JP2011518021A - 一時的瘻孔用器具 - Google Patents

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Abstract

腹壁を通って腸内へと延在するカテーテルを含む、一時的瘻孔用器具が、開示される。カテーテルは、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルであり得る。回盲弁を通って延在するカテーテルの一部は、カテーテルが空の時、委縮可能となる。委縮部分は、流出物の通過を可能にするように拡張する。カテーテル上に担持されるバルーンは、バルーン壁材料の弾性的伸張を伴わずに、膨張を可能にするための形状およびサイズで予形成される。フィラメントが、手術用縫合糸またはテープルによって、カテーテルの一部を内部身体組織に締結させるために提供される。さらなる手術を伴わずに、締結を解除するために、フィラメントは、身体外側の近位部分を引っ張ることによって引き抜かれる。

Description

本発明は、腹壁を通って腸内へと延在するためのカテーテルを含む、一時的瘻孔用器具に関する。本発明は、排他的ではないが、特に、腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する、経盲腸器具を対象とする。
一時的に小腸から流出物を排出し、大腸内の下流部位における分析、修復、および/または治療を可能にするために、一時的回腸造瘻術が望ましいとされる、多くの機会が存在する。典型的には、一時的回腸造瘻術は、2つの外科手術を伴う。すなわち、(i)一時的回腸瘻孔迂回路を生成するために、腹壁および腸壁が開口されている間の結腸切除と、(ii)流出物のための正常腸経路を回復するために、腸壁および腹壁内の開口部を閉鎖する後の閉合手術(開腹術)。第2の手術は、通常、第1の手術の約4乃至6ヶ月後に行なわれる。しかしながら、2つの深刻な外科手術の組み合わせは、高疾病率および死亡率の問題をもたらし、2つのそのような深刻な手術の費用は、非常に高額である。その危険性および費用は、一時的回腸瘻孔が、あらゆる症例に広範囲に使用されるものではないことを意味する。また、多くの患者にとって、第2の深刻な手術は、一時的瘻孔を永久的瘻孔にする危険性が非常に高い。
特許文献1は、これらの問題を解決するために意図される経盲腸回腸瘻孔セットについて記載している。そこでは、単回初期外科手術のみ必要とされる。手術の際、大腸を処置するために、カテーテルが挿入される。カテーテルは、切開から腹壁を通って身体内へ、次いで、大腸壁内に生成された切開を介して腸へと侵入し、回盲弁を通って小腸内へと延在する。特許文献1の特徴は、例えば、除去するための第2の外科手術を必要とする縫合糸または手術用ステープルによって、カテーテルが、直接、腸に締結または密閉されないことである。代わりに、カテーテルは、回盲弁の両側に1つずつ、2つの膨張可能バルーンを有する。小腸側の遮断バルーンは、小腸を閉塞し、流出物をカテーテル内に迂回させる。大腸側の固定バルーンは、カテーテルを大腸に対して固定する。バルーン構造の開示はないが、恐らく、バルーンが拡張するにつれて伸張する薄弾性材料を使用する従来のものであろう。生体内分解性ループが、大腸壁内の開口部の周囲を回周し、患者の腹壁外側のプラスチックホルダに締結される。ホルダは、カテーテルの周囲の大腸壁内の開口部を縮窄し、腹壁に対して大腸壁を引き寄せるために、ループを緊締するための回転部品を含む。カテーテルを除去するには、バルーンを収縮させ、手術を伴わずに、カテーテルを抜き取り可能である。次いで、生体内分解性ループは、さらに緊締され、大腸壁内の切開を閉鎖するように縮窄される。
欧州特許第1779823号明細書
その特性を向上させるために、一時的瘻孔用器具をさらに改良することが望ましいであろう。
本用途の一側面は、回盲弁に着座するように意図される委縮可能カテーテル部分を伴う、経盲腸カテーテルを提供する。好ましくは、カテーテルは、委縮可能カテーテル部分の両側に、非委縮カテーテル部分を含む。委縮可能部分は、非委縮部分より薄い壁材料から成り得る。
そのようなカテーテルの利点は、回盲弁を通過し、そこに着座する全体的非委縮カテーテルと比較して、回盲弁への損傷の潜在的危険性を低減することが可能であることである。
