JP2011518754A - 疎水性シリコーン樹脂が取り込まれた建築材料 - Google Patents

疎水性シリコーン樹脂が取り込まれた建築材料 Download PDF

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Abstract

高められた不透水性を有する無機マトリクス建築材料は、無機硬化性マトリクスと、該マトリクス内に実質的に均質に取り込まれた少なくとも1種の粒子状の疎水性シリコーン樹脂とを硬化させることによって製造され、その際、前記少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂は、TD樹脂、MQ樹脂、MT樹脂、MQT樹脂及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一定の特定の例においては、前記の少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂はTD樹脂である。その硬化は、高められた温度で、場合により高められた圧力で行われる。

Description

本発明は、オートクレーブ処理された建築材料であって、その中に固体の粒子状の疎水性シリコーン樹脂が均一に取り込まれた建築材料並びに前記建築材料の製造方法に関する。
慣用の無機マトリクス建築材料、例えば人造石、コンクリートブロック及び繊維強化されたコンクリート板は、風解と凍結融解による損傷を受けることがある。それらは、通常、建築材料中への吸水と建築材料を通じた吸水に関連することが知られている。例えば、平坦な透過性の天然石物質への湿分の透過は、これらの物質の膨張、亀裂を引き起こすことがあり、該建築材料の構造の最終的な変質を引き起こすことがある。水湿分は、また、微生物の侵入と侵蝕を誘発し、しばしば、見映えの良くない変色をもたらす。無機バインダーを基礎とする石工材料は、凍結/融解の条件による同じ種類の劣化を被ることがあり、こうして、スポーリング及びクラッキングとして知られることが引き起こされる。
材料の吸水のされやすさは、こうしてしばしば、より低い水害に対する耐久性、より高い透水性、より高い水移動及び/又はより低い凍結融解耐性において顕在化される。当該技術分野で強調されることは、建築材料中への吸水を抑えること又は減らすことであった。
当該技術分野において、疎水性を付与するために建築材料の表面に疎水化剤を適用することが知られており、その際、該疎水化剤は、しばしば、溶液、エマルジョンもしくは分散液として配送され、そして前記表面にコーティングもしくはシーラーとして適用される。溶剤もしくは液相は、水もしくは有機液体又はそれらの混合物であってよい。環境的見地から、溶剤もしくは連続相としては、VOC放出を避けるために水が好ましい。
石工作業、例えば石材、コンクリートブロック、レンガなどの石工作業において、水は、構造物面から水平に伝わるのみならず、モルタルと石材、レンガなどとの接合部から垂直にも伝わる。このように、建築後に表面を疎水化することは、外側表面からの水の侵入を制限するに過ぎない。垂直に伝わる水は、依然として、石工製品に進入し、風解及び/又は凍結/融解による損傷を引き起こすことがある。しかしながら、建築材料の全ての側面が建築前に疎水化されていると、疎水性コーティングは、モルタルの接着を妨げることがあり、又は引き続きプラスター、下塗り、スタッコなどの適用を妨げることがある。
米国特許第4,076,868号(Roth他)は、建築材料の清浄化とその疎水性付与のための方法を開示している。該方法は、その建築材料の表面に、疎水化剤と充填材とが混合された溶液を適用し、その溶剤の蒸発後に、充填材残留物を除去することを含む。
米国特許第5,063,087号(Eck他)は、有機基を含むポリマー性物質とアルカリ土類金属炭酸塩を有する表面との付着性を改善するための方法であって、リン含有の有機ケイ素化合物の溶液を、アルカリ金属炭酸塩を有する表面に適用し、溶剤を除去し、次いで有機基を含むポリマー性物質を処理された表面に適用する前記方法を開示している。
米国特許第4,600,657号(Wegehaupt他)は、アスファルトコンクリートの被覆方法を開示している。該方法は、ジオルガノポリシロキサンと、ジオルガノポリシロキサンの存在下にモノマーの遊離基共重合から得られるロッド形状のスチレン−n−ブチルアクリレートコポリマーとを含有する架橋性組成物を適用し、次いで、該ジオルガノポリシロキサン組成物を架橋させることで、アスファルトコンクリート上にエラストマー被覆を形成することを含む。
前記の疎水化性の表面被覆組成物もしくは表面に疎水性付与するための方法は、しかしながら、限られた使用で満たされた。これらの組成物及び方法のためには、しばしば、疎水化性の表面コーティングもしくはシーラーを適用しうる前にベースコートとしてプライマーが必要とされる。更に、プライマーもしくはベースコートが表面上に堆積される前でさえも、その表面には、水もしくは酸蒸気による又はサンドブラストによる面倒な前処理に供する必要がある。これは、建築材料がなかなか長い間にわたり大気に曝されており、こうして煤塵もしくは廃棄ガスによって汚されている場合には特に当然である。全ての前記の建築材料を疎水化するための方法は、また、複雑な調製及び適用の方法に見舞われ、また一般に曝露が延長された後に変色を受ける。疎水化の程度は、経時的に低下することもある。ベースコート適用を伴う前処理工程は、このように必然的に、これらの疎水化表面コーティングの使用をより時間を費やし、より研究に特化したものとし、そしてあまりコスト的に効率的でないものにする。
より最近では、オルガノポリシロキサン、シラン及びそれらの組合せのエマルジョンは、建築材料の外表面を疎水化するために使用されている。これらの例は、米国特許第5,661,196号(Mayer他)(建築材料上に水性エマルジョンから被覆できる自己分散性オルガノポリシロキサンを開示している);米国特許第5,962,585号(Mayer他)(アルキルアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンと塩基性窒素含有のオルガノポリシロキサンとの、乳化剤の使用により安定化された剛化クリームを開示している);米国特許第5,985,994号(Oberneder他)(縮合性基を有するオルガノポリシロキサンと、分枝鎖状アルコキシシランと、塩基性窒素を有する有機ケイ素化合物とからなる水性分散液を開示している);米国特許第6,294,608号(Hager他)(アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有する分枝鎖状のオルガノポリシロキサンと、シランもしくはアミノアルキル基を有する分枝鎖状のオルガノシロキサンとからなる乳化剤安定化された水性エマルジョンを開示している);及び米国特許第6,492,459号(Hager他)(アルコキシシランもしくはアルコキシ官能性のオルガノポリシロキサンと有機溶剤とを含有する乳化剤安定化された水性クリームを開示している)を含む。オルガノポリシロキサン樹脂は、例えば米国特許第6,492,459号では任意成分として開示されており、前記樹脂は、低粘性のシラン、オルガノポリシロキサンもしくは有機溶剤中に溶解されている。
