
ベンジル 1−tert−ブチル N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−グルタミン酸 (1.67 g, 3.82 mmol)及び水酸化パラジウム 20% C (150 mg, 3.82 mmol)を、Nでパージし、それから、EtOH (35 ml)を添加した。生じた混合物に水素ガスをバブリングさせ、続いて、Hバルーン下にて、1時間攪拌した。それから、混合物をNでパージし、セライトパッドでろ過し、ろ液を蒸発させて、(4S)−5−tert−ブトキシ−5−オキソ−4−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ) ペンタン酸 (1.33 g)を、無色透明な油状物として入手した。
段階3: tert−ブチル 5−ヒドロキシ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート
Figure 2010508342
クロロギ酸エチル(0.441 ml, 4.59 mmol)を、(4S)−5−tert−ブトキシ−5−オキソ−4−({[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}アミノ) ペンタン酸 (1.33 g, 3.83 mmol)及びN−メチルモルホリン (0.547 ml, 4.98 mmol)の攪拌しているTHF(10 ml溶液)に−20℃にてゆっくりと添加した。白濁固形物が溶液から沈殿し、攪拌を妨害した。懸濁物を動かすために、THF (約4 ml)を添加した。生じた混合物を、−20℃にて30 分間攪拌し、それから、2時間以上かけてゆっくりと、0℃まで温めた。それから、混合物をさらに0℃にて1時間攪拌した。懸濁液をろ過し、ろ液を、水素化ホウ素ナトリウム (0.434 g, 11.48 mmol)の攪拌しているTHF(4ml)及び水(1ml)溶液に、0℃にて30分かけて、小分けにして(portion wise)添加した。混合物をNHCl溶液で反応を止めて、EtO (50 ml)で希釈して、相を分離した。水相をEtO(25 ml)で抽出し、有機相をあわせたものを、NaHCO溶液(25 ml)及びブライン (25 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、tert−ブチル 5−ヒドロキシ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート (1.24 g)が、無色透明な油状物として生じた。
段階4 tert−ブチル 5−ブロモ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート
Figure 2010508342
N−ブロモコハク酸イミド (2.129 g, 11.96 mmol)のDCM(10 ml)溶液を、トリフェニルホスフィン (2.93 g, 11.17 mmol)のDCM(10 ml)溶液で処理し、続いてピリジン (0.387 ml, 4.79 mmol)及びtert−ブチル 5−ヒドロキシ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート (1.33 g, 3.99 mmol)のDCM (5 ml)液で処理した。生じた黒色混合物を、室温で24時間攪拌した。混合物をSiOであらかじめ吸着させて、クロマトグラフィーで精製して(シリカゲル, 0−5−10−20% EtO/イソヘキサン)、tert−ブチル 5−ブロモ−N−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]カルボニル}−L−ノルバリナート 中間体5(1.1 g)を、無色の油状物として入手した。
実施例1: (S)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート
Figure 2010508342
炭酸セシウム(0.36 g, 1.09 mmol)及び中間体1((S)−シクロペンチル 4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート) (0.40 g, 1.09 mmol)を、8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−6−アミン [J. Med. Chem 2006, 49,817−828] (0.30 g, 0.73 mmol)のジメチルホルムアミド (3ml)懸濁液に添加した。50℃にて12時間攪拌したあと、反応混合物を真空中で濃縮した。ジクロロメタン (1ml)及びトリフルオロ酢酸 (0.5ml)を残渣に添加した。12時間室温にて攪拌した後、溶媒を真空中で除去して、粗残渣を分取HPLCで精製して、オフホワイト色の固形物として、表題の化合物(22mg)を入手した。 m/z 597 [M+H], 595 [M−H]H NMR (400 MHz, CDCl), δ: 8.3 (1H, s), 7.3 (1H, s), 6.9 (1H, s), 6.0 (2H, s), 5.6 (2H, bs), 5.2 (1H, m), 4.2 (2H, m), 3.5 (2H, d), 3.4 (1H, m), 2.0−1.5 (12H, m).
実施例2: (S)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート
Figure 2010508342
炭酸セシウム(0.36 g, 1.09 mmol)及び中間体2((S)−シクロペンチル 4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタノアート) (0.38 g, 1.09 mmol)を、 8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−6−アミン [J. Med. Chem 2006, 49,817−828] (0.30 g, 0.73 mmol)のジメチルホルムアミド (3ml)懸濁液に添加した。50℃にて12時間攪拌したあと、混合物を真空中で濃縮した。ジクロロメタン (1ml)及びトリフルオロ酢酸 (0.5ml)を残渣に添加した。12時間攪拌した後、溶媒を真空中で除去して、粗残渣を分取HPLCで精製して、オフホワイト色の固形物として、表題の化合物(20mg)を得た。
m/z 583 [M+H], 581 [M−H]H NMR (500 MHz, CDCl), δ: 8.3 (1H, s), 7.3 (1H, s), 6.9 (1H, s), 6.0 (2H, s), 5.7 (2H, bs), 5.1 (1H, m), 4.4 (2H, m), 3.4 (1H, m), 2.3 (1H, m), 2.0−1.6 (9H, m).
以下の実施例は、実施例1及び2の化合物と同様の方法にて調製された:
実施例3: (R)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート
Figure 2010508342
8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−6−アミン [J. Med. Chem 2006, 49,817−828] (0.19g, 0.42mmol)、中間体3(0.18g, 0.49mmol)及び炭酸セシウム(0.27g, 0.82mmol)から、表題の化合物を生じるための中間体N−Boc誘導体が生じ、続いてTFA (2mL)のジクロロメタン (4mL)液で処理して、表題の化合物(0.02g)が、無色固形物として生じた。 m/z 597 [M+H]H NMR (400 MHz, CHCl−d)δ: 8.31 (1H, s), 7.29 (1H, s), 6.89 (1H, s), 5.98 (2H, s), 5.55 (2H, br s), 5.18 (1H ,m), 4.21 (2H, m), 3.41 (1H ,m), 1.9−1.75 (7H, br m), 1.73− 1.45 (7H, br m).