本発明の別の側面は、膨張可能バルーンを伴う、一時的瘻孔用器具のカテーテルを提供することである。カテーテルは、任意に、経盲腸カテーテルであり得る。膨張可能バルーンは、その形状においてバルーンの壁材料が弾性的に伸張しないように、予膨張形状に形成(例えば、成形)された可撓性材料から成る。使用の際、バルーンは、予膨張形状(または、それより小さい)サイズまで膨張するように意図される。バルーンは、欧州特許第EP−A−1779823号で使用されるような遮断バルーンおよび/または固定バルーン、あるいはカテーテルのある他のバルーンであり得る。
そのようなバルーン構造の利点は、一般に、膨張に逆らって作用するであろう弾性材料中の弾性復元力を克服する必要がないため、概して、より低い膨張圧がバルーン内部で使用可能であることである。また、周囲身体組織に印加される力は、膨張圧に等しいため、概して、より予測可能であり制御可能である。バルーン内側にかかる圧力を低減することによって、粘膜組織にかかる潜在的に有害な圧力が最小限となる。
本発明の別の側面は、内部身体組織と一時的瘻孔用器具のカテーテルとの間の縫合糸および/またはステープル接続を容易にし、さらなる手術を伴わずに、接続を選択的に解放可能にすることに関する。カテーテルは、経盲腸カテーテルであり得る。本発明の本側面は、カテーテルの近位部分から延在し、それぞれの小環間の少なくとも1つのブリッジ特徴として延在するように露出される、フィラメントを提供する。縫合糸/ステープルは、フィラメントの本ブリッジ特徴に締結され得る。後に、接続の解除を所望する場合、フィラメントは、カテーテルの近位部分から引っ張ることによって、小環から引き抜かれる。本側面は、カテーテルの一部と内部身体組織との間の密閉形成または締結のために、独立して、あるいは膨張可能バルーンと組み合わせて、使用され得る。
本発明のいずれの側面においても、カテーテルは、腹壁を通って身体外へ貫通する、近位部分を含み得る。
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、好ましい実施形態の以下の説明から明白となるであろう。以下の特徴のいずれも、省略、混合、および任意の順で組み合わせられてもよい。強調が置かれているかどうかにかかわらず、本明細書に記載および/または図面に例証される、いずれの新規特徴または発想に対しても、保護が請求される。
図1は、体内経盲腸回腸瘻孔用器具の形態の一時的瘻孔用器具の第1の実施形態を示す、概略断面図である。 図2は、委縮状態のカテーテルの第2の部分を示す、概略断面図である。 図3は、流出物を通過させるために拡張するカテーテルの第2の部分を示す、概略断面図である。 図4は、カテーテル上の特大バルーンを示す、概略断面図である。 図5は、カテーテル壁内の補強要素を示す、概略断面図である。 図6は、経盲腸回腸瘻孔用器具の形態の一時的瘻孔用器具の第2の実施形態を示す、概略断面図であって、手術用縫合糸またはステープルへの締結を選択的に解放可能である。 図7は、一時的瘻孔用器具の第3の実施形態を示す、概略断面図である。 図8は、一時的瘻孔用器具の第4の実施形態を示す、概略断面図である。
同一参照番号は、各実施形態において、類似または同等特徴を表す。欧州特許第EP−A−1779828号に記載の経盲腸回腸瘻孔セットの基本詳細を参照する(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)。
図1を参照すると、一時的瘻孔用器具の第1の実施形態は、腸の回盲弁12を通して挿入されるように意図されるカテーテル10を備えている、経盲腸回腸瘻孔用器具である。カテーテル10は、回腸16内に受容されるように意図される第1の遠位部分14と、回盲弁12に着座するように意図される第2の部分18と、大腸22内に受容されるように意図される第3の部分20と、腹壁24を貫通するように意図される第4の部分25と、身体外に延在するように意図される第5の近位部分26とを含む。カテーテル10は、例えば、シリコーンおよび/またはポリウレタンを含む、任意の好適な材料から成る。
膨張可能遮断バルーンまたはカフ30が、任意に、回腸16を閉塞し、カテーテル10の排出管腔34内への開口32を通して流出物を迂回させるために、第1の遠位部分14に提供される。遮断バルーン膨張管腔36は、遮断バルーン30の膨張および収縮のために、遮断バルーン30と連通する。加えて、または代替として、固定バルーン40が、任意に、大腸22に対してカテーテル10を確実に設置するために、第3の部分20に提供される。固定バルーン膨張管腔42は、固定バルーン40の膨張および収縮のために、固定バルーン40と連通する。