オルガノシリコーンを基礎とする前記の組成物は、建築ファッサード、擁壁、トンネルなどの既存の石工物の疎水化において有用であると判明しているが、表面の疎水化が可能であるにすぎない。剛化クリームを伴う用途は、研究室に特化しており、前記組成物の幾つかにおける有機溶剤の存在は、VOCに対する現在の制限の観点で望ましくない。これらの組成物は、排除することはないものの、凍結融解による損傷を低下させ、長期の曝露の後に変色を受けることがある。
本発明の課題は、無機マトリクス建築材料であって、風解が最小限となり、凍結/融解サイクルへの耐久性が高められ、そして疎水化性の組成物及び方法が単純で経済的である材料を提供することである。前記課題と更なる課題は、驚くべきことに、無機マトリクスを基礎とする建築材料であって、その原材料混合物中に、少なくとも1種の固体の疎水性の粒状シリコーン樹脂が取り込まれており、その混合物は、引き続きオートクレーブ処理されることで、均一に疎水性で、まだ標準的なモルタルなどを用いて建築可能な建築材料製品を生成する建築材料の使用によって解決される。
従って、本発明は、少なくとも1種の固体の疎水性シリコーン樹脂を含有する原材料混合物から製造されたオートクレーブ処理された無機マトリクス建築材料に関する。該建築材料製品とその製造方法を、以下に議論するように幾つかの実施態様に関して記載できるが、それらに制限されるものではない。
本発明の一態様は、高められた不透水性を有する無機マトリクス建築材料であって、無機の硬化性マトリクスと、より完全に以下で記載する少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂とを、前記無機の硬化性マトリクス内に実質的に均一に、その無機の硬化性のマトリクス全体を通して高められた不透水性が実現されるように取り込まれて含有する無機マトリクス建築材料に関する。
本発明の建築製品は、以下で、"無機マトリクス建築材料"と呼ぶ。該無機マトリクス建築材料は、以下に定義される無機の硬化性マトリクスと、該無機の硬化性マトリクス内に実質的に均一に取り込まれた少なくとも1種の粒子状の疎水性シリコーン樹脂とを含む。所望される最終用途と外観に依存して、前記の無機の硬化性マトリクスは、微細な天然石材料、すなわち砂、破砕石灰石、破砕大理石、様々なケイ酸塩等と、1種以上の水硬性のセメント質の接着剤、例えばポルトランドセメント、白色セメント、アルミノケイ酸塩セメント、トラスセメント、ポゾランセメント、水ガラス等とから構成されてよい。任意の種類の水硬性セメントを含有する製品において、水の量は、セメントの量と所望の製造方法に応じて変化させることができる。このように、該製品は、オートクレーブ処理をする前に僅かに湿性のセメント質の組成物又は容易に流し込み成形できる慣用のコンクリートと同様の流体もしくは半流体の組成物を含んでよい。低い水の配合において、水硬性セメントが存在するか否かにかかわらず、いわゆる"未焼結成形体(green body)"が、一般に圧縮によって形成される。該未焼結成形体は、未硬化の製品であるが、損傷無く取り扱うのに十分な強度を保持する。建築用の石材において、例えば、未焼結成形体は、しばしば厚いブロックであり、オートクレーブ処理による硬化後に割られて、石様の表面小さいブロック又は"レンガ"を生ずるものである。幾つかの例において、前記の無機の硬化性マトリクスは、繊維強化セメント板、繊維強化セメントシートもしくはオートクレーブ気泡コンクリートの形成のための成分を含有する。全ての場合において、該製品は、高められた温度と圧力でオートクレーブ処理される。
本発明の無機マトリクス建築材料は、実質的に無機的な固化に基づくものである。一例は、石灰石と珪砂と、場合により他の成分もしくは充填材、例えば小石、骨材等を含有する硬化可能な混合物であって、一般に湿性状態で所望の形状に圧縮され、その後に高められた温度で、一般に加圧スチームを用いて硬化される混合物の調製である。かかる製品は、通常は、"人造石"もしくは"人造石製品"と呼ばれる。概略的にブロック、キューブもしくはボールの形状を有する成形体の初期製造の間に、特にオートクレーブ処理の間に、鉱物粒子は成長し、ほぼ天然石のようにともに融合する。他の工程において、セメント質の接着剤が添加され、それは最終的に硬化して高い強度の固形となる。本発明は、実質的にポリマーの使用、例えば硬化性ポリエステル、硬化性ポリウレタン系等の添加を通じて結合された無機建築製品とは区別される。かかる製品において、任意の無機的結合が起こり、該製品が一般にオートクレーブ処理に耐えられないのであれば、本発明が向けられる生成物と方法の全ての特徴は非常に小さい。
疎水性シリコーン樹脂は、マトリクスを通じて均一に分散され、好ましくは、20%以下の量の差、好ましくは10%以下の量の差が、人造石製品内の任意の2つの同等の領域間に存在するように分散されることが好ましい。均一性は、目視検査によって、実質的に異なる外観の領域が検出されないように試験でき、また切断面の様々な位置に水滴を適用し、吸水の程度を測定することによって試験できる。一般に、試験される領域の最小寸法は、面積の均一性が測定される場合に、ほぼ1cm×1cmであり、体積の均一性が測定される場合に、ほぼ1cm×1cm×1cmである。
全てに共通して、これらの製品及びそれらの製造方法は、少なくとも1種の粒子状の疎水性シリコーン樹脂が原材料混合物に添加され、オートクレーブ処理前に、かつこの方法の生産が利用される場合に未焼結成形体の製造の前に均一に分配されることである。このように、疎水性シリコーン樹脂は、均一に製品を通じて分配される。全てに共通して、これらの製品及び方法は、また、一般に湿性条件下で、例えばスチームを用いて圧力下で高温硬化である。
このように、本発明は、高められた疎水性もしくは不透水性を有する無機建築材料及び前記材料の製造方法であって、該無機建築材料が、無機硬化性マトリクスと、該無機硬化性マトリクス内に実質的に均一に取り込まれた少なくとも1種の粒子状の疎水性シリコーン樹脂とを、高められた疎水性が前記無機硬化性マトリクス内を通じて実現されるように含有するものに関する。