実施例4: (R)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート
Figure 2010508342
8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−6−アミン [J. Med. Chem 2006, 49,817−828] (0.22g,0.48mmmol)、中間体4 (0.2g,0.57mmol)及び炭酸セシウム(0.31g, 0.96mmol)から、表題の化合物を生じるための中間体N−Boc誘導体が生じ、続いてTFA (2mL)のジクロロメタン (4mL)液で処理して、表題の化合物(0.02g)が、無色固形物として生じた。 m/z 583 [M+H]H NMR (400 MHz, CHCl−d) ・: 8.31 (1H, s), 7.30 (1H, s), 6.91 (1H, s), 5.98 (2H, s), 5.54 (2H, br. s), 5.09 − 5.14 (1H, m), 4.40 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.35 (1H, dd, J=9.5, 4.2 Hz), 2.25 (1H, dd, J=13.7, 4.4 Hz), 1.87 − 1.96 (1H, m), 1.82 (3H, m), 1.59 − 1.70 (11H, m).
実施例5 (S)−tert−ブチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート
Figure 2010508342
8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−6−アミン (0.2g, 0.48 mmol) [J. Med. Chem 2006, 49,817−828]を、DMF (2 ml)に溶解し、炭酸セシウム (0.3g, 0.97 mmol)で処理し、続いて中間体5 (0.23g, 0.58 mmol)のDMF (1 ml)液で処理し、生じた混合物を50℃にて4時間加熱した。それから、混合物をEtOAc (50 ml)と水(50 ml)で分画して、相を分離した。有機相を、水(25 ml)及びブライン (4 x 25 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、濃い茶色の油状物が生じた。精製して(シリカゲル, 0−20% MeOH/DCM)、TEOCで保護された中間体を、黄色固形物(106 mg)として入手した。固形物をTHF (2 ml)に溶解し、0℃まで冷却した。TBAF (THF中で1M) (968 μl, 0.968 mmol)をゆっくり添加して、生じた黄オレンジ色の液体を室温で2時間攪拌した。LC−MS解析により、産物に完全に変換されたことが示された。それから、混合物をEtOAc (50 ml)と水(50 ml)で分画して、相を分離した。有機相を、50% 飽和 NHCl溶液(2 x 25 ml), NaHCO溶液(25 ml)及びブライン (25 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、粗産物(73 mg)が淡黄色固形物として生じた。産物を、分取HPLCで単離して、表題の化合物(15 mg)を淡黄色固形物として入手した。 m/z 585 [M+H]H NMR (400 MHz, CHCl−d) d: 8.31 (1H, s), 7.23 (1H, s), 6.88 (1H, s), 5.97 (2H, s), 5.54 (2H, br. s), 4.23 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.32 (1H, dd, J=7.6, 5.1 Hz), 1.90 (2H, m), 1.70 (1H, m), 1.74 (4H, m), 1.42 (9H, s).
実施例6 シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−アラニナート
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (21 mg, 0.027 mmol)のTFA (250μl, 3.24 mmol)及びDCM (1 ml)溶液を、室温で2時間攪拌した。LC−MS解析により、産物が完全に形成されたことが示された。溶媒を蒸発させて、残渣をSCX (0.5 g)で精製して、表題の化合物(12 mg)を淡黄色固形物として入手した。m/z 569 [M+H]H NMR (400 MHz, CHCl−d) d: 8.31 (1H, s), 7.23 (1H, s), 6.93 (1H, s), 5.97 (2H, s), 5.61 (2H, br. s), 5.13 (1H, m), 4.50 (1H, dd, J=14.2, 5.9 Hz), 4.33 (1H, dd, J=13.9, 8.6 Hz), 3.98 (1H, dd, J=8.8, 5.9 Hz), 1.8−1.54 (10H, br m).
上記の実施例において、開始物質として使用した、シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (39 mg, 0.072 mmol)及びN−ヨードコハク酸イミド (97 mg, 0.431 mmol)の混合物を、アセトニトリル (2 ml)に溶解して、室温で18時間攪拌した。混合物を、EtOAc (25 ml)と10% チオ硫酸ナトリウム溶液(25 ml)で分画して、相を分離した。有機相を、10% チオ硫酸ナトリウム溶液(25 ml)及びブライン (25 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させた。精製(シリカゲル, 2% MeOH/DCM)により、所望の物質(24 mg)を、黄色固形物として入手した。 m/z 669 (M+H) 667.