バルーン30、40は、弾性的に拡張可能であり得るが、バルーン30、40のうちの少なくとも1つは、好ましくは、使用の際、実質的に非伸張性であるようにされる。図4を参照すると、それぞれのバルーン30、40は、バルーン30、40によって充填される所望の量と少なくとも同じ大きさの形状およびサイズへと、可撓性材料によって予形成(例えば、予成形)される。カテーテル10の挿入に先立って、バルーン30、40の材料は、委縮形態に折りたたまれる。カテーテル10が体内に挿入され、バルーン30、40が膨張されると、バルーン30、40は、材料の弾性的伸張を伴わずに拡張する。バルーン30、40は、実質的に非弾性材料から成ってもよく、またはバルーン30、40は、使用の際、材料が伸張しないように十分に大きな形状に予成形される、弾性材料から成り得る。一形態では、バルーン30、40は、バルーン30、40によって充填される容積のサイズおよび形状より大きく形作けられる。
バルーンのそのような構成の利点は、バルーンを膨張させるために必要とされる膨張圧が、概して、バルーンが弾性的に拡張する場合より小さいことである。より小さい膨張圧は、周囲身体組織に印加される過剰圧力の危険性を低減させるため、非常に有利である。これは、例えば、バルーン材料が伸張するにつれて、弾性復元力を克服するために、さらなる膨張圧が必要とされる、欧州特許第EP−A−1779823号においてとられる従来の弾性的に拡張するバルーンと対照的である。しかしながら、膨張圧が増すにつれて、周囲粘膜組織に印加される過剰圧力の危険性も増す。本発明で使用される構成は、遮断バルーン30または固定バルーン40のいずれに対しても有益であるが、流出物の通過を遮断するために、回腸16を充填および密閉することが望ましい遮断バルーン30に対して、特に有利であると考えられる。
一特定の形態では、バルーン30は、回腸16のサイズの少なくとも120%または回腸16のサイズの少なくとも150%等、回腸16より大幅に大きくされる。一形態では、バルーン30は、20mmの最小膨張直径を有し得る。使用の際、バルーン30は、バルーン30が、バルーン材料を伸張させずに、自由空間に留まるであろうサイズに満たない、組織に対して安全であると判断される特定の圧力まで、回腸16内で膨張される。バルーン壁は、バルーン30が襞を有し、依然として、完全膨張サイズに満たず、かつバルーン壁の弾性または塑性変形を伴わずに、回腸16の壁に対して良好な密閉を発揮するように十分に薄い(例えば、約100ミクロン以下)。図4に示されるように、特大バルーン30は、特大サイズに成形された結果、皺状表面46を有し得るが、材料の薄さによって、腸壁と良好な密閉接触が確実となる。
図1−3および5を参照すると、本実施形態の別の特徴は、回盲弁12に着座するカテーテル10の第2の部分18が、少なくとも部分的に委縮するようにされることである。これは、概して、自己維持型の中空管状形状を有する、隣接する第1の部分14および第3の部分20と対照的である。第2の部分18の委縮性によって、回盲弁12は、流出物が通過しない時、より狭窄した形状をとることが可能である(図2)。流出物の通過時、第2の部分18は流出物(図3)によって拡張するように強制され、第1の部分14から第3の部分20へと流出物を通過させ、回盲弁12を開口する。したがって、本構成は、(i)閉塞の危険性を伴わずに、流出物の良好な排出のために、比較的に大型サイズのカテーテル10の使用可能性を提供し、(ii)カテーテル10の存在によって、回盲弁12が継続的に完全または実質的に膨満されることを回避し、および(iii)流出物の通過に応答して、回盲弁12の略正常な収縮および拡張サイクルを維持する。そのような構成は、回盲弁12への損傷の潜在的危険性を低減させ得ると考えられる。そのような構成は、回盲弁をカテーテルサイズまで継続的に膨満させるカテーテルによる回盲弁への損傷の潜在的危険性に関して、カテーテルサイズの観点から特有の設計制限がある、欧州特許第EP−A−1779823号の設計と対照的である。
第2の部分18は、隣接する第1の部分14および/または第3の部分20と比較して、壁厚を薄くすることによって(図5)、少なくとも部分的に委縮するようにされ得る。例えば、第2の部分18は、隣接する部分14、20と同一外径であるが、第2の部分18が形状において低自己維持型であるように、大幅に薄い壁厚を伴うように定寸され得る。これによって、第2の部分18は、カテーテル10が空の時、少なくとも部分的に委縮可能となり、それによって、回盲弁12に印加される圧力を軽減する。