驚くべきことに、本発明の、充実粒子形の疎水性シリコーン樹脂を無機硬化性マトリクス中に取り込むことによる疎水化法は、製造費用を大きく削減し、様々な後処理工程の必要を無くし、そして揮発性有機化学的放出を減らすことが判明した。疎水性シリコーン樹脂は、無機硬化マトリクスに固形でそのままで提供され、該シリコーン樹脂は、アルカリ性媒体及び/又はアルカリ性温度に関連してあまり感受性でなく、より安定であることがある。また、驚くべきことに、非常に完全な疎水化は、僅かに少量の疎水性シリコーン樹脂の使用で達成できることが見出された。
当該技術分野でよく知られるように、用語"樹脂"はシリコーン化学では、他のポリマー技術分野で使用される同じ用語とは異なる内容を有する。慣用のSi−O−Si含有材料、例えばオルガノポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンであって、大部分のシロキサン単位が二官能性材料である材料とは全く反対に、本願で使用される本発明の1つ以上の実施態様によるシリコーン樹脂は、一般に固体で、高度に分枝鎖状で、かつ架橋されたポリマーであって、水中に実質的に不溶性であるが、一般にトルエンなどの溶剤中に可溶性のものである。本発明においては、疎水性シリコーン樹脂は固体であるが、固体粒子形で、又は場合により好ましさは低いが水中の、場合により少量の分散助剤(これは例えば界面活性剤、無機分散剤、例えば部分的に水で湿潤可能なシリカもしくは補助的液体連続相成分、少量の水混和性有機溶剤、例えばアルコール、ケトン及びエステルを含んでよい)と一緒の分散液としてのいずれかで使用できる。疎水性シリコーン樹脂は、周囲温度で固体であり、一般に水に不溶性である。しかしながら、その生ずるVOC放出のため、かかる補助液体相成分の使用は好ましくない。用語"固体"とは、樹脂に関しては、樹脂を含み、それはそれにもかかわらず"半固体"を説明することがあり、言い換えると極端に高い粘度の液体もしくはガムを説明することがある。
本発明の疎水性シリコーン樹脂は、Mnopqの一般式を有し、その際、M、D、T及びQは、その技術分野で認識される意味を有し、疎水性シリコーン樹脂を製造するのに使用される出発シランを反映している。これらのシラン出発材料は、樹脂製造の特定の方法に依存して、一般にクロロシランもしくはアルコキシシランである。Mシラン、Dシラン、Tシラン及びQシランの例は、それぞれR3SiX(M)、R2SiX2(D)、RSiX3(T)及びSiX4(Q)であり、その際、Xは、加水分解可能な基、一般に、クロロ、メトキシもしくはエトキシ基であり、Rは、炭化水素基、好ましくはC1〜C20−炭化水素基であり、前記基は、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル等であってよい。炭化水素基は、置換されていてよく、例えばクロロ基もしくはシアノ基によって置換されていてよく、かつ2より多くの炭素原子を有するR基の場合には、前記基は、炭化水素鎖内に挿入された非隣接のO原子もしくはN原子を含んでよい。それらの例は、2−メトキシエチル及び2−エトキシルエチル基である。
n、o、p及びqの値は、相対数として考慮でき、それらは疎水性シリコーン樹脂中のM単位、D単位、T単位及びQ単位の相対量を反映している。一般に、非常に多くの割合のD単位もしくは二官能性単位を有することは望ましくない。それというのも、これらの単位は、一般に樹脂の融点を下げ、樹脂の溶融粘度を低下させるからである。しかしながら、T単位も存在するのであればD単位の存在は好ましい。ジメチルD単位について、その量は、5%未満であり、フェニルメチルD単位の場合には、29質量%以下である。任意の場合に、D単位は、生ずる疎水性シリコーン樹脂が流体となる量で存在すべきではない。このように、好適な樹脂は、MT樹脂、MQ樹脂、TD樹脂、MQT樹脂もしくはそれらの組み合わせとして示すことができる。一定の特定の例では、少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂は、TD樹脂であるが、該TD樹脂は、残留M単位及びQ単位を同様に含んでよい。
好ましい一実施態様においては、疎水性シリコーン樹脂はTD樹脂である。TD樹脂ネットワークのD単位は、疎水性シリコーン樹脂の全質量に対して、30質量%以下の量で、好ましくは15質量%以下の量で、より好ましくは10質量%以下の量で、最も好ましくは約0.5〜4質量%の量で存在する。一般式(RSiX1.5n、特に式(RSiO1.5nの純粋なT樹脂は、結晶性であり、比較的高いガラス転移温度を有し、従って脆性の固体である傾向にある。純粋なT樹脂それ自体は、マトリクス中に均一に取り込む傾向にないので、TD樹脂と一緒に使用されない限り、本発明では有用ではない。
好ましいR基は、一般にアルカリ性加工条件下で、かつオートクレーブ処理温度で比較的安定な基である。これらの理由のため、アルキル基、好ましくはC1〜C8−アルキル基、フェニル基が好ましい。メチル基が特に好ましい。もっぱらメチルR基もしくはフェニルR基を有する樹脂は、一般に、それぞれメチル樹脂及びフェニル樹脂と呼ばれるが、一方で、メチルとフェニルの両方のR基を有する樹脂は、メチルフェニル樹脂と呼ばれることがある。C1〜C20−アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基等のより高級のアルキル基も可能である。
本発明の樹脂は、上述の式で示されていないが、残留のクロロ基及び/又はアルコキシ基を、製造方法に応じて、一般に少量で含んでよく、一般にケイ素結合されたヒドロキシ基(シラノール基)を含んでよい。少なくとも1つの特定の好ましい実施態様において、樹脂は、シラノール基を含有する。疎水性シリコーン樹脂の全質量の溶解されたケイ素結合されたヒドロキシル基の質量%に対する好ましい量は、0.001〜20.0%、好ましくは0.01〜16.0%、好ましくは0.05〜12.0%、より好ましくは0.1〜5.0%である。シラノール基の質量%は、O1/2H基で計算される。例としては、O1/2Hの0.55質量%は、1.04質量%のOHもしくは2.75質量%のSi−OHとほぼ等価である。これらの測定は、NMR(核磁気共鳴)を使用して実施できる。
少なくとももう1つの特定の好ましい実施態様において、樹脂は、アルコキシ基を含有する。疎水性シリコーン樹脂の全質量のアルコキシ基の質量%に対する好ましい量は、0.1〜20.0%、好ましくは0.5〜16.0%、より好ましくは1.0〜12.0%である。一般に、好ましい樹脂は、シラノール基とケイ素結合されるアルコキシ基の両方を含み、また、ケイ素と結合される少量の塩素を同様に含んでもよい。これらの実施態様のために、アルコキシ含有率は、O1/2Rで計算され、その際、Rは有機基を表す。例としては、O1/2Etの3.2質量%は、3.89質量%のOEtもしくは6.31質量%のSi−OEtとほぼ等価である。これらの測定は、またNMRを使用して実施することもできる。