上記の工程において、開始物質として使用した、シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
シクロペンチル 3−(6−アミノ−8−ブロモ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (0.27g, 0.57 mmol), 3,4−メチレンジオキシチオフェノール (0.35mg, 2.28 mmol)及び炭酸セシウム (927 mg, 2.84 mmol)の混合物を、DMF (8 ml)に溶解し、50℃にて3時間加熱した。混合物をEtOAc (100 ml)で希釈して、水(2 x 50 ml)及びブライン (4 x 50 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、粗産物が粘性のある黄褐色の固形物として生じた。精製(シリカゲル, 2% MeOH/DCM)して、所望の物質(57 mg, 0.099 mmol, 17.36 % 収率)を、淡黄色固形物として入手した。
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−(6−アミノ−8−ブロモ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート は、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (267 mg, 0.68 mmol)及びN−ブロモコハク酸イミド (243 mg, 1.37 mmol)を、MeCN (10 ml)に溶解し、生じた溶液を60℃にて18時間加熱した。追加でN−ブロモコハク酸イミド (243 mg, 1.37 mmol)を添加して、24時間加熱を続けた。溶媒を蒸発させて、残渣を精製して(シリカゲル, 2−5% MeOH/DCM)、所望の物質(160 mg)を、濃い茶色の固形物として入手した。 m/z 469 (M+H)
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−(6−アジド−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (25 mg, 0.060 mmol)を、EtOH (2 ml)と酢酸 (200 μl)の混合物に溶解した。10% パラジウム炭素 (5mg)を添加して、混合物をNでパージして、それから、Hバルーン下に置いて、室温で18時間攪拌した。水素をNでパージして、混合物をセライト(登録商標)パッドでろ過した。ろ液を、蒸発させて、所望の物質を、淡黄色固形物(5mg)として入手した。
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−(6−アジド−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−L−アラニナート (25mg, 0.06mmol)及びアジ化ナトリウム (4.76mg, 0.073mmol)を、EtOH (0.5mL)に溶解し、75℃にて48時間加熱した。混合物を冷却して、CHClで希釈し、セライト(登録商標)でろ過した。ろ液を、蒸発させて、残渣を精製せずに使用した。
上記の工程において使用した、 シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル3−[(5−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナート (463 mg, 1.16 mmol)を、オルトギ酸トリエチル (7 ml, 42.0 mmol)で処理して、p−トルエンスルホン酸一水和物 (22.02 mg, 0.12 mmol)を、生じた懸濁液に添加して、無色の溶液が形成された。溶液を室温で18時間攪拌した。混合物を、EtOAc (100 ml)及びNaHCO溶液(100 ml)で分画して、相を分離した。有機相を、ブライン (100 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、所望の物質(534 mg)を、粘調性の淡黄色油状物として入手した。 m/z 410 (M+H)
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−[(5−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニナートは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
3−[(5−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニン (730 mg, 2.200 mmol), EDC (506 mg, 2.64 mmol)及びDMAP (26.9 mg, 0.220 mmol)の混合物を、DCM (15 ml)に溶解して、シクロペンタノール (408μl, 4.40 mmol)で処理した。混合物を、室温で36時間攪拌した。混合物を、約5 mlにまで濃縮して、精製し(シリカゲル, 10−20% MeCN/DCM)、それからEtO/イソヘキサン中で粉末化して、所望の物質(558 mg)を、白色固形物として入手した。 m/z 400 (M+H)
上記の工程において使用した、3−[(5−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アラニンは、以下のように調製した:
Figure 2010508342
5−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン (500 mg, 3.05 mmol)及びBoc−DAP−OH (934 mg, 4.57 mmol)を、DMSO (10 ml)に懸濁して、トリエチルアミン (1500μl, 10.67 mmol)で処理した。生じた混合物を、90℃にて3日間加熱した。(約20分後、攪拌を妨害する濁った固形物が沈殿した。追加のDMSO (5 ml)を添加して、溶液が最終的に形成された。)反応混合物を、EtOAc (200 ml)と水(200 ml)で分画して、相を分離した。有機相を、水(2 x 100 ml)で抽出して、水相をあわせたものを酸性化して(1M HCl)、EtOAc (3 x 200 ml)で抽出した。抽出物を合わせたものを、ブライン (4 x 300 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、所望の産物(755 mg, 2.276 mmol, 74.6 % 収率)を淡黄色粉末として入手した。 m/z 332 (M+H)
実施例7 シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート
Figure 2010508342
シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L− N−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニルアラニナート (50 mg, 0.081 mmol)のトリフルオロ酢酸 (250μl, 3.24 mmol)及びDCM (1 ml)溶液を、室温で2時間攪拌した。混合物を蒸発させて、SCX (0.5 g)で精製して、表題の化合物(23mg)を白色固形物として入手した。
m/z 519 (M+H)H NMR (400 MHz, CHCl−d) d: 8.26 (1H, s), 7.30 (2H, d, J=7.8 Hz), 7.41 (2H, d, J=8.1 Hz), 6.91 (2H, d, J=2.0 Hz), 6.74 (1H, d, J=7.8 Hz), 5.98 (2H, s), 5.53 (2H, br. s), 5.22 (1H, m), 3.71 (1H, dd, J=7.8, 5.4 Hz), 3.13 (1H, dd, J=13.4, 5.6 Hz), 2.92 (1H, dd, J=13.7, 7.8 Hz), 1.87 (2H, m), 1.69 −1.60 (10H, br m).