一形態では、第2の部分18は、流出物の通過時、少なくとも約1cm、好ましくは、少なくとも約1.2cmの外径まで拡張可能である。好ましくは、そのような拡張は、カテーテル壁材料の延長または伸張を伴わない。第2の部分18は、空の時、直径1cm未満まで委縮可能である。好ましくは、そのような委縮は、カテーテル壁材料の圧縮を伴わない。
図5を参照すると、本実施形態の別の好ましい特徴は、特に、委縮する第2の部分18における(実装される場合)、1つ以上の耐よじれ要素44の提供(任意)である。カテーテル10は、回盲弁12を貫通する場所で委縮可能であることが望ましい一方、少なくとも委縮する第2の部分18(および、任意に、他のカテーテル部分のうちの1つ以上または全部)は、大幅な屈曲またはよじれに抵抗することが好ましい。そのような屈曲またはよじれは、カテーテル10の閉塞をもたらし得る。耐よじれ要素44は、カテーテルの直径より直径が小さいが、大幅な屈曲に抵抗するような長くかつ薄い補強要素であるか、またはそれを備え得る。
再び図1を参照すると、本実施形態の別の特徴は、1つ以上の流体導入管腔50、52の提供(任意)である。流体管腔50は、任意に、回腸16内のカテーテル10の遠位部分14への洗浄剤、薬剤、造影剤、または他の流体の導入を可能にする。これは、漏出を検出し、廃物の排出を改善し、または治療用薬剤を導入するために使用可能である。流体管腔52は、任意に、大腸22内のカテーテル10の第3の部分20への洗浄剤、薬剤、造影剤、または他の流体の導入を可能にする。これは、漏出を検出し、大腸22による水の吸収によって水和を改善し、または治療用薬剤を導入するために使用可能である。所望に応じて、管腔50、52の一方または両方が、提供あるいは省略され得る。
本実施形態の別の特徴は、カテーテル10内に1つ以上の放射線不透過性特徴の提供(任意)である。放射線不透過性特徴は、例えば、蛍光透視法を使用して、定位置に置かれると、カテーテル10の位置の非侵襲的検出を可能にする。好ましくは、放射線不透過性特徴は、他の組織特徴を継続して観察可能であるように、カテーテル10の全範囲を不明瞭にしない。例えば、放射線不透過性ライン60は、略縦方向または螺旋状に延在し得る。バルーン30、40等のある特徴を示すために、特定の形状62が、組み込まれ得る。
本実施形態の別の特徴は、臨床医に情報を提供するための1つ以上のセンサの提供(任意)である。例えば、センサ70は、廃物路内の屈曲またはよじれを検出するためのひずみセンサ、廃物の流量を検出するための流量センサ、温度センサ、組織への潜在的圧力損傷の危険性を低減するように、圧力を検出するための圧力センサのうちの1つ以上等、第1から第4の部分のいずれかにおいて、カテーテル10の内部パラメータを検出するために、カテーテル10上または内に提供され得る。そのようなセンサ70は、本質的に電子式であって、電子出力信号を発生し得、またはそうでなくてもよい。また、1つ以上のセンサ70は、カテーテル10の第5の部分26、および/またはカテーテル10に連結される廃物収集システム内に含められ、流出物の流量および/または重量等のパラメータを監視し得る。
本実施形態の別の特徴は、カテーテル10内のアクセスポート80の提供(任意)である。アクセスポート80は、カテーテルの排出管腔34と連通し得る。アクセスポート80は、小腸(回腸)16および/または大腸22内への他のカテーテル様デバイスの遡及的導入を可能にし得る。これは、臨床評価または治療のために、一時的に、内視鏡等のより大きなシステムの導入を可能にする。2つ以上のアクセスポート80が提供されてもよく、アクセスポート80は、カテーテル10の異なる管腔と連通し得る。
本実施形態の別の特徴は、カテーテル10の近位端を終端し、収集パウチ94に解除可能に連結するための連結部品92を担持する、インターフェースデバイス90の提供(任意)である。解除可能連結は、接着連結、または機械的係合連結、あるいは磁気連結であり得る。連結部品92は、連結フランジを含み得る。インターフェースデバイス90を除去し、カテーテル10に支障を来たすことなく、瘻孔連結が分離され得るように、連結部品92は、インターフェースデバイス90に可撓性に、あるいは可撓性または浮動接続を介して、締結される。収集パウチ94は、従来の瘻孔パウチであるか、あるいは本実施形態のために特別に設計または構成されたパウチであり得る。