本発明の1種以上の実施態様による疎水性シリコーン樹脂は、実質的に水中に不溶性であり、一般に有機溶剤、例えば芳香族化合物、エステル、ケトン及びパラフィン系炭化水素中に可溶性である。本願で使用され、特に記載がない限り、用語"水中に実質的に不溶性"とは、疎水性シリコーン樹脂の疎水性の範囲を指し、その際、得られる水混合物の全質量に対する疎水性シリコーン樹脂の最大質量%は平衡で好ましい順序で、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、4質量%以下、2質量%以下、又は0.5質量%以下である。一定の例では、最大質量%は、2質量%以下であり、他の一定の例では、0.5質量%以下である。
本発明の1種以上の実施態様による疎水性シリコーン樹脂は、一般に、小さい粒子の形態で、好ましくは微細粉末の形態で使用される。少なくとも1種の実施態様においては、疎水性シリコーン樹脂は、100マイクロメートル(μm)以下の平均粒度を有する粒子を少なくとも50%有する粒子形で、好ましくは100マイクロメートル(μm)以下の平均粒度を有する粒子を少なくとも約90%有する粒子系で存在する。疎水性シリコーン樹脂は、無機硬化性マトリクス中に直接的に分散され、取り込まれ、それは一定の例では、アルカリ性混合プロセスを介して様々な無機成分の混合物である。容易に均一に取り込まれる場合に、疎水性シリコーン樹脂は、無機硬化性マトリクスと直接接触し、かつ包囲され、そのままで最大の疎水性硬化が実現できる。
本発明の1種以上の実施態様による疎水性シリコーン樹脂は、好ましくは、乳化剤もしくは界面活性剤と直接的に接触されず、それらはしばしば、慣用のシリコーン顆粒を形成するためのキャリヤーに適用されるエマルジョンの調製のために必要である。これらの慣用に使用される界面活性剤は、好ましくは本発明の1種以上の実施態様による疎水性シリコーン樹脂と直接的な接触が回避され、前記剤は、アニオン系界面活性剤、例えば12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、アルカリールスルホネートもしくはスルフェート並びに長鎖のアルキルスルホネートもしくはスルフェートを含み、かつカチオン系界面活性剤、例えば8〜20個の炭素原子を有する長鎖アルキル基を含む第四級アンモニウム塩を含む。
本発明の1種以上の実施態様によれば、少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂は、無機硬化性マトリクス中に微細粉末形状でもしくは離散した粒子状形で分散される。これらの形状は、複数のシリコーン樹脂粒子の凝集から得られる慣用の造粒形であって、しばしば粒子バインダーで結合されたものとは全く異なる。少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂を微細粉末もしくは粒子状形で直接的に無機硬化性マトリクス中に分散させることによって、本発明の無機建築材料は、無機硬化性マトリクスをまたいだ疎水性シリコーン樹脂の実質的に均一な分布を実施することによって造粒物を使用するものとは区別される。
無機建築材料の疎水化における均一化の低下に加えて、造粒はそれ自体、費用のかかるプロセスであり、しばしば中間工程の間で不必要な材料損失を招く。原材料造粒化プロセスにおける、だいたい2〜5質量%のシリコーン樹脂は、そのシリコーン樹脂が最終石工製品への過程を作る前でさえも廃棄されることがある。これらの金銭的な損失は、四千ポンドの石工製品バッチについて数百ドルの量と解釈される。このように、シリコーン樹脂の造粒を回避して、粉末形もしくは粒子形でのシリコーン樹脂の直接的な使用をすることで、高められた疎水性の成果をもたらしつつ劇的なコスト削減の利点が提供される。
慣用のシリコーン樹脂製品もしくは建築材料とは対照的に、本発明の1種以上の実施態様による疎水性シリコーン樹脂は、バインダーで前処理されない。慣用のシリコーン樹脂は、しばしば、1種以上のバインダーを含有して、複数のシリコーン樹脂粒子を接着し、こうしてシリコーン樹脂の凝集された顆粒形が形成される。慣用のバインダーは、水溶性もしくは水分散性のバインダー材料と、水不溶性もしくは水非分散性のバインダー材料を含む。これらの慣用のバインダーの例は、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリカルボキシレート、ポリビニルアセテート、ビニルアセテートエチレンコポリマー及びアクリレートエステルポリマーを含む。少なくとも1種のシリコーン樹脂のバインダーによる前処理は、本発明の1種以上の実施態様によれば使用されない。それというのも、少なくとも部分的に、多くのバインダーの接着性質と皮膜形成能力は、非効率的な均一な分布のシリコーン樹脂をもたらす傾向にあり、従って疎水性に不具合のある最終石工製品をもたらすからである。付加的に、任意の量の接着剤の上であるが、それにもかかわらず建築材料中に存在するバインダーの過剰の使用は、また、水がその適用もしくは使用前に建築材料に添加される場合に、該建築材料の水化プロセスを妨げることもある。
本願で使用されるシリコーン樹脂はT樹脂でないことに留意すべきである。事実、本発明の疎水性シリコーン樹脂は、得られた建築材料に満足のいく疎水化作用をもたらす一方で、比較的少量のシリコーン樹脂しか使用されないということが見出されている。比較として、慣用のシルセスキオキサンもしくはT樹脂は、顕著な疎水化作用を奏するためには、多量に、例えば5〜10質量%で使用する必要がある。シリコーン樹脂は、比較的高価であり、従って慣用のシルセスキオキサンの大量の使用は、限られた用途で満たされる。本発明の1種以上の実施態様により説明される形状及び質量%での少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂の使用の本発明の発見は、経済的に実用的で機能的に好ましいという2点である。更に、疎水性シリコーン樹脂含有の建築材料を用いたオートクレーブ処理による硬化方法の使用は、最終製品の不透水性を、より少ない材料コストと容易な取り扱いで相乗的に実現させる。
疎水性シリコーン樹脂は、有機ケイ素化学で公知の方法によって、例えばCHEMISTRY AND TECHNOLOGY OF SILICONES,Academic Press,by Walter Noll (c) 1968に開示される方法によって製造できる。好ましい樹脂は、シラノール基及び/又はアルコキシ基を含むTD樹脂、好ましくは疎水性シリコーン樹脂SILRES(登録商標)BS1321及びSILRES(登録商標)H44(Wacker Chemie AG,ドイツ・ミュンヘン在から入手)である。