上記の工程において使用した、シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L− N−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニルアラニナートを、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−(6−アミノ−8−ブロモ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート (510 mg, 0.935 mmol), 3,4−メチレンジオキシチオフェノール (577 mg, 3.74 mmol)及び炭酸セシウム (1523 mg, 4.68 mmol)の混合物を、DMF (15 ml)に溶解して、50℃にて3時間加熱した。混合物をEtOAc (200 ml)で希釈して、水(2 x 100 ml)及びブライン (4 x 100 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、粘性のある黄褐色の固形物が生じた。精製して(シリカゲル, 2.5% MeOH/DCM)、所望の物質(456 mg)を、黄色固形物として入手した。 m/z 619 (M+H)
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−(6−アミノ−8−ブロモ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナートを、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート (610 mg, 1.31 mmol)及びN−ブロモコハク酸イミド (465 mg, 2.62 mmol)を、MeCN (25 ml)に溶解して、生じた溶液を60℃にて18時間加熱した。。混合物を冷却して、蒸発させて、クロマトグラフィー (シリカゲル, 2−5% MeOH/DCM)で精製して、所望の物質(511 mg)を入手した。
上記の工程において使用した、シクロペンチル 3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナートを、以下のように調製した。
Figure 2010508342
アデニン (1.5 g, 11.10 mmol)、酢酸銅(II) (2.02 g, 11.10 mmol)、シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−L−フェニルアラニナート (6.45 g, 11.1 mmol)及びTMEDA (3.35 ml, 22.20 mmol)のMeOH (140 ml)及び水(40 ml)混合物を、大気雰囲気下で、室温にて18時間激しく攪拌した。混合物を蒸発させて、EtOAc (200 ml) 及び水(100 ml)で分画して、相を分離した。水相を、EtOAc (2 x 200 ml)で抽出して、有機相をあわせたものを、水(400 ml)及びブライン (400 ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー (シリカゲル, 2.5% MeOH/DCM)により、濁り曇った油状物(1.5 g)を入手した。ピナコール残渣を除去するために、50% EtO/イソヘキサンで粉末化して、所望の物質(614 mg, 1.263 mmol, 11.38 % 収率)を、白色固形物として入手した。
上記の工程において使用した、シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−L−フェニルアラニナートを、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヨード−L−フェニルアラニナート (5.1 g, 11.10 mmol)、ビスピナコラートジボロン (4.23 g, 16.66 mmol)、PdCl(dppf) (0.453 g, 0.555 mmol)及び酢酸カリウム (1.635 g, 16.66 mmol)を、フラスコ内であわせて、Nでパージした。DMSO (20 ml)を添加して、混合物を50℃にて48時間加熱した。混合物を、EtO (200 ml)及び水(400 ml)で分画して、相を分離した。水相をEtO (2 x 200 ml)で抽出して、有機相をあわせたものをブライン (3 x 300 ml)で洗浄して、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、粗産物が濃い茶色の油状物として生じた。精製して(シリカゲル, 10% EtOAc/イソヘキサン)、所望の物質(6.44 g, 11.07 mmol)を、入手した。
上記の工程において使用した、シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヨード−L−フェニルアラニナート。
Figure 2010508342
シクロペンチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヨード−L−フェニルアラニン (10 g, 25.6 mmol)、EDC (5.88 g, 30.7 mmol) 及びDMAP (0.312 g, 2.56 mmol)の混合物を、DCM (150 ml)に溶解して、シクロペンタノール (2.84 ml, 30.7 mmol)で処理した。混合物を室温にて18時間攪拌した。混合物を、SiO (20g)であらかじめ吸着させて、残渣をクロマトグラフィー (シリカゲル, 7.5% EtOAc/イソヘキサン)で精製して、所望の物質(10.32 g)を、無色透明な油状物として入手した。 m/z 460 (M+H)
実施例8 シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート
Figure 2010508342
シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}− N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナート (44 mg, 0.063 mmol)のTFA (250μl, 3.24 mmol)及びDCM (1 ml)溶液を、室温で2時間攪拌した。クロマトグラフィー (シリカゲル, 2−5% MeOH/DCM)により、表題の化合物(20 mg)を、淡黄色固形物として入手した。 m/z 597 (M+H)H NMR (400 MHz, CHCl−d) d: 8.28 (1H, s), 7.32 − 7.40 (4H, m), 7.03 (1H, s), 6.93 (1H, s), 6.00 (1H, s), 5.53 (2H, s), 5.20 (1H, m), 3.71 (1H, dd, J=7.8, 5.4 Hz), 3.13 (1H, dd, J=13.7, 5.4 Hz), 2.90 (1H, dd, J=13.7, 7.8 Hz), 1.86 (2H, m), 1.75-1.55 (10H, br m).
上記の工程において使用した、シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}− N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニナートを、以下のように調製した:
Figure 2010508342
シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L− N−(tert−ブトキシカルボニル)−フェニルアラニナート [実施例7に記載した] (180 mg, 0.291 mmol)及びN−ブロモコハク酸イミド (104 mg, 0.582 mmol)の混合物を、MeCN (10 ml)に溶解して、室温にて18時間攪拌した。混合物を蒸発させて、部分的に精製して(シリカゲル, 2% MeOH/DCM)、所望の化合物(44 mg)を、黄色固形物として入手した。 m/z 699 (M+H)
実施例9: (S)−2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタン酸
Figure 2010508342
水酸化リチウム (2.88 mg, 0.12 mmol)を、(S)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート(14.0 mg, 0.02 mmol)のテトラヒドロフラン (1ml)及び水(3滴)溶液に添加した。12時間攪拌した後、5滴の酢酸及び水(0.1ml)を、反応混合物に添加した。固形物をろ過により回収して、真空中で乾燥して、表題の化合物(3.6mg)を、白色固形物として入手した。 m/z 529 [M+H], 527 [M−H]H NMR (400 MHz, DMSO−d6), δ: 8.1 (1H, s), 7.4 (1H, s), 7.3 (2H, bs), 6.8 (1H, s), 6.0 (2H, s), 4.1 (2H, m), 3.1 (1H, m), 1.8−1.4 (5H, m).
実施例10: (S)−2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタン酸
Figure 2010508342
水酸化リチウム (2.41mg, 0.10mmol)を、(S)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート (12.0mg, 0.02mmol)のテトラヒドロフラン (1ml)及び水(3滴)溶液に添加した。12時間攪拌した後、5滴の酢酸及び水(0.1ml)を、反応混合物に添加した。固形物をろ過により回収して、真空中で乾燥して、産物(1.5mg, 12%)を、白色固形物として入手した。 m/z 515 [M+H], 513 [M−H]H NMR (400 MHz, d−MeOH), d: 8.1 (1H, s), 7.4 (1H, s), 7.2 (1H, s), 6.1 (2H, s), 4.4 (2H, m), 3.5 (1H, m), 2.5 (1H, m), 2.2 (1H, m).