代替形態では、インターフェースデバイス90は、カテーテル10が、腹壁24に対して、内向きまたは外向きに移動しないように防止する、クランプ(図示せず)と置換され得る。任意に、クランプは、接着または縫合を通して皮膚に固定可能である。代替として、カテーテルバルーン30、40が、カテーテル10を効果的に定着し、カテーテル10の引っ張りを安全に可能にする場合、クランプは、皮膚に固定する必要はない場合もある。カテーテル10の出口は、上述のように、収集パウチ94へと向けられ得る。
図6を参照すると、第2の実施形態は、カテーテル10と内部身体組織との間の接続を確立するための代替密閉および/または締結技術を例証しており、接続は、手術を伴わずに、解除可能である。本技術は、バルーン30、40の一方または両方に加え、あるいはその代替として、使用され得る。第2の実施形態では、フィラメント100が、手術の際、縫合糸および/または手術用ステープルによって、内部身体組織に固定可能な1つ以上の露出されたブリッジ特徴102を提供する。各ブリッジ特徴102は、それぞれの小環104間に延在する。小環104は、単純な開口、または、カテーテル10の表面から隆起するフィラメント100を離間させる胸壁風突起であり得る。フィラメント100は、カテーテル10内において内部を伸び、身体外側の近位カテーテル部分106において近位ループ、または、近位端を提供する。
使用の際、締結を係合解除するために、近位フィラメント部分106が切断され、または別様に締結が解除され、次いで、近位フィラメント部分106の自由端が、小環104ならびに縫合糸および/またはステープルとの係合から、フィラメント100全体を引き抜くように引っ張られる。これによって、除去手術の必要なく、係合を解除し、カテーテル10が引き抜き可能となる。縫合糸および/またはステープルは、経時的に身体によって分解される材料から成り得る。図6の技術を使用して、回腸16の壁とカテーテル10の第1の部分14との間の密閉を向上させ、カテーテル10の周囲の流出物の漏出の危険性を低減し得る。これによって、遮断バルーン30(実装される場合)の膨張圧を減少させる一方、依然として、確実な遮断および密閉機能を達成し得る。代替として、縫合糸/ステープルによる確実な密閉を達成することによって、遮断バルーン30の必要性の代りとし得る。フィラメント100を除去することによるカテーテル10の係合解除能力は、手術を伴わずに、カテーテル10を回腸壁組織から係合解除させる。同一技術を使用して、大腸壁に対して、カテーテル10を締結し得る。所望に応じて、同一締結部位または異なる締結部位において、複数のフィラメント100が使用され得る。
図7を参照すると、一時的瘻孔用器具の第3の実施形態は、腹壁24を通って、少なくとも大腸22内へと挿入される、カテーテル10を備えている。後述のように、カテーテル10は、任意に、回盲弁12を通って延在する、経盲腸部分110を含み得る。第1の実施形態と本実施形態との間の差異は、第1の実施形態では、流出物が、小腸16内からカテーテル10内へと迂回されるが、本実施形態では、流出物が、大腸22内からカテーテル10内へと迂回されることである。
以下の説明では、カテーテル10の部分の参照順序は、第1の実施形態の説明と逆であるが、これは、単に、説明の容易性のためである。カテーテル10は、身体外に延在することが意図される第1の近位部分26と、腹壁24を貫通するように意図される第2の部分25と、大腸22内に受容されることが意図される第3の部分20とを備えている。膨張可能カフまたはバルーン40は、第3の部分20に提供される。バルーン40は、大腸22内において、回盲弁12からの流出物の通過を遮断し、入口開口112において、流出物をカテーテル10内へと迂回させる役割を果たす。本実施形態では、カテーテル10は、大腸22の長さに沿った任意の場所、好ましくは、回盲弁12から少なくとも約10cmの場所に配置され得る。
上述のように、カテーテル10は、任意に、経盲腸部分110を含み得る。経盲腸部分110は、カテーテル10のためのアンカとしての役割を果たし、第3の部分20の入口開口112が、常に、回盲弁12に対向するように配置されるよう確実にし得る。言い換えると、経盲腸部分110は、入口開口112がバルーン40の上流側(大腸22内の流出物の流動に対して)にあるよう確実にする。経盲腸部分110は、そうでなければ、入口開口112を腸側壁またはさらに下流側に転向させ、それによって、排出物の望ましくない遮断を生じさせ得る、腹壁24内の開口の周りにおけるカテーテル10のいかなる偶発的回転も防止し、または少なくとも妨害し得る。流出物がカテーテル10内に自由に排出されない場合、腸内全体の閉塞をもたらし、バルーン40にかかる流出物の圧力を増加させ、バルーン40を通過して流出物が漏出する危険性を増大させる。