SILRES(登録商標)BS1321は、高い反応性と改善された耐熱性を有する溶剤不含のメチルシリコーン樹脂である。SILRES(登録商標)BS1321は、芳香族化合物、エステル、ケトン及び選択されたパラフィン及び塩素化炭化水素中に可溶である。示差走査熱量測定(DSC)によって測定した場合に、SILRES(登録商標)BS1321は、35〜55摂氏度のガラス転移温度を有する。SILRES(登録商標)BS1321は、周囲温度で固体のままである。
SILRES(登録商標)H44は、良好な熱安定性を有し、かつしばしば高温白熱ランプのソケットセメントのためのバインダーとして使用される粉末状のフェニルメチルポリシロキサン樹脂である。SILRES(登録商標)H44は、工業用のエチルアルコール、ブチルアルコール、アセトン、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル及びエステル中に易溶性である。SILRES(登録商標)H44は、30摂氏度以上のガラス転移温度を有する。
疎水性シリコーン樹脂は、好ましくは、無機建築材料の全質量に対して、0.001〜10質量%、より好ましくは、石材製品の全質量に対して、0.005〜8質量%、好ましい順序で、0.01〜5質量%、0.02〜4質量%、0.03〜2質量%である。前記の推奨された範囲より高い質量%における疎水性シリコーン樹脂は、繊維強化セメント製品などの特定の用途で使用できる。疎水性シリコーン樹脂のより高い濃度が使用される場合でさえも、得られた製品の過剰の疎水性に関する問題が考慮されるべきである。多量の疎水性シリコーン樹脂の使用により過剰の疎水性が付与された場合に、得られる製品は、必要とされる接着性を有さないことがあり、引き続き建築工程は不必要に困難となることがある。
疎水性シリコーン樹脂は、1種以上の補助的疎水化剤と一緒に使用されることがあり、結果として、前記の疎水性シリコーン樹脂がより少量で有用なことがある。補助的な疎水化剤は、オートクレーブ処理条件下と曝露条件下でマイグレーション不可能であるべきである。それらは、また、無機マトリクスの結合を妨げないべきである。例は、長鎖脂肪酸及びアミド等を含む。
前記と下記のように、本発明の1種以上の実施態様は、高められた疎水性を有する石材製品及び該石材製品の製造方法であって、疎水性シリコーン樹脂を、直接的に、無機硬化性マトリクス中に、最初に疎水性シリコーン樹脂を溶解させることなく混和させることによるものに関する。
驚くべきことに、本発明で使用される疎水性化する固体シリコーン樹脂が、強力な疎水化剤であるのみならず、オートクレーブ処理された製品断面にわたり均一な疎水性の度合いをもたらすことが判明した。それに対して、他の疎水化剤は、同じ成果の達成が可能であると示されていない。例えば、類似の無機マトリクス建築材料は、シリカなどの担体上に吸着された慣用のシラン疎水化剤からなる固体添加剤を使用して製造することが試みられている。表面疎水性は所望されるものより低く、かつオートクレーブ処理後の製品は、製品の中央が外側より暗い色の縞模様の外観で現れる非均一な分布を有することが示されている。同様に、吸着されたポリジメチルシロキサン流体を含有する固体添加剤、また共通の疎水化剤は、同様に不十分であった。
無機硬化性マトリクスは、1種以上の天然石、天然繊維、例えばセルロース繊維、合成繊維、例えばポリビニルアセテート、クレイ、石灰石、生石灰、灰分、セメント、ケイ酸塩、例えば珪砂、アモルファスシリカ、パーライト、バーミキュライト、雲母、ベントナイト、カオリン、スラグ、PFA(粉末化された燃焼灰)もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。無機硬化性マトリクスは、先に列記した2種以上の無機建築材料を、混合を容易にする条件下で、場合により水を十分な量で、好ましくは1〜30質量%の量で添加して混合することによって提供される。
もう一つの実施態様において、無機硬化性マトリクスは、シリカを珪砂、PFA(粉末化された燃焼灰)及び/又は他のシリカの形態の形で含有する。シリカの内包によって、得られた混合物のアルカリ性の低下が補助され、形成された製品の三次元的安定性が改善される。シリカの比表面積は特に重要である。殆どの場合に、珪砂は、ボールミルによって所望の微細さに粉砕される。珪砂は、概略的には、2000〜4000cm2/gの範囲の表面積を有する。ボールミルは、より微細な珪砂をもたらす助けになり、より微細な砂は、加工時間を減らし、結晶度を高め、圧縮強さを高め、そして収縮を減らす。
少なくともさらにもう一つの実施態様においては、無機硬化性マトリクスは、セメント及び/又は石灰石/生石灰もしくは水熱硬化反応のための所望のCaO(酸化カルシウム)を提供する他の水硬性無機バインダーを含有する。さらに、オートクレーブ気泡コンクリート(AAC)の形成の場合に、生石灰は、ガス形成のために必要な熱を生成する。
また、空気は無機硬化性マトリクス中に分散でき、又は発泡剤で細孔を生成させてもよい。多孔質セメントの他に、軽量セメントは、また、ポリマービーズ(充実もしくは中空)を、特にセメント質マトリクスに関心が持たれない、亀裂伝播中心としてはたらくポリマービーズを含有してよい。かかる亀裂伝播は、多いが小さい微小亀裂の制御された生成により生産の困難性を高める。
少なくとも1種の特定の実施態様においては、無機硬化性マトリクスは、繊維強化セメント製品等である。繊維強化されたセメント製品の形成方法は公知であり、米国特許第6,676,745号(Merkely他)に概略的に示されている。これらは参照をもってその全内容が開示されたものとする。前記の米国特許第6,676,745号は、定寸されたセルロース繊維と他の成分とを混合して、水性混合物、スラリーもしくはペーストを形成することを開示している。定寸された繊維は、セメント、シリカ、密度調節剤及び他の添加剤と混合される。その混合物は、"未焼結の(green)"もしくは未硬化の成形物品へと形成され、場合により引き続き圧縮もしくはエンボス作業が行われる。"未焼結の"もしくは未硬化の成形物品は、次いで空気硬化もしくは温度硬化される。
全ての実施態様において、疎水性シリコーン樹脂と無機硬化性マトリクスとの混合物は、高められた温度での硬化、好ましくは圧力下での硬化に供される。かかる硬化は、圧力を無視して、本願では"オートクレーブ処理"と呼ばれる。圧力下での飽和スチームは、セメントもしくはコンクリートの固化を促進するだけでなく、様々な種類の珪酸カルシウム水和物を形成する。それに対して、ケイ酸塩水和物(C−S−H)がほとんど非晶質もしくは結晶性に乏しい構造及び非晶質の形のC−S−Hである空気硬化は、一次的に水を結合するより高い親和性を有する。オートクレーブ処理されたケイ酸カルシウム水和物はたいてい、よく結晶化されている。結晶化度は、原材料、オートクレーブ処理中の硬化条件及び他の要素に依存している。一般に認められていることは、結晶化は硬化収縮を減らし、化学的な攻撃に対する耐性を高めることである。