表1の例は、実施例9の化合物と同様の方法にて調製した。
Figure 2010508342
実施例15: 生物学的データ
Hsp90アッセイ
HTRF(均一時間分解蛍光アッセイ)アッセイを、本化合物とHSP90の相互作用を測定するために、使用した。
アッセイは、ビオチン化したGM(bio−GM; Biomol, # EI−341, ロット番号: A9199a)と、hisタグ付きのヒト組み換えHSP90α(HSP90; Prospec Technogene, #HSP90, ロット番号: 260HSP9001)との結合を測定した。シグナルは、ユーロピウムクリプテート(Europium−cryptate)を標識した抗his抗体(抗−his−K; Cisbio International, # 61HISKLA, ロット番号: 33V)から、 HSP90−GM−ビオチン複合体を介して、ストレプタビジン(SA−XL; Cisbio International, # 610SAXLB,ロット番号: 089)に結合した蛍光受容体(アロフィコシアニン)への、蛍光共鳴エネルギー転移によって、生じる。
標識していないGM又は化合物は、HSP90に対する結合を、bio−GMと競合する結果、蛍光エネルギー転移/アッセイシグナルが減少する。
アッセイ用に、あらかじめ形成させた(1時間インキュベート)HSP90と抗−his−Kの複合体を、384穴マイクロプレート(Corning, # 3710)内の化合物溶液に添加して、15分インキュベートした。 あらかじめ形成させた(1時間インキュベート)bio−GMとSA−XLの複合体を、穴に添加して、20時間インキュベートした。 インキュベーションは全て、室温にて行った。最終的なアッセイ量は、50μl/穴であった。アッセイの最終濃度は以下のようであった: 50 mM Hepes pH 7.3, 50 mM NaCl, 100 mM KF, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, 0.1% Triton−X−100, 1 nM 抗−his−K, 40 nM HSP90, 40 nM SA−XL, 40 nM bio−GM。試験化合物をDMSOに溶解し、アッセイ緩衝液にあらかじめ希釈して、最終濃度が5000 nMから0.3 nMの間にて、試験した。生じたDMSO濃度は、 0.5%であり、コントロール全てにおいて含まれていた。高コントロールは、試験化合物なしであり、低コントロールは、試験化合物なし、HSP90なし、及びbio−GMなしであった。対照として、GMで標識していない阻害剤を、試験化合物と同様の濃度にて使用した。
エクセルスプレッドシート(Microsoft)を使用して、阻害を、アッセイコントロールと比較して計算した。IC50値は、GraphPad Prism (GraphPad Software Inc)を使用して、標準的な用量反応モデルにあてはめて、非線形最小二乗法によって計算した。
細胞阻害アッセイ
適切な培養培地(以下参照)50μl中で、1穴あたり500細胞の密度になるように、細胞を96W組織培養プレート(1穴 = 30mm)まいた。24時間後に、同様の培地中に調製した化合物50μlを、4倍希釈になるように添加して、最終濃度が0.15nM〜2500nM (各々の濃度について、n=6)の範囲になった。それから、プレートを 37℃、5% COにて120時間インキュベートした。細胞増殖について、 WST−1 (代謝指示色素, Roche カタログ番号 1 644 807)を使用して、説明書に従って評価した。結果は、ビヒクル反応のパーセンテージとして計算し、IC50値は、ビヒクルの反応を50%阻害した化合物濃度を表す。HCT−116培養培地−2mM グルタミン(Sigma カタログ番号 G−7513)及び50U/ml ペニシリン及び硫酸ストレプトマイシン(Sigma カタログ番号P−0781)を含む、Dulbeccos MEM( Sigma D6546)プラス、10% 熱失活非働化済みのウシ胎仔血清(Hyclone SH30071 Thermo Fischer Scientific)。
データは、以下のように、阻害剤非存在下で測定したコントロールの%阻害として表わされて:
%阻害=100−((S/S)x100)
ここで、Sは阻害剤存在下におけるシグナルであり、SはDMSO存在下におけるシグナルである。
IC50は、Graphpad Prismソフトを使用して、可変勾配のシグモイド用量反応式に8点のデータポイントの結果をあてはめたあと、非線形回帰分析により、決定される(化合物のログ濃度に対する%活性)。
IC50の結果は、以下のような3種類の範囲に配分される:
範囲A: IC50<1000nM,
範囲B: IC50 1000nM〜10000nM;
及び範囲C: IC50 >10000nM.