任意の経盲腸部分110は、任意に、小腸の回腸16内に受容されることが意図される膨張可能カフまたはバルーン30と、バルーン30をカテーテル10の第3の部分20に結合する1つ以上の可撓性連結部114とを備え得る。バルーン30は、流出物の通過を遮断するように意図されず、回盲弁12の背後に設置されるが、流出物の閉塞をもたらさないような好適な任意の形状を有し得る。例えば、好適な形状は、開いた中心を伴う、幾何環状体またはドーナッツ形状である。可撓性連結部114は、第1の実施形態の膨張管腔36に類似する、膨張管腔36を含む。可撓性連結部114は、カテーテル様であってもよく、またはフィラメント様であり得る。可撓性連結部は、流出物を収容する必要はなく、回盲弁12に対して、第3の部分20の配向を定着するために、単に、バルーン30をカテーテル10の第3の部分20に結合する。
バルーン30、40の遮断および固定機能は、第1の実施形態のバルーンと逆である。本実施形態では、より遠位のバルーン30は、いずれの遮断機能も果たす必要はなく、より低い膨張圧を可能にする。バルーン30、40の構造は、第1の実施形態のバルーン30、40に類似し得る。バルーン30、40のいずれも、弾性的に伸張可能材料から成り得る。しかしながら、バルーン30、40の一方または両方が、使用の際、バルーン30、40が膨張されても、バルーン材料が伸張せず、より低い膨張圧を可能にするように、予成形されることが好ましい。
バルーン40は、第2の実施形態の除去可能ブリッジ特徴102によって補完されてもよく、大腸22内の望ましくない転向に対抗するように、除去可能ブリッジ特徴102または他の手段によって、バルーン40が十分に定着される場合、本除去可能締結は、カテーテル10の経盲腸部分110を不要にし得る。経盲腸部分110が実装される場合、経盲腸部分110はまた、1つ以上の除去可能ブリッジ特徴102を含み得る。そのような解除可能な締結によって、バルーン30を補完し得、またはバルーン30が経盲腸部分110から省略され得る。
第3の実施形態の一時的瘻孔用器具は、第1の(および/または第2の)実施形態と同様に、手術を伴わずに除去され得る。固定バルーン40が収縮され、また、遮断バルーン30(実装される場合)も収縮される。これによって、さらなる手術を伴わずに、カテーテル10の容易な引き抜きが可能となる。
図8を参照すると、一時的瘻孔用器具の第4の実施形態が例証される。第4の実施形態は、独立して使用されてもよく、またはいずれかの先の実施形態の任意の特徴と組み合わせられてもよい。第1から第3の実施形態では、器具は、概して、カテーテル10が、腹壁24を貫通し、および/または大腸22に侵入する部位において、腹壁24に対して直接大腸22を引きつけるが、本実施形態では、フェンダ150が提供され、腹壁24との直接接触から、大腸22の壁154の外側表面を分離および/または緩衝する。フェンダ150は、そうでなければ、腹壁24に対する摩耗および圧縮から生じ得る、大腸22の壁への組織損傷を防止する役割を果たし得、また、瘻孔形成の危険性を低減させ得る。フェンダ150は、カテーテル10を囲み得る。例えば、フェンダ150は、ドーナッツまたは幾何環状体形状であり得る。フェンダ150は、比較的に小さくてもよく(例証されるように)、または比較的に大きくてもよい(破線で示されるように)。大腸22外側のフェンダ150および大腸22内側のバルーン40は、カテーテル10が大腸22に侵入する部位において、両側から腸壁154を挟着および/または緩衝し得る。
フェンダ150は、拡張可能および/または委縮可能であって、挿入および除去を容易にし得る。フェンダ150は、上述のバルーン30、40と類似する膨張可能バルーンまたはカフを備え得る。フェンダ150バルーンは、上述の膨張管腔36、42と類似する膨張管腔152によって、膨張可能/収縮可能である。カテーテル10の挿入に先立って、フェンダ150バルーンは、コンパクト形状に収縮され、腹壁24内の比較的小開口を通して挿入を可能にする。したがって、フェンダ150バルーンは、膨張され(例えば、バルーン30、40の順に)、器具が固定されると、腹壁24から大腸22の壁を分離するフェンダ150として作用する。その後、器具の除去が所望されると、フェンダバルーンは、膨張管腔152を介して、膨張流体を排出することによって収縮され(他のバルーン30、40と同様に)、手術用閉合手技を伴わずに、器具の除去が可能となる。フェンダバルーンは、第1の実施形態のバルーン30、40に類似し得る。フェンダバルーンは、弾性的に伸張可能材料から成ってもよく、またはフェンダバルーンは、使用の際、バルーンが膨張されても、バルーン材料が伸張せず、より低い膨張圧を可能にするように、予成形され得る。