無機マトリクス建築材料は、また、他の添加剤、例えば着色顔料、空気混和剤、界面活性剤、ワックス、脂肪酸、例えばオレイン酸、トリエタノールアミンもしくはそれらの任意の組み合わせをも含むことがある。オレイン酸とトリエタノールアミンが存在する少なくとも1種の特定の実施態様において、少なくとも幾つかのオレイン酸とトリエタノールアミンが互いに反応して、トリエタノールアミンオレエート塩を形成することが考えられる。流し込み可能性(注入性)が必要なセメントを基礎とする製品では、慣用の可塑剤及び超可塑剤並びに他のレオロジー調節剤量を添加してよい。
好適なワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、シリコーンワックス及びそれらの混合物を含む。一実施態様において、水性組成物は、酸化されたポリオレフィンワックス、例えば米国特許第6,169,148号に開示される方法によって製造されるワックスを含有する。それは、参照をもってその全内容が開示されたものとする。それらのワックスは、エマルジョンとして、例えばアニオン性ワックスエマルジョン、非イオン性ポリエチレンエマルジョン、非イオン性パラフィンエマルジョン及びアニオン性パラフィン/ポリエチレンエマルジョンもしくは粉末として、例えばポリエチレン粉末及び変性された合成ワックス粉末として提供されることがある。好ましいワックスは、アニオン性パラフィン/ポリエチレンエマルジョンである。ワックスは好ましくは使用されない。
オレイン酸を全体的にもしくは部分的に、種々の鎖長の他の脂肪酸乳化剤及び非イオン性のアルキルエチレンオキシド系の乳化剤と置き換えることができると考えられる。アニオン性と非イオン性の両方もしくはいずれかを使用できることが予想できる。さらに、トリエタノールアミンは、全体的にもしくは部分的に、ジエタノールアミン、エタノールアミン又は任意のアルキルアミン、アリールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムもしくはアルカリ性材料と置き換えることができると考えられる。任意の好適なアルカリ性材料を使用できると予想される。
任意の好適な殺生剤を使用できると考えられる。1つのかかる好適な殺生剤は、水溶性殺生剤を含む。殺生剤は当該技術分野でよく知られており、しばしば、例えば浴室シャワーなどの湿ったもしくは湿潤の環境のためのタイル接着剤及び接合モルタルにおいて使用される。
少なくともさらなるもう一つの実施態様においては、該建築材料混合物は、水で希釈され、得られた希釈された混合物は圧縮されて、固体材料の薄層が形成される。典型的な圧縮及びシート化プロセスにおいて、回転型篩別シリンダは、薄層の固体材料を回収する一方で、殆どの(過剰の)水は、篩いのワイヤメッシュを通過する。全ての様々な篩別シリンダの薄層がフェルト上に回収され、それは1分間あたり230〜400フィートの例示速度で運転される。シート厚さは、自動システムによって制御され、それは、シート化槽に進む希釈された混合物の密度とフェルト速度に影響を及ぼす。これらのシートは平坦を保つか、又は波形となることがある。該シートは、積層もしくは単層のシートプレス中で圧縮されて、その強度が高められ、かつ凍結融解耐性が高められることがある。
本発明のもう一つの態様は、高められた不透水性を有する無機マトリクス建築材料を形成するための方法に関する。該方法は、少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂及び無機硬化性マトリクスを混合して建築材料混合物を形成することと、該混合物を熱と、場合により高められた圧力下で、前記疎水性シリコーン樹脂が実質的に前記無機硬化性マトリクスに均一に取り込まれるように硬化させることを含む。少なくとも1種の実施態様において、該方法は、更に、混合工程前に、2種以上の建築材料成分を合することにより無機硬化性マトリクスを提供することを含む。その混合は、好ましくは、1.5〜12時間の時間内で実施される。混合後に、無機硬化性マトリクスは、該疎水性シリコーン樹脂が無機硬化性マトリクス中に混合した場合に安定なままとなるほど十分に冷却される。該混合は、場合により、水の累積的添加で容易になるが、水の全量は、無機硬化性マトリクスの全質量に対して、2〜30質量%である。水は、材料マトリクス内に含まれる石灰石もしくは生石灰を水和するために添加される。混合工程は、更に添加剤を該混合物に混加することを含み、その際、該添加剤は、概略的には、着色顔料、空気混和剤、補助的な疎水化剤もしくはそれらの任意の組み合わせを含む。
一実施態様においては、疎水性シリコーン樹脂は、2種以上の反応性の建築材料成分を合して無機硬化性マトリクスを形成させる時間後に添加される。事実上の熱量は、無機硬化性マトリクスの形成を通じて発生し、例えば珪砂及び石灰石を水と合した場合に発生することがあり、かつ該シリコーン樹脂は、好ましくは、発熱反応によって達成される温度でのアルカリ性攻撃を避けるために後に添加される。材料マトリクスが形成される間であって、疎水性シリコーン樹脂もしくは添加剤が添加される期間は、広範に変動することがあり、例えば0.1〜30分、好ましくは0.5〜20分、より好ましくは1〜15分であってよい。他の添加剤を、また、無機硬化性マトリクスが形成された後に添加でき、場合により、疎水性シリコーン樹脂の添加と共に添加できる。
概略的なオートクレーブ処理の方法は、Dietz他("Calcium Silicate Hydrate in Fiber Cement Sheets and Autoclaved Aerated Concrete (AAC)";7th International Inorganic−Bonded Wood & Fiber Composite Materials Conference;September 25−27,2000;Sun Valley,Idaho,USA)において示されていてよく、その方法の一般的概要が提供されており、その参照をもって全内容が開示されたものとする。
硬化は、好ましくは、150〜250摂氏度、より好ましくは190〜210摂氏度の温度で生ずる。好ましい実施態様において、硬化は、100〜250psi、より好ましくは150〜200psi、最も好ましくは170〜180psiの圧力下で生ずる。硬化は、好ましくは、スチームの存在下で実施される。
一般に、硬化の前に、混合物を予定された形状及び/又は形態へと応力下に圧縮する。セメント不含の及び低セメントの配合物では、この形態は、通常は、硬化前には高い強度を有さず、"未焼結成形体"と呼ばれる。硬化後に、特に熱、圧力及び湿分の存在下での硬化後に、上述のように、極めて高い強度の建築材料が得られる。