NT = 未試験
Figure 2010508342

Claims (36)

  1. (a)式(I)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの、医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である、化合物:
    Figure 2010508342
    (ここで:
    −Rは、水素又はハロゲン原子、あるいはシアノ、ニトロ、−N、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C2−6アルケニルチオ、グアニジン、アミジン、−NR’R’’、−NR’’’OR’又は−NR’’’R’R’’基(ここで、R’、R’’及びR’’’基は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)を表すか、あるいは式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、NHCOOR、−NRCOOR、−NHSO、−NRSO、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、非縮合フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールであるか、あるいはR及びRは、同じ窒素原子に結合して、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)の基を表し;
    −Rは、水素又はハロゲン原子、あるいはシアノ、ニトロ、−N、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C2−6アルキニル基、あるいは式−NR’R’’、−COR’、−SOR’、−NR’OR’’又は−CONR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキル、あるいはC6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表す)の基を表し;
    −x及びyは、同じか又は異なっており、0又は1を表し;
    −Lは、C1−4アルキレンを表し;
    −Hetは、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NR’−又は−O−(ここで、R’は、水素又は非置換のC1−4アルキルを表す)を表し;
    −Aは、さらなるC6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、C6−10アリール、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し;
    −Wは、式−[CH−Y−L−Rの基であり、ここで:
    −zは、0又は1であり;
    −Yは、結合を表すか、あるいは、式−S−、−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−、−NRS(O)−、−NR(C=O)NR−又は−NR(C=S)NR−の基を表し、ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、水素又はC1−6アルキルを表し;
    −Lは、式−(Alk(Q)(Alk−の二価の基であり、ここで:
    −m、n及びpは、独立して0又は1であり;
    −Qは、(i)さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表すか;あるいは、(ii)pが0である場合、式−Q−X−の基を表し、ここで、Xは、−O−、−S−又は−NR−を表し(ここで、Rは、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに、Qは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表す、のいずれかであり;
    −Alk及びAlkは、同じか又は異なっており、C3−7カルボシクリル基を表すか、あるいは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、又はC2−6アルキニレン基を表し、ここで、エーテル(−O−)、チオエーテル(−S−)又はアミノ(−NR−)結合を任意に含むか、又は該基で終了してもよくて(ここで、Rは、水素又はC1−4アルキルを表す);
    −Rは、式(X)又は(Y)の基であり:
    Figure 2010508342
    ここで:
    −Rは、−COOH基、又は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素により、−COOH基に加水分解可能なエステル基であり;
    −Rは、水素、あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R、−(C=O)OR10又は−(C=O)NR10基を表し、ここで、Rは、水素、C1−6アルキル基、並びに、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し、あるいは、Rは、式−Alk−Cycの基を表し、ここで、Alkは、C1−6アルキレン基を表し、及び、Cycはさらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し、並びに、R10は、水素又はC1−6アルキルを表し、あるいはここで、Rは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル,5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基を表し;かつ
    −Dは、5又は6員のヘテロアリールあるいは5又は6員のヘテロシクリル基を表し、ここで、Rは、図示した環窒素に隣接した環炭素に結合しており、ここで環Dは、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合しており、この場合は、波線が横切っているように図示した結合は、前記第二環の環原子からの結合であってもよく;
    ここで、
    −R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Alk、Alk及びAlkのアルキル、アルキレン、アルケニル及びアルキニル部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、フェニル、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)から選択された、1、2又は3個の置換基で置換されており;かつ
    −R、R、R、R、A、Q、Q及びDの、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びカルボシクリル部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっていて、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ,C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ、−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COOH、−COOR、−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR、−SONR、−OCONH、−OCONHR、−OCONR、−NHCOR、−NHCOOR、−NRCOOR、−NHSOOR、−NRSOOH、−NRSOOR、−NHCONH、−NRCONH、−NHCONHR、−NRCONHR、−NHCONR又は−NRCONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル又は5〜6員の非縮合ヘテロアリールを表すか、あるいは、R及びRは、同一の窒素原子に結合している場合には、5又は6員の非縮合ヘテロシクリル基を形成する)から選択された、1、2、3又は4個の置換基で置換されている)。
  2. は、水素又はハロゲン原子、あるいは、非置換のC1−4アルキル、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、メルカプト、C1−4アルキルチオ、−NR’R’’又は−CONR基(ここで、R’、R’’、R及びRは各々、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキル基を表す)を表し、かつ、Rのアルキル基又は部分は、非置換であるか、あるいは、それ自身が非置換で、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルキルオキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1、2又は3個の置換基で置換されている、請求項1に請求した化合物。
  3. は、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基あるいは式−NR’R’’基(ここで、R’、R’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す)を表す、請求項1又は請求項2に請求した化合物。
  4. xは0であり、yは1である、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物。
  5. Hetは、−S−、−S(O)−又は−S(O)−を表す、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物。
  6. Aは、非置換であるか、あるいは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しているフェニル基、又はさらなるフェニル基と縮合している5〜6員のヘテロアリール基から選択された置換基を表し、かつ、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基並びに部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されている、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物。
  7. zは0であり、W内のメチレン基は存在しない、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物。
  8. は結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表す、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物。