所望に応じて、フェンダ150は、図6の実施形態の1つ以上の縫合可能ブリッジ102によって、定位置に解放可能に固定され得る。
デバイスは、留置時、適切な構成を達成するように、別個の構成要素から組み立てられ得る。
請求される本発明の範囲および/または原理から逸脱することなく、本発明の多くの修正および同等物が可能である。

Claims (31)

  1. 腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルであって、該回腸内に受容されるように意図される第1の管状部分と、該回盲弁に受容されるように意図される第2の管状部分とを含み、該第1および第2の管状部分は、その中に排出チャネルを規定し、該第2の管状部分は、該排出チャネルを委縮させるために、該第1の管状部分より容易に委縮可能である、カテーテル
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  2. 前記第2の管状部分は、前記第1の管状部分より薄い壁厚を有する、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  3. 前記第2の管状部分は、前記第1の管状部分より低いヤング率または硬度を伴うより柔軟な材料から成る、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  4. 前記第2の管状部分は、前記カテーテルが空の時、該カテーテル壁材料の圧縮を伴わずに、外径約1cm未満まで委縮可能である、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  5. 前記第2の管状部分は、流出物通過時、前記カテーテル壁材料の伸張を伴わずに、外径約1cm超まで拡張可能である、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  6. 前記第1および第2の管状部分は、シリコーン、および/またはポリウレタン、およびに/または別のポリマー材料から選択される材料から成る、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  7. 前記大腸内に受容されるように意図される第3の管状部分をさらに備え、前記第2の管状部分は、前記排出チャネルを委縮させるために、該第3の管状部分より容易に委縮可能である、請求項1に記載の一時的瘻孔用器具。
  8. 腹壁を通って腸内へと延在するカテーテルと、
    腸組織に係合するように膨張する、該カテーテル上に担持されている膨張可能バルーンであって、該膨張可能バルーンは、所定のサイズの中空嚢を規定する可撓性材料から成り、該所定のサイズは、該腸組織に対して使用の際に膨張された場合の該バルーンのサイズより実質的に小さくない、膨張可能バルーンと
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  9. 前記バルーンは、前記バルーン壁材料の弾性的伸張を伴わずに、前記所定のサイズに膨張可能である、請求項8に記載の一時的瘻孔用器具。
  10. 前記所定のサイズは、腸内での使用の際に膨張された場合の前記バルーンのサイズより大幅に大きい、請求項8に記載の一時的瘻孔用器具。
  11. 前記バルーンは、厚さ約100ミクロン以下の材料を備えている、請求項8に記載の一時的瘻孔用器具。
  12. 腹壁を通って腸内へと延在するカテーテルであって、使用の際に該腹壁外側からアクセス可能な第1の部分と、使用の際に身体内側で受容される第2の部分とを有するカテーテルと、
    該第2のカテーテル部分において第1と第2の小環との間に延在するフィラメントであって、手術の際に手術用縫合糸または手術用ステープルによって内部身体組織に締結可能なブリッジ特徴を規定し、該カテーテルの該第1の部分まで延在するフィラメントと
    を備え、
    使用の際に、該フィラメントは、該第1の部分における該フィラメントの一部を引っ張ることによって、該小環から引き抜き可能である、一時的瘻孔用器具。
  13. 前記小環は、フィラメントを前記カテーテルの表面から高く離間させる突起を備えている、請求項12に記載の一時的瘻孔用器具。