本発明は、オートクレーブ処理された建築製品に関して説明しているが、それはまた、一般に、室温及び圧力下に硬化される無機建築製品に適用できる。これは、硬化の間に発熱を示す製品、例えば多量の水硬性セメント、石灰などを含有する組成物であって、特に大きな体積の形態において、樹脂の軟化点近くもしくは軟化点より高い温度に達することがある組成物の場合に言えることである。疎水性シリコーン樹脂の使用は、一般に、無機系の建築製品に適用できる。
本発明を一般的に説明したので、更なる理解をある特定の実施例を参照することで得ることが可能であり、この実施例は本明細書において説明の目的のためだけに提供されるものであり明記されていなければ制限する意図はないものとする。
実施例1 − 人造石
石灰石と、砂と、水とのプレブレンドを調製する。その間に、かなりの熱が放出される。その際、生成物は、様々な量のケイ酸カルシウムと、ことによると未反応の砂及び/又は消石灰を含有する。SILRES(登録商標)BS1321を、石灰石と砂の前記プレブレンドへと、着色顔料及び十分な量の水と一緒に添加して、該材料が成形型内で取り扱い可能な未焼結成形体ブロックを製造するために圧縮できることを保証する。圧縮前に、それらの成分をミキサー中で、約4〜6分にわたりブレンドする。ブロックを作製したら、そのブロックを、ほぼ9時間にわたり、163〜177摂氏度の温度及び125psiの圧力でオートクレーブ処理に供する。疎水性シリコーン樹脂の最適な添加量は、0.05〜1.5質量%で変動する。最適な特性は、3.6lbsのシリコーン樹脂を4000lbsの珪酸カルシウムについて用いた場合に達成された。
実施例2 − 繊維セメント板
所望の量のSILRES(登録商標)BS1321を、繊維セメントスラリーの質量に対して、例えばセルロース繊維、フライアッシュ、炭酸カルシウム及びセメントのスラリーに対して、20〜23質量%の水中の固体のコンシステンシーで添加し、約15分にわたり混合する。該セメントスラリーを水で7質量%の固形分にまで希釈する。該希釈されたスラリーに、アニオン系のポリマー凝集助剤と消泡剤を添加して繊維セメント固体を生成させる。該繊維セメントを、形成し、圧縮し、約8〜9時間にわたり100%の湿度で62摂氏度の温度で、乾燥させて、例えばシート状の成形体とする。乾燥させたら、該繊維セメントシートを、全体で9時間にわたり、100〜150psiの圧力及び148〜177摂氏度の温度でオートクレーブ処理に供する。樹脂使用量は、繊維セメント製造によって要求される物理性能と水性能のレベルに応じて0.01〜2質量%で変動しうる。
実施例3 − シリコーン樹脂で含浸された成形石材製品
無機硬化性マトリクスの形成のために、砂をコンベアに載置して、そこに水を添加する。シリカと石灰石を追加の水とともに添加する。該材料マトリクスを80トン反応器に入れて、10時間の期間にわたり石灰石を水和させる。瞬間的なマトリクス形成プロセスは、アルカリ性の性質を与えてよく、事実上の熱量は、また並行して生成することもある。このアルカリ性前混合工程の後に、疎水性シリコーン樹脂は、以下に詳細に説明するように添加される。
次いで、4000lbのバッチにおいて、シリカと石灰石の混合物は、グラインダを通り、混合容器に落ちる。種々の量の疎水性シリコーン樹脂SILRES(登録商標)BS1321をそれぞれのバッチに添加する。この混合物を3分間にわたり徹底的に混合する。1000トンのプレスを使用して、ブロックを形成し、それらを次いでオートクレーブ支援の硬化に供する。該硬化は、350Fの温度で160psiの圧力のスチームを用いて実施される。該硬化は、約9時間行われる。2"×2.75"×2.75"の寸法の疎水性シリコーン樹脂の様々な負荷量を含有するブロック試験体を、以下に示される凍結/融解手順に供する:
1) 試験体を、強制通風炉中で数日にわたって妥当な温度で乾燥させて、すべての湿分を除去する。この場合に、試験体は、週末の間50摂氏度の炉内に置く。
2) 試験体を炉から取り出し、室温に戻し、1/2インチの水を有するトレイに入れる。この1/2インチの水準を4.5時間にわたり室温で保持した。そして該トレイを次いで、約20時間にわたり0〜−20摂氏度で凍結チャンバ中に入れる。
3) そのトレイを取り出し、室温の水の融解タンク中で4.5時間にわたり置く。トレイ中の水準を1/2インチで凍結/融解サイクルの間保持する。トレイを融解タンクから取り出し、20.5時間にわたりフリーザーに戻し、こうしてもう一度凍結融解サイクルを開始する。該トレイは、融解タンクに完全に浸されておらず、ただ該トレイの側部を温めるのに十分に浸されている。
4) 通常の週間労働時間にわたる最後の凍結/融解サイクルの後に、試験体を水のトレイから取り出し、均等な乾燥を促進するためにワイヤラック上で室温で68時間にわたり貯蔵する。空気乾燥後に、試験体を剛性ブラシでブラッシングして、全ての緩い材料を除去する。
5) 4回の凍結/融解イベントで1"サイクル"を構成する。1サイクルの完了後に、1グループにつき2つの試験体ブロックを、圧縮強度について試験し、このプロセスを3サイクルにわたり継続する。記録されたデータを第I表にまとめる。負荷量は、4000lbsの全石材製品あたり3.6lbsのシリコーン樹脂と、4000lbsの全石材製品あたり10lbsのシリコーン樹脂と、4000lbsの全石材製品あたり20lbsのシリコーン樹脂である。
第I表 − 様々な負荷量の疎水性シリコーン樹脂の試験体での圧縮強さの評価
Figure 2011518754
こうして製造されたブロックは、全体を通して均一な色を有し、これは、疎水性シリコーン樹脂の均一な分布を示している。しかしながら、該ブロックは、該ブロックが慣用のモルタルに接着性であるほど十分に表面透過性を依然として含むため、非慣用的技術を用いずに建築において使用できる。比較すれば、シリカ上に吸着された疎水化剤を原料混合物中に混合することによってマトリクスを通じて均一に分布されたシランもしくはシリコーン流体の使用は、ブロックの外側から内側まで大きく観察できる色変化を有し、かつ内側と外側との間で疎水性及び透水性において大きな差異を示すブロックをもたらす。
実施例4
繊維強化されたコンクリート混合物は、砂、骨材、ポルトランドセメント及び約2質量%のセルロース繊維から形成される。該混合物中に、0.1質量%のシリコーン樹脂が粒子形状でドライブレンドされる。十分な量の水を添加することで、流体混合物を形成し、それを流し込みで約0.8cm厚のシートとし、硬化させる。そのシートを、次いで5時間にわたりオートクレーブ処理して、均一に疎水性の無機マトリクスシートを作製する。
実施例5
実施例4の方法に従うが、但し、シリコーン樹脂は乾式成分中にドライブレンドせずに、流体混合物の形成に必要な水の全てもしくは一部中の固体樹脂粒子の分散液としてそれを添加する。
実施例6