  9. は、式−(Alkm−(Q)n−(Alkp−の基を表す、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    (ここで、
    −m、n及びpは、同じか又は異なっており、0又は1を表し;
    −Alkは、C1−4アルキレン基を表し;
    −Qは、さらなるフェニルと任意に縮合しているフェニル、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、又は5〜10員の非縮合ヘテロシクリル基を表し;かつ
    −Alkは、C1−4アルキレン基を表し;
    かつ、Lのアルキレン基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル、及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されていて、かつ、Lのフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている)。
  10. 以下を含む、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    (ここで、
    −Rは、式(X)の基を表し;
    −Rは、−COOHを表すか、あるいは、エステル基−COOR11であり、ここで、エステル基は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であり;かつ
    −Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、R及びR10は、請求項1で定義したとおりである)。
  11. 以下を含む、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    (ここで、
    −Rは、水素又はハロゲン原子、あるいは非置換のC1−4アルキル、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、メルカプト、C1−4アルキルチオ、−NR’R’’又は−CONR基(ここで、R’、R’’、R及びRは、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−4アルキルを表す)を表し、かつ、Rのアルキル基又は部分は、非置換であるか、あるいは、それ自身非置換で、ハロゲン、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシル、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルキルオキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1、2又は3個の置換基で置換されており;
    −Rは、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基、あるいは式−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す)の基を表し;
    −xは0であり、及びyは1であり;
    −Hetは、−S−、−S(O)−又は−S(O)−を表し;
    −Aは、非置換であるか、あるいは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しているフェニル基、又はさらなるフェニル基と縮合している5〜6員のヘテロアリール基から選択された置換基を表し、かつ、ここで、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基並びに部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されており;
    −zは0であり;
    −Yは、結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−(ここで、Rは水素又はC1−6アルキルを表す)の基を表し;
    −m、n及びpは、同じかまたは異なって、0又は1であり;
    −Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている、C1−4アルキレン基を表し;
    −Qは、さらなるフェニルと任意に縮合しているフェニル、さらなるフェニルと任意に縮合している5〜10員のヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は5〜10員の非縮合ヘテロシクリル基を表し、かつ、Qのフェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びヒドロキシル基から選択される、1個又は2個の置換基で置換されており;
    −Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される1個又は2個の置換基で置換されている、C1−4アルキレン基を表し;
    −Rは、式(X)の基を表し;
    −Rは、−COOHを表すか、あるいは、エステル基−COOR11であり、ここで、エステル基は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であり;かつ
    −Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、R及びR10は、請求項1で定義したとおりである)。
  12. (a)式(IA)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    Figure 2010508342
    (ここで:
    −Rは、水素又はハロゲン原子、非置換のC1−4アルキル基又は式−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又は非置換のC1−2アルキルを表す)を表し;
    −Aは、非置換であるか、あるいは、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル、5〜6員の非縮合ヘテロシクリル基、さらなる5〜6員のヘテロシクリル基と縮合しているフェニル基、又はさらなるフェニル基と縮合している5〜6員のヘテロアリール基から選択された置換基を表し、かつ、ここで、フェニル、ヘテロアリール、カルボシクリル及びヘテロシクリル基並びに部分は、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C2−4ハロアルケニル、C1−4ハロアルコキシ、C2−4ハロアルケニルオキシ、ヒドロキシル、メルカプト、シアノ、ニトロ、C1−4ヒドロキシアルキル、C2−4ヒドロキシアルケニル、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニルチオ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)、並びに式−COR、−SO、−CONH、−SONH、−CONHR、−SONHR、−CONR及び−SONR(ここで、R及びRは、同じか又は異なっており、C1−4アルキルを表す)から選択される、1、2、3又は4個の置換基で置換されており;かつ
    −Wは、式−Y−L−Rの基であり、Rは式(X)の基であり;
    −Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、−(C=O)−、−(S=O)−、−S(O)−、−NR−、−(C=O)NR−、−NR(C=O)−、−S(O)NR−及び−NRS(O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表し;
    −(i)mが1であり、n及びpが0であり、並びに、Lは、−Alk−基を表し、ここで、Alkは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン、C1−2アルコキシ、ヒドロキシル、及び−NR’R’’(ここで、R’及びR’’は、同じか又は異なっており、水素又はC1−2アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されているC1−4アルキレン基を表すか;あるいは、(ii)mが0であり、n及びpが1であり、Lが非縮合フェニル又は5〜10員の非縮合ヘテロアリール基を表し、並びにAlkはC1−4アルキレン基を表す、のいずれかであり;
    −Rは、−COOHを表すか、あるいは、エステル基−COOR11であり、ここで、エステル基は、1種類以上の細胞内カルボキシルエステラーゼ酵素によってカルボン酸基に加水分解可能であり;
    −かつ、Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、Rは、C1−6アルキル、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は−Alk−Cyc−基であり、並びにR10は、水素あるいはC1−4アルキルである)。
  13. は水素又はハロゲン原子、あるいは−NH基を表す、請求項12に請求した化合物。
  14. は水素原子を表す、請求項13に請求した化合物。
  15. Aは、フェニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル−2,5−ジオン及びベンゾキノンから選択される基を表すか、あるいは、Aは、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオキソラニル、ジオキソラニル及びジチオラニルから選択された5〜6員のヘテロシクリル基と縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されている、請求項12から14のいずれか1つに請求した化合物。
  16. Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されている、請求項15に請求した化合物。
  17. は結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−、−(C=O)NR−又は−NR(C=O)−の基を表す(ここでRは、水素又はC1−6アルキルである)、請求項12から17のいずれか1つに請求した化合物。
  18. は、−COOH又は−COOR11基を表し、ここで、R11は、−CR121314を表し、かつ以下のようである、請求項12から17のいずれか1つに請求した化合物:
    ((i)R13は、水素あるいは式−[C1−4アルキレン]−(Z−[C1−4アルキル]又は−[C1−4アルキレン]−(Z−[C2−4アルケニル]の基を表し、ここで、a及びbは、同じか又は異なっており、0又は1を表し、並びにZは−O−、−S−又は−NR17−を表し(ここで、R17は、水素又はC1−4アルキルである)、R14は水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素又はC1−4アルキルを表し;