  14. 前記フィラメントは、前記カテーテル内の内部通路を介して、前記小環から前記第1の部分へと延在する、請求項13に記載の一時的瘻孔用器具。
  15. 前記フィラメントは、前記第1の部分またはその近傍において、前記カテーテルの外部へ通り抜ける、請求項14に記載の一時的瘻孔用器具。
  16. 腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルであって、該カテーテルを通して該回腸から物質を排出するための第1の管腔と、該大腸および/または該回腸の内部と連通し、該大腸および/または該回腸への流体または別個の器具類の進入を可能にする第2の管腔とを備えている、カテーテル
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  17. 腹壁から大腸内へ、回盲弁を通って回腸へと延在する経盲腸カテーテルと、
    手術後の該カテーテルの位置決定を可能にする該カテーテル上の少なくとも1つの放射線不透過性マーカと
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  18. 腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルと、
    使用の際に、該カテーテルまたはカテーテル内容物のパラメータを測定する少なくとも1つのセンサと
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  19. 前記センサは、電子出力信号を発生するように構成されている、請求項18に記載の一時的瘻孔用器具。
  20. 前記センサは、ひずみセンサ、温度センサ、流量センサ、重量センサ、圧力センサから成る群から選択される、請求項18に記載の一時的瘻孔用器具。
  21. 腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルであって、該カテーテルのよじれに抵抗する少なくとも1つの縦方向に延在する補強要素を備えているカテーテル
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  22. 近位部分から腹壁を通って大腸内へ、回盲弁を通って回腸内へと延在する経盲腸カテーテルであって、該大腸および/または回腸の内部空間と連通する管腔を含むカテーテル
    を備え、
    該カテーテルは、該管腔内へのさらなるカテーテルの挿入を可能にするために、該近位部分において閉鎖可能なアクセスポートをさらに備えている、
    一時的瘻孔用器具。
  23. 腹壁から大腸内へと延在するカテーテルであって、該大腸からの流出物の排出のための入口開口を含むカテーテルと、
    該カテーテル上に配置されている膨張可能バルーンであって、該大腸内における流出物の通過を遮断し、該カテーテルを介して排出するための該入口開口へと流出物を迂回させる膨張可能バルーンと
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  24. 前記大腸から前記回盲弁を通って前記回腸内へと延在する経盲腸延長部をさらに備えている、請求項23に記載の一時的瘻孔用器具。
  25. 前記経盲腸延長部は、遠位部分を前記回腸内に設置するために、該遠位部分に膨張可能バルーンをさらに備えている、請求項24に記載の一時的瘻孔用器具。
  26. 前記入口開口は、使用の際に、前記回盲弁から少なくとも10cmにあるように構成されている、請求項24に記載の一時的瘻孔用器具。
  27. 腹壁を通って腸内へと延在するカテーテルと、
    該カテーテルが該腸に侵入する部位において、該腹壁から腸組織を分離するために該カテーテル上に配置されているフェンダと
    を備えている、一時的瘻孔用器具。
  28. 前記フェンダは、選択的に拡張可能および/または委縮可能である、請求項27に記載の一時的瘻孔用器具。
  29. 前記フェンダは、膨張可能バルーンを備えている、請求項28に記載の一時的瘻孔用器具。
  30. 前記カテーテルは、腸内で膨張するバルーンをさらに備え、該腸内で膨張するバルーンと前記フェンダとは、該カテーテルが腸に侵入する部位において、腸壁を挟む、請求項27に記載の一時的瘻孔用器具。
  31. 前記カテーテルは、前記大腸内へ、前記回盲弁を通って前記回腸内へと延在する経盲腸カテーテルである、請求項27に記載の一時的瘻孔用器具。
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