軽量セメント製品は、慣用の原材料混合物からフライアッシュを取り込むことで製造して、硬化された製品を多孔質かつ軽量にする。乾式成分中に、0.2質量%の固形分、特にシリコーン樹脂をブレンドし、そして水を添加し、徹底的に混合して、液状の流し込み可能な製品を作製する。硬化可能な混合物を、付形されたブロック成形型中に注入し、硬化させ、次いで6時間にわたりオートクレーブ処理する。均一に疎水性の軽量セメントブロックが得られる。
実施例7
前記の実施例の工程に従うが、フライアッシュの量を低減もしくは排除する。空気を前記の流体の硬化性混合物中に激しく混入させ、次いで流し込みをしてブロックとする。該ブロックを、次いで5時間にわたりオートクレーブ処理して、多くの空気充填された細孔を含む均一に疎水性のブロックを作製する。
実施例以外は、又はその他に明白に記載されている箇所以外は、本明細書において材料の量又は反応及び/又は使用の条件を示す全ての数値は、そのままで、そして本発明の最も広い範囲を説明する際に"約"との用語で修正されて理解されるべきである。記載した数的な限定内での実施は一般的に好ましい。また、明白に相反することが挙げられていない限り:パーセント、"部"及び比の値は重量によるもので、用語"ポリマー"は"オリゴマー"、"コポリマー"、"ターポリマー"及び類似物を含む;本発明の関連において所定の目的のために適するか又は有利である材料のグループ又は分類の説明は、このグループ又は分類の任意の2つ以上の種類の混合物が均等に適するか又は有利であることを示唆する;化学用語での構成要素の説明は、本明細書において明記された任意の組み合わせに対する添加の際の構成要素を指し、必ずしもひとたび混合された混合物の前記構成要素間での化学的相互作用を排除するものでない;かつ頭字語又はその他の略語の最初の定義は、同様の略語の本発明における全ての引き続く使用に適用し、必要な変更を加えて、この本来定義された略語の通常の文法上の変形にも適用する。
本発明の実施態様を概説及び説明したが、それはこれらの実施態様が本発明の全ての可能な形態を概説及び説明することを意図するものではない。むしろ、本願明細書で使用される用語は、説明を目的とするもので制限するものではない。そして、様々な変更は、本発明の主旨と範囲を逸脱しなければなされてもよい。

Claims (16)

  1. 高められた不透水性を有する無機マトリクス建築材料であって、無機硬化性マトリクスと少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂とを含有し、前記樹脂は、前記無機硬化性マトリクス内で実質的に均一に取り込まれており、こうして高められた不透水性が無機硬化性マトリクスを通じて実現されている無機マトリクス建築材料において、前記疎水性シリコーン樹脂がTD樹脂、MQ樹脂、MT樹脂、MQT樹脂もしくはそれらの任意の組み合わせであり、かつ前記建築材料が、前記疎水性シリコーン樹脂の融点より高い温度でオートクレーブ処理されている無機マトリクス建築材料。
  2. 少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂がTD樹脂である、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  3. 疎水性シリコーン樹脂が、周囲温度で固体である、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  4. 疎水性シリコーン樹脂が、少なくとも1つのシラノール基、アルコキシ基もしくはそれらの組み合わせを有する、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  5. 無機硬化性マトリクスが、繊維強化されたセメント板、繊維強化されたセメントシートもしくはオートクレーブ気泡コンクリートの形成用の成分を含有する、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  6. 疎水性シリコーン樹脂が、建築材料の全質量に対して、0.1〜2質量%の量で存在する、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  7. 無機硬化性マトリクスが、珪酸カルシウムを含有する、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  8. 疎水性シリコーン樹脂濃度が、建築材料断面を通じた任意の2つの同等の領域の間で20%を超える割合だけ変動せず、こうして疎水性シリコーン樹脂が無機硬化性マトリクス内で実質的に均質に分布している、請求項1に記載の無機マトリクス建築材料。
  9. 高められた不透水性を有する無機マトリクス建築材料の製造方法において:
    a)少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂と無機硬化性マトリクスとを混合して、硬化可能な混合物を形成させる工程、
    その際、前記少なくとも1種の疎水性シリコーン樹脂は、TD樹脂、MQ樹脂、MT樹脂、MQT樹脂及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
    b)前記硬化可能な混合物を成形体へと変形させる工程、
    c)前記硬化可能な混合物を加熱しつつ、場合により高められた圧力で硬化させて、均一に疎水性の無機マトリクス建築材料製品を形成させる工程
    を含む無機マトリクス建築材料の製造方法。
  10. 少なくとも1種のシリコーン樹脂がTD樹脂である、請求項15に記載の方法。
  11. 硬化工程をオートクレーブ中で実施し、こうして成形体が加熱しつつ高められた圧力下でオートクレーブ処理され、均一に疎水性の建築材料が形成される、請求項15に記載の方法。
  12. 更に、工程(a)前に、(d)無機硬化性マトリクスを提供する工程を含み、その際、前記無機硬化性マトリクスは、前記疎水性シリコーン樹脂が、無機硬化性マトリクスに添加された場合に安定なままであるほど十分に冷却される、請求項15に記載の方法。
  13. 無機硬化性マトリクスが、繊維強化されたセメント板、繊維強化されたセメントシートもしくはオートクレーブ気泡コンクリートの形成用の成分を含有する、請求項15に記載の方法。
  14. 無機硬化性マトリクスが珪酸カルシウムを含む、請求項15に記載の方法。
  15. 混合工程が、更に、着色顔料、空気混和剤、シリコーン樹脂以外の補助疎水化剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を混合することを含む、請求項15に記載の方法。
  16. 成形体が未焼結成形体である、請求項15に記載の方法。
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