    (ii)R13は、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール基、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル又は5〜10員のヘテロアリール基を表しており、R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;
    (iii)R13は、式−(Alk)−NR1516の基を表し、ここで、Alkは、C1−4アルキレン基、並びに(a)R15及びR16は、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表すか、あるいは、(b)R15及びR16は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、5〜10員のヘテロアリール又は5〜10員のヘテロシクリル基を形成しており;R14は、水素又はC1−4アルキルを表し、並びにR12は水素を表し;あるいは
    (iv)R13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、さらなるフェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基と任意に縮合している、フェニル、5〜10員のヘテロアリール、C3−7カルボシクリル又は5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員のヘテロアリール、を形成し、並びにR12は水素を表す)。
  19. 11は、−CR121314を表し、かつ以下のいずれかである、請求項18に請求した化合物:
    ((i)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し;R13は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル又は−(C1−4アルキル)−O−(C1−4アルキル)基を表し;かつ、R14は、水素又はC1−2アルキルを表し;あるいは
    (ii)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し、並びにR13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって環基を形成し、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている、C3−7非縮合カルボシクリル基を形成する)。
  20. (a)式(IB)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    Figure 2010508342
    (ここで:
    −Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1、2、3又は4個の置換基で置換されており;かつ
    −Wは、式−Y−L−Rの基を表し、ここで;
    −Yは結合であるか、あるいは、式−O−、−S−、−NR−、−(C=O)−O−、−O−(C=O)−、−(C=O)NR−又は−NR(C=O)−の基を表し、ここでRは、水素又はC1−6アルキルを表し;
    −Lは−Alk−基又は−Q−Alk−基を表し、並びに−Alk−は非置換のC1−4アルキレン基を表し、Qは、非縮合フェニル環あるいは非縮合ピリジニル又はチエニル環を表し、及び、Alkは非置換のC1−4アルキレン基を表し;かつ
    −Rは、式(X)の基を表し;
    −Rは、−COOH又は−COOR11を表し、ここで、R11は、−CR121314を表し、かつ以下のいずれかであり:
    (i)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し;R13は、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル又は−(C1−4アルキル)−O−(C1−4アルキル)基を表し;かつ、R14は、水素又はC1−2アルキルを表し;あるいは
    (ii)R12は、水素又はC1−2アルキルを表し、並びにR13及びR14は、これらが結合している炭素原子と一緒になって環基を形成し、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、かつ、ハロゲン原子、並びにC1−4アルキル、C1−4アルキレン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ及び−NR’R’’基(ここで、R’及びR’’は各々、同じか又は異なっており、水素又はC1−4アルキルを表す)から選択される、1個又は2個の置換基で置換されている、C3−7非縮合カルボシクリル基を形成し;かつ
    −Rは、水素あるいはC1−6アルキル、−(C=O)R又は−(C=O)OR10を表し、ここで、Rは、C1−6アルキル、非縮合フェニル、5〜6員の非縮合ヘテロアリール、C3−7非縮合カルボシクリル又は−Alk−Cyc−基であり、並びにR10は、水素又はC1−4アルキルである)。
  21. Aは、ジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されている、請求項20に請求した化合物。
  22. は結合である、請求項20又は請求項21に請求した化合物。
  23. は、−COOH又は−COOR11を表し、かつR11は、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリル基を表す、請求項20から22のいずれか1つに請求した化合物。
  24. は、水素を表す、請求項20から23のいずれか1つに請求した化合物。
  25. (a)式(IC)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩、N−オキシド、水和物又は溶媒和物である、前記の請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    Figure 2010508342
    (ここで:
    −Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されており;
    −Alkは、C1−4アルキレン基を表し;かつ
    −R18は、水素、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルを表す)。
  26. (a)以下の式(ID)のアミノ酸誘導体又はそれらの互変異性体、あるいは(b)それらの医薬的に受容可能な塩である、請求項1から24のいずれか1つに請求した化合物:
    Figure 2010508342
    (ここで:
    −Aは、非縮合フェニル環又はジオキソラニル環に縮合したフェニル環を表し、かつ、Aは、非置換であるか、あるいは、同じか又は異なっており、ハロゲン原子、あるいは、C1−4アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ又はヒドロキシ基を表す1個又は2個の置換基で置換されており;
    −Alkは、C1−4アルキレン基を表し;かつ
    −R18は、水素、C1−4アルキル又はC3−7カルボシクリルを表す)。
  27. 18は、水素、t−ブチル又はシクロペンチルを表す、請求項25又は26に請求した化合物。
  28. 以下から選択される、前記請求項のいずれか1つに請求した化合物:
    (−(S)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
    −(S)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート;
    −(S)−2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタン酸;
    −(S)−2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタン酸;
    −(R)−シクロペンチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
    −(R)−シクロペンチル 2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタノアート;
    −(S)−tert−ブチル 2−アミノ−5−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ペンタノアート;
    −シクロペンチル 3−{6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−アラニナート;
    −シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート;
    −シクロペンチル 4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニナート;
    −(R)−2−アミノ−4−(6−アミノ−8−(6−ヨードベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルチオ)−9H−プリン−9−イル)ブタン酸;
    −(R)−2−アミノ−5−(6−アミノ−8−[(6−ヨード−1,3−ベンゾジオキソール−5−イルチオ)]−9H−プリン−9−イル)ペンタン酸;
    −4−{6−アミノ−8−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニン;かつ
    −4−{6−アミノ−8−[(6−ブロモ−1,3−ベンゾ ジオキソール−5−イル)チオ]−9H−プリン−9−イル}−L−フェニルアラニン)。
  29. ヒト又は動物の身体の治療に使用するための、前記請求項のいずれか1つに定義した化合物。
  30. 請求項1から28のいずれか1つに定義した化合物及び医薬的に受容可能なキャリア又は希釈剤を含む、医薬組成物。
  31. HSP90に介される疾患の治療又は予防に使用するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか1つに請求した化合物の使用。
  32. 上記医薬品が、癌の治療又は予防における使用のためである、請求項31に請求した使用。
  33. HSP90に介される疾患に羅患しているか、又はかかりやすい患者に、請求項1から28のいずれか1つに定義した化合物を効果的な量投与することを含む、該患者の治療方法。
  34. 上記患者が癌に羅患しているか、又はかかりやすい、請求項33に請求した方法。
  35. HSP90に介される疾患の治療又は予防に使用するための、請求項1から27のいずれか1つに請求した化合物。
  36. 癌の治療又は予防における使用のための、請求項35に記載の化合物。
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